説明

携帯型照明装置

【課題】携帯性に優れ、照明性能の高い商用電源用LEDランプを利用した携帯型照明装置を提供する。
【解決手段】照明装置は、商用電源用LEDランプ部1、電池部、DC−ACインバータ部、および主電源スイッチ4で構成され、構成部品全てが携帯可能なひとつの筐体6の内外に配置されている。商用電源用LEDランプ部1は、商用電源での利用を前提として設計されたLEDランプを、一つもしくは複数で構成する。電池部は、一次電池または充電により蓄電可能な二次電池にて、直流電圧を供給する。DC−ACインバータ部は、電池部より供給される直流電圧を商用電源用LEDランプ部1が利用可能な交流電圧に変換する。主電源スイッチ4は、電池部からDC−ACインバータ部に対する直流電圧の供給をオン/オフする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電池より出力される直流電圧を商用電源用LEDランプが利用可能な交流電圧に変換し、商用電源用LEDランプを照明光とする携帯型照明装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、省電力であることからLED(発行ダイオード)を利用した照明器具が開発されており、商用電源に接続できる電球型LEDランプが知られている。
電球型LEDランプは既に複数のメーカーから販売され、照明の輝度においても1灯で室内照明用途に足るものもあり、光の拡散性や演色性に優れ、今後も光変換効率などの更なる性能向上と普及が見込まれる。
【0003】
さらに電池についても、一次電池、二次電池とも性能が向上し、乾電池型二次電池では繰り返し充放電回数が1500回以上可能なものや、充電3年後においても初期容量の75%を維持するものも存在し、経済性や保存性も高くなっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−296109号
【特許文献2】実用新案登録第3169919号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
商用電源の無い場所で夜間作業を行う場合、懐中電灯やランタンなどの携帯型照明装置を用いるが、明るさが足りない場合や照明範囲がスポット的な照射となり、広く作業を行う場合には不便である。
【0006】
一方、家庭用小型電源装置(特許文献1参照)と、商用電源用LEDスタンドライト等の組み合わせにより広く明るい照明は得られるものの機材が大掛かりとなり、懐中電灯やランタン等を用いる場面には適していない。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、商用電源用LEDランプを照明に用い、照明用電源としての電池と、電池から出力される直流電圧を前記商用電源用LEDランプが利用可能な交流電圧に変換するDC−ACインバータをひとつの筐体の内外に配置し、携帯した状態でも商用電源用LEDランプによる照明光の照射が可能な事を特徴とした携帯型照明装置を提供する。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、商用電源用LEDランプの高い照明性能を具備した携帯利用も可能な携帯型照明装置を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る携帯型照明装置の外観構成を示す図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る携帯型照明装置の概念的な構成例を示す図である。
【図3】本発明の第2の実施形態に係る携帯型照明装置の外観構成を示す図である。
【図4】本発明の第2の実施形態に係る携帯型照明装置の概念的な構成例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は、第1の実施形態に係る携帯型照明装置の外観構成を示す図である。図2は、第1の実施形態としての携帯型照明装置の構成を示すブロック図である。この携帯型照明装置は、商用電源用LEDランプ部1、電池部2、DC−ACインバータ部3、主電源スイッチ4、照明用カバー5および、それらをひとつにまとめる筺体6で構成される。
【0011】
商用電源用LEDランプ部1は、DC−ACインバータ部3から供給される交流電圧により照明光を照射し、JIS C7709−1に規定されたB型、E型口金にて接続され、メーカーまたは使用者が必要に応じて適切な商用電源用LEDランプを選択できる。ただし、商用電源電圧を扱う危険性やLEDランプの長時間メンテナンスフリーの特徴を考慮し、本実施形態に専用の商用電源用LEDランプや専用接続ソケットの使用および、交換を不可能とする構造としてもよい。
なお、発光により商用電源用LEDランプ部1が高温になる場合には、筺体6を通じた放熱や、冷却装置を用いて放熱する構造を採用してもよい。
【0012】
電池部2は、一般的に公知な電池(一次電池)および充電式電池(二次電池)を使用する。一次電池は、例えば、マンガン電池、アルカリマンガン電池、オキシライド電池、ニッケル電池、水銀電池、リチウム電池などを指し、二次電池は、例えば、鉛蓄電池、リチウムイオン二次電池、ニッケル・水素蓄電池などを指す。
本実施形態では前述の様々なタイプの電池を、利用目的によって選択する。
電池部2で使用される電池は、JIS C8500で定義される乾電池形をした一次電池および二次電池を複数使用するが、必要に応じ本実施形態に専用の形態の電池を使用する構成でもよい。
電池部2が二次電池を利用する場合、必要に応じて充電用のコネクタを筺体6に用意し、電池の交換をせずに充電可能な構造を採用してもよい。
電池部2は、筺体6内に収容される形態でも筺体6外に着脱可能な形態でもよく、必要に応じ電極が短絡した際の事故防止のためのヒューズ等を備えてもよい。
【0013】
DC−ACインバータ部3は筺体6内に収容され、主電源スイッチ4がオンとなった場合に電池部2から給電される直流電圧を商用電源用LEDランプ部1が利用可能な交流電圧に変換する。
必要に応じ定格出力を超える負荷からDC−ACインバータ部3を保護する回路や、商用電源用LEDランプ部1の照明輝度を調整する回路等を含んでもよい。
なお、DC−ACインバータ部3が動作する際に高温となる場合には、筺体6を通じた放熱や、冷却装置を用いて放熱する構造を採用してもよい。
【0014】
照明用カバー5は、商用電源用LEDランプ部1の照明光を透過し、外部からの衝撃および雨や粉塵などから照明電源用LEDランプ部1を防御する機能を持ち、ガラス又は樹脂等にて形成される。ただし、衝撃のみの防御で十分な場合は、金属や樹脂などによる網状の構造を採用してもよい。また、必要に応じて照明用カバー5を外した状態で使用できるようにしてもよい。
照明用カバー5の形状は、商用電源用LEDランプ部1の広範囲の照射を遮らない半球状の形状であるが、用途により、これに限定されず、例えば平面の形状等でもよい。
【0015】
筺体6は、金属や樹脂等で形成され、軽量で耐久性の優れたものが使用される。筺体6の形状は懐中電灯の形状に限定されず、例えばランタンのような形状でもよい。
また、必要に応じ天井に吊り下げるためのフックや、金属板に対して着脱を可能とする磁石等を備えてもよく、これにより天井や壁等に速やかに固定でき、上部等から広く照明光を照射することが可能となる。
【0016】
本実施形態の組み合わせは、例えば、消費電力が6Wの商用電源用LEDランプおよび、単三型二次電池を10本使用した場合に2時間程度の連続点灯が可能であるように設計されている。更に利用用途に応じて商用電源用LEDランプの消費電力および、電池の電池容量を選択すればよい。
【0017】
以上説明したように、本発明の携帯型照明装置は、光源に商用電源用LEDランプを用いることを可能とする事で、明るく拡散性に優れた携帯型照明を提供することが出来る。また必要に応じ商用電源用LEDランプと電池をメーカーもしくは使用者が選択することにより、停電時などの非常照明や夜間作業等の用途に幅広く対応することが出来る。
【0018】
次に、第2の実施形態について説明する。
本実施形態は、一時的に照明用途が変更となる場合に、用途に適した商用電源用照明装置を接続し、必要に応じて外部の商用電源用照明装置と商用電源用LEDランプ部1を同時に又は、外部の商用電源用照明装置のみを選択的に点灯させる事が可能な携帯型照明装置である。
【0019】
図3は、第2の実施形態に係る携帯型照明装置の外観構成を示す図である。図4は、第2の実施形態にとしての携帯型照明装置の構成を示すブロック図である。
この携帯型照明装置は、商用電源用LEDランプ部1、電池部2、DC−ACインバータ部3、主電源スイッチ4、照明用カバー5、本体LED照明スイッチ7および外部給電コネクタ8、それらをひとつにまとめる筺体6で構成される。
本実施形態において、商用電源用LEDランプ部1、電池部2、DC−ACインバータ部3、主電源スイッチ4、照明用カバー5および、それらを一つにまとめる筺体6については、前述した第1の実施形態と同様であり、同じ参照符号を付して、その詳細な説明は省略する。
【0020】
外部給電コネクタ8は、DC−ACインバータ部3から供給される外部の商用電源用照明装置が利用可能な交流電圧を出力する。形状は一般的な家庭用100Vコンセント(JIS C8303 2極コンセント 15A 125V)を想定するが、必要に応じ防水性や脱落防止等を考慮したコネクタでもよい。
【0021】
本体LED照明スイッチ7は、DC−ACインバータ部3から出力される交流電圧の商用電源用LEDランプ部1に対する供給のみをオン/オフする。主電源スイッチ7をオンにしDC−ACインバータ部3に通電している状態で、本体LED照明スイッチ7をオフにすることにより、外部給電コネクタ8からのみ交流電圧が供給され、外部の商用電源用照明装置のみを選択的に点灯させる事が出来る。
【0022】
以上の構成により、前述した第1の実施形態の効果に加え、一時的な照明の増設や、希望の照明のみが必要な場合に、外部の照明装置を筺体6に用意された外部給電コネクタ8へ接続する事により、柔軟に対応することが可能である。
【0023】
なお、本実施形態では、外部給電コネクタ8に照明装置を接続した例について説明しているが、照明装置に限定されるものではなく、DC−ACインバータ部3の出力定格以内で商用電源を用いる一般的な家電製品、例えばラジオ、携帯電話の充電等に対しても適用することが出来る。
【符号の説明】
【0024】
1 商用電源用LEDランプ部
2 電池部
3 DC−ACインバータ部
4 主電源スイッチ
5 照明用カバー
6 筺体
7 本体LED照明スイッチ
8 外部給電コネクタ


【特許請求の範囲】
【請求項1】
照明光を照射する商用電源用LEDランプ部1と、照明用電源を供給するための電池部2および、その電池部2が供給する直流電圧を前記商用電源用LEDランプ部1が利用可能な交流電圧に変換するDC−ACインバータ部3をひとつの筐体6の内外に配置し、携帯した状態でも照明光の照射が可能なことを特徴とした携帯型照明装置。

【請求項2】
前記DC−ACインバータ部3から出力される交流電圧を分岐し出力する外部給電コネクタ8と、商用電源用LEDランプ部1のみの給電を制御する本体LED照明スイッチ7を筐体6に用意し、必要に応じ外部の照明装置を同時に又は、外部の照明装置のみを選択的に点灯する機能を具備することを特徴とする請求項1に記載の携帯型照明装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−89414(P2013−89414A)
【公開日】平成25年5月13日(2013.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−227985(P2011−227985)
【出願日】平成23年10月17日(2011.10.17)
【出願人】(711011412)
【Fターム(参考)】