説明

携帯情報端末の認証装置およびその認証方法

【課題】 携帯電話機、タブレット型端末、電子ブックリーダ等といった携帯情報端末を、使用者本人のみしか使用できないようにする。
【解決手段】 携帯情報端末1に、タッチパネルモードと指紋センサモードとを共用モードとして使用できるタッチパネル式操作パネル5を設ける。使用者は、使用者の指紋を認証するための指紋センサ機能が組み込まれるとともに、指紋センサモードとタッチパネルモードとを共用モードとして使用できるように構成される。そして、操作パネルは、該携帯情報端末の電源オン時に指紋センサモードとされて、その所定個所に指紋センサ部12を表示するように構成され、この指紋センサ部を所定時間にわたって押圧操作することで指紋情報を取得し、指紋認証を行うように構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば携帯電話機等の携帯通信端末、タブレット型端末、電子ブックリーダ等といった携帯情報端末に関し、特にそのログオン認証操作を行うことで装置起動状態とし得るようにした携帯情報端末の認証装置に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯情報端末、例えば携帯電話端末等のような携帯通信端末などにおいて、指紋センサを装備したものが開発されており、携帯電話端末等でのセキュリティ目的で指紋認証による機器使用のためのロック解除等を行うようにしたものが従来から種々提案されている。
【0003】
例えば、この種の携帯電話端末等において、筐体の一部に指紋センサを露呈させて設け、操作者が指をセンサ面に接触させたり、あるいは該センサ面に接触させて動かしたりすることで、該指の指紋を読み取り、これによる指紋検知情報により指紋認証を行うようになっている(例えば、特許文献1,2参照)。
【0004】
このような指紋認証は、上記の指紋検知情報を、該端末内に予め記憶しておいた指紋認証情報と照合し、その照合、不照合で行うものが一般的であり、これにより携帯情報端末の持ち主による使用を可能とし、持ち主以外の使用は防止するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】 特開2008−5147号公報
【特許文献2】 特開2007−82139号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、上述した携帯電話端末等のような携帯通信端末などにおいて最も望まれることは、持ち主以外の不正使用を防止し、セキュリティ機能を確保することである。特に、この種の携帯通信端末などは、使用者が携帯することにより使用されるものであるから、例えば紛失、盗難時などにおいて使用者以外のものによる不正使用を防止し得ることが望まれている。
【0007】
しかし、従来の携帯情報端末などでは、前述した通り、端末機器の一部で操作パネルや操作釦などを避けた部分に指紋センサを単純に露呈させて設けているだけであるため、端末機器としての構成部品点数の増加を招き、コスト高を招いている。
【0008】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、例えば携帯電話機、タブレット型端末、電子ブックリーダ等といった携帯情報端末を、必要最小限の構成部品点数により簡単に構成でき、構造の簡素化とコスト低減を図るとともに、操作性の面でも優れ、しかも使用者本人のみしか使用できないようにすることが簡単かつ確実に行え、紛失、盗難時等での不正使用を簡単かつ確実に防止し得る携帯情報端末の認証装置及びその認証方法を得ることを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような目的に応えるために本発明(請求項1記載の発明)に係る携帯情報端末の認証装置は、各種の操作アイコンを表示可能に構成されてなるタッチパネル式の操作パネルを備えてなる携帯情報端末であって、前記操作パネルには、使用者の指紋を認証するための指紋センサ機能が組み込まれるとともに、指紋センサモードとタッチパネルモードとを共用モードとして使用できるように構成され、前記操作パネルは、該携帯情報端末の電源オン時に指紋センサモードとされて、その所定個所に指紋センサ部を表示するように構成され、この指紋センサ部を所定時間にわたって押圧操作することで指紋情報を取得し、指紋認証を行うように構成されていることを特徴とする。
【0010】
本発明(請求項2記載の発明)に係る携帯情報端末の認証装置は、請求項1において、前記所定時間は、約2秒程度の継続した押圧操作とされていることを特徴とする。
【0011】
本発明(請求項3記載の発明)に係る携帯情報端末の認証装置は、請求項1または請求項2において、携帯情報端末はインタネット上の種々のウエブサイトに対し通信接続され、前記指紋情報を外部に送出する外部信号送出手段を備えるとともに、前記携帯情報端末がインタネットを介して接続され、前記指紋情報が予め登録された指紋登録情報と照合されることにより指紋認証を行う指紋登記所を備えてなり、この指紋登記所で指紋認証されるように構成されていることを特徴とする。
【0012】
本発明(請求項4記載の発明)に係る携帯情報端末の認証装置は、請求項1ないし請求項3のいずれか1項において、前記操作パネルは、指紋センサとしての機能を備えるとともに、該指紋センサ部の当接面上での指先の動きまたは圧力が作用する位置の変化を感知するように構成され、この感知情報に基づき、該携帯情報端末の操作パネル面上でのカーソルまたはポインタを移動させるように構成されていることを特徴とする。
【0013】
本発明(請求項5記載の発明)に係る携帯情報端末の認証方法は、各種の操作アイコンを表示可能に構成されてなるタッチパネル式の操作パネルを備えてなる携帯情報端末における認証方法であって、前記操作パネルには、使用者の指紋を認証するための指紋センサ機能が組み込まれ、指紋センサモードとタッチパネルモードとを共用モードとして使用できるように構成されるとともに、前記操作パネルは、該携帯情報端末の電源オン時に指紋センサモードとされて、その所定個所に指紋センサ部を表示するように構成されており、 電源オン時において操作パネル上に指紋センサ部を表示し、その指紋センサ部を所定時間にわたって押圧操作し、その認証装置によってすることで指紋情報を取得し、指紋認証を行うように構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように本発明に係る携帯情報端末の認証装置及びその認証方法によれば、操作パネルの一部に指紋センサ部を表示するようにし、該指紋センサ部を押圧操作することで該端末の操作を行えるようにしたので、簡単な構成であるにもかかわらず、例えば携帯電話機、タブレット型端末、電子ブックリーダ等といった携帯情報端末を、必要最小限の構成部品点数により簡単に構成でき、構造の簡素化とコスト低減を図るとともに、操作性の面でも優れている等の種々優れた効果がある。
【0015】
特に、上述した構成による本発明によれば、指紋センサ部での認証によって携帯情報端末を起動するようにしているため、使用者本人のみしか使用できないようにすることが簡単かつ確実に行え、例えば紛失、盗難時等での不正使用を簡単かつ確実に防止し得るといった優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】 本発明に係る携帯情報端末の認証装置の一実施例を示す通信ネットワークの概略構成図である。
【図2】 携帯情報端末の認証装置をインタネットを介して指紋登記所に登記、詠み出し、認証をするための説明図である。
【図3】 携帯情報端末において指紋センサ部となるアイコンを表示した状態を示す概略説明図である。
【図4】 携帯情報端末において指紋センサ部を操作する際の状態を示す概略説明図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各種の操作アイコンを表示可能に構成されてなるタッチパネル式の操作パネルを備えてなる携帯情報端末であって、
前記操作パネルには、使用者の指紋を認証するための指紋センサ機能が組み込まれるとともに、指紋センサモードとタッチパネルモードとを共用モードとして使用できるように構成され、
前記操作パネルは、該携帯情報端末の電源オン時に指紋センサモードとされて、その所定個所に指紋センサ部を表示するように構成され、
この指紋センサ部を所定時間にわたって押圧操作することで指紋情報を取得し、指紋認証を行うように構成されていることを特徴とする携帯情報端末の認証装置。
【請求項2】
請求項1記載の携帯情報端末の認証装置において、
前記所定時間は、約2秒程度の継続した押圧操作とされていることを特徴とする携帯情報端末の認証装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の携帯情報端末の認証装置において、
携帯情報端末はインタネット上の種々のウエブサイトに対し通信接続され、前記指紋情報を外部に送出する外部信号送出手段を備えるとともに、
前記携帯情報端末がインタネットを介して接続され、前記指紋情報が予め登録された指紋登録情報と照合されることにより指紋認証を行う指紋登記所を備えてなり、
この指紋登記所で指紋認証されるように構成されていることを特徴とする携帯情報端末の認証装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のいずれか1項に記載の携帯情報端末の認証装置において、
前記操作パネルは、指紋センサとしての機能を備えるとともに、該指紋センサ部の当接面上での指先の動きまたは圧力が作用する位置の変化を感知するように構成され、
この感知情報に基づき、該携帯情報端末の操作パネル面上でのカーソルまたはポインタを移動させるように構成されていることを特徴とする携帯情報端末の認証装置。
【請求項5】
各種の操作アイコンを表示可能に構成されてなるタッチパネル式の操作パネルを備えてなる携帯情報端末における認証方法であって、
前記操作パネルには、使用者の指紋を認証するための指紋センサ機能が組み込まれ、指紋センサモードとタッチパネルモードとを共用モードとして使用できるように構成されるとともに、
前記操作パネルは、該携帯情報端末の電源オン時に指紋センサモードとされて、その所定個所に指紋センサ部を表示するように構成されており、
電源オン時において操作パネル上に指紋センサ部を表示し、
その指紋センサ部を所定時間にわたって押圧操作し、
その認証装置によってすることで指紋情報を取得し、指紋認証を行うように構成されていることを特徴とする携帯情報端末の認証方法。

【図4】 (a)は指紋登記所での指紋情報の登録手順、(b)は指紋登記所での指紋情報の認証手順を説明するための図である。
【図5】 指紋登記所による電子認証、電子決済手順を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
携帯情報端末を、タッチパネルとしての操作パネルに指紋センサを一体的に付設し、使用者本人との認証を行うことにより、使用者本人のみしか使用できないようにする。
【実施例1】
【0018】
図1ないし図4は本発明に係る携帯情報端末の認証装置およびその認証方法の一実施例を示す。
これらの図において、符号1はタブレット型端末としての携帯情報端末であり、これらの携帯情報端末1は、プロバイダ2によりインタネット3に適宜接続され、該インタネット3を介して種々のウエブサイト4にアクセス接続可能に構成されている。
【0019】
このような種々のウエブサイト4としては、周知の通り、様々なものが知られているが、ここでは、該ウエブサイト4との接続にあたって、電子認証、電子決済等が行われる、例えば銀行、証券、保険、ショップ、などを例示している。
【0020】
この実施例によれば、携帯情報端末としてタブロッド型端末を用いた場合を例示している。このタブロッド型端末1は、図1、図3等に示すように、端末筐体の一面とほぼ等しい大きさをもつタッチパネル式の操作パネル6を備え、種々の操作用アイコン7や各種の操作釦、操作キーなどを表示可能に構成されている。
【0021】
本発明による携帯情報端末としてのタブレット型端末1によれば、その操作パネル6には、使用者の指紋を認証するための指紋センサ機能が組み込まれるとともに、指紋センサモードとタッチパネルモードとを共用モードとして使用できるように構成されている。すなわち、この操作パネル6は、該端末1の電源オン時に指紋センサモードとされて、その所定個所に図3に示すような指紋センサ部12を表示するように構成され、この指紋センサ部12を所定時間にわたって押圧操作することで指紋情報を取得し、指紋認証を行うように構成されている。
【0022】
ここで、上述した操作パネル6での指紋センサ部12は、例えば、約2秒程度の継続し、ある程度の強さで押圧操作することによりオンし、操作者の手Hの親指F等の指紋を読み取って認証するように構成されている。
【0023】
なお、図4中、符号16はタッチパネル式操作パネル6を構成する操作パネル板で、その表裏面には適宜の回路等が設けられている。17はこれにフレキシブルケーブル等を介して接続されたメイン基板であり、これらによって周知のタッチパネル式操作パネル6が構成されている。
【0024】
このような構成による操作パネル6は、通常のタッチパネル式としての表示、操作機能のほか、指紋センサとしての機能を備えるとともに、該指紋センサ部12の当接面上での指先の動きまたは圧力が作用する位置の変化を感知するように構成され、この感知情報に基づき、該携帯情報端末の操作パネル面上でのカーソルまたはポインタを移動させるように構成されている
【0025】
また、本実施例では、上述した携帯情報端末としてのタブレット型端末1はインタネット上3の種々のウエブサイト4に対し通信接続されるとともに、前記指紋センサ部12で読み取った指紋情報を外部に送出する外部信号送出手段を備えている。さらに、このタブレット型端末1は、操作パネル6により検知した指紋情報を外部に送出するCPU、その他タブレット型端末1として必要とされる各種の機能を備えている。
【0026】
一方、このタブレット型端末1がインタネット3を介して接続されることにより前記指紋情報が予め登録された指紋登録情報と照合されることで指紋認証を行う指紋登記所30が設けられている。
【0027】
以上の構成によれば、各種の操作アイコン7を表示可能に構成されてなるタッチパネル式の操作パネル6を備えてなる携帯情報端末1において、操作パネル6は、該端末1の電源オン時に指紋センサモードとされて、その所定個所に指紋センサ部12を表示するように構成されている。
【0028】
そして、端末1の電源オン時において操作パネル6上に指紋センサ部12を表示し(図3等参照)、その指紋センサ部12を所定時間にわたって押圧操作し、その認証装置によってすることで指紋情報を取得し、指紋認証を行うように構成されている。
【0029】
また、本実施例では、タブレット型端末1がインタネット3を介して接続され、そこで検知した指紋情報が、予め登録された指紋登録情報と照合されることにより指紋認証を行う指紋登記所30で登録、認証などを行うようになっている。すなわち、図5(b)のS21〜S25に示すように、この指紋登記所30で認証されることにより、当該端末1は、種々のウエブサイト4に対しインタネット3を介して接続可能に構成され、これにより該端末1をインタネット3上の種々のウエブサイト4に対し接続し電子認証、電子決済するように構成されている。
【0030】
なお、指紋登記所30への指紋情報の登録は、図5(a)のS11〜S14に示す手順等で適宜行われる。
また、図2中、31は指紋登記所30に設けられたセキュリティシステムである。
【0031】
以上の構成による認証決済システムによれば、タブレット型端末1をインタネット3上の種々のウエブサイト4に対し接続して電子認証、電子決済するにあたって、タブレット型端末1に設けられ指紋センサモードとタッチパネルモードとを共用モードとして使用できる操作パネル20により、予め指紋登録情報を指紋登記所30に登録することが必要である。
【0032】
このような状況下において、図6のS31〜S36に示すように、タブレット型端末1の操作パネル20のタッチパネルモードで該タブレット型端末1をインタネット3を介して指紋登記所30に接続する。さらに、操作パネル20上に親指22等の指を接触させて検出した指紋情報を前記指紋登記所30に送出する。
【0033】
すると、指紋登記所30においては、予め登録されている指紋登録情報と送られてきた指紋情報との照合が行われ、合致するか否かの判定が行われ、該携帯電話端末1のアクセスを認証するか否かの判断が行われ、その判定情報が送出されることになる。
【0034】
このような認証決済システムによれば、各ウエブサイト4は、タブレット型端末1からのアクセスがあり、電子認証、さらに電子決済が必要な場合に、当該タブレット型端末1から送られてきた指紋情報を、前記指紋登記所30に送り、その判定を受信することで、当該タブレット型端末1が正規のユーザであるか否かを判断し、電子認証、さらには電子決済を行うことができるものである。
【0035】
したがって、従来のようなID、パスワードのみでの認証、決済に比べて、より確実性の高い認証、決済を行うことが可能となり、セキュリティの面で優れている。
勿論、従来から知られているようなタブレット型端末1の不正使用を防ぐために、指紋登記所30を利用するようにすることもできるものである。
【0036】
なお、本発明は上述した実施の形態で説明した構造には限定されず、携帯情報端末としてのタブレット型端末1、これに採用している認証装置を構成する各部の形状、構造等を適宜変形、変更し得ることはいうまでもない。
たとえば指紋センサ部12としては、従来から種々知られている感圧式センサに限らず、種々の構造をもつセンサであってもよい。要は、指紋情報を検出できればよい。
【0037】
また、上述したタブレット型端末1等から送出する指紋情報としても、指紋そのものをスキャンした情報に限らず、指紋の主な個所のみを抽出した指紋情報であってもよく、またそれを暗号化してモデル化した簡易情報であってもよい。このような情報の簡略化を図ると、認証などにあたっての通信量が削減でき、認証速度も迅速化することになる。
【符号の説明】
【0038】
1 タブロット型端末(携帯情報端末)
2 プロバイダ
3 インタネット
4 ウエブサイト
5 操作パネル
6 操作用アイコン
12 指紋センサ部
16 操作パネル板
17 メイン基板
30 指紋登記所
H 手
Y 親指
【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図3】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−226720(P2012−226720A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108772(P2011−108772)
【出願日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【出願人】(591038152)進展産業株式会社 (17)
【Fターム(参考)】