説明

携帯情報端末及び温水洗浄便座システム

【課題】携帯情報端末によって温水洗浄便座を操作する場合の使い勝手が良好な温水洗浄便座システムと、そのための携帯情報端末とを提供する。
【解決手段】携帯情報端末10を所持した人Pがトイレルーム1に入室すると、人体検知センサ7が検知し、温水洗浄便座3から携帯情報端末10に無線信号が送信され、携帯情報端末10の表示が非着座時用操作画面に切り替わる。人Pが便座6に着座すると、携帯情報端末10の画面が着座時用操作画面に切り替わり、シャワー装置等の操作が可能となる。入室検知時又はシャワー装置等の操作時に携帯情報端末10に記憶された設定条件が温水洗浄便座3に送信される。温水洗浄便座3の設定条件を携帯情報端末10に転送させる機能も設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トイレの温水洗浄便座を操作するための携帯情報端末と、この携帯情報端末及び温水洗浄便座を備えた温水洗浄便座システムに関する。
【背景技術】
【0002】
便器に設置された、人体臀部を温水で洗浄するための温水洗浄便座にあっては、スイッチを操作することにより温水の噴出、停止などの各種の動作が実行される。このスイッチは、便座に設置された温水洗浄便座本体に設けられたり、温水洗浄便座本体とは別体のリモコンに設けられている。
【0003】
特許文献1(特開2003−125467)には、携帯電話を洗浄装置のリモコンとして使用することが記載されている。特許文献1では、洗浄装置として主として洗濯機が記述されているが、洗浄装置は温水洗浄便座であってもよいことが記載されている(0040段落)。
【0004】
特許文献1では、携帯電話の所有者がインターネットを介して情報提供者サーバにアクセスし、洗濯機制御プログラムをダウンロードする。それ以降は、携帯電話を洗濯機のリモコンとして使用することが可能となる。携帯電話と洗濯機との間は簡易通信手段によって通信が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2003−125467
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記特許文献1には、携帯電話によって洗濯機をリモートコントロールすることについて記述されているが、温水洗浄便座を具体的にどのようにしてリモートコントロールするかについては記載がない。
【0007】
本発明は、携帯情報端末によって温水洗浄便座を操作する場合の使い勝手が良好な温水洗浄便座システムと、そのための携帯情報端末とを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の携帯情報端末は、表示画面を有した携帯情報端末であって、温水洗浄便座を操作することが可能な携帯情報端末において、温水洗浄便座からの無線信号を受信する手段と、温水洗浄便座からの入室者検知信号を該受信手段が受信すると該表示画面に温水洗浄便座の操作画面を表示させる手段と、温水洗浄便座の設定条件を記憶する記憶手段と、該入室者検知信号又は着座検知信号を該受信手段が受信すると、該記憶手段に記憶された設定条件を温水洗浄便座に送信する手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0009】
本発明の携帯情報端末は、温水洗浄便座に対し現状の設定条件を携帯情報端末へ送信させる指示信号の送信手段を備えてもよい。
【0010】
本発明の携帯情報端末は、温水洗浄便座からの入室者検知信号を該受信手段が受信すると該表示画面に温水洗浄便座の非着座時用操作画面を表示させる手段と、温水洗浄便座からの着座検知信号を該受信手段が受信すると該表示画面に温水洗浄便座の着座時用操作画面を表示させる手段を備えてもよい。
【0011】
本発明の携帯情報端末は、さらに、温水洗浄便座からの洗浄開始信号を該受信手段が受信すると該表示画面に洗浄中用操作画面を表示させる手段と、温水洗浄便座からの洗浄停止信号を該受信手段が受信すると該表示画面に着座時用操作画面を表示させる手段とを備えてもよい。
【0012】
本発明の温水洗浄便座システムは、温水洗浄便座と、上記本発明の携帯情報端末とを有する温水洗浄便座システムであって、該温水洗浄便座は、便器に設置される温水洗浄便座本体と、トイレルーム内への人体の入室を検知するための人体検知手段と、便座への着座を検知する着座センサと、携帯情報端末からの操作信号を受信する操作信号受信手段と、入室を示す無線信号を発信する手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0013】
この温水洗浄便座システムにおいて、温水洗浄便座は、さらに着座を示す無線信号及び離座を示す無線信号を発信する手段を備えてもよい。
【0014】
この温水洗浄便座システムにおいて、温水洗浄便座は、温水洗浄便座の洗浄動作開始を示す無線信号及び温水洗浄便座の洗浄動作終了を示す無線信号の発信手段をさらに備えてもよい。
【発明の効果】
【0015】
本発明の携帯情報端末及び温水洗浄便座システムにあっては、温水洗浄便座操作用プログラムを搭載した携帯情報端末を所持した人がトイレルームに入室すると、温水洗浄便座が人体を検知し、入室者検知信号が温水洗浄便座から携帯情報端末に送信される。携帯情報端末がこの信号を受信すると、その表示画面が温水洗浄便座を操作するための画面となり、携帯情報端末によって温水洗浄便座を操作することが可能となる。本発明では、この携帯情報端末に温水洗浄便座の設定条件が記憶されており、入室者検知信号又は着座検知信号を受信すると携帯情報端末に記憶されていた設定条件が温水洗浄便座に送信される。これにより、個々の人にとって好ましい設定条件が携帯情報端末から自動的に温水洗浄便座に設定されることになる。
【0016】
この携帯情報端末に、温水洗浄便座に設定された現状の設定条件を携帯情報端末へ送信することを指示する指示信号の送信手段を設けた場合には、温水洗浄便座の設定条件を強制的に携帯情報端末に送信させることができる。この機能は、温水洗浄便座を修理して温水洗浄便座のデータが消失する場合の対策として好適である。
【0017】
本発明の携帯情報端末は、入室者検知信号を受信すると、その表示画面を非着座状態で操作するための非着座時用操作画面に切り替わるように構成してもよい。また、人が温水洗浄便座の便座に着座すると、温水洗浄便座が着座検知無線信号を出力し、携帯情報端末がこの着座検知無線信号を受信すると、携帯情報端末の表示画面が着座時用操作画面に切り替わるように構成してもよい。
【0018】
本発明では、温水洗浄便座でシャワー又はビデ洗浄が開始したときに、携帯情報端末の画面を洗浄中用操作画面に切り替え、洗浄条件等の設定変更用の表示を行ってもよい。
【0019】
このように温水洗浄便座の使用状況に応じて携帯情報端末の表示画面を切り替えることにより、表示画面に当面は不要なスイッチが表示されないようになり、画面表示がすっきりしたものとなり、操作が明快となる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】実施の形態に係る温水洗浄便座を備えたトイレルームの斜視図である。
【図2】洗浄装置の概略図である。
【図3】温水洗浄便座の制御ブロック図である。
【図4】温水洗浄便座の制御フローチャートである。
【図5】温水洗浄便座の制御フローチャートである。
【図6】携帯情報端末の制御フローチャートである。
【図7】携帯情報端末の制御フローチャートである。
【図8】携帯情報端末の表示画面図である。
【図9】携帯情報端末の表示画面図である。
【図10】携帯情報端末の表示画面図である。
【図11】携帯情報端末の表示画面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して実施の形態について説明する。
【0022】
図1の通り、トイレルーム1内に洋風便器2が設置され、該洋風便器2上に温水洗浄便座3が設置されている。この温水洗浄便座3は、便器2の後部に設置された便座ボックス4と、該便座ボックス4に上下方向回動可能に支持された便蓋5及び便座6を有している。便座ボックス4の上面前縁部には、便蓋5及び便座6の双方が倒伏した状態(図1)において、便器2前方の人体を検知する第1人体検知センサ7が設けられている。また、便座ボックス4の前面の左右方向の中央の下部には、便蓋5及び便座6の双方が起立した状態において便器2前方の人体を検知する第2人体検知センサ9(図3参照。図1では図示されていない。)が設けられている。
【0023】
トイレルーム1の壁面には、温水洗浄便座3を操作するためのリモコン8が設置されている。トイレルーム1の利用者Pは携帯情報端末10を所持しており、温水洗浄便座3はリモコン8だけでなく、この携帯情報端末10によっても操作可能となっている。携帯情報端末10と温水洗浄便座3とはブルートゥースなどの簡易無線通信システムによって相互通信するよう構成されている。携帯情報端末10には、タッチパネル式の液晶表示画面が設けられている。この携帯情報端末10にはメニュースイッチ(図示略)が設けられている。
【0024】
この実施の形態では、携帯情報端末10から温水洗浄便座3に送信する信号データ中に携帯情報端末10の所有者を示すID信号を含ませておき、温水洗浄便座3が特定の携帯情報端末10からの信号を受信した後は、この携帯情報端末10による操作が終了するまではこの携帯情報端末10以外の携帯情報端末からの信号では制御動作しないように構成されている。
【0025】
便座ボックス4には、図3の通り、人体検知センサ7,9のほか、便座6への着座を検知する着座センサ11、リモコン8及び携帯情報端末10からの無線信号を受信する受信部12、携帯情報端末に無線信号を発信する発信部13、入力信号に基づいて制御を行う制御部15、該制御部15によって制御される便蓋回動装置16、便座回動装置17、便座ヒータ18、人体臀部洗浄用のシャワー装置19及びビデ装置20、温風を臀部に吹き付けて乾燥させるための乾燥装置21、便器の便鉢から臭気を含んだ空気を排出し、活性炭等によって除臭する脱臭装置22、室内に温風を吹き出すための室内暖房装置23、トイレルーム1の床面に向って投光する照明装置24、便座ボックス4を図1の矢印Hのように昇降させるための便座ボックス昇降装置25、便器の便鉢に水を流すフラッシュ装置26などの機器が制御される。
【0026】
制御部15には温水洗浄便座の設定条件を記憶するためのメモリ装置27が接続されている。
【0027】
なお、シャワー装置19及びビデ装置20は、図2のように、水が開閉用メインバルブ29、流量調整バルブ30、ヒータ31を介してシリンダ32に供給され、ノズル33の先端から温水が噴出するよう構成されている。ノズル33は水圧又はモータによって進退が行われる。シリンダ32には前後位置調節装置34が設けられており、シリンダ32の前後位置を調節することによりシャワーやビデの洗浄位置を調節することができる。
【0028】
図4を参照してこの制御部15の作動について説明する。
【0029】
トイレルーム1内に人が入室してきて第1人体検知センサ7がこの人体を検知すると、ステップ41から42に進み、発信部13が入室者検知無線信号を発信し、次いで便蓋回動装置16によって便蓋5を起立回動させる(ステップ43)。次いで、ステップ44に進み、着座が検知されるか判断し、着座が検知されないときにはステップ55に移り、便座開信号が受信されたか判断し、受信されないときはステップ55aに移り、所定時間(例えば1〜3分)経過するまでステップ44,55,55aを循環する。この所定時間の間に便座開信号が受信されないときにはステップ55aからステップ54に移り、便蓋5を閉とし、ステップ41に戻る。
【0030】
なお、ステップ44,55,55aを循環している途中で便座開信号を受信したときには、ステップ55からステップ56に進み、便座6を開とした後、ステップ57に進み、便座閉信号の受信の有無を判断し、その結果に応じてステップ58又は60に進む。便座閉信号が受信されるまで、そして、第2人体検知センサ9が人体を検知している間はステップ57,58を循環する。この循環途中で人体が検知されなくなったときには、人が退室したのであるから、ステップ58からステップ59に移り、便座6及び便蓋5を閉とし、ステップ41に戻る。ステップ57,58の循環途中で便座閉信号を受信したときには、ステップ57からステップ60に移り、便座6を閉とした後、ステップ44に戻る。
【0031】
ステップ44,55,55a又はステップ44,55,56,57,60を循環している途中で着座が検知されたときには、ステップ44から45に進み、着座検知信号を発信し、ステップ46にて洗浄スイッチ(シャワー用アイコン93,94又はビデアイコン95。図9参照。)がタッチ操作されたか判断する。
【0032】
洗浄スイッチがタッチ操作されないときは、ステップ46から50に移り、離座(便座6から立ち上がること。脱座ともいう。着座センサ11によって検知される。)したか判断し、離座しておらず、着座が継続しているときには、ステップ46に戻る。ステップ46,50の循環途中で洗浄スイッチ(シャワー用アイコン93,94又はビデアイコン95。図9参照。)がタッチ操作されたときにはステップ46からステップ47に進み、シャワー装置又はビデ装置による洗浄を開始させると共に、洗浄開始無線信号を発信する。次いで、ステップ48に進み、洗浄を停止させる止アイコン104(図10)がタッチ操作されるまで洗浄を続ける。止アイコン104がタッチ操作されると、ステップ48からステップ49に進み、シャワー装置又はビデ装置による洗浄を停止させると共に、洗浄終了無線信号を発信する。その後、離座が検知されるまでステップ46〜50を循環する。
【0033】
ステップ50で離座が検知されると、ステップ50からステップ51に進み、離座検知無線信号を発信し、ステップ52に進む。着座が検知されないときにはステップ53に進み、所定時間(例えば1〜3分)経過後、便蓋5を閉め(ステップ54)、ステップ44に戻る。なお、この所定時間経過前に再度の着座があったときには、ステップ52からステップ45に戻る。
【0034】
図4において、入室者を検知した後のプログラムを実行している間に、携帯情報端末10からメモリ装置27に記憶されている設定条件を携帯情報端末10に送信すべきことを指示する信号が送られてきた時には、図5のステップ77,78の通り、メモリ装置27からデータを読み出して発信部13から送信する割り込みプログラム(データ転送プログラム)を実行する。
【0035】
このデータ転送プログラムは、温水洗浄便座3を修理(例えば基板交換)することによりメモリ装置27の記憶データが消失する場合の対策として好適である。即ち、例えば基板交換前にメモリ装置27のデータを携帯情報端末10に転送して携帯情報端末10に記憶させておき、基板交換後に携帯情報端末10からデータを温水洗浄便座3に転送することにより、修理後の温水洗浄便座3を条件設定送信を再度行うことなく、修理前と同一設定条件で使用することが可能となる。
【0036】
次に、図6を参照して携帯情報端末10による温水洗浄便座3の制御プログラムについて説明し、図8〜11を参照して、携帯情報端末10の表示画面について説明する。なお、この実施の形態では、携帯情報端末10はスマートフォンであるが、これに限定されない。例えば、表示画面を携帯電話仕様に変更することにより携帯電話であっても本発明を適用可能となる。
【0037】
この制御プログラム(アプリケーションソフト)は、携帯情報端末10の所有者等がインターネットを介して温水洗浄便座3のメーカーのホームページにアクセスし、ダウンロードすることにより携帯情報端末10にインストールされる。
【0038】
この携帯情報端末10を所持した人Pがトイレルーム1に入室するまでは、携帯情報端末10の表示画面は待ち受け画面となっている。携帯情報端末10を所持した人Pがトイレルーム1に入室すると、温水洗浄便座3が発信する入室者検知無線信号(図4のステップ42参照。)が該携帯情報端末10によって受信され、図6においてステップ61からステップ62に進む。そして、まず携帯情報端末10のメモリに記憶されている前回の温水洗浄便座3の使用設定条件を温水洗浄便座3に送信する。なお、記憶データがないときには、このデータ送信の代わりに温水洗浄便座3の標準使用設定条件で温水洗浄便座3が動作すべきであることを示す信号が携帯情報端末10から送信する。また、携帯情報端末3の表示画面を待ち受け画面から図8の非着座時用操作画面80に切り替える。
【0039】
この非着座時用操作画面80では、温水洗浄便座3を搭載した便器2の写真又は絵が表示されると共に、便座開閉スイッチ用のアイコン81と便座ボックス4の昇降スイッチ用のアイコン82が表示される。アイコン81に触れると、便座6が開となり、もう1回アイコン81に触れると便座6が閉となる。便器2を男子小用に使用するときには便座6を開とすべくアイコン81に触れることになる。
【0040】
アイコン82に触れると、便座ボックス4が上昇するので、便器2の上面を入念に清掃することが可能となる。アイコン82にもう1回触れると、便座ボックス4が下降する。
【0041】
入室者Pの検知に伴って便蓋5が開となっているが(図4のステップ43参照。)、便座6は閉となっている。そして、この閉状態の便座6に着座すると、温水洗浄便座3が着座検知無線信号を発信する(図4のステップ45)ので、この着座検知無線信号が携帯情報端末10に受信され、ステップ63から64に進み、携帯情報端末10の表示画面が図9の着座時用操作画面90に切り替わる。この画面90には、大フラッシュ操作スイッチ用のアイコン91、小フラッシュ操作スイッチ用のアイコン92、おしりを強く洗浄するシャワースイッチとしてのおしりアイコン93、おしりを弱く洗浄するシャワースイッチとしてのマイルドアイコン94、ビデ洗浄操作用ビデアイコン95、乾燥操作用の乾燥アイコン96、洗浄や乾燥を停止させる止スイッチ用の止アイコン97が表示される。
【0042】
大フラッシュ用アイコン91に触れると、便器2の便鉢に多量の水が供給され、大洗浄が行われる。小フラッシュ用アイコン92に触れると、便器2の便鉢に少量の水が供給され、小洗浄が行われる。おしりアイコン93又はマイルドアイコン94に触れるとシャワー装置19が作動し、ビデアイコン95に触れるとビデ装置20が作動する。乾燥アイコン96に触れると乾燥装置21が作動する。止アイコン97に触れると、これらの作動が停止する。
【0043】
おしりアイコン93、マイルドアイコン94又はビデアイコン95に触れると、ステップ65から66,67に進み、表示画面が着座時用操作画面90から図10の洗浄中用操作画面100に切り替わる。
【0044】
この操作画面100には、おしりアイコン101、マイルドアイコン102、ビデアイコン103、止アイコン104が表示され、これらは図9のアイコン93,94,95,97と同一の機能を有する。操作画面100には、さらに、マッサージアイコン105、ワイドアイコン106が表示される。洗浄動作中にマッサージアイコン105に触れると、シャワー又はビデ洗浄強さが強弱変化し、もう1回マッサージアイコン105に触れるとこの変化が解消し、一様強さの洗浄に戻る。洗浄動作中にワイドアイコン106に触れると、シャワー装置19又はビデ装置20のノズルが規則的に前後往復動し、洗浄範囲が前後に広がる。ワイドアイコン106にもう1回触れると、このモードが解消し、ノズル位置は一定となる。
【0045】
操作画面100には、このノズルの位置を調節するための前進用アイコン107と後退用アイコン108とが表示される。アイコン107に触れるとノズルが前方に移動し、アイコン108に触れるとノズルが後方に移動する。この移動状況は表示部109,110に表示される。
【0046】
操作画面100には、洗浄強さを強くするための「+」アイコン111、弱くするための「−」アイコン112及び洗浄強さを表示する表示部113が設けられている。アイコン111に触れると、ノズルから噴出する洗浄水量が多くなり、アイコン112に触れると洗浄水量が減少する。
【0047】
操作画面100にはノズルから噴出する洗浄水の温度を高くするための「高」アイコン114、この温度を低くするための「低」アイコン115、及び設定温度を表示する表示部116が設けられている。アイコン114に触れると温水の設定温度が例えば0.5℃刻みで上昇し、アイコン115に触れるとこの設定温度が低下する。
【0048】
洗浄中に止アイコン104に触れ、温水洗浄便座3が洗浄終了無線信号を発信する(図4のステップ49)と、この信号を携帯情報端末10が受信し、ステップ68から69に進み、表示画面が図10の洗浄中用操作画面100から図9の着座時用操作画面90に戻る。その後、人が便座から立ち上がると、温水洗浄便座3が離座検知無線信号を発信する(図4ステップ51)ので、携帯情報端末10がこの離座検知無線信号を受信すると画面を待ち受け画面とし(ステップ70,71)、その後、ステップ61に戻る。
【0049】
ステップ63において、着座が検知されないときには、ステップ63,72を循環する。所定時間(例えば1〜3分)が経過しても着座が検知されないときには、ステップ72からステップ71に移り、画面を待ち受け画面とした後、ステップ61に戻る。
【0050】
なお、図示は省略するが、携帯情報端末10に設けられているメニュースイッチを操作すると、脱臭装置22、室内暖房装置23、照明装置24の操作アイコン及び設定条件送信指示アイコンを表示した条件項目表示画面に切り替わり、これらの装置22,23,24を操作したり、これらの装置22,23,24の作動設定条件を変更したり、温水洗浄便座3の設定条件を携帯情報端末10に送信することが可能となっている。
【0051】
これらの作動設定条件や、前記シャワー装置19又はビデ装置20の洗浄強さ、位置、ワイド洗浄、マッサージ洗浄などの設定条件を変更した場合、変更後の条件を携帯情報端末10のメモリに記憶させる。そして、シャワー装置19又はビデ装置20を作動させる度に携帯情報端末10のメモリに蓄積されているデータを温水洗浄便座に送信し(ステップ66)、温水洗浄便座3の設定条件データと携帯情報端末10の設定条件とを合致させる。
【0052】
上記の条件項目表示画面上で、設定条件送信指示アイコンを操作した場合に実行される割り込みプログラムについて図7を参照して説明する。
【0053】
メニュースイッチが操作されると、ステップ121から122に移り、図11に示す条件項目表示画面130を表示し、次いでステップ123に移り、設定条件送信指示アイコン131をタッチしたか判断する。なお、この表示画面130には、温水洗浄便座3から携帯情報端末10への設定条件送信指示用のアイコン131のほか、携帯情報端末10から温水洗浄便座3へ設定条件を送信するためのアイコン132や、便座温度の設定、脱臭装置のON、OFF設定などの各種の設定条件変更スイッチ用のアイコン133〜135と画面を元の表示に戻すためのリターンアイコン140が含まれる。
【0054】
ステップ123において、設定条件送信指示アイコン131にタッチしたときには、設定条件指示信号が制御部15に与えられ、設定条件データが携帯情報端末10に送信される。なお、アイコン132にタッチしたときには、携帯情報端末10に設定されている条件が温水洗浄便座3に送信される。リターンキー用アイコン140にタッチすると、表示画面が元の(メニュースイッチ操作前の)画面に戻る。なお、メニュースイッチを再度押すことにより元の画面に戻る仕様としてもよい。
【0055】
なお、温水洗浄便座3には、温水洗浄便座の累積使用回数・通電時間、当月の電気代や水道代の情報を記録するメモリ部を設定しておき、携帯情報端末10を所持した人Pがトイレルームに入室したときに、温水洗浄便座3から携帯情報端末10にメモリ部の記憶情報を送信し、携帯情報端末10の画面に表示させるようにしてもよい。このようにすれば、今現在の機器の水道代、電気代、部品のメンテナンス時期を携帯情報端末10の画面で確認することができる。
【0056】
操作画面のデザインを複数用意しておき、ユーザーが画面デザインを自由に選択することができるようにしてもよい。
【0057】
本発明では、携帯情報端末10を所持した人Pがトイレルームに入室したときに直ちに温水洗浄便座操作用画面に切り換えるのではなく、画面上に「温水洗浄便座を操作しますか?」等のメッセージを表示し、人Pが温水洗浄便座操作モードを選択した場合に温水洗浄便座操作画面(図6の非着座時用操作画面80)に切り換えるようにしてもよい。また、前記メニュースイッチを操作すると、温水洗浄便座の制御用ソフトの起動と非起動を切り替え設定するためのアイコンを表示するようにしてもよい。
【0058】
上記説明は本発明の一例であり、本発明は上記以外の態様とされてもよい。例えば、人がトイレルーム1に入室したことが検知されたときに便蓋5及び便座6の双方を開とするように設定してもよい。この設定はトイレ利用者の大半が男子小用利用者である場合に好適である。
【符号の説明】
【0059】
1 トイレルーム
2 便器
3 温水洗浄便座
7 第1人体検知センサ
8 第2人体検知センサ
10 携帯情報端末
31 温水ヒータ
32 シリンダ
33 ノズル
34 前後進装置
80 非着座時用操作画面
90 着座時用操作画面
100 洗浄中用操作画面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を有した携帯情報端末であって、温水洗浄便座を操作することが可能な携帯情報端末において、
温水洗浄便座からの無線信号を受信する手段と、
温水洗浄便座からの入室者検知信号を該受信手段が受信すると該表示画面に温水洗浄便座の操作画面を表示させる手段と、
温水洗浄便座の設定条件を記憶する記憶手段と、
該入室者検知信号又は着座検知信号を該受信手段が受信すると、該記憶手段に記憶された設定条件を温水洗浄便座に送信する手段と、
を備えたことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項2】
請求項1において、温水洗浄便座に対し現状の設定条件を携帯情報端末へ送信させる指示信号の送信手段を備えたことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項3】
請求項1又は2において、前記温水洗浄便座からの入室者検知信号を前記受信手段が受信すると、前記表示画面に温水洗浄便座非着座時用操作画面を表示させる手段と、
温水洗浄便座からの着座検知信号を該受信手段が受信すると該表示画面に温水洗浄便座の着座時用操作画面を表示させる手段と、
を備えたことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項4】
請求項3において、さらに、温水洗浄便座からの洗浄開始信号を該受信手段が受信すると該表示画面に洗浄中用操作画面を表示させる手段と、
温水洗浄便座からの洗浄停止信号を該受信手段が受信すると該表示画面に着座時用操作画面を表示させる手段と
を備えたことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項5】
温水洗浄便座と、請求項1ないし4のいずれか1項の携帯情報端末とを有する温水洗浄便座システムであって、
該温水洗浄便座は、
便器に設置される温水洗浄便座本体と、
トイレルーム内への人体の入室を検知するための人体検知手段と、
便座への着座を検知する着座センサと、
携帯情報端末からの操作信号を受信する操作信号受信手段と、
入室を示す無線信号を発信する手段とを備えたことを特徴とする温水洗浄便座システム。
【請求項6】
請求項5において、前記携帯情報端末は請求項3の携帯情報端末であり、前記温水洗浄便座はさらに、着座を示す無線信号及び離座を示す無線信号を発信する手段を備えたことを特徴とする温水洗浄便座システム。
【請求項7】
請求項6において、該携帯情報端末は請求項4の携帯情報端末であり、該温水洗浄便座は、温水洗浄便座の洗浄動作開始を示す無線信号及び温水洗浄便座の洗浄動作終了を示す無線信号の発信手段をさらに備えたことを特徴とする温水洗浄便座システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−26842(P2013−26842A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160020(P2011−160020)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(302045705)株式会社LIXIL (949)
【Fターム(参考)】