説明

携帯型コンテンツ再生装置用クレードル、及び、それが接続される増幅装置

【課題】 ユーザ作業を要することなく、DAP2のオーディオデータを再生する状態、PC3のオーディオテータを再生する状態、PC3のオーディオファイルをDAP2に転送する状態を切り換えること。
【解決手段】 DAP2のオーディオデータを再生する際、スイッチ1Eがコネクタ1Jとホストコントローラ1Bとを接続し、スイッチ1Fが出力端子1Lとホストコントローラ1Bとを接続する。PC3のオーディオデータを再生する際、スイッチ1Fが出力端子1Lとハブ1Cとを接続する。PC3のオーディオファイルをDAP2に転送し記録させる際、スイッチ1Eがコネクタ1Jとハブ1Cとを接続する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コンテンツ再生システム、携帯型コンテンツ再生装置用クレードル、及び、増幅装置に関する。
【背景技術】
【0002】
PCや携帯型コンテンツ再生装置(以下、DAPという。)は、HDD等の記録媒体を備え、HDD内にオーディオファイルを記録し、HDDに記録されているオーディオファイルを再生することができる。(1)PCに記録されたオーディオファイルを再生し、オーディオを聴く場合、ユーザ作業によりPCを増幅装置に接続する。PCはオーディオファイルをデコードし、オーディオデータを増幅装置に送信し、増幅装置によって音声が再生される。(2)PCに記録されたオーディオファイルをDAPに転送して記録する場合、ユーザ作業によりPCとDAPとをUSBケーブルを介して接続する。PCはHDDに記録されたオーディオファイルをDAPに転送し、DAPは転送されたオーディオファイルをHDDに記録する。(3)DAPに記録されたオーディオファイルを再生し、オーディオを聴く場合、ユーザ作業によりDAPをクレードルに接続し、クレードルを増幅装置に接続する(例えば、下記特許文献1)。DAPはオーディオファイルをデコードし、オーディオデータをクレードルを介して増幅装置に送信し、増幅装置によって音声が再生される。上記の(1)〜(3)の各動作を実行するためには、その都度、ユーザ作業によってPC、DAP、クレードル及び増幅装置を接続および接続解除する必要があり、その作業が非常に煩雑である。
【0003】
一方、DAPは、PCやクレードルにUSB経由で接続され、PCやクレードルから充電用電圧が供給されることにより、バッテリを充電する。DAPの中には、USBのデータラインD+、D−を介してホストコントローラから充電コマンドが所定時間間隔で供給されているときに充電用電圧によりバッテリを充電し、ホストコントローラから充電コマンドが所定時間間隔で供給されていないときにバッテリを充電しないものがある。従って、PCの電源がオフ状態にされると、充電用電圧はPCからDAPに供給されているものの、PCからDAPに充電コマンドが供給されなくなるので、DAPはバッテリを充電できないという問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−244607号公報
【特許文献2】特開2007−68333号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、ユーザの作業によって複数の機器を接続および接続解除する必要なく、携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツデータを出力端子から出力する状態、及び、コンピュータからのコンテンツファイルを携帯型コンテンツ再生装置に転送し記録させる状態を切り換えることができる、携帯型コンテンツ再生装置のクレードルを提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、ユーザの作業によって複数の機器を接続および接続解除する必要なく、携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツデータを出力端子から出力する状態、コンピュータからのコンテンツテータを出力端子から出力する状態、及び、コンピュータからのコンテンツファイルを携帯型コンテンツ再生装置に転送し記録させる状態を切り換えることができる、携帯型コンテンツ再生装置のクレードルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい実施形態によるクレードルは、携帯型コンテンツ再生装置が接続可能な第1接続部と、コンピュータが接続可能な第2接続部と、コンテンツデータを出力する出力部と、前記携帯型コンテンツ再生装置を制御するコントローラと、前記第1接続部と前記コントローラとを接続するか、又は、前記第1接続部と前記第2接続部とを接続するかを切り換える第1スイッチと、前記第1スイッチを切り換え制御するスイッチ制御部とを備え、前記携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツデータを受信し前記出力部から出力する携帯型コンテンツ再生装置再生状態の場合、前記スイッチ制御部が前記第1スイッチに前記第1接続部と前記コントローラとを接続させ、前記コンピュータからのコンテンツファイルを前記携帯型コンテンツ再生装置に転送し記録させる場合、前記スイッチ制御部が前記第1スイッチに前記第1接続部と前記第2接続部とを接続させる。
【0008】
携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツデータを出力部から出力する場合、第1スイッチが第1接続部とコントローラとを接続する。従って、携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツデータは、第1接続部、第1スイッチ、コントローラを介して出力部から出力される。コンピュータからのコンテンツファイルを携帯型コンテンツ再生装置に転送し記録させる場合、第1スイッチが第1接続部と第2接続部とを接続する。従って、コンピュータからのコンテンツファイルは、第2接続部、第1スイッチ、第1接続部を介して携帯型コンテンツ再生装置に転送され、記録される。このように、ユーザの作業によって複数の機器を接続および接続解除する必要がない。
【0009】
好ましい実施形態においては、前記クレードルは、前記第2接続部、第1スイッチ及び第2スイッチに接続されているハブと、前記出力部と前記コントローラとを接続するか、又は、前記出力部と前記ハブとを接続するかを切り換える前記第2スイッチとをさらに備え、前記第1スイッチが、前記第1接続部と前記コントローラとを接続するか、又は、前記第1接続部と前記ハブとを接続するかを切り換え、前記スイッチ制御部が、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを切り換え制御し、前記携帯型コンテンツ再生装置再生状態の場合、前記スイッチ制御部が、前記第1スイッチに前記第1接続部と前記コントローラとを接続させ、かつ、前記第2スイッチに前記出力部と前記コントローラとを接続させ、前記コンピュータからのコンテンツデータを受信し前記出力部から出力するコンピュータ再生状態の場合、前記スイッチ制御部が、前記第2スイッチに前記出力部と前記ハブとを接続させ、前記コンピュータからのコンテンツファイルを前記携帯型コンテンツ再生装置に転送し記録させる場合、前記スイッチ制御部が、前記第1スイッチに前記第1接続部と前記ハブとを接続させる。
【0010】
携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツデータを出力部から出力する場合、第1スイッチが第1接続部とコントローラとを接続し、かつ、第2スイッチが出力部とコントローラとを接続する。従って、携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツデータは、第1接続部、第1スイッチ、コントローラ、第2スイッチを介して出力部から出力される。コンピュータからのコンテンツデータを出力部から出力する場合、第2スイッチが出力部とハブとを接続する。従って、コンピュータからのコンテンツデータは、第2接続部、ハブ、第2スイッチを介して出力部から出力される。コンピュータからのコンテンツファイルを携帯型コンテンツ再生装置に転送し記録させる場合、第1スイッチが第1接続部とハブとを接続する。従って、コンピュータからのコンテンツファイルは、第2接続部、ハブ、第1スイッチ、第1接続部を介して携帯型コンテンツ再生装置に転送され、記録される。このように、ユーザの作業によって複数の機器を接続および接続解除する必要がない。
【0011】
好ましい実施形態においては、前記ハブと前記第2スイッチとの間には、前記コンピュータからのコンテンツデータを前記ハブから受信し前記第2スイッチに供給する、前記ハブに対する下流側デバイスが接続されている。
【0012】
ハブには下流側デバイスが常時接続された状態であるので、ハブに接続されているコンピュータは、下流側デバイスを常時認識している状態にある。従って、携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツデータを出力部から出力する状態から、コンピュータからのコンテンツデータを出力部から出力する状態に第2スイッチが切り換えられた際に、コンピュータが改めて下流側デバイスを認識し直す必要がなく、直ぐにコンピュータからのコンテンツデータを出力部から出力することができる。
【0013】
好ましい実施形態においては、前記コンピュータからのコンテンツファイルを前記携帯型コンテンツ再生装置に転送し記録させる場合、前記スイッチ制御手段が、前記第2スイッチに前記出力部と前記ハブとを接続させることにより、前記コンピュータからのコンテンツデータを受信し前記出力部から出力可能な状態に制御にする。
【0014】
第1スイッチが第1接続部とハブとを接続している場合、携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツデータを出力部から出力することはできない。従って、第2スイッチが出力部とハブとを接続することにより、コンピュータからのコンテンツデータを出力部から出力することができる。
【0015】
好ましい実施形態においては、前記コンピュータからのコンテンツファイルを前記携帯型コンテンツ再生装置に転送し記録させる状態を解除する場合、前記スイッチ制御手段が、前記第1スイッチに前記第1接続部と前記コントローラとを接続させる一方で、前記第2スイッチに前記出力部と前記ハブとを接続させた状態を継続する。
【0016】
コンピュータからのコンテンツファイルを携帯型コンテンツ再生装置に転送し記録させる状態を解除する場合、第2スイッチが出力部とハブとを接続した状態を継続する。従って、コンピュータからのコンテンツデータを出力部から出力している状態がユーザの意に反して中断されることを防止することができる。
【0017】
好ましい実施形態においては、前記第1接続部に前記携帯型コンテンツ再生装置が接続されているか否かを判断し、前記第2接続部に前記コンピュータが接続されているか否か判断する接続判断手段をさらに備え、前記携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツデータを前記出力部から出力する指示が入力されたとき、前記第1接続部に前記携帯型コンテンツ再生装置が接続されていないと判断された場合、前記スイッチ制御手段が、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチを切り換えさせず、前記コンピュータからのコンテンツデータを前記出力部から出力する指示が入力されたとき、前記第2接続部に前記コンピュータが接続されていないと判断された場合、前記スイッチ制御手段が、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチを切り換えさせない。
【0018】
この場合、コンピュータからのコンテンツデータを出力部から出力している状態において、携帯型コンテンツ再生装置が接続されていないときに、ユーザ誤操作によって、携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツデータを出力部から出力する指示が入力された場合、もしこの指示に応じて第1スイッチ、第2スイッチが切り換えられてしまうと、コンピュータからのコンテンツデータの出力が中断されてしまう。しかし、本実施形態では、第1スイッチ、第2スイッチが切り換えられないので、このような問題を解決できる。携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツデータを出力部から出力している状態において、コンピュータが接続されていないときに、ユーザ誤操作によって、コンピュータからのコンテンツデータを出力部から出力する指示が入力された場合、もしこの指示に応じて第1スイッチ、第2スイッチが切り換えられてしまうと、携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツデータの出力が中断されてしまう。しかし、本実施形態では、第1スイッチ、第2スイッチが切り換えられないので、このような問題を解決できる。
【0019】
好ましい実施形態においては、前記第1接続部に前記携帯型コンテンツ再生装置が接続されているか否かを判断する第1判断手段と、前記第1接続部に前記携帯型コンテンツ再生装置が接続されていないと判断された場合、前記第2接続部に前記コンピュータが接続されているか否かを判断する第2判断手段をさらに備え、前記第1接続部に前記携帯型コンテンツ再生装置が接続されていると判断された場合、前記スイッチ制御手段が、前記第1スイッチに前記第1接続部と前記コントローラとを接続させ、かつ、前記第2スイッチに前記出力部と前記コントローラとを接続させ、前記第2接続部に前記コンピュータが接続されていると判断された場合、前記スイッチ制御手段が、前記第1スイッチに前記第1接続部と前記コントローラとを接続させ、かつ、前記第2スイッチに前記出力部と前記ハブとを接続させる。
【0020】
この場合、携帯型コンテンツ再生装置又はコンピュータのいずれか一方しかクレードルに接続されていない場合には、クレードルに接続されている方の機器からのコンテンツデータを受信し出力部から出力する状態に第1スイッチ及び第2スイッチが自動的に切り換えられる。従って、ユーザ操作によって、レードルに接続されている方の機器からのコンテンツデータを受信し出力部から出力する状態に移行する指示を入力する必要がない。
【0021】
本発明の好ましい実施形態による増幅装置は、上記いずれかのクレードルの前記出力部に接続可能な前記増幅装置であって、前記クレードルからコンテンツデータが入力される入力部と、前記クレードルから、前記クレードルが携帯型コンテンツ再生装置再生状態であるか、又は、コンピュータ再生状態であるかの情報を受信する再生状態受信手段と、前記再生状態受信手段が受信した前記クレードルの再生状態に基づいて、前記クレードルが携帯型コンテンツ再生装置再生状態である場合に、表示装置に前記クレードルが携帯型コンテンツ再生装置再生状態であることを表示させ、前記クレードルがコンピュータ再生状態である場合に、表示装置に前記クレードルがコンピュータ再生状態であることを表示させる表示制御手段とを有する。
【0022】
この場合、クレードルが携帯型コンテンツ再生装置再生状態である場合に、増幅装置は、表示装置にクレードルが携帯型コンテンツ再生装置再生状態であることを表示させ、クレードルがコンピュータ再生状態である場合に、表示装置にクレードルがコンピュータ再生状態であることを表示させることができる。従って、ユーザは、増幅装置の表示内容を見ることにより、クレードルの再生状態を容易に判別することができる。
【0023】
好ましい実施形態においては、前記再生状態送信手段が、クレードルの再生状態が携帯型コンテンツ再生装置再生状態又はコンピュータ再生状態に変更されたとき、あるいは、前記クレードルがスタンバイ状態から電源オン状態に移行したときに、前記クレードルが携帯型コンテンツ再生装置再生状態であるか、又は、コンピュータ再生状態であるかの情報を前記増幅装置に送信する。
【0024】
この場合、増幅装置は常に正確なクレードルの再生状態を表示装置に表示させることができる。
【0025】
好ましい実施形態においては、前記増幅装置がスタンバイ状態である場合にも、前記再生状態受信手段が、前記クレードルから、前記クレードルが携帯型コンテンツ再生装置再生状態であるか、又は、コンピュータ再生状態であるかの情報を受信し、記憶装置に記憶しておき、前記増幅装置がスタンバイ状態から電源オン状態に移行した際に、前記表示制御手段が、前記記憶装置に記憶されている前記クレードルの再生状態に基づいて、前記クレードルが携帯型コンテンツ再生装置再生状態である場合に、表示装置に前記クレードルが携帯型コンテンツ再生装置再生状態であることを表示させ、前記クレードルがコンピュータ再生状態である場合に、表示装置に前記クレードルがコンピュータ再生状態であることを表示させる。
【0026】
この場合、増幅装置がスタンバイ状態であるときに、クレードルの再生状態が変更された場合でも、増幅装置がスタンバイ状態から電源オン状態に移行した際に、正確なクレードルの再生状態を表示することができる。
【発明の効果】
【0027】
本発明によると、ユーザの作業によって複数の機器を接続および接続解除する必要なく、携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツデータを出力端子から出力する状態、及び、コンピュータからのコンテンツファイルを携帯型コンテンツ再生装置に転送し記録させる状態を切り換えることができる、携帯型コンテンツ再生装置のクレードルを提供することができる。
【0028】
また、ユーザの作業によって複数の機器を接続および接続解除する必要なく、携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツデータを出力端子から出力する状態、コンピュータからのコンテンツテータを出力端子から出力する状態、及び、コンピュータからのコンテンツファイルを携帯型コンテンツ再生装置に転送し記録させる状態を切り換えることができる、携帯型コンテンツ再生装置のクレードルを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明のクレードル1等を示すブロック図である。
【図2】クレードル1等のハードウェアを示すブロック図である。
【図2B】増幅装置4のハードウェアを示すブロック図である。
【図2C】表示部4Dの表示内容を示す図である。
【図3】クレードル1の外観図である。
【図4】マイコン1A、ハブ1C及び積分回路を示す回路図である。
【図5】図4におけるA点波形およびB点波形を示す図である。
【図6】図4におけるA点波形およびB点波形を示す図である。
【図7】図4におけるC点波形およびD点波形を示す図である。
【図8】図4におけるC点波形およびD点波形を示す図である。
【図9】マイコン1Aの処理を示すフローチャートである。
【図9B】マイコン1Aの処理を示すフローチャートである。
【図9C】マイコン4Aの処理を示すフローチャートである。
【図10】マイコン1Aの処理を示すフローチャートである。
【図11】マイコン1Aの処理を示すフローチャートである。
【図12】本発明の別の実施例のクレードル1等を示すブロック図である。
【図13】本発明の別の実施例のクレードル1等を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して具体的に説明するが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。図1は、本実施形態によるクレードル1、携帯型コンテンツ再生装置(以下、DAP(Digital Audio Player)という。)2、コンピュータ(以下PCとする)3、増幅装置4、およびリモコン送信機5,6を示す図である。クレードル1には、USB(Universal Serial Bus)等の任意の通信ラインを介してDAP2およびPC3が接続可能である。なお、USBの代わりにIEEE1394やHDMI等が採用されてもよい。クレードル1は、デジタルオーディオケーブル及び制御信号ケーブルを介して増幅装置4に接続可能である。
【0031】
クレードル1は、DAP2に直流電源電圧を供給することにより、DAP2にバッテリを充電させる。DAP2は、ホストコントローラからUSBを介して充電コマンドを所定時間間隔で受信している時にバッテリに充電を実行し、ホストコントローラからUSBを介して充電コマンドを受信していない時にバッテリに充電を実行しない。従って、クレードル1は、DAP2を継続的に充電するために、ホストコントローラからDAP2に充電コマンドを所定時間間隔で送信し続けなければならない。
【0032】
DAP2およびPC3は、各々が内蔵するHDDやフラッシュメモリ等の記録媒体に記録されたオーディオファイルを再生(デコード)し、オーディオデータをUSB経由でクレードル1に送信する。クレードル1は、DAP2またはPC3から受信したオーディオデータを増幅装置4に送信する。増幅装置4はクレードル1から受信したオーディオデータを再生(DA変換および増幅)し、外部接続された図示しないスピーカーから音声を出力する。PC3は、自身のHDDに記録されているオーディオファイルをクレードル1に転送し、クレードル1はPC3からのオーディオファイルをDAP2に転送し、DAP2は転送されたオーディオファイルを自身のHDDに記録する(この処理を同期と呼ぶ場合がある)。
【0033】
増幅装置4は、ユーザ操作に応じてリモコン送信機5からリモコン信号を受信すると、クレードル1に制御信号(例えば、DAP2を再生開始させる制御信号)を送信する。クレードル1は、増幅装置4から制御信号を受信すると、DAP2を制御する制御信号に変換し、DAP2に送信し、DAP2を制御する。クレードル1は、ユーザ操作に応じて、リモコン送信機6からリモコン信号を受信する、又は、クレードル1に設けられた操作部が操作されると、制御信号をDAP2に送信し、DAP2を制御する。
【0034】
図2は、クレードル1等のハードウェアを示す概略ブロック図である。図3は、クレードル1の外観図である。クレードル1は、マイコン(スイッチ制御手段)1Aと、ホストコントローラ1Bと、USBハブ(以下、ハブという。)1Cと、オーディオ処理部1Dと、スイッチ1E,1Fと、電源部1Gと、リモコン受信部1Hと、操作部1Iと、コネクタ(第1接続部)1Jと、USB端子(第2接続部)1Kと、デジタルオーディオ出力端子(以下、出力端子という。)1Lと、制御信号入出力端子1Mとを備える。
【0035】
マイコン1Aは、図示しないメモリに格納されたプログラムに基づいてクレードル1全体を制御する。マイコン1Aは、操作部1Iのユーザ操作、リモコン受信部1Hに入力されるリモコン信号、増幅装置4から受信する制御信号、および、DAP2やPC3の接続状態等に応じて、スイッチ1E、1Fを切り換え制御する。マイコン1Aは、PC3からUSB経由でVBUS(5V直流電圧)が供給される。マイコン1Aは、VBUSの供給有無を判断する。VBUSが供給されていれば、PC3がUSB端子1Kに接続され、かつ、PC3が電源オン状態であることが判断される。VBUSが供給されていなければ、PC3がUSB端子1Kに接続されていない、または、PC3が電源オフ状態であることが判断される。
【0036】
マイコン1Aは、DAP2からコネクタ1Jを介して、接続検出信号が供給される。例えば、接続検出信号がローレベルであれば、DAP2がコネクタ1Jに接続されていることが判断され、ハイレベルであれば、DAP2がコネクタ1Jに接続されていないことが判断される。
【0037】
ホストコントローラ1Bは、USB経由でDAP2と通信し、DAP2を制御する。ホストコントローラ1Bは、DAP2に充電コマンドを所定時間間隔で送信し、DAP2にバッテリを充電させる。従って、PC3がUSB端子1Kに接続されていない、又は、PC3が電源オフ状態である、又は、DAP2からのオーディオデータを増幅装置4に送信するためにスイッチ1Eがコネクタ1Jとホストコントローラ1Bとを接続している等の理由で、PC3のホストコントローラ3AがDAP2に充電コマンドを送信できない場合に、ホストコントローラ1BがDAP2に充電コマンドを送信することにより、DAP2を充電させることができる。
【0038】
ホストコントローラ1Bは、スイッチ1E、1Fと、マイコン1Aとに接続されている。ホストコントローラ1Bは、マイコン1Aからの制御信号をDAP2に送信し、DAP2を制御する。ホストコントローラ1Bは、DAP2からオーディオデータを受信し、スイッチ1Fに供給する。
【0039】
ハブ1Cは、ホスト側(上流側)であるPC3に、USBを介してスレーブ側(下流側)であるDAP2およびオーディオ処理部1Dを並列に接続させる。つまり、ハブ1Cは、PC3がUSBを介して接続可能な上流側のUSB端子1Kに、DAP2がUSBを介して接続可能な下流側のコネクタ1Jと、下流側のUSBデバイスであるオーディオ処理部1Dとをクレードル1内部で接続している。ハブ1Cは、スイッチ1Eと、USB端子1Kと、オーディオ処理部1Dとに接続されている。
【0040】
ハブ1Cは、一般的な機能として、ホスト側およびスレーブ側にUSBデバイスが接続され、ホスト側のUSBデバイスとスレーブ側のUSBデバイスとが通信可能か否かを検出する機能を有している。つまり、ハブ1Cは、スレーブ側にDAP2が接続され、かつ、ホスト側に電源オン状態であるPC3が接続され、PC3のホストコントローラ3AがDAP2と通信可能であるか否かを検出する。ハブ1Cは、DAP2及び電源オン状態であるPC3が接続されたことを検出すると、発光素子(以下、LEDとする。)を発光制御し(例えば点灯させ)、ユーザにその旨を告知する。一方、ハブ1Cは、DAP2及び/又はPC3が接続されていないことを検出すると、LEDを点灯させない。
【0041】
詳細には、図4に示すように、ハブ1Cの出力端子1CaはLED31のアノードに接続され、出力端子1Cbは抵抗R1を介してLED31のカソードに接続されている。出力端子1Caおよび1Cbからは、LED31を点灯または消灯するためのPWM信号(発光制御信号)が出力されている。図5は、ハブ1CにDAP2及び/又はPC3が接続されていない場合の、A点およびB点の波形を示す。図5においては、A点の平均電圧とB点の平均電圧との電位差が−0.1Vであり、LED31はオフ状態となるので、LED31は点灯しない。図6は、ハブ1CにDAP2及び電源オン状態であるPC3が接続されている場合の、A点およびB点の波形を示す。図6においては、A点の平均電圧とB点の平均電圧との電位差が1.08Vであり、LED31はオン状態となるので、LED31は点灯する。
【0042】
本例では、ハブ1Cの出力端子1Cbから出力されるPWM信号(C点波形)を使用して、ハブ1CにDAP2及び電源オン状態であるPC3が接続されているか否かの情報をマイコン1Aに通知する。従って、ハブ1CにDAP2及び電源オン状態であるPC3が接続されているか否かの情報をマイコン1Aに通知する専用の信号をハブ1Cから別途出力する必要がない。従って、ハブ1Cの出力端子数を削減でき、ハブ1Cの構成を簡素化することができる。
【0043】
詳細には、図4に示すように、ハブ1Cの出力端子1Cbとマイコン1Aの入力端子1Aaとの間に、積分回路32が接続されている。積分回路32は、抵抗R2,R3、コンデンサC1を含む。抵抗R2の一端は出力端子1Cbに接続され、かつ、抵抗R3を介して接地電位に接続されている。抵抗R2の他端は、コンデンサC1を介して接地電位に接続され、かつ、マイコン1Aの入力端子1Aaに接続されている。出力端子1Cbから出力されるPWM信号は、積分回路32によって積分され、ハイレベル又はローレベルの信号が生成され、マイコン1Aの入力端子1Aaに供給される。
【0044】
マイコン1Aは、ハブ1Cの出力端子1Cbから出力されるPWM信号を検出することができない。そこで、PWM信号が積分回路32によって積分されることにより、PWM信号がハイレベルの信号またはローレベルの信号に変換されて、マイコン1Aに供給される。図7は、ハブ1CにDAP2及び/又はPC3が接続されていない場合の、C点およびD点の波形を示す。この場合、マイコン1Aにローレベルの信号が供給されることによって、マイコン1Aは、ハブ1CにDAP2及び/又はPC3が接続されていないことを判断することができる。図8は、ハブ1CにDAP2及び電源オン状態のPC3が接続されている場合の、C点およびD点の波形を示す。この場合、マイコン1Aにハイレベルの信号が供給されることによって、マイコン1Aは、ハブ1CにDAP2及び電源オン状態のPC3が接続されていることを判断することができる。
【0045】
マイコン1Aは、ローレベルの信号が入力され、ハブ1CにDAP2及び/又はPC3が接続されていないことを判断すると、スイッチ1Eにコネクタ1Jとホストコントローラ1Eとを接続させる。従って、PC3が電源オフ状態、又は、PC3が接続されていない等の理由で、ホストコントローラ3AからDAP2に充電コマンドを送信できない場合には、ホストコントローラ1BをDAP2に接続させ、ホストコントローラ1BからDAP2に充電コマンドを送信させることにより、DAP2を充電させることができる。
【0046】
オーディオ処理部1Dは、ハブ1Cに対する下流側デバイスである。オーディオ処理部1Dは、PC3からのオーディオデータがハブ1Cを介して供給され、オーディオデータを所定の形式(例えばSPDIF)に変換し、スイッチ1Fに供給する。オーディオ処理部1Dは、USBオーディオDAC等が採用され、ハブ1Cとスイッチ1Fとの間に接続されている。ハブ1Cにはオーディオ処理部1Dが常時接続された状態であるので、ハブ1Cに接続されているPC3は、オーディオ処理部1Dを常時認識している。従って、DAP2からのオーディオデータを増幅装置4に出力する状態から、PC3からのオーディオデータを増幅装置4に出力する状態に切り換えられた際に、PC3が改めてオーディオ処理部1Dを認識し直す必要がなく、直ぐにPC3からのオーディオデータを増幅装置4に出力することができる。
【0047】
スイッチ1Eは、コネクタ1Jとホストコントローラ1Bとを接続させるか、又は、コネクタ1Jとハブ1Cとを接続させるかをマイコン1Aからの指示に基づいて切り換える。スイッチ1Eは、例えば、USB2.0対応高速バススイッチ等が採用される。スイッチ1Fは、出力端子1Lとホストコントローラ1Bとを接続させるか、又は、出力端子1Lとオーディオ処理部1Dとを接続させるかをマイコン1Aからの指示に基づいて切り換える。
【0048】
電源部1Gは、図3に示す電源コネクタから商用交流電源が供給され、商用交流電源から直流電源電圧を生成し、クレードル1の各部に供給し、かつ、コネクタ1Jを介してDAP2に供給する。DAP2に供給された直流電源電圧は、DAP2がバッテリを充電するために使用される。
【0049】
リモコン受信部1Hは、クレードル1用のリモコン送信機6からリモコン信号を受信し、マイコン1Aに制御信号を供給する。
【0050】
操作部1Iは、ユーザ操作に基づく指示を受け付けるものである。操作部1Iは、オーディオセレクタスイッチであるDAPボタン21及びPCボタン22と、RECボタン23と、電源ボタン24とを含む。DAPボタン21は、クレードル1がDAP2からのオーディオデータを受信し、増幅装置4へと出力する状態(以下、DAP再生状態という。)に切り換えるためのボタンである。PCボタン22は、クレードル1がPC3からのオーディオデータを受信し、増幅装置4へと出力する状態(以下、PC再生状態という。)に切り換えるためのボタンである。RECボタン23は、クレードル1がPC3からのオーディオファイルをDAP2に転送し、DAP2にオーディオファイルを記録させる状態(以下、記録動作状態という。)に切り換えるためのボタンである。また、RECボタン23は、記録動作状態を解除するためのボタンでもある。電源ボタン24は、クレードル1を電源オン状態またはスタンバイ状態に切り換えるボタンである。これらのボタンはリモコン送信機6にも設けられている。
【0051】
コネクタ1Jは、DAP2のコネクタと接続可能である。コネクタ1Jは、USB端子(データラインD+,D−及び5V電源ラインの各端子)、及び、DAP2から接続検出信号を受信する端子を含む。コネクタ1Jは、マイコン1A、スイッチ1Eおよび電源部1Gに接続されている。
【0052】
USB端子1Kは、USBを介してPC3が接続可能である。USB端子1Kは、ハブ1Cに接続されている。出力端子1Lは、スイッチ1Fに接続されており、増幅装置4のデジタルオーディオ入力端子が接続可能である。出力端子1Lは、スイッチ1Fから供給されるオーディオデータを増幅装置4に出力する。
【0053】
制御信号入出力端子1Mは、マイコン1Aに接続されており、増幅装置4に制御信号ラインを介して接続可能である。増幅装置4は、増幅装置4用のリモコン送信機5からのリモコン信号を受信すると、制御信号を制御信号入出力端子1Mに送信する。制御信号入出力端子1Mは、増幅装置4からの制御信号を受信し、マイコン1Aに供給する。例えば、増幅装置4からDAP2を再生開始する制御信号が制御信号入出力端子1Mに入力されると、マイコン1Aは、DAP2に再生指示を送信すると共に、DAP再生状態に切り換える。
【0054】
マイコン1Aは、制御信号入出力端子1Mを介して、増幅装置4に制御信号を送信する。例えば、マイコン1Aは、クレードル1がDAP再生状態であるか、又は、PC再生状態であるかの情報を、制御信号入出力端子1Mを介して増幅装置4に送信する。増幅装置4の表示部にクレードル1がDAP再生状態であるか、又は、PC再生状態であるかを表示させるためである。
【0055】
DAP2は、HDD2Aおよび再生部2B等を備える。再生部2Bは、HDDに記録されたオーディオファイルを再生し、クレードル1にオーディオデータを出力する。PC3は、ホストコントローラ3AおよびHDD3B等を備える。DAP2およびPC3自体は一般的なものが採用されるとよい。
【0056】
図2Bは、増幅装置4を示すブロック図である。増幅装置4は、マイコン4Aと、セレクタ4Bと、増幅部4Cと、表示部4Dと、リモコン受信部4Eと、操作部4Fと、デジタルオーディオ入力端子(以下、入力端子という。)4G〜4I(なお、入力端子4H、4Iはアナログオーディオ入力端子でもよい。)と、制御信号入出力端子4Jと、メモリ(ROM、RAM等)4Kとを備える。入力端子4Gにはクレードル1の出力端子1Jが接続され、クレードル1からオーディオデータを受信し、セレクタ4Bに供給する。入力端子4H、4Iには任意のソース機器(例えば、CDプレーヤ、MDプレーヤ等)が接続可能である。
【0057】
マイコン4Aは、メモリ4Kに格納されたプログラムに基づいて動作し、リモコン受信部4E又は操作部4Fを介してユーザ操作によって入力される指示に基づいて増幅装置4の各部を制御する。マイコン4Aは、制御信号入出力端子4Jを介してクレードル1のマイコン1Aに制御信号を送信する。例えば、ユーザのリモコン操作によってDAP再生指示が入力されたとき、マイコン4Aは、DAP再生指示を制御信号入出力端子4Jを介してクレードル1のマイコン1Aに送信する。マイコン4Aは、クレードル1のマイコン1Aからの制御信号を制御信号入出力端子4Jを介して入力する。
【0058】
セレクタ4Bは、マイコン4Aからの指示に応じて、入力端子4G〜4Iの1つを選択し、選択した入力端子から入力されるオーディオデータを増幅部4Cに供給する。セレクタ4Bの選択状態として、入力端子4Gを選択するDAP/PC選択状態、入力端子4Hを選択するCD選択状態、入力端子4Iを選択するMD選択状態等が存在する。マイコン4Aは、セレクタ4BがCD選択状態のとき表示部4Dに「CD」と表示し、セレクタ4BがMD選択状態のとき表示部4Dに「MD」と表示する。マイコン4Aは、クレードル1のマイコン1Aからクレードル1がDAP再生状態であるか、又は、PC再生状態であるかの情報を制御信号入出力端子4Jを介して取得する。セレクタ4BがDAP/PC選択状態である場合、マイコン4Aは、クレードル1がDAP再生状態であれば、図2C(a)に示すように表示部4Dに「DAP」と表示し、クレードル1がPC再生状態であれば、図2C(b)に示すように表示部4Dに「PC」と表示する。従って、ユーザは、増幅装置4がDAP2からのオーディオデータを再生しているか、又は、PC3からのオーディオデータを再生しているかを、表示部4Dの表示内容を見ることによって判断することができる。
【0059】
増幅部4Cは、セレクタ4Bから供給されたオーディオデータをデジタル−アナログ変換し、増幅し、外部接続されたスピーカーに音声を出力する。
【0060】
以下、クレードル1の動作を説明する。図9は、DAP再生状態とPC再生状態とを切り換えるマイコン1Aの動作を示す。マイコン1Aは、スイッチ1E、1Fの初期状態として、スイッチ1Eにコネクタ1Jとホストコントローラ1Bとを接続させ、スイッチ1Fにホストコントローラ1Bと出力端子1Lとを接続させる。つまり、マイコン1Aは、初期状態として、DAP再生状態に設定する。従って、DAP2からのオーディオデータをスイッチ1E、ホストコントローラ1B、スイッチ1Fを介して増幅装置4に出力することができる。スイッチ1Eにコネクタ1Jとホストコントローラ1Bとを接続させるので、PC3が接続されていない又は電源オフ状態である場合でも、ホストコントローラ1BからDAP2に充電コマンドが送信され、DAP2を充電させることができる。なお、マイコン1Aは、増幅装置4のマイコン4AにクレードルがDAP再生状態であることを通知する。
【0061】
S2〜S5では、DAP2およびPC3のクレードル1への接続状態に応じてマイコン1Aがスイッチ1E、1Fを切り換える。マイコン1Aは、コネクタ1JにDAP2から接続検出信号が供給されているか否かを判断することにより、DAP2がコネクタ1Jに接続されているか否かを判断する(S2)。DAP2が接続されている場合(S2でYES)、マイコン1Aは、スイッチ1Eにコネクタ1Jとホストコントローラ1Bとを接続させ、スイッチ1Fにホストコントローラ1Bと出力端子1Lとを接続させる。つまり、マイコン1Aは、DAP再生状態に設定する(S3)。従って、DAP2からのオーディオデータがスイッチ1E、ホストコントローラ1B、スイッチ1Fを介して増幅装置4に出力される。その後、処理はS6に進む。この場合、ホストコントローラ1BからDAP2に充電コマンドが送信され、DAP2を充電させることができる。なお、マイコン1Aは、増幅装置4のマイコン4AにクレードルがDAP再生状態であることを通知する。
【0062】
DAP2が接続されていない場合(S2でNO)、マイコン1Aは、PC3からVBUSが供給されているか否かを判断することにより、PC3がUSB端子1Kに接続され、かつ、PC3が電源オン状態であるかを判断する(S4)。PC3が接続され、かつ、電源オン状態である場合(S4でYES)、マイコン1Aは、スイッチ1Eにコネクタ1Jとホストコントローラ1Bとを接続させ、スイッチ1Fにオーディオ処理部1Dと出力端子1Lとを接続させる。つまり、マイコン1Aは、PC再生状態に設定する(S5)。なお、マイコン1Aは、増幅装置4のマイコン4AにクレードルがPC再生状態であることを通知する。従って、PC3からのオーディオデータがハブ1C、オーディオ処理部1D、スイッチ1Fを介して増幅装置4に出力される。その後、処理はS6に進む。この場合、ホストコントローラ1BからDAP2に充電コマンドが送信され、DAP2を充電させることができる。なお、スイッチ1Eにコネクタ1Jとハブ1Cとを接続させ、PC3のホストコントローラ3AからDAP2に充電コマンドを送信することにより、DAP2を充電させてもよい。一方、PC3が接続されていない、又は、PC3が電源オフ状態である場合(S4でNO)、スイッチ1E、1Fを切り換えずに(初期状態のままで)S6に進む。
【0063】
S6〜S13では、DAP再生状態に移行する指示およびPC再生状態に移行する指示に応じてマイコン1Aがスイッチ1E、1Fを切り換える。マイコン1Aは、DAP再生状態に移行する指示が入力されたか否かを判断している(S6)。例えば、DAPボタン21が操作されたか否か、又は、増幅装置4のマイコン4AからDAP再生状態に移行する指示が入力されたか否かが判断される。DAP再生状態に移行する指示が入力されていない場合(S6でNO)、処理はS10に進む。DAP再生状態に移行する指示が入力された場合(S6でYES)、マイコン1Aは、上記と同様に、DAP2がコネクタ1Jに接続されているか否かを判断する(S7)。DAP2が接続されている場合(S7でYES)、マイコン1Aは、スイッチ1Eにコネクタ1Jとホストコントローラ1Bとを接続させ、スイッチ1Fにホストコントローラ1Bと出力端子1Lとを接続させる。つまり、マイコン1Aは、DAP再生状態に設定する(S8)。なお、マイコン1Aは、増幅装置4のマイコン4AにクレードルがDAP再生状態であることを通知する。従って、DAP2からのオーディオデータがスイッチ1E、ホストコントローラ1B、スイッチ1Fを介して増幅装置4に出力される。その後、処理はS10に進む。この場合、ホストコントローラ1BからDAP2に充電コマンドが送信され、DAP2を充電させることができる。一方、DAP2が接続されていない場合(S7でNO)、マイコン1Aは、スイッチ1E、1Fを切り換えさせず、図示しないLEDを点滅させることにより、エラーをユーザに告知する(S9)。例えば、PC再生状態において、DAP2が接続されていないときに、ユーザ誤操作によって、DAP再生状態に移行する指示が入力された場合、DAP再生状態に移行してしまうと、PC3からのオーディオデータの再生が中断されてしまうが、本例ではこのような問題を解決できる。
【0064】
マイコン1Aは、PC再生状態に移行する指示が入力されたか否かを判断する(S10)。例えば、PCボタン22が操作されたか否か、又は、増幅装置4のマイコン4AからPC再生状態に移行する指示が入力されたか否かが判断される。PC再生状態に移行する指示が入力されない場合(S10でNO)、処理はS14に進む。PC再生状態に移行する指示が入力された場合(S10でYES)、マイコン1Aは、上記と同様に、PC3がUSB端子1Kに接続され、かつ、電源オン状態であるか否かを判断する(S11)。PC3が接続され、かつ、電源オン状態である場合(S11でYES)、マイコン1Aは、スイッチ1Eにコネクタ1Jとホストコントローラ1Bとを接続させ、スイッチ1Fにオーディオ処理部1Dと出力端子1Lとを接続させる。つまり、マイコン1Aは、PC再生状態に設定する(S12)。なお、マイコン1Aは、増幅装置4のマイコン4AにクレードルがPC再生状態であることを通知する。従って、PC3からのオーディオデータがハブ1C、オーディオ処理部1D、スイッチ1Fを介して増幅装置4に出力される。その後、処理はS14に進む。この場合、ホストコントローラ1BからDAP2に充電コマンドが送信され、DAP2を充電させることができる。なお、スイッチ1Eにコネクタ1Jとハブ1Cとを接続させ、PC3のホストコントローラ3AからDAP2に充電コマンドを送信することにより、DAP2を充電させてもよい。一方、PC3が接続されていない、又は、PC3が電源オフ状態である場合(S11でNO)、マイコン1Aは、スイッチ1E、1Fを切り換えさせず、図示しないLEDを点滅させることにより、エラーをユーザに告知する(S13)。例えば、DAP再生状態において、PC3が接続されていないときに、ユーザ誤操作によって、PC再生状態に移行する指示が入力された場合、もしPC再生状態に移行してしまうと、DAP2からのオーディオデータの再生が中断されてしまうが、本例ではこのような問題を解決できる。
【0065】
次に、マイコン1Aは、DAP2からの再生開始通知に基づいて、DAP2がオーディオデータを再生開始したか否かを判断する(S14)。スイッチ1Eがコネクタ1Jとホストコントローラ1Bとを接続している場合、DAP2が再生開始すると、ホストコントローラ1Bは再生開始通知を受信することができるので、これをマイコン1Aに転送する。DAP2が再生開始した場合(S14でYES)、マイコン1Aは、スイッチ1Fにホストコントローラ1Bと出力端子1Lとを接続させる。つまり、マイコン1Aは、DAP再生状態に設定する(S15)。なお、マイコン1Aは、増幅装置4のマイコン4AにクレードルがDAP再生状態であることを通知する。従って、DAP2からのオーディオデータがスイッチ1E、ホストコントローラ1B、スイッチ1Fを介して増幅装置4に出力される。その後、処理はS2に戻る。この場合、ホストコントローラ1BからDAP2に充電コマンドが送信されることにより、DAP2を充電させることができる。
【0066】
以上の処理によって、ユーザの作業によってクレードル1、DAP2、PC3、増幅装置4の接続/接続解除を実行する必要なく、DAP再生状態及びPC再生状態を切り換えることができる。なお、S6におけるDAP再生状態に移行する指示およびS10におけるPC再生状態に移行する指示は、ボタン操作に限定されず、リモコン送信機6からのリモコン信号又は増幅装置4から供給される制御信号であってもよい。
【0067】
図9Bは、クレードル1がスタンバイ状態から電源オン状態に移行する際のマイコン1Aの動作を示すフローチャートである。マイコン1Aは、スタンバイ状態から電源オン状態に移行する指示が入力されたか否かを判断している(S41)。例えば、クレードル1がスタンバイ状態のときに、電源ボタン24が操作されたか否か、又は、増幅装置4のマイコン4Aから、スタンバイ状態から電源オン状態に移行する指示を受信したか否かを判断する。電源オンする指示が入力された場合(S41でYES)、マイコン1Aはクレードル1をスタンバイ状態から電源オン状態に移行させる(S42)。その後、マイコン1Aは、クレードル1がDAP再生状態であるか、又は、PC再生状態であるかの情報を、増幅装置4のマイコン4Aに送信する(S43)。このとき、クレードル1はスタンバイ状態の時にも図示しないメモリにクレードル1がDAP再生状態であるか、又は、PC再生状態であるかの情報を記憶しているので、クレードル1がスタンバイ状態から電源オン状態になった際に、メモリに記憶しているDAP再生状態、又は、PC再生状態に復帰すると共に、クレードル1がDAP再生状態であるか、又は、PC再生状態であるかの情報を、増幅装置4のマイコン4Aに送信する。
【0068】
図9Cは、増幅装置4のマイコン4Aの処理を示すフローチャートである。マイコン4Aは、クレードル1のマイコン1Aから、クレードル1がDAP再生状態であるか、又は、PC再生状態であるかの情報を受信したか否かを判断している(S51)。受信しない場合(S51でNO)、処理はS56に進む。受信した場合(S51でYES)、マイコン4Aは、メモリ4Kにクレードル1がDAP再生状態であるか、又は、PC再生状態であるかの情報を記憶させる(S52)。
【0069】
マイコン4Aは、メモリに記憶した状態がDAP再生状態であるか否かを判断する(S53)。DAP再生状態であれば(S53でYES)、セレクタ4BがDAP/PC選択状態である場合に、マイコン4Aは、図2C(a)に示すように表示部4Dに「DAP」と表示させる(S54)。一方、PC再生状態であれば(S53でNO)、セレクタ4BがDAP/PC選択状態である場合に、マイコン4Aは、図2C(b)に示すように表示部4Dに「PC」と表示させる(S55)。
【0070】
なお、S51、S52の処理は、増幅装置4がスタンバイ状態の時にも実行される。スタンバイ状態では、マイコン4Aのみに図示しないスタンバイ電源回路から電源電圧が供給され、動作を実行可能だからである。従って、増幅装置4がスタンバイ状態から電源オン状態に移行した際に、セレクタ4BがDAP/PC選択状態であれば、メモリ4Kに記憶されているクレードル1がDAP再生状態であるか、又は、PC再生状態であるかの情報に基づいて、DAP再生状態であれば表示部4Dに「DAP」と表示させ、PC再生状態であれば表示部4Dに「PC」と表示させる。従って、増幅装置4がスタンバイ状態のときに、クレードルの再生状態が変更された場合にも、メモリ4Kに記憶されるクレードル1の再生状態が正確なものに随時変更されるので、増幅装置4が電源オン状態に移行した際に、クレードル1の正確な再生状態を表示させることができる。
【0071】
マイコン4Aは、ユーザ操作により、リモコン受信部4E又は操作部4Fを介して、クレードル1をDAP再生状態、又は、PC再生状態に移行させる指示が入力されたか否かを判断する(S56)。入力されない場合(S56でNO)、処理はS58に進む。入力された場合(S56でYES)、マイコン4Aは、クレードル1をDAP再生状態、又は、PC再生状態に移行させる指示を、クレードル1のマイコン1Aに送信する(S57)。なお、このタイミングでは、マイコン4Aは、メモリに記憶されている、クレードル1がDAP再生状態であるか、又は、PC再生状態であるかの情報を変更しない。実際に、S51でクレードル1のマイコン1Aから、クレードル1がDAP再生状態であるか、又は、PC再生状態であるかの情報を受信したときにはじめてメモリに記憶されている、クレードル1がDAP再生状態であるか、又は、PC再生状態であるかの情報を変更する。これにより、より確実にクレードル1の実際の再生状態と、増幅装置のメモリに記憶されているクレードル1の再生状態とを同期させることができる。
【0072】
マイコン4Aは、ユーザ操作により、リモコン受信部4E又は操作部4Fを介して、DAPを再生開始する指示が入力されたか否かを判断する(S58)。入力されない場合(S58でNO)、処理はS60に進む。入力された場合(S58でYES)、マイコン4Aは、DAPを再生開始する指示を、クレードル1のマイコン1Aに送信する(S59)。なお、このタイミングでは、マイコン4Aは、メモリに記憶されているクレードル1の再生状態をDAP再生状態に変更しない。実際に、S51でクレードル1のマイコン1Aから、クレードル1がDAP再生状態であることを示す情報を受信したときにはじめて、メモリに記憶されているクレードル1の再生状態をDAP再生状態に変更する。これにより、より確実にクレードル1の実際の再生状態と、増幅装置のメモリに記憶されているクレードル1の再生状態とを同期させることができる。
【0073】
マイコン4Aは、ユーザ操作により、リモコン受信部4E又は操作部4Fを介して、電源オン状態に移行する指示が入力されたか否かを判断する(S60)。入力されない場合(S60でNO)、処理はS51に戻る。入力された場合(S60でYES)、マイコン4Aは増幅装置4をスタンバイ状態から電源オン状態に移行し、クレードル1のマイコン1Aにスタンバイ状態から電源オン状態に移行する指示を送信する(S61)。クレードル1がスタンバイ状態から電源オン状態に移行した後、クレードル1のマイコン1Aからクレードル1がDAP再生状態であるか、又は、PC再生状態であるかの情報を受信するので、クレードル1の正確な再生状態を表示させることができる。例えば、増幅装置4がスタンバイ状態であり、クレードル1が電源オン状態で、増幅装置4とクレードル1とが通信ケーブルが抜かれている状態で、クレードル1のDAP再生状態、又は、PC再生状態が変更され、その後、クレードル1がスタンバイ状態にされたあと、増幅装置4とクレードル1とが通信ケーブルによって接続され、増幅装置4とクレードル1とが電源オン状態になった場合に、再生状態を同期させることができる。
【0074】
図10は、記録動作状態に移行する又は解除するマイコン1Aの動作を示す。DAP再生状態およびPC再生状態のいずれの状態であっても、記録動作状態に移行することができる。マイコン1Aは、記録動作状態に移行する指示が入力されたか否かを判断する(S21)。例えば、RECボタン23が短押しされたか否かが判断される。記録動作状態に移行する指示が入力されない場合(S21でNO)、処理はS27に進む。記録動作状態に移行する指示が入力された場合(S21でYES)、マイコン1Aは、上記と同様に、DAP2がコネクタ1Jに接続されているか否かを判断する(S22)。DAP21が接続されていない場合(S22でNO)、マイコン1Aは、スイッチ1Eにコネクタ1Jとハブ1Cとを接続させずに、エラーをユーザに告知する(S26)。つまり、記録動作状態に移行しない。DAP2が接続されている場合(S22でYES)、マイコン1Aは、上記と同様に、PC3がUSB端子1Kに接続され、かつ、PC3が電源オン状態であるか否かを判断する(S23)。PC3が接続されていない、又は、電源オフ状態で場合(S23でNO)、マイコン1Aは、スイッチ1Eにコネクタ1Jとハブ1Cとを接続させずに、エラーをユーザに告知する(S26)。つまり、記録動作状態に移行しない。PC3が接続されていない、又は、電源オフ状態の場合に、スイッチ1Eがコネクタ1Jとハブ1Cとを接続すると、DAP2に充電コマンドを送信できなくなり、DAP2を充電できなくなるが、本例ではこの問題を解決できる。
【0075】
PC3が接続され、かつ、電源オン状態である場合(S23でYES)、マイコン1Aは、スイッチ1Eにコネクタ1Jとハブ1Cとを接続させる。つまり、マイコン1Aは、記録動作状態に設定する(S24)。従って、DAP2とPC3とがUSBを介して通信することにより、PC3からのオーディオファイルがハブ1C、スイッチ1Eを介してDAP2に転送され、DAP2に記録される。この場合、ホストコントローラ1Bから充電コマンドをDAP2に送信できなくなるが、PC3のホストコントローラ3AからDAP2に充電コマンドが送信されることにより、DAP2を充電させることができる。
【0076】
マイコン1Aは、スイッチ1Fにオーディオ処理部1Dと出力端子1Lとを接続させる。つまり、マイコン1Aは、PC再生状態に設定する(S25)。従って、PC3からのオーディオデータがハブ1C、オーディオ処理部1D、スイッチ1Fを介して増幅装置4に出力される。このように、記録動作状態に設定されるときには、スイッチ1Eがコネクタ1Jとハブ1Cとを接続しており、DAP2のオーディオデータを受信し増幅装置4に送信することはできないので、PC再生状態に自動的に設定される。従って、PC3のオーディオファイルをDAP2に転送し、DAP2に記録しながら、PC3からのオーディオデータを増幅装置4で再生することができる。つまり、ユーザがPC3のオーディオを聞きながら、オーディオファイルをDAP2に記録できる。
【0077】
マイコン1Aは、記録動作状態を解除する指示が入力された否かを判断する(S27)。例えば、RECボタン23が長押しされたか否かを判断する。記録動作状態を解除する指示が入力されない場合(S27でNO)、処理はS21に戻る。記録動作状態を解除する指示が入力された場合(S27でYES)、マイコン1Aは、スイッチ1Eにコネクタ1Jとホストコントローラ1Bとを接続させる。つまり、マイコン1Aは記録動作状態を解除し、PC3とDAP2とがUSBを介して通信せず、PC3からのオーディオファイルがDAP2に転送されないようにする(S28)。この場合、ホストコントローラ1BからDAP2に充電コマンドが送信されることにより、DAP2を充電させることができる。
【0078】
なお、記録動作状態の解除後も、スイッチ1Fはオーディオ処理部1Dと出力端子1Lとの接続状態を維持する。従って、ユーザが、PC3のオーディオファイルをDAP2に転送し、DAP2に記録させながら、PC3のオーディオデータを増幅装置4で再生して聴いている際に、記録動作状態を解除したことにより、PC3からのオーディオデータが増幅装置4から再生されなくなることを防止できる。記録動作状態の解除後に、DAP2からのオーディオデータを増幅装置4で再生する場合には、図9の処理において、S6でDAP再生状態に移行する指示を入力する、又は、S14でDAP2が再生開始することにより実行できる。
【0079】
以上の処理によって、ユーザ作業としてクレードル1、DAP2、PC3、増幅装置4の接続/接続解除を実行することなく、記録動作状態への移行およびその解除、PC再生状態からDAP再生状態への切り換えを実行することができる。なお、S21における記録動作状態に移行する指示およびS27における記録動作状態を解除する指示は、ボタン操作に限定されず、リモコン送信機6からのリモコン信号又は増幅装置4から供給される制御信号であってもよい。
【0080】
ここで、記録動作状態において、記録動作状態を解除する指示が入力されることなく、ユーザによりPC3がUSB端子1Kから接続解除される、又は、PC3の電源がオフ状態にされる、又は、DAP2とPC3との間にUSBの通信障害が生じた場合、スイッチ1Eは未だコネクタ1Jとハブ1Cとを接続しているにも関わらず、PC3のホストコントローラ3Aから充電コマンドがDAP2に供給されなくなり、DAP2を充電できなくなる。そこで、図11に示すように、マイコン1Aは、積分回路32からの信号がハイレベルであるか否かを判断する(S31)。すなわち、マイコン1は、ハブ1CにDAP2および電源オン状態のPC3が接続されているか否かを判断する。ハイレベルでなければ(S31でNO)、マイコン1Aは、スイッチ1Eにコネクタ1Jとホストコントローラ1Bとを接続させる。従って、ホストコントローラ1BからDAP2に充電コマンドが送信され、DAP2を充電させることができる。
【0081】
以上、本発明の好ましい実施形態を説明したが、本発明はこれらの実施形態には限定されない。クレードル1は、PC再生状態を有さずに、DAP再生状態および記録動作状態のみを有していてもよく、この場合、図12に示すように、クレードル1は、USBハブ1Cと、オーディオ処理部1Dと、スイッチ1Fとを備えなくてもよい。つまり、スイッチ1Eは、USB端子(第2接続部)1Kに直接接続されており、ホストコントローラ1Bは出力端子1Lに直接接続されるとよい。また、クレードル1は、記録動作状態を有さずに、DAP再生状態およびPC再生状態のみを有していてもよい。この場合、図13に示すように、クレードル1は、USBハブ1Cと、スイッチ1Eとを備えなくてもよい。また、クレードル1は、PC3に内蔵されていてもよく、又は、増幅装置4に内蔵されていてもよい。また、オーディオデータの代わりに映像データや静止画データでもよく、これらを総称してコンテンツデータという。コンテンツデータを所定フォーマットでエンコードしたものをコンテンツファイルという。また、オーディオ処理部1DがオーディオデータをDA変換する場合、アナログのオーディオ信号が増幅装置4に出力される。また、オーディオ処理部1Dがクレードル1に内蔵されておらず、クレードル1と増幅装置4との間に接続されてもよい。また、本発明は、上記の動作をコンピュータに実行させるためのコンピュータプログラムという形態で提供することもできる。携帯型コンテンツ再生装置は、携帯電話、ポータブルカーナビ、ポータブルTV、ポータブルCDプレーヤ、携帯ゲーム機等でもよい。
【産業上の利用可能性】
【0082】
本発明は、携帯型コンテンツ再生装置のクレードルに好適に採用され得る。
【符号の説明】
【0083】
1 クレードル
1A マイコン(スイッチ制御手段)
1B ホストコントローラ
1C USBハブ
1D オーディオ処理部(下流側デバイス)
1E スイッチ(第1スイッチ)
1F スイッチ(第2スイッチ)
1G 電源部
1H リモコン受信部
1I 操作部
1J DAP接続コネクタ(第1接続部)
1L 出力端子
1M 制御信号入出力端子
2 携帯型コンテンツ再生装置
3 PC(コンピュータ)
3A ホストコントローラ
31 LED(発光素子)
32 積分回路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型コンテンツ再生装置が接続可能な第1接続部と、
コンピュータが接続可能な第2接続部と、
コンテンツデータを出力する出力部と、
前記携帯型コンテンツ再生装置を制御するコントローラと、
前記第1接続部と前記コントローラとを接続するか、又は、前記第1接続部と前記第2接続部とを接続するかを切り換える第1スイッチと、
前記第1スイッチを切り換え制御するスイッチ制御部とを備え、
前記携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツデータを受信し前記出力部から出力する携帯型コンテンツ再生装置再生状態の場合、前記スイッチ制御部が前記第1スイッチに前記第1接続部と前記コントローラとを接続させ、
前記コンピュータからのコンテンツファイルを前記携帯型コンテンツ再生装置に転送し記録させる場合、前記スイッチ制御部が前記第1スイッチに前記第1接続部と前記第2接続部とを接続させる、クレードル。
【請求項2】
前記第2接続部、第1スイッチ及び第2スイッチに接続されているハブと、
前記出力部と前記コントローラとを接続するか、又は、前記出力部と前記ハブとを接続するかを切り換える前記第2スイッチとをさらに備え、
前記第1スイッチが、前記第1接続部と前記コントローラとを接続するか、又は、前記第1接続部と前記ハブとを接続するかを切り換え、
前記スイッチ制御部が、前記第1スイッチ及び前記第2スイッチを切り換え制御し、
前記携帯型コンテンツ再生装置再生状態の場合、前記スイッチ制御部が、前記第1スイッチに前記第1接続部と前記コントローラとを接続させ、かつ、前記第2スイッチに前記出力部と前記コントローラとを接続させ、
前記コンピュータからのコンテンツデータを受信し前記出力部から出力するコンピュータ再生状態の場合、前記スイッチ制御部が、前記第2スイッチに前記出力部と前記ハブとを接続させ、
前記コンピュータからのコンテンツファイルを前記携帯型コンテンツ再生装置に転送し記録させる場合、前記スイッチ制御部が、前記第1スイッチに前記第1接続部と前記ハブとを接続させる、請求項1に記載のクレードル。
【請求項3】
前記ハブと前記第2スイッチとの間には、前記コンピュータからのコンテンツデータを前記ハブから受信し前記第2スイッチに供給する、前記ハブに対する下流側デバイスが接続されている、請求項2に記載のクレードル。
【請求項4】
前記コンピュータからのコンテンツファイルを前記携帯型コンテンツ再生装置に転送し記録させる場合、前記スイッチ制御部が、前記第2スイッチに前記出力部と前記ハブとを接続させることにより、前記コンピュータからのコンテンツデータを受信し前記出力部から出力可能な状態に制御にする、請求項2または3に記載のクレードル。
【請求項5】
前記コンピュータからのコンテンツファイルを前記携帯型コンテンツ再生装置に転送し記録させる状態を解除する場合、前記スイッチ制御部が、前記第1スイッチに前記第1接続部と前記コントローラとを接続させる一方で、前記第2スイッチに前記出力部と前記ハブとを接続させた状態を継続する、請求項4に記載のクレードル。
【請求項6】
前記第1接続部に前記携帯型コンテンツ再生装置が接続されているか否かを判断し、前記第2接続部に前記コンピュータが接続されているか否か判断する接続判断手段をさらに備え、
前記携帯型コンテンツ再生装置からのコンテンツデータを前記出力部から出力する指示が入力されたとき、前記第1接続部に前記携帯型コンテンツ再生装置が接続されていないと判断された場合、前記スイッチ制御部が、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチを切り換えさせず、
前記コンピュータからのコンテンツデータを前記出力部から出力する指示が入力されたとき、前記第2接続部に前記コンピュータが接続されていないと判断された場合、前記スイッチ制御部が、前記第1スイッチおよび前記第2スイッチを切り換えさせない、請求項2〜5のいずれかに記載のクレードル。
【請求項7】
前記第1接続部に前記携帯型コンテンツ再生装置が接続されているか否かを判断する第1判断手段と、
前記第1接続部に前記携帯型コンテンツ再生装置が接続されていないと判断された場合、前記第2接続部に前記コンピュータが接続されているか否かを判断する第2判断手段をさらに備え、
前記第1接続部に前記携帯型コンテンツ再生装置が接続されていると判断された場合、前記スイッチ制御部が、前記第1スイッチに前記第1接続部と前記コントローラとを接続させ、かつ、前記第2スイッチに前記出力部と前記コントローラとを接続させ、
前記第2接続部に前記コンピュータが接続されていると判断された場合、前記スイッチ制御部が、前記第1スイッチに前記第1接続部と前記コントローラとを接続させ、かつ、前記第2スイッチに前記出力部と前記ハブとを接続させる、請求項2〜6のいずれかに記載のクレードル。
【請求項8】
前記出力部には増幅装置が接続可能であり、
前記クレードルが携帯型コンテンツ再生装置再生状態であるか、又は、コンピュータ再生状態であるかの情報を前記増幅装置に送信する再生状態送信手段をさらに有する、請求項2〜7のいずれかに記載のクレードル。
【請求項9】
前記再生状態送信手段が、前記クレードルの再生状態が携帯型コンテンツ再生装置再生状態又はコンピュータ再生状態に変更されたとき、あるいは、前記クレードルがスタンバイ状態から電源オン状態に移行したときに、前記クレードルが携帯型コンテンツ再生装置再生状態であるか、又は、コンピュータ再生状態であるかの情報を前記増幅装置に送信する、請求項8に記載のクレードル。
【請求項10】
請求項8または9に記載のクレードルの前記出力部に接続可能な前記増幅装置であって、
前記クレードルからコンテンツデータが入力される入力部と、
前記クレードルから、前記クレードルが携帯型コンテンツ再生装置再生状態であるか、又は、コンピュータ再生状態であるかの情報を受信する再生状態受信手段と、
前記再生状態受信手段が受信した前記クレードルの再生状態に基づいて、前記クレードルが携帯型コンテンツ再生装置再生状態である場合に、表示装置に前記クレードルが携帯型コンテンツ再生装置再生状態であることを表示させ、前記クレードルがコンピュータ再生状態である場合に、表示装置に前記クレードルがコンピュータ再生状態であることを表示させる表示制御手段とを有する、増幅装置。
【請求項11】
前記増幅装置がスタンバイ状態である場合にも、前記再生状態受信手段が、前記クレードルから、前記クレードルが携帯型コンテンツ再生装置再生状態であるか、又は、コンピュータ再生状態であるかの情報を受信し、記憶装置に記憶しておき、前記増幅装置がスタンバイ状態から電源オン状態に移行した際に、前記表示制御手段が、前記記憶装置に記憶されている前記クレードルの再生状態に基づいて、前記クレードルが携帯型コンテンツ再生装置再生状態である場合に、表示装置に前記クレードルが携帯型コンテンツ再生装置再生状態であることを表示させ、前記クレードルがコンピュータ再生状態である場合に、表示装置に前記クレードルがコンピュータ再生状態であることを表示させる、請求項10に記載の増幅装置。

【図1】
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【図2】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図9B】
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【図9C】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2011−70756(P2011−70756A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−50969(P2010−50969)
【出願日】平成22年3月8日(2010.3.8)
【特許番号】特許第4654404号(P4654404)
【特許公報発行日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(000000273)オンキヨーサウンド&ビジョン株式会社 (502)
【Fターム(参考)】