説明

搬送装置

【課題】曲線部を有する搬送経路において簡易な構造のもと、搬送物を保持又は搭載した搬送台を吊り下げて移動させることができる搬送装置を提供すること。
【解決手段】本発明の一態様は、第1曲線部56と第2曲線部58とを備えるアルミフレーム10と、ワークを保持または搭載する架台12と、を有し、架台12をアルミフレーム10に吊り下げながらワイヤ20により引っ張ることにより移動させる搬送装置1において、アルミフレーム10に吊り下げながら移動可能でありワイヤ20が貫通する貫通部86が設けられ架台12と連結可能および切り離し可能な小トロリ14または大トロリ16と、第1曲線部56と第2曲線部58とに設けられ架台12から切り離された小トロリ14または大トロリ16を保持する内側ストッパ132または外側ストッパ134と、を有することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架台をフレームに吊り下げながら移動させることにより搬送物を搬送する搬送装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ワークなどを載せた台車がS字型に折れ曲がったフレーム上を移動する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平07−291123号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1の技術では、搬送台車にワークなどを載せる構造になっているので、水平搬送のみの運搬が可能であり垂直方向の運搬はできない。
また、搬送台車を支持するレールの製作においては、鉄鋼材を加工して製作・組み立てを行うので、熟練の技量が必要になり、材料費や人件費や調整費などのコストが増大してしまう。
【0005】
また、重量物を搬送する際には、レールへ直接負荷がかかりモータやタイミングベルトの負荷も増加するため、重量制限を設けることが必要となる。そこで、搬送物の重量制限を設けないようにするためには、搬送時にかかる移動摩擦抵抗の低減を図ることが必要となる。
【0006】
また、水平搬送のみの運搬が可能であるため、工場への既存ラインへの設置時において、作業者が取り出し可能な高さへ設置する必要があり、大幅なレイアウトが必要になってしまう。
【0007】
このような問題に対処するため、ワーク等の運搬物を載せた架台をフレームに吊り下げて移動させる搬送装置が考えられるが、従来のようにマイコン制御による自走式の搬送装置では複雑な構造となり、コストが高くなってしまう。また、搬送装置を工場の既存ラインへ設置する場合には、設置レイアウトの都合上、搬送経路に曲線部を設けて架台を移動させることが必要になりうる。
【0008】
そこで、本発明は上記した問題点を解決するためになされたものであり、曲線部を有する搬送経路において簡易な構造のもと、搬送物を保持又は搭載した搬送台を吊り下げて移動させることができる搬送装置を提供すること、を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するためになされた本発明の一態様は、曲線部を備えるフレームと、搬送物を保持または搭載する搬送台と、を有し、前記搬送台を前記フレームに吊り下げながらワイヤにより引っ張ることにより移動させる搬送装置において、前記フレームに吊り下げながら移動可能であり前記ワイヤが貫通する貫通部が設けられ前記搬送台と連結可能および切り離し可能なトロリと、前記曲線部に設けられ前記搬送台から切り離された前記トロリを保持する保持部と、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明によれば、ワイヤが貫通するトロリを曲線部において保持部が保持するので、
トロリと保持部とを有する簡易な構造のもと、ワイヤは曲線部の曲線形状に出来るだけ沿うように張られ、曲線部にて搬送台を移動させることができるようにワイヤの張力を維持できる。そのため、曲線部を有する搬送経路において、簡易な構造のもと搬送台を吊り下げて移動させて搬送物を搬送することができる。
【0011】
上記の態様において、前記保持部は、前記トロリが移動する領域の上部に設けられ、上方向に凹ませた溝形状に形成され前記トロリの上方向の先端部を保持する谷部を備えること、が好ましい。
【0012】
かかる態様によれば、保持部の谷部にてトロリの上方向の先端部を保持することができるので、簡易な構造のもとフレームの曲線部においてトロリを保持することができる。
【0013】
上記の態様において、前記トロリと前記保持部とを複数有し、前記保持部は、下方向に突出した形状の山部を備え、前記トロリを、前記搬送台に対して当該搬送台の移動方向の後方側に設け、前記搬送台の移動方向の上流側にある前記トロリにおける前記先端部は、前記搬送台の移動方向の下流側にある前記トロリにおける前記先端部よりも上方向の位置にあり、前記搬送台の移動方向の上流側にある前記保持部における前記山部の頂上部は、前記搬送台の移動方向の下流側にある前記保持部における前記山部の頂上部よりも上方向の位置にあること、が好ましい。
【0014】
かかる態様によれば、複数のトロリをそれぞれ異なる保持部にて保持することができ、複数の個所でトロリを保持することができる。そのため、より確実にフレームの曲線部の曲線形状に沿ってワイヤを張ることができる。したがって、フレームの曲線部の曲線形状に応じて搬送台を移動させることができるように、ワイヤの張力を維持することができる。
【0015】
上記の態様において、前記トロリとして、前記搬送台に対して当該搬送台の移動方向の前方側に設けられた前方トロリと、前記搬送台に対して当該搬送台の移動方向の後方側に設けられた後方トロリと、を備え、前記前方トロリを前記保持部に保持させておき前記後方トロリを前記搬送台に連結させた状態から、前記搬送台を移動させて、前記前方トロリを前記保持部から回収して前記搬送台に連結させ、前記後方トロリを前記搬送台から切り離して前記保持部に保持させること、が好ましい。
【0016】
かかる態様によれば、前方トロリを保持部に保持させているので搬送台を前方に移動させることができ、また、搬送台を移動させながら後方トロリを保持部に保持させているので搬送台を前方に移動させた後に後方に移動させることができる。そのため、搬送台を往復で移動させて、搬送物を搬送することができる。
【0017】
上記の態様において、前記保持部として、前記前方トロリを保持する第1保持部と前記後方トロリを保持する第2保持部とを備え、前記第1保持部と前記第2保持部とを前記フレームの幅方向における異なる位置に設けること、が好ましい。
【0018】
かかる態様によれば、簡易な構造で、第1保持部と第2保持部とで分担して、前方トロリと後方トロリとを保持することができる。
【0019】
上記の態様において、前記第1保持部と前記第2保持部とを前記搬送台の移動方向における同じ位置に設けること、が好ましい。
【0020】
かかる態様によれば、第1保持部と第2保持部とをコンパクトに設けることができ、狭いレイアウト内で搬送装置を設けることができる。
【発明の効果】
【0021】
本発明に係る搬送装置によれば、曲線部を有する搬送経路において簡易な構造のもと搬送物を保持又は搭載した搬送台を吊り下げて移動させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本実施例の搬送装置の全体の上面図である。
【図2】本実施例の搬送装置の全体の正面図である。
【図3】小トロリを示す図である。
【図4】小トロリを示す図である。
【図5】小トロリとストッパとを示す図である。
【図6】大トロリを示す図である。
【図7】保持部と小トロリを示す図である。
【図8】本実施例における張力維持機構の説明図である。
【図9】スライド機構に関する説明図である。
【図10】本実施例における張力維持機構の説明図である。
【図11】本実施例における張力維持機構の説明図である。
【図12】保持部に保持していた大トロリを回収することに関する説明図である。
【図13】保持部に保持していた大トロリを回収することに関する説明図である。
【図14】保持部に保持していた大トロリを回収することに関する説明図である。
【図15】本実施例における張力維持機構の説明図である。
【図16】本実施例における張力維持機構の説明図である。
【図17】小トロリが架台から切り離されることに関する説明図である。
【図18】小トロリが架台から切り離されることに関する説明図である。
【図19】小トロリが架台から切り離されることに関する説明図である。
【図20】本実施例における張力維持機構の説明図である。
【図21】本実施例における張力維持機構の説明図である。
【図22】本実施例における張力維持機構の説明図である。
【図23】本実施例における張力維持機構の説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明を具体化した形態について、添付図面を参照しつつ詳細に説明する。
〔搬送装置の全体構成の説明〕
図1は本実施例の搬送装置の全体の上面図であり、図2は本実施例の搬送装置の全体の正面図である。
【0024】
本実施例の搬送装置1は、アルミフレーム10、架台12、小トロリ14、大トロリ16、保持機構18、ワイヤ20、モータ22、モータプーリ24、第1オートテンショナ26、第2オートテンショナ28、大プーリ30、小プーリ32,34,36,38,40,42,44,46、架台トロリ48、ウインチ50、ゴンドラ52などを有する。
【0025】
なお、本実施例では、小トロリ14−1、小トロリ14−2、小トロリ14−3の3つ小トロリ14を有する。また、本実施例では、大トロリ16−1、大トロリ16−2、大トロリ16−3の3つの大トロリ16を有する。さらに、本実施例では、保持機構18−1、保持機構18−2、保持機構18−3の3つの保持機構18を有する。なお、図1においては、説明の便宜上、ワイヤ20を省略して示している。
【0026】
アルミフレーム10は、本実施例においては、第1直線部54と、第1曲線部56と、第2曲線部58と、第2直線部60とにより構成されている。本実施例では、アルミフレーム10を使用しているので、鉄鋼フレームを使用する場合のように手間のかかる鉄鋼材の加工を行う必要がないことから、人件費、材料費、調整費などのコストを低減させる効果を得ることができる。
【0027】
架台12は、本発明における搬送台の一例であり、ワークなどの搬送物を保持または搭載するものであり、棒状部材により矩形枠状に形成され、アルミフレーム10が位置する側に平板62が設けられている。そして、平板62には架台トロリ48が取り付けられており、架台トロリ48を介して架台12をアルミフレーム10に吊り下げている。また、架台12をアルミフレーム10に沿って水平方向に移動させることができる。また、架台12において、第1オートテンショナ26側の第1面12aには小トロリ14を連結するための第1連結部51が設けられ、第2オートテンショナ28側の第2面12bには大トロリ16を連結するための第2連結部53が設けられている。そして、第1連結部51にワイヤ20の一端が取り付けられ、第2連結部53にワイヤ20の他端が取り付けられている。そして、架台12を、アルミフレーム10に吊り下げながらワイヤ20の張力により移動させる。
【0028】
また、架台12における平板62の下面62aにはウインチ50が設けられており、このウインチ50にはゴンドラ52が設けられている。そして、ウインチ50を駆動させることにより、ゴンドラ52を架台12の棒状部材の間を通して上下方向に移動することができる。これにより、ワークをゴンドラ52に乗せて垂直搬送することができる。また、搬送装置1を設置する時のレイアウトの規模を小さくすることができる。
【0029】
このように、架台12をアルミフレーム10に吊り下げて移動させるので、例えば、工場などの既存のライン設備において使用されていない上部領域に搬送装置1を設置することができ、空き領域を有効に利用できる効果を得ることができる。
【0030】
また、本実施例では、アルミフレーム10を使用しているので、アルミフレーム10と架台トロリ48との間の摩擦抵抗は、鉄製フレームを使用する場合と比較して非常に小さくなる。例えば、本実施例のようにアルミフレーム10を使用すると、鉄製フレームを使用した例と比較して、約1/5の摩擦抵抗になる。そのため、モータ22のモータ容量が小さくても、重量物を載せて架台12を移動させることができる。
【0031】
また、小トロリ14と大トロリ16を、アルミフレーム10に沿って水平方向に移動可能に、アルミフレーム10に吊り下げている。小トロリ14と大トロリ16の詳細については、後述する。
【0032】
保持機構18は、小トロリ14や大トロリ16を保持する機構である。保持機構18は、小トロリ14や大トロリ16が移動する領域における上方向に配置されている。保持機構18は、小トロリ14や大トロリ16を保持することによりワイヤ20の張力を維持する役割を有する張力維持機構の1つの構成要素である。ワイヤ20の張力維持機構の詳細については、後述する。
【0033】
ワイヤ20は、その一端が取り付けられた架台12の第1連結部51から、小トロリ14の貫通部86(図3参照)、第1オートテンショナ26、小プーリ32,34,36,38、大プーリ30、モータプーリ24、小プーリ40,42、第2オートテンショナ28、大トロリ16の貫通部86(図6参照)を通され、他端が架台12の第2連結部53に取り付けられている。
【0034】
架台12の第1連結部51および第2連結部53は、スライド機構146(図5参照)のスライダ150(図5参照)に取り付けられており、第1ブロック55(図5参照)と第2ブロック57(図5参照)とを有する。そして、ワイヤ20の一端および他端は、第1連結部51および第2連結部53において、第1ブロック55と第2ブロック57との間に挟まれて取り付けられている(図9参照)。
【0035】
そして、ワイヤ20は、モータプーリ24に接続するモータ22の駆動により、モータプーリ24の回転方向に送り出される。このように、ワイヤ20が送り出されることによりワイヤ20に張力を発生させて架台12を引っ張ることにより、架台12を移動させることができる。なお、第1オートテンショナ26と第2オートテンショナ28は、ワイヤ20の張力を自動調整する機構である。
【0036】
〔小トロリと大トロリの説明〕
小トロリ14と大トロリ16とは、基本的な構造は共通しているので、ここでは小トロリ14を例に挙げて説明する。
図3と図4に示すように、小トロリ14は、ころ部68と、ローラ部70と、ローラ部直結軸72と、シャフト74と、第1バネ76と、プレート部78と、爪部80と、回転軸82と、凸部84と、貫通部86と、当接部88と、第2バネ90などを有する。
【0037】
ころ部68は、プレート部78に接続するころ軸92と、ころ軸92に回転可能な状態で取り付けられるころ94,96,98が設けられている。本実施例では、ころ94,96,98は、各々一対設けられており、合計6個設けられている。ころ94,96,98は、それぞれ、アルミフレーム10の第1面100、第2面102、第3面104に接することができるように配置されている。そして、ころ94,96,98をアルミフレーム10の第1面100、第2面102、第3面104の上に転がすことにより、小トロリ14をアルミフレーム10に吊り下げながら移動させる。
【0038】
ローラ部70は、小トロリ14の上方向の先端部に設けられ、ローラ部直結軸72に直結する支持体106と、支持体106に回転可能な状態で取り付けられたローラ108とを有する。ローラ108は、後述する図17などに示すように、内側ストッパ132(大トロリ16のローラ108の場合は、外側ストッパ134)の下面を転がることができる。
【0039】
ローラ部直結軸72は、先端にローラ部70が取り付けられた軸である。後述するように、ローラ108が内側ストッパ132の下面を転がるときに、上下方向に移動することができる。また、ローラ部直結軸72は、第1バネ76の内部に設けられている。
【0040】
第1バネ76は、ローラ部70とプレート部78との間に設けられ、ローラ部70を上方向に付勢している。
プレート部78には2つのサイドベース板110,112が設けられており、サイドベース板110,112におけるプレート部78に設けられた側の端部に対し、反対側の端部にはベース板114が設けられている。
【0041】
爪部80は、回転軸82を中心に回転可能に設けられている。回転軸82は、ベース板114に設けられた枠116に回転可能な状態で設けられている。このような爪部80は、第1斜面部120と第2斜面部122と溝部124とを備えている。そして、爪部80は、ベース板114に設けられた第2バネ90により、溝部124側の端部に対して反対側の端部を上方向に付勢されている。
【0042】
凸部84は、ベース板114において、小トロリ14の移動方向について枠116が設けられた端部に対し反対側の端部に設けられている。そして、凸部84は、後述するように、爪部80の溝部124に入り込んで、複数の小トロリ14同士を連結する部分である。
【0043】
貫通部86は、小トロリ14の最下部分に設けられている。そして、貫通部86には、2つのローラ126,128が設けられ、この2つのローラ126,128の間をワイヤ20(図2参照)が貫通している。
【0044】
当接部88は、プレート部78における小トロリ14の移動方向の両端部に設けられている。当接部88は、後述するように、複数の小トロリ14同士を連結させて移動させるとき、または、架台12と小トロリ14とを連結させて移動させるときに、連結相手の小トロリ14または架台12と当接する部分である。
【0045】
本実施例では、プレート部78における小トロリ14の移動方向の両端部において、当接部88を1つずつ設けているが、これに限定されず、当接部88を複数個ずつ設けてもよい。なお、プレート部78における小トロリ14の移動方向の両端部において当接部88を複数個ずつ設けた場合には、架台12の第1連結部51における当接部12dについても、当接部88と同じ数になるように複数個設けることが望ましい。
【0046】
そして、本実施例では、このような構造の小トロリ14として、小トロリ14−1、小トロリ14−2、小トロリ14−3の3つの小トロリ14を有している。小トロリ14−1、小トロリ14−2、小トロリ14−3は、ローラ部直結軸72と第1バネ76の長さが異なる以外は、同様な構造を有している。
【0047】
ローラ部直結軸72と第1バネ76の長さは、図5に示すように、小トロリ14−1が最も大きく、小トロリ14−2は小トロリ14−1よりも小さく、小トロリ14−3は小トロリ14−2よりもさらに小さい。これにより、第1バネ76の付勢力に対抗する力を受けていない状態で、小トロリ14−1のローラ108が最も上方向に位置し、小トロリ14−2のローラ108が小トロリ14−1のローラ108よりも下方向に位置し、小トロリ14−3のローラ108が小トロリ14−2のローラ108よりも下方向に位置している。
【0048】
なお、大トロリ16は、図6に示すように、大トロリ16の移動方向と垂直な方向におけるシャフト74やプレート部78の長さについて、小トロリ14よりも大きく形成されている以外の構造は、小トロリ14と共通する。
【0049】
〔保持機構の説明〕
本実施例の搬送装置1では、前記の図1に示すように、保持機構18として、保持機構18−1、保持機構18−2、保持機構18−3とを有している。そこで、保持機構18−1、保持機構18−2、保持機構18−3について説明する。保持機構18−1、保持機構18−2、保持機構18−3は、ほぼ同じ構造を有しているため、ここでは、保持機構18−1をと代表して説明する。
【0050】
図7に示すように、保持機構18−1は、アルミフレーム10の上面10aに設けられた平板部130と、平板部130の下面130aに設けられた板状部材である内側ストッパ132−1(本発明における第1保持部の一例)や外側ストッパ134−1(本発明における第2保持部の一例)と、を有する。
【0051】
本実施例では、内側ストッパ132−1と外側ストッパ134−1とは、アルミフレーム10の軸方向について同じ位置に設けられている。これにより、内側ストッパ132−1と外側ストッパ134−1とをコンパクトに設けることができ、狭いレイアウト内で搬送装置1を設けることができる。なお、レイアウトに余裕がある場合などにおいては、内側ストッパ132−1と外側ストッパ134−1とを、アルミフレーム10の軸方向について異なる位置に設けてもよい。
【0052】
また、内側ストッパ132−1と外側ストッパ134−1は、アルミフレーム10の幅方向について、平板部130の中心の位置を中心にして左右対称に1対ずつ設けられている。そして、アルミフレーム10の幅方向について、内側ストッパ132−1よりも外側に外側ストッパ134−1が設けられている。これにより、簡易な構造で、内側ストッパ132−1により小トロリ14を保持して、外側ストッパ134−1により大トロリ16を保持することができる。
【0053】
前記の図5に示すように、内側ストッパ132−1は、頂上部140と頂上部142とが下方向に向かって突出するように形成された第1山部136と第2山部138とを備える。なお、第2山部138の頂上部142は、第1山部136の頂上部140よりも下方向に位置する。また、第1山部136と第2山部138との間には、谷底の部分が第1山部136の頂上部140よりも上方向に位置するように上方向に凹ませた溝形状に形成された谷部144が備わっている。そして、この谷部144には、小トロリ14や大トロリ16のローラ108が入り込むことができる。また、外側ストッパ134−1は、内側ストッパ132−1と同じ構造を有している。
【0054】
また、図5に示すように、保持機構18−1の内側ストッパ132−1と、保持機構18−2の内側ストッパ132−2と、保持機構18−3の内側ストッパ132−3とは、第1山部136の頂上部140、第2山部138の頂上部142、谷部144の上下方向の位置が異なっている。具体的には、頂上部140と頂上部142と谷部144との上下方向の位置につき、内側ストッパ132−1よりも内側ストッパ132−2が下方向の位置にあり、内側ストッパ132−2よりも内側ストッパ132−3が下方向の位置にある。
【0055】
同様に、保持機構18−1の外側ストッパ134−1と、保持機構18−2の外側ストッパ134−2と、保持機構18−3の外側ストッパ134−3とは、第1山部136の頂上部140、第2山部138の頂上部142、谷部144の高さが異なっている。具体的には、頂上部140と頂上部142と谷部144との上下方向の位置につき、外側ストッパ134−1よりも外側ストッパ134−2が下方向の位置にあり、外側ストッパ134−2よりも外側ストッパ134−3が下方向の位置にある。
【0056】
〔張力維持機構の説明〕
ワイヤ20の一端を取り付けた架台12をアルミフレーム10に吊り下げながらワイヤ20を送り出して移動させるとき、ワイヤ20に張力を確実に発生させる必要がある。しかしながら、アルミフレーム10に第1曲線部56や第2曲線部58などの曲線部が存在するときにワイヤ20を曲線部に沿って案内する機構がないと、ワイヤ20は、曲線部に沿わずに第1オートテンショナ26と架台12との間の最短ルート上、または第2オートテンショナ28と架台12との間の最短ルート上に張られることになってしまう。そうすると、アルミフレーム10の曲線部において、架台12を移動させるためのワイヤ20の張力を発生させることができず、アルミフレーム10の曲線部において架台12を移動させることができなくなるおそれがある。
【0057】
そのため、アルミフレーム10の曲線部において、架台12を移動させるためのワイヤ20の張力を常に発生させることができる張力維持機構を設けることが必要になる。本実施例では、張力維持機構として、以下に説明するようなアンチバック式連結機構を設けている。なお、図8,図10,図11,図15,図16,図20〜図23は、本実施例における張力維持機構の説明図であり、搬送装置1を上面方向から見た図であるが、説明の便宜上、一部透視図としている。また、モータ22、モータプーリ24、大プーリ30、小プーリ32,34,36,38,40,42,44,46なども図示を省略している。
【0058】
まず、図8に示すように、アルミフレーム10において架台12の移動可能領域における第1オートテンショナ26側の最端部に、架台12が位置している。そして、架台12の第1連結部51に小トロリ14−3が連結され、小トロリ14−3に小トロリ14−2が連結され、小トロリ14−2に小トロリ14−1が連結されている。また、アルミフレーム10において、第1曲線部56には保持機構18−1が設けられ、第1曲線部56と第2曲線部58との境界部分には保持機構18−2が設けられ、第2曲線部58には保持機構18−3が設けられている。
【0059】
保持機構18−1と保持機構18−2と保持機構18−3とには、それぞれ、大トロリ16−1と、大トロリ16−2と、大トロリ16−3とが保持されている。そして、架台12の第2連結部53に取り付けられたワイヤ20は、大トロリ16−1の貫通部86(図6参照)と、大トロリ16−2の貫通部86と、大トロリ16−3の貫通部86とを通って、第2オートテンショナ28に掛けられている。これにより、図8に示すように、ワイヤ20は、アルミフレーム10における第1曲線部56と第2曲線部58の曲線形状に出来るだけ沿うようにして張られている。そのため、アルミフレーム10の曲線部において架台12を移動させるためのワイヤ20の張力を発生させることができる。
【0060】
なお、図8に示すように、架台12の第1オートテンショナ26側の第1面12aと第2オートテンショナ28側の第2面12bとに、それぞれスライド機構146が設けられている。このスライド機構146には、第1連結部51と第2連結部53とが、取り付けられている。
【0061】
図9に示すように、スライド機構146は、架台12の第1面12aの上部に設けられ、架台12の移動方向と垂直な方向に延びるスライドレール148と、このスライドレール148上を移動するスライダ150などを有する。なお、スライドレール148の両側にはストッパ152が設けられており、スライダ150は所定幅だけスライドレール148を移動させることができる。そして、スライド機構146のスライダ150に第1連結部51が取り付けられている。これにより、第1連結部51は、架台12の移動方向と垂直な方向に所定幅だけ移動することができる。また、架台12の第2面12bにおいても同様に第2連結部53が取り付けられたスライド機構146が設けられており、第2連結部53は架台12の移動方向と垂直な方向に所定幅だけ移動することができる。
【0062】
次に、図10に示すように、モータ22(図2参照)を駆動してワイヤ20を送り出すことにより、架台12を第2オートテンショナ28側へ移動させる。すなわち、架台12を小トロリ14−1、小トロリ14−2、小トロリ14−3が設けられる方向の反対側の方向に、さらに言い換えると、架台12を大トロリ16−1、大トロリ16−2、大トロリ16−3が設けられる方向に移動させる。すると、小トロリ14−1、小トロリ14−2、小トロリ14−3も、架台12とともに移動させる。なお、このとき、架台12の移動方向の上流側から順に、小トロリ14−1、小トロリ14−2、小トロリ14−3が設けられている。また、架台12の移動方向の上流側から順に、保持機構18−1、保持機構18−2、保持機構18−3が設けられている。
【0063】
次に、図11に示すように、さらに架台12を第2オートテンショナ28側へ移動させて、架台12の第2面12bが保持機構18−1の設けられた位置を通過すると、架台12は保持機構18−1に保持されていた大トロリ16−1を回収する。
【0064】
ここで、保持機構18−1に保持されていた大トロリ16−1を回収するときの、保持機構18−1と大トロリ16−1と架台12の様子について説明する。まず、図12に示すように、架台12の第2連結部53における凸部12cと大トロリ16−1の爪部80における第1斜面部120とが接触し、その後、大トロリ16−1の爪部80が回転軸82を中心に回転しながら、架台12の凸部12cが爪部80の第1斜面部120に沿って移動する。
【0065】
そして、架台12の凸部12cが爪部80の第1斜面部120を通り過ぎると、爪部80は架台12の凸部12cに押されなくなり、爪部80は回転軸82を中心に図面左周りに回転しながらもとの状態に戻ろうとする。すると、架台12の凸部12cは、大トロリ16−1の爪部80の溝部124の中に入り込み、架台12と大トロリ16−1とが連結する。
【0066】
その後、さらに架台12を移動させると、図13に示すように、架台12の第2連結部53における当接部12dが大トロリ16−1の当接部88に当接して、架台12と大トロリ16−1とがともに移動する。
【0067】
その後、さらに架台12と大トロリ16−1とを移動させると、大トロリ16−1のローラ部70におけるローラ108が、外側ストッパ134−1の第1山部136の下面を転がった後、外側ストッパ134−1の第1山部136を超えて通り過ぎる。これにより、図14に示すように、大トロリ16−1が外側ストッパ134−1から離れ、架台12は、保持機構18−1に保持されていた大トロリ16−1を回収することができる。
【0068】
また、前記の図11に示すように、アルミフレーム10の第1曲線部56において、スライド機構146により架台12の第1連結部51と第2連結部53とが曲線形状の内側に移動している。これにより、架台12は、第1曲線部56の内側に案内されるので、第1曲線部56の外側に向かって移動することを抑制されて、ワイヤ20の張力が架台12に伝達され易くなる。そのため、架台12を第1曲線部56に沿って滑らかに向きを回転させながら移動させることができる。したがって、より安定して架台12を移動させることができる。
【0069】
次に、図15に示すように、さらに架台12を移動させる。このとき、小トロリ14−1、小トロリ14−2、小トロリ14−3、大トロリ16−1も、架台12とともに移動する。
【0070】
次に、さらに架台12を移動させると、図16に示すように、架台12の第1面12aが保持機構18−1を通過する。すると、小トロリ14−1が保持機構18−1に保持されて架台12から切り離される。
【0071】
ここで、小トロリ14−1が保持機構18−1に保持されて架台12から切り離されるときの、保持機構18−1と小トロリ14−1と架台12の様子について説明する。
【0072】
まず、前記の図5に示すように小トロリ14−1と小トロリ14−2と小トロリ14−3と架台12とが連結された状態で、小トロリ14−1のローラ108が、保持機構18−1の内側ストッパ132−1における第1山部136の下面に接触して、やがて、図17に示すように頂上部140に達する。なお、このとき、ローラ部直結軸72は下方向に移動するが、ローラ部直結軸72に接続するシャフト74は爪部80の第2斜面部122に接触しない。
【0073】
その後、さらに架台12を移動させると、小トロリ14−1のローラ108が、保持機構18−1の内側ストッパ132−1における谷部144を通り過ぎて、第2山部138に接触する。その後、さらに架台12を移動させると、図18に示すように、小トロリ14−1のローラ108が保持機構18−1の内側ストッパ132−1における第2山部138の頂上部142に達する前に、ローラ部直結軸72が下方向に移動してローラ部直結軸72に接続するシャフト74が下方向に移動する。
【0074】
すると、シャフト74が爪部80の第2斜面部122を押さえるので、爪部80は回転軸82を中心に図面左周りに回転する。そして、小トロリ14−1の爪部80の溝部124から、小トロリ14−2の凸部84が外れる。これにより、小トロリ14−1が保持機構18−1に保持されて架台12から切り離される一方、架台12に連結されたままの小トロリ14−2と小トロリ14−3とは架台12とともに移動する。
【0075】
なお、図19に示すように、架台12から切り離された小トロリ14−1は、第1バネ76の付勢力によりローラ108が内側ストッパ132−1の第2山部138の下面を転がって谷部144に達した状態で、保持機構18−1に保持される。また、内側ストッパ132−1には、第1山部136が形成されているので、小トロリ14−1のローラ108は、第1山部136を通り過ぎることなくこのまま内側ストッパ132−1の谷部144にて保持される。このように、内側ストッパ132−1の谷部144にて小トロリ14−1のローラ108を保持することができるので、簡易な構造のもとアルミフレーム10の第1曲線部56の保持機構18−1において小トロリ14−1を保持することができる。
以上のように、小トロリ14−1が保持機構18−1に保持されて架台12から切り離される。
【0076】
次に、さらに架台12を移動させて、図20に示すように、架台12の第2面12bが保持機構18−2を通過すると、架台12が前記の保持機構18−1から大トロリ16−1を回収するときと同様に、架台12が保持機構18−2から大トロリ16−2を回収する。
【0077】
また、図20に示すように、アルミフレーム10の第2曲線部58において、スライド機構146により架台12の第1連結部51と第2連結部53とが曲線形状の内側に移動している。これにより、架台12は、第2曲線部58の内側に案内されるので、第2曲線部58の外側に向かって移動することを抑制されて、ワイヤ20の張力が架台12に伝達され易くなる。そのため、架台12を第2曲線部58に沿って滑らかに向きを回転させながら移動させることができる。したがって、より安定して架台12を移動させることができる。
【0078】
次に、さらに架台12を移動させて、図21に示すように、架台12の第1面12aが保持機構18−2を通過すると、前記の小トロリ14−1が保持機構18−1に保持されて架台12から切り離されるときと同様に、小トロリ14−2が保持機構18−2に保持されて架台12から切り離される。
【0079】
次に、さらに架台12を移動させて、図22に示すように、架台12の第2面12bが保持機構18−3を通過すると、架台12が前記の保持機構18−1から大トロリ16−1を回収するとき、および架台12が前記の保持機構18−2から大トロリ16−2を回収するときと同様に、架台12が保持機構18−3から大トロリ16−3を回収する。
【0080】
次に、さらに架台12を移動させて、図23に示すように、架台12の第1面12aが保持機構18−3を通過すると、前記の小トロリ14−1が保持機構18−1に保持されて架台12から切り離されるとき、および前記の小トロリ14−2が保持機構18−2に保持されて架台12から切り離されるときと同様に、小トロリ14−3が保持機構18−3に保持されて架台12から切り離される。
このように、本実施例では、架台12を、アルミフレーム10における第1オートテンショナ26側から第2オートテンショナ28側へ移動させる。
【0081】
なお、本実施例の架台12を、アルミフレーム10における第2オートテンショナ28側から第1オートテンショナ26側へ向かって移動させる場合には、保持機構18−3にて小トロリ14−3を回収する一方で大トロリ16−3を保持して、保持機構18−2にて小トロリ14−2を回収する一方で大トロリ16−2を保持して、保持機構18−1にて小トロリ14−1を回収する一方で大トロリ16−1を保持する。
【0082】
以上のように、本実施例では、架台12をアルミフレーム10における第1オートテンショナ26側から第2オートテンショナ28側へ移動させるときには、小トロリ14−1、小トロリ14−2、小トロリ14−3を回収し、大トロリ16−1、大トロリ16−2、大トロリ16−3を切り離す。そして、保持機構18−1、保持機構18−2、保持機構18−3に、大トロリ16−1、大トロリ16−2、大トロリ16−3を保持させる。
【0083】
一方、架台12をアルミフレーム10における第2オートテンショナ28側から第1オートテンショナ26側へ移動させるときには、大トロリ16−1、大トロリ16−2、大トロリ16−3を回収し、小トロリ14−1、小トロリ14−2、小トロリ14−3を切り離す。そして、保持機構18−1、保持機構18−2、保持機構18−3に、小トロリ14−1、小トロリ14−2、小トロリ14−3を保持させる。
【0084】
このように、本実施例のアンチバック式連結機構では、小トロリ14または大トロリ16を連結して架台12を移動させながら、アルミフレーム10の曲線部にて小トロリ14または大トロリ16を切り離して保持させておく。そして、小トロリ14の貫通部86と大トロリ16の貫通部86には、ワイヤ20を貫通させている。そのため、ワイヤ20は、アルミフレーム10の曲線部の曲線形状に出来るだけ沿うように張られ、アルミフレーム10の位置から大きく外れることない。したがって、アルミフレーム10の曲線部においても、架台12を移動させるのに必要なワイヤ20の張力を維持することができる。また、小トロリ14、大トロリ16、保持機構18などの簡易な構造とすることができる。ゆえに、本実施例によれば、アルミフレーム10に吊り下げて架台12を移動させるに際し、簡易な構造のもと、直線形状部や曲線部などアルミフレーム10の形状によらずに架台12を移動させて搬送物を搬送することができる。
【0085】
また、複数の小トロリ14または大トロリ16をそれぞれ異なる保持機構18の内側ストッパ132または外側ストッパ134に保持させることができ、複数の個所で小トロリ14または大トロリ16を保持させることができる。そのため、より確実にアルミフレーム10の曲線部の曲線形状に沿ってワイヤ20を張ることができる。したがって、アルミフレーム10の曲線部の曲線形状に応じて、架台12を移動させることができるようにワイヤ20の張力を維持することができる。
【0086】
また、大トロリ16を保持機構18の外側ストッパ134に保持させておき小トロリ14を架台12に連結させた状態から、架台12を第2オートテンショナ28側へ移動させるときには、架台12に大トロリ16を回収させながら、内側ストッパ132に小トロリ14を保持させる。そして、架台12を第1オートテンショナ26側へ移動させるときに、架台12に小トロリ14を回収させながら、外側ストッパ134に大トロリ16を保持させる。そのため、架台12を両方向に往復で移動させるときに、曲線部にて架台12を移動させることができるようにワイヤ20の張力を維持させることができる。したがって、曲線部を有する搬送経路において、簡易な構造のもと架台12を吊り下げて移動させることにより、ワーク等の搬送物を搬送することができる。
【0087】
なお、保持機構18を設ける数は限定されない。例えば、アルミフレーム10の曲線部における曲線の中心角度が小さい場合には、曲線部に1つのみ保持機構18を設ける例も考えられる。
【0088】
また、本実施例の架台12は、スライド機構146を有しているので、アルミフレーム10の第1曲線部56と第2曲線部58において、架台12の第1連結部51と第2連結部53とが、第1曲線部56と第2曲線部58における曲線形状の内側に向かって移動する。そのため、架台12は、第1曲線部56と第2曲線部58における曲線形状の内側に向かって案内され、第1曲線部56と第2曲線部58の外側に向かって移動しようとすることを抑制される。したがって、ワイヤ20の張力が架台12に伝達され易くなり、架台12を第1曲線部56と第2曲線部58に沿って滑らかに向きを回転させながら移動させることができる。ゆえに、より安定して架台12を移動させることができる。
【0089】
なお、上記した実施の形態は単なる例示にすぎず、本発明を何ら限定するものではなく、その要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良、変形が可能であることはもちろんである。
【符号の説明】
【0090】
1 搬送装置
10 アルミフレーム
12 架台
12a 第1面
12b 第2面
12c 凸部
12d 当接部
14 小トロリ
14−1 小トロリ
14−2 小トロリ
14−3 小トロリ
16 大トロリ
16−1 大トロリ
16−2 大トロリ
16−3 大トロリ
18 保持機構
18−1 保持機構
18−2 保持機構
18−3 保持機構
20 ワイヤ
22 モータ
50 ウインチ
56 第1曲線部
58 第2曲線部
70 ローラ部
72 ローラ部直結軸
74 シャフト
76 第1バネ
80 爪部
82 回転軸
84 凸部
86 貫通部
88 当接部
120 第1斜面部
122 第2斜面部
124 溝部
132 内側ストッパ
134 外側ストッパ
136 第1山部
138 第2山部
140 頂上部
142 頂上部
144 谷部
146 スライド機構

【特許請求の範囲】
【請求項1】
曲線部を備えるフレームと、搬送物を保持または搭載する搬送台と、を有し、前記搬送台を前記フレームに吊り下げながらワイヤにより引っ張ることにより移動させる搬送装置において、
前記フレームに吊り下げながら移動可能であり前記ワイヤが貫通する貫通部が設けられ前記搬送台と連結可能および切り離し可能なトロリと、
前記曲線部に設けられ前記搬送台から切り離された前記トロリを保持する保持部と、
を有することを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
請求項1に記載する搬送装置において、
前記保持部は、前記トロリが移動する領域の上部に設けられ、上方向に凹ませた溝形状に形成され前記トロリの上方向の先端部を保持する谷部を備えること、
を特徴とする搬送装置。
【請求項3】
請求項2に記載する搬送装置において、
前記トロリと前記保持部とを複数有し、
前記保持部は、下方向に突出した形状の山部を備え、
前記トロリを、前記搬送台に対して当該搬送台の移動方向の後方側に設け、
前記搬送台の移動方向の上流側にある前記トロリにおける前記先端部は、前記搬送台の移動方向の下流側にある前記トロリにおける前記先端部よりも上方向の位置にあり、
前記搬送台の移動方向の上流側にある前記保持部における前記山部の頂上部は、前記搬送台の移動方向の下流側にある前記保持部における前記山部の頂上部よりも上方向の位置にあること、
を特徴とする搬送装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載する搬送装置において、
前記トロリとして、前記搬送台に対して当該搬送台の移動方向の前方側に設けられた前方トロリと、前記搬送台に対して当該搬送台の移動方向の後方側に設けられた後方トロリと、を備え、
前記前方トロリを前記保持部に保持させておき前記後方トロリを前記搬送台に連結させた状態から、前記搬送台を移動させて、前記前方トロリを前記保持部から回収して前記搬送台に連結させ、前記後方トロリを前記搬送台から切り離して前記保持部に保持させること、
を特徴とする搬送装置。
【請求項5】
請求項4に記載する搬送装置において、
前記保持部として、前記前方トロリを保持する第1保持部と前記後方トロリを保持する第2保持部とを備え、
前記第1保持部と前記第2保持部とを前記フレームの幅方向における異なる位置に設けること、
を特徴とする搬送装置。
【請求項6】
請求項5に記載する搬送装置において、
前記第1保持部と前記第2保持部とを前記搬送台の移動方向における同じ位置に設けること、
を特徴とする搬送装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate