説明

搬送装置

【課題】搬送方向を転向するためにローラを回動させる回動駆動機構の構造により、組立性およびメンテナンス性を向上させることができ、しかもローラ組立体の回動応答性を向上させることできる搬送装置を提供する。
【解決手段】仕分装置100は、ローラ120および回動体を有する複数のローラ組立体Aと、ローラ120を水平軸線回りに回転させる回転駆動機構と、回動体を垂直軸線回りに回動させる回動駆動機構と、ローラ組立体Aが取り付けられる保持フレーム191と、機台110とを備える。ローラ120が回動体とともに回動することによりローラ120による搬送方向が転向される。回動駆動機構は、複数の回動体を一斉に回動するために各回動体が連結される連結部材と、発生する駆動力により連結部材を直接駆動するエアシリンダとを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、水平軸線回りに回転可能であるとともに垂直軸線回りに回動可能な複数の搬送用ローラを備え、該ローラの回動により物品の搬送方向を転向可能な搬送装置に関する。そして、前記搬送装置は、例えば、物品の搬送方向を転向することにより物品を仕分ける仕分装置である。
【背景技術】
【0002】
搬送装置が、搬送用のローラを有する複数のローラ組立体と、ローラを回転駆動する回転駆動機構と、ローラを回動させる回動駆動機構と、ローラ組立体が取り付けられる保持部材とを備え、ローラ組立体が、ローラのほかに、ローラを水平軸線回りに回転可能に支持するローラ支持体と、ローラ支持体を支持するとともに垂直軸線回りに回動可能な回動体とを有するものは知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3349084号公報(段落0024−0032、図4,5)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
回動体を回動させる回動駆動機構が、回動体を回動させる駆動力を発生するアクチュエータと、複数の回動体が連結される連結部材と、アクチュエータと連結部材との間に介在する部材であって、駆動力の伝達経路を形成する中間部材(レバー機構やリンク機構)を有する場合に、部品点数が多く、回動駆動機構を構成する部品の組付けおよび取外しに手間がかかるため、搬送装置の組立性およびメンテナンス性が低下するという問題、および、中間部材の存在により、アクチュエータが発生する駆動力が連結部材に伝達されるまでの伝達経路が長くなるため、ローラの回動応答性が低下するという問題があった。
【0005】
また、中間部材が、保持部材よりも上方に位置する場合には、同様に保持部材よりも上方に位置するローラ組立体と中間部材との干渉を防止する観点から、複数のローラ組立体の搬送方向での間隔が制約されて、ローラ組立体の配置の自由度が小さくなるという問題があった。このため、例えば、ローラの小型化およびローラ組立体の密集化が困難になることがある。
【0006】
また、搬送装置の機台に対して、いずれも複数のローラ組立体、回動駆動機構および回転駆動体が個々に着脱される場合には、機台に対して着脱される部材の数が多くなるので、機台へのこれら部材の組付けおよび取外しに手間がかかり、搬送装置の組立性およびメンテナンス性が低下するという問題があった。
【0007】
また、ローラ組立体を構成するローラ支持体および回動体がいずれも金属製である場合には、ローラ組立体の重量が大きいために、ローラ組立体を回動可能に支持する保持部材に対するローラ組立体の組付けおよび取外しに手間がかかり、搬送装置の組立性およびメンテナンス性が低下するという問題や、回動駆動機構により駆動されて回動するローラの回動応答性を低下させる原因になるという問題があった。
そのため、ローラの所要の回動応答性を確保しようとする場合には、回動駆動機構のエネルギ消費の増加や大型化を招来することがあった。
【0008】
本発明は、前述した課題を解決するものであって、本発明の目的は、搬送方向を転向するためにローラを回動させる回動駆動機構の構造により、組立性およびメンテナンス性を向上させ、ローラ組立体の回動応答性を向上させた搬送装置を提供することである。
そして、本発明の他の目的は、前記回動機構の構造により、ローラ組立体の配置の自由度を大きくした搬送装置を提供することである。
また、本発明の他の目的は、さらに、ローラ組立体、回転駆動機構および回動駆動機構の構造により、組立性およびメンテナンス性を向上させた搬送装置を提供することである。
また、本発明の他の目的は、さらに、ローラ組立体の構造により、組立性およびメンテナンス性を向上させ、しかもローラ組立体の回動応答性を向上させた搬送装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
まず、請求項1に係る発明は、回転することにより物品を搬送する搬送用ローラと前記ローラを水平軸線回りに回転可能に支持するローラ支持体と前記ローラ支持体を支持するとともに垂直軸線回りに回動可能な回動体とを有する複数である所定数のローラ組立体と、前記ローラを前記水平軸線回りに回転させる複数の回転駆動体を有する回転駆動機構と、前記回動体を前記垂直軸線回りに回動させる回動駆動機構と、前記ローラ組立体が取り付けられる保持部材と、前記保持部材、前記回転駆動機構および前記回動駆動機構が取り付けられる機台と、を備え、搬送路での前記物品の搬送方向および前記搬送路の幅方向に配列された前記所定数の前記ローラおよび前記ローラ支持体が、前記回動体とともに回動することにより前記ローラによる前記搬送方向が転向される搬送装置において、前記回動駆動機構が、複数の前記回動体を一斉に回動するために前記複数の前記回動体が連結される連結部材と、発生する駆動力により前記連結部材を直接駆動するアクチュエータとを有し、前記連結部材が、前記駆動力により駆動されて一体に移動して前記各回動体に前記駆動力を伝達する部材であることにより、前述した課題を解決したものである。
【0010】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る発明の構成に加えて、前期アクチュエータが、前期連結部材に前期駆動力を直接作用させる作用部を有し、前記連結部材が、上下方向で前記保持部材と同じ位置を占める重なり部分を有するように配置され、前記ローラと、前記ローラ支持体と、前記回動体における前記連結部材との結合部とが、前記保持部材の下面よりも上方に配置され、前記アクチュエータが、少なくとも前記作用部において、前記保持部材の上面よりも下方で、かつ前記ローラ、前記ローラ支持体および前記結合部よりも下方に配置されることにより、前述した課題を解決したものである。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1または請求項2に係る発明の構成に加えて、前記所定数未満の複数である第2所定数の前記ローラ組立体から構成されるユニット用ローラ組立体群が取り付けられる前記保持部材がユニット支持体を構成し、1以上の前記回転駆動体が、前記ユニット用ローラ組立体群の前記各ローラを回転駆動するユニット用回転駆動体であり、1以上の前記回動駆動機構が、前記ユニット用ローラ組立体群の前記各ローラ組立体の前記回動体を回動させるユニット用回動駆動機構であり、前記ユニット用ローラ組立体群、前記ユニット用回転駆動体および前記ユニット用回動駆動機構は、前記ユニット支持体に取り付けられることにより、1つのローラユニットを構成し、前記ローラユニットは、前記ユニット支持体が前記機台に対して着脱されることにより、前記機台に対して着脱可能であることにより、前述した課題を解決したものである。
【0012】
請求項4に係る発明は、請求項1から請求項3のいずれか1つに係る発明の構成に加えて、前記ローラ支持体および前記回動体が樹脂により形成されていることにより、前述した課題を解決したものである。
【発明の効果】
【0013】
そこで、本発明の搬送装置は、回転することにより物品を搬送する搬送用ローラとローラを水平軸線回りに回転可能に支持するローラ支持体とローラ支持体を支持するとともに垂直軸線回りに回動可能な回動体とを有する複数である所定数のローラ組立体と、ローラを水平軸線回りに回転させる複数の回転駆動体を有する回転駆動機構と、回動体を垂直軸線回りに回動させる回動駆動機構と、ローラ組立体が取り付けられる保持部材と、保持部材、回転駆動機構および回動駆動機構が取り付けられる機台と、を備え、搬送路での物品の搬送方向および搬送路の幅方向に配列された前記所定数のローラおよびローラ支持体が、回動体とともに回動することによりローラによる搬送方向が転向されることにより、回動駆動機構が回動体およびローラ支持体を介してローラを回動させることで、ローラにより搬送される物品の搬送方向を転向することができるばかりでなく、以下のような本発明に特有の効果を奏することができる。
【0014】
すなわち、請求項1に係る本発明の搬送装置によれば、回動駆動機構が、複数の回動体を一斉に回動するために前記複数の回動体が連結される連結部材と、発生する駆動力により連結部材を直接駆動するアクチュエータとを有し、連結部材が、駆動力により一体に移動して各回動体に駆動力を伝達する部材であることにより、搬送方向を転向するためにローラを回動させるアクチュエータが発生する駆動力は、アクチュエータと連結部材との間に配置されるレバー機構やリンク機構などの中間部材を介することなく、複数の回動体が連結されている連結部材に直接作用し、しかも該駆動力により連結部材が一体に移動するので、ローラの回動位置が変更されるときの回動応答性、すなわち搬送方向を転向するための応答性を向上させることができ、そのうえ、前記中間部材が不要になるので、回動駆動機構を構成する部品点数が削減されて、回動駆動機構を構成するアクチュエータおよび連結部材の組付けおよび取外しが容易になって、搬送装置の組立性およびメンテナンス性を向上させることができる。
【0015】
請求項2に係る本発明の搬送装置によれば、請求項1に係る発明が奏する効果に加えて、次の効果を奏することができる。
アクチュエータが、連結部材に駆動力を直接作用させる作用部を有し、連結部材が、上下方向で保持部材と同じ位置を占める重なり部分を有するように配置されることにより、上下方向での保持部材の幅を利用して、連結部材が上下方向で保持部材と重なる位置に配置されるので、連結部材の全体が保持部材の下方または上方に配置される場合に比べて、アクチュエータに直結されて一体移動する連結部材を有する回動駆動機構が保持部材に対して上下方向でコンパクトに配置されるため、搬送装置を上下方向で小型化することができる。
しかも、ローラと、ローラ支持体と、回動体における連結部材との結合部とが、保持部材の下面よりも上方に配置され、アクチュエータが、少なくとも作用部において、保持部材の上面よりも下方で、かつローラ、ローラ支持体および回動体の結合部よりも下方に配置されることにより、連結部材に駆動力を直接作用させる作用部が、保持部材の上面よりも下方に、かつローラ、ローラ支持体および回動体の結合部よりも下方に配置されることで、保持部材の下面よりも上方に配置されるローラ、ローラ支持体および回動体の結合部よりも上方に配置されることがないので、作用部がローラ、ローラ支持体および回動体の結合部の配置を搬送方向で制約することを回避することが可能になって、ローラ、ローラ支持体および回動体の結合部の配置の自由度を搬送方向で大きくすることができて、ローラの小型化やローラ組立体の密集化が可能になる。
【0016】
請求項3に係る本発明の搬送装置によれば、請求項1または請求項2に係る発明が奏する効果に加えて、次の効果を奏することができる。
前記所定数未満の複数である第2所定数のローラ組立体から構成されるユニット用ローラ組立体群が取り付けられる保持部材がユニット支持体を構成し、1以上の回転駆動体が、ユニット用ローラ組立体群の各ローラを回転駆動するユニット用回転駆動体であり、1以上の回動駆動機構が、ユニット用ローラ組立体群の各ローラ組立体の回動体を回動させるユニット用回動駆動機構であり、ユニット用ローラ組立体群、ユニット用回転駆動体およびユニット用回動駆動機構は、ユニット支持体に取り付けられることにより、1つのローラユニットを構成し、ローラユニットは、ユニット支持体が機台に対して着脱されることにより、機台に対して着脱可能であることにより、ユニット用ローラ組立体群、ユニット用回転駆動体、ユニット用回動駆動機構およびユニット支持体を、ローラユニット単位で、機台に対して着脱できるので、機台へのローラ組立体群、回転駆動体および回動駆動機構の組付けおよび取外しが容易化されるため、搬送装置の組立性およびメンテナンス性を向上させることができる。
さらに、ローラユニット単位の交換により、ローラの配列形態の多様化が容易になるうえ、ローラ組立体などに不具合が発生した場合には、不具合の発生した部品を含むローラユニットと正常なローラユニットとの交換が容易であることにより、搬送装置の稼働率の向上が可能になる。
【0017】
請求項4に係る本発明の搬送装置によれば、請求項1から請求項3のいずれか1つに係る発明が奏する効果に加えて、次の効果を奏することができる。
ローラ支持体および回動体が樹脂により形成されていることにより、回動駆動機構により駆動されて回動する回動体と該回動体とともに回動するローラ支持体とが軽量化されるので、軽量化によりローラ組立体の組付けおよび取外しが容易になるため、搬送装置の組立性およびメンテナンス性を向上させることができ、しかも回動体およびローラ支持体とともに回動するローラにおける、物品の搬送方向を転向するための回動応答性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例である仕分装置を備える物品搬送システムの要部平面図。
【図2】図1の仕分装置のII矢視での要部の図。
【図3】図1の仕分装置のIII矢視での要部の図。
【図4】図1の仕分装置のローラユニットの平面図。
【図5】(a)は、図4のV−V線断面図、(b)は、(a)のb−b線断面図。
【図6】図4のVI−VI線断面図。
【図7】図6のVII−VII線断面図。
【図8】図6のVIII矢視でのローラ組立体の図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明は、回転することにより物品を搬送する搬送用ローラと前記ローラを水平軸線回りに回転可能に支持するローラ支持体と前記ローラ支持体を支持するとともに垂直軸線回りに回動可能な回動体とを有する複数である所定数のローラ組立体と、前記ローラを前記水平軸線回りに回転させる複数の回転駆動体を有する回転駆動機構と、前記回動体を前記垂直軸線回りに回動させる回動駆動機構と、前記ローラ組立体が取り付けられる保持部材と、前記保持部材、前記回転駆動機構および前記回動駆動機構が取り付けられる機台と、を備え、搬送路での前記物品の搬送方向および前記搬送路の幅方向に配列された前記所定数の前記ローラおよび前記ローラ支持体が、前記回動体とともに回動することにより前記ローラによる前記搬送方向が転向される搬送装置において、前記回動駆動機構が、複数の前記回動体を一斉に回動するために前記複数の前記回動体が連結される連結部材と、発生する駆動力により前記連結部材を直接駆動するアクチュエータとを有し、前記連結部材が、前記駆動力により駆動されて一体に移動して前記各回動体に前記駆動力を伝達する部材であり、搬送方向を転向するためにローラを回動させる回動駆動機構の構造で、組立性およびメンテナンス性を向上させ、ローラ組立体の回動応答性を向上させるものであれば、その具体的な態様はいかなるものであっても構わない。
【0020】
例えば、搬送装置は、仕分装置以外に、搬送される物品の種類や形状に対応して搬送路上で搬送方向を転向可能な搬送装置であってもよい。
ローラは、転動体であればよく、円筒状もの以外に、球体状のものを含む。
【実施例】
【0021】
以下、本発明の実施例を、図1〜図8を参照して説明する。
図1を参照すると、本発明の実施例である搬送装置としての仕分装置100を備える物品搬送システム1は、物品10(例えば、結束された新聞束などの結束された物品、または、梱包された物品)を搬送する複数である第1所定数のローラ組立体A(図2,図5参照)を備える仕分装置100のほかに、該仕分装置100に物品10を搬入するための搬入用搬送装置2(例えば、ローラコンベア)と、仕分装置100により搬送された物品10を搬出するための搬出用搬送装置3(例えば、ローラコンベア)とを備える。
【0022】
搬出用搬送装置3は、仕分装置100により、基本搬送方向21に搬送された物品10を搬出するための基本搬出用搬送装置3aと、基本搬送方向21に対して交差する搬送方向20である分岐搬送方向22に搬送された物品10を搬出するための分岐搬出用搬送装置3bとを有する。
そして、搬入用搬送装置2から仕分装置100に搬入された物品10は、垂直軸線Lv(図6参照)回りに回動可能な各ローラ組立体Aのローラ120の回動位置P(図4参照)に応じて搬送方向20を転向可能な仕分装置100により搬送されて、両搬出用搬送装置3a,3bのいずれかに振り分けられて搬出される。
【0023】
ここで、基本搬送方向21(以下、「搬送方向21」という。)は、仕分装置100において、ローラ120が、垂直軸線Lv(図6参照)回りの回動位置Pとして後述する基準位置P0(図4参照)を占めるときの物品10の搬送方向20であり、搬入用搬送装置2および基本搬出用搬送装置3aでの搬送方向と同じ方向である。
搬送方向20が搬送方向21から転向された分岐搬送方向22は、ローラ120が回動位置Pとして後述する第1転向位置P1(図4参照)を占めるときの搬送方向である。
本実施例において、図1に示される搬送方向21に平行な方向は前後方向であり、前方が搬送方向21であり、後方が搬送方向21とは逆方向であるとする。
【0024】
なお、分岐搬出用搬送装置3bは、仕分装置100における搬送路101の幅方向24で、搬送路101の一方向側に配置される代わりに、図1に二点鎖線で示されるように、搬送路101の他方向側に配置されてもよく、この場合には、分岐搬送方向23に物品を搬送するためにローラ120は回動位置Pとして後述する第2転向位置P2(図4参照)を占める。
また、分岐搬出用搬送装置3bは、幅方向24で搬送路101の両側に配置されてもよい。
【0025】
図1〜図4を参照すると、仕分装置100は、その設置部としての床5に設置される機台110と、物品10が搬送される搬送路101を形成するとともに搬送方向21および搬送路101の幅方向24に配列された前記第1所定数のローラ120と、各ローラ120を水平軸線Lh(図6参照)回りに回転可能に支持するとともに垂直軸線Lv(図6参照)回りに回動可能な前記第1所定数のローラ支持台A1と、幅方向24に並んだ複数のローラ120を回転駆動する1以上の、本実施例では複数としての5つの回転駆動体としてのラインシャフト171を有する回転駆動機構170と、ローラ支持台A1を介して複数である第2所定数のローラ120を一斉に垂直軸線Lv回りに回動させるための1以上の、本実施例では複数としての5つの回動駆動機構150と、機台110に着脱可能に取り付けられるユニット支持体190と、各ローラ120とともに搬送路101を形成するカバー200(図2,図3では二点鎖線で示されている。)と、カバー200を機台110に保持するためのカバー保持部205とを備える。
回転することにより物品10を搬送するローラ120と、ローラ支持台A1とは、ローラ組立体Aを構成する。
【0026】
ここで、ローラ120の回動中心線である垂直軸線Lv((図6参照)は、ローラ組立体Aの回動支持軸146(図6参照)により規定され、上下方向(この実施例では、垂直軸線Lvに平行な垂直軸線方向である。)にほぼ平行である。
また、本実施例では、搬送方向21と幅方向24とがほぼ直交する。
なお、「ほぼ」との表現は、「ほぼ」との修飾語がない場合を含むとともに、「ほぼ」との修飾語がない場合とは厳密には一致しないものの、「ほぼ」との修飾語がない場合と比べて作用効果に関して有意の差異がない範囲を意味する。
【0027】
図1〜図3を参照すると、機台110には、各ローラ組立体A、回転駆動機構170、各回動駆動機構150、各ユニット支持体190およびカバー200が取り付けられる。
機台110は、4つの脚部111〜114(図1参照)と、幅方向24に離隔しているとともに搬送方向21に離隔している1対の脚部111,113;112,114同士を連結する1対の機台フレーム115,116と、搬送方向21に離隔しているとともに幅方向24に離隔している1対の脚部111,112;113,114同士を連結する1対の下部フレーム(図2に、一方の下部フレーム117の一部が示される。)とを備える。
1対の機台フレーム115,116は、ユニット支持体190を支持する支持部材であり、機台110の上端部を構成する。
仕分装置100が備えるすべてのローラ120は、搬送方向21に間隔を置いて配列された複数である列数、本実施例では10列のローラ列Rを形成する。
幅方向24での列である各ローラ列Rは、幅方向24に等しい間隔を置いて配列された複数のローラ120から構成される。
【0028】
併せて、図4,図5を参照すると、1以上の所定列数、本実施例では複数としての2つのローラ列Rである第1ローラ列R1および第2ローラ列R2は、仕分装置100が備える1以上のユニット数、本実施例では複数である5つのローラユニットU1〜U5(図1,図3参照)の各ローラユニットUにおけるユニット用ローラ列Ruを構成する。
【0029】
図6,図7を参照すると、ラインシャフト171により摩擦駆動されて回転する各ローラ120は、ラインシャフト171との接触面である外周面を形成する外周部121がゴム材料で形成されている。
各ローラ120を上方から覆うカバー200には、円形のローラ突出用孔201(図1も参照)が設けられる。外周部121の上部は、カバー200上で搬送される物品10に接触するように、ローラ突出用孔201を貫通してカバー200から上方に突出している。
そして、図1に示されるように、仕分装置100において、物品10は、回転する複数のローラ120に順次支持されて、ローラ120との間で作用する摩擦力により、搬送方向21または分岐搬送方向22に搬送される。
【0030】
図2〜図5を参照すると、各ローラユニットUは、前記第1所定数未満の複数である第2所定数のローラ組立体Aから構成されるユニット用ローラ組立体群Gと、該ローラ組立体群Gの各ローラ組立体Aを回動可能に支持するユニット支持体190と、ローラ組立体群Gの各ローラ120を回転駆動するユニット用回転駆動体としての1以上の、ここでは1つのラインシャフト171と、ローラ組立体群Gの各ローラ120をローラ組立体群Gの各ローラ組立体Aのローラ支持台A1を介して垂直軸線Lv(図6参照)回りに回動させるために各ローラ支持台A1を回動させるユニット用回動駆動機構としての1以上の、ここでは1つの回動駆動機構150とを有する。
各ローラユニットUにおいて、前記第2所定数のローラ組立体A、ラインシャフト171および回動駆動機構150は、ユニット支持体190に取り付けられている。
【0031】
仕分装置100において、機台110に支持されるすべてのローラ120である第1所定数のローラ120は、複数のローラ組立体群G(すなわち、複数のローラユニットU)のいずれかに属する。そして、ローラ組立体群Gを構成するすべてのローラ組立体Aの数(すなわち、ローラ120の数)である第2所定数、ラインシャフト171の数および回動駆動機構150の数は、各ローラユニットUにおいて同一である。
したがって、各ローラユニットUは、同一の構造を有する。
【0032】
以下、ローラユニットUについて、さらに説明する。
図4〜図7を主に参照し、図2,図3を適宜参照すると、1対の機台フレーム115,116に着脱可能に結合されて取り付けられるユニット支持体190は、ローラ組立体群Gのローラ組立体Aが取り付けられる保持部材としての、搬送方向21に間隔をおいて配置される複数の、本実施例では1対の第1,第2保持フレーム191,192と、幅方向24にほぼ平行に延びている第1,第2保持フレーム191,192を互いに連結する連結部193と、ラインシャフト171を回転可能に支持する1対の軸受部194とを有する。
【0033】
ユニット支持体190は、取り付けられたローラ組立体Aを回動可能に支持する各保持フレーム191,192が、1対の機台フレーム115,116に結合具としてのボルトB1により着脱可能に結合されることにより、両機台フレーム115,116に着脱可能に固定される。このように1対の機台フレーム115,116に取り付けられた各保持フレーム191,192は、1対の機台フレーム115,116を連結する補強フレームとしても機能するので、ローラユニットUのユニット支持体190を利用して、1対の機台フレーム115,116の剛性、ひいては機台110(図1,図2参照)の剛性を高めることができる。
各保持フレーム191,192は棒状の部材であり、幅方向24に直交する平面での保持フレーム191,192の断面形状は、幅方向24での任意の位置でほぼ一定で、かつ矩形(図3,図6参照)である。
【0034】
本実施例では複数としての3つの連結部193は、それぞれ結合手段としてのボルトB2により各保持フレーム191,192と結合される。
両軸受部194は、それぞれ、機台フレーム115,116の各端部同士に跨る状態で、結合手段としてのボルトB3により結合される。
各軸受部194は、各保持フレーム191,192の各端部同士に着脱可能に結合される基部195と、ラインシャフト171を回転可能に支持する軸受(図示されず)を保持するとともに基部195に着脱可能に結合される軸受ホルダ196とを有する。
【0035】
次に、ローラ組立体Aについて説明する。
図6〜図8を参照すると、ローラユニットUの各ローラ組立体Aは、各ローラ列R1,R2毎に、基本的に同一の構造であり、ローラ120と、ローラ120を水平軸線Lh回りに回転可能に支持するローラ支持体130と、ローラ支持体130を支持するとともに垂直軸線Lv回りに回動可能な回動体140と、ローラ120をラインシャフト171に押し付ける付勢力をローラ120に付与する付勢部材としての付勢ばねSとを有する。
1つのローラユニットU(すなわち、1つのローラ組立体群G)のすべてのローラ組立体Aは、第1,第2保持フレーム191,192に振り分けられて回動可能に支持される。
【0036】
ローラ120は、外周部121と、ローラ支持体130に回転可能に支持されるコア部122とを有する。コア部122は、外周部121により径方向外方から被覆されている外周コア部123と、後述する軸受137が装着される内周コア部124と、複数の補強用の径方向リブ125とを有する。
径方向で外周コア部123と内周コア部124との間には、円筒状の環状空間がコア部122の4つの径方向リブ125により周方向に仕切られて形成される部分円筒状の複数の内部空間126が、軸受137よりも径方向外方に形成される。
このように、ローラ120は、コア部122に内部空間126が形成されたシェル構造を有することにより、内部空間126が形成されていない場合に比べて、軽量化されている。
なお、特に断らない限り、径方向および周方向は、それぞれ水平軸線Lhを中心とする径方向および周方向である。また、水平軸線方向は水平軸線Lhに平行な方向である。
【0037】
ローラ支持体130は、ローラ120をローラ支持体130に対して回転可能に支持するローラ軸131と、該ローラ軸131を支持する1対の支持壁133,134を有する支持体本体132と、径方向でローラ軸131と内周コア部124との間に保持される軸受である1対の軸受137とを有する。
【0038】
支持体本体132は、1対の板状のローラ軸用支持壁133,134と、該1対の支持壁133,134を連結する板状の連結壁135とを有する。
各支持壁133,134は、水平軸線方向に貫通するローラ軸131が挿通される挿通孔を形成するとともに該ローラ軸131を支持するローラ軸支持部133a,134aと、水平軸線方向に貫通する関節軸141が挿通される挿通孔を形成するとともに該関節軸141を支持する関節軸支持部133b,134bとを有する。
【0039】
各支持壁133,134の外側の側面(図6には、1つの支持壁133の側面133eが示されている。)には、支持壁133,134の剛性を高めるために、樹脂で形成される支持壁133,134の成形時に金型により形成される複数の直線状の補強用リブ136が交差して設けられている。
連結壁135は、垂直軸線Lvと交わる位置で、ローラ120(したがって、ローラ軸131)と後述する関節軸141との間に配置されて、周方向で関節軸141の外径よりも大きい範囲に渡って連続して設けられている(図6参照)。
【0040】
回動体140は、ローラ支持体130を回動体140に対して揺動可能とするための関節軸141と、該関節軸141を支持する回動体本体142と、各保持フレーム191,192に設けられた挿通孔198に挿通されて各保持フレーム191,192自体に回動可能に回動支持軸146と、各保持フレーム191,192に直接保持される軸受としてのブッシュ149とを有する。
【0041】
回動体本体142は、水平軸線方向で1対の支持壁133,134の間に配置されている1対の板状の関節軸用支持壁143,144と、該1対の支持壁143,144を連結する板状の連結壁である底壁145とを有する。
各支持壁143,144は、水平軸線方向に貫通する関節軸141が挿通される挿通孔を形成するとともに該関節軸141を支持する関節軸支持部143b,144bを有する。各関節軸支持部143b,144bは、各支持壁143,144にインサートされた部材により構成される。
また、底壁145は、後述する連結部材160に枢着される回動アーム145aを有する。
【0042】
関節軸141は、ローラ支持体130の支持壁133,134および回動体140の支持壁143,144を貫通するとともにそれら支持壁133,134;143,144に支持されて、ローラ支持体130と該ローラ支持体130を介してローラ120とを、水平軸線Lhに平行な揺動軸線Ls回りに揺動可能に支持する。
【0043】
ローラ軸131および関節軸141のそれぞれは、ローラ軸131および関節軸141に共用の軸部品Tである。この軸部品Tは、中心部に軸方向(ローラ軸131および関節軸141における水平軸線方向でもある。)に延びている円柱状の中空部T3が設けられた軸であり、フランジT1と抜止め部T2とを両端部として有する。
また、軸部品Tは、中空部T3が設けられていることにより、軽量化されている。
【0044】
ローラ軸131および関節軸141において、当接部としてのフランジT1は、各軸131,141の水平軸線方向での移動を阻止するために、ローラ支持体130の1つの支持壁134と当接可能である。
また、フランジT1は、支持壁134の支持部134a,134bが有する係合部としての凸部134dと各軸131,141の周方向で係合する回止め部T1dを、各軸131,141の周方向での一部に有する。回止め部T1dは、ローラ支持体130の1対の支持壁133,134に対するローラ軸131、および1対の支持壁133,134と回動体140の1対の支持壁143,144に対する関節軸141の回動を規制する軸側係合部としての凹部により構成される。
【0045】
ローラ軸131および関節軸141において、抜止め部T2は、ローラ支持体130においてフランジTが当接する支持壁134とは別の支持壁133と係合することにより、ローラ軸131が支持壁133,134から抜けること、および関節軸141が支持壁133,134;143,144から抜けることを防止する。
また、抜止め部T2は、支持壁133と係合可能な係合部としての、複数としての4つの係合片T2aにより構成される。これら係合片T2aは、軸部品Tの周方向に等しい間隔を置いて設けられている。
弾性変形により縮径および拡径する各係合片T2aは爪T2bを有する。
各爪T2bは、各支持部133a,134a,133b,134b,143b,144bの挿通孔内で縮径可能であるとともに、ローラ組付体Aへのローラ軸131および関節軸141の組付完了状態で、各支持部133a,133b,143bの挿通孔の外部で該挿通孔の孔径よりも大きく拡開して支持壁133,143の各支持部133a,133b,143bと係合する。
【0046】
回動体140において、各支持壁143,144および底壁145とは別個の部材である回動支持軸146は、底壁145に埋設された円柱状の軸部品Fの、底壁145からの露出部により構成され、底壁145と一体化されている。
回動支持軸146は、底壁145との連結されている高剛性部としての基軸部147と、ブッシュ149に摺接する基軸部147よりも剛性が低い低剛性部としての抜止め部148とを有する。
回動支持軸146は、基軸部147の全体が、鉛直軸線方向において、1対のブッシュ149の間に配置されるように、保持フレーム191,192に保持されている。
抜止め部148は、保持フレーム191,192からの回動支持軸146、したがって回動体140およびローラ組立体Aの抜止めを行う。
【0047】
回動支持軸146の先端部である抜止め部148は、保持フレーム191,192を貫通している回動支持軸146において挿通孔198から突出していて、基軸部147に結合手段としてのねじ結合により基軸部147に一体に結合されている。
抜止め部148は、保持フレーム191,192と係合可能な係合部としての1対の係合片148aと、回動支持軸146の周方向で1対の係合片148aの間に配置されている1つの突出片148cと、基軸部147の端部に設けられた結合部としてのねじ部である雌ねじ部147dにねじ込まれるねじ部である雄ねじ部148dとを有する。
弾性変形により縮径および拡径する各係合片148aは爪148bを有する。
各爪148bは、挿通孔198内で縮径可能であるとともに、挿通孔198の外部で挿通孔198の孔径よりも大きく拡開して保持フレーム191,192と係合する。
抜止め部148には、該抜止め部148を基軸部147にねじ込むための工具係合部としての六角孔148eが設けられている。
1対の突出片148cは、各係合片148aとともに、回動支持軸146を挿通孔198に挿入し易くするための案内機能を有する。
【0048】
このように、ローラ軸131、関節軸141および回動支持軸146の各抜止め部T2,148は、スナップフィット構造を有し、ローラ軸131および関節軸141はローラ支持体130の支持壁133にスナップ結合され、回動支持軸146はフレーム部材にスナップ結合されている。
【0049】
ローラ支持体130および回動体140は、合成樹脂である樹脂により形成されている。この樹脂は、強度が高い樹脂(例えば、ポリアセタール樹脂や繊維強化樹脂)である。
より具体的には、ローラ支持体130の支持体本体132の全体と、ローラ軸131および関節軸141となる軸部品Tの全体のそれぞれは、樹脂により一体成形されている。
また、回動体140の回動体本体142は、金属または回動体本体142を形成している樹脂よりも高強度の樹脂により形成されている関節軸支持部143b,144bを除いたすべての部分において、樹脂により一体成形されている。
回動支持軸146の抜止め部148の全体は、樹脂により一体成形されている。
一方、基軸部147は、金属、または回動体本体142を形成している樹脂よりも高強度の樹脂により形成されている。
また、ブッシュ149は、金属または樹脂により形成される。
【0050】
したがって、回動体140の全体が樹脂により形成されていてもよい。そして、ローラ軸131、関節軸141および回動支持軸146は、係合片148aの弾性変形を利用したスナップ結合により簡単に取り付けられる。
また、ローラ支持体130および回動体140において、樹脂により形成されている別個の部材は、同一種類の樹脂により形成されてもよいし、異なる種類の樹脂により形成されてもよい。
【0051】
そして、ローラ組立体Aにおいて、回動中心線である垂直軸線Lvから、回動支持軸146に比べて遠方まで延びている構成部品であるローラ軸131、支持体本体132、関節軸141および回動体本体142は、いずれも樹脂で形成されることで軽量化されるので、ローラ軸131、支持体本体132、関節軸141および回動体本体142が金属製である場合に比べて、ローラ組立体Aにおいて垂直軸線Lv回りの慣性モーメントが減少する。
【0052】
付勢ばねSは、関節軸141に巻き付けられた状態で連結壁135と底壁145との間に配置され、ローラ120がラインシャフト171と常時接触する状態を保つように、ローラ支持体130を介してローラ120を付勢する。
付勢ばねSは、ローラ120が基準位置P0(図4参照)を占めるときの水平軸線Lhに平行な方向での中央部S1で、ローラ支持体130および回動体140の一方、本実施例では回動体140を付勢し、幅方向24での両端部S2で、ローラ支持体130および回動体140の他方、本実施例ではローラ支持体130を付勢する。
これにより、ローラ支持体130および回動体140のそれぞれに作用する付勢力を、水平軸線Lhに平行な方向(または、幅方向24)で均等化することができるので、摩耗などの経時変化に起因してローラ支持枠141が幅方向24に傾斜することを抑制でき、ひいてはローラ120が幅方向24に傾斜することを抑制できる。
この結果、いずれの回動位置Pにおいても、ラインシャフト171によりローラ120を効率よく回転させることができる。
【0053】
ローラ支持体130の連結壁135には、付勢ばねSの各端部S2を収容するとともに水平軸線方向への移動を規制する1対の収容溝135s(図2も参照)が設けられている。
この収容溝135sにより付勢ばねSが所定位置に保持されるので、付勢ばねSによる前記付勢力の変動が抑制されて、ラインシャフト171に対するローラ120の付勢状態が安定化して、ローラ120の回転変動が抑制されるため、ローラ120による物品の搬送性能を向上させることができる。
【0054】
回動支持軸146は、その基軸部147において、各保持フレーム191,192にブッシュ149を介して、各保持フレーム191,192に対して垂直軸線Lv回りに回動可能に支持される。
【0055】
一方、従来、回動体を保持部材に回動可能に支持するために、回動体の回動支持軸が、軸受を保持する軸受ホルダを介して支持されるのでは、回動支持軸を支持するための専用の部材である軸受ホルダが必要なこと、また回動支持軸が長くなることがあって、回動体、ひいてはローラ組立体の重量増および上下方向での大型化を招来するという問題があった。
【0056】
この実施例において、回動支持軸146は、各保持フレーム191,192に設けられた挿通孔198内に挿入されて装着されたブッシュ149に挿入されていることにより、各保持フレーム191,192自体が軸受ホルダとして機能する。
したがって、回動支持軸146を支持するための専用の部材(例えば、機台110に固定される部材から上方に突出して設けられる筒状の軸受ホルダ(例えば、特許文献1の軸受筒))が不要になり、しかも回動支持軸146のほぼ全体は、保持フレーム191,192に収容されて、機台110に固定された各保持フレーム191,192と上下方向で同じ位置にあることから、回動体140の関節軸141およびローラ支持体130、ひいてはローラ120を、上下方向で、各保持フレーム191,192に近接させて配置することができる。
さらに、図6に示されるように、上下方向で、ローラ120の最大外径dの2倍の範囲内に、上下方向でのローラ120の全体および第1,第2保持フレーム191,192の上下方向での全体が配置される。
これらの構成により、上下方向でローラ120および第1,第2保持フレーム191,192をコンパクトに配置することができるので、上下方向でのローラユニットUの小型化、ひいては上下方向での仕分装置100の小型化が可能になる。
【0057】
図2〜図6を参照すると、各ローラユニットUにおいて、ローラ組立体Aを、したがってローラ120を、垂直軸線Lv回りに回動させる回動駆動機構150は、アクチュエータとしてのエアシリンダ151と、ローラ組立体群Gの前記第2所定数のローラ組立体Aの回動体140を一斉に回動するために、各回動体140の回動アーム145aが連結される連結部材160とを有する。
【0058】
連結部材160を駆動する駆動力(以下、単に「駆動力」という。)を発生するエアシリンダ151は、該駆動力により連結部材160を直接駆動する。
より具体的には、各保持フレーム191,192に取り付けられているエアシリンダ151は、タンデム式シリンダ機構であり、シリンダ152と、該シリンダ152内に摺動可能に収容された1対のピストン(図示されず)にそれぞれ結合されて直線往復運動を行う作動部材としての1対の作動ロッド153,154とを有する。
【0059】
第1作動ロッド153は、第1,第2保持フレーム191,192に亘って、その下方において固定された支持体197に上下方向回りに回動可能に枢着される結合部である取付部153aを有する。支持体197はユニット支持体190の一部である。
第2作動ロッド154は、連結部材160に固定されて設けられた取付部165aに上下方向回りに回動可能に枢着されて連結部材160に駆動力を直接作用させる結合部である作用部154aを有する。
【0060】
図4〜図6を参照すると、連結部材160は、各ローラ列R毎に、各ローラ列Rを構成する複数のローラ120をそれぞれ有する複数のローラ組立体Aの回動アーム145aが枢着されている1対の連結体161,162と、該1対の連結体161,162を相対移動不能に一体に接続する接続体163とを有する。
一方の保持フレーム192を下方で迂回して両連結体161,162を一体に結合している接続体163は、結合手段としてのボルトB4により各連結体161,162に固定される第1接続体164と、第1接続体164に結合手段としてのボルトB5により固定される第2接続体165とを有する。
各連結体161,162、第1,第2接続体164,165のそれぞれは、単一の部材であり、これら部材が相対移動不能に結合されて一体化された連結部材160も単一の部材となっている。
【0061】
第2接続体165は、前後方向(または、搬送方向21)で第1,第2保持フレーム191,192の間に位置する取付部165aを有する。
該取付部165aには第2作動ロッド154の作用部154aが枢着される。エアシリンダ151が発生して各回動体140を回動させる駆動力は、作用部154aから取付部165aに直接作用し、接続体163および1対の連結体161,162から構成される連結部材160を一体に移動させる。
したがって、エアシリンダ151は、第2作動ロッド154において連結部材160と直結される。
また、連結部材160は、駆動力が作用したときに、それ自体において相対移動を伴うことなく(すなわち、1対の連結体161,162および第1,第2接続体164,165が互いに相対移動することなく)、一体に移動して各回動体140に駆動力を伝達する部材である。
そして、駆動力により駆動されて移動する連結部材160が、ローラユニットUの各回動体140を回動させ、したがって各ローラ120を回動させる。
【0062】
ローラ120の全体と、ローラ支持体130の全体と、回動体140の関節軸141および回動体本体142(すなわち、回動支持軸146以外の回動体140の部分であって、回動アーム145aを含む部分である。)とは、各保持フレーム191,192の最下部としての下面191b,192bよりも上方に配置され、本実施例では、保持フレーム191,192(すなわち、その上面191a,192a)よりも上方に配置されている。
エアシリンダ151は、少なくとも作用部154aにおいて、本実施例では、エアシリンダ151の全体は、保持フレーム191,192の最上部としての上面191a,192aよりも下方で、本実施例では保持フレーム191,192(すなわち、下面191b,192b)よりも下方に配置され、かつローラ120、ローラ支持体130および回動アーム145aよりも下方に配置されている。
【0063】
連結部材160は、上下方向で各保持フレーム191,192と同じ位置を占める(または、上下方向での位置で保持フレーム191,192と重なる)重なり部分160aを有するように、保持フレーム191,192よりも上方からその下方に亘って配置されている。
各連結体161,162の少なくとも一部は、本実施例では、各連結体161,162の全体は、保持フレーム191,192よりも上方に配置されている。
【0064】
図2,図3を参照すると、シリンダ152に設けられる圧力室(図示されず)には、所定の作動圧を有する作動流体としての作動用空気が、回動制御装置156が制御する圧力制御弁(図示されず。以下、単に「圧力制御弁」という。)により制御されて、導管(図示されず)を通じて給排される。
より具体的には、仕分装置100が備える回動制御装置156は、操作者により操作される制御盤C(図2に模式的に示される。)から出力される制御信号に基づいて作動する圧力制御弁が配置される制御弁ブロック157と、シリンダ152に対して給排される作動用空気の流量を制御して作動スピードを調整する調整器(図示されず。以下、単に「調整器」という。)が配置されるスピード調整ブロック158とを有する。
制御弁ブロック157およびスピード調整ブロック158には、仕分装置100が備えるすべてのシリンダの作動を制御する複数の圧力制御弁と、該圧力制御弁と同数の調整器とが、それぞれ集合している。
【0065】
制御弁ブロック157およびスピード調整ブロック158は、機台110の下部の角部において、該機台110に備えられて下部フレーム117に片持ち支持される支持板119に、着脱可能に取り付けられる。
このように、仕分装置100において、すべての圧力制御弁が集合した状態で、同様に、すべての調整器が集合した状態で、機台110に配置されるので、圧力制御弁および調整器のメンテナンスが容易になり、調整器によるエアシリンダ151毎の作動スピードの調整が容易になる。
また、仕分装置100の各圧力制御弁が1つの部材としての制御弁ブロック157に集中して配置され、各調整器が1つの部材としての調整器ブロックに集中して配置されるので、機台110への圧力制御弁および調整器の組付けおよび取外しが容易になる。
【0066】
そして、図4に示されるように、回動制御装置156が制御する回動駆動機構150により駆動されて垂直軸線Lv(図6参照)回りに回動する各ローラ120、したがってローラ列Rは、その回動位置Pとして、ローラ列Rが搬送方向21に物品10を搬送するときの基準位置P0と、ローラ列Rが基準位置P0から回動して分岐搬送方向22,23(図1参照)に物品10を搬出するときの1以上の、本実施例では複数としての2つ転向位置P1,P2とを占める。
より具体的には、第1,第2作動ロッド153,154の伸張および収縮に応じて、各ローラ120、したがってローラ列Rは、その回動位置Pとして、基準位置P0(図4に実線で示される。)、基準位置P0から一方の回動方向(図4では右回りの回動方向である。)に回動した第1転向位置P1(図4に一点鎖線で示される。)、および、基準位置P0から前記一方の回動方向とは反対の回動方向(図4では左回りの回動方向である。)に回動した第2転向位置P2(図4に二点鎖線で示される。)を占める。
なお、図4では、図面の繁雑化を避けるため、1つのローラ120について、各転向位置P1,P2が示されている。
【0067】
図2,図3を参照すると、回転駆動機構170は、ローラユニットU毎のラインシャフト171と、該ラインシャフト171を回転駆動する駆動部172とを有する。
駆動部172は、機台110に取り付けられて制御盤C(図2参照)により制御される駆動源としての電動モータ173を有する駆動源ユニットMと、該電動モータ173の動力を各ラインシャフト171に伝達する動力伝達機構としての巻掛け伝動機構180とを有する。駆動部172は、電動モータ173が発生し、かつ巻掛け伝動機構180が伝達する動力により、仕分装置100の各ラインシャフト171を一斉に同じ回転方向に回転駆動する。
【0068】
駆動源ユニットMは、電動モータ173のほかに、電動モータ173を一方の機台フレーム116に着脱可能に取り付けるための取付部材としての取付ブラケット174を有する。
電動モータ173は、動力発生機構(図示されず)を収納するハウジング173hと、前記動力発生機構により回転駆動される出力回転軸173sとを有する。
【0069】
屈曲した板状の部材である取付ブラケット174は、ハウジング173hの取付部173aが結合手段としてのボルトB6により着脱可能に結合されて固定される底部175と、底部175から立ち上がるとともに前後方向でハウジング173hの両側で上下方向に延びている1対の第1,第2側部176,177と、底部175および両側部176,177により形成される駆動源収容空間170sに対して外側に向かって、前方および後方に向かってそれぞれ延びている第1,第2機台用取付部178,179とを有する。
取付ブラケット174は、機台用取付部としての第1,第2機台用取付部178,179において、結合手段としてのボルトB7により、機台フレーム116に着脱可能に結合されて固定される。
【0070】
電動モータ173は、底部175に前後方向に離隔して設けられた駆動源用取付部としての第1,第2駆動源用取付部175a,175bにおいてボルトB6により取付ブラケット174に固定され、かつボルトB7により取付ブラケット174を介して機台フレーム116に固定された状態で、以下の関係式を満たすように配置されている。
すなわち、出力回転軸173sの回転中心線Lmと機台フレーム116との間の上下方向での間隔Nは、機台フレーム116に取り付けられた状態における保持フレーム191,192からの上下方向でのローラ組立体Aの高さHr、またはローラ120の最大外径d(図6参照)との間で、以下のいずれかの関係式を満たす値に設定されている。
N<Hr、または0.8d<N<1.5d
そして、この状態で、床5から回転中心線Lmまでの高さHmは、間隔N、高さHrまたは最大外径dとの間で、以下のいずれかの関係式を満たす値に設定されている。
Hm<Hr+N、Hm<2.5d、Hm<2.5N、またはHm<2Hr
【0071】
巻掛け伝動機構180は、出力回転軸173sに設けられた駆動回転部品としての駆動プーリ181と、各ラインシャフト171に設けられた被動回転部品としての被動プーリ182と、複数のガイド回転部品としてのガイドプーリ183と、それらプーリ181〜183に巻き掛けられた無端の巻掛け伝動体としてのベルト184と、ベルト184の弛み側で該ベルト184に張力を付与するテンショナ186とを有する巻掛け伝動機構180である。
【0072】
被動プーリ182は、ラインシャフト171の一方の端部が、軸受部194の前記軸受を貫通して延びている延出部171a(図2参照)に結合されて設けられる。被動プーリ182は、ローラユニットUの一部を構成している。
1つのガイドプーリ183aは、第1側部176に結合手段(例えば、溶接)により固定されて設けられた板状の支持部185に回転可能に支持される。
なお、別の例として、支持部185および後述する固定支持部187aは、取付ブラケット174との一体成形により形成されてもよい。
【0073】
テンショナ186は、第2側部177に結合手段(例えば、溶接)により固定されて設けられた固定支持部187aと、固定支持部187aに対して移動可能に、ここでは回動中心線Ltを中心に回動可能に支持される可動支持部187bと、可動支持部187bに回転可能に支持される張力付与部としてのテンションプーリ188と、固定支持部187aに対する可動支持部187bの位置である回動位置を調整するための調整部材としての調整ねじ189とを有する。固定支持部187aおよび可動支持部187bは、テンショナ支持部187を構成する。
そして、固定支持部187aに設けられた円弧状孔からなる案内孔187eには、可動支持部187bに一体に設けられた操作ピン187pが嵌合する。
案内孔187eに案内されて移動可能な操作ピン187pに当接する調整ねじ189が、操作ピン187pを介して可動支持部187bの位置を調整することにより、テンションプーリ188の位置が調整されて、ベルト184の張力が適度な値に設定される。
【0074】
電動モータ173は、逆回転可能であり、したがって出力回転軸173sは、物品10(図1参照)の搬送方向21を逆方向とするために逆回転可能である。
なお、図3には、電動モータ173が一方の回転方向、ここでは正回転するときの状態が示されている。
テンショナ186およびガイドプーリ183aの少なくともテンショナ186が一体化されたテンショナ付き取付ブラケットである取付ブラケット174は、電動モータ173および機台フレーム116に対する取付ブラケット174の位置関係が、搬送方向21で入替可能に、かつ電動モータ173および機台フレーム116に着脱可能に取り付けられる。
【0075】
より具体的には、仕分装置100による搬送方向21が逆方向にされる場合に、電動モータ173が、図3に示されている回転方向から逆方向に回転する。
このとき、取付ブラケット174は、図3において、第1駆動源用取付部175aが、第2駆動源用取付部175bが取り付けられている位置で電動モータ173に取り付けられ、かつ第2駆動源用取付部175bが、第1駆動源用取付部175aが取り付けられている位置で電動モータ173に取り付けられ、さらに、第1機台用取付部178が、第2機台用取付部179が取り付けられている位置で機台フレーム116に取り付けられ、かつ第2機台用取付部179が、第1機台用取付部178が取り付けられている位置で機台フレーム116に取り付けられるように、電動モータ173および機台フレーム116に取り付けられる。
このように、取付ブラケット174は、電動モータ173および機台フレーム116に対する取付形態が搬送方向21で入替可能な部材であることで、搬送方向21が異なる別の仕分装置においても、テンショナ186およびガイドプーリ183aが一体化された取付ブラケット174を、共通の部品として使用することができる。
【0076】
また、同じ仕分装置100が、搬送方向21が逆方向にされた状態で使用される場合には、取付ブラケット174が電動モータ173および機台フレーム116から一時的に外され、次いで、前述したことと同様に、取付ブラケット174の取付形態を搬送方向で入れ替えることにより、または、取付ブラケット174が機台フレーム116のみから一時的に外され、次いで、機台フレーム116のみに対する取付ブラケット174の取付形態を搬送方向21で入れ替えることにより、床5に対する搬送方向21での仕分装置100の位置を入れ替えることなく、搬送方向21を逆方向にすることができる。
【0077】
図1〜図4を参照すると、各保持フレーム191,192および機台フレーム115,116の上方でカバー200を保持するためのカバー保持部205は、各機台フレーム115,116の真上に、搬送方向21に間隔を置いて複数ずつ配置される。また、カバー200は、図示されない固定手段(例えば、係合部材またはねじ)により基台に着脱可能に位置決めされて固定される。
【0078】
次に、前述のように構成された実施例の作用および効果について説明する。
仕分装置100は、ローラ120と、ローラ支持体130および回動体140から構成されるローラ支持台A1とを有する複数のローラ組立体Aと、ローラ120を水平軸線Lh回りに回転させる回転駆動機構170と、回動体140を垂直軸線Lv回りに回動させる回動駆動機構150と、ローラ組立体Aが取り付けられる保持フレーム191,192と、保持フレーム191,192、回転駆動機構170および回動駆動機構150が取り付けられる機台110とを備え、搬送路101での物品10の搬送方向21および搬送路101の幅方向24に配列された複数のローラ120およびローラ支持体130が回動体140とともに回動することによりローラ120による搬送方向が転向されることにより、回動駆動機構150が回動体140およびローラ支持体130を介してローラ120を回動させることで、ローラ120により搬送される物品の搬送方向を転向することができる。
【0079】
回動駆動機構150が、複数の回動体140を一斉に回動するために前記複数の回動体140が連結される連結部材160と、発生する駆動力により連結部材160を直接駆動するエアシリンダ151とを有し、連結部材160が、駆動力により一体に移動して前記各回動体140に駆動力を伝達する部材であることにより、搬送方向21を転向するためにローラ120を回動させるエアシリンダ151が発生する駆動力は、エアシリンダ151と連結部材160との間に配置されるレバー機構やリンク機構などの中間部材を介することなく、複数の回動体140が連結されている連結部材160に直接作用し、しかも該駆動力により連結部材160が一体に移動するので、ローラ120の回動位置が変更されるときの回動応答性、すなわち搬送方向21を転向するための応答性を向上させることができ、そのうえ、前記中間部材が不要になるので、回動駆動機構150を構成する部品点数が削減されて、回動駆動機構150を構成するエアシリンダ151および連結部材160の組付けおよび取外しが容易になって、仕分装置100の組立性およびメンテナンス性を向上させることができる。
【0080】
エアシリンダ151が、連結部材160に駆動力を直接作用させる作用部154aを有し、連結部材160が、上下方向で保持フレーム191,192と同じ位置を占める重なり部分を有するように配置されることにより、上下方向での保持フレーム191,192の幅を利用して、連結部材160が上下方向で保持フレーム191,192と重なる位置に配置されるので、連結部材の全体が保持フレーム191,192の下方または上方に配置される場合に比べて、エアシリンダ151に直結されて一体移動する連結部材160を有する回動駆動機構150が保持フレーム191,192に対して上下方向でコンパクトに配置されるため、仕分装置100を上下方向で小型化することができる。
【0081】
しかも、ローラ120と、ローラ支持体130と、回動体140における連結部材160との結合部である回動アーム145aとが、保持フレーム191,192の下面191b,192bよりも上方に配置され、エアシリンダ151が、少なくとも作用部154aにおいて、保持フレーム191,192の上面191a,192aよりも下方で、かつローラ120、ローラ支持体130および回動アーム145aよりも下方に配置されることにより、連結部材160に駆動力を直接作用させる作用部154aが、上面191a,192aよりも下方に、かつローラ120、ローラ支持体130および回動アーム145aよりも下方に配置されることで、下面191b,192bよりも上方に配置されるローラ120、ローラ支持体130および回動アーム145aよりも上方に配置されることがないので、作用部154aがローラ120、ローラ支持体130および回動アーム145aの配置を搬送方向21で制約することを回避することが可能になって、ローラ120、ローラ支持体130および回動体140の回動アーム145aの配置の自由度を搬送方向21で大きくすることができて、ローラ120の小型化やローラ組立体Aの密集化が可能になる。
さらに、ローラ120の全体と、ローラ支持体130の全体と、回動体140の関節軸141および回動体本体142とが上面191a,192aよりも上方に配置されていることにより、作用部154aを、上下方向で上面191a,192aに一層近づけて配置することができる。
【0082】
ローラ組立体群G、ユニット用回転駆動体としてのラインシャフト171およびユニット用回動駆動機構としての回動駆動機構150は、ユニット支持体190に取り付けられることにより、1つのローラユニットUを構成し、ローラユニットUは、ユニット支持体190が1対の保持フレーム191,192に対して着脱されることにより、機台110に対して着脱可能であることで、ローラ組立体群G、ラインシャフト171、回動駆動機構150およびユニット支持体190を、ローラユニットU単位で、機台110に対して着脱できるので、機台110へのローラ組立体群G、ラインシャフト171、回動駆動機構150の組付けおよび取外しが容易化されるため、仕分装置100の組立性およびメンテナンス性を向上させることができる。
さらに、ローラユニットU単位の交換により、ローラ120の配列形態の多様化が容易になるうえ、ローラ組立体Aなどに不具合が発生した場合には、不具合の発生した部品を含むローラユニットUと正常なローラユニットUとの交換が容易であることにより、仕分装置100の稼働率の向上が可能になる。
【0083】
仕分装置100において、機台110に支持されるすべてのローラ120である第1所定数のローラ120は、複数のローラ組立体群Gのいずれか、または複数のローラユニットUのいずれかに属し、ローラ組立体群Gを構成するすべてのローラ組立体Aの数(すなわち、ローラ120の数)である第2所定数、ラインシャフト171の数および回動駆動機構150の数は、各ローラユニットUにおいて同一である。
この構造により、仕分装置100が備えるすべてのローラ120またはローラ組立体Aが、いずれかのローラユニットUに属するので、仕分装置100の組立性およびメンテナンス性を向上させることができる。さらに、各ローラユニットUにおいて、ローラ組立体Aの数、ラインシャフト171の数および回動駆動機構150の数が同一であることにより、仕分装置100が備えるすべてのローラユニットUを共通化することができて、仕分装置100のコスト削減が可能になる。
【0084】
ローラ支持体130および回動体140が樹脂により形成されていることにより、回動駆動機構150により駆動されて回動する回動体140と該回動体140とともに回動するローラ支持体130とが軽量化されるので、軽量化によりローラ組立体Aの組付けおよび取外しが容易になるため、仕分装置100の組立性およびメンテナンス性を向上させることができ、しかも回動体140およびローラ支持体130とともに回動するローラ120における、物品10の搬送方向21を転向するための回動応答性を向上させることができる。
【0085】
回転駆動機構170が、ローラ120を回転駆動するラインシャフト171と、ラインシャフト171を回転駆動する動力を発生する電動モータ173とを有し、機台110が、機台110の上端部を構成する機台フレーム115,116を有し、保持フレーム191,192および電動モータ173が機台フレーム115,116に取り付けられていることにより、保持フレーム191,192に取り付けられたローラ組立体Aおよび電動モータ173を、上下方向で機台110の上端部である機台フレーム115,116に近づけた状態で配置することが可能になるので、ローラ組立体Aおよび回転駆動機構170を上下方向でコンパクトに配置することが可能になって、仕分装置100を上下方向で小型化することができ、機台110の機台フレーム115,116を機台110が設置される床5に上下方向で近づけて配置することが可能になって、床5からの仕分装置100の高さを低くすることができる。
【0086】
回転駆動機構170が、電動モータ173の動力をラインシャフト171に伝達するベルト184を有する巻掛け伝動機構180を有し、電動モータ173が、電動モータ173の出力回転軸173sの回転中心線Lmと機台フレーム115,116との間の上下方向での間隔Nが、保持フレーム191,192に取り付けられた状態における上下方向でのローラ組立体Aの高さHrよりも小さくなる位置に配置されていることにより、保持フレーム191,192に取り付けられた状態での保持フレーム191,192からのローラ組立体Aの高さHrの範囲内に電動モータ173の回転中心線Lmが位置するように、上下方向で電動モータ173が配置されるので、仕分装置100を上下方向で小型化することができ、さらに、ベルト184の長さを短くすることができるので、仕分装置100のコストを削減することができる。
【0087】
電動モータ173が、物品10の搬送方向21を逆方向とするために逆回転可能であるとともに、取付ブラケット174を介して機台フレーム116に取り付けられ、巻掛け伝動機構180が、ベルト184に張力を付与するとともに取付ブラケット174に設けられるテンショナ186を有し、取付ブラケット174が、電動モータ173および機台フレーム116に対する取付ブラケット174の取付形態が、搬送方向21で入替可能に、電動モータ173および機台フレーム116に着脱可能に取り付けられていることにより、仕分装置100による物品10の搬送方向21が逆方向に変更される場合に、電動モータ173および機台フレーム116に対する取付ブラケット174の取付位置を搬送方向21で正反対となるように入れ替えて、その取付形態を入れ替えることにより、テンショナ186が一体化されている取付ブラケット174を、搬送方向21に依存することなく共通の部材として使用できるので、電動モータ173およびテンショナ186を有する回転駆動機構170を備える仕分装置100のコストを削減することができる。
【0088】
支持体本体132、ローラ軸131、回動体本体142および関節軸141が、樹脂で形成されていることにより、ローラ組立体Aにおいて回動中心線である垂直軸線Lvから遠方まで延びている構成部品であるローラ軸131、支持体本体132、関節軸141および回動体本体142がいずれも樹脂で形成されることで軽量化されるので、ローラ組立体Aにおいて垂直軸線Lv回りの慣性モーメントが減少し、ローラ120の回動応答性を向上させることができる。
【0089】
また、ローラ軸131が支持体本体132に、関節軸141が支持体本体132または回動体本体142に、それぞれスナップ結合により取り付けられていることにより、ローラ組立体Aにおけるローラ軸131および関節軸141の組付けが、樹脂同士の部材であることを利用したスナップ結合により行われるので、ローラ軸131および関節軸141の組付け性および取外し性が向上して、ローラ組立体A、ひいては仕分装置100の組立性およびメンテナンス性を向上させることができる。
【0090】
ローラ軸131および関節軸141のそれぞれが、ローラ軸131および関節軸141に共用の軸部品Tであることにより、ローラ軸131および関節軸141が同一の軸部品Tであるので、ローラ軸131および関節軸141が別個の軸部品である場合に比べて、ローラ組立体Aのコストが削減されることで仕分装置100のコストを削減することができ、しかもローラ組立体Aの組立性およびメンテナンス性を向上させることができる。
【0091】
回動体140が、保持フレーム191,192に設けられた挿通孔198に挿通されて保持フレーム191,192に回動可能に支持される回動支持軸146を有し、回動支持軸146のほぼ全体が、保持フレーム191,192内に収容されていることにより、ローラ組立体Aの回動支持軸146は保持フレーム191,192自体により回動可能に支持されるので、ローラ組立体Aが取り付けられる保持フレーム191,192が回動支持軸146を回動可能に支持する軸受ホルダを兼ねるので、回動支持軸146を支持するための専用の軸受ホルダが不要になるため、および回動支持軸146のほぼ全体が保持フレーム191,192内に収容されるため、回動支持軸146の軸長の短縮化が可能になり、ローラ組立体Aを軽量化すること、および上下方向で小型化することができ、ひいては仕分装置100を上下方向で小型化することができる。
【0092】
回動支持軸146が保持フレーム191,192にスナップ結合により結合されていることにより、保持フレーム191,192に対するローラ組立体Aの組付けおよび取外しが容易になるので、仕分装置100の組立性およびメンテナンス性を向上させることができる。
【0093】
以下、前述した実施例の一部の構成を変更した実施例について、変更した構成に関して説明する。
ローラ、ローラ支持体および結合部がもっと下方に配置されてもよく、これにより上下方向で小型化することができる。
また、例えば、エアシリンダが、少なくとも部分的に、上下方向で保持フレームと同じ位置を占めるように配置されてもよい。
回動駆動機構のアクチュエータは、電磁式のもの(例えば、ソレノイド、または電動モータ)であってもよい。
ローラ120のコア部122が、金属の代わりに樹脂で形成されることにより、ローラ組立体Aが一層軽量化される。
【符号の説明】
【0094】
100・・・仕分装置
120・・・ローラ
130・・・ローラ支持体
131・・・ローラ軸
140・・・回動体
141・・・関節軸
142・・・回動体本体
145a・・・回動アーム
146・・・回動支持軸
150・・・回動駆動機構
154a・・・作用部
160・・・連結部材
160a・・・重なり部分
161,162・・・連結体
170・・・回転駆動機構
171・・・ラインシャフト
173・・・電動モータ
173s・・・出力回転軸
174・・・取付ブラケット
180・・・巻掛け伝動機構
184・・・ベルト
186・・・テンショナ
190・・・ユニット支持体
191,192・・・保持フレーム
A ・・・ローラ組立体
G ・・・ローラ組立体群
Hr・・・高さ
N ・・・間隔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転することにより物品を搬送する搬送用ローラと前記ローラを水平軸線回りに回転可能に支持するローラ支持体と前記ローラ支持体を支持するとともに垂直軸線回りに回動可能な回動体とを有する複数である所定数のローラ組立体と、前記ローラを前記水平軸線回りに回転させる複数の回転駆動体を有する回転駆動機構と、前記回動体を前記垂直軸線回りに回動させる回動駆動機構と、前記ローラ組立体が取り付けられる保持部材と、前記保持部材、前記回転駆動機構および前記回動駆動機構が取り付けられる機台と、を備え、搬送路での前記物品の搬送方向および前記搬送路の幅方向に配列された前記所定数の前記ローラおよび前記ローラ支持体が、前記回動体とともに回動することにより前記ローラによる前記搬送方向が転向される搬送装置において、
前記回動駆動機構が、複数の前記回動体を一斉に回動するために前記複数の前記回動体が連結される連結部材と、発生する駆動力により前記連結部材を直接駆動するアクチュエータとを有し、
前記連結部材が、前記駆動力により駆動されて一体に移動して前記各回動体に前記駆動力を伝達する部材であることを特徴とする搬送装置。
【請求項2】
前記アクチュエータが、前記連結部材に前記駆動力を直接作用させる作用部を有し、
前記連結部材が、上下方向で前記保持部材と同じ位置を占める重なり部分を有するように配置され、
前記ローラと、前記ローラ支持体と、前記回動体における前記連結部材との結合部とが、前記保持部材の下面よりも上方に配置され、
前記アクチュエータが、少なくとも前記作用部において、前記保持部材の上面よりも下方で、かつ前記ローラ、前記ローラ支持体および前記結合部よりも下方に配置されることを特徴とする請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記所定数未満の複数である第2所定数の前記ローラ組立体から構成されるユニット用ローラ組立体群が取り付けられる前記保持部材がユニット支持体を構成し、
1以上の前記回転駆動体が、前記ユニット用ローラ組立体群の前記各ローラを回転駆動するユニット用回転駆動体であり、
1以上の前記回動駆動機構が、前記ユニット用ローラ組立体群の前記各ローラ組立体の前記回動体を回動させるユニット用回動駆動機構であり、
前記ユニット用ローラ組立体群、前記ユニット用回転駆動体および前記ユニット用回動駆動機構は、前記ユニット支持体に取り付けられることにより、1つのローラユニットを構成し、
前記ローラユニットは、前記ユニット支持体が前記機台に対して着脱されることにより、前記機台に対して着脱可能であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記ローラ支持体および前記回動体が樹脂により形成されていることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2013−28417(P2013−28417A)
【公開日】平成25年2月7日(2013.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−164375(P2011−164375)
【出願日】平成23年7月27日(2011.7.27)
【出願人】(000003355)株式会社椿本チエイン (861)
【Fターム(参考)】