説明

携帯情報処理装置

【課題】 携帯情報通信装置に接続された周辺装置における大画面の外部ディスプレイ手段に、該携帯情報通信装置の付属ディスプレイの画面解像度よりも高解像度の画像を表示することを、該周辺装置との間のインターフェース手段の追加と、付属ディスプレイに画像を表示するためにもともと備えている表示データ生成手段への若干の機能追加するだけで実現する。
【解決手段】 付属ディスプレイパネルの画素を制御するディスプレイ制御手段にデジタル表示信号を出力するデータ処理手段を備える携帯情報通信装置において、データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき、外部ディスプレイ手段を含む周辺装置に対して外部表示信号を送信するインターフェース手段を設けた上で、データ処理手段とインターフェース手段とが相俟って、高解像度の外部表示信号を該インターフェース手段から送信する機能を実現できるような構成とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話機などのハンドヘルド型情報処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
最近の電子・情報技術及び通信技術の進歩によって、無線通信によってデータを送受信する機能を有する、PHS(Personal Handyphone System)を含む携帯電話用端末装置(以下、「PHSを含む携帯電話用端末装置」を「携帯電話機」と略記する)やPDA(Personal
Digital Assistants)をはじめとする携帯情報通信装置は多機能化し、電子メールの送受信機能はもちろん、インターネットに接続したウェブサーバからHTML(Hyper
Text Markup Language)、XML(eXtensible Markup Language)又はそれらをベースとするマークアップ言語で記述された文書ファイル(以下、マークアップ文書ファイルと略記する)及びそのリンクファイルを取得し、適切にレイアウトした上で、通常は液晶ディスプレイである付属ディスプレイに文字や画像を表示することによってウェブページを閲覧するブラウザ機能を標準的に有するようになってきている。
【0003】
また、ウェブサーバからゲームプログラムをダウンロードしてフラッシュメモリ等の記憶手段に格納した上で、付属するキー操作部を操作することによって該プログラムを作動させるとともに必要なデータをマニュアル入力することにより、付属ディスプレイに表示される画像の変化を楽しむゲーム機能についても、多くの携帯電話機が保有するようになってきている。さらに、一部の携帯電話機については、テレビジョン放送の電波信号(以下、テレビ放送信号と略記する)を受信し、テレビ番組の映像を付属ディスプレイに表示するためのテレビチューナ機能をも有するようになっている。特に、テレビチューナ機能については、携帯情報通信装置向けの地上デジタル放送の開始が予定されており、このデジタルテレビチューナ機能と上述のブラウザ機能を携帯電話機上で結合することにより、携帯電話機ユーザーに対して、一斉性のある電波放送と、パーソナル性、インタラクティブ性を持つインターネット通信の双方の特性を活かしたサービスを提供することが可能になると期待されている。
【0004】
このような事情により、携帯電話機を中心とする携帯情報通信装置において、文字や映像を含む画像の表示機能は、今後、ますます重要性を増していくものと考えられる。ところが、携帯電話機をはじめとする携帯情報通信装置においては、その携帯性が重視されるため大きいサイズのディスプレイを付属させることができない。このため、携帯電話機の場合、画面サイズは最大でも2.5インチ程度であり、また、画面解像度は最大でもQVGA(Quarter Video Graphics Array)サイズ(携帯電話機においては、通常、縦長画面であるため、水平画素数×垂直画素数=240×320画素)となっている。
【0005】
このような画面上の制約のため、携帯情報通信装置で電子メールを受信した場合、それが長文である場合には、文章が表示画面内におさまらず、何行にもわたって表示されるため、垂直スクロールを何度も繰り返さなければならず、結果として、その内容を円滑に理解できないことが起こる。一方、電子メールの発信者は、たとえ自分自身が十分な大きさの表示画面を有するデスクトップタイプやノートブックタイプのパーソナルコンピュータシステム(以下では、「デスクトップタイプやノートブックタイプのパーソナルコンピュータシステム」を「パソコン」と略記する)を用いており、したがって、長文を画面に表示するのに支障がない場合であっても、そのような受信者側の制約を考慮すれば、携帯情報通信装置向けには自ずと短いメールとせざるを得ない。
【0006】
さらに、携帯情報通信装置でウェブページを閲覧する際の制約は、電子メールの読解する場合よりも大きい。通常、パソコンで閲覧されることを想定して作成されるウェブページ(以下、パソコン向けウェブページと略記する)は、HTMLで記述された文書ファイル(以下、HTMLファイルと略記する)及びそのリンクファイルで構成される。ところが、多くの携帯電話機では、付属ディスプレイの画面サイズ・画面解像度が小さいことを理由の一つとして、フルスペックのHTMLで記述されたウェブページを適切に閲覧することはできず、閲覧できるのはパソコン向けウェブサイトとは別個に構築されたいわゆる「ケータイ向けサイト」のウェブページであって、CHTML(Compact HTML)、HDML(Handheld Device Markup Language)又はWML(Wireless
Markup Language)等の携帯情報通信装置向けに特化したマークアップ言語で記述されたウェブページだけとなっている。このため、特に解像度の大きい画像ファイルにリンクしたHTMLファイルで記述されたウェブページは、ほとんどの場合正しく表示できず、また、画面を複数のフレームに分割し、各フレームに異なるURL(Uniform
Resource Locator)を有するファイルを割り当てるフレーム表示のウェブページを含むウェブサイトなどでは、そもそも管理者側が携帯電話機からのアクセス自体を拒否することもある。
【0007】
最近は、パソコン向けウェブページを閲覧できる「フルブラウザ機能」又は「PC(Personal
Computer)サイトビュー機能」を有する携帯電話機が発売されているが、多くの場合、画像を付属ディスプレイの画面水平解像度(縦長QVGAの場合、240画素)に合わせて縮小したり、テキスト部分を画面幅で改行したり、フレーム表示のウェブページについてはフレーム単位での画面イメージを表示したりするなど特殊なレンダリングモードを採用しており、ウェブページの作成者が本来意図したはずの、パソコンの画面イメージとして実現されるレイアウトで表示されるわけではない。
また、携帯電話機によっては、パソコンでの画面イメージに近いレイアウトで表示するレンダリングモードを有する場合もあるが、通常、パソコン向けウェブページは、最低でもVGA(Video Graphics Array)サイズ(水平画素数×垂直画素数=640×480画素)の画面で閲覧されることを想定して作成するため、このレンダリングモードでは、水平スクロールを何度も繰り返さなければウェブページの全体を閲覧することができず、したがって、ウェブページの全容を理解することに支障が生じる。
【0008】
一方、携帯情報通信装置でゲームを楽しむ場合でも、そのゲームはグラフィックスがサイズの小さな付属ディスプレイに表示できる程度の比較的単純なゲームに限定される。このため、「ケータイ向けサイト」からダウンロードされる、いわゆる「ケータイアプリ」のゲームは、ゲーム専用機向けやパソコン向けのゲームの世界では一世代から数世代前のゲームが大半であり、結果として、短時間の暇つぶしに楽しまれるケースがほとんどである。
また、付属ディスプレイの画面解像度が最大でもQVGAである携帯電話機でテレビ番組を視聴する場合、できる限り大きな画面で視聴するために横置き(水平画素数×垂直画素数=320×240画素)とすることが通常であるが、その場合でも、テレビ放送が前提とする有効走査線の数(=垂直画素数。アナログテレビ放送の場合、480本)は付属ディスプレイの画面垂直解像度(240画素)より大きいため、画素を間引いて表示する必要がある。特に、デジタルテレビ放送においては、有効走査線数(垂直画素数)に加えて、有効水平画素数も規定されているが、最も解像度の小さい480i方式の場合でも水平画素数×垂直画素数=720×480画素、いわゆる「フルハイビジョン方式」である1080i方式においては1920×1080画素であって、いずれにせよ、付属ディスプレイの画面解像度が最大でもQVGAである携帯電話機では、十分なテレビチューナ機能及び表示機能を有するテレビジョン受像機(以下、テレビ受像機と略記する)によってテレビ放送信号を適切に処理した場合に表示される本来の解像度を有する画像(以下、テレビ放送における本来画像と略記する)を全画面表示することはできず、それより解像度の低い画質の劣った画像しか表示できない。
【0009】
このような事情から、携帯情報通信装置のユーザーは、携帯情報通信装置とともにパソコンを所有することも多い。そのような場合には、長いメールを送受信したり、パソコン向けウェブページを閲覧したり、あるいはグラフィックスが大きなサイズの画面でなければ表示できないような複雑なゲームを楽しんだりする際にはパソコンを利用し、携帯情報通信装置は、短いメールを送受信したり、「ケータイ向けサイト」にアクセスしてウェブページを閲覧したりするためだけに携帯情報通信装置を利用するという使い分けが行われる。あるいはまた、パソコンと携帯情報通信装置を接続し、ネットワークへの接続のためだけに携帯情報通信装置の無線通信手段を使用し、該無線通信手段によって取得されたデータの処理は、もっぱらパソコンによって行うというような使い方がなされる。
また、最近では、テレビチューナを内蔵しディスプレイでテレビ番組が視聴できる機能を有する、いわゆる「AV(Audio Visual)パソコン」が販売されるようになってきているが、このようなパソコンとテレビチューナ付き携帯電話機を併用する場合、外出時や移動時にはテレビチューナ付き携帯電話機でテレビ番組を視聴し、自宅や自室では「AVパソコン」で視聴するという使い分けが行われる。
【0010】
ところが、このような方法において使用されるパソコンは、通常は、携帯情報通信装置で行われる電子メールの送受信やウェブページの閲覧等に限定されない汎用的な用途に使用できるように設計されているため、携帯情報通信装置自体のデータ処理手段よりも高機能であるCPU(Central Processing Unit)等のプロセッサを有している。その上、ハードウェアを起動させるためには、別途、OS(Operating
System)等のソフトウェアも準備しなければならないため、パソコンを所有するために要するコストは、携帯電話機をはじめとする携帯情報通信装置自体を所有するために要するコストより、通常は大きい。
このため、データ通信やデータ処理のニーズが電子メールの送受信やウェブページの閲覧等に限られるような多数のユーザーにとって、上記のように、長文の電子メールを読んだり、パソコン向けウェブページを閲覧したりする際の、付属ディスプレイの画面サイズ・解像度が小さいことに起因する不便さを解消するためだけに別途パソコンを所有することは、経済的に不合理である。
一方、携帯情報通信装置のデータ処理手段は、汎用的な用途には必ずしも向いていないとは言え、付属ディスプレイに画像を表示するための表示データ処理機能については、表示画面が小さいということを除けば、パソコンにおけるCPU等のプロセッサの機能に匹敵する。それにもかかわらず、上記のようなパソコンと携帯情報通信装置との使い分けを行うとすれば、同種のものに二重投資を行うことになり、結果として少なくとも一方の稼働率の低下をもたらすため、資源の効率的な利用の観点からも好ましくない。
【0011】
同様の「不合理な二重投資」と「非効率的な資源利用」という問題は、携帯情報通信装置がテレビチューナ機能を有する場合についても生じる。すなわち、テレビ番組の映像や音声を楽しむためには、テレビ放送信号を受信し、テレビ番組の映像をディスプレイやテレビモニタに表示するためのテレビチューナ回路を必要とする。一方、通常の携帯情報通信装置のユーザーは、携帯情報通信装置の付属ディスプレイの画面サイズが小さく表示される画質も劣るため、該携帯情報通信装置とは別に画面の大きいテレビ受像機又は「AVパソコン」を有するのが通常である。このため、ユーザーは、携帯情報通信装置におけるテレビチューナ回路とテレビ受像機又は「AVパソコン」におけるテレビチューナ回路の双方を所有することを強いられ、結果として少なくとも一方のテレビチューナ回路の稼働率は低下せざるを得ない。
【0012】
地上デジタル放送においては、一つのチャンネルを構成する13セグメントのうち、12セグメント(ハイビジョン放送)又は4セグメント(通常画質の放送)が通常のテレビ受像機向けの放送に割り当てられるのに対し、携帯情報通信装置向けには1セグメントのみが割り当てられる予定であり、この場合、テレビ受像機におけるテレビチューナと携帯情報通信装置におけるテレビチューナは異なる仕様となるため、単純な二重投資は発生しないと考えられる。しかし、電子・情報技術の進歩の結果、携帯情報通信装置の内部に、通常のテレビ受像機が受信すると想定されている12セグメント又は4セグメント放送を受信できるテレビチューナが納められるように可能性も大きく、そのような場合には、現状の技術の延長上では、高価なデジタルテレビチューナに対して、同様の「不合理な二重投資」と「非効率的な資源利用」の問題が生じる。
【0013】
このような事情から、携帯情報通信装置の携帯性を損なわないために付属ディスプレイのサイズを現状通りに維持したままで、しかもパソコンを併用することなく、長文の電子メールやパソコン向けウェブページ、娯楽性の高いゲーム、さらにはテレビ番組の映像などを大きな画面で表示すること、特に、長文の電子メールについては、垂直スクロールを繰り返すことなく読めること、パソコン向けウェブページについては、パソコンでの画面イメージに近いレイアウトで表示し、しかも水平スクロールを繰り返すことなく閲覧できること、テレビ番組については、テレビ放送における本来画像を全画面表示することが課題とされている。
【0014】
このような課題を解決するため、携帯情報通信装置に、該携帯情報通信装置の付属ディスプレイよりも画面が大きい外部ディスプレイ装置(以下、大画面外部ディスプレイ装置と略記称する)を接続することにより、大画面外部ディスプレイ装置で画像を表示する技術がいくつか開示されており、そして、それらの技術は、以下の3つのタイプに分類される。
第一種:携帯情報通信装置と大画面外部ディスプレイ装置を何らかの接続ユニットを介して接続するタイプ
第二種:携帯情報通信装置と大画面外部ディスプレイ装置は直接的に接続されるが、その代わり、大画面外部ディスプレイ装置としては、携帯情報通信装置から受信した表示データに各種の処理を施す機能を有する画像表示装置が使用されるタイプ
第三種:携帯情報通信装置と大画面外部ディスプレイ装置は直接的に接続され、しかも、大画面外部ディスプレイ装置としては、携帯情報通信装置との間での何らかのインターフェース手段は備えていることを除けば、テレビモニタ等の汎用的なディスプレイが用いられるタイプ
【0015】
このうち、第一種の技術は、例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3及び特許文献4において開示されている。
これらの特許文献で開示される技術においては、携帯情報通信装置とは別にパソコンを用いる必要はないが、その代わりに、別途、プロセサ(特許文献1の場合)、CPU(特許文献2の場合)、読出制御回路(特許文献3の場合)、表示制御手段(特許文献4の場合)といった、何らかの表示データ処理手段を備えた接続ユニットが必要である。これらの表示データ処理手段は、大画面外部ディスプレイ装置の画面に文字や画像を表示するためだけの機能を有するものであり、パソコンにおけるCPU等のプロセッサやOS等のソフトウェアのように汎用的な用途に使われるものではない。このため、これらの表示データ処理手段を備えた何らかの接続ユニットはパソコンよりも価格が安くなって、それを所有するための経済的な負担はパソコンを併用する場合より小さくなる可能性はある。
【0016】
しかしながら、この場合においても、画像や文字を表示するための表示データ処理機能に限って考えれば、携帯情報通信装置側と接続ユニット側で、表示する画面のサイズが異なるということを除けばほぼ同等の機能を有する表示データ処理手段を二重に保有することになる。このため、多かれ少なかれ、パソコンを併用する場合と同様の「不合理な二重投資」と「非効率的な資源利用」の問題は生じることになる。また、現実的には、接続ユニットの購入費は、接続ユニットの販売台数がパソコンの販売台数よりも著しく少ない場合には、パソコンと同程度かそれよりも高くなる可能性がある。
【0017】
一方、第二種の技術は、例えば、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8及び特許文献9において開示されている。
このタイプの技術においては、パソコンやそれに準ずるような接続ユニットは不要であるが、今度は、大画面外部ディスプレイ装置として、テレビ受像機のような汎用的なディスプレイ装置をそのままでは使用できず、制御系(マイクロコンピュータ)(特許文献5の場合)、制御部15(特許文献6の場合。無線電話機側の制御部10とは別)、高精細変換部や表示処理部(特許文献7の場合)、拡大回路や表示回路(特許文献8の場合)あるいやCPU(特許文献9の場合)といった表示データ処理手段を備えた画像表示装置を使用しなければならない。
なお、特許文献6においては、第三種の技術も開示されており、その場合には、無線電話機側の制御部10が付加的な表示データ処理機能を有することになり、大画面外部ディスプレイ装置(携帯型表示器)側の制御部15は、コネクタ端子13から入力された表示データを携帯型表示器の液晶ディスプレイに送るだけであって、表示データ処理機能は有さなくなる。これについては、第三種の技術について説明する箇所で再び説明する。
【0018】
さて、上記で説明した通り、第二種の技術においても、携帯情報通信装置側と大画面外部ディスプレイ装置側でほぼ同等の機能を有する表示データ処理手段を二重に有することになり、結果的に「不合理な二重投資」や「非効率な資源利用」の問題が生じる。また、このような表示データ処理手段を備えた画像表示装置の購入費は、汎用的なCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置や液晶ディスプレイ装置と比較して確実に高くなるため、この追加コストを考慮すれば、パソコンとの併用や第一種の技術の場合に生じるのと同様の、本来であれば回避すべき不合理な経済的負担が生じる。
【0019】
それに対して、第三種の技術は、接続ユニットや特殊な画像処理装置を使用せず、携帯情報通信装置と汎用的な大画面外部ディスプレイ装置だけで構成される。このため、一般的にいって、「不合理な二重投資」や「非効率な資源利用」の問題が、少なくとも第一種の技術や第二種の技術よりは少ないと考えられる。
【0020】
この第三種の技術として既に実用化されているものに、いわゆる「テレビ(TV)出力機能」又は「AV出力機能」を有する携帯電話機がある。このような携帯電話機においては、携帯電話機とテレビモニタを、携帯電話機側は携帯電話機に固有の接続端子とし、テレビモニタ側はビデオ端子とするケーブルで接続することにより、該携帯電話機に付属するデジタルカメラ機能を用いて撮影した静止画や動画、あるいは一部のゲームを、携帯電話機の付属ディスプレイよりも大画面であるテレビモニタに表示することができる。しかし、その場合にテレビモニタに表示される画像の解像度は、付属ディスプレイの画面解像度(最大でもQVGA)と同じであるため、該画像は、テレビモニタの中央部に小さく表示されるか、画質の粗い拡大画像が全画面に表示されるかのいずれかである。
【0021】
現在のところ、「TV出力機能」又は「AV出力機能」によってテレビモニタに表示されるのは、撮影した静止画や動画、又は一部のゲームに限られているが、仮に、これらの携帯電話機が「フルブラウザ機能」又は「PCサイトビュー機能」を有し、閲覧したパソコン向けウェブページをテレビモニタで閲覧できるようになったとしても、それはあくまでも付属ディスプレイに表示される画面イメージを拡大表示するだけであって、画面イメージの解像度が増えるわけではない。したがって、ウェブページの作成者が本来意図したはずの、パソコンの画面イメージとして実現されるレイアウトでの表示が、テレビモニタにおいて実現できるわけではない。また、仮に、これらの携帯電話機がテレビチューナ機能を有し、受信した映像をテレビモニタに出力できたとしても、テレビ放送における本来画像がテレビモニタに表示されるわけではない。
【0022】
したがって、上記の課題を解決するためには、「TV出力機能」又は「AV出力機能」を有する携帯電話機のように、ただ単に付属ディスプレイに表示される画像を大画面外部ディスプレイ装置に拡大表示するという機能を有するに留まらず、付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を大画面外部ディスプレイ装置に表示する機能を有する携帯情報通信装置を提供することが必要である。
これにより、付属ディスプレイでは自らの画面解像度に相当する部分だけを切り出した部分画像しか表示できなかったり、画素を間引くことによって画質を落とした全体画像しか表示できなかったりした画像を、大画面外部ディスプレイにおいては、その本来の解像度のままの全体画像として表示できるようになる。また、特に、水平方向の画素数が付属ディスプレイの画面水平解像度より大きい画像を大画面外部ディスプレイ装置に表示する機能を有する場合には、一行あたりに表示できる文字数を増やすことができ、その結果、長文の電子メールであっても、何行にもわたって表示され、垂直スクロールを何度も繰り返さなければならないということはなくなる。また、それらの効果が総合されることにより、パソコン向けウェブページも、大画面外部ディスプレイ装置において、パソコンの画面イメージとして実現されるレイアウトで閲覧できるようになる。
【0023】
さて、上記の課題と類似した課題を解決することを目的とした第三種の技術が、例えば、特許文献6、特許文献10、特許文献11、特許文献12及び特許文献13において開示されている。
【0024】
このうち、まず、特許文献10と特許文献11においては、大画面外部ディスプレイ装置として、デジタルテレビを含むテレビ受像機を選択した上で、大画面外部ディスプレイ装置とのインターフェース手段として、ビデオ回路とビデオ端子、インターフェース回路とコネクタ、又はトランスミッタ回路とアンテナ(以上、特許文献10の場合)、あるいは近傍通信手段(部)(特許文献11の場合)を備えていることが開示されている。しかしながら、これらの文献においては、画面サイズが異なる携帯電話機のディスプレイ(表示部)と大画面外部ディスプレイ装置において、情報量の異なる画面イメージをいかにして表示するのかについての機構が全く記述されていない。
実際、特許文献11においては、制御部17が表示部11と近傍通信部18の双方を制御することが開示されているが、表示部11に情報量の少ない画面イメージが、近傍通信部18との間でデータの送受信を行うデジタルテレビ2に情報量の多い画面イメージが、それぞれ表示されるために、前記制御部17がどのような機能を有するのかについての開示は全くない。一方、特許文献10においては、表示操作部が、(デジタル)テレビ受像機への信号出力を制御していることが示唆されているが、そもそも、携帯電話機側のディスプレイにおける画面イメージの表示がどのように行われるかについての開示は全くない。
【0025】
一方、特許文献6と特許文献12においては、大画面外部ディスプレイ装置として、携帯型表示器(特許文献6の場合)又はCRT表示器(特許文献12の場合)を選択し、インターフェース手段として、外部インターフェース(特許文献6の場合)又はモニタ端子(特許文献12の場合)を備えることを開示した上で、無線電話機の表示部(特許文献6の場合)又は携帯電話機の簡易型液晶表示パネル(特許文献12の場合)に情報量の少ない画面イメージを、大画面外部ディスプレイ装置に情報量の多い画面イメージを、それぞれ表示するための機構を開示している。
【0026】
まず、特許文献6においては、無線電話機側の制御部10は、画像の表示データを無線電話機の表示部2に加えて外部インターフェース3に出力する機能を有するとともに、拡大表示処理手段や拡大表示処理制御手段としての機能、及び/又は、改行処理手段や改行処理制御手段としての機能が付加されることが開示されており、これにより、携帯型表示器側の液晶ディスプレイ12において、無線電話機側の表示部2におけるより大きなサイズの画像が表示されたり、1行あたりの文字数を多くできたりすることが記されている。
しかしながら、そこで開示されている付加機能は、あくまでも、前記「TV出力機能」又は「AV出力機能」を有する携帯電話機で実現しているような拡大表示機能と、文字の表示に関わる機能に限定されている。このため、特許文献6において開示されている技術だけでは、例えば、携帯情報通信装置の付属ディスプレイでは部分画像や画質を落とした全体画像しか表示できなかった画像を、大画面外部ディスプレイ装置において、その本来の解像度のままの全体画像として表示することできない。したがって、特許文献6において開示されている技術は、付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を大画面外部ディスプレイ装置に表示する機能を有する携帯情報通信装置を提供するという課題を全面的に解決ものとは言えない。
【0027】
一方、特許文献12においては、表示制御回路21は、CPU11の制御下で、入力された表示データを携帯電話機側の簡易型液晶表示パネル23とCRT表示器24に接続されるモニタ端子25に振り分けて送る機能を有することが開示されており、これにより、画像を形成する画面上の表示データが多く、表示データのコンテンツが簡易型液晶表示パネル23に対応しない場合には、CRT表示器24を使うことで必要とする表示データのすべてを欠落なく表示できるとされている。
【0028】
一見したところ、この技術によれば、大画面外部ディスプレイ装置において、付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を表示するという上記の課題を解決できるように思われる。しかしながら、特許文献12には、以下の2つの問題がある。
第一に、表示制御回路21が表示データを簡易型液晶表示パネル23とモニタ端子25に振り分けて送る際の、その振り分けの機構が不明である。特許文献12には、「表示データのコンテンツが‥‥‥に対応する場合には」又は「表示データの送出先が‥‥‥を指示する場合には」という記載があるが、この「対応」がどのような機構によって判断され、「指示」がどのような機構によって実現されるのかは全く開示されていない。
第二に、モニタ端子25にCRT表示器24が接続されずに携帯電話機が単独で使用されている状況で、「CRT表示器24に対応する」表示データが表示制御回路21に入力に入力された場合、簡易型液晶表示パネル23にどのような画像が表示されるのかが不明である。仮に、そのような場合に、簡易型液晶表示パネル23に全く画像が表示されないのであれば、ユーザーの利便性を損なうし、逆に、例えば、簡易型液晶表示パネル23には部分像が表示されて、スクロール操作によって全画像を見ることができるとすれば、それを実現するための機構が全く開示されていない。
したがって、特許文献12において開示されている技術も、付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を大画面外部ディスプレイ装置に表示する機能を有する携帯情報通信装置を提供するという課題を解決するものではない。
【0029】
さて、最後に、特許文献13は、大画面外部ディスプレイ装置であるテレビジョン受像機の画面に表示するために、電話機の内部に多彩な機能を有するプロセサを備えることによって、パソコン向けウェブページを構成するHTMLコンテンツを含む、各種の情報をテレビジョン受像機の大画面に表示する技術を開示しており、これによれば、確かに、大画面外部ディスプレイ装置において、付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を表示することも可能になると想定される。
しかしながら、ここで電話機の内部備えられているプロセサ50は、CPU50a、グラフィックプロセサ、サウンドプロセサ及びDMAプロセサ等の各種プロセサや、入出力ポートを含むような高級なものである。しかも、大画面外部ディスプレイにビデオ信号を出力する際には、画像処理はもっぱらプロセサ50が担い、その際、電話機側のCPU36は、プロセサ50におけるCPU50aからの要求に基づいて、キー入力情報やHTMLコンテンツデータの受け渡しを担うだけであり、画像処理に関する限り、携帯電話機をパソコンと併用し、該携帯電話機はネットワークへの接続のためだけに携帯情報通信装置の無線通信手段を使用する場合と同様の使用状況となる。
したがって、特許文献13において開示されている技術は、第三種の技術に分類されるとはいえ、「不合理な二重投資」と「非効率的な資源利用」という問題は、第一種又は第二種の技術と大差がない。
【0030】
【特許文献1】特開2001−189808
【特許文献2】特開2001−251449
【特許文献3】特開2001−352373
【特許文献4】特開2003−244289
【特許文献5】特開平9−237145
【特許文献6】特開2001−268180
【特許文献7】特開2002−116843
【特許文献8】特開2002−164968
【特許文献9】特開2003−98974
【特許文献10】特開2001−345894
【特許文献11】特開2002−101457
【特許文献12】特開2001−197167
【特許文献13】特開2002−314646
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0031】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、携帯電話機やPDAをはじめとする携帯情報通信装置に大画面外部ディスプレイ装置を接続することにより、より一般的には、携帯情報通信装置に大画面ディスプレイ手段を含む周辺装置、及び/又は、大画面ディスプレイ手段が接続される周辺装置を接続することにより、該大画面外部ディスプレイ手段において、付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を表示すること、特に、長文の電子メールについては、垂直スクロールを繰り返すことなく読めること、パソコン向けウェブページについては、パソコンでの画面イメージに近いレイアウトで表示し、しかも水平スクロールを繰り返すことなく閲覧できること、テレビ番組については、テレビ放送における本来画像を表示することを、該大画面外部ディスプレイ手段向けの専用の表示データ生成手段を、付属ディスプレイに画像を表示するためにもともと必要である表示データ生成手段(以下、付属表示データ生成手段と略記する)とは別個に使用することなく、大画面ディスプレイ手段を含む周辺装置、及び/又は、大画面ディスプレイ手段が接続される周辺装置と間のインターフェース手段の追加と、付属表示データ生成手段への若干の機能追加だけで実現する携帯情報通信装置を提供する点にある。また、携帯情報通信装置及び大画面外部ディスプレイ装置とともに用いられ、該大画面外部ディスプレイ装置の画面に、付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を表示するための接続ユニットを提供する点にある。さらに、携帯情報通信装置とともに用いられ、自らに付属する大画面外部ディスプレイパネルに、該携帯情報通信装置の付属ディスプレイの画面解像度よりも解像度が大きい画像を表示する外部入出力ユニットを提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0032】
上記目的を達成するために、携帯情報通信装置に係る第1の発明は、ユーザーがマニュアル操作によってデータを入力するデータ入力手段と、無線信号を受信してデジタル信号に変換の上、後記データ処理手段に送信するとともに、後記データ処理手段から受信したデジタル信号を無線信号に変換して送信する無線通信手段と、後記データ処理手段を動作させるプログラム及びその関連ファイル(以下、「プログラム及びその関連ファイル」を「プログラム」と略称する)と後記データ処理手段で処理可能なデータファイルとを格納する記憶手段と、前記データ入力手段で入力されたデータ及び前記記憶手段に格納されたプログラムに基づき、前記無線通信手段から受信したデジタル信号及び/又は前記記憶手段から読み出したデータに必要な処理を行って、デジタル表示信号及びその他のデジタル信号を生成して送信するデータ処理手段と、画面を構成する各々の画素が駆動されることにより画像を表示するディスプレイパネルAと、前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき前記ディスプレイパネルAの各々の画素を駆動するディスプレイ制御手段Aとから構成されるディスプレイ手段とを備えた携帯情報通信装置であって、前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき、直接に又は必要な媒介手段を介して接続された(以下、「直接に又は必要な媒介手段を介して接続する(される)」を「接続する(される)」と略称する)外部ディスプレイ装置に対して、該外部ディスプレイ装置がそれを受信して適切に処理することにより画像を表示することが可能であるような信号(以下、外部表示信号と略称する)を送信するインターフェース手段A1と、前記データ処理手段で生成されたデジタル表示信号の送信先として、前記ディスプレイ制御手段Aと前記インターフェース手段A1の少なくともいずれか一方を選択して指定する送信先指定手段とを備えるとともに、前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って、前記送信先指定手段がデジタル表示信号の送信先として前記インターフェース手段A1を指定した場合には、前記インターフェース手段A1から、十分な大きさの画面解像度(水平画素数×垂直画素数)を有する外部ディスプレイ装置(以下、高解像度外部ディスプレイ装置入力したデータを後記データ処理手段に送信する入力手段と、無線信号を受信してデジタル信号に変換の上、後記データ処理手段に送信するとともに、後記データ処理手段から受信したデジタル信号を無線信号に変換して送信する無線通信手段と、後記データ処理手段を動作させるプログラムと後記データ処理手段で処理可能なデータファイルとを格納する記憶手段と、前記入力手段から送信されたデータ及び前記記憶手段に格納されたプログラムに基づき、前記無線通信手段から受信したデジタル信号及び/又は前記記憶手段から読み出したデータに必要な処理を行って、デジタル表示信号及びその他のデジタル信号を生成して送信するデータ処理手段と、画面を構成する各々の画素が駆動されることにより画像を表示するディスプレイパネルAと、前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき前記ディスプレイパネルAの各々の画素を駆動するディスプレイ制御手段Aとから構成されるディスプレイ手段とを備える携帯情報通信装置であって、外部ディスプレイ手段を含む周辺装置、又は、外部ディスプレイ手段が接続される周辺装置を接続し、該周辺装置に対して、前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき、外部表示信号を送信するインターフェース手段A1と、前記データ処理手段で生成されたデジタル表示信号の送信先として、前記ディスプレイ制御手段Aと前記インターフェース手段A1の少なくともいずれか一方を選択して指定する送信先指定手段とを備えるとともに、前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って、前記送信先指定手段がデジタル表示信号の送信先として前記インターフェース手段A1を指定した場合には、該インターフェース手段A1から、高解像度外部表示信号を送信する機能を実現するようにしたものである。
なお、本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「デジタル表示信号」には、後で詳述する「ビットマップデータ」等のデジタル画像データに直接対応した信号だけでなく、デジタル画像データの生成(描画)を命令する描画命令のデジタル信号も含む。
また、本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「外部表示信号」とは、周辺装置における外部ディスプレイ手段がそれを受信して適切に処理することにより画像を表示することが可能であるような信号を意味する。そして、表示信号、画像データファイル又は動画信号(以下、表示信号等と略記する)を「適切に処理する」とは、外部ディスプレイ装置ディスプレイ手段、又は、データ処理手段及びディスプレイ手段が、表示信号等に含まれている画素ごとの論理的な色情報を、ディスプレイ手段の画面を構成する物理的な画素の色表示として過不足なく現実化することを意味しており、より具体的には、物理的な現実化にあたって画素を間引いて表示画像間引いて表示画像の解像度を小さくしたり、画素を補間して表示画像の解像度を大きくしたりしないことを意味している。
さらに、本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「高解像度」とは、表示信号等の本来解像度が前記ディスプレイパネルAの画面解像度(水平画素数×垂直画素数)より大きいことを意味し、特に、「高解像度外部表示信号」とは、本来解像度が前記ディスプレイパネルAの画面解像度より大きい外部表示信号を意味する。また、表示信号等の「本来画像」とは、十分な大きさの画面解像度を有するディスプレイ手段、又は、データ処理手段と十分な大きさの画面解像度を有するディスプレイ手段とが、該表示信号等を受信して適切に処理することにより表示される本来の画像を意味し、「本来解像度」とは「本来画像」の解像度を意味する。
さらに、本「明細書」及び「特許請求の範囲」においては、「周辺装置における〜手段」という表記によって、「周辺装置に含まれた〜手段又は周辺装置に接続された〜手段」を意味する。
【0033】
また、携帯情報通信装置に係る第2の発明は、第1の発明の携帯情報通信装置において、前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って、該インターフェース手段A1から、外部ディスプレイ装置がそれを受信して適切に処理することにより全画面画像が表示されるよ周辺装置における外部ディスプレイ手段がそれを受信して適切に処理することにより全画面画像が表示されるような外部表示信号であって、本来解像度における水平画素数と垂直画素数の比率が5:4から16:9までの範囲にあるような高解像度外部表示信号を送信する機能を実現するようにしたものである。
なお、本「明細書」でいう「全画面画像」とは、ディスプレイ装置の画面全体に拡がって表示された画面表示全体のことを意味している。したがって、例えば、マークアップ文書ファイル及びそれにリンクされた画像ファイルから構成されるウェブページを閲覧し、それをディスプレイ装置に全画面表示しているような場合の「全画面画像」は、文書を構成するテキスト部分、前記画像ファイルに対応する画像、さらにはブラウザプログラムにおける各種のメニュー表示まですべてを含んだ表示全体を意味する。
ただし、例えば、XGA(eXtended Graphics Array)サイズ(水平画素数×垂直画素数=1024×768画素)の画面モードしかにしか対応していないディスプレイ装置に、VGAサイズの全画面画像を表示するための表示信号が入力され、画面の中央部分、又は四隅のいずれかに偏った部分だけが表示領域となって、それ以外の部分は非表示領域となるような場合には、「全画面画像」という語は、該表示領域における表示全体を意味する。
【0034】
また、携帯情報通信装置に係る第3の発明は、第1又は第2の発明の携帯情報通信装置において、高解像度外部表示信号の本来解像度は、あらかじめ定められた解像度(以下、固定解像度と略記する)に固定されているようにしたものである。
【0035】
また、携帯情報通信装置に係る第4の発明は、第1又は第2の発明の携帯情報通信装置において、あらかじめ定められた解像度の選択範囲から1つの解像度を選択して指定する解像度指定手段を備え、前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って、該インターフェース手段A1から、本来解像度が前記解像度指定手段によって指定された解像度であるような高解像度外部表示信号を送信する機能を実現するようにしたものである。
【0036】
また、携帯情報通信装置に係る第5の発明は、第1乃至第4の発明のいずれか1つの携帯情報通信装置において、前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って、前記ディスプレイパネルAの画面解像度より大きい解像度を有する画像(以下、高解像度画像と略記する)のビットマップデータを生成する機能と、該ビットマップデータを外部表示信号に変換し、該外部表示信号を前記インターフェース手段A1から送信する機能とを実現するようにしたものである。
なお、本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「ビットマップデータ」とは、ディスプレイ装置の実画面又は論理上の仮想画面上に描かれた画像を構成する画素ごとに、8ビット(256色)、24ビット(1678万色)等で表現された色情報を指定することにより該画像の全体を定義する「ビットマップ方式」の画像データの一般的な総称である。したがって、BMP(Bit Map)形式で保存された画像データ(ファイル)に限定されておらず、TIFF(Tagged Image File Format)、JPEG(Joint
Photographic Experts Group)、GIF(Graphic Interchange Format)及びPNG(Portable
Network Graphics)等、様々なフォーマットで保存される。
【0037】
また、携帯情報通信装置に係る第6の発明は、第5の発明の携帯情報通信装置において、前記データ処理手段は、前記送信先指定手段がデジタル表示信号の送信先として前記ディスプレイ制御手段Aを指定した場合には、該ディスプレイパネルAの画面解像度を上回らない解像度を有する画像のビットマップデータを生成して、該ビットマップデータを前記ディスプレイ制御手段Aに送信する機能と、前記送信先指定手段がデジタル表示信号の送信先として前記インターフェース手段A1を指定した場合には、高解像度画像のビットマップデータを生成して、該ビットマップデータを前記インターフェース手段A1に送信する機能とを有し、前記ディスプレイ制御手段Aは、前記データ処理手段から受信したビットマップデータに基づき前記ディスプレイパネルAの各々の画素を駆動する機能を有し、前記インターフェース手段A1は、前記データ処理手段から受信したビットマップデータを外部表示信号に変換して送信する機能を有するようにしたものである。
【0038】
また、携帯情報通信装置に係る第7の発明は、第5又は第6の発明の携帯情報通信装置において、前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って、前記解像度指定手段を備える場合には該解像度指定手段で指定された解像度、そうでない場合には固定解像度(以下、両者を指定解像度と総称する)を下回らない論理解像度を有する仮想画面を設定して、該仮想画面におけるビットマップデータを生成する機能と、生成したビットマップデータから周辺装置における高解像度外部ディスプレイ装置手段の画面に表示される高解像度画像に対応する部分を切り出した上で外部表示信号に変換し、該外部表示信号を前記インターフェース手段A1から送信する機能とを実現するようにしたものである。
なお、本「明細書」及び「特許請求の範囲」でいう「高解像度外部ディスプレイ手段」とは、前記ディスプレイパネルAの画面解像度(水平画素数×垂直画素数)よりも大きい画面解像度を有する外部ディスプレイ手段を意味する。
【0039】
また、携帯情報通信装置に係る第8の発明は、第7の発明の携帯情報通信装置において、前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って設定する仮想画面の論理解像度は、前記解像度指定手段を備える場合には、該解像度指定手段の選択範囲における最大解像度を下回らない範囲で、そうでない場合には固定解像度を下回らない範囲で、それぞれあらかじめ定められた解像度に固定されているようにしたものである。
【0040】
また、携帯情報通信装置に係る第9の発明は、第7の発明の携帯情報通信装置において、前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って、前記仮想画面の論理解像度を、前記解像度指定手段を備える場合には、該解像度指定手段の選択範囲における最大解像度を下回らない範囲で、そうでない場合には固定解像度を下回らない範囲で、それぞれ可変に設定する機能を実現するようにしたものである。
【0041】
また、携帯情報通信装置に係る第10の発明は、第7乃至第9のいずれか1つの発明の携帯情報通信装置において、前記データ処理手段は、後記グラフィックコントローラ1に対して、仮想画面におけるビットマップデータを生成するように命令する描画命令と、前記送信先指定手段の指定に基づき、該ビットマップデータから必要な部分を切り出して前記ディスプレイ制御手段Aと前記インターフェース手段A1の少なくとも一方に送信するように命令する送信命令とを与える中央演算回路1と、前記描画命令に基づき仮想画面におけるビットマップデータを生成して後記ビットマップメモリ1に書き込むとともに、前記送信命令がビットマップデータを前記ディスプレイ制御手段Aに送信するように命じる場合には、後記ビットマップメモリ1から該ディスプレイパネルAに表示される画像に対応する部分だけを切り出して前記ディスプレイ制御手段Aに送信し、前記送信命令がビットマップデータを前記インターフェース手段A1に送信するように命じる場合には、後記ビットマップメモリ1から周辺装置における外部ディスプレイ手段の画面に表示される高解像度画像に対応する部分だけを切り出して前記インターフェース手段A1に送信するグラフィックコントローラ1と、前記グラフィックコントローラ1で生成された仮想画面におけるビットマップデータを保持するビットマップメモリ1とを備えるようにしたものである。
【0042】
また、携帯情報通信装置に係る第11の発明は、第10の発明の携帯情報通信装置において、前記グラフィックコントローラ1は、前記データ処理手段から受信した描画命令に基づきビットマップデータを生成して前記ビットマップメモリ1に書き込むとともに、該ビットマップメモリ1から必要な部分を切り出して後記ビットマップデータ転送回路に出力するビットマップデータ生成回路と、前記ビットマップデータ生成回路から受信したビットマップデータを、前記データ処理手段から受信した送信命令に基づき、前記ディスプレイ制御手段Aと前記インターフェース手段A1の少なくともいずれか一方に送信するビットマップデータ転送回路とを備えるようにしたものである。
【0043】
また、携帯情報通信装置に係る第12の発明は、第7乃至第9のいずれか1つの発明の携帯情報通信装置において、前記データ処理手段は、描画命令を生成する機能と、前記送信先指定手段の指定に基づき、前記描画命令を前記ディスプレイ制御手段Aと前記インターフェース手段A1の少なくともいずれか一方に送信する機能とを有し、前記インターフェース手段A1は、前記データ処理手段から受信した描画命令に基づき仮想画面におけるビットマップデータを生成して後記ビットマップメモリ2に書き込むとともに、該ビットマップメモリ2から周辺装置における外部ディスプレイ手段の画面に表示される高解像度画像に対応する部分だけを切り出して後記外部表示信号出力手段に出力するグラフィックコントローラ2と、前記グラフィックコントローラ2で生成された仮想画面におけるビットマップデータを保持するビットマップメモリ2と、前記グラフィックコントローラ2から受信したビットマップデータを外部表示信号に変換して送信する外部表示信号出力手段とを備えるようにしたものである。
【0044】
また、携帯情報通信装置に係る第13の発明は、第12の発明の携帯情報通信装置において、前記データ処理手段は、描画命令を生成する中央演算回路2と、該中央演算回路2から受信した描画命令を、前記送信先指定手段の指定に基づき、前記ディスプレイ制御手段Aと前記インターフェース手段A1の少なくともいずれか一方に送信する機能を有する描画命令転送回路とを備えるようにしたものである。
【0045】
また、携帯情報通信装置に係る第14の発明は、第5乃至第13のいずれか1つの発明の携帯情報通信装置において、前記インターフェース手段A1は、前記データ処理手段から受信したビットマップデータ又は自らが生成したビットマップデータに必要な変換を行うことにより、デジタルRGB、TMDS(Transition Minimized Differential Signaling)、LVDS(Low Voltage
Differential Signaling)(又はLDI(LVDS Display Interface))及びGVIF(Gigabit Video
InterFace)のうちのいずれかの伝送方式で伝送されるデジタル外部表示信号を生成し送信する機能を有するようにしたものである。
【0046】
また、携帯情報通信装置に係る第15の発明は、第5乃至第13のいずれか1つの発明の携帯情報通信装置において、前記インターフェース手段A1は、前記データ処理手段から受信したビットマップデータ又は自らが生成したビットマップデータに必要な変換を行うことにより、アナログRGB信号、コンポジットビデオ信号、セパレートビデオ信号及びコンポーネントビデオ信号のうちのいずれかのアナログ外部表示信号を生成し送信する機能を有するようにしたものである。
【0047】
また、携帯情報通信装置に係る第16の発明は、第1乃至第15のいずれか1つの発明の携帯情報通信装置において、内蔵充電池を備えるとともに、前記インターフェース手段A1を構成する外部端子は、周辺装置における外部ディスプレイ手段に対して外部表示信号を送信するための信号用端子に加え、内蔵充電池に充電するための充電用端子Aを有するようにしたものである。
【0048】
また、携帯情報通信装置に係る第17の発明は、第1乃至第16のいずれか1つの発明の携帯情報通信装置において、外部入力手段を含む周辺装置、又は、外部入力手段が接続される周辺装置を接続し、該周辺装置における外部入力手段で入力されたデータ(以下、外部入力データと略記する)を受信し、必要であれば変換を行った上で、前記データ処理手段に送信するインターフェース手段A2と、前記データ処理手段に対する入力データの入力元として前記入力手段と該周辺装置における入力手段のうちの少なくともいずれか一方を選択して指定する入力元指定手段とを備え、前記データ処理手段は、前記インターフェース手段A2から受信したデータを処理する機能を有するようにしたものである。
【0049】
また、携帯情報通信装置に係る第18の発明は、第17の発明の携帯情報通信装置において、前記入力元指定手段の指定に基づき、前記入力手段からの入力データと前記インターフェース手段A2からの入力データのうちの少なくともいずれか一方を受信し、必要であれば変換を行った上で、前記データ処理手段に送信する入力データ転送手段を備えるようにしたものである。
【0050】
また、携帯情報通信装置に係る第19の発明は、第17又は第18の発明の携帯情報通信装置において、前記インターフェース手段A1を構成する外部端子と前記インターフェース手段A2を構成する外部端子が、一体的な外部接続端子部Aを構成するようにしたものである。
【0051】
また、携帯情報通信装置に係る第20の発明は、第1乃至第19のいずれか1つの発明の携帯情報通信装置において、接続された外部記憶装置との間でデータのやり取りを行うための外部記憶手段を含む周辺装置、又は、外部記憶手段が接続される周辺装置を接続し、該周辺装置における外部記憶手段との間でデータを授受するインターフェース手段A3を備え、前記データ処理手段は、該周辺装置における外部記憶手段にアクセスしてデータを書き込む機能及び/又はデータを読み出す機能を有するようにしたものである。
【0052】
また、携帯情報通信装置に係る第21の発明は、第20の発明の携帯情報通信装置において、前記インターフェース手段A1を構成する外部端子と前記インターフェース手段A3を構成する外部端子が、一体的な外部接続端子部A’を構成するようにしたものである。
【0053】
また、携帯情報通信装置に係る第22の発明は、第1乃至第21のいずれか1つの発明の携帯情報通信装置において、前記無線通信手段と前記データ処理手段とが相俟って、ユーザーエージェント情報を含みインターネットプロトコルに準拠した無線信号を送信する機能と、インターネットプロトコルに準拠した無線信号を受信することにより、インターネットに接続したウェブサーバからデータファイルを取得する機能とを実現するとともに、前記データ処理手段は、該データファイルを処理することによってリアルタイムでデジタル表示信号を生成する機能、及び/又は、該データファイルを前記記憶手段に一旦格納し、その後読み出した上で処理することによってデジタル表示信号を生成する機能を有するようにしたものである。
【0054】
また、携帯情報通信装置に係る第23の発明は、第22の発明の携帯情報通信装置において、前記無線通信手段と前記データ処理手段とが相俟って、ユーザーエージェント情報に「自らが前記インターフェース手段A1から高解像度外部表示信号を送信する機能を有することを示す情報」を含ませる機能を実現するようにしたものである。
【0055】
また、携帯情報通信装置に係る第24の発明は、第23の発明の携帯情報通信装置において、前記無線通信手段と前記データ処理手段とが相俟って、ユーザーエージェント情報に「前記送信先指定手段がデジタル表示信号の送信先として前記インターフェース手段A1を指定しているか否かを示す情報」を含ませる機能を実現するようにしたものである。
【0056】
また、携帯情報通信装置に係る第25の発明は、第1乃至第24のいずれか1つの発明の携帯情報通信装置において、前記無線通信手段は、アナログテレビ放送信号、デジタルテレビ放送信号、携帯テレビ電話信号、インターネットプロトコルに準拠した無線ストリーミング信号のうちの少なくとも1つの無線信号(以下、無線動画信号と略記する)を受信し、デジタル動画信号に変換の上、前記データ処理手段に転送する機能を有し、前記データ処理手段は、該デジタル動画信号を処理することによってリアルタイムでデジタル表示信号を生成する機能、及び/又は、該デジタル動画信号を自らが処理可能な画像データファイルとして前記記憶手段に一旦格納し、その後読み出した上で処理することによってデジタル表示信号を生成する機能を有するようにしたものである。
【0057】
また、携帯情報通信装置に係る第26の発明は、第1乃至第25のいずれか1つの発明の携帯情報通信装置において、被写体からの撮像光をCCD(Charge-Coupled Devices)、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー等の撮像素子によって画素ごとの電気信号(以下、撮像電気信号と略記する)に変換し、該撮像電気信号をさらにデジタル動画信号に変換した上で前記データ処理手段に送信する撮像手段を備え、前記データ処理手段は、該デジタル動画信号を処理することによってリアルタイムでデジタル表示信号を生成する機能、及び/又は、該デジタル動画信号を自らが処理可能な画像データファイルとして前記記憶手段に一旦格納し、その後読み出した上で処理することによってデジタル表示信号を生成する機能を有するようにしたものである。
【0058】
また、携帯情報通信装置に係る第27の発明は、第22乃至第24のいずれか1つの発明の携帯情報通信装置において、前記データ処理手段は、ウェブサーバから取得した1つ又は複数のマークアップ文書ファイル及びそのリンクファイル、又は前記記憶手段に格納された1つ又は複数のマークアップ文書ファイル及びそのリンクファイルを処理して、ページ画像のデジタル表示信号を生成する機能を有するようにしたものである。
【0059】
また、携帯情報通信装置に係る第28の発明は、第27の発明の携帯情報通信装置において、前記データ処理手段によって処理されるマークアップ文書がリキッドレイアウトを採用している場合に、前記データ処理手段と前記ディスプレイ制御手段Aとが相俟って、前記送信先指定手段がデジタル表示信号の送信先として前記ディスプレイ制御手段Aを指定した場合には、前記ディスプレイパネルAに、該ディスプレイパネルAの画面水平解像度に対応して自動改行するページ画像を表示する機能を実現するとともに、前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って、前記送信先指定手段がデジタル表示信号の送信先として該インターフェース手段A1を指定した場合には、該インターフェース手段A1から、周辺装置における高解像度外部ディスプレイ装置がそれを受信して適切に処理することにより、該高解像度外部ディスプレイ装置手段がそれを受信して適切に処理することにより、指定解像度の水平画素数に対応して自動改行されるページ画像を表示することが可能であるような外部表示信号を送信する機能を実現するようにしたものである。
【0060】
また、携帯情報通信装置に係る第29の発明は、第27の発明の携帯情報通信装置において、前記データ処理手段によって処理されるマークアップ文書が固定幅レイアウトを採用しており、該固定幅の水平画素数が前記ディスプレイパネルAの画面水平解像度より大きく、指定解像度の水平画素数を上回らない場合に、前記データ処理手段と前記ディスプレイ制御手段Aとが相俟って、前記送信先指定手段がデジタル表示信号の送信先として前記ディスプレイ制御手段Aを指定した場合には、前記ディスプレイパネルAに、ページ画像から該ディスプレイパネルAの画面水平解像度に対応した部分だけを切り出した画像を表示する機能を実現するとともに、前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って、前記送信先指定手段がデジタル表示信号の送信先として該インターフェース手段A1を指定した場合には、該インターフェース手段A1から、周辺装置における高解像度外部ディスプレイ装置がそれを受信して適切に処理することにより、該高解像度外部ディスプレイ装置手段がそれを受信して適切に処理することにより、ページ画像の水平方向の全体を表示することが可能であるような外部表示信号を送信する機能を実現するようにしたものである。
【0061】
また、携帯情報通信装置に係る第30の発明は、第22乃至第29のいずれか1つの発明の携帯情報通信装置において、ウェブサーバから取得した画像データファイル、前記データ処理手段は、前記無線通信手段において受信した無線動画信号を変換したデジタル動画信号、前記撮像手段において変換した撮像電気信号をさらに変換したデジタル動画信号、又は前記記憶手段に格納された画像データファイルを処理し、前記デジタル動画信号又は前記画像データファイルの本来画像の全体画像のデジタル表示信号を生成する機能を有するようにしたものである。
【0062】
また、携帯情報通信装置に係る第31の発明は、第30の発明の携帯情報通信装置において、本来画像の解像度が前記ディスプレイパネルAの画面解像度より大きい場合に、前記データ処理手段と前記ディスプレイ制御手段Aとが相俟って、前記送信先指定手段がデジタル表示信号の送信先として前記ディスプレイ制御手段Aを指定した場合には、前記ディスプレイパネルAに、該デジタル動画信号の一部の信号又は該画像データファイルの一部のデータを間引くことにより、本来画像の対象全体をカバーする画像ではあるが、解像度は前記ディスプレイパネルAの画面解像度を上回らない画像を表示する機能を実現するとともに、前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って、前記送信先指定手段がデジタル表示信号の送信先として前記インターフェース手段A1を指定した場合には、該インターフェース手段A1から、周辺装置における高解像度外部ディスプレイ手段がそれを受信して適正に処理することにより、本来画像を表示することが可能であるような外部表示信号を送信する機能を実現するようにしたものである。
【0063】
また、携帯情報通信装置に係る第32の発明は、第30の発明の携帯情報通信装置において、本来画像の解像度が前記ディスプレイパネルAの画面解像度より大きい場合に、前記データ処理手段と前記ディスプレイ制御手段Aとが相俟って、前記送信先指定手段がデジタル表示信号の送信先として前記ディスプレイ制御手段Aを指定した場合には、前記ディスプレイパネルAに、該デジタル動画信号の一部の信号又は該画像データファイルの一部のデータを切り出すことにより、本来画像から前記ディスプレイパネルAの画面解像度に相当する部分を切り出した部分画像を表示する機能を実現するとともに、前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って、前記送信先指定手段がデジタル表示信号の送信先として前記インターフェース手段A1を指定した場合には、該インターフェース手段A1から、周辺装置における高解像度外部ディスプレイ手段がそれを受信して適切に処理することにより、本来画像を表示することが可能であるような外部表示信号を送信する機能を実現するようにしたものである。
【0064】
また、携帯情報通信装置に係る第33の発明は、第30乃至第32のいずれか1つの発明の携帯情報通信装置において、本来画像の解像度が指定解像度の画面解像度より小さい場合に、前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って、前記送信先指定手段がデジタル表示信号の送信先として前記インターフェース手段A1を指定した場合には、該インターフェース手段A1から、周辺装置における高解像度外部ディスプレイ手段がそれを受信して適切に処理することにより、該高解像度外部ディスプレイ手段の画面で、本来画像に画素を補間することによって高解像とした画像を表示することが可能であるような外部表示信号を送信する機能を実現するようにしたものである。
【0065】
また、携帯情報通信装置に係る第34の発明は、第30乃至第33のいずれか1つの発明の携帯情報通信装置において、前記無線通信手段は、GPS(Global Positioning System)衛星から送信される電波信号(以下、GPS信号と略記する)を受信し、デジタル信号に変換の上、前記データ処理手段に転送する機能を有し、前記データ処理手段は、前記GPS信号を変換したデジタル信号と、地図情報を含む前記無線動画信号又は前記画像データファイルとを処理することにより、自らの現在位置情報を含む地図画像のデジタル表示信号をリアルタイムで生成する機能を有するようにしたものである。
【0066】
また、携帯情報通信装置用接続ユニットに係る第35の発明は、第1乃至第21のいずれか1つの発明の携帯情報通信装置とともに用いる接続ユニットであって、該携帯情報通信装置のインターフェース手段A1と接続され、該インターフェース手段A1から外部表示信号を受信するインターフェース手段B1と、外部ディスプレイ装置とのインターフェース手段C1とを備えるようにしたものである。
【0067】
また、携帯情報通信装置用接続ユニットに係る第36の発明は、第17乃至第21のいずれか1つの発明の携帯情報通信装置とともに用いる接続ユニットであって、該携帯情報通信装置のインターフェース手段A1と接続され、該インターフェース手段A1から外部表示信号を受信するインターフェース手段B1と、該携帯情報通信装置のインターフェース手段A2と接続され、該インターフェース手段A2に外部入力データを送信するインターフェース手段B2と、外部ディスプレイ装置とのインターフェース手段C1と、外部入力装置とのインターフェース手段C2とを備えるようにしたものである。
【0068】
また、携帯情報通信装置用接続ユニットに係る第37の発明は、第20又は第21の発明の携帯情報通信装置とともに用いる接続ユニットであって、後記インターフェース手段B3経由でデータの書き込み及び/又は読み出しが行われる外部記憶手段Bと、該携帯情報通信装置のインターフェース手段A1と接続され、該インターフェース手段A1から外部表示信号を受信するインターフェース手段B1と、該携帯情報通信装置のインターフェース手段A2と接続され、該インターフェース手段A2に外部入力データを送信するインターフェース手段B2と、該携帯情報通信装置のインターフェース手段A3と接続され、前記外部記憶手段Bとの間でデータを授受するインターフェース手段B3と、外部ディスプレイ装置とのインターフェース手段C1と、外部入力装置とのインターフェース手段C2とを備えるようにしたものである。
【0069】
また、携帯情報通信装置用接続ユニットに係る第38の発明は、第35乃至第37のいずれか1つの発明の接続ユニットにおいて、前記インターフェース手段B1経由で外部信号を受信し、インターフェース手段C1と接続された外部ディスプレイ装置の画面解像度及び/又は走査方式に適合した表示信号に変換するスキャンコンバート手段を備えるようにしたものである。
【0070】
また、携帯情報通信装置用接続ユニットに係る第39の発明は、第35乃至第38のいずれか1つの発明の接続ユニットにおいて、内蔵充電池と該内蔵充電池に充電するための充電用端子Aを有する携帯情報通信装置とともに用いる接続ユニットであって、直流電力供給手段を備えるとともに、前記インターフェース手段B1を構成する外部端子は、外部表示信号を外部ディスプレイ装置に出力するための信号用端子に加え、前記充電用端子Aと接続され前記直流電力供給手段からの直流電力を前記内蔵充電池に供給する充電用端子Bを有するようにしたものである。
【0071】
また、携帯情報通信装置用外部入出力ユニットに係る第40の発明は、第17乃至第21のいずれか1つの発明の携帯情報通信装置とともに用いる外部入出力ユニットであって、ユーザーがマニュアル操作によって入力した外部入力データを後記インターフェース手段D2に送信する外部入力手段と、画面を構成する各々の画素が駆動されることにより画像を表示するディスプレイパネルDと、後記インターフェース手段D1経由で受信した外部表示信号に基づき前記ディスプレイパネルDの各々の画素を駆動するディスプレイ制御手段Dとから構成される外部ディスプレイ手段と、前記携帯情報通信装置のインターフェース手段A1と接続され、該インターフェース手段A1から外部表示信号を受信するインターフェース手段D1と、前記携帯情報通信装置のインターフェース手段A2と接続され、該インターフェース手段A2に外部入力データを送信するインターフェース手段D2とを備えるようにしたものである。
【0072】
また、携帯情報通信装置用外部入出力ユニットに係る第41の発明は、第20又は第21の発明の携帯情報通信装置とともに用いる外部入出力ユニットであって、ユーザーがマニュアル操作によって入力した外部入力データを後記インターフェース手段D2に送信する外部入力手段と、画面を構成する各々の画素が駆動されることにより画像を表示するディスプレイパネルDと、後記インターフェース手段D1経由で受信した外部表示信号に基づき前記ディスプレイパネルDの各々の画素を駆動するディスプレイ制御手段Dとから構成される外部ディスプレイ手段と、後記インターフェース手段D3経由でデータの書き込み及び/又は読み出しが行われる外部記憶手段Dと、前記携帯情報通信装置のインターフェース手段A1と接続され、該インターフェース手段A1から外部表示信号を受信するインターフェース手段D1と、前記携帯情報通信装置のインターフェース手段A2と接続され、該インターフェース手段A2に外部入力データを送信するインターフェース手段D2と、前記携帯情報通信装置のインターフェース手段A3と接続され、前記外部記憶手段Dとの間でデータを授受するインターフェース手段D3とを備えるようにしたものである。
【0073】
また、携帯情報通信装置用外部入出力ユニットに係る第42の発明は、第40又は第41の発明の外部入出力ユニットにおいて、前記インターフェース手段D1と前記ディスプレイ制御手段Dとが相俟って、該インターフェース手段D1経由で受信した外部表示信号を、前記ディスプレイパネルDの画面解像度及び/又は走査方式に適応した表示信号に変換するマルチスキャン機能を実現するようにしたものである。
【0074】
また、携帯情報通信装置用外部入出力ユニットに係る第43の発明は、第40乃至第42のいずれか1つの発明の外部入出力ユニットにおいて、前記外部ディスプレイ手段が、ユーザーが該外部ディスプレイ手段を構成するディスプレイパネルDの表面を接触することによってデータを入力することのできるタッチパネル機能を有するようにしたものである。
【0075】
また、携帯情報通信装置用外部入出力ユニットに係る第44の発明は、第40乃至第43のいずれか1つの発明の外部入出力ユニットにおいて、内蔵充電池と該内蔵充電池に充電するための充電用端子Aを有する携帯情報通信装置とともに用いる外部入出力ユニットであって、直流電力供給手段を備えるとともに、前記インターフェース手段D1を構成する外部端子は、外部表示信号を外部ディスプレイ手段に出力するための信号用端子に加え、携帯情報通信装置の前記充電用端子Aと接続され前記直流電力供給手段からの直流電力を前記内蔵充電池に供給する充電用端子Dを有するようにしたものである。
【0076】
また、携帯情報通信装置用外部入出力ユニットに係る第45の発明は、第40乃至第44のいずれか1つの発明の外部入出力ユニットにおいて、前記インターフェース手段D1を構成する回路と、前記インターフェース手段D2を構成する回路とを一体的な筐体の内部に納め、さらに、前記外部記憶手段Dと前記インターフェース手段D3とを備える場合には、該外部記憶手段Dと該インターフェース手段D3を構成する回路も該筐体の内部に納め、該筐体の天面には外部入力手段を構成するキーを配置し、該筐体の側面又は底面には、インターフェース手段D1を構成する外部端子と、インターフェース手段D2を構成する外部端子とを配置し、さらに、前記インターフェース手段D3を備える場合には該インターフェース手段D3を構成する外部端子も配置するとともに、前記ディスプレイパネルDを該筐体にヒンジ等で接続したようにしたものである。
【0077】
また、携帯情報通信装置用外部入出力ユニットに係る第46の発明は、第40乃至第44のいずれか1つの発明の外部入出力ユニットにおいて、前記インターフェース手段D1を構成する回路と、前記インターフェース手段D2を構成する回路とを一体的な筐体の内部に納め、さらに、前記外部記憶手段Dと前記インターフェース手段D3とを備える場合には、該外部記憶手段Dと該インターフェース手段D3を構成する回路も該筐体の内部に納め、該筐体の天面にはディスプレイパネルDを配置し、該筐体の側面又は底面には、インターフェース手段D1を構成する外部端子と、インターフェース手段D2を構成する外部端子とを配置し、さらに、前記インターフェース手段D3を備える場合には該インターフェース手段D3を構成する外部端子も配置するとともに、該筐体の天面における前記ディスプレイパネルDの額縁部には入力手段を構成するキーを配置したようにしたものである。
【発明の効果】
【0078】
第1乃至第15の発明の携帯情報通信装置においては、携帯情報通信装置のインターフェース手段A1に高解像度外部ディスプレイ手段を含む周辺装置、及び/又は、外部ディスプレイ手段が接続される周辺装置を接続して高解像度外部表示信号を送信することにより、該高解像度外部ディスプレイ手段の画面において、携帯情報通信装置に付属するディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する高解像度画像を表示することができる。これにより、付属ディスプレイパネルにおいては、その画面解像度に相当する部分だけを切り出した部分画像しか表示できなかったり、画素を間引くことによって画質を落とした全体画像しか表示できなかったりしたような画像を、高解像度外部ディスプレイ手段においては、その本来の解像度のままの全体画像として表示できるようになる。特に、水平方向の本来の画素数がディスプレイパネルの画面水平解像度より大きい高水平解像度外部表示信号を送信する機能が実現されることにより、該高解像度外部ディスプレイ手段の画面における一行あたりの表示文字数を、付属ディスプレイパネルにおける表示文字数よりも増やすことができる。これにより、例えば、長文の電子メールを読むような場合でも、付属ディスプレイパネルにおけるように何行にもわたって表示され、垂直スクロールを何度も繰り返さなければならないため、理解に困難が伴うというようなことはなくなる。
しかも、そのような高解像度外部表示信号の送信は、付属ディスプレイパネルにおいて画像を表示するためにもともと必要であるデータ処理手段と、外部ディスプレイ手段を含む周辺装置、及び/又は、外部ディスプレイ手段が接続される周辺装置を接続するために不可欠のインターフェース手段だけによって実現されている。このため、従来の技術のように、携帯情報通信装置に備えられた表示データ処理手段とは別に、外部ディスプレイ手段を含む周辺装置向けの専用の表示データ生成手段を設ける必要はなく、「不合理な二重投資」や「非効率な資源利用」の問題は回避できる。
【0079】
このうち特に第2の発明によれば、携帯情報通信装置のインターフェース手段A1に、高解像度外部表示信号の本来解像度を水平方向でも垂直方向でも下回らない画面解像度を有する外部ディスプレイ手段を含む周辺装置を接続することにより、該外部ディスプレイ手段に水平画素数と垂直画素数の比率が5:4から16:9までの範囲にあるような高解像度の全画面画像を表示することができる。この際、外部ディスプレイ手段の画面解像度が高解像度外部表示信号の本来解像度より大きい場合には、画面の中央部分、又は四隅のいずれかに偏った部分だけが表示領域となって、それ以外の部分は非表示領域となることがあるが、外部ディスプレイ手段の画面解像度が高解像度外部表示信号の本来解像度と等しい場合には、高解像度画像を外部ディスプレイ手段の画面全体にわたって(非表示領域を生じることなく)表示される。また、外部ディスプレイ手段として、マルチスキャン機能を有し、画面解像度が外部表示信号の本来解像度より大きい高性能外部ディスプレイ手段を使用する場合にも、高解像度画像が外部ディスプレイ手段の画面全体にわたって表示される。
例えば、付属ディスプレイパネルの画面解像度がQVGAサイズであり、本来解像度がXGAサイズ(水平画素数:垂直画素数=4:3)であるような高解像度外部表示信号を送信する機能が実現される携帯情報通信装置においては、該携帯情報通信装置のインターフェース手段A1に、マルチスキャン機能を有し画面解像度が例えばSXGA (Super XGA) サイズ(水平画素数×垂直画素数=1280×1024画素)であるような高性能外部ディスプレイ手段を含む周辺装置、及び/又は、外部ディスプレイ手段が接続される周辺装置を接続することにより、付属ディスプレイパネルの画面解像度(QVGAサイズ)より解像度の大きいXGAサイズの画像を、該高性能外部ディスプレイ手段の画面全体にわたって(非表示領域を生じることなく)表示することができる。
【0080】
なお、同様の効果は、携帯情報通信装置のインターフェース手段A1と高解像度外部ディスプレイ手段を、高解像度外部表示信号の本来解像度から高解像度外部ディスプレイ手段の画面解像度にアップスキャンコンバートする機能を有する接続ユニットを介して接続しても実現できる。例えば、携帯情報通信装置の付属ディスプレイパネルの画面解像度がQVGAサイズであり、本来解像度がXGAサイズであるような高解像度外部表示信号を送信する機能が実現され、一方、高解像度外部ディスプレイ手段としていわゆるフルハイビジョンテレビモニタ(水平画素数×垂直画素数=1920×1080画素)が使用される場合、該フルハイビジョンテレビモニタと携帯情報通信装置のインターフェース手段A1とを必要なアップスキャン機能を有する接続ユニットを介して接続することにより、付属ディスプレイパネルの画面解像度(QVGAサイズ)より解像度の大きいXGAサイズの画像を、該フルハイビジョンテレビモニタの画面全体にわたって表示することができる(ただし、その際、XGAサイズとフルハイビジョンサイズの水平垂直比が異なるため、両端部に非表示領域が生じる場合もある)。
【0081】
一方、特に第3の発明によれば、マルチスキャン機能を有するディスプレイ装置を使用せずに、汎用的に使用されているパソコン用ディスプレイ装置やテレビモニタのうちから、あらかじめ定められた固定解像度に対応した画面解像度を有するものを選択して高解像度外部ディスプレイ手段として使用することにより、高解像度画像を該高解像度外部ディスプレイ手段の画面全体にわたって表示することができる。また、特に第4の発明によれば、高解像度外部ディスプレイ手段として、汎用的なパソコン用ディスプレイ装置やテレビモニタのうちから適当なものを使用した上で、解像度指定手段によって、高解像度外部表示信号の本来解像度として高解像度外部ディスプレイ手段の画面解像度を選択して指定することによって、高解像度画像を該高解像度外部ディスプレイ手段の画面全体にわたって表示することができる。
なお、高解像度外部ディスプレイ手段として、マルチスキャン機能を有する高性能外部ディスプレイ手段を使用している場合には、仮に指定解像度が高性能外部ディスプレイの画面解像度と一致していなくても、指定解像度が該高性能外部ディスプレイの画面解像度より小さければ、指定解像度を有する画像を該高性能外部ディスプレイ手段の画面全体にわたって表示することができる。
【0082】
また、このうち特に第14又は第15の発明によれば、高解像度外部ディスプレイ手段として、汎用的な方式のインターフェース手段を有するディスプレイ装置を採用することができる。特に、第14の発明においては、高解像度外部ディスプレイ手段として液晶ディスプレイ装置等のデジタルディスプレイ装置を使用した場合、「デジタル(ビットマップデータ)→アナログ→デジタル」という信号変換が不要になるため、信号変換に伴う画像の劣化を回避することができる。一方、第15の発明においては、高解像度外部ディスプレイ手段として、テレビモニタやVGAコネクタ等のアナログRGBインターフェースを有する汎用的なパソコン用ディスプレイ装置を使用することができる。
【0083】
第16の発明の携帯情報通信装置においては、携帯情報通信装置のインターフェース手段A1に接続された周辺装置における高解像度外部ディスプレイ手段の画面において高解像度画像を表示する際、該高解像度外部ディスプレイ手段、前記インターフェース手段A1と該高解像度外部ディスプレイ手段とを媒介する接続ユニット、又は接続ユニットと外部ディスプレイ装置等が一体化された外部入出力ユニット等から充電用端子Aを経由して電力を供給することにより、該携帯情報通信装置の内蔵充電池を充電することができる。
【0084】
第17乃至第19の発明の携帯情報通信装置においては、携帯情報通信装置のインターフェース手段A1に接続された周辺装置における高解像度外部ディスプレイ手段の画面において高解像度画像を表示できるようになることに加えて、携帯情報通信装置のインターフェース手段A2に、パソコンに用いられるJIS配列の日本語106キーボード又は日本語109キーボード等のフルサイズのキーボード(以下では、「JIS配列の日本語106キーボード又は日本語109キーボード等のフルサイズのキーボード」を「フルキーボード」と略記する)を接続することにより、フルキーボードでデータを入力できるようになる。
【0085】
そもそも、携帯電話機をはじめとする携帯情報通信装置においては、電子メールの編集、ウェブサイトのURLの入力、ウェブページにおけるフォームへの文字入力、さらには携帯電話機における電話帳機能における相手先データの編集等、付属する操作キーを用いた文字入力作業が増大している。それにもかかわらず、携帯情報通信装置においては、その携帯性が重視されるため、付属する操作キーはフルキーボードにおける操作キーよりも小型であり、隣接する操作キー相互の中心間距離も小さいため、文字入力の操作性が悪いという問題があった。特に、携帯電話機の場合には、操作キーはテンキーにいくつかのファンクションキーを加えた少数のキーに限られているため、例えば、「お」を入力する場合には、ファンクションキーを用いてかな入力モードに切り替えた上で、ア行に振り当てられた数字キー(通常は「1」のキー)を5回押すというような操作が必要になり、長文の電子メールを編集する場合のように多数の文字を入力しなければならない場合には多大な負荷が伴っていた。
それに対して、第17乃至第19の発明の携帯情報通信装置は、携帯性が重視されるが故の画面上の制約に加えて、このデータ(文字)入力上の制約も緩和・解消するものである。実際、第17乃至第19の発明の携帯情報通信装置に加えて、汎用的なパソコン用ディスプレイ装置等の外部ディスプレイ装置やフルキーボード等の外部入力装置を用意し、インターフェース手段A1及びA2と直接に又は接続ユニットを介して接続しさえすれば、電子メールの編集・送受信やウェブページの閲覧・双方向コミュニケーション等の作業に関する限り、従来の携帯情報通信装置とパソコンとを併用する場合とほとんど遜色ない操作性を実現できることになる。
【0086】
一方、外出時と自宅やオフィスでの在席時との間での作業の継続性・連接性の観点からは、第17乃至第19の発明の携帯情報通信装置に外部ディスプレイ装置と外部入力装置とを接続して使用することは、従来の携帯情報通信装置をパソコンと併用することよりも利便性が高い場合もある。
【0087】
従来の携帯情報通信装置とともにパソコンを保有しているユーザーは、通常、携帯情報通信装置におけるメールアドレスとパソコンにおけるメールアドレスの2つのメールアドレスを保有する必要があり、常に携帯情報通信装置とパソコンの双方においてメールの受信状況を確認しなければならない。プロバイダによっては、単一のメールアドレスに対して送信されたメールを携帯電話機とパソコンの双方で受信できるようなサービスが提供されている場合もあるが、そのような場合でも、携帯情報通信装置におけるメーラーとパソコンにおけるメーラーが別個であるため、パソコンで受信したメールについては携帯情報通信装置における受信履歴に残らなかったり、その逆が起こったりという不都合が生じる。また、携帯情報通信装置におけるメールアドレスリストとパソコンにおけるメールアドレスリストを別個に編集する手間もある。
さらに、例えば、外出先において携帯情報通信装置を用いてウェブページを閲覧している途中の状態でパソコンを使用できる環境に戻った場合に、パソコンにおける大きな画面で同じウェブページを閲覧しようとすると、携帯情報通信装置ではすでに当該ウェブサイトに接続しているにも関わらず、パソコンを起動した上で、再度、当該ウェブサイトのURLを入力するという手間がかかる。また、外出先において携帯情報通信装置における操作部の操作キーを操作してメールの文章を入力している途中の状態でパソコンを使用できる環境に戻った場合に、パソコンにおけるフルキーボードでメールの文章を入力しようとすると、携帯情報通信装置ではすでに文章の途中まで入力が済んでいるにも関わらず、パソコンを起動した上で、再度、文章の最初から入力する必要がある。このように、携帯情報通信装置における作業からパソコンにおける作業にスムーズに移ることは不可能であり、しかも、通常、パソコンを起動させる場合には、携帯電話機の起動に比べて長い時間を要するという問題もある。
【0088】
それに対して、第17乃至第19の発明の携帯情報通信装置に外部ディスプレイ装置と外部入力装置とを接続して使用する場合には、データ処理は一貫して携帯情報通信装置におけるデータ処理手段においてなされ、メールアドレス等の必要なデータ類も携帯情報通信装置におけるフラッシュメモリ等の記憶手段に格納される。このため、外出先から自宅やオフィスに戻った場合でも、該携帯情報通信装置と外部ディスプレイ装置及び外部入力装置とを接続するだけで円滑に作業を継続することができ、また、携帯情報通信装置とパソコンを併用する場合のように、データ類を二重に管理する必要もない。
【0089】
さらに、第17乃至第19の発明の携帯情報通信装置に外部ディスプレイ装置と外部入力装置とを接続して使用することによって、資源の浪費を抑制する効果も期待できる。
パソコンは、主としてOS及びCPUのバージョンアップに対応して非常に早いスピードで機能アップが行われ、その結果、平均して3〜7年で買い替えが行われているといわれている。そして、その際、一部の熟練者を除き、CPUやメモリを実装したマザーボードを中心とする本体のみならず、ディスプレイ装置、フルキーボード、HDD(Hard Disk Drive)等の外部記憶装置も同時に廃棄されるのが通常である。
それに対して、第17乃至第19の発明の携帯情報通信装置に外部ディスプレイ装置と外部入力装置とを接続して使用する場合では、そもそも、携帯情報通信装置は独立して使用されるため、携帯情報通信装置における中央演算回路等のデータ処理手段が高機能化して以前のものが陳腐化したとしても、該携帯情報通信装置だけを交換すればよく、それ以外のものはそのままで使用することができる。その結果、パソコンのように買い替えに伴う大量廃棄は発生しない。
【0090】
第20及び第21の発明の携帯情報通信装置においては、携帯情報通信装置のインターフェース手段A3に、外部記憶手段を含む周辺装置、又は、外部記憶手段が接続される周辺装置を接続することにより、携帯情報通信装置のデータ処理手段は、該周辺装置における外部記憶手段にデータを書き込んだり、読み出したりすることができるようになる。このため、ウェブサイトからダウンロードした画像、テレビ放送等から録画した動画及びゲームプログラム等のコンテンツ、デジタルカメラやデジタルビデオ等の撮像手段を用いて生成された画像ファイルを、データ容量に限りのある付属記憶手段ではなく外部記憶手段に格納しておくことができる。また、外部記憶手段としてCD−ROM(Compact Disc Read Only Memory)ドライブやDVD(Digital Versatile Disc又はDigital
Video Disc)−ROMドライブ等のアプリケーション提供媒体用の外部記憶手段を使用することにより、CD−ROMやDVD−ROMに格納されたアプリケーションプログラムをフラッシュメモリ等の付属記憶手段に移植し、該プログラムによってデータ処理手段を駆動することもできるようになる。
【0091】
従来の携帯電話機においても、メモリカード等の着脱式の記憶メディアを用いれば、通信手段又は撮像手段によって取得した画像ファイル等のコンテンツファイルを、パソコン等における記憶装置に移植することは可能であった。しかし、その場合には、携帯電話機の記憶手段に格納されたコンテンツファイルを着脱式メディアにコピーし、該着脱式メディアを携帯電話機から外して、パソコン等のメディアドライブに挿入し、その後、パソコンのデータ処理手段等を駆動させて着脱式メディアからHDDに移植するという手順が必要になる。
これに対して、第20及び第21の発明の携帯情報通信装置においては、インターフェース手段A3に、外部記憶手段を含む周辺装置、又は、外部記憶手段が接続される周辺装置が接続された状態では、携帯情報通信装置におけるデータ処理手段が直接外部記憶手段にアクセスできるため、着脱式メディアを用いることなく、携帯情報通信装置の記憶手段から外部記憶手段に直接的にファイルの移植ができるようになる。
【0092】
第22乃至第24の発明の携帯情報通信装置においては、携帯情報通信装置はインターネットに接続したウェブサーバにおけるウェブページを、従来通り、付属ディスプレイパネル閲覧することに加えて、携帯情報通信装置のインターフェース手段A1に接続された周辺装置における高解像度外部ディスプレイ手段の画面において閲覧することができる。また、携帯情報通信装置はウェブサーバから画像ファイルやゲームプログラム等のコンテンツファイルを取得したりした上で、該ウェブページやコンテンツファイルに対応する画像を、従来通り、付属ディスプレイパネルにおいて表示することに加えて、高解像度外部ディスプレイ手段の画面において表示することができる。しかも、その際、付属ディスプレイパネルの画面解像度の制約を受けることなく、該付属ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する高解像度画像を表示することができる。
【0093】
このうち特に第23又は24の発明によれば、ウェブサーバ側のCGI(Common
Gateway Interface)又はPHP(Hypertext Preprocessor)の機能と連動することにより、携帯情報通信装置は、自らが有している高解像度外部表示信号の送信機能を十分に活用できるサービスを受けることができる。
例えば、ウェブサーバが、動画や静止画の画像データファイルのダウンロードサービスを提供する3種類のウェブサイトを有しており、そのうちの1つは本来解像度がQVGAサイズの画像データファイルだけをダウンロードでき、他の1つは本来解像度がXGAサイズの画像データファイルだけをダウンロードでき、残りの1つは本来解像度がQVGAサイズとXGAサイズの双方の画像データファイルを一度の操作でダウンロードできるような場合に、該ウェブサーバが、自らにアクセスしている携帯情報通信装置から、高解像度外部表示信号の送信機能を有することを示す情報を含むユーザーエージェント情報を受け取った場合には、本来解像度がQVGAサイズとXGAサイズの双方の画像データファイルを一度にダウンロードできるウェブサイトにアクセスするように自動的に振り分けるようにしておけば、第23又は24の発明の携帯情報通信装置は、いちいちユーザーが意識して操作することなく、付属ディスプレイパネルに表示する画像データファイルと高解像度外部ディスプレイ手段の画面に表示する画像データファイルの双方を一度にダウンロードすることができる。
【0094】
さらにその中でも特に第24の発明によれば、例えば、ウェブサーバが、マークアップ文書ファイル及びそのリンクファイルで構成されるウェブページを含む2種類のウェブサイトを有しており、そのうちの1つがVGAサイズやXGAサイズの固定幅レイアウトのウェブページを含み、他の1つがリキッドレイアウトまたは水平画素数の小さい固定幅レイアウトのウェブページだけから構成される場合に、該ウェブサーバが、自らにアクセスしている携帯情報通信装置から、前記送信先指定手段がデジタル表示信号の送信先として前記インターフェース手段A1を指定していることを示す情報を含むユーザーエージェント情報を受け取った場合には、VGAサイズやXGAサイズの固定幅レイアウトのウェブページを含むウェブサイトにアクセスするように、そうでない場合には、リキッドレイアウトまたは水平画素数の小さい固定幅レイアウトのウェブページだけから構成されるウェブサイトアクセスするように、それぞれ自動的に振り分けるようにしておけば、携帯情報通信装置及び外部ディスプレイ装置からなるシステムにおいて、今現在アクティブなディスプレイ手段にふさわしいページ画像が自動的に表示できる。
【0095】
第25の発明の携帯情報通信装置においては、無線動画信号によって伝達される動画を付属ディスプレイパネルにおいてリアルタイムに表示することに加えて、携帯情報通信装置のインターフェース手段A1に接続された周辺装置における高解像度外部ディスプレイ手段の画面においてもリアルタイム表示することができる。しかも、その際、付属ディスプレイパネルの画面解像度の制約を受けることなく、該付属ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度の動画を表示することができる。
また、無線動画信号によって伝達される動画を録画し動画データファイルに変換の上、付属する記憶手段に格納するとともに、それを読み出して事後に再生することができる。その際にも、動画の再生は付属ディスプレイだけではなく、高解像度外部ディスプレイにおいて表示することができる。
【0096】
第26の発明の携帯情報通信装置においては、携帯情報通信装置を用いて被写体を撮像し、該被写体の動画像を付属ディスプレイパネルにおいてリアルタイムに表示することに加えて、携帯情報通信装置のインターフェース手段A1に接続された周辺装置における高解像度外部ディスプレイ手段の画面においてもリアルタイムに表示することができる。しかも、その際、付属ディスプレイパネルの画面解像度の制約を受けることなく、該付属ディスプレイパネルの画面解像度より大きい解像度を有する高解像度画像を表示することができる。
また、撮像された静止画又は動画の画像をデータファイルに変換の上、付属する記憶手段に格納するとともに、それを読み出して事後に再生することができる。その際にも、動画の再生は付属ディスプレイだけではなく、高解像度外部ディスプレイにおいて表示することができる。
【0097】
第27乃至第29の発明の携帯情報通信装置においては、ウェブサーバから取得したマークアップ文書ファイル及びそのリンクファイル、又は記憶手段に格納されたマークアップ文書ファイル及びそのリンクファイルを処理し、それらのファイルに対応したページ画像を、付属ディスプレイパネルに加えて、携帯情報通信装置のインターフェース手段A1に接続された周辺装置における高解像度外部ディスプレイ手段の画面においても表示することができる。
特に、例えば、付属ディスプレイパネルの画面解像度がQVGAサイズである携帯情報通信装置でパソコン向けウェブサイトに接続し、例えばVGAサイズの画面で閲覧されることを想定して作成されたウェブページを閲覧した場合、従来のように、付属ディスプレイパネルにおいて水平スクロールを何度も繰り返して全体を閲覧するだけではなく、携帯情報通信装置のインターフェース手段A1に接続された周辺装置における高解像度外部ディスプレイ手段の画面において、パソコンでの画面イメージに近いレイアウトで表示され、しかも水平スクロールなしで閲覧できるようになる。
【0098】
第30乃至第34の発明の携帯情報通信装置においては、デジタル動画信号又は画像データファイルの本来画像を、携帯情報通信装置のインターフェース手段A1に接続された周辺装置における高解像度外部ディスプレイ手段の画面において表示することができる。特に、本来画像の解像度が携帯情報通信装置の付属ディスプレイパネルの画面解像度より大きい場合には、付属ディスプレイパネルにおいては、信号又はデータの一部を間引くことによって生成された解像度の低い全体画像又は部分画像が表示されるのに対して、高解像度外部ディスプレイ手段の画面においては、本来画像、又は本来画像に画素を補間することによって高解像とした画像を表示することができる。
【0099】
このうち特に第34の発明の携帯情報通信装置においては、GPS信号を変換したデジタル信号と地図情報を組み合わせることにより、自らの現在位置情報を含む地図画像を、付属ディスプレイパネルに加えて携帯情報通信装置のインターフェース手段A1に接続された周辺装置における高解像度外部ディスプレイ手段の画面においても表示することができる。
携帯電話機向けのサービスとして、GPSを使ったナビゲーションサービスがあり、最近では、通常のナビゲーション情報に加えて渋滞情報を提供したり、目的地へのルート情報を提供したりする、いわゆる「助手席ナビ」サービスも提供されるようになっている。しかし、そもそも携帯電話機の付属ディスプレイの画面が小さく、そこに表示されている地図情報を閲覧する際には携帯電話機を眼前に保持する必要があるため、運転者自身が閲覧することは法的にも実際的にもできない。このため、このサービスは、名称が示している通り同乗者が操作・閲覧することが前提になっている。
それに対して、第34の発明の携帯情報通信装置においては、通常のカーナビゲーションシステムのディスプレイパネル部と同程度の大きさの高解像度外部ディスプレイ手段を含む周辺装置、及び/又は、高解像度外部ディスプレイ手段が接続される周辺装置を携帯情報通信装置のインターフェース手段A1に接続の上、通常のカーナビゲーションシステムのディスプレイパネル部と同様の位置に固定することにより、運転者自身がハンズフリーで地図情報を閲覧することが可能になる。
【0100】
第35乃至第38の発明の携帯情報通信装置用接続ユニットにおいては、それを介して携帯情報通信装置と高解像度外部ディスプレイを接続することにより、携帯情報通信装置と高解像度外部ディスプレイ装置とを直接接続する場合と比較して、以下のようなメリットが得られる。
【0101】
まず、携帯情報通信装置においては、その携帯性が重視されるため、インターフェース手段A1を構成する端子部についても、パソコン等で汎用的に使用されているものとは異なる小型の特殊なものとせざるを得ない。このため、該端子部と接続される接続ケーブルも特殊なものとなるため、各種の長さのケーブルを用意することは困難であり、したがって、携帯情報通信装置と高解像度外部ディスプレイ装置を接続ケーブルで直接接続するとなると、その位置関係はおのずと限定されることになる。
それに対して、第35乃至第38の発明の携帯情報通信装置用接続ユニットを媒介すれば、携帯情報通信装置のインターフェース手段A1と接続ユニットのインターフェース手段B1とは特殊なケーブルで接続し、一方、接続ユニットのインターフェース手段B2の端子は高解像度外部ディスプレイ装置に適合した汎用的な端子として、該インターフェース手段B2と高解像度外部ディスプレイ手段を汎用的なケーブルで接続することにより、接続ユニットと高解像度ディスプレイは比較的自由に配置することができる。その結果、携帯情報通信装置と高解像度外部ディスプレイ手段は自由な位置関係で配置することができる。
【0102】
なお、携帯情報通信装置と高解像度外部ディスプレイ手段は、接続ケーブルによるだけでなく無線手段を用いて接続することも可能であるが、そのような場合でも、第35乃至第38の発明の携帯情報通信装置用接続ユニットを用いれば、インターフェース手段A1とインターフェース手段B1の接続を有線手段で接続し、インターフェース手段B2と高解像度外部ディスプレイの間を無線手段で接続する組み合わせ(又はその逆の組み合わせ)で接続したりすることにより、無線の到達距離や障害物の問題を回避して、より確実なデータのやり取りを実現できる。
【0103】
次に、携帯情報通信装置に、高解像度外部ディスプレイ装置に加えて、フルキーボード等の外部入力装置及び/又はHDD等の外部記憶装置を接続する場合には、それらを接続ケーブルで直接接続しようとすると複数の接続ケーブルが必要になるため、携帯性が重視されるが故に小型化が必須要件である携帯情報通信装置において、複数の接続端子を設けなければならないという装置構造上の問題が生じる。
それに対して、第35乃至第38の発明の携帯情報通信装置用接続ユニットを媒介した場合には、携帯情報通信装置側のインターフェース手段A1を構成する端子部と、インターフェース手段A2を構成する端子部及び/又はインターフェース手段A3を構成する端子部とを一体化し、一方、接続ユニット側のインターフェース手段B1を構成する端子部と、インターフェース手段B2を構成する端子部及び/又はインターフェース手段B3を構成する端子部とを一体化して、一体化された端子部同士を接続することが可能になる。
さらに、接続ユニットを構成する筐体の内部にHDD等の外部記憶装置や、AC/DC回路や充電池から構成される直流電力供給手段を納め、また、該筐体に携帯情報通信装置を挿入することによって携帯情報通信装置の端子部と接続ユニットの端子部が直接接触して接続するような挿入口を設けるなどして、携帯情報通信装置と接続ユニットとの接続の便を図ることにより、携帯情報通信装置が接続された接続ユニットを、あたかもデスクトップタイプのパソコンを使用しているのと近いイメージで使用することができるようになる。
なお、この場合、接続ユニットには、周辺装置と接続するために複数の接続端子を設ける必要があるが、接続ユニットは携帯して使用されないため、携帯情報通信装置に複数の接続端子を設ける場合のような問題は生じない。
【0104】
なお、第35乃至第39の発明の携帯情報通信装置用接続ユニットは、専ら、携帯情報通信装置と周辺装置との間のインターフェース機能だけを担っており、[背景技術]で説明した第一種の技術における接続ユニットのように、携帯情報通信装置側のデータ処理手段とは別個に表示データを生成する専用の表示データ生成手段を備えているわけではない。このため、従来の技術におけるような、「不合理な二重投資」と「非効率的な資源利用」の問題は生じない。
【0105】
第40乃至第46の発明の携帯情報通信装置用外部入出力ユニットにおいては、それを携帯情報通信装置と接続して使用することにより、携帯情報通信装置を高解像度外部ディスプレイ装置とを直接接続したり、接続ユニットを媒介して携帯情報通信装置と高解像度外部ディスプレイ手段を接続したりする場合と比較して、以下のようなメリットが得られる。
【0106】
まず、携帯情報通信装置とのインターフェース手段と外部ディスプレイ手段及びキーボード等の外部入力手段、さらにはHDD等の外部記憶手段が一体化されているため、携帯情報装置と周辺装置との接続が簡素化される。特に、携帯情報通信装置側のインターフェース手段A1を構成する端子部と、インターフェース手段A2を構成する端子部及び/又はインターフェース手段A3を構成する端子部とを一体化し、一方、外部入出力ユニット側のインターフェース手段D1を構成する端子部と、インターフェース手段D2を構成する端子部及び/又はインターフェース手段D3を構成する端子部とを一体化して、一体化された端子部同士を接続することにより、携帯情報通信装置と外部ディスプレイ手段及び外部入力手段との接続を単純化することができる。
そして、その場合には、外部入出力ユニットを構成する筐体の内部にHDD等の外部記憶装置や充電池を納め、該充電池にAC/DC回路や商用電源プラグを接続することにより、携帯情報通信装置が接続された外部入出力ユニットを、あたかもノートブックタイプのパソコンを使用しているのと近いイメージで使用することができるようになる。
【0107】
なお、携帯情報通信装置と外部入出力ユニットは、携帯情報通信装置用接続ユニットに関する説明の際に述べたのと同じ理由で、特殊なケーブルで接続されることになるため、両者の位置関係には制約が生じるが、そもそも外部入出力ユニットは、ノートブックタイプのパソコンに近い使い方が想定されており、したがって、携帯情報通信装置と接続ユニットは比較的近くに配置されるため、特に問題は生じない。
【0108】
このうち特に第43及び第46の発明によれば、外部入出力ユニットに付属する外部ディスプレイパネル自体及び/又は外部ディスプレイパネルの額縁部に外部入力機能が付与されるため、外部入出力ユニットをコンパクトな構成とすることができる。したがって、第17乃至第21の発明の携帯情報通信装置と第43及び第46の外部入出力ユニットとの組み合わせでカーナビゲーションシステムとして機能させるような場合に好適である。
【0109】
なお、第17乃至第21の発明の携帯情報通信装置と第43及び第46の外部入出力ユニットとを接続してカーナビゲーションシステムとして機能させる場合、該携帯情報通信装置として音声通話機能を有する携帯電話機を使用し、一方、外部入出力ユニットには外部スピーカ及び外部マイクロホンを付属させた上で、両者の間のインターフェースにデジタル信号に変換された音声データをやり取りする機能を付与することにより、ハンズフリーの車載通話システムを構築することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0110】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。ただし、本発明はかかる実施形態に限定されず、その技術思想の範囲内で種々の変更が可能である。
【0111】
(第1の実施形態)
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置、携帯情報通信装置用接続ユニット、及び両者を接続した上で該接続ユニットに外部ディスプレイ装置及び外部入力装置を接続することによって構成した情報通信システムの構成及び機能を説明するためのブロック図であり、特に、該携帯情報通信装置が携帯電話機である場合について説明している。
【0112】
この実施形態においては、携帯電話機1は、それ単独として、音声通話用、携帯テレビ電話でのコミュニケーション用、データ通信・処理用、テレビ放送番組の視聴用、被写体の撮影用、又は、画像データ及び/又は音声データの保存・再生用として使用することができ、音声通話以外の用途で使用する場合には、各種の画像が、付属ディスプレイパネルであるLCD(Liquid
Crystal Display)パネル15Aに表示される。
以下では、LCDパネル15AはQVGAサイズの画面解像度を有し、通常は縦長画面(水平画素数×垂直画素数=240×320画素)で使用するものとして説明するが、それ以外の解像度であってもよい。
【0113】
まず、携帯電話機1が音声通話用に使用される場合、マイクロホン18Aから入力された音声はCODEC(COder-DECoder)18Cによってデジタル信号に変換され、該デジタル信号はベースバンドプロセッサ11及びRF(Radio
Frequency)送受信部111Bを経由し、通信用アンテナ111Aから電波信号として公衆ネットワークに送信される。逆に、音声通話の相手先からの電波信号として公衆ネットワークに送信された音声データは通信用アンテナ111Aで受信され、RF送受信部111B及びベースバンドプロセッサ11を経由することによりデジタル信号に変換され、該デジタル信号はCODEC18Cでアナログ電気信号に変換され、最終的にスピーカ18Bから音声として出力される。
なお、公衆ネットワークとの間の電波信号の送受信は、移動体通信のセルラーネットワークの基地局との間でCDMA(Code Division Multiple Access)等の方式で通信することによって、又は、無線LANの基地局・アクセスポイントとの間でDSSS(Direct
Sequence Spread Spectrum)やOFDM(Orthogonal Frequency Division Multiplexing)等の方式で通信することによって実行される。
【0114】
次に、携帯電話機1が携帯テレビ電話でのコミュニケーション用に使用される場合には、上で説明した音声データのやり取りに加えて、以下のような画像(動画)データのやり取りが加わる。
すなわち、通常は携帯電話機1のユーザー自身である被写体から反射又は放射される光信号は、光学レンズ等で構成される光学系部12Aを経由してCCD12Bに入射し、CCD12Bにおいて画素ごとの電気信号に変換された上で、AD/DA変換部2_12Cでデジタル動画信号に変換され、バス19を経由して中央演算回路1_10A1に送信される。該デジタル動画信号は中央演算回路1_10A1において必要な処理を施され、上記の音声データと同じく、ベースバンドプロセッサ11及びRF送受信部111Bを経由し、通信用アンテナ111Aから電波信号として公衆ネットワークに送信される。
なお、以下では、CCD12Bの解像度はSXGAサイズ(水平画素数×垂直画素数=1280×1024画素)であるものとして説明するが、それ以外の解像度であってもよい。
【0115】
一方、コミュニケーションの相手先から電波信号(無線動画信号)として公衆ネットワークに送信された画像(動画)データは通信用アンテナ111Aで受信され、RF送受信部111B及びベースバンドプロセッサ11を経由することによりデジタル信号に変換された上で、中央演算回路1_10A1に送信される。中央演算回路1_10A1では、フラッシュメモリ14Aに格納されたプログラムに基づいて必要な処理を行い、該デジタル信号に対応した描画命令をグラフィックコントローラ1_10Bに送信する。
グラフィックコントローラ1_10Bは、該描画命令に基づき、あらかじめ十分な大きさ(以下では、QUXGA
Wide (Quad Ultra XGA Wide) サイズ(水平画素数×垂直画素数=3840×2400画素)として説明する)の論理解像度を有するように設定された仮想画面におけるビットマップデータを生成し、必要に応じてVRAM(Video
RAM)1_10Cへの書き込み/読み出しを行いつつ、該ビットマップデータをLCDドライバ15Bに送信する。なお、VRAM1_10Cは、[特許請求の範囲]でいうところのビットマップメモリ1にあたる。
LCDドライバ15Bは、該ビットマップデータに基づいて、ソース・ドライバ部とゲート・ドライバ部とを作動させることによりLCDパネル15Aの画面を構成する各々の画素を駆動し、最終的にコミュニケーションの相手からの無線動画信号に対応した画像がLCDパネル15Aに表示される。
この際、携帯テレビ電話において送受信される無線動画信号の本来画像の解像度は、通常、LCDパネル15Aの画面解像度を上回らないため、LCDパネル15Aには、該本来画像が全画面表示されるか、本来画像がLCDパネル15Aの画面の一部に表示されるか、又は本来画像の解像度はそのままで全画面に拡大表示される。
なお、携帯テレビ電話における電波信号(音声信号及び動画信号)の送受信は、音声通信の場合と同様に、各種の通信方式によって実現できるが、特に、セルラーネットワークにおいてCDMA方式を採用した場合には、通信規格として3G−324Mを採用することができる。
【0116】
次に、携帯電話機1がデータ通信・処理用に使用される場合、通常は20個前後の小型のキーからなるキー操作部16Aを操作することによって入力され、キー入力コントローラ16Bでデジタル信号に変換されたデータ、及び/又は、インターネットプロトコルに準拠した電波信号を公衆ネットワークから通信用アンテナ111Aで受信し、RF送受信部111B及びベースバンドプロセッサ11を経由することによりデジタル信号に変換されたデータが、バス19を経由して中央演算回路1_10A1に転送される。中央演算回路1_10A1では、フラッシュメモリ14Aに格納されたプログラムに基づいて必要な処理を行い、処理されたデータは、バス19を経由して、フラッシュメモリ14A及びRAM(Random
Access Memory)14Bや、グラフィックコントローラ1_10Bや、ベースバンドプロセッサ11に転送される。そして、最終的には、LCDパネル15Aに画像が表示されたり、スピーカ18Bから音声が出力されたり、通信用アンテナ111Aから電波信号が送信されたり、フラッシュメモリ14Aにデータが保存されたりする。
なお、インターネットプロトコルに準拠した電波信号の送受信は、音声通信の場合と同様に、各種の通信方式によって実現できる。その際、通信用アンテナ111A、RF送受信部111B及びベースバンドプロセッサ11を複数帯域の電波信号に対応できるようにすることによって、例えば、屋内等の無線LANの基地局・アクセスポイントに近い箇所では高速の無線LAN方式で通信を行い、それ以外の箇所ではCDMA方式等の第3世代移動体通信(セルラーシステム)で通信を行うようなことが実現できる。
【0117】
特に、携帯電話機1が、インターネットに接続したウェブサイトにアクセスし、該ウェブサイトを構成するウェブページを閲覧している場合には、中央演算回路1_10A1は、フラッシュメモリ14Aに格納されたブラウザプログラムに従って、通信用アンテナ111A、RF送受信部111B、ベースバンドプロセッサ11及びバス19を経由して、ウェブページを構成するマークアップ文書ファイル及びそのリンクファイルを取得し、ウェブページのレイアウト形式に応じて以下のように描画命令を生成・送信する。すなわち、ウェブページがリキッドレイアウト、又はLCDパネル15Aの画面水平解像度(240画素)よりも狭い固定幅レイアウトを採用していれば、LCDパネル15Aの画面水平解像度と同じ水平画素数を有するページ画像の描画命令を、ウェブページがLCDパネル15Aの画面水平解像度よりも広い固定幅レイアウトを採用していれば、該固定幅と同じ水平画素数を有するページ画像の描画命令を、それぞれ生成し、該描画命令をグラフィックコントローラ1_10Bに送信する。
グラフィックコントローラ1_10Bは、該描画命令に基づき仮想画面におけるビットマップデータを生成しVRAM1_10Cに書き込むとともに、LCDパネル15Aに表示され、LCDパネル15Aの画面解像度と同じ解像度を有する画像を記述するビットマップデータをVRAM1_10Cから切り出してLCDドライバ15Bに送信する。LCDドライバ15Bは、該ビットマップデータに基づいてLCDパネル15Aの画面を構成する各々の画素を駆動し、最終的に前記ウェブページに対応したページ画像の全部又は一部に、必要に応じて画面の上部・下部に表示されるメニュー表示等を組み合わせた全画面画像がLCDパネル15Aに表示される。
この際、ページ画像の解像度がLCDパネル15Aの画面解像度より大きい場合には、キー操作部16Aにおいて画面スクロール機能を担うキーを操作することによって入力されるデータに応じて、中央演算回路1_10A1が描画命令を変更することにより、VRAM1_10Cから切り出されるビットマップデータは仮想画面上を徐々に遷移し、その結果として、LCDパネル15Aにおいてページ画像がスクロール表示される。
【0118】
また、携帯電話機1がテレビ番組の視聴用に使用される場合、テレビ受信用アンテナ112Aで受信したテレビ放送信号は、テレビチューナ112B及びAD/DA変換部1_112Cでデジタル動画信号及びデジタル音声信号に変換され、バス19を経由して中央演算回路1_10A1に送信される。
携帯電話機1においては、テレビ番組の画像を、LCDパネル15Aを縦置きにして表示する(→縦長画面(水平画素数×垂直画素数=240×320画素))か、横置きにして表示する(→横長画面(水平画素数×垂直画素数=320×240画素))かを、キー操作部16Aを操作することによって選択することができ、中央演算回路1_10A1は、この選択に対応した入力信号及び前記デジタル動画信号に基づき、LCDパネル15Aに表示される画面イメージ(ただし、縦長画面の場合、上部及び/又は下部に非表示領域が生じた画面イメージ)のビットマップデータを作成する描画命令を生成し、該描画命令をグラフィックコントローラ1_10Bに送信する。この際、テレビ放送における本来画像の水平・垂直画素数は、縦長画面、横長画面のいずれの場合でも、LCDパネル15Aの水平・垂直画素数よりも大きいため、描画命令の生成にあたっては、AD/DA変換部1_112Cから送信されるデジタル動画信号を一部間引くことによって、解像度の低い画像の全体画像の描画命令を生成する。
グラフィックコントローラ1_10B、VRAM1_10C及びLCDドライバ15Bの動作は、キー操作部16Aの操作に従った画像のスクロールがないことを除けば、ウェブページのページ画像を表示する場合と同様であり、結果として、LCDパネル15Aにテレビ放送の動画がリアルタイムで表示される。
一方、デジタル音声信号についても中央演算回路1_10A1で適切に処理され、さらにベースバンドプロセッサ11とCODEC18Cを経由することによって、最終的にスピーカ18Bから音声として出力される。この結果、上記のLCDパネル15Aに表示される動画と相俟ってテレビ番組として視聴することができる。
【0119】
また、携帯電話機1が被写体の撮影用に使用される場合、被写体から反射又は放射される光信号は、携帯テレビ電話でのコミュニケーションの場合と同じ経路でデジタル動画信号に変換され中央演算回路1_10A1に送信される。また、中央演算回路1_10A1、グラフィックコントローラ1_10B、VRAM1_10C及びLCDドライバ15Bは、テレビ放送番組を視聴する場合と同様に動作し、結果として、LCDパネル15Aに被写体の映像(動画)がリアルタイムで表示される。
この際、CCD12Bによって撮像される本来画像の水平・垂直画素数は、縦長画面、横長画面のいずれの場合でも、LCDパネル15Aの水平・垂直画素数よりも大きいため、中央演算回路1_10A1が描画命令を生成する際には、AD/DA変換部2_12Cから送信されるデジタル動画信号を一部間引くことによって、解像度の低い画像の全体画像の描画命令を生成する。
【0120】
一方、携帯電話機1においては、上記のようにデジタル音声信号に基づいてスピーカ18Bから音声をリアルタイムに出力したり、デジタル動画信号に基づいてLCDパネル15Aに動画をリアルタイムに表示したりするだけでなく、デジタル音声信号及び/又はデジタル動画信号をデータファイルに変換して保存したり、該保存したデータファイルを読み出して必要な処理を行うことにより、音声を出力したり、画像を表示したり、あるいは両者を組み合わせたムービーとして再生することができる。
このような画像データ及び/又は音声データの保存・再生用に使用される場合、中央演算回路1_10A1は、キー操作部16Aを操作することにより入力されたデータに基づきフラッシュメモリ14Aにアクセスして、デジタル動画信号を変換したビットマップデータやデジタル音声信号を変換したデジタル音声データを必要に応じて圧縮したデータファイルとして書き込んだり、逆にデータファイルを読み出して必要な処理を行うことにより、描画命令をグラフィックコントローラ1_10Bに出力したり、デジタル音声信号をベースバンドプロセッサ11経由でCODEC18Cに出力したりする。
なお、画像データファイル及び/又は音声データファイルは、ウェブサイトにアクセスし、通信用アンテナ111A、RF送受信部111B、ベースバンドプロセッサ11を経由して受信・変換されたデジタル信号を、バス19経由で中央演算回路1_10A1が受信し、必要な変換を行ってフラッシュメモリ14Aに書き込むことによっても保存することができる。ただし、フラッシュメモリ14Aの容量には限界があるため、例えば、長時間のムービー等を保存することには制約が生じる。
また、動画である画像データを保存する場合には、MPEG(Moving Picture
Experts Group)−1、MPEG−2、MPEG−4等のMPEG規格のフォーマットで保存され、静止画である画像データを保存する場合には、BMP、TIFF、JPEG、GIF及びPNG等のフォーマットで保存される。また、音声データについては、WAVE形式や、MP3(MPEG
Audio Layer 3)、AIFF(Audio Interchange File Format)、ATRAC3(Adaptive TRansform
Acoustic Coding 3)等のフォーマットで保存される。
【0121】
以上が携帯電話機1をそれ単独として使用する場合の機能の概略であるが、携帯電話機1は、接続ユニット3と接続するための外部接続端子部A_13Dを備えており、外部接続端子部A_13Dと、接続ユニット3に備えられたインターフェース部B_33を構成する外部接続端子B_33Dとを接続ケーブル2を介して接続することにより、携帯電話機1と接続ユニット3を一体的な情報通信システムとして動作させることができるようになる。
【0122】
一方、接続ユニット3は、周辺装置と接続するためのインターフェース部C1_35とインターフェース部C2_36を備えており、インターフェース部C1_35には、LCDである外部ディスプレイ装置5が、インターフェース部C2_36には、フルキーボードである外部キーボード61とマウス62が、それぞれ接続されている。また、接続ユニット3はHDD34及び充電池B_37Aとを備えており、それぞれインターフェース部B_33に接続している。また、充電池B_37Aには、AC/DC回路37B及び商用電源プラグ37Cが接続されており、接続ユニット3は、それらを経由して一旦充電池B_37Aに蓄えられた直流電力によって作動する。なお、接続ユニット3の充電池B_37Aに蓄えられた直流電力は、外部接続端子部B_33D及び外部接続端子部A_13Dを経由して携帯電話機1の内蔵充電池17に供給され、一旦蓄えられた上で、携帯電話機1の作動に使われる。
以下では、原則として、外部ディスプレイ装置5(LCD)の画面解像度は、VGAサイズ(水平画素数×垂直画素数=640×480画素)であるものとして説明するが、それ以上の解像度であってもよい。
【0123】
さて、作動中の携帯電話機1と、インターフェース部C1_35に外部ディスプレイ装置5が接続しており作動中の接続ユニット3(以下では、「インターフェース部C1_35に外部ディスプレイ装置5が接続しており作動中」のことを「作動中」と略記する)を接続した場合、作動中の携帯電話機1を接続ユニット3に接続し、接続ユニット3を起動させた場合、あるいは携帯電話機1を作動中の接続ユニット3に接続し、携帯電話機1を起動させた場合に、携帯電話機1の中央演算回路1_10A1は、接続ユニット3から、接続ユニット3が接続していることを検知する信号(以下、接続検知信号と略記)、及び接続ユニット3のインターフェース部C1_35に接続された外部ディスプレイ装置5の画面解像度データを、外部接続端子部B_33D、接続ケーブル2、外部接続端子部A_13D及びバス19を経由して受信する。
そして、携帯電話機1の中央演算回路1_10A1が前記接続検知信号を受信した場合、中央演算回路1_10A1は、LCDパネル15Aの画面水平解像度又は画面解像度に対応した画像の描画命令に替えて、以下で説明するように、LCDパネル15Aの画面解像度より大きな解像度を有する画像の描画命令を生成し、グラフィックコントローラ1_10Bに対して送信する。また、中央演算回路1_10A1は、上記の描画命令とともに、VRAM1_10Cから切り出したビットマップデータを、LCDドライバ15Bに送信する替わりに、TMDSトランスミッタ13Aに送信するように命令する送信命令を生成し、該送信命令をグラフィックコントローラ1_10Bに送信する。
【0124】
まず、インターネットに接続したウェブサイトにアクセスし、該ウェブサイトを構成するウェブページを閲覧している場合には、中央演算回路1_10A1は、フラッシュメモリ14Aに格納されたブラウザプログラムに従い、ウェブページのレイアウト形式に応じて以下のように描画命令を生成・送信する。すなわち、ウェブページがリキッドレイアウト、又は外部ディスプレイ装置5の画面水平解像度(640画素)よりも狭い固定幅レイアウトを採用していれば、外部ディスプレイ装置5の画面水平解像度と同じ水平画素数を有するページ画像の描画命令を生成・送信し、ウェブページが外部ディスプレイ装置5の画面水平解像度よりも広い固定幅レイアウトを採用していれば、該固定幅と同じ水平画素数を有するページ画像の描画命令を生成・送信する。
一方、テレビ放送を視聴している場合及び被写体を撮影している場合には、それぞれAD/DA変換部1_112C及びAD/DA変換部2_12Cから送信されるデジタル動画信号における本来画像の解像度は、外部ディスプレイ装置5における画面解像度より依然として大きいため、中央演算回路1_10A1は、該デジタル動画信号を一部間引くことによって、解像度を外部ディスプレイ装置5の画面解像度に合わせた低画質の全体画像の描画命令が生成・送信される。
【0125】
なお、携帯テレビ電話でのコミュニケーションを行っている場合には、携帯テレビ電話における無線動画信号の本来画像の解像度は、LCDパネル15Aの画面解像度を上回らないため、携帯電話機1を接続ユニット3と接続した場合でも、中央演算回路1_10A1からの描画命令が描画を命令する画像の解像度は変わらない。ただし、フラッシュメモリ14Aが画像の補間プログラムを格納しており、中央演算回路1_10A1がそれに従って作動する場合には、外部ディスプレイ装置5の画面解像度(無線動画信号の本来画像の解像度より大きい)と同じ解像度を有する画像の描画命令を生成・送信することができる。
【0126】
ところで、外部ディスプレイ装置5として、画面解像度がVGAサイズであるようなものに替えて、フルハイビジョンテレビモニタ(水平画素数×垂直画素数=1920×1080画素)のように、画面解像度が十分に大きい(ただし、あらかじめ設定された仮想画面の論理解像度(3840×2400画素)よりも小さい)ものを使用する場合には、中央演算回路1_10A1が生成・送信する描画命令は、以下のように変わる。
まず、ウェブページを閲覧している場合には、ほとんどのウェブページは、仮に固定幅レイアウトを採用している場合でも該固定幅が外部ディスプレイ装置5の画面水平解像度を超えることはないため、中央演算回路1_10A1においては、外部ディスプレイ装置5の画面水平解像度と同じ水平画素数を有するページ画像の描画命令が生成・送信される。
次に、テレビ放送を視聴している場合、又は被写体を撮影している場合にも、デジタル動画信号における本来画像の解像度は、外部ディスプレイ装置5の画面解像度を超えることはないため、中央演算回路1_10A1においては、デジタル動画信号における本来画像の描画命令が生成・送信される。
その際、視聴しているテレビ放送がアナログテレビ放送である場合や、この説明で想定しているようにCCD12Bの解像度(1280×1024画素)がフルハイビジョンサイズ(1920×1080画素)より小さい場合には、描画命令が生成される本来画像の解像度は外部ディスプレイ装置5の画面解像度より小さくなるが、フラッシュメモリ14Aが画像の補間プログラムを格納しており、中央演算回路1_10A1がそれに従って作動する場合には、外部ディスプレイ装置5の画面解像度(デジタル動画信号の本来画像の解像度より大きい)と同じ解像度を有する画像の描画命令を生成することができる。
【0127】
グラフィックコントローラ1_10Bは、中央演算回路1_10A1から受信した描画命令に基づき、あらかじめ設定された仮想画面上においてビットマップデータを生成し、VRAM1_10Cに書き込む。さらに、グラフィックコントローラ1_10Bは、中央演算回路1_10A1から入手した外部ディスプレイ装置5の画面解像度データに基づき、外部ディスプレイ装置5の画面解像度と同じ解像度を有し、外部ディスプレイ装置5の画面に表示される画像を記述するビットマップデータをVRAM1_10Cから切り出す。その上で、中央演算回路1_10A1から受信した送信命令に基づき、該ビットマップデータをTMDSトランスミッタ13Aに送信し、TMDSトランスミッタ13Aは、該ビットマップデータを、外部接続端子部A_13Dを経由して接続ユニット3のインターフェース部B_33にTMDS伝送方式で送信する。
【0128】
接続ユニット3においては、インターフェース部B_33で受信・転送されたビットマップデータを、TMDSレシーバ機能を有するインターフェース部C1_35で受け入れて、必要な処理を行った上で外部ディスプレイ装置5に送信し、結果として、外部ディスプレイ装置5の画面において、その画面解像度に対応した解像度を有する画像が表示される。その際、リキッドレイアウト、又は外部ディスプレイ装置5の画面水平解像度よりも狭い固定幅レイアウトを採用しているウェブページを閲覧している場合には、ページ画像の水平方向の全体が表示され、水平方向のスクロールを行う必要はないが、外部ディスプレイ装置5の画面水平解像度よりも広い固定幅レイアウトを採用しているウェブページを閲覧している場合には、外部ディスプレイ装置5の画面には、ページ画像は水平方向の一部だけが表示されることになり、水平スクロールを行うことによってページ画像の全体が閲覧できる。一方、テレビ放送を視聴している場合、又は被写体を撮影している場合には、デジタル動画信号の本来画像よりも解像度の低い画像が全画面表示される。
【0129】
ただし、外部ディスプレイ装置5として、上記のようにフルハイビジョンテレビモニタのような高解像度ディスプレイ装置を採用している場合には、外部ディスプレイ装置5に表示される画像は、以下のように変わる。
まず、ウェブページを閲覧している場合には、上記の理由により、ほとんどのウェブページのページ画像はその水平方向の全体が表示され、水平スクロールすることなく閲覧できる。
次に、テレビ放送を視聴している場合、被写体を撮影している場合には、又は携帯テレビ電話でのコミュニケーションを行っている場合には、上記のように、通常のケースでは、中央演算回路1_10A1においてデジタル動画信号における本来画像の描画命令が生成・送信されることに対応して、外部ディスプレイ装置5の画面には本来画像が表示される。その際、外部ディスプレイ装置5又は接続ユニット3におけるインターフェース部C1_35がアップスキャンコンバート機能を有する場合には、該本来画像が外部ディスプレイ装置5の画面全体にわたって表示され、そうでない場合には、画面の中央部分、又は四隅のいずれかに偏った部分だけが表示領域となって、それ以外の部分は非表示領域となるような形態で表示される(ただし、ハイビジョンテレビ放送を視聴し、外部ディスプレイ装置5がフルハイビジョンモニタである場合には、インターフェース部C1_35がアップスキャンコンバート機能を有しない場合でも、本来画像が外部ディスプレイ装置5の画面全体に表示される)。いずれの場合も外部ディスプレイ装置5の画面に表示される画像の解像度は本来解像度のままで変わらない。
一方、フラッシュメモリ14Aが画像の補間プログラムを格納しており、中央演算回路1_10A1がそれに従って作動しているケースでは、外部ディスプレイ装置5の画面解像度と同じ解像度を有する画像の描画命令を生成・送信する場合には、本来解像度よりも解像度の大きい画像が、外部ディスプレイ装置5の画面全体にわたって表示される。
【0130】
なお、画像データを外部ディスプレイ装置5の画面で再生する場合にも、中央演算回路1_10A1、グラフィックコントローラ1_10B及びTMDSトランスミッタ13A等の機能は、基本的には他の用途における機能と同じである。
画像データの本来画像の解像度と外部ディスプレイ装置5の解像度の大小関係、補間プログラムの有無、さらには外部ディスプレイ装置5又は接続ユニット3がマルチスキャン機能を有しているか否かと等に応じて、本来画像、本来画像から画素が間引かれることによって低解像度となった画像、又は本来画像に画素が補間されることによって高解像度となった画像が、外部ディスプレイ装置5の画面全体にわたって表示されたり、画面の中央部分、又は四隅のいずれかに偏った部分の表示領域に表示されたりする。
【0131】
さて、携帯電話機1の中央演算回路1_10A1が、前記接続検知信号を受信した場合、中央演算回路1_10A1は、キー入力コントローラ16Bに対して、携帯電話機1のキー操作部16Aからの入力信号は受け付けず、接続ユニット3のインターフェース部C2_36に接続された外部キーボード61又はマウス62からの入力信号だけを受け付けるようにする入力元指示信号を出力する。これにより、ユーザーは、文字入力の操作性が悪かった携帯電話機1のキー操作部16Aでの操作に替えて、フルキーボードである外部キーボード61又はマウス62を操作することによりデータを入力することができるようになる。
【0132】
また、携帯電話機1の中央演算回路1_10A1は、外部キーボード61又はマウス62を操作することによって入力されたデータに基づき、上記のようにフラッシュメモリ14Aにアクセスするかわりに、バス19、外部接続端子部A_13D、接続ケーブル2及び接続ユニット3のインターフェース部B_33を経由してHDD34にアクセスすることにより、ビットマップデータやデジタル音声データを必要に応じて圧縮したデータファイルとして書き込んだり、逆にデータファイルを読み出して必要な処理を行うことにより、描画命令をグラフィックコントローラ1_10Bに出力したり、デジタル音声信号をベースバンドプロセッサ11経由でCODEC18Cに出力したりする。また、中央演算回路1_10A1は、フラッシュメモリ14Aに格納されたデータファイルを読み出して、バス19、外部接続端子部A_13D、及び接続ユニット3のインターフェース部B_33を経由して、HDD34に保存することができる。
この際、HDD34の容量は、フラッシュメモリ14Aよりもはるかに大きくできるため、例えば、長時間のムービーの保存や数多くの音楽ファイルの保存を制約なく行うことができる。
【0133】
なお、グラフィックコントローラ1_10Bで生成されたビットマップデータの送信先の指定(切り替え)や、中央演算回路1_10A1に対するデータの入力元の指定(切り替え)は、上記のように、受信した接続検知信号に基づいて自動的に行われるだけでなく、例えば、携帯電話機1のキー操作部16Aのマニュアル操作によって行うような構成とすることも可能である。また、外部ディスプレイ装置5に出力されるビットマップデータが記述する画像の解像度の指定は、上記のように、受信した外部ディスプレイ装置5の画面解像度データに基づいて自動的に行われるだけでなく、例えば、LCDパネル15A又は外部ディスプレイ装置5の画面に解像度の選択肢を示す画像を表示し、外部キーボード61又はマウス62によって外部ディスプレイ装置5の画面解像度に適合した解像度を選択する仕方で行うような構成とすることもできる。あるいは、そのような選択手段は設けず、外部ディスプレイ装置5に出力されるビットマップデータが記述する画像の解像度を、例えばVGAサイズに固定することも可能である。
【0134】
また、この実施形態においては、携帯電話機1を接続ユニット3に接続した場合でも、テレビ放送番組を視聴したり、録画したムービーを再生したりする際の音声は、携帯電話機1側のスピーカ18Bから出力されるが、携帯電話機1と接続ユニット3の双方に必要なインターフェース手段を追加し、接続ユニット3に音声デコーダを追加した上で、接続ユニット3に高性能外部スピーカを接続することにより、該外部出力から高品質の音声を出力させるようにすることもできる。
【0135】
一方、図2は、本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用接続ユニットとを接続した上で、該接続ユニットに外部ディスプレイ装置及び外部入力装置を接続することによって構成した情報通信システムの構成を説明するための外観図であり、特に、該携帯情報通信装置が携帯電話機である場合を説明している。
【0136】
この実施形態においては、接続ユニット3は携帯電話機1を挿入する挿入口33D1を有し、携帯電話機1を挿入口33D1に挿入することによって、携帯電話機1における外部接続端子部A_13D(図2に図示されていない)と接続ユニット3におけるインターフェース部B_33(図2に図示されていない)の外部接続端子部B_33Dが接触し、結果として、携帯電話機1と接続ユニット3が接続される(したがって、ここでは接続ケーブル2は要しない)。
【0137】
また、接続ユニット3は、外部キーボード61接続用及びマウス62接続用の外部入力接続端子36Dを有し、そこに外部キーボード61接続用ケーブル及びマウス62接続用ケーブルのコネクタを挿入することによって、これらの入力装置を接続ユニット3に接続することができる。さらに、接続ユニット3は、外部ディスプレイ装置5接続用の接続端子(図2に図示されていない)も有し、外部ディスプレイ5接続用ケーブルのコネクタを該接続端子と外部ディスプレイ装置5側の接続端子(図2に図示されていない)に接続することによって、外部ディスプレイ装置5を接続ユニット3に接続することができる。
なお、接続ユニット3と外部ディスプレイ装置5及び外部入力装置(外部キーボード61及びマウス62)との間のインターフェースを、DVI(Digital
Visual Interface)やUSB(Universal Serial Bus)等の汎用的な規格に合わせることより、コネクタやケーブルを安価に調達することができる。
【0138】
さらに、接続ユニット3は商用電源プラグ37Cも有し、商用電源プラグ37Cを商用交流電源のコンセント7に挿入することにより供給される交流電力を、内蔵するAC/DC回路37B(図2に図示されていない)で変換することによって得られる直流電力によって接続ユニット3を駆動することができるとともに、携帯電話機1の内蔵充電池17(図2に図示されていない)を充電することができる。
【0139】
なお、図1及び図2においては、携帯電話機1と接続ユニット3、接続ニット3と外部ディスプレイ装置5及び外部入力装置(外部キーボード61及びマウス62)は、接続ケーブルや外部接続端子部同士の直接接触によって接続されているが、この代わりにBluetooth(登録商標)やIrDA(Infrared
Data Association)規格等の無線手段を使用することも可能である。
【0140】
一方、図3は、本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用接続ユニットとを接続した上で、該接続ユニットに外部ディスプレイ装置及び外部入力装置を接続することによって構成した情報通信システムと、インターネットに接続したウェブサーバとの間での情報のやり取りを説明するための説明図であり、特に、該携帯情報通信装置が携帯電話機である場合を説明している。
【0141】
携帯電話機1、接続ユニット3、外部ディスプレイ装置5及び外部入力装置(外部キーボード61及びマウス62)から構成された情報通信システムがインターネット9に接続しているウェブサーバ91にアクセスする際、携帯電話機1における中央演算回路1_10A1は、フラッシュメモリ14Aに格納されたブラウザプログラムに従って、バス19、ベースバンドプロセッサ11、RF送受信部111B及び通信用アンテナ111Aを経由して、ウェブサーバ91にユーザーエージェントを送信する(携帯電話機1の構成要素は図3に図示されていない)。また、フラッシュメモリ14Aに格納されたブラウザプログラムは、フレーム表示のウェブページを構成する複数のウェブファイルから適切に画面イメージを構成できるフレーム対応の機能を有する
【0142】
この際、中央演算回路1_10A1は、ユーザーエージェントに、携帯電話機1が高解像度外部表示信号の送信機能を有することを示す情報とともに、グラフィックコントローラ1_10Bに対して、VRAM1_10Cから切り出したビットマップデータをLCDドライバ15Bに送信するように命令しているか、TMDSトランスミッタ13Aに送信するように命令しているかを特定できる情報を含ませる。
一方、ウェブサーバ91は、携帯電話機の付属ディスプレイで閲覧することを想定したサイズが小さくフレーム表示も使わないウェブページに対応する、マークアップ文書ファイル及びそのリンクファイルからなるデータファイルセット(以下、ケータイ向けファイルセットと略記)と、パソコンで閲覧することを想定した、サイズや形式に制約のないウェブページに対応するデータファイルセット(パソコン向けファイルセットと略記)の双方を格納している。その上で、CGI又はPHPの機能を有することにより、ユーザーエージェントに含まれた前記の情報のうち、送信命令に関する情報に基づき、より望ましいものを選択して携帯電話機1、接続ユニット3、外部ディスプレイ装置5及び外部入力装置(外部キーボード61及びマウス62)から構成された情報通信システムに転送する。すなわち、中央演算回路1_10A1からの送信命令がLCDドライバ15Bへの送信を命令している場合にはケータイ向けファイルセットを、TMDSトランスミッタ13Aへの送信を命令している場合にはパソコン向けファイルセットを、それぞれ送信する。
この結果として、携帯電話機1、接続ユニット3、外部ディスプレイ装置5及び外部入力装置(外部キーボード61及びマウス62)から構成された情報通信システムにおいては、アクティブな状態にあるディスプレイ手段の画面解像度に適応した、より望ましいウェブページが閲覧できることになる。特に、携帯電話機1がフレーム表示のウェブページを構成する複数のウェブファイルを受信した場合、該ウェブファイルを適切にレンダリング処理することにより、接続ユニット3に接続された外部ディスプレイ装置5の画面にフレーム形式のページ画像が表示される。
【0143】
また、ウェブサーバ91は、そこにアクセスしてダウンロード操作を行うことにより、画像データファイルをダウンロードすることができるウェブサイトを複数用意しており、携帯電話機1から送信されたユーザーエージェントに含まれた前記の情報のうち、外部表示信号の送信機能に関する情報に基づき、一つの操作でQVGAサイズとVGAサイズの双方の画像データファイルを一度にダウンロードできるような機能を有するウェブページにアクセスするように自動的に振り分ける。これにより、ユーザーは、携帯電話機1のキー操作部16A又は外部入力装置(外部キーボード61及びマウス62)を用いた一度の操作によって、QVGAサイズとVGAサイズの双方の画像データファイルを一度にダウンロードできる。
【0144】
一方、図4は、本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置によってリキッドレイアウトを採用したマークアップ文書ファイルを閲覧した場合に、該携帯情報通信装置の付属ディスプレイパネルに表示される画面イメージを説明するためのイメージ図であり、図5は、本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用接続ユニットとを接続した上で、該接続ユニットに外部ディスプレイ装置及び外部入力装置を接続することによって構成した情報通信システムによって、リキッドレイアウトを採用したマークアップ文書ファイルを閲覧した場合に、外部ディスプレイ装置の画面に表示される画面イメージを説明するためのイメージ図である。なお、図4及び図5では、本出願の明細書のテキストをそのまま記載したマークアップ文書ファイルを閲覧した場合を想定している。
マークアップ文書ファイルを閲覧する場合、携帯電話機1のLCDパネル15A(ここでは画面解像度をQVGAサイズと想定)に表示される場合でも、外部ディスプレイ装置5(ここでは画面解像度をVGAサイズと想定)に表示される場合でも、文章は画面幅で改行されるため、水平方向にスクロールする必要はないが、図からわかるとおり、LCDディスプレイパネル15Aに表示される場合は、1行あたりに表示される文字数が少ないため、文章全体を読むためには、垂直方向のスクロールを何度も何度も繰り返す必要があり、読解が困難になる。それに対して、外部ディスプレイ装置5の画面に表示する場合には、1行あたりの表示文字数が多くなるため、図からもわかる通り、文章の非常に読解しやすくなる。
【0145】
なお、この実施形態においては、携帯電話機1は電子メールの受信機能も有しており、インターネット9から通信用アンテナ111A、RF送受信部111B、ベースバンドプロセッサ11、及びバス19経由で中央演算回路1_10A1が受信した電子メールのデジタル信号は、フラッシュメモリ14Aに格納された電子メールプログラムに従って処理され、電子メールの文章(テキスト)が、携帯電話機1を単独で使用されている場合にはLCDパネル15Aに、外部ディスプレイ装置5が接続ユニット3を介して接続されている場合には外部ディスプレイ装置5の画面にそれぞれ表示される。
この際の画面イメージは、それぞれ図4及び図5と同様であり、この場合にも、外部ディスプレイ装置5の画面に表示することによって、1行あたりの表示文字数が多くなるため、特に長文の電子メールについては、文章の非常に読解しやすくなる。
【0146】
(第2の実施形態)
図6は、本発明の第2の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用外部入出力ユニットとを接続することによって構成した情報通信システムの構成及び機能を説明するためのブロック図であり、特に、該携帯情報通信装置が携帯電話機である場合について説明している。
【0147】
この実施形態における携帯電話機1の機能は、それが単独で使用される限りにおいては、第1の実施形態における携帯電話機1の機能と全く同じである。一方、携帯電話機1は、接続ケーブル2を介して接続ユニットの替わりに外部入出力ユニット4に接続されるが、その場合も、中央演算回路1_10A1が外部ディスプレイ装置の画面解像度データを受信する替わりに外部入出力ユニット4の外部LCDパネル45Aの画面解像度データを受信すること等を除けば、基本的な機能は同じである。
一方、外部入出力ユニット4についても、外部ディスプレイ装置及び外部キーボードを外部接続する替わりに、外部LCDパネル45Aと外部キー操作部461をその一部として含んでいること、ポインティングデバイスとしてマウスを外部接続する替わり外部タッチパッド462を備えていること等を除き、機能としては、第1の実施形態における接続ユニット3と外部ディスプレイ装置及び外部入力装置の組み合わせとほとんど変わらない。
すなわち、携帯電話機1の中央演算回路1_10A1は、外部入出力ユニット4の接続検知信号及び外部入出力ユニット4における外部LCDパネル45Aの画面解像度データを受信した場合、グラフィックコントローラ1_10Bに、データ通信・処理用に使用される場合、テレビ番組の視聴用に使用される場合、被写体の撮影用に使用される場合の各々の場合に適切な解像度を有する画像を記述するビットマップデータを生成し、TMDSトランスミッタ13Aに送信するように命令する。該描画命令及び送信命令に従って送信されたビットマップデータは、携帯電話機1における外部接続端子部A_13Dを経由して、外部入出力ユニット4のインターフェース部D_43を構成する外部接続端子部D_43Dで受信される。該ビットマップデータは、TMDSレシーバ45D及びスキャンコンバータ45Cで必要な処理を施された上で、外部LCDドライバ45Bに送信され、外部LCDドライバ45Bが、外部LCDパネル45Aの画面を構成する各々の画素を駆動することにより、外部LCDパネル45Aに画面イメージが表示される。
【0148】
なお、本実施形態の外部入出力ユニット4においても、第1の実施形態の接続ユニット3におけるのと同様に商用電源プラグ47Cも有し、商用電源プラグ47Cから供給される交流電力を、付属するAC/DC回路47Bによって変換することによって得られ、一旦充電池D_47Aに蓄えられた直流電力によって外部入出力ユニット4を駆動することができるとともに、携帯電話機1の内蔵充電池17を充電することができる。
また、本実施形態の携帯電話機1を外部入出力ユニット4に接続した場合でも、テレビ放送番組を視聴したり、録画したムービーを再生したりする際の音声は、携帯電話機1側のスピーカ18Bから出力されるが、携帯電話機1と外部入出力ユニット4の双方に必要なインターフェース手段を追加し、外部入出力ユニット4に音声デコーダと高性能外部スピーカを追加することにより、該外部出力から高品質の音声を出力させるようにすることもできる。
【0149】
一方、図7は、本発明の第2の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用外部入出力ユニットとを接続することによって構成した情報通信システムの構成を説明する外観図であり、特に、該携帯情報通信装置が携帯電話機である場合について説明している。
【0150】
この実施形態においては、外部入出力ユニット4は以下のような構成となっている。すなわち、上面に外部キー操作部461及び外部タッチパッド462を配備した筐体の内部に、図7には図示されていないインターフェース部D_43を構成する回路、TMDSレシーバ45D、スキャンコンバータ45C等の回路、及びHDD44が収められている。また、該筐体と外部LCDパネル45Aがヒンジで接続されており、外部LCDパネル45Aの額縁部には、図7には図示されていない外部LCDドラバ45Bが収められている。
また、該筐体の背側面(図2には図示されていない)には、接続ケーブル2を接続するための外部接続端子部D_43Dと、AC/DC回路47Bを接続する電力ケーブルを接続するための端子部が設けられている。
【0151】
(第3の実施形態)
図8は、本発明の第3の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用外部入出力ユニットとを接続することによって構成したナビゲーションシステムの構成を説明する外観図であり、特に、該携帯情報通信装置が携帯電話機である場合を説明している。
【0152】
この実施形態においては、携帯電話機1は、音声通話、携帯テレビ電話又はデータ通信のための電波信号(以下では、通信電波信号と略記する)に加えてGPS信号を受信し、電気信号に変換する共用アンテナ113A、通信電波信号を変換した電気信号とGPS信号を変換した電気信号を、それぞれRF送受信部111BとGPSダウンコンバータ113Bに振り分ける共用器113D、GPS信号を変換した電気信号の周波数を変換するGPSダウンコンバータ113B及び該周波数変換された電気信号をデジタル信号に変換するAD/DA変換部3_113Cを備えている(一方、CCD等の撮像手段は備えていない)。
中央演算回路1_10A1は、外部入出力ユニット4に備えられたHDD44にアクセスして格納された画像データファイルを読み出すか、あるいは、共有アンテナ113Aで受信したインターネットプロトコルに準拠した電波信号を、共用器113D、RF送受信部111B及びベースバンドプロセッサ11経由で変換したデジタル信号を受信するかして、地図情報を含む画像データを取得する。そして、該地図情報をAD/DA変換部3_113Cからのデジタル信号とを組み合わせることにより、自らの現在位置情報を含む地図画像を記述するビットマップデータを、あらかじめ十分な大きさの論理解像度を有するように設定された仮想画面上で作成するように命令する描画命令をリアルタイムでグラフィックコントローラ1_10Bに送信する。
【0153】
その際、中央演算回路1_10A1は、外部入出力ユニット4が接続していることを検知する接続検知信号に基づき、グラフィックコントローラ1_10Bに対して、生成したビットマップデータを、LCDドライバ15BとTMDSトランスミッタ13Aのいずれかに送信することを命じる送信命令も合わせて送信する。
これに基づき、グラフィックコントローラ1_10Bは、中央演算回路1_10A1から受信した描画命令に基づき、仮想画面におけるビットマップデータを生成しVRAM1_10Cに書き込むとともに、LCDパネル15Aの画面解像度又は外部入出力ユニット4における外部LCDタッチパネル456の画面解像度に対応する部分をVRAM1_10Cから切り出し、それぞれLCDドライバ15B又はTMDSトランスミッタ13Aに送信する。そして、このビットマップデータを必要なインターフェースを介して受信することにより、携帯電話機1のLCDパネル15A又は外部入出力ユニット4の外部LCDタッチパネル456に、自らの現在位置が中心部に示された地図画像に、必要に応じて画面の上部・下部に表示されるメニュー表示等を組み合わせた全画面画像が表示される。
【0154】
なお、本実施形態における外部入出力ユニット4の外部LCDタッチパネル456は、パネルの表面を接触することによってデータを入力できるタッチパネル機能を有しており、外部キー操作部461を操作して入力されるデータに加えて、外部LCDタッチパネル456のパネルを接触して入力されるデータが、インターフェース部D_43、外部接続端子部A_13D及びバス19を経由して中央演算回路1_10A1に送信される。そして、それらの入力データが中央演算回路1_10A1で処理されることにより、外部LCDタッチパネル456に表示される画像が切り替わる。
【0155】
また、外部入出力ユニット4は、外部マイクロホン48A、外部スピーカ48B及び外部CODEC48Cを備えており、一方、携帯電話機1の外部接続端子部A_13D及び外部入出力ユニット4のインターフェース部D_43は、デジタル音声データをやり取りする機能を有している。このため、外部マイクロホン48A、外部スピーカ48B及び外部CODEC48Cとベースバンドプロセッサ11が、バス19及びインターフェース手段を介してデジタル音声のやり取りを行うことより、外部マイクロホン48A及び外部スピーカ48Bを用いた音声通話が実現できる。
【0156】
さらに、本実施形態における携帯電話機1は、目的地までの経路情報や交通情報を知らせるデジタル音声信号を、中央演算回路1_10A1がHDD44に格納されたナビゲーションプログラムに従って生成することによって、及び/又は、インターネットプロトコルに準拠した電波信号を共用アンテナ113A、共用器113D、RF送受信部111B及びベースバンドプロセッサ11を経由で受信・変換することによって、生成することができる。このデジタル音声信号は、上記と同様の経路で外部入出力ユニット4の外部スピーカ48Bまで送信され、音声として出力される。
なお、本実施形態における携帯電話機1と外部入出力ユニット4とを接続することによって構成したナビゲーションシステムは、自動車に積載された充電池D_47Aから供給される直流電力によって作動する。
【0157】
一方、図9は、本発明の第3の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用外部入出力ユニットとを接続することによって構成したナビゲーションシステムの構成を説明する外観図であり、特に、該携帯情報通信装置が携帯電話機である場合について説明している。
【0158】
この実施形態においては、自動車のダッシュボード8の運転手側側面に、天面に外部LCDタッチパネル456を配置し、該天面における外部LCDタッチパネル456の額縁部に外部キー操作部461を配備した筐体がはめ込まれており、該筐体の内部にはHDD44及び各種のインターフェースを構成する回路が納められている(図9には表示していない)。また、ダッシュボード8の内部に埋め込まれている該筐体の側面又は底面には外部接続端子部D_43Dが設けられており、外部接続端子部D_43Dとダッシュボード8の天面に設けられた、携帯電話機1を挿入するための挿入口43D1の底部は、接続ケーブル2で接続されている(図9には表示していない)。このため、携帯電話機1を挿入口43D1に挿入することにより、携帯電話機1の外部接続端子部A_13Dと外部入出力端子部D_43Dを接続することができ、その結果、外部LCDタッチパネル456には、自らの現在位置が中心部に示された地図画像が、運転手が確認できる程度のサイズ及び解像度で表示される。
また、外部LCDタッチパネル456を含む筐体の周囲には外部マイクロホン48A及び外部スピーカ48Bも配置されており、これらを用いることにより、上で説明したような、交通情報や目的地までの経路情報の音声出力、ハンズフリーでの音声通話が実現される。
【0159】
一方、図10は、本発明の第3の実施形態に係る携帯情報通信装置によって自らの現在位置情報を含む地図画像を表示させた場合に、該携帯情報通信装置の付属ディスプレイパネルに表示される画面イメージを説明するためのイメージ図であり、図11は、本発明の第3の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用外部入出力ユニットとを接続することによって構成したナビゲーションシステムによって、自らの現在位置情報を含む地図画像を表示させた場合に、外部入出力ユニットの画面に表示される画面イメージを説明するためのイメージ図である。
なお、図10と図11においては、自らの現在位置は図中央の矢印によって示されている。
【0160】
これによってわかるように、本実施形態の携帯情報通信装置と外部入出力ユニットとを接続することによりナビゲーションシステムを構成し、外部入出力ユニットの外部ディスプレイパネルに地図画像を表示させることによって、携帯情報通信装置単独で使用する場合より広範囲の地図情報を表示することができる。このため、進行経路を広範囲にわたって見通さなければならない運転時には便利であり、これに上で説明したような、目的地までの経路情報や交通情報が外部スピーカから音声出力される機能が付加することによって、運転手自身が利用できるカーナビゲーションシステムを構成することができる。
【0161】
(第4の実施形態)
図12は、本発明の第4の実施形態に係る携帯情報通信装置の構成及び機能を説明するためのブロック図であり、特に、該携帯情報通信装置が携帯電話機である場合を説明している。
【0162】
本実施形態においては、携帯電話機1のグラフィックコントローラ1_10Bが、ビットマップデータ生成回路10B1とビットマップデータ転送回路10B2で構成されている。ビットマップデータ生成回路10B1は、中央演算回路1_10A1からの描画命令に従ってビットマップデータを生成し、ビットマップデータ転送回路10B2に送信する。ビットマップデータ転送回路10B2は、中央演算回路1_10A1からの送信命令に従って、該ビットマップデータをTMDSトランスミッタ13A又はLCDドライバ15Bに振り分けて送信する。
【0163】
(第5の実施形態)
図13は、本発明の第5の実施形態に係る携帯情報通信装置の構成及び機能を説明するためのブロック図であり、特に、該携帯情報通信装置が携帯電話機である場合を説明している。
【0164】
本実施形態においては、第1から第4の実施形態における中央演算回路1_10A1の替わりに、中央演算回路2_10A2が備えられており、中央演算回路2_10A2は、描画命令と送信命令を描画命令転送回路10Dに送信する。描画命令転送回路10Dでは、該送信命令に従って、該描画命令を、グラフィックコントローラ2_13BとLCDコントローラ/ドライバ15Cに振り分けて送信する。
グラフィックコントローラ2_13Bでは、外部ディスプレイ装置で表示される画像を記述するためのビットマップデータを作成し、VRAM2_13Cに一時的に保存するとともに、外部ディスプレイ装置で表示される画像に対応する部分だけを切り出して、TMDSトランスミッタ13Aに送信する。なお、第1から第4の実施形態においては、グラフィックコントローラ1_10BとVRAM1_10Cは、[特許請求の範囲]でいうところのデータ処理手段の構成要素であったが、本実施形態においては、グラフィックコントローラ2_13BとVRAM2_13Cは、[特許請求の範囲]でいうところのインターフェース手段A1の構成要素となる。
一方、LCDコントローラ/ドライバ15Cは、一つのチップセットの中に、グラフィックコントローラ回路、VRAM及びLCDドライバ回路を備えており、描画命令転送回路10Dから受信した描画命令に基づき、LCDパネル15Aの画面を構成する各々の画素を駆動することによって画像を表示する。なお、第1から第4の実施形態においては、LCDドライバ15Bが[特許請求の範囲]でいうところのディスプレイ制御手段Aにあたるが、本実施形態においては、LCDコントローラ/ドライバ15Cがディスプレイ制御手段Aにあたる。
【0165】
(第6の実施形態)
図14は、本発明の第6の実施形態に係る携帯情報通信装置用接続ユニットの構成及び機能を説明するためのブロック図である。
【0166】
本実施形態における接続ユニット3では、外部ディスプレイ装置5として、アナログCRTディスプレイを接続する。このため、インターフェース部B_33で受信したデジタル表示信号を、RAMDAC(Random
Access Memory Digital/Analog Converter)35A1でアナログ信号に変換し、VGA端子部35D1からアナログRGB信号として外部ディスプレイ装置5に送信する。
【0167】
(第7の実施形態)
図15は、本発明の第7の実施形態に係る携帯情報通信装置用接続ユニットの構成及び機能を説明するためのブロック図である。
【0168】
本実施形態における接続ユニット3では、外部ディスプレイ装置5として、アナログテレビモニタを接続する。このため、インターフェース部B_33で受信したデジタル表示信号を、ビデオ信号変換回路35A2でアナログ信号に変換し、ビデオ出力端子部35D2から、コンポジットビデオ信号、セパレートビデオ信号又はコンポーネントビデオ信号として外部ディスプレイ装置に送信する。その際、ビデオ出力端子部35D2としては、それぞれの信号のタイプに応じた端子(コンポジット映像端子(RCA端子)、セパレート映像端子(S端子)又はコンポーネント映像端子)を使用する。
なお、外部ディスプレイ装置として、デジタルテレビモニタを使用する場合には、デジタル→アナログの信号変換は不要であり(ただし、場合によってはデジタル→デジタルの信号変換は必要)、また、外部ディスプレイ装置との接続端子としてはHDMI(High Definition Multimedia Interface)を用いることができる。
【産業上の利用可能性】
【0169】
本発明は携帯電話機をはじめとする携帯情報通信装置を製造する、及び/又は、使用する各種産業において利用することができる。また、パソコンやカーナビゲーションシステム等の非携帯型の情報通信装置を製造する、及び/又は、使用する産業においても利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0170】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置、携帯情報通信装置用接続ユニット、及び両者を接続した上で該接続ユニットに外部ディスプレイ装置及び外部入力装置を接続することによって構成した情報通信システムの構成及び機能を説明するためのブロック図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用接続ユニットとを接続した上で、該接続ユニットに外部ディスプレイ装置及び外部入力装置を接続することによって構成した情報通信システムの構成を説明するための外観図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用接続ユニットとを接続した上で、該接続ユニットに外部ディスプレイ装置及び外部入力装置を接続することによって構成した情報通信システムと、インターネットに接続したウェブサーバとの間での情報のやり取りを説明するための説明図である。
【図4】本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置によってリキッドレイアウトを採用したマークアップ文書ファイルを閲覧した場合に、該携帯情報通信装置の付属ディスプレイパネルに表示される画面イメージを説明するためのイメージ図である。
【図5】本発明の第1の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用接続ユニットとを接続した上で、該接続ユニットに外部ディスプレイ装置及び外部入力装置を接続することによって構成した情報通信システムによって、リキッドレイアウトを採用したマークアップ文書ファイルを閲覧した場合に、外部ディスプレイ装置の画面に表示される画面イメージを説明するためのイメージ図である。
【図6】本発明の第2の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用外部入出力ユニットとを接続することによって構成した情報通信システムの構成及び機能を説明するためのブロック図である。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用外部入出力ユニットとを接続することによって構成した情報通信システムの構成を説明する外観図である。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用外部入出力ユニットとを接続することによって構成したナビゲーションシステムの構成及び機能を説明するためのブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用外部入出力ユニットとを接続することによって構成したナビゲーションシステムの構成を説明する外観図である。
【図10】本発明の第3の実施形態に係る携帯情報通信装置によって自らの現在位置情報を含む地図画像を表示させた場合に、該携帯情報通信装置の付属ディスプレイパネルに表示される画面イメージを説明するためのイメージ図である。
【図11】本発明の第3の実施形態に係る携帯情報通信装置と携帯情報通信装置用外部入出力ユニットとを接続することによって構成したナビゲーションシステムによって、自らの現在位置情報を含む地図画像を表示させた場合に、外部入出力ユニットの画面に表示される画面イメージを説明するためのイメージ図である。
【図12】本発明の第4の実施形態に係る携帯情報通信装置の構成及び機能を説明するためのブロック図である。
【図13】本発明の第5の実施形態に係る携帯情報通信装置の構成及び機能を説明するためのブロック図である。
【図14】本発明の第6の実施形態に係る携帯情報通信装置用接続ユニットの構成及び機能を説明するためのブロック図である。
【図15】本発明の第7の実施形態に係る携帯情報通信装置用接続ユニットの構成及び機能を説明するためのブロック図である。
【符号の説明】
【0171】
1‥‥‥携帯電話機
10A1‥‥‥中央演算回路1
10A2‥‥‥中央演算回路2
10B‥‥‥グラフィックコントローラ1
10B1‥‥‥ビットマップデータ生成回路
10B2‥‥‥ビットマップデータ転送回路
10C‥‥‥VRAM1
10D‥‥‥描画命令転送回路
11‥‥‥ベースバンドプロセッサ
111A‥‥‥通信用アンテナ
111B‥‥‥RF送受信部
112A‥‥‥テレビ受信用アンテナ
112B‥‥‥テレビチューナ
112C‥‥‥AD/DA変換部1
113A‥‥‥共用アンテナ
113B‥‥‥GPSダウンコンバータ
113C‥‥‥AD/DA変換部3
113D‥‥‥共用器
12A‥‥‥光学系部
12B‥‥‥CCD
12C‥‥‥AD/DA変換部2
13A‥‥‥TMDSトランスミッタ
13B‥‥‥グラフィックコントローラ2
13C‥‥‥VRAM2
13D‥‥‥外部接続端子部A
14A‥‥‥フラッシュメモリ
14B‥‥‥RAM
15A‥‥‥LCDパネル
15B‥‥‥LCDドライバ
15C‥‥‥LCDコントローラ/ドライバ
16A‥‥‥キー操作部
16B‥‥‥キー入力コントローラ
17‥‥‥内蔵充電池
18A‥‥‥マイクロホン
18B‥‥‥スピーカ
18C‥‥‥CODEC
19‥‥‥バス
2‥‥‥接続ケーブル
3‥‥‥接続ユニット
33‥‥‥インターフェース部B
33D‥‥‥外部接続端子部B
33D1‥‥‥挿入口
34‥‥‥HDD
35‥‥‥インターフェース部C1
35A1‥‥‥RAMDAC
35A2‥‥‥ビデオ信号変換回路
35D1‥‥‥VGA端子部
35D2‥‥‥ビデオ出力端子部
36‥‥‥インターフェース部C2
36D‥‥‥外部入力接続端子
37A‥‥‥充電池B
37B‥‥‥AC/DC回路
37C‥‥‥商用電源プラグ
4‥‥‥外部入出力ユニット
43‥‥‥インターフェース部D
43D‥‥‥外部接続端子部D
43D1‥‥‥挿入口
44‥‥‥HDD
45A‥‥‥外部LCDパネル
45B‥‥‥外部LCDドライバ
45C‥‥‥スキャンコンバータ
45D‥‥‥TMDSレシーバ
456‥‥‥外部LCDタッチパネル
461‥‥‥外部キー操作部
462‥‥‥外部タッチパッド
47A‥‥‥充電池D
47B‥‥‥AC/DC回路
47C‥‥‥商用電源プラグ
48A‥‥‥外部マイクロホン
48B‥‥‥外部スピーカ
48C‥‥‥外部CODEC
5‥‥‥外部ディスプレイ装置
61‥‥‥外部キーボード
62‥‥‥マウス
7‥‥‥コンセント
8‥‥‥ダッシュボード
9‥‥‥インターネット
91‥‥‥ウェブサーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザーがマニュアル操作によって入力したデータを後記データ処理手段に送信する入力手段と、
無線信号を受信してデジタル信号に変換の上、後記データ処理手段に送信するとともに、後記データ処理手段から受信したデジタル信号を無線信号に変換して送信する無線通信手段と、
後記データ処理手段を動作させるプログラムと後記データ処理手段で処理可能なデータファイルとを格納する記憶手段と、
前記入力手段から送信されたデータ及び前記記憶手段に格納されたプログラムに基づき、前記無線通信手段から受信したデジタル信号及び/又は前記記憶手段から読み出したデータに必要な処理を行って、デジタル表示信号及びその他のデジタル信号を生成して送信するデータ処理手段と、
画面を構成する各々の画素が駆動されることにより画像を表示するディスプレイパネルAと、前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき前記ディスプレイパネルAの各々の画素を駆動するディスプレイ制御手段Aとから構成されるディスプレイ手段と、
外部ディスプレイ手段を含む周辺装置、又は、外部ディスプレイ手段が接続される周辺装置を接続し、該周辺装置に対して、前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき、外部表示信号を送信するインターフェース手段A1と、
を備えるとともに、
前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って、該インターフェース手段A1から、高解像度外部表示信号を送信する機能を実現する携帯情報通信装置であって、
前記無線通信手段と前記データ処理手段とが相俟って、インターネットに接続したウェブサーバから画像データファイルを取得する機能を実現するとともに、
前記データ処理手段は、前記画像データファイルの本来解像度が前記ディスプレイパネルAの画面解像度より大きい場合でも、前記画像データファイルをリアルタイムで処理することによって、及び/又は、前記画像データファイルを前記記憶手段に一旦格納し、その後読み出した上で処理することによって、前記画像データファイルの本来画像のデジタル表示信号を生成する機能を有することを特徴とする携帯情報通信装置。
【請求項2】
ユーザーがマニュアル操作によって入力したデータを後記データ処理手段に送信する入力手段と、
無線信号を受信してデジタル信号に変換の上、後記データ処理手段に送信するとともに、後記データ処理手段から受信したデジタル信号を無線信号に変換して送信する無線通信手段と、
後記データ処理手段を動作させるプログラムと後記データ処理手段で処理可能なデータファイルとを格納する記憶手段と、
前記入力手段から送信されたデータ及び前記記憶手段に格納されたプログラムに基づき、前記無線通信手段から受信したデジタル信号及び/又は前記記憶手段から読み出したデータに必要な処理を行って、デジタル表示信号及びその他のデジタル信号を生成して送信するデータ処理手段と、
画面を構成する各々の画素が駆動されることにより画像を表示するディスプレイパネルAと、前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき前記ディスプレイパネルAの各々の画素を駆動するディスプレイ制御手段Aとから構成されるディスプレイ手段と、
外部ディスプレイ手段を含む周辺装置、又は、外部ディスプレイ手段が接続される周辺装置を接続し、該周辺装置に対して、前記データ処理手段から受信したデジタル表示信号に基づき、外部表示信号を送信するインターフェース手段A1と、
を備えるとともに、
前記データ処理手段と前記インターフェース手段A1とが相俟って、該インターフェース手段A1から、高解像度外部表示信号を送信する機能を実現する携帯情報通信装置であって、
前記無線通信手段は、アナログテレビ放送信号、デジタルテレビ放送信号、携帯テレビ電話信号、インターネットプロトコルに準拠した無線ストリーミング信号のうちの少なくとも1つの無線信号(以下、無線動画信号と略記する)を受信し、デジタル動画信号に変換の上、前記データ処理手段に転送する機能を有し、
前記データ処理手段は、前記デジタル動画信号の本来解像度が前記ディスプレイパネルAの画面解像度より大きい場合でも、前記デジタル動画信号をリアルタイムで処理することによって、及び/又は、前記デジタル動画信号を自らが処理可能な画像データファイルとして前記記憶手段に一旦格納し、その後読み出した上で処理することによって、前記デジタル動画信号の本来画像のデジタル表示信号を生成する機能を有することを特徴とする携帯情報通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図5】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−130053(P2012−130053A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−27879(P2012−27879)
【出願日】平成24年2月11日(2012.2.11)
【分割の表示】特願2011−142397(P2011−142397)の分割
【原出願日】平成17年12月21日(2005.12.21)
【出願人】(308015935)株式会社DAPリアライズ (5)
【Fターム(参考)】