搬送装置
【課題】液体に無端チェーンが埋没した状態において該無端チェーンに加わるテンションの不足を防止する。
【解決手段】搬送装置１００は、スプロケット１０、１２と、スプロケット１０、１２に掛け渡された無端チェーン２０と、液体５２に無端チェーン２０を埋没させるための槽３０と、無端チェーン２０にテンションを加えるテンション印加機構４０とを備える。テンション印加機構４０は、槽３０の中に液体５２が注入されることによって浮力によって上昇するように配置されたフロート４２と、テンションローラ４４とを含む。フロート４２の上昇に応じてテンションローラ４４によって無端チェーン２０にテンションが加えられる。
【解決手段】搬送装置１００は、スプロケット１０、１２と、スプロケット１０、１２に掛け渡された無端チェーン２０と、液体５２に無端チェーン２０を埋没させるための槽３０と、無端チェーン２０にテンションを加えるテンション印加機構４０とを備える。テンション印加機構４０は、槽３０の中に液体５２が注入されることによって浮力によって上昇するように配置されたフロート４２と、テンションローラ４４とを含む。フロート４２の上昇に応じてテンションローラ４４によって無端チェーン２０にテンションが加えられる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、搬送装置に係り、特に、液体に埋没させることが可能な無端チェーンを備える搬送装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
物品、例えば製造中又は製造後の飲料製品を搬送するために無端チェーンを備える搬送装置が使用されうる。例えば、飲料が充填された直後の容器や、そのような容器に蓋（例えば、缶蓋、王冠、コルク栓等）を付けるシーマーや打栓機から排出される容器を搬送する搬送装置の無端チェーンは、飲料で汚れうる。
【０００３】
したがって、搬送装置は、例えば、製品の製造の終了後或いは清掃スケジュールにしたがって洗浄がされうる。無端チェーンを効率的に洗浄するために、液体に無端チェーンを埋没させるための槽を備える搬送装置がある。このような搬送装置では、槽の中に加熱された液体（典型的には、水）を注入することによって無端チェーンをその液体によって洗浄がされうる。洗浄に使用される液体は、無端チェーンを殺菌するために、例えば８０℃以上に加熱される。
【特許文献１】特開２００３−１４６４１９
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上記のように、加熱された液体で無端チェーンを洗浄する場合において、無端チェーンが通常時よりも延びてしまい、無端チェーンに適切なテンションが加わらないことがある。テンションの不足によって、無端チェーンがスプロケットから外れてスプロケットが空回りしうる。この場合、無端チェーンの洗浄不良或いは殺菌不良が起こったり、スプロケットを駆動するモータが過回転したりしうる。また、無端チェーンの延びが大きくない場合においても、液体の中で無端チェーンを周回させるためには、より強い駆動力が必要であり、より強いテンションが必要になる場合も考えられる。
【０００５】
本発明は、上記の課題認識に基づいてなされたものであり、例えば、液体に無端チェーンが埋没した状態において該無端チェーンに加わるテンションの不足を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の搬送装置は、物品を搬送する搬送装置として構成され、前記搬送装置は、少なくとも２つのスプロケットと、物品を搬送するように前記少なくとも２つのスプロケットに掛け渡された無端チェーンと、液体に前記無端チェーンを埋没させるための槽と、前記槽の中に液体が注入されることによって浮力によって上昇するように配置されたフロート及びテンションローラを含み、前記フロートの上昇に応じて前記テンションローラによって前記無端チェーンにテンションを加えるテンション印加機構とを備える。
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、例えば、液体に無端チェーンが埋没した状態において該無端チェーンに加わるテンションの不足を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
【０００９】
図１および図２は、本発明の好適な実施形態の搬送装置の構成を模式的に示す図である。本発明の好適な実施形態の搬送装置１００は、物品、例えば製造中又は製造後の飲料製品を搬送するように構成されうる。より具体的な例を挙げると、搬送装置１００は、例えば、アルコール飲料又はノンアルコール飲料等の飲料が充填された直後の容器や、そのような容器に蓋（例えば、缶蓋、王冠、コルク栓等）を付けるシーマーや打栓機から排出される容器を搬送するために使用されうる。
【００１０】
搬送装置１００は、少なくとも２つのスプロケット１０、１２と、物品（例えば、容器）１を搬送するように少なくとも２つのスプロケット１０、１２に掛け渡された無端チェーン２０と、液体５２に無端チェーン２０を埋没させるための槽３０と、無端チェーン２０にテンションを加えるテンション印加機構４０とを備える。搬送装置１００は、１又は複数のテンションローラ１４を備えてもよい。
【００１１】
搬送装置１００は、更に、加熱された液体（例えば、水）を槽３０内に供給する供給部５０を更に備えうる。この液体は、例えば、８０℃程度に加熱された液体でありうる。加熱された液体は、無端チェーン２０、更には、槽３０の内面や槽３０内に配置された部品（例えば、スプロケット１０、１２、テンションローラ１４、テンション印加機構４０）の殺菌に寄与する。
【００１２】
テンション印加機構４０は、槽３０の中に液体５２が注入されることによって浮力によって上昇するように配置されたフロート４２と、テンションローラ４４とを含む。フロート４２の上昇に応じてテンションローラ４４によって無端チェーン２０にテンションが加えられる。
【００１３】
テンション印加機構４０は、例えば、フロート４２とテンションローラ４４とを連結するリンク機構４６を含みうる。フロート４２の移動は、リンク機構４６を介してテンションローラ４４に伝達される。これにより、フロート４２の上昇に応じてテンションローラ４４によって無端チェーン２０にテンションが加えられうる。リンク機構４６は、例えば、軸４８を中心として回動可能に配置され、軸４８とフロート４２とを連結するとともに軸４８とフロート４２との間の位置でテンションローラ４４を支持する部材を含んで構成されうる。リンク機構４６は、その他、種々の構造で実現されうる。
【００１４】
図１は、物品１の搬送時における搬送装置１００の状態を模式的に示している。この状態では、槽３０の中には液体５２が注入されていない。図２は、洗浄処理時における搬送装置１００の状態を模式的に示している。物品１の搬送時は、槽３０の中に液体５２が注入されていないので、テンション印加機構４０のフロート４２は、浮力を受けず、例えば、槽３０の底面に着座している。この状態では、テンション印加機構４０のテンションローラ４４は、無端チェーン２０に対してテンションを与えないか、或いは、弱いテンションを与える。
【００１５】
一方、洗浄処理時は、槽３０の中に供給部５０から加熱された液体５２が供給される。この加熱された液体５２によって無端チェーン２０が熱膨張する。したがって、テンション印加機構４０が備えられていない場合には、図３に模式的に示すように、無端チェーン２０に加わっているテンションが不足し、無端チェーン２０がスプロケット１０、１２から外れうる。この場合、例えば、スプロケット１０が駆動スプロケットであるとすると、スプロケット１０が空回りしうる。これにより、無端チェーンの洗浄不良或いは殺菌不良が起こったり、スプロケット１０を駆動するモータが過回転したりしうる。
【００１６】
この実施形態では、上記のような不具合の発生は、テンション印加機構４０によって解決されている。槽３０内に液体５２が注入されると、テンション印加機構４０のフロート４２は、浮力によって上昇する。これに伴って、無端チェーン２０に加わるテンションが増加するようにリンク機構４６がテンションローラ４４を動かす。これにより、加熱された液体５２によって熱膨張した無端チェーン２０に加わるテンションの低下を補うことができる。
【００１７】
また、無端チェーンの延びが大きくない場合においても、液体の中で無端チェーンを周回させるためには、より強い駆動力が必要であり、より強いテンションが必要になる場合も考えられるが、この実施形態のテンション印加機構４０によれば、液体５２の中で無端チェーン２０を周回させるために必要なテンションを補うことができる。
【図面の簡単な説明】
【００１８】
【図１】本発明の好適な実施形態の搬送装置の構成を模式的に示す図である。
【図２】本発明の好適な実施形態の搬送装置の構成を模式的に示す図である。
【図３】無端チェーンの熱膨張によるテンションの不足を説明する図である。
【符号の説明】
【００１９】
１ 物品（例えば、容器）
１０、１２ スプロケット
１４ テンションローラ
２０ 無端チェーン
３０ 槽
４０ テンション印加機構
４２ フロート
４４ テンションローラ
４６ リンク機構
４８ 軸
５０ 供給部
５２ 液体
１００ 搬送装置
【技術分野】
【０００１】
本発明は、搬送装置に係り、特に、液体に埋没させることが可能な無端チェーンを備える搬送装置に関する。
【背景技術】
【０００２】
物品、例えば製造中又は製造後の飲料製品を搬送するために無端チェーンを備える搬送装置が使用されうる。例えば、飲料が充填された直後の容器や、そのような容器に蓋（例えば、缶蓋、王冠、コルク栓等）を付けるシーマーや打栓機から排出される容器を搬送する搬送装置の無端チェーンは、飲料で汚れうる。
【０００３】
したがって、搬送装置は、例えば、製品の製造の終了後或いは清掃スケジュールにしたがって洗浄がされうる。無端チェーンを効率的に洗浄するために、液体に無端チェーンを埋没させるための槽を備える搬送装置がある。このような搬送装置では、槽の中に加熱された液体（典型的には、水）を注入することによって無端チェーンをその液体によって洗浄がされうる。洗浄に使用される液体は、無端チェーンを殺菌するために、例えば８０℃以上に加熱される。
【特許文献１】特開２００３−１４６４１９
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００４】
上記のように、加熱された液体で無端チェーンを洗浄する場合において、無端チェーンが通常時よりも延びてしまい、無端チェーンに適切なテンションが加わらないことがある。テンションの不足によって、無端チェーンがスプロケットから外れてスプロケットが空回りしうる。この場合、無端チェーンの洗浄不良或いは殺菌不良が起こったり、スプロケットを駆動するモータが過回転したりしうる。また、無端チェーンの延びが大きくない場合においても、液体の中で無端チェーンを周回させるためには、より強い駆動力が必要であり、より強いテンションが必要になる場合も考えられる。
【０００５】
本発明は、上記の課題認識に基づいてなされたものであり、例えば、液体に無端チェーンが埋没した状態において該無端チェーンに加わるテンションの不足を防止することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【０００６】
本発明の搬送装置は、物品を搬送する搬送装置として構成され、前記搬送装置は、少なくとも２つのスプロケットと、物品を搬送するように前記少なくとも２つのスプロケットに掛け渡された無端チェーンと、液体に前記無端チェーンを埋没させるための槽と、前記槽の中に液体が注入されることによって浮力によって上昇するように配置されたフロート及びテンションローラを含み、前記フロートの上昇に応じて前記テンションローラによって前記無端チェーンにテンションを加えるテンション印加機構とを備える。
【発明の効果】
【０００７】
本発明によれば、例えば、液体に無端チェーンが埋没した状態において該無端チェーンに加わるテンションの不足を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【０００８】
以下、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態を説明する。
【０００９】
図１および図２は、本発明の好適な実施形態の搬送装置の構成を模式的に示す図である。本発明の好適な実施形態の搬送装置１００は、物品、例えば製造中又は製造後の飲料製品を搬送するように構成されうる。より具体的な例を挙げると、搬送装置１００は、例えば、アルコール飲料又はノンアルコール飲料等の飲料が充填された直後の容器や、そのような容器に蓋（例えば、缶蓋、王冠、コルク栓等）を付けるシーマーや打栓機から排出される容器を搬送するために使用されうる。
【００１０】
搬送装置１００は、少なくとも２つのスプロケット１０、１２と、物品（例えば、容器）１を搬送するように少なくとも２つのスプロケット１０、１２に掛け渡された無端チェーン２０と、液体５２に無端チェーン２０を埋没させるための槽３０と、無端チェーン２０にテンションを加えるテンション印加機構４０とを備える。搬送装置１００は、１又は複数のテンションローラ１４を備えてもよい。
【００１１】
搬送装置１００は、更に、加熱された液体（例えば、水）を槽３０内に供給する供給部５０を更に備えうる。この液体は、例えば、８０℃程度に加熱された液体でありうる。加熱された液体は、無端チェーン２０、更には、槽３０の内面や槽３０内に配置された部品（例えば、スプロケット１０、１２、テンションローラ１４、テンション印加機構４０）の殺菌に寄与する。
【００１２】
テンション印加機構４０は、槽３０の中に液体５２が注入されることによって浮力によって上昇するように配置されたフロート４２と、テンションローラ４４とを含む。フロート４２の上昇に応じてテンションローラ４４によって無端チェーン２０にテンションが加えられる。
【００１３】
テンション印加機構４０は、例えば、フロート４２とテンションローラ４４とを連結するリンク機構４６を含みうる。フロート４２の移動は、リンク機構４６を介してテンションローラ４４に伝達される。これにより、フロート４２の上昇に応じてテンションローラ４４によって無端チェーン２０にテンションが加えられうる。リンク機構４６は、例えば、軸４８を中心として回動可能に配置され、軸４８とフロート４２とを連結するとともに軸４８とフロート４２との間の位置でテンションローラ４４を支持する部材を含んで構成されうる。リンク機構４６は、その他、種々の構造で実現されうる。
【００１４】
図１は、物品１の搬送時における搬送装置１００の状態を模式的に示している。この状態では、槽３０の中には液体５２が注入されていない。図２は、洗浄処理時における搬送装置１００の状態を模式的に示している。物品１の搬送時は、槽３０の中に液体５２が注入されていないので、テンション印加機構４０のフロート４２は、浮力を受けず、例えば、槽３０の底面に着座している。この状態では、テンション印加機構４０のテンションローラ４４は、無端チェーン２０に対してテンションを与えないか、或いは、弱いテンションを与える。
【００１５】
一方、洗浄処理時は、槽３０の中に供給部５０から加熱された液体５２が供給される。この加熱された液体５２によって無端チェーン２０が熱膨張する。したがって、テンション印加機構４０が備えられていない場合には、図３に模式的に示すように、無端チェーン２０に加わっているテンションが不足し、無端チェーン２０がスプロケット１０、１２から外れうる。この場合、例えば、スプロケット１０が駆動スプロケットであるとすると、スプロケット１０が空回りしうる。これにより、無端チェーンの洗浄不良或いは殺菌不良が起こったり、スプロケット１０を駆動するモータが過回転したりしうる。
【００１６】
この実施形態では、上記のような不具合の発生は、テンション印加機構４０によって解決されている。槽３０内に液体５２が注入されると、テンション印加機構４０のフロート４２は、浮力によって上昇する。これに伴って、無端チェーン２０に加わるテンションが増加するようにリンク機構４６がテンションローラ４４を動かす。これにより、加熱された液体５２によって熱膨張した無端チェーン２０に加わるテンションの低下を補うことができる。
【００１７】
また、無端チェーンの延びが大きくない場合においても、液体の中で無端チェーンを周回させるためには、より強い駆動力が必要であり、より強いテンションが必要になる場合も考えられるが、この実施形態のテンション印加機構４０によれば、液体５２の中で無端チェーン２０を周回させるために必要なテンションを補うことができる。
【図面の簡単な説明】
【００１８】
【図１】本発明の好適な実施形態の搬送装置の構成を模式的に示す図である。
【図２】本発明の好適な実施形態の搬送装置の構成を模式的に示す図である。
【図３】無端チェーンの熱膨張によるテンションの不足を説明する図である。
【符号の説明】
【００１９】
１ 物品（例えば、容器）
１０、１２ スプロケット
１４ テンションローラ
２０ 無端チェーン
３０ 槽
４０ テンション印加機構
４２ フロート
４４ テンションローラ
４６ リンク機構
４８ 軸
５０ 供給部
５２ 液体
１００ 搬送装置
【特許請求の範囲】
【請求項１】
物品を搬送する搬送装置であって、
少なくとも２つのスプロケットと、
物品を搬送するように前記少なくとも２つのスプロケットに掛け渡された無端チェーンと、
液体に前記無端チェーンを埋没させるための槽と、
前記槽の中に液体が注入されることによって浮力によって上昇するように配置されたフロート及びテンションローラを含み、前記フロートの上昇に応じて前記テンションローラによって前記無端チェーンにテンションを加えるテンション印加機構と、
を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項２】
前記テンション印加機構は、前記フロートと前記テンションローラとを連結するリンク機構を含み、前記フロートの移動が前記リンク機構を介して前記テンションローラに伝達され、これにより、前記フロートの上昇に応じて前記テンションローラによって前記無端チェーンにテンションが加えられる、ことを特徴とする請求項１に記載の搬送装置。
【請求項３】
前記無端チェーンの洗浄処理時に前記槽に加熱された液体を供給する供給部を更に備えることを特徴とする請求項１又は２に記載の搬送装置。
【請求項１】
物品を搬送する搬送装置であって、
少なくとも２つのスプロケットと、
物品を搬送するように前記少なくとも２つのスプロケットに掛け渡された無端チェーンと、
液体に前記無端チェーンを埋没させるための槽と、
前記槽の中に液体が注入されることによって浮力によって上昇するように配置されたフロート及びテンションローラを含み、前記フロートの上昇に応じて前記テンションローラによって前記無端チェーンにテンションを加えるテンション印加機構と、
を備えることを特徴とする搬送装置。
【請求項２】
前記テンション印加機構は、前記フロートと前記テンションローラとを連結するリンク機構を含み、前記フロートの移動が前記リンク機構を介して前記テンションローラに伝達され、これにより、前記フロートの上昇に応じて前記テンションローラによって前記無端チェーンにテンションが加えられる、ことを特徴とする請求項１に記載の搬送装置。
【請求項３】
前記無端チェーンの洗浄処理時に前記槽に加熱された液体を供給する供給部を更に備えることを特徴とする請求項１又は２に記載の搬送装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図２】
【図３】
【公開番号】特開２００９−２３７７９（Ｐ２００９−２３７７９Ａ）
【公開日】平成２１年２月５日（２００９．２．５）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００７−１８７５６３（Ｐ２００７−１８７５６３）
【出願日】平成１９年７月１８日（２００７．７．１８）
【出願人】（０００００００５５）アサヒビール株式会社 (535)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２１年２月５日（２００９．２．５）
【国際特許分類】
【出願日】平成１９年７月１８日（２００７．７．１８）
【出願人】（０００００００５５）アサヒビール株式会社 (535)
【Ｆターム（参考）】
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