説明

携帯可能なガス吐出装置

【課題】装備されている医療用のガスボトル、タップ、タップ/圧力調整器、圧力計、並びに/若しくは他の部材を効果的に保護する装置を提供することである。
【解決手段】ガスボトル(1)と、このガスボトルに装着されたガスのタップ、若しくはタップ/圧力調整器(2)と、機械的な保護手段(3)とを有し、前記保護手段は、少なくとも2つのサブパーツ(3a,3b,5)を一緒にしっかりと取着させるための係合手段(10,11)を含んだサブパーツで形成された外側の硬質のシェル(3)を有している装置。更なる保護用の部材(14a,14b)が、前記ハーフシェル(3a,3b)と前記タップ、若しくはタップ/圧力調整器との間に設けられている。外側の硬質のシェルは、この装置が、ネック部(12)で使用者によって手で把持されることを可能にするようにデザインされたネック部を備えた外形を有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガスを吐出するタップ、若しくはタップ/圧力調整器を有する小さな医療用のガスボトルを有する携帯可能なガス吐出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現在のところ、加圧ガスのボトルは、これに統合されるガスアプリケーションシステムが設けられていても良いし、設けられていなくても良い。
【0003】
前記ボトル、並びに、場合によってはこれに統合されたガスアプリケーションシステムは、ボトルの上部を保護する保護用のキャップ又は覆い、即ち、ガスを放出するためのタップ、若しくはタップ/圧力調整器と、1つ以上の圧力計などに、場合によって関連付けられることができる様々な部材とによって機械的に保護されることができる。
【0004】
しかし、このような保護用の覆いは、ボトルの本体全体を保護せずに、ボトルの上部のみを保護するので制限されていることがすぐに判る。
【0005】
さらに、このようなキャップ形式の装置は、ボトルの最大限の清潔さ並びに衛生を保証するのに適していない。
【0006】
この点を改良するために、ボトルの筒型本体を囲むように、若しくは上部を覆うように、1つ以上の熱成形されたフィルムを与えることを提案している。熱成形されたフィルムは、ボトルの清潔さ並びに衛生を改善するが、ボトル全体並びにボトルのガスアプリケーションシステムを決して保護することはないので、最大限の保証を与えてはいない。
【0007】
しかし、所定の使い捨て可能な装置は、ボトルとボトルのガスアプリケーションシステムとの形状に従うようにデザインされている。このような装置は、ボトルが充填されるたびに変更されるが、一般的に、ボトルとボトルのガスアプリケーション装置との複雑な外形に従うことは好ましくない。或いは、このような使い捨て可能な装置は、数10kgの重量と60cmよりも大きなサイズを有し、従って小さなボトル、即ち50cm未満の高さのボトルに適合しない大きなガスボトルにのみ適している。
【0008】
この件については、キャリアハンドルを有しても有していなくても良い保護用の覆いで各々が装備された大きなガスボトルを説明している特許文献1,2,3を参照することができる。この組立体の全体は、1つ以上の可撓性の保護用のシースで覆われている。
【0009】
さらに、加圧ガスのボトルの人間工学、美学、衛生学、とりわけ、把持機能並びに移送機能は、医療用のガスボトル、若しくは他のガスボトルの製造者によって考慮されていない、若しくはめったに考慮されていない。
【0010】
この件について、多くの場合に、装備されたボトルが簡単に移送されることを可能にした、ボトルのための保護用の装置を提案している特許文献4,5,6,7,8を参照することができる。この装置の人間工学並びに衛生学的な態様は、医療分野での使用に不適切である。
【0011】
特に、製品を使用する人、即ち患者が、入院したとき、即ち、装備されるボトルからくる呼吸ガスが永久的に供給されながら、患者が動き回らなければならないときに、美学的な態様、把持機能、並びに移送機能が非常に重要であり、時には最重要でさえあることは理解されるべきである。
【0012】
これにも関わらず、現在のところ、加圧ガスのボトルの美学をわずかに改良するための知られたシステムは、例えば特許文献9に説明されているように、キャップ、若しくは、ガスボトルによって支持された保護用の圧力調整器に通常関連した把持システムである。
【0013】
さらに、また、特許文献10は、外部への接続ホースを備えた2つの耐水性の部品で形成された外側の覆いで、空気貯蔵部を保護することを提案している。しかし、このような装置は、医療使用、特に、すでに上述した理由により適切ではない。なぜなら、このような装置は、緊急時、例えば、海中に墜落したような緊急時に、墜落した飛行機のパイロットによって、若しくは同様の緊急時に使用され得る緊急の空気貯蔵部を簡単に構成する。
【0014】
さらに、従来技術の幾つかの知られたシステムは、複雑な構造を有しており、装置の着脱を複雑かつ扱いにくくさせている。
【0015】
かくして、現在存在している装置並びにシステムは、非常に不十分で、使用者の期待に添っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】US-A-2004/0020793
【特許文献2】US-A-4967923
【特許文献3】JP-A-07269790
【特許文献4】US-A-2003/0047178
【特許文献5】US-A-5119844
【特許文献6】FR-A-2716951
【特許文献7】US-A-5472024
【特許文献8】US-A-4905855
【特許文献9】US-A-2004/0020793
【特許文献10】EP-A-903162
【発明の概要】
【0017】
従って、本発明の目的は、以下のような装置を提案することによって、存在している装置を改良することにより前記課題を解決することである。この装置は、装備されている医療用のガスボトル、タップ、タップ/圧力調整器、並びに/若しくは他の部材を、特に、これらが万一落とされたときにこれらが被り得る様々な打撃並びにダメージから効果的に保護する。さらに、この装置は、ガスボトルのより良い衛生並びに効果的な清潔さを保証している。このとき、この装置は、患者によってほぼ連続的に使用されることができなければならないので、使用中、人間工学的に小さな重量と簡単な取扱性とを提供し、製品を引付けさせ、従って、処理の一般的な使用並びに/若しくは移動可能な使用、即ち、入院外の環境に適している。
【0018】
さらに、前記ボトルを保護するための装置は、保護されるボトルの周りに簡単に配置され、反対に、メンテナンスの動作中に、医療用のガスボトルに装備されているガスのタップ、若しくはタップ/圧力調整器に支持された出口付属品が、ディマンド弁のようなガス吐出装置に簡単に接続可能なまま、簡単に取り外されることができなければならない。
【0019】
従って、本発明の解決策は、以下の携帯可能なガス吐出装置にある。この装置は、50cm未満の高さを有しているガスボトルと、このガスボトルに装着されたガスのタップ、若しくはタップ/圧力調整器と、前記ボトルと前記ガスのタップ、若しくはタップ/圧力調整器とを囲むように配置された機械的な保護手段とを有しており、この保護手段は、少なくとも2つのサブパーツで形成された少なくとも1つの外側の硬質のシェルを有しており、これらサブパーツは、これらサブパーツを一緒にしっかりと取着させるための係合手段を有している。
【0020】
本発明の装置の一態様に従えば、前記サブパーツは、前記ボトルの本体全体と、前記タップ、若しくはタップ/圧力調整器の少なくとも一部とを覆っている保護用のシェルを形成するように一緒に係合された2つのハーフシェルを有しており、1つ以上の更なる保護手段が、これらハーフシェルと、前記タップ、若しくはタップ/圧力調整器との間に設けられている。これらハーフシェル間に更なる保護用の部材を与えるという事実は、ボトルに装備されているタップ、若しくはタップ/圧力調整器、1つ以上の圧力計、並びに/若しくは他の部材が、装置の使用中に生じ得る打撃並びにダメージから効果的に保護されることを可能にし、特に、万一装置が落とされた場合にガスのタップ、若しくはタップ/圧力調整器へのダメージを回避若しくは最小にする。
【0021】
本発明の装置の異なる態様に従えば、前記サブパーツは、ボトルの本体全体とタップ、若しくはタップ/圧力調整器の少なくとも一部とを覆っている保護用のシェルを形成するように一緒に係合されている2つのハーフシェルを有している。閉成キャップが、前記タップ、若しくはタップ/圧力調整器に面した2つのハーフシェルに装着されている。少なくとも1つの保護用の前記ハーフシェル、並びに/若しくは閉成キャップは、タップ、若しくはタップ/圧力調整器に支持された少なくとも1つの付属品へのアクセスを可能にするように、タップ、若しくはタップ/圧力調整器に面して位置されたポートを有している。組立体の重量は5kg未満である。これは、医療用のガスボトルとこのボトルに装備されている装置の種々の部品とを、特に、装置が万一落とされたときに被り得る種々の打撃並びにダメージから効果的に保護することに寄与している。さらに、ガスボトルのための衛生並びに清潔さのレベルを保証並びに高めながら、使用者にとって人間工学的に良いデザインを有し、ボトルをこれの外周保護部に組み込むのを簡単にし、また、使用の際に、ボトルをこれの外周保護部から取り出して、ディマンド弁のようなガス吐出装置にボトルを接続するのを簡単にさせている。
【0022】
本発明の装置のさらに異なる態様に従えば、外側の硬質のシェルは、装置が、使用者によって手でネック部により把持されるのを可能にするようにデザインされたネック部が設けられた外形を有している。このネック部は、本発明の装置を人間工学的に改良するのを助けているが、とりわけ、ネック部は、使用者によって装置を簡単に処理可能にしている。なぜなら、ネック部は、装置がネック部によって手で簡単に把持されることを可能に、即ち、患者が片手で装置を把持可能なようにデザインされているからである。
【0023】
この場合において、本発明の装置は、以下の特徴のうちの1つ以上を含むことができる。
【0024】
2つのサブパーツが一緒に係合されたとき、これらサブパーツは、ボトルの本体全体と、タップ、若しくはタップ/圧力調整器の少なくとも一部とを覆っている保護用のシェルを形成している。
前記サブパーツは、2つのハーフシェルを有している。
これら2つのハーフシェルが一緒に係合された後に得られた外形は、ハーフシェルに形成された外周のネック部、即ち、保護用のシェルの残りの直径よりも小さな直径を有した領域を有している。
前記外周のネック部は、前記ハーフシェルの上から1/3にほぼ位置されている。
【0025】
前記ボトルの本体は、アルミニウム、アルミニウム合金、若しくは複合材で形成されている 。
【0026】
前記ハーフシェルは、プラスチック、好ましくは、良い機械的強度を有した、燃焼遅延処理されたポリマー、即ち耐火性のポリマーで形成されている。
【0027】
1つ以上の更なる保護用の部材が、サブパーツ(サブユニット)と、タップ、若しくはタップ/圧力調整器との間に設けられている。前記保護用の部材は、タップ、若しくはタップ/圧力調整器の外面の全て若しくは一部の外形に従うように成形されていることが好ましい。
【0028】
閉成キャップが、前記タップ、若しくはタップ/圧力調整器に面した2つのハーフシェルに装着されている。かくして、この閉成キャップと前記2つのハーフシェルとは、前記ボトルとタップ、若しくはタップ/圧力調整器とを保護している硬質の保護用のシェルを全体的に構成しているサブパーツ、即ちサブユニットを形成している。
【0029】
保護用の前記ハーフシェルの少なくとも1つ、並びに/若しくは前記閉成キャップは、前記タップ、若しくはタップ/圧力調整器に支持された少なくとも1つの付属品にアクセス可能なように、タップ、若しくはタップ/圧力調整器に面して位置されたポートを有している。
【0030】
ガス吐出弁、ベンチレータへの接続のためのシステム、若しくは他のガス吐出システムが、噴霧システムのようにポートを介して前記付属部に装着されている。前記吐出弁は、ディマンド弁であることが好ましい。
【0031】
ボトルの重量は、5kg未満、好ましくは3kg未満、より好ましくは2kg未満である。
前記ボトルは、ハーフシェルの一方、閉成キャップ、若しくは複数の更なる保護用の部材の1つのハウジングに基づいたトレース手段(traceability means)、特にトレースチップ(traceability chip)、若しくは、前記シェル又は閉成キャップに位置されたバーコードを有している。
【0032】
ガス吐出弁、ベンチレータへの接続のためのシステム、若しくは他のガス吐出システムが、前記ポートを介して前記付属部に装着されている。この吐出弁は、ディマンド弁であることが好ましい。
前記ガス吐出弁と共動するプッシュボタンが、患者に、プッシュボタンを動作させることによってガスのフローを増加させることを可能にしている。このプッシュボタンへのアクセスのための開口部が、前記ハーフシェルの一方、並びに/若しくは他方に与えられている。
【0033】
前記2つのハーフシェルは、これらハーフシェルの内壁並びに/若しくは底によって支持、又は内壁並びに/若しくは底に位置され、並びに/若しくは、前記保護用の部材によって支持された係合手段によって一緒に取着されている。
【0034】
前記係合手段は、前記ハーフシェルの一方によって支持された複数の係合フックを有しており、これら係合フックは、他方のハーフシェルに位置された相補的な手段に共動している。
【0035】
内側の補強部が、ハーフシェルの内壁並びに/若しくは底に設けられている。
補強部とハーフシェルとは、一体成形品としてモールド成形されている。
使い捨て可能の熱成形されたフィルムが、外側のハーフシェルの外周を囲むように配置されている。
【0036】
本発明は、添付図面を参照した以下の説明から明瞭に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、本発明に従った携帯可能の装置の分解図である。
【図2】図2は、ディマンド弁4が装着された、本発明に従った装置の正面図である。
【図3】図3は、ディマンド弁4が装着された、本発明に従った装置の側面図である。
【図4】図4は、図2並びに図3の装置の上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0038】
従って、本発明は、添付図面に図式的に示されているように、加圧ガスのボトル1、特に、医療用の酸素ボトル、若しくは酸素/ヘリウム混合物のボトルと、ガスのアプリケーションシステム2、即ち前記ボトルに主に装着されたタップ、若しくはタップ/圧力調整器とによって形成された組立体を、硬質プラスチックからなる保護用のシェル3,3a,3bで覆っていることを提案している。このような措置でも、前記シェルは、前記アプリケーション構成材並びにアプリケーション部材、特に、前記タップ、若しくはタップ/圧力調整器2によって支持された1つ(又は複数)のガスの出口付属品(gas outlet fittings)への簡単なアクセスを使用者に可能にさせ、かつ、使用者が初めてボトルを使用する前に、このボトルが改ざんされていないことを保証する。
【0039】
これは、前記ボトルのネック部に装着されたタップ、若しくはタップ/圧力調整器2に装備された前記ガスの出口付属品に、使用者が簡単にアクセス可能でなければならないためである。これは、特に、使用者が、ディマンド弁4、若しくは噴霧装置のように他の類似したガス吐出装置を、ボトルのネック部に装着することを所望した場合である。
【0040】
本発明の組立体の利点の一つは、使用者と高圧力部との間に直接的な接触が無いので使用者に対する危険が低いことである。なぜなら、高圧力部が前記保護用のシェルの下方に位置されており、接触エリアが低圧力のディマンド弁4の出口のみであるからである。
【0041】
本発明の前記保護用のシェル3,3a,3bは、前記ボトル1の全体と、このボトルの加圧ガスのアプリケーションシステム2とを覆っている。
【0042】
さらに、前記保護用のシェル3,3a,3bの特別な形状は、前記ボトル1の本体1bと底1aとの外形と、ボトル1に与えられたガスのタップ、若しくはタップ/圧力調整器2の外形とに従っているので、人間工学的な改良をしている。
【0043】
本発明は、医療使用のための小さなガスボトル、即ち20ないし40cmの高さと、最大で5kg、代表的には約1.5ないし2kgの重量とを有するボトルに特に適している。一例として、ガスボトルは、0.47リットルの(水)ボトル容量を有することができ、このボトル内の最大のガス圧力は、少なくとも200バール、好ましくは、少なくとも300バールである。さらに、この装置の重量を最小にするために、軽材料、特に、アルミニウム、若しくは複合材で形成されたボトルを選択することが好ましい。
【0044】
本発明に従った携帯可能の装置の分解図を示した図1により詳細に見られることができるように、ガスのアプリケーションシステム2とボトル1とは、2つのハーフシェル3a,3bで形成された保護用のシェル3,3a,3bによって保護されている。この保護用のシェルに、閉成キャップ5が装着されている。しかし、本発明の関係において、これらハーフシェル3a,3bは、必ずしも同一の構造を有している必要はなく、保護用のシェル3は、一緒に接続される2つより多くのサブ構造体で形成されることができる。
【0045】
前記ボトル1に装着されたタップ、若しくはタップ/圧力調整器2の保護をさらに改良するために、図1に示されているように、1つ以上の更なる保護用の部材14a,14bが、前記ハーフシェル3a,3bと、前記タップ、若しくはタップ/圧力調整器2との間に設けられている。このタップ、若しくはタップ/圧力調整器は、圧力計等のような圧力インジケータを任意に備えたタップ/圧力調整器2であることが好ましい。
【0046】
即ち、前記更なる保護用の部材14a,14bは、図1に示されているように、前記ハーフシェル3a,3bの内壁と、前記タップ、若しくはタップ/圧力調整器2の外面との間に挟持されている。
【0047】
より詳細には、前記更なる保護用の部材14a,14bは、前記タップ、若しくはタップ/圧力調整器2を囲むように、更なる機械的な保護を構成している。この結果、前記更なる保護用の部材がない場合に、前記タップ、若しくはタップ/圧力調整器2によって感じられ、また、外側のシェル3が被り得る打撃などから、タップ、若しくはタップ/圧力調整器を保護する。前記更なる保護用の部材14a,14bは、タップ、若しくはタップ/圧力調整器2を中に保護するために、シールド、若しくは遮壁等を形成するように互いにしっかりと係合されていることが好ましい。より効果的に保護するためには、前記保護用の部材14a,14bは、タップ、若しくはタップ/圧力調整器2の外面の全て、若しくは一部の外形に従うように成形されていることが好ましい。
【0048】
前記保護用の部材14a,14bは、ポリマー等のプラスチック系の材料で形成されていることが好ましい。
【0049】
前記2つのハーフシェル3a,3bは、これらの内壁並びに/若しくは底3cによって支持、又は内壁/若しくは底に位置され、並びに/若しくは前記ガスのアプリケーションシステム2を保護している保護用の部材14a,14bによって支持されている係合手段(取着手段)(catching means)10,11,100,111によって一緒に係合されている。
【0050】
前記係合手段は、前記ハーフシェル3a,3bのうちの一方によって支持された複数の係合フック10を有することができる。これら係合フックは、他方のハーフシェルに設けられた相補的な手段と共動している。さらに、ハーフシェル3a,3bを一緒に簡単に位置並びに取着させるように、複数の内側の補強部11が、ハーフシェル3a,3bの内壁、並びに/若しくは底3cに設けられている。これら補強部11は、また、例えば、装置が、使用者によって移送されているときにボトル1の不適切な横移動を防止するストッパーを形成することによって、ハーフシェル3a,3b内のボトル1の保持を改良するのを助けている。前記補強部11並びに/若しくは係合フック10、並びにハーフシェル3a,3bは、一体成形品としてモールド成形されていることが好ましい。
【0051】
前記ハーフシェル3a,3bは、これらハーフシェル3a,3bと前記保護用の部材14a,14bとによって支持された取着手段100,111によって、内側の保護用の部材14a,14bに取着されている。この取着手段は、特に、インターロッキング、若しくはこれに類似した部材100,111によりハーフシェルを一緒にしっかりと取着させるように互いに共動している。これら取着部材100,111と、ハーフシェル3a,3bと、保護用の部材14a,14bとは、一体成形品としてモールド成形されていることが好ましい。前記取着部材100,111は、ハーフシェル3a,3bの内壁と、保護用の部材14a,14bの外壁とによって支持、並びに/若しくはこれらに設けられていることが好ましい。
【0052】
前記ボトル1の上部を覆い、また、前記ハーフシェル3a,3bに係合されている前記閉成キャップ5は、ボトル1とこれのガスのアプリケーションシステム2とが、十分に覆われることを確実にしている。この閉成キャップは、また、この組立体が改ざんされていないことと、この閉成キャップ5がボトルの上部へのほこり等の進入を特に阻止することによる衛生状態の持続とを確実にしている。より詳細には、改ざんを防ぐための保証が、キャップ5に装着された改ざんを防ぐカバー13によって与えられており、このカバーは、ガスが初めて使用される前に、使用者によって外されなければならない。従って、また、改ざんを防ぐための保証は、未使用の充填されたボトル、従って、カバー13を有するボトルと、すでに使用されたボトル、即ちカバー無しのボトルとを区別することを可能にしている。
【0053】
さらに、前記2つのハーフシェル3a,3bが一緒に取着された後に得られた外形は、この装置が、ハーフシェルのほぼ1/3のところでハーフシェル3a,3bに形成されたネック部12によって、手で最適に把持されることを可能にしている。このネック部12は、装置が、このネック部12によって手で把持されることを可能にするようにデザインされ、即ち、患者が、片手を使って装置を把持することを可能にするようにデザインされていることが好ましい。
【0054】
さらに、前記ネック部12は、特に、保健分野での使用、とりわけ自宅療養する患者による使用のためにデザインされている場合、本発明の装置が、審美的に引き付けられるという新しい形態を与えている。
【0055】
使い捨て可能な熱成形されたフィルムが、外側のハーフシェルの外形を囲むように配置されていることが好ましい。このフィルムは、装置の衛生と最大限の清潔さとを保証するに寄与し、様々なグラフィックス、ラベル、法定の通知、若しくは操作方法を携帯するために使用されることができる。
【0056】
さらに、前記弁4に係合されたプッシュボタン8が、患者に、受け取るガスの流れを増加させる可能性を与える。万一、患者がこの可能性の必要性を感じた場合、例えば、このボタン8を動作させることによって、患者は、前記弁4によって与えられる所定の酸素よりも1.5倍以上の酸素を受けるだろう。このプッシュボタン8へのアクセスのための開口部が、前記ハーフシェル3a,3bの一方、並びに/若しくは他方に与えられている。
【0057】
図2並びに図3は、夫々、ディマンド弁4が装着された、本発明に従った装置の正面図並びに側面図である。一方、図4は、図2並びに図3の装置の上面図である。図2ないし図4に使用されている参照は、図1と同じ部材を示している。
【0058】
理解されるように、本発明の組立体を保護するための手段が、選択された実施形態に応じて、この場合、2つのサブパーツ、即ちハーフシェル3a,3bと、閉成キャップ5とで形成された外側の硬質のシェル3を有することができる。また、前記手段は、これら部材を一緒にしっかりと取着させるための係合手段を有している。しかし、装置を別に、即ち、(2つのハーフシェル3a,3bの代わりに)単一のスリーブで形成されたサブパーツ3を有することによって製造することが考えられる。このスリーブは、例えば、一体成形品としてモールド成形されたポリマーで形成され、ガスボトルを収容可能なようにデザインされている。第2のサブパーツ5が、前記タップ、若しくはタップ/圧力調整器2を覆って保護するように前記シェル3を形成している単一のスリーブ上に係合されるであろう閉成キャップ5として動作する。
【0059】
本発明に従った携帯可能なガスを吐出する組立体、即ち装置は、適切なキャリアバッグで移送されることが好ましい。
【0060】
本発明の装置は、医療用の酸素、若しくは酸素/ヘリウム混合物が充填されるのに特に適しているが、例えば、酸化窒素/窒素混合物のような他の医療用のガスが充填されるのに使用されることもできる。
【符号の説明】
【0061】
1・・・ガスボトル、2・・・タップ若しくはタップ/圧力調整器、3a,3b,5・・・サブパーツ(3a,3b・・・ハーフシェル、5・・・閉成キャップ)、3・・・外側の硬質のシェル、10,11・・・係合手段、14a,14b・・・更なる保護用の部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
50cm未満の高さを有しているガスボトル(1)と、
このガスボトル(1)に装着されたガスのタップ、若しくはタップ/圧力調整器(2)と、
前記ボトル(1)と前記ガスのタップ、若しくはタップ/圧力調整器(2)とを囲むように配置されており、少なくとも2つのサブパーツ(3a,3b)で形成された少なくとも1つの外側の硬質のシェル(3)を有しており、これらサブパーツは、これらサブパーツ(3a,3b)を一緒に取着させるための係合手段(10,11)を有している、機械的な保護手段(3)とを具備する携帯可能なガス吐出装置であって、
前記少なくとも2つのサブパーツ(3a,3b)は、前記ボトル(1)の本体全体と、前記ガスのタップ、若しくはタップ/圧力調整器(2)の少なくとも一部とを覆っている保護用のシェルを形成するように一緒に係合されている2つのハーフシェル(3a,3b)を有しており、
閉成キャップ(5)が、前記ガスのタップ、若しくはタップ/圧力調整器(2)に面した前記2つのハーフシェル(3a,3b)に装着されており、
少なくとも1つの保護用の前記ハーフシェル、並びに/若しくは前記閉成キャップ(5)は、前記ガスのタップ、若しくはタップ/圧力調整器(2)に支持された少なくとも1つの付属品(7)へのアクセスを可能にするように、前記ガスのタップ、若しくはタップ/圧力調整器(2)に面して位置されたポート(6)を有しており、
組立体の重量は、5kg未満である、携帯可能なガス吐出装置において、
ガス吐出弁(4)が、前記ポート(6)を介して前記付属部(7)に装着されており、
前記ガス吐出弁(4)と共動するプッシュボタン(8)が、患者がこのプッシュボタン(8)を動作させることによってガスのフローを増加可能にし、前記プッシュボタン(8)へのアクセスのための開口部が、前記2つのハーフシェル(3a,3b)の少なくとも一方に設けられていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記2つのハーフシェル(3a,3b)が一緒に係合された後に得られた外形が、前記これらハーフシェル(3a,3b)に形成されたネック部(12)を有していることを特徴とする請求項1の装置。
【請求項3】
前記ネック部(12)は、前記2つのハーフシェル(3a,3b)の上から1/3に位置されていることを特徴とする請求項1又は2の装置。
【請求項4】
前記ネック部(12)は、この装置が、前記ネック部(12)によって手で把持されることを可能にするようにデザインされていることを特徴とする請求項2の装置。
【請求項5】
1つ以上の更なる保護用の部材(14a,14b)が、前記2つのハーフシェル(3a,3b)と、前記ガスのタップ、若しくはタップ/圧力調整器(2)との間に設けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1の装置。
【請求項6】
前記保護用の部材(14a,14b)は、前記ガスのタップ、若しくはタップ/圧力調整器(2)の外面の全て若しくは一部の外形に従うように成形されていることを特徴とする請求項5の装置。
【請求項7】
前記ガス吐出弁(4)は、ディマンド弁であることを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1の装置。
【請求項8】
前記ボトル(1)の本体は、アルミニウム、アルミ合金、若しくは複合材で形成されていることを特徴とする請求項1ないし7のいずれか1の装置。
【請求項9】
前記少なくとも2つのサブパーツ(3a,3b)は、ポリマー、好ましくは燃焼遅延処理されたポリマーで形成されていることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか1の装置。
【請求項10】
組立体の重量は、3kg未満、好ましくは2kg未満であることを特徴とする請求項1ないし9のいずれか1の装置。
【請求項11】
前記2つのハーフシェル(3a,3b)は、これらハーフシェル(3a,3b)の内壁並びに/若しくは底(3c)によって支持、若しくは、内壁並びに/若しくは底に位置されている取着手段によって、一緒に取着されていることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1の装置。
【請求項12】
前記係合手段は、前記2つのハーフシェル(3a,3b)の一方によって支持された複数の係合フック(10)を有しており、これら係合フックは、他方のハーフシェルに位置された相補的な手段と共動していることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか1の装置。
【請求項13】
内側の補強部(11)が、前記2つのハーフシェル(3a,3b)の内壁、並びに/若しくは底(3c)に設けられていることを特徴とする請求項1ないし12のいずれか1の装置。
【請求項14】
前記補強部(11)と前記2つのハーフシェル(3a,3b)とは、一体成形品としてモールド成形されていることを特徴とする請求項1ないし13のいずれか1の装置。
【請求項15】
前記2つのハーフシェル(3a,3b)の一方、前記閉成キャップ(5)、又は複数の前記更なる保護用の部材(14a,14b)の1つのハウジングに基づいたトレース手段、特にトレースチップ、若しくは、前記シェル又は閉成キャップに位置されたバーコードを含むことを特徴とする請求項1ないし14のいずれか1の装置。
【請求項16】
使い捨て可能の熱成形されたフィルムが、前記2つのハーフシェル(3a,3b)の外周を囲むように配置されていることを特徴とする請求項1ないし15のいずれか1の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−96041(P2012−96041A)
【公開日】平成24年5月24日(2012.5.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−268083(P2011−268083)
【出願日】平成23年12月7日(2011.12.7)
【分割の表示】特願2005−281382(P2005−281382)の分割
【原出願日】平成17年9月28日(2005.9.28)
【出願人】(399035504)エール・リキード・サンテ(アンテルナスィオナル) (26)
【Fターム(参考)】