説明

携帯型マイクロ波撮像装置及びこの携帯型マイクロ波撮像装置を使用して対象物をスクリーニングする方法

【課題】
単純且つ効率的な携帯型マイクロ波撮像装置及び方法を提供すること。
【解決手段】
対象物(150)に関連するターゲット(155)にマイクロ波照射が向かうようにそれぞれの方向係数がプログラム可能にされ、前記ターゲット(155)から反射された反射マイクロ波照射を受信するようにそれぞれの方向係数を更にプログラム可能された複数のアンテナ素子(80)を有するアンテナアレイ(50)と、前記反射マイクロ波照射の強度を測定し、当該プロセッサ(100)によって作成された前記対象物(150)のマイクロ波画像内のボクセルの値を求めるように動作可能なプロセッサ(100)と、前記アンテナアレイ(50)が内部に搭載された第1の部分(25b)と、ユーザが当該装置(10)の移動を操作することを可能とするハンドル(30)を含む第2の部分(25c)とを有する支持部(20)とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型マイクロ波撮像装置及びこの携帯型マイクロ波撮像装置を使用して対象物をスクリーニングする方法に関する。
【背景技術】
【0002】
人物並びに他の武器類及び他種の禁制品の検査は、空港、コンサート会場、スポーツイベント会場、法廷、連邦政府の建物、学校、及び潜在的な危険がある他のタイプの公共施設及び個人施設において見受けられるようなセキュリティ検査所において不可欠になりつつある。多くのセキュリティ検査所は、金属検出器通り抜け式(walk-through)システム又はX線通り抜け式システム等の通り抜け式セキュリティ検査システムを有するが、セキュリティ要員は、通り抜け式スクリーニングで通過不可とされた個人に関して携帯型スクリーニングを依然として通例的に実施している。更に、法律執行要員は、通常、危険で、隠された任意の物品を突き止め、差し押さえるために、容疑者及び他の物品に関して携帯型スクリーニングを実施することが要求されている。
【0003】
一般的な携帯型の検査方法は、法律執行要員又はセキュリティ要員による個人又は物品の物理的(目視及び/又は触覚)検査である。しかし、物理的検査は、面倒で、信頼性がなく、紳士的でなく、一部の文化圏からは全面的に異議が唱えられている。別の一般的な携帯型の検査方法では、金属検出器によって個人又は物品を走査している。しかし、金属検出器は、誤警報を発し易く、プラスチック又は液体の爆発物、プラスチック若しくはセラミック製の拳銃又はナイフ、及び薬物等の非金属物体を検出することができない。
【0004】
更に、物理的検査でも、金属検出器を使用しても、隠された物品の効率的な探索は不可能である。例えば、税関巡回役人が、箱又は大型袋を積んだトラックを停止させる時、役人は、箱又は大型袋の中に危険で隠された物品が存在するかどうかを迅速に確かめることができない。
【特許文献1】特開2006−145541号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、本発明の目的は、単純且つ効率的な携帯型マイクロ波撮像装置及びこの携帯型マイクロ波撮像装置を使用して対象物をスクリーニングする方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る携帯型マイクロ波撮像装置は、人又は他の物品等の対象物のスクリーニングを行う携帯型マイクロ波撮像装置を提供する。撮像装置は、アンテナ素子からなるアンテナアレイを含み、それぞれのアンテナ素子は、それぞれの方向係数がプログラムされて対象物に関連するターゲットにマイクロ波照射を向かわせることが可能であり、またそれぞれの方向係数がプログラムされてターゲットから反射される反射マイクロ波照射を受信することが可能である。撮像装置は、反射マイクロ波照射の強度を測定して、対象物のマイクロ波画像内のボクセルの値を求めるよう動作可能であるプロセッサを更に有する。アンテナアレイは、支持部の第1の部分の内部に搭載され、一方、支持部の第2の部分は、ユーザが装置の移動を操作することを可能にするハンドルを有する。
【0007】
一の形態では、プロセッサは、対象物に関連する容積部分内の複数のターゲットを走査して、ターゲットのそれぞれからの反射マイクロ波照射のそれぞれの強度を測定することによって、対象物のマイクロ波画像を作成するように動作可能である。
【0008】
一の形態では、携帯型マイクロ波撮像装置は、対象物の連続したマイクロ波画像を取り込むことによって、対象物をスクリーニングするときに使用するように構成される。対象物の連続したマイクロ波画像のそれぞれは、所定のフレームレートでディスプレイ上に表示することができる。例えば、一の形態では、ディスプレイは、支持部内に搭載される。
【0009】
別の形態では、アンテナ素子のそれぞれは、マイクロ波源からのマイクロ波照射を受信し、マイクロ波受信機に向けて反射マイクロ波照射を送るように構成される。一の形態では、支持部は、マイクロ波源及びマイクロ波受信機が内部に搭載される第3の部分を更に有する。
【0010】
本発明の別の観点に係る方法は、プログラム可能なマイクロ波アンテナ素子のアレイを有する携帯型マイクロ波撮像装置を使用して対象物をスクリーニングする方法である。
【0011】
本方法は、対象物に関連する容積部分のマイクロ波画像を取り込むために、アレイを対象物に対して位置させる。それぞれのマイクロ波アンテナ素子にそれぞれの方向係数をプログラムし、容積部分内のターゲットにマイクロ波照射を向かわせる。ターゲットから反射される反射マイクロ波照射の強度を測定し、対象物のマイクロ波画像内のボクセル値を求める。対象物に関連する複数のターゲットについて、プログラムすること及び測定することを繰り返し、対象物のマイクロ波画像を作成し、対象物に対してアレイの手動移動を可能にし、当該対象物の連続したマイクロ波画像を得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づき詳細に説明する。
なお、この実施形態において、マイクロ波放射及びマイクロ波照射という用語は、それぞれ約1GHz〜約1,000GHzの周波数に対応する0.3mm〜30cmの波長を有する電磁放射の帯域を表している。したがって、これらのマイクロ波放射及びマイクロ波照射という用語は、それぞれ従来のマイクロ波放射及び一般にミリメートル波放射として知られるものも含む。
【0013】
図1〜図3は本発明の一実施形態に係る携帯型マイクロ波撮像装置10を示している。ここで、図1は携帯型マイクロ波撮像装置10の平面図、図2は携帯型マイクロ波撮像装置10の側面図、図3は携帯型マイクロ波撮像装置10の例示的な動作を示している。
【0014】
図1及び図2に示すように、携帯型携帯型マイクロ波撮像装置10は、アンテナ素子80のアレイ50を有する。各アンテナ素子は、対象物150(例えば、スーツケース、図3に示す人、又は対象となる任意の他の物品)のマイクロ波画像を取り込むために、マイクロ波放射を送信、受信、及び/又は、反射すること可能である。アレイ50のサイズは、所望の分解能に応じて変えればよい。例えば、一例としては、30cm×30cmアレイは、1cm分解能を有するマイクロ波画像を生成することが可能である。
【0015】
各アンテナ素子80は、ターゲットに向けてマイクロ波放射ビームを送るように、それぞれの方向係数(例えば、透過係数又は反射係数)をプログラム可能である。ここで、「ターゲット」という用語は、対象物150のマイクロ波画像内の1つ又は複数のボクセルに相当する3D空間内の点又はエリア/容積部分を表している。さらに、各アンテナ素子80は、ターゲットから反射した反射マイクロ波照射を受信するように、それぞれの方向係数(例えば、透過係数又は反射係数)を追加的にプログラム可能である。
【0016】
一例としては、アレイ50は、1つ又は複数のマイクロ波アンテナ60への、及び/又は、1つ又は複数のマイクロ波アンテナ60からの、マイクロ波放射を反射する反射型アンテナ素子80、又は、透過する透過型アンテナ素子80からなるパッシブタイプのプログラム可能なアレイである。例えば、反射型アンテナ素子80又は透過型アンテナ素子80のそれぞれは、それぞれの方向係数をプログラムして、ターゲットに向けてマイクロ波アンテナ60の1つから放出されたマイクロ波照射を反射又は透過することができる。さらに、反射型アンテナ素子80又は透過型アンテナ素子80のそれぞれは、それぞれの方向係数を追加的にプログラムして、ターゲットから反射されるマイクロ波照射をマイクロ波アンテナ60の1つに向けて反射又は透過することができる。単一のマイクロ波アンテナ60が、マイクロ波放射の供給源と受信の両方の役目を果たすことができる。或いは、それぞれ別個のマイクロ波アンテナ60として、一方がアレイ50にマイクロ波照射を照射し、他方がアレイ50からの反射マイクロ波照射を受信するのに使用することができる。後者が、図1及び図2に示されている。
【0017】
別の実施形態では、アレイ50は、アクティブタイプのアンテナ素子80からなるアクティブタイプの送受信アレイである。各アクティブタイプのアンテナ素子は、マイクロ波放射を生成し、送信することが可能であるとともに、反射マイクロ波放射を受信し、取り込むことが可能である。この実施形態では、アレイ50がマイクロ波放射源として動作するため、マイクロ波源/受信アンテナ60は使用されない。
【0018】
携帯型マイクロ波撮像装置10は、アンテナアレイ50が内部に搭載される支持部20を更に有する。更に、携帯型マイクロ波撮像装置10が、マイクロ波源/受信アンテナ60を有する実施形態では、マイクロ波源/受信アンテナ60もまた、支持部20内に搭載される。支持部20は、ユーザが、対象物150に対してスクリーニングをする際に、この携帯型マイクロ波撮像装置10の移動を操作することを可能にするハンドル30を更に有する。
【0019】
図1及び図2に示す例では、支持部20は、それぞれの角部で第2の部分25bが角度を付けて接続された第1の矩形部分25aを有する。各第2の部分25bは、アンテナアレイ50のそれぞれの角部が内部に搭載される凹部(特に図示せず)を有する。第2の部分25bのうち2つは、第1の部分25aに対向する端部で結合する伸張部を有する。第2の部分25bの結合した端部は、支持部20の第3の部分25cに角度を付けて接続される。第3の部分25cはハンドル30を構成する。なお、アンテナアレイ50は、ハンドル30を有する任意のタイプの支持部20に搭載されるようにしてもよい。
【0020】
アンテナ素子80が反射型アンテナ素子である実施形態では、マイクロ波アンテナ60は、支持部20内に配置されて、反射型アンテナ素子80にマイクロ波照射を照射し、反射型アンテナ素子80からの反射マイクロ波照射を受信する。例えば、図1及び図2に示すように、マイクロ波アンテナ60は、第1の部分25aと第1の部分25aのそれぞれの角部のそれぞれの第2の部分25bとの間に搭載される。
【0021】
アンテナ素子が透過型アンテナ素子である実施形態では、マイクロ波源アンテナ60は、支持部20内に配置されて、マイクロ波照射がアレイ50を通過してターゲットに向かうように、透過型アンテナ素子80にマイクロ波照射を照射する。さらに、マイクロ波受信アンテナ60は、支持部20上に配置されて、ターゲットから反射しアレイ50を透過した反射マイクロ波照射を受信する。例えば、透過型アンテナアレイ50を使用する時、アンテナアレイ50は、第1の部分25a内に搭載することができ、一方、マイクロ波アンテナ60は、支持部20の第2の部分25bの対向する端部に接続される別の部分(図示せず)上に搭載することができる。
【0022】
動作時、ユーザは、アンテナアレイ50が対象物150の表面と対向し、且つ、平行となるように、対象物150からわずかな距離のところに携帯型マイクロ波撮像装置10を位置させる。例えば、この実施形態では、ユーザは、対象物150から1センチメートル〜91.44センチメートル(3フィート)の間のどこかに携帯型マイクロ波撮像装置10を位置させる。携帯型マイクロ波撮像装置10は、その対象物容積部分のマイクロ波画像を取り込むために、対象物150の特定の容積部分にわたってマイクロ波放射を放出し、照射した対象物容積部分から反射した反射マイクロ波照射を受信する。特に、携帯型マイクロ波撮像装置10は、容積部分内の複数のターゲットを走査して、ターゲットのそれぞれからの反射マイクロ波照射の強度を測定することによって、特定の対象物容積部分のマイクロ波画像を取り込む。各ターゲットからの測定強度は、対象物容積部分のマイクロ波画像内のボクセルを表す。この実施形態では、例えば、携帯型マイクロ波撮像装置10は、1秒当たり容積部分内の数百万のターゲットが走査されることを可能にする周波数で動作する。
【0023】
結果として得られるマイクロ波画像は、携帯型マイクロ波撮像装置10に結合されたディスプレイ120上に表示される。この実施形態では、ディスプレイ120は、携帯型マイクロ波撮像装置10の支持部20内に搭載される。例えば、図2及び図3に示すように、ディスプレイ120は、ハンドル30に隣接する支持部20の上部面上に位置する。他の例としては、ディスプレイ120は、支持部20から離れて位置する。限定ではなく、例として、ディスプレイ120は、ユーザによる個人的観察用のゴーグルのセット内に含まれることができる。或いは、別個の観察エリア内に位置することができる。携帯型マイクロ波撮像装置10から照射されるマイクロ波照射は、対象物150の表面に概ね垂直であるため、得られる画像の鏡面反射を制限することができ、したがって、画像の「影」が減る。
【0024】
武器及び他種の禁制品があるかについて対象物150をスクリーニングするために、ユーザは、対象物150の表面上で携帯型マイクロ波撮像装置10を移動させて、対象物150の連続したマイクロ波画像を取り込む。例えば、この実施形態では、携帯型マイクロ波撮像装置10は、約30フレーム/秒のフレームレートで動作する。しかし、他の実施形態では、携帯型マイクロ波撮像装置10は、所望の画像品質に応じて、30フレーム/秒より速いか、又は、遅いフレームレートで動作する。携帯型マイクロ波撮像装置10の走査周波数は、フレームレートより大きい大きさであるため、画像フレームの取り込み中における携帯型マイクロ波撮像装置10のいずれの動きもソフトウェアで補償することができる。
【0025】
図4は本発明の一実施形態に係る携帯型マイクロ波撮像装置10の単純化した動作の一例を示すブロック図である。図4では、アンテナアレイ50は、反射型アンテナ素子80を有する。各反射型アンテナ素子は、それぞれの反射係数をプログラムしてマイクロ波照射を反射することが可能である。したがって、マイクロ波源60aが、マイクロ波照射ビーム65をアンテナアレイ50に向けて送信すると、反射型アンテナ素子80は、撮像される対象物150上のターゲット155に向けてマイクロ波照射70を反射するようにプログラムすることができる。さらに、ターゲット155から反射した反射マイクロ波照射90がアンテナアレイ50で受信されると、反射型アンテナ素子80は、マイクロ波照射95をマイクロ波受信機60bに向けて反射するようにプログラムすることができる。
【0026】
携帯型マイクロ波撮像装置10は、プロセッサ100と、メモリ110と、ディスプレイ120と更に有する。プロセッサ100は、アレイ50を制御し、ターゲット155から反射された受信マイクロ波放射を処理して、対象物150のマイクロ波画像を作成するために使用される任意のハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、又は、それらの組み合わせを有する。例えば、プロセッサ100は、コンピュータプログラムの命令を実行するように構成される1つ又は複数のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、プログラマブル論理回路、デジタル信号プロセッサ、又は、他のタイプの処理装置と、プロセッサ100によって使用される命令及び他のデータを記憶する1つ又は複数のメモリ(例えば、キャッシュメモリ)を含むことが可能である。メモリ110は、ハードディスクドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、読み取り専用メモリ(ROM)、コンパクトディスク、フロッピー(登録商標)ディスク、ZIP(登録商標)ドライブ、テープ駆動機構、データベース、若しくは、他のタイプの記憶装置、又は、記憶媒体を含むが、それらに限定されない、任意のタイプのデータ記憶装置を含む。
【0027】
プロセッサ100は、アンテナアレイ50が対象物150上の複数のターゲット155を照射するようにプログラムを動作させる。その一例として、プロセッサ100は、それぞれの振幅/位相遅延又は振幅/位相シフトをアレイ50の個々のアンテナ素子80のそれぞれの中にプログラムして、対象物150上の各ターゲット155を照射する。さらに、プロセッサ100は、それぞれの振幅/位相遅延又は振幅/位相シフトをアレイ50の個々のアンテナ素子80のそれぞれの中にプログラムして、対象物150上の各ターゲット155からの反射マイクロ波照射を受信する。位相シフトを使用する実施形態では、プログラムされる位相シフトは、2値位相シフト又は連続位相シフトのいずれかとすることができる。
【0028】
更に、プロセッサ100は、対象物150上の各ターゲット155からの、アレイ50によって取り込まれた反射マイクロ波放射の強度を使用して、対象物150のマイクロ波画像を作成することが可能である。例えば、アレイ50が反射型アレイである場合には、マイクロ波受信機60bは、アレイ50の各アンテナ素子80から反射した反射マイクロ波放射を合成して、ターゲット155における反射マイクロ波放射の実効強度値を生成することが可能である。強度値は、プロセッサ100に送られ、プロセッサ100は、対象物150上のターゲット155に相当するピクセル又はボクセルの値として、強度値を使用する。反射マイクロ波放射が、ターゲット155(3D空間内のエリア/容積部分)の各マイクロ波画像について、ボクセルのエリア/容積部分の強度を表す他の実施形態では、プロセッサ100は、対象物150の所望の画像のフーリエ変換成分を測定する。プロセッサ100は、測定したフーリエ変換成分を使用して逆フーリエ変換を行い、対象物150の画像を生成する。
【0029】
結果として得られる対象物150のマイクロ波画像は、プロセッサ100からディスプレイ120に送られて、マイクロ波画像を表示することができる。この実施形態では、ディスプレイ120は、対象物150の3次元マイクロ波画像、又は対象物150の1つ若しくは複数の1次元マイクロ波画像若しくは2次元マイクロ波画像を表示するための2次元ディスプレイである。なお、ディスプレイ120は、対象物150の3次元マイクロ波画像を表示することが可能な3次元ディスプレイであっても勿論かまわない。
【0030】
図5は本発明の一実施形態に係るマイクロ波放射を反射するアレイ50の一例を示す概略的斜視図である。図5では、マイクロ波源60aから送信されたマイクロ波放射の供給源ビーム65は、アレイ50のいくつかのアンテナ素子80によって受信される。マイクロ波源60aは、点状供給源、ホーンアンテナ、又は任意の他のタイプのアンテナを含むが、それらに限定されず、アレイ50を照射するのに十分な任意の供給源であればよい。アレイ50内の各アンテナ素子80は、それぞれの位相シフトをプログラムされて、ターゲット155に向けて反射マイクロ波放射の送信ビーム70を送る。位相シフトは、ターゲット155における反射マイクロ波放射ビーム70内のマイクロ波光線の全ての間で強め合う干渉を生じるように選択される。理想には、アンテナ素子80のそれぞれの位相シフトは、供給源(アンテナ素子80)からターゲット155まで、反射マイクロ波放射70の各マイクロ波光線について同じ位相遅延を提供するように調整される。
【0031】
同様に、図5に示すように、ターゲット155から反射され、アレイ50において受信されたマイクロ波放射の反射ビーム90は、マイクロ波受信機60bに向けた反射マイクロ波放射の受信ビーム95として反射することができる。同様に、位相シフトは、マイクロ波受信機60bにおける反射マイクロ波放射ビーム90内のマイクロ波光線の全ての間で強め合う干渉を生じるように選択される。マイクロ波受信機60bは、マイクロ波源60aと異なる空間の場所示されるが、マイクロ波源60aは、別個のアンテナとして、又は、マイクロ波受信機60bの一部(例えば、共焦撮像システム)として、マイクロ波受信機60bと同じ空間の場所に配置しても勿論かまわない。
【0032】
図6は本発明の他の実施形態に係るマイクロ波照射を送るための透過型アレイ50を使用した携帯型マイクロ波撮像装置10の一例を示す概略的斜視図である。図6では、マイクロ波アンテナ(例えば、ホーン)60は、マイクロ波源とマイクロ波受信機の両方として機能する。ホーン60は、アレイ50の背後に位置して、背後からアレイ50を照射する(すなわち、アレイ50は、ターゲット155とホーン60との間にある)。
【0033】
動作時、ホーン60から送信されたマイクロ波照射65は、アレイ50内のいくつかのアンテナ素子80によって受信される。アレイ50内の各アンテナ素子80は、それぞれの透過係数をプログラムされて、対象物150上のターゲット155に向けて透過マイクロ波照射40を送る。透過係数は、ターゲット155におけるアンテナ素子80のそれぞれからの透過マイクロ波照射40の強め合う干渉を生じるように選択される。ターゲット155から反射された反射マイクロ波照射45は、アレイ50内のいくつかのアンテナ素子80によって受信される。同様に、アレイ50内の各アンテナ素子80は、それぞれの透過係数をプログラムされて、ホーン60に向けて透過マイクロ波照射85を送る。
【0034】
ホーン60は、アレイ50の各アンテナ素子80からの透過マイクロ波放射85を合成して、ターゲット155における反射マイクロ波放射45の実効強度値を生成する。強度値は、プロセッサ100に送られ、プロセッサ100は、対象物150上のターゲット155に相当するピクセル又はボクセルの値として、強度値を使用する。プロセッサ100は、対象物150の各ターゲット155からの、アレイ50によって取り込まれた反射マイクロ波放射45の強度を使用して、対象物150のマイクロ波画像を作成する。結果として得られる対象物150のマイクロ波画像は、プロセッサ100からディスプレイ120に送られて、マイクロ波画像が表示される。
【0035】
図7は、アンテナ素子200のインピーダンス状態に応じて位相を変えて電磁放射を反射するように動作する反射型アンテナ素子200(図1〜図6のアンテナ素子80に相当する)の断面図を示す。反射型アンテナ素子200は、アンテナ(パッチアンテナ220a)と非理想スイッチング素子(表面実装電界効果トランジスタ「FET」222)とを有する。
【0036】
反射型アンテナ素子200は、プリント回路基板基材214の表面上及び内側に形成され、表面実装FET222、パッチアンテナ220a、ドレインビアホール232、グランドプレーン236、及びソースビアホール238を有する。表面実装FET222は、平面パッチアンテナ220aと反対側のプリント回路基板基材214に実装され、グランドプレーン236は、平面パッチアンテナ220aと表面実装FET222との間に位置する。ドレインビアホール232は、表面実装FET222のドレイン228を平面パッチアンテナ220aに接続し、ソースビアホール238は、表面実装FET222のソース226をグランドプレーン236に接続する。
【0037】
特に、この実施形態では、反射器アンテナアレイは、ドライバ電子部品を含むコントローラ基板240に接続される。図7に示す例のコントローラ基板240は、グランドプレーン244、ドライブ信号ビアホール246、及びドライバ電子部品242を有する。コントローラ基板240はまた、反射器アンテナアレイのコネクタ250と互換性があるコネクタ248を含む。2つの基板のコネクタ248及び250は、例えば、ウェーブソルダリングを使用して互いに接続することができる。他の例として、FET222は、平面パッチアンテナ220aと同じ側のプリント回路基板基材214に表面実装することもできる。更に、ドライバ電子部品242は、反射型アンテナ素子200が組み込まれている同じプリント回路基板に直接はんだ付けすることもできる。
【0038】
パッチアンテナ素子220aは、反射型アンテナ素子200のインピーダンスレベルに応じて、大きいか、又は、小さい位相シフトで反射するように機能する。反射型アンテナ素子200は、アンテナ設計パラメータの関数であるインピーダンス特性を有する。アンテナの設計パラメータは、誘電材料の構造、誘電材料の厚さ、アンテナの形状、アンテナの長さ及び幅、給電点、並びにアンテナ金属層の厚さ等の物理的特性を含むが、それらに限定されない。
【0039】
FET222(非理想スイッチング素子)は、その抵抗状態を変化させることによって、反射型アンテナ素子200のインピーダンス状態を変化させる。低抵抗状態(例えば、閉回路又は「短絡」回路)は、低インピーダンスになる。逆に、高抵抗状態(例えば、開回路)は、高インピーダンスになる。性能特性が理想なスイッチング素子(本明細書では、「理想」スイッチング素子と呼ばれる。)は、その抵抗がその最低状態の場合には、事実上、ゼロインピーダンス(Z=0)をもたらし、その抵抗がその最高状態の場合には、事実上、無限インピーダンス(Z=∞)をもたらす。本明細書で説明するように、スイッチング素子は、そのインピーダンスがその最低状態(例えば、Zon=0)の場合には「オン」になり、そのインピーダンスがその最高状態(例えば、Zoff=∞)の場合には「オフ」になる。理想スイッチング素子のオン及びオフのインピーダンス状態は、事実上、Zon=0及びZoff=∞であるため、理想スイッチング素子は、オン状態とオフ状態との間で、電磁放射を吸収することなく、最大位相シフトを生じさせることが可能である。すなわち、理想スイッチング素子は、0度の位相状態と180度の位相状態との間でスイッチングを生じさせることが可能である。理想スイッチング素子の場合、最大位相−振幅性能は、任意の有限非ゼロインピーダンスを示すアンテナによって実現可能である。
【0040】
理想スイッチング素子とは対照的に、「非理想」スイッチング素子は、それぞれ、Zon=0及びZoff=∞のオン及びオフのインピーダンス状態を示さないスイッチング素子である。より正確に言うと、非理想スイッチング素子のオン及びオフのインピーダンス状態は、通常、例えば0<|Zon|<|Zoff|=∞のどこかにある。しかし、アプリケーションによっては、オン及びオフのインピーダンス状態は|Zoff|≦|Zon|であってもよい。非理想スイッチング素子は、特定の周波数範囲内では(例えば、<10GHz)、理想なインピーダンス特性を示し、他の周波数範囲では(例えば、>20GHz)、かなり非理想なインピーダンス特性を示す可能性がある。
【0041】
非理想スイッチング素子のオン及びオフのインピーダンス状態は、Zon=0とZoff=∞との間のどこかにあるため、非理想スイッチング素子は、必ずしも、対応するアンテナのインピーダンスとは無関係に、最大位相状態性能を提供しない。ここで、最大位相状態性能は、0度の位相状態と180度の位相状態との間のスイッチングを必要とする。本発明の一実施形態によれば、図7の反射型アンテナ素子200は、最適位相性能を提供するように設計され、反射型アンテナ素子の最適位相状態性能は、反射素子が、0度の位相−振幅状態と180度の位相−振幅状態との間のスイッチングに最も近い状態にあるポイントである。この実施形態では、最適位相状態性能を達成するために、アンテナ素子200は、非理想スイッチング素子(FET222)のインピーダンスの関数として構成される。例えば、アンテナ素子200は、アンテナ素子200のインピーダンスが、FET222のインピーダンス特性の関数であるように設計される。
【0042】
更に、アンテナ素子200は、オン状態にある非理想スイッチング素子(FET222)のインピーダンスZon、及び、オフ状態にある非理想スイッチング素子222のインピーダンスZoffの関数として構成されている。或る特定の実施形態において、反射型アンテナ素子200の位相状態性能が最適化されるのは、アンテナ素子200のインピーダンスがオン及びオフのインピーダンス状態Zon及びZoffにある場合に非理想スイッチング素子222のインピーダンスの平方根に対して共役化させられるように、アンテナ素子200の構成がなされている場合である。具体的には、アンテナ素子200のインピーダンスは、対応する非理想スイッチング素子222のオン及びオフのインピーダンス状態Zon及びZoffの幾何平均の複素共役である。この関係は、下記のように表わされる。
【0043】
antenna=(Zonoff1/2 式(1)
ここで、()は複素共役を表す。上記関係式は、供給源インピーダンスと負荷インピーダンスとの間の複素反射係数に関する既知の公式を用いて導き出される。アンテナ素子200である供給源及び非理想スイッチング素子222である負荷を選択して、オン状態反射係数が、オフ状態反射係数の逆に等しくなるように設定することによって、式(1)が得られることになる。
【0044】
最適な位相−振幅性能を示すアンテナ素子200の設計は、反射型アンテナ素子200に用いられる特定の非理想スイッチング素子のオン及びオフのインピーダンスZon及びZoffを求めることを含む(この場合、FET222)。次に、アンテナ素子200の設計パラメータが操作されて、上記式(1)において表わされた関係に整合するインピーダンスを有するアンテナ素子200が得られる。Zon及びZoffが別個の値になるように求められる限りにおいて、式(1)を満たすアンテナ素子200を設計することが可能である。
【0045】
対象とする周波数帯域にわたって非理想的なインピーダンス特性を示す、図7に示す表面実装FET222以外の別のタイプのスイッチング素子は表面実装ダイオードである。しかし、表面実装ダイオードは、表面実装FETに比較して、対象とする周波数帯域にわたって改善されたインピーダンス特性を示し、表面実装FETは、比較的安価であり、反射器アンテナアレイアプリケーションにおける使用のために、個々にパッケージングすることができる。
【0046】
非理想スイッチング素子としてFETを利用する反射器アンテナアレイの場合、実現可能なビーム走査速度は、信号対雑音比、クロストーク、及びスイッチング時間を含むいくつかのファクターによって決まる。FETの場合、スイッチング時間は、ゲート容量、ドレイン−ソース間容量、及びチャネル抵抗(すなわち、ドレイン−ソース間抵抗)によって決まる。チャネル抵抗は、実際には、空間依存性且つ時間依存性である。インピーダンス状態間のスイッチング時間を最短にするため、FETのドレインは、常にDC短絡状態にあることが好ましい。ドレインを電気的に浮いた状態にすると、大きいオフ状態チャネル抵抗、及び、パッチアンテナの巨大な平行板面積に起因する大きいドレイン−ソース間容量をもたらすので、ドレインは、常にDC短絡状態にあることが好ましい。これは、アンテナがDC短絡状態にあることが好ましいことを表わしているが、望まれるのは、アンテナがソースにおいて「rf短絡」状態になることだけである。したがって、アンテナの摂動を最小限に抑えるのに最適な位置において、追加のアンテナ/ドレインの短絡を施さなければならない。
【0047】
反射型アンテナ素子200において、パッチアンテナ220aの代わりに他のタイプのアンテナを使用することができる。限定としてではなく、例として、他のアンテナタイプは、ダイポールアンテナ、モノポールアンテナ、ループアンテナ、及び誘電体共振器タイプのアンテナを含む。さらに、他の実施形態では、反射型アンテナ素子200は、FET222を可変コンデンサ(例えば、チタン酸バリウムストロンチウム(BST)コンデンサ)と置き換えることによって、連続位相シフトアンテナ素子200とすることができる。可変コンデサ搭載パッチによって、FET搭載パッチによって生成される2値位相シフトの代わりに、各アンテナ素子200について連続位相シフトを達成することができる。連続位相合成アレイは、マイクロ波ビームを或るビーム走査パターンで任意の方向に方向制御するために、任意の所望の位相シフトを提供するように調整されることができる。
【0048】
図8にアクティブタイプの送信/受信又は反射アレイで使用するためのアクティブタイプのアンテナ素子300(図1〜図6のアンテナ素子80に対応する)の例を示す。アクティブタイプのアンテナ素子300は、それぞれのスイッチ315に接続されるアンテナ310を含む広帯域2値位相合成アンテナ素子である。スイッチ315は、例えば、単極双投(SPDT)スイッチ又は2極双投(DPDT)スイッチとすることができる。スイッチ315の動作状態は、それぞれのアンテナ素子300の位相を制御する。例えば、スイッチ315の第1の動作状態では、アンテナ素子300は第1の2値状態(例えば、0度)にあってもよく、一方、スイッチ315の第2の動作状態では、アンテナ素子300は第2の2値状態(例えば、180度)にあってもよい。スイッチ315の動作状態は、スイッチ315の端子接続を規定する。例えば、第1の動作状態では、端子318は、給電線316をアンテナ310とスイッチ315との間で接続する閉(短絡回路)位置にあってもよく、一方端子319は開位置にあってもよい。各スイッチ315の動作状態は、各アンテナ素子300の位相を個々に設定するために、制御回路(図示せず)によって独立に制御される。
【0049】
本明細書において用いられる限りにおいて、対称アンテナ310という用語は、2つの給電点311又は313のいずれかにおいてタップで接続されるか、又は給電されて2つの逆の対称電界分布又は電流の一方を生じさせることが可能なアンテナを指す。図8に示すように、2つの逆対称電界分布は、そのミラー軸350に関して形状が対称を成す対称アンテナ310を利用して生成される。ミラー軸350は、アンテナ310を通って、2つの対称側352及び354を形成する。給電点311及び313は、アンテナ310のミラー軸350の両側352及び354に配置される。この実施形態では、給電点311及び313は、ミラー軸350に関してほぼ対称を成すようにアンテナ310上に配置される。例えば、ミラー軸350は、アンテナ310の1つの次元360(例えば、長さ、幅、高さ等)に対し平行に延びることが可能であり、給電点311及び313は、次元360の中点370近くに配置することが可能である。図8の場合、給電点311及び313は、図示のように、ミラー軸350の各側352及び354において、アンテナ310の中点370近くに配置されている。
【0050】
対称アンテナ310は、A及びBで表示される2つの逆対称電界分布を生じさせることが可能である。電界分布Aの大きさ(例えば、電力)は、電界分布Bの大きさとほぼ同じであるが、電界分布Aの位相は、電界分布Bの位相と180度異なっている。したがって、電界分布Aは、電気的周期が±180°の電界分布Bに類似している。
【0051】
対称アンテナ310は、給電線316及び317を介して対称スイッチ315に接続されている。給電点311は、給電線316を介して対称スイッチ315の端子318に接続され、給電点313は、給電線317を介して対称スイッチ315の端子319に接続されている。本明細書で用いられる限りにおいて、対称スイッチという用語は、スイッチの2つの動作状態が端子318及び319に関して対称を成すSPDTスイッチ又はDPDTスイッチを表す。
【0052】
例えば、SPDTスイッチの第1の動作状態において、或るチャネル(チャネルαと呼ばれる)のインピーダンスが10Ωで、別のチャネル(チャネルβと呼ばれる)のインピーダンスが1kΩであれば、SPDTスイッチの第2の動作状態において、チャネルαのインピーダンスは1kΩで、チャネルβのインピーダンスは10Ωになる。チャネルインピーダンスは、完全な開路又は短絡である必要はなく、或いは、実在する必要さえないことが理解されるべきである。さらに、クロストークが状態対称性である限りにおいて、チャネル間にはクロストークが生じる可能性がある。一般に、スイッチのSパラメータマトリックスがスイッチの2つの動作状態に関して同じであれば(例えば、端子318と319との間において)、スイッチは対称性である。
【0053】
図9は本発明の一実施形態に係るプログラム可能アンテナ素子のアレイを含む携帯型マイクロ波撮像装置を使用して、個人又は他の物品等の対象物をスクリーニングするためのプロセス900の一例を示すフローチャートである。最初に、ブロック905にて、対象物に関連する容積部分のマイクロ波画像を取り込むために、ユーザは、対象物に対して携帯型マイクロ波撮像装置を位置さえる。その後、ブロック910にて、アレイ内の個々のアンテナ素子のそれぞれは、それぞれの方向係数をプログラムされて、ブロック920にて、容積部分内のターゲットに向けてマイクロ波照射を送る。ターゲットから反射したマイクロ波照射は、アレイ内の個々のアンテナ素子のそれぞれを、それぞれの追加的な方向係数でプログラムすることによって、ブロック925にて、アレイにおいて受信される。
【0054】
ブロック930にて、ターゲットから反射した反射マイクロ波照射の強度が測定されて、対象物のマイクロ波画像内のボクセル値が求められる。ブロック935にて、その時のマイクロ波画像内に走査されるべき、さらなるターゲットが存在する場合、アンテナ素子は、ブロック910〜925にて、再びプログラムされて、対象物上の他のターゲットから反射した反射マイクロ波照射の強度が測定される。その走査が終了した場合、ブロック940にて、対象物のマイクロ波画像が、そのときのフレームについての測定されたボクセル値の全てから作成され、ブロック945にて、そのときのフレームについてのマイクロ波画像が表示される。ブロック950にて、ユーザが、対象物に対して携帯型マイクロ波撮像装置を移動させて対象物上の別の容積部分を撮像する場合、ブロック910〜945において、プロセスは、次の画像フレームについて繰り返される。そうでなければ、ブロック955にて、スクリーニングは終了する。
【0055】
当業者には明らかなように、本明細書中において開示された新規の技術思想は、さまざまな適用範囲にわたって修正及び変更を加えることが可能である。したがって、本発明の技術的範囲は、上述した例のいずれにも限定されるべきではなく、特許請求の範囲の記載に基づき定められる。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯型マイクロ波撮像装置の平面図である。
【図2】図1に示した携帯型マイクロ波撮像装置の側面図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る携帯型マイクロ波撮像装置の例示的な動作を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態に係る携帯型マイクロ波撮像装置の単純化した動作の一例を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施形態に係るマイクロ波放射を反射するアレイの一例を示す概略的斜視図である。
【図6】本発明の他の実施形態に係るマイクロ波照射を送るための透過型アレイを使用した携帯型マイクロ波撮像装置の一例を示す概略的斜視図である。
【図7】アンテナ素子のインピーダンス状態に応じて位相を変えて電磁放射を反射するように動作する反射型アンテナ素子の断面図である。
【図8】アクティブタイプの送信/受信又は反射アレイで使用するためのアクティブタイプのアンテナ素子の例を示す図である。
【図9】本発明の一実施形態に係るプログラム可能アンテナ素子のアレイを含む携帯型マイクロ波撮像装置を使用して、個人又は他の物品等の対象物をスクリーニングするためのプロセスの一例を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0057】
10 携帯型マイクロ波撮像装置
20 支持部
25a 第3の部分
25b 第1の部分
25c 第2の部分
30 ハンドル
50 アンテナアレイ
60a マイクロ波源
60b マイクロ波受信機
80 アンテナ素子
100 プロセッサ
120 ディスプレイ
150 対象物
155 ターゲット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象物(150)に関連するターゲット(155)にマイクロ波照射が向かうようにそれぞれの方向係数がプログラム可能にされ、前記ターゲット(155)から反射された反射マイクロ波照射を受信するようにそれぞれの方向係数を更にプログラム可能された複数のアンテナ素子(80)を有するアンテナアレイ(50)と、
前記反射マイクロ波照射の強度を測定し、当該プロセッサ(100)によって作成された前記対象物(150)のマイクロ波画像内のボクセルの値を求めるように動作可能なプロセッサ(100)と、
前記アンテナアレイ(50)が内部に搭載された第1の部分(25b)と、ユーザが当該装置(10)の移動を操作することを可能とするハンドル(30)を含む第2の部分(25c)とを有する支持部(20)と
を具備する携帯型マイクロ波撮像装置(10)。
【請求項2】
それぞれの前記複数のアンテナ素子(80)は、マイクロ波源(60a)からのマイクロ波照射を受信し、それぞれプログラムされた前記方向係数に基づいて前記ターゲット(155)に前記マイクロ波照射が向かうように構成された請求項1に記載の携帯型マイクロ波撮像装置。
【請求項3】
それぞれの前記複数のアンテナ素子(80)は、前記ターゲット(155)から反射された前記反射マイクロ波照射を受信し、それぞれプログラムされた前記方向係数に基づいてマイクロ波受信機(60b)に向けて前記反射マイクロ波照射を送信するように更に構成された請求項2に記載の携帯型マイクロ波撮像装置。
【請求項4】
前記支持部(20)は、前記マイクロ波源(60a)及び前記マイクロ波受信機(60b)が内部に搭載される第3の部分(25a)を更に有する請求項3に記載の携帯型マイクロ波撮像装置。
【請求項5】
前記マイクロ波源(60a)及び前記マイクロ波受信機(60b)は同じ場所に配置される請求項4に記載の携帯型マイクロ波撮像装置。
【請求項6】
前記対象物(150)の連続したマイクロ波画像を取り込むことによって、当該対象物(150)をスクリーニングするときに使用するように構成され、
前記プロセッサ(100)に動作可能に結合して前記対象物(150)の前記マイクロ波画像を表示するディスプレイ(120)を更に備える請求項1に記載の携帯型マイクロ波撮像装置。
【請求項7】
前記ディスプレイ(120)は、前記支持部(20)に搭載される請求項6に記載の携帯型マイクロ波撮像装置。
【請求項8】
前記ディスプレイ(120)は、所定のフレームレートで前記連続したマイクロ波画像を表示するように更に動作可能である請求項6に記載の携帯型マイクロ波撮像装置。
【請求項9】
プログラム可能なマイクロ波アンテナ素子(80)のアレイ(50)を有する携帯型マイクロ波撮像装置(10)を使用して対象物(150)をスクリーニングする方法であって、
前記対象物(150)に関連する容積のマイクロ波画像を取り込むために、前記アレイ(50)を前記対象物(150)に対して位置させ(905)、
それぞれの前記マイクロ波アンテナ素子(80)にそれぞれの方向係数をプログラムし(910)、前記容積内のターゲット(155)にマイクロ波照射を向かわせ(920)、
前記ターゲット(155)から反射される反射マイクロ波照射の強度を測定し(930)、前記対象物(150)の前記マイクロ波画像内のボクセル値を求め、
前記対象物(150)に関連する複数のターゲット(155)について、前記プログラムすること及び前記測定することを繰り返し(935)、前記対象物(150)の前記マイクロ波画像を作成し(940)、
前記対象物(150)に対して前記アレイ(50)の手動移動を可能にし(950)、当該対象物(150)の連続したマイクロ波画像を得る
対象物をスクリーニングする方法。
【請求項10】
前記アレイ(50)を支持部(20)の第1の部分(25b)内に搭載し、
前記支持部(20)の第2の部分(25c)内にハンドル(30)を設け、ユーザが前記携帯型マイクロ波撮像装置(10)の移動を操作することを可能にする
ことを更に含む請求項9に記載の対象物をスクリーニングする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−163473(P2007−163473A)
【公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−318152(P2006−318152)
【出願日】平成18年11月27日(2006.11.27)
【出願人】(399117121)アジレント・テクノロジーズ・インク (710)
【氏名又は名称原語表記】AGILENT TECHNOLOGIES, INC.
【住所又は居所原語表記】5301 Stevens Creek Boulevard Santa Clara California U.S.A.
【Fターム(参考)】