搬送装置
【課題】 周辺設備や隣接設備に対する配置をフレキシブルに対応することができる搬送装置を提供する。
【解決手段】 本発明に係る搬送装置1は、棒状に形成された複数の対象物X,…が長手方向に沿って搬送される際に、複数の対象物X,…の後端部を揃えるべく、搬送される対象物X,…の後端部と当接する後端揃え手段3と、複数の対象物X,…の前端部を揃えるべく、搬送される対象物X,…の前端部と当接する前端揃え手段4とを備え、両揃え手段3,4は、対象物Xと当接する際に、搬送方向において全ての対象物X,…を覆い得るようにそれぞれ構成されることを特徴とする。
【解決手段】 本発明に係る搬送装置1は、棒状に形成された複数の対象物X,…が長手方向に沿って搬送される際に、複数の対象物X,…の後端部を揃えるべく、搬送される対象物X,…の後端部と当接する後端揃え手段3と、複数の対象物X,…の前端部を揃えるべく、搬送される対象物X,…の前端部と当接する前端揃え手段4とを備え、両揃え手段3,4は、対象物Xと当接する際に、搬送方向において全ての対象物X,…を覆い得るようにそれぞれ構成されることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物を搬送する方向に沿う部位を有して無端回転し、当該部位にて対象物を支持して搬送する搬送体を備える搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象物を搬送する方向に沿う部位を有して無端回転し、当該部位にて対象物を支持して搬送する搬送体を備える搬送装置として、例えば、乾麺、スパゲティ、棒状菓子、線香、蝋燭といった棒状に形成される対象物を一まとめの状態で、所定間隔にて連続的に搬送する搬送装置が知られている。
【0003】
そして、当該搬送装置においては、搬送体は、対象物を下方側から支持すべく、対象物を載置する平面状の載置部と、対象物を側方側から支持すべく、載置部から突出し、対象物を係止する一対の係止部と、を搬送方向に沿ってそれぞれ複数備える(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−112618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、一対の係止部は、搬送体が無端回転する際に、載置部から突出する量が一定となるように構成されている。これにより、搬送装置の周辺に配置される周辺設備や、搬送装置に隣接して配置される隣接設備が係止部と干渉するのを防止させる必要があるため、周辺設備や隣接設備に対する搬送装置の配置が制約される。したがって、例えば、当該搬送装置を含む製造ラインをフレキシブルに設計できないといった問題があった。
【0006】
よって、本発明は、かかる事情に鑑み、周辺設備や隣接設備に対する配置をフレキシブルに対応することができる搬送装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る搬送装置は、対象物を搬送する搬送方向に沿う部位を有して無端回転し、当該部位にて対象物を支持して搬送する搬送体を備え、搬送体は、対象物を下方側から支持すべく、対象物を載置する平面状の載置部と、対象物を側方側から支持すべく、載置部から突出し、対象物を係止する一対の係止部と、を搬送方向に沿ってそれぞれ複数備える搬送装置において、棒状に形成された複数の対象物が長手方向に沿って搬送される際に、複数の対象物の後端部を揃えるべく、搬送される対象物の後端部と当接する後端揃え手段と、複数の対象物の前端部を揃えるべく、搬送される対象物の前端部と当接する前端揃え手段とを備え、両揃え手段は、対象物と当接する際に、搬送方向において全ての対象物を覆い得るようにそれぞれ構成されることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、対象物が平面状の載置部に載置されるため、載置部が対象物を下方側から支持すると共に、載置部から突出する一対の係止部が対象物を係止するため、各係止部が対象物を側方側から支持できる。これにより、搬送体が対象物を支持して搬送できる。
【0009】
さらに、本発明によれば、長手方向に沿って搬送される棒状に形成された複数の対象物の端部と揃え手段とが当接する際に、揃え手段が対象物を搬送する方向において全ての対象物を覆い得るように構成されるため、複数の対象物の端部を揃えることができる。したがって、対象物を破損させることなく搬送することができる。
【0010】
また、本発明に係る搬送装置においては、後端揃え手段は、各載置部間に配置されるように、搬送方向に沿って複数並設されると共に、搬送体と一体になって無端回転してもよい。
【0011】
また、本発明に係る搬送装置においては、前端揃え手段は、対象物と当接すべく、搬送方向において全ての対象物を覆い得るように構成される前端当接部と、前端当接部が対象物に当接する位置と前端当接部が対象物に当接することを防止する位置とに、前端当接部を移動させる移動手段とを備えてもよい。
【0012】
また、本発明に係る搬送装置においては、移動手段は、前端当接部が対象物の前端部に当接することにより後端当接部が対象物の後端部と当接するように、前端当接部を移動させてもよい。
【0013】
また、本発明に係る搬送装置においては、移動手段は、前端当接部が対象物に当接する位置から前端当接部が対象物に当接することを防止する位置へ、前端当接部を移動させる際に、前端当接部を、搬送体よりも速い速度で搬送方向に移動させ且つ上方向に移動させてもよい。
【0014】
なお、本発明に係る搬送装置においては、各係止部は、対象物を搬送する方向に沿って並設される複数の係止片を備え、各係止片は、搬送体が無端回転する際に、載置部から突出する量を個別に変更可能に構成されてもよい。
【0015】
斯かる構成によれば、対象物を搬送する方向に沿って並設される複数の係止片は、搬送体が無端回転する際に、載置部から突出する量を個別に変更することができる。これにより、係止片が所定位置において載置部から突出する量を小さくすることにより、係止片が搬送体の周辺に配置される周辺設備や隣接して配置される隣接設備に干渉するのを防止できる。
【0016】
また、本発明に係る搬送装置においては、各係止片は、対象物を搬送する方向と交差する方向で回動することにより、載置部から突出する量を変更すべく、載置部よりも内方の部位で枢着されてもよい。
【0017】
かかる構成によれば、各係止片が載置部よりも内方の部位で枢着されているため、対象物を搬送する方向と交差する方向で回動することにより、載置部から突出する量を変更することができる。したがって、例えば、係止片が所定位置において載置部から突出しないように、即ち、係止片が載置部から突出する量をゼロにすることもできる。
【0018】
また、本発明に係る搬送装置においては、各載置部は、対象物を搬送する方向に沿って且つ各係止片間にそれぞれ配置される複数の板状部材を備え、各板状部材は、回動する各係止片と干渉するのを防止すべく、各係止片が回動する方向に沿って配置されてもよい。
【0019】
かかる構成によれば、各載置部においては、複数の板状部材が対象物を搬送する方向に沿って配置されると共に各係止片間にそれぞれ配置される。そして、各係止片が回動する方向に沿って、各板状部材が配置されているため、回動する各係止片と各板状部材とが干渉するのを防止できる。
【0020】
また、本発明に係る搬送装置においては、対象物を搬送する方向に沿って配置され、各係止片を案内する案内手段を備え、各係止片は、案内手段による案内が解除されることにより、載置部から突出する量を小さく変更してもよい。
【0021】
かかる構成によれば、対象物を搬送する方向に沿って配置される案内手段が、対象物を支持している各係止片を案内する。そして、案内手段による案内が解除されることにより、各係止片が載置部から突出する量を小さく変更できる。
【発明の効果】
【0022】
以上の如く、本発明に係る搬送装置によれば、周辺設備や隣接設備に対する配置をフレキシブルに対応することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る搬送装置の全体図であって、平面図を示す。
【図2】同実施形態に係る搬送装置の全体図であって、正面図を示す。
【図3】同実施形態に係る搬送装置の要部概略図であって、平面図を示す。
【図4】同実施形態に係る搬送装置の要部概略図であって、正面図を示す。
【図5】同実施形態に係る搬送装置の要部概略図であって、図4のA−A線における断面図を示す。
【図6】同実施形態に係る搬送装置における、対象物の端部を揃える作用を説明する要部概略図であって、(a)及び(b)は正面図を示す。
【図7】同実施形態に係る搬送装置における、対象物の端部を揃える作用を説明する要部概略図であって、(a)及び(b)は正面図を示す。
【図8】同実施形態に係る搬送装置における、係止片の作用を説明する要部概略図であって、(a)は側面図、(b)はB−B線における断面図を示す。
【図9】同実施形態に係る搬送装置における、係止片の作用を説明する要部概略図であって、(a)は側面図、(b)はC−C線における断面図を示す。
【図10】同実施形態に係る搬送装置における、揃え手段の作用を説明する要部概略図であって、(a)及び(b)はそれぞれ正面図を示す。
【図11】同実施形態に係る搬送装置における、係止片の作用を説明する要部概略図であって、断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る搬送装置における一実施形態について、図1〜図11を参酌して説明する。
【0025】
本実施形態に係る搬送装置は、図1及び図2に示すように、棒状に形成された複数の対象物X,…を包装する包装装置に設けられる。具体的には、包装装置は、複数の対象物X,…の端部を揃え、対象物X,…を長手方向に沿って搬送する搬送装置1と、搬送装置1に対象物X,…を供給する供給装置70と、搬送装置1により搬送された対象物X,…をフィルムYにて製袋する製袋装置80とを備える。
【0026】
供給装置70は、所定(設定された)量の対象物X,…を一まとめの状態にて連続的に搬送装置1に供給する。具体的には、供給装置70は、対象物X,…を計量して所定量にする計量部71と、所定量にされた対象物X,…を一まとめの状態で搬送装置1に向けて投入する(落下させる)投入部72とを備える。
【0027】
製袋装置80は、搬送装置1から連続的に供給される対象物X,…をピロー包装する。具体的には、製袋装置80は、供給されたフィルムYを長手方向でシールして、チューブ状に形成する第1シール部81と、チューブ状に形成されたフィルムYに対象物X,…を収容した後に、対象物X,…の前後にてフィルムYを幅方向でシール及び切断して、袋状に形成する第2シール部82とを備える。
【0028】
搬送装置1は、図1〜図5に示すように、対象物X,…を搬送する方向(以下、単に「搬送方向」ともいう)に沿う部位を有して無端回転し、当該部位にて対象物X,…の長尺な搬送路を形成する搬送体2を備える。具体的には、搬送装置1は、対象物X,…を搬送する方向に沿う部位を有して無端回転し、当該部位にて対象物X,…を支持して搬送する搬送体2を備える。
【0029】
そして、搬送装置1は、対象物X,…の端部を揃えるべく、搬送される対象物X,…の後端部(一端部)と当接する後端揃え手段3と、搬送される対象物X,…の前端部(他端部)と当接する前端揃え手段4とを備える。また、搬送装置1は、搬送体2を支持して案内する第1案内手段(本発明に係る「案内手段」に相当する)5と、後端揃え手段3を支持して案内する第2案内手段6とを備える。
【0030】
さらに、搬送装置1は、対象物X,…を搬送する方向に沿う部位を有して無端回転する一対の走行体(チェーン)11,11と、各走行体11が無端回転するように方向転換させるべく、上流端及び下流端にそれぞれ配置される一対の方向転換部材(スプロケット)12,12とを備える。また、搬送装置1は、走行体11,11を覆うカバー13を備える。
【0031】
搬送体2は、対象物X,…を下方側から支持すべく、対象物X,…を載置する平面状の載置部21と、対象物X,…を側方側から支持すべく、載置部21から突出し、対象物X,…を係止する一対の係止部22,22とを備える。
【0032】
載置部21は、対象物X,…を搬送する方向、より具体的には、搬送体2が無端回転する方向に沿って、所定の離間距離を有して複数並設される。そして、各載置部21は、一対の走行体11,11に連結され、一対の走行体11,11と連動するように構成される。
【0033】
また、各載置部21は、対象物X,…を搬送する方向に沿って並設される板状部材211,…を備える。具体的には、各載置部21は、一対の走行体11,11に跨って配置される複数(本実施形態においては5枚)の板状部材(プレート)211,…が並設されて構成される。
【0034】
一対の係止部22,22は、幅方向に離間して配設され、相互間に対象物X,…を収容するように構成される。そして、一対の係止部22,22は、一まとめとなって載置部21に載置される対象物X,…の量に対応させるべく、相互の離間距離を調整可能に構成される。
【0035】
また、一対の係止部22,22は、搬送体2が無端回転する方向(対象物X,…を搬送する方向)に沿って、所定の離間距離を有して複数並設され、一対の走行体11,11と連動するように構成される。そして、各係止部22は、対象物X,…を搬送する方向に沿って並設される複数の係止片221,…を備える。
【0036】
各係止片221は、載置部21の各板状部材211,211間に配置される。そして、各係止片221は、一対の連結軸231と各連結軸231に跨って配設される連結部材232とからなる連結部23を介して、一対の走行体11,11に連結され、一対の走行体11,11と連動するように構成される。
【0037】
また、各係止片221は、対象物X,…を搬送する方向と交差する方向で回動することにより、載置部21から突出する量を変更すべく、載置部21よりも内方の部位で枢着される。具体的には、各係止片221は、載置部21より内方に配置される基端部が、各走行体11に連結される連結部23に枢着されて構成される。
【0038】
また、各係止片221は、基端部から突出する中途部が棒状に形成され、さらに、上方から投入される対象物X,…を受け入れるのを容易にすべく、先端部が外拡がりとなるように屈曲部221aを備える。なお、対象物X,…は、各係止片221の屈曲部221aよりも下方側にて、載置部21に載置されるように所定量を設定されている。
【0039】
さらに、各係止片221は、搬送体2が無端回転する際に、載置部21から突出する量を個別に変更可能に構成される。具体的には、各係止片221は、無端回転する方向を中心に基端部が回動することにより、載置部21から突出する量を個別に変更可能に構成される。なお、各板状部材211は、回動する各係止片221と干渉するのを防止すべく、各係止片221が回動する方向に沿って配置されている。
【0040】
後端揃え手段3は、搬送体2が無端回転する方向(対象物X,…を搬送する方向)に沿って、所定の離間距離を有して複数並設される。具体的には、各後端揃え手段3は、各載置部21間に配置される。また、後端揃え手段3は、対象物X,…と当接すべく平板状に形成される後端当接部31と、後端当接部31と直交するように配置される平板状の基部32とを備える。
【0041】
そして、後端揃え手段3は、一対の走行部材11,11と連結され、一対の走行部材11,11と連動するように構成される。具体的には、後端揃え手段3は、一対の走行部材11,11に跨って連結される連結軸33により、幅方向(搬送部材2が無端回転する方向と直交する方向)を中心に回動可能に構成される。
【0042】
また、後端当接部31は、一対の係止部22(係止片221)が対象物X,…を支持(係止)する際の離間距離よりも、幅寸法が大きくなるように形成される。そして、後端当接部31は、対象物X,…の後端と当接する際に、対象物X,…の長手方向(搬送方向)と直交するように配置され、さらに、対象物X,…を搬送する方向において全ての対象物X,…を覆い得るように構成される。
【0043】
具体的には、後端当接部31は、載置部21及び係止部22にて形成される対象物X,…を収容する空間(収容部)を、搬送方向において覆い得るように構成される。より具体的には、後端当接部31は、対象物X,…と当接する際に、一対の係止部22(係止片221)と搬送方向にて重なるように配置され、また、下端部が載置部21(における載置する面)よりも下方に位置するように配置され、さらに、上端部が係止片221の屈曲部221aよりも上方に位置するように配置される。
【0044】
前端揃え手段4は、搬送体2の上方に配置され、対象物X,…と当接すべく平板状に形成される前端当接部41と、前端当接部41を移動させる移動手段42と、前端当接部41が対象物X,…と当接した際に、衝突力を吸収する弾性体43とを備える。
【0045】
前端当接部41は、一対の係止部22(係止片221)が対象物X,…を支持(係止)する際の離間距離よりも、幅寸法が大きくなるように形成される。また、移動手段42は、前端当接部41を上下方向に移動させる昇降部(昇降シリンダ)421と、前端当接部41を前後方向(搬送方向)に移動させる進退部(進退シリンダ)422とを備える。
【0046】
そして、前端当接部41は、移動手段42により、対象物X,…の前端と当接する際に、対象物X,…の長手方向(搬送方向)と直交するように配置され、さらに、対象物X,…を搬送する方向において全ての対象物X,…を覆い得るように構成される。具体的には、前端当接部41は、載置部21及び係止部22にて形成される対象物X,…を収容する空間(収容部)を、搬送方向において覆い得るように構成される。
【0047】
より具体的には、前端当接部41は、対象物X,…と当接する際に、一対の係止部22(係止片221)と搬送方向にて重なるように配置され、また、下端部が載置部21(における載置する面)よりも下方に位置するように配置され、さらに、上端部が係止片221の屈曲部221aよりも上方に位置するように配置される。
【0048】
第1案内手段5は、一対の方向転換部材12,12間であって、対象物X,…を搬送する方向に沿って配置される。そして、第1案内手段5,5は、対象物X,…を支持する、即ち、搬送路に位置している各係止片221を案内すべく、幅方向に一対設けられるガイドレールである。
【0049】
また、各第1案内手段5は、各係止片221の棒状に形成される中途部が載置部21と直交する姿勢(正立姿勢)となるように、各係止片221の基端部を案内する。なお、各係止片221は、第1案内手段5による案内が解除されることにより、載置部21から突出する量を小さく変更する。
【0050】
第2案内手段6は、一対の方向転換部材12,12間であって、搬送方向に沿って配置される。そして、第2案内手段6は、平板状の後端当接部31が載置部21と直交する姿勢(正立姿勢)となるように、後端揃え手段3の基部32を案内するガイドレールである。
【0051】
本実施形態に係る搬送装置1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係る搬送装置1の作用について説明する。
【0052】
まず、対象物X,…の搬送方法について説明する。図6(a)に示すように、複数の対象物X,…が供給装置70(図6(a)において図示していない)から落下して搬送体2に供給される。そして、供給された対象物X,…は、載置部21により下方側から支持されると共に、一対の係止部22,22により側方側から支持される。具体的には、対象物Xは、複数の板状部材211,…に跨って載置し、また、複数の係止片221,…に係止されている。
【0053】
このとき、前端揃え手段4は、移動手段42により前端当接部41を下降及び後退させている。なお、図6(a)において、複数の対象物X,…の端部が揃っているように図示されているが、実際には、揃っていない場合が殆どである。
【0054】
そして、載置部21が走行体11と連動して搬送方向に沿って移動(無端回転)することにより、載置部21に載置されている対象物X,…が搬送方向に沿って移動する。すると、図6(b)に示すように、対象物X,…の前端部が前端当接部41と当接する。これにより、移動する載置部21上を対象物X,…がスライド(後退)し、その後、対象物X,…の後端部が後端当接部31と当接する。
【0055】
さらに、載置部21が搬送方向に沿って移動すると、対象物X,…が前端当接部41を押すことになるため、前端揃え手段4の弾性体43が縮む。このとき、各当接部31,41が全ての対象物X,…を搬送方向にて覆っているため、全ての対象物X,…が各当接部31,41と当接する。したがって、複数の対象物X,…の端部が揃うことになる。
【0056】
その後、図7(a)に示すように、移動手段42により、前端当接部41が対象物X,…、載置部21、及び係止部22,22よりも速い速度で搬送方向に移動することにより、前端当接部41が対象物X,…から離反する。さらに、図7(b)に示すように、移動手段42により、前端当接部41が対象物X,…と接触することなく、上昇する。
【0057】
その後、対象物X,…の端部が揃った状態で、搬送体2が対象物X,…を搬送する。そして、製袋装置80(図7(b)において図示していない)に載り移る際には、後端当接部31が対象物X,…を押して移動させるため、対象物X,…が端部を揃えた状態で製袋装置80に供給される。
【0058】
次に、各係止片221が製袋装置80に干渉するのを防止する方法について説明する。図8に示すように、係止片221は、第1案内手段5に案内されている際には、棒状に形成される中途部が載置部21と直交する姿勢(正立姿勢)である。これにより、各係止片221が複数の対象物X,…を側方側から支持できる。
【0059】
そして、係止片221が搬送方向に移動することにより、第1案内手段5が係止片221の案内を解除すると、図9に示すように、係止片221が重力バランスにより基端部を中心にして回動する。これにより、係止片221は、載置部21から突出しなくなる(突出する量がゼロとなる)。そして、係止片221は、載置部21から突出することなく、その状態を維持しつつ方向転換部材12に沿って方向転換する。
【0060】
また、後端揃え手段3が製袋装置80に干渉するのを防止する方法について説明する。図10(a)に示すように、後端揃え手段3は、第2案内手段6に案内されている際には、平板状の後端当接部31が載置部21と直交する姿勢(正立姿勢)である。これにより、後端当接部31が全ての対象物X,…と当接することができる。
【0061】
そして、後端揃え手段3が搬送方向に移動することにより、第2案内手段6が後端揃え手段3の基部32の案内を解除すると、図10(b)に示すように、後端揃え手段3が重力バランスにより連結軸33(図10において図示していない)を中心に回動する。これにより、後端揃え手段3は、製袋装置80(図10において図示していない)と干渉しない。
【0062】
以上より、本実施形態に係る搬送装置1は、搬送体2が無端回転する際に、対象物X,…を搬送する方向に沿って並設される複数の係止片221,…が、載置部21から突出する量を個別に変更できる。これにより、係止片221が載置部21から突出することなく方向転換部材12に沿って方向転換するため、各係止片221が製袋装置80に干渉するのを防止でき、その結果、製袋装置80を搬送装置1に接近させて配置することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る搬送装置1は、対象物X,…が平面状の載置部21に載置されることにより、載置部21が対象物X,…を下方側から支持することができ、さらに、載置部21から突出する一対の係止部22,22が対象物X,…を係止することにより、各係止部22が対象物X,…を側方側から支持することができる。これにより、搬送体2が対象物X,…を支持して搬送できる。
【0064】
また、本実施形態に係る搬送装置1は、各係止片221が載置部21よりも内方の部位で枢着されているため、各係止片221が搬送方向と交差する方向で回動することにより、各係止片221が載置部21から突出する量をゼロにすることができる。即ち、各係止片221が搬送路から離脱する際に載置部21から突出しないようにすることができる。
【0065】
また、本実施形態に係る搬送装置1は、載置部21においては、複数の板状部材211,…が対象物X,…を搬送する方向に沿って並設され且つ各係止片221,221間に配置される。さらに、各係止片221が回動する方向に沿って、各板状部材211が配置されているため、回動する各係止片221と各板状部材211とが干渉するのを防止できる。
【0066】
また、各揃え手段3,4が、対象物X,…の端部と当接する際に、対象物X,…を搬送する方向において全ての対象物X,…を覆い得るように構成されるため、対象物X,…の端部を確実に揃えることができ、その結果、対象物X,…を破損させることなく搬送することができる。
【0067】
また、本実施形態に係る搬送装置1は、図11に示すように、一まとめにする対象物X,…の量の変更に対応させることができる。詳細を説明すると、まず、ハンドル14を廻すことにより、一方側に右螺子、他方側に左螺子が形成されている軸部材15に螺合される一対の螺合部材16,16は、互いに接離する。
【0068】
そして、第1案内手段5と、各係止片221が枢着される連結部23(連結部材232)とが、各螺合部材16に幅方向にて掛止されているため、一対の螺合部材16,16が接離するのに連動して、一対の案内手段5,5が接離すると共に、一対の係止片221,221が接離する。これにより、載置部21と一対の係止部22,22(係止片221,221)とにより支持できる対象物X,…の量を調整できる。
【0069】
なお、図11に示すように、束ねられた対象物X,…の群を複数搬送する場合においては、例えば、対象物X,…が搬送装置1の上流側に配置される別の供給装置(図示及び採番しない)から供給されたり、作業員の手によって載置部21に載置するように供給されたりしてもよい。
【0070】
なお、本発明に係る搬送装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0071】
例えば、上記実施形態に係る搬送装置1においては、揃え手段3,4を二つ備える場合を説明したが、かかる場合に限られず、揃え手段は、一つ備える場合でもよい。例えば、対象物X,…を搬送する方向を水平方向ではなく、斜め上方に傾ける場合においては、対象物X,…の後端を揃えるための揃え手段を一つのみ備えればよい。
【0072】
また、上記実施形態に係る搬送装置1においては、各係止片221が第1案内手段5の案内が解除されると重力バランスで回動する場合を説明したが、かかる場合に限られず、例えば、各係止片が回動するように、第1案内手段が各係止片を案内する場合でもよい。
【0073】
また、上記実施形態に係る搬送装置1においては、各係止片221が回動することにより載置部21から突出する量を変更する場合を説明したが、かかる場合に限られず、例えば、各係止片が載置部から突出する方向に沿って移動することにより載置部から突出する量を変更する場合でもよい。
【0074】
また、上記実施形態に係る搬送装置1においては、各係止片221が製袋装置80と干渉するのを防止する場合を説明したが、かかる場合に限られない。例えば、各係止片が上流側に配置される対象物を供給する装置と干渉するのを防止する場合でもよく、また、各係止片が上方に配置される装置、即ち、供給装置70と干渉するのを防止する場合でもよい。
【0075】
また、上記実施形態に係る搬送装置1においては、棒状に形成される対象物X,…を搬送する場合を説明したが、かかる場合に限られず、さまざまな形状の対象物X,…に適用することができる。
【符号の説明】
【0076】
1…搬送装置、2…搬送体、3…(後端)揃え手段、4…(前端)揃え手段、5…(第1)案内手段、21…載置部、22…係止部、211…板状部材、221…係止片、X…対象物
【技術分野】
【0001】
本発明は、対象物を搬送する方向に沿う部位を有して無端回転し、当該部位にて対象物を支持して搬送する搬送体を備える搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、対象物を搬送する方向に沿う部位を有して無端回転し、当該部位にて対象物を支持して搬送する搬送体を備える搬送装置として、例えば、乾麺、スパゲティ、棒状菓子、線香、蝋燭といった棒状に形成される対象物を一まとめの状態で、所定間隔にて連続的に搬送する搬送装置が知られている。
【0003】
そして、当該搬送装置においては、搬送体は、対象物を下方側から支持すべく、対象物を載置する平面状の載置部と、対象物を側方側から支持すべく、載置部から突出し、対象物を係止する一対の係止部と、を搬送方向に沿ってそれぞれ複数備える(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−112618号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、一対の係止部は、搬送体が無端回転する際に、載置部から突出する量が一定となるように構成されている。これにより、搬送装置の周辺に配置される周辺設備や、搬送装置に隣接して配置される隣接設備が係止部と干渉するのを防止させる必要があるため、周辺設備や隣接設備に対する搬送装置の配置が制約される。したがって、例えば、当該搬送装置を含む製造ラインをフレキシブルに設計できないといった問題があった。
【0006】
よって、本発明は、かかる事情に鑑み、周辺設備や隣接設備に対する配置をフレキシブルに対応することができる搬送装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る搬送装置は、対象物を搬送する搬送方向に沿う部位を有して無端回転し、当該部位にて対象物を支持して搬送する搬送体を備え、搬送体は、対象物を下方側から支持すべく、対象物を載置する平面状の載置部と、対象物を側方側から支持すべく、載置部から突出し、対象物を係止する一対の係止部と、を搬送方向に沿ってそれぞれ複数備える搬送装置において、棒状に形成された複数の対象物が長手方向に沿って搬送される際に、複数の対象物の後端部を揃えるべく、搬送される対象物の後端部と当接する後端揃え手段と、複数の対象物の前端部を揃えるべく、搬送される対象物の前端部と当接する前端揃え手段とを備え、両揃え手段は、対象物と当接する際に、搬送方向において全ての対象物を覆い得るようにそれぞれ構成されることを特徴とする。
【0008】
本発明によれば、対象物が平面状の載置部に載置されるため、載置部が対象物を下方側から支持すると共に、載置部から突出する一対の係止部が対象物を係止するため、各係止部が対象物を側方側から支持できる。これにより、搬送体が対象物を支持して搬送できる。
【0009】
さらに、本発明によれば、長手方向に沿って搬送される棒状に形成された複数の対象物の端部と揃え手段とが当接する際に、揃え手段が対象物を搬送する方向において全ての対象物を覆い得るように構成されるため、複数の対象物の端部を揃えることができる。したがって、対象物を破損させることなく搬送することができる。
【0010】
また、本発明に係る搬送装置においては、後端揃え手段は、各載置部間に配置されるように、搬送方向に沿って複数並設されると共に、搬送体と一体になって無端回転してもよい。
【0011】
また、本発明に係る搬送装置においては、前端揃え手段は、対象物と当接すべく、搬送方向において全ての対象物を覆い得るように構成される前端当接部と、前端当接部が対象物に当接する位置と前端当接部が対象物に当接することを防止する位置とに、前端当接部を移動させる移動手段とを備えてもよい。
【0012】
また、本発明に係る搬送装置においては、移動手段は、前端当接部が対象物の前端部に当接することにより後端当接部が対象物の後端部と当接するように、前端当接部を移動させてもよい。
【0013】
また、本発明に係る搬送装置においては、移動手段は、前端当接部が対象物に当接する位置から前端当接部が対象物に当接することを防止する位置へ、前端当接部を移動させる際に、前端当接部を、搬送体よりも速い速度で搬送方向に移動させ且つ上方向に移動させてもよい。
【0014】
なお、本発明に係る搬送装置においては、各係止部は、対象物を搬送する方向に沿って並設される複数の係止片を備え、各係止片は、搬送体が無端回転する際に、載置部から突出する量を個別に変更可能に構成されてもよい。
【0015】
斯かる構成によれば、対象物を搬送する方向に沿って並設される複数の係止片は、搬送体が無端回転する際に、載置部から突出する量を個別に変更することができる。これにより、係止片が所定位置において載置部から突出する量を小さくすることにより、係止片が搬送体の周辺に配置される周辺設備や隣接して配置される隣接設備に干渉するのを防止できる。
【0016】
また、本発明に係る搬送装置においては、各係止片は、対象物を搬送する方向と交差する方向で回動することにより、載置部から突出する量を変更すべく、載置部よりも内方の部位で枢着されてもよい。
【0017】
かかる構成によれば、各係止片が載置部よりも内方の部位で枢着されているため、対象物を搬送する方向と交差する方向で回動することにより、載置部から突出する量を変更することができる。したがって、例えば、係止片が所定位置において載置部から突出しないように、即ち、係止片が載置部から突出する量をゼロにすることもできる。
【0018】
また、本発明に係る搬送装置においては、各載置部は、対象物を搬送する方向に沿って且つ各係止片間にそれぞれ配置される複数の板状部材を備え、各板状部材は、回動する各係止片と干渉するのを防止すべく、各係止片が回動する方向に沿って配置されてもよい。
【0019】
かかる構成によれば、各載置部においては、複数の板状部材が対象物を搬送する方向に沿って配置されると共に各係止片間にそれぞれ配置される。そして、各係止片が回動する方向に沿って、各板状部材が配置されているため、回動する各係止片と各板状部材とが干渉するのを防止できる。
【0020】
また、本発明に係る搬送装置においては、対象物を搬送する方向に沿って配置され、各係止片を案内する案内手段を備え、各係止片は、案内手段による案内が解除されることにより、載置部から突出する量を小さく変更してもよい。
【0021】
かかる構成によれば、対象物を搬送する方向に沿って配置される案内手段が、対象物を支持している各係止片を案内する。そして、案内手段による案内が解除されることにより、各係止片が載置部から突出する量を小さく変更できる。
【発明の効果】
【0022】
以上の如く、本発明に係る搬送装置によれば、周辺設備や隣接設備に対する配置をフレキシブルに対応することができるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の一実施形態に係る搬送装置の全体図であって、平面図を示す。
【図2】同実施形態に係る搬送装置の全体図であって、正面図を示す。
【図3】同実施形態に係る搬送装置の要部概略図であって、平面図を示す。
【図4】同実施形態に係る搬送装置の要部概略図であって、正面図を示す。
【図5】同実施形態に係る搬送装置の要部概略図であって、図4のA−A線における断面図を示す。
【図6】同実施形態に係る搬送装置における、対象物の端部を揃える作用を説明する要部概略図であって、(a)及び(b)は正面図を示す。
【図7】同実施形態に係る搬送装置における、対象物の端部を揃える作用を説明する要部概略図であって、(a)及び(b)は正面図を示す。
【図8】同実施形態に係る搬送装置における、係止片の作用を説明する要部概略図であって、(a)は側面図、(b)はB−B線における断面図を示す。
【図9】同実施形態に係る搬送装置における、係止片の作用を説明する要部概略図であって、(a)は側面図、(b)はC−C線における断面図を示す。
【図10】同実施形態に係る搬送装置における、揃え手段の作用を説明する要部概略図であって、(a)及び(b)はそれぞれ正面図を示す。
【図11】同実施形態に係る搬送装置における、係止片の作用を説明する要部概略図であって、断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明に係る搬送装置における一実施形態について、図1〜図11を参酌して説明する。
【0025】
本実施形態に係る搬送装置は、図1及び図2に示すように、棒状に形成された複数の対象物X,…を包装する包装装置に設けられる。具体的には、包装装置は、複数の対象物X,…の端部を揃え、対象物X,…を長手方向に沿って搬送する搬送装置1と、搬送装置1に対象物X,…を供給する供給装置70と、搬送装置1により搬送された対象物X,…をフィルムYにて製袋する製袋装置80とを備える。
【0026】
供給装置70は、所定(設定された)量の対象物X,…を一まとめの状態にて連続的に搬送装置1に供給する。具体的には、供給装置70は、対象物X,…を計量して所定量にする計量部71と、所定量にされた対象物X,…を一まとめの状態で搬送装置1に向けて投入する(落下させる)投入部72とを備える。
【0027】
製袋装置80は、搬送装置1から連続的に供給される対象物X,…をピロー包装する。具体的には、製袋装置80は、供給されたフィルムYを長手方向でシールして、チューブ状に形成する第1シール部81と、チューブ状に形成されたフィルムYに対象物X,…を収容した後に、対象物X,…の前後にてフィルムYを幅方向でシール及び切断して、袋状に形成する第2シール部82とを備える。
【0028】
搬送装置1は、図1〜図5に示すように、対象物X,…を搬送する方向(以下、単に「搬送方向」ともいう)に沿う部位を有して無端回転し、当該部位にて対象物X,…の長尺な搬送路を形成する搬送体2を備える。具体的には、搬送装置1は、対象物X,…を搬送する方向に沿う部位を有して無端回転し、当該部位にて対象物X,…を支持して搬送する搬送体2を備える。
【0029】
そして、搬送装置1は、対象物X,…の端部を揃えるべく、搬送される対象物X,…の後端部(一端部)と当接する後端揃え手段3と、搬送される対象物X,…の前端部(他端部)と当接する前端揃え手段4とを備える。また、搬送装置1は、搬送体2を支持して案内する第1案内手段(本発明に係る「案内手段」に相当する)5と、後端揃え手段3を支持して案内する第2案内手段6とを備える。
【0030】
さらに、搬送装置1は、対象物X,…を搬送する方向に沿う部位を有して無端回転する一対の走行体(チェーン)11,11と、各走行体11が無端回転するように方向転換させるべく、上流端及び下流端にそれぞれ配置される一対の方向転換部材(スプロケット)12,12とを備える。また、搬送装置1は、走行体11,11を覆うカバー13を備える。
【0031】
搬送体2は、対象物X,…を下方側から支持すべく、対象物X,…を載置する平面状の載置部21と、対象物X,…を側方側から支持すべく、載置部21から突出し、対象物X,…を係止する一対の係止部22,22とを備える。
【0032】
載置部21は、対象物X,…を搬送する方向、より具体的には、搬送体2が無端回転する方向に沿って、所定の離間距離を有して複数並設される。そして、各載置部21は、一対の走行体11,11に連結され、一対の走行体11,11と連動するように構成される。
【0033】
また、各載置部21は、対象物X,…を搬送する方向に沿って並設される板状部材211,…を備える。具体的には、各載置部21は、一対の走行体11,11に跨って配置される複数(本実施形態においては5枚)の板状部材(プレート)211,…が並設されて構成される。
【0034】
一対の係止部22,22は、幅方向に離間して配設され、相互間に対象物X,…を収容するように構成される。そして、一対の係止部22,22は、一まとめとなって載置部21に載置される対象物X,…の量に対応させるべく、相互の離間距離を調整可能に構成される。
【0035】
また、一対の係止部22,22は、搬送体2が無端回転する方向(対象物X,…を搬送する方向)に沿って、所定の離間距離を有して複数並設され、一対の走行体11,11と連動するように構成される。そして、各係止部22は、対象物X,…を搬送する方向に沿って並設される複数の係止片221,…を備える。
【0036】
各係止片221は、載置部21の各板状部材211,211間に配置される。そして、各係止片221は、一対の連結軸231と各連結軸231に跨って配設される連結部材232とからなる連結部23を介して、一対の走行体11,11に連結され、一対の走行体11,11と連動するように構成される。
【0037】
また、各係止片221は、対象物X,…を搬送する方向と交差する方向で回動することにより、載置部21から突出する量を変更すべく、載置部21よりも内方の部位で枢着される。具体的には、各係止片221は、載置部21より内方に配置される基端部が、各走行体11に連結される連結部23に枢着されて構成される。
【0038】
また、各係止片221は、基端部から突出する中途部が棒状に形成され、さらに、上方から投入される対象物X,…を受け入れるのを容易にすべく、先端部が外拡がりとなるように屈曲部221aを備える。なお、対象物X,…は、各係止片221の屈曲部221aよりも下方側にて、載置部21に載置されるように所定量を設定されている。
【0039】
さらに、各係止片221は、搬送体2が無端回転する際に、載置部21から突出する量を個別に変更可能に構成される。具体的には、各係止片221は、無端回転する方向を中心に基端部が回動することにより、載置部21から突出する量を個別に変更可能に構成される。なお、各板状部材211は、回動する各係止片221と干渉するのを防止すべく、各係止片221が回動する方向に沿って配置されている。
【0040】
後端揃え手段3は、搬送体2が無端回転する方向(対象物X,…を搬送する方向)に沿って、所定の離間距離を有して複数並設される。具体的には、各後端揃え手段3は、各載置部21間に配置される。また、後端揃え手段3は、対象物X,…と当接すべく平板状に形成される後端当接部31と、後端当接部31と直交するように配置される平板状の基部32とを備える。
【0041】
そして、後端揃え手段3は、一対の走行部材11,11と連結され、一対の走行部材11,11と連動するように構成される。具体的には、後端揃え手段3は、一対の走行部材11,11に跨って連結される連結軸33により、幅方向(搬送部材2が無端回転する方向と直交する方向)を中心に回動可能に構成される。
【0042】
また、後端当接部31は、一対の係止部22(係止片221)が対象物X,…を支持(係止)する際の離間距離よりも、幅寸法が大きくなるように形成される。そして、後端当接部31は、対象物X,…の後端と当接する際に、対象物X,…の長手方向(搬送方向)と直交するように配置され、さらに、対象物X,…を搬送する方向において全ての対象物X,…を覆い得るように構成される。
【0043】
具体的には、後端当接部31は、載置部21及び係止部22にて形成される対象物X,…を収容する空間(収容部)を、搬送方向において覆い得るように構成される。より具体的には、後端当接部31は、対象物X,…と当接する際に、一対の係止部22(係止片221)と搬送方向にて重なるように配置され、また、下端部が載置部21(における載置する面)よりも下方に位置するように配置され、さらに、上端部が係止片221の屈曲部221aよりも上方に位置するように配置される。
【0044】
前端揃え手段4は、搬送体2の上方に配置され、対象物X,…と当接すべく平板状に形成される前端当接部41と、前端当接部41を移動させる移動手段42と、前端当接部41が対象物X,…と当接した際に、衝突力を吸収する弾性体43とを備える。
【0045】
前端当接部41は、一対の係止部22(係止片221)が対象物X,…を支持(係止)する際の離間距離よりも、幅寸法が大きくなるように形成される。また、移動手段42は、前端当接部41を上下方向に移動させる昇降部(昇降シリンダ)421と、前端当接部41を前後方向(搬送方向)に移動させる進退部(進退シリンダ)422とを備える。
【0046】
そして、前端当接部41は、移動手段42により、対象物X,…の前端と当接する際に、対象物X,…の長手方向(搬送方向)と直交するように配置され、さらに、対象物X,…を搬送する方向において全ての対象物X,…を覆い得るように構成される。具体的には、前端当接部41は、載置部21及び係止部22にて形成される対象物X,…を収容する空間(収容部)を、搬送方向において覆い得るように構成される。
【0047】
より具体的には、前端当接部41は、対象物X,…と当接する際に、一対の係止部22(係止片221)と搬送方向にて重なるように配置され、また、下端部が載置部21(における載置する面)よりも下方に位置するように配置され、さらに、上端部が係止片221の屈曲部221aよりも上方に位置するように配置される。
【0048】
第1案内手段5は、一対の方向転換部材12,12間であって、対象物X,…を搬送する方向に沿って配置される。そして、第1案内手段5,5は、対象物X,…を支持する、即ち、搬送路に位置している各係止片221を案内すべく、幅方向に一対設けられるガイドレールである。
【0049】
また、各第1案内手段5は、各係止片221の棒状に形成される中途部が載置部21と直交する姿勢(正立姿勢)となるように、各係止片221の基端部を案内する。なお、各係止片221は、第1案内手段5による案内が解除されることにより、載置部21から突出する量を小さく変更する。
【0050】
第2案内手段6は、一対の方向転換部材12,12間であって、搬送方向に沿って配置される。そして、第2案内手段6は、平板状の後端当接部31が載置部21と直交する姿勢(正立姿勢)となるように、後端揃え手段3の基部32を案内するガイドレールである。
【0051】
本実施形態に係る搬送装置1の構成については以上の通りであり、次に、本実施形態に係る搬送装置1の作用について説明する。
【0052】
まず、対象物X,…の搬送方法について説明する。図6(a)に示すように、複数の対象物X,…が供給装置70(図6(a)において図示していない)から落下して搬送体2に供給される。そして、供給された対象物X,…は、載置部21により下方側から支持されると共に、一対の係止部22,22により側方側から支持される。具体的には、対象物Xは、複数の板状部材211,…に跨って載置し、また、複数の係止片221,…に係止されている。
【0053】
このとき、前端揃え手段4は、移動手段42により前端当接部41を下降及び後退させている。なお、図6(a)において、複数の対象物X,…の端部が揃っているように図示されているが、実際には、揃っていない場合が殆どである。
【0054】
そして、載置部21が走行体11と連動して搬送方向に沿って移動(無端回転)することにより、載置部21に載置されている対象物X,…が搬送方向に沿って移動する。すると、図6(b)に示すように、対象物X,…の前端部が前端当接部41と当接する。これにより、移動する載置部21上を対象物X,…がスライド(後退)し、その後、対象物X,…の後端部が後端当接部31と当接する。
【0055】
さらに、載置部21が搬送方向に沿って移動すると、対象物X,…が前端当接部41を押すことになるため、前端揃え手段4の弾性体43が縮む。このとき、各当接部31,41が全ての対象物X,…を搬送方向にて覆っているため、全ての対象物X,…が各当接部31,41と当接する。したがって、複数の対象物X,…の端部が揃うことになる。
【0056】
その後、図7(a)に示すように、移動手段42により、前端当接部41が対象物X,…、載置部21、及び係止部22,22よりも速い速度で搬送方向に移動することにより、前端当接部41が対象物X,…から離反する。さらに、図7(b)に示すように、移動手段42により、前端当接部41が対象物X,…と接触することなく、上昇する。
【0057】
その後、対象物X,…の端部が揃った状態で、搬送体2が対象物X,…を搬送する。そして、製袋装置80(図7(b)において図示していない)に載り移る際には、後端当接部31が対象物X,…を押して移動させるため、対象物X,…が端部を揃えた状態で製袋装置80に供給される。
【0058】
次に、各係止片221が製袋装置80に干渉するのを防止する方法について説明する。図8に示すように、係止片221は、第1案内手段5に案内されている際には、棒状に形成される中途部が載置部21と直交する姿勢(正立姿勢)である。これにより、各係止片221が複数の対象物X,…を側方側から支持できる。
【0059】
そして、係止片221が搬送方向に移動することにより、第1案内手段5が係止片221の案内を解除すると、図9に示すように、係止片221が重力バランスにより基端部を中心にして回動する。これにより、係止片221は、載置部21から突出しなくなる(突出する量がゼロとなる)。そして、係止片221は、載置部21から突出することなく、その状態を維持しつつ方向転換部材12に沿って方向転換する。
【0060】
また、後端揃え手段3が製袋装置80に干渉するのを防止する方法について説明する。図10(a)に示すように、後端揃え手段3は、第2案内手段6に案内されている際には、平板状の後端当接部31が載置部21と直交する姿勢(正立姿勢)である。これにより、後端当接部31が全ての対象物X,…と当接することができる。
【0061】
そして、後端揃え手段3が搬送方向に移動することにより、第2案内手段6が後端揃え手段3の基部32の案内を解除すると、図10(b)に示すように、後端揃え手段3が重力バランスにより連結軸33(図10において図示していない)を中心に回動する。これにより、後端揃え手段3は、製袋装置80(図10において図示していない)と干渉しない。
【0062】
以上より、本実施形態に係る搬送装置1は、搬送体2が無端回転する際に、対象物X,…を搬送する方向に沿って並設される複数の係止片221,…が、載置部21から突出する量を個別に変更できる。これにより、係止片221が載置部21から突出することなく方向転換部材12に沿って方向転換するため、各係止片221が製袋装置80に干渉するのを防止でき、その結果、製袋装置80を搬送装置1に接近させて配置することができる。
【0063】
また、本実施形態に係る搬送装置1は、対象物X,…が平面状の載置部21に載置されることにより、載置部21が対象物X,…を下方側から支持することができ、さらに、載置部21から突出する一対の係止部22,22が対象物X,…を係止することにより、各係止部22が対象物X,…を側方側から支持することができる。これにより、搬送体2が対象物X,…を支持して搬送できる。
【0064】
また、本実施形態に係る搬送装置1は、各係止片221が載置部21よりも内方の部位で枢着されているため、各係止片221が搬送方向と交差する方向で回動することにより、各係止片221が載置部21から突出する量をゼロにすることができる。即ち、各係止片221が搬送路から離脱する際に載置部21から突出しないようにすることができる。
【0065】
また、本実施形態に係る搬送装置1は、載置部21においては、複数の板状部材211,…が対象物X,…を搬送する方向に沿って並設され且つ各係止片221,221間に配置される。さらに、各係止片221が回動する方向に沿って、各板状部材211が配置されているため、回動する各係止片221と各板状部材211とが干渉するのを防止できる。
【0066】
また、各揃え手段3,4が、対象物X,…の端部と当接する際に、対象物X,…を搬送する方向において全ての対象物X,…を覆い得るように構成されるため、対象物X,…の端部を確実に揃えることができ、その結果、対象物X,…を破損させることなく搬送することができる。
【0067】
また、本実施形態に係る搬送装置1は、図11に示すように、一まとめにする対象物X,…の量の変更に対応させることができる。詳細を説明すると、まず、ハンドル14を廻すことにより、一方側に右螺子、他方側に左螺子が形成されている軸部材15に螺合される一対の螺合部材16,16は、互いに接離する。
【0068】
そして、第1案内手段5と、各係止片221が枢着される連結部23(連結部材232)とが、各螺合部材16に幅方向にて掛止されているため、一対の螺合部材16,16が接離するのに連動して、一対の案内手段5,5が接離すると共に、一対の係止片221,221が接離する。これにより、載置部21と一対の係止部22,22(係止片221,221)とにより支持できる対象物X,…の量を調整できる。
【0069】
なお、図11に示すように、束ねられた対象物X,…の群を複数搬送する場合においては、例えば、対象物X,…が搬送装置1の上流側に配置される別の供給装置(図示及び採番しない)から供給されたり、作業員の手によって載置部21に載置するように供給されたりしてもよい。
【0070】
なお、本発明に係る搬送装置は、上記した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0071】
例えば、上記実施形態に係る搬送装置1においては、揃え手段3,4を二つ備える場合を説明したが、かかる場合に限られず、揃え手段は、一つ備える場合でもよい。例えば、対象物X,…を搬送する方向を水平方向ではなく、斜め上方に傾ける場合においては、対象物X,…の後端を揃えるための揃え手段を一つのみ備えればよい。
【0072】
また、上記実施形態に係る搬送装置1においては、各係止片221が第1案内手段5の案内が解除されると重力バランスで回動する場合を説明したが、かかる場合に限られず、例えば、各係止片が回動するように、第1案内手段が各係止片を案内する場合でもよい。
【0073】
また、上記実施形態に係る搬送装置1においては、各係止片221が回動することにより載置部21から突出する量を変更する場合を説明したが、かかる場合に限られず、例えば、各係止片が載置部から突出する方向に沿って移動することにより載置部から突出する量を変更する場合でもよい。
【0074】
また、上記実施形態に係る搬送装置1においては、各係止片221が製袋装置80と干渉するのを防止する場合を説明したが、かかる場合に限られない。例えば、各係止片が上流側に配置される対象物を供給する装置と干渉するのを防止する場合でもよく、また、各係止片が上方に配置される装置、即ち、供給装置70と干渉するのを防止する場合でもよい。
【0075】
また、上記実施形態に係る搬送装置1においては、棒状に形成される対象物X,…を搬送する場合を説明したが、かかる場合に限られず、さまざまな形状の対象物X,…に適用することができる。
【符号の説明】
【0076】
1…搬送装置、2…搬送体、3…(後端)揃え手段、4…(前端)揃え手段、5…(第1)案内手段、21…載置部、22…係止部、211…板状部材、221…係止片、X…対象物
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物を搬送する搬送方向に沿う部位を有して無端回転し、当該部位にて対象物を支持して搬送する搬送体を備え、搬送体は、対象物を下方側から支持すべく、対象物を載置する平面状の載置部と、対象物を側方側から支持すべく、載置部から突出し、対象物を係止する一対の係止部と、を搬送方向に沿ってそれぞれ複数備える搬送装置において、
棒状に形成された複数の対象物が長手方向に沿って搬送される際に、複数の対象物の後端部を揃えるべく、搬送される対象物の後端部と当接する後端揃え手段と、複数の対象物の前端部を揃えるべく、搬送される対象物の前端部と当接する前端揃え手段とを備え、
両揃え手段は、対象物と当接する際に、搬送方向において全ての対象物を覆い得るようにそれぞれ構成されることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
後端揃え手段は、各載置部間に配置されるように、搬送方向に沿って複数並設されると共に、搬送体と一体になって無端回転する請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前端揃え手段は、対象物と当接すべく、搬送方向において全ての対象物を覆い得るように構成される前端当接部と、前端当接部が対象物に当接する位置と前端当接部が対象物に当接することを防止する位置とに、前端当接部を移動させる移動手段とを備える請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
移動手段は、前端当接部が対象物の前端部に当接することにより後端当接部が対象物の後端部と当接するように、前端当接部を移動させる請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
移動手段は、前端当接部が対象物に当接する位置から前端当接部が対象物に当接することを防止する位置へ、前端当接部を移動させる際に、前端当接部を、搬送体よりも速い速度で搬送方向に移動させ且つ上方向に移動させる請求項3又は4に記載の搬送装置。
【請求項1】
対象物を搬送する搬送方向に沿う部位を有して無端回転し、当該部位にて対象物を支持して搬送する搬送体を備え、搬送体は、対象物を下方側から支持すべく、対象物を載置する平面状の載置部と、対象物を側方側から支持すべく、載置部から突出し、対象物を係止する一対の係止部と、を搬送方向に沿ってそれぞれ複数備える搬送装置において、
棒状に形成された複数の対象物が長手方向に沿って搬送される際に、複数の対象物の後端部を揃えるべく、搬送される対象物の後端部と当接する後端揃え手段と、複数の対象物の前端部を揃えるべく、搬送される対象物の前端部と当接する前端揃え手段とを備え、
両揃え手段は、対象物と当接する際に、搬送方向において全ての対象物を覆い得るようにそれぞれ構成されることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
後端揃え手段は、各載置部間に配置されるように、搬送方向に沿って複数並設されると共に、搬送体と一体になって無端回転する請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前端揃え手段は、対象物と当接すべく、搬送方向において全ての対象物を覆い得るように構成される前端当接部と、前端当接部が対象物に当接する位置と前端当接部が対象物に当接することを防止する位置とに、前端当接部を移動させる移動手段とを備える請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
移動手段は、前端当接部が対象物の前端部に当接することにより後端当接部が対象物の後端部と当接するように、前端当接部を移動させる請求項3に記載の搬送装置。
【請求項5】
移動手段は、前端当接部が対象物に当接する位置から前端当接部が対象物に当接することを防止する位置へ、前端当接部を移動させる際に、前端当接部を、搬送体よりも速い速度で搬送方向に移動させ且つ上方向に移動させる請求項3又は4に記載の搬送装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−184113(P2012−184113A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−108361(P2012−108361)
【出願日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【分割の表示】特願2008−300734(P2008−300734)の分割
【原出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(000110125)トキワ工業株式会社 (16)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【分割の表示】特願2008−300734(P2008−300734)の分割
【原出願日】平成20年11月26日(2008.11.26)
【出願人】(000110125)トキワ工業株式会社 (16)
【Fターム(参考)】
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