説明

携帯型電子機器及びその電池モジュール

【課題】香りを放散することにより、消費者の購買意欲を促進する携帯型電子機器及びその電池モジュールを提供する。
【解決手段】本発明による携帯型電子機器は、収容空間211を有するハウジング21と、前記収容空間に配置された香りユニット22と、前記香りユニットに隣設され、前記香りユニットに熱量を供給し香りを放散させる発熱源23とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯型電子機器及びその電池モジュールに関し、特に香りを放散することにより消費者の購買意欲を促進する携帯型電子機器及びその電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
科学の発展に伴い、様々な携帯型電子機器が開発されている。例えば、携帯電話、ノートブック型コンピュータ、MP3プレーヤー(MP3 Player)、やパーソナルデジタルアシスタントシステム(Personal Digital Assistance, PDA)などの携帯型電子機器の目覚しい発展により、生活の利便性及び仕事の効率を大いに向上させる。
【0003】
携帯型電子機器は、外部電源と接続されていなくても、実装した電池モジュールにより必要な電力を供給し、ユーザがいつでもどこでも自由に使用できるため、多くのユーザに愛用されるようなった。
【0004】
より多くの消費者を引くために、携帯型電子機器の業者は、様々な工夫をして、新製品を開発している。具体的には、携帯型電子機器の外観を改良する外に、光電や音声などの効果を加え、消費者の購買意欲を促進する。例えば、図1に示す従来の携帯型電子機器1におけるハウジング11の形状や図形に工夫し、さらに電池12のカバー13にもパターン14を設けることにより、消費者の注目を図る。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、上述したように、従来の携帯型電子機器での改良は、消費者の視覚に訴えるのが多かったが、嗅覚に訴え、の購買意欲を促進する携帯型電子機器1は、まだ見られていない。ここで、携帯型電子機器1に香りを放散し、ユーザ及び周りの人間に嗅がせられ、直ちにユーザ個人の特色を主張するため、ユーザが携帯型電子機器に対する個性主張の要求を満たすことができる。
【0006】
本発明は、上記問題を鑑みてなされたものであり、香りを放散することにより、消費者の購買意欲を促進する携帯型電子機器及びその電池モジュールを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、本発明による携帯型電子機器は、収容空間を有するハウジングと、前記収容空間に配置された香りユニットと、前記香りユニットに隣設され、前記香りユニットに熱量を供給し香りを放散させる発熱源とを備える。
また、本発明による電池モジュールは、第1収容空間を有する第1カバー体と、前記第1収容空間に配置された香りユニットと、前記香りユニットに隣設され、前記香りユニットに熱量を供給し香りを放散させる発熱源と、前記第1カバー体と接合し、第2収容空間を形成する第2カバー体と、前記第2収容空間に配置された電池本体とを備える。
【発明の効果】
【0008】
本発明の携帯型電子機器及びその電池モジュールは、発熱源を香りユニットに隣設することにより、携帯型電子機器をオンにした後、電流が発熱源に流れると、あるいは、電池本体の電力を間接的に電池モジュールの発熱源に流れると、発熱源の温度が上昇するため、香りユニット内に置かれた香り物質が大量にユーザの周りの空気に放散する。従来の技術と比べ、本発明に係わる携帯型電子機器及びその電池モジュールは、ユーザの周りに気持ちのよい香りを放散し雰囲気をよくするだけではなく、ユーザの個性も主張できるため、消費者の購買意欲を促進することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、図面を参照しながら、本発明の好適な実施例における携帯型電子機器及びその電池モジュールについて説明する。
【0010】
(実施例1)
図2は、本発明の実施例1における携帯型電子機器2を示す図である。携帯型電子機器2は、ハウジング21と、香りユニット22と、発熱源23とを備える。携帯型電子機器2は、例えば、携帯電話、ノートブック型コンピュータ、パーソナルデジタルアシスタントシステム、やMP3プレーヤーなどである。本実施例において、携帯型電子機器2は、携帯電話を例として挙げられる。
【0011】
ハウジング21は、収容空間211を有する。本実施例において、ハウジング21は、携帯電話の電池の上カバーを例とするが、もちろん、ハウジング21は、携帯型電子機器2の他の部分のハウジングであってもよい。また、ハウジング21には、少なくとも一つの貫通孔212が設けられ、この貫通孔212により収容空間211が外部と導通するため、香りユニット22の香りを外部に放散することができる。
【0012】
香りユニット22には、収容空間211が設けられる。本実施例において、香りユニット22は、複数の小孔を有する香り媒介体221と香り物質222とを含む。香り媒介体221は、例えば、香り物質222を吸着する吸着性板材である。本実施例において、棉板を例として挙げられる。なお、香り物質222は、例えば香水、エッセンス、香膏、精油など香りがする物質である。香り物質222が香りユニット22から外部に揮発するため、香り物質222を使い切ると、香りユニット22を取り出し、ユーザの好みによって様々な香り物質222を添加することができる。
【0013】
本実施例において、携帯型電子機器2は、さらに、香りユニット22と連結するハンドル24とを備える。本実施例において、ハンドル24は、ハウジング21と共に、収容空間211を閉塞することができる。ユーザが香り物質222または香り媒介体221を交換しようとする場合、ハンドル24を引き出すと、香り媒介体221も引き出されるため、交換作業を行うことができる。
【0014】
図3は、本発明の実施例1における香りユニット22と発熱源23とハウジング21との組立状態を示す図である。香りユニット22に隣設された発熱源23は、香りユニット22に熱量を供給し、香りを放散させる。
【0015】
図2を参照すると、本実施例において、発熱源23は、正極231と負極232とを有する熱電対金属である。携帯型電子機器2は、さらに、正極231と負極232と電気的に接続された回路基板25とを備える。また、携帯型電子機器2は、さらに、発熱源23と電気的に接続された電池本体26とを備える。電池本体26は、電力を供給すると同時に、発熱源23に熱量を供給させる。
【0016】
携帯電話をオンにした後、電池本体26が供給した電力が回路基板25から発熱源23に流れ、発熱源23の熱電対効果により、発熱源23の温度を上昇させる。従って、発熱源23に隣接した香りユニット22が、温度が高まるため、香りユニット22内の香り物質222を大量に放散させ、ハウジング21上の貫通孔212を介して外部に放散する。
【0017】
(実施例2)
図4は、本発明の実施例2における電池モジュール30を示す図である。電池モジュール30は、第1カバー体31と、香りユニット32と、発熱源33と、第2カバー体34と、電池本体(Battery Cell)35と、を備える。本実施例において、電池モジュール30は、例えば携帯電話、ノートブック型コンピュータ、パーソナルデジタルアシスタントシステム、やMP3プレーヤーなどの携帯型電子機器に用いられる。ここで、電池モジュール30は、携帯電話に用いられた電池を例として挙げられる。
【0018】
第1カバー体31は、香りユニット32と発熱源33とを収容する第1収容空間311を有する。本実施例において、第1カバー体31は、少なくとも一つの貫通孔312が設けられ、この貫通孔312により、香りユニット32の香りを外部に放散することができる。
【0019】
図4に示すように、香りユニット32は第1収容空間311に設けられる。本実施例において、香りユニット32は、複数の小孔を有する香り媒介体321と香り物質322とを含む。香り媒介体321は、例えば、香り物質322を吸着する吸着性板材である。本実施例において、棉板を例として挙げられる。なお、香り物質322は、例えば香水、エッセンス、香膏、精油など香りがする物質である。香り媒介体321上に置かれた香り物質322が外部に揮発するため、香り物質322を使い切ると、ユーザが香り媒介体321を取り出し、個人の好みによって様々な香り物質322を添加することができる。
【0020】
本実施例において、電池モジュール30は、さらに、香りユニット32と連結するハンドル36とを備える。本実施例において、ハンドル36は、第1カバー体31と共に、第1収容空間311を閉塞することができる。ユーザが香り物質322または香り媒介体321を交換しようとする場合、ハンドル36を引き出すと、香り媒介体321も引き出されるため、交換作業を行うことができる。
【0021】
図5は、本発明の実施例2における香りユニット32と発熱源33と第1カバー体31との組立状態を示す図である。香りユニット32に隣設された発熱源33は、香りユニット22に熱量を供給し、香りを放散させる。
【0022】
図4を参照すると、本実施例において、発熱源33は、電池本体35と電気的に接続された正極331と負極332とを有する熱電対金属である。電池モジュール30は、正極331と負極332を介して、電池本体35が間接的に供給した電力を利用し、発熱源33の温度を上昇させる。また、本実施例において、電池モジュール30は、さらに、熱電対金属の正極331と負極332と直接的に電気的に接続された回路基板37とを備える。このようにして、電池本体35が供給した電力は、回路基板37を介して発熱源33に導入され、発熱源33の温度を上昇させる。
【0023】
第2カバー体34は、第1カバー体31に対向に配置され、第2収容空間341を形成する。本実施例において、第2収容空間341に設けられた電池本体35は、電力を供給すると同時に、発熱源33に熱量を供給させる。
【0024】
携帯電話の電池モジュールを例とすると、携帯電話をオンにした後、電池本体35が供給した電力が電池モジュール30の回路基板37を介して、正極331と負極332から発熱源33に流れ、発熱源33の熱結合効果により、発熱源33の温度を上昇させる。従って、発熱源33に隣接した香りユニット32が、温度が高まるため、香り媒介体321内に付着した香り物質322を大量に放散させ、第2収容空間341の側に対する第1カバー体3の貫通孔312を介して外部に放散する。
【0025】
以上、本発明の実施の形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成は、これらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても、本発明に含まれる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】従来の携帯型電子機器を示す図である。
【図2】本発明の実施例1における携帯型電子機器を示す図である。
【図3】本発明の実施例1における香りユニットと発熱源とハウジングとの組立状態を示す図である。
【図4】本発明の実施例2における電池モジュールを示す図である。
【図5】本発明の実施例2における香りユニットと発熱源と第1カバー体との組立状態を示す図である。
【符号の説明】
【0027】
2 携帯型電子機器
21 ハウジング
211 収容空間
212 貫通孔
22 香りユニット
221 香り媒介体
222 香り物質
23 発熱源
231 正極
232 負極
24 ハンドル
25 回路基板
26 電池本体
30 電池モジュール
31 第1カバー体
311 第1収容空間
312 貫通孔
32 香りユニット
321 香り媒介体
322 香り物質
33 発熱源
331 正極
332 負極
34 第2カバー体
341 第2収容空間
35 電池本体
36 ハンドル
37 回路基板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容空間を有するハウジングと、
前記収容空間に配置された香りユニットと、
前記香りユニットに隣設され、前記香りユニットに熱量を供給し香りを放散させる発熱源と、を備えることを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項2】
前記ハウジングには、少なくとも一つの貫通孔が設けられ、前記貫通孔により前記収容空間が外部と導通することを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項3】
前記香りユニットは、香り媒介体と香り物質とを含み、前記香り媒介体が、前記香り物質を付着する複数の小孔を有することを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項4】
前記香り媒介体は、吸着性板材または棉板であり、前記香り物質は、香水、エッセンス、香膏、精油のうちの何れか一つであることを特徴とする請求項3に記載の携帯型電子機器。
【請求項5】
前記発熱源は、正極と負極とを有する熱電対金属であることを特徴とする請求項1に記載の携帯型電子機器。
【請求項6】
前記発熱源の前記正極と前記負極と電気的に接続され、電力を供給すると同時に、前記発熱源に前記熱量を供給させる電池本体を、さらに備えることを特徴とする請求項5に記載の携帯型電子機器。
【請求項7】
第1収容空間を有する第1カバー体と、
前記第1収容空間に配置された香りユニットと、
前記香りユニットに隣設され、前記香りユニットに熱量を供給し香りを放散させる発熱源と、
前記第1カバー体と接合し、第2収容空間を形成する第2カバー体と、
前記第2収容空間に配置された電池本体と、
を備えることを特徴とする電池モジュール。
【請求項8】
前記第2収容空間の側に対する前記第1カバー体には、少なくとも一つの貫通孔が設けられることを特徴とする請求項7に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記香りユニットは、香り媒介体と香り物質とを含み、前記香り媒介体が、前記香り物質を付着する複数の小孔を有することを特徴とする請求項7に記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記香り媒介体は、吸着性板材または棉板であり、前記香り物質は、香水、エッセンス、香膏、精油のうちの何れか一つであることを特徴とする請求項10に記載の携帯型電子機器。
【請求項11】
前記香りユニットと連結するハンドルをさらに備えることを特徴とする請求項7に記載の電池モジュール。
【請求項12】
前記発熱源は、前記電池本体と電気的に接続された正極と負極とを有する熱電対金属であることを特徴とする請求項7に記載の電池モジュール。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公開番号】特開2006−191638(P2006−191638A)
【公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−937(P2006−937)
【出願日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【出願人】(505302409)華碩電脳股▲ふん▼有限公司 (10)
【Fターム(参考)】