説明

搬送装置およびこれを備えた組合せ計量装置、品質検査装置

【課題】 搬送中に容器の順番を入れ替えることで、組合せ計量装置における排出処理や品質検査装置におけるランク選別処理等を高速化することが可能な搬送装置を提供する。
【解決手段】 組合せ計量装置10では、回転テーブル11を回転駆動することにより、回転テーブル11上に載置された複数の容器Cを移動させながら、容器入替機構20において制御部30によって指定された容器Cの前後の順番を入れ替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、容器に入れられた物品に対して計量や検査を行う組合せ計量装置や品質検査装置等に搭載された搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、複数の容器に物品を投入して搬送する搬送装置を備えた組合せ計量装置等の装置が用いられている。
例えば、特許文献1には、複数の容器をZ型に循環移動させながら所望の容器から物品の排出を行う自動組合せ計量機が開示されている。ここでは、複数の容器を循環させながら所定の排出位置まで移動してきた容器を反転させることで、容器内から物品を排出する。
【特許文献1】特開平9−229755号公報(平成9年9月5日公開)
【特許文献2】特開平8−29242号公報(平成8年2月2日公開)
【特許文献3】特開2003−270031号公報(平成15年9月25日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記従来の装置では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された自動組合せ計量機では、物品が投入された容器の順番を入れ替えることができないため、組合せ計量において選択された容器が所定の排出位置に移動してくるまで待つ必要がある。このため、選択された全ての容器から物品を排出する処理を高速化することは困難である。
【0004】
本発明の課題は、搬送中に容器の順番を入れ替えることで、組合せ計量装置における排出処理や品質検査装置におけるランク選別処理等を高速化することが可能な搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明に係る搬送装置は、搬送部と、順番入替機構と、制御部と、を備えている。搬送部は、複数の容器を搬送する。順番入替機構は、搬送部において搬送中の複数の容器のうち、選択された複数の容器の順番を入れ替える。制御部は、順番入替機構によって入れ替える容器を指定する。
ここでは、複数の容器を同時に搬送する搬送部を備えた搬送装置であって、制御部において指定された複数の容器(例えば2つ)の順番を入れ替える順番入替機構を備えている。ここで、制御部は、上流側に配置された組合せ計量部や品質検査部からの計量結果、検査結果に基づいて、順番を入れ替える容器を指定する。そして、順番入替機構は、制御部によって指定された容器の順番を容器の搬送中に入れ替える。
【0006】
これにより、例えば、本発明の搬送装置を組合せ計量装置に搭載した場合には、計量された物品が投入された複数の容器を搬送中に順番を入れ替えて、組合せ計量において排出される順番に容器を入れ替えることができる。この結果、選択された容器から計量済みの物品を排出する処理を連続して行うことができるため、処理を高速化することができる。
一方、本発明の搬送装置を品質検査装置に搭載した場合には、品質検査の結果、ランク付けされた複数の物品について、同じランクの物品が固まるように物品が投入されている容器の順番を入れ替えることができる。この結果、品質検査装置においてランク付けされた物品を搬送中にランク分けすることで、ランク分けの処理を高速化することができる。
【0007】
さらに、正常品、不良品を単純に判断するだけの品質管理機器に本発明の搬送装置を搭載した場合には、正常品を所定の個数分固めるように容器の順番を入れ替えることができる。この結果、例えば、正常品を24個まとめて箱詰めする場合には、搬送中に24個にまとめられた正常品をそのまま箱詰めすることができる。また、不良品を所定数だけまとめた場合にも、一挙に不良品を回収することができる。このため、正常品の箱詰めや不良品の回収等の後処理を効率よく行うことができる。
【0008】
第2の発明に係る搬送装置は、第1の発明に係る搬送装置であって、順番入替機構は、選択された隣接する2つの容器の順番を入れ替える。
ここでは、順番入替機構が、制御部において指定された互いに隣り合う2つの容器の順番を入れ替える。
これにより、最も単純な制御によって、搬送中の容器の順番を入れ替えることができる。この結果、組合せ計量装置に搭載されている場合には、容器に投入されている物品を排出する順番になるように容器の順番を入れ替えることで、排出処理を高速化できる。また、品質検査装置に搭載されている場合には、容器に投入されている物品の品質に応じて容器の順番を入れ替えることで、容易に物品のランク分けを行うことができる。
【0009】
第3の発明に係る搬送装置は、第1または第2の発明に係る搬送装置であって、順番入替機構は、順番を入れ替える容器を保持する一対の保持部と、保持部の中間の位置に配置された回転軸と、回転軸を中心にして一対の保持部を回転させる駆動部と、を有している。
ここでは、順番を入れ替える複数の容器を保持する保持部を、保持部の中間の位置に配置された回転軸を中心として駆動部によって略180度回転させる。
【0010】
これにより、例えば、2つの容器の順番を入れ替える場合には、2つの容器を保持する保持部の間に配置された回転軸を中心にして保持部を容器ごと180度回転させることで、制御部において指定された容器の順番を容易に入れ替えることができる。
第4の発明に係る搬送装置は、第1から第3の発明のいずれか1つに係る搬送装置であって、順番入替機構は、搬送部によって搬送される容器の搬送径路に沿って配置されている。
【0011】
ここでは、容器の順番を入れ替える順番入替機構を、容器が搬送される搬送径路に沿って配置している。
これにより、搬送中の複数の容器のうち、制御部において指定された容器が順番入替機構の位置まで搬送されてきた容器の順番を容易に入れ替えることができる。
第5の発明に係る搬送装置は、第1から第4の発明のいずれか1つに係る搬送装置であって、順番入替機構は、容器を略水平面内で回転移動させて順番を入れ替える。
【0012】
ここでは、順番を入れ替える容器を水平面内で回転移動させて容器を所望の順番に入れ替えている。
これにより、搬送中の容器の順番を入れ替える場合でも、容器内に投入された物品が容器外へこぼれてしまうことを回避することができる。
第6の発明に係る搬送装置は、第1から第5の発明のいずれか1つに係る搬送装置であって、順番入替機構は、搬送部によって容器が搬送される搬送径路に沿って複数配置されている。
【0013】
ここでは、容器の搬送径路に沿って複数の順番入替機構を備えている。
これにより、同時に複数の容器の入替を行うことができるため、より効率的に容器を所望の順番に入れ替えることができる。
第7の発明に係る組合せ計量装置は、第1から第6の発明のいずれか1つに係る搬送装置と、容器に投入された物品の計量を行う計量部と、搬送装置において所望の順番に並び替えられた複数の容器から物品を排出する排出部と、を備えている。
【0014】
ここでは、本発明の搬送装置を、組合せ計量装置に搭載している。
これにより、組合せ計量装置において選択された複数の容器を、排出位置へ搬送されるまでの間に連続して並ぶように順番を入れ替えることができる。この結果、排出部においては、連続して配置されている選択された容器から連続的に物品を排出することができるため、処理を高速化することが可能な組合せ計量装置を提供できる。
【0015】
第8の発明に係る品質検査装置は、第1から第6の発明のいずれか1つに係る搬送装置と、容器に投入された物品の品質検査を行う検査部と、を備えている。
ここでは、本発明の搬送装置を、ランク選別機やシールチェッカ等の品質検査装置に搭載している。
これにより、品質検査装置において検査された容器内の物品について、例えば、ランク選別機においてはランク順に並び替える処理を搬送中に行うことができる。この結果、搬送中に所望の順番に容器を並び替えることで、品質検査を実施した後の処理を高速化することが可能な品質検査装置を提供することができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の搬送装置によれば、例えば、組合せ計量装置に搭載した場合には、計量された物品が投入された複数の容器を搬送中に順番を入れ替えて、組合せ計量において排出される順番に容器を入れ替えることができるため、選択された容器から計量済みの物品を排出する処理を連続して行って処理を高速化することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の一実施形態に係る搬送装置を搭載した組合せ計量装置について、図1〜図7を用いて説明すれば以下の通りである。
[組合せ計量装置10全体の構成]
本実施形態に係る組合せ計量装置10は、図1(a)および図1(b)に示すように、回転テーブル(搬送部)11上に固定配置された複数の計量器25上に載置された容器Cを、回転テーブル11を回転駆動することにより回転移動させながら各計量器25において計量を行う組合せ計量装置である。そして、各計量器25における計量結果に基づいて、制御部30(図7参照)が組合せ計量の演算を行って所望の容器Cを選択して容器Cから被計量物を排出させることで組合せ計量を行う。また、組合せ計量装置10は、回転テーブル11と、供給部12と、計量部13と、排出部15と、容器入替機構(順番入替機構)20と、制御部30(図7参照)とを備えている。
【0018】
回転テーブル11は、円形の板状部材であって、回転駆動部23(図7参照)によって円の中心を回転軸として略水平面内において回転駆動されるとともに、その上面には複数(図2に示す例では20個)の計量器25が固定配置されている。
供給部12は、後述する供給・計量ゾーンZ1において、回転中の容器Cに対して被計量物を投入する。なお、供給部12としては、例えば、コンベアや振動フィーダ等の供給装置を用いることができる。
【0019】
計量部13は、複数の計量器25を有しており、同じく後述する供給・計量ゾーンZ1において、供給部12によって容器Cに投入された被計量物の重量を測定する。なお、計量器25は、その上部に載置された容器Cの重量を測定するロードセルである。
容器入替機構20は、図3(b)および図4(a)等に示すように、各計量器25(容器C)の間のスペースに1つおきに配置されており、後述するストック・入れ替えゾーンZ2において、引っ掛け部材21(図4(a)等参照)を略水平面内において回転させることにより、互いに隣り合う2個の容器Cの順番を入れ替える。なお、この容器入替機構20の詳しい構成については、後段にて詳述する。
【0020】
排出部15は、後述する排出ゾーンZ3において、組合せ計量の演算によって選択された容器Cから被計量物を排出する。このとき、上記容器入替機構20によって組合せ計量に参加する容器Cは1つの固まりになるように順番が入れ替えられているため、その選択された容器Cの固まり部分が、排出ゾーンZ3に移動してくるとその容器Cから連続的に被計量物を排出することができる。
【0021】
制御部30は、図7に示すように、供給部12と、計量部13と、排出部15と、容器順番入替機構20と、記憶部26と、回転テーブル駆動機構27と接続されており、記憶部26に格納されている各種プログラムに従って各部の動作を制御する。ここで、記憶部26には、組合せ計量において選択された容器Cの回転テーブル11における相対的な位置が記憶される。このため、制御部30では、記憶部26に記憶されている所望の容器Cの位置を確認しながら選択された容器Cが1つの固まりになるように所望の容器入替機構20の動作を制御する。
【0022】
また、本実施形態の組合せ計量装置10では、容器Cに対する被計量物の供給、被計量物の計量、容器Cの順番の並び替え、容器Cから被計量物の排出といった各工程を、回転テーブル11を回転させながら行う。より詳細には、組合せ計量装置10では、図1(a)および図2に示すように、回転する回転テーブル11に対して、供給・計量ゾーンZ1、ストック・並び替えゾーンZ2および排出ゾーンZ3という3つの領域が形成される。つまり、被計量物が供給されていない空の状態で供給・計量ゾーンZ1へ移動してきた容器Cは、供給部12から所定の重量範囲に収まる量の被計量物が投入されて、各計量器25によって計量される。このとき、計量器25では、事前に容器Cが空の状態にあるときの重量を計量しているため、被計量物が投入された後の重量値から空の容器の重量値を引き算することで、容器Cに投入された被計量物の重量を算出することができる。制御部30(図7参照)では、以上のようにして算出された被計量物の計量値を用いて組合せ計量の演算を行う。次に、ストック・並び替えゾーンZ2に移動してきた容器Cは、制御部30における複数の被計量物の重量値を用いた組合せ計量の演算の結果、選択された複数の容器Cが連続した並びになるように、容器入替機構20によってその配置順が入れ替えられる。ストック・並び替えゾーンZ2において、容器入替機構20によって並び替えが完了した容器Cは、排出ゾーンZ3に移動して排出部15によってその配置順に被計量物を排出させられる。なお、このときの排出部15による容器C内からの被検査物の排出は、容器Cを反転させるように転倒させて行ってもよいし、容器Cごと回転テーブル11上から取り出して行ってもよい。以上のように排出部15によって容器Cの配置順に排出された被計量物は、下流側に配置された図示しない製袋包装機等に対して供給され、所定の重量範囲内になるように集合した後で梱包される。
【0023】
<容器入替機構20の構成>
容器入替機構20は、その両側に載置された2つの容器Cの順番を入れ替える機構であって、図3(b)および図4(a)等に示すように、回転テーブル11上に複数配置された容器Cの間のスペースに1つおきに設けられており、回転テーブル11の回転に伴って容器Cとともに旋回移動する。そして、容器入替機構20は、図5(a)および図5(b)に示すように、引っ掛け部材21と、回転軸22と、回転駆動部(駆動部)23とを備えている。
【0024】
引っ掛け部材21は、その両端部分に容器Cを保持して搬送するために形成された円弧部(一対の保持部)21aを有している。円弧部21aは、容器Cの底部分C1を側面から引っ掛けるようにして隣接する2つの容器Cを保持する。
回転軸22は、図4(a)〜図4(c)に示すように、容器C(計量器25)の間のスペースに1つおきに配置されており、引っ掛け部材21の中心部分と接続されている。そして、回転駆動部23からの回転駆動力を受けて引っ掛け部材21を回転させる。
【0025】
回転駆動部23は、制御部30において選択された容器Cが所定の順番で排出されるように、順番を入れ替えたい容器Cの間に配置された容器入替機構20において引っ掛け部材21を回転させるように制御部30によって制御される。制御部30は、このような動作をストック・並び替えゾーンZ2において繰り返し行うことで、排出ゾーンZ3に移動するまでの間に容器Cを所望の順番に並び替えることができる。
【0026】
また、容器入替機構20は、図4(a)に示すように、引っ掛け部材21が容器Cの旋回軌道により形成される円の半径方向に沿って長手方向を向けた状態を初期位置として待機している。そして、回転テーブル11の回転に伴って計量器25とともに旋回移動する。制御部30は、容器Cの順番を入れ替える際には、組合せ計量の演算において選択した容器Cに対して、図4(b)に示すように、引っ掛け部材21を図4(a)に示す初期位置から約90度回転させた位置で容器Cの底部分C1を保持させる。そして、引っ掛け部材21をそこからさらに約180度回転させて互いに隣り合う容器Cの順番を入れ替える。その後、制御部30は、図4(c)に示すように、引っ掛け部材21を、反対方向に約90度回転させた後、停止させて元の初期位置へと戻す。
【0027】
<容器Cの入れ替え動作>
ここで、本実施形態の組合せ計量装置10において、制御部30において選択された容器Cを所望の順番に入れ替える際の容器Cの動きについて、図2および図6を用いて説明すれば以下の通りである。なお、図6に示す番号は制御部30によって付与された容器Cの排出順を示す数値であり、時間経過に伴って下段に記載した状態へと移行することを意味している。そして、容器Cの入れ替えを行わない場合には容器Cは回転テーブル11の回転によって1つずつ下流側へと移動し、容器Cの入れ替えを行った場合には、2つずつ下流側へ移動するものとする。例えば、組合せ計量の演算において3つあるいは4つの重量値を組み合わせて排出したい場合には、それらの重量値の被計量物が固まって排出されるように容器Cの順序を決めて排出する必要がある。このため、本実施形態では、例えば、下流側に配置された製袋包装機等の装置に対して所定の重量範囲になる被計量物を連続して排出することができるように容器Cの入れ替えを行うことで、組合せ計量を行う。
【0028】
すなわち、制御部30は、供給・計量ゾーンZ1において、各計量器25によって計量された被計量物の重量値を各計量器25から入手して組合せ計量の演算を行う。そして、その重量値のデータの入手が完了した時点で、ストック・並び替えゾーンZ2において容器入替機構20を制御して容器Cが所望の配置順になるように並び替えを行う。
具体的には、制御部30は、図6に示すように、排出の順番が1番とされた容器Cを排出ゾーンZ3に受け入れると、1番の容器Cとその搬送方向前方(以下、単に「前」と示す)の容器Cとを入れ替える。これは、できるだけ早く1番の容器Cが排出位置まで到達するようにするための容器Cの入れ替えである。
【0029】
次に、制御部30は、排出の順番が2番とされた容器Cを受け入れるとともに、1番の容器とその前の容器Cを入れ替え、さらに2番の容器とその前の容器Cについても入れ替える。これにより、1番、2番の容器Cをできるだけ早く排出位置まで移動させる。ここで、1番の容器Cが排出位置まで移動すると1番の容器Cから被計量物が排出される。なお、空になった1番の容器Cは、供給・計量ゾーンZ1へと移動して再度被計量物が供給され、計量が行われる。
【0030】
次に、制御部30は、4番の容器Cを受け入れるとともに、2番の容器Cをその前の容器Cと入れ替える。そして、制御部30は、排出部15を駆動させて、排出位置まで移動させた2番の容器Cから被計量物を排出させる。
次に、制御部30は、5番の容器Cを受け入れるとともに、3番の容器Cと4番の容器Cとをそれぞれその前の容器Cと入れ替える。そして、制御部30は、排出部15を駆動させて、排出位置まで移動させた3番の容器Cから被計量物を排出させる。
【0031】
次に、制御部30は、6番の容器Cを受け入れるとともに、4番の容器Cとその前の容器Cの順番を入れ替える。そして、制御部30は、排出位置まで移動させた4番の容器Cから被計量物を排出させる。
以下、同様にして制御部30によって排出の順番を指定された容器Cを並び替えることで、所望の排出順で被計量物を排出することが可能になる。
【0032】
[本組合せ計量装置10の特徴]
(1)
本実施形態の組合せ計量装置10では、図1に示すように、回転テーブル11と、回転テーブル11上に複数載置された容器Cと、容器Cに対して被計量物を供給する供給部12と、容器Cに投入された被計量物を計量する計量部13と、容器Cから被計量物を排出する排出部15と、を備えている。そして、組合せ計量装置10では、図4(a)〜図4(c)に示すように、回転テーブル11を回転駆動することにより、回転テーブル11上に載置された複数の容器Cを移動させながら、容器入替機構20において制御部30によって指定された容器Cの前後の順番を入れ替える。
【0033】
このように、容器Cを排出位置まで搬送する間に、計量済の被計量物が投入された複数の容器Cの配置順を排出する順番に並び替えることで、組合せ計量を効率よく行うことができる。
(2)
本実施形態の組合せ計量装置10では、容器入替機構20が、互いに隣接する位置にある2つの容器Cの順番を入れ替える。
【0034】
これにより、搬送中の複数の容器Cの順番を所望の順番に並び替える際における制御部30による容器入替機構20の駆動制御を最も単純化することができる。
(3)
本実施形態の組合せ計量装置10では、容器入替機構20が、両端部分に一対の円弧部21aを有する引っ掛け部材21と、引っ掛け部材22を回転させる回転軸22と、回転軸22に対して回転駆動力を付与する回転駆動部23と、を備えている。
【0035】
これにより、回転駆動部23によって引っ掛け部材21を回転軸22を中心として回転し、引っ掛け部21の両端に形成された円弧部21aが、容器Cの底部分C1を側方から引っ掛けるように容器Cを保持することができる。そして、円弧部21aにおいて容器Cを保持しながら約180度回転することで、容器Cの順番を入れ替えることができる。
(4)
本実施形態の組合せ計量装置10では、搬送中の容器Cの配置順を入れ替える容器入替機構20が、容器Cの搬送径路に沿って配置されている。
【0036】
これにより、所望の容器Cが容器入替機構20の位置まで搬送されてきた際に引っ掛け部材21を回転させることで、容易に容器Cの順番を入れ替えることができる。
また、本実施形態のように、容器入替機構20が、回転テーブル11上において容器Cとともに回転移動している場合には、そのままの位置で所望の引っ掛け部材21を回転させて容器Cを入れ替えることができるため、さらに容易に所望の容器Cの順番の入れ替えを行うことができる。
【0037】
(5)
本実施形態の組合せ計量装置10では、容器入替機構20が、水平面内において引っ掛け部材21を回転させて容器Cの順番を入れ替える。
これにより、水平面内において容器Cが移動することになるため、容器C内に供給された被計量物が容器Cの外へ放り出されるといった不具合の発生を防止して、安定した状態で容器Cの搬送および順番の入れ替えを行うことができる。
【0038】
(6)
本実施形態の組合せ計量装置10では、容器入替機構20が、容器Cの搬送径路に沿って複数配置されている。
これにより、複数の引っ掛け部材21を回転させて同時に複数の容器Cの順番を入れ替えることができるため、さらに効率よく所望の順番に容器Cを入れ替えることができる。
【0039】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、本発明に係る搬送装置を組合せ計量装置10に対して適用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0040】
例えば、図8に示すように、ランク分別装置や、シールチェッカ等の品質検査装置における搬送装置として搭載されていてもよい。この場合には、例えば、図9に示すように、ランク分別装置において7段階にランク分けされた物品を、ランク順に物品が配置されるように順番を入れ替えてもよい。図9に示す例では、図中斜線を付した容器Cの入替を行ったことを示している。これにより、排出位置まで搬送される間に、ランク順に並び替えられた容器Cから物品を排出することができるため、その後の箱詰め等の後処理を効率よく行うことができる。
【0041】
また、シールチェッカのような不良品と良品とを分別するための検査を行う装置では、良品と不良品とが完全に2分されるように順番を入れ替えてもよい。このような場合でも、搬送中に所望の順番に物品の順番を入れ替えることができるため、箱詰め等のその後の処理を効率よく実施することが可能になる。
(B)
上記実施形態では、容器Cを回転移動させながら順番を入れ替える構成を例として挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0042】
例えば、図10に示すように、直線状に容器Cを搬送する搬送部40によって容器Cを搬送しながらその順番を上記実施形態と同様の構成を有する容器入替機構20によって入れ替える構成であってもよい。
(C)
上記実施形態では、容器入替機構20によって互いに隣接する2つの容器Cの順番を入れ替える例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0043】
例えば、1個の容器を挟み込むように配置された2つの容器の順番を入れ替えるような構成であってもよい。ただし、この場合には、複数の容器を所望の順番に入れ替える制御が複雑になってしまうため、制御を簡略化するという面では、上記実施形態のように隣接する2つの容器の順番を入れ替える構成がより好ましい。
(D)
上記実施形態では、容器入替機構20によって隣接する2つの容器Cの順番を入れ替える例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0044】
例えば、隣接する4つの容器の順番を入れ替える容器入替機構であってもよい。ただし、この場合にも、複数の容器を所望の順番に入れ替える制御が複雑になってしまうため、制御を簡略化するという面では、上記実施形態のように2つの容器の順番を入れ替える構成がより好ましい。
(E)
上記実施形態では、搬送中の容器Cの順番を入れ替える容器入替機構20が、容器Cの旋回軌道に沿って回転テーブル11(容器C)とともに移動する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0045】
例えば、容器の移動が間欠移動である場合には、容器の搬送径路の側方における所定の位置に容器入替機構を固定配置してもよい。この場合には、間欠移動する容器が停止状態になる間に順番入替機構が容器に接触して保持し、順番入替を行えばよい。
(F)
上記実施形態では、容器Cに投入された被計量物を計量、ストック、排出する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0046】
例えば、容器Cを介さずに直接物品の順番を入れ替える構成であってもよい。この場合でも、上記と同様にその後の処理を効率よく実施することが可能になる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の搬送装置は、搬送中の容器の順番を入れ替えて所望の容器順に並び替えることで、組合せ計量装置における被計量物の排出や品質検査装置におけるランク分け等の後処理を高速化できるという効果を奏することから、複数の物品を搬送する搬送装置を搭載した各種装置に対して広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】(a)および(b)は、本発明の一実施形態に係る搬送装置を搭載した組合せ計量装置の構成を示す平面図と正面図。
【図2】図1の組合せ計量装置における各処理工程を示す説明図。
【図3】(a)および(b)は、図1の組合せ計量装置における容器Cの順番を入れ替える容器入替機構と容器との位置関係を示す平面図と正面図。
【図4】(a)〜(c)は、図1の組合せ計量装置において容器の順番を入れ替える際の容器入替機構の動作を示す平面図。
【図5】(a)および(b)は、図3の容器入替機構の詳細な構成を示す平面図と正面図。
【図6】図1の組合せ計量装置において容器の順番を入れ替える際の容器の動きを説明するための模式図。
【図7】図1の組合せ計量装置が備えている制御ブロックを示すブロック図。
【図8】本発明の他の実施形態に係る品質検査装置の構成を示す平面図。
【図9】図8の品質検査装置における容器の入れ替えの過程を示す模式図。
【図10】(a)および(b)は、本発明の他の実施形態に係る搬送装置の構成を示す平面図および正面図。
【符号の説明】
【0049】
10 組合せ計量装置
11 回転テーブル
12 供給部
13 計量部
15 排出部
20 容器入替機構(順番入替機構)
21 引っ掛け部材
21a 円弧部(一対の保持部)
22 回転軸
23 回転駆動部(駆動部)
25 計量器(ロードセル)
26 記憶部
27 回転テーブル駆動機構
30 制御部
40 搬送部
C 容器
C1 底部分

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の容器を搬送する搬送部と、
前記搬送部において搬送中の前記複数の容器のうち、選択された複数の容器の順番を入れ替える順番入替機構と、
前記順番入替機構によって入れ替える前記容器を指定する制御部と、
を備えている搬送装置。
【請求項2】
前記順番入替機構は、選択された隣接する2つの前記容器の順番を入れ替える、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記順番入替機構は、順番を入れ替える前記容器を保持する一対の保持部と、
前記保持部の中間の位置に配置された回転軸と、
前記回転軸を中心にして前記一対の保持部を回転させる駆動部と、
を有している、
請求項1または2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記順番入替機構は、前記搬送部によって搬送される前記容器の搬送径路に沿って配置されている、
請求項1から3のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記順番入替機構は、前記容器を略水平面内で回転移動させて順番を入れ替える、
請求項1から4のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記順番入替機構は、前記搬送部によって前記容器が搬送される搬送径路に沿って複数配置されている、
請求項1から5のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか1項に記載の搬送装置と、
前記容器に投入された物品の計量を行う計量部と、
前記搬送装置において所望の順番に並び替えられた複数の容器から物品を排出する排出部と、
を備えている組合せ計量装置。
【請求項8】
請求項1から6のいずれか1項に記載の搬送装置と、
前記容器に投入された物品の品質検査を行う検査部と、
を備えている品質検査装置。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−327752(P2006−327752A)
【公開日】平成18年12月7日(2006.12.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−153344(P2005−153344)
【出願日】平成17年5月26日(2005.5.26)
【出願人】(505195306)
【Fターム(参考)】