説明

携帯情報端末装置及びそれに用いる機能選択起動方法

【課題】 煩雑なボタン操作や機能の管理番号の記憶を行うことなく、従来よりも少ないボタン操作で所望の機能を起動可能な携帯情報端末装置を提供する。
【解決手段】 制御部11は折り畳み型携帯情報端末装置本体の各形態毎の機能選択動作を各形態での機能履歴として機能履歴記憶部16に記憶しておく。制御部11は開閉検出部(A)12、開閉検出部(B)13、回転検出部14各々の検出結果から折り畳み型携帯情報端末装置本体の各形態を判定し、その判定結果に基づいて機能履歴記憶部16から機能履歴を読出し、読出した機能履歴を基に各形態毎にサイドキーに割り当てた機能を選択して起動する。制御部11は機能履歴記憶部16から読出した機能履歴を、LCD部17に表示可能であれば、サイドキーにどの機能が割り当てられているかをLCD部17に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は携帯情報端末装置及びそれに用いる機能選択起動方法に関し、特に携帯情報端末装置に備えた機能を選択して起動する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
昨今の携帯情報端末装置においては、基本機能である電話機能やメール機能に加え、TV(テレビジョン)電話機能やカメラ機能、インタネット機能、さらにTVの受信やFM(Frequency Modulation)ラジオの受信と非常に多岐に渡る機能を有している。
【0003】
しかしながら、その筐体としては、取り扱いの利便性から小型化が図られ、操作キーの数も制限されている。そのため、一般に、まずメニュー画面から関連機能のブロックを選択し、さらに該当の機能を選択する構成となっており、メニューがかなりの階層構造をとり、所望の機能を選択するのに何回もキー操作を行う必要があるため、操作が煩雑であるとともに、時間を要するという問題がある。
【0004】
また、各機能の選択は、一般に、管理番号が割り付けられ、メニューキー押下後、直接管理番号を入力可能とはなっているが、上述したように、多種多様な機能を有しているため、頻繁に使用する機能以外は記憶しておくことが困難であり、結局、階層構造のメニューから辿って行く必要がある。
【0005】
さらに、通話に関しては、発信・着信の履歴を表示して容易に発呼可能な機能がごく一般的な機能としてほとんどの端末で有する機能となっている。しかしながら、近年では単なる電話としての使用頻度が低下しており、その他の多機能な項目の中から目的の機能・操作をいかに容易に選択して起動することがきるかという課題がある。
【0006】
そこで、操作を簡単化する方法としては、操作した機能履歴をその使用回数によって並べ替えかつ記憶し、その記憶した機能履歴を専用キーで呼び出し、所望の機能を上下キーによってスクロールすることで選択し、確定キーを押下して確定するもの方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【0007】
しかしながら、この機能履歴を使用する場合には、履歴呼び出しボタン、上下キーでの選択及び確定キー押下と、複数回のキー操作が必要であり、初回時よりは少ないボタン操作で機能を選択することができるが、まだ複数回の操作が必要であり、また回数によって重み付けを行っているので、一回だけ使用した機能を呼び出す場合には、下キーでのスクロールに複数回のキー押下が必要となり、やはり不便である。
【0008】
また、他の方法としては、上記の方法と同様に、機能設定の操作履歴をメモリに記憶し、操作履歴の呼び出しキーを押下することで、最新の3つの操作を順に表示する方法がある(例えば、特許文献2参照)。
【0009】
この方法の場合には、例えば着信音量設定を操作すると、呼び出し時も着信音量設定のみとなり、着信メロディ設定等の関連する機能群を呼び出すことができないという問題がある。
【0010】
さらに、別の方法としては、選択時記憶か、実行時記憶かの判定を加え、機能選択に重み付けを行い、選択された全てを記憶しないよう工夫した方法がある(例えば、特許文献3参照)。この方法の場合、同一機能群に含まれる機能は容易に選択可能なように構成されている。具体的には上下スクロールで直接の機能履歴を選択し、左右キーで同一機能群の機能を呼び出すことができるようにしている。
【0011】
この方法の場合には、現在の携帯電話機の機能として、ユーザが任意に設定できる文字の入力やインタネットへのアクセス等、操作を誘導するのみでは実現できない機能が多数存在し、また最新の携帯電話機の機能及び構成が複雑な遷移になり、1つの設定を変更したり、所望の機能を起動させるために多くのキー操作をしなければならないという課題がある。
【0012】
そこで、上記の問題を解決する方法としては、キー操作を学習することによって、ユーザが任意に入力した値を忠実に再現可能な携帯電話が提案されている(例えば、特許文献4参照)。この方法の場合には、メール作成の途中までを学習履歴として登録することで、宛先入力とタイトル入力までのメールを作成することができる。
【0013】
また、他の解決方法としては、ソフトキーに固定的に割り付けられた機能と起動回数をカウントした上位機能とを1つのキーに割り付け、ソフトキーを押下した場合、タイマを起動させ、一定時間内に二回押下された場合に起動回数で設定された機能・アプリを起動し、一回押下では一定時間が経過した場合に固定に割り付けられた機能が起動する方法がある(例えば、特許文献5参照)。
【0014】
【特許文献1】特開2000−261544号公報
【特許文献2】特開2001−127867号公報
【特許文献3】特開2002−101179号公報
【特許文献4】特開2003−244306号公報
【特許文献5】特開2003−101629号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、上述した従来の機能選択起動方法では、近年、様々な形態に変化し、多種多様な機能を有しているが、その各形態における機能履歴の有効活用に言及されておらず、その配慮もさなれていない。
【0016】
また、従来の機能選択起動方法では、例えば携帯電話機を例にした場合、折り畳み型で2軸ヒンジの構造をもつ端末や、スライド、回転構造を有する端末も多種存在し、その形態によってよく使用する機能が限定されてくることが予測されているが、それら形態別の使用機能を履歴管理することや、その形態で使用した機能を容易に再度起動することの配慮もさなれていない。
【0017】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、煩雑なボタン操作や機能の管理番号の記憶を行うことなく、従来よりも少ないボタン操作で所望の機能を起動させることができる携帯情報端末装置及びそれに用いる機能選択起動方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明による携帯情報端末装置は、少なくとも開閉自在な部材を含む携帯情報端末装置であって、
開閉による前記部材の各形態を検出する検出手段と、前記検出手段で検出される各形態で使用した機能の履歴を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶した前記機能の履歴をメニューとして表示する表示手段と、前記機能が割り付けられるキー部材と、前記検出手段で検出された前記部材の形態に対応する前記機能履歴を前記記憶手段から読出して前記表示手段に表示しかつその表示に基づいて前記キー部材が押下された時にそのキー部材に割り付けられた機能を起動する制御手段とを備えている。
【0019】
本発明による機能選択起動方法は、少なくとも開閉自在な部材を含む携帯情報端末装置に用いる機能選択起動方法であって、前記携帯情報端末装置が、開閉による前記部材の各形態を検出する検出処理と、その検出される各形態で使用した機能の履歴を記憶手段に記憶する処理と、前記記憶手段に記憶した前記機能の履歴をメニューとして表示手段に表示する処理と、前記検出処理で検出された前記部材の形態に対応する前記機能履歴を前記記憶手段から読出して前記表示手段に表示しかつその表示に基づいて前記機能が割り付けられるキー部材が押下された時にそのキー部材に割り付けられた機能を起動する処理とを行っている。
【0020】
すなわち、本発明の携帯情報端末装置は、折り畳み型の装置において、その開閉や二軸ヒンジの回転による装置の各形態を検出する手段と、検出された各形態で使用した機能履歴を記憶する手段と、その記憶した機能履歴をメニューとしてLCD(Liquid Crystal Display)に表示する手段と、サイドキーに該当する機能履歴を割り付ける制御手段とを持ち、各形態となったことを検出した場合、その形態で使用した機能履歴をサイドキーに割り付け、LCDに表示された該当の機能履歴を選択することによって、一回もしくは最小限のボタン操作で即座に所望の機能を選択して起動可能とすることを特徴とする。
【0021】
上記のように、本発明の携帯情報端末装置では、各形態に応じて使用した最新の機能選択操作を機能履歴として記憶し、機能履歴メニューとしてLCDに表示し、かつ対応した機能がサイドキーに割り付けられるので、各形態で一度使用した機能がサイドキーにて選択するだけ、つまり一回のボタン操作で、所望の機能を起動させることが可能となる。
【0022】
よって、本発明の携帯情報端末装置では、階層構造のメニューを順に選択していく煩雑なボタン操作を不要とし、もしくは機能の管理番号を記憶しておく必要もなく、各形態で最後に使用した機能から順に容易に呼び出すことが可能となり、各形態で過去に使用した機能(例えば、3つまでの機能)を、対応するサイドキーを一回押下するだけで、所望の機能を瞬時に起動することが可能となる。
【発明の効果】
【0023】
本発明は、以下に述べるような構成及び動作とすることで、煩雑なボタン操作や機能の管理番号の記憶を行うことなく、従来よりも少ないボタン操作で所望の機能を起動させることができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
次に、本発明の実施例について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施例による折り畳み型の携帯情報端末装置の構成を示すブロック図である。図1において、折り畳み型の携帯情報端末装置1は制御部11と、開閉検出部(A)12と、開閉検出部(B)13と、回転検出部14と、操作部15と、機能履歴記憶部16と、LCD(Liquid Crystal Display)部17と、ソフトキー管理部18と、アプリ部19とから構成されている。尚、図1においては、本実施例の説明に直接関係しない無線部や電源部等の図示及びその説明を省略している。
【0025】
図2〜図5は本発明の一実施例による折り畳み型の携帯情報端末装置1の各形態を示す斜視図である。これら図1〜図5を参照して本発明の一実施例による折り畳み型の携帯情報端末装置1について説明する。
【0026】
制御部11は折り畳み型の携帯情報端末装置1全体の制御を司り、開閉検出部(A)12はレシーバ側筐体20aがマイク側筐体20bからヒンジ部23にて通常に開いた、もしくは閉じた事象を検出し、開閉検出部(B)13はレシーバ側筐体20aを180°回転させた状態で開いた、もしくは閉じた事象を検出し、回転検出部14はレシーバ側筐体20aの回転状態0°もしくは180°を検出する。
【0027】
操作部15は各種のボタン操作を行い、機能履歴記憶部16は各形態毎の使用した機能履歴を記憶する。LCD部17は機能履歴メニュー24や通常の画面表示を行い、ソフトキー管理部18はサイドキー21に割り付ける機能やLCDに表示する機能履歴メニュー24を管理し、アプリ部19はTV(テレビジョン)機能やFM(Frequency Modulation)ラジオ機能、及びインタネット閲覧機能を実現する。
【0028】
図6は本発明の一実施例による折り畳み型の携帯情報端末装置1の形態変化の検出処理を示すフローチャートであり、図7及び図8は図1のLCD部17の画面遷移を示す図である。これら図1〜図8を参照して本発明の一実施例による折り畳み型の携帯情報端末装置1の各形態での機能履歴の記憶動作について説明する。
【0029】
まず、折り畳み型携帯情報端末装置1では、制御部11が開閉検出部(A)12の検出結果から折り畳み型携帯情報端末装置本体20をLCD部17を内側にして閉じた状態(図2に示す向きに閉じた状態)であるかどうかを判定し(図6ステップS1)、LCD部17を内側にして閉じた状態であれば、「形態0」の状態とする(図6ステップS2)。
【0030】
この「形態0」の状態で、例えば、サイドキー21によって現在時刻の読上げ機能を動作させた場合、制御部11は現在時刻の読上げ機能を「形態0」の機能履歴として機能履歴記憶部16に記憶する。この場合、本実施例による折畳み型携帯情報端末装置1ではLCD部17が見えないため、使用可能な機能が限定されてしまうが、機能履歴を有効にしていれば、無条件に「形態0」となった場合に機能履歴動作が起動されるものとする。
【0031】
次に、形態0の状態からレシーバ側筐体20aを開くと、開閉検出部(A)12によってレシーバ側筐体20aが開かれたことが制御部11に伝達される。この場合、制御部11は回転検出部14の検出結果から回転量が0°かどうかの判定を行い(図6ステップS3)、0°であれば、図3に示す「形態1」の状態とする(図6ステップS4)。
【0032】
この「形態1」の状態で、例えば、アプリ部19からメール送信の操作を行った場合、制御部11はメール送信操作を形態1の機能履歴として機能履歴記憶部16に記憶する。尚、各形態の初期状態ではデフォルトの優先機能を有しているものとし、使用した機能をデフォルトの機能から入れ替えを行うものとする。
【0033】
上記の状態からレシーバ側筐体20aを180°回転させると、回転検出部14によってレシーバ側筐体20aが180°回転したことが制御部11に伝達される。この場合、制御部11は回転検出部14の検出結果から180°回転したかどうかを判定し(図6ステップS5)、180°回転していれば、図4に示す「形態2」の状態とする(図6ステップS6)。
【0034】
この「形態2」の状態で、例えば、アプリ部19からカメラ撮影の機能選択が行われた場合、制御部11はカメラ撮影の機能選択動作を「形態2」での機能履歴として機能履歴記憶部16に記憶する。ここで、図3にて回転検出部14の0°、180°の検出動作に関しては、例えば位置を変えてリードスイッチを2個配置し、レシーバ側筐体20aの回転検出部14に隣接する左右非対称な位置に磁石を用いれば、どちらのリードスイッチがONしたかによって、0°もしくは180°の回転量を認識することが可能となる。
【0035】
また、図3にてカメラ部を図示していないが、例えば、マイク側筐体20bの背面等に設けられているものであり、カメラ撮影に関してレシーバ側筐体20aが回転0°の場合では風景や他の人物を撮影する通常モードとなり、180°回転させた場合では自分撮影用モードとなり、自分撮影等に使用する状態となるものである。
【0036】
上記の180°回転させた状態からレシーバ側筐体20aを閉じると、開閉検出部(B)13によってレシーバ側筐体20aが180°回転させた状態で閉じられたことが制御部11に伝達される。この場合、制御部11は開閉検出部(B)13の検出結果からレシーバ側筐体20aが180°回転された状態で閉じられたかどうかを判定し(図6ステップS7)、レシーバ側筐体20aが閉じられると、図5に示す「形態3」の状態とする(図6ステップS8)。
【0037】
この「形態3」の状態で、例えば、アプリ部19からTV機能の選択が行われた場合、制御部11はTV機能の選択動作を「形態3」での機能履歴として機能履歴記憶部16に記憶する。
【0038】
これによって、本実施例では、各形態に対応した機能履歴が機能履歴記憶部16に記憶された状態となる。ここでは、各形態での機能履歴を1つの動作で説明しているが、例えば3つの動作まで記憶可能としたり、任意の履歴数を記憶可能とすることができるものとする。
【0039】
次に、次回、上述した各「形態0〜3」となった場合の動作について説明する。まず、上述した例ではLCD部17を内側にしてレシーバ側筐体20aを閉じると、開閉検出部(A)12からレシーバ側筐体20aが閉じたことが制御部11に通知される。制御部11は開閉検出部(A)12の検出結果から閉状態と判定し(図6ステップS1)、図2に示す「形態0」の状態であることを認識する(図6ステップS2)。この場合、制御部11は機能履歴記憶部16から「形態0」の機能履歴を読出し、現在時刻の読上げ機能を起動する。
【0040】
次に、レシーバ側筐体20aを通常に開いた場合、制御部11は回転検出部14の検出結果からレシーバ側筐体20aの回転量が0°かどうかを判定し(図6ステップS3)、回転0°であれば、図3に示す形態1の状態なったことを認識する(図6ステップS4)。この場合、制御部11は機能履歴記憶部16から形態1の機能履歴を読出し、ソフトキー管理部18によって機能履歴メニュー24としてLCD部17に表示するとともに、ソフトキー管理部18にて機能履歴メニュー24に該当機能をサイドキー21に割り付ける。
【0041】
具体的には、LCD部17の機能履歴メニュー24の表示が、例えば、図7に示す表示となり、サイドキー21に表示メニューに該当する機能が割り付けられる。この場合には、1番上が“メール”、2番目が“カメラ”、3番目が“発信”、4番目が“TV”となっている。1番上の“メール”は記憶動作で説明したもっとも最近に使用した機能となっており、さらにこの「形態1」で使用した2番目以降に古い機能もしくは使用していない場合にデフォルトの機能が表示されるものである。
【0042】
ここで、具体的な例としては、先にこの「形態1」で使用したメール送信やカメラ撮影の機能を再度使用する場合、該当するサイドキー21を一回押下することで、その該当する機能が即座に呼び出されることとなる。例えば、再度メール送信を行う場合であれば、一番上のメールに該当するサイドキー21を押下することで、画面は図7に示す遷移状態となり、送信先を選択する画面に移行する。
【0043】
さらに、ここでも、最も新しい送信先から順に画面に表示し(図7では「Aさん」、「Bさん」、「Cさん」、「アドレス帳」の順番)、該当するサイドキー21を再び押下することで、メールの送信先を選択することができる。
【0044】
次に、レシーバ側筐体20aを180°回転させた場合、上記と同様に、制御部11は回転検出部14の検出結果からレシーバ側筐体20aが180°回転したかどうかを判定し(図6ステップS5)、180°回転していれば、図4に示す「形態2」の状態なったことを認識する(図6ステップS6)。この場合、制御部11は機能履歴記憶部16から「形態2」の機能履歴を読出し、カメラ機能が機能履歴としてLCD部17の最上位に表示される。そして、再びカメラ撮影を行う場合には、該当のサイドキー21を一回押下するだけで、カメラ機能を起動させることができる。
【0045】
さらに、レシーバ側筐体20aを180°回転させた状態で閉じた場合、制御部11は開閉検出部(B)13の検出結果からレシーバ側筐体20aが閉じた状態かどうかを判定し(図6ステップS7)、レシーバ側筐体20aが閉じていれば、上記と同様に、図5に示す「形態3」の状態なったことを認識する(図6ステップS8)。この場合、制御部11は機能履歴記憶部16から「形態3」の機能履歴を読出し、TV機能がLCD部17の最上位に機能履歴メニュー24として表示され、図8に示す画面状態となる。
【0046】
ここで、本実施例ではLCD部17に操作キーを設けていないため、図7に示すLCD部17の下に例示した“戻る”や“次候補”の表示を選択することができないため、その表示を行わないものとしている。
【0047】
そして、再度TVを見たい場合には、LCD部17の最上位に該当するサイドキー21を押下することで、図8に示す遷移となり、例えば、前回8Chを見ていれば、8Chの放送受信を開始するが、チャネル(Ch)をすぐに変更する可能性があるので、本実施例では一定時間内であれば、3局までサイドキー21を一回押下することで、チャネルを変えることができるようなメニュー表示例を示している。
【0048】
さらに、一例としてチャネルが一旦確定した後では、さらに画面状態を遷移させ、チャネルの変更とボリューム(Vol)(音量)の設定とをサイドキー21で操作可能とするものである。ここでチャネルの変更及びボリュームの設定表示はTV視聴のじゃまになるので、一定時間後に消すのが望ましい。但し、表示が消えた後も、チャネルの変更とボリュームの設定とはサイドキー21で操作可能となっているものとする。
【0049】
尚、上記の形態毎の機能履歴機能としては、ユーザ自身が使用有無を設定することができる構成としてもよい。
【0050】
このように、本実施例では、携帯情報端末装置1の各形態に応じて使用した最新の機能選択操作を機能履歴として機能履歴記憶部16に記憶し、機能履歴メニュー24としてLCD部17に表示し、かつ対応した機能をサイドキー21に割り付けるので、各形態で一度使用した機能をサイドキー21で選択するだけ、つまり一回のボタン操作で、所望の機能を起動させることができる。
【0051】
これによって、本実施例では、階層構造のメニューを順に選択していく煩雑なボタン操作を不要とし、もしくは機能の管理番号を記憶しておく必要もなく、各形態で最後に使用した機能から順に容易に呼び出すことができ、対応するサイドキー21を一回押下するだけで、所望の機能(過去に使用した3つまでの機能)を瞬時に起動することができる。
【0052】
尚、本発明は、機能履歴メニュー24をサイドキー21で選択した場合、すぐに該当する機能の動作を開始するのではなく、関連する機能ブロックメニューの表示にとどめても良い。具体的には、例えばカメラ撮影を行った場合も、機能履歴のメニュー表示をカメラ撮影、画像ビューア、カメラ機能の各種設定等として、すぐに撮影モードに移行しない構成としても良い。
【0053】
また、本発明は、機能ブロック毎に履歴の機能そのものを実行するか、機能ブロックメニューの表示に留めるかをユーザが登録可能な構成としてもよい。
【0054】
図9は本発明の他の実施例による折り畳み型携帯情報端末装置の構成を示すブロック図である。図9において、本発明の他の実施例による折り畳み型携帯情報端末装置3はタイマ部31を新たに設けた以外は図1に示す本発明の一実施例による折り畳み型携帯情報端末装置1と同様の構成となっており、同一構成要素には同一符号を付してある。
【0055】
本発明の一実施例では、「形態0」で無条件に最後の機能履歴を実行しているが、各形態の検出で制御部11によってタイマ部31を起動させ、例えば1秒経過後(この時間はユーザが設定可能な手段を設けるのが望ましい)、タイムアウトを制御部11に通知することで、サイドキー21で選択しない場合に、自動的に各形態別に最後に使用した機能、つまり機能履歴メニュー24の最上位に該当する機能をそのまま開始する構成としてもよい。
【0056】
また、その形態別に自動的に最後の機能を開始するか、機能履歴メニュー24の表示に留めるかをユーザが設定できる手段を設けてもよい。具体的には、「形態3」で最後にTV受信を行った場合に、形態3にすると、タイムアウトで自動的にTVの受信を開始することができる。
【0057】
図10は本発明の別の実施例によるレシーバ側筐体の構成例を示す図である。図10において、本発明の別の実施例によるレシーバ側筐体では、レシーバ側筐体20a上にファンクションキー41を設けている。
【0058】
本発明の一実施例では、サイドキー21を使用してソフトキーの機能選択を行っているが、本実施例ではレシーバ側筐体20a上のファンクションキー41に対応するLCD部17の下側に機能履歴メニュー24を小さく表示する構成としている。
【0059】
尚、本発明は、上記のサイドキー21、ファンクションキー41によるソフトキーの機能選択以外にも、操作部15の操作キー部22のテンキーにて番号を選択する構成としてもよい。この場合、機能履歴には番号を付加しておく必要がある。
【0060】
また、本発明は、レシーバ側筐体20aの開閉や回転の途中の角度を形態のパターンとし、自動的に履歴操作の最新動作を起動させることで、より多くの機能を操作なしで起動させることもできる。この場合には、タイマ部31のタイムアウトやメニューキー以外のボタン操作で動作を確定させることとしても良い。例えば、レシーバ側筐体20aの開閉の角度が5段階識別可能な構成である場合、各段階でTV受信のチャネルを5局選択したとすると次回、各段階の形態とした場合に自動的に、各段階、つまりこの場合にはレシーバ側筐体20aの開閉の角度を変えることで受信チャネルを選択することも可能となる。
【0061】
上記の説明では、レシーバ側筐体20aの開閉の角度とTV受信機能のチャネル選択とについて説明したが、形態と動作との組み合わせはユーザの自由であり、それぞれのユーザのさまざまな嗜好に対応することが可能となる。
【0062】
さらに、上記の説明では、レシーバ側筐体20aの開閉と回転との例を示し、実施例では回転検出部14の検出手段の一例として、リードスイッチを用いる手段について述べたが、各形態の検出手段はその他にフォトセンサを用いる手段等、どのような検出手段でもよく、またスライドタイプの場合ではそのスライド量やフラップ型タイプの場合の開閉や、その他、例えば加速度センサ等の各種センサを有する装置ではそれらの条件をも形態のパターンとして使用可能である。
【0063】
また、図3に示した回転検出部14では90°開いた状態での回転しか検出することができないが、図11に示すように、背面回転検出部51を新たに設けることで、レシーバ側筐体20aを180°開いた状態での回転検出をも行うことが可能となり、さらに形態のバリエーションを増やすことも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、上述したような各種形態(折り畳み型、スライド型、フラップ型等)の携帯電話機、PDA(Personal Digital assistant)、モバイル型のパーソナルコンピュータ等に適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】本発明の一実施例による折り畳み型の携帯情報端末装置の構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の一実施例による折り畳み型の携帯情報端末装置の各形態を示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施例による折り畳み型の携帯情報端末装置の各形態を示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施例による折り畳み型の携帯情報端末装置の各形態を示す斜視図である。
【図5】本発明の一実施例による折り畳み型の携帯情報端末装置の各形態を示す斜視図である。
【図6】本発明の一実施例による折り畳み型の携帯情報端末装置の形態変化の検出処理を示すフローチャートである。
【図7】図1のLCD部の画面遷移を示す図である。
【図8】図1のLCD部の画面遷移を示す図である。
【図9】本発明の他の実施例による折り畳み型携帯情報端末装置の構成を示すブロック図である。
【図10】本発明の別の実施例によるレシーバ側筐体の構成例を示す図である。
【図11】本発明のさらに別の実施例による折り畳み型携帯情報端末装置の構成例を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0066】
1,3 折り畳み型の携帯情報端末装置
11 制御部
12 開閉検出部(A)
13 開閉検出部(B)
14 回転検出部
15 操作部
16 機能履歴記憶部
17 LCD部
18 ソフトキー管理部
19 アプリ部
20 折り畳み型携帯情報端末装置本体
20a レシーバ側筐体
20b マイク側筐体
21 サイドキー
22 操作キー部
23 ヒンジ部
24 機能履歴メニュー
31 タイマ部
41 ファンクションキー
51 背面回転検出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも開閉自在な部材を含む携帯情報端末装置であって、
開閉による前記部材の各形態を検出する検出手段と、前記検出手段で検出される各形態で使用した機能の履歴を記憶する記憶手段と、前記記憶手段に記憶した前記機能の履歴をメニューとして表示する表示手段と、前記機能が割り付けられるキー部材と、前記検出手段で検出された前記部材の形態に対応する前記機能履歴を前記記憶手段から読出して前記表示手段に表示しかつその表示に基づいて前記キー部材が押下された時にそのキー部材に割り付けられた機能を起動する制御手段とを有することを特徴とする携帯情報端末装置。
【請求項2】
前記部材を回転自在に構成し、
前記部材が開いた状態での回転を検出する回転検出手段を含み、
前記制御手段は、前記検出手段及び前記回転検出手段各々の検出結果に基づいて前記キー部材に割り付けられた機能を起動することを特徴とする請求項1記載の携帯情報端末装置。
【請求項3】
前記回転検出手段は、前記部材が開いた状態で少なくとも90°及び180°のいずれかの回転を検出することを特徴とする請求項2記載の携帯情報端末装置。
【請求項4】
前記記憶手段に記憶する前記機能の履歴の使用の有無を外部指示に応じて設定自在としたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか記載の携帯情報端末装置。
【請求項5】
前記制御手段は、前記機能の履歴を当該機能に関連する機能ブロックを前記メニューとして前記表示手段に表示することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか記載の携帯情報端末装置。
【請求項6】
前記制御手段は、前記メニューの前記表示手段への表示において、前記機能の履歴を使用頻度順に表示させることを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか記載の携帯情報端末装置。
【請求項7】
前記検出手段及び前記回転検出手段各々のうちのいずれかにて前記部材の形態の変化が検出された時に起動されるタイマ手段を含み、
前記制御手段は、前記タイマ手段がタイムアウトを検出した時に前記使用頻度が最も高い機能を起動することを特徴とする請求項6記載の携帯情報端末装置。
【請求項8】
前記キー部材は、少なくとも筐体の側面に設けたサイドキーと、前記筐体の操作面に設けた操作キーと、前記筐体の前記表示手段と同一面に設けた特定キーとのうちのいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか記載の携帯情報端末装置。
【請求項9】
前記表示手段は、LCD(Liquid Crystal Display)であることを特徴とする請求項1から請求項8のいずれか記載の携帯情報端末装置。
【請求項10】
少なくとも折り畳み型の携帯電話機、スライド型の携帯電話機、フラップ型の携帯電話機、PDA(Personal Digital assistant)、モバイル型のパーソナルコンピュータのいずれかであることを特徴とする請求項1から請求項9のいずれか記載の携帯情報端末装置。
【請求項11】
少なくとも開閉自在な部材を含む携帯情報端末装置に用いる機能選択起動方法であって、前記携帯情報端末装置が、開閉による前記部材の各形態を検出する検出処理と、その検出される各形態で使用した機能の履歴を記憶手段に記憶する処理と、前記記憶手段に記憶した前記機能の履歴をメニューとして表示手段に表示する処理と、前記検出処理で検出された前記部材の形態に対応する前記機能履歴を前記記憶手段から読出して前記表示手段に表示しかつその表示に基づいて前記機能が割り付けられるキー部材が押下された時にそのキー部材に割り付けられた機能を起動する処理とを行うことを特徴とする機能選択起動方法。
【請求項12】
前記部材を回転自在に構成し、
前記携帯情報端末装置が、前記部材が開いた状態での回転を検出する回転検出処理を行い、前記検出処理及び前記回転検出処理各々の検出結果に基づいて前記キー部材に割り付けられた機能を起動することを特徴とする請求項11記載の機能選択起動方法。
【請求項13】
前記回転検出処理にて、前記部材が開いた状態で少なくとも90°及び180°のいずれかの回転を検出することを特徴とする請求項12記載の機能選択起動方法。
【請求項14】
前記記憶手段に記憶する前記機能の履歴の使用の有無を外部指示に応じて設定自在としたことを特徴とする請求項11から請求項13のいずれか記載の機能選択起動方法。
【請求項15】
前記携帯情報端末装置が、前記機能の履歴を当該機能に関連する機能ブロックを前記メニューとして前記表示手段に表示することを特徴とする請求項11から請求項14のいずれか記載の機能選択起動方法。
【請求項16】
前記携帯情報端末装置が、前記メニューの前記表示手段への表示において、前記機能の履歴を使用頻度順に表示させることを特徴とする請求項11から請求項15のいずれか記載の機能選択起動方法。
【請求項17】
前記携帯情報端末装置が、前記検出処理及び前記回転検出処理各々のうちのいずれかにて前記部材の形態の変化が検出された時にタイマ手段を起動し、前記タイマ手段がタイムアウトを検出した時に前記使用頻度が最も高い機能を起動することを特徴とする請求項16記載の機能選択起動方法。
【請求項18】
前記キー部材は、少なくとも筐体の側面に設けたサイドキーと、前記筐体の操作面に設けた操作キーと、前記筐体の前記表示手段と同一面に設けた特定キーとのうちのいずれかであることを特徴とする請求項11から請求項17のいずれか記載の機能選択起動方法。
【請求項19】
前記表示手段は、LCD(Liquid Crystal Display)であることを特徴とする請求項11から請求項18のいずれか記載の機能選択起動方法。
【請求項20】
前記携帯情報端末装置が、少なくとも折り畳み型の携帯電話機、スライド型の携帯電話機、フラップ型の携帯電話機、PDA(Personal Digital assistant)、モバイル型のパーソナルコンピュータのいずれかであることを特徴とする請求項11から請求項19のいずれか記載の機能選択起動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−279627(P2006−279627A)
【公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−96636(P2005−96636)
【出願日】平成17年3月30日(2005.3.30)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】