携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造及び該構造を備えた携帯型電子機器
【課題】簡素な構成で十分な押圧力を得て、確実に音洩れを防止する。
【解決手段】爪部7cがフック部22gに係止されて、小型スピーカ7は、リアカバー22の裏面側に位置決めされた状態で取り付けられる。クッション部材25は、傾斜面22bと小型スピーカ7の先端面7bとの間、及び下面22eと天井面7fとの間に挟まれ、それぞれ、例えば、先端面7b、天井面7fに略垂直な方向に沿った圧接力を受けて圧接されて変形する。これによって、リアカバー22の開口部22aの内部側縁部と、小型スピーカ7の開口部とは、圧接されたクッション部材25を介して密閉され、音洩れが防止された状態で接合される。
【解決手段】爪部7cがフック部22gに係止されて、小型スピーカ7は、リアカバー22の裏面側に位置決めされた状態で取り付けられる。クッション部材25は、傾斜面22bと小型スピーカ7の先端面7bとの間、及び下面22eと天井面7fとの間に挟まれ、それぞれ、例えば、先端面7b、天井面7fに略垂直な方向に沿った圧接力を受けて圧接されて変形する。これによって、リアカバー22の開口部22aの内部側縁部と、小型スピーカ7の開口部とは、圧接されたクッション部材25を介して密閉され、音洩れが防止された状態で接合される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造及び該構造を備えた携帯型電子機器に係り、例えば、折畳み型の携帯電話機等の携帯型電子機器の筐体の側面から音声が放射されるように小型スピーカが配置された携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造及び該構造を備えた携帯型電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯型の電子機器としての携帯電話機は、例えば、着信時に、リンガ発生部(音声出力部)からの着信音(呼出音)の出力や、着信通知ランプの点滅、バイブレータの振動等によって、着信したことをユーザに知らせるように構成されている。
このような折畳型の携帯電話機では、折畳時にユーザが着信音を確実に聴き取れるように、筐体の背面側(折畳時には外面側となる側)に、リンガ発生部を構成するスピーカを配置して、背面側からスピーカ音を放射されるように構成したり(例えば、特許文献1参照。)、また、携帯電話機を机上等に載置した状態でも聴き取れるように、筐体の側面部にスピーカ音を放射させる開口(音孔)を設けるようにしている(例えば、特許文献2参照。)。
着信時には、このスピーカが着信音を発生し、ユーザがこれを聞くことによって着信を知り、この後、筐体を開いて、所定の操作を行うこととなる。
【0003】
筐体の側面部からスピーカ音を放射させる場合には、図11及び図12に示すように、筐体の側面部101の内部側に、開口(音孔)101aに対応する位置にスピーカ102を嵌着状態で収納するための箱状の収納部103を設け、収納部103内に、クッション104を音を放出する側(下面側)に貼り付けた状態でスピーカ102を嵌め込み、筐体内に各種部品を実装して組み立てた時に、スピーカ102が押圧される際に、クッション104が押されて変形することによって、密着されて音洩れを防止するようにしていた。
しかしながら、開口101aがスピーカ102の配置位置と高さ方向に沿ってずれた位置に設けられているので、筐体が厚くなってしまい、携帯電話機の薄型化の妨げとなってしまうという問題があった。
【0004】
このため、スピーカの位置と、筐体の側面部の開口の位置とを重なるようにして、スピーカの音を放出する側を筐体の側面部の開口に対向させて、スピーカを配置する方法が提案されている。
例えば、図13に示すように、筐体の側面部201の内部側に、開口201aに対応する位置にスピーカ202を嵌着状態で収納するためのの箱状の収納部203を設け、収納部203内に、クッション204を音を放出する側に貼り付けた状態でスピーカ202を嵌め込み、かつ、スピーカ202の背面側(音を放出する側に背向する側)の収納部203の壁部との間に、板状の圧入部材205を圧入して、クッション204が側面部201側に押されて変形することによって、密着されて音洩れの防止が可能となる。
ここで、圧入部材205には、収納部203に設けられた係止孔203aに係止される爪部205aが設けられ、圧入部材205を圧入した際に、圧入部材205が所定の位置で、係着されることとなる。
【0005】
また、図14(a)に示すように、筐体の側面部301の内部側に、開口301aに対応する位置にスピーカ302を嵌着状態で収納するためのの箱状の収納部303を設け、同図(b)に示すように、収納部303内に、クッション304を音を放出する側に貼り付けた状態でスピーカ302を嵌め込み、かつ、スピーカ302の背面側(音を放出する側に背向する側)の収納部303の壁部との間に、圧入部材305を圧入し、同図(c)に示すように、クッション304が側面部301側に押されて変形することによって、密着されて音洩れの防止が可能となる。
【0006】
しかしながら、スピーカの位置と、筐体の側面部の開口の位置とを重なるようにして、スピーカの音を放出する側を筐体の側面部の開口に対向させて、スピーカを配置する上記従来技術では、筐体内に各種部品を実装して組み立てた時に、スピーカが押圧される際に、同時にクッションが押されることによって変形させるようにできないために、音洩防止用に、圧入部材を用いる必要があった。しかも、圧入部材を圧入させるために特別な治具を用いる必要があった。
このように、圧入部材等の構成部品数の増加を招くと共に、組立作業時に手間と時間がかかるという問題があった。
【0007】
このため、筐体の側面部と、この側面部に対向するスピーカの放音部の端面とを実装方向に対して斜めにし、筐体内に各種部品を実装して組み立てた時に、スピーカが受ける押圧力によって、同時にクッションが押されて変形するように構成した技術が提案されている(例えば、特許文献3参照。)
【特許文献1】特開2001−211241号公報
【特許文献2】特開平10−84192号公報
【特許文献3】特開平7−111524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする第1の問題点は、上記従来技術では、組立時の基板面に垂直な方向に沿った締付力を利用して、傾斜面に垂直な方向に沿った押圧力によって密着させる場合に、この密着のための十分な押圧力が得られず、確実に音洩れを防止することができないという点である。
また、第2の問題点は、スピーカが実装された基板を筐体内に組み込む場合に、構成部品の寸法のばらつき等のために、例えば、スピーカの開口位置と、筐体の開口位置とがずれてしまうことがあり、位置決めが正確になされないという点である。
【0009】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、機器の薄型化に寄与し、かつ、構成部品数を低減させて、簡素な構成で、密着のための十分な押圧力を得て、確実に音洩れを防止することができる携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造及び該構造を備えた携帯型電子機器を提供することを第1の目的としている。
また、機器の薄型化に寄与し、かつ、構成部品数を低減させて、簡素な構成で密閉性を図ることができると共に、位置決めを正確に行うことができる携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造及び該構造を備えた携帯型電子機器を提供することを第2の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、小型スピーカが携帯型電子機器の筐体内に実装された小型スピーカ実装構造に係り、上記小型スピーカは、基板上に配置され、かつ、主として上記基板に略平行な方向に沿ってスピーカ音が放射される第1の開口部を有し、上記筐体の上記第1の開口部と重なる位置には、上記スピーカ音の出口となる第2の開口部が設けられ、上記筐体の裏面側には、上記第1の開口部と上記第2の開口部との間を音響的に密に接合するように、上記小型スピーカを保持するための保持部材が設けられていることを特徴としている。
ここで、小型スピーカとは、サウンダやブザー等の電気信号を音響信号に変換する音源を意味するものとする。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記小型スピーカは、上記保持部材によって、少なくとも上記第2の開口部に向けて押圧された状態で保持されていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記筐体は、扁平な外観形状を呈し、上記第2の開口部は、上記筐体の側面部に設けられていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記第1の開口部の端面及び上記第2の開口部の内部側端面は、互いに略平行で共に上記基板に対して傾斜した傾斜面とされていることを特徴としている。
【0014】
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記第1の開口部の端面及び上記第2の開口部の内部側端面は、上記基板に垂直な方向に沿って上記基板から離れるにしたがって、上記基板の内部側に近づく向きに傾斜するように形成されていることを特徴としている。
【0015】
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記第1の開口部の端面と上記第2の開口部の内部側端面との間には音洩れを防止するための遮音部材が介挿されていることを特徴としている。
【0016】
また、請求項7記載の発明は、請求項6記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記遮音部材は、押圧されることによって変形する可塑性部材又は弾性部材からなることを特徴としている。
【0017】
また、請求項8記載の発明は、請求項7記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記遮音部材は多孔質体からなることを特徴としている。
【0018】
また、請求項9記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記小型スピーカは、スピーカユニットがスピーカ収納体内に収納されてなり、該スピーカ収納体は、弾性部材からなることを特徴としている。
【0019】
また、請求項10記載の発明は、請求項1乃至9のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記小型スピーカは、上記保持部材によって、少なくとも、上記第1の開口部の端面が、上記第2の開口部の内部側端面に対向した状態で配置されるように、位置決めされた状態で保持されていることを特徴としている。
【0020】
また、請求項11記載の発明は、請求項7、8又は9記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記小型スピーカは、上記保持部材によって、少なくとも、上記第1の開口部の端面が、上記第2の開口部の内部側端面に対向した状態で配置され、かつ、上記可塑性部材又は上記弾性部材が変形して、上記第1の開口部と上記第2の開口部との間を音響的に密に接合するために、上記可塑性部材又は上記弾性部材が押圧されるように、位置決めされた状態で保持されていることを特徴としている。
【0021】
また、請求項12記載の発明は、請求項1乃至11のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記保持部材は、上記基板に上記小型スピーカを挟んで対向する上記筐体の裏面から垂下状態で形成され、上記小型スピーカの後端部を支持した状態で、弾性的変形によって上記小型スピーカを上記第2の開口部へ向けて押圧するフック部を有していることを特徴としている。
【0022】
また、請求項13記載の発明は、請求項1乃至12のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記基板に上記小型スピーカを挟んで対向する上記筐体の裏面には、上記小型スピーカの天井部の少なくとも一部を囲むように壁部が形成されていることを特徴としている。
【0023】
また、請求項14記載の発明は、請求項4乃至13のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記小型スピーカを上記筐体と上記基板との間に配置し、上記筐体と上記基板とを近づけるように、上記基板に垂直な方向に沿って締付力を加えた状態として上記携帯型電子機器を組み立てて、上記締付力によって、上記小型スピーカを、少なくとも上記第2の開口部に向けて押圧することを特徴としている。
【0024】
また、請求項15記載の発明は、請求項1乃至14のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記小型スピーカは、底部にばね性を有する接続端子を有すると共に、上記接続端子が弾性変形した状態で上記基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続されるように上記基板上に配置されていることを特徴としている。
【0025】
また、請求項16記載の発明は、請求項15記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記小型スピーカは、上記保持部材によって、少なくとも、上記接続端子が上記基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続された状態で、上記基板上に配置されるように、位置決めされた状態で保持されていることを特徴としている。
【0026】
また、請求項17記載の発明は、小型スピーカが携帯型電子機器の扁平な形状の筐体内に実装された小型スピーカ実装構造に係り、上記小型スピーカは、基板上に配置され、かつ、主として上記基板に略平行な方向に沿ってスピーカ音が放射される第1の開口部を有し、上記筐体の側面部の上記第1の開口部と重なる位置には、上記スピーカ音の出口となる第2の開口部が設けられ、上記筐体の裏面側には、上記第1の開口部と上記第2の開口部との間を音響的に密に接合するように、上記小型スピーカを少なくとも上記第2の開口部に向けて押圧しながら保持するための保持部材が設けられ、上記小型スピーカは、底部にばね性を有する接続端子を有すると共に、上記接続端子が弾性変形した状態で上記基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続されるように上記基板上に配置され、かつ、上記第1の開口部の端面及び上記第2の開口部の内部側端面は、互いに略平行で、共に、上記基板に垂直な方向に沿って上記基板から離れるにしたがって、上記基板の内部側に近づく向きに上記基板に対して傾斜した傾斜面とされ、上記第1の開口部の端面と上記第2の開口部の内部側端面との間には音洩れを防止するための多孔質体からなる遮音部材が介挿され、上記保持部材は、上記基板に上記小型スピーカを挟んで対向する上記筐体の裏面から垂下状態で形成され、上記小型スピーカの後端部を支持した状態で、弾性的変形によって上記小型スピーカを上記第2の開口部へ向けて押圧するフック部を有し、上記小型スピーカは、上記保持部材によって、少なくとも、上記第1の開口部の端面が、上記第2の開口部の内部側端面に対向した状態で配置され、上記遮音部材が変形して、上記第1の開口部と上記第2の開口部との間を音響的に密に接合するために、上記遮音部材が押圧されるように、かつ、上記接続端子が上記基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続された状態で、上記基板上に配置されるように、位置決めされた状態で保持されていることを特徴としている。
【0027】
また、請求項18記載の発明に係る携帯型電子機器は、請求項1乃至17のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0028】
この発明の構成によれば、第1の開口部から主として基板に略平行な方向に沿ってスピーカ音が放射され、保持部材によって、第1の開口部と第2の開口部との間を音響的に密に接合するように、小型スピーカが保持されるので、機器の薄型化に寄与し、かつ、構成部品数を低減させて、簡素な構成で、密着のための十分な押圧力を得て、確実に音洩れを防止することができる。
また、小型スピーカが、保持部材によって、少なくとも、第1の開口部の端面が、第2の開口部の内部側端面に対向した状態で配置されるように、位置決めされた状態で保持されることによって、機器の薄型化に寄与し、かつ、構成部品数を低減させて、簡素な構成で密閉性を図ることができると共に、位置決めを正確に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
第1の開口部から主として基板に略平行な方向に沿ってスピーカ音が放射され、保持部材によって、第1の開口部と第2の開口部との間を音響的に密に接合するように、小型スピーカが保持されことによって、機器の薄型化に寄与し、かつ、構成部品数を低減させて、簡素な構成で、密着のための十分な押圧力を得て、確実に音洩れを防止するという第1の目的を実現した。
また、小型スピーカが、保持部材によって、少なくとも、第1の開口部の端面が、第2の開口部の内部側端面に対向した状態で配置されるように、位置決めされた状態で保持されることによって、機器の薄型化に寄与し、かつ、構成部品数を低減させて、簡素な構成で密閉性を図ることができると共に、位置決めを正確に行うという第2の目的を実現した。
【実施例】
【0030】
図1は、この発明の一実施例である携帯電話機の上側ユニットの一部を拡大して示す拡大断面図、図2は、同携帯電話機の構成を示す斜視図であって、筐体が閉じた状態を示す図、図3は、同携帯電話機の構成を示す斜視図であって、筐体が開いた状態を示す図、図4は、同携帯電話機の構成を示すブロック図、図5は、同上側ユニットのリアカバーの一部を裏面側から見た下面図、図6は、図5のA−A線に沿った断面図、図7は、同携帯電話機の音声出力部を構成する小型スピーカの斜視図、図8は、同小型スピーカをクッションを除いた状態で示す斜視図、図9は、同小型スピーカを裏面側から見た斜視図、また、図10は、同携帯電話機の組立方法を説明するための説明図である。
【0031】
この例の携帯電話機1は、折畳可能な筐体を備えると共に、本来の通話機能のほか、例えば電子メールの送受信やインターネットに接続してホームページの閲覧が可能なデータ通信機能を有し、図2及び図3に示すように、上側ユニット2と下側ユニット3とが、折畳可能なようにヒンジ部4で相互に結合されて構成されている。
上側ユニット2は、図1乃至図4に示すように、折畳可能な扁平な筐体5を構成する上側筐体6に、例えば着信時に着信音を発生する小型スピーカ7を有してなる音声出力部8と、液晶表示装置からなり例えば機能設定画面や待受画面等が表示される表示部9と、受話音声出力用スピーカを有してなる受話部11とが実装されて概略構成されている。
【0032】
下側ユニット3は、図2乃至図4に示すように、折畳可能な扁平な筐体5を構成する下側筐体12に、当該携帯電話機本体の構成各部を制御する制御部13と、制御部13が実行する処理プログラムや各種データ等を記憶するための記憶部14と、数字や文字の入力操作等を行うための多数の各種操作キー等からなる操作部15と、アンテナ16を介して無線電波の送受信を行い、所定のプロトコルに従って通話やデータ通信を行うために用いられる無線通信部17と、送話音声入力用マイクロフォンを有してなる送話部18とが実装されて概略構成されている。
【0033】
なお、上記筐体5は、ヒンジ部4で相互に結合された上側筐体6と下側筐体12とからなり、ヒンジ部4は、上側筐体6と下側筐体12とを回転自在に結合して当該携帯電話機1に折畳可能な構造を付与している。
また、音声出力部8、表示部9及び受話部11等を構成する小型スピーカ7を含む各種電子部品は、主基板及び補助基板上に配置され、各種電子部品が搭載された主基板及び補助基板、表示部9を構成する光学部品等は、上側筐体6を構成するフロントケース21とリアカバー22とによって、上下両方向から押さえられるようにして、上側筐体6内に格納される。
また、制御部13、記憶部14及び無線通信部17等を構成する各種電子部品は、基板上に配置され、基板等は下側筐体12を構成するフロントケース23とリアカバー24とによって、上下両方向から押さえられるようにして、下側筐体12内に格納される。
【0034】
音声出力部8は、図1と、図5乃至図9とに示すように、リアカバー22の裏面側に保持された小型スピーカ7と、小型スピーカ7の開口部7a側に配置され、音洩れを防止するためのクッション部材25とを有し、小型スピーカ7で発生した音波が、リアカバー22の側面部に形成された開口部22aから放射されるように構成されている。
小型スピーカ7は、音源としてのスピーカユニットがスピーカ収納体内に収納されてなり、開口部7aの縁部の先端面7bは、小型スピーカ7が配置される補助基板の基板面に対して所定の角度(例えば、45°)で傾斜している。
【0035】
また、小型スピーカ7には、その後端面の中央部にフック部22gに係止される爪部7cが設けられ、かつ、底部にフック部22cに載せられる座面部7dが設けられている。
また、小型スピーカ7は、底部に、ばね性を有する一対の接続端子7e,7eを有し、これらの接続端子7e,7eが弾性変形した状態で補助基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続されて補助基板上に配置されている。
クッション部材25は、例えば、ウレタンフォーム等の変形可能な多孔質体(スポンジ状部材)からなり、小型スピーカ7の傾斜した先端面7b及び天井面7fの一部を覆うように貼り付けられている。
この例では、開口部7aもクッション部材25によって覆われ、塵埃等の侵入が防止される。
【0036】
この例の小型スピーカ実装構造28は、図1と、図5乃至図9とに示すように、小型スピーカ7が、その開口部7aがリアカバー22の側面部に形成された開口部22aに重なるように位置決めされた状態で、リアカバー22の裏面側に保持され、かつ、クッション部材25が、先端面7bと開口部22aの内部側縁部との間、及び天井面7fとリアカバー22の下面22eとの間に挟まれて圧接により変形した状態で配置され、音洩れが防止されると共に、小型スピーカ7で発生し開口部7aから放出された音波が、リアカバー22の開口部22aから放射されるように構成されている。
【0037】
リアカバー22の開口部22aの内部側縁部は、小型スピーカ7取付時に、先端面7bと略平行となる傾斜面22bとされ、傾斜面22bの下方(フロントケース21側)には、小型スピーカ7の座面部7dが載せられるフック部22cが形成されている。また、開口部22aの内部側縁部の傾斜面22bのうち、先端面7bの開口部7aの左右両側の領域に対向する部位は一対の圧接用リブ22d,22dとされている。
また、リアカバー22の下面22eには、小型スピーカ7取付時に案内するための案内リブ22f,22fが垂下状態で形成され、小型スピーカ7の天井面7fの輪郭に対応するように配置されている。
また、リアカバー22の下面22eの小型スピーカ7の後端部に対応する部位からは、小型スピーカ7の爪部7cを係止するフック部22gが垂下状態で形成されている。
【0038】
ここで、傾斜面22b(圧接用リブ22d,22dを含む)、フック部22c、案内リブ22f,22f、及びフック部22gは、小型スピーカ7が保持された状態で、開口部22aと開口部7aとが正確に対向配置されるように、かつ、圧接されて変形されたクッション部材25を介して、開口部22aと開口部7aとの間が音響的に密に接合するように、さらに、接続端子7e,7eが補助基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続された状態で、補助基板上に配置されるように、位置決めされるように、配置されている。
【0039】
主表示部9は、上側筐体6の内側の面に配設され例えば透過型の液晶表示装置を有してなっている。液晶表示装置は、液晶パネルと、液晶パネルに照明光を与えるバックライト装置と、液晶パネルを駆動する駆動回路とを有している。
液晶パネルは、例えばTFT(Thin Film Transistor)構造の透過型の液晶表示パネルであり、TFTと透明画素電極とが多数形成されているTFT基板と、TFT基板と数[μm]の間隙を介して対向して固定され、着色層(カラーフィルタ)が形成された対向基板と、上記間隙に封入された液晶層と、TFT基板、対向基板の外側に配設された一対の偏向板とを有している。
【0040】
制御部13は、共にCPU(中央処理装置)等からなり、記憶部14に記憶された各種処理プログラムを実行し、記憶部14に確保された各種レジスタやフラグを用いて、構成各部を制御し各種制御処理を実行する。
記憶部14は、ROM、RAM等の半導体メモリからなり、制御部13が実行する操作制御処理プログラムや、通信制御処理プログラム、表示制御処理プログラム、ホームページを閲覧するためのプログラムとしてのブラウザ、電子メールを作成したり送受信するためのプログラムとしてのメーラ等の各種処理プログラム等をが記憶されたプログラム記憶領域と、各機能の設定情報や通信履歴情報、電話帳情報等の各種情報が記憶された情報記憶領域とを有すると共に、この記憶部14には、制御部13がプログラム実行時に用いる各種レジスタやフラグが確保されている。
【0041】
操作部15は、図3に示すように、下側筐体12に実装され、例えば合成樹脂製の多数のキーボタンが、例えば合成ゴム製の弾性体からなるシート部材上の所定の位置に接着されてなるキーシートがドーム状に突起しスイッチを構成する金属板接点が絶縁性シートの裏面側に設けられてなるメタルドームシートを介して、各種電子部品が搭載された基板上に配置されて構成されている。
無線通信部17は、RF回路や、変復調回路、ベースバンド処理回路等からなり、音声やデータを変調してアンテナ7を介して無線電波として送信すると共に、無線電波をアンテナ7を介して受信して音声やデータに復調し、所定のプロトコルに従って通話やデータ通信を行うために用いられる。
【0042】
この例の携帯電話機1を組み立てるには、まず、図10(a)に示すように、クッション部材25が先端面7b及び天井面7fの一部を覆うように貼り付けられ小型スピーカ7を、その先端部を上にして傾けた状態で、案内リブ22f,22fの案内によって、先端部をリアカバー22の開口部22aの内部側縁部に押し当て、座面部7dをフック部22cに引っ掛ける。
次に、同図(b)に示すように、座面部7dをフック部22cに引っ掛けた状態で、案内リブ22f,22fの案内によって、フック部22cの引掛部位を中心に小型スピーカ7を回転させて、小型スピーカ7の後端部をフック部22gの先端部に接触させながら引き上げる。ここで、クッション部材25は、傾斜面22b(特に圧接用リブ22d,22d)と小型スピーカ7の先端面7bとの間、及び下面22eと天井面7fとの間に挟まれ圧接されて徐々に変形していく。
【0043】
これによって、フック部22gは小型スピーカ7から離反するように撓み、同図(c)に示すように、爪部7cがフック部22gに係止されて、小型スピーカ7は、リアカバー22の裏面側に位置決めされた状態で取り付けられる。
ここで、クッション部材25は、傾斜面22b(特に圧接用リブ22d,22d)と小型スピーカ7の先端面7bとの間、及び下面22eと天井面7fとの間に挟まれ、それぞれ、例えば、先端面7b、天井面7fに略垂直な方向に沿った圧接力を受けて圧接されて変形する。
【0044】
これによって、リアカバー22の開口部22aの内部側縁部と、小型スピーカ7の開口部7aとは、圧接されたクッション部材25を介して密閉され、音洩れが防止された状態で、接合される。下面22eと天井面7fとの間も、圧接されたクッション部材25によって塞がれて、下面22e側への音洩れも防止される。
また、小型スピーカ7は、傾斜面22b(圧接用リブ22d,22dを含む)、フック部22c、案内リブ22f,22f、及びフック部22gによって、開口部22aと開口部7aとが正確に対向配置されるように、かつ、圧接されて変形されたクッション部材25を介して、開口部22aと開口部7aとの間が音響的に密に接合するように保持されている。
【0045】
一方、フロントケース21に、表示部9を構成する光学部品や主基板等を組み付けた後、小型スピーカ7を搭載する補助基板を組み付ける。
この後、小型スピーカ7が取り付けられたリアカバー22を、フロントケース21と合わせる。
ここで、小型スピーカ7は、傾斜面22b(圧接用リブ22d,22dを含む)、フック部22c、案内リブ22f,22f、及びフック部22gによって、接続端子7e,7eが補助基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続された状態で、補助基板上に配置されるように、位置決めされた状態で保持されている。したがって、接続端子7e,7eは、補助基板の対応する接点に接触する。
さらに、一対の接続端子7e,7eは、弾性変形した状態で補助基板上の接点に電気的に接続されて確実に電気的接続が図られる。
【0046】
次に、フロントケース21と、リアカバー22とを嵌合することによって、又は雌ねじや雄ねじ等の固定具による締付けによって、小型スピーカ7は、リアカバー22と補助基板との間に圧接状態で挟まれる。すなわち、補助基板に垂直な方向に沿って締付力が与えられる。
これによって、クッション部材25がさらに両側から圧接されて変形し、接合部位での密着性がさらに高められる。
【0047】
こうして組み立てられた携帯電話機1において、筐体を開いた状態で、例えば着信があると、制御部13は、小型スピーカ7に所定の信号を与えるように制御し、これによって、小型スピーカ7は、所定の着信音を発生する。
この着信音は、小型スピーカ7の開口部7aから放射され、開口部7aと開口部22aとのクッション部材25を介した密閉性が保たれた接合部位を音洩れすることなく通過し、開口部22aがら外部に放射される。
また、例えば、サイトからダウンロードしたプログラムを実行する場合に、筐体を開いた状態で、画像が主表示部7に表示されると共に、小型スピーカ7から出力された音声は開口部22aから放射される。
開口部7aと開口部22aとのクッション部材25を介した接合部位での密閉性が保たれ、音洩れが防止され、途中で音波が放散しないので、開口部22aからは、ユーザは、適切な音量で明瞭な着信音等を聞くことができる。
【0048】
このように、この例の構成によれば、リアカバー22の裏面側に、傾斜面22b(圧接用リブ22d,22dを含む)、フック部22c、案内リブ22f,22f、及びフック部22gが一体的に形成され、かつ、所定の角度で傾斜した先端面7bと傾斜面22bとが互いに平行な状態で対向配置されているので、筐体の側面側からに音声を放射させる場合であっても、簡素な構成で、十分な押圧力でクッション部材25を圧接して変形させて、開口部22aと開口部7aとの接合部位で、確実に音洩れを防止することができる。
したがって、開口部22aと開口部7aとの接合部位での密閉性が保たれるため、途中で音波が放散せず、音洩れを防止することができ、ユーザは音声を適切な音量で明瞭に聞き取ることができる。
【0049】
また、傾斜面22b(圧接用リブ22d,22dを含む)、フック部22c、案内リブ22f,22f、及びフック部22gは、小型スピーカ7が保持された状態で、開口部22aと開口部7aとが正確に対向配置されるように、かつ、圧接されて変形されたクッション部材25を介して、開口部22aと開口部7aとの間が音響的に密に接合するように、さらに、接続端子7e,7eが補助基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続された状態で、補助基板上に配置されるように、位置決めされるように、配置されているので、開口部22aと開口部7aとの位置合わせや小型スピーカ7の補助基板上への配置のための小型スピーカ7の位置決めを簡単にかつ正確に行うことができる。
【0050】
また、リアカバー22の裏面側に、傾斜面22b(圧接用リブ22d,22dを含む)、フック部22c、案内リブ22f,22f、及びフック部22gが一体的に形成されいるので、圧入部材等を用いる必要がないので、構成部品数を低減させ、コストを低減させることができる。
また、専用の治具を用いる必要もないので、簡単にかつ迅速に組み立てることができ、作業性を向上させることができる。
また、リアカバー22の側面部の開口部22aをリアカバー22の表面に近い位置に設けることができるので、機器の薄型化に寄与することができる。
【0051】
また、フロントケース21と、リアカバー22とを嵌合することによって、又は雌ねじや雄ねじ等の固定具による締付けによって、小型スピーカ7は、リアカバー22と補助基板との間に圧接状態で挟まれるので、クッション部材25がさらに両側から圧接されて変形し、接合部位での密着性をさらに高めることができる。
また、ばね性を有する接続端子7e,7eによって電気的接続が確実になされると共に、小型スピーカ7がリアカバー22に対して押しつけられるので、密閉性の確保に寄与し、音洩れを一段と確実に防止することができる。
また、ばね性を有する接続端子7e,7eが補助基板をリアカバー22側に押し付けることによって、補助基板を確実に固定することに寄与することができる。
また、小型スピーカ7の開口領域もクッション部材25に覆われているので、塵埃や水滴の小型スピーカ7内部への侵入が防止される。
【0052】
以上、この発明の実施例を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
例えば、上述した実施例では、小型スピーカ7の爪部7cを係止するフック部22gを、単にリアカバー22の下面22eの小型スピーカ7の後端部に対応する部位から垂下させるように形成した場合について述べたが、このフック部22gと小型スピーカ7との間に、板状のばね等の弾性部材を介在させても良し、フック部22gに代えて、下面22eの所定の箇所の周りに回動可能にかつトーションばね等によって小型スピーカ7を押す向きに付勢させた作動部材を配置するようにしても良い。
また、クッション部材を廃し、小型スピーカを構成するスピーカ収納体を変形可能な弾性部材から構成するようにしても良い。
【0053】
また、先端面7bと傾斜面22bとを共に、小型スピーカ7が配置される補助基板の基板面に対して45°で傾斜させる場合について述べたが、この傾斜角度は、もちろん、45°に限らず、例えば、10°から80°の間の角度としても良い。
また、特に、フック部22g等の保持部材によって、小型スピーカ7に対して、補助基板の基板面に沿って、筐体の開口部22aへ向かう十分な押圧力が得られるときは、先端面7bと傾斜面22bとを共に、必ずしも傾斜させずに、これらの面を上記補助基板の基板面に対して略垂直となるように形成しても良い。
また、上述した小型スピーカ7を1個に限らず、2個以上設ける場合にも適用することができる。
また、電子カメラユニットを付加して、撮影機能や、テレビ電話機能を持たせるようにしても良い。この場合、小型スピーカから受話音声の出力も可能なように構成しても良い。
また、小型スピーカから撮影時に擬似シャッタ音を発生させるようにしても良い。
また、小型スピーカを上側筐体(受話部を設けた側)に配置する場合について述べたが、これに限らず、下側筐体(送話部を設けた側)に配置しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0054】
携帯型電子機器としては、携帯電話機のほか、簡易型携帯電話(PHS)端末や、携帯情報端末(PDA)、携帯型のコンピュータに対して適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】この発明の一実施例である携帯電話機の上側ユニットの一部を拡大して示す拡大断面図である。
【図2】同携帯電話機の構成を示す斜視図であって、筐体が閉じた状態を示す図である。
【図3】同携帯電話機の構成を示す斜視図であって、筐体が開いた状態を示す図である。
【図4】同携帯電話機の構成を示すブロック図でる。
【図5】同上側ユニットのリアカバーの一部を裏面側から見た下面図である。
【図6】図5のA−A線に沿った断面図である。
【図7】同携帯電話機の音声出力部を構成する小型スピーカの斜視図である。
【図8】同小型スピーカをクッションを除いた状態で示す斜視図である。
【図9】同小型スピーカを裏面側から見た斜視図である。
【図10】同携帯電話機の組立方法を説明するための説明図である。
【図11】従来技術を説明するための説明図である。
【図12】従来技術を説明するための説明図である。
【図13】従来技術を説明するための説明図である。
【図14】従来技術を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0056】
1 携帯電話機(携帯型電子機器)
2 上側ユニット
3 下側ユニット
5 筐体
6 上側筐体
7 小型スピーカ
7a 開口部(第1の開口部)
7b 先端面
7c 爪部
7d 座面部
7e 接続端子
7f 天井面
8 音声出力部
12 下側筐体
21 フロントケース
22 リアカバー(保持部材)
22a 開口部(第2の開口部)
22b 傾斜面
22c フック部(保持部材の一部)
22d 圧接用リブ
22e 下面(裏面)
22f 案内リブ(壁部)
22g フック部(保持部材の一部)
25 クッション部材(遮音部材、可塑性部材、多孔質体)
28 小型スピーカ実装構造
【技術分野】
【0001】
この発明は、携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造及び該構造を備えた携帯型電子機器に係り、例えば、折畳み型の携帯電話機等の携帯型電子機器の筐体の側面から音声が放射されるように小型スピーカが配置された携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造及び該構造を備えた携帯型電子機器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、携帯型の電子機器としての携帯電話機は、例えば、着信時に、リンガ発生部(音声出力部)からの着信音(呼出音)の出力や、着信通知ランプの点滅、バイブレータの振動等によって、着信したことをユーザに知らせるように構成されている。
このような折畳型の携帯電話機では、折畳時にユーザが着信音を確実に聴き取れるように、筐体の背面側(折畳時には外面側となる側)に、リンガ発生部を構成するスピーカを配置して、背面側からスピーカ音を放射されるように構成したり(例えば、特許文献1参照。)、また、携帯電話機を机上等に載置した状態でも聴き取れるように、筐体の側面部にスピーカ音を放射させる開口(音孔)を設けるようにしている(例えば、特許文献2参照。)。
着信時には、このスピーカが着信音を発生し、ユーザがこれを聞くことによって着信を知り、この後、筐体を開いて、所定の操作を行うこととなる。
【0003】
筐体の側面部からスピーカ音を放射させる場合には、図11及び図12に示すように、筐体の側面部101の内部側に、開口(音孔)101aに対応する位置にスピーカ102を嵌着状態で収納するための箱状の収納部103を設け、収納部103内に、クッション104を音を放出する側(下面側)に貼り付けた状態でスピーカ102を嵌め込み、筐体内に各種部品を実装して組み立てた時に、スピーカ102が押圧される際に、クッション104が押されて変形することによって、密着されて音洩れを防止するようにしていた。
しかしながら、開口101aがスピーカ102の配置位置と高さ方向に沿ってずれた位置に設けられているので、筐体が厚くなってしまい、携帯電話機の薄型化の妨げとなってしまうという問題があった。
【0004】
このため、スピーカの位置と、筐体の側面部の開口の位置とを重なるようにして、スピーカの音を放出する側を筐体の側面部の開口に対向させて、スピーカを配置する方法が提案されている。
例えば、図13に示すように、筐体の側面部201の内部側に、開口201aに対応する位置にスピーカ202を嵌着状態で収納するためのの箱状の収納部203を設け、収納部203内に、クッション204を音を放出する側に貼り付けた状態でスピーカ202を嵌め込み、かつ、スピーカ202の背面側(音を放出する側に背向する側)の収納部203の壁部との間に、板状の圧入部材205を圧入して、クッション204が側面部201側に押されて変形することによって、密着されて音洩れの防止が可能となる。
ここで、圧入部材205には、収納部203に設けられた係止孔203aに係止される爪部205aが設けられ、圧入部材205を圧入した際に、圧入部材205が所定の位置で、係着されることとなる。
【0005】
また、図14(a)に示すように、筐体の側面部301の内部側に、開口301aに対応する位置にスピーカ302を嵌着状態で収納するためのの箱状の収納部303を設け、同図(b)に示すように、収納部303内に、クッション304を音を放出する側に貼り付けた状態でスピーカ302を嵌め込み、かつ、スピーカ302の背面側(音を放出する側に背向する側)の収納部303の壁部との間に、圧入部材305を圧入し、同図(c)に示すように、クッション304が側面部301側に押されて変形することによって、密着されて音洩れの防止が可能となる。
【0006】
しかしながら、スピーカの位置と、筐体の側面部の開口の位置とを重なるようにして、スピーカの音を放出する側を筐体の側面部の開口に対向させて、スピーカを配置する上記従来技術では、筐体内に各種部品を実装して組み立てた時に、スピーカが押圧される際に、同時にクッションが押されることによって変形させるようにできないために、音洩防止用に、圧入部材を用いる必要があった。しかも、圧入部材を圧入させるために特別な治具を用いる必要があった。
このように、圧入部材等の構成部品数の増加を招くと共に、組立作業時に手間と時間がかかるという問題があった。
【0007】
このため、筐体の側面部と、この側面部に対向するスピーカの放音部の端面とを実装方向に対して斜めにし、筐体内に各種部品を実装して組み立てた時に、スピーカが受ける押圧力によって、同時にクッションが押されて変形するように構成した技術が提案されている(例えば、特許文献3参照。)
【特許文献1】特開2001−211241号公報
【特許文献2】特開平10−84192号公報
【特許文献3】特開平7−111524号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする第1の問題点は、上記従来技術では、組立時の基板面に垂直な方向に沿った締付力を利用して、傾斜面に垂直な方向に沿った押圧力によって密着させる場合に、この密着のための十分な押圧力が得られず、確実に音洩れを防止することができないという点である。
また、第2の問題点は、スピーカが実装された基板を筐体内に組み込む場合に、構成部品の寸法のばらつき等のために、例えば、スピーカの開口位置と、筐体の開口位置とがずれてしまうことがあり、位置決めが正確になされないという点である。
【0009】
この発明は、上述の事情に鑑みてなされたもので、機器の薄型化に寄与し、かつ、構成部品数を低減させて、簡素な構成で、密着のための十分な押圧力を得て、確実に音洩れを防止することができる携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造及び該構造を備えた携帯型電子機器を提供することを第1の目的としている。
また、機器の薄型化に寄与し、かつ、構成部品数を低減させて、簡素な構成で密閉性を図ることができると共に、位置決めを正確に行うことができる携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造及び該構造を備えた携帯型電子機器を提供することを第2の目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、請求項1記載の発明は、小型スピーカが携帯型電子機器の筐体内に実装された小型スピーカ実装構造に係り、上記小型スピーカは、基板上に配置され、かつ、主として上記基板に略平行な方向に沿ってスピーカ音が放射される第1の開口部を有し、上記筐体の上記第1の開口部と重なる位置には、上記スピーカ音の出口となる第2の開口部が設けられ、上記筐体の裏面側には、上記第1の開口部と上記第2の開口部との間を音響的に密に接合するように、上記小型スピーカを保持するための保持部材が設けられていることを特徴としている。
ここで、小型スピーカとは、サウンダやブザー等の電気信号を音響信号に変換する音源を意味するものとする。
【0011】
また、請求項2記載の発明は、請求項1記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記小型スピーカは、上記保持部材によって、少なくとも上記第2の開口部に向けて押圧された状態で保持されていることを特徴としている。
【0012】
また、請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記筐体は、扁平な外観形状を呈し、上記第2の開口部は、上記筐体の側面部に設けられていることを特徴としている。
【0013】
また、請求項4記載の発明は、請求項1、2又は3記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記第1の開口部の端面及び上記第2の開口部の内部側端面は、互いに略平行で共に上記基板に対して傾斜した傾斜面とされていることを特徴としている。
【0014】
また、請求項5記載の発明は、請求項4記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記第1の開口部の端面及び上記第2の開口部の内部側端面は、上記基板に垂直な方向に沿って上記基板から離れるにしたがって、上記基板の内部側に近づく向きに傾斜するように形成されていることを特徴としている。
【0015】
また、請求項6記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記第1の開口部の端面と上記第2の開口部の内部側端面との間には音洩れを防止するための遮音部材が介挿されていることを特徴としている。
【0016】
また、請求項7記載の発明は、請求項6記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記遮音部材は、押圧されることによって変形する可塑性部材又は弾性部材からなることを特徴としている。
【0017】
また、請求項8記載の発明は、請求項7記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記遮音部材は多孔質体からなることを特徴としている。
【0018】
また、請求項9記載の発明は、請求項1乃至5のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記小型スピーカは、スピーカユニットがスピーカ収納体内に収納されてなり、該スピーカ収納体は、弾性部材からなることを特徴としている。
【0019】
また、請求項10記載の発明は、請求項1乃至9のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記小型スピーカは、上記保持部材によって、少なくとも、上記第1の開口部の端面が、上記第2の開口部の内部側端面に対向した状態で配置されるように、位置決めされた状態で保持されていることを特徴としている。
【0020】
また、請求項11記載の発明は、請求項7、8又は9記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記小型スピーカは、上記保持部材によって、少なくとも、上記第1の開口部の端面が、上記第2の開口部の内部側端面に対向した状態で配置され、かつ、上記可塑性部材又は上記弾性部材が変形して、上記第1の開口部と上記第2の開口部との間を音響的に密に接合するために、上記可塑性部材又は上記弾性部材が押圧されるように、位置決めされた状態で保持されていることを特徴としている。
【0021】
また、請求項12記載の発明は、請求項1乃至11のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記保持部材は、上記基板に上記小型スピーカを挟んで対向する上記筐体の裏面から垂下状態で形成され、上記小型スピーカの後端部を支持した状態で、弾性的変形によって上記小型スピーカを上記第2の開口部へ向けて押圧するフック部を有していることを特徴としている。
【0022】
また、請求項13記載の発明は、請求項1乃至12のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記基板に上記小型スピーカを挟んで対向する上記筐体の裏面には、上記小型スピーカの天井部の少なくとも一部を囲むように壁部が形成されていることを特徴としている。
【0023】
また、請求項14記載の発明は、請求項4乃至13のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記小型スピーカを上記筐体と上記基板との間に配置し、上記筐体と上記基板とを近づけるように、上記基板に垂直な方向に沿って締付力を加えた状態として上記携帯型電子機器を組み立てて、上記締付力によって、上記小型スピーカを、少なくとも上記第2の開口部に向けて押圧することを特徴としている。
【0024】
また、請求項15記載の発明は、請求項1乃至14のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記小型スピーカは、底部にばね性を有する接続端子を有すると共に、上記接続端子が弾性変形した状態で上記基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続されるように上記基板上に配置されていることを特徴としている。
【0025】
また、請求項16記載の発明は、請求項15記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造に係り、上記小型スピーカは、上記保持部材によって、少なくとも、上記接続端子が上記基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続された状態で、上記基板上に配置されるように、位置決めされた状態で保持されていることを特徴としている。
【0026】
また、請求項17記載の発明は、小型スピーカが携帯型電子機器の扁平な形状の筐体内に実装された小型スピーカ実装構造に係り、上記小型スピーカは、基板上に配置され、かつ、主として上記基板に略平行な方向に沿ってスピーカ音が放射される第1の開口部を有し、上記筐体の側面部の上記第1の開口部と重なる位置には、上記スピーカ音の出口となる第2の開口部が設けられ、上記筐体の裏面側には、上記第1の開口部と上記第2の開口部との間を音響的に密に接合するように、上記小型スピーカを少なくとも上記第2の開口部に向けて押圧しながら保持するための保持部材が設けられ、上記小型スピーカは、底部にばね性を有する接続端子を有すると共に、上記接続端子が弾性変形した状態で上記基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続されるように上記基板上に配置され、かつ、上記第1の開口部の端面及び上記第2の開口部の内部側端面は、互いに略平行で、共に、上記基板に垂直な方向に沿って上記基板から離れるにしたがって、上記基板の内部側に近づく向きに上記基板に対して傾斜した傾斜面とされ、上記第1の開口部の端面と上記第2の開口部の内部側端面との間には音洩れを防止するための多孔質体からなる遮音部材が介挿され、上記保持部材は、上記基板に上記小型スピーカを挟んで対向する上記筐体の裏面から垂下状態で形成され、上記小型スピーカの後端部を支持した状態で、弾性的変形によって上記小型スピーカを上記第2の開口部へ向けて押圧するフック部を有し、上記小型スピーカは、上記保持部材によって、少なくとも、上記第1の開口部の端面が、上記第2の開口部の内部側端面に対向した状態で配置され、上記遮音部材が変形して、上記第1の開口部と上記第2の開口部との間を音響的に密に接合するために、上記遮音部材が押圧されるように、かつ、上記接続端子が上記基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続された状態で、上記基板上に配置されるように、位置決めされた状態で保持されていることを特徴としている。
【0027】
また、請求項18記載の発明に係る携帯型電子機器は、請求項1乃至17のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造を備えたことを特徴としている。
【発明の効果】
【0028】
この発明の構成によれば、第1の開口部から主として基板に略平行な方向に沿ってスピーカ音が放射され、保持部材によって、第1の開口部と第2の開口部との間を音響的に密に接合するように、小型スピーカが保持されるので、機器の薄型化に寄与し、かつ、構成部品数を低減させて、簡素な構成で、密着のための十分な押圧力を得て、確実に音洩れを防止することができる。
また、小型スピーカが、保持部材によって、少なくとも、第1の開口部の端面が、第2の開口部の内部側端面に対向した状態で配置されるように、位置決めされた状態で保持されることによって、機器の薄型化に寄与し、かつ、構成部品数を低減させて、簡素な構成で密閉性を図ることができると共に、位置決めを正確に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
第1の開口部から主として基板に略平行な方向に沿ってスピーカ音が放射され、保持部材によって、第1の開口部と第2の開口部との間を音響的に密に接合するように、小型スピーカが保持されことによって、機器の薄型化に寄与し、かつ、構成部品数を低減させて、簡素な構成で、密着のための十分な押圧力を得て、確実に音洩れを防止するという第1の目的を実現した。
また、小型スピーカが、保持部材によって、少なくとも、第1の開口部の端面が、第2の開口部の内部側端面に対向した状態で配置されるように、位置決めされた状態で保持されることによって、機器の薄型化に寄与し、かつ、構成部品数を低減させて、簡素な構成で密閉性を図ることができると共に、位置決めを正確に行うという第2の目的を実現した。
【実施例】
【0030】
図1は、この発明の一実施例である携帯電話機の上側ユニットの一部を拡大して示す拡大断面図、図2は、同携帯電話機の構成を示す斜視図であって、筐体が閉じた状態を示す図、図3は、同携帯電話機の構成を示す斜視図であって、筐体が開いた状態を示す図、図4は、同携帯電話機の構成を示すブロック図、図5は、同上側ユニットのリアカバーの一部を裏面側から見た下面図、図6は、図5のA−A線に沿った断面図、図7は、同携帯電話機の音声出力部を構成する小型スピーカの斜視図、図8は、同小型スピーカをクッションを除いた状態で示す斜視図、図9は、同小型スピーカを裏面側から見た斜視図、また、図10は、同携帯電話機の組立方法を説明するための説明図である。
【0031】
この例の携帯電話機1は、折畳可能な筐体を備えると共に、本来の通話機能のほか、例えば電子メールの送受信やインターネットに接続してホームページの閲覧が可能なデータ通信機能を有し、図2及び図3に示すように、上側ユニット2と下側ユニット3とが、折畳可能なようにヒンジ部4で相互に結合されて構成されている。
上側ユニット2は、図1乃至図4に示すように、折畳可能な扁平な筐体5を構成する上側筐体6に、例えば着信時に着信音を発生する小型スピーカ7を有してなる音声出力部8と、液晶表示装置からなり例えば機能設定画面や待受画面等が表示される表示部9と、受話音声出力用スピーカを有してなる受話部11とが実装されて概略構成されている。
【0032】
下側ユニット3は、図2乃至図4に示すように、折畳可能な扁平な筐体5を構成する下側筐体12に、当該携帯電話機本体の構成各部を制御する制御部13と、制御部13が実行する処理プログラムや各種データ等を記憶するための記憶部14と、数字や文字の入力操作等を行うための多数の各種操作キー等からなる操作部15と、アンテナ16を介して無線電波の送受信を行い、所定のプロトコルに従って通話やデータ通信を行うために用いられる無線通信部17と、送話音声入力用マイクロフォンを有してなる送話部18とが実装されて概略構成されている。
【0033】
なお、上記筐体5は、ヒンジ部4で相互に結合された上側筐体6と下側筐体12とからなり、ヒンジ部4は、上側筐体6と下側筐体12とを回転自在に結合して当該携帯電話機1に折畳可能な構造を付与している。
また、音声出力部8、表示部9及び受話部11等を構成する小型スピーカ7を含む各種電子部品は、主基板及び補助基板上に配置され、各種電子部品が搭載された主基板及び補助基板、表示部9を構成する光学部品等は、上側筐体6を構成するフロントケース21とリアカバー22とによって、上下両方向から押さえられるようにして、上側筐体6内に格納される。
また、制御部13、記憶部14及び無線通信部17等を構成する各種電子部品は、基板上に配置され、基板等は下側筐体12を構成するフロントケース23とリアカバー24とによって、上下両方向から押さえられるようにして、下側筐体12内に格納される。
【0034】
音声出力部8は、図1と、図5乃至図9とに示すように、リアカバー22の裏面側に保持された小型スピーカ7と、小型スピーカ7の開口部7a側に配置され、音洩れを防止するためのクッション部材25とを有し、小型スピーカ7で発生した音波が、リアカバー22の側面部に形成された開口部22aから放射されるように構成されている。
小型スピーカ7は、音源としてのスピーカユニットがスピーカ収納体内に収納されてなり、開口部7aの縁部の先端面7bは、小型スピーカ7が配置される補助基板の基板面に対して所定の角度(例えば、45°)で傾斜している。
【0035】
また、小型スピーカ7には、その後端面の中央部にフック部22gに係止される爪部7cが設けられ、かつ、底部にフック部22cに載せられる座面部7dが設けられている。
また、小型スピーカ7は、底部に、ばね性を有する一対の接続端子7e,7eを有し、これらの接続端子7e,7eが弾性変形した状態で補助基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続されて補助基板上に配置されている。
クッション部材25は、例えば、ウレタンフォーム等の変形可能な多孔質体(スポンジ状部材)からなり、小型スピーカ7の傾斜した先端面7b及び天井面7fの一部を覆うように貼り付けられている。
この例では、開口部7aもクッション部材25によって覆われ、塵埃等の侵入が防止される。
【0036】
この例の小型スピーカ実装構造28は、図1と、図5乃至図9とに示すように、小型スピーカ7が、その開口部7aがリアカバー22の側面部に形成された開口部22aに重なるように位置決めされた状態で、リアカバー22の裏面側に保持され、かつ、クッション部材25が、先端面7bと開口部22aの内部側縁部との間、及び天井面7fとリアカバー22の下面22eとの間に挟まれて圧接により変形した状態で配置され、音洩れが防止されると共に、小型スピーカ7で発生し開口部7aから放出された音波が、リアカバー22の開口部22aから放射されるように構成されている。
【0037】
リアカバー22の開口部22aの内部側縁部は、小型スピーカ7取付時に、先端面7bと略平行となる傾斜面22bとされ、傾斜面22bの下方(フロントケース21側)には、小型スピーカ7の座面部7dが載せられるフック部22cが形成されている。また、開口部22aの内部側縁部の傾斜面22bのうち、先端面7bの開口部7aの左右両側の領域に対向する部位は一対の圧接用リブ22d,22dとされている。
また、リアカバー22の下面22eには、小型スピーカ7取付時に案内するための案内リブ22f,22fが垂下状態で形成され、小型スピーカ7の天井面7fの輪郭に対応するように配置されている。
また、リアカバー22の下面22eの小型スピーカ7の後端部に対応する部位からは、小型スピーカ7の爪部7cを係止するフック部22gが垂下状態で形成されている。
【0038】
ここで、傾斜面22b(圧接用リブ22d,22dを含む)、フック部22c、案内リブ22f,22f、及びフック部22gは、小型スピーカ7が保持された状態で、開口部22aと開口部7aとが正確に対向配置されるように、かつ、圧接されて変形されたクッション部材25を介して、開口部22aと開口部7aとの間が音響的に密に接合するように、さらに、接続端子7e,7eが補助基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続された状態で、補助基板上に配置されるように、位置決めされるように、配置されている。
【0039】
主表示部9は、上側筐体6の内側の面に配設され例えば透過型の液晶表示装置を有してなっている。液晶表示装置は、液晶パネルと、液晶パネルに照明光を与えるバックライト装置と、液晶パネルを駆動する駆動回路とを有している。
液晶パネルは、例えばTFT(Thin Film Transistor)構造の透過型の液晶表示パネルであり、TFTと透明画素電極とが多数形成されているTFT基板と、TFT基板と数[μm]の間隙を介して対向して固定され、着色層(カラーフィルタ)が形成された対向基板と、上記間隙に封入された液晶層と、TFT基板、対向基板の外側に配設された一対の偏向板とを有している。
【0040】
制御部13は、共にCPU(中央処理装置)等からなり、記憶部14に記憶された各種処理プログラムを実行し、記憶部14に確保された各種レジスタやフラグを用いて、構成各部を制御し各種制御処理を実行する。
記憶部14は、ROM、RAM等の半導体メモリからなり、制御部13が実行する操作制御処理プログラムや、通信制御処理プログラム、表示制御処理プログラム、ホームページを閲覧するためのプログラムとしてのブラウザ、電子メールを作成したり送受信するためのプログラムとしてのメーラ等の各種処理プログラム等をが記憶されたプログラム記憶領域と、各機能の設定情報や通信履歴情報、電話帳情報等の各種情報が記憶された情報記憶領域とを有すると共に、この記憶部14には、制御部13がプログラム実行時に用いる各種レジスタやフラグが確保されている。
【0041】
操作部15は、図3に示すように、下側筐体12に実装され、例えば合成樹脂製の多数のキーボタンが、例えば合成ゴム製の弾性体からなるシート部材上の所定の位置に接着されてなるキーシートがドーム状に突起しスイッチを構成する金属板接点が絶縁性シートの裏面側に設けられてなるメタルドームシートを介して、各種電子部品が搭載された基板上に配置されて構成されている。
無線通信部17は、RF回路や、変復調回路、ベースバンド処理回路等からなり、音声やデータを変調してアンテナ7を介して無線電波として送信すると共に、無線電波をアンテナ7を介して受信して音声やデータに復調し、所定のプロトコルに従って通話やデータ通信を行うために用いられる。
【0042】
この例の携帯電話機1を組み立てるには、まず、図10(a)に示すように、クッション部材25が先端面7b及び天井面7fの一部を覆うように貼り付けられ小型スピーカ7を、その先端部を上にして傾けた状態で、案内リブ22f,22fの案内によって、先端部をリアカバー22の開口部22aの内部側縁部に押し当て、座面部7dをフック部22cに引っ掛ける。
次に、同図(b)に示すように、座面部7dをフック部22cに引っ掛けた状態で、案内リブ22f,22fの案内によって、フック部22cの引掛部位を中心に小型スピーカ7を回転させて、小型スピーカ7の後端部をフック部22gの先端部に接触させながら引き上げる。ここで、クッション部材25は、傾斜面22b(特に圧接用リブ22d,22d)と小型スピーカ7の先端面7bとの間、及び下面22eと天井面7fとの間に挟まれ圧接されて徐々に変形していく。
【0043】
これによって、フック部22gは小型スピーカ7から離反するように撓み、同図(c)に示すように、爪部7cがフック部22gに係止されて、小型スピーカ7は、リアカバー22の裏面側に位置決めされた状態で取り付けられる。
ここで、クッション部材25は、傾斜面22b(特に圧接用リブ22d,22d)と小型スピーカ7の先端面7bとの間、及び下面22eと天井面7fとの間に挟まれ、それぞれ、例えば、先端面7b、天井面7fに略垂直な方向に沿った圧接力を受けて圧接されて変形する。
【0044】
これによって、リアカバー22の開口部22aの内部側縁部と、小型スピーカ7の開口部7aとは、圧接されたクッション部材25を介して密閉され、音洩れが防止された状態で、接合される。下面22eと天井面7fとの間も、圧接されたクッション部材25によって塞がれて、下面22e側への音洩れも防止される。
また、小型スピーカ7は、傾斜面22b(圧接用リブ22d,22dを含む)、フック部22c、案内リブ22f,22f、及びフック部22gによって、開口部22aと開口部7aとが正確に対向配置されるように、かつ、圧接されて変形されたクッション部材25を介して、開口部22aと開口部7aとの間が音響的に密に接合するように保持されている。
【0045】
一方、フロントケース21に、表示部9を構成する光学部品や主基板等を組み付けた後、小型スピーカ7を搭載する補助基板を組み付ける。
この後、小型スピーカ7が取り付けられたリアカバー22を、フロントケース21と合わせる。
ここで、小型スピーカ7は、傾斜面22b(圧接用リブ22d,22dを含む)、フック部22c、案内リブ22f,22f、及びフック部22gによって、接続端子7e,7eが補助基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続された状態で、補助基板上に配置されるように、位置決めされた状態で保持されている。したがって、接続端子7e,7eは、補助基板の対応する接点に接触する。
さらに、一対の接続端子7e,7eは、弾性変形した状態で補助基板上の接点に電気的に接続されて確実に電気的接続が図られる。
【0046】
次に、フロントケース21と、リアカバー22とを嵌合することによって、又は雌ねじや雄ねじ等の固定具による締付けによって、小型スピーカ7は、リアカバー22と補助基板との間に圧接状態で挟まれる。すなわち、補助基板に垂直な方向に沿って締付力が与えられる。
これによって、クッション部材25がさらに両側から圧接されて変形し、接合部位での密着性がさらに高められる。
【0047】
こうして組み立てられた携帯電話機1において、筐体を開いた状態で、例えば着信があると、制御部13は、小型スピーカ7に所定の信号を与えるように制御し、これによって、小型スピーカ7は、所定の着信音を発生する。
この着信音は、小型スピーカ7の開口部7aから放射され、開口部7aと開口部22aとのクッション部材25を介した密閉性が保たれた接合部位を音洩れすることなく通過し、開口部22aがら外部に放射される。
また、例えば、サイトからダウンロードしたプログラムを実行する場合に、筐体を開いた状態で、画像が主表示部7に表示されると共に、小型スピーカ7から出力された音声は開口部22aから放射される。
開口部7aと開口部22aとのクッション部材25を介した接合部位での密閉性が保たれ、音洩れが防止され、途中で音波が放散しないので、開口部22aからは、ユーザは、適切な音量で明瞭な着信音等を聞くことができる。
【0048】
このように、この例の構成によれば、リアカバー22の裏面側に、傾斜面22b(圧接用リブ22d,22dを含む)、フック部22c、案内リブ22f,22f、及びフック部22gが一体的に形成され、かつ、所定の角度で傾斜した先端面7bと傾斜面22bとが互いに平行な状態で対向配置されているので、筐体の側面側からに音声を放射させる場合であっても、簡素な構成で、十分な押圧力でクッション部材25を圧接して変形させて、開口部22aと開口部7aとの接合部位で、確実に音洩れを防止することができる。
したがって、開口部22aと開口部7aとの接合部位での密閉性が保たれるため、途中で音波が放散せず、音洩れを防止することができ、ユーザは音声を適切な音量で明瞭に聞き取ることができる。
【0049】
また、傾斜面22b(圧接用リブ22d,22dを含む)、フック部22c、案内リブ22f,22f、及びフック部22gは、小型スピーカ7が保持された状態で、開口部22aと開口部7aとが正確に対向配置されるように、かつ、圧接されて変形されたクッション部材25を介して、開口部22aと開口部7aとの間が音響的に密に接合するように、さらに、接続端子7e,7eが補助基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続された状態で、補助基板上に配置されるように、位置決めされるように、配置されているので、開口部22aと開口部7aとの位置合わせや小型スピーカ7の補助基板上への配置のための小型スピーカ7の位置決めを簡単にかつ正確に行うことができる。
【0050】
また、リアカバー22の裏面側に、傾斜面22b(圧接用リブ22d,22dを含む)、フック部22c、案内リブ22f,22f、及びフック部22gが一体的に形成されいるので、圧入部材等を用いる必要がないので、構成部品数を低減させ、コストを低減させることができる。
また、専用の治具を用いる必要もないので、簡単にかつ迅速に組み立てることができ、作業性を向上させることができる。
また、リアカバー22の側面部の開口部22aをリアカバー22の表面に近い位置に設けることができるので、機器の薄型化に寄与することができる。
【0051】
また、フロントケース21と、リアカバー22とを嵌合することによって、又は雌ねじや雄ねじ等の固定具による締付けによって、小型スピーカ7は、リアカバー22と補助基板との間に圧接状態で挟まれるので、クッション部材25がさらに両側から圧接されて変形し、接合部位での密着性をさらに高めることができる。
また、ばね性を有する接続端子7e,7eによって電気的接続が確実になされると共に、小型スピーカ7がリアカバー22に対して押しつけられるので、密閉性の確保に寄与し、音洩れを一段と確実に防止することができる。
また、ばね性を有する接続端子7e,7eが補助基板をリアカバー22側に押し付けることによって、補助基板を確実に固定することに寄与することができる。
また、小型スピーカ7の開口領域もクッション部材25に覆われているので、塵埃や水滴の小型スピーカ7内部への侵入が防止される。
【0052】
以上、この発明の実施例を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施例に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があってもこの発明に含まれる。
例えば、上述した実施例では、小型スピーカ7の爪部7cを係止するフック部22gを、単にリアカバー22の下面22eの小型スピーカ7の後端部に対応する部位から垂下させるように形成した場合について述べたが、このフック部22gと小型スピーカ7との間に、板状のばね等の弾性部材を介在させても良し、フック部22gに代えて、下面22eの所定の箇所の周りに回動可能にかつトーションばね等によって小型スピーカ7を押す向きに付勢させた作動部材を配置するようにしても良い。
また、クッション部材を廃し、小型スピーカを構成するスピーカ収納体を変形可能な弾性部材から構成するようにしても良い。
【0053】
また、先端面7bと傾斜面22bとを共に、小型スピーカ7が配置される補助基板の基板面に対して45°で傾斜させる場合について述べたが、この傾斜角度は、もちろん、45°に限らず、例えば、10°から80°の間の角度としても良い。
また、特に、フック部22g等の保持部材によって、小型スピーカ7に対して、補助基板の基板面に沿って、筐体の開口部22aへ向かう十分な押圧力が得られるときは、先端面7bと傾斜面22bとを共に、必ずしも傾斜させずに、これらの面を上記補助基板の基板面に対して略垂直となるように形成しても良い。
また、上述した小型スピーカ7を1個に限らず、2個以上設ける場合にも適用することができる。
また、電子カメラユニットを付加して、撮影機能や、テレビ電話機能を持たせるようにしても良い。この場合、小型スピーカから受話音声の出力も可能なように構成しても良い。
また、小型スピーカから撮影時に擬似シャッタ音を発生させるようにしても良い。
また、小型スピーカを上側筐体(受話部を設けた側)に配置する場合について述べたが、これに限らず、下側筐体(送話部を設けた側)に配置しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0054】
携帯型電子機器としては、携帯電話機のほか、簡易型携帯電話(PHS)端末や、携帯情報端末(PDA)、携帯型のコンピュータに対して適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】この発明の一実施例である携帯電話機の上側ユニットの一部を拡大して示す拡大断面図である。
【図2】同携帯電話機の構成を示す斜視図であって、筐体が閉じた状態を示す図である。
【図3】同携帯電話機の構成を示す斜視図であって、筐体が開いた状態を示す図である。
【図4】同携帯電話機の構成を示すブロック図でる。
【図5】同上側ユニットのリアカバーの一部を裏面側から見た下面図である。
【図6】図5のA−A線に沿った断面図である。
【図7】同携帯電話機の音声出力部を構成する小型スピーカの斜視図である。
【図8】同小型スピーカをクッションを除いた状態で示す斜視図である。
【図9】同小型スピーカを裏面側から見た斜視図である。
【図10】同携帯電話機の組立方法を説明するための説明図である。
【図11】従来技術を説明するための説明図である。
【図12】従来技術を説明するための説明図である。
【図13】従来技術を説明するための説明図である。
【図14】従来技術を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0056】
1 携帯電話機(携帯型電子機器)
2 上側ユニット
3 下側ユニット
5 筐体
6 上側筐体
7 小型スピーカ
7a 開口部(第1の開口部)
7b 先端面
7c 爪部
7d 座面部
7e 接続端子
7f 天井面
8 音声出力部
12 下側筐体
21 フロントケース
22 リアカバー(保持部材)
22a 開口部(第2の開口部)
22b 傾斜面
22c フック部(保持部材の一部)
22d 圧接用リブ
22e 下面(裏面)
22f 案内リブ(壁部)
22g フック部(保持部材の一部)
25 クッション部材(遮音部材、可塑性部材、多孔質体)
28 小型スピーカ実装構造
【特許請求の範囲】
【請求項1】
小型スピーカが携帯型電子機器の筐体内に実装された小型スピーカ実装構造であって、
前記小型スピーカは、基板上に配置され、かつ、主として前記基板に略平行な方向に沿ってスピーカ音が放射される第1の開口部を有し、
前記筐体の前記第1の開口部と重なる位置には、前記スピーカ音の出口となる第2の開口部が設けられ、
前記筐体の裏面側には、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間を音響的に密に接合するように、前記小型スピーカを保持するための保持部材が設けられていることを特徴とする携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項2】
前記小型スピーカは、前記保持部材によって、少なくとも前記第2の開口部に向けて押圧された状態で保持されていることを特徴とする請求項1記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項3】
前記筐体は、扁平な外観形状を呈し、前記第2の開口部は、前記筐体の側面部に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項4】
前記第1の開口部の端面及び前記第2の開口部の内部側端面は、互いに略平行で共に前記基板に対して傾斜した傾斜面とされていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項5】
前記第1の開口部の端面及び前記第2の開口部の内部側端面は、前記基板に垂直な方向に沿って前記基板から離れるにしたがって、前記基板の内部側に近づく向きに傾斜するように形成されていることを特徴とする請求項4記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項6】
前記第1の開口部の端面と前記第2の開口部の内部側端面との間には音洩れを防止するための遮音部材が介挿されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項7】
前記遮音部材は、押圧されることによって変形する可塑性部材又は弾性部材からなることを特徴とする請求項6記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項8】
前記遮音部材は多孔質体からなることを特徴とする請求項7記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項9】
前記小型スピーカは、スピーカユニットがスピーカ収納体内に収納されてなり、該スピーカ収納体は、弾性部材からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項10】
前記小型スピーカは、前記保持部材によって、少なくとも、前記第1の開口部の端面が、前記第2の開口部の内部側端面に対向した状態で配置されるように、位置決めされた状態で保持されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項11】
前記小型スピーカは、前記保持部材によって、少なくとも、前記第1の開口部の端面が、前記第2の開口部の内部側端面に対向した状態で配置され、かつ、前記可塑性部材又は前記弾性部材が変形して、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間を音響的に密に接合するために、前記可塑性部材又は前記弾性部材が押圧されるように、位置決めされた状態で保持されていることを特徴とする請求項7、8又は9記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項12】
前記保持部材は、前記基板に前記小型スピーカを挟んで対向する前記筐体の裏面から垂下状態で形成され、前記小型スピーカの後端部を支持した状態で、弾性的変形によって前記小型スピーカを前記第2の開口部へ向けて押圧するフック部を有していることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項13】
前記基板に前記小型スピーカを挟んで対向する前記筐体の裏面には、前記小型スピーカの天井部の少なくとも一部を囲むように壁部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項14】
前記小型スピーカを前記筐体と前記基板との間に配置し、前記筐体と前記基板とを近づけるように、前記基板に垂直な方向に沿って締付力を加えた状態として前記携帯型電子機器を組み立てて、前記締付力によって、前記小型スピーカを、少なくとも前記第2の開口部に向けて押圧することを特徴とする請求項4乃至13のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項15】
前記小型スピーカは、底部にばね性を有する接続端子を有すると共に、前記接続端子が弾性変形した状態で前記基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続されるように前記基板上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項16】
前記小型スピーカは、前記保持部材によって、少なくとも、前記接続端子が前記基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続された状態で、前記基板上に配置されるように、位置決めされた状態で保持されていることを特徴とする請求項15記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項17】
小型スピーカが携帯型電子機器の扁平な形状の筐体内に実装された小型スピーカ実装構造であって、
前記小型スピーカは、基板上に配置され、かつ、主として前記基板に略平行な方向に沿ってスピーカ音が放射される第1の開口部を有し、
前記筐体の側面部の前記第1の開口部と重なる位置には、前記スピーカ音の出口となる第2の開口部が設けられ、
前記筐体の裏面側には、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間を音響的に密に接合するように、前記小型スピーカを少なくとも前記第2の開口部に向けて押圧しながら保持するための保持部材が設けられ、
前記小型スピーカは、底部にばね性を有する接続端子を有すると共に、前記接続端子が弾性変形した状態で前記基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続されるように前記基板上に配置され、
かつ、前記第1の開口部の端面及び前記第2の開口部の内部側端面は、互いに略平行で、共に、前記基板に垂直な方向に沿って前記基板から離れるにしたがって、前記基板の内部側に近づく向きに前記基板に対して傾斜した傾斜面とされ、
前記第1の開口部の端面と前記第2の開口部の内部側端面との間には音洩れを防止するための多孔質体からなる遮音部材が介挿され、
前記保持部材は、前記基板に前記小型スピーカを挟んで対向する前記筐体の裏面から垂下状態で形成され、前記小型スピーカの後端部を支持した状態で、弾性的変形によって前記小型スピーカを前記第2の開口部へ向けて押圧するフック部を有し、
前記小型スピーカは、前記保持部材によって、少なくとも、前記第1の開口部の端面が、前記第2の開口部の内部側端面に対向した状態で配置され、前記遮音部材が変形して、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間を音響的に密に接合するために、前記遮音部材が押圧されるように、かつ、前記接続端子が前記基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続された状態で、前記基板上に配置されるように、位置決めされた状態で保持されている
ことを特徴とする携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造を備えたことを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項1】
小型スピーカが携帯型電子機器の筐体内に実装された小型スピーカ実装構造であって、
前記小型スピーカは、基板上に配置され、かつ、主として前記基板に略平行な方向に沿ってスピーカ音が放射される第1の開口部を有し、
前記筐体の前記第1の開口部と重なる位置には、前記スピーカ音の出口となる第2の開口部が設けられ、
前記筐体の裏面側には、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間を音響的に密に接合するように、前記小型スピーカを保持するための保持部材が設けられていることを特徴とする携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項2】
前記小型スピーカは、前記保持部材によって、少なくとも前記第2の開口部に向けて押圧された状態で保持されていることを特徴とする請求項1記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項3】
前記筐体は、扁平な外観形状を呈し、前記第2の開口部は、前記筐体の側面部に設けられていることを特徴とする請求項1又は2記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項4】
前記第1の開口部の端面及び前記第2の開口部の内部側端面は、互いに略平行で共に前記基板に対して傾斜した傾斜面とされていることを特徴とする請求項1、2又は3記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項5】
前記第1の開口部の端面及び前記第2の開口部の内部側端面は、前記基板に垂直な方向に沿って前記基板から離れるにしたがって、前記基板の内部側に近づく向きに傾斜するように形成されていることを特徴とする請求項4記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項6】
前記第1の開口部の端面と前記第2の開口部の内部側端面との間には音洩れを防止するための遮音部材が介挿されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項7】
前記遮音部材は、押圧されることによって変形する可塑性部材又は弾性部材からなることを特徴とする請求項6記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項8】
前記遮音部材は多孔質体からなることを特徴とする請求項7記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項9】
前記小型スピーカは、スピーカユニットがスピーカ収納体内に収納されてなり、該スピーカ収納体は、弾性部材からなることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項10】
前記小型スピーカは、前記保持部材によって、少なくとも、前記第1の開口部の端面が、前記第2の開口部の内部側端面に対向した状態で配置されるように、位置決めされた状態で保持されていることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項11】
前記小型スピーカは、前記保持部材によって、少なくとも、前記第1の開口部の端面が、前記第2の開口部の内部側端面に対向した状態で配置され、かつ、前記可塑性部材又は前記弾性部材が変形して、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間を音響的に密に接合するために、前記可塑性部材又は前記弾性部材が押圧されるように、位置決めされた状態で保持されていることを特徴とする請求項7、8又は9記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項12】
前記保持部材は、前記基板に前記小型スピーカを挟んで対向する前記筐体の裏面から垂下状態で形成され、前記小型スピーカの後端部を支持した状態で、弾性的変形によって前記小型スピーカを前記第2の開口部へ向けて押圧するフック部を有していることを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項13】
前記基板に前記小型スピーカを挟んで対向する前記筐体の裏面には、前記小型スピーカの天井部の少なくとも一部を囲むように壁部が形成されていることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項14】
前記小型スピーカを前記筐体と前記基板との間に配置し、前記筐体と前記基板とを近づけるように、前記基板に垂直な方向に沿って締付力を加えた状態として前記携帯型電子機器を組み立てて、前記締付力によって、前記小型スピーカを、少なくとも前記第2の開口部に向けて押圧することを特徴とする請求項4乃至13のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項15】
前記小型スピーカは、底部にばね性を有する接続端子を有すると共に、前記接続端子が弾性変形した状態で前記基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続されるように前記基板上に配置されていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項16】
前記小型スピーカは、前記保持部材によって、少なくとも、前記接続端子が前記基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続された状態で、前記基板上に配置されるように、位置決めされた状態で保持されていることを特徴とする請求項15記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項17】
小型スピーカが携帯型電子機器の扁平な形状の筐体内に実装された小型スピーカ実装構造であって、
前記小型スピーカは、基板上に配置され、かつ、主として前記基板に略平行な方向に沿ってスピーカ音が放射される第1の開口部を有し、
前記筐体の側面部の前記第1の開口部と重なる位置には、前記スピーカ音の出口となる第2の開口部が設けられ、
前記筐体の裏面側には、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間を音響的に密に接合するように、前記小型スピーカを少なくとも前記第2の開口部に向けて押圧しながら保持するための保持部材が設けられ、
前記小型スピーカは、底部にばね性を有する接続端子を有すると共に、前記接続端子が弾性変形した状態で前記基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続されるように前記基板上に配置され、
かつ、前記第1の開口部の端面及び前記第2の開口部の内部側端面は、互いに略平行で、共に、前記基板に垂直な方向に沿って前記基板から離れるにしたがって、前記基板の内部側に近づく向きに前記基板に対して傾斜した傾斜面とされ、
前記第1の開口部の端面と前記第2の開口部の内部側端面との間には音洩れを防止するための多孔質体からなる遮音部材が介挿され、
前記保持部材は、前記基板に前記小型スピーカを挟んで対向する前記筐体の裏面から垂下状態で形成され、前記小型スピーカの後端部を支持した状態で、弾性的変形によって前記小型スピーカを前記第2の開口部へ向けて押圧するフック部を有し、
前記小型スピーカは、前記保持部材によって、少なくとも、前記第1の開口部の端面が、前記第2の開口部の内部側端面に対向した状態で配置され、前記遮音部材が変形して、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間を音響的に密に接合するために、前記遮音部材が押圧されるように、かつ、前記接続端子が前記基板上の所定の部位に形成された接点に電気的に接続された状態で、前記基板上に配置されるように、位置決めされた状態で保持されている
ことを特徴とする携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造。
【請求項18】
請求項1乃至17のいずれか1に記載の携帯型電子機器における小型スピーカ実装構造を備えたことを特徴とする携帯型電子機器。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−19980(P2006−19980A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194929(P2004−194929)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】
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