説明

携帯型電子機器及びその制御方法

【課題】複数の機能を備える電子機器において、機能の切替に関して操作者の利便性の高い電子機器を提供すること。
【解決手段】電子機器は、第1機能及び第2機能を実行する制御部と、表示部と、表示部又は電子機器の向きの変化又は回転を検知するセンサ部と、を備える。表示部が第1機能を表示している際に、センサ部が表示部の向きの変化又は回転を検知した場合、制御部は、表示部に表示する機能を第1機能から第2機能に切り替える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機等の表示画面を備える携帯型電子機器及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
多機能型の電子機器、例えば携帯電話機は、通常、縦横比の異なる矩形状の表示画面を有している。操作者は、使用する機能に応じて、長手方向が表示の上下方向となる縦長表示画面(以下「縦画面」という)と、長手方向が表示の左右方向となる横長表示画面(以下「横画面」という)を使い分けている。例えば、キーボタンと表示画面が分かれている折畳み式携帯電話機においては、操作者は、キー操作をしながら表示画面を見る場合には縦画面で使用し、テレビ視聴をする場合には横画面で使用することがある。
【0003】
特許文献1には、端末本体の向きを変えることにより縦長・横長に画面表示が切り替えられる携帯端末が開示されている。特許文献1に記載の携帯端末は、操作部を有する主ユニットと、表示部を有する副ユニットと、主ユニットと副ユニットを一体収納、もしくは主ユニットと副ユニットを開閉自在に結合するヒンジで一体構造とし、副ユニットに表示部の表示画面と平行に上下方向を検知するセンサー部を設け、センサー部で検知した下方向を表示画面の下側となるように表示の向きを制御している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−229490号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
以下の分析は、本発明の観点から与えられる。
【0006】
携帯電話機においては、画面の大きさに制約があるので、1つの機能が表示画面を使用している場合、他の機能がその表示画面を共用することは困難である。例えば、横画面でテレビを視聴しているときに、メール(E−mail)を受信すると、LED等の発光や表示画面へのテロップ表示又はアイコン表示によって、テレビ視聴中であってもメール受信があったことは知らせることができる。しかしながら、携帯電話機の表示画面の大きさの制約上、テレビ画像とメール内容とを同時に表示することは困難である。
【0007】
そこで、操作者は、受信メールの内容を確認するためには、表示画面を横画面状態から縦画面状態にした上で、キー操作によってテレビ機能を中止又は停止した後、メール機能を立ち上げる必要があった。
【0008】
そして、受信メールの内容を確認した後、テレビ視聴を再開する場合には、メール機能を終了するキー操作をした後、テレビ機能を再度立ち上げるキー操作又はテレビ機能の停止を解除するキー操作が必要であった。さらに、表示画面を縦画面状態から横画面状態に戻す必要があった。
【0009】
したがって、1つの機能が表示画面を使用している場合に、使用する機能を切り替えて他の機能が表示画面を使用するようにするためには、煩わしいキー操作が必要であった。
【0010】
特許文献1に記載の携帯端末は、画面方向を切り替えるだけであり、機能の切り替えをすることはできていない。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1視点によれば、第1機能が表示部を使用しているときに、表示部の向きが変化した場合に、表示部を使用する機能を第1機能から第2機能へ切り替える制御部を備える電子機器が提供される。
【0012】
本発明の第2視点によれば、第1機能及び第2機能を実行する制御部と、表示部と、表示部又は電子機器の向きの変化又は回転を検知するセンサ部と、を備える電子機器が提供される。表示部が第1機能を表示している際に、センサ部が表示部の向きの変化又は回転を検知した場合、制御部は、表示部に表示する機能を第1機能から第2機能に切り替える。
【0013】
本発明の第3視点によれば、第1機能を表示部に表示する工程と、第1機能が表示部を使用中に、表示部の向きの変化又は回転を検知したとき、表示部に表示する機能を第1機能から第2機能に切り替える工程と、を含む電子機器の制御方法が提供される。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、以下の効果のうち少なくとも1つを有する。
【0015】
本発明においては、第1機能(例えばテレビ機能や動画再生機能)を実行中に表示部の向きを変えるだけで、表示部の表示を第1機能から第2機能(例えばメール機能)に切り替わる。これにより、表示する機能を切り替えるためのキー操作が不要となるか、又はキー操作回数が削減され、操作者の利便性を向上させることができる。
【0016】
特に、第1機能と第2機能とで表示に適した表示部の向きが異なる場合に、第1機能に適した向きから第2機能に適した向きへ表示部の向きを変える動作を機能切替手段としても利用することができる。これにより、操作者が機能切替時に要する動作が削減され、操作者の利便性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電子機器の概略ブロック図。
【図2】本発明の第1実施形態に係る電子機器の動作及び制御方法の一例を説明するためのフローチャート。
【図3】本発明の第1実施形態に係る電子機器の動作及び制御方法の一例を説明するための電子機器の概略平面図。
【図4】本発明の第2実施形態に係る電子機器の動作及び制御方法の一例を説明するためのフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本発明の第1実施形態に係る電子機器について説明する。本発明の電子機器は、例えば、多機能を有する携帯型電子機器である。特に、複数の機能において、機能毎に表示画面を使用する好適な向きが異なっている。以下、本発明の第1実施形態に係る電子機器について、携帯電話機を例にして説明する。
【0019】
図1に、本発明の第1実施形態に係る電子機器の概略ブロック図を示す。電子機器100は、表示部10と、制御部20と、センサ部30と、機能部40と、を備える。
【0020】
表示部10は、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)等の表示機構を有する。表示部10は、タッチパネル式であってもよい。表示部10の形状は、矩形、円形、楕円形等種々の形状を選択することができる。表示部10が矩形である場合、縦横比が1以外となっているもの(すなわち長方形)でもよいし、1であるもの(すなわち正方形)であってもよい。
【0021】
表示部10は、表示可能な方向を複数有すると好ましい。例えば、表示部10が矩形である場合、長手方向が水平方向であるとき(第1方向)と長手方向が鉛直方向であるとき(第2方向)であるとき、表示部10は、それぞれの状態において利用できると好ましい。また、表示部10は、例えば90°回転毎に表示の切替が可能であってもよい。
【0022】
表示部10の向きを変える場合、電子機器100全体の向きを変えることによって表示部10の向きを変えるものであってもよいし、電子機器100全体の向きは変えずに表示部10のみの向きを変更(回転)することにより表示部10の向きを変えるものであってもよい。
【0023】
制御部20は、例えば、CPU(Central Processing Unit)等の情報処理機構を有する。制御部20は、電子機器の各機能を実行(開始、終了、切替等含む)し、制御するものである。すなわち、制御部20は、各機構の作動を制御する。制御部20は、各機能を表示部10に表示する。
【0024】
表示部10が表示可能な方向を複数有する場合、制御部20は、表示部10の向きに応じて各機能を表示部に表示すると好ましい。例えば、表示部10が矩形である場合、操作者(ユーザ)が表示部10を横画面状態で使用するときには、表示内容の左右方向(例えば文字の左右方向)が表示部10の長手方向と一致するように表示し、操作者が表示部10を縦画面状態で使用するときには、表示内容の上下方向(例えば文字の上下方向)が表示部10の長手方向と一致するように表示すると好ましい。
【0025】
センサ部30は、表示部10の向き(方向)や回転を検知するものである。また、センサ部30は、電子機器100自体の向きや回転により表示部10の向きや回転を検知するものであってもよい。センサ部30は、例えば、電子機器100又は表示部10の向きを検知する加速度センサ(重力センサ)等の方向検知機構、電子機器100又は表示部10の回転を検知する回転検知機構等の検知機構のうち少なくとも1つを有する。また、表示部10のみの向きを変更可能な(表示部10のみを回転可能な)電子機器100においては、センサ部30は、表示部の向きを検知するスイッチであってもよい。
【0026】
機能部40は、操作者が表示部10を使用する機能を複数有する。機能部40は、例えば、テレビ機構、メール機構、インターネットサイト閲覧機構、動画再生機構、音楽再生機構、カメラ機構、ゲーム機構等の機構を有する。また、図1には示していないが、機能部40は、表示部10を使用しない機構、例えば通話機構、アラーム機構等を有していてもよい。
【0027】
次に、本発明の第1実施形態に係る電子機器の動作及び制御方法について説明する。図2に、本発明の第1実施形態に係る電子機器の動作及び制御方法の一例を説明するためのフローチャートを示す。図3に、本発明の第1実施形態に係る電子機器の動作及び制御方法の一例を説明するための電子機器の概略平面図を示す。図3は、電子機器の一例として折畳式携帯電話機を示す。また、以下の例においては、表示部10の形状は長方形としてある。
【0028】
まず、操作者が、横画面状態で、第1機能(例えばテレビ機能)を実行する。制御部20は、第1機能を実行し(例えばテレビ機構を作動させ)、表示部10に表示する(図2(S11)、図3(a))。このとき、制御部20は、表示内容を操作者が認識できる向きで表示部10に表示する。すなわち、図3(a)に示すように、表示内容(例えば文字)の左右方向が、表示部10の長手方向となるように表示する。
【0029】
次に、所定の条件が満たされたとき、又はイベントが発生したときに、制御部20は、操作者に通知を出す(図2(S12〜S13)、図3(b))。所定の条件やイベントとしては、第2機能の実行、例えば、メール受信や通話着信が挙げられる。操作者に通知を出す方法は、特に限定されるものでなく、種々の方法を採用することができ、複数の方法を組み合わせてもよい。例えば、表示部10に、メール受信や通話着信を示すアイコン(マーク)を表示したり、テロップのように文字を表示したり、流したりしてもよい。あるいは、LED等の発光部を点灯させたり、点滅させたりしてもよい。あるいは、電子機器100を振動させてもよい。
【0030】
次に、操作者は、第2機能(例えばメール機能)を表示部10に表示する場合、例えば、受信したメールの内容を確認したり、メールを返信したりする場合には、表示部10の向きを変更する(図2(S14))。このとき、センサ部30が、表示部10の向きの変更や回転を検知すると、制御部20は、第2機能を実行し(例えばメール機構を作動させ)、表示部10に表示する機能を第1機能から第2機能に自動的に切り替える(図2(S15)、図3(c))。これにより、操作者は、キー操作をすることなく、第1機能から第2機能に移行することができる。
【0031】
制御部20に表示を切り替えさせるために、センサ部30が表示部10の向きの変更や回転を検知する基準、すなわち表示部10の向きを変更する程度又は回転する程度(例えば回転角度)は、適宜設定することができる。好ましくは、例えば、第1機能に適した表示部10の向きが横画面状態であり、第2機能に適した表示部10の向きが縦画面状態である場合には、表示部10の向きを約90°回転させたとき、すなわち横画面状態から縦画面状態に変更したときに、制御部20が表示部10の表示を切り替えるようにする。また、制御部20は、操作者が縦画面状態で文字や画像を正方向で見ることができるように第2機能を表示部10に表示すると好ましい。すなわち、図3(c)に示すように、表示内容(例えば文字)の上下方向が、表示部10の長手方向となるように表示すると好ましい。これにより、操作者が表示部10の向きを表示に適した方向に変更する動作を、キー操作の代わりとして機能の切替に利用することができ、操作者の利便性を高めることができる。
【0032】
第2機能を表示部10に表示しているとき、第1機能は、一時停止状態(中断状態)であってもよいし、実行中であってもよいし、又は第2機能に切り替わった際に終了してもよい。
【0033】
センサ部30が表示部10の向きの変更や回転を検知したときの機能の切替は、操作者に対する通知の有無に関わらず常に実行するようにしてもよいし、又は操作者に対する通知が出ているときのみに実行するようにしてもよい。例えば、メール受信の有無に関わらず、操作者が、横画面状態でテレビ視聴中に、表示部10の向きを縦画面状態に変えれば、自動的にメール機能画面やその他の機能の画面に切り替えるようにしてもよい。あるいは、例えば、操作者が、横画面状態でテレビ視聴中に、メール受信が無い状態において表示部10を縦画面状態にしても自動的にメール機能画面や他の機能の画面には切り替わらないが、操作者に対する通知が出ている状態(未確認受信メールがある状態)において表示部10を縦画面状態にすると自動的にメール機能画面や他の機能の画面に切り替わるようにしてもよい。
【0034】
また、センサ部30が表示部10の向きの変更や回転を検知したときの機能の切替は、操作者に対する通知が出てから所定時間に限定するようにしてもよい。例えば、操作者が、横画面状態でテレビ視聴中に、メール受信があり、操作者に対する通知を出した場合に、通知後所定時間(例えば1分以内)に操作者が表示部10の向きを縦画面状態に変えればメール機能に表示を移行させ、所定時間後(例えば1分を超えた場合)に操作者が表示部10の向きを縦画面状態に変えてもメール機能に表示を切り替えないようにしてもよい。
【0035】
操作者が、通知内容を確認すると、制御部20は、通知の表示を終了すると好ましい。
【0036】
操作者が表示部10の向きを変更しない場合、すなわち、センサ部30が向きの変更や回転を検知しない場合には、制御部20は、第1機能の表示を継続する(図2(S18))。
【0037】
次に、操作者が、再び第1機能(例えばテレビ機能)を表示部10に表示する場合には、操作者は、表示部10の向きを変更する(図2(S16))。例えば、表示部10を縦画面状態から横画面状態に変更する。このとき、センサ部30が、表示部10の向きの変更や回転を検知すると、制御部20は、第1機能の一時停止を解除したり、第1機能を再実行したりして、表示部10に表示する機能を第2機能から第1機能に自動的に切り替える(図2(S17)、図3(d))。第1機能とは異なる第3機能に切り替えてもよい。第2機能は、終了してもよいし、停止状態にしてもよい。これにより、操作者は、キー操作をすることなく、第2機能から第1機能(又は第3機能)に移行することができる。
【0038】
制御部20に表示を切り替えさせるために、センサ部30が表示部10の向きの変更や回転を検知する基準、すなわち表示部10の向きを変更する程度又は回転する程度(例えば回転角度)は、適宜設定することができる。好ましくは、例えば、第1機能に適した表示部10の向きが横画面状態であり、第2機能に適した表示部10の向きが縦画面状態である場合には、表示部10の向きを約90°回転させたとき、すなわち縦画面状態から横画面状態に変更したとき(すなわち元の状態に戻したとき)に、制御部20が表示部10の表示を切り替えるようにする。あるいは、元の状態に戻さずに、さらに90°回転させたとき(すなわち元の状態から180°回転させたとき)に、制御部20が表示部10の表示を切り替えるようにしてもよい。この場合も表示部10は縦画面状態となる。また、制御部20は、操作者が横画面状態で文字や画像を正方向で見ることができるように第1機能を表示部10に表示すると好ましい。すなわち、図3(d)に示すように、表示内容(例えば文字)の左右方向が、表示部10の長手方向となるように表示すると好ましい。これにより、操作者が表示部10の向きを表示に適した方向に変更する動作を、キー操作の代わりとして機能の切替に利用することができ、操作者は、キー操作をすることなく、第1機能を再度利用することができる。
【0039】
図3に示す形態においては、縦横比が異なる表示部を例にしたが、本発明は、表示部10の縦横比が同じである場合(例えば正方形、円形)であっても適用することができる。また、上記の例においては、表示部10の向きを90°回転させる例を示したが、回転角度はセンサ部30の検知能力の範囲において適宜設定することができる。
【0040】
図3に示す形態においては、実行する2つの機能を表示する表示部10の向きが異なる例(横画面と縦画面)について説明したが、2つの機能の表示部10の向きが同じである場合であっても適用することができる。この場合、例えば、表示部10の向きを段階的に変化させて元の向きに戻すことにより、機能を切り替えるようにしてもよい。例えば、縦画面状態でテレビ機能やゲーム機能を使用中にメール着信の通知があったときに表示部10をメール機能に切り替える場合に、左(右)方向に約90°回転させた後に元の状態に戻す(右(左)方向に約90°回転させる)ことにより、表示部10に表示する機能をメール機能に切り替えてもよい。
【0041】
図3に示す形態においては、表示部10又は電子機器100の回転方向は、表示部10又は電子機器100の画面の面方向を変化させないような方向であったが、これとは異なる回転方向であってもよい。例えば、第1機能使用時、表示部10又は電子機器100の画面の面方向が水平方向を向いている場合、表示部10の画面の面方向を上向き(又は下向き)に変化させることにより機能を切り替えてもよい。あるいは、表示部10又は電子機器100の画面を長手方向に沿った軸で軸回転させることにより機能を切り替えてもよい。
【0042】
本発明によれば、表示部10又は電子機器100の向きを変えるだけで、操作者がキー操作することなく、表示画面を使用する機能を切り替えることができる。特に、例えば、テレビ機能とメール機能等、使用に適した表示画面の向きが異なる機能の切替においては、表示画面の向きをその機能に適した向きに変えるだけで、その機能を利用することができるようになる。
【0043】
次に、本発明の第2実施形態に係る電子機器の動作及び制御方法について説明する。図4に、本発明の第2実施形態に係る電子機器の動作及び制御方法の一例を説明するためのフローチャートを示す。
【0044】
第1実施形態においては、表示部10又は電子機器100の向きを変えるだけで自動的に表示部10に表示する機能を切り替えていたが、第2実施形態においては、センサ部30が表示部10又は電子機器100の向きの変更や回転を検知した後に、表示する機能を切り替えるか操作者に対して確認をする。
【0045】
S21〜S24は、第1実施形態のS11〜S14と同様である。
【0046】
例えば、第1機能を使用中に操作者に対する通知(S23)後、S24においてセンサ部30が向きの変更を検知した場合、表示する機能を切り替えるか操作者に対して確認する(S25)。このとき、操作者が切替指示を入力した場合には、第1機能から第2機能へ表示を切り替える(S26)。一方、操作者が切替を拒否した場合には、第1機能の表示を継続する(S29)。
【0047】
あるいは、S25において、移行可能な機能を複数示し、どの機能に切り替えるか操作者に選択させてもよい。この場合、S26において、制御部20は、操作者が選択した機能に切り替える。
【0048】
また、第2機能に切り替えた後に、S27においてセンサ部30が向きの変更を検知した場合、表示する機能を切り替えるか操作者に対して確認する(S28)。このとき、操作者が切替指示を入力した場合には、第1機能へ表示を戻す(S30)。一方、操作者が切替を拒否した場合には、第2機能の表示を継続する(S31)。
【0049】
あるいは、S28において、移行可能な機能を複数示し、どの機能に切り替えるか操作者に選択させてもよい。この場合、S30において、制御部20は、操作者が選択した機能に切り替える。
【0050】
操作者への確認は、S25とS28の両方であってもよいし、S25とS28のうちいずれか一方のみであってもよい。
【0051】
第2実施形態における上記以外の形態は、第1実施形態と同様である。
【0052】
第2実施形態によれば、最小限のキー操作によって表示の切替ができると共に、操作者の望まない機能の切替を防止することができる。
【0053】
本発明の電子機器及びその制御方法は、上記実施形態に基づいて説明されているが、上記実施形態に限定されることなく、本発明の範囲内において、かつ本発明の基本的技術思想に基づいて、上記実施形態に対し種々の変形、変更及び改良を含むことができることはいうまでもない。また、本発明の請求の範囲の枠内において、種々の開示要素の多様な組み合わせ・置換ないし選択が可能である。
【0054】
本発明のさらなる課題、目的及び展開形態は、請求の範囲を含む本発明の全開示事項からも明らかにされる。
【0055】
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のようにも記載されうるが、以下の記載には限定されない。
【0056】
(付記1)
第1機能が表示部を使用しているときに、前記表示部の向きが変化した場合に、前記表示部を使用する機能を前記第1機能から第2機能へ切り替える制御部を備えることを特徴とする電子機器。
【0057】
(付記2)
前記制御部は、前記第1機能が前記表示部を使用しているときに、操作者に対する通知があった後に、前記表示部の向きが変化した場合に、前記表示部を使用する機能を切り替えることを特徴とする付記1に記載の電子機器。
【0058】
(付記3)
前記制御部は、前記通知があった後設定時間内に前記表示部の向きが変化した場合に、前記表示部を使用する機能を切り替えることを特徴とする付記2に記載の電子機器。
【0059】
(付記4)
前記第2機能へ切り替わった後、前記表示部の向きが元の向きに戻った場合に、前記表示部を使用する機能が前記第2機能から第1機能へ切り替わることを特徴とする付記1〜3のいずれか一項に記載の電子機器。
【0060】
(付記5)
第1機能及び第2機能を実行する制御部と、
表示部と、
前記表示部又は電子機器の向きの変化又は回転を検知するセンサ部と、を備え、
前記表示部が前記第1機能を表示している際に、前記センサ部が前記表示部の向きの変化又は回転を検知した場合、前記制御部は、前記表示部に表示する機能を前記第1機能から前記第2機能に切り替えることを特徴とする電子機器。
【0061】
(付記6)
前記制御部は、前記表示部の向きの変化した状態又は前記表示部が回転した状態で操作者が認識できるように前記第2機能を前記表示部に表示することを特徴とする付記5に記載の電子機器。
【0062】
(付記7)
前記表示部の表示を前記第2機能に切り替えた後、前記センサ部が前記表示部の向きの変化又は回転を検知した場合、前記制御部は、前記表示部に表示する機能を前記第2機能から前記第1機能に切り替えることを特徴とする付記5又は6に記載の電子機器。
【0063】
(付記8)
前記表示部は、表示可能な方向を複数有し、
前記制御部は、前記第1機能を第1方向で前記表示部に表示し、前記第2機能を第2方向で前記表示部に表示し、
前記表示部が前記第1機能を前記第1方向で表示している際に、前記センサ部が、前記第1方向から前記第2方向への前記表示部の向きの変化を検知した場合に、前記制御部は、前記表示部に表示する機能を前記第1機能から前記第2機能に切り替えることを特徴とする付記5〜7のいずれか一項に記載の電子機器。
【0064】
(付記9)
前記表示部が前記第1機能を前記第1方向で表示している際に、操作者に対する通知が出た後に、前記センサ部が、前記第1方向から前記第2方向への前記表示部の向きの変化を検知した場合に、前記制御部は、前記表示部に表示する機能を前記第1機能から前記第2機能に切り替えることを特徴とする付記8に記載の電子機器。
【0065】
(付記10)
前記通知は、メール受信又は通話着信の通知であることを特徴とする付記9に記載の電子機器。
【0066】
(付記11)
前記センサ部が、前記第1方向から前記第2方向への前記表示部の向きの変化を検知した場合に、前記制御部は、前記表示部に表示する機能を切り替えるかを操作者に確認することを特徴とする付記8〜10のいずれか一項に記載の電子機器。
【0067】
(付記12)
前記表示部に表示する機能が前記第2機能に切り替わった後、前記センサ部が、前記第2方向から前記第1方向への前記表示部の向きの変化を検知した場合に、前記制御部は、前記表示部に表示する機能を前記第2機能から前記第1機能に切り替えることを特徴とする付記8〜11のいずれか一項に記載の電子機器。
【0068】
(付記13)
前記表示部の形状は矩形であり、
前記第1方向は、前記表示部の長手方向が水平方向であるときに操作者が表示を認識できる方向であり、
前記第2方向は、前記表示部の長手方向が鉛直方向であるときに操作者が表示を認識できる方向であることを特徴とする付記8〜12のいずれか一項に記載の電子機器。
【0069】
(付記14)
前記第1機能は、テレビ機能又は動画再生機能であり、
前記第2機能は、メール機能であることを特徴とする付記1〜13のいずれか一項に記載の電子機器。
【0070】
(付記15)
第1機能を表示部に表示する工程と、
前記第1機能が表示部を使用中に、前記表示部の向きの変化又は回転を検知したとき、前記表示部に表示する機能を前記第1機能から第2機能に切り替える工程と、
を含むことを特徴とする電子機器の制御方法。
【0071】
(付記16)
前記表示部の向きが変化又は回転した状態で操作者が認識できるように前記第2機能を前記表示部に表示することを特徴とする付記15に記載の電子機器の制御方法。
【0072】
(付記17)
前記第1機能が表示部を使用中に、操作者に対して通知を出した後に前記表示部の向きの変化又は回転を検知したとき、前記表示部に表示する機能を前記第1機能から第2機能に切り替えることを特徴とする付記15又は16に記載の電子機器の制御方法。
【0073】
(付記18)
前記通知を出した後に設定時間内に前記表示部の向きの変化又は回転を検知したとき、前記表示部に表示する機能を前記第1機能から第2機能に切り替えることを特徴とする付記17に記載の電子機器の制御方法。
【0074】
(付記19)
前記第2機能を表示した後、前記表示部の向きの変化又は回転を検知したとき、前記表示部に表示する機能を前記第2機能から前記第1機能に切り替える工程をさらに含むことを特徴とする付記15〜18のいずれか一項に電子機器の制御方法。
【0075】
(付記20)
前記表示部の向きが元の方向に戻ったときに前記表示部に表示する機能を前記第2機能から前記第1機能に切り替えることを特徴とする付記19に電子機器の制御方法。
【0076】
(付記21)
前記表示部の向きが変化又は回転した状態で操作者が認識できるように前記第1機能を前記表示部に表示することを特徴とする付記15〜20のいずれか一項に記載の電子機器の制御方法。
【0077】
(付記22)
前記表示部に表示する機能を切り替える前に、操作者に対して前記表示部に表示する機能を切り替えるかを確認する工程をさらに含み、
操作者が切替指示を入力したときに前記表示部に表示する機能を切り替えることを特徴とする付記15〜21のいずれか一項に記載の電子機器の制御方法。
【0078】
(付記23)
前記第1機能は、テレビ機能又は動画再生機能であり、
前記第2機能は、メール機能であることを特徴とする付記15〜22のいずれか一項に記載の電子機器の制御方法。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、複数の機能を有する電子機器に適用することができ、特に、操作者が容易に向きを変更可能な携帯型の電子機器に好適に適用することができる。本発明を適用可能な電子機器としては、例えば、携帯電話機、携帯オーディオプレーヤ、携帯ゲーム機、ノート型パソコン、カメラ・ビデオ、電子辞書などを挙げることができる。また、本発明は、携帯型電子機器でなくとも、表示部が回転可能に構成されたパソコンやテレビにも適用することが可能である。
【符号の説明】
【0080】
10 表示部
20 制御部
30 センサ部
40 機能部
100 電子機器

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1機能が表示部を使用しているときに、前記表示部の向きが変化した場合に、前記表示部を使用する機能を前記第1機能から第2機能へ切り替える制御部を備えることを特徴とする電子機器。
【請求項2】
前記制御部は、前記第1機能が前記表示部を使用しているときに、操作者に対する通知があった後に、前記表示部の向きが変化した場合に、前記表示部を使用する機能を切り替えることを特徴とする請求項1に記載の電子機器。
【請求項3】
前記制御部は、前記第2機能へ切り替わった後、前記表示部の向きが元の向きに戻った場合に、前記表示部を使用する機能を前記第2機能から第1機能へ切り替えることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子機器。
【請求項4】
第1機能及び第2機能を実行する制御部と、
表示部と、
前記表示部又は電子機器の向きの変化又は回転を検知するセンサ部と、を備え、
前記表示部が前記第1機能を表示している際に、前記センサ部が前記表示部の向きの変化又は回転を検知した場合、前記制御部は、前記表示部に表示する機能を前記第1機能から前記第2機能に切り替えることを特徴とする電子機器。
【請求項5】
前記制御部は、前記表示部の向きの変化した状態又は前記表示部が回転した状態で操作者が認識できるように前記第2機能を前記表示部に表示することを特徴とする請求項4に記載の電子機器。
【請求項6】
前記表示部の表示を前記第2機能に切り替えた後、前記センサ部が前記表示部の向きの変化又は回転を検知した場合、前記制御部は、前記表示部に表示する機能を前記第2機能から前記第1機能に切り替えることを特徴とする請求項4又は5に記載の電子機器。
【請求項7】
第1機能を表示部に表示する工程と、
前記第1機能が表示部を使用中に、前記表示部の向きの変化又は回転を検知したとき、前記表示部に表示する機能を前記第1機能から第2機能に切り替える工程と、
を含むことを特徴とする電子機器の制御方法。
【請求項8】
前記表示部の向きが変化又は回転した状態で操作者が認識できるように前記第2機能を前記表示部に表示することを特徴とする請求項7に記載の電子機器の制御方法。
【請求項9】
前記第1機能が表示部を使用中に、操作者に対して通知を出した後に前記表示部の向きの変化又は回転を検知したとき、前記表示部に表示する機能を前記第1機能から第2機能に切り替えることを特徴とする請求項7又は8に記載の電子機器の制御方法。
【請求項10】
前記第2機能を表示した後、前記表示部の向きの変化又は回転を検知したとき、前記表示部に表示する機能を前記第2機能から前記第1機能に切り替える工程をさらに含むことを特徴とする請求項7〜9のいずれか一項に記載の電子機器の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2012−134720(P2012−134720A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−284513(P2010−284513)
【出願日】平成22年12月21日(2010.12.21)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】