説明

搬送装置、及び搬送用ホルダ

【課題】従来よりも簡素な構成であり、かつ搬送対象物を上下方向に移動させることなくその搬送対象物の受け渡しを行うことが可能な搬送装置を提供する。
【解決手段】シリンジ100を立てた状態で所定の搬送経路に沿って搬送する搬送装置10において、搬送経路に沿って走行するチェーン12と、チェーン12に取り付けられてシリンジ100を側方から支持するホルダ13とを備え、ホルダ13は、チェーン12に取り付けられる本体部14と、本体部14から搬送経路と交差する方向に延び、先端にシリンジ100の胴部101が嵌るポケット17が設けられるとともにそのシリンジ100のフランジ102が載せられる第1支持部15とを有し、ポケット17は、内周にシリンジ100の胴部101の外周が接し、かつその内周の長さが胴部101の外周の長さの半分以下になるように第1支持部15に設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フランジを有する搬送対象物を搬送する搬送装置、及びその搬送対象物を搬送時に支持する搬送用ホルダに関する。
【背景技術】
【0002】
シリンジを立てた状態で搬送するための装置が知られている。例えば、シリンジ支持体にシリンジを鉛直に収容する切欠きが設けられ、その支持体の上面には切欠きに収容されているシリンジのフランジが嵌る座が設けられている供給装置が知られている(特許文献1参照)。その他、本発明に関連する先行技術文献として特許文献2が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−321787号公報
【特許文献2】特開2006−124082号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の装置では、フランジが座に嵌った状態でシリンジが保持されるため、シリンジの受け渡しを行う際などはシリンジを上下方向に動かす必要がある。この場合、シリンジを上下動させるための機構を設ける必要があるため、装置が複雑になるおそれがある。
【0005】
そこで、本発明は、従来よりも簡素な構成であり、かつ搬送対象物を上下方向に移動させることなくその搬送対象物の受け渡しを行うことが可能な搬送装置、及び搬送用ホルダを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の搬送装置は、円筒状の胴部(101)と、前記胴部から半径方向外側に延びるフランジ部(102)と、を有する搬送対象物(100)を立てた状態で所定の搬送経路に沿って搬送する搬送装置(10)において、前記搬送経路に沿って走行する移送手段(12)と、前記移送手段に取り付けられて前記搬送対象物を側方から支持するホルダ(13、50)と、を備え、前記ホルダは、前記移送手段に取り付けられる本体部(14、51)と、前記本体部から前記搬送経路と交差する方向に延び、先端に前記搬送対象物の前記胴部が嵌るポケット(17、54)が設けられるとともにその搬送対象物の前記フランジ部が載せられる支持部(15、52)と、を有し、前記ポケットは、内周に前記搬送対象物の前記胴部の外周が接し、かつその内周の長さが前記胴部の外周の長さの半分以下になるように前記支持部に設けられていることにより、上述した課題を解決する。
【0007】
本発明の搬送装置によれば、ポケットはその内周の長さが搬送対象物の胴部の外周の長さの半分以下であるため、ホルダは胴部の少なくとも半分が露出する状態で搬送対象物を支持する。そのため、この搬送装置の下流に設けられる装置はこの露出している側に搬送対象物を引くことができる。また、搬送対象物のフランジ部は、支持部に載せられているだけであるため、搬送対象物を側方に引けば容易に搬送対象物をホルダから外すことができる。従って、搬送対象物を上下方向に移動させることなく搬送対象物の受け渡しを行うことができる。また、搬送対象物を上下動させる機構が不要なため、装置の構成を簡素化することができる。
【0008】
本発明の搬送装置の一形態において、前記支持部の上面(15a)のうち前記ポケットの周囲には、弾性体(19)が設けられてもよい。この場合、搬送対象物のフランジ部を弾性体で受けることができるので、フランジ部に傷が付くことを防止できる。また、フランジ部と弾性体とを密着させることによってこれらの間の摩擦力を高めることができるので、搬送中に搬送対象物が落下することを十分に抑制できる。
【0009】
本発明の搬送装置の一形態において、前記搬送対象物の前記フランジ部は、前記胴部の一端に設けられており、前記支持部は、前記本体部の上端に設けられ、前記本体部には、前記支持部の下方に前記支持部と離して配置され、前記支持部に前記フランジ部が載せられている搬送対象物の前記胴部が鉛直方向に延びるようにその搬送対象物の前記胴部の他端を支持する補助支持部(16)が設けられてもよい。この場合、搬送対象物が搬送中に揺れることを抑制できるので、搬送中に搬送対象物が落下することを抑制できる。
【0010】
本発明の搬送装置の一形態においては、前記搬送対象物がシリンジであってもよい。周知のようにシリンジには、指を掛けるためのフランジが設けられているため、本発明の搬送装置で適切に搬送できる。
【0011】
本発明の搬送用ホルダは、円筒状の胴部(101)と、前記胴部から半径方向外側に延びるフランジ部(102)と、を有する搬送対象物(100)を立てた状態で側方から支持し、所定の搬送経路に沿って走行する移送手段(12)に取り付けられる搬送用ホルダ(13、50)において、前記移送手段に取り付けられる本体部(14、51)と、前記本体部から前記搬送経路と交差する方向に延び、先端に前記搬送対象物の前記胴部が嵌るポケット(17、54)が設けられるとともにその搬送対象物の前記フランジ部が載せられる支持部(15、52)と、を備え、前記ポケットは、内周に前記搬送対象物の前記胴部の外周が接し、かつその内周の長さが前記胴部の外周の長さの半分以下になるように前記支持部に設けられていることにより、上述した課題を解決する。
【0012】
本発明の搬送用ホルダによれば、上述した搬送装置と同様に、搬送対象物は胴部の少なくとも半分が露出する状態でホルダに支持される。そのため、ホルダに支持されている搬送対象物に対して露出している側から容易にアクセスすることができる。また、搬送対象物のフランジ部は支持部に載せられているだけであるため、搬送対象物を側方に引けば容易に搬送対象物をホルダから外すことができる。そのため、搬送対象物を上下方向に移動させることなく搬送対象物の受け渡しを行うことができる。また、搬送対象物を上下動させる機構が不要なため、装置の構成を簡素化することができる。
【0013】
本発明の搬送用ホルダの一形態において、前記支持部の上面(15a)のうち前記ポケットの周囲には、弾性体(19)が設けられてもよい。また、前記搬送対象物の前記フランジ部は、前記胴部の一端に設けられており、前記支持部は、前記本体部の上端に設けられ、前記本体部には、前記支持部の下方に前記支持部と離して配置され、前記支持部に前記フランジ部が載せられている搬送対象物の前記胴部が鉛直方向に延びるようにその搬送対象物の前記胴部の他端を支持する補助支持部(16)が設けられてもよい。そして、前記搬送対象物がシリンジであってもよい。弾性体又は補助支持部により搬送中における搬送対象物の落下を十分に抑制できる。また、弾性体により搬送対象物のフランジ部に傷が付くことを防止できる。
【0014】
なお、以上の説明では本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記したが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【発明の効果】
【0015】
以上に説明したように、本発明によれば、ホルダは胴部の少なくとも半分が露出する状態で搬送対象物を支持するので、この露出している側に搬送対象物を引くことができる。また、搬送対象物のフランジ部は支持部に載せられているだけであるため、搬送対象物を側方に引けば容易に搬送対象物をホルダから外すことができる。従って、搬送対象物を上下方向に移動させることなく搬送対象物の受け渡しを行うことができる。また、搬送対象物を上下動させる機構が不要なため、装置の構成を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の第1の形態に係る搬送装置が組み込まれた検査装置の概略を示す図。
【図2】搬送装置で搬送されるシリンジを示す図。
【図3】図1の搬送装置の一部を拡大して示す図。
【図4】図1の搬送装置に設けられているホルダを拡大して示す図。
【図5】図1の受け渡し位置における搬送装置及び第1ホイール式搬送装置の状態を示す図。
【図6】本発明の第2の形態に係る搬送装置のホルダを示す図。
【図7】図6のVII−VII線におけるホルダの断面を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
(第1の形態)
図1は、本発明の第1の形態に係る搬送装置が組み込まれた検査装置の概略を示している。この検査装置1は、図2に示した搬送対象物としてのシリンジ100を所定経路に沿って搬送しつつシリンジ100の異常の有無を検査するものである。シリンジ100は、医療などに使用される周知のものであり、円筒状の胴部101を備えている。胴部101の一端には半径方向外側に延びるフランジ102が設けられ、他端には注射針等が装着されるノズル103が設けられている。
【0018】
検査装置1は、シリンジ100を所定経路に沿って搬送するために搬送方向上流側から順に搬送装置10、第1ホイール式搬送装置20、第2ホイール式搬送装置30、及び第3ホイール式搬送装置40を備えている。各ホイール式搬送装置20、30、40は、ホイール21、31、41の外周に等間隔で設けられたポケット22、42にシリンジ100を取り込んで搬送する周知のものである。なお、第2ホイール式搬送装置30についてはポケットの図示を省略した。第1ホイール式搬送装置20は、シリンジ100の胴部101を掴んで把持する把持状態と胴部101の把持を解除する解放状態とに切り替え可能な複数のチャック(図5参照)23を備えている。これらチャック23は、各ポケット22にそれぞれ設けられている。各チャック23は、搬送装置10からシリンジ100を受け取る受け渡し位置P1において把持状態に切り替えられ、第2ホイール式搬送装置30にシリンジ100を渡す位置P2において解放状態に切り替えられるように開閉駆動される。第2ホイール式搬送装置30の周囲には複数のカメラ(不図示)が配置されており、検査装置1はこれらカメラで撮像した画像に基づいてシリンジ100の異常の有無を診断する。
【0019】
図3は、搬送装置10の一部を拡大して示している。この搬送装置10は、シリンジ100を第1ホイール式搬送装置20に所定の間隔で供給するために設けられている。搬送装置10は、複数(図1及び図3では1つのみを示す。)のスプロケット11と、それらスプロケット11に巻き掛けられる移送手段としてのチェーン12とを備えている。複数のスプロケット11のうちの1つは不図示のモータにて回転駆動され、これによりチェーン12が走行する。チェーン12は、一対の内プレート12aと一対の外プレート12bとが交互に連結されている周知のローラチェーンである。この図に示したようにチェーン12の各プレート12a、12bには、シリンジ100を支持するためのホルダ13がそれぞれ取り付けられている。そのため、チェーン12が走行することによりホルダ13が所定の搬送経路に沿って搬送される。この図に示したように複数のホルダ13は、チェーン12の走行経路の外周側に並ぶように設けられている。
【0020】
図4に拡大して示したようにホルダ13は、プレート12a、12bに固定される本体部14と、本体部14の一端に設けられた第1支持部15と、本体部14の他端に設けられた補助支持部としての第2支持部16とを備えている。第1支持部15及び第2支持部16は、本体部14からチェーン12の走行経路の外周側に延びるように設けられている。第1支持部15と第2支持部16とは、第1支持部15がシリンジ100の胴部101の上部を支持し、第2支持部16が胴部101の下部を支持するように離して設けられている。図3に示したように第1支持部15の先端には、シリンジ100の胴部101が嵌るポケット17が設けられている。同様に第2支持部16の先端にもシリンジ100の胴部101が嵌るポケット18が設けられている。ポケット17及びポケット18は、その内周にシリンジ100の胴部101の外周が接するように胴部101と同じ半径で形成されている。また、各ポケット17、18は、内周の長さが胴部101の外周の長さの半分よりも若干短くなるようにそれぞれ形成されている。すなわち、各ポケット17、18は、第1支持部15又は第2支持部16の先端から胴部101の半径の長さに達しない範囲で凹むように設けられている。第1支持部15の上面15aは、平らに形成されている。この上面15aのうちポケット17の周囲には、弾性体としてのゴム19が設けられている。ホルダ13は、第1支持部15が上に配置され、かつポケット17とポケット18とが鉛直方向に並ぶようにプレート12a、12bに取り付けられている。
【0021】
搬送装置10では、ホルダ13にシリンジ100を支持させて搬送する。この際、図4に示したようにシリンジ100は、胴部101が各ポケット17、18に嵌り、かつフランジ102が第1支持部15の上に載せられることによりホルダ13に支持される。これによりシリンジ100はフランジ102を上にして立った状態でホルダ13に支持される。この際、シリンジ100は、ホルダ13とは反対側の半分の部分が露出するようにホルダ13に支持される。また、この際、フランジ102はゴム19の上に載せられる。
【0022】
次に図3及び図5を参照して搬送装置10及び第1ホイール式搬送装置20の動作について説明する。図5は、受け渡し位置P1における搬送装置10及び第1ホイール式搬送装置20の状態を示している。搬送装置10のチェーン12と第1ホイール式搬送装置20のホイール21とは、受け渡し位置P1にホルダ13とポケット22とが同じタイミングで到達するように駆動されている。そのため、ホルダ13に支持されているシリンジ100が受け渡し位置P1に達するとチャック23はそのシリンジ100の胴部101を掴むことが可能な位置に移動する。チャック23は、この受け渡し位置P1において把持状態に切り替えられるので、シリンジ100はチャック23に把持される。上述したようにシリンジ100はフランジ102がホルダ13の第1支持部15に載せられているだけであるため、チャック23が把持したままホイール21が回転するとシリンジ100がホルダ13から外れて第1ホイール式搬送装置20のポケット22に取り込まれる。これにより搬送装置10から第1ホイール式搬送装置20へのシリンジ100の受け渡しが完了する。
【0023】
以上に説明したように、第1の形態の搬送装置10によれば、シリンジ100はホルダ13とは反対側の部分が露出するようにホルダ13に支持されている。そのため、チャック23及びシリンジ100をそれぞれ上下方向に移動させることなくホルダ13に支持されているシリンジ100をチャック23で掴むことができる。また、フランジ102が載せられている第1支持部15の上面15aは平らに形成されているので、フランジ102とゴム19との間の摩擦力より大きい力で横方向に引けばシリンジ100をホルダ13から外すことができる。すなわち、シリンジ100を上下動させることなくホルダ13から外すことができる。従って、この搬送装置10によれば、シリンジ100を上下方向に移動させることなくこのシリンジ100の受け渡しを行うことができる。また、これにより装置の構成を簡素化できる。
【0024】
第1支持部15の上面15aのうちポケット17の周囲にゴム19を設けたので、シリンジ100とホルダ13との間の摩擦力を高めることができる。そのため、搬送中にシリンジ100が落下することを十分に抑制できる。また、このようにゴム19を設けることにより、フランジ102に傷が付くことを防止できる。この搬送装置10では、ホルダ13に支持されている際にシリンジ100の下部が第2支持部16に支持されるので、搬送中にシリンジ100の下部が揺れることを十分に抑制できる。そのため、これによっても搬送中のシリンジ100の落下を抑制できる。
【0025】
(第2の形態)
図6及び図7を参照して第2の形態に係る搬送装置について説明する。図6は、この形態の搬送装置のホルダを示している。また、図7は、図6のVII−VII線におけるホルダの断面を示している。なお、この形態はホルダ以外の部分は第1の形態と同じである。そのため、これら第1の形態と共通の部分については図示及び説明を省略した。
【0026】
図6に示したようにこの形態のホルダ50は、本体部51と、本体部51の一端に取り付けられた第1支持部52と、本体部51の他端に取り付けられた第2支持部53とを備えている。第1支持部52及び第2支持部53は、それぞれフッ素樹脂製である。この形態においても、第1支持部52及び第2支持部53は、本体部51からチェーン12の走行経路の外周側に延びるように設けられている。また、第1支持部52と第2支持部53とは、第1支持部52がシリンジ100の胴部101の上部を支持し、第2支持部53がノズル103を支持するように離して設けられている。
【0027】
第1支持部52の上面52aは、平らに形成されている。また、第1支持部52の先端には、シリンジ100の胴部101が嵌るポケット54が設けられている。第1の形態と同様にこのポケット54は、その内周にシリンジ100の胴部101の外周が接するように胴部101と同じ半径で形成されている。また、このポケット54は、内周の長さが胴部101の外周の長さの半分よりも若干短くなるように形成されている。すなわち、このポケット54も第1の形態と同様に、第1支持部52の先端から胴部101の半径の長さに達しない範囲で凹むように設けられている。第2支持部53の先端にはシリンジ100のノズル103が嵌るポケット55が設けられている。図7に示したように第2支持部53の上面53aのうちポケット55の周囲には、シリンジ100の胴部101の下端を支持可能なように窪む凹部56が設けられている。なお、この凹部56の形状は、胴部101の下端の形状に応じて適宜に変更してよい。
【0028】
図6に示したようにシリンジ100は、胴部101がポケット54に嵌るとともにノズル103がポケット55に嵌り、かつフランジ102が第1支持部52の上に載せられた状態でホルダ50に支持される。これによりシリンジ100はフランジ102を上にして立った状態でホルダ50に支持される。この際、シリンジ100は、ホルダ50とは反対側の半分の部分が露出するようにホルダ50に支持される。そして、このようにシリンジ100がホルダ50に支持された状態でチェーン12が走行することにより、シリンジ100が所定の搬送経路に沿って搬送される。
【0029】
以上に説明したように、この形態においてもシリンジ100をホルダ50とは反対側の部分が露出するようにホルダ50にて支持することができる。そのため、受け渡し位置P1においてチャック23及びシリンジ100をそれぞれ上下方向に移動させることなくホルダ50に支持されているシリンジ100をチャック23で掴むことができる。また、フランジ102が載せられている第1支持部52の上面52aは平らに形成されているので、横方向に引けばシリンジ100をホルダ53から外すことができる。すなわち、この形態においてもシリンジ100を上下動させることなくホルダ50から外すことができる。従って、この形態においても、シリンジ100を上下方向に移動させることなくこのシリンジ100の受け渡しを行うことができる。また、これにより装置の構成を簡素化できる。
【0030】
本発明は上述した各形態に限定されることなく種々の形態にて実施してよい。例えば、本発明の搬送装置の搬送対象物はシリンジに限定されない。例えば、ペットボトルの予備成型品であるプリフォームを本発明の搬送装置で搬送してもよい。この他、本発明の搬送装置は、円筒状の胴部及びその胴部から半径方向外側に延びるフランジを有する種々の物品の搬送に使用してよい。
【0031】
ホルダのポケットの形状は、上述した形態で示した形状に限定されない。例えば、このポケットは、内周の長さがシリンジの胴部の外周の長さの半分より小さくなるように設けられていてもよい。シリンジの胴部が嵌るポケットの半径は、シリンジの胴部と同じ半径に限定されない。胴部がポケットに嵌り、かつ胴部の外周の一部がポケットの内周に接すればよい。そのため、ポケットの半径は、胴部の半径よりも若干大きくてもよい。
【0032】
上述した各形態ではホルダをチェーンに取り付けたが、これに限定されずホルダはベルト等所定の搬送経路に沿って走行可能に設けられた種々の機構に取り付けてよい。ホルダの第1支持部の上面にはゴムの代わりに例えばエラストマー等フランジとの摩擦係数を高めることができる種々の弾性体を設けてもよい。また、第1支持部とフランジとの間の摩擦係数が十分に高いのであれば、ゴムは無くてもよい。搬送対象物が十分に短く、第1支持部でフランジを支持すれば搬送中に搬送対象物の揺れを抑えることができるのであれば、第2支持部は無くてもよい。
【符号の説明】
【0033】
10 搬送装置
12 チェーン(移送手段)
13 ホルダ
14 本体部
15 第1支持部
15a 第1支持部の上面
16 第2支持部(補助支持部)
17 ポケット
19 ゴム(弾性体)
50 ホルダ
51 本体部
52 第1支持部
52a 第1支持部の上面
54 ポケット
100 シリンジ(搬送対象物)
101 胴部
102 フランジ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
円筒状の胴部と、前記胴部から半径方向外側に延びるフランジ部と、を有する搬送対象物を立てた状態で所定の搬送経路に沿って搬送する搬送装置において、
前記搬送経路に沿って走行する移送手段と、前記移送手段に取り付けられて前記搬送対象物を側方から支持するホルダと、を備え、
前記ホルダは、前記移送手段に取り付けられる本体部と、前記本体部から前記搬送経路と交差する方向に延び、先端に前記搬送対象物の前記胴部が嵌るポケットが設けられるとともにその搬送対象物の前記フランジ部が載せられる支持部と、を有し、
前記ポケットは、内周に前記搬送対象物の前記胴部の外周が接し、かつその内周の長さが前記胴部の外周の長さの半分以下になるように前記支持部に設けられていることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記支持部の上面のうち前記ポケットの周囲には、弾性体が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記搬送対象物の前記フランジ部は、前記胴部の一端に設けられており、
前記支持部は、前記本体部の上端に設けられ、
前記本体部には、前記支持部の下方に前記支持部と離して配置され、前記支持部に前記フランジ部が載せられている搬送対象物の前記胴部が鉛直方向に延びるようにその搬送対象物の前記胴部の他端を支持する補助支持部が設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記搬送対象物がシリンジであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の搬送装置。
【請求項5】
円筒状の胴部と、前記胴部から半径方向外側に延びるフランジ部と、を有する搬送対象物を立てた状態で側方から支持し、所定の搬送経路に沿って走行する移送手段に取り付けられる搬送用ホルダにおいて、
前記移送手段に取り付けられる本体部と、前記本体部から前記搬送経路と交差する方向に延び、先端に前記搬送対象物の前記胴部が嵌るポケットが設けられるとともにその搬送対象物の前記フランジ部が載せられる支持部と、を備え、
前記ポケットは、内周に前記搬送対象物の前記胴部の外周が接し、かつその内周の長さが前記胴部の外周の長さの半分以下になるように前記支持部に設けられていることを特徴とする搬送用ホルダ。
【請求項6】
前記支持部の上面のうち前記ポケットの周囲には、弾性体が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の搬送用ホルダ。
【請求項7】
前記搬送対象物の前記フランジ部は、前記胴部の一端に設けられており、
前記支持部は、前記本体部の上端に設けられ、
前記本体部には、前記支持部の下方に前記支持部と離して配置され、前記支持部に前記フランジ部が載せられている搬送対象物の前記胴部が鉛直方向に延びるようにその搬送対象物の前記胴部の他端を支持する補助支持部が設けられていることを特徴とする請求項5又は6に記載の搬送用ホルダ。
【請求項8】
前記搬送対象物がシリンジであることを特徴とする請求項5〜7のいずれか一項に記載の搬送用ホルダ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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