説明

搬送装置および搬送方法

【課題】 払い出された搬送物を確実に横桟付きリフトベルトコンベヤに受け渡すことができる搬送装置および搬送方法を提供することにある。
【解決手段】 搬送物を搬送する水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ10と、水平ベルトコンベヤ10の折返し部側に配置され、搬送物Wの長さより大きめの間隔を開けて横桟22および横桟22より高さの低い搬送物起こし用の横桟23を交互にベルト面より略直角に突き出し水平ベルトコンベヤ10により移送される搬送物Wを横桟22に載置して垂直搬送する横桟付きリフトベルトコンベヤ20と、水平ベルトコンベヤ10の折返し部側に配置され、水平ベルトコンベヤ10の搬送面にストッパ部材を昇降させて横桟付きリフトベルトコンベヤ20の横桟22に搬送物Wを切り出すように搬送物Wの停止・送りを行う1個払出し装置30とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、略水平に搬送面を位置させるベルトコンベヤ、スラットコンベヤ、チェンコンベヤ(以下、水平コンベヤと称する)により運ばれる搬送物を1個払出し装置を介して垂直に配置した横桟付きリフトベルトコンベヤに移送する搬送装置および搬送方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、水平コンベヤである水平ベルトコンベヤにより運ばれる搬送物を急傾斜や垂直に移送して搬送する際に、横桟付きリフトベルトコンベヤが使用されている。
横桟付きリフトベルトコンベヤは、搬送物の搬送方向の確実な保持が図れ、かつ搬送物の均等間隔搬送にも寄与できる優れたものだが、横桟という突起物があるので、搬送物の移送時にタイミングがずれると、横桟により搬送物をはじき飛ばしたり、横桟により搬送物を叩いて傷めてしまったり、移送部で複数の搬送物がブリッジを起こして詰まりを生じてしまったりする虞がある。
この種の搬送装置では、搬送物が横桟にぶつからないように、横桟のタイミングに合わせて搬送する必要があるので、センサー等による電気制御で横桟を検出し、エアシリンダ、モータ等のアクチュエータでストッパを昇降させるストッパ装置を使用して搬送物の1個払い出しを行っている。
【0003】
特許文献1には、搬入用コンベヤと搬出用コンベヤと間の受け渡しを行うリフタ装置が開示されている。特許文献1の受渡しリフタを備えた搬送装置では、上下運動するリフタのベースをスイッチとして搬出コンベヤのストッパ機構を開放、同時に次の搬送物の搬送物へのストッパを上昇させることができる。
また、特許文献2には、パレットやタイヤ等の転動体を切り出すに当たり、ストッパシリンダをセンサ検知を絡めた自動制御により昇降させることが開示されている。
【特許文献1】特開平4−260523号公報
【特許文献2】特開平10−310236号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
搬送において、その搬送物の姿勢制御としては、垂直・急傾斜搬送が途中に存在しても、その前後の水平搬送面における搬送物姿勢(立てて搬送するか、寝かせて搬送するか)は同じにするのが基本である。
しかし、従来の搬送装置では、水平コンベヤである水平ベルトコンベヤにより運ばれる搬送物を1個払出し装置を介して垂直に配置した横桟付きリフトベルトコンベヤに受け渡す際に、搬送物の先端部が横桟付きリフトベルトコンベヤのベルト上を滑ったり横転したりして円滑に横桟に移行できず、水平ベルトコンベヤでの搬送時の姿勢を、垂直搬送後の払出側水平ベルトコンベヤ搬送面上で維持することができなくなる虞があった。
【0005】
本発明は斯かる従来の問題点を解決するために為されたもので、その目的は、払い出された搬送物を確実に横桟付きリフトベルトコンベヤに受け渡すことができる搬送装置および搬送方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、搬送物を搬送する水平コンベヤと、前記水平コンベヤの折返し部側に配置され、前記搬送物の長さより大きめの間隔を開けて横桟および前記横桟より高さの低い搬送物起こし用の横桟を交互にベルト面より略直角に突き出し前記水平コンベヤにより移送される前記搬送物を前記横桟に載置して垂直搬送する横桟付きリフトベルトコンベヤと、前記水平コンベヤの前記折返し部側に配置され、前記水平コンベヤの搬送面にストッパ部材を昇降させて前記横桟付きリフトベルトコンベヤの横桟に前記搬送物を切り出すように前記搬送物の停止・送りを行う1個払出し装置とを備えることを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1記載の搬送装置を用いる搬送方法において、前記水平コンベヤ上の前記搬送物を、前記1個払出し装置によって1個切り出し、前記水平コンベヤによって前記横桟付きリフトベルトコンベヤのベルト面に先端部が当接するように送り出す工程と、前記搬送物の先端部を前記横桟付きリフトベルトコンベヤの巻回に伴って移動する前記搬送物起こし用の横桟によって持ち上げながら、前記水平コンベヤによって前記搬送物の後端部を前記横桟付きリフトベルトコンベヤのベルト面に送り出す工程と、前記水平コンベヤによって前記横桟付きリフトベルトコンベヤのベルト面に送り出された前記搬送物の後端部を、前記横桟付きリフトベルトコンベヤの巻回に伴って移動する前記横桟によって掬い上げ、前記搬送物の後端部を前記横桟上に載置するとともに前記搬送物の先端部を前記ベルト面に当接する工程とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
払い出された搬送物を確実に横桟付きリフトベルトコンベヤに受け渡すことができる。
水平コンベヤでの搬送時の姿勢を垂直搬送後の払出側水平コンベヤ搬送面上で維持することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る搬送装置1を示す。
本実施形態に係る搬送装置1は、搬送物Wを搬送する下部側の水平コンベヤである水平ベルトコンベヤ10と、水平ベルトコンベヤ10の折返し部側(頭部プーリ13側)に配置され、所定の間隔でベルト面より横桟22を略直角に突き出し水平ベルトコンベヤ10により移送される搬送物Wを垂直搬送する横桟付きリフトベルトコンベヤ20と、水平ベルトコンベヤ10の折返し部側(頭部プーリ13側)に配置され、横桟付きリフトベルトコンベヤ20の横桟22の回動に伴って水平ベルトコンベヤ10の搬送面にストッパ部材35の係止部35aを昇降させて搬送物Wの停止・送りの切り出しを行う1個払出し装置30と、搬送物Wを搬送する上部側の水平ベルトコンベヤ50とを備える。
【0010】
下部側の水平ベルトコンベヤ10は、図1〜図4に示すように、2本のベルトを巻回可能とした駆動プーリ(尾部プーリ)12と、2つのプーリ13a,13bを同芯上に回転自在に連結した2連の頭部プーリ13と、駆動プーリ12と2連の頭部プーリ13との間に巻回される2本のベルト11a,11bとを備え、駆動プーリ12に取り付けた駆動用モータ14によって2本のベルト11a,11bを駆動プーリ12と頭部プーリ13との間を回動し、2本のベルト11a,11bの上面に形成される搬送面11a1,11b1上に表面W3を上にして搬送物Wを載置して搬送する。水平ベルトコンベヤ10は、コンベヤ取付ベース40に取付ブラケット15を介して固定されている。
【0011】
搬送物Wを垂直搬送する横桟付きリフトベルトコンベヤ20は、図1および図5に示すように、駆動プーリ24と、頭部プーリ25と、表面W3を外側にして搬送物Wの後端部W2側を載置して搬送するための横桟22と、搬送物Wを横桟22に載置する際に搬送物Wを起立しやすくするための補助用に横桟23とをベルト面に所定の間隔で設け、駆動プーリ24と頭部プーリ25との間に巻き回しされるベルト21とを備え、駆動プーリ24に取り付けた駆動用モータ26によってベルト21を駆動プーリ24と頭部プーリ25との間を回動する。横桟22は、図1に示すように、回転軌跡22aを描く。横桟付きリフトベルトコンベヤ20は、コンベヤ取付ベース40に取付ブラケット27を介して固定されている。横桟22と補助用の横桟23との横幅は、図2に示すように、頭部プーリ13の2つのプーリ13a,13bの間、すなわち、水平ベルトコンベヤ10の2本のベルト11a,11bの間を通過することができ、搬送物Wを載置して搬送できる大きさにしてある。また、横桟22と補助用の横桟23との取付間隔は、搬送する搬送物Wの長さによって、例えば、図11に示すように、図11(d)の水平ベルトコンベヤ10上に水平に載せられた状態から図11(a)および図11(b)に示すように横桟付きリフトベルトコンベヤ20の補助用の横桟23によって先端部W1側を支持されながら起こされ、補助用の横桟23から搬送物Wの先端部W1が離れる位置で、搬送物Wの後端部W2側に横桟22が回動してくるように設定してある。また、横桟22の先端部22bは、乗り移った搬送物Wの後端部W2がその先端部22bを滑るようにしてベルト21側へ移動し、横桟22上に確実に載置されるように、上方に折り曲げられている。なお、先端部23aを滑りやすくするために、低摩擦材を塗布または貼付しても良い。また、補助用の横桟23は、搬送物Wが水平ベルトコンベヤ10から乗り移る際に先端部W1を支持することができる高さに設定されている。
【0012】
1個払出し装置30は、図2に示すように、水平ベルトコンベヤ11a,11bの内側部に配置されている。
1個払出し装置30は、図1、図2、図6〜図9に示すように、貫通孔32aを有する座板32の両側に2枚の略L字状の取付金具33を取り付け、水平ベルトコンベヤ10に沿って配置されるベース31と、上端が水平ベルトコンベヤ10の搬送面11a1,11b1に開口するようにベース31の貫通孔32a上に軸心を合わせて錘設される鞘管34と、水平ベルトコンベヤ10の2本のベルト11a,11bの上面に形成される搬送面11a1,11b1より係止部35aが突出することができるように昇降させられるストッパ部材35と、搬送物Wの通過時にストッパ部材35に掛かる搬送物Wの重さによって圧縮させられ、搬送物Wの通過後にストッパ部材35を搬送面11a1,11b1に突き出し次段の搬送物Wの通過を阻止するスプリング36と、横桟付きリフトベルトコンベヤ20の横桟22の通過時に回動させられてストッパ部材35を搬送面11a1,11b1より降下させるレバー37とを備えている。
【0013】
ストッパ部材35は、搬送物Wの停止を行う係止部35aとスプリング係止部35bとスナップピン35cとを有する長尺部材で構成され、スプリング係止部35b側とベース31との間にスプリング36を配置して鞘管34に挿入されるとともに、スナップピン35c側を貫通孔32aより突出させ、座板32の下側でスナップピン35cに平座金38を取り付けて鞘管34の軸方向にスプリング36によって移動自在に、かつスプリング36の付勢力による上方へのストッパ部材35の抜け防止を図って装着される。ここで、長尺部材としては、搬送物の損傷を防ぐため、例えば、ノック式ボールペンの芯を流用したが、抵抗の少ない樹脂の棒状部材を用いることで、同様の効果を出すことができる。
【0014】
レバー37は、ストッパ部材35を挿通するために切り欠いた凹部37bを先端に有する平板部37aと、平板部37aの端部から折り曲げて起こされ、横桟付きリフトベルトコンベヤの横桟22に当接される腕部37cと、平板部37aに取り付けられ、ベース31に回動自在に軸支される軸部37dとを有し、凹部37bにストッパ部材35を挿通させるとともに、軸部37dに対する腕部37cの長さを平板部37aよりも長く設定し、軸部37dを中心として平板部37aを座板32方向へ押し上げようとする回転力と、スプリング36によるストッパ部材35を戻そうとする付勢力とによって座板32の下面側に平板部37aを当接して静止しており、腕部37cが横桟付きリフトベルトコンベヤ20の横桟22によって回動されると、軸部37dを回転軸として平板部37aを押し下げるとともにスナップピン35cに取り付けた平座金38を介してストッパ部材35を押し下げる。
搬送物Wとしては、例えば、タバコ(箱・カートン)、菓子箱、眼鏡ケース等の箱状のケースがある。また、搬送物Wは、ストッパ部材35の係止部35aを隙間に差し込み易くするために、四隅に丸みを持たせたものが望ましい。
【0015】
次に、斯くして構成された本実施形態に係る搬送装置1の作用を説明する。
1個払出し装置30は、図1、図6、図10に示すように、平板部37aと腕部37cとの重量バランスで軸部37dを中心として平板部37aを座板32方向へ押し上げようとする回転力と、スプリング36によるストッパ部材35を戻そうとする付勢力とによってベース31の下面側に平板部37aを当接して静止している。
そして、図10(a)〜図10(c)に示すように、水平ベルトコンベヤ10によって搬送物Wが搬送されてくると、図10(a)に示すように、ストッパ部材30の係止部35aが2本のベルト11a,11bの搬送面11a1,11b1から突出して搬送物Wの移動を阻止する。
【0016】
次に、横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト21の巻回に伴って、横桟22が1個払出し装置30のレバー37の腕部37cの背面側から当接すると、レバー37は腕部37cを横桟22の回転に伴って軸部37dを回転軸として上方に回動するとともに平板部37aを下方に回動する運動を起こす。このレバー37の回動に伴って、ストッパ部材35に取り付けた平座金38が平板部37aによって下方に押し下げられ、ストッパ部材35の係止部35aが2本のベルト11a,11bの搬送面11a1,11b1から下方に没入し、搬送物Wの移動を許容する。そして、横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト21の巻回に伴って、横桟22がレバー37の腕部37cから離れると、レバー37は腕部37c側の重量で平板部37aを座板32に当接する位置に戻る。この際、スプリング36の付勢力によってストッパ部材35を上昇させようとするが、ストッパ部材35の係止部35aの先端部を搬送物Wが移動しているので、スプリング36の付勢力が搬送物Wの重量によって無能化され圧縮され、搬送物Wの移動を許容する。
【0017】
次に、搬送物Wは、図10(d)に示すように、水平ベルトコンベヤ10によって横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト21に当接するまで搬送される。
次に、図11(a)に示すように、横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト21の巻回に伴って、搬送物Wを起立しやすくするための補助用の横桟23によって搬送物Wの先端部の下面が起こされながら移動し始めると、次段の搬送物Wとの間に隙間が生じ、その隙間に対し、ストッパ部材35の先端の係止部35aがスプリング36の付勢力によって突出し、次段の搬送物Wの移動を阻止する。
【0018】
次に、図11(b)および図11(c)に示すように、横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト21の巻回に伴って、横桟22が1個払出し装置30のレバー37の腕部37cの背面側から当接すると、レバー37は腕部37cを横桟22の回転に伴って軸部37dを回転軸として上方に回動するとともに平板部37aを下方に回動する運動を起こす。このレバー37の回動に伴って、ストッパ部材35に取り付けた平座金38が平板部37aによって下方に押し下げられ、ストッパ部材35の係止部35aが2本のベルト11a,11bの搬送面11a1,11b1から下方に没入し、搬送物Wの移動を許容する。そして、横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト21の巻回に伴って、横桟22がレバー37の腕部37cから離れると、レバー37は腕部37c側の重量で平板部37aを座板32に当接する位置に戻る。この際、スプリング36の付勢力によってストッパ部材35を上昇させようとするが、ストッパ部材35の係止部35aの先端部を搬送物Wが移動しているので、スプリング36の付勢力が搬送物Wの重量によって無能化され圧縮され、搬送物Wの移動を許容する。この間、搬送物Wは、水平ベルトコンベヤ10の移動に伴って横桟付きリフトベルトコンベヤ20方向へ押されるとともに、横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト21の巻回に伴って回動する搬送物起こし用の横桟23によって先端部W1が起き上がるように移動させられ、搬送物起こし用の横桟23が先端部W1から離れた時に横桟22上に乗り移る。この際、横桟22の先端部23aは、上方に折り曲げられているので、乗り移った搬送物Wの後端部W2はその先端部22bを滑るようにしてベルト21側へ移動し、横桟22上に確実に載置される。
【0019】
次に、搬送物Wは、図11(d)に示すように、水平ベルトコンベヤ10によって横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト21に当接するまで搬送される。
次に、図11(a)に戻り、搬送物Wは水平ベルトコンベヤ10上を搬送され横桟付きリフトベルトコンベヤ20の横桟22上に載置されて搬送され、以下、図11(b)〜図11(d)の操作を繰り返し、搬送物Wの移送を行うことができる。
そして、横桟付きリフトベルトコンベヤ20によって上部まで搬送された搬送物Wは、表面W3を上にして水平ベルトコンベヤ10上を搬送されている姿勢を維持して上部側の水平ベルトコンベヤ50によって搬送される。即ち、搬送物Wは下部側の水平ベルトコンベヤ10上の進行方向と同じ向きで上部側の水平ベルトコンベヤ50上を搬送される。
【0020】
以上のように、本実施形態においては、1個払出し装置30によって切り出された1個の搬送物Wを、下部側の水平ベルトコンベヤ10によって横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト21面に先端部W1が当接するように送り出し、搬送物Wの先端部W1を横桟付きリフトベルトコンベヤ20の巻回に伴って移動する搬送物起こし用の横桟23によって持ち上げながら、水平ベルトコンベヤ10によって搬送物Wの後端部W2を横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト21面に送り出し、水平ベルトコンベヤ10によって横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルト21面に送り出された搬送物Wの後端部W2を、横桟付きリフトベルトコンベヤ20の巻回に伴って移動する横桟22によって掬い上げ、搬送物Wの後端部W2を横桟22上に載置するとともに搬送物Wの先端部W1をベルト21面に当接して搬送し、水平ベルトコンベヤ10上を搬送されている姿勢を維持して上部側の水平ベルトコンベヤ50に搬出され、次段へ搬送される。このように、搬送物Wを水平搬送時の寝ている姿勢から垂直搬送時引き起こすことで立てて上方に搬送し、図1に示すように、垂直搬送上部における払出側水平ベルトコンベヤ50に移送する際には、搬送物Wの後端部W2を横桟22で押しながら頭部プーリ25の周囲に回転させることで、水平ベルトコンベヤ50上では搬送物Wの姿勢を下部側の水平ベルトコンベヤ10上の姿勢を同じに維持できる。
【0021】
なお、上記実施形態では、横桟付きリフトベルトコンベヤ20を水平ベルトコンベヤ10に対して直交するように配置した場合について説明したが、本発明はこれに限らず、例えば、60度、45度のように、横桟付きリフトベルトコンベヤ20を水平ベルトコンベヤ10に対して急傾斜に配置することも可能である。この場合には、図1の取付ブラケット27に設けた長孔を利用して横桟付きリフトベルトコンベヤ20を水平ベルトコンベヤ10に対して任意の角度に配置することが可能となる。
【0022】
また、上記実施形態では、2本のベルト11a,11bを用いた水平ベルトコンベヤ10と1本のベルト21を用いた横桟付きリフトベルトコンベヤ20とを用いた場合について説明したが、本発明はこれに限らず、水平ベルトコンベヤ10のベルトを1本とし、横桟付きリフトベルトコンベヤ20のベルトを2本としても良い。この場合には、1個払出し装置は、横桟付きリフトベルトコンベヤ20の2本のベルトの横桟22にレバー37を当接する位置にそれぞれ配置するか、何れかのベルトの横桟22にレバー37を当接する位置に配置する。
また、上記実施形態では、1個払出し装置30を横桟付きリフトベルトコンベヤ20の横桟22の回動を利用して機械的に連動する方式としたが、本発明はこれに限らず、従来のように、横桟付きリフトベルトコンベヤ20の横桟22のタイミングに合わせて切り出しができるように構成しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る搬送装置を示す正面図である。
【図2】図1の平面図である。
【図3】図1のX1に沿った断面図である。
【図4】図1のX2に沿った断面図である。
【図5】図1の側面図である。
【図6】図1の1個払出し装置の拡大図である。
【図7】図5の分解図である。
【図8】図6のベースの側面図である。
【図9】図6のレバーの拡大図である。
【図10】図1の搬送装置の切り出しを説明する図である。
【図11】図1の搬送装置の切り出しを説明する図である。
【符号の説明】
【0024】
1 搬送装置
10、50 水平ベルトコンベヤ
11a,11b ベルト
11a1,11b1 搬送面
12、24 駆動プーリ
13、25 頭部プーリ
14、26 駆動用モータ
15、27 取付ブラケット
20 横桟付きリフトベルトコンベヤ
21 ベルト
22 横桟
22a 回転軌跡
23 搬送物起こし用の横桟
30 1個払出し装置
31 ベース
32 座板
32a 貫通孔
35 ストッパ部材
35a 係止部
36 スプリング
37 レバー
37a 平板部
37b 凹部
37c 腕部
37d 軸部
38 座金
40 コンベヤ取付ベース
W 搬送物
W1 搬送物Wの先端部
W2 搬送物Wの後端部


【特許請求の範囲】
【請求項1】
搬送物を搬送する水平コンベヤと、
前記水平コンベヤの折返し部側に配置され、前記搬送物の長さより大きめの間隔を開けて横桟および前記横桟より高さの低い搬送物起こし用の横桟を交互にベルト面より略直角に突き出し前記水平コンベヤにより移送される前記搬送物を前記横桟に載置して垂直搬送する横桟付きリフトベルトコンベヤと、
前記水平コンベヤの前記折返し部側に配置され、前記水平コンベヤの搬送面にストッパ部材を昇降させて前記横桟付きリフトベルトコンベヤの横桟に前記搬送物を切り出すように前記搬送物の停止・送りを行う1個払出し装置と
を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
請求項1記載の搬送装置を用いる搬送方法において、
前記水平コンベヤ上の前記搬送物を、前記1個払出し装置によって1個切り出し、前記水平コンベヤによって前記横桟付きリフトベルトコンベヤのベルト面に先端部が当接するように送り出す工程と、
前記搬送物の先端部を前記横桟付きリフトベルトコンベヤの巻回に伴って移動する前記搬送物起こし用の横桟によって持ち上げながら、前記水平コンベヤによって前記搬送物の後端部を前記横桟付きリフトベルトコンベヤのベルト面に送り出す工程と、
前記水平コンベヤによって前記横桟付きリフトベルトコンベヤのベルト面に送り出された前記搬送物の後端部を、前記横桟付きリフトベルトコンベヤの巻回に伴って移動する前記横桟によって掬い上げ、前記搬送物の後端部を前記横桟上に載置するとともに前記搬送物の先端部を前記ベルト面に当接する工程と
を備えることを特徴とする搬送方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2009−227445(P2009−227445A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−78047(P2008−78047)
【出願日】平成20年3月25日(2008.3.25)
【出願人】(000001834)三機工業株式会社 (316)
【Fターム(参考)】