説明

携帯型手動操作ツール用盗難防止安全システムおよびシステムの適合化ツール

システム(10)は、ツール内部に、ツールの使用を阻止または正式に許可するために、ツール(1)をロック/ロック解除するための電子モジュール(5)と、制御ステーション(20)内部に、モジュールをロック状態(I1)からロック解除状態(I0)に切り換えるように設計されている、ツール(1)のロック/ロック解除モジュール(5)用の制御モジュール(8)を具備する。本発明は、シーリング、釘打ち、および他の類似の適用にも良好に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シーリング、固定、釘打ち、ネジ止め、ステープル打ち付け、穴あけ用ツールや、他の鋸、穿孔機などのような、建設業界において使用される携帯型ツールに関する。
【背景技術】
【0002】
これらの装置は現在では、一般的には店や、「スーパーストア」として知られている商業施設において販売されており、個人または専門家により構成される顧客の需要を満たしている。そのような場合においては、これらの装置は一般的には万引きの対象となる。
【0003】
この不都合点を防止するために、現在では、ラジオ、電話などのようなすべての電子装置または家電製品に対するのと同じように、ツールを「鍵付き空間に入れる」という初歩的な方法が採用されている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この方法では、販売員がツールのロックを解除する前に、そのツールの購入に関心がある顧客に、金銭レジスタまたはチェックアウトステーションで前以て支払いを済まさせ、販売スリップの提示により、それを顧客が持ち帰ることができるようにする必要がある。従って、この工程は、顧客にとっても販売員にとっても厄介な作業である。
【0005】
問題は、ツールを格納するための倉庫においても同じであることに気付くであろう。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本出願者は、このタイプの盗難に対する、より実際的な防止または安全手段を追求し、そのため、ここで本発明を開示する。
【0007】
従って、本発明は、まず第1に、携帯型手動操作ツール用盗難防止安全システムに関し、このシステムは、ツール内に、ツールの使用を阻止または正式に許可するために、ツールをロック/ロック解除するための電子モジュールと、制御ステーション内に、モジュールをロック状態からロック解除状態に切り換えるように設計された、ツールのロック/ロック解除モジュール用制御モジュールと、を具備する。
【0008】
この場合は、金銭レジスタまたはチェックアウトステーションである制御ステーションに進む前は、ツールはロック状態にあり、使用を阻止されており、この制御ステーションまで進んではじめて、ロックが解除されてその使用が正式に許可される。
【0009】
好ましくは、ツールのロッキングモジュールは、制御ステーションの制御モジュールにより、ツールのモジュール内に搭載された電子ロック解除キーの作動の下で、ロック状態からロック解除状態に切り換わるように設計される。
【0010】
本発明のシステムおよびツールの好適な実施の形態においては、ツールのロック/ロック解除モジュールは、マイクロコントローラと、電子ロック解除キーを受け取り、ツールをロック解除するためにマイクロコントローラにより読まれるようになっている記憶装置を具備する。
【0011】
本発明のシステムにおいては、制御ステーションのロック解除キーは、制御ステーションの制御モジュールのコンピュータにより、ワイヤまたは無線リンク接続によりツールにロードできる。
【0012】
本発明は同様に、システムの適合化携帯型手動操作ツールにも関し、このツールは、ツールの使用を阻止または正式に許可するための電子ロック/ロック解除モジュールを具備し、モジュールは、電子ロック解除キーを受け取り、ツールをロック解除状態に切り換えるように設計されている。
【0013】
ツールは、販売後サービスのための診断モジュールを具備でき、この場合は、この接続回路が電子ロック解除キーのロードを保証することは興味深い。
【0014】
更により好ましくは、ツールのロック/ロック解除モジュールは、電子ロック解除キーを受け取るためのトランスポンダに接続されている。
【0015】
本発明は、本発明による携帯型自動ツール用盗難防止安全システムの下記の記述と、盗難防止安全システムの好適な実施の形態が、ツールおよびチェックアウトステーション上に分布された機能ブロックとして示されている付随する単一の図を考慮することで、より良く理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
携帯型ツール1は、ガス作動固定装置の場合は、例えば、燃焼室、燃料補給品、固定要素を駆動するピストンなどを含む機能ユニット2を具備する。
【0017】
ユニット2を制御して、その適切な機能を監視するために、ツールは、この場合は、手動制御部4に接続されたマイクロプロセッサ3である、制御モジュール3を具備する。
【0018】
この場合、ツール1は、マイクロプロセッサ3の電子的ロック/ロック解除のためのモジュール5もまた具備する。このモジュール5は、メモリ7とマイクロコントローラ6を具備する。
【0019】
初期状態I1においては、メモリ7は空またはゼロである。この初期状態I1において、または特別な固有ロック解除状態I0を除く、他の任意の状態I2においては、マイクロプロセッサ3は、手動制御部4により発行された如何なるコマンドも、ユニット2に送信しない。ツール1は、メモリ7が状態I0ではない限り、ロックされ、使用不可の状態のままである。
【0020】
実際は、ロック/ロック解除モジュール5は、盗難防止安全ツール1であるシステム10の一部であり、更に、この安全システム10は、メモリ7を状態I1、または他の任意の状態I2から状態I0へシフトするように設計されている、ツール1に対して外側の制御モジュール7を具備する。
【0021】
制御モジュール8は、例えば、チェックアウトまたは販売ステーション20に組み込める。
【0022】
制御モジュール8は、マイクロコントローラ6により、メモリ7の状態I1またはI2から、特別状態I0に変化することを可能にするコンピュータ9を具備する。
【0023】
これを達成するために、本発明の、相対的に簡単な第1実施の形態によれば、マイクロコントローラ6とコンピュータ9は、送信機16と受信機14によりワイヤレスで接続される。
【0024】
例えば、モジュール5は、従来は、トランスポンダ回路14に接続され、ステーション20に進むときは、コンピュータ9は、送信機16によりトランスポンダ14を起動して、それにロック解除キーを送信する。そして、マイクロコントローラ6は、メモリ7の状態を、状態I0に変更する。変更された状態は、マイクロプロセッサ3により感知され、マイクロプロセッサ3はツール1をロック解除して、使用できるようにする。
【0025】
反対に、チェックアウトステーション20を通らずに、ツール1が詐欺的に持ち去られると、メモリ7に電子キーが格納されていないので、それは使用が阻止された状態のままであり、従って、使用できない。
【0026】
本発明の、更に開発され、しかし好適な実施の形態によれば、ツール1は、販売後サービスのための診断モジュール11を具備する。
【0027】
このモジュール11は、ツール1の使用中にツール1に影響を与える事象を、メモリ7内に記録する。同時に、販売後ステーション12は、保守または故障探求操作中に、例えば、ステーション12の記録データ取得ポート13に接続できる、ツール1の記録読取りポート14により確立されたワイヤ接続(RS 432または他の接続)により、メモリ7へのこれらの事象の記録を読むことができる。
【0028】
この好適な実施の形態においては、マイクロコントローラ6とコンピュータ9は、ステーション12により使用されるものと同じワイヤ接続により接続され、制御モジュール8は、読取りポート14に接続されるために提供されるポート16を具備する。
【0029】
図の例においては、ロック/ロック解除モジュール5は、モジュール11の一部であり、ステーション12を介してのツール1のロッキング管理を可能にする。
【0030】
従って、安全操作は、前述した、簡略化された本発明の実施の形態と同様な方法で機能する。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、盗難防止安全システムの好適な実施の形態を、ツールおよびチェックアウトステーション上に分布された機能ブロックとして示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型手動操作ツール用の盗難防止安全ツール(1)用システム(10)であって、前記ツール内部に、前記ツール(1)を、前記ツール(1)の使用を阻止または正式に許可するために、電子的にロック/ロック解除するためのモジュール(5)と、制御ステーション(20)内部に、前記モジュール(5)をロック状態(I1)からロック解除状態(I0)に切り換えるように設計されている、前記ツール(1)のロック/ロック解除モジュール(5)用の制御モジュール(5)であるモジュール(8)と、を具備するシステム。
【請求項2】
前記ロッキングツール(1)のモジュール(5)は、前記制御ステーション(20)の制御モジュール(8)により、前記ツール(1)のロック/ロック解除モジュール(5)にロードされた電子ロック解除キーの動作の下で、前記ロック状態(I1)からロック解除状態(I0)に切り換わるように設計されている請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ツール(1)のロック/ロック解除モジュール(5)は、マイクロコントローラ(6)と、前記電子ロック解除キーを受け取り、前記ツール(1)をロック解除するために、前記マイクロコントローラ(6)により読まれるようになっている格納メモリ(7)と、を具備する請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
前記制御ステーション(20)の前記ロック解除キーは、ワイヤ接続(14、16)により前記ツール(1)にロードされる請求項1から3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項5】
前記制御ステーション(20)の前記ロック解除キーは、無線リンク接続(16、14)により前記ツール(1)にロードされる請求項1から3のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項6】
前記制御ステーション(20)の前記ロック解除キーは、前記制御ステーション(20)の制御モジュール(8)のコンピュータ(9)により前記ツール(1)にロードされる請求項1から5のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項7】
請求項1に記載の前記システム(10)にカスタマイズされた携帯型手動操作ツール(1)であって、電子ロック解除キーを受け取り、前記ツール(1)を、ロック解除状態(I0)に切り換えるように設計されている(7、14)、前記ツール(1)の使用を阻止または正式に許可するための電子ロック/ロック解除モジュール(5)を具備するツール。
【請求項8】
販売後サービスのための診断モジュール(11)と、前記ツール(1)を販売後ステーション(13、12)に接続するための接続回路(14)と、を具備し、前記接続回路(14)は、前記電子ロック解除キーのロードを保証する請求項7に記載のツール。
【請求項9】
前記ロック/ロック解除モジュール(5)は、前記電子ロック解除キーを受け取るためのトランスポンダ(14)に接続される請求項7または8に記載のツール。

【図1】
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【公表番号】特表2009−520890(P2009−520890A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−535123(P2008−535123)
【出願日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際出願番号】PCT/IB2006/002855
【国際公開番号】WO2007/042924
【国際公開日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【出願人】(506380787)ソシエテ ドゥ プロスペクティオン エ ディンベンティオン テクニク スピ (14)
【Fターム(参考)】