説明

携帯情報端末装置及びプログラム

【課題】 カメラ付きの携帯電話機或いはその他の携帯情報端末装置において、ズームレンズ部の出っ張りを抑制し得る携帯情報端末装置を提供する。
【解決手段】 軸部3を介して相互に回転可能に連結された第1及び第2部分1,2を備える携帯情報端末装置100である。第1部分1には撮影を行うカメラ6を、第2部分2にはカメラの撮影倍率を複数種類に変更可能なズームレンズ部9を、それぞれ設けた。第1部分1と第2部分2との相対角度を特定の角度にした場合に、カメラの視野にズームレンズ部9が位置し、ズームレンズ部9を介した撮影が可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯情報端末装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
現在、携帯電話機にカメラが搭載されるのは標準的となり、ユーザが携帯電話機を選択する上で重要視するのはカメラの性能や機能となってきている。
【0003】
今後は、ますます携帯電話のカメラの性能や機能が向上していくことが予想される。
【0004】
今後のカメラ付携帯電話に期待される機能としては光学ズーム機能がある。
【0005】
光学ズームはレンズを動かすことによって焦点距離を変化させることにより被写体の拡大倍率を光学的に変更する。
【0006】
そのため、ズームレンズ部を実装する場合、レンズの可動範囲を確保するためのスペースが必要となる。
【0007】
よって、ズームレンズ部は、携帯電話機への実装の仕方によっては携帯電話機の本体から突出した突起状物となってしまう。
【0008】
従って、ズームレンズ部が突出した状態で誤って携帯電話機を落下させてしまった場合、該ズームレンズ部を破損してしまう可能性がある。
【0009】
また、現在の光学ズーム付きデジタルカメラはズーム時の状態ではズームレンズ部が突起物となっているため、ズーム状態のままでの携帯性が悪い。
【0010】
なお、例えば特許文献1には、ズームレンズ付きの携帯電話機が開示されている。
【0011】
すなわち、特許文献1には、アンテナ部にズームレンズを設け、ユーザがアンテナ部を伸縮させるのに伴わせて該アンテナ部の中心軸方向にてズームレンズを進退移動させることにより撮影倍率を変更する構成が記載されている。
【特許文献1】特開2003−309632号公報(図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
しかしながら、特許文献1の技術の場合には、ズームレンズがアンテナ部に設けられているため、やはり、ズームレンズ部が突出した状態で誤って携帯電話機を落下させてしまった場合、該ズームレンズ部を(アンテナ部ごと)破損してしまう可能性がある。
【0013】
本発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、カメラ付きの携帯電話機或いはその他の携帯情報端末装置において、ズームレンズ部の出っ張りを抑制し得る携帯情報端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記課題を解決するため、本発明の携帯情報端末装置は、軸部を介して相互に回転可能に連結された第1及び第2部分を備える携帯情報端末装置において、前記第1部分には撮影を行うカメラを、前記第2部分には前記カメラの撮影倍率を複数種類に変更可能なズームレンズ部を、それぞれ設け、前記第1部分と前記第2部分との相対角度を特定の角度にした場合に、前記カメラの視野に前記ズームレンズ部が位置し、該ズームレンズ部を介した撮影が可能となることを特徴としている。
【0015】
上記課題を解決するため、本発明の携帯情報端末装置は、軸部を介して相互に回転可能に連結された複数の部分を備える携帯情報端末装置において、前記複数の部分のうちの第1部分には撮影を行うカメラを、第2部分には前記カメラの撮影倍率を複数種類に変更可能なズームレンズ部を、それぞれ設け、前記第1部分と前記第2部分との相対角度を特定の角度にした場合に、前記カメラの視野に前記ズームレンズ部が位置し、該ズームレンズ部を介した撮影が可能となることを特徴としている。
【0016】
本発明の携帯情報端末装置においては、前記ズームレンズ部は、前記第2部分に内蔵されていることが好ましい。
【0017】
本発明の携帯情報端末装置においては、前記ズームレンズ部は、光軸方向に移動可能なレンズを備えて構成され、該レンズが前記光軸方向に移動されることにより、前記カメラの撮影倍率を変更することが好ましい。
【0018】
本発明の携帯情報端末装置においては、前記ズームレンズ部は、相互に光軸が一致する少なくとも2つ以上のレンズを備えて構成され、このうち少なくとも1つのレンズがその光軸方向に移動されることにより、前記カメラの撮影倍率を変更することも好ましい。
【0019】
本発明の携帯情報端末装置においては、前記レンズの移動方向は、前記第1部分に対して近づく方向及び遠ざかる方向であることが好ましい例とする。
【0020】
本発明の携帯情報端末装置においては、更に、前記第2部分には、前記ズームレンズ部のレンズをその光軸方向に移動させるレンズ駆動手段を設けたことが好ましい。
【0021】
この場合、前記カメラの撮影倍率を変更する操作を行うための倍率変更操作部と、前記レンズ駆動手段の駆動制御を行うレンズ駆動制御手段と、を備え、前記レンズ駆動制御手段は、前記第1部分と前記第2部分との相対角度を前記特定の角度にした状態において前記倍率変更操作部が操作された場合にのみ、前記レンズ駆動手段により前記レンズをその光軸方向に移動させる制御を行うことを好ましい例とする。
【0022】
或いは、本発明の携帯情報端末装置においては、前記カメラの撮影倍率を変更する操作を行うための倍率変更操作部と、前記倍率変更操作部に対する操作力を前記ズームレンズ部のレンズに伝達して該レンズをその光軸方向に移動させる動力伝達機構と、を備えることも好ましい。
【0023】
本発明の携帯情報端末装置においては、前記第1及び第2部分は相互に開閉可能に連結され、前記特定の角度は、前記第1及び第2部分を相互に閉じた状態の角度であることが好ましい。
【0024】
この場合、前記カメラによる撮影操作を行うためのカメラ撮影操作部が、前記第1及び第2部分を閉じた際に内側となる面以外の当該携帯情報端末装置の何れかの面に配されていることが好ましい。
【0025】
また、本発明の携帯情報端末装置においては、前記第1及び第2部分は相互に開閉可能に連結され、前記特定の角度は、前記第1及び第2部分を閉じた状態の角度であり、前記カメラによる撮影操作を行うためのカメラ撮影操作部と、前記倍率変更操作部は、前記第1及び第2部分を閉じた際に内側となる面以外の当該携帯情報端末装置の何れかの面に配されていることが好ましい。
【0026】
本発明の携帯情報端末装置においては、前記第1部分と前記第2部分との相対角度が、前記第2部分における前記ズームレンズ部以外の部分が前記カメラによる撮影範囲内に位置して撮影の妨げとなるような角度である場合に、撮影を実行不能とさせる制御を行う撮影制御手段を備えることが好ましい。
【0027】
本発明の携帯情報端末装置においては、前記第1部分と前記第2部分との相対角度が、前記第2部分における前記ズームレンズ部以外の部分が前記カメラによる撮影範囲内に位置して撮影の妨げとなるような角度である場合に、エラー報知を行う報知手段を備えることも好ましい。
【0028】
本発明の携帯情報端末装置においては、前記軸部は、少なくとも、第1の軸を中心にして前記第1及び第2部分を相互に回転可能とするとともに、前記第1の軸に対し直交する第2の軸を中心にして前記第1及び第2部分を相互に回転可能とする複数軸構造をなしていることも好ましい。
【0029】
この場合、携帯情報端末装置は、前記第1部分の表側の面を内側にした第1の閉じ方と裏側の面を内側にした第2の閉じ方のどちらの閉じ方も可能に構成されていることが好ましい。
【0030】
更に、この場合、前記第1部分の表裏面のうちの一方の面には前記カメラが配され、前記表裏面のうちの他方の面には表示装置の表示画面が配され、該表示画面は前記カメラのファインダーとしての機能を少なくとも有することが好ましい。
【0031】
或いは、本発明の携帯情報端末装置においては、前記第1部分の表側の面には第1の前記カメラが、裏側の面には第2の前記カメラが、それぞれ配置されていることも好ましい。
【0032】
本発明の携帯情報端末装置は、例えば、携帯電話機であることを好ましい例とする。
【0033】
本発明のプログラムは、コンピュータが実行可能なプログラムにおいて、本発明の携帯情報端末装置の前記レンズ駆動制御手段による制御を実行するプログラムであることを特徴としている。
【0034】
本発明のプログラムは、コンピュータが実行可能なプログラムにおいて、本発明の携帯情報端末装置の前記撮影制御手段による制御を実行するプログラムであることを特徴としている。
【0035】
本発明のプログラムは、コンピュータが実行可能なプログラムにおいて、本発明の携帯情報端末装置の前記報知手段による報知を実行するためのプログラムであることを特徴としている。
【発明の効果】
【0036】
本発明によれば、カメラは第1部分に、ズームレンズ部は第2部分に、それぞれ設けているので、カメラ及びズームレンズ部を第1及び第2部分のうちのいずれか一方に集約している場合と比べて、ズームレンズ部の突出量を抑制することができる。よって、携帯電話機を誤って落下させてしまった場合にズームレンズ部を破損してしまう可能性を低減できる。
【0037】
また、ズームレンズ部が第2部分に内蔵された構造とすることにより、ズームレンズ部の突出を解消することができるので、携帯電話機を落下させてしまった場合におけるズームレンズ部の破損の可能性をより確実に低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0038】
以下、図面を参照して、本発明に係る実施形態について説明する。本実施形態では、本発明に係る携帯情報端末装置の適例としての携帯電話機についての説明を行う。
【0039】
〔第1の実施形態〕
図1は、本発明の第1の実施形態に係る携帯電話機(携帯情報端末装置)100を示す斜視図であり、このうち図1(a)は携帯電話機100を開いて表側から見た状態を示し、図1(b)は携帯電話機100を開いて裏側から見た状態を示す。
【0040】
また、図2は携帯電話機100のヒンジ部の動作を説明するための図、図3は携帯電話機100の第1の折り畳み方(携帯時や光学ズーム不使用での撮影時)を示す図、図4は携帯電話機100の第2の折り畳み方(光学ズーム撮影時)を示す図、図5は携帯電話機100の要部を示す図、図6は光学ズーム撮影時の携帯電話機を示す図、図7は携帯電話機100の主要なブロック構成を示す図である。
【0041】
図1に示すように、本実施形態に係る携帯電話機100は、ほぼ直方体形状の第1の筐体(第1部分)1と、第1の筐体1と同様の直方体形状の第2の筐体(第2部分)2と、第1の筐体1と第2の筐体2とを相互に回動可能に連結するヒンジ部(軸部)3と、を備える折り畳み式のものである。
【0042】
なお、ヒンジ部3は、第1及び第2の筐体1、2とは別体の構成要素としても良いし、或いは、第1及び第2の筐体1、2のそれぞれの一部分を組み合わせることによりヒンジ部3の全体或いは一部が構成されるようにしても良い。
【0043】
図1(a)に示すように、第1の筐体1の表側の面には、表示動作を行う表示部4(図7)の表示画面41と、通話などの際に音声を発する発音部5(図7)と携帯電話機100の外部とを連通させる発音孔51と、が配置されている。
【0044】
このうち表示部4は、例えば液晶表示装置などにより構成され、発音部5はスピーカからなる。
【0045】
また、図1(b)に示すように、第1の筐体1の裏側の面には、カメラ6(図5、図7)のカメラレンズ61が配置されている。
【0046】
他方、第2の筐体2の表側の面には、図1(a)に示すように、通話の発信、受話、文字入力及びその他の主要な操作を行うための主操作部7と、通話の際の音声を検出する送話部8(図7)と携帯電話機100の外部とを連通させる送話孔81と、が配置されている。
【0047】
このうち主操作部7は、例えば、複数の操作ボタンからなり、このうち操作ボタンを選択して操作するか、又は複数のボタン操作を組み合わせて行うことにより、ユーザは所望の機能を実行できる。また、送話部8は、マイクからなる。
【0048】
さらに、図1(a)及び図1(b)に示すように、第2の筐体2には、カメラ6の撮影倍率を複数種類に変更可能なズームレンズ部9が設けられている。
【0049】
このズームレンズ部9は、第2の筐体2の表裏を貫通するように設けられているとともに、該第2の筐体2内に内蔵されている。
【0050】
このように、携帯電話機100において、第1の筐体1には撮影を行うカメラ6が、第2の筐体2にはカメラ6の撮影倍率を複数種類に変更可能なズームレンズ部9が、それぞれ設けられている。
【0051】
なお、本実施形態に係る携帯電話機100では、カメラ6を用いた撮影としては、ズームレンズ部9を使用した光学ズーム撮影と、ズームレンズ部9を使用しない通常撮影とをそれぞれ行うことが可能となっている。
【0052】
このうち通常撮影は、図1に示すように第1の筐体1と第2の筐体2とを開いた状態時に行うことができる。
【0053】
他方、光学ズーム撮影は、図4乃至図6に示すように、カメラ6のカメラレンズ61がズームレンズ部9側を向くように第1の筐体1と第2の筐体2とを閉じた状態時に行うことができる(詳細後述)。
【0054】
図2(a)に示すように、携帯電話機100のヒンジ部3は、例えば、第1の軸(X軸)と、該第1の軸に対し直交する第2の軸(Y軸)と、を備える2軸ヒンジであり、第1の軸を中心にして第1及び第2筐体1,2を相互に回転可能とさせると共に、第2の軸を中心にしても第1及び第2筐体1,2を相互に回転可能とさせている。
【0055】
このうち第1の軸(X軸)を中心として、第1の筐体1を第2の筐体2に対して図2(a)の矢印A方向に回動させることにより、図3に示すように、表示画面41及び主操作部7が内側を向くようにして第1の筐体1と第2の筐体2とを閉じることができる(図3(b)の状態)。
【0056】
図3(b)に示すように閉じた状態は、表示画面41を保護できるとともに、主操作部7への操作がなされてしまうことも防止できるので、例えば携行時に好適である。
【0057】
他方、第1の軸を中心とした回動と第2の軸を中心とした回動(図2(b)の矢印B方向の回動)を組み合わせることにより、図4に示すように、カメラレンズ61及び主操作部7が内側を向き、表示画面41は外側を向くようにして第1の筐体1と第2の筐体2とを閉じることができる(図4(b)の状態)。
【0058】
このように、携帯電話機100は、第1の筐体1の表側の面を内側にした閉じ方と裏側の面を内側にした閉じ方のどちらも可能に構成されている。
【0059】
また、これら2種類のいずれの閉じ方で閉じた場合にも、閉じる動作とは反対方向に第1の筐体1を第2の筐体2に対して回動させることにより、第1の筐体1と第2の筐体2とを開くことができる(図2(a)の状態)。
【0060】
ここで、図4(b)に示すように閉じた状態では、カメラ6の視野にズームレンズ部9が位置して該ズームレンズ部9を介してカメラ6により撮影できるように、カメラ6及びズームレンズ部9がそれぞれ配置されている。
【0061】
つまり、本実施形態の場合、第1の筐体1と第2の筐体2との相対角度を、これら両筐体1,2を閉じた状態の角度(つまり略0°)にした場合に、カメラ6の視野にズームレンズ部9が位置し、該ズームレンズ部9を介した撮影が可能となる。
【0062】
図5は、図4(b)に示すように閉じた状態時におけるカメラ6及びズームレンズ部9の配置を示している。
【0063】
図5に示すように、カメラ6は、カメラレンズ61と、該カメラレンズ61を介して像を撮影する撮像素子62と、を備えて構成されている。
【0064】
また、ズームレンズ部9は、例えば、第2の筐体2に対する相対位置が固定された固定レンズ91と、光学ズーム機能の使用時に図5の矢印C方向及びD方向へと第2の筐体2に対して相対的に移動可能な可動レンズ92と、を備えている。
【0065】
ここで、固定レンズ91及び可動レンズ92は、相互に光軸が一致するように配置されている。
【0066】
また、可動レンズ92の移動方向、すなわち図5の矢印C方向及びD方向は、可動レンズ92の光軸方向に一致していると共に、図4(b)に示すように閉じた状態時において、第1の筐体1(のカメラ6)に対して近づく方向及び遠ざかる方向である。
【0067】
更に、ズームレンズ部9は、可動レンズ92を図5の矢印C方向及びD方向へと移動させるレンズ駆動手段として、例えばレンズ駆動モータ93(図7)を備えている。
【0068】
加えて、図6に示すように、携帯電話機100は、撮影倍率を上げる操作を行うための第1のズームボタン(倍率変更操作部)94と、撮影倍率を下げる操作を行うための第2のズームボタン(倍率変更操作部)95と、被写体を撮影する操作を行うための撮影ボタン(カメラ撮影操作部)63と、が設けられている。
【0069】
このうち第1のズームボタン94が操作されると、レンズ駆動モータ93は可動レンズ92を図5の矢印C方向に移動させる。すると、この移動に伴い、可動レンズ92、固定レンズ91及びカメラレンズ61からなるレンズ群の焦点距離が変化し、カメラ6による撮影倍率が徐々に高くなる。
【0070】
なお、矢印C方向への可動レンズ92の移動は、第1のズームボタン94に対する操作を解除するか、又は、可動レンズ92が所定の限界位置まで達するまで継続される。ここで、この限界位置は、可動レンズ92がこの限界位置まで達した状態でも、可動レンズ92が第2の筐体2の表側の面(図5の状態で内側の面)よりも突出しないような位置に設定されている。
【0071】
他方、第2のズームボタン95が操作されると、レンズ駆動モータ93は可動レンズ92を図5の矢印D方向に移動させる。すると、この移動に伴い、可動レンズ92、固定レンズ91及びカメラレンズ61からなるレンズ群の焦点距離が変化し、カメラ6による撮影倍率が徐々に低くなる。
【0072】
なお、矢印D方向への可動レンズ92の移動は、第2のズームボタン95に対する操作を解除するか、又は、可動レンズ92が所定の限界位置まで達するまで継続される。ここで、この限界位置は、可動レンズ92がこの限界位置まで達した状態でも、可動レンズ92が固定レンズ93に対して接触しないような位置に設定されている。
【0073】
また、撮影ボタン63が操作されると、カメラ6は撮影を行う。
【0074】
なお、以下では、これら第1のズームボタン94、第2のズームボタン95及び撮影ボタン63を総称して、副操作部という。
【0075】
ここで、副操作部の各ボタンが、例えば、第1の筐体1の表側又は裏側の面、或いは、第2の筐体2の表側の面に設けられていたのでは、第1の筐体1と第2の筐体2とを閉じた状態時に副操作部の各ボタンが内側に隠れてしまうため、これら各ボタンを操作することができない。
【0076】
そこで、副操作部の各ボタンは、図6に示すように、第1の筐体1と第2の筐体2とを閉じた際に内側となる面以外の面、具体的には、例えば、第2の筐体2の側面に設けられている。このため、第1の筐体1と第2の筐体2とを閉じた際にも、好適に副操作部の各ボタンを操作できるようになっている。
【0077】
図7に示すように、携帯電話機100は、上記において説明した各構成要素に加えて、外部(具体的には、例えば基地局)との無線通信を行う無線部10と、この無線部10に備えられ、外部(具体的には、例えば基地局)との間で無線電波の送受信を行うアンテナ11と、当該携帯電話機100の動作用電源としての、例えば充電可能な2次電池からなる電池12と、携帯電話機100の各構成要素を統括制御する制御部13と、を備えている。
【0078】
制御部13は、CPUとメモリを備えて構成され、メモリにはCPU制御用のプログラムが格納されている。CPUひいては制御部13は、このプログラムに従って動作する。
【0079】
この制御部13には、主操作部7及び副操作部の各操作ボタンに対する操作の検出信号、カメラ6の撮像素子62により撮像した画像データ、送話部8により検出した音声データ及び無線部10からの信号などが入力されるようになっている。
【0080】
そして、制御部13は、主操作部7及び副操作部から入力される検出信号に応じて、携帯電話機100の動作モードを、例えば、通話モード、電子メールモード、カメラ撮影モードなどのうちの何れかに切り替えたり、これらの各動作モードにおける所望の動作を実行したりする。
【0081】
すなわち、制御部13は、表示部4に対して制御信号を送って表示画面41における表示画像を制御したり、発音部5に対して制御信号を送って発音部5から発せられる音声を制御したり、無線部10に対して制御信号を送って通話や電子メールの送受信といった通信機能を制御したりする。
【0082】
また、特に、カメラ撮影モードにおいては、制御部(レンズ駆動制御手段)13は、次の各制御を行う。すなわち、撮影ボタン63からの検出信号が入力された場合にはカメラ6に対して撮像動作を行わせる制御を行う。また、第1のズームボタン94からの検出信号が入力された場合にはレンズ駆動モータ93を駆動して可動レンズ92を図5の矢印C方向に移動させる制御を行う。更に、第2のズームボタン95からの検出信号が入力された場合にはレンズ駆動モータ93を駆動して可動レンズ92を図5の矢印D方向に移動させる制御を行う。
【0083】
次に、本実施形態に係る携帯電話機100の動作を説明する。
【0084】
図1のように携帯電話機100を開いた状態では、ズームレンズ部9を用いないで通常倍率で撮影(レンズとしてはカメラレンズ61のみを用いた撮影)することが可能である。撮影は、撮影ボタン63を操作することにより行うことができる。
【0085】
なお、表示画面41には、撮影の際に撮像素子62に写る像が表示される。つまり、表示画面41は、カメラ6のファインダーとして機能するので、該表示画面41の表示を確認しながら、所望の被写体を撮像することができる。
【0086】
他方、図4乃至図6に示すように、カメラ6のカメラレンズ61側の内側にして折り畳んだ状態では、カメラ6の視野にズームレンズ部9が位置し、撮像素子62、カメラレンズ61、可動レンズ92及び固定レンズ91が同一軸状に並んだ状態となる。よって、ズームレンズ部9の可動レンズ92及び固定レンズ91を介した光学ズーム撮影が可能となる。
【0087】
また、第1のズームボタン94を操作すると、可動レンズ92が図5の矢印C方向に移動するので、カメラ6の撮像素子62に倍率を更に上げて像を写すことができる。逆に、第2のズームボタン95を操作すると、可動レンズ92が図5の矢印D方向に移動し、カメラ6の撮像素子62に倍率を下げて像を写すことができる。
【0088】
そして、所望のズーム倍率に調節したところで、撮影ボタン63を操作することにより、所望のズーム倍率での撮像を行うことができる。
【0089】
以上のような第1の実施形態によれば、カメラ6は第1の筐体1に、ズームレンズ部9は第2の筐体2に、それぞれ設けているので、カメラ6及びズームレンズ部6を第1及び第2の筐体1、2のうちのいずれか一方に集約した配置にした場合と比べて、筐体(第1の筐体1又は第2の筐体)からのズームレンズ部9の突出量を抑制することができる。
【0090】
よって、携帯電話機100を誤って落下させてしまった場合にズームレンズ部9を破損してしまったりする可能性を低減できる。
【0091】
また、特に、ズームレンズ部9が第2の筐体2内に内蔵されているので、ズームレンズ部9の突出を解消することができるので、携帯電話機100を落下させてしまった場合におけるズームレンズ部9の破損の可能性をより確実に低減できる。
【0092】
更に、携帯性及び安定性のよい折り畳んだ状態で光学ズーム機能が使用できるので、光学ズーム撮影時の操作性が向上し、手ぶれを抑制できる。
【0093】
また、光学ズーム時にズームレンズ部9が突起物とならないため、ズーム状態のままで携帯しても携帯性(携帯のし易さ)を損なわない。
【0094】
〔第2の実施形態〕
図8は第2の実施形態に係る携帯電話機200をほぼ正面方向から見た斜視図である。
【0095】
本実施形態に係る携帯電話機200は、以下に説明する点でのみ上記の第1の実施形態に係る携帯電話機100と異なり、その他の点では第1の実施形態に係る携帯電話機100と同様に構成されているため、同様の構成要素には同一の符号を付すとともに、相違点についてのみ説明を行う。
【0096】
図8に示すように、本実施形態に係る携帯電話機200は、そのヒンジ部3の構造のみが第1の実施形態に係る携帯電話機100と異なる。
【0097】
すなわち、上記の第1の実施形態に係る携帯電話機100のヒンジ部3が2軸ヒンジにより構成されていたのに対し、第2の実施形態に係る携帯電話機200のヒンジ部3は、図8に示すように、例えば、第1の筐体1を一平面内(例えば、表示画面41の面方向と同一平面内)において回転可能とさせる回転ヒンジにより構成されている。
【0098】
従って、本実施形態の場合、例えば、第1の筐体1を第2の筐体2に対して図8の矢印E方向に回転させて第1の筐体1と第2の筐体とを重ね合わせた状態にし、カメラ6の視野にズームレンズ部9を位置させることにより、図6の状態の場合と同様にズームレンズ部9を用いた撮影が可能な状態となる。
【0099】
以上のような第2の実施形態によれば、図8に示すような回転ヒンジ3を備える携帯電話機200の場合にも本発明を適用することができる。
【0100】
〔第3の実施形態〕
図9は第3の実施形態に係る携帯電話機300を示す斜視図であり、このうち図9(a)は携帯電話機300を開いて表側から見た状態を示し、図9(b)は携帯電話機300を開いて裏側から見た状態を示す。
【0101】
本実施形態に係る携帯電話機300は、以下に説明する点でのみ上記の第1の実施形態に係る携帯電話機100と異なり、その他の点では第1の実施形態に係る携帯電話機100と同様に構成されているため、同様の構成要素には同一の符号を付すとともに、相違点についてのみ説明を行う。
【0102】
図9に示すように、本実施形態に係る携帯電話機300においては、第1の筐体1の裏面側にも表示画面42が設けられている。なお、表示画面42は、例えば、表示画面41よりも画面が小さい副表示画面であり、表示画面41は表示画面42よりも大画面の主表示画面であることが挙げられる。
【0103】
また、カメラ6のカメラレンズ61は、第1の筐体1の表側の面に配置されている。
【0104】
そして、表示画面41及びカメラレンズ61が内側を向く一方で表示画面42が外側を向くように第1の筐体1と第2の筐体2とを折り畳んだ際に、撮像素子62、カメラレンズ61、可動レンズ92及び固定レンズ91が同一軸状に並び、これらカメラレンズ61及び可動レンズ92を介した光学ズーム撮影が可能となるように、カメラ6が配置されている。
【0105】
また、光学ズーム撮影時には、制御部13の制御下で、撮像素子62に写る像を表示画面42にて表示するようになっている。
【0106】
つまり、光学ズーム撮影時に内側となる表示画面41ではなく、光学ズーム撮影時に外向きとなる表示画面42がカメラ6のファインダーとして機能するので、該表示画面42の表示を確認しながら、所望の被写体を撮像することができる。
【0107】
以上のような第3の実施形態によれば、図9に示すように、第1の筐体1の裏面側にも表示画面42が設けられている携帯電話機300の場合に、本発明を好適に適用することができる。
【0108】
〔第4の実施形態〕
図10は第4の実施形態に係る携帯電話機400を示す斜視図であり、このうち図10(a)は携帯電話機400を開いて表側から見た状態を示し、図10(b)は携帯電話機400を開いて裏側から見た状態を示す。
【0109】
本実施形態に係る携帯電話機400は、以下に説明する点でのみ上記の第3の実施形態に係る携帯電話機300と異なり、その他の点では第3の実施形態に係る携帯電話機300と同様に構成されているため、同様の構成要素には同一の符号を付すとともに、相違点についてのみ説明を行う。
【0110】
図10に示すように、本実施形態に係る携帯電話機400は、そのヒンジ部3の構造のみが第3の実施形態に係る携帯電話機300と異なる。
【0111】
すなわち、上記の第3の実施形態においては、携帯電話機300のヒンジ部3が2軸ヒンジにより構成され、第1の筐体1がX軸及びY軸(図2参照)を中心としてそれぞれ第2の筐体2に対して回動可能であるのに対し、第4の実施形態に係る携帯電話機400のヒンジ部3は、第1の筐体1を図10のX軸を中心としてのみ第2の筐体2に対して回動可能とさせる1軸ヒンジである。
【0112】
以上のような第4の実施形態によれば、図10に示すような1軸ヒンジ3を備える携帯電話機400の場合にも本発明を適用することができる。
【0113】
〔第5の実施形態〕
図11は第5の実施形態に係る携帯電話機500の主要なブロック構成を示すブロック図である。
【0114】
本実施形態に係る携帯電話機500は、以下に説明する点でのみ上記の第1の実施形態に係る携帯電話機100と異なり、その他の点では第1の実施形態に係る携帯電話機100と同様に構成されているため、同様の構成要素には同一の符号を付すとともに、相違点についてのみ説明を行う。
【0115】
本実施形態に係る携帯電話機500は、第1の筐体1と第2の筐体2との相対角度を検出する角度検出センサ14を備えている。より具体的には、この角度検出センサ14は、X軸及びY軸周りにおける第1の筐体1と第2の筐体2との相対角度を検出し、該検出結果を制御部13に対して出力する。
【0116】
制御部13は、角度検出センサ14による検出結果に応じて、以下に説明する制御を行う。なお、この制御は、制御部13のメモリに記憶されたプログラムに従って行う。
【0117】
先ず、ズームレンズ部9を用いた光学ズーム撮影は、第1の筐体1と第2の筐体2とを図4乃至図6に示すような向きで閉じた状態時にしか行うことができない。
【0118】
そこで、制御部(レンズ駆動制御手段)13は、角度検出センサ14による検出結果が、第1の筐体1と第2の筐体2とを図4乃至図6に示すような向きで閉じた状態時における検出結果である場合にのみ、第1及び第2のズームボタン94、95(倍率変更操作部)の何れかが操作された場合にレンズ駆動モータ93により可動レンズ92を光軸方向に移動させる制御を行う。他方、角度検出センサ14による検出結果が、第1の筐体1と第2の筐体2とを図4乃至図6に示すような向きで閉じた状態時における検出結果でなかった場合には、第1及び第2のズームボタン94、95(倍率変更操作部)の何れが操作されても、レンズ駆動モータ93により可動レンズ92を光軸方向に移動させる制御は行わない。
【0119】
また、例えば図4(a)に示すように、カメラ6を内側にして第1の筐体1と第2の筐体2とを閉じる途中の状態時には、第2の筐体2においてズームレンズ部9以外の部分(例えば、ズームレンズ部9の周囲の部分)がカメラ6による撮影範囲内に位置して撮影の妨げとなる。
【0120】
そこで、制御部(撮影制御手段)13は、第1の筐体1と第2の筐体2とのとの相対角度が、第2の筐体2におけるズームレンズ部9以外の部分がカメラ6による撮影範囲内に位置して撮影の妨げとなるような角度である場合には、撮影を実行不能とさせる制御を行う。つまり、この場合、撮影ボタン63が操作されてもカメラ6は撮影を行わない。
【0121】
更に、携帯電話機500の動作モードが撮影モードであるにも関わらず、第1の筐体1と第2の筐体2とのとの相対角度が、第2の筐体2におけるズームレンズ部9以外の部分がカメラ6による撮影範囲内に位置して撮影の妨げとなるような角度である場合には、制御部(報知手段)13は、エラー報知を行わせる制御を行う。ここで、エラー報知としては、例えば、表示画面(制御部13と共に報知手段を構成する)41にて「ズーム撮影するにはカメラを内側にして携帯電話機をきちんと閉じて下さい。通常撮影の場合は開いて下さい」とのエラーメッセージを表示したり、或いは、発音部(制御部13と共に報知手段を構成する)5にてエラー報知音を発音したりする報知が挙げられる。
【0122】
或いは、第1の筐体1と第2の筐体2とのとの相対角度が、第2の筐体2におけるズームレンズ部9以外の部分がカメラ6による撮影範囲内に位置して撮影の妨げとなるような角度である場合において、撮影ボタン63が操作された場合に限り、上記のような何れかの報知動作を行うようにしても良い。
【0123】
以上のような第5の実施形態によれば、角度検出センサ14による検出結果が、第1の筐体1と第2の筐体2とを図4乃至図6に示すような向きで閉じた状態時における検出結果である場合にのみ、第1及び第2のズームボタン94、95が操作された場合にレンズ駆動モータ93により可動レンズ92を移動させる制御を行うので、例えば、通常撮影時に誤って第1及び第2のズームボタン94、95を操作した場合にまで無駄に可動レンズ92を移動させてしまうことがなくなり、電池の消耗を抑制できる。
【0124】
また、第1の筐体1と第2の筐体2とのとの相対角度が、第2の筐体2におけるズームレンズ部9以外の部分がカメラ6による撮影範囲内に位置して撮影の妨げとなるような角度である場合には、撮影を実行不能とさせる制御を行うので、誤って第2の筐体2を撮影してしまうことを防止できる。
【0125】
同様に、第1の筐体1と第2の筐体2とのとの相対角度が、第2の筐体2におけるズームレンズ部9以外の部分がカメラ6による撮影範囲内に位置して撮影の妨げとなるような角度である場合、エラー報知を行うので、誤って第2の筐体2を撮影してしまうことを防止できる。
【0126】
なお、上記においては、第5の実施形態に係る携帯電話機500の構造(カメラ6、ズームレンズ部9、表示画面41及びヒンジ部3などの構造)が上記の第1の実施形態に係る携帯電話機100と同様である例について説明したが、この例に限らず、第5の実施形態に係る携帯電話機500の構造は他の実施形態に係る携帯電話機200、300、400と同様であっても良い。
【0127】
また、上記の各実施形態では、携帯情報端末装置の好適な一例としての携帯電話機について説明したが、本発明はこの例に限らず、PHS(Personal Handy Phone System)、携帯型情報通信端末(PDA:Personal Digital Assistant)などのその他の携帯情報端末装置にも同様に適用可能である。
【0128】
また、上記の各実施形態では、携帯情報端末装置(例えば携帯電話機)が、軸部(ヒンジ部3)を介して相互に回動可能に連結された第1の筐体1及び第2の筐体2との2つの部分を備える例について説明したが、本発明はこの例に限らず、軸部を介して順次、相互に連結された3つ以上の部分からなる場合にも同様に適用可能である。
【0129】
また、上記の各実施形態では、第1の筐体1と第2の筐体2とを折り畳んだり(第1、第3及び第4の実施形態)、重ね合わせたり(第2の実施形態)した場合、つまり、いずれも第1の筐体1と第2の筐体2との相対角度が略0度の場合に、光学ズーム撮影が可能となる例について説明したが、第1の筐体1と第2の筐体2とを折り畳んだり重ね合わせたりする以外の角度にした場合に、光学ズーム撮影が可能となるようにしても良い。つまり、0度から180度の間の特定の角度(例えば、30度、45度、60度、90度の何れかなど)にした場合に、カメラ6の視野にズームレンズ部9が位置し、ズームレンズ部9を介した撮影が可能となるようにしても良い。なお、これらの場合、カメラ6及びズームレンズ部9の光軸方向を適宜に変更する必要がある。
【0130】
また、上記の各実施形態では、ズームレンズ部9が2つのレンズ91,92を備える例について説明したが、ズームレンズ部9は相互に光軸が一致する3つ以上のレンズを備えるのであっても良い。また、ズームレンズ部9のレンズ91,92のうちの1つのレンズ92のみが光軸方向に移動する例について説明したが、2つとも移動しても良い。或いは、3つ以上のレンズのうちの2つ以上が移動しても良い。すなわち、ズームレンズ部9は、相互に光軸が一致する少なくとも2つ以上のレンズを備えて構成され、このうち少なくとも1つのレンズがその光軸方向に移動されることにより、カメラ6の撮影倍率を変更するのであれば良い。
【0131】
或いは、上記の実施形態では、ズームレンズ部9が2つのレンズ部91,92を備える例について説明したが、ズームレンズ部9はレンズを1つのみ備え、このレンズが該レンズの光軸方向に移動されて、カメラ6の撮影倍率を変更するのであっても良い。
【0132】
また、上記の各実施形態では、ズームレンズ部9の可動レンズ92がレンズ駆動モータ93により駆動される例について説明したが、可動レンズ92を手動により駆動する構成であっても良い。すなわち、カメラ6の撮影倍率を変更する操作を行うための倍率変更操作部(図示略)と、この倍率変更操作部に対する操作力をズームレンズ部9のレンズ92に伝達して該レンズ92をその光軸方向に移動させる動力伝達機構(図示略)と、を備えるようにしても良い。具体的には、例えば、レンズ92を保持する第1の筒状部(図示略)と、この第1の筒状部の外側に配置された第2の筒状部(図示略)とを備え、第2の筒状部と第1の筒状部とはレンズ92の光軸方向を中心とする螺旋状のカム(図示略)により係合され、第2の筒状部の一部は第2の筐体2に形成された開口を介して第2の筐体2から露出し、第2の筒状部を回転させることにより、第1の筒状部とともにレンズ92を光軸方向に移動させることが可能に構成しても良い(この場合、倍率変更操作部は第2の筒状部により構成され、動力伝達機構はカム、第1筒状部及び第2の筒状部により構成されている)。或いは、レンズ92を保持する枠と、この枠と一体のツマミとを備え、このツマミの一部は第2の筐体2に形成されガイドとなる開口を介して第2の筐体2から露出し、ツマミをガイドに沿って操作してレンズ92を光軸方向に移動させることが可能に構成しても良い(この場合、倍率変更操作部はツマミにより構成され、動力伝達機構は枠により構成されている)。
【0133】
また、上記の各実施形態では、カメラ6が1つである例を説明したが、カメラ6が2つ或いはそれ以上備えられていても良い。具体的には、例えば、図1(b)に示すカメラ6と、図9(a)に示すカメラ6と、の双方を備えるものとし、いずれのカメラを用いても撮影可能にしても良い。つまり、第1の筐体1の表側の面には第1のカメラ6を、裏側の面には第2のカメラ6を、それぞれ配置しても良い。
【0134】
また、上記の各実施形態では、撮影倍率の変更に際して、可動レンズ92の停止位置を任意に選択することにより、連続的な値のうちの任意の値の倍率値を選択できるような構成について説明したが、値を段階的に選択できるようにしても良い。例えば、第1のズームボタン94を1回押す毎に倍率が1段階ずつ上がる一方で、第2のズームボタン95を1回押す毎に倍率が1段階ずつ下がるように、可動レンズ92を駆動制御することが挙げられる。
【0135】
また、上記の各実施形態では、ズームレンズ部9のレンズを光軸方向に移動させることにより撮影倍率を変更する例について説明したが、相互に倍率が異なる複数個のレンズのうちの何れか1つのレンズを選択的にカメラ6の視野に位置させることにより撮影倍率を変更するようにしても良い。すなわち、ズームレンズ部を、相互に倍率が異なる少なくとも2つ以上のレンズを備えた構成とし、このうち何れか1つのレンズを選択的にカメラの撮影倍率の変更用に用いることとしても良い。更に、この場合のレンズの選択動作についても、手動であっても良いし、或いは、モータなどの駆動手段により自動的に行うのであっても良い。
【図面の簡単な説明】
【0136】
【図1】第1の実施形態に係る携帯電話機の斜視図であり、このうち(a)は表側を、(b)は裏側を、それぞれ示す。
【図2】図1の携帯電話機のヒンジ部の動作を説明するための図であり、このうち(a)は開いた状態を、(b)は表示画面を外側にして閉じる動作を行う状態を、それぞれ示す。
【図3】表示画面を内側にした閉じ方を示す図であり、このうち(a)は閉じる動作を行う状態を、(b)は閉じた状態を、それぞれ示す。
【図4】光学ズーム使用時の閉じ方を示す図であり、このうち(a)は閉じる動作を行う状態を、(b)は閉じた状態を、それぞれ示す。
【図5】カメラ及びズームレンズ部を示す要部拡大図である。
【図6】光学ズーム使用時の携帯電話機の状態を示す図であり、このうち(a)は表示画面側を、(b)はその裏側を、それぞれ示す。
【図7】第1の実施形態に係る携帯電話機の主要なブロック構成を示すブロック図である。
【図8】第2の実施形態に係る携帯電話機をほぼ正面方向から見た斜視図である。
【図9】第3の実施形態に係る携帯電話機の斜視図であり、このうち(a)は表側を、(b)は裏側を、それぞれ示す。
【図10】第4の実施形態に係る携帯電話機の斜視図であり、このうち(a)は表側を、(b)は裏側を、それぞれ示す。
【図11】第5の実施形態に係る携帯電話機の主要なブロック構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0137】
1 第1の筐体(第1部分)
2 第2の筐体(第2部分)
3 ヒンジ部(軸部)
4 表示部
41 表示画面
6 カメラ
63 撮影ボタン(カメラ撮影操作部)
9 ズームレンズ部
91 固定レンズ(レンズ)
92 可動レンズ(レンズ)
93 レンズ駆動モータ(レンズ駆動手段)
94 第1のズームボタン(倍率変更操作部)
95 第2のズームボタン(倍率変更操作部)
13 制御部(レンズ駆動制御手段、報知手段)
100 携帯電話機(携帯情報端末装置)
200 携帯電話機(携帯情報端末装置)
42 表示画面
300 携帯電話機(携帯情報端末装置)
400 携帯電話機(携帯情報端末装置)
500 携帯電話機(携帯情報端末装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸部を介して相互に回転可能に連結された第1及び第2部分を備える携帯情報端末装置において、
前記第1部分には撮影を行うカメラを、前記第2部分には前記カメラの撮影倍率を複数種類に変更可能なズームレンズ部を、それぞれ設け、
前記第1部分と前記第2部分との相対角度を特定の角度にした場合に、前記カメラの視野に前記ズームレンズ部が位置し、該ズームレンズ部を介した撮影が可能となることを特徴とする携帯情報端末装置。
【請求項2】
軸部を介して相互に回転可能に連結された複数の部分を備える携帯情報端末装置において、
前記複数の部分のうちの第1部分には撮影を行うカメラを、第2部分には前記カメラの撮影倍率を複数種類に変更可能なズームレンズ部を、それぞれ設け、
前記第1部分と前記第2部分との相対角度を特定の角度にした場合に、前記カメラの視野に前記ズームレンズ部が位置し、該ズームレンズ部を介した撮影が可能となることを特徴とする携帯情報端末装置。
【請求項3】
前記ズームレンズ部は、前記第2部分に内蔵されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯情報端末装置。
【請求項4】
前記ズームレンズ部は、光軸方向に移動可能なレンズを備えて構成され、該レンズが前記光軸方向に移動されることにより、前記カメラの撮影倍率を変更することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の携帯情報端末装置。
【請求項5】
前記ズームレンズ部は、相互に光軸が一致する少なくとも2つ以上のレンズを備えて構成され、このうち少なくとも1つのレンズがその光軸方向に移動されることにより、前記カメラの撮影倍率を変更することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の携帯情報端末装置。
【請求項6】
前記レンズの移動方向は、前記第1部分に対して近づく方向及び遠ざかる方向であることを特徴とする請求項4又は5に記載の携帯情報端末装置。
【請求項7】
更に、前記第2部分には、前記ズームレンズ部のレンズをその光軸方向に移動させるレンズ駆動手段を設けたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の携帯情報端末装置。
【請求項8】
前記カメラの撮影倍率を変更する操作を行うための倍率変更操作部と、
前記レンズ駆動手段の駆動制御を行うレンズ駆動制御手段と、
を備え、
前記レンズ駆動制御手段は、
前記第1部分と前記第2部分との相対角度を前記特定の角度にした状態において前記倍率変更操作部が操作された場合にのみ、前記レンズ駆動手段により前記レンズをその光軸方向に移動させる制御を行うことを特徴とする請求項7に記載の携帯情報端末装置。
【請求項9】
前記カメラの撮影倍率を変更する操作を行うための倍率変更操作部と、
前記倍率変更操作部に対する操作力を前記ズームレンズ部のレンズに伝達して該レンズをその光軸方向に移動させる動力伝達機構と、
を備えることを特徴とする請求項4乃至6のいずれか一項に記載の携帯情報端末装置。
【請求項10】
前記第1及び第2部分は相互に開閉可能に連結され、前記特定の角度は、前記第1及び第2部分を相互に閉じた状態の角度であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか一項に記載の携帯情報端末装置。
【請求項11】
前記カメラによる撮影操作を行うためのカメラ撮影操作部が、前記第1及び第2部分を閉じた際に内側となる面以外の当該携帯情報端末装置の何れかの面に配されていることを特徴とする請求項10に記載の携帯情報端末装置。
【請求項12】
前記第1及び第2部分は相互に開閉可能に連結され、前記特定の角度は、前記第1及び第2部分を閉じた状態の角度であり、
前記カメラによる撮影操作を行うためのカメラ撮影操作部と、前記倍率変更操作部は、前記第1及び第2部分を閉じた際に内側となる面以外の当該携帯情報端末装置の何れかの面に配されていることを特徴とする請求項8又は9に記載の携帯情報端末装置。
【請求項13】
前記第1部分と前記第2部分との相対角度が、前記第2部分における前記ズームレンズ部以外の部分が前記カメラによる撮影範囲内に位置して撮影の妨げとなるような角度である場合に、撮影を実行不能とさせる制御を行う撮影制御手段を備えることを特徴とする請求項1乃至12のいずれか一項に携帯情報端末装置。
【請求項14】
前記第1部分と前記第2部分との相対角度が、前記第2部分における前記ズームレンズ部以外の部分が前記カメラによる撮影範囲内に位置して撮影の妨げとなるような角度である場合に、エラー報知を行う報知手段を備えることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか一項に携帯情報端末装置。
【請求項15】
前記軸部は、少なくとも、第1の軸を中心にして前記第1及び第2部分を相互に回転可能とするとともに、前記第1の軸に対し直交する第2の軸を中心にして前記第1及び第2部分を相互に回転可能とする複数軸構造をなしていることを特徴とする請求項1乃至14のいずれか一項に記載の携帯情報端末装置。
【請求項16】
前記第1部分の表側の面を内側にした第1の閉じ方と裏側の面を内側にした第2の閉じ方のどちらの閉じ方も可能に構成されていることを特徴とする請求項15に記載の携帯情報端末装置。
【請求項17】
前記第1部分の表裏面のうちの一方の面には前記カメラが配され、前記表裏面のうちの他方の面には表示装置の表示画面が配され、該表示画面は前記カメラのファインダーとしての機能を少なくとも有することを特徴とする請求項16に記載の携帯情報端末装置。
【請求項18】
前記第1部分の表側の面には第1の前記カメラが、裏側の面には第2の前記カメラが、それぞれ配置されていることを特徴とする請求項16に記載の携帯情報端末装置。
【請求項19】
当該携帯情報端末装置は、携帯電話機であることを特徴とする請求項1乃至18のいずれか一項に記載の携帯情報端末装置。
【請求項20】
コンピュータが実行可能なプログラムにおいて、請求項8に記載の携帯情報端末装置の前記レンズ駆動制御手段による制御を実行するプログラム。
【請求項21】
コンピュータが実行可能なプログラムにおいて、請求項13に記載の携帯情報端末装置の前記撮影制御手段による制御を実行するプログラム。
【請求項22】
コンピュータが実行可能なプログラムにおいて、請求項14に記載の携帯情報端末装置の前記報知手段による報知を実行するためのプログラム。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2006−39199(P2006−39199A)
【公開日】平成18年2月9日(2006.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−218713(P2004−218713)
【出願日】平成16年7月27日(2004.7.27)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】