説明

携帯型送風機

【課題】風量を必要とする作業と、風速を必要とする作業とを、一台で容易に使い分けることができる携帯型送風機を提供する。
【解決手段】第一送風口42を有する本体管4の外周に第二送風口51を有する調節管5Aを軸線方向に移動可能に外挿し、調節管5Aを本体管4に対して移動させることで第二送風口51を第一送風口42の上流側及び下流側の双方に配置可能にする。調節管5Aにおいて第一送風口42の上流側に、外部から調節管5A内に空気が流入可能な流入窓56を設ける。第二送風口51を第一送風口42の上流側に配置する場合、本体部で発生させた風を第一送風口42から送風して風の勢いを維持する。第二送風口51を図示のように第一送風口42の下流側に配置する場合、本体部で発生させた風を第二送風口51から送風すると共に、負圧により流入窓56から流入した風を第二送風口51から併せて送風する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型送風機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、原動機等を駆動させて送風する携帯型送風機が知られている。例えば、以下の特許文献1に記載の送風機では、原動機等が内蔵されている本体部に送風管が連結されている。この送風管の先端部は、噴出風を噴出する噴出口となっている。送風管の外周には、噴出口よりやや上流側(本体部側)の部分から下流側に亘って、送風管を取り囲むように、送風管よりも大径の噴出管が取り付けられている。この噴出管は、噴出口よりも下流側まで延在している。噴出管と送風管との間には、径方向の隙間が設けられている。噴出管の上流側の端部は開放されており、この開放端部が噴出管の内部と外部とを連通する吸引口となっている。そして、この送風機では、噴出口から噴出する噴出風によって噴出管の吸引口付近に吸引力を発生させ、この吸引力により吸引口から大気を吸引して噴出風に合流させることで、送風する風量を増大させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】実開昭63−56720号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、携帯型送風機を用いて作業を行う場合、作業の内容に応じて、性能の異なる送風機を複数使い分けることがある。この場合、特許文献1に記載の送風機は、風量を必要とする作業には適しているが、風速を必要とする作業には適さないおそれがある。このような場合、風速を必要とする作業に適した送風機を別途用意する必要があり、コストの増大を招く。
【0005】
本発明は、このような課題を解決するために成されたものであり、風量を必要とする作業と、風速を必要とする作業とを、一台で容易に使い分けることができる携帯型送風機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る携帯型送風機(1A)は、本体部(2)で発生させた風を送風する携帯型送風機(1A)において、本体部(2)に連通した第一の送風口(42)を有し、本体部(2)で発生させた風を第一の送風口(42)から吐出する第一の管(4)と、第一の管(4)より大径で、第一の管(4)の外周に軸線方向に移動可能に取り付けられており、第一の送風口(42)より大径の第二の送風口(51)を有する第二の管(5A)とを備え、第二の送風口(51)は、第二の管(5A)を第一の管(4)に対して移動させることで、第一の送風口(42)の上流側及び下流側の双方に配置が可能であり、第二の管(5A)において第一の送風口(42)より上流側の部分には、外部から第二の管(5A)内に空気が流入可能な流入窓(56)が設けられており、第二の送風口(51)が第一の送風口(42)の上流側に配置されている場合には、本体部(2)で発生させた風を第一の送風口(42)から送風し、第二の送風口(51)が第一の送風口(42)の下流側に配置されている場合には、本体部(2)で発生させた風を第一の送風口(42)を介して第二の送風口(51)から送風すると共に、負圧により流入窓(56)から第二の管(5A)内に流入した風を第二の送風口(51)から併せて送風することを特徴とする。
【0007】
本発明に係る携帯型送風機(1A)では、第一の送風口(42)を有する第一の管(4)の外周に、第二の送風口(51)を有する第二の管(5A)が、軸線方向に移動可能に取り付けられており、第二の送風口(51)は、第二の管(5A)を第一の管(4)に対して移動させることで、第一の送風口(42)の上流側及び下流側の双方に配置することが可能とされている。また、第二の管(5A)において第一の送風口(42)の上流側には、外部から第二の管(5A)内に空気が流入可能な流入窓(56)が設けられている。そして、第二の送風口(51)が第一の送風口(42)の上流側に配置されている場合には、本体部(2)で発生させた風がそのまま第一の送風口(42)から送風されるため、本体部(2)で発生させた風の勢いを維持したまま送風を行うことができ、風速を必要とする作業に適した構成とすることができる。一方、第二の送風口(51)が第一の送風口(42)の下流側に配置されている場合には、本体部(2)で発生させた風が第一の送風口(42)を介して第二の送風口(51)から送風されると共に、負圧により流入窓(56)から第二の管(5A)内に流入した風が第二の送風口(51)から併せて送風されるため、本体部(2)で発生させた風に加えて流入窓(56)から流入した風を作業に供することができ、風量を必要とする作業に適した構成とすることができる。従って、第二の管(5A)を第一の管(4)に対して移動させるだけで、風量を必要とする作業と、風速を必要とする作業とを、一台で容易に使い分けることができる。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、風量を必要とする作業と、風速を必要とする作業とを、一台で容易に使い分けることができる携帯型送風機を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の第一実施形態に係る携帯型送風機を示す側面図である。
【図2】図1に示す携帯型送風機の第一の管及び第二の管を上側から示す分解斜視図である。
【図3】図1に示す携帯型送風機の第一の管及び第二の管を下側から示す分解斜視図である。
【図4】図1に示す携帯型送風機が風量を必要とする作業に用いられる場合の第一の送風口及び第二の送風口の配置関係を示す断面図である。
【図5】図1に示す携帯型送風機が風速を必要とする作業に用いられる場合の第一の送風口及び第二の送風口の配置関係を示す断面図である。
【図6】本発明の第二実施形態に係る携帯型送風機の第一の管及び第二の管を上側から示す分解斜視図である。
【図7】図6に示す第一の管及び第二の管の内部を示す分解破断斜視図である。
【図8】図6に示す第一の管及び第二の管が風量を必要とする作業に用いられる場合の第一の送風口及び第二の送風口の配置関係を示す断面図である。
【図9】図6に示す第一の管及び第二の管が風速を必要とする作業に用いられる場合の第一の送風口及び第二の送風口の配置関係を示す断面図である。
【図10】図6に示す第二の管の移動方法を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、図面を参照しつつ本発明の携帯型送風機の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、「上」「下」の語は、図面の上下方向に対応するものであり、便宜的なものである。
【0011】
[第一実施形態]
図1は、本発明の第一実施形態に係る携帯型送風機を示す側面図である。図1に示すように、携帯型送風機1Aは、持ち運びが可能な携帯型の送風機であり、本体部2、接続管部3、本体管(第一の管)4、及び調節管(第二の管)5Aを備えている。
【0012】
本体部2は、風を発生させるための原動機10を有するものである。この本体部2の上部には、本体部2を持ち運ぶためのグリップ部21が設けられている。また、本体部2には、作業者が背負って使用するための背負バンド(図示せず)が設けられる。
【0013】
接続管部3は、本体部2で発生させた風を本体管4に送るものであり、本体部2と本体管4とを連結している。この接続管部3の略中央部には蛇腹が形成されており、これにより、本体管4を本体部2に対して容易に動かすことが可能となっている。
【0014】
本体管4は、本体部2で発生させた風を吐出する略円筒状の管であり、上述のように、接続管部3を介して本体部2に連結されている。本体管4の略中央部分には、本体管4を握って作業するためのグリップ部41が設けられている。
【0015】
調節管5Aは、本体管4から吐出される風を調節するための略円筒状の管であり(詳しくは後述)、本体管4よりも大径の管となっている。この調節管5Aは、本体管4と同軸となるように、本体管4の先端部付近に外挿されている。調節管5Aは、本体管4に対して、本体管4の軸線方向に移動可能とされている(詳しくは後述)。
【0016】
次に、本体管4及び調節管5Aについて詳細に説明する。図2は図1に示す携帯型送風機の第一の管及び第二の管を上側から示す分解斜視図、図3は図1に示す携帯型送風機の第一の管及び第二の管を下側から示す分解斜視図、図4は図1に示す携帯型送風機が風量を必要とする作業に用いられる場合の第一の送風口及び第二の送風口の配置関係を示す断面図、図5は図1に示す携帯型送風機が風速を必要とする作業に用いられる場合の第一の送風口及び第二の送風口の配置関係を示す断面図である。
【0017】
図2,3に示すように、本体管4の下流側(図2において下側)の端部の開口は、第一送風口42とされている。この第一送風口42からは、本体部2から接続管部3を介して本体管4に送られてきた風が吐出される。本体管4の外周には、第一送風口42よりやや上流側の部分に、周方向に180°離間して係止凸部43,43が設けられている。この係止凸部43は、本体管4の外周から径方向外側に向けて突出した突起であり、略矩形断面形状を呈している。
【0018】
調節管5Aの下流側の端部の開口は、第二送風口51とされている。調節管5Aの上流側の端部よりやや下流側の部分には、下流側から上流側に向けて内外径が縮径するように、軸線方向に傾斜したテーパ部52が設けられている。調節管5Aにおいて、このテーパ部52よりも上流側の部分は小径部53とされており、テーパ部52よりも下流側の部分は大径部54とされている。小径部53は、その内径が本体管4の外径よりも若干大きめとされており、小径部53の内部に本体管4を挿入することが可能となっている。
【0019】
図3に示すように、テーパ部52及び小径部53に亘っては、大径部54から小径部53の上流側の端部(調節管5Aの上流側の端部)に向けて、内外径が縮径せずにそのまま軸線方向に延在した案内部55が、周方向に180°離間して設けられている。この案内部55の内側は、上述の本体管4の係止凸部43よりも若干大きな幅の略コ字状の溝を呈しており、係止凸部43が軸線方向に挿入可能とされる案内部とされている。テーパ部52には、調節管5Aの内部と外部とを連通するように貫通された開口である流入窓56が、調節管5Aの周方向に沿って複数開口されている。
【0020】
図2に示すように、大径部54の内周であって、下流側の部分(第二送風口51よりやや上流側の部分)には、周方向において案内部55と略同じ位置(軸線方向において延長上の位置)に、係止固定部57A,57Aが180°離間して設けられている(図4参照)。同様に、大径部54の内周であって、上流側の部分(テーパ部52よりやや下流側の部分)には、周方向において案内部55と略同じ位置(軸線方向において延長上の位置)に、係止固定部57A,57Aが180°離間して設けられている(図4参照)。これら係止固定部57Aは、大径部54の内周から径方向内側に突出した略コ字状の2個の突起が、周方向に沿ってその内側部分が対向するように離間配置されることで構成されている。係止固定部57Aを構成する2個の突起の間で凹部同士の間隔は、これらの内側部分に上述の係止凸部43が嵌る程度とされており、これら2個の突起の間に係止凸部43を嵌め込むことで、本体管4に対して調節管5Aを固定することが可能となっている。一方、係止凸部43が係止固定部57Aに固定されていない状態では、調節管5Aは、本体管4に対して本体管4の軸線方向に移動可能とされている。
【0021】
係止凸部43,43が、図4に示すように、上流側の係止固定部57A,57Aに固定されている場合、調節管5Aは本体管4の第一送風口42よりも下流側に出っ張り、調節管5Aの第二送風口51は本体管4の第一送風口42よりも下流側に配置されるようになっている。一方、係止凸部43,43が、図5に示すように、下流側の係止固定部57A,57Aに固定されている場合、調節管5Aは本体管4の第一送風口42よりも上流側に引っ込み、調節管5Aの第二送風口51は本体管4の第一送風口42よりも上流側に配置されるようになっている。このように、調節管5Aを本体管4に対して軸線方向に移動させて、本体管4の係止凸部43,43を、調節管5Aの上流側の係止固定部57A,57A、又は、下流側の係止固定部57A,57Aにより固定することで、調節管5Aの第二送風口51を、本体管4の第一送風口42の上流側及び下流側の双方に配置することが可能となっている。また、流入窓56は、常に第一送風口42よりも上流側に位置するようになっている。
【0022】
次に、本実施形態に係る携帯型送風機の動作について説明する。
【0023】
携帯型送風機1Aでは、本体部2が有する原動機10を駆動して風を発生させ、この風を本体管4の第一送風口42から吐出する。作業員は、本体管4のグリップ部41を握って本体管4を取り回すことで、第一送風口42から吐出される風を作業に供する。
【0024】
この際、図4に示すように、本体管4の係止凸部43,43を調節管5Aの上流側の係止固定部57A,57Aに固定している状態では、調節管5Aの第二送風口51は、上述のように、本体管4の第一送風口42よりも下流側に配置される。従って、第一送風口42から吐出された風は、さらに調節管5Aの内側を通り、調節管5Aの第二送風口51から外部に送風される。
【0025】
ここで、第一送風口42から吐出された風が調節管5Aの内側を通る際、第一送風口42よりも上流側に位置する流入窓56付近には、負圧が発生する。この負圧により、流入窓56では、調節管5Aの外部から内部に向けて空気が流入する。流入窓56から調節管5Aに流入した空気により発生した風は、第一送風口42から吐出された風と共に、第二送風口51から外部に送風される。これにより、携帯型送風機1Aでは、風量を例えば20%以上増大することが可能になっている。このように、作業に供する風の量を増大することができる。
【0026】
一方、図5に示すように、本体管4の係止凸部43,43の上流側の係止固定部57A,57Aに対する固定を解除し、調節管5Aを軸線方向に移動して、係止凸部43,43を下流側の係止固定部57A,57Aに固定した状態にすると、調節管5Aの第二送風口51は、上述のように、本体管4の第一送風口42よりも上流側に配置される。従って、第一送風口42から吐出された風は、そのまま外部に送風されることとなる。従って、本体部2で発生された風の勢いが維持される。
【0027】
以上、本実施形態の携帯型送風機1Aによれば、第一送風口42を有する本体管4の外周に、第二送風口51を有する調節管5Aが、本体管4の軸線方向に移動可能に取り付けられており、第二送風口51は、調節管5Aを本体管4に対して移動させることで、第一送風口42の上流側及び下流側の双方に配置することが可能とされている。また、調節管5Aにおいて第一送風口42の上流側には、外部から調節管5A内に空気が流入可能な流入窓56が設けられている。そして、第二送風口51が第一送風口42の上流側に配置されている場合には、本体部2で発生させた風がそのまま第一送風口42から送風されるため、本体部2で発生させた風の勢いを維持したまま送風を行うことができ、風速を必要とする作業に適した構成とすることができる。一方、第二送風口51が第一送風口42の下流側に配置されている場合には、本体部2で発生させた風が第一送風口42を介して第二送風口51から送風されると共に、負圧により流入窓56から調節管5A内に流入した風が第二送風口51から併せて送風されるため、本体部2で発生させた風に加えて流入窓56から流入した風を作業に供することができ、風量を必要とする作業に適した構成とすることができる。従って、調節管5Aを本体管4に対して移動させるだけで、風量を必要とする作業と、風速を必要とする作業とを、一台で容易に使い分けることができる。また、本体管4の先端部付近に調節管5Aを取り付けるだけで作業内容に応じた使い分けが可能になり、本体部2内の原動機10を設計変更して風量及び風速の調節を行うようにする場合に比して、コストの増大を抑制することができる。
【0028】
[第二実施形態]
図6は本発明の第二実施形態に係る携帯型送風機の第一の管及び第二の管を上側から示す分解斜視図、図7は図6に示す第一の管及び第二の管の内部を示す分解破断斜視図、図8は図6に示す第一の管及び第二の管が風量を必要とする作業に用いられる場合の第一の送風口及び第二の送風口の配置関係を示す断面図、図9は図6に示す第一の管及び第二の管が風速を必要とする作業に用いられる場合の第一の送風口及び第二の送風口の配置関係を示す断面図である。
【0029】
図6〜9に示すように、本実施形態に係る携帯型送風機1Bが第一実施形態に係る携帯型送風機1A(図2,3参照)と主に異なる点は、調節管5Aに代えて、本体管4に対して固定するための構成を変更した調節管5Bを用いた点である。
【0030】
具体的には、図6〜9に示すように、携帯型送風機1Bの調節管5Bでは、大径部54の内周であって、下流側の部分(第二送風口51よりやや上流側の部分)には、周方向において案内部55と略同じ位置(軸線方向において延長上の位置)に、支持用突起部58,58が180°離間して設けられている。この支持用突起部58は、調節管5Bの内周から径方向内側に突出した突起であり、対向する支持用突起部58,58の間の径方向の間隔は、本体管4の外径よりも多少小さくなっている。これにより、図9に示すように、対向する支持用突起部58,58により、本体管4を挟持することが可能とされており、調節管5Bが本体管4の第一送風口42よりも上流側に引っ込んだ状態で本体管4に固定され、調節管5Bの第二送風口51が本体管4の第一送風口42よりも上流側に配置されるようになっている。
【0031】
一方、図6〜9に示すように、大径部54の内周であって、上流側の部分(テーパ部52よりやや下流側の部分)には、周方向において案内部55と略同じ位置(軸線方向において延長上の位置)に、係止固定部57B,57Bが180°離間して設けられている。図7に示すように、この係止固定部57Bは、調節管5Bの内周から径方向内側に突出した略馬蹄状の突起であり、その空間部分が上流側に向けて開口するように設けられている。係止固定部57Bは、その空間部分中央の大きさが係止凸部43を嵌め込むことが可能な程度とされており、上流側からのみ開口を通して係止凸部43を嵌め込むことが可能となっている。そして、図8に示すように、係止凸部43を係止固定部57Bに嵌め込んで固定することで、調節管5Bが本体管4の第一送風口42よりも下流側に出っ張った状態で本体管4に固定されるようになっており、調節管5Bの第二送風口51が本体管4の第一送風口42よりも下流側に配置されるようになっている。
【0032】
ここで、図10は、図6に示す第二の管の移動方法を示す斜視図である。図10に示すように、携帯型送風機1Bにおいて、調節管5Bの第二送風口51を本体管4の第一送風口42よりも上流側に配置する場合、まず、本体管4の係止凸部43が調節管5Bの案内部55に案内されるように、調節管5Bを本体管4に外挿する。次に、係止凸部43が案内部55と係止固定部57Bとの間に位置してから、調節管5Bを本体管4に対して回転させ、本体管4の係止凸部43と調節管5Bの係止固定部57Bとが、軸線方向に重ならない(周方向において異なる位置に位置する)ように調整する。そして、調節管5Bを本体管4の軸線方向に沿って上流側に移動させ、調節管5Bの支持用突起部58,58により本体管4を挟持することで、調節管5Bの第二送風口51を本体管4の第一送風口42よりも上流側に配置することができる。
【0033】
また、その後、調節管5Bの第二送風口51を本体管4の第一送風口42よりも下流側に配置する場合、調節管5Bを軸線方向に沿って下流側に移動させて支持用突起部58,58による本体管4の挟持を解除し、係止凸部43が軸線方向において案内部55と係止固定部57Bとの間に位置してから、調節管5Bを本体管4に対して回転させ、本体管4の係止凸部43と調節管5Bの係止固定部57Bとが、軸線方向に重なる(周方向において同じ位置に位置する)ように調整する。そして、調節管5Bを本体管4の軸線方向に沿って上流側に移動させ、本体管4の係止凸部43,43を調節管5Bの係止固定部57B,57Bに嵌め込むことで、調節管5Bの第二送風口51を本体管4の第一送風口42よりも下流側に配置することができる。
【0034】
このような携帯型送風機1Bが、第一実施形態に係る携帯型送風機1Aと同様な効果を奏することは、言うまでもない。
【0035】
以上、本発明の実施形態に係る携帯型送風機について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。例えば、本体管4に対して調節管5A,5Bを固定するための構成は、上記実施形態の構成には限定されず、要は、調節管5A,5Bの第二送風口51を本体管4の第一送風口42の上流側及び下流側の双方に配置することができる構成であれば、いかなる構成を採用してもよい。
【0036】
また、上記実施形態では、本体管4及び調節管5は、それぞれ略円筒状の管となっているが、多角筒状の管であってもよい。
【符号の説明】
【0037】
1A,1B…携帯型送風機、2…本体部、4…本体管(第一の管)、5…調節管(第二の管)、42…第一送風口、51…第二送風口、56…流入窓。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
本体部(2)で発生させた風を送風する携帯型送風機(1A)において、
前記本体部(2)に連通した第一の送風口(42)を有し、前記本体部(2)で発生させた風を前記第一の送風口(42)から吐出する第一の管(4)と、
前記第一の管(4)より大径で、前記第一の管(4)の外周に軸線方向に移動可能に取り付けられており、前記第一の送風口(42)より大径の第二の送風口(51)を有する第二の管(5A)と、を備え、
前記第二の送風口(51)は、前記第二の管(5A)を前記第一の管(4)に対して移動させることで、前記第一の送風口(42)の上流側及び下流側の双方に配置が可能であり、
前記第二の管(5A)において前記第一の送風口(42)より上流側の部分には、外部から前記第二の管(5A)内に空気が流入可能な流入窓(56)が設けられており、
前記第二の送風口(51)が前記第一の送風口(42)の上流側に配置されている場合には、前記本体部(2)で発生させた風を前記第一の送風口(42)から送風し、
前記第二の送風口(51)が前記第一の送風口(42)の下流側に配置されている場合には、前記本体部(2)で発生させた風を前記第一の送風口(42)を介して前記第二の送風口(51)から送風すると共に、負圧により前記流入窓(56)から前記第二の管(5A)内に流入した風を前記第二の送風口(51)から併せて送風すること、
を特徴とする携帯型送風機(1A)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−44305(P2013−44305A)
【公開日】平成25年3月4日(2013.3.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−184025(P2011−184025)
【出願日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【出願人】(000141174)株式会社丸山製作所 (134)
【Fターム(参考)】