説明

携帯情報端末

【課題】 ユーザに煩雑な操作をさせることなく所望とするアドレス情報の検索が可能な携帯情報端末を提供する。
【解決手段】 メモリ5に登録されているアドレス情報に対し、時間帯等に応じて優先情報を付加し、ユーザによってアドレス情報の読出し要求がなされた場合には、時間帯等によって設定された優先情報に基づいてアドレス情報を読出し、ディスプレイ4に表示させる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯情報端末に関するもので、特に、アドレス帳からのアドレス選択機能に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、携帯情報端末の高機能化に伴い、通話だけでなく電子メールによる文章データや画像データの送受信が可能になってきており、また電話機においても固定電話機を含め、音声通話だけでなく画像データを送ることによってテレビ電話を実現する等、様々な通信機能を備えるようになっている。そして、このように様々な機能を備えることに伴い、携帯情報端末が記憶する電話番号、メールアドレスといったアドレス情報の数が増える方向にあり、また、個人で複数台の携帯情報端末や電話機を所持するようになってきていることに対応して、同一人に対して複数のアドレス情報をアドレス帳に登録するようになってきている。このように登録されたアドレス情報に基づいてメール送信やダイアルを行う場合、まずメニュー画面からアドレス帳を呼び出し、特定の相手のアドレス情報を指定することによって行われる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述のようなアドレス帳を有する携帯情報端末にもまだ解決すべき課題がある。即ち、アドレス帳に登録されたアドレス情報をディスプレイに表示させるとき、このアドレス帳に登録された状態に応じ、機種によって若干の差異はあるものの、登録された順序やその機種に対して予め設定されているルールに従って表示される。このため、所望とするアドレス情報を選択するためには、都度、手操作が必要となり、ユーザに対してかなりの不便さを与えていた。そこで本発明では、ユーザのおかれた状況に応じ、適切なアドレス情報を提供することが可能な携帯情報端末を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するために、請求項1にかかる携帯情報端末は、アドレス情報を表示する表示部と、時刻情報を提供するクロックと、複数のアドレス情報が登録されるアドレス帳とを有する携帯情報端末において、前記アドレス帳に登録されたアドレス情報のうち最初に呼び出されるアドレス情報を示す優先情報を保持する優先情報保持部を備えたことを特徴としている。このような構成により、ユーザが指定したアドレス情報が常に優先的に表示されるようにしている。請求項2にかかる携帯情報端末は、アドレス情報を表示する表示部と、時刻情報を提供するクロックと、複数のアドレス情報が登録されるアドレス帳とを有する携帯情報端末において、時間帯と、該時間帯において最初に呼び出されるアドレス情報を示す優先情報が設定される優先情報保持部と、前記クロックの示す時刻情報と前記優先情報保持部に設定されている時間帯とを比較し、該時間帯に時刻情報が含まれているときに優先情報保持部で指定されたアドレス情報を選択するアドレス情報読出部とを備えたことを特徴としている。このような構成により、優先的に表示されるアドレス情報を時間帯によって変更することが可能となる。
【0005】請求項3にかかる携帯情報端末は、アドレス情報を表示する表示部と、時刻情報を提供するクロックと、複数のアドレス情報が登録されるアドレス帳とを有する携帯情報端末において、少なくとも1つのアドレス情報からなるアドレス情報グループが設定されるグループ保持部と、時間帯と、該時間帯において最初に呼び出さされるアドレス情報グループが設定される優先情報保持部と、前記クロックの示す時刻情報と前記優先情報保持部に設定されている時間帯とを比較し、該時間帯に時刻情報が含まれているときに優先情報保持部で指定されたアドレス情報グループのアドレス情報を選択するアドレス情報読出部とを備えたことを特徴としている。このような構成により、優先的に表示されるアドレス情報をグループとして指定することが可能となる。請求項4にかかる携帯情報端末は、アドレス情報を表示する表示部と、時刻情報を提供するクロックと、複数のアドレス情報が登録されるアドレス帳とを有する携帯情報端末において、前記アドレス帳に登録されたアドレス情報に対して、読み出される優先順位を示す優先情報が設定される優先情報保持部と、アドレス情報の読出し要求を受けると、前記優先情報保持部に設定された優先順位に基づいてアドレス情報を選択するアドレス情報読出部とを備えたことを特徴としている。
【0006】このような構成により、ユーザの使用頻度に応じて表示されるアドレス情報の順序を指定することが可能となる。請求項5にかかる携帯情報端末は、アドレス情報を表示する表示部と、時刻情報を提供するクロックと、複数のアドレス情報が登録されるアドレス帳とを有する携帯情報端末において、時間帯と、該時間帯において読み出されるアドレス情報の順序が設定される優先情報保持部と、前記クロックの示す時刻情報と前記優先情報保持部に設定されている時間帯とを比較し、該時間帯に時刻情報が含まれているときに優先情報保持部で指定された順序に従ってアドレス情報を選択するアドレス情報読出部とを備えたことを特徴としている。このような構成により、時間帯に応じて優先的に表示されるアドレス情報を変えることが可能となる。請求項6にかかる携帯情報端末は、前記優先情報保持部に設定される時間帯と該時間帯において読み出されるアドレス情報の順序が、曜日単位で設定されることを特徴としている。このような構成により、曜日によって異なる利用環境に合わせて優先的に表示させるアドレス情報を設定することが可能となる。請求項7にかかる携帯情報端末は、アドレス情報を表示する表示部と、時刻情報を提供するクロックと、電話番号と電子メールアドレスが登録されるアドレス帳とを有する携帯情報端末において、前記アドレス帳に登録された電話番号および電子メールアドレスに対して、読み出される優先順位を示す優先情報が設定される優先情報保持部と、電子メールが起動中に該アドレス帳からアドレス情報の呼出し要求を受けると、前記アドレス帳に登録されている電子メールアドレスを指定された読出し順序に従って選択するアドレス情報読出部とを備えたことを特徴としている。
【0007】このような構成により、起動されている機能で使用可能なアドレス情報を利用頻度に応じて表示することが可能となる。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。図1は本発明にかかる携帯情報端末100の構成を示す図であり、制御部1、クロック2、操作部3、ディスプレイ4、メモリ5、音声出力部6、音声入力部7、映像入力部8、そして送受信部9とから構成されている。制御部1は、携帯情報端末100全体を制御するものでマイクロプロセッサ等によって実現される。クロック2は、制御部1に対して時刻情報を提供するもので、クロック2への時刻設定は、操作部3を操作することによって行われる。操作部3は文字・数字等の入力や、特定の機能を実行させるためのもので、ファンクションキーや数字キー等からなるキーパッドやタッチパネルによって実現される。ディスプレイ4はLCD(Liquid Crystal Display)等の表示装置で、操作部3から入力された文字情報等を表示するとともに、送受信部9を介して受信した情報の表示が行われる。メモリ5は、携帯情報端末100の動作を定義するプログラムを記憶し、また電話番号やメールアドレスを含むアドレス情報をアドレス帳として記憶するためのものである。
【0009】音声出力部6および音声入力部7は、主として通話をする際に利用されるもので、それぞれスピーカーとマイクである。映像入力部8は小型のカメラであって、動画や静止画を撮影するためのものである。そして、この映像入力部8で撮影された映像は、ディスプレイ4上に表示される。そして、送受信部9は、無線または有線の回線を介して外部と交信を行うためのもので、RF(Radio Frequency)信号の送受信や、ISDN(IntegratedServices Digital Network)等の有線回線を介してデータの送受信を行う。つづいて、本発明の特徴とするアドレス情報の設定および表示処理について説明する。図2はユーザによるアドレス帳の設定動作を示したもので、ディスプレイ4に表示された設定画面を表している。ユーザは、操作部3を操作してメモリ5からアドレス情報を呼び出す。制御部1によってアドレス情報が読み出されると、ディスプレイ4にはある個人に関する情報として氏名「○山×男」および3つのアドレス情報が表示される(画面101)。なお、このとき表示されているアドレス情報は、優先設定がされていないため、登録された順に表示されている。
【0010】この表示された個人の情報に追加・編集を行う場合、操作部3のファンクションキーを操作することによって「1.優先設定」,「2.優先削除」等の複数のメニューを表示させる(画面102)。ここでは、ある個人が所有する複数のアドレス情報に対して、優先設定を実行するため、ユーザは画面102にあるメニューから「1.優先設定」を選択する。「1.優先設定」が選択されると、画面は次の階層へと切り替わり優先設定を行うための画面103が表示される。画面103では時間帯を指定するための複数のエントリが表示され、ユーザは任意のエントリを指定して時間帯を指定するが、ここでは2つの時間帯「1.8:00−17:00」および「2.17:00−22:00」を入力したものとする。時間帯の入力が完了すると、指定した時間帯に対してどのアドレス情報を優先的に、つまり、ディスプレイ4にアドレス情報を表示した際に最上位に表示させるための設定を行う。なお、いずれの時間帯でもアドレス情報の優先設定は同じ手順であるため、ここでは画面103で「1.8:00−17:00」を選択したものとして説明する。時間帯の指定が完了すると、「○山×男」の所有するアドレス情報の一覧が表示され(画面104)、ユーザによって複数あるアドレス情報から2番目のPHS(Personal Handy-phone System)の電話番号が選択されると、この電話番号が選択されたことを示すため、番号の頭に「●」が表示される。
【0011】この選択に変更がない場合には、アドレス情報一覧の下側に表示されている決定ボタン10を選択して登録が完了する。もし、優先設定の登録を中断する場合には、中止ボタン11を選択する。この中止ボタン11が選択されると、それまでの入力は無効にされ、前回の設定状態が復元される。図3は、上述のように優先設定がなされている携帯情報端末を利用する場合の流れを示したフロー図である。ユーザがファンクションキーを操作してアドレス帳から、アドレス情報の呼び出しを行うと(ステップa1)、制御部1は表示するアドレス情報が優先設定されている個人に該当するものであるか確認する(ステップa2)。ステップa2での確認で、優先設定がされていない場合は、登録した順などのデフォルト順で表示される(ステップa8)。一方、ステップa2で優先設定がされていると判断されると、制御部1はクロック2から現在時刻を読出し(ステップa3)、この読み出した時刻がエントリ1に登録されている時間帯の範囲内であるか確認を行い(ステップa4)、範囲内であれば、このエントリ1で設定されているアドレス情報を読み出してディスプレイ4に表示させる(ステップa5)。
【0012】また、ステップa4で範囲外であることが確認された場合には、同様に次のエントリに対する確認を行う。そして読み出した時刻が最終のエントリnに登録されている時間帯の範囲内にあるか確認し(ステップa6)、範囲内であればこのエントリnで設定されているアドレス情報を読み出してディスプレイ4に表示させ(ステップa7)、範囲外であった場合には、ステップa8へ進んでデフォルト順で表示させる。このようにして、ある個人に対して優先的に表示させるアドレス情報が設定されている場合には、そのタイミング(時刻)に応じて有効なアドレス情報が表示されるため、携帯情報端末の利便性を向上させることが出来る。例えば、クロック2が「13:00」を示している場合、ユーザからアドレス情報の表示が指示されると、このクロック2が示す時刻がエントリ1の範囲内にあるため、ディスプレイ4にはアドレス情報として「07011223344」が表示されることになる。なお、上述の説明では、同一人が所持する複数のアドレス情報に対する優先設定について説明したが、複数のアドレス情報それぞれが異なる相手に割当てられている場合でも同様に優先設定を行うことが可能である。
【0013】また、本実施の形態で引用した携帯情報端末では、一度に3つのアドレス情報が表示可能であるため、上記優先設定されたアドレス情報以外にデフォルト順に2つのアドレス情報が表示されることになる。つづいて、本発明の第2の実施の形態について説明する。本実施の形態でも同様にアドレス情報に優先設定を行うが、優先順位を割当てる点が上記実施の形態と異なっている。また、優先設定の手順は図2の流れとほぼ同一であり、アドレス情報の優先設定を行う画面のみが異なっていることから、ここではアドレス情報の設定画面のみを例として示すことにする。図4は複数のアドレス情報に対して優先順位を設定するための画面203を示している。なお、この画面204は図2の画面103で「1.8:00−17:00」が選択されたことによって表示されたとする。この画面204では、ディスプレイ4の表示可能な数に等しい6つのアドレス情報が表示されているが、登録されているアドレス情報の数がディスプレイ4に表示可能な容量を越える場合には、未表示のアドレス情報があり、かつスクロール可能な方向を示す矢印等のシンボルを表示させてもよい。
【0014】ユーザが画面204に表示されている6つのアドレス情報に対し、それぞれ優先順位を設定すると、設定されたアドレス情報の先頭位置に■乃至■の優先度を示す情報が表示され、この結果は、画面204に示されるように、PHSの電話番号が最も優先度が高く、メールアドレス1が最も優先度が低く設定される。そして、この設定内容に訂正がない場合は、画面204に表示されている決定ボタン20を選択して優先設定を完了させる。図5は、このように設定された携帯情報端末を利用する場合の流れを示したフロー図である。ユーザがファンクションキーを操作して、アドレス帳からアドレス情報の呼び出しを行うと(ステップb1)、制御部1は表示するアドレス情報が優先設定されている個人に該当するものであるか確認を行う(ステップb2)。ステップb2での確認で、優先設定がなされていない場合は、デフォルト順でアドレス情報は表示される(ステップb8)。一方、ステップb2で優先設定がされていると判断されていると、制御部1はクロック2から現在時刻を読出し(ステップb3)、この読み出した時刻がエントリ1に登録されている時間帯の範囲内であるか確認を行い(ステップb4)、範囲内であれば、このエントリ1で設定されているアドレス情報を、アドレス情報毎に設定された優先順位にしたがって表示させる(ステップb5)。
【0015】このとき表示されるアドレス情報は、画面103と同様に表示可能なアドレス情報数が3つであるため、優先度の最も高いものから順に「07011223344」,「09023456789」,そして「0399887766」と順に表示される。なお、優先順位が4番目以降に設定されたアドレス情報は、スクロールすることによってディスプレイ4に表示させることが出来る。一方、ステップb4で範囲外であると判断されると、順次エントリ2以降についても同様の確認が行われる。そして読み出した時刻が最終のエントリn登録されている時間帯の範囲内にあるか確認し(ステップb6)、範囲内であればこのエントリnで設定されているアドレス情報を、優先度の高いものから上述と同様にディスプレイ4に表示させ(ステップb7)、範囲外であった場合には、ステップb8へ進んでデフォルト順で表示させる。このようにして、ある個人が有する複数のアドレス情報を読み出す場合、時間帯に応じて優先的に表示させる順序が設定可能となるため、携帯情報端末の利便性を向上させることが出来る。なお、上述の例では、アドレス情報の呼出しが要求された場合に優先順位に基づいて表示されるとして説明されたが、電子メール等の特定の機能が予め立ち上げられた状態でアドレス情報の呼出しが指示された場合には、立ち上がっている機能で使用されるアドレス情報のみを優先順位に基づいて表示させてもよい。
【0016】例えば、電子メール機能が立ち上がっているときにアドレス情報の読出しが指示された場合には、優先順位が5番目と6番目として指定されているメールのアドレスのみが表示されることになる。また、上述の説明ではアドレス情報をアドレス帳から読み出すこととしているが、読み出したアドレス情報に基づいて自動的に発信処理を実行してもよい。この場合、最も優先度の高いアドレス情報に基づいて発信が行われることになるが、このアドレス情報に基づく相手側機器が圏外の場合や、自己の携帯情報端末に備えられているテレビ電話機能等の特別な機能が起動されることにより利用価値のあるアドレス情報のように使用不可能な場合には、次の順位にあるアドレス情報に基づいて自動的に発信される。つづいて、本発明の第3の実施の形態について説明する。本実施の形態でも表示させるアドレス情報に優先設定を行うが、優先的に表示させるアドレス情報をグループ毎に設定する点が、上記実施の形態と異なっており、ここでも優先設定の手順は図2の流れとほぼ同一であるため、同様にアドレス情報の設定画面のみを例として示すことにする。なお、ここでは、アドレス情報の表示要求を行った場合、画面101に示されるような個人単位のアドレス情報の表示ではなく、単にアドレス情報とこのアドレス情報に対応した氏名等の名称が1件単位で、または複数表示されている。
【0017】図6は、指定した時間帯で優先的に表示させるグループを設定するための画面304を示しており、同様に「1.8:00−17:00」が選択されたものとする。画面304には、複数のグループが表示されており、各グループにはそれぞれアドレス情報とこのアドレス情報に関連する名称が対になって複数登録されおり、 任意のアドレス情報と名称の組は、異なる複数のグループに登録されている場合もある。この画面304では、ユーザによって業務グループが選択されたことを示しており、業務グループの先頭には、選択されたことを示すため「●」が表示されている。図7は、上述のような優先設定がなされている携帯情報端末を利用する場合の流れを示したフロー図である。ユーザがファンクションキーを操作して、アドレス帳からアドレス情報の呼び出しを行うと(ステップc1)、制御部1は優先設定がされているか確認し(ステップc2)、優先設定がされていない場合は、アドレス情報はデフォルト順に従ってディスプレイ4に表示される(ステップc8)。ステップc2で、優先設定がされていると判断すると、制御部1はクロック2から現在時刻を読出し(ステップc3)、この時刻がエントリ1に登録されている時間帯の範囲内にあるか確認し(ステップc4)、範囲内であればエントリ1で優先表示が設定されたグループを呼び出してディスプレイ4に表示させる(ステップc5)。
【0018】また、ステップc4で範囲外であると判断された場合には、次のエントリに対して同様の処理を実行する。そして、読み出した時刻が最終のエントリnに登録されている時間帯の範囲内にある確認し(ステップc6)、範囲内であればこのエントリnで設定されたグループのアドレス情報がディスプレイ4に表示され(ステップc7)、範囲外であれば、ステップc8へ進んでデフォルト順で表示される。このようにして、時間帯に応じて最も通信する可能性が高い相手をグループ単位で呼び出すことが可能となるため、携帯情報端末の利便性を向上させることが出来る。なお、本実施の形態では、複数あるグループから優先的に表示させるグループを1つ選択するとして説明したが、複数のグループ個々に優先順位を設定してもよい。図8は、複数あるグループそれぞれに優先順位を設定した画面404を表したもので、優先順位の高いものから順に■乃至■と表示されている。このように設定されているときに、ユーザの操作によってアドレス情報の表示要求が指定されると、まず業務グループに含まれるアドレス情報がディスプレイ4に表示される。そして、通信相手が業務グループでないときには、次頁等の機能を選択することによって次に優先度の高いグループ、即ち家族グループが表示される。
【0019】また、グループ単位ではなく個人単位で優先設定を行うことも可能である。即ち、一個人に対して1つのアドレス情報が登録されている場合には、複数登録されているアドレス情報とこのアドレス情報に対応する個人名の組に対して、時間帯毎に優先設定を行ってもよいし、複数の組に対して優先度を設定することも可能である。また、上記各実施の形態では、時間帯毎に優先設定を行う旨説明したが、この時間帯に加え、曜日や月、または期間毎に異なる設定を行ってもよい。この場合、業務に関係する相手への連絡が頻繁に発生する平日と、プライベートな関係にある相手への連絡が頻繁に発生する休日とで優先的に表示させるアドレス情報を変更することが可能となり、より携帯情報端末の利便性を向上させることが出来る。次に本発明の第4の実施の形態について説明する。この例では、ユーザの利用パターンに基づいて呼び出される確率の高いアドレス情報を予測し、ディスプレイ4に表示させることを特徴とするもので、例えば、電子メールを使用した後にアドレス情報を呼び出した場合には、再度電子メールを利用した回数が最も多いといった情報がメモリ5に記憶されているものとする。
【0020】図9は、この第4の実施の形態にかかる処理を表したフロー図である。ユーザの操作によってアドレス帳に登録されているアドレス情報の読出しが指示されると(ステップd1)、メモリ5に履歴情報として記録されている使用履歴を読出して直前に使用した機能が電子メールであるかの確認を行う(ステップd2)。ステップd2で直前に使用された機能が電子メール以外の、例えば電話機能であった場合、ユーザによって指示されるまで待機状態になる(ステップd7)。一方ステップd2で直前に使用された機能が電子メールであった場合、制御部1はメモリ5に記憶されている情報に基づいて再び電子メールが使用されるものと判断し、電子メール機能の立上げを実行する(ステップd3)。この電子メール機能の立上げが完了すると、ディスプレイ4には電子メールを利用するか否かの確認画面が表示され(ステップd4)、電子メールを使用する旨が指示されると、電子メールが使用可能な状態となり(ステップd5)、電子メールは使用しない旨が支持されるとステップd6に進んでユーザによる指示待ちの状態になる。このように、ユーザが各種機能を利用した履歴を保存して、次にアドレス情報の呼び出し要求がなされたときに最も利用される確率の高い機能を立上げることにより、ユーザにとって最適な利用状況を提供することが可能となる。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように本発明の携帯情報端末によれば、アドレス帳に登録されている多数のアドレス情報に対して、時間帯や曜日等におけるユーザの利用環境に合わせて優先的に表示させるアドレス情報の設定が可能であることから、アドレス帳を検索する際の煩雑さを改善することが出来る。さらに、ユーザが電子メール、電話等の各種機能を利用した履歴を記憶し、この記憶した情報に基づいて次に利用される可能性の高い機能を予測して起動させることから、ユーザに対する利便性を向上させることが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 携帯情報端末の構成を示した図。
【図2】 第1の実施の形態にかかる優先設定画面を示した図。
【図3】 第1の実施の形態にかかるアドレス情報の読出し処理の流れを示したフロー図。
【図4】 第2の実施の形態にかかる優先設定画面を示した図。
【図5】 第2の実施の形態にかかるアドレス情報の読出し処理の流れを示した図。
【図6】 第3の実施の形態にかかる優先設定画面を示した図。
【図7】 第3の実施の形態にかかるアドレス情報の読出し処理の流れを示した図。
【図8】 その他のアドレス情報の優先設定画面を示した図。
【図9】 第4の実施の形態にかかる機能選択の流れを示した図。
【符号の説明】
1 … 制御部
2 … クロック
3 … 操作部
4 … ディスプレイ
5 … メモリ
6 … 音声出力部
7 … 音声入力部
8 … 映像入力部
9 … 送受信部
10,21 … 決定ボタン
11 … 中止ボタン
100 … 携帯情報端末

【特許請求の範囲】
【請求項1】 アドレス情報を表示する表示部と、時刻情報を提供するクロックと、複数のアドレス情報が登録されるアドレス帳とを有する携帯情報端末において、前記アドレス帳に登録されたアドレス情報のうち最初に呼び出されるアドレス情報を示す優先情報を保持する優先情報保持部を備えたことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項2】 アドレス情報を表示する表示部と、時刻情報を提供するクロックと、複数のアドレス情報が登録されるアドレス帳とを有する携帯情報端末において、時間帯と、該時間帯において最初に呼び出されるアドレス情報を示す優先情報が設定される優先情報保持部と、前記クロックの示す時刻情報と前記優先情報保持部に設定されている時間帯とを比較し、該時間帯に時刻情報が含まれているときに優先情報保持部で指定されたアドレス情報を選択するアドレス情報読出部とを備えたことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項3】 アドレス情報を表示する表示部と、時刻情報を提供するクロックと、複数のアドレス情報が登録されるアドレス帳とを有する携帯情報端末において、少なくとも1つのアドレス情報からなるアドレス情報グループが設定されるグループ保持部と、時間帯と、該時間帯において最初に呼び出さされるアドレス情報グループが設定される優先情報保持部と、前記クロックの示す時刻情報と前記優先情報保持部に設定されている時間帯とを比較し、該時間帯に時刻情報が含まれているときに優先情報保持部で指定されたアドレス情報グループのアドレス情報を選択するアドレス情報読出部とを備えたことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項4】 アドレス情報を表示する表示部と、時刻情報を提供するクロックと、複数のアドレス情報が登録されるアドレス帳とを有する携帯情報端末において、前記アドレス帳に登録されたアドレス情報に対して、読み出される優先順位を示す優先情報が設定される優先情報保持部と、アドレス情報の読出し要求を受けると、前記優先情報保持部に設定された優先順位に基づいてアドレス情報を選択するアドレス情報読出部とを備えたことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項5】 アドレス情報を表示する表示部と、時刻情報を提供するクロックと、複数のアドレス情報が登録されるアドレス帳とを有する携帯情報端末において、時間帯と、該時間帯において読み出されるアドレス情報の順序が設定される優先情報保持部と、前記クロックの示す時刻情報と前記優先情報保持部に設定されている時間帯とを比較し、該時間帯に時刻情報が含まれているときに優先情報保持部で指定された順序に従ってアドレス情報を選択するアドレス情報読出部とを備えたことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項6】 前記優先情報保持部に設定される時間帯と該時間帯において読み出されるアドレス情報の順序は、曜日単位で設定されることを特徴とする請求項5に記載の携帯情報端末。
【請求項7】 アドレス情報を表示する表示部と、時刻情報を提供するクロックと、電話番号と電子メールアドレスが登録されるアドレス帳とを有する携帯情報端末において、前記アドレス帳に登録された電話番号および電子メールアドレスに対して、読み出される優先順位を示す優先情報が設定される優先情報保持部と、電子メールが起動中に該アドレス帳からアドレス情報の呼出し要求を受けると、前記アドレス帳に登録されている電子メールアドレスを指定された読出し順序に従って選択するアドレス情報読出部とを備えたことを特徴とする携帯情報端末。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図5】
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【図9】
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【公開番号】特開2002−300263(P2002−300263A)
【公開日】平成14年10月11日(2002.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2001−95040(P2001−95040)
【出願日】平成13年3月29日(2001.3.29)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】