説明

携帯収容ケース、ケース付き収納袋及び袋

【課題】 柔軟な素材で作られた袋を収容するものであって、携帯性、ファッション性及び使用性に富む携帯収容ケースを提供する。
【解決手段】 本発明の携帯収容ケース1は、細長い開口部61を有した中空の収容ケース10と、収容ケース10の内部に回動可能に設けられた巻き取り部21と、収容ケース10の外部に配置され、巻き取り部21に回転力を伝達するハンドル部31と、一端が巻き取り部21に取り付けられ、他端が収容ケース10の開口部61に達する長さに形成された引き出し部41と、引き出し部41の他端に設けられたケース側係止部45と、を備え、引き出し部41のケース側係止部45に袋5の袋側係止部51を着脱可能に接続し、ハンドル部31を操作して巻き取り部21を回転させることで袋5を収容ケース10内に収容可能とし、袋5の一部を持って収容ケース10の外部に引き出すことで取り出し可能とされている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、柔軟な素材で作られた袋を収容する携帯収容ケース、又は、ケース付き収納袋と、これらのケースに収容される袋と、に関する。
【背景技術】
【0002】
スーパーマーケットやコンビニエンスストア等で買い物をしたとき、レジで袋を渡される。このレジ袋は一度使用した後に様々な用途で再利用できるが、一度広げた後は折り畳むのが面倒である。また、近年、環境保全の問題からこのようなレジ袋の代わりに、エコバックなどと称呼される袋が使用されている。このエコバックは、環境保全の側面から非常に優れたものであるが、レジ袋と同様に使用後に折り畳むのが面倒であった。特開2006―280871号公報(特許文献1)では、このような使用後の袋を折り畳むのに用いるクリップの提案がなされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2006−280871号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述した袋を折り畳むクリップは、使用後の袋を折り畳むのに非常に便利であるが、折り畳むことにのみ着目されているため、折り畳んだ後の携帯性やファッション性については考慮されていない。一方、近年は多くの人の環境保全に対しての意識が高まるにつれてエコバックを使用する人が増えており、今後もエコバックを使用する人が増えることが期待される。そして、今後の更なるエコバックの発展のためには、エコバックの携帯性やファッション性が求められることとなる。すなわち、現在のエコバックは、袋の模様等、袋自体の外観に関して非常にファッション性が高くなっており、また、畳んだ状態での携帯性に関しても発展しつつあるが、携帯性と、折り畳んだ状態でのファッション性と、さらに、使用後に容易に折り畳むことができるといった使用性と、のすべての条件を満たすものは限られている。
【0005】
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、環境保全に貢献するため、柔軟な素材で作られた袋を収容するものであって、携帯性、ファッション性及び使用性に富む携帯収容ケース、又は、ケース付き収納袋と、これらのケースに収容される袋と、を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の携帯収容ケースは、柔軟な素材で作られた袋を収容する携帯収容ケースであって、細長い開口部を有した中空の収容ケースと、該収容ケースの内部に回動可能に設けられた巻き取り部と、前記収容ケースの外部に配置され、前記巻き取り部に回転力を伝達するハンドル部と、一端が前記巻き取り部に取り付けられ、少なくとも他端が前記収容ケースの開口部に達する長さに形成された引き出し部と、該引き出し部の前記他端に設けられたケース側係止部と、を備え、前記開口部を介して前記引き出し部を引き出し、前記袋に設けられた袋側係止部を前記ケース側係止部に着脱可能に接続し、前記ハンドル部を操作して前記巻き取り部を回転させることによって前記柔軟な素材で作られた袋を前記引き出し部によって前記収容ケースの内部に誘導し前記巻き取り部の周りに巻き込んで前記収容ケース内に収容し、前記柔軟な素材で作られた袋の一部を持って前記収容ケースの外部に引き出し、前記ケース側係止部と袋側係止部との接続を分離することによって前記袋を前記収容ケースから取り出し可能にしたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明のケース付き収納袋は、細長い開口部を有した中空の収容ケースと、該収容ケースの内部に回動可能に設けられた巻き取り部と、前記収容ケースの外部に配置され、前記巻き取り部に回転力を伝達するハンドル部と、一端が前記巻き取り部に取り付けられ、少なくとも他端が前記収容ケースの開口部に達する長さに形成された引き出し部と、該引き出し部の前記他端に設けられたケース側係止部と、該ケース側係止部に対応して設けられた係止部を備え柔軟な素材で作られた袋と、を含み、前記開口部を介して前記引き出し部を引き出し、前記袋に設けられた袋側係止部を前記ケース側係止部に着脱可能に接続し、前記ハンドル部を操作して前記巻き取り部を回転させることによって前記柔軟な素材で作られた袋を前記引き出し部によって前記収容ケースの内部に誘導し前記巻き取り部の周りに巻き込んで前記収容ケース内に収容し、前記柔軟な素材で作られた袋の一部を持って前記収容ケースの外部に引き出し、前記ケース側係止部と袋側係止部との接続を分離することによって前記袋を前記収容ケースから取り出し可能にしたことを特徴とする。
【0008】
さらに、本発明における前記収容ケースとともに使用されるように構成された袋は、前記係止部が前記柔軟な素材で作られた袋の底部中央部に設けられ、前記底部中央部から前記収容ケース内に誘導され巻き込まれることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の携帯収容ケースは、柔軟な素材で作られた袋を収容する携帯収容ケースであって、胴部と該胴部に対し回動可能に構成された回動端部とを含み、前記胴部と前記回動端部を含む外形が長球形状に形成された外殻と、前記胴部内部に設けられた中空収容空間と、前記胴部における外殻に設けられ、前記長球の長軸方向に延長する細長い開口部と、前記長球の長軸方向を軸として回動可能に前記中空収容空間内に配置され、前記回動端部に加わる回転力によって回動可能に構成された巻き取り部と、一端が前記巻き取り部に取り付けられ、他端が前記開口部に達する長さに形成された引き出し部と、前記引き出し部の前記他端に設けられた引き出し係止部と、を備え、前記袋の収容時においては、前記開口部を介して前記引き出し部を引き出し、前記袋に設けられた係止部を前記引き出し係止部に着脱可能に接続し、前記回動端部を操作して前記巻き取り部を回転させて前記柔軟な素材で作られた袋を前記引き出し部によって前記中空収容空間内に誘導し、前記巻き取り部の周りに巻き込んで前記胴部内に収容し、前記袋の取り出し時においては、前記柔軟な素材で作られた袋の一部を持って前記収容空間から外部に引き出し、前記袋の係止部を前記引き出し係止部から分離することによって前記袋を前記収容ケースから取り出し可能にしたことを特徴とする。
【0010】
そして、本発明の携帯収容ケースは、前記長球形状に形成された外殻の前記回動端部とは反対側の端部に設けられたホルダーをさらに備えてなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、柔軟な素材で作られた袋を収容するものであって、携帯性、ファッション性及び使用性に富む携帯収容ケース、又は、ケース付き収納袋と、これらのケースに収容される袋と、を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施例に係る携帯収容ケースの正面図及び背面図である。
【図2】本発明の実施例に係る携帯収容ケースの断面模式図である。
【図3】本発明の実施例に係る携帯収容ケースの分解斜視図である。
【図4】袋を携帯収容ケースに収容する場合の使用方法に関する説明図である。
【図5】携帯収容ケースから袋を取り出す場合の使用方法に関する説明図である。
【図6】本発明の実施例に係る携帯収容ケースの携帯方法に関する説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための形態について述べる。本実施形態の携帯収容ケース1は、柔軟な素材で作られた袋5を収容する携帯収容ケース1であって、図1乃至図3に示すように、細長い開口部61を有した中空の収容ケース10と、収容ケース10の内部に回動可能に設けられた巻き取り部21と、収容ケース10の外部に配置され、巻き取り部21に回転力を伝達するハンドル部31と、一端が巻き取り部21に取り付けられ、少なくとも他端が収容ケース10の開口部61に達する長さに形成された引き出し部41と、引き出し部41の他端に設けられたケース側係止部45と、を備える。
【0014】
そして、携帯収容ケース1は、図4に示すように、開口部61を介して引き出し部41を引き出し、袋5に設けられた袋側係止部51をケース側係止部45に着脱可能に接続し、ハンドル部31を操作して巻き取り部21を回転させることによって柔軟な素材で作られた袋5を引き出し部41によって収容ケース10の内部に誘導し巻き取り部21の周りに巻き込んで収容ケース10内に収容可能とされている。また、携帯収容ケース1は、図5に示すように、柔軟な素材で作られた袋5の一部を持って収容ケース10の外部に引き出し、ケース側係止部45と袋側係止部51との接続を分離することによって袋5を収容ケース10から取り出し可能とされている。
【実施例】
【0015】
以下、本発明の実施例に係る携帯収容ケースについて図に基づいて詳説する。図1は、本実施例に係る携帯収容ケース1の正面図及び背面図であり、図2は、この携帯収容ケース1の断面図であり、図3は、携帯収容ケース1の分解斜視図である。
【0016】
本実施例の携帯収容ケース1は、図1に示すように、外観が略卵形あるいは略回転楕円形(以下総称して、長球形という)に形成されており、柔軟な素材で作られた袋5を収容ケース10内に収容した状態で携帯可能な用具である。以下、携帯収容ケース1における径が大きな凸部側、つまり、図1(a)におけるハンドル部31が位置する方向を下、携帯収容ケース1における径が小さな凸部側、つまり、図1(a)におけるホルダー7が位置する方向を上として述べる。
【0017】
携帯収容ケース1は、図1乃至図3に示すように、細長い開口部61を有した中空の収容ケース10と、収容ケース10の内部に回動可能に設けられた巻き取り部21と、収容ケース10の外部下方に配置されたハンドル部31と、一端が巻き取り部21に取り付けられ、他端が自由端とされた引き出し部41と、を備える。そして、この携帯収容ケース1は、引き出し部41に袋5が接続された状態で巻き取り部21がハンドル部31に付勢されて回転することにより、収容ケース10内に袋5を収容可能とする。すなわち、携帯収容ケース1の外殻は、胴部とこの胴部に対し回動可能に構成された回動端部とを含み、胴部と回動端部を含む外形が長球形に形成されている。
【0018】
収容ケース10は、内側を中空収容空間とする長球形の部材であり、樹脂等によって形成され、下方に平面状の下面板65を有している。また、球面と下面板65との境界部分には、球面の下端縁から下面板65の外周縁に向かって、すなわち、球面の下端縁から内側に向かって断面鉤型の段差62が形成されており、これにより収容ケース10の下端部分は絞り込まれた形状とされている。この収容ケース10は、第一ケース11及び第二ケース12からなり、第一ケース11と第二ケース12との夫々の縁部が対向した状態で係合され、2つのケース11,12が螺子90で固定されることにより中空で長球形に形成されている。
【0019】
この第一ケース11と第二ケース12は、断面が半円形状であって略対称形状とされている。そして、第一ケース11及び第二ケース12は、下端に収容ケース10の下面板65を形成する半円状の平板を有し、上端近傍の内側にも下面板65と平行な半円状の上板66を有している。この下面板65及び上板66の(第一ケース11及び第二ケース12が係合された状態での)中心には、軸穴67,68が夫々形成されている。さらに、下面板65には、軸穴67の周縁から下方に突出するように、軸穴67と同心円である円筒壁69が形成されている。また、第一ケース11の下面板65の上方近傍及び上板66の下方近傍には、夫々2本ずつ円筒形状の螺子受け71が形成されている。
【0020】
さらに、第二ケース12の側面(球面)には、袋5が入出する窓である開口部61が形成されている。この開口部61は、下面板65の上方近傍から上板66の下方近傍まで延在し、角丸で上下方向に長い略長方形状である。そして、開口部61は、この開口部61の上下方向と平行な中心線が第二ケース12の球面を上下方向に二分する中心線と重なるように、すなわち、胴部における外殻において長球の長軸方向に延長するように形成されている。また、開口部61の縁部は、角が立たないように内側に折り返されている。さらに、第二ケース12は、開口部61の角部近傍であって、第一ケース11の螺子受け71と重合する位置に螺子90が貫入される円柱形状の溝72が形成されている。
【0021】
巻き取り部21は、収容ケース10の内部に回動可能に設けられて袋5を巻き取る部位であり、ボビン22と、ボビン22の軸棒23との間で後述の係止部材42を挟持する挟持板30と、から形成されている。このボビン22は、上下方向に延在する軸棒23と、軸棒23の上下端部に垂直に連結された下円板24及び上円板25と、を備える。また、下円板24の下面中心部には、下方に突出する下軸27が形成され、上円板25の上面中心部には、上方に突出する上軸28が形成されている。
【0022】
そして、ボビン22は、下円板24が収容ケース10の下面板65近傍であって段差62の内方に位置し、上円板25が収容ケース10の上板66の近傍に位置するように収容ケース10内に配置されており、各軸27,28が下面板65及び上板66の軸穴67,68に軸着されている。また、下円板24と下面板65との間には、スペーサーリング29が配置されている。なお、ボビン22の下軸27は、円柱形状の基部27aと、基部27aの曲面の一部を上下方向に平面状に切り欠いた連結部27bと、を備える。そして、この下軸27は、ボビン22が収容ケース10に装着されている状態では、収容ケース10の下面板65から少なくとも連結部27bが突出しており、この連結部27bにハンドル部31が連結されている。また、下軸27には、下端面から基部27aまでを刳り貫くように係止穴27cが形成されている。
【0023】
軸棒23は、上下方向に延在する略長方形状の平板23aと、この平板23aにおける上下方向に延在する中心線上から立設する立設板23bと、を備える。そして、軸棒23には、挟持板30との間で螺子止めされる2つの螺子穴23cが、立設板23bから平板23aまでを貫通するように、平板23aに対して垂直に形成されている。
【0024】
挟持板30は、上下方向に延在する略長方形状の平板であり、短方向の長さは軸棒23の平板23aと略同一であって、長方向の長さは軸棒23の平板23aよりも短く形成されている。そして、挟持板30は、軸棒23の螺子穴23cと重合する位置に2つの螺子穴30aを有している。
【0025】
ハンドル部31は、外殻における回動端部をなし、本実施例の携帯収容ケース1において袋5を巻き取るときに操作部材として機能する部位であり、上方を開口とする碗型のハンドル32によって形成されている。このハンドル32は、内面の中心部にボビン22の下軸27が軸着される略円筒形状の軸受け部33が立設され、この軸受け部33の周縁を覆うように円筒形状の支持部34が立設されている。この軸受け部33は、ハンドル32の下端面まで貫通するように形成されている。また、支持部34は、軸受け部33と同心円の円筒形状であり、上端部が軸受け部33の上端よりも上方に突出するように形成されている。
【0026】
そして、ハンドル32は、軸受け部33がボビン22の下軸27に軸支され、かつ、支持部34が収容ケース10の円筒壁69の周縁を覆った状態で、ハンドル32の開口部分で収容ケース10の下面板65を覆うように収容ケース10の下方に装着されている。すなわち、ハンドル32の上端縁は、収容ケース10の段差62の外方に位置しており、ハンドル32が収容ケース10の下方に装着されることで、携帯収容ケース1の外形状が長球形となる。そして、ハンドル32は、軸受け部33がボビン22の下軸27に軸支された状態で、ビス92がハンドル32を介してボビン22の下軸27の係止穴27cに係止することによりボビン22に固定されている。
【0027】
また、ハンドル32と収容ケース10との間にはコイルバネ81が配置されている。このコイルバネ81は、軸受け部33を巻装するように下端がハンドル32に係着され、上端が収容ケース10の円筒壁69の内側に貫入した状態で収容ケース10の下面板65に係着されている。すなわち、コイルバネ81は、ハンドル32を操作する場合に収容ケース10とハンドル32との間でクッション材として機能する。また、袋5の巻き取り時にハンドル32を開放すると袋5の弾性力(折り畳まれる袋5が広がろうとする力)によってボビン22を逆転させようとする力が働くが、コイルバネ81がハンドル32及び収容ケース10の下面板65と係着しているため、コイルバネ81とハンドル32及び収容ケース10との間にボビン22の逆転を抑止する摩擦力が働く。すなわち、コイルバネ81は、逆転抑止部材としても機能する。
【0028】
なお、本実施例の携帯収容ケース1のハンドル32は、下端近傍も曲面形状に形成されているが、自立可能にするために下端を平面形状に構成してもよい。また、ハンドル32の外面に、ハンドル32を回転させるときに指等が係り易くなるよう、滑り止めとして複数の突出部を設けてもよい。また、この滑り止めとしての複数の突出部を下方に突出させて、自立用のスタンドを形成してもよい。
【0029】
引き出し部41は、袋5と係止することにより、袋5を収容ケース10内に引き込む役目をする部位であり、柔軟な素材で作られた係止部材42によって形成されている。この係止部材42は、所定の一端がボビン22の軸棒23と挟持板30との間に挟持され、かつ、螺子90によって巻き取り部21(ボビン22)に取り付けられており、他端が自由端とされている。また、係止部材42は、少なくともボビン22の軸棒23から収容ケース10の開口部61まで達する長さに形成されており、開口部61から外方に突出する長さに形成することが好ましい。さらに、係止部材42の自由端近傍には、であるケース側係止部45(引き出し係止部)として面ファスナーが取り付けられている。
【0030】
袋5は、柔軟な素材で生成された袋であり、レジ袋の代わりに用いられるエコバックと称されるものである。そして、袋5の下端縁近傍には、係止部材42のケース側係止部45と係止する袋側係止部51としての面ファスナーが取り付けられている。また、袋5の外表面には、キャラクターや花柄、あるいは、その他の装飾模様が施されている。
【0031】
そして、上述した係止部材42も袋5に施された模様と統一感を醸し出す模様が施され、さらに、収容ケース10の外表面にも同様に、袋5に施された模様と統一感を醸し出す模様が施されている。また、収容ケース10の上端部、すなわち、外殻における回動端部と反対側の位置には、本実施例の携帯収容ケース1をキーホルダーとして使用する場合の懸架部材となるホルダー7が取り付けられている。
【0032】
次に、このような構成とされた携帯収容ケース1の使用方法について述べる。図4は、袋5を携帯収容ケース1に収容する場合の使用方法に関する説明図であり、図5は、携帯収容ケース1から袋5を取り出す場合の使用方法に関する説明図である。まず、図4(a)に示すように、収容ケース10の開口部61から係止部材42を突出させるように引き出し、袋5の袋側係止部51を係止部材42のケース側係止部45に係止させて袋5を係止部材42に接続する。この状態で、図4(b)に示すように、ハンドル32を操作して一方向に回転させることによりボビン22を回転させると、図4(b)及び図4(c)に示すように、袋5が係止部材42の内部に誘導されて、軸棒23の周りに巻き込まれ、軸棒23に巻装される。袋5が、図4(d)に示すように、収容ケース10内に完全に収容された後、ハンドル32の回転を停止させると袋5の収容動作が終了となる。
【0033】
一方、携帯収容ケース1に収納された袋5を取り出す場合には、図5(a)に示すように、収容ケース10の開口部61から指を挿入して袋5の一部を把持し、図5(b)に示すように、外方に向かって袋5を引っ張ると、ボビン22が巻き取り方向とは逆方向に回転するため袋5を開口部61から引き出すことができる。そして、袋5を完全に引き出した後、図5(c)に示すように、袋5の袋側係止部51と係止部材42のケース側係止部45との接続を分離することで袋5を携帯収容ケース1から取り出すことができる。
【0034】
図6は、携帯収容ケース1の携帯方法に関する説明図である。袋5が収容された状態の携帯収容ケース1は、図6(a)に示すように、手持ちのバック等の把持部にホルダー7を懸架することでキーホルダーとしてぶら下げて携帯することができる。さらに、袋5を引き出した後の携帯収容ケース1は、図6(b)に示すように、袋5の把持部にホルダー7を懸架することでキーホルダーとしてぶら下げることで携帯することができる。
【0035】
このように本実施例の携帯収容ケース1は、ハンドル32を回転させるだけで使用後のエコバックを容易に収容することができる。よって、環境保全の観点からエコバックを使用する人に対して、使用性の高い用具を提供することができる。また、携帯収容ケース1は、キャラクターや花柄、あるいは、その他の模様等が施されておりファッション性が高いため、今までエコバックに興味を持っていなかった新たな層にエコバックを普及させることができる。さらに、携帯収容ケース1は、キーホルダーとして使用でき、出かけるときに鞄等にぶら下げて持ち運ぶことができるため、携帯性に優れた携帯収容ケース1を提供できることとなる。
【0036】
また、本実施例の携帯収容ケース1は、ハンドル32を手動で回転させて袋5を収容ケース10内に収容するという構成であるため、回転を自動化させたもの等と比較して少ない部品点数で製造することができ、製造コストの削減、製造時間の短縮が図れるとともに、部品点数の少なさから環境保全も実現することができる。さらに、部品点数が少ないため、小型化及び軽量化が可能であり、これにより、ファッション性及び携帯性に優れた携帯収容ケース1を提供できることとなる。また、構造がシンプルであるため、故障等も少なく、使用性の高い、高品質な携帯収容ケース1を容易に提供できる。
【0037】
さらに、袋5と、係止部材42と、収容ケース10と、に統一性を持たせた模様等を描くことにより、ファッション性や意匠性に優れた携帯収容ケース1を提供できる。また、携帯収容ケース1が長球形であるため、袋5を巻き取るときに最も厚みが出る部分である、軸棒23の上下方向の中心部分近傍が最も広い収容空間を有することとなるため、小型の携帯収容ケース1で大型の袋5を収容できることとなる。
【0038】
なお、ケース側係止部45と袋側係止部51を面ファスナーによって形成しているが、これに限定されるものではなく、ボタンやその他の係止部材を用いることも当然可能であるも、既に使用しているエコバックがある場合には、当該エコバックに面ファスナーを取り付けるだけで携帯収容ケース1内に収容できることとなるため、面ファスナーを使用することが好適である。
【0039】
また、本実施例では、袋5を収容可能な携帯収容ケース1について述べているが、袋5と携帯収容ケース1とから構成されるケース付き収納袋を提供することもできる。そして、本発明は、以上の実施例に限定されるものでなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で自由に変更、改良が可能である。
【符号の説明】
【0040】
1 携帯収容ケース 5 袋
7 ホルダー 10 収容ケース
11 第一ケース 12 第二ケース
21 巻き取り部 22 ボビン
23 軸棒 23a 平板
23b 立設板 23c 螺子穴
24 下円板 25 上円板
27 下軸 27a 基部
27b 連結部 27c 係止穴
28 上軸 29 スペーサーリング
30 挟持板 30a 螺子穴
31 ハンドル部 32 ハンドル
33 軸受け部 34 支持部
41 引き出し部 42 係止部材
45 ケース側係止部 51 袋側係止部
61 開口部 62 段差
65 下面板 66 上板
67,68 軸穴 69 円筒壁
71 螺子受け
72 溝 81 コイルバネ
90 螺子 92 ビス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
柔軟な素材で作られた袋を収容する携帯収容ケースであって、
細長い開口部を有した中空の収容ケースと、
該収容ケースの内部に回動可能に設けられた巻き取り部と、
前記収容ケースの外部に配置され、前記巻き取り部に回転力を伝達するハンドル部と、
一端が前記巻き取り部に取り付けられ、少なくとも他端が前記収容ケースの開口部に達する長さに形成された引き出し部と、
該引き出し部の前記他端に設けられたケース側係止部と、
を備え、
前記開口部を介して前記引き出し部を引き出し、前記袋に設けられた袋側係止部を前記ケース側係止部に着脱可能に接続し、前記ハンドル部を操作して前記巻き取り部を回転させることによって前記柔軟な素材で作られた袋を前記引き出し部によって前記収容ケースの内部に誘導し前記巻き取り部の周りに巻き込んで前記収容ケース内に収容し、前記柔軟な素材で作られた袋の一部を持って前記収容ケースの外部に引き出し、前記ケース側係止部と袋側係止部との接続を分離することによって前記袋を前記収容ケースから取り出し可能にしたことを特徴とする携帯収容ケース。
【請求項2】
細長い開口部を有した中空の収容ケースと、該収容ケースの内部に回動可能に設けられた巻き取り部と、前記収容ケースの外部に配置され、前記巻き取り部に回転力を伝達するハンドル部と、一端が前記巻き取り部に取り付けられ、少なくとも他端が前記収容ケースの開口部に達する長さに形成された引き出し部と、該引き出し部の前記他端に設けられたケース側係止部と、該ケース側係止部に対応して設けられた係止部を備え柔軟な素材で作られた袋と、を含み、
前記開口部を介して前記引き出し部を引き出し、前記袋に設けられた袋側係止部を前記ケース側係止部に着脱可能に接続し、前記ハンドル部を操作して前記巻き取り部を回転させることによって前記柔軟な素材で作られた袋を前記引き出し部によって前記収容ケースの内部に誘導し前記巻き取り部の周りに巻き込んで前記収容ケース内に収容し、前記柔軟な素材で作られた袋の一部を持って前記収容ケースの外部に引き出し、前記ケース側係止部と袋側係止部との接続を分離することによって前記袋を前記収容ケースから取り出し可能にしたことを特徴とするケース付き収納袋。
【請求項3】
前記係止部が前記柔軟な素材で作られた袋の底部中央部に設けられ、前記底部中央部から前記収容ケース内に誘導され巻き込まれることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の前記収容ケースとともに使用されるように構成された袋。
【請求項4】
柔軟な素材で作られた袋を収容する携帯収容ケースであって、
胴部と該胴部に対し回動可能に構成された回動端部とを含み、前記胴部と前記回動端部を含む外形が長球形状に形成された外殻と、
前記胴部内部に設けられた中空収容空間と、
前記胴部における外殻に設けられ、前記長球の長軸方向に延長する細長い開口部と、
前記長球の長軸方向を軸として回動可能に前記中空収容空間内に配置され、前記回動端部に加わる回転力によって回動可能に構成された巻き取り部と、
一端が前記巻き取り部に取り付けられ、他端が前記開口部に達する長さに形成された引き出し部と、
前記引き出し部の前記他端に設けられた引き出し係止部と、
を備え、
前記袋の収容時においては、前記開口部を介して前記引き出し部を引き出し、前記袋に設けられた係止部を前記引き出し係止部に着脱可能に接続し、前記回動端部を操作して前記巻き取り部を回転させて前記柔軟な素材で作られた袋を前記引き出し部によって前記中空収容空間内に誘導し、前記巻き取り部の周りに巻き込んで前記胴部内に収容し、
前記袋の取り出し時においては、前記柔軟な素材で作られた袋の一部を持って前記収容空間から外部に引き出し、前記袋の係止部を前記引き出し係止部から分離することによって前記袋を前記収容ケースから取り出し可能にしたことを特徴とする携帯収容ケース。
【請求項5】
前記長球形状に形成された外殻の前記回動端部とは反対側の端部に設けられたホルダーをさらに備えてなることを特徴とする請求項4記載の携帯収容ケース。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−206294(P2011−206294A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−77335(P2010−77335)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.エコバック
【出願人】(599064214)株式会社セガ トイズ (32)
【Fターム(参考)】