説明

携帯情報端末およびその制御方法、並びにプログラム

【課題】ユーザが携帯情報端末の状態を誤認識することを解消でき、消費電力を低減することができる携帯情報端末を提供する。
【解決手段】携帯情報端末は、表示内容を表示する第1の表示部と、電源供給がオフされても表示内容を維持する第2の表示部と、前記第1の表示部に表示内容を表示することが出来なくなる複数の端末動作状態のうち、いずれの端末動作状態であるかを、所定の情報に基づいて判別する状態判別部と、前記状態判別部が判別した端末動作状態に対応した情報を前記第2の表示部に表示する表示制御部とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯電話などの携帯情報端末およびその制御方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯情報端末の例が特許文献1および特許文献2に記載されている。特許文献1の携帯情報端末は、第1の表示部の他に第2の表示部を備えた構成であり、次のように動作する。即ち、機能をオフする場合に、まず特定状況にあるか否かを判別し、特定状況にあれば、その状況に対応する種類の情報を選択して第2の表示部に表示させ、その後に機能オフ処理へ移行する。
また、特許文献2の携帯情報端末は、操作部の操作により電源オフの指示が行われた場合に、第1の表示部に表示している情報を第2の表示部に表示するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−135719号公報
【特許文献2】特開2009−253349号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1および特許文献2の携帯情報端末では、電源オフ状態や省電力状態等の端末動作状態を表示する制御は考えられていなかった。そのため、電池容量不足等の理由で端末が電源オフ状態になったり、一定時間無操作等の理由で端末が省電力状態になったりした場合、ユーザが意図的に操作していないにもかかわらず、端末の表示部がオフ状態となるため、故障として誤認識されてしまう可能性があった。
また、端末が省電力状態にあり、表示部をオフしている状態である場合には、周期的なLED点滅等により省電力状態をユーザに通知する制御が考えられていたが、LED点滅動作時に電流を消費してしまう問題があった。
すなわち、特許文献1または特許文献2の携帯情報端末では、電源オフ状態や省電力状態等の、表示部に表示内容を表示することが出来なくなる場合、ユーザが携帯情報端末の状態を誤認識することを解消するとともに、消費電力を低減することができないという問題があった。
【0005】
本発明の目的は、上述した課題を解決する携帯情報端末およびその制御方法、並びにプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決するために、本発明の一態様による携帯情報端末は、表示内容を表示する第1の表示部と、電源供給がオフされても表示内容を維持する第2の表示部と、前記第1の表示部に表示内容を表示することが出来なくなる複数の端末動作状態のうち、いずれの端末動作状態であるかを、所定の情報に基づいて判別する状態判別部と、前記状態判別部が判別した端末動作状態に対応した情報を前記第2の表示部に表示する表示制御部とを備えたことを特徴とする。
【0007】
また、本発明の一態様による携帯情報端末の制御方法は、第1の表示部に表示内容を表示することが出来なくなる複数の端末動作状態のうち、いずれの端末動作状態であるかを、所定の情報に基づいて判別する状態判別ステップと、前記状態判別ステップが判別した端末動作状態に対応した情報を、電源供給がオフされても表示内容を維持する第2の表示部に表示する表示制御ステップとを備えたことを特徴とする。
【0008】
また、本発明の一態様によるプログラムは、第1の表示部に表示内容を表示することが出来なくなる複数の端末動作状態のうち、いずれの端末動作状態であるかを、所定の情報に基づいて判別する状態判別手順と、前記状態判別手順が判別した端末動作状態に対応した情報を、電源供給がオフされても表示内容を維持する第2の表示部に表示する表示制御手順とを、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、表示部に表示内容を表示することが出来なくなる場合であっても、ユーザが誤認識することを解消するとともに、消費電力を低減することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】第1の実施形態に係る携帯情報端末の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した携帯情報端末の外観構成の一例を示す斜視図である。
【図3】第1の実施形態の端末動作状態表示制御を示すフローチャートである。
【図4】第2の実施形態に係る携帯情報端末の構成を示すブロック図である。
【図5】第2の実施形態の端末動作状態表示制御を示すフローチャートである。
【図6】第2の表示部の搭載位置に係る一例を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の第1の実施形態について、図面を参照しながら説明する。
[第1の実施形態]
<第1の実施形態の構成>
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯情報端末の構成を示すブロック図である。
図1に示す携帯情報端末は、少なくとも制御部101、操作部102、主表示部103(第1の表示部)、サブ表示部104(第2の表示部)、メモリ部105、電池残量検知部106、および端末折り畳み検知部107を備えている。サブ表示部104は、たとえば電子ペーパーにより構成されており、電源供給がオフされても(電源が供給されなくなっても)、表示内容を維持できる。また、この携帯情報端末は、電池を備えている。そして、この電池から、携帯情報端末が備えている各構成に電力が供給されている。この電池は、たとえば一次電池または二次電池である。また、この電池は、携帯情報端末に着脱可能に取り付けられていても良い。
【0012】
メモリ部105には、電池残量不足の場合に電源オフの状態に移行することを判定するための電池残量不足判定閾値と、一定時間無操作による省電力状態移行を判定するための無操作時間判定閾値とが予め記憶されている。この一定時間無操作とは、たとえば、ユーザにより操作部102が操作されない状態が一定時間継続することである。
電池残量検知部106は、電池の電池残量を検出し、検出した電池残量D1を制御部101に出力する。
【0013】
端末折り畳み検知部107は、携帯情報端末の筐体が折り畳まれているか否かを判定し、判定結果を折り畳み検知信号D2として制御部101に出力する(図2を参照)。たとえば、この端末折り畳み検知部107は、ユーザが携帯情報端末の筐体を折り畳んだときに、折り畳み検知信号D2を制御部101に出力する。
【0014】
制御部101は、CPU(Central Processing Unit)やRAM(Random Access Memory)等で構成され、端末全体の動作を制御する。たとえば、制御部101は、操作部102の操作に応じて、必要な情報を主表示部103に表示する。また、制御部101は、電池残量検知部106から入力された電池残量D1と、メモリ部105から読み出した電池残量不足判定閾値とを比較し、電池残量D1が電池残量不足判定閾値よりも小さい場合に、電池残量不足と判定し、携帯情報端末の電源をオフする。この「携帯情報端末の電源をオフする」とは、たとえば、制御部101が、主表示部103およびサブ表示部104を含む端末の各部に対して、電池からの電源供給を開始することである。
【0015】
また、制御部101は、ユーザにより操作部102が操作される操作状態を検出し、直前に操作部102が操作されてからの経過時間である無操作時間を計測する。そして、制御部101は、この計測した無操作時間とメモリ部105に記憶してある無操作時間判定閾値とを比較し、無操作時間の方が無操作時間判定閾値よりも長い場合、一定時間無操作と判定する。制御部101は、一定時間無操作と判定した場合、省電力状態へ移行するため、主表示部103の表示をオフする。
【0016】
さらに、制御部101は、端末折り畳み検知部107から出力される折り畳み検知信号D2を監視し、この折り畳み検知信号D2に基づいて、携帯情報端末の筐体が折り畳まれたと判定した場合、省電力状態へ移行するため、主表示部103の表示をオフする。
また、制御部101は、サブ表示部104に対し、電源供給オン、端末状態の表示制御、および電源供給オフの各処理を実施する。
【0017】
なお、上記に説明した制御部101が主表示部103の表示をオフする、または、サブ表示部104に対しての電源供給オフとは、制御部101が、主表示部103またはサブ表示部104に対して、電池からの電源供給を停止することである。また、上記に説明した制御部101がサブ表示部104に対しての電源供給オンとは、制御部101が、サブ表示部104に対して、電池からの電源供給を開始することである。
【0018】
メモリ部105は、電池残量不足と判定し、携帯情報端末の電源をオフするプログラムや、一定時間無操作と判定し主表示部103の表示をオフするプログラムを記憶している。さらに、メモリ部105は、サブ表示部104に対して、電源供給オンや電源供給オフなどを行うためのプログラムのほか、図3で後述する端末動作状態表示制御に関するプログラムを記憶している。制御部101は、これらのプログラムをメモリ部105から読み出し、読み出したプログラムに基づいた処理を実行する。
【0019】
制御部101は、この端末動作状態表示制御の実行するために、状態判別部101aと表示制御部101bを備えている。状態判別部101aは、主表示部103に表示内容を表示することが出来なくなる複数の端末動作状態のうち、いずれの端末動作状態であるかを、所定の情報に基づいて判別する。状態判別部101aは、たとえば主表示部103に情報を表示中に、所定の情報として電源オフ処理に関する情報に基づいた電源オフ状態を判別する。電源オフ処理に関する情報は、たとえば、電池残量検知部106が検知した電池残量情報、操作部102の操作による電源オフ指示、およびソフトウェアが実行するリセット時の電源オフ指示である。
【0020】
また、状態判別部101aは、複数の端末動作状態のうちいずれの端末動作状態であるかを所定の情報に基づいて判別する場合、複数の端末動作状態のうち、電源容量が不足している状態であるか否かを優先して判定する。
【0021】
さらに、状態判別部101aは、主表示部103に情報を表示中に、たとえば、所定の処理として省電力処理に関する情報に基づいた省電力状態を判別する。省電力処理に関する情報は、たとえば操作部102で監視された無操作時間、または当該携帯情報端末が折り畳まれたときに発信される端末折り畳み検知信号D2である。
表示制御部101bは、状態判別部101aが判別した端末動作状態である電源オフおよび省電力状態に対応した情報をサブ表示部104に表示する。
【0022】
図2は、図1に示した構成の携帯情報端末の外観構成の一例を示す斜視図である。この図2では、携帯情報端末を開いた状態が示されている。
この携帯情報端末は、主表示部103とサブ表示部104を搭載した第1の筐体51が、操作部102を搭載した第2の筐体52に対して開閉可能になった折り畳み方式の携帯情報端末である。
サブ表示部104は、主表示部103が表示オフ状態の場合に端末動作状態を表示する必要があるため、主表示部103と近接して配置され、主表示部103とサブ表示部104が同時に目視できるようになっている。さらに、サブ表示部104は、操作部102を操作中にも容易に確認できる位置に配置されて、操作部102の操作中にも容易に目視できるようになっている。
【0023】
<第1の実施形態の端末動作状態表示制御>
以下、主表示部103の表示オン時における、本実施形態の端末動作状態表示制御について、図3を参照しつつ具体的に説明する。
図3は、第1の実施形態における端末動作状態表示制御を示すフローチャートである。
主表示部103が情報表示中であるときに、制御部101は、まず、サブ表示部104の表示を初期化するため、サブ表示部104の電源供給をオンし(ステップS301)、表示をクリアした後に(ステップS302)、サブ表示部104の電源供給をオフする(ステップS303)。
【0024】
その後、制御部101は、電池残量検知部106から電池残量を読出し、この電池残量とメモリ部105に記憶した電池残量不足判定閾値とを比較して、電池残量不足か否かを判定する(ステップS304)。ステップS304にて、電池容量不足と判定した場合、制御部101は、サブ表示部104の電源供給をオンし(ステップS305)、サブ表示部104に「電池容量不足により電源オフ」という文字情報を表示した後に(ステップS306)、サブ表示部104の電源供給をオフする(ステップS307)。
【0025】
一方、ステップS304にて、電池容量不足でないと判定した場合、制御部101は、操作部102の操作内容から、ユーザ操作による電源オフ処理が実施されたか否かを判定する(ステップS308)。ステップS308にて、ユーザ操作による電源オフ処理中と判定した場合、制御部101は、サブ表示部104の電源供給をオンし(ステップS309)、サブ表示部104に「電源オフ操作により電源オフ」という文字情報を表示した後(ステップS310)、サブ表示部104の電源供給をオフする(ステップS311)。
【0026】
ステップS308にて、ユーザ操作による電源オフ処理中でないと判定した場合、制御部101は、ソフトリセットによる電源オフ処理中か否かを判定する(ステップS312)。ステップS312にて、ソフトリセットによる電源オフ処理中と判定した場合、制御部101は、サブ表示部104の電源供給をオンし(ステップS313)、サブ表示部104に「電源再起動中のため、操作せずにそのままお待ちください」という文字情報を表示した後(ステップS314)、サブ表示部104の電源供給をオフする(ステップS315)。
【0027】
ステップS312にて、ソフトリセットによる電源オフ処理中でないと判定した場合、制御部101は、操作部102からの操作状態を監視して無操作時間を判定し、その無操作時間とメモリ部105に記憶した無操作時間判定閾値とを比較して、一定時間無操作が継続しているか否かを判定、または折り畳み型携帯情報端末の場合は、折り畳み検知信号D2により携帯情報端末が折り畳まれたか否かを判定する(ステップS316)。
【0028】
ステップS316にて、一定時間無操作、あるいは端末折り畳みを判定した場合、制御部101は、サブ表示部104の電源供給をオンし(ステップS317)、サブ表示部104に「省電力のため表示オフ中。表示を再開する場合は、何かボタンを押してください。」という文字情報を表示した後に(ステップS318)、サブ表示部104の電源供給をオフする(ステップS319)。
ステップS316にて、一定時間無操作でもなく、端末折り畳みでもないと判定した場合は、ステップS304に戻る。
【0029】
<第1の実施形態による効果>
本実施形態では、電池残量D1、ユーザ操作による電源オフ指示、ソフトリセットによる電源オフ指示、端末無操作時間、および端末折り畳み検知信号D2といった所定の情報に起因する電源オフ状態や省電力状態などの端末動作状態をサブ表示部104に表示する制御を実現することができる。これにより、主表示部103が情報表示中に生ずる電源オフ状態や省電力状態などの端末動作状態について、故障等のユーザの誤認識を解消することができる。即ち、電池容量不足等に起因して携帯情報端末が電源オフ状態になったり、一定時間無操作等に起因して省電力状態になったりして、自動的に主表示部103がオフ状態となっても、この現象をユーザが故障として誤認識するのを未然に回避することができる。
【0030】
また、状態判別部101aが、複数の端末動作状態のうちいずれの端末動作状態であるかを所定の情報に基づいて判別する場合、複数の端末動作状態のうち、電源容量が不足している状態であるか否かを優先して判定するようにした。これにより、次のような効果が期待できる。即ち、電源が不足している場合に、状態判別部101aが、電源が不足しているか否かという状態以外の状態を判別していると、サブ表示部104に状態を表示できなくなる可能性がある。そこで、まず電源が不足しているか否かを判定する。これにより、サブ表示部104に状態を表示できる可能性を高めることができる。よって、ユーザに誤認識させる頻度を低減させることができる。
【0031】
また、端末動作状態の表示手段として、電子ペーパーから成るサブ表示部104を利用することで、LED点滅を利用する場合に比べて、点滅動作電流や表示維持電流が不要となり、省電力効果が期待できる。
【0032】
[第2の実施形態]
第1の実施形態では、携帯情報端末が電源オン状態における主表示部103の表示オン時の制御方法について説明した。これに加えて、携帯情報端末が電源オフ状態からオン状態に変わる時にも、所定の情報に基づいた端末動作状態をサブ表示部104に表示することで、さらにユーザの端末動作状態誤認識による故障誤認識を抑止する効果が期待できる。第2の実施の形態では、電源オフ状態から電源オン状態へ移行する電源オン処理を例にとって説明するものである。
【0033】
図4は、本発明の第2の実施形態に係る携帯情報端末の構成を示すブロック図であり、図1に共通する要素には同一の符号を付し、その説明を省略する。
図4に示す携帯情報端末は、図1に示した構成において、携帯情報端末の電池の脱着状態を検知する電池脱着検知部108を追加した構成となる。
本実施形態において、状態判別部101aは、携帯情報端末が電源オフ状態から電源オン状態へ移行する電源オン処理を行う場合に、電源オン処理に関する情報に基づいて端末動作状態を判別する。電源オン処理に関する情報は、電池脱着検知部108により電池装着を検知したときに発信される電池装着検知信号D3、操作部102の操作による電源オン指示、ソフトウェアが実行する電源オフ指示、およびハードウェアが実行する電源オフ指示である。表示制御部101bは、状態判別部101aが判別した電源オン処理時の状態に対応した情報をサブ表示部104に表示する。
【0034】
以下、携帯情報端末が電源オフ状態から電源オン状態へ移行する電源オン処理時における、本実施形態の端末動作状態表示制御について、図5を参照しつつ具体的に説明する。
図5は、第2の実施形態における端末動作状態表示制御を示すフローチャートである。
携帯情報端末が電源オフ状態から電源オン状態へ移行する電源オン処理時に、制御部101は、まず、電池装着検知信号D3を受けることで電池装着による電源オン処理中か否かを判定する(ステップS401)。ステップS401にて、電池装着による電源オン処理中と判定した場合、制御部101は、サブ表示部104の電源供給をオンし(ステップS402)、サブ表示部104に「電池装着による電源オン処理中」という文字情報を表示した後(ステップS403)、サブ表示部104の電源供給をオフする(ステップS404)。
【0035】
その後、制御部101は、電源オン処理(サブ表示部104の処理以外)が完了したか否かを判定する(ステップS405)。ステップS405にて、制御部101は、電源オン処理が完了するまで待ち、完了した場合、サブ表示部104の表示を初期化するため、サブ表示部104の電源供給をオンし(ステップS406)、表示をクリアした後に(ステップS407)、サブ表示部104の電源供給をオフする(ステップS408)。
【0036】
一方、ステップS401にて、電池装着による電源オン処理中でないと判定した場合、制御部101は、操作部102の操作内容から、ユーザ操作による電源オン処理が実施されたか否かを判定する(ステップS409)。
ステップS409にて、ユーザ操作による電源オン処理中と判定した場合、制御部101は、サブ表示部104の電源供給をオンし(ステップS410)、サブ表示部104に「電源オン操作による電源オン処理中」という文字情報を表示した後に(ステップS411)、サブ表示部104の電源供給をオフする(ステップS412)。
【0037】
ステップS409にて、ユーザ操作による電源オン処理中でないと判定した場合、制御部101は、ソフトリセットまたはハードリセットによる電源オン処理中か否かを判定する(ステップS413)。ステップS413にて、ソフトリセットまたはハードリセットによる電源オン処理中と判定した場合、制御部101は、サブ表示部104の電源供給をオンし(ステップS414)、サブ表示部104に「電源再起動中のため、操作せずにそのままお待ちください」という文字情報を表示した後に(ステップS415)、サブ表示部104の電源供給をオフする(ステップS416)。
ステップS413にて、制御部101は、ソフトリセットまたはハードリセットによる電源オン処理中でないと判定した場合、ステップS405以降の処理を実施する。
【0038】
<第2の実施の形態による効果>
本実施形態では、電池装着検知信号D3、操作部102の操作による電源オン指示、およびソフトリセット/ハードリセットによる再起動指示といった情報に起因する電源オン処理に対応した情報をサブ表示部104に表示する制御を実現することができる。これにより、携帯情報端末が電源オフ状態から電源オン状態へ移行する電源オン処理時に生ずる端末動作状態について、故障等のユーザの誤認識を解消することができる。即ち、電源オン処理時に操作部102が操作不能になるなどの現象をユーザが故障として誤認識するのを未然に回避することができる。
【0039】
なお、サブ表示部104の搭載位置について、図2に示すように、主表示部103とサブ表示部104を近い位置に配置する例を説明したが、折り畳み型携帯情報端末の場合には、図6に示すように、サブ表示部104は、携帯情報端末を閉じた状態で視認できる位置に配置しても良い。即ち、サブ表示部104は、第1の筐体51と第2の筐体52とが折り畳み状態にあるときに、目視可能となる第1の筐体51の外面側に配置しても良い。なお、この図6では、折り畳み型携帯情報端末を閉じた状態が示されている。
【0040】
図2に示す例では、携帯情報端末を閉じた状態にすると、サブ表示部104が隠れてしまい、端末動作状態を確認することができなかったが、図6に示すような位置にサブ表示部104を配置することで、携帯情報端末を閉じた状態でも端末動作状態を確認することが可能になる。また、図6に示す例と図2に示す例とを組み合わせることで、携帯情報端末の開閉状態によらずに、端末動作状態を確認することが可能になる。このように図6に示す例と図2に示す例とを組み合わせる場合には、携帯情報端末は2つのサブ表示部104を有しており、1つ目のサブ表示部104は図2のように携帯情報端末に配置されており、2つ目のサブ表示部104は図6のように携帯情報端末に配置されている。
【0041】
なお、上記の図3または図5の説明においては、制御部101がサブ表示部104に文字情報を表示する場合について説明したが、制御部101がサブ表示部104に表示する情報は文字情報に限られるものではなく、アイコンなどのグラフィック情報であってもよい。
【0042】
また、図1または図4における制御部101が備える状態判別部101aまたは表示制御部101bの機能を実現するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより状態判別部101aまたは表示制御部101bの処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
【0043】
また、「コンピュータシステム」は、WWWシステムを利用している場合であれば、ホームページ提供環境(あるいは表示環境)も含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムを送信する場合の通信線のように、短時間の間、動的にプログラムを保持するもの、その場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリのように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0044】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【符号の説明】
【0045】
101 制御部
102 操作部
103 主表示部
104 サブ表示部
105 メモリ部
106 電池残量検知部
107 端末折り畳み検知部
108 電池脱着検知部
101a 状態判別部
101b 表示制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示内容を表示する第1の表示部と、
電源供給がオフされても表示内容を維持する第2の表示部と、
前記第1の表示部に表示内容を表示することが出来なくなる複数の端末動作状態のうち、いずれの端末動作状態であるかを、所定の情報に基づいて判別する状態判別部と、
前記状態判別部が判別した端末動作状態に対応した情報を前記第2の表示部に表示する表示制御部とを備えたことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項2】
前記複数の端末動作状態には、電源容量が不足している状態が含められており、
前記状態判別部は、
前記複数の端末動作状態のうちいずれの端末動作状態であるかを所定の情報に基づいて判別する場合、前記複数の端末動作状態のうち、電源容量が不足している状態であるか否かを優先して判定することを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項3】
前記所定の情報は、電源オフ処理に関する情報であることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯情報端末。
【請求項4】
前記所定の情報は、省電力処理に関する情報であることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の携帯情報端末。
【請求項5】
前記状態判別部は、
電源オフ状態から電源オン状態へ移行する電源オン処理を行う場合に、所定の情報に基づいて前記端末動作状態を判別することを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載の携帯情報端末。
【請求項6】
前記所定の情報は、前記電源オン処理に関する情報であることを特徴とする請求項5に記載の携帯情報端末。
【請求項7】
前記第1の表示部と前記第2の表示部とは、同時に目視することが可能な位置に近接して配置したことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の携帯情報端末。
【請求項8】
前記第2の表示部を搭載した第1の筐体と、前記第1の筐体とは別体の第2の筐体とで折り畳み可能に構成され、
前記第2の表示部は、前記第1の筐体と第2の筐体とが折り畳み状態にあるときに目視可能となる前記第1の筐体の外面側に配置したことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の携帯情報端末。
【請求項9】
第1の表示部に表示内容を表示することが出来なくなる複数の端末動作状態のうち、いずれの端末動作状態であるかを、所定の情報に基づいて判別する状態判別ステップと、
前記状態判別ステップが判別した端末動作状態に対応した情報を、電源供給がオフされても表示内容を維持する第2の表示部に表示する表示制御ステップとを備えたことを特徴とする携帯情報端末の制御方法。
【請求項10】
第1の表示部に表示内容を表示することが出来なくなる複数の端末動作状態のうち、いずれの端末動作状態であるかを、所定の情報に基づいて判別する状態判別手順と、
前記状態判別手順が判別した端末動作状態に対応した情報を、電源供給がオフされても表示内容を維持する第2の表示部に表示する表示制御手順とを、
コンピュータに実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−124812(P2012−124812A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−275521(P2010−275521)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】