説明

搬送装置および方法

【課題】感光体の寿命を延ばすための方法を提供する。
【解決手段】搬送部材は、支持部材と、ポリシロキサン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリフルオロシロキサン、ポリオレフィン、フルオロエラストマー、合成ゴム、天然ゴムおよびそれらの混合物からなる群から選択される材料を含むエラストマーマトリックスおよびその中に分散された機能性材料を含み、支持部材上に配置された内層と、内層上に配置された外層とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、一般に、画像化部材、感光体および光伝導体等の表面への機能性材料または潤滑剤の搬送に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真または電子写真印刷において、典型的には感光体として知られる電荷保持面を静電帯電させ、次いで原画像の光パターンに露光して、それに従って表面を選択的に放電させる。感光体上の得られた帯電部および放電部のパターンは、原画像に合致した潜像として知られる静電荷パターンを形成する。潜像は、それを、トナーとして知られる微細な静電誘引可能な粉末と接触させることによって現像される。トナーは、感光体表面の静電荷によって画像部上に保持される。このようにして、複写または印刷される原物の光画像に合致したトナー画像が生成される。次いで、トナー画像を基材または支持部材(例えば紙)に直接、または中間転写部材の使用を介して転写し、画像をそれに固定して、複写または印刷される画像の永久的な記録物を形成してもよい。現像に続いて、電荷保持面に残された過剰のトナーを表面から一掃する。この方法は、原物からの光レンズ複写、またはラスターアウトプットスキャナ(ROS)などによる電子的に生成もしくは記憶された原物の印刷に有用であり、帯電した表面を様々な方法で画像様に放電させることができる。
【0003】
記載の電子写真複写方法は、周知であり、原稿の光レンズ複写に広く使用されている。例えば、電荷が、電子的に生成または記憶された画像に応答して電化保持面に堆積するデジタルレーザ印刷および複写などの他の電子写真印刷用途でも同様の方法が存在する。
【0004】
感光体の表面を帯電させるために、米国特許第4,387,980号明細書および米国特許第7,580,655号明細書に開示されているような接触式帯電デバイスが使用されてきた。「バイアス帯電ロール」(BCR)とも呼ばれる接触式帯電デバイスは、DC電圧に、DC電圧のレベルの2倍未満のAC電圧が重畳された電源からの電圧が供給される導電性部材を含む。帯電デバイスは、帯電される部材である画像担持部材(感光体)表面に接触する。画像担持部材の外面の接触部が帯電される。接触式帯電デバイスは、画像担持部材を所定の電位に帯電させる。
【0005】
電子写真用感光体をいくつかの形で提供することができる。例えば、感光体は、単一材料、例えば、ガラス状セレンの均一層であってもよく、または、光伝導層と別の材料とを含有するコンポジット層であってもよい。それに加え、感光体を層状にしてもよい。多層感光体または多層画像化部材には、少なくとも層が2つあり、基材と、導電層と、場合によりアンダーコート層(「電荷遮断層」または「正孔遮断層」と呼ばれることもある)と、場合により接着層と、光発生層(「電荷発生層」、「電荷を発生する層」または「電荷発生剤の層」と呼ばれる場合もある)と、電荷輸送層と、場合によりオーバーコーティング層とを、可とう性ベルト形態または硬いドラム構造のいずれかで備えていてもよい。この多層構造では、感光体の活性層は、電荷発生層(CGL)と電荷輸送層(CTL)である。これらの層間の電荷輸送を高めると、感光体の性能が高まる。多層可とう性感光体部材は、感光体を望ましい平坦な状態にするために、基材の裏側かつ電気的に活性な層とは反対側にアンチカール層を備えていてもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
また、感光体の耐用年数をさらに高めるために、感光体を保護し、性能(例えば、耐摩耗性)を高めるためにオーバーコート層が使用されていた。しかし、これらの低摩耗性オーバーコートは、摩耗速度が特定の速度まで低下するため、多湿環境では、Aゾーン欠損による画質の劣化を招く。それに加え、Aゾーンでは、低摩耗性オーバーコートによって高トルクがかかり、BCR帯電システムに伴う重大な問題(例えば、モータの故障およびブレードの損傷)が生じてしまう。そのため、BCR帯電システムに低摩耗性オーバーコートを使用するには、まだ課題があり、感光体の寿命を延ばすための方法を見いだす必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
画像形成装置に使用するための搬送部材を本明細書に開示する。搬送部材は、支持部材と、エラストマーマトリックスおよびその中に分散された機能性材料を含み、支持部材上に配置された内層と、内層上に配置された外層とを備える。
【0008】
その上に静電潜像を現像するための電化保持面を有する画像化部材を備える画像形成装置を本明細書に開示する。画像化部材は、基材と、基材上に配置された光伝導性部材とを備える。画像形成装置は、画像化部材上に静電電荷を所定の電位まで印加するための帯電ユニットと、画像化部材の表面または帯電ユニットの表面に接触する搬送部材とを含む。搬送部材は、支持部材と、エラストマーマトリックスおよびその中に分散された機能性材料を含み、支持部材上に配置された内層と、内層上に配置された外層とを備える。
【0009】
画像形成装置に使用するための搬送部材を本明細書に開示する。搬送部材は、支持部材と、支持部材上に配置された内層と、内層上に配置された外層とを備える。内層は、エラストマーマトリックスと、その中に分散された機能性材料とを備える。内層は、約5ミクロンから約25ミクロンのサイズを有する孔を備える。外層は、約500nm未満のサイズを有する孔を備える。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、本発明の実施形態によるドラム形状の画像化部材の断面図である。
【図2】図2は、本発明の実施形態によるベルト形状の画像化部材の断面図である。
【図3】図3は、本発明の実施形態による搬送部材を実装したシステムの断面図である。
【図4】図4は、本発明の実施形態による搬送部材を実装したシステムの代替例の断面図である。
【図5】図5は、本発明の実施形態による搬送部材の側面図である。
【図6】図6は、本発明の実施形態による搬送部材の断面図である。
【図7】図7は、単層ローラからのパラフィン油の損失を示す図である。
【図8】図8は、二重層ローラからのパラフィン油の損失を示す図である。
【図9】図9は、本明細書に記載の実施形態によるシステムを用いて作成された印刷物と、対照のシステムを用いて作成された印刷物とのAゾーン欠損結果を示す印刷試験比較を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
開示される実施形態は、一般に、潤滑剤として作用する機能性材料の層を画像化部材表面に塗布するための搬送装置に関する。機能性材料の層は、水分および/または表面汚染物に対する障壁として作用することによって、画像化部材の表面を保護する。この装置は、耐摩擦性の向上、低摩擦、および高湿度条件での欠損による画像欠陥の低減をもたらすことで、画像化部材におけるセログラフィー性能を向上させる。
【0012】
長寿命の感光体(P/R)は、有意なコスト低減を可能にする。一般に、P/R寿命の拡張は、耐摩耗性オーバーコートで達成される。しかし、耐摩耗性オーバーコートは、Aゾーン欠損(高湿度で生じる印刷欠陥)を招く。たいていの有機感光体材料は、Aゾーン欠陥を抑制するために、2nm/Kサイクル(スコロトロン帯電システム)または約5nm/Kサイクルから約10nm/Kサイクル(BCR帯電システム)の最小摩耗速度を必要とする。加えて、耐摩耗性オーバーコートは、モータの故障および(印刷物におけるストリーキングに至る)ブレード損傷などのBCR(バイアス帯電ローラ)帯電システムに伴う問題に至る高トルクをもたらす。
【0013】
図1は、ドラム形状を有する多層電子写真用画像化部材または感光体の例示的な実施形態である。さらに、基材は、円筒形構造であってもよい。図からわかるであろうが、例示的な画像化部材は、硬い支持基材10と、導電性接地面12と、アンダーコート層14と、電荷発生層18と、電荷輸送層20とを備えている。場合により、電荷輸送層20の上に配置されたオーバーコート層32が含まれていてもよい。基材10は、金属、金属アロイ、アルミニウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、バナジウム、ハフニウム、チタン、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、タングステン、モリブデン、およびこれらの混合物からなる群から選択される材料であってもよい。また、基材10は、金属、ポリマー、ガラス、セラミック、および木材からなる群から選択される材料を含んでいてもよい。
【0014】
電荷発生層18および電荷輸送層20は、本明細書に記載の画像化層を2つの別個層として形成する。この図に示されているものの代わりに、電荷発生層18が電荷輸送層20の上部に配置されていてもよい。あるいは、これらの層の機能的要素を単一の層に統合してもよいことを理解されたい。
【0015】
図2は、本発明の実施形態による、ベルト形状を有する画像化部材または感光体を示す。示されているように、このベルト形状は、アンチカール裏側コーティング1と、支持基材10と、導電性接地面12と、アンダーコート層14と、接着層16と、電荷発生層18と電荷輸送層20とで提供されている。場合により、オーバーコート層32および接地片19も含まれていてもよい。ベルト形状を有する例示的な感光体が、米国特許第5,069,993号明細書に開示されている。
【0016】
上述のように、電子写真用画像化部材は、一般に、少なくとも基材層と、基材の上に配置された画像化層と、場合により、画像化層の上に配置されたオーバーコート層とを備えている。さらなる実施形態では、画像化層は、基材の上に配置された電荷発生層と、電荷発生層の上に配置された電荷輸送層とを備えている。他の実施形態では、アンダーコート層が含まれていてもよく、アンダーコート層は、一般に、基材と画像化層の間に置かれるが、これらの層の間にさらなる層が存在し、置かれていてもよい。画像化部材は、特定の実施形態では、アンチカール裏側コーティング層も含んでいてもよい。電子写真式画像化プロセスでこの画像化部材を使用することができ、まず、導電層の上に光伝導性絶縁層を含む電子写真用平板、ドラム、ベルトなど(画像化部材または感光体)の表面を均一に静電的に帯電させる。次いで、画像化部材に所定のパターンの活性化電磁放射線、例えば、光をあてる。この放射線は、静電潜像を残しながら、光伝導性絶縁層の照射された領域にある電荷を選択的に消失させる。次いで、この静電潜像を現像し、光伝導性絶縁層の表面に、極性が同じまたは反対の帯電粒子を堆積させることによって可視化画像を作成してもよい。次いで、得られた可視化画像を画像化部材から直接的または間接的に(例えば、転写部材または他の部材によって)印刷基材、例えば、透明物または紙に転写してもよい。再利用可能な画像化部材を用いると、画像化プロセスを多数回繰り返すことができる。
【0017】
一般的な印刷品質の問題は、これらの感光体層の品質および相互作用に強く依存する。例えば、感光体を接触帯電器および化学重合によって得られるトナー(重合トナー)と併用すると、接触帯電によって生じる放電生成物または洗浄工程後に残った重合トナーによって感光体表面が汚染されることによって画質が悪化する恐れがある。さらに、繰り返し何度も使用することによって、感光体の最外層が、各サイクル中の画像化のために感光体を洗浄および/または調製するために用いられる他の機械のサブシステム要素との間に高い摩擦を生じる。機械のサブシステム要素に対し、繰り返し周期的な機械同士の相互作用が生じると、感光体は、最外側の有機感光体層表面が摩擦によってひどく摩耗し、感光体の有用寿命がかなり短くなってしまうことがある。最終的に、生じた摩耗が感光体の性能を悪化させ、それにより画質も悪化する。別の種類の一般的な画像の欠陥は、感光体のどこかに電荷が蓄積することによって生じると考えられる。結果的に、連続的な画像が印刷されると、その蓄積された電荷が、その時点の印刷画像の画像密度を変えてしまい、すでに印刷された画像があらわれてしまう。ゼログラフィープロセスでは、転写ステーションからの空間的にばらつきのある量の正電荷が、感光体表面上に存在する。このばらつきがかなり大きくなると、それ自体が次のゼログラフィーサイクルで画像電位のばらつきとしてあらわれ、欠陥として出力されることになる。
【0018】
感光体の寿命を延ばすための従来からあるアプローチは、耐摩耗性のオーバーコート層を塗布することである。バイアス帯電ローラ(BCR)による帯電システムの場合、オーバーコート層は、Aゾーンでの欠損(すなわち、Aゾーン:28℃、85%RHで生じる画像の欠陥)と感光体の摩耗速度との二律背反を招く。例えば、ほとんどの有機光伝導体(OPC)材料の設定は、Aゾーンでの欠損を抑制するために、ある程度の摩耗速度を必要とするため、感光体の寿命が制限される。しかし、本発明の実施形態は、画像欠損の減少などの感光体の画質を維持しながら、感光体の摩耗速度を低下させることを実証した。本発明の実施形態は、BCR帯電システムの両方にとって、顕著に寿命の長い感光体技術を提供する。
【0019】
画像化デバイス、典型的には感光体の表面に機能性材料または潤滑剤をより良好に搬送させる搬送デバイスおよびシステムを本明細書に開示する。搬送ローラは、機能性材料のリザーバとして機能する内層と、機能性材料の搬送を制御するように機能する外層との2つの層を備える。一実施形態では、内層が、エラストマーマトリックスに分散された機能性材料を備え、外層がエラストマーを備える二重層ローラを提供する。外層は、内層より孔が小さい(約1μm未満、または約500nm未満、または約300nm未満)(内層の孔は、約1ミクロンから約50ミクロン、または約8ミクロンから約20ミクロン、または約10ミクロンから約17ミクロンである)。内層の孔は、官能性材料が充填される。外層の孔がより小さくなると、内層からの機能性材料の拡散が抑制される。二重層ローラは、機能性材料の超薄膜を感光体の表面に直接的または間接的に塗布することで、i)P/Rとクリーニングブレードとの間のトルクを低減し、ii)Aゾーン欠損を無くし、i)およびii)のいずれもが画質を向上させる。
【0020】
本発明の実施形態は、機能性材料の層を感光体表面に直接、または帯電ローラを介して搬送するための搬送装置およびシステムを採用する。機能性材料は、感光体表面に塗布され、潤滑剤、および/または水分および表面汚染物に対する障壁として作用し、例えばAゾーン環境などの高湿度条件でのセログラフィー性能を向上させる。この極めて薄い層は、ナノスケールまたは分子レベルで提供されてもよい。
【0021】
ある実施形態では、機能性材料を感光体の上に連続的に搬送して、潤滑剤の極めて薄い層を形成することで、クリーニングブレードと感光体表面との摩擦、または感光体表面と他の関連する要素との接触界面における摩擦を低減することにより機械のサブシステム要素を保護する。この潤滑剤は、生じるトルクおよび振動をさらに減らし、その結果、アクチュエーターおよび関与する伝送機構によって、感光体または他の関連する要素をなめらかな様式で移動させることができる。したがって、潤滑剤は、上述の理由で悪くなりかねない印刷画質を高め、さらに、これらの要素を保護し、耐用年数を伸ばす。
【0022】
ある実施形態では、機能性材料を感光体上に搬送するための搬送部材を含む画像形成装置を提供する。この装置は、典型的には、画像化部材と、画像化部材の表面に接触して配置された帯電ローラを含む帯電ユニットと、帯電ローラの表面に接触して配置された搬送ユニットとを備え、搬送ユニットは、帯電ローラの表面に機能性材料の層を塗布し、次いで帯電ローラは、画像化部材の表面に機能性材料の層を塗布する。ある実施形態では、搬送ローラは、画像化部材の表面に機能性材料を直接搬送する。
【0023】
図3〜6は、本発明の実施形態による搬送部材を示す。図3には、BCR帯電システムの中の画像形成装置が示されている。示されているように、画像形成装置は、感光体34と、BCR36と、搬送部材38とを備えている。搬送部材38は、感光体34と接しており、感光体34の表面に機能性材料の極めて薄い層を運ぶ。その後、電子写真の複写プロセスを始めるため、感光体34は、BCR36によって実質的に均一に帯電する。次いで、帯電した感光体を光像にさらし、光受容性部材(示していない)の上に静電潜像が作られる。次に、この潜像をトナー現像器40によって可視化画像へと現像する。その後、現像したトナー画像を、感光体部材から記録媒体を介して複写紙またはある種の他の画像支持基材に転写し、元々の書類(示していない)の複製を製造するために、画像が永久的に固定されてもよい。次いで、連続的な画像化サイクルの準備段階として、感光体表面は、一般に、クリーナー42で洗浄され、残った現像材料が取り除かれる。
【0024】
図4〜6は、さまざまな実施形態による搬送部材38を示す。図6は、図5に示される搬送部材の断面図である。搬送部材38は、内層41および外層44を含む二重層を備える。内層41は、約5ミクロンから約25ミクロンのサイズを有する孔43を有するエラストマーマトリックスを備える。孔43は、機能性材料を含む。内層41は、支持部材46の周囲に配置される。外層44は、内層41の上に配置される。外層44は、500nm未満のサイズを有する孔45を含むエラストマー材料である。
【0025】
ある実施形態では、支持部材46は、ステンレス製の棒である。支持部材46は、さらに、金属、金属アロイ、プラスチック、セラミック、ガラス、およびこれらの混合物からなる群から選択される材料を含んでいてもよい。
【0026】
支持部材46の直径および内層41の厚みは、用途ニーズに応じて異なっていてもよい。特定の実施形態では、支持部材は、直径が約3mm〜約10mmである。特定の実施形態では、内層は、厚みが約20μm〜約100mmである。
【0027】
本発明の実施形態において、内層41の孔43内に含まれる機能性材料を外層44の表面に搬送する。機能性材料を画像化部材の表面に、直接的に(図3)、またはBCR表面への転写を介して間接的に(図4)転写する。本発明の実施形態によって製造された搬送部材は、BCR/感光体の表面に機能性材料の極めて薄い層を連続的に供給するのに十分な量の機能性材料を含むことが示されている。
【0028】
ある実施形態では、機能性材料は、有機化合物もしくは無機化合物、オリゴマーもしくはポリマー、またはこれらの混合物であってもよい。機能性材料は、液体、ワックスまたはゲル、およびこれらの混合物の形態であってもよい。また、機能性材料は、潤滑性材料、疎水性材料、撥油性材料、両親媒性材料、およびこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。機能性材料の実例としては、例えば、炭化水素、炭化フッ素、鉱油、合成油、天然油およびそれらの混合物からなる群から選択される液体材料を挙げることができる。機能性材料は、さらに、感光体表面への機能性材料の吸着を促進する官能基と、場合により、感光体表面を化学的に改質し得る反応性基とを含んでいてもよい。例えば、官能性材料は、パラフィン系化合物、アルカン、フルオロアルカン、アルキルシラン、フルオロアルキルシランアルコキシ−シラン、シロキサン、グリコールもしくはポリグリコール、鉱油、合成油、天然油またはそれらの混合物を含んでいてもよい。
【0029】
ある実施形態では、内層41は、ポリシロキサン、ポリウレタン、ポリエステル、フルオロ−シリコーン、ポリオレフィン、フルオロエラストマー、合成ゴム、天然ゴムおよびそれらの混合物からなる群から選択されるポリマーで構成されていてもよい。
【0030】
ある実施形態では、外層44は、ポリシロキサン、シリコーン、ポリウレタン、ポリエステル、フルオロ−シリコーン、ポリオレフィン、フルオロエラストマー、合成ゴム、天然ゴム、およびこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーである。
【0031】
ある実施形態では、内層41は、鋳型の使用によって支持部材46の周囲に成型されたエラストマー材料である。その後、エラストマーマトリックスを硬化させる。浸漬によって内層41にパラフィンなどの機能性材料を含浸させる。硬化後、機能性材料を含むエラストマー材料を鋳型から取り出し、架橋性エラストマーポリマーを混合し、次いで混合物を鋳型の使用によって内層41上に成型することによって外層44を作製する。次いで、エラストマー材料を硬化させて、搬送部材を形成する。
【0032】
特定の実施形態では、内層41は、支持部材46の周囲に成型されたパラフィン含浸シリコーンである。パラフィンを架橋性ポリジメチルシロキサン(PDMS)に混入し、次いで混合物を鋳型の使用によって支持部材46上に成型することによって、パラフィン含浸シリコーンの内層41を作製する。その後、PDMSを硬化させる。浸漬によって内層41にパラフィンなどの機能性材料を含浸させる。硬化後、PDMSがコーティングされた棒を鋳型から取り出し、架橋性ポリジメチルシロキサン(PDMS)を混合し、次いで混合物を鋳型の使用によって内層41上に成型することによって外層44を作製する。ある実施形態では、液体の架橋可能なPDMSを2成分系(すなわち、基剤および硬化剤)から調製する。さらなる実施形態では、基剤と硬化剤は、内層および外層の両方において、約50:1〜2:1、または約20:1〜約5:1の重量比で存在する。ある実施形態では、機能性材料と内層41のエラストマー材料との重量比は、約1:10から約1:1、または約1:8から約1:1.5、または約1:7から約1:2の重量比である。
【0033】
搬送部材は、ロール中に存在していてもよいし、ロール紙のような他の構造を有していてもよい。内層および外層の厚さを変えてもよい。例えば、内層は、約1mmから約30mm、または約2mmから約20mm、または約3mmから約10mmである。外層の厚さは、約0.1ミクロンから約1mm、または約0.2ミクロンから約0.9mm、または約0.3ミクロンから約0.7mmである。搬送部材は、円、棒状、長円形、正方形、三角形、多角形、およびこれらの混合物からなる群から選択される形状を有する凹凸を含む表面パターンを有していてもよい。
【0034】
ある実施形態では、感光体表面に運ばれる機能性材料の量は、感光体の性能特性を保持するのに十分な量でなければならない。機能性材料は、感光体表面に種々の量で存在してもよく、例えば、分子レベルで、または約1ng/kサイクル/cm〜約10mg/kサイクル/cm、または約10ng/kサイクル/cm〜約1μg/kサイクル/cm、25μg/kサイクル/cm〜約5mg/kサイクル/cmの量で存在してもよい。本発明の実施形態は、搬送ロールを備えていないシステムと比較して、低い感光体摩耗速度、ならびに画像における少ないストリーキングおよびAゾーン欠損を示すシステム(搬送ロールを備えたOCL P/R)を提供する。
【0035】
以下に、光伝導体の実施形態について記載する。
オーバーコート層
例えば、場合により、オーバーコート層32の上に画像化部材の他の層が含まれていてもよい。任意要素のオーバーコート層32は、所望な場合、画像化部材表面を保護し、耐引っかき性を高めるために電荷輸送層20の上に配置されてもよい。
【0036】
基材
感光体支持基材10は、不透明であってもよく、または実質的に透明であってもよく、必須の機械特性を有する任意の適切な有機材料または無機材料を含んでいてもよい。基材全体が導電性表面と同じ材料を含んでいてもよく、または、導電性表面は、単に基材のコーティングであってもよい。任意の適切な導電性材料、例えば、金属または金属アロイを使用してもよい。導電性材料としては、銅、真鍮、ニッケル、亜鉛、クロム、ステンレス鋼、導電性プラスチックおよびゴム、アルミニウム、半透明性アルミニウム、鋼、カドミウム、銀、金、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、バナジウム、ハフニウム、チタン、ニッケル、ニオブ、ステンレス鋼、クロム、タングステン、モリブデン、その中に好適な材料を含めることによって、または材料に導電性を付与するのに十分な水分を存在させるための多湿雰囲気中での調湿を介して導電性が付与された紙、インジウム、錫、ならびに酸化錫および酸化インジウム錫を含む金属酸化物等が挙げられる。それは、単一の金属化合物、あるいは異なる金属および/または酸化物の二重層であり得る。
【0037】
接地面
導電性接地面12は、例えば、真空蒸着技術のような任意の適切なコーティング技術によって基材10の上に形成されてもよい導電性金属層であってもよい。金属としては、アルミニウム、ジルコニウム、ニオブ、タンタル、バナジウム、ハフニウム、チタン、ニッケル、ステンレス鋼、クロム、タングステン、モリブデン、および他の導電性基質、およびこれらの混合物が挙げられる。導電層は、厚みが、電子写真用導電性部材にとって望ましい光学的透明性および可とう性に依存して、実質的に広い範囲にわたって変わってもよい。したがって、可とう性光応答性画像化デバイスの場合、導電層の厚みは、導電性、可とう性、光透過性の最適な組み合わせのために、少なくとも約20オングストローム、または約750オングストローム以下、または少なくとも約50オングストローム、または約200オングストローム以下であってもよい。
正孔遮断層
導電性接地面層を堆積させた後、正孔遮断層14をその上に塗布してもよい。正に帯電した感光体のための電子遮蔽層によって、正孔が感光体の画像化表面から導電層の方に移動することができる。負に帯電した感光体の場合、導電層から反対側の光伝導層に正孔が注入されるのを防ぐための障壁を作成することができる任意の適切な正孔遮断層を利用してもよい。
電荷発生層
その後、電荷発生層18をアンダーコート層14に塗布してもよい。電荷を発生する/光伝導性材料を含む任意の適切な電荷発生バインダー(粒子の形態であり、膜形成バインダー中に分散していてもよい、例えば、不活性樹脂)を利用してもよい。電荷を発生する材料の例としては、例えば、無機光伝導性材料、例えば、非晶質セレニウム、三方晶セレニウム、ならびにセレニウム−テルル、セレニウム−テルル−ヒ素、ヒ化セレニウムおよびそれらの混合物から選択されるセレニウム合金、ならびに様々なフタロシアニン顔料、例えば、X型の無金属フタロシアニン、金属フタロシアニン、例えば、バナジルフタロシアニンおよび銅フタロシアニン、ヒドロキシガリウムフタロシアニン、クロロガリウムフタロシアニン、チタニルフタロシアニン、キナクリドン、ジブロモアンタントロン顔料、ベンズイミダゾールペリレン、置換2,4−ジアミノ−トリアジン、多核芳香族キノンおよびエンズイミダゾールペリレン等を含む有機光伝導性材料、ならびに膜形成ポリマーバインダーに分散されたそれらの混合物が挙げられる。セレニウム、セレニウム合金およびベンズイミダゾールペリレン等、ならびにそれらの混合物を連続的な均一の電荷発生層として形成してもよい。ベンズイミダゾールペリレン組成物は、周知であり、例えば米国特許第4,587,189号明細書に記載されている。
【0038】
電荷輸送層
ドラム感光体では、電荷輸送層は、同じ組成物の単一層を含む。この場合、電荷輸送層について、単一層20の観点で特定的に述べているが、この詳細を二重の電荷輸送層を有する実施形態に適用することも可能であろう。その後、電荷輸送層20を電荷発生層18の上に塗布し、電荷発生層18から光によって発生した正孔または電子の注入を助けることが可能で、電荷輸送層を介し、この正孔/電子を輸送し、画像化部材表面の表面電荷を選択的に放電させることが可能な任意の適切な透明有機ポリマーまたは非ポリマー材料を含んでいてもよい。一実施形態では、電荷輸送層20は、正孔を輸送するのに役立つだけではなく、電荷発生層18を引っかき傷または化学物質による攻撃から守るのにも役立ち、したがって、画像化部材の耐用年数を延ばすだろう。電荷輸送層20は、実質的に光伝導性材料であってもよいが、電荷発生層18から光によって発生した正孔を注入するのにも役立つ材料であってもよい。
【化1】

【0039】
接着層
場合によって別個の接着性界面層はある構造、例えば可とう性のロール紙構造などで提供されてもよい。図1に示す実施形態では、界面層は、遮蔽層14と電荷発生層18との間に位置していることになる。界面層は、コポリエステル樹脂を含んでいてもよい。界面層に利用してもよい例示的なポリエステル樹脂としては、Toyota Hsutsu Inc.から市販されているARDEL POLYARYLATE(U−100)、いずれもBostikからのVITEL PE−100、VITEL PE−200、VITEL PE−200DおよびVITEL PE−222などのポリアイレートポリビニルブチラール、Rohm Hassからの49,000ポリエステルおよびポリビニルブチラールが挙げられる。接着層を正孔遮断層14に直接塗布することができる。したがって、ある実施形態における接着性界面層は、真下の正孔遮断層14および真上の電荷発生層18の双方と直接連続的に接触することで、接着接合を強化して結合を確保する。さらに他の実施形態では、接着性界面層が全面的に省略される。
【0040】
接地片
接地片は、膜形成ポリマーバインダーと、導電性粒子とを含んでいていてもよい。導電性接地片層19に任意の適切な導電性粒子を使用してもよい。接地片19は、米国特許第4,664,995号明細書に列挙されているものを含む材料を備えていてもよい。導電性粒子としては、カーボンブラック、グラファイト、銅、銀、金、ニッケル、タンタル、クロム、ジルコニウム、バナジウム、ニオブ、インジウムおよび酸化錫等が挙げられる。導電性粒子は、任意の好適な形状を有していてもよい。形状としては、不規則形状、粒状、球状、楕円状、立方体状、片状および糸状等を挙げることができる。導電性粒子は、過度に不規則な外表面を有する導電性接地片層を回避するために、導電性接地片層の厚さより小さい粒径を有するべきである。約10マイクロメートル未満の平均粒径であると、一般に、乾燥された接地片層の外表面における導電性粒子の過度の突出が回避され、乾燥された接地片層のマトリックス全体を通じて粒子が比較的均一に分散される。接地片に使用される導電性粒子の濃度は、利用される具体的な導電性粒子の導電性などの要因に依存する。
【0041】
アンチカール裏側コーティング層
アンチカール裏側コーティング1は、絶縁性またはわずかに半導体性の有機ポリマーまたは無機ポリマーを含んでいてもよい。アンチカール裏側コーティングは、平坦さおよび/または耐引っかき性を付与する。
【0042】
二重層コンポジット搬送ローラの作製
二重層コンポジット搬送ローラ(図6)は、金型の周囲に成型されたエラストマーマトリックスの2つの層を含む。内層は、パラフィン含浸シリコーンポリマーで構成され、外層は、シリコーンのみ、または内層より低い割合でのパラフィン含浸シリコーンポリマーで構成される。PDMSポリマーを硬化させる前に、架橋性の液体ポリジメチルシロキサンにパラフィン油を混入することによって内部パラフィン含浸シリコーン層を作製した。円筒形の鋳型を使用して混合物(PDMS/パラフィン油)を金型上に成型した後に、硬化させた。硬化後、PDMS/パラフィンがコーティングされた棒を鋳型から取り出した。長さおよび直径ともにより大きな円筒形鋳型を使用して、内部PDMS/パラフィンコンポジット層の周囲の液体の架橋性PDMSまたはPDMSとパラフィンとの混合物を硬化させることによって外層を作製した。PDMSを市販の2成分系(基剤と硬化剤)(Dow Corning Corporation)から調製した。図6は、二重層ローラの断面の画像である。SEM画像により、ローラの内層41のPDMSマトリックスにおいて孔がパラフィン油を含むことが確認された。
【0043】
単層および二重層ローラを作製して、異なるゾーンで数日間にわたってローラからのパラフィンの受動損失を監視した。単層ローラ(d=9)は、1:2のパラフィン:PDMSで構成され、二重層ローラは、1:2のパラフィン:PDMSの内層(d=8mm)と、PDSMのみの外層(d=9mm)(すなわち、外層の厚さは0.5mm)とで構成されていた。Aゾーン、BゾーンおよびJゾーンの各々におけるローラからのパラフィンの受動損失を、毎日ローラの質量を測定することによって監視した。すべてのゾーンにおいて、パラフィンが単層ローラから受動的に拡散したが、その量は経時的に減少した。二重層ローラは、すべてのゾーンにおいてパラフィンの受動損失を防止した。図7は、単層搬送ローラからの経時的なパラフィンの受動損失を示し、図8は、Bゾ−ンにおける二重層搬送ローラからの経時的なパラフィンの損失を示す。単層についての30日間にわたるパラフィンの平均損失は、14mg/日であった(図7)。二重層ローラは、20日間にわたる損失が1mg/日未満であった(図8)。Aゾーンにおいて、単層ローラからのパラフィンの平均損失は25mg/日であり、二重層からのパラフィンの平均損失は1mg/日未満であった。Jゾーンにおいて、単層ローラからのパラフィンの平均損失は7mg/日であり、二重層からのパラフィンの平均損失は1mg/日未満であった。
【0044】
オリンピア機械での機械試験
パラフィンを含む場合と含まない場合との画質を比較するために、感光体(P/R)の長さの3分の2に及ぶ二重層PDMSパラフィン搬送ローラを使用した。これにより、画像の3分の2がパラフィンを含み、パラフィンを含まない対照領域が画像上に存在していた(5000の印刷(12.5kサイクル)を完了した)。図9は、Aゾーンにおいて二重層コンポジットローラをオーバーコート(OCL)とともに使用して5000の印刷(12.5kサイクル)の後に得られた印刷物の画像を示す。図9は、パラフィン油がP/Rに塗布された領域上では画像に欠陥がないことを明確に示しており、P/Rの電気特性に対する悪影響もトルクの問題もないことがわかる。これに対して、パラフィンを含まない領域は、欠損およびストリーキング欠損の両方を有している。AゾーンのOCLドラムおよび二重層コンポジット搬送ローラを使用してオリンピア機械から画像(T=5000、12.5kサイクル)を得た。搬送ローラと接触したP/Rの3分の2からの画像の左側は、画像欠陥がないことを示しており、搬送ローラと接触していないP/Rの3分の1からの画像の右側は、Aゾーン欠損および(トルクによるブレード損傷を示唆する)ストリーキングを示している。
【0045】
結果の概要から、二重層コンポジットパラフィン含浸PDMS搬送ローラは以下の利点を有することがわかる。内層は、機能性材料(パラフィン油)のためのリザーバになる。外側のPDMS層は、PDMFに高分率のパラフィン油が分散されたときのパラフィンの受動損失を防止する。二重層ローラを組み込んでも、P/Rデバイスの電気的機能に悪影響が及ぼされなかった。二重層ローラを使用してさらに十分な量のパラフィン油をP/R表面に搬送することで、パラフィン油が塗布されていない場合の画質と比較して画質を向上させる。
【0046】
コンポジット搬送ローラは、リザーバとして機能する内層と、リザーバ内の機能性材料の放出を抑制するように機能するとともに、頑健性をローラに付与する外層との2つの層で構成される。高負荷がかかったローラからのパラフィン油の受動損失の抑制は、機能性材料のより効率的な使用をもたらす。パラフィン油の損失を抑制することで、パラフィン油供給の持続性が高められることにより、ローラの寿命が延びる。感光体へのパラフィン油の塗布は、P/Rの電気特性に悪影響を及ぼさない。ローラのエラストマーの性質は、ローラとP/Rとの接触を容易にすることができる。トルク試験により、コンポジットローラを使用してパラフィンをオーバーコーティングP/Rに塗布すると、より低いトルクが達成されることがわかる。二重層コンポジットローラをOCL P/Rとともに使用してAゾーンで問題なく完了された印刷試験(5kプリント、12.5kサイクル)により、十分なパラフィンが搬送されることがわかった。それらの試験では、欠損またはストリーキングのない良好な画像が得られ、モータ故障が無く、トルクが問題でないことがわかった。パラフィン油を塗布するとP/Rの摩耗速度が低減される。
【0047】
有機OCLに伴う別の問題は、Aゾーン欠損である。機械学的調査により、Aゾーンは、1)BCRによる高エネルギー帯電により、感光体の表面に親水性の化学種が形成されること、2)多湿環境において親水性のP/Rに水が吸着すること、ならびに3)吸収した水層およびトナー汚染物質により感光体の表面導電性が高くなることによって引き起こされることが証明された。高トルクも表面化学作用の原因であると考えられる。二重層は、内部リザーバを大きくする、内層でのパラフィンのより高量の充填を可能にする。二重層ローラは、i)トルクを十分に低減し、ii)許容可能な画質を維持するために十分な量のパラフィン油をP/Rの表面に分配することが可能である。コンポジット搬送ローラは、i)PDMSおよびパラフィン油で構成される内部ローラを硬化させた後に、ii)PDMSのみ、またはPDMSおよび(内層より低い比率の)パラフィン油で構成されたローラの外側部分を硬化する2つの工程で容易に製造される。どちらの材料も安価であり、市販されており、無毒性である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像形成装置に使用するための搬送部材であって、
支持部材と、
ポリシロキサン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリフルオロシロキサン、ポリオレフィン、フルオロエラストマー、合成ゴム、天然ゴムおよびそれらの混合物からなる群から選択される材料を含むエラストマーマトリックス、ならびにその中に分散された機能性材料を含み、前記支持部材上に配置された内層と、
前記内層の上に配置され、前記機能性材料が拡散することを可能にする外層と、を備えた搬送部材。
【請求項2】
前記機能性材料が、アルカン、フルオロアルカン、アルキルシラン、フルオロアルキルシランアルコキシ−シラン、シロキサン、グリコールまたはポリグリコール、鉱物油、合成油、天然油、およびこれらの混合物からなる群から選択される請求項1に記載の搬送部材。
【請求項3】
前記内層が、約1mmから約30mmの厚さを有する請求項1に記載の搬送部材。
【請求項4】
前記内層が、約1ミクロンから約50ミクロンのサイズを有する孔を含む請求項1に記載の搬送部材。
【請求項5】
前記外層が、ポリシロキサン、ポリウレタン、ポリエステル、ポリフルオロシロキサン、ポリオレフィン、フルオロエラストマー、合成ゴム、天然ゴム、およびこれらの混合物からなる群から選択されるポリマーを含み、外層が、約0.1μmから約1mmの厚さを有する請求項1に記載の搬送部材。
【請求項6】
前記外層が、約1μm未満のサイズを有する孔を含む請求項1に記載の搬送部材。
【請求項7】
a)静電潜像をその上に現像するための電化保持面を有する画像化部材であって、
基材と、
前記基材上に配置された光伝導性部材と、を含む前記画像化部材と、
b)静電電荷を前記画像化部材上に所定の電位まで印加するための帯電ユニットと、
c)画像化部材の表面または帯電ユニットの表面に接触して配置された搬送部材であって、前記搬送部材が、
(i)支持部材と、
(ii)エラストマーマトリックス、およびその中に分散された機能性材料を含み、支持部材上に配置された内層と、
(iii)前記内層に配置された外層と、を含む前記運搬部材とを備えた画像形成装置。
【請求項8】
画像形成装置に使用するための搬送部材であって、
支持部材と、
エラストマーマトリックス、およびその中に分散された機能性材料を含む内層であって、前記内層は、前記支持部材上に配置され、約1ミクロンから約50ミクロンのサイズを有する孔を含む内層と、
前記内層の上に配置された外層であって、約1μm未満のサイズを有する孔を含む外層とを備えた搬送部材。
【請求項9】
前記機能性材料が、パラフィン油を含む請求項8に記載の搬送部材。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2013−92773(P2013−92773A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−228301(P2012−228301)
【出願日】平成24年10月15日(2012.10.15)
【出願人】(596170170)ゼロックス コーポレイション (1,961)
【氏名又は名称原語表記】XEROX CORPORATION
【Fターム(参考)】