説明

搬送装置

【課題】 簡易な構成でありながら、複数の袋を整列させると同時に密封状態の検査も行うことが可能な搬送装置を提供する。
【解決手段】 箱詰め装置1では、受入装置4において、新たに搬入された最後端の物品X1を第2後端保持部材64の保持プレート64a・64bによって挟み込んで縦向きの状態で整列させながら、物品X1に圧力をかけている。コントロールユニット92が、保持プレート64aの吊り下げ部分に取り付けられた圧力センサ65における検出結果に基づいて物品X1のシール不良の検査を行う。圧力センサ65における検出結果が、所定の値よりも小さい場合、あるいは徐々に検出される圧力が低下していく場合には、この物品X1をシール不良と判定する。一方、所定の値を上回っており、検出圧力が低下していかない場合には、この物品X1を正常品として判定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、箱詰めする前における商品を包装した袋を複数個並べて整列させる搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、組合せ計量装置や製袋包装機を含む生産ラインにおいては、袋のシール不良を検査するシールチェッカ等の検査装置や、検査を終えた正常品の袋を縦に複数個並べた後、まとめて段ボール箱へ箱詰めする搬送装置等が用いられている。
例えば、特許文献1には、製袋された袋をコンベアによって挟み込み、そのコンベアの上下方向の変位あるいは圧力の変化を、コンベアを上下移動させるACサーボモータによって検知してシールチェックを行うシールチェック装置が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、複数の袋を1個ずつ受け入れて、複数の袋を縦に並べた状態でまとめて段ボール箱に詰める搬送装置を備えた箱詰め装置が開示されている。
【特許文献1】特開2003−156403号公報(平成15年5月30日公開)
【特許文献2】特開2003−212338号公報(平成15年7月30日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の装置では、以下に示すような問題点を有している。
すなわち、上記公報に開示された各装置では、段ボール箱への箱詰め作業を行う装置と、シールチェックを行う装置とを別々の装置として設けているため、生産ラインを構成する装置の数が多くなるとともに、処理工程も増えてコストアップの要因となる。
本発明の課題は、簡易な構成でありながら、複数の袋を整列させると同時に密封状態の検査も行うことが可能な搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1の発明に係る搬送装置は、受入れ部と、先端支持部材と、後端支持部材と、駆動部と、検知部と、制御部とを備えている。受入れ部は、袋を1つずつ受け入れて複数の袋を整列させながら保持する。先端支持部材は、受入れ部において保持されている複数の袋のうち先頭の袋を一方の側から支持する。後端支持部材は、受入れ部において保持されている複数の袋のうち後端の袋を先端支持部材とは反対側から圧力をかけて支持する。駆動部は、受入れ部において保持されている複数の袋の最後部に新たな袋を受け入れる際には後端支持部材を一旦退避させる。検知部は、先端支持部材と後端支持部材との間に挟まれる複数の袋の厚みまたは支持圧力を検知する。制御部は、検知部における検知結果に基づいて複数の袋の密封状態の判定を行う。
【0006】
ここでは、1つずつ袋を受入れる受入れ部において、複数の袋を前後から挟み込むように整列させながら支持する先端支持部材と後端支持部材との間における袋の厚みや支持圧力に基づいて袋の密封状態の検査を行う。
なお、上記受入れ部は、例えば、各種検査が終了した袋をまとめて箱詰めする前に複数の袋を整列させる部分である。また、上記先端支持部材は、後端支持部材との間で複数の袋を挟み込んで支持する一方の支持部材であって、同じ位置に固定されていてもよいし、新たな袋が受入れ部に入ってくるたびに徐々に前進するような構成であってもよい。さらに、後端支持部材は、先端支持部材とは反対側から複数の袋を挟み込んで支持する支持部材であって、受入れ部における同じ位置で支持と退避とを繰り返し行ってもよいし、先端支持部材が固定されている場合には、新たな袋が入ってくるたびに徐々に後退しながら支持と退避とを繰り返すような構成であってもよい。
【0007】
通常、製袋された袋の密封状態を検査するシールチェッカと、密封状態の検査が行われた正常品の複数の袋をまとめて箱詰め前に整列させる搬送装置とは、別々に設けられている。このため、生産ラインに含まれる装置の数が多くなるとともに、処理工程も多くなることからコストアップの要因となる。
そこで、本発明の搬送装置では、箱詰め前に複数の袋を整列させながら同時に密封状態の検査も行っている。具体的には、受入れ部に1つずつ入ってくる袋の先頭の袋を支持する先端支持部材と、受入れ部に入ってくる最後部の袋を支持する後端支持部材とによって、複数の袋を、例えば縦状態で整列させる。このとき、これらの先端支持部材と後端支持部材とによって挟まれる複数の袋に対しては適度な圧力を加えられて支持されている。
【0008】
このため、先端支持部材と後端支持部材との間の袋に圧力をかけた状態で袋の総厚、あるいは支持圧力が低下していかないかを検査する。このとき、密封不良の袋が新たに受入れ部に入ってくると、圧力をかけた状態では最後部の袋からは空気が抜けていくことが予想される。これにより、先端支持部材と後端支持部材との間に挟まれる複数の袋の総厚、支持圧力が低下していくか否かによって、袋の密封状態の検査を実施することができる。
【0009】
この結果、袋を整列させる2つの支持部材を用いて同時にその間に挟まれるように支持された複数の袋の密封状態の検査も行うことができるため、簡易な構成により、生産ラインに含まれる装置の数を減らすとともに処理工程を減らして、コストダウンが図れる。
第2の発明に係る搬送装置は、第1の発明に係る搬送装置であって、後端支持部材は、第1支持部材と第2支持部材とを有している。
【0010】
ここでは、後端支持部材として、第1支持部材と第2支持部材という2つの支持部材によって最後部の袋を支持している。
これにより、新たな袋を受入れ部に受け入れる際には、第1支持部材が退避して新たに第2支持部材が最後部の袋を支持するとともに、次の新たな袋を受け入れる際には、第2支持部材が退避して再度第1支持部材が最後部の袋を支持するように駆動することができる。あるいは、第1支持部材と第2支持部材とで最後部の袋を挟み込むこともできる。このように、第1支持部材と第2支持部材という複数の支持部材を用いて最後部の袋を支持させることで、後端支持部材の駆動を簡略化することができる。
【0011】
なお、後端支持部材としては、2つの支持部材に限定されるものではなく、3つ以上の支持部材を有する構成であってもよい。
第3の発明に係る搬送装置は、第2の発明に係る搬送装置であって、第1支持部材と第2支持部材とは、その間に最後部に受入れられた新たな袋を挟み込み、検知部は、その最後部の袋の厚さまたは支持圧力を検知する。
【0012】
ここでは、後端支持部材が有している第1支持部材と第2支持部材との間に最後部の袋を挟み込んで検知部における検知結果に基づいて密封状態の検査を行う。
これにより、新たに受入れ部に入ってきた最後部の袋だけを挟み込んで1つずつ密封状態の検査を行うことができるため、不良品を検知した際には最後部の袋だけを廃棄することができる。よって、複数の袋を挟み込んで密封状態の検査を行う場合と比較して、密封状態の不良発生時に廃棄する袋の数を大幅に削減することができる。さらに、最後部の袋だけを挟み込んで密封状態の検査を行うため、複数の袋を挟み込んで密封状態の検査を行う場合と比較して、検査の精度を大幅に向上させることができる。
【0013】
第4の発明に係る搬送装置は、第3の発明に係る搬送装置であって、制御部において密封状態が不良と判定された袋を、正常な袋と振り分ける振分部をさらに備えている。
ここでは、検知部における検知結果に基づいて制御部が行った判定により密封不良と判定された袋については、例えば、正常な袋の搬送路の外へ振り分ける。
これにより、受入れ部において、複数の正常な袋の最後部に不良の袋が1つ追加された場合でも、第1支持部材と第2支持部材との間に挟まれた最後部の不良の袋だけを振り分けて廃棄することができる。よって、最後部に密封不良の袋を含む複数の袋をまとめて廃棄するような無駄をなくして、生産効率を向上させることができる。
【0014】
なお、振分部としては、最後部の袋だけを搬送路外へ廃棄するエアジェットやロボットアームのような装置を用いてもよいし、搬送コンベア上に突出した爪付きのコンベアを用いることもできる。
第5の発明に係る搬送装置は、第1から第4の発明のいずれか1つに係る搬送装置であって、検知部は、先端支持部材あるいは後端支持部材に設けられた圧力センサを有している。
【0015】
ここでは、先端支持部材および後端支持部材のいずれか一方に設けられた圧力センサによって袋の密封状態の検査を行う。
これにより、複数の袋を整列させるための先端支持部材と後端支持部材とを用いて、複数の袋を整列させながら同時に密封状態の検査(シールチェック)も行うことができる。
【発明の効果】
【0016】
本発明の搬送装置によれば、袋を整列させる2つの支持部材を用いて同時にその間に挟まれるように支持された複数の袋の密封状態の検査も行うことができるため、簡易な構成により、生産ラインに含まれる装置の数を減らすとともに処理工程を減らしてコストダウンを図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明の一実施形態に係る箱詰め装置(搬送装置)1について、図1〜図7を用いて説明すれば以下の通りである。
なお、以下の説明において、前後とはそれぞれ搬送方向の下流側および上流側を、また左右とはそれぞれ搬送方向後方から見たときの左側および右側を意味するものとする。
<箱詰め装置1の全体構成>
箱詰め装置1は、図1および図2に示すように、例えば、ポテトチップスなどの食品を、上流側に配置された製袋包装機(図示せず)によって袋詰めした物品X…Xを、段ボール(登録商標)箱Yに箱詰めする装置であって、搬送装置2、搬入装置3、受入装置4、排出装置5、搬出装置6および吸引装置(振分部)7を備えている。
【0018】
搬送装置2は、一群の物品X…Xを所定の方向(図中矢印a参照)に搬送する。
搬入装置3は、搬送装置2の上流側に設けられており、さらに上流側に配置された製袋包装機から供給される物品X…Xを所定の方向(図中矢印b参照)に搬送して受入位置アにおいて搬送装置2に受け渡す。
受入装置4は、受入位置アの近傍に設けられており、搬入装置3から搬送装置2の方へ物品X…Xを受け入れるとともに、搬送装置2に搬入された一群の物品X…Xの各袋のシール状態の検査を行う。なお、受入装置4において行われる袋のシール不良の検査については後段にて詳述する。
【0019】
排出装置5は、搬送装置2の下流側の左側に設けられており、搬送装置2によって搬送される物品X…Xを排出位置イにおいて所定の方向(図中矢印c参照)に排出する。
搬出装置6は、搬送装置2の下流側の右側に設けられており、排出される物品X…Xを段ボール箱Yに収容するとともに、段ボール箱Yをさらに下流側に搬送する(図中矢印d参照)。
【0020】
吸引装置7は、受入装置4において行われる物品X…Xの袋のシール不良の検査の結果に基づいて、シール不良と判定された袋を所定の方向(図2に示す矢印e参照)に吸引する。これにより、シール不良と判定された物品X…Xを、正常品が搬送される搬送路上から排除して正常品との振り分けを行うことができる。
<搬送装置2>
搬送装置2は、架台11上方の本体フレーム12内に回転自在な状態で軸支された前後一対のシャフト13・14を備えている。そして、搬入装置3の下流端部には、搬入装置3から受入装置4に受け渡される物品X…Xを検出するための光電センサ59が設置されている。
【0021】
シャフト13は、シャフト14よりも搬送方向における下流側に配置されており、所定位置に4個のスプロケット15a〜15dが取り付けられている。また、後方のシャフト14は、シャフト13よりも搬送方向上流側に配置されており、所定位置に4個のスプロケット16a〜16dが組み付けられている。このスプロケット15a〜15dのうち、スプロケット15a・15dは、シャフト13に固定支持されている。一方、スプロケット15b・15cは、シャフト13に回転自在の状態で支持されている。また、スプロケット16a〜16dのうち、スプロケット16a・16dは、シャフト14に回転自在の状態で支持されている。一方、スプロケット16b・16cは、シャフト14に固定支持されている。
【0022】
そして、対向配置された前後のスプロケット15a〜15d・16a〜16d間には、それぞれ1つの無端状チェーン17a〜17dが巻き掛けられている。また、各チェーン17a〜17dの直下方には、これらのチェーン17a〜17dを支持する受け部材18…18(図1では1つのみ図示)が配置されている。
また、本体フレーム12内の前方寄りに配置されたモータ19の出力軸に組み付けられたプーリ20と、前方のシャフト13の左側端部近傍に組み付けられたプーリ21とには、タイミングベルト22が巻き掛けられている。一方、本体フレーム12内の後方寄りに配置されたモータ23の出力軸に組み付けられたプーリ24と、後方のシャフト14の左側端部近傍に組み付けられたプーリ25とには、タイミングベルト26が巻き掛けられている。
【0023】
これにより、モータ19およびモータ23の駆動力が、スプロケット15a・15dおよびスプロケット16b・16cにそれぞれ伝達され、チェーン17a・17dおよびチェーン17b・17cがそれぞれ一斉に走行可能となる。
そして、この搬送装置2は、第1物品集合保持機構27と、第2物品集合保持機構28とを備えている。第1物品集合保持機構27は、搬送方向の前方側において、一対のチェーン17a・17dに跨って連結されており、一群の物品X…Xを保持する。第2物品集合保持機構28は、搬送方向の後方側において、一対のチェーン17b・17cに跨って連結されており、同じく一群の物品X…Xを保持する。つまり、各物品集合保持機構27・28は、モータ19・23の駆動によってそれぞれが独立して移動可能となる。
【0024】
次に、第1物品集合保持機構27および第2物品集合保持機構28の構成について、図3および図4を用いて、第2物品集合保持機構28を例に挙げて説明すれば以下の通りである。
第2物品集合保持機構28では、チェーン17b・17c間には、側面視においてL字状の前後一対の第1保持部材(先端支持部材)29および第2保持部材(後端支持部材)30が、チェーン17b・17cを跨ぐように所定の間隔を置いて設けられている。そして、搬送幅方向に長い12個の底板部材31…31が、両保持部材29・30の間に設けられている。このとき、第2保持部材30と底板部材31…31とは、それぞれスペーサ32…32を介して両チェーン17b・17c上に設けられている。さらに、第1保持部材29および第2保持部材30と底板部材31…31とは、両チェーン17b・17c上に着脱可能な状態で支持されている。
【0025】
また、第1保持部材29および第2保持部材30の上方に延びる先端部分は、それぞれ5つの切り欠き29a…29a・30a…30aが形成されて櫛歯状になっている。
そして、受入位置アの近傍から排出位置イの近傍までの位置には、矢印aで示す搬送方向に沿ってガイド部材33が設けられている(図1および図2参照)。そして、ガイド部材33の受入位置ア側の端部には、搬入装置3から受け入れた物品Xの側縁部と当接可能な状態で設けられた当接部33aが形成されている。当接部33aは、ガイド部材33の一部であって、他の部分よりも面積が大きくなるように形成されている。
【0026】
<搬入装置3>
搬入装置3は、図2に示すように、搬送装置2の上流側に設けられた受入位置アにおいて、上流側から横姿勢で供給される物品X…Xを、受入装置4および搬送装置2に対して縦姿勢(袋を立てた状態)で搬入する。そして、搬入装置3は、搬送装置2における搬送方向aに直交する向きで配置されている。
【0027】
また、搬入装置3は、図示しない駆動源によって駆動される第1ベルト41、第2ベルト42、第3ベルト43、第4ベルト44および第5ベルト45を備えている。第1ベルト41は、走行面が略鉛直方向に沿って配置されている。第2ベルト42は、受入装置4側では走行面が第1ベルト41と対向する一方、上流側では走行面が略水平方向に沿って配置されるようにねじられている。第3ベルト43は、第1ベルト41および第2ベルト42の下方に配置されて搬送装置2近傍まで配置されており、走行面が略水平方向に沿って配置されている。第4ベルト44および第5ベルト45は、第1ベルト41および第2ベルト42の下流側に配置されており、走行面が略鉛直方向に沿って配置されているとともに、走行面が互いに対向するように配置されている。
【0028】
また、搬入装置3は、図2に示すように、架台11から左方へ連設されたフレーム46上から設けられているサイドフレーム47aと、サイドフレーム47aと対向するように配置された右方のサイドフレーム47bと、を備えている。そして、搬送方向bに沿って配置された両サイドフレーム47a・47bの間には、サイドフレーム47bに固設された雌ネジを有するスリーブに螺合するネジ軸49が架設されている。さらに、サイドフレーム47aの外方に突出するネジ軸49の端部には、このネジ軸49を操作するためのハンドル50が取り付けられている。
【0029】
ネジ軸49の搬送方向bに沿った前後下方の両サイドフレーム47a・47b間には、適当な間隔をおいて、右方の端部がサイドフレーム47bに固定され、左方の端部がサイドフレーム47aに固定されたスリーブ(図示せず)を挿通するガイドロッド(図示せず)が設けられている。
第1ベルト41は、サイドフレーム47aに固設されたブラケット(図示せず)を介してサイドフレーム47aに回転可能な状態で軸支されている。そして、第1ベルト41は、走行面を略鉛直方向に平行にするために、前後一対のローラ54・54間に巻き掛けられている。
【0030】
一方、第2ベルト42は、上流側のサイドフレーム47bに回転自在な状態で軸支されている。そして、第2ベルト42は、この近傍における走行面を略水平にするために、ローラ55と、サイドフレーム47bに回転自在な状態で軸支され、その近傍における走行面を略鉛直方向に平行にするためのローラ57と、の間に巻き掛けられている。
第3ベルト43は、両サイドフレーム47a、47b間に回転自在な状態で軸支された前後一対のローラ58・58間に巻き掛けられている。
【0031】
第4ベルト44および第5ベルト45は、図示しないブラケットを介して両サイドフレーム47a・47bにそれぞれ回転自在な状態で軸支された前後一対のローラに巻き掛けられている。
本実施形態では、以上のような構成により、ハンドル50を操作すると、サイドフレーム47bがガイドロッド52・52に案内されながらサイドフレーム47aに対して相対移動するため、第1ベルト41と第2ベルト42との間の間隔、および第4ベルト44と第5ベルト45との間の間隔をそれぞれ調整することができる。
【0032】
<受入装置4>
受入装置4は、図1および図3に示すように、搬入装置3によって搬送装置2に対して物品X…Xが搬入される受入位置アの上方に配置されている。
受入装置4は、搬入装置3から搬入される物品X…Xを、搬送装置2の第1物品集合保持機構(受入れ部)27および第2物品集合保持機構(受入れ部)28へ確実に受け入れる。そして、受入装置4は、これらの第1物品集合保持機構27および第2物品集合保持機構28に保持された一群の物品X…Xの最後端を保持するために、複数の後端保持部材(第1後端保持部材63および第2後端保持部材64)を有している。
【0033】
第1後端保持部材(後端支持部材)63および第2後端保持部材(後端支持部材)64は、図4および図5に示すように、下端部が櫛歯状になるように形成された平板状の部材であって、後端保持部材駆動機構(駆動部)71によってベースプレート72に形成されたカム溝73a・73bに沿って駆動される。また、第1・第2後端保持部材63・64は、図6に示すように、それぞれが一対の保持プレート(第1支持部材、第2支持部材)63a・63b、一対の保持プレート(第1支持部材、第2支持部材)64a・64bを有しており、各保持プレート63a・64aの吊り下げ部分に圧力センサ(検知部)65を備えている。圧力センサ65は、保持プレート63a・64aと保持プレート63b・64bとの間に物品Xを挟みこんだ際に物品Xにかかる圧力を測定する。なお、圧力センサ65は、保持プレート63a・64aが物品Xに対して圧力をかけた際におけるそれぞれの保持プレート63a・64aの変位量を圧力として検知するロードセルである。これにより、第1・第2物品集合保持機構27・28の最後端に搬入された各物品X1(図6参照)の袋がシール不良であるか否かを検査することができる。なお、これらの部材を用いた各物品Xの袋のシール不良の検査については、後段にて詳述する。
【0034】
後端保持部材駆動機構71は、図4および図5に示すように、ベースプレート72と、カム73と、3つのカムフォロア74a・74b・74cと、一対のカムフォロアベース75・75と、シャフト76と、一対のブロック部材77・77と、モータ79とを備えている。
ベースプレート72は、カム73が取り付けられ、図示しない本体部分に固定される。
【0035】
カム73は、ベースプレート72に取り付けられており、所定形状のカム溝73a・73bが形成されている。
3つのカムフォロア74a〜74cは、カム溝73a・73bに沿って所定の方向(図中矢印d参照)に移動する。なお、カムフォロア74a・74bは、カム溝73aに沿って移動する一方、他のカムフォロア74cは、異なるカム溝73bに沿って移動する。これにより、移動中のカムフォロアベース75は、第1・第2後端保持部材63・64が所定の姿勢になるように、つまり垂直姿勢になるように維持される。
【0036】
一対のカムフォロアベース75・75は、上記3つのカムフォロア74a〜74cを回転自在に支持する。
シャフト76は、各カムフォロアベース75から搬送経路の上方に向かって延びる部材であって、カムフォロアベース75側の部分に一対のブロック部材77・77が回転可能な状態で取り付けられている。さらに、シャフト76の先端には、上述した下端部が櫛歯状になるように形成された第1・第2後端保持部材63・64が吊下げられるように取り付けられている。
【0037】
モータ79は、図4および図5に示すように、各ベースプレート72に取り付けられている。モータ79の駆動力は、タイミングベルト80を介して、取付プレート85とベースプレート72との間に回転自在に支持されたシャフト86に伝達される。
また、このシャフト86に一対のスプロケット87・87が取り付けられている。そして、上方のスプロケット87・87および下方に設けられた図示しないガイド部材に対して、一対の無端状チェーン88・88が巻き掛けられている。
【0038】
各無端状チェーン88・88は、図4において一点鎖線で示す経路に沿って矢印d方向に走行する。すなわち、上記一点鎖線で示す経路では、上方位置において略円弧状であっって、下方位置においてはいずれも略直線状となっている。このため、無端状チェーン88・88に連動して移動する第1・第2後端保持部材63・64の下端部は、図4に示す符号Tおよび二点鎖線で示す軌跡を描いて移動して、物品受入可能領域Sに進出する。このとき、第1・第2後端保持部材63・64の下端部に形成された櫛歯状の部分は、上述した第1保持部材29および第2保持部材30の上部に形成された5つの切り欠き29a…29a・30a…30aを有する櫛歯状の部分と接触しないように交差してすれちがう。
【0039】
本実施形態の箱詰め装置1では、第1・第2後端保持部材63・64を以上のように駆動することにより、物品X…Xを1つずつ第1物品集合保持機構27、または第2物品集合保持機構28に受け入れながら整列させることができる。なお、第1・第2後端保持部材63・64によって物品X…Xの整列と同時に行われる各物品Xの袋のシール不良の検査については後段にて詳述する。
【0040】
<排出装置5>
排出装置5は、図1および図2に示すように、本体フレーム12の上面に搬送方向aに直交する向きで配置されたテーブル81上に配置されている。また、排出装置5は、平板状のプッシャ部材82と、シリンダ83とを備えている。
プッシャ部材82は、第1・第2物品集合保持機構27・28に保持された一群の物品X…Xを同時に所定の方向(図1に示す矢印c参照)へ押し出して、その奥に設けられた箱Yの中へ一群の物品X…Xを詰め込む。
【0041】
シリンダ83は、箱詰めを行う側に突出するロッド83aを有しており、ロッド83a先端に取り付けられたプッシャ部材82を矢印cで示す方向に進出させる。なお、プッシャ部材82を進出させる機構として用いたシリンダ83は一例であって、ソレノイドやモータ等の機構を用いてもよい。
<搬出装置6>
搬出装置6は、図1および図2に示すように、本体フレーム12の上面に設けられた搬送方向における前後方向に延びるテーブル91を有している。そして、排出装置5によって所定の数だけ詰め込まれた一群の物品X…Xを収容した箱Yを、テーブル91上から矢印dで示す下流側へ搬送する。
【0042】
<吸引装置7>
吸引装置7は、図2に示すように、搬入装置3との間において、搬送装置2の第1・第2物品集合保持機構27・28を挟み込むように配置されている。そして、吸引装置7は、後述する受入装置4における物品Xの袋のシール不良の検査を行った結果、シール不良と判定された袋を、図中矢印eで示す方向に吸引して搬送径路上から排除する。
【0043】
<箱詰め装置1の制御システム>
本箱詰め装置1の制御システムは、図7に示すように、箱詰め装置1を構成する各部を総括的に制御するコントロールユニット92を備えている。また、このコントロールユニット92は、物品Xの種類ごとの初期設定や各種の制御パラメータ、物品Xの袋のシール不良の検査を行った際のシール不良と判定するための閾値となる圧力値等を記憶するメモリ92aを有している。
【0044】
コントロールユニット92は、搬送装置2、搬入装置3、受入装置4、排出装置5および搬出装置6に対して制御信号を出力し、これらの動作を制御する。そして、コントロールユニット92には、光電センサ59からの検出信号が入力される。
また、メモリ92aには、物品Xごとに、第1・第2後端保持部材63・64の動作パターン、各チェーン17a〜17dの間欠駆動のタイミング、一群あたり受け入れる物品X…Xの個数、受入位置アから排出位置イまでの各チェーン17a〜17dの走行速度と走行時間、排出装置5のプッシャ部材82の進退ストロークなどの制御パラメータが記憶されている。
【0045】
さらに、コントロールユニット92には、第1・第2後端保持部材63・64に設けられた圧力センサ65において検出された物品X…Xを、保持プレート63a・64aと保持プレート63b・64bとの間に挟みこんだ際の圧力が入力される。コントロールユニット92では、この圧力センサ65における検出結果に基づいて、第1物品集合保持機構27または第2物品集合保持機構28の最後端に搬入された物品Xの袋がシール不良であるか否かの検査を行う。具体的には、圧力センサ65において検出される圧力が徐々に減少していく場合には、物品Xの袋に穴が空いている等のシール不良が考えられるため、これをシール不良として判定する。そして、吸引装置7を制御して、このシール不良と判定された最後端の物品Xの袋を所定の方向(図2に示す矢印e参照)に吸引して廃棄する。
【0046】
<箱詰め装置1による動作>
ここでは、本実施形態の箱詰め装置1による箱詰め動作およびシール不良の検査の動作について説明する。
まず、包装機等上流側に配置された装置から搬入装置3に対して横向きの姿勢で物品Xが1個ずつ供給される。そして、物品Xは、第1・第2ベルト41・42によって順次縦向きの姿勢にされた後、第4・第5ベルト44・45によって縦向きの姿勢のまま受入装置4へ搬入される。
【0047】
コントロールユニット92は、光電センサ59からの物品検出信号が入力されると、メモリ92aが記憶している物品Xに対応する制御パターンに基づいて、受入装置4(第1・第2後端保持部材63・64)、搬送装置2(各チェーン17a〜17d)、排出装置5(シリンダ83)および搬出装置6等の駆動をそれぞれ制御する。
受入装置4においては、図3に示すように、第2物品集合保持機構28において既に受け入れられた6個の物品X…Xの最後端の物品Xが、第1後端保持部材63の保持プレート63aと保持プレート63bとの間によって縦姿勢で保持される。そして、6個の物品X…Xは前方の第1保持部材29と後方の第1後端保持部材63とによって互いに密着して保持される。そして、受入装置4の直下の位置に、搬入装置3から新たな物品X1が搬入される。
【0048】
次に、新たな物品X1が搬入される際には、第1後端保持部材63が、図3に示す位置から退避して、第2後端保持部材64が次に搬入される物品X1の後端側へ回り込むように移動して物品X1を保持プレート64a・64bによって挟み込む。そして、新たな物品X1が縦姿勢で搬入されると、物品X1の一方の側縁部がガイド部材33の当接部33aに当接し、物品X1を第2物品集合保持機構28上に配置させることができる。
【0049】
このとき、本実施形態の箱詰め装置1では、図6に示すように、第2後端保持部材64の保持プレート64aと保持プレート64bとの間に挟まれる最後端の物品X1に対して圧力を加え、保持プレート64a側に設けられた圧力センサ65によってその圧力を検出する。ここで、検出された圧力が所定の値よりも小さい場合、あるいは徐々に圧力が減少していく場合には、コントロールユニット92がこの最後端の物品X1の袋がシール不良であると判定する。そして、コントロールユニット92は、吸引装置7を作動させてシール不良と判定された物品X1を吸引させて搬送路上から排除させる。一方、圧力センサ65における検出結果が所定の値を上回る場合には、この物品X1を正常品として判定し、次の物品Xを受け入れる。
【0050】
なお、第1・第2後端保持部材63・64(保持プレート63a〜64b)は、第1・第2保持部材29・30に対して交差するようにすれ違うことが可能である。このため、例えば、第2物品集合保持機構28に最初の物品Xを受け入れる際、あるいは最後の物品Xを受け入れる際には、第1・第2後端保持部材63・64と第1・第2保持部材29・30とが交差してすれ違うように、第1・第2後端保持部材63・64が駆動される。
【0051】
第1・第2後端保持部材63・64を繰り返し駆動した結果、第2物品集合保持機構28に所定個数(ここでは14個)の物品X…Xが受け入れられると、これらの一群の物品X…Xは、第2物品集合保持機構28の前後に配置された第1保持部材29と第2保持部材30との間に保持されて安定して搬送される。
以上のように、第2物品集合保持機構28に14個の物品X…Xが縦姿勢で収容・保持されると、第2物品集合保持機構28は排出位置イまで移動する。
【0052】
一方、第2物品集合保持機構28に先立って14個の物品X…Xを収容した第1物品集合保持機構27は、図1および図2に示すように、チェーン17a・17dの走行によって排出位置イに移動して停止する。次に、排出装置5のプッシャ部材82が搬送経路上に進出すると、第1物品集合保持機構27に収容された物品X…Xは所定方向に同時に押し出される。このとき、物品X…Xは、搬送装置2を挟むように配置された箱Yに、図2に示すような縦向きの姿勢でコンパクトに収容される。そして、所定個数の物品X…Xが収容された箱Yは、下流側へと搬送される。
【0053】
全ての物品X…Xが排出された第1物品集合保持機構27は、チェーン17a・17dが走行することによって受入位置アに向かって移動を開始する。
一方、第1物品集合保持機構27が退去した排出位置イには14個の物品X…Xを収容した第2物品集合保持機構28が移動し、上記と同様に物品X…Xが排出される。その間、第1物品集合保持機構27は、受入位置アにおいて同様に物品X…Xを受け入れる。
【0054】
このように、チェーン17a・17dとチェーン17b・17cとがそれぞれ独立して駆動され、排出位置イで第1物品集合保持機構27もしくは第2物品集合保持機構28から物品X…Xが排出される。一方、受入位置アにおいては、第2物品集合保持機構28もしくは第1物品集合保持機構27が搬入装置3から受入装置4を介して物品X…Xを受け入れることができる。この結果、このような動作を繰り返し行うことにより、物品X…Xの箱詰め作業およびシール不良検査を高速で処理することができる。
【0055】
[本箱詰め装置1の特徴]
(1)
本実施形態の箱詰め装置1では、図6に示すように、受入装置4において、新たに搬入された最後端の物品X1を第2後端保持部材64(第1後端保持部材63)の保持プレート64a・64bによって挟み込んで縦向きの状態で整列させながら、物品X1に圧力をかけている。そして、コントロールユニット92が、保持プレート64aの吊り下げ部分に取り付けられた圧力センサ65における検出結果に基づいて物品X1のシール不良の検査を行う。具体的には、圧力センサ65における検出結果が、所定の値よりも小さい場合、あるいは徐々に検出される圧力が低下していく場合には、この物品X1をシール不良と判定する。一方、所定の値を上回っており、検出圧力が低下していかない場合には、この物品X1を正常品として判定する。
【0056】
これにより、最後端の物品X1の袋を複数の物品X…Xの最後部に整列させながら、この物品X1の袋のシール不良の検査を実施することができる。この結果、簡易な構成の箱詰め装置1であっても、生産ラインに含まれる装置の数を減らすとともに処理工程を減らして、コストダウンを図ることができる。
(2)
本実施形態の箱詰め装置1では、第1物品集合保持機構27あるいは第2物品集合保持機構28に受入れられた複数の物品X…Xの最後端に搬入された物品X1を支持する後端支持部材として、第1後端保持部材63および第2後端保持部材64を備えている。
【0057】
これにより、最後端の物品X1を受け入れる際には、既に受け入れられた最後端の物品Xを第1後端保持部材63によって支持している状態から退避させ、第2後端保持部材64によって新たに受け入れられる最後端の物品X1を支持しながら複数の物品X…Xを整列させることができる。
(3)
本実施形態の箱詰め装置1では、第1物品集合保持機構27あるいは第2物品集合保持機構28に受入れられた複数の物品X…Xの最後端に搬入された物品X1を、第1・第2後端保持部材63・64に含まれる一対の保持プレート63a・63bおよび保持プレート64a・64bによって挟み込む。そして、保持プレート63a・64aに取り付けられた圧力センサ65によって検出された圧力に基づいて、コントロールユニット92がシール不良であるか否かの判定を行う。
【0058】
このように、第1・第2後端保持部材63・64が、それぞれ一対の保持プレート63a・63b、保持プレート64a・64bを有していることで、最後端の物品X1を保持プレート63a(保持プレート64a)と保持プレート63b(保持プレート64b)との間に挟み込むことができる。このため、第1物品集合保持機構27あるいは第2物品集合保持機構28に搬入された最後端の物品X1の袋だけに圧力をかけてシール不良の検査を実施することができる。この結果、複数の物品X…Xを挟み込んで最後端の物品X1の袋のシール不良の検査を行う場合と比較して、より高精度にシール不良の検査を実施することができる。また、最後端の物品X1を2つの保持プレート63a・63bによって挟み込むように保持することで、最後端の物品X1のハンドリングが容易となり、確実に整列させることができる。
【0059】
(4)
本実施形態の箱詰め装置1では、コントロールユニット92においてシール不良と判定された最後端の物品X1について、正常品が搬送される搬送路上からシール不良品を振り分ける振分部として、吸引装置7を備えている。
これにより、第1・第2物品集合保持機構27・28において最後端に搬入された物品X1の袋のシール状態の検査を行いながら、シール不良と判定された物品が発生した場合には、この物品を正常品とは異なる位置へ振り分けることができる。この結果、最後端に位置する物品X1だけを搬送路上から排除して、生産効率を向上させることができる。
【0060】
(5)
本実施形態の箱詰め装置1では、第1・第2後端保持部材63・64の保持プレート63a・64aに、圧力センサ65を設けている。
これにより、最後端の物品X1の袋を挟み込んだ際の圧力が、所定の値よりも下回るか否か、あるいは検出される圧力が徐々に減少しているか否かによって、シール不良の検査を実施することができる。
【0061】
[他の実施形態]
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
(A)
上記実施形態では、第1・第2後端保持部材63・64に取り付けられた圧力センサ65によってシール不良の有無を検出する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0062】
例えば、図8に示すように、第1保持部材29と第1・第2後端保持部材63・64とによって挟み込んだ袋の厚さを測定する厚さ測定器66を、圧力センサ65と同様の位置に搭載して、袋の厚みに基づいてシール不良の有無を判定してもよい。この場合でも、物品X…Xを整列させながらシール不良の検査を行うことができるという、上記と同様の効果を得ることができる。
【0063】
さらに、圧力センサの替わりに、歪ゲージを備えていてもよい。この場合には、歪ゲージを保持プレート63a・64aの表面に貼り付けて、ここで検出される値が所定の値を下回る場合には、これをシール不良として判定することができる。
(B)
上記実施形態では、一対の保持プレート63a・63bおよび保持プレート64a・64bの間にそれぞれ最後端の物品X1を挟み込んでシール不良の検査を行う例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0064】
例えば、図9に示すように、1枚の保持プレートからなる第1後端保持部材63だけで最後端の物品X1に対して後方から圧力をかけて圧力センサ65において圧力を検出してもよい。この場合には、第1保持部材29との間に複数の物品X…Xを挟み込んで圧力を検出することで、最後端に新たに受け入れられた物品X1のシール状態を検査することができる。
【0065】
また、第1・第2後端保持部材63・64を回転駆動するモータ79としてサーボモータを用いた場合には、第1・第2後端保持部材63・64のプレート部分が物品Xに当接してから離れるまでのトルクの変化量を検知して変化量が所定値を上回る場合にこれをシール不良として判定するような構成であってもよい。
(C)
上記実施形態では、単一の駆動源としてモータ79を用いて第1・第2後端保持部材を駆動する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0066】
例えば、図10に示すように、2つの回転駆動源179a・179bによって2つの後端保持部材163・164を駆動する構成であってもよい。図10に示す例では、個々の回転駆動源179a・179bが、ギア等の部品を介して第1・第2後端保持部材163・164を前進させて最後端の物品X1を後方から押さえ込む。このとき、回転駆動源179a・179bにおいて検出されるトルクに応じて最後端の物品X1がシール不良であるか否かを検査することができる。
【0067】
なお、回転駆動源179a・179bとしてサーボモータを用いた場合には、最後端の物品X1を押さえ込んだ際の保持プレート63a・64aの検出位置に応じてシール不良であるか否かの検査を行ってもよい。この場合でも、上記と同様の効果を得ることができる。
(D)
上記実施形態では、第1・第2後端保持部材63・64の各保持プレート63aおよび保持プレート64aに圧力センサ65を取り付けた例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0068】
例えば、先端保持部材としての第1保持部材29側に圧力センサを設けてもよい。この場合には、整列させた物品X…Xに圧力をかけて圧力センサにおいて検出される圧力が減少していかないかを調べることで、最後端に搬入された物品Xのシール不良の検査を行うことができる。
(E)
上記実施形態では、受入装置4において、後端支持部材として2つの後端保持部材63・64を備えている例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0069】
例えば、後端支持部材として、3つ以上の後端保持部材を有していてもよい。この場合でも、上記と同様に、各物品Xの袋を整列させながらシール不良の検査を実施することができる。
(F)
上記実施形態では、シール不良と判定された袋を、吸引装置7によって吸引して搬送路上から排出する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0070】
例えば、シール不良の袋の排出方法として、排出用の搬送コンベアを設けたり、ロボットアーム等を設けたりしてシール不良の袋を排出することもできる。
(G)
上記実施形態では、シール不良と判定された袋を、搬入装置3による袋の搬送方向の延長線上にある吸引装置7の方向へ排出する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0071】
シール不良の袋の排出方向については、受入装置4におけるシール不良検査実施位置の部分に開閉可能な開口を設けてその真下に排出することもできる。さらには、ロボットアームを用いた場合には、受入装置4におけるシール不良の検査を実施する位置の上方から排出することもできる。いずれの場合においても、物品X...Xの袋を整列させながらシール不良の検査を行うことができるという上記と同様の効果を獲ることができる。
【0072】
(H)
上記実施形態では、最後端に搬入された袋についてシール不良の検査を行った結果、シール不良と判定された袋について、その袋だけを吸引装置7によって吸引して搬送路上から排出する例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
例えば、最後端の袋がシール不良と判定された場合には、それまでに第1物品集合保持機構27あるいは第2物品集合保持機構28に整列させられた複数の袋の一群を、プッシャ部材82等を用いてまとめて排出してもよい。この場合には、最後端の袋だけを排出するという複雑な機構、制御が不要となる。
【0073】
ただし、この場合には、シール不良と判定された袋以外の複数の袋まで廃棄することになって無駄が生じるため、上記実施形態のようにシール不良と判定された袋だけを廃棄することがより好ましい。
(I)
上記実施形態では、本発明の搬送装置を箱詰め装置に対して適用した例を挙げて説明した。しかし、本発明はこれに限定されるものではない。
【0074】
例えば、箱詰め装置に限らず、袋詰めされた商品を整列させる整列装置や、整列させた商品を搬送する搬送装置に対して本発明を適用してもよい。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明の搬送装置は、袋を整列させる2つの支持部材を用いて、整列と同時にその間に挟まれるように支持された複数の袋の密封状態の検査も行うことができるという効果を奏することから、袋詰めされた商品を扱う各種装置に対して広く適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の一実施形態に係る箱詰め装置の概略的な構成を示す側面図。
【図2】図1の箱詰め装置を示す平面図。
【図3】図1の箱詰め装置が備えている受入装置周辺の構成を示す拡大図。
【図4】図3の受入装置を示す正面図。
【図5】図4の受入装置の構成を示す平面図。
【図6】図4および図5の受入装置が備えている第1・第2後端保持部材が移動する軌道を示す概略図。
【図7】図1の箱詰め装置が備えている制御システムを示す制御ブロック図。
【図8】本発明の他の実施形態に係る箱詰め装置に含まれる受入装置の構成を示す概略図。
【図9】本発明のさらに他の実施形態に係る箱詰め装置に含まれる受入装置の構成を示す概略図。
【図10】本発明のさらに他の実施形態に係る箱詰め装置に含まれる受入装置の構成を示す概略図。
【符号の説明】
【0077】
1 箱詰め装置(搬送装置)
2 搬送装置
3 搬入装置
4 受入装置
5 排出装置
6 搬出装置
7 吸引装置(振分部)
27 第1物品集合保持機構(受入れ部)
28 第2物品集合保持機構(受入れ部)
29 第1保持部材(先端支持部材)
30 第2保持部材
41 第1ベルト
42 第2ベルト
43 第3ベルト
44 第4ベルト
45 第5ベルト
59 光電センサ
63 第1後端保持部材(後端支持部材、第1支持部材)
63a 保持プレート(第1支持部材)
63b 保持プレート(第2支持部材)
64 第2後端保持部材(後端支持部材、第2支持部材)
64a 保持プレート(第1支持部材)
64b 保持プレート(第2支持部材)
65 圧力センサ(検知部)
66 厚さ測定器(検知部)
71 後端保持部材駆動機構(駆動部)
72 ベースプレート
73a・73b カム溝
74a・74b カムフォロア
75 カムフォロアベース
76 シャフト
77 ブロック部材
79 モータ
82 プッシャ部材
83 シリンダ
85 取付プレート
86 シャフト
87 スプロケット
88 無端状チェーン
92 コントロールユニット(制御部)
92a メモリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋を1つずつ受け入れて複数の袋を整列させながら保持する受入れ部と、
前記受入れ部において保持されている前記複数の袋のうち先頭の袋を一方の側から支持する先端支持部材と、
前記受入れ部において保持されている前記複数の袋のうち後端の袋を前記先端支持部材とは反対側から圧力をかけて支持する後端支持部材と、
前記受入れ部において保持されている前記複数の袋の最後部に新たな袋を受け入れる際には前記後端支持部材を一旦退避させる駆動部と、
前記先端支持部材と前記後端支持部材との間に挟まれる前記複数の袋の厚みまたは支持圧力を検知する検知部と、
前記検知部における検知結果に基づいて前記複数の袋の密封状態の判定を行う制御部と、
を備えている搬送装置。
【請求項2】
前記後端支持部材は、第1支持部材と第2支持部材とを有している、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記第1支持部材と前記第2支持部材とは、その間に前記最後部に受け入れられた新たな袋を挟み込み、
前記検知部は、前記最後部の袋の厚さまたは支持圧力を検知する、
請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記制御部において密封状態が不良と判定された袋を、正常な袋と振り分ける振分部をさらに備えた、
請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記検知部は、前記先端支持部材あるいは前記後端支持部材に設けられた圧力センサを有している、
請求項1から4のいずれか1項に記載の搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−315698(P2006−315698A)
【公開日】平成18年11月24日(2006.11.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−137975(P2005−137975)
【出願日】平成17年5月11日(2005.5.11)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】