説明

携帯型電子機器のケース

【課題】電子機器の出し入れ作業を容易化しながら、電子機器が必要時以外に出てしまうことを防止でき、且つ、操作スティックにかかる負荷を軽減し易くする形状のケースを提供する。
【解決手段】電子機器は、サイドカバー部22とメインカバー部21との間を通してメインカバー部21によって形成される袋に入れられ、電子機器の操作スティック9が設けられた部分はサイドカバー部22によって構成される蓋に収容される。サイドカバー部22の蓋縁22aの上端22bは、ケース1の中心線C1から、その下端22cよりも離れて位置している。メインカバー部21の袋縁21aは、上端21bから下端21cに向けて、ケース1の中心線C1に近づくように形成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、伸縮性を有する材料で形成された、携帯型電子機器のケースに関する。
【背景技術】
【0002】
表示画面と、表示画面の右側又は左側の少なくとも一方側に配置される操作スティックとを前面に有する携帯型電子機器が利用されている(例えば、下記特許文献1)。操作スティックは電子機器の前面から突出するように配置されている。従来、電子機器を保護するために、伸縮性を有する材料で形成された専用のケースが利用される場合がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】米国特許出願公開2007/0202956号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところが、電子機器に合致したサイズを有するケースを利用する場合、ケースの形状によっては、電子機器の収納時に操作スティックが傾いた状態やスライドした状態で、ケース内で維持されてしまう場合がある。これは操作スティックの支持機構にとって好ましくない。
【0005】
本発明の目的は、電子機器の出し入れ作業を容易化しながら、電子機器が必要時以外に出てしまうことを防止でき、且つ、操作スティックにかかる負荷を軽減し易くする形状のケースを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係るケースは、表示画面と当該表示画面の右側又は左側の一方側に設けられた操作スティックとを前面に備える携帯型電子機器を収容するためのケースである。前記ケースは伸縮性を有する。前記ケースは前記電子機器の背面を覆うためのバックカバー部と、前記電子機器の前面を覆うためのフロントバー部と、を含む。前記フロントカバー部は、前記電子機器の前記一方側の部分の前面を覆うためのサイドカバー部と、前記電子機器の残部の前面を覆うためのメインカバー部と、を含む。前記メインカバー部は、前記電子機器の前記残部を収容可能で且つ前記メインカバー部と前記サブカバー部との間を通して前記電子機器を出し入れ可能な袋を前記バックカバー部とともに形成する。また、前記メインカバー部は前記袋の縁として袋縁を有する。前記サイドカバー部は前記電子機器の前記一方側の部分を収容可能な蓋を前記バックカバー部とともに形成する。また、前記サイドカバー部は前記メインカバー部に重なる縁である蓋縁を有する。前記蓋縁の一方の端部は、前記袋への出し入れ方向における前記ケースの中心線から、当該蓋縁の他方の端部よりも離れて位置する。前記袋縁の一方の端部は、前記袋への出し入れ方向において、当該袋縁の他方の端部よりも前記ケースの前記中心線から離れて位置し、前記袋縁は、前記一方の端部から前記他方の端部に向けて、前記ケースの前記中心線に近づくように形成されている。
【0007】
本発明によれば、電子機器の出し入れ作業を容易化しながら、電子機器が必要時以外に出てしまうことを防止でき、且つ、操作スティックにかかる負荷を軽減し易くなる。つまり、本発明では、サイドカバー部とメインカバー部との間を通して電子機器をメインカバー部によって構成される袋に入れ、また、電子機器の一方側を蓋に収容するので、必要時以外に電子機器がケースから出ることを防ぐことができる。また、蓋縁の一方の端部は、袋への出し入れ方向におけるケースの中心線から、他方の端部よりも離れて位置しているので、2つの端部が中心線から等距離に位置している構造に比べて、電子機器の出し入れを容易化できる。さらに、袋縁は、その一方の端部から他方の端部に向けて、ケースの中心線に近づくように形成されているので、袋縁が操作スティックに当らないようにする設計が容易になる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係るケースの正面図である。
【図2】上記ケースに電子機器を入れる過程を示す正面図である。
【図3】上記ケースに電子機器を収納した状態でのケースの正面図である。
【図4】図3に示すIV−IV線を切断面とするケースの断面図である。
【図5】上記ケースに挿入された電子機器の下面を臨む底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は本発明の一実施形態に係るケース1の正面図である。図2はケース1に電子機器90を入れる過程を示す正面図である。図3はケース1に電子機器90を収納した状態でのケース1の正面図である。図4は図3に示すIV−IV線を切断面とするケース1の断面図である。図5はケース1に挿入された電子機器90の下面を臨む底面図である。
【0010】
以下の説明では、図1においてX1,X2で示す方向がそれぞれ左方向,右方向であり、Z1,Z2で示す方向がそれぞれ上方,下方である。また、図4においてY1,Y2で示す方向がそれぞれ前方,後方である。
【0011】
図2に示すように、この例の電子機器90は左右方向に細長い略直方体の機器である。電子機器90はその前面に表示画面91を有している。また、この例の電子機器90はゲーム装置や、動画像再生装置、通信装置として機能する装置であり、表示画面91の左右にユーザが操作可能な複数の操作部材を有している。具体的には、表示画面91の右側には複数の操作ボタン92Aと、操作スティック92Bとが配置されている。また、表示画面91の左側には十字キー92Cと、操作スティック92Dとが配置されている。これらの操作部材92A〜92Dは電子機器90の前面から突出している。操作スティック92B,92Dは電子機器90の前面から突出する軸部92aを有し(図4参照)、上下方向や左右方向など軸部92aの半径方向に傾けたり、傾けた状態で周方向に回転させることができる。また、操作スティック92B,92Dは軸部92aの半径方向にスライド可能であってもよい。操作スティック92B,92Dの突出高さは、操作ボタン92Aや十字キー92Cよりも大きい。
【0012】
ケース1は電子機器90を収納するためのケースである。ケース1と電子機器90は、ケース1が電子機器90を収納した状態で1つの装置を構成してもよい。ケース1は、図1及び図4に示すように、電子機器90の背面を覆うためのバックカバー部2と、電子機器90の前面を覆うためのフロントカバー部20とを有している。これら2つのカバー部2,20は伸縮性を有するシート状部材である。例えば、カバー部2,20は、伸縮性に加えて可撓性及びクッション性を有するゴム(例えばクロロプレンゴム)などをその材料とする。カバー部2,20は電子機器90に対応した形状を有している。この例の電子機器90は、弧状に湾曲した側面90aを有しており(図2参照)、ケース1の左縁及び右縁も弧状に湾曲している。また、ケース1は電子機器90に対応したサイズを有している。具体的には、カバー部2,20のサイズは、ケース1の正面視で、電子機器90よりも僅かに小さく設定されている。そのため、電子機器90の収納時には、カバー部2,20は僅かに伸張している。
【0013】
フロントカバー部20は、図1及び図4に示すように、サイドカバー部22とメインカバー部21とによって構成されている。サイドカバー部22は、操作スティック92Bが設けられた電子機器90の右側部分の前面を覆うことができる。メインカバー部21は電子機器90の残部の前面、すなわち電子機器90の左側部分の前面と表示画面91とを覆うことができる。そのため、メインカバー部21はサイドカバー部22よりも大きな左右方向の幅を有している。
【0014】
メインカバー部21は、図4に示すように、電子機器90の残部、すなわち電子機器90の右側部分以外の部分を収容可能な袋Aをバックカバー部2とともに形成している(以下において電子機器90の残部を袋被収容部90A(図2参照)とする)。一方、サイドカバー部22は電子機器90の右側部分を収容可能な蓋Bをバックカバー部2とともに形成している。図2に示すように、袋Aにはメインカバー部21とサイドカバー部22との間を通して電子機器90を出し入れできる。すなわち、電子機器90を入れる時には、サイドカバー部22をメインカバー部21に対して後方に曲げて、サイドカバー部22とメインカバー部21との間を広げ、袋Aの入り口を露出させる。そして、その入り口から電子機器90の袋被収容部90Aを袋Aに挿入する。その後、サイドカバー部22の伸縮性を利用して、サイドカバー部22を電子機器90の右側部分に被せる。電子機器90の取り出し時は、サイドカバー部22の伸縮性を利用しながら、サイドカバー部22をメインカバー部21に対して後方に曲げて、蓋Bから電子機器90の右側部分を露出させる。その後、電子機器90を袋Aから取り出す。
【0015】
図1及び図4に示すように、メインカバー部21は、袋Aの開口縁として機能する袋縁21aを有している。サイドカバー部22はメインカバー部21に重なる縁である蓋縁22aを有している。すなわち、蓋縁22aはメインカバー部21の前面側に位置している。蓋縁22aをメインカバー部21に重ねることにより、電子機器90の前面の全域を覆うことができる。また、これら袋縁21aと蓋縁22aとの間を広げることにより、上述したように袋Aに電子機器90を入れたり、袋Aから電子機器90を取り出すことができる。
【0016】
なお、メインカバー部21の袋縁21a以外の縁はバックカバー部2の外縁に接続されている。また、サイドカバー部22の蓋縁22a以外の縁もバックカバー部2の外縁に接続されている。この例では、メインカバー部21とサイドカバー部22とバックカバー部2は、ケース1の製造前では互いに独立したシート状部材であり、メインカバー部21の縁とサイドカバー部22の縁はバックカバー部2の外縁に縫い合わされている。この例のケース1では、カバー部2,21,22の縁にはバイアステープ3が設けられている。なお、図1ではバイアステープ3を縫合する糸3aが示されている。
【0017】
図1に示すように、蓋縁22aの一方の端部(この例では、上端)22bは、袋Aへの電子機器90の出し入れ方向(この例では左右方向)におけるケース1の中心線C1から、他方の端部(この例では下端)22cよりも離れて位置している(以下では電子機器90の出し入れ方向を単に左右方向と称する)。そのため、サイドカバー部22の上側部分は、電子機器90との重なり幅、すなわち左右方向における幅W1が小さくなる。その結果、サイドカバー部22を電子機器90の右側部分に被せたり、サイドカバー部22から電子機器90の右側部分を露出させ易くなる。なお、ここで中心線C1は、電子機器90の出し入れ方向におけるケース1の中心を通り、且つケース1を含む平面と平行な直線である。
【0018】
この例の蓋縁22aは概ね直線的に形成され、左右方向に対して傾斜している。そのため、ケース1の左右方向の端部を通り、中心線C1と平行な直線L1と蓋縁22aとの距離D1は上方に向かって徐々に小さくなっている。
【0019】
この例のケース1の外周縁は、図1に示すように、電子機器90の形状に合わせて、電子機器90の長手方向に直線的に形成された直線部1aと、湾曲部1bとを有している。蓋縁22aの上端22bは直線部1aと湾曲部1bとの境に位置している。そのため、上端22bが直線部1aに位置する形状に比べて、サイドカバー部22を電子機器90の右側部分に被せたり、サイドカバー部22から電子機器90の右側部分を露出させる作業が容易になる。
【0020】
なお、この例の電子機器90は上述したように湾曲した側面90aを有している。電子機器90のこのような形状によれば、サイドカバー部22を電子機器90の右側部分に被せる作業や、サイドカバー部22を電子機器90の右側部分から外す作業が容易となる。また、この例の電子機器90の背面は、図4に示すように、その外周部90cで湾曲している。背面のこのような形状によれば、サイドカバー部22を電子機器90の右側部分に被せる作業がさらに容易となる。
【0021】
メインカバー部21の袋縁21aは、図1に示すように、サイドカバー部22によって覆われている。袋縁21aの一方の端部(蓋縁22aの上記一方の端部22bと重なる端部)は、他方の端部よりも、ケース1の中心線C1から離れて位置している。この例の電子機器90は、電子機器90の上下方向の中心線C2よりも下側に、操作スティック92Bを有している(図2参照)。そこで、この例では、袋縁21aの上端21bが下端21cよりもケース1の中心線C1から離れて位置している。換言すると、下端21cは上端21bよりも中心線C1寄りに位置している。そして、袋縁21aは上端21bから下端21cに向けて、ケース1の中心線C1に近づくように形成されている。上述したように、蓋縁22aの上端22bも下端22cに比べて中心線C1から離れて位置している。このような蓋縁22aと袋縁21aの形状によれば、電子機器90の出し入れの容易化及び電子機器90の前面の保護を図りながら、袋縁21aが操作スティック92Bに当らないようにケース1を設計し易くなる(図3参照)。この例では、図1に示すように、蓋縁22aの上端22bは袋縁21aの上端21bよりもケース1の中心線C1寄りに位置している。すなわち、サイドカバー部22は袋縁21aの上端21bを覆っている。電子機器90の前面の露出を抑えやすくなる。
【0022】
図1に示すように、袋縁21aは、その下側部分に、ケース1の中心線C1に向かって湾曲した湾曲部21dを有している。袋縁21aのこのような形状によれば、袋縁21aが操作スティック92Bに当らない設計がさらに容易になる。また、袋縁21aをこのように湾曲部21dで湾曲させることにより、左右方向に延伸する後述する延伸部21fを袋縁21aに設けることができる。
【0023】
図3及び図4に示すように、袋縁21aの湾曲部21dは、電子機器90の収納時において、操作スティック92Bよりもケース1の中心線C1寄りに位置している。そのため、操作スティック92Bが袋縁21aによって右方向に傾けられることを防ぐことができる。なお、電子機器90には、上述したように、表示画面91の左側に位置する操作スティック92Dが設けられている。電子機器90の収納時には、操作スティック92Dはメインカバー部21によって覆われる。その際、メインカバー部21から操作スティック92Dに作用する力の大部分は、操作スティック92Dを電子機器90に向けて押す力であり、操作スティック92Dを傾けようとする力は限られる。
【0024】
図1に示すように、サイドカバー部22は、メインカバー部21との重なり幅W2を有している。蓋縁22aの中央部(すなわち上下方向での中央部)での重なり幅は、蓋縁22aの上端22bでの重なり幅よりも大きい。サイドカバー部22とメインカバー部21のこのような配置によれば、電子機器90の収納時においても、重なり幅W2が解消されることを防ぎやすくなる。つまり、蓋縁22aの上端22bと下端22cはバックカバー部2の縁に接続されている。蓋縁22aの中央部は上端22bや下端22cから離れて位置している。電子機器90の収容時、サイドカバー部22が電子機器90の厚さに起因して伸張することにより、蓋縁22aの中央部の位置は袋縁21aに対して右方向に相対的に動き、重なり幅W2が減少する(図3参照)。この例では、蓋縁22aの中央部での重なり幅は、蓋縁22aの上端22bでの重なり幅よりも大きいので、重なり幅が解消され電子機器90の前面が露出することを、防ぎやすくなる。
【0025】
特にこの例では、蓋縁22aと袋縁21aは、重なり幅W2が上端22b,21bから下端22c,21cに向かって徐々に大きくなるように形成されている。この例では、重なり幅W2の増大は、図1に示すように、上端22b,21bから、上下方向の中心線C2よりも下側の領域まで続いている。この例では、重なり幅W2のこのように増大させるために、蓋縁22aは、中心線C1に沿った方向、すなわち上下方向に対して、袋縁21aよりも大きく傾斜している。
【0026】
図1に示すように、袋縁21aの下端21cと蓋縁22aの下端22cとの間には左右方向の隙間G1が設けられている。すなわち、袋縁21aの下端21cは蓋縁22aの下端22cよりもケース1の中心線C1寄りに位置している。この隙間Gにより、蓋縁22aと袋縁21aとバックカバー部2の縁とで囲まれる開口Eが形成されている。この開口Eは、電子機器90の収納時には、図5に示すように、下方に向き、この開口Eを通して電子機器90の下面の一部を露出させることができる。この例では、電子機器90の下面には、コネクタ95が設けられており、開口Eを通してコネクタ95を露出させることができる。なお、コネクタ95は、例えば、ヘッドホンジャックである。また、コネクタ95は電子機器90の充電用コネクタでもよい。
【0027】
上述したように、袋縁21aは湾曲部21dを有している。袋縁21aは、図1に示すように、湾曲部21dにおいてケース1の中心線C1に向かって湾曲し、その後、中心線C1に向かって左右方向に伸びている。すなわち、袋縁21aは湾曲部21dの終端と下端21cとの間に、左右方向に伸びる延伸部21fを有している。このような延伸部21fによれば、開口Eの左右方向での幅、すなわち隙間Gを確保し易くなる。その結果、ケース1内で電子機器90の位置が動いた場合であっても、確実にコネクタ95を露出させることができる。また、上述したように、電子機器90の収納時にはサイドカバー部22とメインカバー部21との重なり幅W2は、非収納時よりも小さくなる。袋縁21aに延伸部21fを設けることにより、重なり幅W2の減少による電子機器90の前面の下側の露出を、防ぐことができる。
【0028】
湾曲部21dの終端の位置は、電子機器90の収納時に、終端が電子機器90の下縁に位置するように設定されている。換言すると、バックカバー部21の外縁と延伸部21fとの間の隙間G2は、電子機器90の収納時に、延伸部21fが電子機器90の下縁に沿って位置するように設定されている(図3参照)。そのため、図3に示すように、電子機器90の収納時に、ケース1の正面視では、開口Eは露出しない。その結果、コネクタ95を下方に露出させながら、電子機器90の前面の全域を保護することができる。
【0029】
以上説明したように、ケース1によれば、サイドカバー部22とメインカバー部21との間を通して電子機器90を袋Aに入れ、また、電子機器90の右側部分を蓋Bに収容するので、必要時以外に電子機器90がケース1から出ることを防ぐことができる。また、蓋縁22aの上端22bは、左右方向におけるケース1の中心線C1から、下端22cよりも離れて位置しているので、2つの端部22b,22cが中心線C1から等距離に位置している構造に比べて、電子機器90の出し入れを容易化できる。さらに、袋縁21aは、上端21bから下端21cに向けて、ケース1の中心線C1に近づくように形成されているので、袋縁21aが操作スティック92Bに当らないようにする設計が容易になる。
【0030】
また、ケース1では、蓋縁22aの上端22bは袋縁21aの上端21bよりもケース1の中心線C1寄りに位置している。そのため、電子機器90の前面の露出を抑えやすくなる。
【0031】
また、サイドカバー部22とメインカバー部21との重なり幅W2は、上端22b,21bよりも縁21a,22aの中央部で大きくなっている。サイドカバー部22とメインカバー部21のこのような配置によれば、電子機器90の収納時に電子機器90の前面が露出し難くなる。
【0032】
また、袋縁21aは、下端21c側に、ケース1の中心線C1に向かって湾曲する湾曲部21dを有している。この形状によれば、袋縁21aが操作スティック92Bに当らないようにする設計がさらに容易になる。
【0033】
また、以上の説明では、袋縁21aの下端21cと蓋縁22aの下端22cとの間には隙間G1が設けられている。この構造によれば、電子機器90の下側部分に設けられ且つ電子機器90の収納時においても使用可能な部品を、外部に露出させることができる。以上の説明では、電子機器90の下面に設けられたコネクタ95を露出させることができる。また、袋縁21aの下端21cと蓋縁22aの下端22cとの間には隙間G1が設けられる一方で、蓋縁22aの上端22bは袋縁21aの上端21bよりもケース1の中心線C1寄りに位置しているので、不要な部分の露出を防ぐことができる。
【0034】
また、袋縁21aは、湾曲部21dにおいてケース1の中心線C1に向かって湾曲し、その後、中心線C1に向けて左右方向に伸びている。この構造によれば、コネクタ95を露出させるための開口Eの幅を確保し易くなる。
【0035】
また、袋縁21aは、電子機器90の収納時において、操作スティック92Bよりもケース1の中心線C1寄りに位置している。これによれば、袋縁21aが操作スティック92Bを押すことを防ぐことができる。
【0036】
なお、本発明は以上説明したケース1に限られず、種々の変更が可能である。
【0037】
例えば、以上の説明では、蓋縁22aは直線的に形成されていた。しかしながら、蓋縁22aは、例えば、メインカバー部21に向かって膨らむように湾曲してもよい。
【0038】
また、以上の説明では、メインカバー部21はバックカバー部2に縫い合わされ、サイドカバー部22もバックカバー部2に縫い合わされていた。しかしながら、メインカバー部21とバックカバー部2は1枚のシート状部材から構成されてもよい。また、サイドカバー部22とバックカバー部2とが1枚のシート状部材から構成されてもよい。
【0039】
また、以上の説明では、蓋縁22aの下端22cと袋縁21aの下端21cとの間には隙間G1が設けられていた。しかしながら、この隙間G1は必ずしも設けられていなくてもよい。
【符号の説明】
【0040】
1 ケース、2 バックカバー、3 バイアステープ、A 袋、B 蓋、E 開口、G 隙間、20 フロントカバー部、21 メインカバー部、21a 袋縁、21b 上端、21c 下端、21d 湾曲部、21f 延伸部、22 サイドカバー部、22a 蓋縁、22b 上端、22c 下端、90 電子機器、90A 残部、91 表示画面、92B,92D 操作スティック、95 コネクタ、C1 出し入れ方向(左右方向)の中心線、C2 上下方向の中心線。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面と当該表示画面の右側又は左側の一方側に設けられた操作スティックとを前面に備える携帯型電子機器を収容するための、伸縮性を有するケースであって、
前記電子機器の背面を覆うためのバックカバー部と、
前記電子機器の前面を覆うためのフロントバー部と、を含み、
前記フロントカバー部は、前記電子機器の前記一方側の部分の前面を覆うためのサイドカバー部と、前記電子機器の残部の前面を覆うためのメインカバー部と、を含み、
前記メインカバー部は、前記電子機器の前記残部を収容可能で且つ前記メインカバー部と前記サブカバー部との間を通して前記電子機器を出し入れ可能な袋を前記バックカバー部とともに形成し、前記袋の縁である袋縁を有し、
前記サイドカバー部は前記電子機器の前記一方側の部分を収容可能な蓋を前記バックカバー部とともに形成し、前記メインカバー部に重なる縁である蓋縁を有し、
前記蓋縁の一方の端部は、前記袋への出し入れ方向における前記ケースの中心線から、当該蓋縁の他方の端部よりも離れて位置し、
前記袋縁の一方の端部は、前記袋への出し入れ方向において、当該袋縁の他方の端部よりも前記ケースの前記中心線から離れて位置し、
前記袋縁は、前記一方の端部から前記他方の端部に向けて、前記ケースの前記中心線に近づくように形成されている、
ことを特徴とするケース。
【請求項2】
請求項1に記載のケースにおいて、
前記蓋縁の前記一方の端部は前記袋縁の前記一方の端部よりも前記ケースの前記中心線寄りに位置している、
ことを特徴とするケース。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のケースにおいて、
前記サイドカバー部と前記メインカバー部との重なり幅は、前記2つの縁の前記一方の端部よりも前記2つの縁の中央部で大きくなっている、
ことを特徴とするケース。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のケースにおいて、
前記袋縁は、前記他方の端部側の部分に、前記ケースの前記中心線に向かって湾曲する湾曲部を有している、
ことを特徴とするケース。
【請求項5】
請求項2乃至4のいずれかに記載のケースにおいて、
前記袋縁の前記他方の端部と前記蓋縁の前記他方の端部との間には隙間が設けられている、
ことを特徴とするケース。
【請求項6】
請求項5に記載のケースにおいて、
前記袋縁は、前記湾曲部において前記ケースの前記中心線に向かって湾曲し、その後、前記中心線に向かって前記袋への出し入れ方向に伸びている、
ことを特徴とするケース。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載のケースにおいて、
前記袋縁は、前記電子機器の収納時において、前記操作スティックよりも前記ケースの中心線寄りに位置している、
ことを特徴とするケース。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2012−253290(P2012−253290A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126790(P2011−126790)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【特許番号】特許第4955826号(P4955826)
【特許公報発行日】平成24年6月20日(2012.6.20)
【出願人】(310021766)株式会社ソニー・コンピュータエンタテインメント (417)
【Fターム(参考)】