説明

携帯型ナビゲーション装置、その表示制御方法、省電力制御方法および学習方法

【課題】 携帯型ナビゲーションシステムの実行時に携帯電話機を見る動作を行った際、すばやく表示された地図を確認し、ナビゲーションを利用できる状態にする。
【解決手段】 携帯型ナビゲーション装置10は、進行方向検出手段29と、目的地誘導手段30と、表示手段28と、動作判定手段31と、動作判定手段31において歩行者が表示手段を見る動作を行っていないと判定した時、地図を進行方向または誘導方向を上にして表示手段28に表示し、動作判定手段31の判定結果に基づいて、歩行者が表示手段28を見る動作を行ったときに、進行方向検出手段29が検出した進行方向と目的地誘導手段30の誘導方向との関係に応じて地図の表示態様を制御する地図表示制御手段25とを備え、利用者が携帯型ナビゲーション装置10の表示画面を見る動作を行った際に、地図の表示方向を正しい方向に回転処理するタイムロスをなくす。同時に省電力モードから復帰する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、出発地から目的地までの誘導経路および地図データを受信して歩行者を目的地に誘導する携帯型ナビゲーション装置に関するものであり、特に、携帯電話機を端末として使用する携帯型ナビゲーション装置において、携帯型ナビゲーション装置のナビゲーションアプリケーション実行時に、歩行者が表示画面を見る動作を行った時に、素早く適切な向きの地図を表示し、また、省電力機能を適切に制御し、利用者ごとの表示画面を見る動作の判定基準を学習できるようにした携帯型ナビゲーション装置、その表示制御方法、省電力制御方法および学習方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、地図データ、道路データを用いて、所望の出発地から目的地までの経路を探索して利用者を案内するナビゲーション装置、ナビゲーションシステムが知られている。
このようなナビゲーション装置、ナビゲーションシステムとしては自動車に搭載して運転者に経路を案内するカーナビゲーション装置、携帯電話をナビゲーション端末として利用して経路探索サーバに経路探索要求を送り、その結果を受信して経路案内を受ける通信型のナビゲーションシステムなどが実用化されている。
【0003】
特に、通信型のナビゲーションシステムは、携帯電話などの携帯端末をナビゲーション端末として利用したシステムであって、歩行者用のナビゲーションシステムとしても用いられるものである。歩行者用のナビゲーションシステムとしては、交通機関を含めた経路案内機能を付加することが好ましく、道路ネットワークデータを用いた自動車や徒歩経路の探索と案内に加えて、経路探索サーバに交通機関の路線や運行時刻データを交通ネットワークデータとして蓄積している。
このような歩行者用のナビゲーションシステムは、所望の出発駅から所望の目的駅までの経路(乗車候補列車)を、徒歩経路の探索と案内に加えて案内する機能を有する。また、徒歩経路の経路探索を伴わずに情報配信サーバから交通機関の路線や時刻表、乗車可能な列車などの情報の配信を受けて表示する交通案内システムも存在する。
【0004】
また、航空機、列車、電車、バスなどの交通手段を用いて出発地から目的地までの経路を探索して案内する経路探索システムも知られている。このような経路探索システムは一般的には、ユーザが指定する出発日時、出発地、目的地、到着時刻等の経路探索条件に基づいて経路探索を行う。
すなわち、各交通機関の路線データや運行時刻データをデータベース化した交通ネットワークデータを参照して、乗り継ぎを含めて出発地と目的地を結ぶ、利用可能な各交通手段を経路として順次たどり、経路探索条件に合致する案内経路(列車などの交通手段)の候補を1つまたは複数提示する。経路探索条件としては更に、所要時間、乗り継ぎ回数、運賃などの条件を指定できるようにされているのが一般的である。
【0005】
上記のような道路ネットワークのデータを用いて経路探索して得た出発地から目的地までの経路のうち、経路の累計コスト(距離または時間)が最小となる経路が最適な案内経路として決定され、案内経路データが作成される。案内経路データには、最適経路のデータの他に地図データ、音声案内などのガイダンスデータが含まれ、案内経路データは必要に応じて案内データ記憶手段から読み出され表示手段に表示される。
一般的には、ナビゲーション装置が有するGPS受信機を用いて測位したナビゲーション装置の現在位置を含む一定の縮尺、一定の範囲の地図に、案内経路と、ナビゲーション装置の現在位置を示すマークを重ね合わせ、該現在位置マークが表示画面の中心になるように表示し、交差点などのガイダンスポイントにおいて音声案内などのガイダンスを出力して利用者を案内する。
【0006】
このように、端末装置の表示部(LCD表示ユニット:液晶表示ユニット)に地図や案内経路を表示し、音声案内などのガイダンスを出力して利用者を目的地まで案内するシステムは、例えば、下記の特許文献1(国際公開WO2004/092679号パンフレット)に開示されている。
【0007】
一般的に、携帯電話機などの携帯機器においては、携帯機器が何の操作もされない状態で一定の時間経過すると、電池消耗を防止するため、着信待ち受けなど最低限の機能にかかわる部分にのみ電源を供給し、表示部など不要な機能にかかわる部分への電源供給を停止する、いわゆる省電力モードに移行するように制御される。このような携帯機器は、例えば、下記特許文献2(特開2004−153756号公報)に開示されている。
【0008】
このような携帯電話機を携帯型ナビゲーション装置として使用するシステムにおいては、携帯電話機でナビゲーションのためのアプリケーションを実行している最中であっても、携帯電話機での使用時における電力消費量を軽減するために、数秒間操作を行わなければLCDなどの表示部の電力供給が停止される。携帯電話機に付随している省電モードは表示部について言えば、LCDのバックライトを消灯あるいは暗くすることによって消費電力を軽減する制御が行われる。
【0009】
通常この機能によって消灯したLCDのバックライトを再点灯するためには、携帯電話機のいずれかのキーを押す必要がある。したがって、上述のナビゲーションシステムを搭載した携帯電話機でナビゲーションを行っている間、一般的には歩行中に短い間隔でキー操作を行うことは少ないため、ほとんどの場合、携帯電話機は省電力モードに移行してLCDのバックライトが消灯する。この状態から復帰するために、利用者は携帯電話機のいずれかのキーを押す必要がある。この操作キーの押下を行うことにより節電モードから復帰することによって、表示された地図を確認することができる。
【0010】
一方、ナビゲーション装置に地図を表示する場合、表示する地図の方位(北の方位)を表示画面の上にして表示する場合と、利用者の進行方向あるいは案内経路(ルート)の方向が表示画面の上になるようにして地図を表示する場合がある。前者をノースアップ表示、後者をヘッディングアップ表示という。携帯型ナビゲーション装置において、自分が向いている方向に合わせて地図を表示(ヘッディングアップ表示)するために電子コンパスを搭載した装置が、例えば、下記の特許文献3(特開2004−251694号公報)に開示されている。
【0011】
また、携帯型電子機器において、機器の姿勢、移動方向や移動量を検出する加速度センサ、方位センサなどの各種センサを搭載し、当該携帯電子機器の機体の姿勢、位置や移動方向、移動距離などを検出できるようにした機器も知られている。このような携帯電子機器は、例えば、下記の特許文献4(特開2004−150900号公報)、特許文献5(特開2004−233058号公報)に開示されている。
【0012】
これらのセンサを用いて携帯型電子機器の姿勢、移動方向などを検出して前述地図表示の方向(ノースアップ表示またはヘディングアップ表示)を制御する場合、例えば、携帯型ナビゲーション装置を使用している利用者が地図表示を見るために携帯型ナビゲーション装置を握った腕を振り上げるなど、急激に機器の向きを変えた際に、これを電子コンパスや加速度センサで検出すると、地図の向きが正しく表示できないこともある。
【0013】
【特許文献1】国際公開WO2004/092679号パンフレット(請求の範囲、図3)
【特許文献2】特開2004−153756号公報(図3)
【特許文献3】特開2004−251694号公報(図3)
【特許文献4】特開2004−150900号公報(図1)
【特許文献5】特開2004−233058号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
携帯電話などの携帯ナビゲーション装置が電子コンパスや加速度センサなどのセンサを備え、装置自体の向いている方向や進行方向を検出して地図をヘディングアップ表示している場合、表示画面を見ている場合には装置自体が向いている方向や進行方向が正しく検出できるので、表示画面に表示される地図の向きは利用者の進行方向または案内経路の方向に正しくヘディングアップ表示される。
しかしながら、利用者が歩行中の場合、携帯ナビゲーション装置の表示画面を見ながら歩行することはなく、携帯ナビゲーション装置は、手に持って歩行しているか、ポケットの中に入れられた状態である。この場合、電子コンパスなどのセンサが検出する装置自体の向きや進行方向は必ずしも歩行者の進行している向きやの方向を正しく検出してはいないことになる。
【0015】
従って、この状態では電子コンパスなどのセンサが検出した装置自体の向きや進行方向に基づいて表示画面にヘディングアップ表示されている地図は正しい方向を向いて表示されていない確率が高い。利用者が表示画面に表示された地図を見るために携帯ナビゲーション装置の画面を顔の前に移動させた状態では、表示画面に表示された地図の向きは正しくヘディングアップ表示されていないことが多い。
【0016】
そして、携帯ナビゲーション装置が移動された状態で電子コンパスなどのセンサが装置自体の向きや進行方向を検出し、この検出結果に基づいて表示する地図の向きを回転する処理が行われる。この処理には数秒の時間が必要であり、利用者が表示画面を見るために携帯ナビゲーション装置を顔の前に移動してから数秒後に正しい方向にヘディングアップされた地図が表示されることになる。このため正しい方向にヘディングアップされた地図が表示されるまでの時間的なロスが生じるという問題点があった。
【0017】
また、このような状態では、携帯ナビゲーション装置は節電モードに移行しているので、節電モードから復帰(携帯ナビゲーション装置)するために利用者は携帯ナビゲーション装置を顔の前に移動する操作とともに節電モードから復帰するための操作を行う。このような状態で節電モードから復帰した場合に前述のように表示画面に表示された地図が正しくヘディングアップ表示されていないと、利用者にとっては携帯ナビゲーション装置が正しく動作していないという誤った印象をあたえてしまうという問題点があった。
【0018】
ところで、先に述べたように携帯電話機に搭載しているアプリケーションを動作している場合にも一定時間以上キー操作を行わない場合に省電力モードに移行するような省電力機能を備えるほとんどの携帯電話機に共通する問題として、省電力モードから復帰するためにキー操作を行う必要があるという問題がある。このため、利用者が操作するボタンによっては、利用者が意図しない操作、例えば、アプリケーションの終了、他のアプリケーションの起動やメニュー画面の表示が行われるという問題点があった。
【0019】
すなわち、利用者が携帯電話機を端末として使用しナビゲーションサービスを受けるためのナビゲーションアプリケーションを起動し(経路探索サーバから案内経路や地図データの配信を受け、ある時間歩行していると、携帯電話機は省電力モードに移行している。この状態で利用者が地図を確認したい場合には携帯電話機の何れかのボタンを操作して省電力モードから復帰させる必要がある。しかしながら、操作するボタンがナビゲーションアプリケーションを終了させてしまうようなボタンであると、利用者の意図と反対にサービスを受けていた経路案内が終了してしまうという問題が生じる。
【0020】
特に、スライド式の携帯電話機では、スライドを開けていない状態で押下可能なボタンの数が少ないため、アプリケーションの誤操作を行う可能性が極めて高くなる。また、携帯電話機のGPSシステムを使った歩行者用のナビゲーションシステムを利用する利用者は、携帯電話機の画面上に表示されている地図情報と現在の位置から見える目印や交差点を照らし合わせながら目的地へ向かうため、一定の間隔で携帯電話機の表示画面を確認する必要があり、アプリケーションの実行中に節電モードから復帰するための操作の回数も多くなり、上記のような誤操作を生じる頻度も高くなる。
【0021】
本発明は、このような従来技術の課題を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、利用者が表示手段を見る動作を行っていないと判定した時には、常に地図を進行方向または誘導方向を上にして表示手段に表示しておき、携帯型ナビゲーションシステムの実行時に携帯電話機を見る動作を行った際、すばやく表示された地図を確認あるいはナビゲーションを利用できる状態にすることができる携帯型ナビゲーション装置、その表示制御方法、省電力制御方法および学習方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0022】
前記課題を解決するために、本願の請求項1に係る発明は、
出発地から目的地までの誘導経路および地図データを受信して歩行者を目的地に誘導する携帯型ナビゲーション装置であって、
歩行者の進行方向を検出する進行方向検出手段と、
歩行者を目的地へ誘導する目的地誘導手段と、
歩行者を目的地へ誘導するための地図を表示する表示手段と、
歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったか否か判定する動作判定手段と、
前記動作判定手段において歩行者が前記表示手段を見る動作を行っていないと判定した時、前記地図を進行方向または誘導方向を上にして前記表示手段に表示し、前記動作判定手段の判定結果に基づいて前記歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったときに、前記進行方向検出手段が検出した進行方向と前記目的地誘導手段の誘導方向との関係に応じて前記地図の表示態様を制御する地図表示制御手段と、
を備えることを特徴とする。
【0023】
本願の請求項2に係る発明は、請求項1に係る携帯型ナビゲーション装置において、
前記地図表示制御手段は、前記進行方向検出手段が検出した進行方向と前記目的地誘導手段の誘導方向がほぼ一致しているときに、前記誘導方向が上となるように地図を表示することを特徴とする。
【0024】
本願の請求項3に係る発明は、請求項1に係る携帯型ナビゲーション装置において、
前記地図表示制御手段は、前記進行方向検出手段が検出した進行方向と前記目的地誘導手段の誘導方向が一致していないときに、前記進行方向が上となるように地図を表示することを特徴とする。
【0025】
本願の請求項4に係る発明は、請求項1に係る携帯型ナビゲーション装置において、
前記地図表示制御手段は、前記動作判定手段の判定結果に基づいて前記歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったときに前記表示手段のバックライトを表示することを特徴とする。
【0026】
本願の請求項5に係る発明は、請求項1に係る携帯型ナビゲーション装置において、
前記地図表示制御手段は、前記動作判定手段の判定結果に基づいて前記歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったときに、前記誘導方向または進行方向が上となるように地図を表示する制御を解除し、地磁気に応じて地図の表示を制御することを特徴とする。
【0027】
本願の請求項6に係る発明は、請求項1ないし請求項5の何れかに係る携帯型ナビゲーション装置において、
前記動作判定手段は、当該装置を把持する歩行者の腕の振り上げ、振り下ろしを検出することにより前記歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったか否か判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の携帯型ナビゲーション装置。
【0028】
本願の請求項7に係る発明は、請求項1に係る携帯型ナビゲーション装置において、
前記携帯型ナビゲーション装置は、所定の状態において所定の要素にのみ電力を供給する省電力モードへの移行と、省電力モードからの復帰を制御する電源制御部を更に備え、
前記電源制御部は、前記動作判定手段の判定結果に基づいて省電力モードからの復帰制御または省電力モードへの移行制御を行うことを特徴とする。
【0029】
本願の請求項8に係る発明は、請求項7に係る携帯型ナビゲーション装置において、
前記電源制御部は、前記表示部を構成するバックライトの点灯、消灯を制御することを特徴とする。
【0030】
また、本願の請求項9に係る発明は、
歩行者の進行方向を検出する進行方向検出手段と、
歩行者を目的地へ誘導する目的地誘導手段と、
歩行者を目的地へ誘導するための地図を表示する表示手段と、
歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったか否か判定する動作判定手段と、
を備え、前記動作判定手段において歩行者が前記表示手段を見る動作を行っていないと判定した時、前記地図を進行方向または誘導方向を上にして前記表示手段に表示する携帯型ナビゲーション装置に用いられる表示制御方法であって、
歩行者が表示手段を見る動作を行ったか否か判定する判定ステップと、
前記判定ステップの判定結果に基づいて前記歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったときに、前記検出ステップが検出した進行方向と前記目的地誘導ステップの誘導方向との関係に応じて前記地図の表示態様を制御する制御ステップと
を備えたことを特徴とする。
【0031】
本願の請求項10に係る発明は、請求項9に係る表示制御方法において、
前記制御ステップは、前記検出ステップが検出した進行方向と前記目的地誘導ステップの誘導方向がほぼ一致しているときに、前記誘導方向が上となるように地図を表示する処理を含むことを特徴とする。
【0032】
本願の請求項11に係る発明は、請求項9に係る表示制御方法において、
前記制御ステップは、前記検出ステップが検出した進行方向と前記目的地誘導ステップの誘導方向が一致していないときに、前記進行方向が上となるように地図を表示する処理を含むことを特徴とする。
【0033】
本願の請求項12に係る発明は、請求項9に係る表示制御方法において、
前記制御ステップは、前記判定ステップの判定結果に基づいて前記歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったときに前記表示手段のバックライトを表示する処理を含むことを特徴とする。
【0034】
本願の請求項13に係る発明は、請求項9に係る表示制御方法において、
前記制御ステップは、前記判定ステップの判定結果に基づいて前記歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったときに、前記誘導方向または進行方向が上となるように地図を表示する制御を解除し、地磁気に応じて地図の表示を制御する処理を含むことを特徴とする。
【0035】
前記判定ステップは、携帯型ナビゲーション装置を把持する歩行者の腕の振り上げ、振り下ろしを検出することにより前記歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったか否か判定する処理を含むことを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の表示制御方法。
【0036】
また、本願の請求項15にかかる発明は、
歩行者を目的地へ誘導するための地図を表示する表示手段と、
歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったか否か判定する動作判定手段と、
所定の状態において所定の要素にのみ電力を供給する省電力モードへの移行と、省電力モードからの復帰を制御する電源制御部と、を備えた携帯型ナビゲーション装置に用いられる省電力制御方法であって、
前記動作判定手段が、歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったか否か判定する判定ステップと、
前記動作判定手段の判定結果に基づいて前記電源制御部が省電力モードへの移行制御または省電力モードからの復帰制御を行う電源制御ステップと、
を備えたことを特徴とする。
【0037】
本願の請求項16に係る発明は、請求項15に係る省電力制御方法において、
前記判定ステップは、携帯型ナビゲーション装置を把持する歩行者の腕の振り上げ、振り下ろしを検出することにより前記歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったか否か判定する処理を含むことを特徴とする。
【0038】
本願の請求項17に係る発明は、請求項15に係る省電力制御方法において、
前記電源制御ステップは、前記表示部を構成するバックライトの点灯、消灯を制御する処理を含むことを特徴とする。
【0039】
また、本願の請求項18に係る発明は、
請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の携帯型ナビゲーション装置の動作を認識するための学習方法であって、
利用者が前記携帯型ナビゲーション装置の表示画面を見ているときの角度を検知するステップと、
前記携帯型ナビゲーション装置を上下に動かしたときの移動距離を検知するステップと、
前記検知された角度と移動距離について単回帰分析するステップと、
前記単回帰分析を行ったデータを記憶するステップと
を備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0040】
本発明は上記のような構成を備えることにより、以下に述べるような優れた効果を奏する。
請求項1ないし請求項6に係る発明においては、携帯型ナビゲーション装置は歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったか否か判定する動作判定手段を備え、動作判定手段において歩行者が前記表示手段を見る動作を行っていないと判定した時、前記地図を進行方向または誘導方向を上にして前記表示手段に表示し、動作判定手段の判定結果に基づいて、歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったときに、進行方向検出手段が検出した進行方向と目的地誘導手段の誘導方向との関係に応じて地図の表示態様を制御する。
従って、利用者が携帯電話機の画面を見る動作を行ったときは、進行方向または誘導方向の関係に応じて、進行方向または誘導方向を上にして地図を表示することにより、地図回転のタイムロスなく地図表示することができるようになる。
【0041】
すなわち、携帯型ナビゲーション装置を見ている状態から見ていない状態(例えば、腕を振り下ろす動作)を行った場合、あるいは地磁気センサによる地磁気の取得方向が安定していない場合に、常に経路あるいは進行方向に対してヘディングアップしておくことにより、使用者が携帯型ナビゲーション装置を見る動作(例えば、腕を振り上げる動作)を行った際の地図回転によるタイムロスを少なくすることが可能となる。このとき、LCDなどの省電力機能が働いている場合は、その機能も解除され、使用可能な状態となるようにする。
また、使用者が携帯型ナビゲーション装置を見る動作(例えば、腕を振り上げる動作)によって、経路あるいは進行方向に対する常時ヘディングアップ機能が解除され、通常の地磁気に応じた地図回転表示機能へと移行することが可能となる。
【0042】
請求項7、請求項8に係る発明においては、請求項1に係る携帯型ナビゲーション装置において、所定の状態において所定の要素にのみ電力を供給する省電力モードへの移行と、省電力モードからの復帰を制御する電源制御部を更に備え、電源制御部は、前記動作判定手段の判定結果に基づいて省電力モードからの復帰制御または省電力モードへの移行制御を行う。
従って、利用者が携帯電話機の画面を見る動作を行ったときは、表示手段を構成するLCDのバックライトが点灯され直ちに地図表示を見ることができるようになる。また、進行方向または誘導方向の関係に応じて、進行方向または誘導方向を上にして地図を表示することにより、地図回転のタイムロスなく地図表示することができるようになる。すなわち、装置の移動状態に応じて何らの操作なく自動的に省電力モードへの移行と省電力モードからの復帰を容易に制御することが可能となる。これにより省電力モードから復帰させる際に利用者が意図しない操作を行ってしまう誤作動を生じることがなくなる。
【0043】
請求項9ないし請求項14に係る発明においては、それぞれ請求項1ないし請求項6にかかる発明の携帯型ナビゲーション装置における表示制御方法を提供することができるようになる。また、請求項15ないし請求項17に係る発明においては、請求項7、請求項8に係る発明の携帯型ナビゲーション装置における省電力制御方法を提供することができるようになる。
【0044】
請求項18に係る発明においては、請求項1ないし請求項8のいずれか1項係る携帯型ナビゲーション装置の動作を認識するための学習方法であって、利用者が前記携帯型ナビゲーション装置の表示画面を見ているときの角度を検知するステップと、前記携帯型ナビゲーション装置を上下に動かしたときの移動距離を検知するステップと、前記検知された角度と移動距離について単回帰分析するステップと、前記単回帰分析を行ったデータを記憶するステップと、を備える。
従って、利用者個人々の動作範囲をそれぞれ携帯型ナビゲーション装置に設定することができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
以下、本発明の具体例を実施例及び図面を用いて詳細に説明する。但し、以下に示す実施形態は、本発明の技術思想を具体化するための携帯電話機を例示するものであって、本発明をこの携帯電話機に特定することを意図するものではなく、特許請求の範囲に含まれるその他の実施形態のものも等しく適応し得るものである。
【0046】
図1は、本発明の実施形態に係る携帯型ナビゲーション装置を含む携帯型ナビゲーションシステムの一例を示す図である。
図1において、この携帯型ナビゲーションシステムは、利用者の経路をナビゲーションする携帯電話機からなる携帯型ナビゲーション装置10と、携帯型ナビゲーション装置10にナビゲーション情報を提供する経路探索サーバ11と、携帯型ナビゲーション装置10及び経路探索サーバ11を通信可能に接続するネットワーク12と、携帯型ナビゲーション装置10に測位位置情報を提供するGPS(Global Positioning System)13とから構成されている。
【0047】
本発明においては、利用者が携帯型ナビゲーション装置10の表示画面を見ている状態から見ていない状態(例えば,腕を振り下ろす動作)を行った場合、また、地磁気センサによる地磁気の取得方向が安定していない場合には、常に案内経路あるいは携帯型ナビゲーション装置10の進行方向に対してヘディングアップ表示による地図表示に固定しておく。このことにより、利用者が携帯型ナビゲーション装置10の表示画面を見る動作(例えば,腕を振り上げる動作)を行った際の地図の表示方向を正しい方向に回転処理するタイムロスをなくすことができる。
【0048】
また、本発明においては、利用者が携帯型ナビゲーション装置10の表示画面を見る動作(例えば,腕を振り上げる動作)を行った時、同時に省電力モードから自動的に復帰して表示部に電力供給をする(LCDのバックライトを点灯する)ように制御する。このことにより、利用者が携帯型ナビゲーション装置10を何の操作をすることなく、省電力モードから復帰できるようになる。
【0049】
利用者が携帯型ナビゲーション装置10の表示画面を見ている状態から見ていない状態に変化したこと、あるいは、見ていない状態から見ている状態に変化したことを携帯型ナビゲーション装置10を持った腕の振り上げ動作、振り下げ動作として検出することができ、本発明ではこれを携帯型ナビゲーション装置10に設けた3軸加速度センサにより検出する。腕の振り上げ、振り下げ動作には個人差があるため、本発明においては、上記検出における加速度センサの検出出力範囲を利用者が携帯型ナビゲーション装置10に学習させる機能を備えている。
【0050】
以下、順を追って、以上述べた本実施例の特徴点についてその構成、動作を説明する。
経路探索サーバ11は携帯型ナビゲーション装置10から送信された出発地、目的地、移動手段(徒歩や自動車、徒歩と交通機関併用など)などの経路探索条件に従って、道路ネットワークデータや交通ネットワークデータに基づいて最適経路を探索し、探索した案内経路、現在位置を含む地図データ、交差点などの案内ポイントにおけるガイダンスのデータなどを携帯型ナビゲーション装置10に配信する。
【0051】
図16は経路探索サーバ11において経路探索に使用される道路ネットワークデータの構成を説明するための模式図である。例えば、道路が図16に示すように道路A、B、Cからなる場合、道路A、B、Cの端点、交差点、屈曲点などをノードとし、各ノード間を結ぶ道路を有向性のリンクで表し、ノードデータ(ノードの緯度・経度)、リンクデータ(リンク番号)と各リンクのリンクコスト(リンクの距離またはリンクを走行するのに必要な所要時間)をデータとしたリンクコストデータと構成される。
【0052】
すなわち、図16において、○印、◎印がノードを示し、◎印は道路の交差点を示している。各ノード間を結ぶ有向性のリンクを矢印線(実線、点線、2点鎖線)で示している。リンクは、道路の上り、下りそれぞれの方向を向いたリンクが存在するが、図16では図示を簡略化するため矢印の向きのリンクのみを図示している。
【0053】
このような道路ネットワークのデータを経路探索用のデータベースとして経路探索を行う場合、出発地のノードから目的地のノードまで連結されたリンクをたどりそのリンクコストを累積し、累積リンクコストの最少になる経路を探索して案内する。すなわち、図16において出発地をノードAX、目的地をノードCYとして経路探索を行う場合、ノードAXから道路Aを走行して2つ目の交差点で右折して道路Cに入りノードCYにいたるリンクを順次たどりリンクコストを累積し、リンクコストの累積値が最少になる経路を探索して案内する。
【0054】
図16ではノードAXからノードCYに至る他の経路は図示されていないが、実際にはそのような経路が他にも存在するため、ノードAXからノードCYに至る可能な経路を同様にして探索し、それらの経路のうちリンクコストが最少になる経路を最適経路として決定するものである。この手法は、例えば、ダイクストラ法と呼ばれる周知の手法によって行われる。
【0055】
図2は、本発明の実施例に係る携帯型ナビゲーション装置として携帯電話機を例にした場合の構成を示すブロック図である。図2に示すように、携帯電話機10は、無線通信部21、操作入力部22、制御部23、メモリ24、地図表示制御手段25、電源制御部26、表示制御部27、表示部28、進行方向検出手段29、目的地誘導手段30、および動作判定手段31とから構成されている。以下の説明においては、携帯型ナビゲーション装置10を携帯電話機10として説明することとする。
【0056】
無線通信部21は、所定の通信プロトコルに従って無線通信を行うためのものであり、携帯電話機として無線通信網と通信を行い、あるいはネットワーク12と接続して経路探索サーバ11とデータ通信を行う。
操作入力部22は、データの入力や機能指示を行うためのもので、ダイヤルボタン、機能選択ボタンなどを含む各種キー、スイッチやタッチパネルセンサから構成されており、ダイヤル番号等の入力のほか、経路検索条件の入力やナビゲーション開始指示を行う。
制御部23は、マイクロプロセッサ(CPU)からなり、メモリ24に予め記録されたプログラムを実行して各部を制御することにより携帯電話機10に備えられた各種機能を実行する。
【0057】
携帯電話機10に備えられた各種機能としては、携帯電話機としての基本機能である電話機能のほか、パケット通信サービスを利用して経路探索サーバ11との間で経路データをやり取りし、経路情報を表示するための経路探索システム機能、インターネット等の通信ネットワークを介して外部端末との間でメールデータをやり取りするためのメール機能、動作判定手段31からの制御信号に応じて各部の省電力制御を行うか否か判定し、省電力モードへの移行、省電力モードからの復帰を制御する省電力制御機能などがある。
メモリ24は、RAMとROMからなり、RAMは制御部23が各種の制御を実行する際の作業エリアを提供し、ROMは制御部23が実行する各種制御プログラムや相手先のダイヤル番号やメールアドレス等を記録する。
【0058】
地図表示制御手段25は、携帯電話機10から送信される要求に応じて経路探索サーバから配信される目的地と現在地含む地図情報を記憶する。
電源制御部26は、制御部23の制御に応じて電池(図示せず)からの電源を各部に供給する。表示制御部27は、送受信時のダイヤル番号データ、地図情報を含む経路データ、あるいはメールデータを表示部28に表示させる。表示部28は、例えば、カラー表示可能な小型LCDからなり、各種データの表示を行う。また、携帯電話機10が所定の状態になった時に電源制御部26は省電力モードへの移行、あるいは、省電力モードからの復帰制御を行う。
【0059】
動作判定手段31は、加速度センサを備えており、使用者が携帯電話機の画面を見ているという動作の判定を、携帯電話機を手に持って下ろしている状態から画面が見える位置に手を上げるときの動きを加速度センサで認識することによって行う。
また、動作判定手段31は、画面を見なくなったという動作の判定を、手を上げた状態から手を下げたことを加速度センサで認識することによって行う。
なお、この判定は携帯電話機10の角度や地磁気の指す方向の安定性によって行ってもよい。
【0060】
進行方向検出手段29は、地磁気センサ(電子コンパス)および加速度センサからなり、現在の位置から進んだ方向と距離をこの2つのセンサによって算出し,これらの算出結果の履歴から進行方向を特定する。ただし、外界の影響による急激な磁場の変化を検出した場合は、その位置における進行方向履歴への保存を中止し、あるいは検出の停止を行う。
ここで、地磁気センサは、例えば2つの磁気センサを互いに直角となる方向に配置し、その各磁気センサにより磁界の大きさを検出し、その両方向の磁界の検出結果から地磁気の方位を求めるものであり、その方位データを出力する。
【0061】
なお、進行方向の検出は、GPS13での測位位置の履歴から算出してもよい。GPSで進行方向を算出する場合、測位位置に誤差が生じることがあるのでマップマッチングや歩行検知を行い、誤差を少なくする必要がある。GPSを使用した場合、電波が届かない所での検出は不可能である。したがって進行方向の検出には、地磁気センサおよび加速度センサ、さらにGPSを併用して行うことが望ましい。
【0062】
目的地誘導手段30は、ナビゲーションシステムからなり、GPS13から獲得した測位位置情報を解析し、算出した現在位置情報と経路探索サーバ11から受信した案内経路のデータから、地図表示制御手段25に記憶されている目的地を含む地図情報とに基づいて現在位置から目的地までの誘導方向を出力する。
また、制御部23は、この進行方向検出手段29によって検出された方向と目的地誘導手段30によって誘導している方向を地図上で整合し、進行方向と誘導方向の一致あるいは不一致の判断を行う。
【0063】
図3は、ルート(案内経路)に対して地図をヘディングアップ表示した携帯電話機10の説明図である。図4は、進行方向に対して地図をヘディングアップ表示した携帯電話機10の説明図である。先に述べたように本発明においては、利用者が携帯型ナビゲーション装置10の表示部を見ていないと判断できる状態では、常に地図の表示はヘッディングアップ表示によって行われるように固定されている。ヘッディングアップ表示には次2通りの表示方法が使用される。
【0064】
すなわち、第1は、図3に示すように、進行方向検出手段29が検出した進行方向と目的地誘導手段30の誘導方向が一致している場合は、誘導されている方向(経路方向)が上となるように地図を表示(ヘディングアップ)する方法である。ここで表示される地図は、誘導方向を基準として表示しているため、携帯型ナビゲーション装置10が向いている方向とは異なることもある。
しかし、地図に重ね合わせて誘導のために表示されている案内経路を基準に地図表示を行うので、誘導方向に対して正確に上を向いた地図を表示することができる。利用者が経路を確認する瞬間は、経路上に沿って進行していることが多いので、誘導方向が上になっている方が分かり易い。
【0065】
また、第2は、図4に示すように、進行方向検出手段29が検出した進行方向と目的地誘導手段30の誘導方向が一致していない場合は、進行している方向が上となるように地図を表示(ヘディングアップ)する方法である。ここでは進行方向と地図をマッチングし、その結果、進行していると判断される地図上の方向を上にして表示する。
【0066】
なお、目的地誘導手段30を利用していないとき、あるいは経路から外れているときは、進行方向と誘導方向が一致していないと考える。
また、歩いている場合、進行方向には揺らぎがあるため、経路と異なる方向へ移動している際に行う進行方向に対するヘディングアップでは、多少地図が揺らいで表示される可能性がある。そのため、経路に対してヘディングアップした方が、揺らぎが少ない地図の表示が可能となる。
【0067】
利用者がナビゲーションサービスを使用して案内経路を歩行中である場合、表示画面を継続的に見ることはなく、歩行中は手に持った携帯電話機10を下げている、あるいはポケットにしまっている時間が圧倒的に長く、交差点などのガイダンスポイントで、進行方向を確認するために携帯電話機10を表示画面が見られる位置に移動させる動作(携帯型ナビゲーション装置10を持った手を振り上げ顔の前に携帯電話機10の表示画面を持ってくる動作を行う。
【0068】
このような場合、地図表示は前述のように携帯電話機10に搭載された各種センサによって機器の向きや進行方向を検出し、それに基づいて表示しているため、ポケットなどにしまわれた状態では正しく地図表示されていない。このため、携帯型ナビゲーション装置10を持った手を振り上げて機器を利用者の顔の前、すなわち、表示画面を利用者が見られ位置に移動した直後には地図表示が正しい方向に表示されていないという状態にある。本発明においては、携帯型ナビゲーション装置10がこのような状態にある時、常に案内経路あるいは携帯型ナビゲーション装置10の進行方向に対してヘディングアップ表示による地図表示に固定している。このことにより、利用者が携帯型ナビゲーション装置10の表示画面を見る動作(例えば,腕を振り上げる動作)を行った際の地図の表示方向を正しい方向に回転処理するタイムロスをなくすことができ、素早く正しい地図表示を行えることになる。
【0069】
先に述べたように、動作判定手段31は、加速度センサを備えており、利用者が携帯電話機の画面を見ているという動作の判定を、携帯電話機を手に持って下ろしている状態から画面が見える位置に手を上げるときの動きを加速度センサで認識することによって行う。
また、動作判定手段31は、画面を見なくなったという動作の判定を、手を上げた状態から手を下げたことを加速度センサで認識することによって行う。
【0070】
また、この時同時に携帯電話機10を省電力モードから復帰するようにすれば、利用者は地図表示を確認する目的で携帯電話機10を何らかの操作をする必要がなくなる。従って、省電力モードから復帰させるための操作ミスにより携帯電話機10が利用者の予想してない状態になることがなくなる。この制御手順については後述する。
【0071】
ところで、動作判定手段31によって利用者が携帯電話機10の画面を見ている状態であると認識できる動作範囲は、予め利用者が設定する、あるいは自動的に学習する。利用者の動作にはバラツキがあり、利用者によって異なる最良の動作範囲を個々に設定することは利用者にとって大きな負担となるため、携帯電話機10を振り上げる動作、および振り下げる動作を学習して認識可能な動作範囲を調整することが望ましい。本実施例においては携帯電話機10には以下のような自動学習機能が用意されている。
【0072】
図5は、携帯電話機10の機器本体の振り上げおよび振り下げ動作の学習方法を示すフローチャートである。なお、図5に示す処理動作は制御部23がメモリ24に記録された制御プログラムを実行することで実現される。
制御部23は、利用者が操作入力部22を操作して入力される指示を待って機器本体の振り上げ、振り下げ動作を自動学習するか否かを判定し(ステップS51)、自動学習の指示を受けると、利用者による上下の腕の振りによって携帯電話機10が上下どちらかに移動したか否かを判定する(ステップS52)。
【0073】
ここで、上下の腕の振りは、動作判定手段31の3軸の加速度センサによって検出する。3軸の加速度センサは、既知の方法を用いること検知した重力加速度の大きさによって携帯電話機の向きを検出することでき、加速度センサが加減速状態にあるときは、「運動による加減速度成分」と「傾斜による重力加速度成分」との合成信号が加速度信号として加速度センサから出力される。このとき、周波数領域的には、運動加減速度成分は高周波成分に位置し、重力加速度成分は低周波成分に位置しているため、姿勢角は得られた加速度信号から低周波成分を抽出し、抽出した低周波成分から算出する。
【0074】
すなわち、加速度センサが安定している場合、X,Y,Z軸の加速度の二乗和における平方根αはおよそ1Gとなる。したがって、動作初期においてα<1Gであれば下降方向、α>1Gであれば上昇方向へ移動していると判断することができる。
ここで、(G−α)を移動時間tで2回積分することによって移動距離を求めることができる。
例えば、サンプル周波数がTのときの時間TからTまでの時間間隔は1/T、加速度の変化をA=A,A,A,…A(0≦i≦n)とすると、Aを時間tで積分した値Vは、
=Vi−1+t(Ai−1+A)/2
となる。ただし、V=0である。
さらに、Vを時間tで積分した値Xは、
=Xi−1+t(Vi−1+V)/2
となる。ただし、X=0である。
【0075】
また、以下のように加速度センサで検出される重力加速度のx,y,z成分によって角度を算出する。
すなわち、各成分の加速度をAx,Ay,Azとすると、重力に対する各軸の角度θx,θy,θzは、
θx=acos(Ax/α) あるいは θx=asin(Ax/α)
θy=acos(Ay/α) あるいは θy=asin(Ay/α)
θz=acos(Az/α)
となる。ここで、αはAx,Ay,Azの二乗和の平方根である。
【0076】
さらに、図5のステップS52において、制御部23動作判定手段31で検出された加速度センサ出力により機器本体の移動を検知した場合には、検知した機器本体の移動方向は上方向と下方向のどちらか判定し(ステップS53)、移動方向が上方向の場合には、移動後に操作入力部22に対するキー入力が行われたか否か判定し(ステップS54)、移動方向が下方向の場合には、移動前に操作入力部22に対するキー入力が行われたか否か判定する。
ステップS54およびステップS55において、キー入力がある場合には、移動距離と角度を学習し(ステップS56)、メモリ24に記憶されている振り上げ/振り下げの動作の検出範囲を更新し(ステップS57)、キー入力がない場合には、学習は行わずに処理を終了する(ステップS58)。
【0077】
すなわち、利用者が画面を見ているときの角度をS、携帯電話機10を上下に動かしたときの移動距離をHとし単回帰分析を行う。このとき,角度Sは利用者がキー操作を行っているときの携帯電話機10の角度、移動距離Hはキー操作を行う前後の上下移動の距離とする。
例えば、上方向へ距離h1だけ移動した後に角度s1でキー操作を行った場合、距離h1と角度s1をメモリ24に記憶されているデータ集合Uxyに追加する。あるいは、角度s2でキー操作を行った後に下方向へ距離h2だけ移動した場合,角度s2と距離h2をメモリ24に記憶されているデータ集合Dxyに追加する。
【0078】
データ集合Uxyの単回帰モデルを
S= υ0+υ1H
データ集合Dxyの単回帰モデルを
H =δ0 +δ1S
とする。
ここで、パラメータυ0,υ1およびδ0,δ1の推定は、最小二乗法によって求める。最小二乗法は、得られた計測データの組がもつ相関関係を適当なモデルを用いて近似する方法である。近似関数の係数は、誤差(残差)の二乗和が最小となるように決定される。本発明の実施の形態では、一次関数をモデルとして用いているため、少ないデータで近似関数を求めることができる。
【0079】
例えば、身長175cmの男性が携帯電話機10を上下に動かしたときの移動距離とキー操作を行っているときの携帯電話機10の角度を計測した場合、上方向へ移動したときの実験データを図8および図9に示し、これらにより得られた回帰直線を図12および図13に示す。また、下方向へ移動したときの実験データを図10および図11に示し、これらにより得られた回帰直線を図14および図15に示す。図8〜図15において、縦軸は機器本体の移動角度、横軸は機器本体の移動距離をそれぞれ示す。
この回帰式は、新しいデータが追加されるたびに更新してもよいし、いくつかのデータが追加されるたびに更新してもよい。各データ集合の最大数を決めておくことにより、より直近のデータを優先して回帰式を求めることができる。また、計算時間を短縮することができる。
【0080】
ここで得られた回帰式を利用することによって、移動距離あるいは利用者が画面を見ているときの携帯電話機10の角度から、利用者が腕を振り上げて画面を見るという動作、あるいは腕を振り下げて画面を見なくなるという動作を認識することができる。
例えば、上方向への移動において移動距離がh1であったときに、移動後の携帯電話機10の角度s1が、データ集合Uxyに対する回帰式より求めた角度S±10°程度の範囲にある場合は、利用者が携帯電話機10を画面が見える位置に移動したと判断することができる。
【0081】
例えば、下方向への移動において移動前の携帯電話機10の角度がs2であったときに、携帯電話機10の移動距離h2が、データ集合Dxyに対する回帰式より求めた移動距離H±0.15m程度の範囲にある場合は、利用者が携帯電話機10を画面が見える位置に移動したと判断することができる。このようにして学習した検出範囲を記憶し、動作判定手段31がこれに基づいて判定することにより利用者が携帯型ナビゲーション装置10の表示部を見る状態に腕を振り上げたか、あるいは腕を振り下げたかを利用者個々の動作に応じて判定することができるようになる。
【0082】
次に、本発明の実施例に係る携帯電話機10の処理動作について説明する。図6は、携帯電話機10の表示画面を見ていないときの表示処理の動作を示すフローチャートであり、図7は、携帯電話機10の表示画面を見ているときの表示処理の動作を示すフローチャートである。なお、図6および図7に示す処理動作は制御部23がメモリ24に記録された制御プログラムを実行することで実現される。
【0083】
図6に示すように、利用者が携帯電話機10を手に持って下ろしている状態において、制御部23は、動作判定手段31の判定に基づいて、利用者が携帯電話機10の表示画面(LCD)を見る動作を行ったか否か判断する(ステップS61)。
利用者が画面を見る動作を行っていない場合、制御部23は、進行方向検出手段29が検出した進行方向と目的地誘導手段30の誘導方向が一致しているか否か判断し(ステップS62)、進行方向と誘導方向が一致している場合は、図3に示すように、誘導されている方向(経路方向)が上となるように、ルートに対して地図をヘディングアップする(ステップS63)。
【0084】
また、進行方向と誘導方向が一致していない場合は、図4に示すように、進行している方向が上となるように、進行方向に対して地図をヘディングアップする(ステップS64)。
上述のステップS61〜ステップS64の処理は、利用者が携帯電話機10の表示画面(LCD)を見る動作を行うまで繰り返される。
そして、利用者によって画面が見える位置に腕を上げた場合、電源制御部26は、省電力モードから復帰する制御を行いLCDのバックライトを点灯し、通常の電子コンパスを利用した地図の表示(ヘディングアップ)を行う(ステップS65)。これによって携帯電話機10は何らの操作なしに省電力モードの状態から復帰し、表示部28の地図表示が見える状態になる。
【0085】
このとき、電子コンパスを利用した地図の表示が開始されるまでの数秒間は、ステップS63あるいはステップS64において設定されている経路あるいは進行方向に対してヘディングアップされた地図を表示し、表示されている地図の方向と電子コンパスの向きが同じであればすぐに表示している地図の更新を開始し、向きがある程度の角度より異なっていれば数秒後から地図を更新する、あるいは、徐々に地図を表示した表示画面を回転する制御を行ってもよい。
【0086】
更に、図7に示すように、利用者が携帯電話機10を手に持って表示画面(LCD)を見ている状態において、制御部23は、動作判定手段31の判定に基づいて、利用者が携帯電話機10を持った腕を下ろし、携帯電話機10を表示画面(LCD)が見られない位置に移動したか否か判断する(ステップS71)。
携帯電話機10を表示画面(LCD)が見られない位置に移動していない場合は、通常の電子コンパスを利用した地図の表示を行い(ステップS72)、上述のステップS71〜ステップS72の処理は、利用者が携帯電話機10を表示画面(LCD)が見られない位置に移動するまで繰り返される。
【0087】
そして、利用者が携帯電話機10を表示画面(LCD)が見られない位置に移動した場合、ステップS73の処理でルートまたは進行方向に対するヘッディングアップ表示に固定し、電源制御部26は、省電力モードから復帰する制御を行いLCDのバックライトを消灯する(ステップS74)。これにより携帯電話機10は自動的に省電力モードへの移行を行うことができる。
【0088】
以上、詳細に説明したように、本発明にかかる携帯型ナビゲーション装置10によれば、アプリケーションを使用中、地図表示や案内経路を確認するために表示画面が見える位置に移動させた時にヘッディングアップされた地図が表示されるとともに自動的に省電力モードからの復帰制御が行われ、利用者は素早くナビゲーション機能を利用することができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】本発明の例に係る携帯型ナビゲーション装置を含む携帯型ナビゲーションシステムの一例を示す図である。
【図2】本発明の例に係る携帯型ナビゲーション装置として携帯電話機を例にした場合の構成を示すブロック図である。
【図3】ルートに対して地図をヘディングアップ表示した携帯電話機の説明図である。
【図4】進行方向に対して地図をヘディングアップ表示した携帯電話機の説明図である。
【図5】機体の振り上げおよび振り下げ動作の学習方法を示すフローチャートである。
【図6】携帯電話機の表示画面を見ていないときの表示処理の動作を示すフローチャートである。
【図7】携帯電話機の表示画面を見ているときの表示処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】右手を振り上げた場合の移動距離と角度に関する実験データである。
【図9】右手を振り上げた場合の移動距離と角度に関する実験データである。
【図10】左手を振り上げた場合の移動距離と角度に関する実験データである。
【図11】左手を振り上げた場合の移動距離と角度に関する実験データである。
【図12】図8のデータから求めた回帰直線の説明図である。
【図13】図9のデータから求めた回帰直線の説明図である。
【図14】図10のデータから求めた回帰直線の説明図である。
【図15】図11のデータから求めた回帰直線の説明図である。
【図16】経路探索用の道路ネットワークデータの概念を説明する模式図である。
【符号の説明】
【0090】
10 携帯型ナビゲーション装置
11 経路探索サーバ
12 ネットワーク
13 GPS
21 無線通信部
22 操作入力部
23 制御部
24 メモリ
25 地図表示制御手段
26 電源制御部
27 表示制御部
28 表示部
29 進行方向検出手段
30 目的地誘導手段
31 動作判定手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
出発地から目的地までの誘導経路および地図データを受信して歩行者を目的地に誘導する携帯型ナビゲーション装置であって、
歩行者の進行方向を検出する進行方向検出手段と、
歩行者を目的地へ誘導する目的地誘導手段と、
歩行者を目的地へ誘導するための地図を表示する表示手段と、
歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったか否か判定する動作判定手段と、
前記動作判定手段において歩行者が前記表示手段を見る動作を行っていないと判定した時、前記地図を進行方向または誘導方向を上にして前記表示手段に表示し、前記動作判定手段の判定結果に基づいて前記歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったときに、前記進行方向検出手段が検出した進行方向と前記目的地誘導手段の誘導方向との関係に応じて前記地図の表示態様を制御する地図表示制御手段と、
を備えることを特徴とする携帯型ナビゲーション装置。
【請求項2】
前記地図表示制御手段は、前記進行方向検出手段が検出した進行方向と前記目的地誘導手段の誘導方向がほぼ一致しているときに、前記誘導方向が上となるように地図を表示することを特徴とする請求項1に記載の携帯型ナビゲーション装置。
【請求項3】
前記地図表示制御手段は、前記進行方向検出手段が検出した進行方向と前記目的地誘導手段の誘導方向が一致していないときに、前記進行方向が上となるように地図を表示することを特徴とする請求項1に記載の携帯型ナビゲーション装置。
【請求項4】
前記地図表示制御手段は、前記動作判定手段の判定結果に基づいて前記歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったときに前記表示手段のバックライトを表示することを特徴とする請求項1に記載の携帯型ナビゲーション装置。
【請求項5】
前記地図表示制御手段は、前記動作判定手段の判定結果に基づいて前記歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったときに、前記誘導方向または進行方向が上となるように地図を表示する制御を解除し、地磁気に応じて地図の表示を制御することを特徴とする請求項1に記載の携帯型ナビゲーション装置。
【請求項6】
前記動作判定手段は、当該装置を把持する歩行者の腕の振り上げ、振り下ろしを検出することにより前記歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったか否か判定することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の携帯型ナビゲーション装置。
【請求項7】
前記携帯型ナビゲーション装置は、所定の状態において所定の要素にのみ電力を供給する省電力モードへの移行と、省電力モードからの復帰を制御する電源制御部を更に備え、
前記電源制御部は、前記動作判定手段の判定結果に基づいて省電力モードからの復帰制御または省電力モードへの移行制御を行うことを特徴とする請求項1に記載の携帯型ナビゲーション装置。
【請求項8】
前記電源制御部は、前記表示部を構成するバックライトの点灯、消灯を制御することを特徴とする請求項7に記載の携帯型ナビゲーション装置。
【請求項9】
歩行者の進行方向を検出する進行方向検出手段と、
歩行者を目的地へ誘導する目的地誘導手段と、
歩行者を目的地へ誘導するための地図を表示する表示手段と、
歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったか否か判定する動作判定手段と、
を備え、前記動作判定手段において歩行者が前記表示手段を見る動作を行っていないと判定した時、前記地図を進行方向または誘導方向を上にして前記表示手段に表示する携帯型ナビゲーション装置に用いられる表示制御方法であって、
歩行者が表示手段を見る動作を行ったか否か判定する判定ステップと、
前記判定ステップの判定結果に基づいて前記歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったときに、前記検出ステップが検出した進行方向と前記目的地誘導ステップの誘導方向との関係に応じて前記地図の表示態様を制御する制御ステップと
を備えたことを特徴とする表示制御方法。
【請求項10】
前記制御ステップは、前記検出ステップが検出した進行方向と前記目的地誘導ステップの誘導方向がほぼ一致しているときに、前記誘導方向が上となるように地図を表示する処理を含むことを特徴とする請求項9に記載の表示制御方法。
【請求項11】
前記制御ステップは、前記検出ステップが検出した進行方向と前記目的地誘導ステップの誘導方向が一致していないときに、前記進行方向が上となるように地図を表示する処理を含むことを特徴とする請求項9に記載の表示制御方法。
【請求項12】
前記制御ステップは、前記判定ステップの判定結果に基づいて前記歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったときに前記表示手段のバックライトを表示する処理を含むことを特徴とする請求項9に記載の表示制御方法。
【請求項13】
前記制御ステップは、前記判定ステップの判定結果に基づいて前記歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったときに、前記誘導方向または進行方向が上となるように地図を表示する制御を解除し、地磁気に応じて地図の表示を制御する処理を含むことを特徴とする請求項9に記載の表示制御方法。
【請求項14】
前記判定ステップは、携帯型ナビゲーション装置を把持する歩行者の腕の振り上げ、振り下ろしを検出することにより前記歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったか否か判定する処理を含むことを特徴とする請求項9〜13のいずれか1項に記載の表示制御方法。
【請求項15】
歩行者を目的地へ誘導するための地図を表示する表示手段と、
歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったか否か判定する動作判定手段と、
所定の状態において所定の要素にのみ電力を供給する省電力モードへの移行と、省電力モードからの復帰を制御する電源制御部と、を備えた携帯型ナビゲーション装置に用いられる省電力制御方法であって、
前記動作判定手段が、歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったか否か判定する判定ステップと、
前記動作判定手段の判定結果に基づいて前記電源制御部が省電力モードへの移行制御または省電力モードからの復帰制御を行う電源制御ステップと、
を備えたことを特徴とする省電力制御方法。
【請求項16】
前記判定ステップは、携帯型ナビゲーション装置を把持する歩行者の腕の振り上げ、振り下ろしを検出することにより前記歩行者が前記表示手段を見る動作を行ったか否か判定する処理を含むことを特徴とする請求項15に記載の省電力制御方法。
【請求項17】
前記電源制御ステップは、前記表示部を構成するバックライトの点灯、消灯を制御する処理を含むことを特徴とする請求項15に記載の省電力制御方法。
【請求項18】
請求項1ないし請求項8のいずれか1項に記載の携帯型ナビゲーション装置の動作を認識するための学習方法であって、
利用者が前記携帯型ナビゲーション装置の表示画面を見ているときの角度を検知するステップと、
前記携帯型ナビゲーション装置を上下に動かしたときの移動距離を検知するステップと、
前記検知された角度と移動距離について単回帰分析するステップと、
前記単回帰分析を行ったデータを記憶するステップと
を備えたことを特徴とする学習方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2007−85950(P2007−85950A)
【公開日】平成19年4月5日(2007.4.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−276842(P2005−276842)
【出願日】平成17年9月22日(2005.9.22)
【出願人】(500168811)株式会社ナビタイムジャパン (410)
【Fターム(参考)】