説明

携帯式放射線検出器及びシステム

【課題】画像処理システムと共に使用するための携帯式検出器を提供する。
【解決手段】携帯式検出器は、携帯式検出器が外部電源に接続しているかどうかに関する少なくとも1つの特定に基づいて1つ又は複数の動作状態を自動的に設定する。携帯式検出器がテザーを介して接続されているかどうかを確認する、画像処理システムをさらに開示する。画像処理システムは、画像処理システムと携帯式検出器との間の適合性を評価するために携帯式検出器に接続されるとき、適合性チェックを行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯式放射線検出器に関する。
【背景技術】
【0002】
多くの非侵襲的画像処理手法が知られ、それらは今日使用されている。そうした1つのタイプのシステムは、興味のある体積を貫通したX線の検出に基づいている。X線は、その体積を横断し、その体積をどんな材料が占めていても、フィルム又はデジタル検出器に当たる。例えば、医用診断の場合には、そうしたシステムは、内部組織を視覚化し、患者疾患を診断するために使用することができる。別の場合には、部品、荷物、小包、及び他の材料は、それらの中身を検査するため、又は製造工程の場合には品質評価など他の目的で、画像処理される場合がある。
【0003】
そうしたX線システムは、X線を検出するために、固体検出器などのデジタル回路を使用することが多くなっている。そうした固体検出器は、検出器上の入射X線を示す電気信号を生成することができ、電気信号は、次に、X線の減衰又は画像処理される体積を通る様々な放射線路に沿ったX線の散乱を示す。生成信号は、次に、画像処理される体積内の物体又は患者の内部特徴を含む、その体積内の興味のある対象物の画像を再構成するために処理される場合がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
実際には、X線画像処理システムは、固定式の検出器を有し、又は特定のタイプの検出器と結合する可能性がある。そうした構成は、適当な検出器が所与の画像処理システムと共に使用されるとき、画像処理目的に効果的である可能性がある。しかし、そうした構成は、検出器機能を変更することに関しては比較的融通が利かない場合がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
1つの実施形態によれば、様々な画像処理システムと共に使用するように構成された携帯式検出器が開示される。携帯式検出器は、その携帯式検出器に外部電力を供給することができる1つ又は複数のコネクタと、1つ又は複数のルーチンをエンコードする少なくとも1つのメモリ構造体とを含む。1つ又は複数のルーチンは、実行の際、1つ又は複数のコネクタから受け取った入力に基づいて、携帯式検出器の動作状態を特定する。携帯式検出器は、少なくとも1つのメモリ構造体によりエンコードされた1つ又は複数のルーチンを実行するように構成された1つ又は複数のプロセッサをさらに含む。
【0006】
別の実施形態によれば、画像処理システムが提供される。画像処理システムは、画像処理体積を通る放射線を放射するように構成された照射源と、テザーに接続するように構成されたテザーコネクタとを含む。テザーは、画像処理システムから分離及び取外し可能である、携帯式検出器の補助的コネクタに接続するように構成される。画像処理システムは、実行の際、携帯式検出器がテザーを介して画像処理システムに接続されているかどうかを特定する1つ又は複数のルーチンを実行するように構成されたコントローラをさらに含む。
【0007】
さらなる実施形態によれば、画像処理システムが提供される。画像処理システムは、画像処理体積を通る放射線を放射するように構成された照射源と、携帯式検出器と通信するためのインターフェースとを含む。画像処理システムは、実行の際、画像処理システムと携帯式検出器との間の適合性を特定する1つ又は複数のルーチンを実行するように構成されたコントローラをさらに含む。
【0008】
本発明の開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、図面を通して同様の記号が同様の部品を表す添付の図面を参照して以下の詳細な説明を読めば、より十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の開示の1つ又は複数の実施形態によるデジタルX線画像処理システムの概略図である。
【図2】1つの実施形態による、図1のデジタルX線画像処理システムの固定式実装形態の斜視図である。
【図3】1つの実施形態による、図1のデジタルX線画像処理システムの可動式実装形態の斜視図である。
【図4】本発明の開示の態様による携帯式デジタル検出器の斜視図である。
【図5】本発明の開示の態様による、図4の携帯式デジタル検出器の別の斜視図である。
【図6】1つの実施形態による、図4に示す携帯式デジタルX線検出器の分解斜視図である。
【図7】本発明の開示の態様による、検出器容器に挿入された検出器の斜視図である。
【図8】本発明の開示の態様による、携帯式検出器の状態フロー図である。
【図9】本発明の開示の態様による、携帯式検出器のドッキングコネクタのピン配列の図である。
【図10】本発明の開示の態様による、携帯式検出器と共にバッテリ又はテザーを使用する別の方法の図である。
【図11】本発明の開示の態様による、テザーのプラグのピン配列の図である。
【図12】本発明の開示の態様による適合性チェックプロセスのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書で説明するように、携帯式デジタルX線検出器は、様々な放射線画像処理システムと共に使用され、それらの放射線画像処理システム間で情報交換することができる。例えば、携帯式デジタルX線検出器は、画像処理室若しくは検査室に特有の画像処理システム、又は画像処理のために様々な場所に運搬することができる可動システムなどの様々なタイプのX線画像処理システムと共に使用することができる。同様に、携帯式デジタルX線検出器は、アナログフィルムカセットを取り換えるなど、より古いシステムをアップグレードする取り換え可能なデジタルカセットとして使用することができる。様々な実装形態において、携帯式デジタルX線検出器は、場合に応じて、バッテリ又は外部電源により給電することができる可能性がある。同様に、そうした携帯式デジタルX線検出器とのデータ交換は、画像処理の場合に応じて、無線又は有線の接続を用いることができる。本明細書で説明する実装形態では、携帯式検出器上で実行する1つ又は複数のルーチンは、外部電源及び/又は有線若しくは無線のデータ接続の有無に基づいて、携帯式検出器の動作状態を設定するために使用することができる。それに加えて、携帯式検出器を使用する画像処理システム上で実行する1つ又は複数のルーチンは、携帯式検出器がテザー又は他の有線接続により画像処理システムに接続されているかどうかを示すことができる。さらに、携帯式検出器を画像処理システムに接続すると、携帯式検出器と画像処理システムとの間の適合性を確認するために、適合性チェックを行うことができ、必要に応じて、携帯式検出器にソフトウェア更新を適用する。
【0011】
以上を考慮に入れて、1つ又は複数の特定の実施形態を以下で説明する。これらの実施形態を簡潔に説明するために、本明細書には、実際の実装形態のすべての特徴を説明しない可能性がある。任意の工学又は設計プロジェクトなどの任意の実際の実装形態の開発では、実装形態ごとに異なる可能性がある、システム関連及びビジネス関連の制約に従うことなど、開発者の特定の目的を達成するために、いくつかの実装形態固有の特定を行わなければならないことを理解されたい。さらに、そうした開発努力は、複雑で時間がかかる可能性があるが、それでも、本発明の開示の利益を享受する当業者が設計、組立て、及び製造を始めるときの通常作業となることを理解されたい。
【0012】
本発明の開示の主題の様々な実施形態の要素を紹介するとき、冠詞「1つ(a)」、「1つ(an)」、「その(the)」、及び「前記(said)」は、1つ又は複数の要素が存在するものとする。用語「備える(comprising)」、「含む(including)」、及び「有する(having)」は、包含を意味し、列挙した要素以外の追加の要素が存在する可能性があることを意味する。さらに、本明細書では、用語「例示的」は、本発明の開示の技法の態様又は実施形態のいくつかの例との関連で使用することができ、これらの例は、本来、説明のためのものであり、本明細書では、用語「例示的」は、開示する態様又は実施形態に関する任意の選好又は要求を示すのに使用しないことが理解されよう。さらに、用語「頂部(top)」、「底部(bottom)」、「上(above)」、「下(below)」、他の位置を示す用語、及びこれらの用語の変形形態のいかなる使用も便宜上行うが、説明する部品のいかなる特定の向きも要求しない。
【0013】
以上の解説を考慮に入れて図1を参照すれば、この図は、本明細書で説明する携帯式検出器を使用して、離散画素画像データを取得し、処理するための画像処理システム10の例を図式的に示す。図示した実施形態では、画像処理システム10は、元の画像データを取得し、また表示用の画像データを処理するように設計されたデジタルX線システムである。図1に示す実施形態では、画像処理システム10は、コリメータ14に隣接して位置するX線照射源12を含む。コリメータ14は、患者18などの物体又は被験体が位置する領域内を通過する放射線の流れ16を形成し、及び/又は制限する。放射線の一部分20は、被験体中又は被験体の周りを通過し、参照番号22で全体を表す携帯式デジタルX線検出器に当たる。当業者には理解されるように、携帯式検出器22は、その表面上に入射するX線光子をより低いエネルギーの光子に変換し、続いて電気信号に変換することができ、その電気信号が取得され、被験体内の特徴部の画像を再構成するために処理される。
【0014】
照射源12は、電力及び検査手順用の制御信号を共に供給する電源/制御回路24により制御される。さらに、携帯式検出器22は、その中で生成される信号を取得することを命令する検出器コントローラ26に通信可能に結合する。図示する例では、携帯式検出器22は、適当な無線通信標準を介して、検出器コントローラ26と無線で通信する。他の実施形態では、携帯式検出器22は、テザー装置などのワイヤ又はケーブルを通して検出器コントローラ26と通信することができる。検出器コントローラ26は、様々な信号処理及びフィルタ処理機能を実行することができ、例えば、ダイナミックレンジの初期調整、デジタル画像データのインターリーブなどをする。
【0015】
電源/制御回路24及び検出器コントローラ26は共に、システムコントローラ28からの信号に応答する。通常、システムコントローラ28は、画像処理システム10の動作を統御し、検査プロトコルを実行し、取得した画像データを処理する。この場合には、システムコントローラ28はまた、通常、プログラムされた汎用デジタルコンピュータ又は特定用途向けデジタルコンピュータに基づく信号処理回路と、様々な機能を実行するためにコンピュータのプロセッサにより実行されるプログラム及びルーチンを記憶し、設定パラメータ及び画像データ、インターフェースプロトコルなどを記憶するための光学メモリデバイス、磁気メモリデバイス、又は固体メモリデバイスなどの関連製品とを含む。1つの実施形態では、汎用又は特定用途のコンピュータシステムには、本明細書で説明する、電源/制御回路24、検出器コントローラ26、及び/又はシステムコントローラ28の1つ又は複数に属する機能を実行するための、ハードウェア、回路、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを提供することができる。
【0016】
図1に示す実施形態では、システムコントローラ28は、参照番号30で示すディスプレイ又はプリンタなどの、少なくとも1つの出力装置に接続する。出力装置は、標準又は特定用途コンピュータモニタ及び関連の処理回路を含むことができる。1つ又は複数のオペレータワークステーション32は、システムパラメータを出力し、検査を要求し、画像を見るなどするためのシステム内に含まれ、又は別途、それに接続することができる。一般に、ディスプレイ、プリンタ、ワークステーション、及びシステム内に供給される同様の装置は、データ取得部品の近くに置くことができ、或いは、施設若しくは病院内の他の場所又は全く別の場所などに、これらの部品から離して置き、インターネット、仮想プライベートネットワークなどの1つ又は複数の設定可能ネットワークを介して画像取得システムに接続することができる。
【0017】
別の例として、専用検査又は画像処理室の場合に、固定式又は定置式画像処理システム40の斜視図を図2に提供する。この例では、画像処理システム40は、部屋に組み込まれ、すなわち適当な位置に固定されており、患者は、画像処理のために部屋に連れてこられる。図示する画像処理システム40は、患者18及び検出器22に対してX線管などの照射源12を位置決めするためのオーバヘッド管支持アーム38を含む。画像処理システム40は、照射源12に加えて、システムコントローラ28などの図1に関して上述した他の部品のいずれか又はすべてを含むこともできることにも留意されたい。
【0018】
さらに、1つの実施形態では、固定式画像処理システム40は、画像取得を容易にするために、患者台44又はウォールスタンド48の1つ又は両方と共に使用することができる。特に、台44及びウォールスタンド48は、1つ又は複数の分離可能携帯式検出器22を収容又は支持するように構成することができる。例えば、携帯式検出器22は、台44の上部表面上に配置することができ、患者18(又は患者18の興味のある生体組織)は、台44上の携帯式検出器22と照射源12との間に位置決めすることができる。或いは、携帯式検出器22は、クロステーブル画像取得のために、台44に対して直角に位置決めすることができる。さらに、ウォールスタンド48は、携帯式検出器22を収容するようにも構成された収容構造部50を含むことができ、患者18は、携帯式検出器22を介して画像データを取得することができるように、ウォールスタンド48に隣接して位置決めすることができる。同様に、他の実施形態では、携帯式検出器22は、検出器を収容するための任意の適当な場所に配置することができる。例えば、携帯式検出器22は、患者が車椅子内にいるときは患者の背後、又は患者が車輪付き担架若しくは可動式ベッド上にいるときは患者の下など、患者を移動させる装置の中、又はその上に配置することもできる。同様に、携帯式検出器22は、起立検査などを行うために、床上に配置することもできる。
【0019】
1つの実施形態では、画像処理システム40は、図2に全体を示し、図2に関して上述したような固定式X線画像処理室内に配置された定置式システムとすることができる。しかし、他の実施形態では、携帯式検出器22は、図3に示すように、可動式X線画像処理システム60内で使用することができる。1つの実施形態では、可動式画像処理システム60は、元の画像又は画像データを取得し、表示用に画像データを処理するように設計されたデジタルX線システムとすることができる。
【0020】
可動式画像処理システム60は、患者を専用(すなわち固定式)X線画像処理室に搬送することを必要とすることなく、患者回復室、救急室、外科室、手術室などの患者の場所に移動することができる。可動式X線画像処理システム60の移動を容易にするために、可動式システム60は、ユーザが画像処理システム60をある場所から別の場所に移動させることを可能にする携帯式カート62を含むことができる。1つ又は複数の携帯式検出器22を収容するように構成することができる検出器容器64が携帯式カート62に取り付けられる。検出器容器64は、携帯式検出器22を使用していないとき、携帯式検出器22を収容し、及び/又はそれを充電するために使用することができる。
【0021】
図3に示す携帯式カート62は、照射源12の位置決めを容易にするために支柱70に沿って垂直に移動することができる支持アーム68を含むこともできる。さらに、支持アーム68及び支柱70の1つ又は両方は、軸の周りの照射源12の回転を可能にするように構成することもできる。さらに、携帯式カート62は、ユーザが可動式画像処理システム60を移動させることを可能にする車輪64を含む。1つの実装形態では、携帯式カート62は、携帯式検出器22から画像データを取得し、適当に装備された場合に所望の画像を形成するためにデータを処理することができるシステム電子回路66(例えば検出器コントローラ26及び/又はシステムコントローラ28)を収容する。携帯式検出器22が技術又は能力のアップグレードを表す場合などの他の実施形態では、画像データは、携帯式検出器22から可動式画像処理システム60には伝達されないが、データを処理し、及び/又は画像を生成する遠方のシステムに伝達することができる。システム電子回路66は、バッテリ又は変圧器などの電源を使用して、照射源12及び携帯式カート62に給電し、電力を制御する。携帯式カート62は、ユーザが可動式画像処理システム60と対話し、操作することを可能にするオペレータワークステーション32及びディスプレイを含むこともできる。ワークステーション32は、可動式画像処理システム60の操作を容易にするために、ボタン、スイッチなどを含むことができる。最後に、携帯式カート62は、ユーザによる可動式画像処理システム60の移動を容易にするためにハンドル80を含むことができる。
【0022】
画像処理システムの以上の説明を考慮して、そうしたシステムは、本明細書で説明する携帯式検出器22と併せて使用することができることを理解されたい。携帯式検出器22の1つの実施形態の例を図4〜6に概略的に示し、図6は、興味のあるいくつかの部品の分解図を提供する。図示した実施形態では、携帯式検出器22は、検出器22の様々な部品を取り囲むハウジング90を含むことができる。いくつかの実施形態では、ハウジング90は、使用中に放射線を向ける固体検出器アレイ94の表面を露出させるウィンドウ92を含む。上述のように、検出器アレイ94は、使用時に、照射源12などからの電磁放射線を受け取り、物体又は患者18の画像を出力するために画像処理システム10が読み取ることができる電気信号に放射線を変換するように構成することができる。ハウジング90は、技能者又は他のユーザによる検出器22の位置決め及び搬送を容易にする1つ又は複数のハンドル96を含むことができる。
【0023】
1つの実施形態では、動作電力は、取外し可能バッテリ106(図6)又はケーブル(例えばテザー)のいずれかと係合するように構成されたコネクタ98(例えば受口)を介して携帯式検出器22に供給することができる。携帯式検出器22は、その本体内に配置された無線送受信機を介して、検出器コントローラ26及び/又はシステムコントローラ28などの、画像処理システム10の1つ又は複数の他の部品と通信することができる。
【0024】
或いは、携帯式検出器22は、コネクタ98により携帯式検出器22に結合するテザーを介して、又は、携帯式検出器22上の他の場所に設けられた結合用コネクタ102(図5)に結合する別のケーブル若しくは構造体を介してなど、有線接続を通してデータを伝達することもできる。例えば、1つの実施形態では、結合用コネクタ102は、固定式画像処理システム40の場合には、台44、又はウォールスタンド48の収容構造体50に挿入するとき、相補的構造体に係合するように、携帯式検出器22上に配置することができる。このように、結合用コネクタ102は、検出器22に給電し、検出器22と画像処理システムの他の部品との間のデータ通信(ギガビットイーサネット(商標)通信など)を可能にするために使用することができる。同様に、結合用コネクタ102は、収容中に検出器22を充電することができるように、検出器22用の収容容器内の相補的構造体と噛み合うように構成することができる。
【0025】
1つの実施形態では、携帯式検出器22は、電子部品104のうち、1つ若しくは複数のメモリ構造体103、又は1つ若しくは複数のプロセッサ105を含むことができる(図6)。特に、メモリ構造体は、検出器アレイ62を介して取得された画像若しくはX線減衰データを記憶することができ、及び/又は、検出器パネルにより取得されたデータを読み、若しくは本明細書で説明する携帯式検出器22の状態を自動的に特定し、設定するための実行可能ルーチンを記憶することができる。すなわち、いくつかの実装形態では、検出器22のメモリ構造体は、検出器22の動作を特定し若しくは容易にするファームウェア、又は他の実行可能なコード若しくはパラメータを記憶することができる。携帯式検出器は、運動、加速度、光強度などの環境的刺激に応答して応答信号を生成する、加速度計、近接センサ、運動センサ、光センサなどの1つ又は複数のセンサ107を含むこともできる。それに加えて、いくつかの実施形態では、ハウジング90は、検出器電力、状態、動作などをユーザに伝達する発光ダイオードなどの様々なインジケータ100を含むことができる。
【0026】
特定のX線画像処理システム10に固定されず、又はそれに割り当てられない携帯式検出器22を使用することができる範囲では、そうした携帯式検出器22が様々な画像処理システムに対して互換性があるのが効果的である可能性がある。例えば、様々なタイプの多くの画像処理システム(上述の固定式及び可動式設計の画像処理システムを含む)が存在する医療現場では、存在する様々なX線画像処理システムと共に携帯式検出器22を使用するのが効果的である可能性がある。しかし、画像処理の場合に応じて、携帯式検出器22の動作は様々である可能性がある。例えば、いくつかの場合には、携帯式検出器22は、テザー、又は、給電し、テザーを通してデータ伝送を可能にする他の有線連結装置と共に使用することができる。逆に、他の場合には、携帯式検出器22は、バッテリ電源から離れて動作することができ、無線で通信することができる。
【0027】
上述のように、いくつかの実装形態では、携帯式検出器22は、使用されないときは収容することができ、詳細には、携帯式検出器22は、特に携帯式検出器22を収容するように構成された専用の容器又は受口内に収容することができる。例えば、図7は、そうした1つの検出器容器108の斜視図を示す。図7に示すように、検出器22は、検出器容器108に挿入される。図示した実施形態では、検出器容器108は、検出器22を収容するように構成された検出器スロット110を含む。いくつかの実施形態では、検出器容器108は、2つ以上の検出器22を収容することができるように2つ以上の検出器スロット110を含むことができる。ガイドレール112は、検出器容器108内に存在することができ、検出器22が検出器容器108に挿入され、検出器22が充電される際に、検出器結合用コネクタ102を相補的検出器容器コネクタの方に案内することができる。
【0028】
これを考慮して、いくつかの実施形態では、動作又は収容中に、携帯式検出器22の動作状態は、携帯式検出器22が収容部内にあるかどうか、又はデジタル検出器が共に使用されている画像処理システム10のタイプに基づいて自動的に特定することができる。例えば、携帯式検出器22の動作状態は、携帯式検出器22がバッテリ電源若しくは外部電源によりその時点で給電されているかどうか、及び/又は、携帯式検出器22が無線若しくは有線データ通信に依存しているかどうか、若しくはその時点でデータを全く交換していないかに基づいて、特定することができる。したがって、本明細書で説明するいくつかの実施形態では、様々な電力及び/又はデータ構成は、検出器22がその時点で使用されているかどうか、又はどのように使用されているかに基づいて、携帯式検出器22を適当な電力及び/又はデータ伝送状態に置くために、携帯式検出器22により自動的に特定することができる。
【0029】
例えば、1つの実装形態では、携帯式検出器22は、電力消費部品が電源を遮断されるIDLE状態などの様々な規定の電力状態を有することができる。そうした状態では、携帯式検出器22のデータモジュール及び/又は回路(すなわち読出回路)は、電源を遮断される可能性があり、通常、携帯式検出器22の内部電子機器を冷却するファンなどの補助的電子部品も電源を遮断される可能性があるが、検出器パネル自体は、給電されている可能性がある。携帯式検出器22は、有線電源に接続されていないとき(すなわちバッテリにより給電されるとき)、及び画像処理用途に使用されていないとき、そうしたIDLE状態に入る可能性がある。
【0030】
携帯式検出器22は、外部電源に接続されているが、その時点で画像処理用途に使用されていないとき、STANDBY状態に入るように構成することができる。そうしたSTANDBY状態では、携帯式検出器22は、存在するいかなるバッテリも充電することができ、画像処理動作間に検出器要素を充電し、それを読むなど、検出器動作ルーチンを行い続けることができる。同様に、ファンなどの電力消費部品は、オンにすることができる。STANDBY状態では、携帯式検出器22は、実質的に十分に給電されるが、その時点で画像処理動作には使用されていない。
【0031】
同様に、IMAGING状態では、携帯式検出器22は、検出器要素及びファンを含めて、十分に給電される。しかし、STANDBY状態と異なり、検出器要素から読み出された信号は、棄却されるのではなく、保存され、又は検出器コントローラに伝送される。すなわち、IMAGING状態では、携帯式検出器22は、可動式画像処理システム60又は固定式画像処理システム40のいずれかにおいて実際に使用される。
【0032】
最後に、携帯式検出器22は、検出器容器内にあり、又は別途、画像処理の場合を除いて外部電源に接続されるときなど、CHARGING状態に置くことができる。そうした充電状態では、携帯式検出器22又は検出器22内のバッテリを充電することができるが、検出器要素及び関連の電子部品(例えばファン)は、電源を遮断される可能性がある。
【0033】
実例として、以下の例は、実際の現場、すなわち、本明細書で説明する携帯式検出器22において自動状態特定及び変更を促す可能性がある臨床の現場を説明する。例えば、1つの実施形態では、携帯式検出器22は、それと噛み合い、それを充電するコネクタを含む検出器容器108内に配置することができる。そうした実施形態では、携帯式検出器22上で実行するルーチンは、CHARGING状態が適していることを自動的に特定し、検出器22をそうした状態に置くことができる。
【0034】
1つの実装形態では、携帯式検出器22は、検出器容器108から取り外すと、携帯式検出器22が内部バッテリにより給電され、データを無線で伝達するデジタルカセットモードに入ることができる。そうしたデジタルカセットモードは、可動式画像処理システム60、又は携帯式検出器22が既存のシステムのアップグレード版として使用されるなど、外部電源若しくは有線データ通信がない他の画像処理システムと共に使用するのに適している可能性がある。そうした場合には、携帯式検出器22が検出器容器108から取り外されると、携帯式検出器22上で実行するルーチンは、携帯式検出器22のパネルに電源を入れる一方、読出回路に電源が供給されないIDLE状態に携帯式検出器22を置くことができる。IDLE状態では、携帯式検出器22は、デジタルカセットモードで画像を取得する準備をしているが、その時点で画像を取得していない。
【0035】
デジタルカセットモード用途の例では、オペレータが露出コントローラ(例えばハンドスイッチ)を作動させるときなど、画像取得動作を示す、携帯式検出器22が画像処理用途で使用される指標を受け取ると、携帯式検出器22上で実行するルーチンは、携帯式検出器22をIDLE状態からIMAGING状態に切り換えることができる。或いは、他の実施形態では、携帯式検出器22内に存在するセンサ107は、運動、光、又は携帯式検出器22をIDLE状態からIMAGING状態(又は以下で説明するSTANDBY状態)に進ませる他のいくつかの要素に応答して、信号を生成することができる。例えば、近接センサは、人が検出器センサ22に対する特定の距離まで近づくのに応答して信号を生成することができ、又は、加速度計は、携帯式検出器22が持ち上げられるのに応答して信号を生成することができる。これらの例では、センサ107により生成される信号は、携帯式検出器22の使用保留を示し、携帯式検出器22をIDLE状態から、IMAGING状態又はSTANDBY状態に進ませることができる。
【0036】
IMAGING状態では、携帯式検出器22は、読出回路及びデータ取得に加わる補助的電気部品(例えばファン)を含めて、十分に給電される。IMAGING状態で読出回路により読み出されたデータは、追加の処理のために、保存され、記憶され、及び/又は検出器取得回路に伝達される。データ取得動作が完了すると、携帯式検出器上で実行するルーチンは、外部電源がない状態のIDLE状態に携帯式検出器を戻す。
【0037】
しかし、携帯式検出器22を、デジタルカセットモードで使用しない代わりに、固定室用途(すなわち、電力及び有線データ通信を供給する、台又はウォールスタンド用途)で使用するとき、携帯式検出器22上で実行するルーチンは、動作が異なる可能性がある。例えば、そうした1つの実装形態では、携帯式検出器22は、固定室画像処理システムに接続する前にはIDLE状態である可能性があるが、接続されると、携帯式検出器上で実行するルーチンは、すべての電子回路(読出回路を含む)が電源を入れられ、いつでも画像処理を行う準備ができているSTANDBY状態に携帯式検出器22を置くことにより、外部電源及び/又は有線データ通信の存在に応答することができる。上述のように、センサ107(例えば近接センサ又は加速度計)からの信号は、携帯式検出器22がIDLE状態からSTANDBY状態に進むのに寄与する要素とすることもできる。読出回路は、STANDBY状態で動作することができるが、その時点で画像処理動作が行われていないとき、読み出されたデータは、棄却され、又は別途記憶されない可能性がある。さらに、STANDBY状態では、携帯式検出器22内のバッテリを充電することができる。
【0038】
オペレータが露出コントローラ(例えばハンドスイッチ)を作動させるときなど、画像取得動作を示す、画像処理動作を行う指標を受け取ると、携帯式検出器22上で実行するルーチンは、携帯式検出器22をSTANDBY状態からIMAGING状態に切り換えることができる。IMAGING状態では、携帯式検出器22は、読出回路及びデータ取得に加わる補助的電気部品(例えばファン)を含めて、十分に給電され、読出回路により読み出されたデータは、追加の処理のために、保存され、記憶され、及び/又は検出器取得回路に伝達される。データ取得動作が完了すると、携帯式検出器上で実行するルーチンは、携帯式検出器をSTANDBY状態に戻す。
【0039】
提供した例の場合で上述した様々なあり得る状態を図示する視覚的状態図120を図8に提供する。理解されるように、以上の例及び図示した状態は、包括的なものではなく、例として提供する1つのあり得る実装形態を説明するものにすぎない。状態図に示すように、携帯式検出器22は、適当に装備された検出器容器108内にあるとき、CHARGING状態に置かれる。携帯式検出器22は、検出器容器108から取り外されると、バッテリ電源で動作し、IDLE状態124に置かれる。携帯式検出器22がデジタルカセット動作で使用され、外部電源から遮断したままであるとき、携帯式検出器22は、画像処理動作を行っているか否かに応じて、IDLE状態124とIMAGING状態126との間で切り換える。
【0040】
携帯式検出器を、デジタルカセット用途で使用しない代わりに、固定室、又は外部電源が存在する他の画像処理用途で使用する場合には、携帯式検出器22は、バッテリ電源で動作しない代わりに、提供された外部電源で動作する。この例では、携帯式検出器22は、外部電源に接続されると、STANDBY状態128に置かれる。携帯式検出器22は、画像処理動作を行っているか否かに応じて、STANDBY状態128とIMAGING状態126との間で切り換える。携帯式検出器22は、画像処理が完了すると、外部電源から遮断することができ、その結果、携帯式検出器は、さらに画像処理動作で使用されるか、充電のために検出器容器108内に配置されるまで、IDLE状態に置かれる。
【0041】
以上を考慮して、携帯式検出器22の状態を自動的に設定するために実行可能なルーチンと併せて使用することができる入力又は状態データの1つの例は、コネクタ98又は102から特定される接続データである。例えば、図9を参照して、結合用コネクタ102のピン配列の例を示す。この例によれば、4対のイーサネット(商標)ピン140が結合用コネクタ102の外側の方に提供され、2対の復電ピン142が提供され、2対の+12Vピン144、及び携帯式検出器を検出器容器108又は固定式画像処理システム40の台44若しくはウォールスタンド48に接続するかどうかを特定するのに使用される1対のピン146が提供される。
【0042】
そうしたピン配列を使用する1つの実装形態では、結合用コネクタ102に印加する電力の存在、及び容器/結合検知ピン146の抵抗を検知することにより、状態を特定することができ、例えば、容器/結合検知ピン146は、携帯式検出器22が検出器容器108内にある際は結合用コネクタ102上で開放し、携帯式検出器22が台44又はウォールスタンド48に接続されている際は短絡している。
【0043】
例えば、このピン情報を使用すれば、例えば復電ピン142を使用して、携帯式検出器22を外部電源に接続するか否かに関する最初の特定を行うことができる。携帯式検出器22を外部電源に接続していないことを特定すれば、携帯式検出器22は、IDLE状態124(又は、データ取得が命令されたら、IMAGING状態126)に置かれる。
【0044】
携帯式検出器を外部電源に接続していることを特定すれば、携帯式検出器22を充電及び収容のために検出器容器108内に配置するかどうか、又は携帯式検出器22をデータ取得のために画像処理システムに接続するかどうかに関する追加の特定を行うことができる。上述のように、1つの実装形態では、携帯式検出器22が検出器容器108内に配置されていることを示す開放電圧、及び携帯式検出器22が画像処理システムに接続されていることを示す閉路電圧がある、容器/結合検知ピン146にかかる電圧が測定される。携帯式検出器22を検出器容器内に配置していることを特定すれば、携帯式検出器22の状態をCHARGING122に設定することができる。外部電源がある状態で携帯式検出器22を画像処理システムに接続していることを特定すれば、携帯式検出器22は、STANDBY状態128(データ取得が命令されたらIMAGING状態126)に置かれる。
【0045】
それに加えて、いくつかの実装形態では、携帯式検出器22は、例えばコネクタ98を介して携帯式検出器22に取り付けるテザー150を使用して動作させることができる。そうした実装形態では、携帯式検出器22上で実行するルーチンは、テザー150の存在を自動的に検出し、それに応じて携帯式検出器22を動作させることができる。例えば、1つの実装形態では、テザー150は、結合用コネクタ又は無線通信が利用できないとき、電源及び通信を提供するために使用することができる。そのような場合には、テザー150は、バッテリ106の代わりにコネクタ98において携帯式検出器22に接続することができる。例えば、そうした実装形態では、携帯式検出器22は、テザー150の存在を自動的に検出することができ、有線イーサネット(商標)接続などの、テザー150により提供される有線接続を通して通信を導くことができる。
【0046】
例えば、図11は、テザー150、及び携帯式検出器22にテザー150の存在を特定させる1対のテザー検知/検知戻しピン156を介して携帯式検出器22が接続される画像処理システムに指標を提供するために、画像処理システムにより使用される1対の検出器存在ピン154を有するテザーコネクタ152を示す。例えば、そうしたテザーコネクタ152のピン配列を使用する1つの実装形態では、テザー検知/検知戻しピン156は、携帯式検出器22内のコネクタ98で短絡する。そうした実装形態では、画像処理システムは、テザー検知/検知戻しピン156を通して抵抗変化を検知することにより、携帯式検出器22に対するテザー接続の存在を特定することができる。すなわち、画像処理システムは、携帯式検出器22がテザー150を通して接続されているときは短絡を検知し、携帯式検出器がテザー150により接続されていないときは開放回路を検出する。画像処理システムは、この特定に基づいて、テザー150を介して給電し、及び/又はテザー150を通して通信を導く。同様に、携帯式検出器22上で実行するルーチンは、テザー検知/検知戻しピン156の開放又は短絡接続を介して、テザー150の存在に関する同様の特定を行うことができ、それに応じて携帯式検出器22の状態を設定することができる(又は別途、携帯式検出器22の動作を調整することができる)。
【0047】
以上では、携帯式検出器22の状態が自動的に設定され、又は画像処理システムが携帯式検出器22に対する接続のタイプを自動的に認識する、様々な実施形態を説明したが、他の実施形態では、携帯式検出器22と画像処理システムとの間の適合性を自動的に特定することが効果的である可能性がある。例えば、様々な画像処理システム及び/又は携帯式検出器は、様々なメンテナンス、更新、又は交換スケジュールを有し、したがって、様々なハードウェア及びソフトウェアバージョン、並びに改訂を特徴とする可能性がある。したがって、使用前に画像処理システムと携帯式検出器との間の適合性を自動的に評価するのが効果的である可能性がある。
【0048】
例えば、図12のフローチャート160を参照すれば、携帯式検出器22が、結合又は無線接続のいずれかにより画像処理システム10に接続されるとき、画像処理システム10は、例えば携帯式検出器22のファームウェアバージョンを評価するために、適合性チェックを行う。通常、検出器ハードウェアは、すべての画像処理システム10に対する適合性がある。しかし、以下で説明するように、ハードウェアの適合性がないと特定される場合には、警告メッセージが表示され、不適合性、及び/又は行うべき任意の示唆される補正動作を示すことができる。
【0049】
ソフトウェアの不適合性に関しては、画像処理システム10は、携帯式検出器22上に記憶された検出器適合性テーブル164、又はシステム自体に記憶された検出器適合性テーブル166に、いずれがより新しくても、照会することができる(ブロック162)。例えば、照会162は、各検出器適合性テーブルに関する改訂数又はバージョン数に基づいて、最新の検出器適合性テーブルを参照することができる。いくつかの実施形態では、最新であると特定された検出器適合性テーブルは、携帯式検出器22及び画像処理システム10が共に検出器適合性テーブルの最新のバージョンを記憶するように、他の検出器適合性テーブルに上書きするのに使用することができる。すなわち、携帯式検出器22が検出器適合性テーブル164の最新のバージョンを有するとき、画像処理システム10上に記憶された検出器適合性テーブル166は、携帯式検出器22から引き出された検出器適合性テーブル164により上書きすることができる。逆に、画像処理システム10が検出器適合性テーブル166の最新のバージョンを有するとき、携帯式検出器22上に記憶された検出器適合性テーブル164は、画像処理システム10上に記憶された検出器適合性テーブル166により上書きすることができる。
【0050】
実際に、検出器適合性テーブル164、166は、以下のテーブル1及び2に示すように、各システム又はシステムモデル若しくはタイプに関する固有の識別子、並びに、携帯式検出器ハードウェア及びソフトウェア改訂版のそれぞれに関する情報を含むことができ、テーブル1は、検出器適合性テーブルのより早期の又はより古い改訂版(すなわちRev3)を示し、テーブル2は、追加のシステム(すなわちシステム6)及び検出器ソフトウェア(すなわちDet.SW5)の情報が追加された、後のバージョン(すなわちRev4)を示す。
【0051】
【表1】

【0052】
【表2】

適合性チェック中、画像処理システム10は、システム識別子、並びに検出器ハードウェア設定及びソフトウェア設定に基づいて最新の利用可能なテーブル(例えば、テーブル164又はテーブル166)を照会し(ブロック162)、適合性を特定する(ブロック170)。検出器ハードウェア設定及びソフトウェア設定の両方が、問題のシステム10に対する適合性があると適当なテーブルに記載されていれば、システム10は、適合性チェックを脱出し(ブロック172)、画像処理動作を続ける。
【0053】
検出器ハードウェア設定が、問題のシステム10に対する適合性があると記載されていなければ、システム10は、問題の携帯式検出器22には画像処理システム10に対する適合性がないとオペレータに警告するメッセージを表示することができる。この場合は、画像処理システム10は、ハードウェア不適合性に対する解決策を得る際にオペレータを支援するために、連絡先又はサービス情報を提供することもできる。
【0054】
ソフトウェアの適合性がない(すなわち、検出器ソフトウェアバージョンが、問題の画像処理システム10に対する適合性がない)と特定される場合には、画像処理システム10は、携帯式検出器22の最新の適合性のあるソフトウェアをダウンロードし、又は別途それにアクセスすることができる。その際、検出器ソフトウェア178に対する更新(ブロック176)として、適合性のあるソフトウェアバージョンを適用することができる。画像処理システム10は、検出器ソフトウェアを更新すると、脱出し(ブロック172)、画像処理動作を続ける。いくつかの実施形態では、検出器適合性テーブル164、166の1つ又は両方は、ソフトウェア更新を適用された後、携帯式検出器22のソフトウェアバージョンを反映して更新することができる。
【0055】
技術的な効果には、携帯式検出器の動作状態を自動的に特定することが含まれる。特に、1つの実装形態では、携帯式検出器の動作状態は、携帯式検出器がバッテリ若しくは外部電源により給電されるかどうか、又は、携帯式検出器が有線若しくは無線データ接続を有するかどうかに基づいて、自動的に設定される。他の技術的効果には、携帯式検出器の画像処理システムに対するテザー接続を自動的に検出することが含まれる。別の技術的効果には、携帯式検出器と画像処理システムとの適合性を自動的に評価することが含まれる。ソフトウェアの適合性がない場合には、携帯式検出器は、適合性を実現するために、より新しいソフトウェアにより更新することができる。
【0056】
本明細書に記載した説明は、最良の実施形態を含めて、本発明の主題を開示するために、また、任意の装置又はシステムを作成及び使用し、組み入れた任意の方法を実施することを含めて、当業者が、開示された主題を実施することができるように、例を使用する。特許性のある範囲は、特許請求の範囲により規定され、当業者が想到する他の例を含むことができる。そうした他の例は、特許請求の範囲の文言と異ならない構成要素を有するとき、又は、特許請求の範囲の文言と実質的な差のない均等な構成要素を含むとき、特許請求の範囲の範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0057】
10 画像処理システム
12 照射源
18 患者
22 携帯式検出器
24 電源
26 検出器コントローラ
28 システムコントローラ
30 ディスプレイ
32 オペレータワークステーション

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電磁放射線を電気信号に変換し、様々な画像処理システムと共に使用するように構成された携帯式検出器であって、
前記携帯式検出器に外部電力を供給することができる1つ又は複数のコネクタと、
実行の際、前記1つ又は複数のコネクタ又はセンサから受け取った入力に基づいて、前記携帯式検出器の動作状態を特定する1つ又は複数のルーチンをエンコードする少なくとも1つのメモリ構造体と、
前記少なくとも1つのメモリ構造体によりエンコードされた前記1つ又は複数のルーチンを実行するように構成された1つ又は複数のプロセッサと
を含む、携帯式検出器。
【請求項2】
前記1つ又は複数のコネクタは、収容場所又は画像処理システムの補助的コネクタに接続し、そのように接続した際、前記補助的コネクタを通して電力を受け取るように構成された結合用コネクタを含む、請求項1記載の携帯式検出器。
【請求項3】
外部電源に接続された前記携帯式検出器により特定される少なくとも1つの動作状態は、前記携帯式検出器の1つ又は複数の電力消費部品をオンにする、請求項1記載の携帯式検出器。
【請求項4】
バッテリにより給電される前記携帯式検出器によって特定される少なくとも1つの動作状態は、前記携帯式検出器の1つ又は複数の電力消費部品をオフにする、請求項1記載の携帯式検出器。
【請求項5】
前記携帯式検出器の前記動作状態は、前記1つ又は複数のコネクタが外部電源に接続されるかどうかに少なくとも部分的に基づいて特定される、請求項1記載の携帯式検出器。
【請求項6】
前記携帯式検出器の前記動作状態は、1つ又は複数のコネクタが、前記携帯式検出器を保持し、充電するための収容容器、又は画像処理システムコネクタに接続されているかどうかに少なくとも部分的に基づいて特定される、請求項1記載の携帯式検出器。
【請求項7】
前記携帯式検出器の前記動作状態は、加速度計又は近接センサにより生成される信号に少なくとも部分的に応答して特定される、請求項1記載の携帯式検出器。
【請求項8】
前記1つ又は複数のコネクタから受け取った前記入力は、前記1つ又は複数のコネクタの1つ又は複数の対のピンに関して、開放電圧又は閉路電圧が存在するかどうかに関する指標を含む、請求項1記載の携帯式検出器。
【請求項9】
画像処理体積を通る放射線を放射するように構成された照射源と、
画像処理システムから分離及び取外し可能である、携帯式検出器の補助的コネクタに接続するように構成されたテザーに接続するように構成されたテザーコネクタと、
実行の際、前記携帯式検出器が前記テザーを介して前記画像処理システムに接続されているかどうかを特定する1つ又は複数のルーチンを実行するように構成されたコントローラと
を含む、画像処理システム。
【請求項10】
前記コントローラは、前記テザーのプラグから入力を受け取るように構成され、前記入力は、前記テザーが前記携帯式検出器に接続されているかどうかを特定するのに使用される、請求項9記載の画像処理システム。
【請求項11】
前記プラグからの前記入力は、前記プラグの1つ又は複数の対のピンに関して、開放電圧又は閉路電圧が存在するかどうかに関する指標を含む、請求項10記載の画像処理システム。
【請求項12】
前記コントローラは、前記テザーが前記携帯式検出器に接続されるとき、前記テザーを介して給電するようにさらに構成される、請求項9記載の画像処理システム。
【請求項13】
前記コントローラは、前記テザーが前記携帯式検出器に接続されるとき、前記テザーを介してデータ接続を提供するようにさらに構成される、請求項9記載の画像処理システム。
【請求項14】
画像処理体積を通る放射線を放射するように構成された照射源と、
携帯式検出器と通信するためのインターフェースと、
実行の際、画像処理システムと前記携帯式検出器との間の適合性を特定する1つ又は複数のルーチンを実行するように構成されたコントローラと
を含む、画像処理システム。
【請求項15】
前記1つ又は複数のルーチンは、実行の際、前記携帯式検出器又は前記画像処理システム上に記憶された少なくとも1つの検出器適合性テーブルを評価することにより、前記画像処理システムと前記携帯式検出器との間の適合性を特定する、請求項14記載の画像処理システム。
【請求項16】
前記1つ又は複数のルーチンは、実行の際、
前記携帯式検出器上に記憶された第1の検出器適合性テーブル、及び前記画像処理システム上に記憶された第2の検出器適合性テーブルにアクセスし、
前記第1の検出器適合性テーブル又は前記第2の検出器適合性テーブルがより新しいかを特定し、
前記より新しい検出器適合性テーブルの内容に基づいて、前記画像処理システムと前記携帯式検出器との間の適合性を特定する、請求項14記載の画像処理システム。
【請求項17】
前記1つ又は複数のルーチンは、実行の際、前記より新しい検出器適合性テーブルにより前記携帯式検出器又は画像処理システムの新しくない検出器適合性を上書きする、請求項16記載の画像処理システム。
【請求項18】
前記1つ又は複数のルーチンは、実行の際、
ソフトウェアの適合性がないと特定されるとき、前記携帯式検出器用の更新ソフトウェアをダウンロードし、
前記更新ソフトウェアにより前記携帯式検出器を更新する、請求項14記載の画像処理システム。
【請求項19】
前記1つ又は複数のルーチンは、実行の際、前記携帯式検出器に適用される前記更新ソフトウェアに基づいて、少なくとも1つの検出器適合性テーブルを更新する、請求項18記載の画像処理システム。
【請求項20】
前記1つ又は複数のルーチンは、実行の際、ハードウェアの適合性がないと特定されるとき、通知メッセージを表示する、請求項14記載の画像処理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−113848(P2013−113848A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−257007(P2012−257007)
【出願日】平成24年11月26日(2012.11.26)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【Fターム(参考)】