説明

携帯情報端末を使用したカード決済方法,前記方法を実施するための決済処理サーバ,決済システム及びプログラム,並びに前記プログラムを記録した記録媒体

【課題】クレジットカードをカードリーダに通すことなしにクレジットカードによる決済を可能とする決済システムを提供する。
【解決手段】決済システム1を,店舗レジスタ30,決済処理サーバ10,顧客の携帯情報端末40,及び検索ページの照会システム50によって構成する。店舗レジスタ30より売上明細情報を決済処理サーバ10に送ると,決済処理サーバ10はカード決済用のWebページのURLを店舗レジスタ30に返し,店舗レジスタ30はこれを二次元コード等として,買い物等を行った顧客に提示する。顧客は携帯情報端末40でこのコードを読み込んで決済用Webページを表示し,該ページ上の誘導に従い,カード番号,有効期限等の必要な情報を入力して決済処理サーバ10に返すと,決済処理サーバ10が照会システム50を使用してカードの照会を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は,携帯情報端末を使用したカード決済方法,前記方法を実施するための決済処理サーバ,決済システム及びプログラム,並びに前記プログラムを記録した記録媒体に関し,より詳細には,実店舗(仮想空間に存在する店舗ではなく,現実に存在する店舗。)でのクレジットカード決済を,携帯電話機,スマートフォン等のPDA,その他の携帯情報端末を使用して行うことができるようにした新規なカード決済方法,前記方法を実施する決済処理サーバ,該管理サーバを含むカード決済システム,サーバコンピュータに前記決済処理を行わせるプログラム,並びに前記プログラムを記録した記録媒体に関する。
【背景技術】
【0002】
現金を持ち歩くことなく購入した商品や提供を受けたサービスに対する支払いを行うことができるクレジットカード決済は広く一般に普及しており,特に,利用金額に応じてポイントが付与されるポイントサービスや,提携航空会社のマイレージを付与するマイレージサービス等による誘引によって,支払い時,現金ではなくむしろクレジットカードによる決済を選択する消費者も増えており,クレジットカードによる決済が可能であるか否かは,顧客が店舗を選ぶ際に考慮する条件の一つとなっている。
【0003】
このようなクレジットカードによる決済を可能とするためには,店舗側において予め信販会社や決済代行業者等の決済機関との間で契約を交わしておく等の手続面での準備が必要となるだけでなく,店舗側設備として,レジスタ等の通常の店舗に装備されている機器の他に,クレジットカードに記録された情報を読み取るためのカードリーダや,決済機関との間でカード情報の照会を行うための通信手段等を備えた高価なカード決済装置を設置する必要がある等,設備面においても店舗側に負担を強いるものとなっている。
【0004】
その結果,比較的小規模の小売店等では,依然としてクレジットカードによる決済を導入していない店舗も多く,このような店舗では,購入意欲があり,且つクレジットカードを所持しているが現金の持ち合わせが無い客,ポイントサービス,マイレージサービスによる誘引等により現金ではなくクレジットカードでの支払いを望む客を取り逃がすことも多い。
【0005】
そのため,高価なカード決済装置を導入することなく,比較的簡易にカード決済を行えるシステムを構築することが望まれており,このようなシステムを構築することができれば,小規模の店舗等であっても初期投資を低く抑えてカード決済を導入することができ,今までカード決済の導入に二の足を踏んでいた小売店等における新たな需要の掘り起こしが期待できる。
【0006】
ここで,クレジットカードによる決済に関するものではないが,クレジットカード未加盟の小売店に対しても,クレジットカードによる決済と同様,現金によらない信用販売を行えるようにすることを目的として,携帯電話をクレジットカード代わりに利用できるようにした決済方法も提案されている(特許文献1参照)。
【0007】
この決済方法は,店舗のPOS端末から料金情報を,該店舗で買い物をした利用者の携帯電話機に例えば「ブルートゥース」等の近距離通信や,ISO14443規格の非接触ICカード等を利用して直接送信する。
【0008】
そして,利用者は,料金情報を受信した携帯電話機から通信事業者の決済支援システムに決済依頼情報と料金情報を送信し,決済支援システムにおいて通信事業者から店舗への料金支払いについての決済処理が行われ,決済支援システムから携帯電話機に決済通知情報を送信する。
【0009】
店舗との間の決済が完了した後,通信事業者は利用者から携帯使用料金の引き落としと一緒に当該利用者が行った買物代金の引き落としを行うことで,携帯電話の通信事業者が,決済代行業者や信販会社に代わり決済代行を行うものとしている。
【0010】
なお,POS(販売時点情報管理)システムとして,各店舗のPOSレジスタにインターネット,その他の通信網を利用した通信機能を持たせることにより,店舗外に設けられた管理センターに,複数店舗のPOSデータを一括して管理する,例えばASP(アプリケーション サービス プロバイダ)が提供するPOSサーバを設置することで,従来,各店舗に配備していた店舗サーバを不要とすることも提案されており,このようなPOSシステムの構築により,小規模の小売店等であってもPOSシステムを提供するASPに例えば月額使用料を支払う等することで,店舗サーバ等の高価な機器を店舗毎に導入することなく,従って初期投資を低く抑えてPOSシステムを導入できるようにすることも提案されている(非特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】特開2006−331437号公報
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】Web−POSシステム「Webee」の説明文(株式会社セラシステムのホームページ;http://www.cela.co.jp/webee/index.html)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
前述したように,既知のクレジットカード決済を採用するに際し,店舗側は,カードリーダやカード情報を照会するための通信手段等を備えた高価なカード決済装置を店舗毎に設置する必要があり,店舗側は多大な初期投資を強いられるものとなっていた。
【0014】
しかも,従来のカード決済方法では,このようなカード決済装置を使用することが,カード犯罪で多用される「スキミング(Skimming)」の被害を発生させる原因となっていた。
【0015】
すなわち「スキミング」とは,クレジットカードに貼着されている磁気テープやICチップに書き込まれている情報を盗み取り,まったく同じ情報を持つカードを複製するものであり,「スキマー」と呼ばれる装置でカードに記録されているデータを読み取り,又は,店舗に設置されたカードリーダに,読み取ったカードの情報を記録,または送信・中継する部品を不正に組み込むことによって行われる。
【0016】
従って,クレジットカードを他人に手渡さない,カードリーダを通さない,カード情報を他人に教えない,ということがスキミングを回避するための最も有効な手段であるが,従来より行われているカード決済装置を使用した決済では,この装置に設けられたカードリーダによってクレジットカードに記録された情報の読み取りが行わるだけでなく,この作業は,通常,店舗側の人間(店員等)が行うことから,精算時,顧客は一旦クレジットカードを他人(店員等)に手渡す必要があり,この際に,前述したスキミングによってクレジットカードの情報が盗まれ,また,カード番号や有効期限等が控えられてしまう可能性がある。
【0017】
特に,レストラン等においてテーブルに着いたまま精算を行おうとした場合のように,カードの受け渡しが行われる場所(例えば「テーブル」)と,カード決済装置の設置場所(例えば「レジ」)が離れている場合には,クレジットカードの読み取り,その他の処理が顧客の目の届かない場所で行われ,しかも,カードが比較的長時間,顧客の手元を離れることとなるため,顧客が感じる不安も大きい。
【0018】
そのため,カードリーダによるカード情報の読み取りを行うことなく,かつ,カードに記録された情報を店員等に知らせることなしにカード決済を行うことができれば,顧客がスキミング等の犯罪被害に遭う機会を大幅に低減させることができるだけでなく,店舗側は,カードリーダ等を備えた既知のカード決済装置を設置する必要がなく,カード決済の導入に際して初期投資を大幅に低減することができる。
【0019】
前述したような従来のカード決済方法に対し,特許文献1に記載の方法は,クレジットカードによる決済に関するものではないが,顧客は,POSレジスタから料金情報を単距離無線通信や非接触型ICによる通信によって直接,携帯電話機で受信し,この情報に基づいて,顧客が自らの手で通信事業者に対し決済依頼を行うことで,通信事業者が小売店に対する決済の代行を行うと共に,その後,通信事業者は携帯使用料金等と一緒に決済代金の回収を行うことで,携帯電話機に,クレジットカードに類似の機能を持たせることができる。
【0020】
しかも,クレジットカードに代わる携帯電話機は,顧客自身によって操作されるため,例えば携帯電話番号,携帯電話機の固体識別番号,必要に応じて携帯電話機を介して入力される暗証番号等が他人に知られる危険性も少ない。
【0021】
しかし,前掲の特許文献1に記載の方法は,クレジットカードによる決済とは決済方法そのものが異なるため,クレジットカード決済にまつわる前述した各種の問題点を解消できるものとはなっていない。
【0022】
また,クレジットカードによる決済ではないため,クレジットカード決済に関し既に確立している既存のシステムを利用することができず,通信事業者による決済代行を可能とするための全く新たなシステム構築が必要となる。
【0023】
しかも,特許文献1に記載の方法による決済を行うためには,顧客が,決済代行を行う通信事業者が提供する携帯電話サービスのユーザであり,且つ,この通信事業者との間で決済代行の契約を結んでいる必要があり,上記方法による決済を利用できる顧客層が極めて限定されるため,この決済方法を導入するとしても,クレジットカードによる決済と平行して採用されるものとなることが予測される。
【0024】
加えて,上記特許文献1に記載の方法では,顧客側はクレジットカードに代わる携帯電話機を終始手元に置いたままで決済を終了させることができることから,不正に情報が盗まれるといった被害から保護され得るが,店舗側は,POSレジスタで入力した料金情報を顧客の携帯電話機に送信すると,その後の処理は顧客の携帯電話機と通信事業者のシステム間のみで進められ,店舗側には,携帯電話機のディスプレイ上に表示された決済通知情報(通信事業者側で決済申請を受け付けたことの通知)が提示されるのみである(特許文献1[0034]欄他)。
【0025】
そのため,顧客側において不正が行われ,実際には決済申請や決済申請の受付が行われていなかったとしても,店舗側ではこれを確認することができず,店舗側が詐欺等の犯罪に遭う危険性がある。
【0026】
また,上記のようにPOSレジスタで入力した料金情報を顧客の携帯電話機に送信した後の処理は,顧客の携帯電話機と通信事業者のシステム間のみで行われるため,店舗側に設けられているPOSシステムによる販売時点情報管理はクレジットカードの決済とは別に行う必要があると共に,カード決済に際し,POSシステムのデータベースに記録されているデータを利用することもできない。
【0027】
そこで本発明は,上記従来技術における欠点を解消するために成されたものであり,店舗側は,カードリーダ等を備えた既知のカード決済装置を導入する必要なしにクレジットカード決済を導入することが可能になると共に,顧客側は,クレジットカードを他人に手渡すことも,カードリーダにクレジットカードを通すことも,更には,カード情報を他人に知らせることもなしに,クレジットカードによる決済を完了することができ,店舗側,顧客側の双方とってメリットがあると共に安全性の高い,カード決済方法,前記方法を実現するための決済処理サーバ,前記決済処理サーバを含むカード決済システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0028】
以下に,課題を解決するための手段を,発明を実施するための形態で使用する符号と共に記載する。この符号は,特許請求の範囲の記載と発明を実施するための形態の記載との対応を明らかにするためのものであり,言うまでもなく,本願発明の技術的範囲の解釈に制限的に用いられるものではない。
【0029】
上記課題を達成するために,本発明の携帯情報端末を使用したカード決済方法は,
店舗に来店した顧客が所持する携帯情報端末40とインターネットを介して接続可能であると共に,各店舗に設置された通信機能を有する店舗レジスタ30,及び決済機関の照会システム50と通信回線を介して接続可能に構成された決済処理サーバ10を設け,
前記決済処理サーバ10が,
前記店舗レジスタ30で入力された売上明細情報を受信したとき,所定の記憶領域に前記売上明細情報を記憶すると共に,該売上明細情報に係る取引の決済用に生成するWebページである個別決済ページ70に前記携帯情報端末40を誘導可能な誘導情報を前記店舗レジスタ30に返信する,誘導情報出力処理,
前記携帯情報端末40からインターネットを介して前記誘導情報に従った前記個別決済ページ70への接続要求があったとき,該要求を行った携帯情報端末40に,前記売上明細情報のうちの少なくとも売上金額の表示と共に,クレジットカードのカード番号及び有効期限の入力欄を含む個別決済ページ70を表示させる,決済ページ表示処理,
前記携帯情報端末40から前記個別決済ページ70を介して入力されたクレジットカードのカード番号及び有効期限を伴う決済要求を受信して,該決済要求に対する照会要求を,検索ページの照会システム50に送信する,照会実行処理,
前記照会システム50からの照会結果を受信して,該照会結果を前記店舗レジスタ30及び前記携帯情報端末40のそれぞれに送信する,照会結果出力処理,
を行うことを特徴とする(請求項1)。
【0030】
前記誘導情報出力処理において前記店舗レジスタ30に返信される前記誘導情報が,前記個別決済ページ70を含むWebサイトの検索ページ60のURLと,前記売上明細情報を特定するコードである売上コードによって構成され,
前記決済ページ表示処理において,前記決済処理サーバ10が,前記誘導情報に含まれるURLを指定して接続要求を行った前記携帯情報端末40に,売上コードの入力欄61を有する前記検索ページ60を表示させると共に,該検索ページ60の入力欄61に対する前記売上コードの入力により,該入力を行った携帯情報端末40に前記個別決済ページ70を表示させるように構成することができる(請求項2)。
【0031】
又は,前記誘導情報出力処理において前記店舗レジスタ30に返信される前記誘導情報が,前記個別決済ページ70のURLであり,
前記決済ページ表示処理において,前記決済処理サーバ10が,前記誘導情報に対応するURLを指定した前記携帯情報端末40に対し,前記個別決済ページ70を直接表示させるようにしても良い(請求項3)。
【0032】
上記カード決済方法において,前記誘導情報出力処理によって前記決済処理サーバ10より前記誘導情報を受け取った前記店舗レジスタ30が,該店舗レジスタ30のディスプレイ32に前記誘導情報を表示し,及び/又は,該店舗レジスタ30のプリンタ36で前記誘導情報を印刷する,誘導情報表示/印刷処理を行うようにすることもできる(請求項4)。
【0033】
この場合,誘導情報表示/印刷処理において,前記店舗レジスタ30が,前記誘導情報のうちURLに係る部分を,携帯情報端末40に設けられたカメラで読み取り可能なコードとして前記ディスプレイ32に表示し,及び/又は前記プリンタ36で印刷するようにすることが好ましい(請求項5)。
【0034】
更に,前記誘導情報表示/印刷処理に代え,又は誘導情報表示/印刷処理と共に,前記店舗レジスタ30に例えばISO/IEC 14443規格等の非接触型ICカード用のICカードライタ38を設け,前記誘導情報出力処理によって前記決済処理サーバ10より前記誘導情報を受け取った前記店舗レジスタ30が,前記ICカードライタ38を介して前記誘導情報に含まれるURLを,前記売上明細情報に係る取引を行った顧客の携帯情報端末40の非接触型ICに書き込む,URL書込処理を行うように構成することもできる(請求項6)。
【0035】
更に,上記いずれの方法においても,前記照会結果出力処理によって前記決済処理サーバ10より照会結果を受信した前記店舗レジスタ30が,受信した照会結果が決済の承認であるとき,カード決済の承認がされた取引内容の明細をレシートとして印刷する,レシート印刷処理を行うようにすることができる(請求項7)。
【0036】
また,前述したカード決済方法を実現する,本発明の決済処理サーバ10は,店舗に来店した顧客が所持する携帯情報端末40とインターネットを介して接続可能であると共に,各店舗に設置された通信機能を有する店舗レジスタ30,及び検索ページの照会システム50と通信回線を介して接続可能に構成されたサーバコンピュータであり,
前記店舗レジスタ30で入力された売上明細情報を受信したとき,所定の記憶領域に前記売上明細情報を記憶すると共に,該売上明細情報に係る取引の決済用に生成するWebページである個別決済ページ70に前記携帯情報端末40を誘導可能な誘導情報を前記店舗レジスタ30に返信する,誘導情報出力手段10a,
前記携帯情報端末40からインターネットを介して前記誘導情報に従った前記個別決済ページ70への接続要求があったとき,該要求を行った携帯情報端末40に,前記売上明細情報のうちの少なくとも売上金額の表示と共に,クレジットカードのカード番号及び有効期限の入力欄を含む個別決済ページ70を表示させる,決済ページ表示手段10b,
前記携帯情報端末40から前記個別決済ページ70を介して入力されたクレジットカードのカード番号及び有効期限を伴う決済要求を受信して,該決済要求に対する照会要求を,検索ページの照会システム50に送信する,照会実行手段10c,及び,
前記照会システム50からの照会結果を受信して,該照会結果を前記店舗レジスタ30及び前記携帯情報端末40のそれぞれに送信する,照会結果出力手段10d,
を備えることを特徴とする(請求項8)。
【0037】
上記決済処理サーバ10において,
前記誘導情報出力手段10aが前記店舗レジスタ30に返信する前記誘導情報が,前記個別決済ページ70を含むWebサイトの検索ページ60のURLと,前記売上明細情報を特定するコードである売上コードによって構成され,
前記決済ページ表示手段10bが,前記誘導情報に含まれるURLを指定して接続要求を行った前記携帯情報端末40に,売上コードの入力欄61を有する前記検索ページ60を表示させると共に,該検索ページ60の入力欄61に対する前記売上コードの入力により,該入力を行った携帯情報端末40に前記個別決済ページ70を表示させるように構成することができる(請求項9)。
【0038】
又は,前記構成に代え,前記誘導情報出力手段10aが前記店舗レジスタ30に返信する前記誘導情報を,前記個別決済ページ70のURLとし,
前記決済ページ表示手段10bが,前記誘導情報に対応するURLを指定した前記携帯情報端末40に対し,前記個別決済ページ70を直接表示させるように構成しても良い(請求項10)。
【0039】
更に,本発明の決済システム1は,
各店舗に設置された通信機能を有する店舗レジスタ30,店舗に来店した顧客が所持する携帯情報端末40,及び検索ページの照会システム50と,
前記携帯情報端末40とインターネットを介して接続可能であると共に,前記店舗レジスタ30及び前記照会システム50と通信回線(インターネットを含む)を介して接続可能に構成された,前述したいずれかの決済処理サーバ10によって構成されている(請求項11〜13)。
【0040】
上記決済システム1の構成において,前記店舗レジスタ30には,前記決済処理サーバ10より受け取った前記誘導情報をディスプレイ32に表示し,及び/又は,プリンタ36で印刷する,誘導情報表示/印刷手段30bを設けることができる(請求項14)。
【0041】
また,この決済システム1において,決済処理サーバ10の前記誘導情報出力手段10aは,前記誘導情報に含まれる情報のうち,URLに係る部分を前記携帯情報端末40に設けられているカメラで読み取り可能なコードに変換して出力するようにしても良く(請求項15),
又は,上記コードへの変換は,前記店舗レジスタ30の前記誘導情報表示/印刷手段30b側において行い,前記ディスプレイ32に表示し,及び/又は前記プリンタ36で印刷するようにしても良い(請求項16)。
【0042】
更に,前記店舗レジスタ30には,前記誘導情報表示/印刷手段30bに代え,又は誘導情報表示/印刷手段30bと共に,ISO/IEC 14443規格等の非接触型ICカード用のICカードライタ38を設けると共に,前記誘導情報のうちのURLに係る部分を,前記ICカードライタ38を介して携帯情報端末40の非接触型ICに書き込む,URL書込手段30cを設けるものとしても良い(請求項17)。
【0043】
更に,店舗レジスタ30には,前記決済処理サーバ10より受信した前記照会結果が決済の承認であるとき,プリンタ36にカード決済の承認がされた取引内容の明細をレシートとして印刷させる,レシート印刷手段30dを設けることもできる(請求項18)。
【0044】
更に,前記店舗レジスタ30は,3GWiFi等の無線送受信機能を備えた本体31と,前記本体31とは別体として形成されていると共に,前記本体31と無線通信可能で,且つ,タッチパネルや操作キー等の入力手段を備えた携帯電話機,スマートフォン,電子ブックリーダ等のPDA,その他の携帯情報端末から成る可搬式ディスプレイ32を設けることができる(請求項19)。
【0045】
この場合,前記店舗レジスタ30の前記本体31に,移動体通信網の無線基地局との接続を可能とする無線送受信機能を付与すると共に,該本体31と前記可搬式ディスプレイ32にそれぞれバッテリ(図示せず)を搭載することが好ましい(請求項20)。
【0046】
更に,本発明は,サーバコンピュータに,前述したカード決済方法(請求項1〜3)を行わせるためのプログラム(請求項21),及び,該プログラムを記録した記録媒体(請求項22)をその範囲に含む。
【発明の効果】
【0047】
以上説明した本発明の構成により,本発明の携帯情報端末を使用したカード決済方法,前記方法を実現するための決済処理サーバ10,前記決済処理サーバ10を備えた決済システム1によれば,店舗側は,カードリーダ等を備えた既知のカード決済装置を導入することなく,決済処理サーバ10との通信が可能な店舗レジスタ30,例えばレジスタ用のソフトウェアを記憶させたパーソナルコンピュータや携帯情報端末を設置するだけで,クレジットカードによる決済を行うことが可能となると共に,顧客側は,店員等の他人に対しクレジットカードを渡すことも,クレジットカードをカードリーダに通すことも,更にはカード番号等のクレジットカードの情報を店員等に対し知らせることも無しに,精算を完了することができるために,カード情報を盗まれる危険性が大幅に低下することから,店舗側,顧客側の双方にとってメリットがあると共に,店舗側,顧客側の双方が決済処理に関与し,且つ,照会結果を通知されることで,双方にとって安全性の高いカード決済を実現することができた。
【0048】
また,クレジットカードの決済処理を,店舗レジスタ30から決済処理サーバ10に売上明細情報を送信することを起点として開始することで,同様に売上明細情報(販売時点情報)を管理センターのPOSサーバに送信して記録させる,従来技術として説明したWeb−POSシステムを基幹とし,これに,決済処理サーバ10と顧客の携帯情報端末40間での処理を可能とすることで,既存のWeb−POSシステムを利用して,本発明のカード決済システムを容易且つ比較的安価に構築することができた。
【0049】
さらに,既存のWeb−POSシステム上に本発明の決済システムを構築することで,既にWeb−POSサービスの提供を受けている店舗では,POSレジスタのプログラムを更新するだけで,新たな機器の導入なしに本発明のカード決済システムの導入が可能となった。
【0050】
店舗レジスタ30において,誘導情報を表示し,及び/又は印刷することで,この表示乃至は印刷された誘導情報に基づいて,顧客の携帯情報端末40を所定のWebサイト上に設けた個別決済ページ70に比較的容易に誘導することができた。
【0051】
特に,この誘導情報のうち,URLに係る部分を,例えば「QRコード」(登録商標)等の二次元コード,その他,携帯情報端末40に一般的に設けられているカメラによって読み取り可能なコードとして表示及び/又は印刷することで,又は,携帯情報端末40に装備されているISO/IEC 14443規格等の非接触型ICカードに,ICカードライタ38を使用してURLを書き込むことで,顧客に煩わしいURLの入力を行わせることなしに,顧客の携帯情報端末40を個別決済ペーシ70に誘導することができた。
【0052】
更に,決済の承認がされた際,店舗レジスタ30に,カード決済の承認がされた取引内容の明細を表示したレシートを印刷させることで,顧客に対して決済内容の控えとしてレシートを提示することができた。
【0053】
なお,このレシートは,例えば顧客用と店舗用控えをそれぞれ印刷しておくと共に,店舗用控えにサイン欄を設け,ここに顧客のサインを得た後に店舗側でこれを回収,保管するようにしても良い。
【0054】
なお,店舗レジスタ30を,本体31と,前記本体に対し無線通信可能で,且つ,タッチパネル等の入力手段を備えた可搬式ディスプレイ32を備える構成とした場合には,例えばレストラン等におけるテーブルでの精算の際,店員がこの可搬式ディスプレイ32をテーブルまで持参することで,各テーブルでの精算が容易となった。
【0055】
更に,前記可搬式ディスプレイ32と前記本体31にそれぞれバッテリーを搭載した構成にあっては,店舗レジスタ30に対する電力の供給が絶たれた場合であっても,店舗レジスタ30を機能させることができるだけでなく,周辺地域における移動体通信網が機能していればクレジットカードによる決済を行うことも可能であり,停電時においても店舗の営業を継続することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0056】
【図1】本発明の決済システムの全体構成を示す概略説明図。
【図2】本発明の決済システムの機能ブロック図。
【図3】店舗レジスタの構成例を示す説明図。
【図4】携帯情報端末の画面表示例(個別決済ページを含むWebサイトの検索ページを表示した状態)。
【図5】携帯情報端末の画面表示例(図4に対し売上コードを入力した状態)。
【図6】携帯情報端末の画面表示例(個別決済ページを表示した状態)。
【図7】店舗レジスタにおける処理フロー図。
【図8】決済処理サーバにおける処理フロー図。
【図9】携帯情報端末における処理フロー図。
【図10】決済機関(決済代行業者)の照会システムにおける処理フロー図。
【発明を実施するための形態】
【0057】
次に,本発明の好適な実施形態につき,添付図面を参照しながら以下説明する。
【0058】
〔カード決済システムの全体構成〕
本発明のカード決済システム1は,図1に示すように,店舗に設けられた,通信機能を有する店舗レジスタ30,該店舗で商品の購入やサービスの提供を受ける顧客が所持する携帯情報端末40,決済代行業者や信販会社等の決済機関,本実施形態にあっては決済代行業者の照会システム50,及び,前記携帯情報端末40とインターネットを介して接続可能であると共に,前記店舗レジスタ30,前記照会システム50と通信回線(図示の例ではインターネット)を介して接続可能に構成された,サーバコンピュータによって構成される決済処理サーバ10を備えている。
【0059】
図1に示す実施形態は,本発明のカード決済システムを, ASP(アプリケーション サービス プロバイダ)が提供するWeb−POSシステムの一機能として実現可能としたものであり,前記店舗レジスタ30として,各店舗にはインターネットを介して管理センターと通信可能な店舗レジスタが設けられていると共に,このWeb−POSシステムにおける管理センターに設けられた,WebサーバであるPOSサーバ11と,売上データ等を記録する記憶手段13を備えた売上サーバ12によって構成されたサーバコンピュータシステムにおいて,本発明の決済処理サーバ10が実現されている。
【0060】
もっとも,本発明のカード決済システムは,このようなWeb−POSシステムとは独立して構築するものとしても良く,また,決済処理サーバ10を複数のサーバコンピュータの組合せによって構築しているが,これを単一のサーバコンピュータによって形成しても良い。
【0061】
また,図示の実施形態にあっては,店舗レジスタ30,携帯情報端末40,照会システム50がいずれもインターネットを介して決済処理サーバ10と接続可能に構成されている状態を示しているが,決済処理サーバ10は,顧客の携帯情報端末40との間でインターネットを介して接続可能なものであれば,店舗レジスタ30や照会システム50との間の接続方法は特に限定されず,例えば専用線を介して通信可能に構成するものであっても良い。
【0062】
もっとも,後述するように店舗レジスタ30の本体31に,携帯電話機やスマートフォン等で一般的に採用されている3GWiFi等の無線送受信機能を持たせ,携帯情報端末40に対する接続ターミナルとしての機能を持たせた場合には,店舗レジスタ30と決済処理サーバ10間の接続についてもインターネットを介して行うように構成する。
【0063】
また,レジスタ30の本体31には,好ましくは,移動体通信網の無線基地局に対する接続を可能とする無線送受信機能を持たせておき,無線,有線の双方にてインターネットに接続可能となっていることが好ましい。
【0064】
〔決済処理サーバ〕
本発明のカード決済システム1の構成要素のうち,管理センターに設けられた決済処理サーバ10は,その構成中にWebサーバ(図1の例においてPOSサーバ11)を含み,インターネットを介して顧客の携帯情報端末40からの接続要求があったとき,該要求を行った携帯情報端末40に対し,所定のWebページを表示させることができるように構成されている。
【0065】
また,各店舗に設けられた店舗レジスタ30,及び,決済代行業者の照会システム50との間でデータの授受を行うことができるよう,通信回線を介して接続可能に構成されており,本実施形態にあっては,店舗レジスタ30及び照会システム50のいずれ共に,インターネットを介して接続可能に構成されている。
【0066】
この,決済処理サーバ10は,本発明のカード決済方法を適用する各店舗,本実施形態にあっては前述したWeb−POSサービスを提供するASPと契約をしている各店舗の名称,住所,振り込み口座,その他の必要な情報を記録した店舗マスタ13a,各店舗の取扱商品やサービスに関する情報,PLUデータ等を記録した,商品/サービスマスタ13b,及び各店舗の販売時点情報(売上明細情報)を記録する売上データベース13cを有する記憶手段13を備えており,Web−POSシステム上に本発明のカード決済システムを実現した本実施形態にあっては,これらの店舗マスタ13a,商品/サービスマスタ13b,売上データベース13cを,Web−POSシステムと共用しており,図示の実施形態にあっては,WebサーバであるPOSサーバ11と,記憶手段13を管理する売上サーバ12の両サーバによって,本発明の決済処理サーバ10が実現されている。
【0067】
そして,前記決済処理サーバ10は,予め記憶したプログラムの実行により,図2に示すように,カード決済を行うために必要な処理を実行する,誘導情報出力手段10a,決済ページ表示手段10b,照会実行手段10c,及び,照会結果出力手段10dの各手段をそれぞれ実現することができるようになっている。
【0068】
誘導情報出力手段10a
上記手段のうち,誘導情報出力手段10aは,決済処理サーバ10が後述する店舗レジスタ30より,少なくとも店舗を特定する情報,売上額,及び精算方法を含む売上明細情報を受信すると共に,この売上明細情報に含まれる精算方法が,カードによる精算を指定したものである場合に起動する手段であり,この手段の起動によって決済処理サーバ10は,所定の記憶領域,図示の実施形態にあっては売上データベース13cのうち当該売上に係る店舗に対して割り当てられた所定の記憶領域に,受信した売上明細情報を記憶すると共に,該取引についてのカード決済を行うために生成されるWebページである,個別決済ページ70に対し,顧客の携帯情報端末を誘導するために必要な情報を,「誘導情報」として前記売上詳細情報の送信を行った店舗レジスタ30に返信する。
【0069】
決済処理サーバ10が出力する,前述の「誘導情報」は,前述した個別決済ページ70のURLそのものであって良く,又は,前記個別決済ページ70を含むWebサイトの検索ページ60のURLと,該検索ページ60において個別決済ページに移動するために入力が要求される,前記売上明細情報を特定するためのコードである「売上コード」の組合せによって構成しても良い。
【0070】
更には,例えば所定の検索サイト,例えばASPが広告料を支払っている検索サイト等におけるカテゴリ検索によって前述した検索ページ60への誘導が可能であれば,検索サイト名とカテゴリの選択手順,一例として『「○○検索サイト」→「カテゴリ」→「マネー」→「オンライン決済」→「携帯カード決済」→「○○社カード決済ページ」』のようなカテゴリの選択手順と共に,選択後に表示された検索ページ60に入力する売上コードを前述の誘導情報として出力するものとしても良い。
【0071】
決済ページ表示手段10b
決済ページ表示手段10bは,前述の誘導情報出力手段10aが出力した誘導情報に従って,インターネットを介して携帯情報端末40よりURLを指定した接続要求が行われたときに起動する手段であり,この手段の起動によって前述の決済処理サーバ10は,該要求を行った携帯情報端末40のブラウザに,指定されたURLに対応するWebページを表示させる。
【0072】
一例として,前述の誘導情報が,個別決済ページを含むWebサイトの検索ページ60のURLと,売上コードの組合せによって構成されている場合,顧客の携帯情報端末より前記URLを指定した接続要求が行われると,決済ページ表示手段10bは,先ず,一例として図4に示すように売上コードの入力欄61と,図中「次へ」と記載された送信ボタン62が表示された検索ページ60(図4,では「カード決済ページ(トップ)」と記載)を,接続要求を行った携帯情報端末40に表示させる。
【0073】
そして,決済ページ表示手段10bは,図5に示すように前記携帯情報端末40において入力欄61に,誘導情報として通知した売上コードの入力が行われると共に,送信ボタン62をクリック乃至はタップすることにより,携帯情報端末40より個別決済ページ70への移動要求が行われると,一例として図6に示す個別決済ページ70を該入力を行った携帯情報端末40に表示させる。
【0074】
また,決済処理サーバ10により出力された誘導情報が,個別決済ページ70のURLを直接特定したものである場合であって,携帯情報端末40よりこのURLを指定した接続要求が行われた場合には,決済ページ表示手段10bは,一例として図6に示す個別決済ページ70を,接続要求を行った携帯情報端末40に直接表示させる。
【0075】
照会実行手段10c
前述の決済ページ表示手段10bによって携帯情報端末40のブラウザに表示させた個別決済ページ70の入力欄72にクレジットカード番号,有効期限の入力を行うと共,決済要求(図4において,「決済する」と記載された送信ボタン72cのクリック乃至はタップ)が行われ,決済処理サーバ10がこの決済要求を受信すると,前述した照会実行手段10cが起動し,決済処理サーバ10は,入力されたカード番号,有効期限と共に,売上金額,売上に係る店舗の入金先口座等を必要に応じて売上サーバ12が管理する記憶手段13より取得して,これを決済代行業者の照会システム50に送信して,決済の照会を実行する。
【0076】
なお,決済処理サーバ10では,携帯情報端末40より受信したカード情報を記録することなく,そのまま決済代行業者の照会システム50に送信することで,決済処理サーバ10を介して顧客のカード情報が漏洩する危険を回避するものとしても良い。
【0077】
照会結果出力手段10d
照会結果出力手段10dは,前述の照会実行手段10cによる照会要求後,決済代行業者の照会システム50からの照会結果を受信することにより起動する手段であり,この手段の起動により決済処理サーバ10は,決済代行業者の照会システム50より受信した照会結果を,決済要求を行った携帯情報端末40及び該決済要求に係る取引が行われた店舗の店舗レジスタ30に出力する。
【0078】
携帯情報端末40及び店舗レジスタ30に対する照会結果の出力は,決済の承認,又は決済拒否のいずれの場合においても行われる。
【0079】
〔店舗レジスタ〕
前述の店舗レジスタ30は,本発明の方法によるカード決済を利用する各店舗に設置されたものであり,本実施形態にあっては,一例として前述したWeb−POSを提供するASPとの間でWeb−POSサービスの利用契約を行っている店舗に設置されているPOSレジスタがこれに該当するが,これに限定されない。
【0080】
この店舗レジスタ30は,レジスタとして要求される一般的な機能を実現するために,一例として図3に示すようにキーボード33やバーコードリーダ34等の入力手段,金銭を収納しておくためのドロア35,レシートを印刷するためのプリンタ36,入力項目,その他の必要な表示を行うためのディスプレイ32,37,管理センターに設けた決済処理サーバ10との間で通信を行うための通信機能,必要な計算や集計,その他のデータ処理を行うと共に,前記各部を統括的に制御する,図示せざる中央処理装置等を備えている。
【0081】
本実施形態にあっては,前述したWeb−POSシステムを構成する前述のPOSレジスタの持つ通信機能を利用して,POSサーバ11と売上サーバ12によって構成される決済処理サーバ10とインターネットを介して通信可能としている。
【0082】
更に,本実施形態にあっては,この店舗レジスタ30を,図3に示すように中央処理装置(図示せず),プリンタ36,通信手段(図示せず),及び料金ディスプレイ37を備えた本体31と,タッチパネル等の入力手段を備えた可搬式ディスプレイ32,金銭を収容するドロア35,バーコードリーダ34やキーボード33等の入力手段をそれぞれ別個の部品として構成し,これらを無線乃至は有線接続によって組み合わせることで,各店舗毎の用途に応じて必要となる部品を組み合わせて成る店舗レジスタ30を構築することができるようにしている。
【0083】
好ましくは,この店舗レジスタ30の前記本体31には,3GWiFi等のスマートフォン等において一般的に採用されている通信方式の無線送受信手段(図示せず)を設ける。
【0084】
このような通信機能を設けることで,前述した可搬式ディスプレイ32として,同様に3GWiFi等の前記本体31の通信規格に適合した通信規格を持つ一例として携帯電話機,スマートフォンや電子ブックリーダ等の市販されているPDAを前述の可搬式ディスプレイ32として利用することができ,これにより可搬式ディスプレイ32を本体31から分離して使用することができるようにすると共に,1台の本体31に対し,複数台(図示の例では3台)の可搬式ディスプレイ32を設けることで,例えばレジが混み合った場合等には,それぞれの可搬式ディスプレイ32を使用して,複数の顧客の精算を同時に行うことで,精算処理能力を向上させることができるようにしても良い。
【0085】
図示の実施形態にあっては,可搬式ディスプレイ32をタッチパネル型のものとして示しているが,可搬式ディスプレイ32は,タッチパネル機能に代え,又はタッチパネル機能と共に,携帯電話機のような操作キーを備えたものであっても良い。
【0086】
なお,このように店舗レジスタ30の本体31に3GWiFi等の無線送受信手段を設ける場合には,本体31を前述した可搬式ディスプレイ32のターミナルとして使用するだけでなく,例えば店内で顧客が使用する携帯情報端末についても,照会ID等の入力を必要とせずに接続可能とすることで,本体31と通信規格が適合する顧客の携帯情報端末40をインターネットに接続する際のターミナルとして開放するものとしても良い。
【0087】
また,本体31の無線通信機能は,本体31自体を移動体通信網に対して無線接続可能とする機能を有していることが好ましく,使用状況に合わせて図1に示すように有線又は無線のいずれの方法によってもインターネットに接続することができるようにする。
【0088】
更に,図3に示すように本体31と可搬式ディスプレイ32とを分離可能とした構成にあっては,好ましくは,前述した店舗レジスタ30の構成部品中,少なくとも本体31と可搬式ディスプレイ32にそれぞれバッテリ(図示せず)を設けるものとしても良い。
【0089】
このバッテリは,本体31乃至は可搬式ディスプレイ32に内蔵されたものであっても良く,又は本体31乃至はディスプレイ32に外付けされたものであっても良い。
【0090】
この場合において,ドロア35,バーコードリーダ34,キーボード33等を本体に対して接続する必要があれば,これらの部品に対する駆動電力を本体31,又は本体31に外付けしたバッテリより供給できるようにしても良く,又は,ドロア35,バーコードリーダ34,キーボード33等に対しても独立して,又は複数部品間で共用するバッテリを設けるものとしても良く,このように構成することで,店舗レジスタ30に対する電力の供給が停止した場合であっても,バッテリの持続時間は店舗レジスタ30の使用を継続することが可能であり,例えば停電等によって電力の供給が止まった場合であっても店舗の営業を継続することが可能となると共に,停電下でも周辺の移動体通信網が機能していればカード決済を行うことが可能となる。
【0091】
なお,図3中の符号38で示す部材は,携帯電話機やスマートフォン等の携帯情報端末に一般に搭載されているISO/IEC 14443規格等の非接触型ICカードに対して非接触でデータを書き込み可能なICカードライタであり,このようなICカードライタ38を店舗レジスタ30の構成に含めても良い。
【0092】
以上のように構成された店舗レジスタ30は,売上情報の入力処理,及びその後の決済処理サーバからの各種返信に従い,予め本体31に記憶されているプログラムの実行によって売上明細情報出力手段30a,誘導情報表示/印刷手段30b,URL書込手段30c,及び,レシート印刷手段30dの各手段が実現される。
【0093】
売上明細情報出力手段30a
このうち,売上明細情報出力手段30aは,前述した決済処理サーバ10に対し,本実施形態にあっては販売時点情報でもある売上明細情報の出力を行うものであり,一例として,店員が商品のタグ等に表示されているバーコードをバーコードリーダ34等で読み取り,又は,タグに表示されている値段や商品コード等をキーボード33,可搬式ディスプレイ32のタッチパネル等を使用して入力することで,店舗レジスタ30において売上情報の入力を行うと共に,必要な情報,例えば現金又はクレジットカード等の精算方法の別,現金による精算を選択した場合には預かり金額等を入力して,「決定(Enter)」ボタンを押すと,予め記憶されている所定のプログラムの実行により店舗レジスタ30で売上明細情報出力手段30aが起動し,この売上明細情報出力手段30aの起動によって,入力された売上情報と共に,必要な情報,例えば予め店舗レジスタ30に記憶されている店舗コード等の店舗を特定するための情報,店舗レジスタ30に設けられているクロックより取得された販売年月日に関する情報,売上情報と共に入力した販売担当者の氏名,その他必要な情報を,売上明細情報として管理センターに設けた決済処理サーバ10に対して出力する。
【0094】
誘導情報表示/印刷手段30b
店舗レジスタ30で実現される前述の手段のうち,誘導情報表示/印刷手段30bは,店舗レジスタ30が,前述した決済処理サーバ10より「誘導情報」を受信することにより起動する手段であり,この手段の起動によって店舗レジスタ30は受信した誘導情報を店舗レジスタ30に設けた可搬式ディスプレイ32に表示し,及び/又は,レシート印刷用のプリンタ36で印刷する。
【0095】
この誘導情報表示/印刷手段30bは,誘導情報が誘導先のWebページのURLを含むものである場合,このURL部分を例えば図1に示すように「QRコード」(登録商標)等の二次元コード,その他,携帯電話機やスマートフォン等の携帯情報端末40に一般的に設けられているカメラによって読み取り可能なコードに変換して前述の可搬式ディスプレイ32の画面上に表示し,及び/又は,プリンタ36で印刷するように構成しても良い。
【0096】
URL書込手段30c
前述の店舗レジスタ30には,携帯電話機やスマートフォン等の携帯情報端末40に一般的に設けられているISO/IEC 14443規格等の非接触型ICカードに対してデータを書き込むためのICカードライタ38を更に設けておき,前述した誘導情報にWebページのURLが含まれる場合,一例として店舗レジスタ30に設けられた入力手段,例えば可搬式ディスプレイ32のタッチパネル上に表示された「URLを書き込む」という表示を選択すると,前述のURL書込手段30cが起動して,ICカードライタ38に載置し,又はICカードライタにかざした携帯情報端末の非接触型ICに,前記誘導情報のうちのURLに係る部分を書き込むように構成しても良い。
【0097】
このように構成することで,顧客の携帯情報端末40が,前述したISO/IEC 14443規格等の非接触型ICカードを搭載するものである場合,煩雑なURLの入力を顧客に行わせることなく,携帯情報端末40に対し必要なURLの入力を行うことができる。
【0098】
レシート印刷手段30d
前述のレシート印刷手段30dは,前述した決済処理サーバ10の照会結果出力手段10dより受信した照会結果が,決済の承認である場合,該照会結果の受信により,又は該照会結果の受信後,店舗レジスタ30に設けられた所定のキー操作によって起動する手段であり,この手段の起動により,決済が照会された取引に係る売上明細情報のレシートが,店舗レジスタ30に設けたプリンタ36によって印刷される。
【0099】
このようなレシートの印刷は,既知の店舗レジスタ30において行われる一般的なレシートの印刷と同様のものであっても良いが,カード決済を行った売上の売上明細情報を印刷する場合には,顧客用控えとなるレシートと,店舗用控えとなるレシートをそれぞれ印刷すると共に,店舗用控えとなるレシートに,顧客のサイン欄を設けるように構成しても良い。
【0100】
このように構成することで,店舗側は顧客のサインを得た上で店舗用控えを回収し,保管することで,後にサインの照会が必要となった場合に備えることができる。
【0101】
〔携帯情報端末〕
顧客が使用する携帯情報端末40としては,Webサイト(PC用サイト,又は携帯用サイトのいずれか)を閲覧可能であり,インターネットを介して前述した決済処理サーバ10に対し前記URLを指定した接続を行うことができるものであれば,如何なるものを使用しても良く,携帯電話機,スマートフォンや電子ブックリーダ等のPDA,ラップトップ型のパーソナルコンピュータ等,既知の各種の携帯情報端末を使用することができる。
【0102】
好ましくは,この携帯情報端末40は,二次元コード等のコードを読み取り可能なカメラ,非接触型ICのいずれか,好ましくは全てを備えていることが好ましく,更には3GWiFi等の通信規格に対応した無線通信を行うことができるものであることが好ましく,近年一般的に販売されているスマートフォンは,上記機能をいずれも備えており,本発明における携帯情報端末として好適に使用することができる。
【0103】
もっとも,コードリーダの機能を備えたカメラ,非接触型ICカード,3GWiFi等の通信機能を備えていることは,必ずしも本発明の携帯情報端末40として使用するための要件ではなく,少なくともインターネットを介してブラウジングを行うことができるものであれば,本発明における携帯情報端末40として使用することができる。
【0104】
〔決済機関の照会システム〕
なお,決済機関の照会システム50は,カード決済用に信販会社,決済代行業者等の決済機関に設けられているサーバコンピュータ等によって構成されている既知のシステムであり,決済処理サーバ10からのクレジットカード番号,有効期限,請求金額,店舗情報を伴う照会要求に対し照会作業を行い,照会結果として決済の「承認」乃至は「拒否」を,管理サーバに対して返信するように構成されている。
【0105】
図示の実施形態にあっては,このような決済機関の認証システムとして,決済代行業者の照会システムに対し照会を行うものとしており,認証システム50は,照会結果が決済の「承認」である場合,更に,既知の方法により信販会社等のクレジットカード発行会社のシステムに対して所定の決済処理要求を行い,また,信販会社のシステムは,既知の方法によりクレジットカードの契約者の口座がある金融機関のシステムに対し,所定額の引き落としを要求し,該当する店舗の口座に対する入金処理を行う。
【0106】
〔カード決済方法〕
以上のように構成された,本発明のカード決済システム1によって実行されるカード決済方法を,図7〜10のフロー図を参照ながら説明する。
【0107】
本発明のカード決済方法を導入している店舗に来店した顧客が,商品を選択した後に精算のためこの商品をレジに持ち込むと,店員は該商品のタグに表示されたバーコードをバーコードリーダ34で読み取る等して,店舗レジスタ30で売上情報の入力が行われる(図7のS1)。
【0108】
店員は,顧客が選択した全ての商品についての入力が完了した後,顧客によって指定された精算方法を,キーボードやタッチパネル上で「現金」又は「クレジットカード」のボタンを選択する等して指定する(図7のS2)。
【0109】
精算方法として「現金」を指定した場合,店員は更に預かり金額を入力した後,キーボード乃至はタッチパネル上で「決定(Enter)」を選択する。
【0110】
「決定(Enter)」の選択により,店舗レジスタ30は,売上明細情報出力手段30aを起動して,入力された売上情報と共に,必要な情報,一例として該店舗レジスタ30に予め記憶されている店舗コード,店舗レジスタ30のクロックより取得した販売日時,レジ操作開始時に入力した販売担当者の氏名,その他の必要な情報と共に,売上明細情報として,管理センターの決済処理サーバ10に送信する(図7のS3)。
【0111】
決済処理サーバ10は,店舗レジスタ30からの売上明細情報を受信すると(図8のS4),誘導情報出力手段10aを起動し,受信した売上明細情報を,所定の記憶領域,一例として売上データベース13cの当該店舗に割り当てられた記憶領域に記録する(図8のS5)。
【0112】
そして,売上明細情報に含まれる精算方法を判定し(図8のS6),精算方法がクレジットカード以外の方法,例えば現金,商品券等である場合には,売上データベース13cに精算種別を記録し(図8のS7),処理を終了する。
【0113】
一方,受信した売上明細情報が,精算方法として「クレジットカード」を指定したものである場合,決済処理サーバ10によって管理されるWebサイト中にWebページである個別決済ページ(図6参照)を生成し,この個別決済ページに顧客の携帯情報端末40を誘導するための誘導情報を店舗レジスタ30に対して出力する(図8のS8)。
【0114】
決済処理サーバ10からの誘導情報の出力を受信した店舗レジスタ30は(図7のS9),誘導情報表示/印刷手段30bを起動して決済処理サーバ10より受信した誘導情報を可搬式ディスプレイ32上に表示し,及び/又はプリンタ36で印刷する(図7のS10)。
【0115】
店員は,このようにして可搬式ディスプレイ32上に表示され,及び/又はプリンタ36で印刷された誘導情報を,商品の購入を行った顧客に対して提示する。
【0116】
誘導情報の提示を受けた顧客は,この誘導情報に従って自ら携帯情報端末40を操作して,個別決済ページ70にアクセスする。
【0117】
誘導情報が,前述した個別決済ページ70のURLを直接表示するものである場合,又は,個別決済ページ70を含むWebサイトの検索ページ60のURLと前記売上明細情報に対応する取引を特定する売上コードによって構成されている場合,可搬式ディスプレイ32上に表示し,及び/又はプリンタ36で印刷する誘導情報のうち,URLに係る部分を,携帯情報端末40に一般的に設けられているカメラで読み取り可能な「QRコード」(登録商標)等の二次元コード,その他のコードとして表示乃至印刷するものとしても良く(図1参照),このようなコードが提示された顧客は,携帯情報端末40に設けられたカメラで該コードを読み取り(図9のS11),読み取り結果として携帯情報端末の画面上に表示されたURLをクリック乃至はタップする等して,個別決済ページ70(図6参照)乃至は該個別決済ページを含むWebサイトの検索ページ60(図4参照)に対する接続要求を行う(図9のS12)。
【0118】
携帯情報端末40からの接続要求が行われると,決済処理サーバ10は,決済ページ表示手段10bを起動し,携帯情報端末40より要求されたURLのWebページを携帯情報端末40に表示させる。
【0119】
本実施形態にあっては,前述した誘導情報として個別決済ページ70(図6参照)のURLを直接出力するものとしており,決済処理サーバ10の決済ページ表示手段10bは,携帯情報端末40からの接続要求を受信すると(図8のS13),携帯情報端末40に,図6に示す個別決済ページ70を表示させる(図8のS14)。
【0120】
携帯情報端末40の画面上に,図6に示す個別決済ページ70が表示されると(図9のS15),顧客は,この個別決済ページ70の取引内容表示欄71に表示された取引内容を確認し,取引の内容に誤りが無ければ個別決済ページ70の入力欄72に設けられているクレジットカード番号の入力欄72aにクレジットカード番号を入力する(必要に応じて,図示されていない入力欄を設け,その他の情報についても入力する)と共に,有効期限入力欄72bに,このクレジットカードの有効期限を入力し,図6中に「決済」と記載されている送信ボタン72cを選択して決済申請を行うと,携帯情報端末40よりクレジットカード番号,有効期限等,その他個別決済ページ70で入力された情報を含む決済申請が,決済処理サーバに対して出力される(図9のS16)。
【0121】
決済処理サーバ10は,携帯情報端末40より前述の決済申請を受信すると(図8のS17)照会実行手段10cを起動し,携帯情報端末40より受信したクレジットカード番号や有効期限等のカード情報,決済額と共に,売上サーバ12が管理する記憶手段13に記憶されている情報のうち,必要な情報(例えば当該店舗の店舗マスタ13aに記録されている,該店舗の振り込み先口座番号等)を追加して,これらの情報を決済代行業者の照会システム50に出力して,照会要求を行う(図8のS18)。
【0122】
決済処理サーバ10からの照会要求を受信すると(図10のS19),決済代行業者の照会システム50は,既知の方法により照会を行い(図10のS20),照会結果を決済処理サーバ10に出力する(図10のS21)。
【0123】
決済処理サーバ10は,決済代行業者の照会システム50からの照会結果を受信すると(図8のS22),照会結果が決済の承認又は,拒否のいずれであるかを判定し(図8のS23),照会結果が「承認」である場合,売上データベース13cに記録した対応する売上明細情報に,決済方法が「カード決済」であることを記録すると共に(図8のS24),照会結果出力手段10dを起動し,該照会結果を,携帯情報端末40と店舗レジスタ30の双方に対して出力し(図8のS26),決済処理サーバ10での処理を終了する。
【0124】
一方,決済代行業者の照会システム50からの照会結果が,決済の「拒否」であった場合,これを受信した決済処理サーバ10は,売上データベースに記録した該当する売上明細情報を削除すると共に(図8のS25),照会結果出力手段10dを起動して該照会結果を,携帯情報端末40と店舗レジスタ30の双方に対して出力し(図8のS26),決済処理サーバ10での処理を終了する。
【0125】
この場合,店舗レジスタ30に対して出力する照会結果には,売上明細情報の再送信を要求するメッセージを含めるものとしても良い。
【0126】
決済処理サーバ10より照会結果を受信(図7のS27)した店舗レジスタ30は,照会結果が「承認」又は「拒否」のいずれであるかを判定し(図7のS28),照会結果が「承認」である場合,レシート印刷手段30dを起動して,承認がされた取引に係る売上明細をレシートに印刷し(図7のS29),処理を終了する。
【0127】
レシート印刷手段30dは,レシートとして顧客用控えと店舗用控えの二種類を印刷すると共に,店舗用控えには,サイン欄を設けておき,レシートの印刷後,店員は,店舗用控えのサイン欄に顧客のサインを受けてこれを回収して店舗用控えとして保管すると共に,顧客用控えを顧客に渡して取引を終了する。
【0128】
一方,照会結果が,決済の「拒否」である場合(図7のS28),店員は,可搬式ディスプレイ32上に表示されている入力情報を再利用し,ここに表示されている入力情報のうち,精算方法を「クレジットカード」以外の方法,例えば「現金」に変更するか,又は,再度の照会を試みるべく,「クレジットカード」を再度選択し(図7のS2),その後,「決定(Enter)」を入力して売上明細情報を決済処理サーバに出力することで(図7のS3),前述した処理ステップが繰り返される。
【0129】
なお,携帯情報端末40は,決済処理サーバ10より照会結果を受信すると(図9のS30),照会結果の如何にかかわらず,この照会結果を携帯情報端末40のディスプレイ上に表示し(図9のS31),処理を終了する。
【0130】
なお,店舗レジスタ30の本体31に3GWiFiによるターミナルの機能を持たせておくと共に,このターミナルの使用を顧客の携帯情報端末40に対しても公開しておくことで,顧客の携帯情報端末40が3GWiFiに対応したものである場合,顧客の携帯情報端末40は店舗レジスタ30の本体31を介してインターネットに接続することができ,顧客の携帯情報端末40と決済処理サーバ10間で行われる通信に必要なデータ通信費用を店舗側で負担することで,本システムを利用する際に,顧客に余計な経済的負担が発生することを防止することもできる。
【0131】
〔その他〕
なお,前述したように,店舗レジスタ30の本体31に,3GWiFiによる無線送受信機能を持たせた場合,例えば3GWiFi対応の市販の携帯情報端末,例えばスマートフォンや電子ブックリーダ等を店舗レジスタの可搬式ディスプレイ32として使用することができ,専用設計の可搬式ディスプレイ32を開発する場合に比較して店舗レジスタ30を経済的に構築することができる。
【0132】
また,このように構成することで,店舗レジスタ30の本体31が1台であっても,複数台の可搬式ディスプレイ32を無線接続して使用することが容易である。
【0133】
その結果,例えばレストラン等における精算において,顧客がテーブルに着いたまま精算を行う場合等においても,店員が可搬式ディスプレイ32をテーブルまで持参することで,レジまで往復することなくその場で精算が可能であり,レジが混み合うといった状態が発生することを回避できると共に,可搬式ディスプレイ32上に「QRコード」(登録商標)等のコードを表示することで,可搬式ディスプレイ32の画面を顧客に対して提示することで,顧客は,所定のURLの入力を簡単に行うことができる。
【0134】
更に,前述の可搬式ディスプレイ32,及び,店舗レジスタ30の本体31にバッテリを搭載することで,少なくとも可搬式ディスプレイ32と本体31を,外部電源からの電力の供給無しに動作可能とすることができ,好ましくは,前記本体31に設けたバッテリにより,又は,それぞれ独自にバッテリを設けることで,前記本体31に接続するドロア35やバーコードリーダ34,キーボード33についても外部電源からの電力の供給無しに動作可能とすることで,例えば停電等によって店舗レジスタ30に対する電力の供給が停止した場合であっても,店舗レジスタ30の動作を確保して営業を継続することも可能であり,また,電力供給がされていない屋外,例えばバザー会場等においても店舗レジスタ30の使用が可能である。
【0135】
しかも,店舗レジスタ30が有する無線送受信機能が,移動体通信網における無線基地局に対する接続機能を有する場合には,停電時,その他の電力供給が受けられない状態での使用においても,例えば携帯電話網等の移動体通信網が機能している場合には,店舗レジスタ30が有する無線送受信機能によって,移動体通信網の無線基地局等と通信を行うことで,本発明の方法によるカード決済を行うことも可能であり,電力不足等を懸念して計画停電等が行われる地域においても店舗の営業が可能である。
【符号の説明】
【0136】
1 カード決済システム
10 決済処理サーバ
10a 誘導情報出力手段
10b 決済ページ表示手段
10c 照会実行手段
10d 照会結果出力手段
11 POSサーバ(Webサーバ)
12 売上サーバ(データベースサーバ)
13 記憶手段
13a 店舗マスタ
13b 商品/サービスマスタ
13c 売上データベース
30 店舗レジスタ
30a 売上明細情報出力手段
30b 誘導情報表示/印刷手段
30c URL書込手段
30d レシート印刷手段
31 本体(店舗レジスタの)
32 可搬式ディスプレイ
33 キーボード
34 バーコードリーダ
35 ドロア
36 プリンタ
37 料金ディスプレイ
38 ICカードライタ
40 携帯情報端末
50 照会システム
60 検索ページ
61 売上コード入力欄
62 送信ボタン
70 個別決済ページ
71 取引内容表示欄
72 入力欄
72a クレジットカード番号入力欄
72b 有効期限入力欄
72c 送信ボタン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
店舗に来店した顧客が所持する携帯情報端末とインターネットを介して接続可能であると共に,各店舗に設置された通信機能を有する店舗レジスタ,及び決済機関の照会システムと通信回線を介して接続可能に構成された決済処理サーバを設け,
前記決済処理サーバが,
前記店舗レジスタで入力された売上明細情報を受信したとき,所定の記憶領域に前記売上明細情報を記憶すると共に,該売上明細情報に係る取引の決済用に生成するWebページである個別決済ページに前記携帯情報端末を誘導可能な誘導情報を前記店舗レジスタに返信する,誘導情報出力処理,
前記携帯情報端末からインターネットを介して前記誘導情報に従った前記個別決済ページへの接続要求があったとき,該要求を行った携帯情報端末に,前記売上明細情報のうちの少なくとも売上金額の表示と共に,クレジットカードのカード番号及び有効期限の入力欄を含む個別決済ページを表示させる,決済ページ表示処理,
前記携帯情報端末から前記個別決済ページを介して入力されたクレジットカードのカード番号及び有効期限を伴う決済要求を受信して,該決済要求に対する照会要求を,検索ページの照会システムに送信する,照会実行処理,
前記照会システムからの照会結果を受信して,該照会結果を前記店舗レジスタ及び前記携帯情報端末のそれぞれに送信する,照会結果出力処理,
を行うことを特徴とするカード決済方法。
【請求項2】
前記誘導情報出力処理において前記店舗レジスタに返信される前記誘導情報が,前記個別決済ページを含むWebサイトの検索ページのURLと,前記売上明細情報を特定するコードである売上コードによって構成され,
前記決済ページ表示処理において,前記決済処理サーバが,前記誘導情報に含まれるURLを指定して接続要求を行った前記携帯情報端末に,売上コードの入力欄を有する前記検索ページを表示させると共に,該検索ページの入力欄に対する前記売上コードの入力により,該入力を行った携帯情報端末に前記個別決済ページを表示させることを特徴とする請求項1記載のカード決済方法。
【請求項3】
前記誘導情報出力処理において前記店舗レジスタに返信される前記誘導情報が,前記個別決済ページのURLであり,
前記決済ページ表示処理において,前記決済処理サーバが,前記誘導情報に対応するURLを指定した前記携帯情報端末に対し,前記個別決済ページを直接表示させることを特徴とする請求項1記載のカード決済方法。
【請求項4】
前記誘導情報出力処理によって前記決済処理サーバより前記誘導情報を受け取った前記店舗レジスタが,該店舗レジスタのディスプレイに前記誘導情報を表示し,及び/又は,該店舗レジスタのプリンタで前記誘導情報を印刷する,誘導情報表示/印刷処理を行うことを特徴とする請求項2又は3記載のカード決済方法。
【請求項5】
誘導情報表示/印刷処理において,前記店舗レジスタが,前記誘導情報のうちURLに係る部分を,携帯情報端末に設けられたカメラで読み取り可能なコードとして前記ディスプレイに表示し,及び/又は前記プリンタで印刷することを特徴とする請求項4記載のカード決済方法。
【請求項6】
前記店舗レジスタに非接触型ICカード用のICカードライタを設け,前記誘導情報出力処理によって前記決済処理サーバより前記誘導情報を受け取った前記店舗レジスタが,前記ICカードライタを介して前記誘導情報に含まれるURLを,前記売上明細情報に係る取引を行った顧客の携帯情報端末の非接触型ICに書き込む,URL書込処理を行うことを特徴とする請求項2〜5いずれか1項記載のカード決済方法。
【請求項7】
前記照会結果出力処理によって前記決済処理サーバより照会結果を受信した前記店舗レジスタが,受信した照会結果が決済の承認であるとき,カード決済の承認がされた取引内容の明細をレシートとして印刷する,レシート印刷処理を行うことを特徴とする請求項1〜6いずれか1項記載のカード決済方法。
【請求項8】
店舗に来店した顧客が所持する携帯情報端末とインターネットを介して接続可能であると共に,各店舗に設置された通信機能を有する店舗レジスタ,及び検索ページの照会システムと通信回線を介して接続可能に構成されたサーバコンピュータであって,
前記店舗レジスタで入力された売上明細情報を受信したとき,所定の記憶領域に前記売上明細情報を記憶すると共に,該売上明細情報に係る取引の決済用に生成するWebページである個別決済ページに前記携帯情報端末を誘導可能な誘導情報を前記店舗レジスタに返信する,誘導情報出力手段,
前記携帯情報端末からインターネットを介して前記誘導情報に従った前記個別決済ページへの接続要求があったとき,該要求を行った携帯情報端末に,前記売上明細情報のうちの少なくとも売上金額の表示と共に,クレジットカードのカード番号及び有効期限の入力欄を含む個別決済ページを表示させる,決済ページ表示手段,
前記携帯情報端末から前記個別決済ページを介して入力されたクレジットカードのカード番号及び有効期限を伴う決済要求を受信して,該決済要求に対する照会要求を,検索ページの照会システムに送信する,照会実行手段,及び,
前記照会システムからの照会結果を受信して,該照会結果を前記店舗レジスタ及び前記携帯情報端末のそれぞれに送信する,照会結果出力手段,
を備えた,カード決済用の決済処理サーバ。
【請求項9】
前記誘導情報出力手段が前記店舗レジスタに返信する前記誘導情報が,前記個別決済ページを含むWebサイトの検索ページのURLと,前記売上明細情報を特定するコードである売上コードによって構成され,
前記決済ページ表示手段が,前記誘導情報に含まれるURLを指定して接続要求を行った前記携帯情報端末に,売上コードの入力欄を有する前記検索ページを表示させると共に,該検索ページの入力欄に対する前記売上コードの入力により,該入力を行った携帯情報端末に前記個別決済ページを表示させることを特徴とする請求項8記載のカード決済用の決済処理サーバ。
【請求項10】
前記誘導情報出力手段が前記店舗レジスタに返信する前記誘導情報が,前記個別決済ページのURLであり,
前記決済ページ表示手段が,前記誘導情報に対応するURLを指定した前記携帯情報端末に対し,前記個別決済ページを直接表示させることを特徴とする請求項8記載のカード決済用の決済処理サーバ。
【請求項11】
各店舗に設置された通信機能を有する店舗レジスタ,店舗に来店した顧客が所持する携帯情報端末,及び検索ページの照会システムと,
前記携帯情報端末とインターネットを介して接続可能であると共に,前記店舗レジスタ及び前記照会システムと通信回線(インターネットを含む)を介して接続可能に構成された,サーバコンピュータである決済処理サーバによって構成され,
前記決済処理サーバが,
前記店舗レジスタで入力された売上明細情報を受信したとき,所定の記憶領域に前記売上明細情報を記憶すると共に,該売上明細情報に係る取引の決済用に生成するWebページである個別決済ページに前記携帯情報端末を誘導可能な誘導情報を前記店舗レジスタに返信する,誘導情報出力手段,
前記携帯情報端末からインターネットを介して前記誘導情報に従った前記個別決済ページへの接続要求があったとき,該要求を行った携帯情報端末に,前記売上明細情報のうちの少なくとも売上金額の表示と共に,クレジットカードのカード番号及び有効期限の入力欄を含む個別決済ページを表示させる,決済ページ表示手段,
前記携帯情報端末から前記個別決済ページを介して入力されたクレジットカードのカード番号及び有効期限を伴う決済要求を受信して,該決済要求に対する照会要求を,検索ページの照会システムに送信する,照会実行手段,及び,
前記照会システムからの照会結果を受信して,該照会結果を前記店舗レジスタ及び前記携帯情報端末のそれぞれに送信する,照会結果出力手段,
を備えることを特徴とするカード決済システム。
【請求項12】
前記誘導情報出力手段が前記店舗レジスタに返信する前記誘導情報が,前記個別決済ページを含むWebサイトの検索ページのURLと,前記売上明細情報を特定するコードである売上コードによって構成され,
前記決済ページ表示手段が,前記誘導情報に含まれるURLを指定して接続要求を行った前記携帯情報端末に,売上コードの入力欄を有する前記検索ページを表示させると共に,該検索ページの入力欄に対する前記売上コードの入力により,該入力を行った携帯情報端末に前記個別決済ページを表示させることを特徴とする請求項11記載のカード決済システム。
【請求項13】
前記誘導情報出力手段が前記店舗レジスタに返信する前記誘導情報が,前記個別決済ページのURLであり,
前記決済ページ表示手段が,前記誘導情報に対応するURLを指定した前記携帯情報端末に対し,前記個別決済ページを直接表示させることを特徴とする請求項11記載のカード決済システム。
【請求項14】
前記店舗レジスタが,前記決済処理サーバより受け取った前記誘導情報をディスプレイに表示し,及び/又は,プリンタで印刷する,誘導情報表示/印刷手段を有することを特徴とする請求項12又は13記載のカード決済システム。
【請求項15】
前記誘導情報出力手段が,前記誘導情報に含まれる情報のうち,URLに係る部分を前記携帯情報端末に設けられているカメラで読み取り可能なコードに変換して出力することを特徴とする請求項12〜14いずれか1項記載のカード決済システム。
【請求項16】
前記店舗レジスタの前記誘導情報表示/印刷手段が,前記決済処理サーバより受信した前記誘導情報のうちのURLに係る部分を前記携帯情報端末に設けられているカメラで読み取り可能なコードに変換して,前記ディスプレイに表示し,及び/又は前記プリンタで印刷することを特徴とする請求項12〜14いずれか1項記載のカード決済システム。
【請求項17】
前記店舗レジスタに非接触型ICカード用のICカードライタを設けると共に,前記誘導情報のうちのURLに係る部分を前記ICカードライタを介して携帯情報端末の非接触型ICに書き込む,URL書込手段を設けたことを特徴とする請求項12〜16いずれか1項記載のカード決済システム。
【請求項18】
前記店舗レジスタが,前記決済処理サーバより受信した前記照会結果が決済の承認であるとき,プリンタにカード決済の承認がされた取引内容の明細をレシートとして印刷させる,レシート印刷手段を備えたことを特徴とする請求項11〜17いずれか1項記載のカード決済システム。
【請求項19】
前記店舗レジスタが,無線送受信機能を備えた本体と,前記本体とは別体として形成されていると共に,前記本体と無線通信可能で,且つ,入力手段を有する可搬式ディスプレイを備えたことを特徴とする請求項11〜18いずれか1項記載のカード決済システム。
【請求項20】
前記店舗レジスタの本体が,前記無線送受信機能として移動体通信網の無線基地局間との通信機能を有すると共に,前記本体と前記可搬式ディスプレイにそれぞれバッテリを搭載したことを特徴とする請求項19記載のカード決済システム。
【請求項21】
サーバコンピュータに請求項1〜3いずれか1項記載のカード決済方法を行わせるプログラム。
【請求項22】
サーバコンピュータに請求項1〜3いずれか1項記載のカード決済方法を行わせるためのプログラムを記録した記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−97662(P2013−97662A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−241153(P2011−241153)
【出願日】平成23年11月2日(2011.11.2)
【出願人】(511266634)
【Fターム(参考)】