説明

携帯情報端末の報知方法、携帯情報端末およびプログラム

【課題】タッチパネル入力機能が起動されているとき、バイブレータの振動レベルを小さくして振動による誤入力を防止する。
【解決手段】携帯情報端末の制御部は、着信やアラームなどによる報知の発生を監視しており(S201)、報知が発生した場合は、表示部の入力機能(タッチパネル機能)が有効(可能)であるか無効(不可能)であるかを判断する(S202)。表示部のタッチパネル機能がOFF(タッチパネル入力が不可能)のとき、制御部は、バイブレータを予め設定された振動強度、或いは初期値である第1の振動強度(強振動)で駆動させる(S203)。一方、報知の発生時に、表示部のタッチパネル入力が可能(S202,No)の場合は、制御部は、予め設定された振動強度に係わりなくバイブレータを第2の振動強度(弱振動)で駆動させる(S208)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、着信あるいはアラームを報知するためにバイブレータ等の振動手段を備えた携帯電話機等の携帯情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば携帯電話機能を備えた携帯情報端末においては、着信があった場合、通常はスピーカからの着信音により報知されるが、着信音が周囲に迷惑となるような場合には、マナーモードを設定することにより、バイブレータの振動によって着信を報知できるようになっている。
【0003】
このバイブレータ振動によって着信を報知する従来の携帯情報端末では、バイブレータの振動強度は各メーカーの設計により、一定の振動強度となるように予め設定されているのが一般的である。そのため、携帯情報端末を置く場所(鞄の中、机の上、上着のポケットetc)によってはバイブレータの振動が強すぎたり、弱すぎたりすることがあり、突然の振動に驚かされたりあるいはバイブレータの振動に気がつかないといった問題を生ずることがある。
【0004】
このような問題を解消する手段として、特許文献1〜2では、バイブレータの振動レベルを、ユーザが選択して切り替え可能にすることにより、ユーザの好みの振動レベルに設定するとともに、電力消費の低減化を図る技術が提案されており、また特許文献3では、着信が生じたときに、位置測位センサおよび振動センサにより検出された位置測位検出パターンおよび振動検出パターンに基づいて移動通信機器の移動状態を判定し、該判定された移動状態に対応してバイブレータの振動量を設定することにより、周囲の振動や周囲の雑音が大きい場合であっても、移動中の使用者等がバイブレータの振動に気がつかないという事態を回避可能にする技術が提案されている。
【0005】
【特許文献1】実開平5−4292号公報
【特許文献2】特開2003−264611号公報
【特許文献3】特開2007−300346号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
最近の携帯情報端末では、表示部にタッチパネル機能を備え、タッチパネルにより入力することが可能な端末も多くなっているが、タッチパネル機能を備えている表示部からタッチ入力操作を行っている際に、着信によるバイブレータの振動レベルが大きすぎると、該振動により誤入力(誤操作)が生じる恐れがある。
【0007】
特許文献1〜2に記載の発明は、バイブレータの振動レベルを、ユーザが切り替え可能にするものであり、また、特許文献3に記載の発明は、位置測位検出パターンおよび振動検出パターンに基づいて移動通信機器の移動状態を判定し、該判定された移動状態に対応してバイブレータの振動レベルを切り替え可能にするものであるが、これらの特許文献では、携帯電話の使用状態と関連させてバイブレータの振動レベルを自動切換えすることについては言及していない。
【0008】
本発明の目的は、上述した課題を解決することが可能な、バイブレータ機能付き携帯情報端末を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の携帯情報端末の報知方法は、タッチパネル式入力手段による入力の可/不可を検出するステップと、振動部による振動報知を行う際に、前記タッチパネル式入力手段による入力不可が検出されているときには前記振動部を第1の振動レベルで振動させ、前記タッチパネル式入力手段による入力可が検出されているときには前記振動部を前記第1の振動レベルよりも小さい第2の振動レベルで振動させるステップと、を有することを特徴とする。
【0010】
本発明の携帯情報端末は、振動により報知を行う振動部と、タッチパネル式入力手段と、該タッチパネル式入力手段による入力の可/不可を検出する状態検出部と、前記振動により報知を行う際に前記状態検出部が前記タッチパネル式入力手段による入力不可を検出しているとき前記振動部を第1の振動レベルで振動させ、前記状態検出部が前記タッチパネル式入力手段による入力可を検出しているとき前記振動部を前記第1の振動レベルよりも小さい第2の振動レベルで振動させる振動制御部と、を備えたことを特徴とする。
【0011】
本発明のプログラムは、携帯情報端末が備えているコンピュータを、タッチパネル式入力手段による入力の可/不可を検出する状態検出手段、前記状態検出手段により前記タッチパネル式入力手段による入力不可が検出されているとき、振動により報知を行う振動部を第1の振動レベルで振動させ、前記状態検出手段により前記タッチパネル式入力手段による入力可が検出されているとき、前記振動部を前記第1の振動レベルよりも小さい第2の振動レベルで振動させる振動制御手段、として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、タッチパネル入力機能が起動されているときには、振動により報知を行うバイブレータの振動レベルを自動的に小さくすることができるので、振動による誤入力を防止することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
図1は、本発明の実施形態を示す携帯情報端末の機能ブロック図である。
【0014】
本実施形態の携帯情報端末100において、無線通信部101は、アンテナを介して図示しない無線基地局装置との間で無線により情報の送受を行う機能を有し、放送受信部102は、放送局(地上局、衛星など)から送信された放送信号を、アンテナを介して受信し、該受信した信号の復調による映像データ、音声データ、情報データ等の放送信号処理を行う機能を有している。
【0015】
カメラ部103は、画像情報の取得(撮影)を行う機能を有し、音声処理部104は、送話部(マイク105)および受話部(スピーカ106)を介して入出力された音声信号の処理を行う機能を有している。表示部107は、画像、図形、文字、記号などの情報表示出力(映像信号処理)を行う表示機能、および圧力や静電容量等の方式により利用者の入力操作を感知するスイッチ機能を兼ね備えたタッチパネル(タッチスクリーン)として構成されている。
【0016】
操作部108は、ハードキーにより構成され、携帯情報端末100に対する利用者の情報入力を行う機能を有し、バイブレータ109は、モータによって回転する偏心ホイールによって構成され、電流を供給する時間間隔や回転速度等により設定された強度で振動を発生する機能を有し、スピーカ部110は、楽音や報知音などの鳴音を出力する機能を有している。
【0017】
記憶部111には、電話帳情報、送受信メール情報、発着呼情報、コンテンツ情報、アプリケーションプログラム情報、撮影画像、バイブレータの振動強弱設定、及び携帯無線端末100の諸設定等が格納されており、制御部112は、記憶部111に格納された制御プログラムに従って、電話機能、メール機能、インターネット(web)接続機能、カメラ機能、テレビ受信機能、コンテンツ再生機能、タッチパネル機能、バイブレータ制御、その他の端末の有する機能や各部の制御を実行する機能を有している。
【0018】
即ち、本実施形態の携帯情報端末100は、プログラム制御により動作する通信機能(通話、メール送受信、インターネット接続)や、画像情報の取得(撮影)機能、TV放送受信機能等を備えた携帯情報処理装置であり、制御部112および記憶部111は、本発明の着信やアラームなどを報知するプログラムを実行するためのコンピュータとしての機能を有している。
【0019】
表示部107のタッチパネル機能は、常時、入力可能とされるのではなく、省電力のために、例えば、一定時間に入力が無い場合には入力不可状態に移行し、操作部108の入力操作により入力可能状態に復帰する。
【0020】
また、本実施形態の携帯情報端末100は、バイブレータ109の振動強度(振動レベル)をメニュー(設定項目)に従って、例えば、強/普/弱に設定することができる。
【0021】
図2は、本実施形態の動作を示すフローチャートである。以下、図1〜図2を参照して本実施形態の動作について説明する。
【0022】
携帯情報端末100の制御部112は、着信やアラームなどによる報知の発生を監視しており(S201)、報知が発生した場合は、表示部107の入力機能(タッチパネル機能)が有効(可能)であるか無効(不可能)であるかを判断する(S202)。
【0023】
表示部107のタッチパネル機能がOFF(タッチパネル入力が不可能)の場合は、制御部112は、バイブレータ109を予め設定された振動強度、或いは初期値である第1の振動強度(強振動)で駆動させる(S203)。
【0024】
そして、振動開始からの振動時間を計時し(S204)、所定時間経過後に表示部107のタッチパネル機能を有効(タッチパネルモード)に移行(S205)するとともに、バイブレータ109を予め設定された振動強度に係わりなく、第1の振動強度よりも振動レベルが小さい第2の振動強度(弱振動)で駆動させる(S206)。なお、上記所定時間は、例えば、着信の報知が開始されてからユーザが鞄の中あるいは上着のポケットから端末を取り出して応答操作を開始するまでに要する時間程度に設定する。
【0025】
この第2の振動強度(弱振動)によるバイブレータの駆動は、入力操作が可能となった表示部107に対するタッチ入力操作、操作部108に対する入力操作が有るまで、或いは報知終了(着信報知の終了、アラーム時間の経過等)(S207,Yes)まで継続する。
【0026】
一方、報知の発生時(S201,Yes)に、表示部107のタッチパネル機能がON(タッチパネル入力が不可能)(S202,No)の場合は、制御部112は、予め設定された振動強度に係わりなくバイブレータ109を前記第2の振動強度(弱振動)で駆動させ(S208)、表示部107に対するタッチ入力操作、操作部108に対する入力操作が有るまで、或いは報知終了(着信報知の終了、アラーム時間の経過等)(S207,Yes)まで継続する。
【0027】
本実施形態によれば、表示部107のタッチパネル機能により入力操作を行っているときに着信があった場合、バイブレータ109は、自動的に第2の振動強度(弱振動)で振動するように制御されるため、振動による誤入力を防止することが可能となる。
【0028】
なお、上記実施形態の携帯情報端末は、アンテナを介して図示しない無線基地局装置との間で無線により情報の送受を行う無線通信部101、放送局(地上局、衛星など)から送信された放送信号を、アンテナを介して受信し、該受信した信号の復調による映像データ、音声データ、情報データ等の放送信号処理を行う放送受信部102、画像情報の取得(撮影)を行うカメラ部103等を備えた構成となっているが、本発明の携帯情報端末は、上記実施形態に限定されるものではなく、振動により報知を行う振動部と、タッチパネル式入力手段を備えた携帯情報端末であれば、全て適用可能である。
【0029】
また、上記実施形態では、表示部107を、画像、図形、文字、記号などの情報表示出力(映像信号処理)を行う表示機能、および圧力や静電容量等の方式により利用者の入力操作を感知するスイッチ機能を兼ね備えたタッチパネル(タッチスクリーン)として構成しているが、本発明のタッチパネル式入力手段は、表示部としての画像表示はしないが、矢印や数字が表示された位置を利用者が指等で接触することにより入力可能な適宜のスイッチ装置を含む。
【0030】
また、バイブレータ109による報知は、着信による報知に限定されず、例えばスケジュール機能のアラーム通知等、本携帯情報端末を振動させることによりユーザに何らかの通知を行うための手段として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の実施形態を示す携帯情報端末の機能ブロック図である。
【図2】本実施形態の動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
【0032】
101 無線通信部
102 放送受信部
103 カメラ部
104 音声処理部
105 マイク
106 スピーカ
107 表示部
108 操作部
109 バイブレータ
110 スピーカ部
111 記憶部
112 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネル式入力手段による入力の可/不可を検出するステップと、
振動部による振動報知を行う際に、前記タッチパネル式入力手段による入力不可が検出されているときには前記振動部を第1の振動レベルで振動させ、前記タッチパネル式入力手段による入力可が検出されているときには前記振動部を前記第1の振動レベルよりも小さい第2の振動レベルで振動させるステップと、
を有することを特徴とする携帯情報端末の報知方法。
【請求項2】
前記タッチパネル式入力手段による入力不可状態において前記振動による報知が開始されたとき、前記振動による報知開始から所定時間経過後に前記タッチパネル式入力手段による入力可に切り替えるステップと、
前記振動部を前記第1の振動レベルで振動させているときにタッチパネル式入力手段による入力可に切替ったとき、前記振動部の振動レベルを前記第2の振動レベルに切り替えるステップと、
を有することを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末の報知方法。
【請求項3】
前記振動による報知は、バイブレータにより前記携帯情報端末を振動させてユーザに報知する機能であることを特徴とする請求項1または2に記載の携帯情報端末の報知方法。
【請求項4】
振動により報知を行う振動部と、タッチパネル式入力手段と、該タッチパネル式入力手段による入力の可/不可を検出する状態検出部と、前記振動により報知を行う際に前記状態検出部が前記タッチパネル式入力手段による入力不可を検出しているとき前記振動部を第1の振動レベルで振動させ、前記状態検出部が前記タッチパネル式入力手段による入力可を検出しているとき前記振動部を前記第1の振動レベルよりも小さい第2の振動レベルで振動させる振動制御部と、を備えたことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項5】
前記振動による報知開始時に前記タッチパネル式入力手段による入力不可が検出されたとき、該報知開始から所定時間経過後に前記タッチパネル式入力手段による入力を可能にする入力切替制御手段を設け、前記振動制御部は、前記振動部を前記第1の振動レベルで振動させているときにタッチパネル式入力手段による入力可に切替ったとき、前記振動部の振動レベルを前記第2の振動レベルに切り替えることを特徴とする請求項4に記載の携帯情報端末。
【請求項6】
前記振動部は、前記携帯情報端末を振動させてユーザに報知する機能を有するバイブレータであることを特徴とする請求項4または5に記載の携帯情報端末。
【請求項7】
前記タッチパネル式入力手段は、画像表示部上に配置されていることを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載の携帯情報端末。
【請求項8】
携帯情報端末が備えているコンピュータを、タッチパネル式入力手段による入力の可/不可を検出する状態検出手段、前記状態検出手段により前記タッチパネル式入力手段による入力不可が検出されているとき、振動により報知を行う振動部を第1の振動レベルで振動させ、前記状態検出手段により前記タッチパネル式入力手段による入力可が検出されているとき、前記振動部を前記第1の振動レベルよりも小さい第2の振動レベルで振動させる振動制御手段、として機能させるためのプログラム。
【請求項9】
前記タッチパネル式入力手段による入力不可状態において前記振動による報知が開始されたとき、前記振動による報知開始から所定時間経過後に前記タッチパネル式入力手段を入力可に切り替える入力切替制御手段、前記振動部を前記第1の振動レベルで振動させているときに前記タッチパネル式入力手段による入力可を前記状態検出手段が検出したとき、前記振動部の振動レベルを前記第2の振動レベルに切り替える前記振動制御手段、として機能させるための請求項7に記載のプログラム。


【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2010−152693(P2010−152693A)
【公開日】平成22年7月8日(2010.7.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−330785(P2008−330785)
【出願日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】