搬送装置
【課題】被搬送物の姿勢を変更するための物体とガイドとの隙間に、被搬送物の包材が嵌まり込まないようにした搬送装置を提供する。
【解決手段】搬送装置100では、制御部190は、包装物Bが突出状態の突出体121と当接して回転する際、突出体121を包装物Bの搬送方向と交差する方向に水平に移動させるので、包装物Bのコーナーが突出体121とガイド部材110との隙間に嵌り込むことが防止される。その結果、包装物Bが回転できないという事態が回避される。特に、軟包装商品はコーナーが突出体121とガイド部材110との隙間に嵌り込み易いので、その効果は格別である。
【解決手段】搬送装置100では、制御部190は、包装物Bが突出状態の突出体121と当接して回転する際、突出体121を包装物Bの搬送方向と交差する方向に水平に移動させるので、包装物Bのコーナーが突出体121とガイド部材110との隙間に嵌り込むことが防止される。その結果、包装物Bが回転できないという事態が回避される。特に、軟包装商品はコーナーが突出体121とガイド部材110との隙間に嵌り込み易いので、その効果は格別である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外形が変形し易い被搬送物を搬送する際、搬送の途中で被搬送物の姿勢を変更することができる搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送装置において、搬送中の軟包装商品(以後、被搬送物とよぶ)の姿勢を回転させて変える手段として、被搬送物の搬送方向下流に段差を設け、被搬送物をその段差に当接させて回転させている。例えば、特許文献1(特開2011−116464号公報)に開示されている搬送装置では、被搬送物はコンベア上のガイドに沿って移動し、被搬送物の姿勢を変えるとき、ガイド終端の下流で且つその被搬送物の進行方向の軌道上に直方体状の物体を突出させる。ガイドに沿って進行する被搬送物の一部がその物体に当たることによって、被搬送物に回転モーメントが作用する。その結果、被搬送物は姿勢を変えることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の構成では、直方体の物体とガイドとの隙間に、被搬送物の包材の一部が挟まって搬送不能になる可能性がある。
【0004】
本発明の課題は、被搬送物の姿勢を変更するための物体とガイドとの隙間に、被搬送物の包材が嵌まり込まないようにした搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る搬送装置は、コンベアと、姿勢切換部材と、案内部材と、制御部とを備えている。コンベアは、水平搬送面を有している。姿勢切換部材は、第1状態と第2状態とに切換可能である。第1状態とは、水平搬送面上を移動する被搬送物の進行方向側の一部と干渉するように突出する状態である。第2状態とは、被搬送物の搬送軌道上から外れる状態である。また、案内部材は、姿勢切換部材よりも進行方向上流側において被搬送物を進行方向に沿って案内する。制御部は、少なくとも姿勢切換部材の第1状態と第2状態との切り換え動作を制御する。さらに、制御部は、被搬送物が姿勢変換部材に当接する際、姿勢変換部材と案内部材とを相対移動させる。
【0006】
この搬送装置では、被搬送物が第1状態の姿勢切換部材と当接して回転する際、姿勢切換部材と案内部材との隙間に近い側のコーナー先端が、その隙間に嵌り込もうとするが、被搬送物が姿勢変換部材に当接する際に姿勢変換部材と案内部材とを相対移動させるので、隙間に嵌り込もうとするコーナーが押し出され、被搬送物が回転できないという事態が回避される。
【0007】
本発明の第2観点に係る搬送装置は、第1観点に係る搬送装置であって、姿勢切換部材が、被搬送物の進行方向と交差し、且つ水平搬送面と平行な方向に突出する。
【0008】
この搬送装置では、第1観点の効果を奏することに加えて、姿勢切換部材の動作が水平移動だけであり、その移動量は一つの電動シリンダまたは1つのサーボモータで制御可能であるので、構造が簡単で制御も容易である。
【0009】
本発明の第3観点に係る搬送装置は、第1観点または第2観点に係る搬送装置であって、制御部が、姿勢変換部材を第1状態にして被搬送物を待ち受けさせ、被搬送物が姿勢変換部材に当接する際、姿勢変換部材を第1状態よりさらに突出する状態へ移動させる。
【0010】
この搬送装置では、第1観点または第2観点の効果を奏することに加えて、姿勢変換部材を第1状態にして被搬送物を待ち受けさせるので、被搬送物の到達を見越して第1状態へ切り換えるよりも、姿勢変換部材の制御が容易である。
【0011】
本発明の第4観点に係る搬送装置は、第1観点または第2観点に係る搬送装置であって、制御部が、姿勢変換部材を第1状態にして被搬送物を待ち受けさせ、被搬送物が姿勢変換部材に当接する際、案内部材を搬送物から離れる方向に移動させる。この搬送装置では、第1観点または第2観点と同様の効果を奏する。
【0012】
本発明の第5観点に係る搬送装置は、第4観点に係る搬送装置であって、案内部材が、姿勢変形部材に近い側の端が搬送物から離れる方向に移動するように回動する。この搬送装置では、第4観点と同様の効果を奏する。
【0013】
本発明の第6観点に係る搬送装置は、第1観点から第5観点のいずれかに係る搬送装置であって、水平搬送面上の被搬送物の位置を検知するセンサをさらに備えている。制御部は、センサの検知信号から姿勢変換部材を動作させる時機を判断する。
【0014】
この搬送装置では、第1観点から第5観点のいずれかの効果を奏することに加えて、姿勢切換部材の動作タイミングの決定が容易である。
【0015】
本発明の第7観点に係る搬送装置は、第6観点に係る搬送装置であって、制御部が、被搬送物が姿勢変換部材に当接したとき、又は被搬送物が姿勢変換部材に当接した以降に、姿勢変換部材と案内部材とを相対移動させる。この搬送装置では、第6観点と同様の効果を奏する。
【0016】
本発明の第8観点に係る搬送装置は、第1観点から第7観点のいずれかに係る搬送装置であって、被搬送物が軟包装商品である。
【0017】
軟包装商品は姿勢変換部材と当接した際にコーナーが姿勢切換部材と案内部材との隙間に入り易い形状に変化するので、軟包装商品の包材が姿勢切換部材と案内部材との隙間に挟まれ回転することができなくなるという懸念があったが、軟包装商品の搬送用として、第1観点から第7観点のいずれかに係る搬送装置が適用されことによって、軟包装商品の姿勢を回転させる動作が確実に行なわれる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の搬送装置では、被搬送物が第1状態の姿勢切換部材と当接して回転する際、姿勢切換部材と案内部材との隙間に近い側のコーナー先端が、その隙間に嵌り込もうとするが、被搬送物が姿勢変換部材に当接する際に姿勢変換部材と案内部材とを相対移動させるので、隙間に嵌り込もうとするコーナーが押し出され、被搬送物が回転できないという事態が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1A】本発明の一実施形態に係る搬送装置の平面図。
【図1B】図1Aに記載の姿勢切換部の突出体を突出させた搬送装置の平面図。
【図1C】図1Bに記載の姿勢切換部の突出体をさらに突出させた搬送装置の平面図。
【図2】搬送装置100の制御ブロック図。
【図3A】変形例に係る搬送装置の平面図。
【図3B】図3Aに記載の姿勢切換部の突出体を突出させた搬送装置の平面図。
【図3C】図3Bに記載のガイド部材を移動させた搬送装置の平面図。
【図4】搬送装置100を利用した箱詰装置の斜視図。
【図5A】包装物が集積用コンベアに落下した直後の後搬送装置の側面図。
【図5B】集積用コンベアが包装物を後退させた直後の後搬送装置の側面図。
【図5C】包装物が先行する包装物に寄りかかった直後の後搬送装置の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0021】
(1)搬送装置100の構成
図1Aは、本発明の一実施形態に係る搬送装置100の平面図である。図1Aにおいて、搬送装置100は、第1コンベア101、第2コンベア102、ガイド部材110、姿勢切換部120、フォトセンサ130、及び制御部190(図2参照)を備えている。
【0022】
(1−1)第1コンベア101と第2コンベア102
第1コンベア101と第2コンベア102とは、搬送方向の上流から下流に向って連続して設けられており、Hx方向に包装物Bを搬送する。第1コンベア101及び第2コンベア102は、無端ベルトを有する構造である。なお、搬送装置100は、第1コンベア101を駆動する第1コンベア駆動部、及び第2コンベア102を駆動する第2コンベア駆動部をさらに備えているが、図1Aへの記載は省略している。
【0023】
(1−2)ガイド部材110
ガイド部材110は、第1コンベア101から第2コンベア102にかけてそれぞれの水平搬送面上に設けられている。なお、フォトセンサ130は、第2コンベア102の水平搬送面上に位置している。ガイド部材110は、包装物Bが所定の軌道に沿って進行するように案内を行う。
【0024】
(1−3)姿勢切換部120
姿勢切換部120は、ガイド部材110の下流側に隣接している。姿勢切換部120は、直方体形状の突出体121と、突出体駆動部123とを有している。なお、突出体駆動部123には、構造が簡単で制御も容易な、電動シリンダまたはサーボモータが採用される。
【0025】
図1Aに示すように、突出体121の突出方向側の鉛直面とガイド部材110の鉛直面とは同一鉛直面上に並ぶように配置された状態(以後、待機状態とよぶ)で、包装物Bの搬送が行われる。包装物Bは、ガイド部材110に沿ってHx方向に搬送される。
【0026】
図1Bは、図1Aに記載の姿勢切換部120の突出体121を突出させた搬送装置100の平面図である。図1Bにおいて、制御部190は、フォトセンサ130からの信号を受け、突出体駆動部123を介して突出体121を包装物の搬送軌道と交差するHy方向に第1所定距離d1だけ移動させる。これによって、突出体121が第2コンベア102の水平面上に現われる。この状態を突出状態とよぶ。
【0027】
突出体121の第1所定距離は、包装物Bの横幅(搬送方向と交差する方向の幅)の半分未満に設定されており、包装物Bの横幅の半分未満の領域と接触する。包装物Bの横幅の半分以上の領域はHx方向への移動を許容され、包装物Bの横幅の半分未満の領域は移動を阻害されたことによって、包装物BにはR方向に回転する回転モーメントが発生する。この結果、包装物Bの姿勢が90°反転を開始する。
【0028】
図1Cは、図1Bに記載の姿勢切換部120の突出体121をさらに突出させた搬送装置100の平面図である。制御部190は、突出体121が突出状態になった後、再び、突出体駆動部123を介して突出体121を突出させる。このとき第1所定距離d1よりも短い第2所定距離d2だけ突出させる。
【0029】
包装物Bが第1状態の突出体121と当接して回転する際、突出体121とガイド部材110の終端との隙間に近い側のコーナー先端が、その隙間に嵌り込もうとするが、突出体121が第1状態になった後に再び突出体121を第2所定距離d2だけ移動させることによって、その隙間に嵌り込もうとするコーナーが押し出される。
【0030】
(1−4)制御部190
図2は、搬送装置100の制御ブロック図である。図2において、制御部190は、第1コンベア駆動部101a、第2コンベア駆動部102a、突出体駆動部123、フォトセンサ130と電気的に接続されている。また、制御部190は、少なくともCPU191とメモリ193とを有している。
【0031】
制御部190は、オペレーターによって入力された包装物の商品データに応じた制御プログラムを選択する。具体的には、CPU191が、メモリ193に記録された制御プログラムを読み込み、フォトセンサ130からの信号に応じて、第1コンベア駆動部101a、第2コンベア駆動部102a、及び突出体駆動部123の動作を制御する。
【0032】
(2)搬送装置100の動作
図1Aにおいて、包装物Bは、ガイド部材110に沿って第1コンベア101の水平搬送面上をHx方向に搬送され、第2コンベア102の水平搬送面上に搬入される。包装物Bが、ガイド部材110の終端に到達する直前に、フォトセンサ130が包装物Bを検知し、検知信号を制御部190に送る。
【0033】
制御部190は、フォトセンサ130からの信号を受け、突出体駆動部123を駆動して、図1Bに示すように突出体121を待機状態からHy方向に第1所定距離d1だけ移動させて突出状態に切り換える。その結果、突出体121は、包装物Bの横幅の半分未満の領域と当たり、包装物BをR方向に回転させる。
【0034】
このとき、制御部190は、再び、突出体駆動部123を駆動して、図1Cに示すように突出体121をHy方向に第2所定距離d2だけ移動させる。その結果、包装物BはR方向に回転しながらHy方向に押し出される。
【0035】
したがって、仮に、包装物Bの包材のコーナーが、突出体121とガイド部材110の終端との隙間に嵌り込みそうになっていても、突出体121が包装物Bをその隙間から離れるように押し出すので、包装物BのR方向の回転が阻害されることはない。
【0036】
(3)特徴
(3−1)
搬送装置100では、制御部190は、包装物Bが突出状態の突出体121と当接して回転する際、突出体121を包装物Bの搬送方向と交差する方向に水平に移動させるので、包装物Bのコーナーが突出体121とガイド部材110との隙間に嵌り込むことが防止される。その結果、包装物Bが回転できないという事態が回避される。特に、軟包装商品はコーナーが突出体121とガイド部材110との隙間に嵌り込み易いので、その効果は格別である。
【0037】
(3−2)
また、搬送装置100では、制御部190が突出体121を突出状態にして包装物Bを待ち受けさせるので、包装物Bの到達を見越して突出状態へ切り換えるよりも、突出体121の制御が容易である。
【0038】
(3−3)
さらに、搬送装置100では、制御部190は、フォトセンサ130によって包装物Bの位置を検知させ、突出体121を動作させる時機を判断しているので、動作時機の決定が容易である。したがって、制御部190は、搬送物Bが突出体121に当たったとき、又は包装物Bが突出体121に当たった以降に、突出体121とガイド部材110とを相対移動させることができる。
【0039】
(4)変形例
上記実施形態では、制御部190は、包装物Bが突出状態の突出体121と当接して回転する際、突出体121を包装物Bの搬送方向と交差する方向に水平に移動させているが、それに限定されるものではない。
【0040】
図3Aは、変形例に係る搬送装置100の平面図である。また、図3Bは、図3Aに記載の姿勢切換部120の突出体121を突出させた搬送装置100の平面図である。また、図3Cは、図3Bに記載のガイド部材110を移動させた搬送装置100の平面図である。図3A〜図3Cにおいて、搬送装置100は、ガイド部材駆動部113をさらに備えている。ガイド部材駆動部113は、ガイド部材110を包装物Bの搬送方向と直交する方向へ水平に移動させることができる。他の構成については、上記実施形態と同様であるので、以下、変形例の動作についてのみ説明する。
【0041】
図3Aにおいて、包装物Bは、ガイド部材110に沿って第1コンベア101の水平搬送面上をHx方向に搬送され、第2コンベア102の水平搬送面上に搬入される。包装物Bが、ガイド部材110の終端に到達する直前に、フォトセンサ130が包装物Bを検知し、検知信号を制御部190に送る。
【0042】
図3Bにおいて、制御部190は、フォトセンサ130からの信号を受け、突出体駆動部123を駆動して突出体121を待機状態からHy方向に第1所定距離d1だけ移動させて突出状態に切り換える。その結果、突出体121は、包装物Bの横幅の半分未満の領域と当たり、包装物BをR方向に回転させる。
【0043】
このとき、図3Cにおいて、制御部190は、ガイド部材駆動部113を介してガイド部材110をHs方向に第2所定距離d2だけ移動させる。その結果、仮に、包装物Bの包材のコーナーが、突出体121とガイド部材110の終端との隙間に嵌り込みそうになっていても、ガイド部材110が包装物Bから離れることによって、その隙間が包装物Bから遠ざかるので、包装物BのR方向の回転が阻害されることはない。
【0044】
なお、ガイド部材110は必ずしも水平に平行移動させる必要はなく、例えば、ガイド部材110のうち突出体121に近い側の端が包装物Bから離れる方向に移動するように回動させても、上記と同様の効果を奏することができる。
【0045】
(5)搬送装置100の箱詰装置1への適用例
(5−1)箱詰装置1の構成と動作
図4は、搬送装置100を利用した箱詰装置1の斜視図である。図4において、箱詰装置1は、前搬送装置10、搬送装置100、後搬送装置200、および箱搬送装置300を含んでいる。搬送装置100については、既に説明済みであるので、ここでは説明を省略する。
【0046】
前搬送装置10は、前コンベア11と、前コンベア上に配置されるシールチェッカ50を有している。箱詰装置1の上流側には包装機(図示せず)が据え付けられており、包装機で包装された包装物Bが前コンベア11に搬入され、シールチェッカ50でシール性の検査が行なわれる。
【0047】
後搬送装置200及び箱搬送装置300は、搬送装置100の下方に設けられている。後搬送装置200は、傾斜角度を変更することができる。複数の包装物Bは、連続して前搬送装置10を経由して、搬送装置100に搬入され、その後、後搬送装置200へ搬出される。
【0048】
後搬送装置200は、落下用コンベア201、集積用コンベア202、水平コンベア203を有している。
【0049】
包装物群Bの第1番目の包装物B1が落下用コンベア201から集積用コンベア202に落下したとき、包装物B1は横倒し姿勢になる。第2番目の包装物B2以降は、後搬送装置200に既に落下された包装物B1に寄りかかり立姿勢となり、水平コンベア203によって順次、箱500の上方まで搬送される。包装物B1,B2・・B5は、姿勢制御板(図示せず)立姿勢に整列された後、図3Bの奥方向に押し出される。
【0050】
続いて、包装物B6,B7は、連続して前搬送装置10を経由して、搬送装置100に搬入され、搬送装置100の第2コンベア102上を搬送されている途中に姿勢切換部120によって長手方向を搬送方向に向けた姿勢から、横幅方向を搬送方向に向けた姿勢に切り換えられる。
【0051】
その後、後搬送装置200に搬入され、包装物B1,B2・・・B5と、それらと姿勢が異なる包装物B6,B7が集積され、下方に設けられた箱500内に投入される。
【0052】
なお、包装物Bの長手方向の寸法が、落下用コンベア201の終端と集積用コンベア202との鉛直距離より大きい場合、包装物Bが落下用コンベア201の終端と集積用コンベア202との間に跨る可能性がある。それを防止する方法について、以下図面を参照しながら説明する。
【0053】
図5Aは、包装物Bが集積用コンベアに落下した直後の後搬送装置200の側面図である。また、図5Bは、集積用コンベアが包装物Bを後退させた直後の後搬送装置200の側面図である。図5Cは、包装物Bを先行する包装物Bに寄りかかった直後の後搬送装置200の側面図である。
【0054】
図5A、図5B及び図5Cにおいて、[包装物Bの長手方向の寸法L≧落下用コンベア201の終端と集積用コンベア202との鉛直距離V]となる包装物Bに対しては、包装物Bが集積用コンベア202に到達したときに、集積用コンベア202に後退動作(図5Bの矢印方向)を行なわせている。集積用コンベア202はサーボモータによって駆動されているので、後退動作は容易である。これによって、包装物Bは落下用コンベア201の終端と集積用コンベア202との間に跨ることなく、直前の包装物Bと集積されるようになる。
【0055】
また、図4において、箱詰装置1の箱500がなくなったとき、上流側の包装機では包装物が生産されているので、制御部190は、箱500の有無をセンサで検知し、箱500がないと判定したとき、箱詰装置1内に蓄えることができる包装物Bの数量qを計算し、包装機が包装物Bをq個生産した時点で包装機を停止している。
【0056】
この制御によって、包装機で包装物Bが無駄なく生産され、且つ、箱詰装置1内には無駄なく包装物Bが蓄えられるので、運転再開時に素早く復帰することできる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上のように本発明によれば、物品を水平に回転させて姿勢を変える機器に有用である。
【符号の説明】
【0058】
100 搬送装置
101 第1コンベア
102 第2コンベア
110 ガイド部材(案内部材)
120 姿勢切換部
121 突出体(姿勢切換部材)
130 フォトセンサ
190 制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0059】
【特許文献1】特開2011−116464号公報
【技術分野】
【0001】
本発明は、外形が変形し易い被搬送物を搬送する際、搬送の途中で被搬送物の姿勢を変更することができる搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、搬送装置において、搬送中の軟包装商品(以後、被搬送物とよぶ)の姿勢を回転させて変える手段として、被搬送物の搬送方向下流に段差を設け、被搬送物をその段差に当接させて回転させている。例えば、特許文献1(特開2011−116464号公報)に開示されている搬送装置では、被搬送物はコンベア上のガイドに沿って移動し、被搬送物の姿勢を変えるとき、ガイド終端の下流で且つその被搬送物の進行方向の軌道上に直方体状の物体を突出させる。ガイドに沿って進行する被搬送物の一部がその物体に当たることによって、被搬送物に回転モーメントが作用する。その結果、被搬送物は姿勢を変えることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記の構成では、直方体の物体とガイドとの隙間に、被搬送物の包材の一部が挟まって搬送不能になる可能性がある。
【0004】
本発明の課題は、被搬送物の姿勢を変更するための物体とガイドとの隙間に、被搬送物の包材が嵌まり込まないようにした搬送装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1観点に係る搬送装置は、コンベアと、姿勢切換部材と、案内部材と、制御部とを備えている。コンベアは、水平搬送面を有している。姿勢切換部材は、第1状態と第2状態とに切換可能である。第1状態とは、水平搬送面上を移動する被搬送物の進行方向側の一部と干渉するように突出する状態である。第2状態とは、被搬送物の搬送軌道上から外れる状態である。また、案内部材は、姿勢切換部材よりも進行方向上流側において被搬送物を進行方向に沿って案内する。制御部は、少なくとも姿勢切換部材の第1状態と第2状態との切り換え動作を制御する。さらに、制御部は、被搬送物が姿勢変換部材に当接する際、姿勢変換部材と案内部材とを相対移動させる。
【0006】
この搬送装置では、被搬送物が第1状態の姿勢切換部材と当接して回転する際、姿勢切換部材と案内部材との隙間に近い側のコーナー先端が、その隙間に嵌り込もうとするが、被搬送物が姿勢変換部材に当接する際に姿勢変換部材と案内部材とを相対移動させるので、隙間に嵌り込もうとするコーナーが押し出され、被搬送物が回転できないという事態が回避される。
【0007】
本発明の第2観点に係る搬送装置は、第1観点に係る搬送装置であって、姿勢切換部材が、被搬送物の進行方向と交差し、且つ水平搬送面と平行な方向に突出する。
【0008】
この搬送装置では、第1観点の効果を奏することに加えて、姿勢切換部材の動作が水平移動だけであり、その移動量は一つの電動シリンダまたは1つのサーボモータで制御可能であるので、構造が簡単で制御も容易である。
【0009】
本発明の第3観点に係る搬送装置は、第1観点または第2観点に係る搬送装置であって、制御部が、姿勢変換部材を第1状態にして被搬送物を待ち受けさせ、被搬送物が姿勢変換部材に当接する際、姿勢変換部材を第1状態よりさらに突出する状態へ移動させる。
【0010】
この搬送装置では、第1観点または第2観点の効果を奏することに加えて、姿勢変換部材を第1状態にして被搬送物を待ち受けさせるので、被搬送物の到達を見越して第1状態へ切り換えるよりも、姿勢変換部材の制御が容易である。
【0011】
本発明の第4観点に係る搬送装置は、第1観点または第2観点に係る搬送装置であって、制御部が、姿勢変換部材を第1状態にして被搬送物を待ち受けさせ、被搬送物が姿勢変換部材に当接する際、案内部材を搬送物から離れる方向に移動させる。この搬送装置では、第1観点または第2観点と同様の効果を奏する。
【0012】
本発明の第5観点に係る搬送装置は、第4観点に係る搬送装置であって、案内部材が、姿勢変形部材に近い側の端が搬送物から離れる方向に移動するように回動する。この搬送装置では、第4観点と同様の効果を奏する。
【0013】
本発明の第6観点に係る搬送装置は、第1観点から第5観点のいずれかに係る搬送装置であって、水平搬送面上の被搬送物の位置を検知するセンサをさらに備えている。制御部は、センサの検知信号から姿勢変換部材を動作させる時機を判断する。
【0014】
この搬送装置では、第1観点から第5観点のいずれかの効果を奏することに加えて、姿勢切換部材の動作タイミングの決定が容易である。
【0015】
本発明の第7観点に係る搬送装置は、第6観点に係る搬送装置であって、制御部が、被搬送物が姿勢変換部材に当接したとき、又は被搬送物が姿勢変換部材に当接した以降に、姿勢変換部材と案内部材とを相対移動させる。この搬送装置では、第6観点と同様の効果を奏する。
【0016】
本発明の第8観点に係る搬送装置は、第1観点から第7観点のいずれかに係る搬送装置であって、被搬送物が軟包装商品である。
【0017】
軟包装商品は姿勢変換部材と当接した際にコーナーが姿勢切換部材と案内部材との隙間に入り易い形状に変化するので、軟包装商品の包材が姿勢切換部材と案内部材との隙間に挟まれ回転することができなくなるという懸念があったが、軟包装商品の搬送用として、第1観点から第7観点のいずれかに係る搬送装置が適用されことによって、軟包装商品の姿勢を回転させる動作が確実に行なわれる。
【発明の効果】
【0018】
本発明の搬送装置では、被搬送物が第1状態の姿勢切換部材と当接して回転する際、姿勢切換部材と案内部材との隙間に近い側のコーナー先端が、その隙間に嵌り込もうとするが、被搬送物が姿勢変換部材に当接する際に姿勢変換部材と案内部材とを相対移動させるので、隙間に嵌り込もうとするコーナーが押し出され、被搬送物が回転できないという事態が回避される。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1A】本発明の一実施形態に係る搬送装置の平面図。
【図1B】図1Aに記載の姿勢切換部の突出体を突出させた搬送装置の平面図。
【図1C】図1Bに記載の姿勢切換部の突出体をさらに突出させた搬送装置の平面図。
【図2】搬送装置100の制御ブロック図。
【図3A】変形例に係る搬送装置の平面図。
【図3B】図3Aに記載の姿勢切換部の突出体を突出させた搬送装置の平面図。
【図3C】図3Bに記載のガイド部材を移動させた搬送装置の平面図。
【図4】搬送装置100を利用した箱詰装置の斜視図。
【図5A】包装物が集積用コンベアに落下した直後の後搬送装置の側面図。
【図5B】集積用コンベアが包装物を後退させた直後の後搬送装置の側面図。
【図5C】包装物が先行する包装物に寄りかかった直後の後搬送装置の側面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。なお、以下の実施形態は、本発明の具体例であって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0021】
(1)搬送装置100の構成
図1Aは、本発明の一実施形態に係る搬送装置100の平面図である。図1Aにおいて、搬送装置100は、第1コンベア101、第2コンベア102、ガイド部材110、姿勢切換部120、フォトセンサ130、及び制御部190(図2参照)を備えている。
【0022】
(1−1)第1コンベア101と第2コンベア102
第1コンベア101と第2コンベア102とは、搬送方向の上流から下流に向って連続して設けられており、Hx方向に包装物Bを搬送する。第1コンベア101及び第2コンベア102は、無端ベルトを有する構造である。なお、搬送装置100は、第1コンベア101を駆動する第1コンベア駆動部、及び第2コンベア102を駆動する第2コンベア駆動部をさらに備えているが、図1Aへの記載は省略している。
【0023】
(1−2)ガイド部材110
ガイド部材110は、第1コンベア101から第2コンベア102にかけてそれぞれの水平搬送面上に設けられている。なお、フォトセンサ130は、第2コンベア102の水平搬送面上に位置している。ガイド部材110は、包装物Bが所定の軌道に沿って進行するように案内を行う。
【0024】
(1−3)姿勢切換部120
姿勢切換部120は、ガイド部材110の下流側に隣接している。姿勢切換部120は、直方体形状の突出体121と、突出体駆動部123とを有している。なお、突出体駆動部123には、構造が簡単で制御も容易な、電動シリンダまたはサーボモータが採用される。
【0025】
図1Aに示すように、突出体121の突出方向側の鉛直面とガイド部材110の鉛直面とは同一鉛直面上に並ぶように配置された状態(以後、待機状態とよぶ)で、包装物Bの搬送が行われる。包装物Bは、ガイド部材110に沿ってHx方向に搬送される。
【0026】
図1Bは、図1Aに記載の姿勢切換部120の突出体121を突出させた搬送装置100の平面図である。図1Bにおいて、制御部190は、フォトセンサ130からの信号を受け、突出体駆動部123を介して突出体121を包装物の搬送軌道と交差するHy方向に第1所定距離d1だけ移動させる。これによって、突出体121が第2コンベア102の水平面上に現われる。この状態を突出状態とよぶ。
【0027】
突出体121の第1所定距離は、包装物Bの横幅(搬送方向と交差する方向の幅)の半分未満に設定されており、包装物Bの横幅の半分未満の領域と接触する。包装物Bの横幅の半分以上の領域はHx方向への移動を許容され、包装物Bの横幅の半分未満の領域は移動を阻害されたことによって、包装物BにはR方向に回転する回転モーメントが発生する。この結果、包装物Bの姿勢が90°反転を開始する。
【0028】
図1Cは、図1Bに記載の姿勢切換部120の突出体121をさらに突出させた搬送装置100の平面図である。制御部190は、突出体121が突出状態になった後、再び、突出体駆動部123を介して突出体121を突出させる。このとき第1所定距離d1よりも短い第2所定距離d2だけ突出させる。
【0029】
包装物Bが第1状態の突出体121と当接して回転する際、突出体121とガイド部材110の終端との隙間に近い側のコーナー先端が、その隙間に嵌り込もうとするが、突出体121が第1状態になった後に再び突出体121を第2所定距離d2だけ移動させることによって、その隙間に嵌り込もうとするコーナーが押し出される。
【0030】
(1−4)制御部190
図2は、搬送装置100の制御ブロック図である。図2において、制御部190は、第1コンベア駆動部101a、第2コンベア駆動部102a、突出体駆動部123、フォトセンサ130と電気的に接続されている。また、制御部190は、少なくともCPU191とメモリ193とを有している。
【0031】
制御部190は、オペレーターによって入力された包装物の商品データに応じた制御プログラムを選択する。具体的には、CPU191が、メモリ193に記録された制御プログラムを読み込み、フォトセンサ130からの信号に応じて、第1コンベア駆動部101a、第2コンベア駆動部102a、及び突出体駆動部123の動作を制御する。
【0032】
(2)搬送装置100の動作
図1Aにおいて、包装物Bは、ガイド部材110に沿って第1コンベア101の水平搬送面上をHx方向に搬送され、第2コンベア102の水平搬送面上に搬入される。包装物Bが、ガイド部材110の終端に到達する直前に、フォトセンサ130が包装物Bを検知し、検知信号を制御部190に送る。
【0033】
制御部190は、フォトセンサ130からの信号を受け、突出体駆動部123を駆動して、図1Bに示すように突出体121を待機状態からHy方向に第1所定距離d1だけ移動させて突出状態に切り換える。その結果、突出体121は、包装物Bの横幅の半分未満の領域と当たり、包装物BをR方向に回転させる。
【0034】
このとき、制御部190は、再び、突出体駆動部123を駆動して、図1Cに示すように突出体121をHy方向に第2所定距離d2だけ移動させる。その結果、包装物BはR方向に回転しながらHy方向に押し出される。
【0035】
したがって、仮に、包装物Bの包材のコーナーが、突出体121とガイド部材110の終端との隙間に嵌り込みそうになっていても、突出体121が包装物Bをその隙間から離れるように押し出すので、包装物BのR方向の回転が阻害されることはない。
【0036】
(3)特徴
(3−1)
搬送装置100では、制御部190は、包装物Bが突出状態の突出体121と当接して回転する際、突出体121を包装物Bの搬送方向と交差する方向に水平に移動させるので、包装物Bのコーナーが突出体121とガイド部材110との隙間に嵌り込むことが防止される。その結果、包装物Bが回転できないという事態が回避される。特に、軟包装商品はコーナーが突出体121とガイド部材110との隙間に嵌り込み易いので、その効果は格別である。
【0037】
(3−2)
また、搬送装置100では、制御部190が突出体121を突出状態にして包装物Bを待ち受けさせるので、包装物Bの到達を見越して突出状態へ切り換えるよりも、突出体121の制御が容易である。
【0038】
(3−3)
さらに、搬送装置100では、制御部190は、フォトセンサ130によって包装物Bの位置を検知させ、突出体121を動作させる時機を判断しているので、動作時機の決定が容易である。したがって、制御部190は、搬送物Bが突出体121に当たったとき、又は包装物Bが突出体121に当たった以降に、突出体121とガイド部材110とを相対移動させることができる。
【0039】
(4)変形例
上記実施形態では、制御部190は、包装物Bが突出状態の突出体121と当接して回転する際、突出体121を包装物Bの搬送方向と交差する方向に水平に移動させているが、それに限定されるものではない。
【0040】
図3Aは、変形例に係る搬送装置100の平面図である。また、図3Bは、図3Aに記載の姿勢切換部120の突出体121を突出させた搬送装置100の平面図である。また、図3Cは、図3Bに記載のガイド部材110を移動させた搬送装置100の平面図である。図3A〜図3Cにおいて、搬送装置100は、ガイド部材駆動部113をさらに備えている。ガイド部材駆動部113は、ガイド部材110を包装物Bの搬送方向と直交する方向へ水平に移動させることができる。他の構成については、上記実施形態と同様であるので、以下、変形例の動作についてのみ説明する。
【0041】
図3Aにおいて、包装物Bは、ガイド部材110に沿って第1コンベア101の水平搬送面上をHx方向に搬送され、第2コンベア102の水平搬送面上に搬入される。包装物Bが、ガイド部材110の終端に到達する直前に、フォトセンサ130が包装物Bを検知し、検知信号を制御部190に送る。
【0042】
図3Bにおいて、制御部190は、フォトセンサ130からの信号を受け、突出体駆動部123を駆動して突出体121を待機状態からHy方向に第1所定距離d1だけ移動させて突出状態に切り換える。その結果、突出体121は、包装物Bの横幅の半分未満の領域と当たり、包装物BをR方向に回転させる。
【0043】
このとき、図3Cにおいて、制御部190は、ガイド部材駆動部113を介してガイド部材110をHs方向に第2所定距離d2だけ移動させる。その結果、仮に、包装物Bの包材のコーナーが、突出体121とガイド部材110の終端との隙間に嵌り込みそうになっていても、ガイド部材110が包装物Bから離れることによって、その隙間が包装物Bから遠ざかるので、包装物BのR方向の回転が阻害されることはない。
【0044】
なお、ガイド部材110は必ずしも水平に平行移動させる必要はなく、例えば、ガイド部材110のうち突出体121に近い側の端が包装物Bから離れる方向に移動するように回動させても、上記と同様の効果を奏することができる。
【0045】
(5)搬送装置100の箱詰装置1への適用例
(5−1)箱詰装置1の構成と動作
図4は、搬送装置100を利用した箱詰装置1の斜視図である。図4において、箱詰装置1は、前搬送装置10、搬送装置100、後搬送装置200、および箱搬送装置300を含んでいる。搬送装置100については、既に説明済みであるので、ここでは説明を省略する。
【0046】
前搬送装置10は、前コンベア11と、前コンベア上に配置されるシールチェッカ50を有している。箱詰装置1の上流側には包装機(図示せず)が据え付けられており、包装機で包装された包装物Bが前コンベア11に搬入され、シールチェッカ50でシール性の検査が行なわれる。
【0047】
後搬送装置200及び箱搬送装置300は、搬送装置100の下方に設けられている。後搬送装置200は、傾斜角度を変更することができる。複数の包装物Bは、連続して前搬送装置10を経由して、搬送装置100に搬入され、その後、後搬送装置200へ搬出される。
【0048】
後搬送装置200は、落下用コンベア201、集積用コンベア202、水平コンベア203を有している。
【0049】
包装物群Bの第1番目の包装物B1が落下用コンベア201から集積用コンベア202に落下したとき、包装物B1は横倒し姿勢になる。第2番目の包装物B2以降は、後搬送装置200に既に落下された包装物B1に寄りかかり立姿勢となり、水平コンベア203によって順次、箱500の上方まで搬送される。包装物B1,B2・・B5は、姿勢制御板(図示せず)立姿勢に整列された後、図3Bの奥方向に押し出される。
【0050】
続いて、包装物B6,B7は、連続して前搬送装置10を経由して、搬送装置100に搬入され、搬送装置100の第2コンベア102上を搬送されている途中に姿勢切換部120によって長手方向を搬送方向に向けた姿勢から、横幅方向を搬送方向に向けた姿勢に切り換えられる。
【0051】
その後、後搬送装置200に搬入され、包装物B1,B2・・・B5と、それらと姿勢が異なる包装物B6,B7が集積され、下方に設けられた箱500内に投入される。
【0052】
なお、包装物Bの長手方向の寸法が、落下用コンベア201の終端と集積用コンベア202との鉛直距離より大きい場合、包装物Bが落下用コンベア201の終端と集積用コンベア202との間に跨る可能性がある。それを防止する方法について、以下図面を参照しながら説明する。
【0053】
図5Aは、包装物Bが集積用コンベアに落下した直後の後搬送装置200の側面図である。また、図5Bは、集積用コンベアが包装物Bを後退させた直後の後搬送装置200の側面図である。図5Cは、包装物Bを先行する包装物Bに寄りかかった直後の後搬送装置200の側面図である。
【0054】
図5A、図5B及び図5Cにおいて、[包装物Bの長手方向の寸法L≧落下用コンベア201の終端と集積用コンベア202との鉛直距離V]となる包装物Bに対しては、包装物Bが集積用コンベア202に到達したときに、集積用コンベア202に後退動作(図5Bの矢印方向)を行なわせている。集積用コンベア202はサーボモータによって駆動されているので、後退動作は容易である。これによって、包装物Bは落下用コンベア201の終端と集積用コンベア202との間に跨ることなく、直前の包装物Bと集積されるようになる。
【0055】
また、図4において、箱詰装置1の箱500がなくなったとき、上流側の包装機では包装物が生産されているので、制御部190は、箱500の有無をセンサで検知し、箱500がないと判定したとき、箱詰装置1内に蓄えることができる包装物Bの数量qを計算し、包装機が包装物Bをq個生産した時点で包装機を停止している。
【0056】
この制御によって、包装機で包装物Bが無駄なく生産され、且つ、箱詰装置1内には無駄なく包装物Bが蓄えられるので、運転再開時に素早く復帰することできる。
【産業上の利用可能性】
【0057】
以上のように本発明によれば、物品を水平に回転させて姿勢を変える機器に有用である。
【符号の説明】
【0058】
100 搬送装置
101 第1コンベア
102 第2コンベア
110 ガイド部材(案内部材)
120 姿勢切換部
121 突出体(姿勢切換部材)
130 フォトセンサ
190 制御部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0059】
【特許文献1】特開2011−116464号公報
【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平搬送面を有するコンベアと、
前記水平搬送面上を移動する被搬送物の進行方向側の一部と干渉するように突出する第1状態と、前記被搬送物の搬送軌道上から外れる第2状態とに切り換え可能な姿勢切換部材と、
前記姿勢切換部材よりも前記進行方向上流側において前記被搬送物を前記進行方向に沿って案内する案内部材と、
少なくとも前記姿勢切換部材の前記第1状態と前記第2状態との切り換え動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記被搬送物が前記姿勢変換部材に当接する際、前記姿勢変換部材と前記案内部材とを相対移動させる、
搬送装置。
【請求項2】
前記姿勢切換部材は、被搬送物の前記進行方向と交差し、且つ前記水平搬送面と平行な方向に突出する、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記姿勢変換部材を前記第1状態にして前記被搬送物を待ち受けさせ、前記被搬送物が前記姿勢変換部材に当接する際、前記姿勢変換部材が前記第1状態よりさらに突出する状態へ移動させる、
請求項1又は請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記姿勢変換部材を前記第1状態にして前記被搬送物を待ち受けさせ、前記被搬送物が前記姿勢変換部材に当接する際、前記案内部材を前記搬送物から離れる方向に移動させる、
請求項1又は請求項2に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記案内部材は、前記姿勢変形部材に近い側の端が前記搬送物から離れる方向に移動するように回動する、
請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記水平搬送面上の前記被搬送物の位置を検知するセンサをさらに備え、
前記制御部は、前記センサの検知信号から前記姿勢変換部材を動作させる時機を判断する、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記被搬送物が前記姿勢変換部材に当接したとき、又は前記被搬送物が前記姿勢変換部材に当接した以降に、前記姿勢変換部材と前記案内部材とを相対移動させる、
請求項6に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記被搬送物が、軟包装商品である、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項1】
水平搬送面を有するコンベアと、
前記水平搬送面上を移動する被搬送物の進行方向側の一部と干渉するように突出する第1状態と、前記被搬送物の搬送軌道上から外れる第2状態とに切り換え可能な姿勢切換部材と、
前記姿勢切換部材よりも前記進行方向上流側において前記被搬送物を前記進行方向に沿って案内する案内部材と、
少なくとも前記姿勢切換部材の前記第1状態と前記第2状態との切り換え動作を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記被搬送物が前記姿勢変換部材に当接する際、前記姿勢変換部材と前記案内部材とを相対移動させる、
搬送装置。
【請求項2】
前記姿勢切換部材は、被搬送物の前記進行方向と交差し、且つ前記水平搬送面と平行な方向に突出する、
請求項1に記載の搬送装置。
【請求項3】
前記制御部は、前記姿勢変換部材を前記第1状態にして前記被搬送物を待ち受けさせ、前記被搬送物が前記姿勢変換部材に当接する際、前記姿勢変換部材が前記第1状態よりさらに突出する状態へ移動させる、
請求項1又は請求項2に記載の搬送装置。
【請求項4】
前記制御部は、前記姿勢変換部材を前記第1状態にして前記被搬送物を待ち受けさせ、前記被搬送物が前記姿勢変換部材に当接する際、前記案内部材を前記搬送物から離れる方向に移動させる、
請求項1又は請求項2に記載の搬送装置。
【請求項5】
前記案内部材は、前記姿勢変形部材に近い側の端が前記搬送物から離れる方向に移動するように回動する、
請求項4に記載の搬送装置。
【請求項6】
前記水平搬送面上の前記被搬送物の位置を検知するセンサをさらに備え、
前記制御部は、前記センサの検知信号から前記姿勢変換部材を動作させる時機を判断する、
請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の搬送装置。
【請求項7】
前記制御部は、前記被搬送物が前記姿勢変換部材に当接したとき、又は前記被搬送物が前記姿勢変換部材に当接した以降に、前記姿勢変換部材と前記案内部材とを相対移動させる、
請求項6に記載の搬送装置。
【請求項8】
前記被搬送物が、軟包装商品である、
請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の搬送装置。
【図1A】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図1B】
【図1C】
【図2】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【公開番号】特開2013−39993(P2013−39993A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−176837(P2011−176837)
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月12日(2011.8.12)
【出願人】(000147833)株式会社イシダ (859)
【Fターム(参考)】
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