説明

携帯型電子機器

【課題】 電池の消耗を抑制するとともに使い勝手を向上させた携帯型電子機器を提供する。
【解決手段】 外部電源入力端子5または充電式乾電池2からの電圧を所定電圧に変圧する変圧手段8と、外部電源入力端子5に印加される電圧を検出する電圧検出手段7と、前記所定電圧が動作電力として内部に供給されるか否かを切り換えられるようにした切換手段9と、外部電源入力端子5に外部電源が接続されているか否かを検出する接続検出手段6と、動作中に電圧検出手段7が外部電源入力端子5に電圧が印加されなくなったことを検出した場合に、前記外部電源が接続されていないことを接続検出手段6が検出していない場合には前記所定電圧が動作電力として内部に供給されるように、前記外部電源が接続されていることを接続検出手段6が検出している場合には前記所定電圧が動作電力として内部に供給されないように切換手段9を切換制御する制御回路11を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、動作電力を得るための電池を有するとともに、外部電源から供給される電力で動作することも可能な携帯型電子機器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、小型化することにより携帯して使用できるようにした携帯型電子機器が多く開発されている。このような携帯型電子機器には、通常は、その携帯型電子機器に内蔵または装着されている電池からの電力で動作するが、部屋や車両の中などで使用されるときは、前記電池の消耗を防ぐために、商用電源や車両のアクセサリー電源等の外部電源から供給される電力で動作するようにしているものが多い。
【0003】
そのような従来の携帯型電子機器には、例えば、ノート型パーソナルコンピュータのように、外部電源から供給される電力で動作しているときに、その外部電源からの電力の供給が切断された場合には、内蔵または装着されている電池から動作電力を供給して動作が停止しないようにしているものがある。
【0004】
また、動作電力の供給が切断されたときに、OS(Operation System)や各種のアプリケーションプログラムの実行状態を継続するために必要な回路にのみ電力を供給する補助電源を設け、動作電力の供給が再開された場合にナビゲーション動作が開始されるまでの時間を短縮することができるナビゲーション装置もある(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11―304502号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、従来の携帯型電子機器は、上述したように、外部電源からの電力の供給が切断された場合に、内蔵または装着されている電池から動作電力を供給して動作が停止しないようにしていることにより、かえって問題が生じてしまう場合もある。
【0006】
例えば、車載専用のナビゲーション装置は、車両のアクセサリー電源がオフにされると、そのナビゲーション装置の電源もオフになり動作が停止するが、外部電源から供給される電力を動作電力にして動作することができる従来の携帯型ナビゲーション装置は、車両のアクセサリー電源がオンのときにはシガーライター端子などを介して供給されるアクセサリー電源からの電力を動作電力にして動作し、アクセサリー電源がオフのときには、その携帯型ナビゲーション装置に内蔵または装着されている電池から供給される電力を動作電力にして動作する。
【0007】
即ち、従来の携帯型ナビゲーション装置の場合、その携帯型ナビゲーション装置の利用者が車両から離れるときなどにアクセサリー電源がオフにされても、その携帯型ナビゲーション装置の動作は継続しているので、そのまま放置しておくと、その携帯型ナビゲーション装置に内蔵または装着されている電池が無駄な動作のために消耗してしまうという問題があった。
【0008】
これを防ぐためには、アクセサリー電源がオフされたときに、利用者がその携帯型ナビゲーション装置に備えられている電源スイッチをオフにすれば良いが、アクセサリー電源がオフにされる度にいちいち電源スイッチをオフにするのは面倒であり、また、電源スイッチをオフにするのを忘れてしまうことも考えられる。
【0009】
そこで、携帯型ナビゲーション装置であっても、アクセサリー電源から動作電力を得て動作している場合は、車載専用のナビゲーション装置のように、アクセサリー電源がオフにされると、その携帯型ナビゲーション装置の電源もオフになり動作が停止するようにすれば、電池の消耗を抑制することができる。
【0010】
しかしながら、そのようにすると、携帯型ナビゲーション装置の場合、目的地に到着した後、車両の中でアクセサリー電源に接続して使用していた携帯型ナビゲーション装置を車両の外へ携帯して使用する場合があり、携帯するためにアクセサリー電源との接続を外されたときに、その携帯型ナビゲーション装置の電源がオフになってしまう。従って、その後、携帯して使用するときには、再度、携帯型ナビゲーション装置の電源スイッチを操作して電源を入れ直すという面倒な操作をする必要があり、使い勝手が悪いという問題があった。
【0011】
また、特許文献1に記載の従来技術では、ナビゲーション装置への動作電力の供給が切断されたときに、OSや各種のアプリケーションプログラムの実行状態を継続するために必要な回路以外の回路等には電力が供給されず、ナビゲーション装置のナビゲーション動作は停止してしまう。従って、上記のような場合、即ち、車両のアクセサリー電源から動作電力を得て動作している携帯型ナビゲーション装置を目的地に到着した後、車両の外へ携帯して使用する場合に、アクセサリー電源との接続を外されたときに、その携帯型ナビゲーション装置のナビゲーション動作は停止してしまうので、その後、携帯して使用するときには、再度、携帯型ナビゲーション装置を操作してナビゲーション動作を開始させるという面倒な操作をする必要があり、やはり使い勝手が悪いという問題があった。
【0012】
本発明は、上記の点に鑑み、電池の消耗を抑制するとともに使い勝手を向上させた携帯型電子機器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記目的を達成するために、請求項1の発明は、動作電力を得るための電池を有するとともに、外部電源入力端子に入力される外部電源からの電力で動作することができる携帯型電子機器において、該携帯型電子機器が携帯されて使用されるのか携帯されずに使用されるのかを判別する判別手段と、動作中に前記外部電源からの電力が入力されなくなった場合に、該携帯型電子機器が携帯されて使用されると前記判別手段が判別した場合には前記電池からの電力を動作電力とするように制御し、該携帯型電子機器が携帯されずに使用されると前記判別手段が判別した場合には前記電池からの電力を動作電力としないように制御する制御手段とを具備したものである。
【0014】
この構成によれば、動作中に前記外部電源からの電力が入力されなくなった場合に、該携帯型電子機器が携帯されて使用されると前記判別手段が判別した場合には前記電池からの電力が動作電力となるので、該携帯型電子機器の動作は継続され、一方、該携帯型電子機器が携帯されずに使用されると前記判別手段が判別した場合には前記電池からの電力が動作電力とはならないので、該携帯型電子機器の動作は停止する。
【0015】
また、請求項2の発明は、動作電力を得るための電池を有するとともに、外部電源入力端子に入力される外部電源からの電力で動作することができる携帯型電子機器において、前記外部電源入力端子から電圧が与えられているときは該電圧を所定電圧に変圧し、前記外部電源入力端子から電圧が与えられていないときは前記電池からの電圧を前記所定電圧に変圧する変圧手段と、前記外部電源入力端子に印加される電圧を検出する電圧検出手段と、前記所定電圧が動作電力として内部に供給されるか否かを切り換えられるようにした切換手段と、該携帯型電子機器が携帯されて使用されるのか携帯されずに使用されるのかを判別する判別手段と、動作中に前記電圧検出手段が前記外部電源入力端子に電圧が印加されなくなったことを検出した場合に、該携帯型電子機器が携帯されて使用されると前記判別手段が判別した場合には前記所定電圧が動作電力として内部に供給されるように前記切換手段を切換制御し、該携帯型電子機器が携帯されずに使用されると前記判別手段が判別した場合には前記所定電圧が動作電力として内部に供給されないように前記切換手段を切換制御する制御手段とを具備したものである。
【0016】
この構成によれば、動作中に前記外部電源からの電力が入力されなくなった場合に、該携帯型電子機器が携帯されて使用されると前記判別手段が判別した場合には前記電池からの電圧が前記変圧手段で変圧された前記所定電圧が動作電力として内部に供給されるので、該携帯型電子機器の動作は継続され、一方、該携帯型電子機器が携帯されずに使用されると前記判別手段が判別した場合には前記所定電圧が動作電力として内部に供給されないので、該携帯型電子機器の動作は停止する。
【0017】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、前記判別手段は、前記外部電源入力端子に前記外部電源が接続されているか否かを検出する接続検出手段を有し、前記外部電源が接続されていることを前記接続検出手段が検出している場合は該携帯型電子機器が携帯されて使用されると判別し、前記外部電源が接続されていないことを前記接続検出手段が検出している場合は該携帯型電子機器が携帯されずに使用されると判別するようにしたものである。
【0018】
この構成によれば、該携帯型電子機器が携帯されて使用されるのか携帯されずに使用されるのかを、前記接続検出手段で前記外部電源入力端子に前記外部電源が接続されているか否かを検出することにより、容易に判別することができる。
【0019】
また、請求項4の発明は、請求項3の発明において、前記制御手段は、前記電圧検出手段が前記外部電源入力端子に電圧が印加されなくなったことを検出したときから所定の遅延時間後に、前記接続検出手段の検出結果に基づいて前記切換手段を切換制御するようにしたものである。
【0020】
この構成によれば、前記外部電源と前記外部電源入力端子との接続が切り離された直後の期間に、前記外部電源入力端子に前記外部電源が接続されていると前記制御手段が認識することにより該携帯型電子機器の動作が停止するという誤動作を防止することができる。
【0021】
また、請求項5の発明は、請求項1〜請求項4の発明において、前記電池が2次電池であり、前記外部電源入力端子に入力される外部電源からの電力で前記2次電池が充電されるようにしたものである。この構成によれば、前記電池を交換や充電のために頻繁に脱着する必要がなくなる。
【0022】
また、請求項6の発明は、請求項2〜請求項5の発明において、GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信して現在位置を測定するGPS測位手段と、地図情報が書き込まれた記憶媒体より地図情報を読み取る地図再生手段とを備えるとともに、前記制御手段は前記GPS測位手段からの測定データと前記地図再生手段からの地図情報とに基づいて地図や現在位置を表示部に表示するナビゲーション機能を備えているようにしたものである。この構成によれば、前記携帯型電子機器を携帯型ナビゲーション装置として使用することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によると、動作中に外部電源からの電力が入力されなくなった場合に、携帯型電子機器が携帯されて使用される場合には電池からの電力が動作電力となり該携帯型電子機器の動作が継続されるので、前記外部電源との接続を切断して該携帯型電子機器を携帯して使用する場合に、電源を入れ直すというような再起動のための面倒な作業をする必要が無くなり、使い勝手が向上する。
【0024】
また、動作中に前記外部電源からの電力が入力されなくなった場合に、該携帯型電子機器が携帯されずに使用される場合には前記電池からの電力が動作電力とはならず該携帯型電子機器の動作が停止するので、該携帯型電子機器が前記電池の電力で動作したまま放置され前記電池が消耗してしまうということが無くなる。即ち、前記電池の消耗が抑制される。
【0025】
また、本発明によると、携帯型電子機器が携帯されて使用されるのか携帯されずに使用されるのかを容易に判別することができるので、動作中に外部電源からの電力が入力されなくなった場合に、携帯型電子機器が携帯されて使用される場合には動作が継続し、携帯されずに使用される場合には動作が停止する携帯型電子機器が容易に実現できる。
【0026】
また、本発明によると、携帯型電子機器を携帯して使用するために外部電源との接続を切り離した場合に該携帯型電子機器の動作が停止するという誤動作を防止することができるので、携帯型電子機器の信頼性が向上する。
【0027】
また、本発明によると、電池を交換や充電のために頻繁に脱着する必要がなくなるので、使い勝手が向上する。
【0028】
また、本発明によると、前記携帯型電子機器を携帯型ナビゲーション装置として使用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る携帯型ナビゲーション装置(携帯型電子機器)の要部構成を示すブロック図である。図1において、1は携帯型ナビゲーション装置を示し、携帯型ナビゲーション装置1は制御回路11、ROM12、RAM13、GPS(Global Positioning System)測位手段14、地図再生手段15、TV受信手段16、表示部17、入力部18を備えている。
【0030】
制御回路11はROM12に書き込まれたプログラムに基づいて各部を制御し、RAM13はナビゲーション動作に必要な情報、例えば、自宅や登録地点の位置情報などを記憶する。また、GPS測位手段14はGPS衛星からの電波を受信して現在位置を測定し、測定データを制御回路11に出力する。そして、地図再生手段15は地図情報が書き込まれているCDやDVD等の記憶媒体(不図示)から地図情報を読み取り、制御回路11に出力する。
【0031】
TV受信手段16はテレビジョン放送を受信し、入力部18は利用者が操作することにより入力された情報を制御手段11に与える。また、表示部17は液晶である。入力部18から与えられる情報に基づいて、即ち、入力部18の操作に基づいて、地図や現在位置、またはTV受信手段16により受信されたテレビジョン放送の画像などが制御回路11の制御に基づき表示部17に表示される。また、入力部18は携帯型ナビゲーション装置1の電源スイッチを含んでおり、入力部18が電源オン/オフ操作されると、携帯型ナビゲーション装置1が起動/停止する。この携帯型ナビゲーション装置1の動作については後述する。
【0032】
また、携帯型ナビゲーション装置1は、充電式乾電池2、外部電源入力端子5、接続検出手段6、変圧回路10を備えている。外部電源入力端子5には外部電源からの携帯型ナビゲーション装置1の動作電力としての電力が入力される。本実施形態では、外部電源入力端子5には、車両のシガーライター端子を介して供給される車両のアクセサリー電源であるDC12Vの電圧がシガーライター用アダプタ3(外部電源)で変換されたDC9Vの電圧が入力される場合と、部屋のコンセントなどから供給される商用電源であるAC100Vの電圧が商用電源用アダプタ4(外部電源)で変換されたDC10.5Vの電圧が入力される場合と、いずれの電圧も入力されない場合とがあり、いずれかの場合が利用者によって選択される。
【0033】
シガーライター用アダプタ3からの電力及び商用電源アダプタ4からの電力はそれぞれ、電力供給線とその電力供給線の末端に設けられ携帯型ナビゲーション装置1に挿入されて外部電源入力端子5と接触接続される接続端子(不図示)を介して供給されるようになっている。
【0034】
接続検出手段6は、シガーライター用アダプタ3または商用電源アダプタ4が外部電源入力端子5に接続されているか否かを検出するものであり、例えば、携帯型ナビゲーション装置1に挿入されている上述の接続端子を機械的な接触方式や電磁誘導または光を利用した非接触方式で検出するセンサ等で構成されており、携帯型ナビゲーション装置1に挿入されている前記接続端子を検出した場合は、接続検出信号を制御回路11に与える。
【0035】
この接続検出手段6からの接続検出信号が制御回路11に入力されている場合というのは、携帯型ナビゲーション装置1にシガーライター用アダプタ3または商用電源アダプタ4が接続されている場合であり、この場合、携帯型ナビゲーション装置1は携帯されずに使用される状況であるということもできる。
【0036】
一方、接続検出手段6からの接続検出信号が制御回路11に入力されていない場合というのは、携帯型ナビゲーション装置1にシガーライター用アダプタ3または商用電源アダプタ4が接続されていない場合であり、この場合、携帯型ナビゲーション装置1は携帯されて使用される状況であるということもできる。
【0037】
即ち、接続検出手段6は、携帯型ナビゲーション装置1が携帯されて使用されるのか携帯されずに使用されるのかを判別する判別手段であるということもできる。
【0038】
また、外部電源入力端子5にシガーライター用アダプタ3または商用電源アダプタ4からのDC9VまたはDC10.5Vの電圧が入力された場合、その入力された電圧は変圧回路10に与えられる。変圧回路10は、電圧検出手段7、変圧手段8、切換手段9から成り、充電式乾電池2に接続されている。
【0039】
変圧手段8は、DC9VまたはDC10.5Vの電圧が与えられた場合は、与えられたいずれかの電圧を所定電圧に変圧し、その所定電圧を切換手段9を介して各内部回路等に携帯型ナビゲーション装置1を動作させる内部電源として供給するとともに、その与えられたいずれかの電圧を充電式乾電池2の電池電圧であるDC7.2Vに変圧して充電式乾電池2に与え、充電式乾電池2を充電する。
【0040】
また、変圧手段8は、DC9VまたはDC10.5Vのいずれの電圧も与えられない場合は、充電式乾電池2からのDC7.2Vの電圧を前記所定電圧に変圧し、切換手段9を介して各内部回路等に前記内部電源として供給する。即ち、外部電源入力端子5にいずれの電圧も入力されない場合は、充電式乾電池2からの電力が動作電力となる。
【0041】
また、電圧検出手段7は、変圧回路10に与えられている電圧、即ち、充電式乾電池2からのDC7.2Vの電圧、及び/または外部電源入力端子5からのDC9VまたはDC10.5Vの電圧を検出して制御回路11に出力する。これにより、制御回路11は、外部電源入力端子5に電圧が印加されているか否か、及び、印加されている場合はその電圧がDC9VであるかDC10.5Vであるかということを電圧検出手段7の出力電圧をもって認識することができる。
【0042】
また、切換手段9は、例えば、導通状態と遮断状態とが切り換わる電子スイッチ等で構成され、制御回路11からの指示に基づいて変圧手段8からの所定電圧を携帯型ナビゲーション装置1を動作させるための内部電源として各内部回路等に供給するか否かを切り換えられるようになっている。
【0043】
次に、このような構成の携帯型ナビゲーション装置1の動作を説明する。図2は、携帯型ナビゲーション装置1の動作を示すフローチャートである。
【0044】
先ず、入力部18が電源オン操作された場合、または、外部電源入力端子5にシガーライター用アダプタ3または商用電源アダプタ4からのDC9VまたはDC10.5Vの電圧が入力された場合、制御回路11は、入力部18から与えられる情報または電圧検出手段7の出力電圧からこれを認識し、切換手段9に指示を与えて切換手段9を導通状態に切り換える。これにより、変圧手段8で変圧された所定電圧が内部電源として各内部回路等に供給され、携帯型ナビゲーション装置1は動作状態になる(ステップS1)。
【0045】
動作状態になると、制御回路11は、電圧検出手段7の出力電圧を常に監視し、一旦、外部電源入力端子5に印加されていたDC9VまたはDC10.5Vの電圧がその後、印加されなくなったかどうか、即ち、外部電源からの電力供給が切断されたかどうかを確認する(ステップS2)。
【0046】
この確認は、例えば、電圧検出手段7の出力電圧がDC9VまたはDC10.5Vを含むときに制御回路11内部の記憶部に設けた外部電源フラグを「1」にセットして記憶しておくと、この外部電源フラグが「1」のとき、且つ、電圧検出手段7の出力電圧がDC9V及びDC10.5Vを含まないときが、外部電源からの電力供給が切断されたときであると認識することができる。尚、前記外部電源フラグは、制御回路11が外部電源からの電力供給が切断されたと認識し、その認識に基づく所定の処理を終了した後、「0」にリセットされる。
【0047】
そして、外部電源からの電力供給が切断されていないことを確認した場合(ステップS2でNO)、次に、制御回路11は、入力部18から与えられる情報から、入力部18が電源オフ操作されたかどうかを確認する(ステップS3)。
【0048】
そして、入力部18が電源オフ操作された場合(ステップS3でYES)、制御回路11はこれを認識して切換手段9に指示を与えて切換手段9を遮断状態に切り換える。これにより、変圧手段8で変圧された所定電圧が内部電源として各内部回路等に供給されなくなり、携帯型ナビゲーション装置1は動作を停止する(ステップS4)。入力部18が電源オフ操作されていない場合(ステップS3でNO)は、ステップS1に戻り、動作状態が継続する。
【0049】
一方、外部電源からの電力供給が切断されたことを確認した場合(ステップS2でYES)、次に、制御回路11は、上述した接続検出手段6からの接続検出信号が入力されているか否かを確認する(ステップS5)。このとき、切換手段9は導通状態のままであり、充電式乾電池2からのDC7.2Vの電圧が変圧手段8で変圧された所定電圧が切換手段9を介して内部電源として各内部回路等に供給されているので、携帯型ナビゲーション装置1は動作状態である。
【0050】
そして、接続検出手段6からの接続検出信号が入力されていない場合(ステップS5でNO)は、ステップS3に移行して入力部18が電源オフ操作されたかどうかを確認する。即ち、この場合は、入力部18が電源オフ操作されるまで携帯型ナビゲーション装置1の動作状態は継続する。
【0051】
一方、接続検出手段6からの接続検出信号が入力されている場合(ステップS5でYES)は、制御回路11はこれを認識して切換手段9に指示を与えて切換手段9を遮断状態に切り換える。これにより、変圧手段8で変圧された所定電圧が内部電源として各内部回路等に供給されなくなり、携帯型ナビゲーション装置1は動作を停止する(ステップS4)。
【0052】
一方、接続検出手段6からの接続検出信号が入力されていない場合(ステップS5でNO)は、ステップS1に戻り、動作状態が継続する。
【0053】
このような携帯型ナビゲーション装置1が車両の中で使用され、その車両のアクセサリー電源から動作電力を得て動作している場合を考える。外部電源入力端子5には、車両のシガーライター端子を介して供給される車両のアクセサリー電源であるDC12Vの電圧がシガーライター用アダプタ3で変換されたDC9Vの電圧が入力されている。
【0054】
このとき、シガーライター用アダプタ3からの電力は、電力供給線とその電力供給線の末端に設けられ携帯型ナビゲーション装置1に挿入されて外部電源入力端子5と接触接続される接続端子(不図示)を介して供給されている。そして、接続検出手段6は、携帯型ナビゲーション装置1に挿入されている前記接続端子を検出し、接続検出信号を制御回路11に与えている。
【0055】
上述したように、本実施形態の携帯型ナビゲーション装置1は、外部電源からの電力供給が切断された場合に、制御回路11に接続検出手段6からの接続検出信号が入力されている場合は動作が停止し、入力されていない場合は動作状態が継続する。従って、携帯型ナビゲーション装置1の利用者が車両から離れるときなどにアクセサリー電源がオフにされた場合には、シガーライター用アダプタ3からの電力供給が切断されたときに制御回路11に接続検出手段6からの接続検出信号が入力されているので、携帯型ナビゲーション装置1の動作は停止する。従って、その利用者が携帯型ナビゲーション装置1に備えられている電源スイッチをオフにするというような面倒な作業をすることなく、携帯型ナビゲーション装置1の動作が停止するので、携帯型ナビゲーション装置1が充電式乾電池2の電力で動作したままの状態で車両内に放置され、充電式乾電池2が消耗してしまうということが無くなる。即ち、充電式乾電池2の消耗を抑制することができる。
【0056】
また、目的地に到着した後、携帯型ナビゲーション装置1を車両の外へ携帯して使用するために、携帯型ナビゲーション装置1に挿入されていた前記接続端子が引き抜かれた場合には、シガーライター用アダプタ3からの電力供給が切断されたときに制御回路11に接続検出手段6からの接続検出信号が入力されなくなるので、携帯型ナビゲーション装置1の動作状態は継続する。従って、アクセサリー電源との接続を外しても携帯型ナビゲーション装置1の動作が停止することがないので、携帯して使用するときに携帯型ナビゲーション装置1の電源スイッチを操作して電源を入れ直すというような面倒な作業を行う必要がなくなり、使い勝手が向上する。
【0057】
尚、本発明は、上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において各部の構成等を適宜に変更して実施することが可能であり、以下のようにすることも可能である。
【0058】
例えば、ステップS5における接続検出手段6からの接続検出信号が入力されているか否かの確認は、ステップS2で外部電源からの電力供給が切断されたことを確認したときから所定の遅延時間後に行うようにすると良い。
【0059】
これは、外部電源からの電力供給の切断がシガーライター用アダプタ3または商用電源アダプタ4からの電力を供給する上述の接続端子を引き抜くことによって行われた場合、外部電源入力端子5に電圧が印加されなくなった直後では、まだ前記接続端子が抜けきっておらず、接続検出手段6の構成等によっては、接続検出手段6からの接続検出信号が制御回路11に入力されている可能性があり、その場合には携帯型ナビゲーション装置1の動作を停止させてしまうという誤動作が発生するので、これを防止するためである。
【0060】
このような所定の遅延時間を設けることにより、前記接続端子の抜き方や抜くスピードに影響されることなく、また、接続検出手段6が簡単な構成であっても、上記誤動作の発生を防止することができ、信頼性を向上させることができる。
【0061】
また、シガーライター用アダプタ3から供給される電圧をDC9Vとし、商用電源用アダプタ4から供給される電圧をDC10.5Vとすることにより、制御回路11は、携帯型ナビゲーション装置1に供給されている外部電源が車両のアクセサリー電源であるか商用電源であるかを電圧検出手段7の出力電圧がDC9Vを含むかDC10.5Vを含むかをもって認識することができ、これにより、制御回路11に、携帯型ナビゲーション装置1に供給されている外部電源が車両のアクセサリー電源であるか商用電源であるかによって、異なった動作を行わせるようにすることもできる。
【0062】
例えば、受信したテレビジョン放送を表示する機能を有する車載専用のナビゲーション装置は、交通事故防止のため、駐車中でない場合は受信したテレビジョン放送の画像を表示しないようにしているが、携帯型ナビゲーション装置1において、供給されている外部電源が商用電源である場合はTV受信手段16で受信したテレビジョン放送の画像を表示部17に表示するが、供給されている外部電源が車両のアクセサリー電源である場合はTV受信手段16で受信したテレビジョン放送の画像を表示部17に表示しないようにすると良い。このようにすると、前記車載専用のナビゲーション装置と同様に交通事故防止を図ることができる。
【0063】
尚、このようにした場合、供給されている外部電源が車両のアクセサリー電源である場合であっても、制御回路11が車両のサイドブレーキをブレーキ状態(駐車中状態)にしたことを認識する信号を得た場合は、TV受信手段16で受信したテレビジョン放送の画像を表示部17に表示するようにすることも可能である。
【0064】
また、制御回路11は、携帯型ナビゲーション装置1に外部電源から電力が供給されていないことを電圧検出手段7の出力電圧がDC9V、DC10.5Vのいずれも含まず、DC7.2Vだけを含むということをもって認識することができる。そこで、携帯型ナビゲーション装置1に外部電源から電力が供給されていない場合であって、動作中に入力部18が所定時間以上操作されない場合は、切換手段9を遮断状態にして動作を停止させるようにすることが可能である。このようにすると、携帯型ナビゲーション装置1が動作している状態のまま放置されて充電式乾電池2が消耗してしまうことが防止できる。
【0065】
また、携帯型ナビゲーション装置1に動作電力を供給する電池は、充電式乾電池2のような2次電池に限定されるものではなく、1次電池であっても構わない。1次電池が使用される場合は、上述した変圧手段8の充電機能は不要となる。
【0066】
尚、本実施形態は携帯型ナビゲーション装置であったが、本発明は、動作電力を得るための電池を有するとともに、外部電源入力端子に入力される外部電源からの電力で動作することができる全ての携帯型電子機器に適用することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】本発明の一実施形態に係る携帯型ナビゲーション装置の要部構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す携帯型ナビゲーション装置の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0068】
1 携帯型ナビゲーション装置(携帯型電子機器)
2 充電式乾電池(電池)
3 シガーライター用アダプタ(外部電源)
4 商用電源用アダプタ(外部電源)
5 外部電源入力端子
6 接続検出手段(判別手段)
7 電圧検出手段
8 変圧手段
9 切換手段
10 変圧回路
11 制御回路(制御手段)
12 ROM
13 RAM
14 GPS測位手段
15 地図再生手段
16 TV受信手段
17 表示部
18 入力部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
動作電力を得るための電池を有するとともに、外部電源入力端子に入力される外部電源からの電力で動作することができる携帯型電子機器において、
該携帯型電子機器が携帯されて使用されるのか携帯されずに使用されるのかを判別する判別手段と、
動作中に前記外部電源からの電力が入力されなくなった場合に、該携帯型電子機器が携帯されて使用されると前記判別手段が判別した場合には前記電池からの電力を動作電力とするように制御し、該携帯型電子機器が携帯されずに使用されると前記判別手段が判別した場合には前記電池からの電力を動作電力としないように制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項2】
動作電力を得るための電池を有するとともに、外部電源入力端子に入力される外部電源からの電力で動作することができる携帯型電子機器において、
前記外部電源入力端子から電圧が与えられているときは該電圧を所定電圧に変圧し、前記外部電源入力端子から電圧が与えられていないときは前記電池からの電圧を前記所定電圧に変圧する変圧手段と、
前記外部電源入力端子に印加される電圧を検出する電圧検出手段と、
前記所定電圧が動作電力として内部に供給されるか否かを切り換えられるようにした切換手段と、
該携帯型電子機器が携帯されて使用されるのか携帯されずに使用されるのかを判別する判別手段と、
動作中に前記電圧検出手段が前記外部電源入力端子に電圧が印加されなくなったことを検出した場合に、該携帯型電子機器が携帯されて使用されると前記判別手段が判別した場合には前記所定電圧が動作電力として内部に供給されるように前記切換手段を切換制御し、該携帯型電子機器が携帯されずに使用されると前記判別手段が判別した場合には前記所定電圧が動作電力として内部に供給されないように前記切換手段を切換制御する制御手段と、
を具備したことを特徴とする携帯型電子機器。
【請求項3】
前記判別手段は、前記外部電源入力端子に前記外部電源が接続されているか否かを検出する接続検出手段を有し、前記外部電源が接続されていることを前記接続検出手段が検出している場合は該携帯型電子機器が携帯されて使用されると判別し、前記外部電源が接続されていないことを前記接続検出手段が検出している場合は該携帯型電子機器が携帯されずに使用されると判別することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯型電子機器。
【請求項4】
前記制御手段は、前記電圧検出手段が前記外部電源入力端子に電圧が印加されなくなったことを検出したときから所定の遅延時間後に、前記接続検出手段の検出結果に基づいて前記切換手段を切換制御することを特徴とする請求項3に記載の携帯型電子機器。
【請求項5】
前記電池が2次電池であり、前記外部電源入力端子に入力される外部電源からの電力で前記2次電池が充電されることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の携帯型電子機器。
【請求項6】
GPS(Global Positioning System)衛星からの電波を受信して現在位置を測定するGPS測位手段と、地図情報が書き込まれた記憶媒体より地図情報を読み取る地図再生手段とを備えるとともに、前記制御手段は前記GPS測位手段からの測定データと前記地図再生手段からの地図情報とに基づいて地図や現在位置を表示部に表示するナビゲーション機能を備えていることを特徴とする請求項2〜請求項5のいずれかに記載の携帯型電子機器。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2006−23197(P2006−23197A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−201987(P2004−201987)
【出願日】平成16年7月8日(2004.7.8)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】