説明

携帯式コンピュータ、画面表示方向の変更方法、プログラムおよび記憶媒体

【課題】単一アンテナしか持っていない無線モジュールを適用した携帯式コンピュータで、局所SARの影響をなくす。
【解決手段】周辺にアンテナが取り付けられた表示手段と、アンテナから電波を送信する無線制御手段と、表示手段に表示される画面方向の変更指示をする変更指示手段と、画面変更手段とを持つ。この画面変更手段は、変更指示手段が画面の下側の方向にアンテナが位置する画面方向の変更指示をしたとき、アンテナが電波の送信を停止している間は変更指示を実行する。しかし、アンテナが電波の送信をしている間はその変更指示を無視する。これによって、画面の下側の方向(=ユーザと接触する側の方向)にアンテナがある場合にはこのアンテナから電波が送信されない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、アンテナが取り付けられた携帯式コンピュータにおいて電波の送信を制御する技術に関し、さらに詳細には人体に近接した状態にあるアンテナから電波を送信させない技術に関する。
【背景技術】
【0002】
パーソナル・コンピュータ(以後PCという)の中で、液晶ディスプレイ(以後単にディスプレイという)に対してペン入力で操作できる薄型のものをタブレットPCという。タブレットPCは、ノートブック型PC(以後ノートPCという)と同等の機能を、キーボードを使用しなくてもペン入力で操作することができる。タブレットPCには、大きく分けてコンバーチブル型とピュアタブレット型の2種類がある。コンバーチブル型は、キーボードを内蔵したノートPCのディスプレイの方向を変えて、タブレットPCとしても利用できる構造のものである。ピュアタブレット型は、キーボードを内蔵せず、標準ではペン入力による操作のみを行う構造のものである。図14は、人間がタブレットPC501を手に持って操作するときの体勢について示す概念図である。ユーザ503は、タブレットPC501を片手で持ち、残る片手でディスプレイ505にタッチペン507で触って操作する。この体勢では、タブレットPC501の外周のうち一辺509が、ユーザ503の身体の胸部または腹部などに接触または接近している。タブレットPC501の縁部には表示方向回転ボタン511があり、このボタンを1回押すごとにディスプレイ505に表示される画面の方向が90度ずつ回転する。また、タブレットPC501は無線モジュール(図示せず)およびアンテナ513を装備し、無線LAN(Wireless Local Area Network)などを介してネットワークに接続することができる。アンテナ513は、取り付け場所の制約や電波の送受信感度などの理由で、通常はディスプレイ505外周のうち一辺に配置される。
【0003】
一方、携帯電話および無線LANなどのような、人体に近接した体勢で使用される無線通信機器が普及するにつれて、これらのような通信機器から発せられる電波の人体に対する影響についての関心が高まっている。そのため、多くの国では、人体に吸収される電波の電力量の指標であるSAR(Specific Absorption Rate、単位質量の人体組織に単位時間に吸収されるエネルギー)の許容量について、基準を定めている。たとえば、日本では総務省令・無線設備規則第十四条の二によって、携帯無線通信を行う陸上移動局は人体の特定の部位に対するSARである局所SARを2.0W/kg以下とすることが義務づけられている。これと同じように、米国では1.6W/kg、スウェーデンでは0.8W/kgなどのように局所SARについての基準が定められている。中国、ドイツなども同様の基準の導入について検討している。
【0004】
特に人体の頭部と接触した状態で使用されることが多い携帯電話端末で、局所SARを少なくするための技術が活発に研究され、それらの技術は特許文献としても多く開示されている。特許文献1は、携帯電話用アンテナの無給電素子を、人体側に配置されるときは反射器として、人体と反対の側に配置されるときは導波器としてそれぞれ動作させる技術を開示する。特許文献2は、移動通信装置と人体との距離を検出するセンサを利用し、人体に接近したことを検出して電波の放射を弱める技術を開示する。特許文献3は、人体を検出するセンサと複数のアンテナとを備え、人体との距離に応じて使用するアンテナを切り替える技術を開示する。
【0005】
【特許文献1】特開2003−60417号公報
【特許文献2】特開2003−209483号公報
【特許文献3】特開2002−171191号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
一般的に、局所SARが問題にされるのは、電磁放射源(主にアンテナ)と人体との距離が、周波数100〜300MHzでは20cm以内、300MHz〜3GHzでは10cm以内である場合である。日本においても、このことに基づいて電波防護指針(局所管理指針)が定められている。そこでは、無線通信機器が通常の使用状態でアンテナと人体との距離が局所SARが問題になる距離以内である場合に局所SARを検査し、2.0W/kg以下であることを確認することが義務づけられている。ノートPCの場合は、たとえばディスプレイの外周のうちユーザから遠い側の一辺にアンテナを配置するようにしていることが多いので、ユーザが膝の上に載せて使用する携帯使用モードであってもアンテナと人体との距離は局所SARが問題になる距離よりも離れているため、局所SARが問題にされることはほとんどない。デスクトップ型PCの場合も同様である。
【0007】
しかし、タブレットPC501は図14に示したように、外周のうち一辺509がユーザ503の身体と接触または接近した状態で操作される。ユーザは通常の使用状態でディスプレイに表示される画面の上下方向が正しく自分の方向に向くようにしてタブレットPC501を使用する。しかし、ディスプレイ505に表示される画面の方向は、表示方向回転ボタン511の操作によって90度ずつ回転させることができるので、ユーザが通常の使用状態で使用する限り、タブレットPC501の外周のいずれの辺もユーザ503の身体側の方向に向く可能性がある。その中で、アンテナ513を含む一辺がユーザ503の身体側に向くと、アンテナと人体との距離が局所SARが問題になる距離よりも接近する可能性がでてくる。これについては、携帯電話端末などと同じようにタブレットPCの筐体そのものに局所SARの影響を軽減する構造変更を施し、かつ局所SARの検査を行うことで対応することも可能である。しかしそれよりは、タブレットPC501の通常の使用状態でアンテナと人体との距離が局所SARが問題になる距離よりも離れているようにすることの方が、局所SARが問題になる状況を根本から回避できるので好ましいことである。
【0008】
本発明の出願人に譲渡された特願2005−164280にかかる特許出願は、アンテナが人体と接近することによる悪影響を回避する技術について開示する。図15は、この出願においてアンテナが人体と接近することによる悪影響を回避する方法を示す概念図である。この出願においてタブレットPC601は、複数のアンテナ603および605を、タブレットPC601の外周でそれぞれ異なる辺に配置し、ダイバーシティ方式で使用している。通常はこれらのアンテナのうち、送受信の状況がより良好なものを通信に使用する(図15(A))。ただし、表示方向回転ボタン607の操作によって、ディスプレイに表示される画面の方向が切り替えられると、アンテナ603および605のうちいずれかがユーザの身体側の方向に配置される可能性がある。そこで、たとえばアンテナ605がユーザの身体側の方向に配置されるように画面方向が変更された場合には、アンテナ605の使用を停止し、その他のアンテナ603のみを使用するようにしている(図15(B))。逆にアンテナ603がユーザの身体側の方向に配置されるように画面方向が変更された場合には、アンテナ603の使用を停止し、その他のアンテナ605のみを使用するようにしている。
【0009】
ただし、この技術はダイバーシティ方式で複数のアンテナをタブレットPC601の外周でそれぞれ異なる辺に配置していることが前提である。図16は、単一のアンテナしか装備していないタブレットPCについて示す概念図である。無線WAN(Wireless Wide Area Network)、もしくは日本で2005年12月にサービスが開始されたWiMAX(登録商標)に代表される無線MAN(Wireless Metropolitan Area Network)などのような無線ネットワークに接続するための無線モジュールは、ダイバーシティ方式ではなく、単一のアンテナ613しか装備していないことが多い。そのような無線モジュールをタブレットPC611に適用した場合、画面の表示方向を回転させると、通常の使用状態で使用したときに、ユーザの身体側の方向にアンテナ613が配置される可能性がある。このとき局所SARの問題を解決するために画面の方向が変更された瞬間にアンテナからの電波の送信を停止すると、それまで利用していた無線ネットワークへの接続が切断されるため利便性に欠けることになる。また、タブレット使用モードでは画面の方向の切り替えを不可能にすることによって、ユーザの身体側の方向にアンテナ613が配置される可能性をなくそうとすると、タブレットPC611の作業性を損なうことになる。
【0010】
そこで本発明の目的は、通常の使用状態において、アンテナが人体に接近した状態で電波を送信しないようにした携帯式コンピュータを提供することにある。さらに本発明の目的は、無線通信の継続性を維持し、局所SARの問題を回避しながら画面の表示方向を変更することができる携帯式コンピュータを提供することにある。さらに本発明の目的は、アンテナからの送信状態と画面の表示方向に関連した情報をユーザに提供し、アンテナが人体に接近した状態で電波を送信しないような操作をユーザが容易に行える携帯式コンピュータを提供することにある。さらに本発明の目的は、そのような携帯式コンピュータにおける画面の表示方向を変更する方法、およびその方法を実現するコンピュータ・プログラムとそのプログラムを記録した記憶媒体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の原理は、ユーザは通常の使用方法では画面の下側に向けて使用することを前提にして、アンテナの取り付け位置がユーザに接近した状態で携帯式コンピュータが使用されるようになる状態を、アンテナに対する画面の表示方向で検知してアンテナがユーザに接近した状態で電波が送信されることを防ぐことにある。さらに、携帯モードか設置モードかを検知して、アンテナからの電波の送信を制御することにある。画面の表示方向を変更することができる携帯式コンピュータを操作するユーザは、通常の使用状態では上下方向が正しくなるように自分に向けられた画面を正視している。したがって、画面の表示方向の変更に応じてユーザが通常の使用状態を維持しようとすれば、画面の下側方向に位置する携帯式コンピュータの筐体の様々な部位がユーザに最も近接した位置になり得る。
【0012】
本発明の携帯式コンピュータは、周辺にアンテナが取り付けられた表示手段と、アンテナから電波を送信する無線制御手段と、表示手段に表示される画面方向の変更指示をする変更指示手段と、画面変更手段とを備えている。携帯式コンピュータは、ユーザが人体に接触させて使用することが多い。表示手段には、周辺にアンテナが取り付けられているので、携帯式コンピュータがユーザに向く方向によってアンテナが接近したり離れたりする。画面変更手段は、変更指示手段が画面の下側方向にアンテナが位置する画面方向の変更指示をしたとき、アンテナが電波の送信を停止している間は変更指示を実行する。しかし、アンテナが電波の送信をしている間はその変更指示を無視する。これによってアンテナが電波の送信をしている間は、通常の使用状態においてユーザに近接する方向である画面の下側の方向にアンテナが位置するような画面の変更は行われない。変更指示手段が変更指示をする前の画面の方向は、画面の下側の方向にアンテナが位置する画面方向以外であればいずれの方向であってもよい。
【0013】
また、この画面変更手段が変更指示を無視したときに、変更指示の無視に関連する情報をユーザに提供する情報提供手段があるとよい。情報提供手段としては、たとえば表示画面に「アンテナが身体に接近しますので、この方向で使用することはできません」などのメッセージを表示すること、ランプを点滅させること、またはビープ音を出すことなどが考えられる。ユーザに対する画面方向の変更指示の無視に関連する情報の提供は、すでに行われている操作である無線通信の継続を優先させるように行われる。ユーザは画面変更の指示が無視されたことを知ると、無線通信を優先させて画面方向の変更を断念するか、画面方向の変更を優先させて無線通信を断念するかを選択して操作することができる。そして、この変更指示の無視に関連する情報をユーザに提供したこと後に変更指示手段が画面の下側以外の方向にアンテナが位置するように画面方向を変更する変更指示を画面変更手段が実行するようにすれば、当初の画面の方向よりも望ましく、かつ局所SARの影響が問題にならない画面方向の使用態様で携帯式コンピュータを使用することができる。
【0014】
この携帯式コンピュータが、ユーザが携帯して操作している携帯モードではなく、机などのような安定した場所に置かれて操作されている設置モードで使用されている場合は、アンテナがどの方向を向いていてもアンテナと人体との距離は局所SARが問題になる距離よりも離れているといえる。従って、設置モードである場合は、たとえ画面の下側の方向にアンテナが位置する画面方向であっても、変更指示を無視する必要はない。そこで、この携帯式コンピュータは、自身の使用状態が設置モードか携帯モードかを判断する使用状態判断手段を備え、現在の使用状態が設置モードであると判断したら、アンテナが電波の送信をしている間も画面方向の変更指示を実行するようにすることができる。
【0015】
この携帯式コンピュータは、アンテナからの電波の送信を停止している間は、局所SARが問題となることはないので、画面方向をどのように変更してもよい。しかし、画面の下側の方向にアンテナがあって、かつそのアンテナから電波が送信されていない場合に、この状態からそのアンテナからの電波の送信を開始しようとすると、局所SARが問題となる状態で電波が送信されることになる。そこで、無線制御手段を送信開始信号に応答してアンテナからの電波の送信を開始するように構成し、電波の送信が停止しているとき、無線制御手段は、表示手段が画面の下側に前記アンテナが位置する方向の画面を表示している間に受け取った送信開始信号を無視するようにする。これによって、局所SARが問題となる状態で電波が送信されることはなくなる。さらに、この場合に送信開始信号の無視に関連する情報をユーザに提供するようにすることができる。ユーザに対する送信開始信号の無視に関連する情報の提供は、すでに行われている操作である所定の方向での画面表示の継続を優先させるように行われる。ユーザは送信開始信号の指示が無視されたことを知ると、画面の表示方向の維持を優先させて無線通信を断念するか、無線通信を優先させて画面方向の維持を断念するかを選択して操作することができる。このとき画面変更手段は、変更指示の無視に関連する情報をユーザに提供した後に、変更指示手段が画面の下側以外の方向にアンテナが位置する方向に画面方向を変更する変更指示を受け取って実行すすることができる。
【0016】
そして、この場合も自身の使用状態が設置モードか携帯モードかを判断する使用状態判断手段が現在の使用状態が設置モードであると判断したら、無線制御手段は表示手段が画面の下側方向にアンテナが位置する方向の画面を表示している間に受け取った送信開始信号を実行してアンテナから電波を送信するようにすることができる。なお、本発明にかかるアンテナは単一のアンテナに限定されるものではなくダイバーシティ方式でないシングル方式の複数のアンテナであっても本発明を適用することができる。
【0017】
本発明を、画面の表示方向を変更することができるタブレット式コンピュータに適用した場合、「表示手段」はディスプレイに対応しており、このディスプレイはPC使用モードとタブレット使用モードに設定が可能で、周辺にアンテナが取り付けられている。なお、タブレット使用モードとは図14に示した操作形態のように、ディスプレイに対してペン入力することによってユーザが操作する使用モードである。PC使用モードとは、通常のノートPCと同様にディスプレイをキーボードに対面するように開いて、キーボードおよびポインティング・デバイスによってユーザが操作する使用モードである。「無線制御手段」は、アンテナから電波を送信する無線モジュールに対応する。「変更指示手段」は、ディスプレイに表示される画面方向の変更指示をする変更指示部に対応する。「画面変更手段」は制御部に対応し、制御部は変更指示部が画面の下側の方向にアンテナが位置する画面方向の変更指示をしたとき、アンテナが電波の送信を停止している間は変更指示を実行しアンテナが電波の送信をしている間はその変更指示を無視する。
【0018】
前述の変更指示部は、たとえばユーザが画面方向の変更を指示するための操作ボタンであってもよい。また、ディスプレイがタブレット使用モードに設定された状態を検知するセンサ、もしくはタブレット・モードに設定されたタブレット式コンピュータの姿勢の変化を検知するセンサなどを利用して通常の使用状態となるユーザの方向を予測し自動的に変更するものであってもよい。さらに、圧電素子などでユーザが携帯式コンピュータを保持している位置を検知してユーザに向く方向を認識して自動的に画面の表示方向を変更するものであってもよい。そして、変更指示を無視した場合、それに関連する情報をユーザに提供するようにするとさらに望ましい。このとき変更指示の無視に関連する情報をユーザに提供したことに応答して、画面の下側の方向にアンテナが位置しない方向に画面方向を変更する指示を受け付けるようにすることができる。
【0019】
なお、このアンテナは、取り付けスペースやアンテナの送受信感度の観点から、PC使用モードにおけるディスプレイの上部または側部に取り付けられている。したがって、このタブレット式コンピュータをPC使用モードで使用する場合は通常の使用状態ではアンテナがどの方向を向いていてもアンテナと人体との距離で局所SARが問題になることはない。従って、PC使用モードで使用する場合は、たとえ画面の下側の方向にアンテナが位置する画面方向であっても、変更指示を無視する必要はない。そこで、このタブレット式コンピュータは、自身の使用状態がPC使用モードかタブレット使用モードかを判断する使用状態判断部を備え、制御部は現在の使用状態がPC使用モードであると判断したら、アンテナが電波の送信をしている間も画面方向の変更指示を実行するようにすることができる。また前述と同じように使用状態判断部によって自身の使用状態が設置モードか携帯モードかを判断し、設置モードであればアンテナが電波の送信をしている間も画面方向の変更指示を実行するようにすることもできる。タブレット式コンピュータにおいては、タブレット使用モード、PC使用モード、設置モード、および携帯モードの間にさまざま組み合わせが考えられる。しかし、局所SARの問題が生ずるのは、携帯モードでかつタブレット使用モードのときだけであり、PC使用モードまたは設置モードのいずれかの使用状態が含まれる場合は、画面の表示方向の変更を制約したり、アンテナからの電波の送信を制約したりする必要はない。
【0020】
ここでいう使用状態判断部は、たとえばドッキング・ステーションの接続の有無を判断する接続判断部を含むようにすることができる。また、使用状態判断部は、外付けキーボード、外付けマウス、外付けハードディスク・ドライブなどのような外部周辺装置の接続状態によって判断する回路やタブレット式コンピュータの振動を検知する加速度センサを含むようにすることもできる。
【0021】
この場合も、無線モジュールを送信開始信号に応答してアンテナからの電波の送信を開始するように構成し、電波の送信が停止していてディスプレイが画面の下側にアンテナが位置する方向の画面を表示している間に受け取った送信開始信号を無線モジュールが無視するようにすることができる。これによって、局所SARが問題となる使用状態で電波が送信されることはなくなる。さらに、この場合も送信開始信号の無視に関連する情報を表示するようにすることが望ましい。この場合も変更指示の無視に関連する情報をユーザに提供したことに応答して、画面の下側の方向にアンテナが位置しない方向に画面方向を変更する指示を受け付けるようにすることができる。
【0022】
本発明はまた、周辺にアンテナが取り付けられたディスプレイを有し、このディスプレイにおける画面の表示方向を変更して使用する携帯式コンピュータにおいて、画面の表示方向を変更する方法としても捉えられる。その場合、携帯式コンピュータはアンテナから電波を送信するステップと、ディスプレイに画面の下側以外の方向に前記アンテナが位置するように画面を表示するステップと、アンテナから電波が送信されているか否かを判断するするステップと、ディスプレイに画面の下側の方向に前記アンテナが位置するよう画面方向の変更指示をするステップと、この指示をするステップに応答して、アンテナから電波が送信されていないときには画面方向を変更し、アンテナから電波が送信されているときには変更指示を無視するステップとを実行する。さらに本発明は、ここで述べた各々のステップを実行するコンピュータ・プログラムと、そのプログラムを記録した記憶媒体を提供することもできる。
【発明の効果】
【0023】
本発明により、通常の使用状態において、アンテナが人体に接近した状態で電波を送信しないようにした携帯式コンピュータを提供することができた。さらに、本発明により、無線通信の継続性を維持し、局所SARの問題を回避しながら画面の表示方向を変更することができる携帯式コンピュータを提供することができた。さらに、本発明により、アンテナからの送信状態と画面の表示方向に関連した情報をユーザに提供し、アンテナが人体に接近した状態で電波を送信しないような操作をユーザが容易に行える携帯式コンピュータを提供することができた。さらに、本発明により、そのような携帯式コンピュータにおける画面の表示方向を変更する方法、およびその方法を実現するコンピュータ・プログラムとそのプログラムを記録した記憶媒体を提供することができた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明において好適とされる実施の形態について、図面を参照して説明する。図1は、本発明の一つの実施形態によるタブレットPC1の外観図である。タブレットPC1はコンバーチブル型であり、いずれも略直方体である本体側筐体14およびディスプレイ側筐体15を備える。本体側筐体14はキーボードおよびポインティング・デバイスを備えた入力部10を備え、ディスプレイ側筐体15はタッチパネル入力部16を液晶の上に重ねてタッチペンによる入力が可能であるディスプレイ11を備える。さらに、本体側筐体14およびディスプレイ側筐体15は、それぞれの端部の中央で連結部13によって連結されており、連結部13は、これらの筐体を互いに開閉する方向に回動自在にしている。さらに、本体側筐体14に対してディスプレイ側筐体15を開いた状態で、ディスプレイ側筐体15を少なくとも180度回転させることが可能である。タブレットPC1は、図1(A)に示すPC使用モードでは、通常のノートPCとして、入力部10による操作で使用することができる。さらに、図1(B)に示すように連結部13を回転させて、図1(C)に示すように本体側筐体14の上にディスプレイ側筐体15を重ねるように折り畳み、ディスプレイ11が表を向くようにすれば、図1(D)に示すタブレット使用モードとなる。タブレット使用モードでは、タブレットPC1をタッチパネル入力部16による操作で使用することが可能である。
【0025】
タブレットPC1のディスプレイ側筐体15で、ディスプレイ11の周辺部には表示方向回転ボタン17が備えられている。ユーザが表示方向回転ボタン17を1回押すごとに、所定の方向にディスプレイ11に表示される画面の方向が90度ずつ回転する。回転の方向は、設定された時計方向、反時計方向、あるいはいずれかの選択された方向に回転可能になるようにしてもよい。さらに180度回転させるときは、90度ずつ回転させないで、1回で180度回転させるようにしてもよい。そして、ディスプレイ側筐体15の外縁には、無線ネットワーク(無線WAN、無線MANなど)に接続するためのアンテナ18が1個備えられている。PC使用モードでは、アンテナ18はディスプレイ側筐体15の外縁でユーザから遠い側の上縁に配置されている。または、PC使用モードでディスプレイ側筐体15の側面になる外縁に、アンテナ18を配置してもよい。
【0026】
図2は、タブレットPC1の本体側筐体14およびディスプレイ側筐体15に内蔵されたハードウェアの構成を示す概略図である。CPU21は、タブレットPCの中枢機能を担う演算処理装置で、OS、BIOS、デバイス・ドライバ、あるいはアプリケーション・プログラムなどを実行する。CPU21は、システム・バスとしてのFSバス(Front Side Bus)23、CPU21と周辺機器との間の通信を行うためのPCI(Peripheral Component Interconnect)バス25、ISAバスに代わるインターフェイスであるLPC(Low Pin Count)バス27という3段階のバスを介して各デバイスに接続されて信号の送受を行っている。FSバス23とPCIバス25はCPUブリッジ29によって連絡されている。CPUブリッジ29は、メイン・メモリ31へのアクセス動作を制御するためのメモリ・コントローラ機能や、FSバス23とPCIバス25との間のデータ転送速度の差を吸収するためのデータ・バッファ機能などを含んだ構成となっている。
【0027】
メイン・メモリ31は、CPU21が実行するプログラムの読み込み領域、処理データを書き込む作業領域として利用される書き込み可能メモリである。ビデオ・コントローラ33は、ビデオ・チップおよびVRAM(いずれも図示せず)を有し、CPU21からの描画命令を受けて描画すべきイメージを生成しVRAMに書き込み、VRAMから読み出されたイメージを描画データとしてディスプレイ11に送る。同時にビデオ・コントローラ33は、表示方向回転ボタン17の操作に対応して、ディスプレイ11に表示される画面の方向を90度ずつ反時計方向に回転させる機能を実行することができる。
【0028】
PCIバス25には、I/Oブリッジ35、無線モジュール37、ドッキング・インターフェイス39、および有線LANやPCカードなどを接続するための各種コントローラ(図示せず)などが接続されている。無線モジュール37は、アンテナ18を介して無線ネットワークとのデータ通信を行う。またドッキング・インターフェイス39は、後述するドッキング・ステーションとの接続に使用される。I/Oブリッジ35は、PCIバス25とLPCバス27との間のブリッジとしての機能を備えている。またI/Oブリッジ35は、USBインターフェイス41を介して外付けキーボード、外付けマウス、外付けハードディスク・ドライブなどのような外部デバイス(図示せず)と接続することが可能である。さらにI/Oブリッジ35は、IDE(Integrated Device Electronics)インターフェイスとしての機能を備えており、ハードディスク・ドライブ(HDD)43などが接続される。
【0029】
LPCバス27には、I/Oコントローラ45、ボタン・コントローラ47、および電源装置およびそれらのコントローラ、さらにシステム起動に使用されるBIOSなど(いずれも図示せず)が接続されている。I/Oコントローラ45は、PC使用モードで使用される入力部10、およびタブレット使用モードで使用されるタッチパネル入力部16が接続される。ボタン・コントローラ47は、表示方向回転ボタン17からの入力を検知する。
【0030】
なお、図1および図2は本実施の形態を説明するために、本実施の形態に関連する主要なハードウェアの構成および接続関係を簡略化して記載したに過ぎないものである。ここまでの説明で言及した以外にも、タブレットPC1を構成するには多くのデバイスが使われる。しかしそれらは当業者には周知であるので、ここでは詳しく言及しない。図で記載した複数のブロックを1個の集積回路もしくは装置としたり、逆に1個のブロックを複数の集積回路もしくは装置に分割して構成したりすることも、当業者が任意に選択することができる範囲においては本発明の範囲に含まれる。
【0031】
図3は、本実施の形態に係るソフトウェアおよび主要ハードウェアの構成について示す概略ブロック図である。CPU21で実行されるOS(オペレーティング・システム)103上には、ワードプロセッサ、表計算、電子メール・クライアント、ウェブ・ブラウザなどの各種のユーザ・アプリケーション101が稼動可能である。OS103は内蔵ボタン・ドライバ105、ビデオ・ドライバ107、無線ドライバ109等を通じて、各種ハードウェアを駆動し、タブレットPC1が備える各種機能を提供する。内蔵ボタン・ドライバ105は、ボタン・コントローラ47と協働して表示方向回転ボタン17等の内蔵ボタンを制御する。ビデオ・ドライバ107は、ビデオ・コントローラ33と協働してディスプレイ11を制御する。無線ドライバ109は、アンテナ18および無線モジュール37の制御を行う。制御部111はCPU21、メイン・メモリ31および本発明を実行する管理プログラム113で構成され、本発明の中心的な機能を果たす。本発明を実行する管理プログラム113は、HDD43に格納され、OSが動作を開始するとメイン・メモリ31に読み出されて実行され、以後OSが動作を終了するまでシステムに常駐する。
【0032】
本実施形態において、ユーザがタブレットPC1の表示方向回転ボタン17を押下すると、ボタン・コントローラ47がこの押下を感知し、内蔵ボタン・ドライバ105を通じてOS103、さらに制御部111にそのことを通知する。制御部111は、OS103等を通じて表示方向回転ボタン17が押下されたことを感知すると、OS103に対してディスプレイ11の表示方向の確認を行う。より具体的には、OS103はビデオ・ドライバ107を通じて、ビデオ・コントローラ33から表示方向に関する情報を取得する。制御部111が表示方向の回転を許可した場合、OS103は、あらかじめ設定された回転角度(例えば90度)の画面回転命令を、ビデオ・ドライバ107を通じてビデオ・コントローラ33に送信する。ビデオ・コントローラ33は、この命令を受信すると、ディスプレイ11の表示方向を回転させる。
【0033】
図4〜5は、本実施形態のタブレットPC1の、携帯モードにおける動作の一例を説明する概念図である。図4(A)に示すように、タブレットPC1はタブレット使用モードで動作している。アンテナ18がディスプレイ11の上側に向けられた状態で、タブレットPC1は無線ネットワークに接続してデータ通信を行っている。この状態では、アンテナ18はユーザの身体から離れているので、ユーザに対する局所SARの影響が問題となることなく、無線ネットワークを使用することができる。この状態から、ユーザが表示方向回転ボタン17を1回押し、ディスプレイ11に対する画面の表示方向を90度回転させたとする。そしてユーザは、90度回転した画面の上下の表示方向が自らに対して正しくなる通常使用状態にするために、タブレットPC1の筐体を回転させ、図4(B)に示す状態にする。この状態でもまだ、アンテナ18とユーザの身体との間の距離は、局所SARが問題になる距離よりも離れている。
【0034】
ここでユーザは、再び表示方向回転ボタン17を押して更に画面を90度回転させるものとする。図4(A)から図4(B)への移行と同じようにディスプレイ11に対する画面の表示方向がさらに90度回転させ、それに応じて通常使用状態にするためにタブレットPC1の筐体を回転させると、図4(C)の状態になる。この状態だと、タブレットPC1の外周に取り付けられたアンテナ18の位置がが、画面の下側の方向に一致するので、アンテナ18がユーザの身体側を向くことになる。従って、この状態でタブレットPC1が無線ネットワークとの接続(アンテナ18からの電波の送信)を継続しているなら、携帯モードで使用している限り、アンテナ18とユーザの身体との間の距離は、局所SARが問題になる距離よりも接近する可能性がでてくる。つまり、タブレットPC1をこの方向に向けたままで無線ネットワークを使用することは適切ではない。
【0035】
そこで、表示方向回転ボタン17が押されたことを検出した制御部111は、ディスプレイ11の表示方向を確認し、命令されたディスプレイ11の表示方向の下側方向が、アンテナ18の取り付け位置の方向と一致するか否かを検出する。図4(A)の状態から図4(B)の状態への移行であれば、表示方向回転ボタン17によって命令された画面の下側方向はアンテナ18の取り付け位置の方向と一致しないので、そのまま表示方向の90度の回転を許可する。しかし、図4(B)の状態から図4(C)の状態へと移行させようとした場合、表示方向が命令された画面の下側方向はアンテナ18の取り付け位置の方向と一致する。この場合は、制御部111は無線モジュール37が動作中か否かを検出し、動作中であれば表示方向の90度の回転を許可せず、図5(D)に示すように「アンテナが身体に接近しますので、この方向で使用することはできません。もう一度表示方向回転ボタンを押して、別の方向に切り替えてください」などのようなメッセージ151をディスプレイ11に表示する。あるいは制御部は、「無線の使用を停止してから表示方向回転ボタンを押してください。」というようなメッセージをディスプレイ11に表示することもできる。なお、無線モジュール37が動作していなければ、そのまま表示方向の90度の回転は許可される。
【0036】
図5(D)の状態から一定時間内に再び表示方向回転ボタン17を押すと、図5(E)に示すように、図4(B)の状態から表示方向が180°回転した状態となる。この場合、表示方向が命令された画面の下側方向はアンテナ18の取り付け位置の方向と一致しないので、制御部111はこの方向への回転を許可する。この状態でも、アンテナ18とユーザの身体との間の距離は、局所SARが問題になる距離よりも離れている。なお、図5(D)の状態で表示方向回転ボタン17を押さないと、表示方向は回転せず、ディスプレイ11からメッセージ151が消えて図4(B)の状態に戻る。また、図5(E)の状態から再び表示方向回転ボタン17を押すと、図4(A)の状態に戻る。本実施形態のタブレットPC1は、このようにして、ユーザが通常使用状態で使用する限り、アンテナ18とユーザの身体との間の距離が接近することを画面の表示方向で検知して、局所SARの問題を防止する。
【0037】
図6は、図4〜5で説明した表示方向回転ボタン17の入力に対する動作を書き表したフローチャートである。タブレットPC1の動作が開始されると(ブロック201)、制御部111はOS103を通じて表示方向回転ボタン17の入力イベントを待つ(ブロック203)。表示方向回転ボタン17の入力イベントが検出されると、制御部111はOS103に対してディスプレイ11の表示方向の確認を行う(ブロック205)。制御部111は画面の下側の方向がアンテナ18の取り付け位置の方向と一致するか否かを判断し(ブロック207)、一致しなければOS103に対して表示方向の90度の回転を許可し、OS103はそのまま表示方向の回転をビデオ・ドライバ107を通じてビデオ・コントローラ33に命令する(ブロック209)。ブロック207で画面の下側の方向とアンテナ18の取り付け位置の方向とが一致していれば、次に制御部111はOS103に、無線モジュール37が動作中か否かを、無線ドライバ109を通じて問い合わせる(ブロック211)。制御部111はOS103から入手した情報に基づいて無線モジュール37が動作中か否かを判断し(ブロック213)、動作中でなければ表示方向の90度の回転を許可し、ブロック209に進んで表示方向の回転を行う。
【0038】
ブロック207および213で、画面の下側の方向とアンテナ18の取り付け位置の方向とが一致し、かつ無線モジュール37が動作中でアンテナ18から電波が送信されていると判断された場合は、アンテナ18とユーザの身体との間の距離が局所SARが問題になる距離よりも接近した状態で無線ネットワークが使用される可能性がある。そこで、制御部111は表示方向の90度の回転を許可せず、図5(D)に示すようなメッセージ151をディスプレイ11に表示する(ブロック215)。そこから一定時間以内に表示方向回転ボタン17が押されたか否かを判断し(ブロック217)、押されたらOS103に対して表示方向の180度の回転を指令し、OS103はそのまま表示方向の回転をビデオ・ドライバ107を通じてビデオ・コントローラ33に命令する(ブロック219)。一定時間の間に表示方向回転ボタン17が押されなければ、表示方向の回転は行わない。以上の処理が終わったら、ブロック203のイベントを待つ状態に戻る。
【0039】
図7は、本実施形態のタブレットPC1の、携帯モードにおける他の動作を説明する概念図である。図7(A)に示すように、タブレットPC1はタブレット使用モードで動作している。アンテナ18はディスプレイ11の下側に向けられた状態だが、タブレットPC1は無線ネットワークに接続していない。図6のブロック213にあるように、無線ネットワークが使用されていなければ、アンテナ18がディスプレイ11の下側に向けられた状態になるように表示方向を回転させることは許可される。この状態でユーザが、電子メール・クライアント、ウェブ・ブラウザなどのようなネットワークに接続して使用されるユーザ・アプリケーション101を起動させ、それによって無線モジュール37の動作開始が要求されたことを制御部111が検出したものとする。この状態ではアンテナ18とユーザの身体との間の距離が、局所SARが問題になる距離よりも接近する可能性があるので、このままで無線モジュール37が動作を開始し、アンテナ18から電波が送信されることは適切ではない。
【0040】
そこで、無線モジュール37の動作開始が要求されたことを検出した制御部111は、ディスプレイ11の現在の表示方向を確認し、現在の画面の下側の方向と、アンテナ18の取り付け位置の方向とが一致するか否かを検出する。一致しなければ、そのまま無線モジュール37の動作開始を許可する。しかし、一致していれば、制御部111は無線モジュール37の動作開始を許可せず、図7(B)に示すように「アンテナが身体に接近していますので、この方向で通信することはできません。表示方向回転ボタンを押して、画面を別の方向に切り替えてください」などのようなメッセージをディスプレイ11に表示する。ここでユーザが一定時間内に表示方向回転ボタン17を押すと、図7(C)に示すように、図7(B)の状態から表示方向が90°回転した状態となる。この場合、画面の下側の方向はアンテナ18の取り付け位置の方向とは一致しないので、制御部111はこの方向へ表示方向を回転し、無線モジュール37の動作開始を許可する。なお、図7(B)の状態で表示方向回転ボタン17を押さないと、無線モジュール37の動作は開始せず、ディスプレイ11からメッセージ161が消えて図7(A)の状態に戻る。本実施形態のタブレットPC1は、このようにして、アンテナ18とユーザの身体との間の距離が接近した状態で無線モジュール37が動作することを防止する。
【0041】
図8は、図7で説明した無線モジュール37の動作開始が要求されたことに対する動作を書き表したフローチャートである。タブレットPC1の動作が開始されると(ブロック301)、制御部111はOS103を通じて無線モジュール37の動作開始のイベントを待つ(ブロック303)無線モジュール37の動作開始のイベントが検出されると、制御部111はOS103に対してディスプレイ11の現在の表示方向の確認を行う(ブロック305)。制御部111はディスプレイ11の表示方向がアンテナ18の向いている方向と一致するか否かを判断し(ブロック307)、一致しなければOS103に対して無線モジュール37の動作開始を許可し、OS103はそのまま無線モジュール37の動作開始を無線ドライバ109を通じて命令する(ブロック309)。ブロック307で画面の下側の方向とアンテナ18の取り付け位置の方向とが一致していれば、そこで、制御部111は無線モジュール37の動作開始を許可せず、図7(B)に示すようなメッセージ161をディスプレイ11に表示する(ブロック311)。そこから一定時間以内に表示方向回転ボタン17が押されたか否かを判断し(ブロック313)、押されたらOS103に対して表示方向の90°回転を指令し、OS103はそのまま表示方向の回転をビデオ・ドライバ107を通じてビデオ・コントローラ33に命令する(ブロック315)。そしてその後で無線モジュール37の動作開始を許可し、ブロック309に進んで無線モジュール37の動作開始を行う。一定時間の間に表示方向回転ボタン17が押されなければ、表示方向は回転せず、無線モジュール37の動作は開始しない。以上の処理が終わったら、ブロック303のイベントを待つ状態に戻る。
【0042】
図9は、本発明の別の実施形態のタブレットPC401が、設置モードで使用されている状態を示す外観図である。設置モードとは、タブレットPC401が机などのような安定した場所に置かれて操作されている状態をいう。タブレットPC401は、設置モードで使用されるとき、PC使用モードとタブレット使用モードのいずれかに設定される。図9(A)は、タブレットPC401が通常のノートPCとして使用できるようにPC使用モードに設定されている状態を示している。タブレットPC401が固定モードで使用されるときは、図9(B)に示すように、ドッキング・ステーション403に接続されていたり、図9(C)に示すように、タブレットPC401に外付けキーボード405、外付けマウス407、外付けHDD409などのような外部デバイスが接続されていたりする。さらに、図9(D)に示すように、タブレット使用モードでも机の上に置いて設置モードで使用する場合がある。これらの設置モードに該当する場合は、たとえアンテナがユーザの側に向いていたとしても、アンテナとユーザの身体との間の距離が局所SARが問題になる距離よりも接近することはないと考えられる。従って、画面の下側の方向がアンテナの設置方向と一致するか否かを判断して、表示方向の回転もしくは無線モジュールの動作を禁止するという動作は、タブレットPC401が設置モードに該当する状態である場合には必要ない。
【0043】
図10は、携帯モードまたは設置モードを判断する機能を備えたタブレットPC401のハードウェアの構成を示す概略図である。図11は、タブレットPC401のソフトウェアおよび主要ハードウェアの構成について示す概略ブロック図である。タブレットPC401のハードウェアは、図2に示されたタブレットPC1と比べて、LPCバス27上に加速度センサ51が追加されている。加速度センサ51は、圧電セラミックス素子などを利用し、タブレットPC401に対する外部からの加速度の向きと大きさを検出することができる。また、ソフトウェアでは、図3に示されたタブレットPC1と比べて、デバイス・ドライバ121が追加されている。デバイス・ドライバ121は、加速度センサ51の出力を検知し、またドッキング・インターフェイス39およびUSBインターフェイス41に対する外部デバイスの接続の有無および接続された外部デバイスの種類を検知することができる。図10では記載を省略しているが、ドッキング・インターフェイス39およびUSBインターフェイス41以外の端子に接続されたデバイスについても、同じように接続の有無および種類を検出できる。その他のデバイスおよびソフトウェアについては図2および図3に示したタブレットPC1と同一であるので、参照番号も同一として説明を省略する。
【0044】
タブレットPC401が設置モードにあるか否かを判断する条件としては、たとえば、加速度センサ51によって検出される加速度の変動が一定以下の低い値で一定時間以上継続していれば、タブレットPC401は机などのような安定した場所に置かれて操作されている、つまり設置モードにあるとみなすことができる。さらに、図9(B)に示すドッキング・ステーション403がドッキング・インターフェイス39に接続されたことや、図9(C)に示す特定の種類の外部デバイスがUSBインターフェイス41などに接続されたことも、タブレットPC401が設置モードにあるとみなすことができる条件である。ただし、接続されている外部デバイスの種類によっては、たとえばUSBフラッシュメモリなどのように、タブレットPC401が携帯モードであってもユーザが使用している状況が考えられるものがある。そのため、接続されている外部デバイスの種類を判別し、特定の種類の外部デバイスが接続されている場合に限って、タブレットPC401が設置モードにあると判断する必要がある。あるいは、ここに挙げた条件、またはこれら以外の条件の中から複数の条件を組み合わせて、タブレットPC401が設置モードにあるか携帯モードにあるかを判断する条件とすることも、当業者であれば容易にできることである。
【0045】
図12は、表示方向回転ボタン17の入力に対するタブレットPC401の動作を説明するフローチャートである。このときのタブレットPC401の使用状況は、図4〜5で示したものと同一であるので、詳しい説明は省略する。図12のフローチャートでは、図6に示されたタブレットPC1のフローチャートと比べて、ブロック203で表示方向回転ボタン17の入力イベントが検出されると、制御部111がタブレットPC401が設置モードにあるか否かを判断する処理(ブロック221)が追加されている。設置モードにあると判断されれば、制御部111は無線モジュールの動作状態を確認することなく表示方向の90度の回転を許可し、ブロック209以降に進む。設置モードでないと判断されれば、ブロック205以降に進む。ブロック221以外については、図6に示したタブレットPC1の場合と同一であるので、参照番号も同一として説明を省略する。したがって、制御部111が現在の使用状態を設置モードであると判断したときは、ブロック209とブロック203を繰り返して自由に画面の表示方向を変更することができる。
【0046】
図13は、無線モジュール37の動作開始が要求されたことに対するタブレットPC401の動作を書き表したフローチャートである。このときのタブレットPC401の使用状況は、図7で示したものと同一であるので、詳しい説明は省略する。図13のフローチャートでは、図8に示されたタブレットPC1のフローチャートと比べて、ブロック303で無線モジュール37の動作開始が要求されたことが検出されると、制御部111が、タブレットPC401が現在設置モードにあるか否かを判断する処理(ブロック321)が追加されている。設置モードにあると判断されれば、制御部111は無線モジュール37の動作開始を許可し、ブロック309以降に進む。設置モードでないと判断されれば、ブロック305以降に進む。ブロック321以外については、図8に示したタブレットPC1の場合と同一であるので、参照番号も同一として説明を省略する。したがって、設置モードで使用されている限り、タブレットPC401は画面の表示方向の制限を受けないで無線モジュールを動作させてアンテナから電波を送信したり、無線モジュールの動作により画面の表示方向が制限を受けたりしないようにすることができる。
【0047】
図10〜図13では、固定モードであることを検出して、画面の表示方向や、無線モジュールの動作を制御するタブレットPC401を説明した。タブレットPC1がPC使用モードで使用されるときは、アンテナ18がユーザから離れた状態にある。したがって、無線モジュール37の動作を検知して画面の表示方向を制限したり、画面の表示方向を検知して無線モジュール37の動作を制限したりする必要はない。タブレットPC1がPC使用モードに設定されたことは、連結部13に連動したモード検出スイッチを設けたり、タッチパネル操作部16に対する操作を検知して行うことができる。そして、モード検出スイッチからの信号で、タブレットPC1がPC使用モードに設定されたことを制御部111が検知したときは、無線モジュール37が動作している間に、画面の下側方向がアンテナの取り付け位置の方向に一致する画面の変更指示があってもそれを許可するようにすることができる。さらに無線モジュールが停止しディスプレイ11が画面の下側方向がアンテナの取り付け位置の方向になるように表示しているときに、無線モジュール37の動作開始命令を受け取った制御部111はそれを許可するようにすることができる。
【0048】
このようなタブレットPCは、図10の加速度センサ51に代えてモード検出スイッチを設け、図11のデバイス・ドライバ121にモード検出スイッチの信号を処理するモジュールを追加することで実現することができる。その動作は、図12のブロック221および図13のブロック321に代えてPC使用モードであるか否かを検出するブロックを設けることで説明することができる。
【0049】
なお、本発明が適用されるタブレットPCは、前述までの実施形態ではコンバーチブル型のものとして説明してきたが、ピュアタブレット式のタブレットPCに対しても同じように適用することができる。また、タブレットPC以外にも、たとえばPDAやゲーム機などのように、人体に接触もしくは接近した位置で無線モジュールと共に使用される可能性のある携帯式コンピュータには、本発明を適用して局所SARが問題とはならないようにすることができる。さらに、1本のアンテナのみを備えているタブレットPCについて実施例を説明してきたが、ダイバーシティ方式でないシングル方式であれば、複数のアンテナを備えた携帯式コンピュータについても本発明を適用することができる。また、たとえば無線WANと無線LANなど、複数の無線モジュールとその各々に対応した複数のアンテナを備えた携帯式コンピュータにおいては、使用中の無線モジュールの種類を認識し、その上で本発明が適用可能なものに対しては本発明を適用すればよい。
【0050】
なお、本発明においては、図面に示した特定の実施の形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の効果を奏する限り、これまで知られた如何なる構成であっても採用することができることはいうまでもないことである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一つの実施形態によるタブレットPCの外観図である。
【図2】本発明の一つの実施形態によるタブレットPCのハードウェアの構成を示す概略図である。
【図3】本発明の一つの実施形態によるタブレットPCのソフトウェアおよび主要ハードウェアの構成について示す概略ブロック図である。
【図4】本発明の一つの実施形態によるタブレットPCの、一つの使用状況における動作を説明する概念図である。
【図5】図4の続きである。
【図6】本発明の一つの実施形態によるタブレットPCの、表示方向回転ボタンの入力に対する動作を書き表したフローチャートである。
【図7】本発明の一つの実施形態によるタブレットPCの、別の使用状況における動作を説明する概念図である。
【図8】本発明の一つの実施形態によるタブレットPCの、無線モジュールの動作開始が要求されたことに対する動作を書き表したフローチャートである。
【図9】本発明の別の実施形態によるタブレットPCの、設置モードで使用されている状態を示す外観図である。
【図10】本発明の別の実施形態によるタブレットPCの、ハードウェアの構成を示す概略図である。
【図11】本発明の別の実施形態によるタブレットPCの、ソフトウェアおよび主要ハードウェアの構成について示す概略ブロック図である。
【図12】本発明の別の実施形態によるタブレットPCの、表示方向回転ボタンの入力に対する動作を書き表したフローチャートである。
【図13】本発明の別の実施形態によるタブレットPCの、無線モジュールの動作開始が要求されたことに対する動作を書き表したフローチャートである
【図14】人間がタブレットPCを操作するときの体勢について示す概念図である。
【図15】特願2005−164280においてアンテナが人体と接近することによる悪影響を回避する方法を示す概念図である。
【図16】単一のアンテナしか装備していないタブレットPCについて示す概念図である。
【符号の説明】
【0052】
1,401 タブレットPC
10 入力部
11 ディスプレイ
13 連結部
14 本体側筐体
15 ディスプレイ側筐体
16 タッチパネル入力部
17 表示方向回転ボタン
18 アンテナ
10 入力部
21 CPU
33 ビデオ・コントローラ
37 無線モジュール
39 ドッキング・インターフェイス
41 USBインターフェイス
47 ボタン・コントローラ
51 加速度センサ

101 ユーザ・アプリケーション
103 OS
105 内蔵ボタン・ドライバ
107 ビデオ・ドライバ
109 無線ドライバ
111 制御部
113 管理プログラム
121 デバイス・ドライバ
151、161 メッセージ
403 ドッキング・ステーション
405 外付けキーボード
407 外付けマウス
409 外付けHDD

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面の表示方向を変更することができる携帯式コンピュータであって、
周辺にアンテナが取り付けられた表示手段と、
前記アンテナから電波を送信する無線制御手段と、
前記表示手段に表示される画面方向の変更指示をする変更指示手段と、
前記変更指示手段が画面の下側方向に前記アンテナが位置する画面方向の変更指示をしたとき前記アンテナが電波の送信を停止している間は該変更指示を実行し、前記アンテナが電波の送信をしている間は該変更指示を無視する画面変更手段と
を有する携帯式コンピュータ。
【請求項2】
前記画面変更手段が前記変更指示を無視したことに応答して変更指示の無視に関連する情報をユーザに提供する情報提供手段を有する請求項1記載の携帯式コンピュータ。
【請求項3】
前記画面変更手段は、前記情報提供手段が前記変更指示の無視に関連する情報をユーザに提供した後に受け取った前記画面の下側以外の方向に前記アンテナが位置する方向に画面方向を変更する変更指示を実行する請求項2記載の携帯式コンピュータ。
【請求項4】
前記携帯式コンピュータの使用状態が設置モードか携帯モードかを判断する使用状態判断手段を有し、
前記使用状態判断手段が現在の使用状態が設置モードであると判断したとき、前記画面変更手段は前記アンテナが電波の送信をしている間も前記変更指示を実行する請求項1記載の携帯式コンピュータ。
【請求項5】
前記無線制御手段は送信開始信号に応答して前記アンテナからの電波の送信を開始するように構成されており、
前記無線制御手段は前記アンテナが電波の送信を停止し前記表示手段が画面の下側方向に前記アンテナが位置する方向の画面を表示している間に受け取った前記送信開始信号を無視する請求項1記載の携帯式コンピュータ。
【請求項6】
前記情報提供手段は、前記無線制御手段が前記送信開始信号を無視したことに応答して前記送信開始信号の無視に関連する情報をユーザに提供する請求項5記載の携帯式コンピュータ。
【請求項7】
前記画面変更手段は、前記情報提供手段が前記送信開始信号の無視に関連する情報をユーザに提供した後に受け取った前記画面の下側以外の方向に前記アンテナが位置する方向に画面方向を変更する変更指示を実行する請求項6記載の携帯式コンピュータ。
【請求項8】
前記携帯式コンピュータの使用状態が設置モードか携帯モードかを判断する使用状態判断手段を有し、
前記使用状態判断手段が現在の使用状態が設置モードであると判断したとき、前記無線制御手段は前記アンテナが電波の送信を停止し前記表示手段が画面の下側方向に前記アンテナが位置する方向の画面を表示している間に受け取った前記送信開始信号に応答して前記アンテナからの電波を送信する請求項5記載の携帯式コンピュータ。
【請求項9】
前記アンテナがシングル方式の複数のアンテナである請求項1記載の携帯式コンピュータ。
【請求項10】
画面の表示方向を変更することができるタブレット式コンピュータであって、
PC使用モードとタブレット使用モードに設定が可能で周辺にアンテナが取り付けられたディスプレイと、
前記アンテナから電波を送信する無線モジュールと、
前記ディスプレイに表示される画面方向の変更指示をする変更指示部と、
前記変更指示部が画面の下側方向に前記アンテナが位置する画面方向の変更指示をしたとき前記アンテナが電波の送信を停止している間は該変更指示を実行し、前記アンテナが電波の送信をしている間は該変更指示を無視する制御部と
を有するタブレット式コンピュータ。
【請求項11】
前記アンテナが前記PC使用モードにおいて前記ディスプレイの上部または側部に取り付けられている請求項10記載のタブレット式コンピュータ。
【請求項12】
前記変更指示部が操作ボタンを含む請求項10記載のタブレット式コンピュータ。
【請求項13】
前記変更指示部が、前記ディスプレイが前記タブレット使用モードに設定された状態を検知するセンサを含む請求項10記載のタブレット式コンピュータ。
【請求項14】
前記変更指示部が、前記タブレット式コンピュータの姿勢の変化を検知するセンサを含む請求項10記載のタブレット式コンピュータ。
【請求項15】
前記制御部は、前記変更指示を無視したことに応答して前記ディスプレイに前記変更指示の無視に関連する情報を表示する請求項10記載のタブレット式コンピュータ。
【請求項16】
前記制御部は、前記ディスプレイに前記変更指示の無視に関連する情報を表示した後に受け取った前記画面の下側以外の方向に前記アンテナが位置する方向に画面方向を変更する変更指示を実行する請求項15記載のタブレット式コンピュータ。
【請求項17】
前記タブレット式コンピュータの使用状態が、PC使用モードかタブレット使用モードかを判断する使用状態判断部を有し、
前記使用状態判断部が現在の使用状態がPC使用モードであると判断したとき、前記制御部は前記アンテナが電波の送信をしている間も前記変更指示を実行する請求項10記載のタブレット式コンピュータ。
【請求項18】
前記タブレット式コンピュータの使用状態が、設置モードか携帯モードかを判断する使用状態判断部を有し、
前記使用状態判断部が現在の使用状態が設置モードであると判断したとき、前記制御部は前記アンテナが電波の送信をしている間も前記変更指示を実行する請求項10記載のタブレット式コンピュータ。
【請求項19】
前記使用状態判断部がドッキング・ステーションの接続判断部、外部周辺装置の接続状態を判断する回路、および加速度センサからなるグループから選択されたいずれか1つの要素または2つ以上の要素の組み合わせを含む請求項18記載のタブレット式コンピュータ。
【請求項20】
前記無線モジュールは送信開始信号に応答して前記アンテナからの電波の送信を開始するように構成されており、
前記無線モジュールは、前記アンテナからの電波の送信を停止し前記ディスプレイが画面の下側方向に前記アンテナが位置する方向の画面を表示している間に受け取った前記送信開始信号を無視する請求項10記載のタブレット式コンピュータ。
【請求項21】
前記無線モジュールが前記送信開始信号を無視したことに応答して前記制御部は前記ディスプレイに前記送信開始信号の無視に関連する情報を表示する請求項20記載のタブレット式コンピュータ。
【請求項22】
前記制御部は、前記ディスプレイに前記変更指示の無視に関連する情報を表示した後に受け取った前記画面の下側以外の方向に前記アンテナが位置する方向に画面方向を変更する変更指示を実行する請求項21記載のタブレット式コンピュータ。
【請求項23】
周辺にアンテナが取り付けられたディスプレイを有し該ディスプレイにおける画面の表示方向を変更して使用する携帯式コンピュータにおいて画面の表示方向を変更する方法であって、
前記アンテナから電波を送信するステップと、
前記ディスプレイに画面の下側以外の方向に前記アンテナが位置するように画面を表示するステップと、
前記アンテナから電波が送信されているか否かを判断するするステップと、
前記ディスプレイの画面の下側方向に前記アンテナが位置するよう画面方向の変更指示をするステップと、
前記指示をするステップに応答して、前記アンテナから電波が送信されていないときには画面方向を変更し、前記アンテナから電波が送信されているときには変更指示を無視するステップと
を有する方法。
【請求項24】
周辺にアンテナが取り付けられたディスプレイを有し該ディスプレイにおける画面の表示方向を変更して使用する携帯式コンピュータにおいて画面の表示方向を変更するコンピュータ・プログラムであって、前記携帯式コンピュータに、
前記アンテナから電波を送信する機能と、
前記ディスプレイに画面の下側以外の方向に前記アンテナが位置するように画面を表示する機能と、
前記アンテナから電波が送信されているか否かを判断するする機能と、
前記ディスプレイの画面の下側方向に前記アンテナが位置するよう画面方向の変更指示をする機能と、
前記画面方向の変更指示に応答して、前記アンテナから電波が送信されていないときには画面方向を変更し、前記アンテナから電波が送信されているときには変更指示を無視する機能と
を実現するコンピュータ・プログラム。
【請求項25】
周辺にアンテナが取り付けられたディスプレイを有し該ディスプレイにおける画面の表示方向を変更して使用する携帯式コンピュータにおいて画面の表示方向を変更するコンピュータ・プログラムを記憶したコンピュータによる読み取り可能な記録媒体であって、前記コンピュータ・プログラムが前記携帯式コンピュータに、
前記アンテナから電波を送信する機能と、
前記ディスプレイに画面の下側以外の方向に前記アンテナが位置するように画面を表示する機能と、
前記アンテナから電波が送信されているか否かを判断するする機能と、
前記ディスプレイの画面の下側方向に前記アンテナが位置するよう画面方向の変更指示をする機能と、
前記画面方向の変更指示に応答して、前記アンテナから電波が送信されていないときには画面方向を変更し、前記アンテナから電波が送信されているときには変更指示を無視する機能と
を実現する記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2008−90345(P2008−90345A)
【公開日】平成20年4月17日(2008.4.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−266978(P2006−266978)
【出願日】平成18年9月29日(2006.9.29)
【出願人】(505205731)レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド (292)
【Fターム(参考)】