説明

携帯型移動通信装置への効率的なストリーム配信によるコンテンツ配信

【課題】視聴者が大きなメモリリソースを使用することなく、番組を観る能力を選択的に確保できる装置を提供する。
【解決手段】移動体用TVサービスプロバイダから携帯型移動通信装置へ配信すべきコンテンツを特定するデータを含む、移動体のポインタ・レコードを作成する。ポインタ・レコードデータは、移動体用TVサービスプロバイダによって保守管理されるコンテンツサーバへ送信され、対応するコンテンツサーバのポインタ・レコードが作成され、記憶される。移動体用TVサービスプロバイダは、コンテンツサーバのポインタ・レコードを、記憶されたコンテンツと関連付ける。所望のコンテンツに関連する移動体のポインタ・レコードを選択して、移動通信装置からTVサービスプロバイダへ送信される。TVサービスプロバイダは、対応するコンテンツサーバのポインタ・レコードを介してコンテンツを特定し、要求されたコンテンツを移動通信装置へ配信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型移動通信装置及びシステムに関し、特に、移動体用TVサービスプロバイダから携帯型移動通信装置へオーディオ/ビデオコンテンツを効率的に配信する携帯型移動通信装置、システム及び方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
移動電話機のような携帯型移動通信装置がさらに高度なものになりつつあり、多くの新たな機能と能力とがその中に含まれるようになっている。このような1つの機能として、移動体用放送信号、移動体用テレビ等を受信する能力が挙げられる。このようなサービスには、携帯機器向けデジタルビデオ放送(規格)(DVB−H)、デジタルメディア放送(DMB)、一体サービス型地上デジタル放送(ISDB−T)、モバイルブロードキャスト・マルチキャストサービス(MBMS)、又は類似の技術が含まれる。移動電話機の中に実装される場合、前述の技術のすべては、既存の移動無線送受信機である携帯型移動通信装置を用いて受信できるMBMSを除いて、個別の移動体用放送チューナを利用することになる。
【0003】
サードパーティプロバイダは、移動体用TVを装備した移動電話機のような携帯型移動通信装置によって視聴できるコンテンツ又は番組を維持する。このコンテンツはテレビネットワークスケジュールの場合と同様に加入者が利用できるようになっている。したがって、視聴者/登録会員は現在放送中のコンテンツに同調することが可能となる。残念ながら、この方式は、視聴者が現在放送されているか、ストリーム配信されているコンテンツを単に見ることができるようにするものにすぎない。この方式は、すでに放送済みの番組を視聴者が観ることができるように視聴時間の変更を提供したり、その元のスケジュールされた放送時刻に観るのではなく、その時刻以降に番組を観るように保存したりするものではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
現在、上述のユーザのジレンマを解決する方法は提供されていない。そこで、本発明は、視聴者が実際に所望のコンテンツを記憶するために大きなメモリリソースを使用することなく、視聴者のスケジュールに適合する時間変更ベースで番組を観る能力を選択的に確保できる仕組みを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、移動体用TVサービスプロバイダから携帯型移動通信装置上にコンテンツを受信するシステム及び方法に関するものである。移動体のポインタ・レコードが携帯型移動通信装置内に作成される。この移動体のポインタ・レコードには、移動体用TVサービスプロバイダから携帯型移動通信装置へ配信すべきコンテンツを特定するデータが含まれる。移動体のポインタ・レコードのデータは、移動体用TVサービスプロバイダによって保守管理されるコンテンツサーバへ送信され、対応するコンテンツサーバのポインタ・レコードが作成される。その結果、移動体用TVサービスプロバイダは、コンテンツサーバのポインタ・レコードを記憶済みのコンテンツと関連付けることが可能となる。所望の場合、コンテンツに関連する所望の移動体のポインタ・レコードを選択することにより、携帯型移動通信装置から移動体用TVサービスプロバイダへ要求が送信される。移動体用TVサービスプロバイダは、対応するコンテンツサーバのポインタ・レコードを介してコンテンツを特定し、要求された記憶済みのコンテンツを携帯型移動通信装置へ配信する。
【0006】
上記移動体のポインタ・レコードには、携帯型移動通信装置、コンテンツと関連付けられたチャネル、コンテンツに関連する番組名、ポインタ番号、コンテンツの配信スケジュールの開始時刻、及び、コンテンツの配信終了スケジュールの終了時刻を特定するデータレコードが含まれてもよい。コンテンツサーバのポインタ・レコードには、携帯型移動通信装置、コンテンツと関連付けられたチャネル、ポインタ番号、コンテンツの配信スケジュールの開始時刻、及び、コンテンツの配信終了スケジュールの終了時刻を特定するデータレコードが含まれる。
【0007】
一の実施形態では、電子番組ガイドからコンテンツを選択することによって移動体のポインタ・レコードが部分的に作成される。その場合、電子番組ガイドは、選択されたコンテンツに関連する番組名データ、チャネルデータ、開始時刻、及び、終了時刻を供給する。
【0008】
別の実施形態では、移動体のポインタ・レコードは、コンテンツと関連付けられたチャネル、コンテンツに関連する番組名、コンテンツの所望の配信開始時を特定する開始時刻、及び、コンテンツの所望の配信終了時を特定する終了時刻を特定する入力を、ユーザインタフェースを介して受信することによって作成される。
【0009】
さらに、携帯型移動通信装置において、理由が何であれ、ユーザ/視聴者がコンテンツの視聴を中止しなければならなくなった時点のコンテンツ表示を終了する前に、現在表示されているコンテンツの残り部分について移動体のポインタ・レコードを作成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】移動体用TV装置へコンテンツを効率的に配信するための例示システムのブロック図である。
【図2】移動体用TV装置へコンテンツを効率的に配信するための図1のシステムと共に使用する例示的な携帯型移動通信装置のブロック図である。
【図3】番組チャネルの一例を示すブロック図である。
【図4】本発明の実施形態に係るポインタ・レコードを例示する図である。
【図5】記憶済みの番組の携帯型移動通信装置のディスプレイを例示するブロック図である。
【図6】本発明の実施形態に係るポインタを作成し、記憶する方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態に係るポインタを操作する方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本発明の実施形態に従って、放送される移動体用テレビ信号の宛先を制御する例示システムのブロック図である。システム100は、携帯機器向けデジタルビデオ放送(DVB−H)、デジタルメディア放送(DMB)、一体サービス型地上デジタル放送(ISDB−T)、マルチメディアブロードキャスト・マルチキャストシステム(MBMS)等であってもよい。携帯型移動通信装置110は、コードレス電話機、セルラ電話機、パーソナル・デジタル・アシスタント(PDA)、コミュニケータ、コンピュータ装置等であってもよい。また、携帯型移動通信装置110は、最新型移動電話サービス(AMPS)、デジタル最新型移動電話サービス(D−AMPS)、移動通信用グローバルシステム(GSM)、符号分割多元接続(CDMA)等のような何らかの特別の通信規格に固有の通信装置でなくともよい。図2に例示の携帯型移動通信装置110の設計は本発明の説明を目的とするものであって、本発明は特別の設計に限定されるものではない。
【0012】
図2に示す携帯型移動通信装置110は、通話及び他の通信の開始と実行とを含む携帯型移動通信装置110の動作の制御を容易にするためのオペレータ、即ちユーザインタフェース210を含むものであってもよい。ユーザインタフェース210は、携帯型移動通信装置110の状態と動作とに関して視覚信号をユーザへ提供するディスプレイ212を含むものであってもよい。ディスプレイ212はカラー画像を表示できる液晶ディスプレイ(LCD)等であってもよい。ディスプレイ212は、画像、テキスト、数字、キャラクタ、グラフィックユーザインタフェース(GUI)等の形でユーザ、即ちオペレータへ情報を提供することができる。ディスプレイ212はまた、図4の方法400と関連して説明する放送信号によって搬送される番組の提示用として用いることも可能である。
【0013】
ユーザインタフェース212はまた、キーパッドや、ジョイスティック等のようなポインティングデバイスを含むファンクションキー/ボタン214を含むものであってもよい。キーパッド、ファンクションボタン、及びジョイスティック214は、ユーザが電話番号をダイアルしたり、通話を開始又は終了させたり、移動体用TVサービスプロバイダ又はインターネットへアクセスするなどの他の通信を確立したり、電子メールやテキストメッセージ等の送受信を行ったりするために、ユーザが携帯型移動通信装置110とコマンドをやり取りすることを可能にする。キーパッド、ファンクションボタン、ジョイスティック214を用いて、携帯型移動通信装置110の他の動作を制御することも可能である。触覚入力を受信するタッチパネル式ディスプレイにキーパッド、ファンクションボタン及びジョイスティック214が実装されてもよい。
【0014】
ディスプレイ212、キーパッド及びファンクションボタン214は、メインプロセッサと制御論理ユニット220とに結合されたものであってもよい。プロセッサと制御論理ユニットはマイクロプロセッサ等であってもよい。プロセッサと論理ユニット220は、移動体用TVサービスプロバイダに対応する開始及び終了ポインタを設定するアプリケーション222を含むものであってもよい。
【0015】
ユーザインタフェース210はマイクとスピーカ216とを含むものであってもよい。マイク216はユーザから又は別の音響ソースから音声信号や音響信号を受信する。マイク216は音声信号又は音響信号を電気信号に変換する。マイク216はプロセッサと論理演算ユニット220に接続され、当該プロセッサと論理論理ユニット220は電気信号をベースバンド通信信号に変換する。上記プロセッサと制御論理ユニット220は、無線送信機230に接続され、当該無線送信機は、上記プロセッサと制御論理ユニット220とから出されるベースバンド信号を無線周波数(RF)信号に変換する。無線送信機230は、移動体用無線アクセスネットワーク(MRAN)120等のような通信媒体又はシステムへRF信号を送信するためのアンテナアセンブリ240に接続されてもよい。
【0016】
アンテナアセンブリ240は、無線でRF信号を受信し、次いでこのRF信号を無線送信機230へ転送する。無線送信機230はRF信号をベースバンド信号に変換する。上記ベースバンド信号はプロセッサと制御論理ユニットに印加され、当該制御論理ユニット220はベースバンド信号を電気信号に変換する。プロセッサと制御ユニット220とは電気信号をスピーカへ送信し、スピーカは電気信号をユーザに理解できる音声信号に変換する。
【0017】
携帯型移動通信装置110はまた移動体用TV装置250を含んでもよい。移動体用TV装置250はDVB−H型装置等であってもよい。移動体用TV装置250は、携帯型移動通信装置110の一部として一体に形成されたものであってもよいし、又は、携帯型移動通信装置110に関連して接続されると共に、作動できる別個のユニットであってもよい。移動体用TV装置250は、移動体用TV放送ネットワーク、放送無線アクセスネットワーク(B−RAN)130等から番組放送信号を受信するためのアンテナアセンブリ252を含んでもよい。受信機254は、放送信号を受信するために上記アンテナアセンブリ252に結合される。信号プロセッサ256は、放送信号を受信機254から受信し、携帯型移動通信装置110のディスプレイ212に表示するためのフォーマットに上記放送信号を変換する。或いは、信号プロセッサ230は、受信機254から放送信号を受信し、携帯型移動通信装置110のディスプレイ212に表示するためのフォーマットに上記放送信号を変換することも可能である。
【0018】
B−RAN130は、移動体用テレビ放送信号又はDVB−H放送信号を発信して、携帯型移動通信装置110及び移動体用TV装置250のような通信装置や移動体用TV装置へ放送することも可能である。B−RAN130は放送信号を送信する送信機を含むものであってもよい。
【0019】
B−RAN130は移動体用テレビのサービスプロバイダ132に接続されてもよい。移動体用テレビのサービスプロバイダ132は、B−RAN130を介して携帯型移動通信装置110又は移動体用TV装置250へ放送番組を発信することも可能である。移動体用テレビのサービスプロバイダ132はコンテンツサーバ134を含むものであってもよい。コンテンツサーバ134は、特定の視聴者による選択に従ってコンテンツに索引をつけて記憶済みコンテンツライブラリの中へ入れるための開始/終了ポインタ・アプリケーション136を含むものであってもよい。
【0020】
図3は、電子番組ガイド(EPG)として知られる番組チャネル表示310の1つの実施例を示すブロック図である。番組チャネル表示310は、行としてチャネル識別子320を有し、列としてタイムスロット330を有するテーブルとして設定される。本実施形態によれば、CNN、ESPN及びHBOが行320を形成し、一方、タイムスロット330は8:00〜11:00PMの範囲にある。個々の番組はチャネルのネットワークスケジュールに従って表示される。本例では、8:30〜9:30PMの間にESPNで放送されるハイライトされた番組「ポーカー世界シリーズ」340を示し、ユーザ/視聴者がユーザインタフェースをナビゲートして、この番組を選択した例である。
【0021】
図4は本発明の実施形態によるポインタ・レコードを例示する図である。ユーザ/視聴者が番組を選択して、当該番組を後日視聴する機能を予約したい旨を示すと、携帯型移動通信装置の開始/終了ポインタ・アプリケーションは、視聴用として番組の予約を保証するために、携帯型移動通信装置のポインタ・レコードを作成する。図3に示される選択のために、開始/終了ポインタ・アプリケーションは以下の記録を含む携帯型移動通信装置のポインタ・レコード410を作成する。例えば、ポインタ・レコード410は、視聴者識別手段、チャネル識別子、番組名を示す文字列、ポインタ番号、開始時刻、及び終了時刻を含む。視聴者識別手段は、コンテンツが要求されるとすぐに、どこへコンテンツを送信すべきか、及び、このサービスに関連付けられるすべての料金の請求書を誰宛てに送付すべきかをコンテンツサーバに知らせる。チャネル識別子は、このポインタがどのチャネル又はどのネットワークを意味するものであるかをコンテンツサーバに知らせる。番組名を示す文字列は、適当なときにユーザインタフェースが表示すべき番組名を示す。ポインタ番号のレコードは、携帯型移動通信装置により形成された個々のポインタを追跡する役割を果たす。開始時刻及び終了時刻のレコードは、ユーザ/視聴者が番組の単に一部分のみを記憶する旨を示すことを可能にする。開始時刻及び終了時刻のレコードが、ブランクのままにされた場合、開始/終了ポインタ・アプリケーションは、番組全体の取得が望まれていると仮定して、電子番組ガイドから開始時刻と終了時刻とを引き出す。
【0022】
携帯型移動通信装置のポインタ・レコードに加えて、対応するコンテンツサーバのポインタ・レコード420が作成される。開始/終了ポインタ・アプリケーションは、携帯型移動通信装置のポインタ・レコードをコンテンツサーバへ送信し、それによって、以下のレコードを含む上記アプリケーション自体のコンテンツサーバのポインタ・レコードが作成される。例えば、ポインタ・レコード420は、視聴者識別手段、チャネル識別子、ポインタ番号、開始時刻及び終了時刻を含む。
【0023】
図5は、記憶された番組500を示す携帯型移動通信装置のディスプレイを例示するブロック図である。ユーザ/視聴者は、後で視聴するために指定した番組の1つの視聴を望むとき、開始/終了ポインタ・アプリケーションを「記憶済みの番組」画面(等)へまずナビゲートする。当該画面は、たとえ番組がすでにライブで放送されたものであっても、現在視聴可能な番組を表示する。本例では、視聴者は3つの記憶済みの番組の中から選択を行うことができる。リスト内の番組は、実際には、ローカルに記憶されているコンテンツを表すものではない。逆に、このリストは、選択が行われると、記憶済みのコンテンツをコンテンツサーバ上に見つけ、このコンテンツの配信を要求できるポインタから構成されるものである。視聴者は、番組のポインタ番号、チャネル識別子及び番組名により特定されるものとして3つの番組を‘保存’している。視聴者は、ボールド体で、かつアンダーラインが付された形式で示す選択結果から解るように、「ポーカー世界シリーズ」を選択した。ユーザがこの選択結果を確認すると、携帯型移動通信装置はコンテンツサーバから携帯型移動通信装置へ当該番組を配信するように要求する。
【0024】
ユーザ/視聴者は、画面表示の右下に示されている‘削除’オプションを選択することにより、このポインタをリストから削除することも可能である。この選択によってポインタ・レコードは携帯型移動通信装置から削除され、コンテンツサーバへ要求を送信させて、コンテンツサーバの開始/終了ポインタ・アプリケーションにより保持されていた対応するポインタ・レコードが削除される。
【0025】
メニュー、リスト、画面ショット等の外観の記述は単に例示的なものであることも付記しておく。当業者であれば、本発明の範囲に影響を与えることなくユーザインタフェースの‘外観と雰囲気’を変えることができる。
【0026】
時として、ユーザ/視聴者は(ライブ番組又は予約番組のいずれかの)番組を観ていて、何らかの理由で観ることを中止しなければならなくなることがある。このようなことが発生した場合、開始/終了ポインタ・アプリケーションは、ユーザ/視聴者が、その時点で視聴を終了させたその時刻に開始時刻をリセットすることを望んでいるかどうかについてユーザ/視聴者に指示を促すことになる。これによって、ユーザ/視聴者は、自分がオフにしたその時点から後日番組を再開することが可能となる。したがって、番組の残り部分を見るために番組を再度開始する必要がなくなる。
【0027】
図6は、本発明の実施形態に係るポインタを作成し、記憶する方法を示すフローチャートである。ブロック610において、ユーザ/視聴者は、図5に示すように、ユーザ/視聴者に利用可能な番組がリストされている番組ガイドへ携帯型移動通信装置をナビゲートする。ユーザ/視聴者は、垂直方向に上下にスクロールを行って、追加のチャネルを表示するか、水平方向にスクロールを行って、異なるタイムレンジを表示することができる。次に、ブロック620において、ユーザ/視聴者は番組ガイドによって表示された番組の中から選択を行う。ブロック630において、携帯型移動通信装置の開始/終了ポインタ・アプリケーションは、選択された番組の移動体のポインタ・レコードを作成する。移動体のポインタ・レコードはデータを含み、図4に示すポインタ・レコードのようにフォーマットされる。しかし、本発明のポインタ・レコードを有する正確なデータとパラメータの変更が可能であることを注記しておくことは重要である。当業者は、本発明の範囲から逸脱することなく記録構造の変更を行うことが可能である。
【0028】
移動体のポインタ・レコードが作成されると、携帯型移動通信装置はブロック640においてこの移動体のポインタ・レコードをコンテンツサーバへ送信する。次に、ブロック650において、コンテンツサーバは、対応する又は一致するポインタ・レコードを作成する。当該ポインタ・レコードが記憶され、続いて、配信対象の特定のコンテンツ用索引ポイントとして、後日の要求時に使用することができる。
【0029】
以上は、ポインタ・レコードを選択し、作成するために電子番組ガイドを利用する方法について説明した。しかし、ユーザ/視聴者が個々のポインタに関連する情報を提供できる限り、電子番組ガイドの補助なしでポインタ・レコードを作成することも可能である。例えば、携帯型移動通信装置の開始/終了アプリケーションは、視聴者識別子、チャネル識別子、開始時刻、及び、終了時刻を含む情報についてプロンプトでユーザに指示を促すことができる。したがって、ユーザは、9195551234(移動電話機の電話番号を用いてもよい視聴者識別番号)、ESPN、1:00AM、2:00AMのような情報でこれらのプロンプトに応答する。次に、この情報を用いて、携帯型移動通信装置のポインタを作成する。さらに、ユーザ/視聴者は単にサブセットの番組全体の閲覧を望むことが可能となる。例えば、ESPN「スポーツセンター」は、習慣的に「1日分の再生」用として番組の最後の5分間を予約することになっている。ユーザ/視聴者は、終了時刻から5分間の開始時刻を指定することによって、このサブセット用ポインタを作成することができる。
【0030】
図7は、本発明の実施形態に係るポインタの操作方法を示すフローチャートである。ブロック710において、ユーザ/視聴者は、開始/終了アプリケーション用ユーザインタフェースをナビゲートして、保存された移動体のレコード・ポインタのリストを見つける。このリストは図5に示したものと同様の形式で表示される。ブロック720において、ユーザ/視聴者は、番組をハイライトし、選択して、視聴用として番組を選択するか、リストから番組を削除するかのいずれかを行うようにする。ユーザ/視聴者が視聴用として番組を選択した場合、ブロック730において、携帯型移動通信装置からコンテンツサーバへ要求が送信される。この要求は携帯型移動通信装置のポインタ・レコードを含み、このポインタ・レコードはコンテンツサーバのポインタ・レコードと一致しなければならない。ブロック740において、コンテンツサーバは、一致するポインタ・レコードに従って配信すべきコンテンツを発見し、携帯型移動通信装置へのコンテンツの配信を開始する。ユーザ/視聴者が、配信を終了するか、番組が終了するまで、コンテンツは配信され続けることになる。ユーザ/視聴者がブロック750において早めの終了を生じさせた場合、携帯型移動通信装置の開始/終了アプリケーションは、ブロック760において、ユーザ/視聴者が早めの終了が行われた時刻に開始時刻をリセットすることを望んでいるかどうかについてユーザ/視聴者に指示を促す。ユーザ/視聴者の応答が肯定であれば、移動体のポインタ・レコードとコンテンツサーバのポインタ・レコードとは更新され、新たな開始時刻を反映する。ユーザ/視聴者が、開始時刻をリセットしないことを選択した場合、又は、終了時に番組が終了した場合、開始/終了アプリケーションは、ブロック770において、番組へのポインタの削除を望んでいるかどうかについてユーザ/視聴者に指示を促す。ユーザ/視聴者が削除しないことを選択した場合、ポインタに対する変更は行われない。そして、ブロック710において、制御は移動体のポインタ・レコードのリスト表示へ戻される。ユーザ/視聴者が視聴したばかりの番組の削除を決定した場合、ブロック780及び790のそれぞれにおいて、移動体のポインタ・レコードとコンテンツサーバ記録とが削除される。
【0031】
双方向型音声機能を介して、また、携帯型移動通信装置等のディスプレイに示されるグラフィックユーザインタフェース(GUI)を介して、本発明に関連付けられる任意のプロンプトを提示したり、応答させたりすることが可能である。
【0032】
当業者には理解できると思われるが、本発明は、方法、システム、又は、コンピュータプログラムとして実現することが可能である。したがって、本発明は、全体としてハードウェアの実施形態か、全体としてソフトウェアの実施形態(ファームウェア、常駐ソフトウェア、マイクロコードなどを含む)か、又はソフトウェアとハードウェアとの態様を組み合わせた実施形態の形をとり得る。本明細書ではこれらすべてを一般的に「回路」、「モジュール」又は「システム」と呼ぶことにする。さらに、本発明は、コンピュータで使用可能な記憶媒体上のコンピュータプログラムであって、上記媒体に組み込まれたプログラムコードを含むコンピュータプログラムの形をとることも可能である。
【0033】
任意の好適なコンピュータ可読媒体を利用してもよい。コンピュータで使用可能な媒体又はコンピュータ可読媒体は、例えば、電子的、磁気的、光学的、電磁的、赤外線の又は半導体のシステム、設備、装置、又は伝播媒体であるが、これらに限定されるわけではない。コンピュータ可読媒体のさらに詳細な例(非包括的なリスト)には、1以上の配線を有する電気接続、ポータブルコンピュータディスケット、ハードディスク、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、消去可能なプログラム可能なリードオンリメモリ(EPROM又はフラッシュメモリ)、光ファイバ、携帯用コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD−ROM)、光記憶装置、インターネット若しくはイントラネットをサポートするような送信媒体、又は、磁気記憶装置が含まれる。なお、コンピュータで使用可能な媒体又はコンピュータ可読媒体とは、プログラムが印刷された紙又は別の適切な媒体であってもよい。これは、例えば紙又は他の媒体を光走査し、その後必要に応じてコンパイル、変換又は適切な方法で処理を行い、コンピュータメモリに記憶することによって、プログラムを電子的に取り込むことが可能だからである。本書の文脈において、コンピュータで使用可能な又はコンピュータで読取り可能な媒体は、命令実行システム、設備、又は装置により又は共に使用される番組を収容し、記憶し、通信し、伝播し、又は転送できるあらゆる媒体であってもよい。
【0034】
本発明の演算を実行するためのコンピュータプログラムコードは、Java(登録商標)、Smalltalk、C++等のようなオブジェクト指向言語で書かれたものであってもよい。しかし、本発明の演算を実行するためのコンピュータプログラムコードは、従来の手続きプログラミング言語、例えばCプログラム言語、又は同様のプログラム言語で書かれていてもよい。プログラムコードは、ユーザのコンピュータでその全体を実行してもよいし、ユーザのコンピュータでその一部を、ユーザのコンピュータで独立型ソフトウェアパッケージとしてその一部を、及び、遠隔コンピュータにおいてその一部を、又は遠隔コンピュータ若しくはサーバでその全体を実行してもよい。後者のシナリオでは、ローカルエリアネットワーク(LAN)又は広域ネットワーク(WAN)を介して遠隔コンピュータをユーザのコンピュータに接続してもよい。或いは、この接続は、(インターネットサービスプロバイダなどを利用するインターネットを通じて)外部のコンピュータと行うようにしてもよい。
【0035】
本発明の実施形態による方法、装置(システム)、コンピュータプログラムのフローチャート図及びブロック図の少なくともいずれかを参照しながら、本発明について説明した。フローチャート図とブロック図の少なくともいずれかの個々のブロック、及び、フローチャート内のブロックとブロック図の少なくともいずれかの組み合わせがコンピュータプログラム命令により実現可能であることは理解できよう。これらのコンピュータプログラム命令は、汎用コンピュータ、特定用途のコンピュータ、機械を生産するための他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサに対して提供される。コンピュータと、その他のプログラム可能なデータ処理装置のプロセッサとにより実行される命令は、フローチャートとブロック図のブロック又はブロック群との少なくともいずれかのブロックで特定される機能/動作を実行する手段を創出する。
【0036】
また、これらのコンピュータプログラム命令は、コンピュータ可読メモリに格納されてもよく、これらの命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置に対して特定の方法で指示を行うことができる。そうすることで、コンピュータ可読メモリに格納された上記命令によって、フローチャートとブロック図のブロック又はブロック群との少なくともいずれかのブロックで特定される機能/動作を実現する命令手段を含むコンピュータプログラムが生成される。
【0037】
上記コンピュータプログラム命令は、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置において一連の処理ステップを実行するために、コンピュータ又は他のプログラム可能なデータ処理装置にロードされ、コンピュータにより実行される処理を生成してもよい。そうすることで、コンピュータ又は他のプログラム可能な装置において実行される命令は、フローチャートと、ブロック図のブロック又はブロック群とで特定される機能/動作を実現するステップを提供することになる。
【0038】
上記図中のフローチャート及びブロック図は、本発明の各種の実施形態に係るシステム、方法並びにコンピュータプログラムのアーキテクチャ、機能及び可能な実装構成の動作を例示するものである。この点に関して、フローチャート又はブロック図内の個々のブロックは、特定された(単複の)論理機能を実現する1以上の実行可能な命令を備えたモジュール、セグメント、又はコードの一部を表すことも可能である。いくつかの代替の実施形態では、上記ブロックにおいて上述した機能が図中で述べた順序とは異なる順序で行われる場合もあることにも留意されたい。例えば、続けて示される2つのブロックを、実際には、機能に応じてほぼ同時に実行され、又は、逆の順序で実行されることも時として可能である。ブロック図の個々のブロックとフローチャート図との少なくともいずれか、並びに、ブロック図内のブロックの組み合わせとフローチャート図との少なくともいずれかは、指定の機能若しくは動作又は特定用途向けハードウェアとコンピュータ命令との組み合わせを実行する特定用途向けハードウェアベースのシステムにより実現が可能であることも付記しておく。
【0039】
本明細書で使用されている用語は特定の実施形態について単に説明することを目的とするものであって、本発明の限定を意図するものではない。本明細書で使用されているように、文脈が別段に示していない限り、単数形を示す「a」、「an」及び「the」は複数形も同様に含むことを意図するものである。「備える(comprises)」と、「備えている(comprising)」という用語は、本明細書で使用される場合、上述の特徴、数値、ステップ、処理、要素とコンポーネントの少なくともいずれかの存在を特定する用語であるが、1以上の他の特徴、数値、ステップ、処理、要素及びこれらのグループの少なくともいずれかの存在又は追加を除外するものではないことをさらに理解されたい。
【0040】
特定の実施形態について本明細書に図示し説明したが、当業者が認識するように、図示された特定の実施形態の代わりに同じ目的を達成するように考慮された任意の構成を用いてもよく、また本発明は別の環境において別のアプリケーションを有するものであってもよい。本願は本発明の全ての適用又は変形をカバーするものである。特許請求の範囲は、本発明の範囲を上述した特定の実施形態に限定する意図は全くない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型移動通信装置において、移動体用TVサービスプロバイダからコンテンツを受信する方法であって、
前記移動体用TVサービスプロバイダから前記携帯型移動通信装置へ配信すべきコンテンツを特定するデータを含む移動体のポインタ・レコードを、前記携帯型移動通信装置内において作成し、記憶するステップ630と、
前記移動体用TVサービスプロバイダによって保守管理されるコンテンツサーバへ前記移動体のポインタ・レコードのデータを送信するステップ640と、
前記移動体用TVサービスプロバイダが、コンテンツサーバのポインタ・レコードと記録済みのコンテンツとを関連付けられるように、コンテンツサーバにおいて、前記移動体のポインタ・レコードに対応する前記コンテンツサーバのポインタ・レコードを作成し、記憶するステップ650と、を備え、
前記コンテンツに関連する前記移動体のポインタ・レコードを選択することによって、前記携帯型移動通信装置から前記移動体用TVサービスプロバイダに対して要求が送信されると720、前記移動体用TVサービスプロバイダは、前記コンテンツサーバのポインタ・レコードを介して前記コンテンツを特定し730、前記要求された記憶済みのコンテンツを前記携帯型移動通信装置へ配信する740ことを特徴とする方法。
【請求項2】
前記移動体のポインタ・レコード410は、前記携帯型移動通信装置、コンテンツと関連付けられたチャネル、前記コンテンツに関連する番組名、ポインタ番号、前記コンテンツの配信スケジュールの開始時刻、及び、前記コンテンツの配信終了スケジュールの終了時刻を特定するデータレコードを含むことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンテンツサーバのポインタ・レコード420は、前記携帯型移動通信装置、前記コンテンツと関連付けられた前記チャネル、ポインタ番号、前記コンテンツの配信スケジュールの開始時刻、及び、前記コンテンツの配信終了スケジュールの終了時刻を特定するデータレコードを含むことを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記移動体のポインタ・レコードは、電子番組ガイド310から前記コンテンツを選択することによって部分的に作成され、
前記電子番組ガイド310は、前記選択されたコンテンツに関連する前記番組名データ、チャネルデータ、開始時刻、及び、終了時刻を供給することを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記移動体のポインタ・レコードは、前記コンテンツと関連付けられた前記チャネル、前記コンテンツに関連する番組名、前記コンテンツの配信開始の所望時刻を特定する開始時刻、及び、前記コンテンツの配信終了の所望時刻を特定する終了時刻を特定する入力を、ユーザインタフェースを介して受信することによって、前記携帯型移動通信装置において部分的に作成されることを特徴とする請求項3に記載の方法。
【請求項6】
前記移動体のポインタ・レコードは、コンテンツの現在の表示を終了する前に、現在表示されている当該コンテンツの残り部分について前記携帯型移動通信装置において作成されることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
移動体用TVサービスプロバイダ132から前記携帯型移動通信装置110へ配信すべきコンテンツを特定するデータを含む移動体のポインタ・レコード410を作成し、記憶するための携帯型移動通信装置110であって、
ユーザインタフェース210を介して前記移動体のポインタ・レコード410を選択することによって、前記移動体のポインタ・レコード410と関連付けられたコンテンツの配信を求める要求が、前記携帯型移動通信装置110から前記移動体用TVサービスプロバイダ132へ送信されると、前記移動体用TVサービスプロバイダ132は、前記要求された記憶済みのコンテンツを特定し、前記携帯型移動通信装置110へ該コンテンツを配信することを特徴とする携帯型移動通信装置110。
【請求項8】
前記移動体のポインタ・レコード410は、前記コンテンツと関連付けられたチャネル、前記コンテンツに関連する番組名、ポインタ番号、前記コンテンツの配信スケジュールの開始時刻、及び、前記コンテンツの配信終了スケジュールの終了時刻を特定するデータレコードを含むことを特徴とする請求項7に記載の携帯型移動通信装置110。
【請求項9】
前記移動体のポインタ・レコード410は、電子番組ガイド310から前記コンテンツを選択することによって部分的に作成され、
前記電子番組ガイド310は、前記選択されたコンテンツの前記番組名データ、チャネルデータ、開始時刻、及び、終了時刻を供給することを特徴とする請求項8に記載の携帯型移動通信装置110。
【請求項10】
前記移動体のポインタ・レコード410は、前記コンテンツと関連付けられた前記チャネル、前記コンテンツに関連する番組名、前記コンテンツの配信開始の所望時刻を特定する開始時刻、前記コンテンツの配信終了の所望時刻を特定する終了時刻を特定する入力を、ユーザインタフェース210を介して受信することによって部分的に作成されることを特徴とする請求項8に記載の携帯型移動通信装置110。
【請求項11】
前記移動体のポインタ・レコード410は、コンテンツの現在の表示を終了する前に、現在表示されている当該コンテンツの残り部分について前記携帯型移動通信装置110において作成されることを特徴とする請求項10に記載の携帯型移動通信装置110。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−130046(P2012−130046A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−21311(P2012−21311)
【出願日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【分割の表示】特願2008−547212(P2008−547212)の分割
【原出願日】平成18年8月16日(2006.8.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(502087507)ソニーモバイルコミュニケーションズ, エービー (823)
【Fターム(参考)】