説明

携帯式電子装置用ハウジングアセンブリ

【課題】ウィンドウ部がハウジングに強固に固定され、且つ厚さが薄い携帯式電子装置用ハウジングアセンブリを提供すること。
【解決手段】本発明に係る携帯式電子装置用ハウジングアセンブリは、ハウジングと、前記ハウジングのカメラレンズが装着された箇所に対応して装着される装飾部品と、前記装飾部品を前記ハウジングに固定するための保持部品と、を備える。前記保持部品は、複数の係止片を備え、前記ハウジングは、前記係止片に対応して設けられる複数の固定部品を有し、前記保持部品は、前記装飾部品に固定され、各々の前記係止片は、前記ハウジングを貫通した後折り曲げられて、前記ハウジングの固定部品と一体に固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯式電子装置に用いられるハウジングアセンブリに関するものである。
【背景技術】
【0002】
現在、大部分の携帯式電子装置がカメラモジュールを有する。該カメラモジュールを保護するために、通常、ガラス或いは透明樹脂からなる装飾効果を有するウィンドウ部によって、前記カメラモジュールを被覆する。例えば、従来の技術において、成形された後のプラスチック製のハウジングの周縁部に、接着剤を介してウィンドウ部を接着する(特許文献1を参照)。
【0003】
しかし、上記の方法によって形成されたウィンドウ部(装飾部材とも言える)を有するハウジングアセンブリは、ウィンドウ部とハウジングとの接合力が強固ではない。そのため、使用時間の増加に伴い接着剤の結合力は小さくなり、前記ウィンドウ部は、前記ハウジングから脱落する恐れがある。
【0004】
また、リベットを介してウィンドウ部を携帯式電子装置のハウジングに固定する方法も開発されているが、該方法によって形成されたハウジングアセンブリは、それ自体の厚さが増大するため、携帯式電子装置全体の体積までもが増大する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許出願公開第2010/0948868号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記の問題点に鑑みて、本発明は、ウィンドウ部がハウジングに強固に固定され、且つ厚さが薄い携帯式電子装置用ハウジングアセンブリを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明に係る携帯式電子装置用ハウジングアセンブリは、ハウジングと、前記ハウジングのカメラレンズが装着された箇所に対応して装着される装飾部品と、前記装飾部品を前記ハウジングに固定するための保持部品と、を備える。前記保持部品は複数の係止片を備え、前記ハウジングは、前記係止片に対応して設けられる複数の固定部品を有し、前記保持部品は前記装飾部品に固定され、各々の前記係止片は、前記ハウジングを貫通した後それぞれ折り曲げられて、前記ハウジングの固定部品と一体に固定される。
【発明の効果】
【0008】
本発明に係る携帯式電子装置用ハウジングアセンブリは、ウィンドウ部が設けられた装飾部品が保持部品を介して前記携帯式電子装置のハウジングに固定される。前記保持部品は複数の係止片を備え、前記ハウジングには、複数の前記係止片に対応する固定部品がそれぞれ設けられる。複数の前記係止片は、前記ハウジングを貫通した後それぞれ折り曲げられて前記固定部品と一体に溶着する。本発明のウィンドウ部を有する装飾部品の固定方法は、簡単であり且つ組み立てる際に前記ハウジングを損傷しない。また、前記装飾部品は、前記ハウジングに強固に装着されて、前記ハウジングから脱落することが起こらない。さらに、前記保持部品は、前記ハウジングの内部に固定されるので、前記携帯式電子装置用ハウジングアセンブリ全体の厚さを増加しない。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施形態に係る携帯式電子装置用ハウジングアセンブリの斜視図である。
【図2】図1に示した携帯式電子装置用ハウジングアセンブリの分解図である。
【図3】図2に示した携帯式電子装置用ハウジングアセンブリを反対側から見た分解図である。
【図4】図2に示した携帯式電子装置用ハウジングアセンブリの保持部品の斜視図である。
【図5】図3に示した携帯式電子装置用ハウジングアセンブリが組み立てられた状態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明に係るハウジングアセンブリは、携帯電話、デジカメ及びパソコンなどの携帯式電子装置に用いられる。以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態について詳細に説明する。
【0011】
図1〜図3に示したように、本発明の携帯式電子装置用ハウジングアセンブリ100は、ハウジング10と、装飾部品20と、前記装飾部品20を前記ハウジング10に固定するための保持部品30と、を備える。
【0012】
前記ハウジング10は、底板11、周壁12、取付凹所13、複数の固定部品15及び貫通開口16を備える。前記底板11全体は、ほぼ矩形であり、且つ外面111及び内面112を備える。前記周壁12は、前記底板11の周縁部から垂直に延在する。前記取付凹所13は、略矩形で、深さが浅い凹所であり、底壁131を備え、且つ前記外面111の長手方向一端部に設けられる。また、前記底壁131には、前記底板11を貫通する円孔14が設けられており、該円孔14のサイズ及び形状は、携帯式電子装置のカメラレンズ(図示せず)に適合するため、カメラレンズは前記円孔14を介して外光を取り入れることができる。前記内面112における前記円孔14の周りには、前記カメラレンズを装着するための一対の取付壁113が対向して設けられている。
【0013】
前記複数の固定部品15は、収容凹所151と、前記収容凹所151の底壁1511から上方に向かって垂直に突出する係止ブロック152と、前記底壁1511の片側に設けられるスリット153と、をそれぞれ備える。本発明の実施形態において、前記固定部品15の数は4つである。4つの前記固定部品15は、前記内面112において、対向する前記取付壁113の外側に、対称的にそれぞれ設けられる。即ち、4つの前記固定部品15は二つずつ対になっている。また、前記係止ブロック152は、前記スリット153に隣接して設けられる。前記スリット153は細長い形状であり、前記底壁1511の前記円孔14に近い側に設けられ、且つ前記底板11を貫通して、前記取付凹所13の前記底壁131も貫通する。前記貫通開口16は、前記取付壁113の一方側の前記スリット153と同一直線上に位置する。
【0014】
前記装飾部品20は、前記ハウジング10の前記取付凹所13に対応して装着される。前記装飾部品20は、矩形の主体板21、透明なウィンドウ部22及び光反射レンズ23を備え、前記主体板21は、背面212を備える。前記ウィンドウ部22は、前記取付凹所13の前記円孔14に対応して、前記主体板21に嵌め込まれて、前記円孔14を遮蔽する。前記光反射レンズ23は、前記ウィンドウ部22に隣接して、前記主体板21に嵌め込まれる。
【0015】
図4に示したように、前記保持部品30は、ほぼ「エ」字状の骨組みであり、連接部31、第一支持部32、前記第一支持部32に平行な第二支持部33及び複数の係止片34を備える。前記連接部31、前記第一支持部32及び前記第二支持部33は、それぞれ細長い板状体であり、前記連接部31は、橋架するように前記第一支持部32及び前記第二支持部33に連接される。本発明の実施形態に係る前記保持部品30は、前記第一支持部32または前記第二支持部33との接続部分である基端部が前記連接部31の延在方向に直交し、且つ前記第一支持部32または前記第二支持部33から離間する同一方向に向かって延伸する4つの係止片34を備える。その内、2つの係止片34は、前記第一支持部32の長手方向両端の一側辺から上向きにやや湾曲して形成され、他の2つの係止片34も、前記第二支持部33の長手方向両端の一側辺から上向きにやや湾曲して形成される。なお、すべての係止片34は、前記第一支持部32及び前記第二支持部33における連接部31から離間して形成されている。
【0016】
前記係止片34は、ほぼ馬蹄形の金属片体であり、前記固定部品15の前記収容凹所151内に嵌合される。各々の前記係止片34は、側面35、係合孔36及び2つの凹溝37をそれぞれ備える。前記係合孔36は、前記側面35の中央部に設けられ、且つ前記係止片34を貫通する。前記固定部品15の前記係止ブロック152は、前記係合孔36に係合される。2つの前記凹溝37は、前記係止片34の前記側面35にそれぞれ凹設され、且つ前記係合孔36の相対する両側に位置して、前記係合孔36と連通する。2つの前記凹溝37が存在するため、前記係止片34は、該凹溝37を折り目として、容易に折り曲げることができる。前記保持部品30は、位置決め部38をさらに備え、該位置決め部38は、前記第二支持部33の長手方向の一端から折り曲げられて、係止片34と同方向に突出する橋架状に延在する。
【0017】
以下、図2、図3及び図5を共に参照しながら、本発明のハウジングアセンブリの組み立て手順について説明する。
【0018】
本発明の携帯式電子装置用ハウジングアセンブリ100を組み立てる場合、先ず、溶接などの機械式連接法によって、前記保持部品30の底面を前記装飾部品20の前記背面212に設置する。この時、前記保持部品30は、前記係止片34及び前記位置決め部38が前記背面212から離れて延伸するように設置される。次に、前記装飾部品20を前記取付凹所13内に設置して、前記位置決め部38の凸状部を前記貫通開口16内に挿入すると共に、4つの前記係止片34を前記取付凹所13側から前記スリット153にそれぞれ貫通させて、前記内面112から露出させる。次に、各々の前記係止片34を前記凹溝37に沿って外側に折り曲げて、前記係止ブロック152の周りを取り囲むように設置する。この時、各々の前記係止片34の前記側面35は、前記収容凹所151の前記底壁1511と互いに当接する。最後に、熱溶融方式によって、前記係止ブロック152を溶融して、前記係止片34と前記係止ブロック152とを一体に溶着する。これにより、前記係止片34は、前記収容凹所151内に固定される。
【0019】
本発明の携帯式電子装置用ハウジングアセンブリ100は、前記保持部品30を介して、前記装飾部品20を前記ハウジング10に固定する。前記保持部品30の前記係止片34と前記ハウジング10の前記係止ブロック152とが溶接などの方法によって、一体に固定されるため、前記装飾部品20は、前記ハウジング10に強固に装着されて、前記ハウジング10から脱落しない。また、上記の組み立て方法は、前記ハウジング10を損傷せず、且つ前記保持部品30は、前記ハウジング10の内部に固定されるので、前記携帯式電子装置用ハウジングアセンブリ100全体の厚さは増加しない。
【0020】
なお、本発明は前記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる他の構成等を含む。例えば、前記保持部品30は、4つの前記係止片34のみを備える。この場合、4つの前記係止片34を、前記装飾部品20の前記ハウジング10に向かう表面にそれぞれ半田付けした後、前記ハウジング10の前記スリット153に貫通させる。その後、4つの前記係止片34をそれぞれ折り曲げて、前記係止ブロック152の周りに係合させる。これにより、前記装飾部品20を前記ハウジング10に強固に装着することを実現する。
【0021】
以上、本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は前記実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内で種々の変形又は修正が可能であり、該変形又は修正も又、本発明の特許請求の範囲内に含まれるものであることは、言うまでもない。
【符号の説明】
【0022】
10 ハウジング
11 底板
12 周壁
13 取付凹所
14 円孔
15 固定部品
16 貫通開口
20 装飾部品
21 主体板
22 ウィンドウ部
23 光反射レンズ
30 保持部品
31 連接部
32 第一支持部
33 第二支持部
34 係止片
35 側面
36 係合孔
37 凹溝
38 位置決め部
100 携帯式電子装置用ハウジングアセンブリ
111 外面
112 内面
113 取付壁
131 底壁
151 収容凹所
152 係止ブロック
153 スリット
212 背面
1511 底壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハウジングと、前記ハウジングのカメラレンズが装着された箇所に対応して装着される装飾部品と、前記装飾部品を前記ハウジングに固定するための保持部品と、を備える携帯式電子装置用ハウジングアセンブリであって、
前記保持部品は、複数の係止片を備え、前記ハウジングは、前記係止片に対応して設けられる複数の固定部品を有し、前記保持部品は前記装飾部品に固定され、
各々の前記係止片は、前記ハウジングを貫通した後それぞれ折り曲げられて、前記ハウジングの固定部品と一体に固定されることを特徴とする携帯式電子装置用ハウジングアセンブリ。
【請求項2】
前記保持部品は4つの前記係止片を備え、各々の前記係止片は金属片体であり、且つ前記係止片の中央部には係合孔が設けられ、前記ハウジングは底板を備え、各々の前記固定部品は、前記底板を貫通するスリット及び該スリットに隣接して設けられる係止ブロックを備え、
前記係止片は、前記スリットを貫通した後折り曲げられて、前記係合孔を介して前記係止ブロックに係合されることを特徴とする請求項1に記載の携帯式電子装置用ハウジングアセンブリ。
【請求項3】
各々の前記係止片における前記係合孔の両側には、前記係合孔と連通する凹溝がそれぞれ設けられ、前記係止片は、前記凹溝を折り目として折り曲げられて、前記係止ブロックに係合されることを特徴とする請求項2に記載の携帯式電子装置用ハウジングアセンブリ。
【請求項4】
前記保持部品は、「エ」字状の骨組みであり、第一支持部と、前記第一支持部に平行な第二支持部と、前記第一支持部及び前記第二支持部を連接する連接部と、を備えることを特徴とする請求項2または3に記載の携帯式電子装置用ハウジングアセンブリ。
【請求項5】
複数の前記係止片は、基端部が前記連接部の延在方向に直交し、且つ前記第一及び第二支持部から離間する同一方向に向かって延伸することを特徴とする請求項4に記載の携帯式電子装置用ハウジングアセンブリ。
【請求項6】
前記第二支持部の長手方向一端には、位置決め部がさらに設けられ、前記ハウジングには、前記底板を貫通する貫通開口が設けられ、前記位置決め部は、前記貫通開口内に嵌合されることを特徴とする請求項5に記載の携帯式電子装置用ハウジングアセンブリ。
【請求項7】
各々の前記固定部品は底壁を有する収容凹所を備え、前記係止ブロックは前記底壁に突設され、前記スリットは前記底壁の片側に設けられ、且つ前記底板を貫通し、前記係止片は、折り曲げられて前記収容凹所の底壁に当接されることを特徴とする請求項6に記載の携帯式電子装置用ハウジングアセンブリ。
【請求項8】
前記底板は、外面及び内面を備え、前記外面には取付凹所が設けられ、前記スリット及び前記貫通開口は、前記取付凹所の底壁を貫通することを特徴とする請求項7に記載の携帯式電子装置用ハウジングアセンブリ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−42486(P2013−42486A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−160298(P2012−160298)
【出願日】平成24年7月19日(2012.7.19)
【出願人】(505177003)深▲セン▼富泰宏精密工業有限公司 (138)
【出願人】(508155310)富士康(香港)有限公司 (185)
【Fターム(参考)】