説明

携帯型端末装置、エリア指定方法及びエリア指定プログラム

【課題】撮影画像からターゲットのエリアを指定できる携帯型端末装置を提供すること。
【解決手段】携帯型端末装置に於いて、カメラにより撮影された複数の撮影画像のうち、表示画面に表示する表示画像を決定する決定部と、前記携帯型端末装置の、前記表示画面の法線に交差する平面内に規定される第1、第2の軸を中心とする第1、第2の角速度を取得する第1の取得部と、前記第1、第2の角速度に基づき、前記携帯型端末装置の前記第1、第2の軸を中心とする第1、第2の回転量を算出する第1の算出部と、前記第1、第2の回転量に基づき、前記表示画面の範囲に包含され、前記カメラの光軸に連動する座標を算出する第2の算出部と、前記表示画像の前記座標にポインタを重畳する重畳部と、前記ポインタが重畳された前記表示画像を前記表示画面に表示する表示部と、前記表示画像から前記ポインタを包含する画像エリアを抽出する抽出部と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の技術は、例えば携帯型端末装置、エリア指定方法及びエリア指定プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えばスマートフォンなどの携帯型端末装置を周辺機器と連携させる場合、携帯型端末装置に周辺機器のIPアドレスやMACアドレス等を入力して、ターゲットとなる周辺機器を指定しなければならない。このような作業を省略するために、利用者が実世界で見ている物体、即ち周辺機器を直接ポインティングし、物体に紐づいた情報を取得する物体指定技術が開発されている。
【0003】
物体指定技術としては、例えば、物体に貼り付けられた光IDタグに光ビームを照射し、光IDタグでの光ビームの反射光に基づき、光IDタグの識別情報を読み取るIDリーダが開示されている。従来技術にかかる光IDタグは、光IDリーダから放射された光ビームを、光IDタグのメモリに記憶された識別情報で変調することで、光IDタグの反射光に識別情報を付加する。このため、IDリーダは、光IDタグの反射光を受信することで、光IDタグの識別情報を取得することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−11948号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、従来技術にかかるIDリーダによれば、光IDタグに光ビームを照射しなければならない。しかし、遠隔地にある光IDタグに光ビームを正確に照射することは容易ではない。
【0006】
開示の技術は、撮影画像からターゲットのエリアを指定できる携帯型端末装置、エリア指定方法及びエリア指定プログラムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示の技術の一観点によれば、携帯型端末装置に於いて、カメラにより撮影された複数の撮影画像のうち、表示画面に表示する表示画像を決定する決定部と、前記携帯型端末装置の、前記表示画面の法線に交差する平面内に規定される第1の軸及び第2の軸を中心とする第1の角速度及び第2の角速度を取得する第1の取得部と、前記第1の角速度及び前記第2の角速度に基づき、前記携帯型端末装置の前記第1の軸及び前記第2の軸を中心とする第1の回転量及び第2の回転量を算出する第1の算出部と、前記第1の回転量及び前記第2の回転量に基づき、前記表示画面の範囲に包含され、前記カメラの光軸に連動する座標を算出する第2の算出部と、前記表示画像の前記座標にポインタを重畳する重畳部と、前記ポインタが重畳された前記表示画像を前記表示画面に表示する表示部と、前記表示画像から前記ポインタを包含する画像領域を抽出する抽出部と、を備える携帯型端末装置が提供される。
【発明の効果】
【0008】
開示の技術によれば、撮影画像からターゲットのエリアを指定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】第1の実施形態にかかるスマートフォンの斜視図である。
【図2】第1の実施形態にかかるスマートフォンのハードウェアの概略図である。
【図3】第1の実施形態にかかるコントローラの機能ブロックの概略図である。
【図4】第1の実施形態にかかるコントローラによる処理のフローチャートである。
【図5】第1の実施形態にかかるスマートフォンの動きにより表示画面に表示されるポインタの軌跡の概略図である。
【図6】第1の実施形態にかかるスマートフォンを動かして、表示画像から画像領域を抽出する抽出プロセスの概略図である。
【図7】第1の実施形態にかかる表示画像決定部の機能ブロックの概略図である。
【図8】第1の実施形態にかかるスマートフォンの動きに由来する加速度の動き成分のグラフ及びスマートフォンの加速度の動き成分から算出されたSMA値のグラフである。
【図9】第1の実施形態にかかる表示画像決定部による処理のフローチャートである。
【図10】第1の実施形態にかかる画像比較部の機能ブロックの概略図である。
【図11】第1の実施形態にかかるテンプレート記憶部に記憶されているテンプレートのデータベースの概略図である。
【図12】第1の実施形態にかかる画像比較部によるマッチングの概略図である。
【図13】第2の実施形態にかかるコントローラの機能ブロックの概略図である。
【図14】第2の実施形態にかかるサイズ調整部の機能ブロックの概略図である。
【図15】第2の実施形態にかかるサイズ調整部による処理のフローチャートである。
【図16】第2の実施形態にかかる画像領域のサイズを調整するサイズ調整プロセスの概略図である。
【図17】第2の実施形態にかかる画像領域のサイズを調整するサイズ調整プロセスの概略図である。
【図18】第3の実施形態にかかるコントローラの機能ブロックの概略図である。
【図19】第3の実施形態にかかるサイズ調整部の機能ブロックの概略図である。
【図20】第4の実施形態にかかるコントローラの機能ブロックの概略図である。
【図21】第4の実施形態にかかる画像領域抽出部の機能ブロックの概略図である。
【図22】第4の実施形態にかかる画像領域抽出部による処理のフローチャートである。
【図23】第4の実施形態にかかる最適な画像領域を抽出する抽出プロセスの概略図である。
【図24】第5の実施形態にかかるコントローラの機能ブロックの概略図である。
【図25】第5の実施形態にかかる表示画像決定部の機能ブロックの概略図である。
【図26】第5の実施形態にかかる表示画像決定部による処理のフローチャートである。
【図27】第6の実施形態にかかるスマートフォン及びサーバの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
[第1の実施形態]
以下、図1−図12を参照しながら、第1の実施形態を説明する。
【0011】
(スマートフォン10の概略)
図1は、第1の実施形態にかかるスマートフォン10の斜視図である。
【0012】
図1に示すように、本実施形態にかかるスマートフォン10は、矩形箱型の筺体11と、長方形型の表示画面12と、丸型の操作ボタン13と、を備える。なお、本実施形態では、スマートフォン10を説明するが、カメラ機能を搭載する携帯性端末であれば、スマートフォン10に限定されるものではない。
【0013】
本実施形態にかかるスマートフォン10は、相互に直交する3軸、即ちx軸、y軸、z軸が規定されている。なお、図示するように、x軸は、表示画面12の長手方向に、y軸は、表示画面12の短手方向に、z軸は、表示画面12の直交方向に、それぞれ延在している。
【0014】
(スマートフォン10のハードウェア)
図2は、第1の実施形態にかかるスマートフォン10のハードウェアの概略図である。
【0015】
図2に示すように、本実施形態にかかるスマートフォン10は、コントローラ21、メモリ22、フラッシュメモリ23、通信モジュール24、リアルタイムクロック25、ディスプレイ26、カメラ27、慣性センサ28を備える。
【0016】
コントローラ21、メモリ22、フラッシュメモリ23、通信モジュール24、リアルタイムクロック25、ディスプレイ26、カメラ27、慣性センサ28は、例えばバスBにより相互に接続されている。
【0017】
コントローラ21は、フラッシュメモリ23に格納された各種プログラムを読み出して、メモリ22に展開するとともに、該メモリ22に展開された各種プログラムを実行することで、各種機能を実現する。各種機能の詳細は、後述することとする。
【0018】
メモリ22は、コントローラ21によりフラッシュメモリ23から読み出された各種プログラムを記憶する。さらに、メモリ22は、例えば画像記憶部250、テンプレート記憶部251、表示画像記憶部252、特徴量記憶部253、として機能して、コントローラ21により各種機能が実行されるときに使用される各種データなどを記憶する。画像記憶部250、テンプレート記憶部251、表示画像記憶部252、特徴量記憶部253の詳細は、後述することとする。
【0019】
フラッシュメモリ23は、スマートフォン10の動作を制御するための各種プログラムを記憶する。本実施形態にかかるエリア指定プログラムもフラッシュメモリ23に記憶されている。なお、本実施形態では、フラッシュメモリ23を使用しているが、不揮発性メモリであれば、これに限定されるものではない。
【0020】
通信モジュール24は、後述する表示画像Iから抽出された画像領域Rの画像情報を、例えばスマートフォン10の通信機能により、例えば外部のサーバSに送信する。さらに、通信モジュール24は、周辺機器A、B…のそれぞれに紐づけられた情報、例えば周辺機器A、B…の識別情報や、周辺機器A、B…の操作プログラムなどを、例えば外部のサーバSから受信する。
【0021】
リアルタイムクロック25は、例えば、コントローラ21のイベントタイマ(図示しない)の校正や、例えば複数の撮影画像から表示画像Iを取得するために使用される。
【0022】
ディスプレイ26は、筺体11の内部に配置され、筺体11の前面から表示画面12を露出させている。ディスプレイ26の種類は、特に限定されるものではないが、表示画面12には、タッチスクリーン(図示しない)が貼り付けられている。
【0023】
カメラ27は、筺体11の内部に配置され、筺体11の後面からレンズユニット(図示しない)を露出させ、筺体11の後側、即ち該ディスプレイ26の表示画面12とは逆側を撮影する。但し、本実施形態は、これに限定されるものではなく、例えば筺体11の前面からカメラ27のレンズユニット(図示しない)を露出させ、筺体11の前側を撮影させても良い。
【0024】
慣性センサ28は、加速度センサ28a及びジャイロセンサ28bを備える。本実施形態では、加速度センサ28a及びジャイロセンサ28bを、慣性センサ28の1パッケージに組み込んでいるが、別々のパッケージとしても良い。
【0025】
加速度センサ28aは、スマートフォン10のx軸、y軸、z軸の軸方向の加速度、即ち第1の加速度a、第2の加速度a、第3の加速度aを、それぞれ検知する。但し、スマートフォン10の姿勢によっては、第1の加速度a、第2の加速度a、第3の加速度aが、スマートフォン10の動きに由来する動き成分のほかに、地球の重力成分を含むこともある。
【0026】
ジャイロセンサ28bは、スマートフォン10のx軸、y軸、z軸を中心とする角速度、即ち第1の角速度ω、第2の角速度ω、第3の角速度ωを検出する。なお、第1の角速度ω、第2の角速度ω、第3の角速度ωは、スマートフォン10の動きに由来する動き成分の他に、ジャイロセンサ28bのドリフトに由来するドリフト成分を含むこともある。
【0027】
(コントローラ21の機能ブロック)
図3は、第1の実施形態にかかるコントローラ21の機能ブロックの概略図である。
【0028】
図3に示すように、本実施形態にかかるコントローラ21は、加速度取得部211、角速度取得部212、角度算出部213、座標算出部214、画像取得部215、表示画像決定部216、ポインタ重畳部217、画像表示部218、画像領域抽出部219、画像比較部220、情報取得部221、時間管理部222、画像記憶部250、テンプレート記憶部251、表示画像記憶部252、特徴量記憶部253を備える。
【0029】
加速度取得部211、角速度取得部212、角度算出部213、座標算出部214、画像取得部215、表示画像決定部216、ポインタ重畳部217、画像表示部218、画像領域抽出部219、画像比較部220、情報取得部221、時間管理部222、画像記憶部250、テンプレート記憶部251、表示画像記憶部252、特徴量記憶部253は、何れもメモリ22に展開されたエリア指定プログラムに基づき、コントローラ21により実現される。
【0030】
加速度取得部211は、慣性センサ28の加速度センサ28aにより検出された加速度、即ちx軸の軸方向の第1の加速度a、y軸の軸方向の第2の加速度a、z軸の軸方向の第3の加速度a、を所定時間ごとに、例えば20[ms]ごとに取得する。
【0031】
角速度取得部212は、慣性センサ28のジャイロセンサ28bにより検出された角速度、即ちx軸を中心とする第1の角速度ω、y軸を中心とする第2の角速度ω、z軸を中心とする第3の角速度ω、を所定時間ごとに、例えば20[ms]ごとに取得する。
【0032】
角度算出部213は、角速度取得部212により取得された第1の角速度ω、第2の角速度ω、第3の角速度ωに基づき、x軸を中心とする第1の角度θ、y軸を中心とする第2の角度φ、z軸を中心とする第3の角度ψを、それぞれ算出する。
【0033】
第1の角度θ、第2の角度φ、第3の角度ψは、表示画像決定部216により表示画像Iが決定されたときのスマートフォン10の姿勢(以下、初期姿勢とする)を基準とする、x軸、y軸、z軸を中心とした回転量(回転角)である。従って、第1の角度θ、第2の角度φ、第3の角度ψが算出されると、初期姿勢を基準とするスマートフォン10の姿勢が決まる。以下、第1の角度θ、第2の角度φ、第3の角度ψの算出法を説明する。
【0034】
本実施形態では、第1の角度θ、第2の角度φ、第3の角度ψを算出するために、四元数を使用する。四元数をQ(q、q、q、q)とし、角速度取得部212により取得されるx軸、y軸、z軸を中心とする加速度をΩ(ω、ω、ω)とすると、姿勢更新運動微分方程式は、以下の数式(1)のように表現される。
【0035】
【数1】

【0036】
なお、四元数Qの初期値は、Q(1、0、0、0)と定義される。
【0037】
数式(1)に於いて、ジャイロセンサ28bのサンプリング周期を固定すると、数式(1)の姿勢更新運動微分方程式の解は、以下の数式(2)のように表現される。
【0038】
【数2】

【0039】
数式(2)に於いて、ジャイロセンサ28bのサンプリング間隔内の角速度を一定とすると、数式(2)の積分項は、以下の数式(3)のように近似される。
【0040】
【数3】

【0041】
なお、数式(3)に於いて、Δθx、Δθy、Δθzは、それぞれ区間[t、tk+1]に於ける角度の増量である。
【0042】
数式(3)を利用して、数式(1)をテイラー展開すると、姿勢更新運動微分方程式の解を求めることができる。姿勢更新運動微分方程式の解は、以下の数式(4)のように表現される。
【0043】
【数4】

【0044】
但し、実際に、スマートフォン10に於いて、数値演算を実行する場合、数式(4)に於けるsin項およびcos項を級数展開すれば良い。なお、級数展開による、数式(4)の1次近似式は、以下の数式(5)のように、2次近似式は、以下の数式(6)のように表現される。本実施形態では、数式(5)を使用する。
【0045】
【数5】

【0046】
【数6】

【0047】
数式(5)によれば、ある時刻tの四元数Q(t)がわかれば、次の時刻tk+1の四元素Q(tk+1)を求めることができる。本実施形態では、四元数Qの初期値をQ(1、0、0、0)としているので、数式(5)を使用すれば、表示画面12に表示する表示画像Iの決定時から任意の時間tが経過したときの四元数Q(t)を算出することができる。
【0048】
さらに、四元数Qによる姿勢表現をオイラー角(θ、φ、ψ)による姿勢表現に変換すれば、表示画面12に表示する表示画像Iの決定時からのx軸、y軸、z軸を中心とする回転角、即ち第1の角度θ、第2の角度φ、第3の角度ψを算出することができる。四元数をオイラー角に変換する変換式は、以下の数式(7)、(8)、(9)のように表現される。
【0049】
【数7】

【0050】
【数8】

【0051】
【数9】

【0052】
座標算出部214は、角度算出部213により算出された第1の角度θ、第2の角度φ、第3の角度ψのうち、x軸を中心とする第1の角度θ及びy軸を中心とする第2の角度φに基づき、表示画面12の範囲に包含される座標(x、y)を算出する。座標(x、y)は、カメラ27の光軸、即ちカメラ27のレンズ(図示しない)の中心軸の動きに連動する。但し、表示画面12に表示する表示画像Iの決定時には、座標(x、y)が表示画面12の中心、即ちC(W/2、H/2)に位置するものとする。従って、表示画面12に表示する表示画像Iの決定後に、スマートフォン10を前傾させると、カメラ27の光軸も前傾するので、座標算出部214により算出される座標(x、y)は、表示画面12の中心C(W/2、H/2)よりも下側に移動する。同様に、表示画面12に表示する表示画像Iの決定後に、スマートフォン10を後傾させると、カメラ27の光軸も後傾するので、座標算出部214により算出される座標(x、y)は、表示画面12の中心C(W/2、H/2)よりも上側に移動する。なお、Wは、表示画面12のx軸の軸方向の長さ、Hは、表示画面12のy軸の軸方向の長さ、をそれぞれ示している。
【0053】
画像取得部215は、カメラ27により撮影された複数の撮影画像を取得する。画像取得部215により取得された複数の撮影画像は、それぞれメモリ22に構築される画像記憶部250に記憶される。なお、画像取得部215により取得された複数の撮影画像を、それぞれの撮影時刻を対応づけて、画像記憶部250に記憶しても良い。
【0054】
表示画像決定部216は、画像取得部215により取得された複数の撮影画像から、ディスプレイ26の表示画面12に表示する表示画像Iを決定する。表示画像決定部216により決定された表示画像Iは、表示画面12に表示されたまま固定される。即ち、表示画像Iは、いわゆる背景画像として、表示画面12に表示される。表示画像Iの決定プロセスは、後述することとする。
【0055】
ポインタ重畳部217は、表示画像決定部216により決定された表示画像Iに於ける、座標算出部214により算出された座標(x、y)に、それぞれポインタpを重畳する。ポインタPの形態は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、赤色の丸型ドットを用いる。なお、座標算出部214は、所定時間ごとに、例えば100[ms]ごとに座標(x、y)を算出する。従って、ポインタ重畳部217は、座標算出部214により座標(x、y)が算出されるたびに、表示画像Iにポインタpを追加的に重畳することとなる。このため、表示画面12に表示する表示画像Iを決定してから、ある程度の時間が経過すると、表示画面12には、表示画面12の中心である座標C(W/2、H/2)を始点とする、複数のポインタPの軌跡Tが表示される。
【0056】
画像表示部218は、ポインタ重畳部217によりポインタPが重畳された表示画像Iを、ディスプレイ26の表示画面12に表示する。但し、表示画像Iが決定されるまでの期間は、カメラ27により撮影された複数の撮影画像をディスプレイ26の表示画面12に表示する。
【0057】
画像領域抽出部219は、ポインタ重畳部217により表示画像Iに重畳された複数のポインタPの座標(x、y)に基づき、表示画像Iから画像領域Rを抽出する。画像領域Rは、少なくとも表示画像Iよりも小さいことが好ましい。画像領域Rの抽出法は、種々の形態をとり得るが、本実施形態では、例えば表示画像Iに重畳された複数のポインタPの軌跡Tの外接矩形、いわゆるAABB(Axis Aligned Bounding Box)を、画像領域Rとして抽出する。
【0058】
画像比較部220は、画像領域抽出部219により抽出された画像領域Rの画像情報と、事前に準備されている複数のパターン情報と、を比較する。画像領域Rの画像情報と、パターン情報との比較プロセスは、後述することとする。
【0059】
情報取得部221は、画像比較部220による比較結果に基づき、画像領域Rに包含される物体に関連する情報を、例えばサーバSから取得する。画像領域Rに周辺機器Aが包含されている場合、例えば周辺機器Aの識別情報もしくは周辺機器Aの操作プログラムなどを取得しても良い。
【0060】
時間管理部222は、リアルタイムクロック25からの出力に基づき、表示画像Iの決定時からの経過時間、エリア指定プログラムの起動時からの経過時間、などを管理する。
【0061】
(コントローラ21による処理フロー)
図4は、第1の実施形態にかかるコントローラ21による処理のフローチャートである。図5は、第1の実施形態にかかるスマートフォン10の動きにより表示画面12に表示されるポインタPの軌跡Tの概略図である。図6は、第1の実施形態にかかるスマートフォン10を動かして、表示画像Iから画像領域Rを抽出する抽出プロセスの概略図である。
【0062】
本実施形態にかかる処理フローは、エリア指定プログラムを起動することで開始する。処理フローが開始したら、図4に示すように、画像取得部215は、カメラ27により撮影された複数の撮影画像を取得する(ステップS101)。画像取得部215により取得された複数の撮影画像は、逐次メモリ22に構築された画像記憶部250に記憶される。
【0063】
次に、表示画像決定部216は、画像取得部215により取得された複数の撮影画像から、1枚の表示画像Iを決定する(ステップS102)。表示画像決定部216により決定された表示画像Iは、ディスプレイ26の表示画面12に背景画像として表示される。表示画像Iの決定プロセスは、後述することとする。
【0064】
次に、角度算出部213は、角速度取得部212により取得されたx軸、y軸、z軸を中心とする第1の角速度ω、第2の角速度ω、第2の角速度ωに基づき、x軸、y軸、z軸を中心とするスマートフォン10の回転量、即ち第1の角度θ、第2の角度φ、第3の角度ψを算出する(ステップS103)。
【0065】
次に、座標算出部214は、角度算出部213により算出された第1の角度θ、第2の角度φ、第3の角度ψのうち、第1の角度θ及び第2の角度φに基づき、ディスプレイ26の表示画面12の範囲に包含され、カメラ27の光軸の動きに連動する座標(x、y)を、所定時間ごとに算出する(ステップS104)。
【0066】
次に、ポインタ重畳部217は、表示画像決定部216により決定された表示画像Iに於ける、座標算出部214により算出された座標(x、y)に、それぞれポインタpを重畳する(ステップS105)。
【0067】
例えば、図5(a)に示すように、利用者Uが、x軸を中心にスマートフォン10を回動させると、本実施形態にかかるエリア指定プログラムの機能により、表示画面12に表示された表示画像Iに、複数のポインタPが次々と重畳され、表示画像Iの特定領域に、x方向に往復するジグザグ型の軌跡Tが描写される。
【0068】
又、図5(b)に示すように、利用者Uが、y軸を中心にスマートフォン10を回動させると、本実施形態にかかるエリア指定プログラムの機能により、表示画面12に表示された表示画像Iに、複数のポインタPが次々と重畳され、表示画像Iの特定領域に、y方向に往復するジグザグ型の軌跡Tが描写される。
【0069】
次に、時間管理部222は、リアルタイムクロック25からの出力に基づき、表示画像決定部216により表示画像Iが決定された時点からの経過時間が、事前に決められた閾値を超えたか判断する(ステップS106)。
【0070】
表示画像Iが決定された時点からの経過時間が閾値を超えたと判断されない場合(ステップS106のNo)、角度算出部213は、第1の角度θ、第2の角度φ、第3の角度ψの算出を継続する(ステップS103)。
【0071】
一方、表示画像Iが決定された時点からの経過時間が閾値を超えたと判断された場合(ステップS106のYes)、画像領域抽出部219は、複数のポインタPの軌跡Tに外接する矩形領域を、表示画像Iから画像領域Rとして抽出する(ステップS107)。
【0072】
次に、画像比較部220は、画像領域抽出部219により抽出された画像領域Rの画像情報と、事前に準備された複数のパターン情報と、のマッチングを実施する(ステップS108)。画像領域Rの画像情報と、画像パターン情報とのマッチングプロセスは、後述することとする。
【0073】
画像領域Rの画像領域と、複数のパターン情報の何れかとのマッチングが成功したと判断されなければ(ステップS109のNo)、画像取得部215は、カメラ27により撮影された撮影画像の取得を継続する(ステップS101)。
【0074】
一方、画像領域Rの画像情報と、複数のパターン情報の何れかとのマッチングが成功したと判断されたら(ステップS109のYes)、情報取得部221は、マッチングが成功したときのパターン情報に対応する関連情報を、例えばサーバSから取得する。例えば、画像領域Rに周辺機器Aが包含されている場合、周辺機器Aの識別情報もしくは周辺機器Aの操作プログラムなどを関連情報として取得しても良い。
【0075】
本実施形態にかかるスマートフォン10は、以上の処理フローを実現するためのエリア指定プログラムを搭載している。このため、カメラ27の光軸を回転させるようにスマートフォン10を動かすと、表示画面12に表示された表示画像Iには、エリア指定プログラムの機能により、図6(a)に示すような、ポインタPの軌跡Tが描写される。さらに、図6(a)に示すような、ポインタPの軌跡Tが描写されると、エリア指定プログラムの機能により、図6(b)に示すような、ポインタPの軌跡Tに外接する矩形領域が、画像領域Rとして生成される。
【0076】
従って、表示画像Iに表示されているターゲットとしての周辺機器Aに、ポインタPの軌跡Tが重畳するようにスマートフォン10を動かせば、周辺機器Aが包含された、表示画像Iよりも小さい矩形領域を、画像領域Rとして指定することができる。
【0077】
以上の処理フローを経ることで、スマートフォン10は、撮影画像に表示されている物体、例えば周辺機器Aの関連情報を、スマートフォン10に取り込むことができる。これにより、スマートフォン10は、非常に簡単に、例えば周辺機器Aと機能連携することができる。
【0078】
(表示画像決定部216の詳細)
図7は、第1の実施形態にかかる表示画像決定部216の機能ブロックの概略図である。図8(a)は、第1の実施形態にかかるスマートフォン10の動きに由来する加速度の動き成分axm、aym、azmのグラフである。図8(b)は、第1の実施形態にかかるスマートフォン10の加速度の動き成分から算出されたSMA値のグラフである。なお、図8(a)に於ける3本のグラフは、それぞれ動き成分axm、aym、azmの何れかを示している。図8(b)に於ける二点鎖線は、SMA値の閾値を示している。
【0079】
図7に示すように、本実施形態にかかる表示画像決定部216は、AC成分取得部216a、SMA算出部216b、静止判定部216c、撮影指示部216d、表示画像取込部216eを備える。
【0080】
AC成分取得部216aは、加速度取得部211により取得されたx軸、y軸、z軸の軸方向の第1の加速度a、第2の加速度a、第3の加速度aから重力成分を除去して、スマートフォン10の動きに由来する加速度の成分、即ち動き成分axm、aym、azmを取得する。AC成分取得部216aとしては、いわゆるハイパスフィルタが用いられる。
【0081】
図8(a)に示すように、スマートフォン10が動作している区間A、区間Cでは、加速度の動き成分axm、aym、azmが高く、スマートフォン10が静止している区間B、区間Dでは、加速度の動き成分axm、aym、azmが低いことがわかる。
【0082】
SMA算出部216bは、AC成分取得部216aにより取得された加速度の動き成分axm、aym、azmに基づき、SMA(Signal Magnitude Area)値を算出する。SMA値の算出式は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、以下の数式(10)を使用する。
【0083】
【数10】

【0084】
なお、数式(10)に於いて、iは、サンプリングの識別番号(何回目のサンプリングかを意味するもの)であって、Tは、動き成分axm(i)、aym(i)、azm(i)のサンプリング期間である。
【0085】
図8(b)に示すように、スマートフォン10が動作している区間A、区間Cでは、SMA値が高く、スマートフォン10が静止している区間B、区間Dでは、SMA値が低いことがわかる。
【0086】
静止判定部216cは、SMA算出部216bにより算出されたSMA値と、事前に設定された閾値と、を比較して、事前に決められた時間にわたりSMA値が閾値より低い場合に、スマートフォン10が静止したと判定する。
【0087】
例えば、図8(b)に示すように、事前に決められた時間が50[ms]であれば、スマートフォン10が静止している区間B、区間Dでは、50[ms]以上にわたりSMA値が閾値より低いので、スマートフォン10は、静止したと判定されることになる。
【0088】
撮影指示部216dは、静止判定部216cによりスマートフォン10が静止していると判定された場合、表示画像取込部216eに撮影画像の取り込みを指示する。
【0089】
表示画像取込部216eは、撮影指示部216dから撮影画像の取り込みを指示されたら、撮影画像の取り込みを指示された直後の撮影画像を、表示画像Iとして取り込む。表示画像取込部216eにより取り込まれた表示画像Iは、メモリ22に構築された表示画像記憶部252に記憶される。
【0090】
これにより、利用者Uは、例えば表示画面12に周辺機器Aを表示させつつ、スマートフォン10を静止させると、自動的に1枚の撮影画像が表示画像Iとして取り込まれることとなる。このため、例えばスマートフォン10を片手で保持しているときにも、簡単にターゲットである周辺機器Aを包含する表示画像Iを取得することができる。
【0091】
(表示画像決定部216による処理のフロー)
図9は、第1の実施形態にかかる表示画像決定部216による処理のフローチャートである。なお、本実施形態では、表示画像決定部216による処理のフローとしているが、実際には、エリア指定プログラムに基づき、コントローラ21が実現していることは言うまでもない。
【0092】
本実施形態にかかる処理フローは、エリア指定プログラムを起動すると、先ずはじめに開始する。処理フローが開始したら、図9に示すように、AC成分取得部216aは、加速度取得部211により取得された第1の加速度a、第2の加速度a第3の加速度aから、スマートフォン10の動きに由来する加速度の動き成分axm、aym、azmを取得する(ステップS201)。
【0093】
これと並行して、時間管理部222は、リアルタイムクロック25からの出力に基づき、本実施形態にかかるエリア指定プログラムの起動時からの経過時間のカウントを開始する(ステップS202)。
【0094】
次に、SMA算出部216bは、AC成分取得部216aにより抽出された加速度の動き成分axm、aym、azmに基づき、SMA値を算出する(ステップS203)。
【0095】
次に、静止判定部216cは、SMA算出部216bにより算出されるSMA値が、事前に決められた時間にわたり、事前に決められた閾値より低いか判断する(ステップS204)。
【0096】
SMA値が、事前に決められた時間にわたり、事前に決められた閾値より低いと判断されない場合(ステップS204のNo)、AC成分取得部216aは、スマートフォン10の動きに由来する加速度の動き成分axm、aym、azmの取得を継続する(ステップS201)。
【0097】
一方、SMA値が、事前に決められた時間にわたり、事前に決められた閾値より低いと判断されたら(ステップS204のYes)、撮影指示部216dは、表示画像取込部216eに撮影画像の取り込みを指示する(ステップS205)。
【0098】
次に、表示画像取込部216eは、カメラ27により連続的に取得されていた複数の撮影画像のうち、撮影指示部216bが取り込みを指示した直後に取得された撮影画像を取り込む(ステップS206)。表示画像取込部216eにより取り込まれた撮影画像は、表示画像Iとして、表示画像記憶部252に記憶される。
【0099】
(画像比較部220の詳細)
図10は、第1の実施形態にかかる画像比較部220の機能ブロックの概略図である。
【0100】
図10に示すように、本実施形態にかかる画像比較部220は、第1の特徴量算出部220a、第2の特徴量算出部220b、特徴量比較部220cを備える。
【0101】
第1の特徴量算出部220aは、画像領域抽出部219により抽出された画像領域Rの画像情報に基づき、特徴量を算出する。特徴量は、特に限定されるものではないが、例えば画像領域Rに包含される物体の特徴的な位置などを数値化した指標を用いても良い。
【0102】
第2の特徴量算出部220bは、テンプレート記憶部251に記憶された複数のテンプレート情報に基づき、それぞれの特徴量を算出する。特徴量は、第1の特徴量算出部220aにより算出される特徴量と同様に、それぞれのテンプレートの特徴的な位置などを数値化した指標を用いても良い。第2の特徴量算出部220bにより算出された、それぞれのテンプレートの特徴量は、テンプレートの識別情報に対応づけて、メモリ22に構築された特徴量記憶部253に記憶される。テンプレート情報の詳細は、後述することとする。
【0103】
特徴量比較部220cは、第1の特徴量算出部220aにより算出された、画像領域Rの画像情報の特徴量と、第2の特徴量算出部220bにより算出された複数のテンプレートの特徴量と、を比較して、相互の照合度を算出する。さらに、特徴量比較部220cは、特徴量の照合度が、事前に決められた閾値を超えるテンプレートが存在するか判断する。
【0104】
(データベースDBの概略)
図11は、第1の実施形態にかかるテンプレート記憶部251に記憶されているテンプレートTm1、Tm2、Tm3…のデータベースDBの概略図である。
【0105】
図11に示すように、本実施形態にかかるデータベースDBは、複数のテンプレートTm1、Tm2、Tm3…と、それぞれのテンプレートTm1、Tm2、Tm3…の識別番号と、を対応づけている。
【0106】
例えば、テンプレートTm1は、識別番号0001に、テンプレートTm2は、識別番号0002に、テンプレートTm3は、識別番号0003に、それぞれ対応づけられている。なお、本実施形態では、テンプレートTm1としてプロジェクタ、テンプレートTm2としてコピー機、テンプレートTm3としてPCモニタを採用している。
【0107】
(マッチングの概略)
図12は、第1の実施形態にかかる画像比較部220によるマッチングの概略図である。画像領域抽出部219により画像領域Rが抽出されたら、図12に示すように、画像領域Rの画像情報の特徴量が、テンプレート記憶部251に記憶されたデータベースDBの、それぞれのテンプレートTm1、Tm2、Tm3の特徴量と照合される。なお、テンプレートTm1、Tm2、Tm3の特徴量は、特徴量記憶部253に記憶されているので、実際には、特徴量記憶部253を参照することとなる。
【0108】
複数のテンプレートTm1、Tm2、Tm3の中に、画像領域Rの画像情報の特徴量との照合度が、事前に決められた閾値を超えるテンプレートがあれば、該テンプレートに対応づけられた情報、例えば識別番号や操作プログラムなどが、例えばサーバSから取得される。本実施形態に於いて、例えば画像領域Rの画像情報の特徴量と、テンプレートTm1の特徴量との照合度が、閾値を超えているとすれば、テンプレートTm1に対応する識別情報0001がスマートフォン10により取得されることになる。
【0109】
このように、本実施形態によれば、表示画像Iよりも小さい画像領域Rの画像情報の特徴量と、複数のテンプレートTm1、Tm2、Tm3…の特徴量とを比較している。このため、表示画像Iの全体の特徴量を算出するよりも計算量を減らすことができる。
【0110】
[第2の実施形態]
以下、図13−図17を参照しながら、第2の実施形態を説明する。但し、第1の実施形態と同等の構成や処理については、説明を省略することとする。
【0111】
第2の実施形態にかかるコントローラ21Aは、さらにサイズ調整部223を備える点で、第1の実施形態にかかるコントローラ21と異なる。
【0112】
(コントローラ21Aの機能ブロック)
図13は、第2の実施形態にかかるコントローラ21Aの機能ブロックの概略図である。
【0113】
図13に示すように、本実施形態にかかるコントローラ21Aは、さらにサイズ調整部223を備える。サイズ調整部223は、メモリ22に展開されたエリア指定プログラムに基づき、コントローラ21により実現される。
【0114】
(サイズ調整部223の詳細)
図14は、第2の実施形態にかかるサイズ調整部223の機能ブロックの概略図である。
【0115】
図14に示すように、本実施形態にかかるサイズ調整部223は、比較部223a、倍率算出部223b、拡縮部223c、拡縮判定部223dを備える。
【0116】
比較部223aは、角度算出部213により算出された、z軸を中心とする第3の角度ψの絶対値と、事前に決められた閾値ψと、を比較する。
【0117】
倍率算出部223bは、角度算出部213により算出された第3の角度ψの絶対値と、角速度取得部212により取得された第3の角速度ωと、に基づき、画像領域Rを拡縮するための倍率を算出する。本実施形態に於いて、画像領域Rを拡縮するための倍率は、第3の角度ψの増加に比例している。このため、z軸を中心とするスマートフォン10の回転量を増大させると、画像領域Rを拡縮するための倍率も増大する。又、本実施形態に於いて、画像領域Rを拡大するか、もしくは、縮小するかは、第3の角速度ωの向きより決められる。このため、z軸を中心とするスマートフォン10の回転方向を反転させると、画像領域Rの拡大及び縮小も反転する。但し、第3の角度ψが閾値ψよりも小さい場合、倍率算出部223bは、画像領域Rの倍率を算出しない。これは、利用者Uの意図ではない、例えば手ぶれによるスマートフォン10の回転を取り除くためである。
【0118】
拡縮部223cは、倍率算出部223bにより決定された倍率に基づき、画像領域Rのサイズを調整する。サイズを調整された画像領域Rは、表示画像Iにリアルタイム表示される。即ち、画像領域Rのサイズが変化する様子は、表示画面Iに表示される。
【0119】
拡縮判定部223dは、第3の角速度ωの絶対値が、事前に決められた時間にわたり、事前に決められた閾値ωz0よりも小さいか判断する。第3の角速度ωの絶対値が、事前に決められた時間にわたり、事前に決められた閾値ωz0よりも小さければ、画像領域Rのサイズ調整を目的としていないと推測されるからである。例えば、手ぶれ等によってスマートフォン10が回転していると推測されるからである。
【0120】
(サイズ調整部223による処理のフロー)
図15は、第2の実施形態にかかるサイズ調整部223による処理のフローチャートである。なお、本実施形態では、サイズ調整部223による処理のフローとしているが、実際には、エリア指定プログラムに基づき、コントローラ21Aが実現していることは言うまでもない。
【0121】
画像領域Rを包含する表示画像Iが表示画面12に表示されたら、図15に示すように、比較部223aは、角度算出部213により算出された第3の角度ψを取得し(ステップS301)、第3の角度ψの大きさが閾値ψよりも大きいか判断する(ステップS302)。
【0122】
第3の角度ψの大きさが閾値ψよりも大きいと判断されなければ(ステップS302のNo)、比較部223aは、第3の角度ψの取得を継続する(ステップS301)。一方、第3の角度ψの大きさが閾値ψよりも大きいと判断されたら(ステップS302のYes)、倍率算出部223bは、第3の角度ψの大きさに基づき、画像領域Rを拡縮するための倍率の絶対値を、第3の角速度ωに基づき、画像領域Rの拡大もしくは縮小を、それぞれ算出する(ステップS303)。
【0123】
次に、拡縮部223cは、倍率算出部223bにより算出された倍率に基づき、画像領域Rのサイズを調整する(ステップS304)。
【0124】
次に、拡縮判定部223dは、第3の角速度ωが、事前に決められた時間にわたり、事前に決められた閾値ωz0よりも小さいか判断する(ステップS305)。事前に決められた時間にわたり、第3の角速度ωが閾値ωz0よりも小さいと判断されなければ(ステップS305のNo)、比較部223aは、第3の角度ψの取得を継続する(ステップS301)。一方、事前に決められた時間にわたり、第3の角速度ωが閾値ωz0よりも小さいと判断されたら(ステップS305のYes)、画像領域Rのサイズ調整が終了したものとみなして、第3の角速度ωが閾値ωz0よりも小さいと判断されたときの画像領域Rを固定する(ステップS306)。
【0125】
図16は、第2の実施形態にかかる画像領域Rのサイズを調整するサイズ調整プロセスの概略図であって、(a)はサイズ調整前の表示画像Iを、(b)はサイズ調整後の表示画像Iを、それぞれ示している。図17は、第2の実施形態にかかる画像領域Rのサイズを調整するサイズ調整プロセスの概略図であって、(a)はサイズ調整前の表示画像Iを、(b)はサイズ調整後の表示画像Iを、それぞれ示している。
【0126】
図16(a)に示すように、サイズ調整前の表示画像Iは、ポインタPの軌跡Tに外接する矩形状の画像領域Rを包含しているが、z軸を中心にスマートフォン10を左側に角度ψ(>ψ)だけ回転させると、図16(b)に示すように、画像領域Rが拡大する。このため、図17(a)に示すように、ターゲットである周辺機器Aの表示領域よりも画像領域Rが小さくても、z軸を中心としてスマートフォン10を回転させるだけで、周辺機器Aの表示領域の全体を包含する画像領域Rを生成することができる。即ち、周辺機器Aの表示領域の極一部にポインタPの軌跡Tを描画すれば、画像領域Rを拡大させることで、周辺機器Aを指定することができるので、ポインタPの軌跡Tを描画するために要する時間を短縮することができる。
【0127】
[第3の実施形態]
以下、図18、図19を参照しながら、第3の実施形態を説明する。但し、第2の実施形態と同等の構成や処理については、説明を省略することとする。
【0128】
第3の実施形態にかかるコントローラ21Bは、第2の実施形態にかかるサイズ調整部223とは異なるサイズ調整部224を備える点で、第2の実施形態にかかるコントローラ21Aと異なる。
【0129】
(コントローラ21Bの機能ブロック)
図18は、第3の実施形態にかかるコントローラ21Bの機能ブロックの概略図である。
【0130】
図18に示すように、本実施形態にかかるコントローラ21Bは、第2の実施形態にかかるサイズ調整部223と異なるサイズ調整部224を備える。サイズ調整部224は、メモリ22に展開されたエリア指定プログラムに基づき、コントローラ21により実現される。
【0131】
(サイズ調整部224の詳細)
図19は、第3の実施形態にかかるサイズ調整部224の機能ブロックの概略図である。
【0132】
図19に示すように、本実施形態にかかるサイズ調整部224は、さらに、第1のフィルタ部224a、第2のフィルタ部224b、角度変換部224c、角度指標算出部224dを備える。
【0133】
第1のフィルタ部224aは、加速度取得部211により取得された第1の加速度a、第1の加速度a、第1の加速度aのうち、x軸の軸方向の第1の加速度aを受け取り、第1の加速度aからスマートフォン10の動きに由来する動き成分axmを除去することで、地球の重力に由来する重力成分axgを取得する。なお、本実施形態では、第1の加速度aの重力成分axgを取得しているが、本実施形態は、これに限定されるものではない。例えば、y軸の軸方向の第2の加速度aからスマートフォン10の動きに由来する動き成分aymを除去して、地球の重力に由来する重力成分aygを取得しても良い。さらに、第1の加速度aの重力成分axg及び第2の加速度aの成分aymの双方を取得しても良い。第1のフィルタ部224aとしては、いわゆるローパスフィルタが用いられる。
【0134】
角度変換部224bは、第1のフィルタ部224aにより取得された、x軸の軸方向の第1の加速度aの重力成分axgと、事前に記憶されている重力加速度gと、に基づき、第1の加速度aの重力成分axgを、z軸を中心とするスマートフォン10の回転角ψに変換する。
【0135】
第2のフィルタ部224cは、角度算出部213により算出された第1の角度θ、第2の角度φ、第3の角度ψのうち、z軸を中心とする第3の角度ψを受け取り、第3の角度ψからジャイロセンサ28bのドリフトに由来するドリフト角度ψを除去することで、z軸を中心とするスマートフォン10の回転角ψを取得する。第2のフィルタ部224cとしては、いわゆるハイパスフィルタが用いられる。
【0136】
角度指標算出部224dは、角度変換部224bにより変換された回転角ψと、第2のフィルタ部224cにより取得された回転角ψと、を利用して、スマートフォン10の傾きの程度を表現する回転角指標ψindexを算出する。回転角指標ψindexの算出式は、以下の数式(11)のように表現される。
【0137】
【数11】

【0138】
なお、数式(11)に於いて、「α」及び「1−α」は、それぞれ回転角ψ及び回転角ψへの重みづけ乗数である。
【0139】
本実施形態では、数式(11)により算出された回転角指標ψindexを第3の角度ψとみなして、第2の実施形態と同様に、表示画面12に表示された画像領域Rのサイズを調整することとなる。
【0140】
本実施形態によれば、表示画面12に表示された画像領域Rのサイズを調整するために、角度算出部213により算出された第3の角度ψだけでなく、加速度取得部211により取得された第1の加速度aも使用している。このため、画像領域Rのサイズ調整の信頼性を高めることができる。
【0141】
さらに、本実施形態によれば、表示画面12に表示された画像領域Rのサイズを調整するために、z軸を中心とする第3の角度ψからジャイロセンサ28bのドリフトに由来するドリフト角度ψを除去した回転角ψを用いている。このため、ジャイロセンサ28bのドリフトの影響により、利用者Uが意図しないサイズ調整が行われることを防止することができる。
【0142】
[第4の実施形態]
以下、図20−図23を参照しながら、第4の実施形態を説明する。但し、第1の実施形態と同等の構成や処理については、説明を省略することとする。
【0143】
第4の実施形態にかかるコントローラ21Cは、第1の実施形態にかかる画像領域抽出部219とは異なる画像領域抽出部225を備える点で、第1の実施形態にかかるコントローラ21と異なる。
【0144】
(コントローラ21Cの機能ブロック)
図20は、第4の実施形態にかかるコントローラ21Cの機能ブロックの概略図である。
【0145】
図20に示すように、本実施形態にかかるコントローラ21Cは、第3の実施形態にかかる画像領域抽出部219と異なる画像領域抽出部225を備える。画像領域抽出部225は、メモリ22に展開されたエリア指定プログラムに基づき、コントローラ21Cにより実現される。
【0146】
(画像領域抽出部225の詳細)
図21は、第4の実施形態にかかる画像領域抽出部225の機能ブロックの概略図である。
【0147】
図21に示すように、本実施形態にかかる画像領域抽出部225は、第1の抽出部225a、ポインタ重心算出部225b、距離算出部225c、第2の抽出部225dを備える。
【0148】
第1の抽出部225aは、ポインタ重畳部217により複数のポインタPが重畳された表示画面Iから、複数のポインタPの軌跡Tpを包含する第1の矩形領域Rを抽出する。複数のポインタPの軌跡Tpを包含する第1の矩形領域Rの抽出法は、特に限定されるものではないが、本実施形態では、複数のポインタPの軌跡Tpに外接する外接矩形を、第1の矩形領域Rとして抽出する。
【0149】
ポインタ重心算出部225bは、ポインタ重畳部217により複数のポインタPが重畳された表示画面Iに基づき、表示画面Iに於ける複数のポインタPの重心Cの座標を算出する。
【0150】
距離算出部225cは、複数のポインタPの重心Cを始点として、第1の矩形領域Rのx軸の正方向に位置する第1の境界Bまでの第1の距離dと、第1の矩形領域Rのx軸の負方向に位置する第2の境界Bまでの第2の距離dと、をそれぞれ算出する。
【0151】
第2の抽出部225dは、距離算出部225cにより算出された第1の距離d及び第2の距離dを比較する。さらに、第2の抽出部225dは、第1の距離d及び第2の距離dのうち小さい方の距離だけ、複数のポインタPの重心Cから離間した位置に、それぞれ境界線を有する第2の矩形領域Rを抽出する。
【0152】
(画像領域抽出部225による処理のフロー)
図22は、第4の実施形態にかかる画像領域抽出部225による処理のフローチャートである。図23は、第4の実施形態にかかる最適な画像領域Rを抽出する抽出プロセスの概略図である。なお、本実施形態では、画像領域抽出部225による処理のフローとしているが、実際には、エリア指定プログラムに基づき、コントローラ21Cが実現していることは言うまでもない。
【0153】
本実施形態にかかる処理フローは、表示画像Iが決定された時点からの経過時間が、事前に決められた閾値を超えたと判断された時点、即ちポインタ重畳部217による、複数のポインタPの重畳が終了したと判断された時点で開始する。
【0154】
処理フローが開始したら、第1の抽出部225aは、図23(a)に示すように、複数のポインタPの軌跡Tpに外接する外接矩形を、第1の矩形領域Rとして表示画面Iから抽出する(ステップS401)。
【0155】
次に、ポインタ重心算出部225bは、図23(b)に示すように、表示画像Iの画像情報に基づき、表示画像Iに於ける複数のポインタPの重心Cの座標を算出する(ステップS402)。表示画像Iに於ける、複数のポインタPの重心Cの座標に、重心のマーク、例えばドットなどを表示させても良い。
【0156】
次に、距離算出部225cは、図23(c)に示すように、複数のポインタPの重心Cを始点として、第1の矩形領域Rのx軸の正方向に位置する第1の境界Bまでの第1の距離dと、第1の矩形領域Rのx軸の負方向に位置する第2の境界Bまでの第2の距離dと、をそれぞれ算出する(ステップS403)。
【0157】
次に、第2の抽出部225dは、距離算出部225cにより算出された第1の距離d及び第2の距離dを比較する(ステップS404)。さらに、第2の抽出部225dは、図23(d)に示すように、第1の距離d及び第2の距離dのうち小さい方の距離、本実施形態では第1の距離dだけ、複数のポインタPの重心Cからx軸の正負に離間した位置に、それぞれ境界線を有する第2の矩形領域Rを、画像領域Rとして抽出する(ステップS405)。なお、図中の斜線領域は、第1の矩形領域Rから第2の矩形領域Rを抽出するときに、第1の矩形領域Rから削除された領域である。
【0158】
本実施形態によれば、複数のポインタPの重心Cを始点として、第1の矩形領域Rの第1の境界B及び第2の境界Bまでの第1の距離d及び第2の距離dを算出し、第1の距離d及び第2の距離dのうち小さい方の距離だけ、複数のポインタPの重心Cから離間した位置に、それぞれの境界を有する画像領域Rを生成している。
【0159】
このため、利用者Uが画像領域Rを指定している最中に、例えばスマートフォン10を不本意に揺らしてしまい、図23(a)に示すように、複数のポインタPの密度が低い領域が発生しても、図23(d)に示すように、複数のポインタPの密度が低い領域(図中の斜線領域)を削除した画像領域Rを抽出することができる。即ち、利用者Uが指定したい領域だけを画像領域Rとして抽出することができる。
【0160】
[第5の実施形態]
以下、図24−図26を参照しながら、第5の実施形態を説明する。但し、第1の実施形態と同等の構成や処理については、説明を省略することとする。
【0161】
第5の実施形態にかかるコントローラ21Dは、第1の実施形態にかかる表示画像決定部216とは異なる表示画像決定部226を備える点で、第1の実施形態にかかるコントローラ21と異なる。
【0162】
(コントローラ21Dの機能ブロック)
図24は、第5の実施形態にかかるコントローラ21Dの機能ブロックの概略図である。
【0163】
図24に示すように、本実施形態にかかるコントローラ21Dは、第1の実施形態にかかる表示画像決定部216とは異なる表示画像決定部226を備える。表示画像決定部226は、メモリ22に展開されたエリア指定プログラムに基づき、コントローラ21Dにより実現される。
【0164】
(表示画像決定部226の詳細)
図25は、第5の実施形態にかかる表示画像決定部226の機能ブロックの概略図である。
【0165】
図25に示すように、本実施形態にかかる表示画像決定部226は、第1の実施形態にかかる表示画像決定部216のAC成分取得部216a及びSMA算出部216bのほかに、最小SMA特定部226a、表示画像取込部226b、を備える。しかし、本実施形態にかかる表示画像決定部226は、第1の実施形態にかかる表示画像決定部216の静止判定部216c、撮影指示部216d、表示画像取込部216eを備えない。
【0166】
最小SMA特定部226aは、SMA算出部216bにより算出された複数のSMA値から、所定の時間区間に於ける最小のSMA値を特定する。なお、最小のSMA値の特定は、事前に決められた時間ごとに実施される。
【0167】
表示画像取込部226bは、画像記憶部250に記憶されている複数の撮影画像から、最小SMA特定部226aにより特定された、所定の時間区間に於ける最小のSMA値に対応する撮影画像を選択して、表示画像Iとして取り込む。なお、最小のSMA値に対応する撮影画像を選択する場合、それぞれの撮影画像に対応づけられた撮影時刻を利用すれば良い。表示画像取込部226bにより取り込まれた表示画像Iは、メモリ22に構築された表示画像記憶部252に記憶される。
【0168】
(表示画像決定部226による処理のフロー)
図26は、第5の実施形態にかかる表示画像決定部226による処理のフローチャートである。なお、本実施形態では、表示画像決定部226による処理のフローとしているが、実際には、エリア指定プログラムに基づき、コントローラ21Dが実現していることは言うまでもない。
【0169】
本実施形態にかかる処理フローは、エリア指定プログラムを起動すると、先ずはじめに開始する。処理フローが開始して、図26に示すように、SMA算出部216bによりSMA値が算出されたら(ステップS203)、時間管理部222は、リアルタイムクロック25からの出力に基づき、本実施形態にかかるエリア指定プログラムの起動時からの経過時間が、事前に決められた閾値を超えたか判断する(ステップS501)。
【0170】
エリア指定プログラムの起動時からの経過時間が、事前に決められた閾値を超えたと判断されなければ(ステップS501のNo)、AC成分取得部216aは、スマートフォン10の動きに由来する加速度の動き成分axm、aym、azmの取得を継続する(ステップS201)。
【0171】
一方、エリア指定プログラムの起動時からの経過時間が、事前に決められた閾値を超えたと判断されたら(ステップS501のYes)、最小SMA特定部226aは、SMA算出部216bにより所定の時間区間に算出された複数のSMA値から、最小のSMA値を特定する(ステップS502)。
【0172】
次に、表示画像取込部226bは、画像記憶部250に記憶されている複数の撮影画像から、最小SMA特定部225aにより特定された最小のSMA値に対応する1枚の撮影画像を取り込む(ステップS503)。表示画像取込部226bにより取り込まれた撮影画像は、表示画像Iとして、表示画像記憶部252に記憶される。
【0173】
本実施形態によれば、カメラ27により撮影された複数の撮影画像を画像記憶部250に記憶しておき、所定時間が経過するごとに、直前の時間区間に撮影された撮影画像から、SMA値が最小となる撮影画像を表示画像Iとして設定する。このため、例えば手ぶれ等の症状がある利用者Uであっても、確実に表示画像Iを設定することができる。
【0174】
[第6の実施形態]
以下、図27を参照しながら、第6の実施形態を説明する。但し、第1の実施形態と同等の構成や処理については、説明を省略することとする。
【0175】
図27は、第6の実施形態にかかるスマートフォン10及びサーバSの概略図である。
【0176】
図27に示すように、本実施形態にかかるスマートフォン10のコントローラ21Eは、画像比較部220を備えておらず、代わりに、サーバSのコントローラ300が画像比較部220を備えている。即ち、本実施形態にかかる画像比較部220は、第1の実施形態にかかる画像比較部220と同等の機能を有するが、サーバS側に構築している点で、第1の実施形態と異なる。これに付随して、テンプレート記憶部251もサーバSのメモリ310に構築されている。
【0177】
本実施形態のように、画像比較部220をサーバS側に構築すれば、マッチングに必要な計算負荷をサーバSに担わせることができるので、スマートフォン10の負荷を軽減することができる。
【符号の説明】
【0178】
10:スマートフォン
12:表示画面
27:カメラ
211:加速度取得部
212:角速度取得部
213:角度算出部
214:座標算出部
216:表示画像決定部
217:ポインタ重畳部
218:画像表示部
219:画像領域抽出部
220:画像比較部
221:情報取得部
223:サイズ調整部
224:サイズ調整部
225:画像領域抽出部
225a:第1の抽出部
225b:ポインタ重心算出部
225c:距離算出部
225d:第2の抽出部
226:表示画像決定部
:第1の境界線
:第2の境界線
:重心
:第1の距離
:第2の距離
I:表示画像
:ポインタ
R:画像領域
:第1の矩形領域
:第2の矩形領域
θ:第1の角度
φ:第2の角度
ψ:第3の角度

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型端末装置に於いて、
カメラにより撮影された複数の撮影画像のうち、表示画面に表示する表示画像を決定する決定部と、
前記携帯型端末装置の、前記表示画面の法線に交差する平面内に規定される第1の軸及び第2の軸を中心とする第1の角速度及び第2の角速度を取得する第1の取得部と、
前記第1の角速度及び前記第2の角速度に基づき、前記携帯型端末装置の前記第1の軸及び前記第2の軸を中心とする第1の回転量及び第2の回転量を算出する第1の算出部と、
前記第1の回転量及び前記第2の回転量に基づき、前記表示画面の範囲に包含され、前記カメラの光軸に連動する座標を算出する第2の算出部と、
前記表示画像の前記座標にポインタを重畳する重畳部と、
前記ポインタが重畳された前記表示画像を前記表示画面に表示する表示部と、
前記表示画像から前記ポインタを包含する画像エリアを抽出する抽出部と、
を備える携帯型端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯型端末装置に於いて、さらに、
前記画像エリアの画像情報に基づき、前記画像エリアに包含される物体を指定する指定部を備える携帯型端末装置。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯型端末装置に於いて、
前記指定部は、
前記画像エリアの画像情報と、事前に準備されている画像情報と、を比較する比較部と、
前記比較部の比較結果に基づき、前記画像エリアの前記画像情報に対応する情報を取得する取得部と、
を備える携帯型端末装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の携帯型端末装置に於いて、
前記第1の取得部は、さらに前記第1の軸及び前記第2の軸に交差する第3の軸を中心とする第3の角速度を取得し、
前記第1の算出部は、前記第3の角速度に基づき、前記携帯型端末装置の前記第3の軸を中心とする第3の回転量を算出し、
前記携帯型端末装置は、さらに、
前記第3の回転量に基づき、前記画像エリアのサイズを調整する調整部を備える携帯型端末装置。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯型端末装置に於いて、
前記調整部は、前記第3の軸を中心とする前記携帯型端末装置の回転の向きに基づき、前記画像エリアのサイズの拡大及び縮小を決定する携帯型端末装置。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の携帯型端末装置に於いて、
前記調整部は、前記第3の回転量と、事前に設定された基準回転量と、を比較して、前記第3の回転量が前記基準回転量を超えた場合に、前記画像エリアのサイズを調整する携帯型端末装置。
【請求項7】
請求項1乃至3の何れかに記載の携帯型端末装置に於いて、さらに、
前記携帯型端末装置の、少なくとも前記第1の軸及び前記第2の軸の何れかの軸方向の加速度を取得する第2の取得部と、
前記軸方向の加速度の変化に基づき、前記画像エリアのサイズを調整する調整部と、
を備える携帯型端末装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れかに記載の携帯型端末装置に於いて、
前記抽出部は、前記表示画像に於ける前記ポインタの密度に基づき、前記画像エリアを決定する携帯型端末装置。
【請求項9】
請求項1乃至8の何れかに記載の携帯型端末装置に於いて、
前記抽出部は、
互いに平行な第1の境界線及び第2の境界線を含み、かつ、前記ポインタを包含する矩形状の第1のエリアを、前記表示画像から抽出する第1の抽出部と、
前記第1のエリアに於ける前記ポインタの重心を算出する第3の算出部と、
前記ポインタの重心から前記第1の境界線及び前記第2の境界線までの距離を算出する第4の算出部と、
前記ポインタの重心から前記第1の境界線までの距離と、前記ポインタの重心から前記第2の境界線までの距離と、のうち小さい方の距離だけ前記重心から離間した位置に、それぞれ境界線を有する矩形状の第2のエリアを、前記画像エリアとして抽出する第2の抽出部と、
を備える携帯型端末装置。
【請求項10】
携帯型端末装置によりエリアを指定するエリア指定方法に於いて、
前記携帯型端末装置のカメラにより撮影された複数の撮影画像のうち、表示画面に表示する表示画像を決定する工程と、
前記携帯型端末装置の、前記表示画面の法線に交差する平面内に規定される第1の軸及び第2の軸を中心とする第1の角速度及び第2の角速度を取得する工程と、
前記第1の角速度及び前記第2の角速度に基づき、前記携帯型端末装置の前記第1の軸及び前記第2の軸を中心とする第1の回転量及び第2の回転量を算出する工程と、
前記第1の回転量及び前記第2の回転量に基づき、前記表示画面の範囲に包含され、前記カメラの光軸に連動する座標を算出する工程と、
前記表示画像の前記座標にポインタを重畳する工程と、
前記表示画像から前記ポインタを包含する画像エリアを抽出する工程と、
を備えるエリア指定方法。
【請求項11】
請求項10に記載のエリア指定方法に於いて、さらに、
前記画像エリアの画像情報に基づき、前記画像エリアに包含される物体を指定する工程を備えるエリア指定方法。
【請求項12】
携帯型端末装置によりエリアを指定するエリア指定プログラムに於いて、
前記エリア指定プログラムは、コンピュータに、
前記携帯型端末装置のカメラにより撮影された複数の撮影画像のうち、表示画面に表示する表示画像を決定するステップ、
前記携帯型端末装置の、前記表示画面の法線に交差する平面内に規定される第1の軸及び第2の軸を中心とする第1の角速度及び第2の角速度を取得するステップ、
前記第1の角速度及び前記第2の角速度に基づき、前記携帯型端末装置の前記第1の軸及び前記第2の軸を中心とする第1の回転量及び第2の回転量を算出するステップ、
前記第1の回転量及び前記第2の回転量に基づき、前記表示画面の範囲に包含され、前記カメラの光軸に連動する特定の座標を算出するステップ、
前記表示画像の前記座標にポインタを重畳するステップ、及び
前記表示画像から前記ポインタを包含する画像エリアを抽出するステップ、
を実行させるエリア指定プログラム。
【請求項13】
請求項12に記載のエリア指定プログラムに於いて、
前記エリア指定プログラムは、コンピュータに、さらに、
前記画像エリアの画像情報に基づき、前記画像エリアに包含される物体を指定するステップを実行させるエリア指定プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2013−109677(P2013−109677A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−255644(P2011−255644)
【出願日】平成23年11月23日(2011.11.23)
【出願人】(000005223)富士通株式会社 (25,993)
【Fターム(参考)】