説明

携帯情報端末

【課題】各種機能を有効にするか無効にするかを、特段の操作によらず、ユーザにより把持されているか否かに応じて切り換え得る携帯情報端末を提供する。
【解決手段】本発明の一形態であるスマートフォン1は、タッチパネル2の周辺部に設けられたロック領域に対する接触が感知されているか否かを判定する接触判定部42と、特定の機能を有効化するか否かを接触判定部42による判定結果に応じて切り換えるアプリケーション実行部40を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タッチパネルを備えた携帯情報端末に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話端末、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型PC(Personal Computer)などの携帯情報端末が広く使用されている。このような携帯情報端末は、ディスプレイとタッチセンサとを組み合わせたタッチパネルを備えており、ユーザは、このタッチパネルに触れることによって各種アプリケーションを操作することができる。
【0003】
このような携帯情報端末は、10インチクラスのタブレット型PCを除き、携帯電話端末の代替として利用されることが多く、洋服のポケットに収まるような筐体サイズの小さいものが好まれる。一方で、より多くの情報を表示するために、ディスプレイサイズは大きい方が歓迎される。この、少しでも小さい筐体に少しでも大きいディスプレイを求める風潮に応えるために、筐体からディスプレイを除いたいわゆる「額縁」の部分は、ますます狭くなる傾向にある。
【0004】
また、小さなディスプレイに情報を見易く表示するために、画面回転機能を有する携帯情報端末が実用化されている。画面回転機能とは、コンテンツの上下方向がディスプレイの長辺と平行になる縦表示を行うか、コンテンツの上下方向がディスプレイの短辺と平行になる横表示を行うかを、携帯情報端末の姿勢に応じて自動的に切り換える機能である。例えば、加速度センサを備えた携帯情報端末は、地平面に対する自身の傾きを認識することが可能である。これにより、自身が縦持ちされているとき(すなわち、ディスプレイの長辺と地平面との成す角が90度に近いとき)には縦表示を行い、自身が横持ちされている(すなわち、ディスプレイの長辺と地平面との成す角が0度に近いとき)には横表示を行うことができる。
【0005】
このように、携帯情報端末が自身の姿勢に応じて画面を回転させることによって、小さなディスプレイであっても情報を見易く表示することができる。例えば、縦長の写真をディスプレイに表示したいときは、携帯情報端末を縦持ちして縦表示を行い、横長のソフトウェアキーボードをディスプレイに表示したいときは、携帯情報端末を横持ちして横表示を行うという具合である。
【0006】
特許文献1には、(1)入力手段が、ディスプレイ画面に対する接触を感知し、(2)傾き検知手段が、自装置の傾きを検知し、該傾きの方向と該傾きの大きさを示す傾き情報を生成し、(3)制御手段が、ディスプレイ画面に対する所定のタッチ操作による接触が維持された状態で検知された傾きについての傾き情報に基づいて、上記ディスプレイ画面に表示される画像を変化させる発明が開示されている。
【0007】
しかしながら、加速度センサを利用した画面回転機能は、便利である反面、ユーザの意図しない画面の回転が起こってしまうという問題を招来する。典型的な例は、寝転んで携帯情報端末を操作する場合に生じる画面の回転である。すなわち、携帯情報端末を縦持した状態(ディスプレイの長辺がユーザの正中線と平行な状態)でユーザが寝転ぶと、ディスプレイの長辺と地平面との成す角が0度に近くなって、縦表示から横表示へと切り替わってしまう。この場合、コンテンツの上下方向がユーザの正中線と直交するようになり、この上なくコンテンツが見難くなる。また、画面を回転させる際には、画面を更新するための再描画が必要になったり、ともすると、ネットワークからのデータの再読み込みなどが必要になったりするので、それまで行っていた作業が中断されてしまい、著しい操作感の低下に繋がる。そこで、このような問題を解消するべく、画面回転機能を無効化するための手段を備えた携帯情報端末が実現されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2011−76349号公報(2011年4月14日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、画面回転機能を無効化するための手段を備えた周知の携帯情報端末は、コストがかかる(専用ボタン、スイッチ搭載)という欠点や、操作が煩雑である(メニュー階層をいくつも入っていく必要があり、どこに項目があるかもわかりづらい)という欠点を抱えている。特に後者の欠点についてはユーザとしては使用シーンに応じて軽快に縦横表示を切り換えたり固定したりしたいと考えても、ひと手間がかかるため煩わしく、結果、たまに縦横切り換えを使いたくなる可能性があるような人は「常に画面回転ON」の状態で、時に意図しない画面回転が発生するのを我慢しながら使用することになる。これはユーザにとって好ましい状況ではない。こういった状況を解消するため、ソフトウェアによるアプローチも試みられている。一例としてハードウェア的に本体に用意されている「検索」ボタンを長押しすることにより画面回転機能のON/OFFをトグル的に切り換えることができる。これは操作の面では簡易であるが、従来からあった機能(「検索」ボタンによって本来呼び出される検索機能)が削減された状態になってしまっており、その点についてはマイナスである。
【0010】
ところで、前述のように画面全体をタッチパネルとするべく額縁を狭くする場合、図11において破線の囲み領域に示すように、ユーザの指または手の一部が無意識に画面の一部に接触した状態となる。そのため、従来構成では、アイコンをこの接触領域に配置しない等の工夫がされている場合が多い。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本願発明者は、鋭意検討の結果、各種機能を有効にするか無効にするかを、特段の操作によらず、ユーザにより把持されているか否かに応じて切り換えることよって、操作性に優れた携帯情報端末を実現することができることを見出し、本願発明を完成するに至った。すなわち、本発明の目的は、操作性に優れた携帯情報端末を提供することにある。
【0012】
すなわち、本発明に係る携帯情報端末は、上記の課題を解決するために、
タッチパネルを備えた携帯情報端末であって、
上記タッチパネルの周辺部に設けられた特定の領域に対する接触が感知されているか否かを判定する接触判定手段と、
特定の機能を有効化するか否かを上記接触判定手段による判定結果に応じて切り換える切換手段を備えている、
ことを特徴としている。
【0013】
上記の構成によれば、ユーザにより把持された状態で手や指が無意識に接触するタッチパネルの周辺部に上記特定の領域を設けているので、各種機能を有効にするか無効にするかを、特段の操作によらず、ユーザにより把持されているか否かに応じて切り換えることができる。
【0014】
また、接触を、タッチパネルを構成するタッチセンサによって検出することができるので、接触検出のために新たな装置や部材を追加する必要がなく、また特段の製造プロセスや製造コストも要しない。
【0015】
本発明に係る携帯情報端末の一形態は、上記の構成に加えて、
上記特定の機能は、上記タッチパネルに表示する画面の向きを当該携帯情報端末の姿勢に応じて回転させる回転機能であり、
上記切換手段は、上記特定の領域に対する接触が感知されているとき、上記回転機能を無効化し、そうでないとき、上記回転機能を有効化する、
ことが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、特定の領域に対する接触が感知されているときには、回転機能が無効化されているので、上述のように携帯情報端末を縦持した状態(ディスプレイの長辺がユーザの正中線と平行な状態)でユーザが寝転んでも、画面の向きが回転せず、表示が見易くなる。
【0017】
本発明に係る携帯情報端末の一形態は、上記の構成に加えて、
上記タッチパネルは、長方形状であり、
上記特定の領域は、上記タッチパネルの両方の長辺及び一方の短辺の各々に沿う3つの帯状領域を含んでいる、
ことが好ましい。
【0018】
上記の構成によれば、ユーザが携帯情報端末を縦持ちしても横持ちしても、手や指が無意識に上記特定の領域に接触する。
【0019】
本発明に係る携帯情報端末の一形態は、上記の構成に加えて、
上記特定の領域は、上記タッチパネルの一方の長辺に接するアイコン様領域と、上記タッチパネルの一方の短辺に接するアイコン様領域とを含んでいる、
ことが好ましい。
【0020】
上記の構成によれば、ユーザが携帯情報端末を縦持ちしても横持ちしても、アイコン様領域に触れることで、特定の機能を有効化するか否かを切り替えることができる。
【0021】
本発明に係る携帯情報端末の一形態は、上記の構成に加えて、
上記アイコン様領域の位置及びサイズの少なくとも何れか一方をユーザ操作に基づいて設定する設定手段を更に備えている、
ことが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、ユーザの持ち方(把持形態)に併せて、アイコン様領域をカスタマイズすることができ、ユーザが無理なくアイコン様領域に接触することを可能にする。
【0023】
本発明に係る携帯情報端末の一形態は、上記の構成に加えて、
上記特定の機能は、上記タッチパネルに含まれるバックライトを点灯するバックライト点灯機能であり、
上記切換手段は、上記特定の領域に対する接触が感知されているとき、上記バックライト点灯機能を有効化し、そうでないとき、上記バックライト点灯機能を無効化する、
ことが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、ユーザが特定の領域に接触している場合のみ、バックライトを点灯させる。換言すれば、特定の領域に接触していない場合にはバックライトが消灯している。特定の領域への接触は、ユーザが携帯情報端末を把持している状態、すなわち、使用している状態に相当するため、上記構成によれば、ユーザが端末を使用していない場合にはバックライトが消灯する。そのため、端末の消費電力を削減し、運用時間の延長を可能にする。
【0025】
本発明に係る携帯情報端末の一形態は、上記の構成に加えて、
上記特定の機能は、他の通信装置と通信する通信機能であり、
上記切換手段は、上記特定の領域に対する接触が感知されているとき、上記通信機能を有効化し、そうでないとき、上記通信機能を無効化する、
ことが好ましい。
【0026】
上記の構成によれば、ユーザが特定の領域に接触している場合のみ、通信機能を有効化する。換言すれば、特定の領域に接触していない場合には通信機能が無効化する。特定の領域への接触は、ユーザが携帯情報端末を把持している状態、すなわち、使用している状態に相当するため、上記構成によれば、ユーザが端末を使用していない場合には通信機能を無効化する。そのため、端末の消費電力を削減し、運用時間の延長を可能にする。
【0027】
すなわち、本発明に係る携帯情報端末の制御方法は、上記の課題を解決するために、
タッチパネルを備えた携帯情報端末の制御方法であって、
上記タッチパネルの周辺部に設けられた特定の領域に対する接触が感知されているか否かを判定する接触判定工程と、
特定の機能を有効化するか否かを上記接触判定工程における判定結果に応じて切り換える切換工程とを含んでいる、
ことを特徴としている。
【0028】
上記の構成によれば、ユーザにより把持された状態で手や指が無意識に接触するタッチパネルの周辺部に上記特定の領域を設けているので、各種機能を有効にするか無効にするかを、特段の操作によらず、ユーザにより把持されているか否かに応じて切り換えることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明によれば、各種機能を有効にするか無効にするかを、特段の操作によらず、ユーザにより把持されているか否かに応じて切り換え得る携帯情報端末を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の一実施形態である携帯情報端末の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す携帯情報端末の正面図である。
【図3】図1に示す携帯情報端末をユーザが把持した状態を示す図である。
【図4】図1に示す携帯情報端末の外観例を示した斜視図と断面図である。
【図5】図1に示す携帯情報端末に具備された制御手段の処理を示すフローチャートの図である。
【図6】図1に示す携帯情報端末の変形例を示す図である。
【図7】図1に示す携帯情報端末に具備された制御手段の変形例において実施される処理を示すフローチャートの図である。
【図8】本発明の他の実施形態の携帯情報端末の構成を示すブロック図である。
【図9】図8に示す携帯情報端末に具備された制御手段において実施される処理を示すフローチャートの図である。
【図10】本発明の他の実施形態の携帯情報端末に具備された制御手段において実施される処理を示すフローチャートの図である。
【図11】従来構成における問題点を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
〔実施形態1〕
本発明の第1の実施形態に係る携帯情報端末について、図1〜図4に基づいて説明すれば、以下のとおりである。なお、本実施形態に係る携帯情報端末は、スマートフォンとして実現されているので、以下ではこれをスマートフォンと呼称する。ただし、以下の説明からも明らかなように、本発明の適用範囲はスマートフォンに限定されず、携帯電話端末、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型PC(Personal Computer)など、他の携帯情報端末にも及ぶ。
【0032】
本実施形態のスマートフォン1の構成について、図1(a)に基づいて説明する。図1(a)は、スマートフォン1の構成を示すブロック図である。なお、図1(a)においては、スマートフォン1が備えている部材のうち、本発明に直接的に関係するもののみを示している。すなわち、図1(a)に示すもの以外の部材をスマートフォン1が備えることを排除するものではない。
【0033】
図1(a)に示すように、本実施形態のスマートフォン1は、タッチパネル2と、メモリ3と、制御部4と、加速度センサ5とを備えている。
【0034】
タッチパネル2は、各種画面を表示するためのディスプレイ20を有している。ディスプレイ20に表示される画面は、制御部4によって生成される。なお、ディスプレイ20には、バックライトを有した透過型の液晶パネルを用いることができるが、これに限られるものではない。
【0035】
タッチパネル2は、更に、物体(ユーザの指など)の接触を感知するタッチセンサ21を有している。タッチセンサ21は、感知した接触位置を示す位置情報(例えば、接触位置の座標)を制御部4に通知する。なお、タッチセンサ21には、従来周知の構成を用いることができ、例えば、ディスプレイ20が液晶表示装置である場合などには、当該液晶表示装置の電極をタッチパネル用の電極として共用してもよい。
【0036】
加速度センサ5は、タッチパネル2に作用する重力の方向からスマートフォン1の傾きを検出し、検出した傾きを示す傾き情報(例えば、タッチパネル20の長辺と地平面とが成す角度)を制御部4に通知する。
【0037】
制御部4は、各種アプリケーションプログラムを実行する。アプリケーションプログラムは、タッチセンサ21から通知された位置情報、および、加速度センサ5から通知された傾き情報を参照しながら動作し、ユーザインタフェースやコンテンツなどを含む各種画面を生成する。アプリケーションプログラムによって生成された画面は、上述したようにタッチパネル2のディスプレイ20に表示される。なお、制御部4が有する機能の詳細については、参照する図面を代えて後述する。
【0038】
メモリ3は、補助記憶装置として利用される不揮発性メモリである。メモリ3には、上述したアプリケーションプログラムに加えて、アプリケーションプログラムによって生成された各種データ、または、参照される各種データが格納される。なお、メモリ3には、フラッシュメモリを用いることができるが、これに限定されるものではない。
【0039】
次に、制御部4が有する機能について、図1(b)に基づいて説明する。図1(b)は、制御部4が有する機能を示す機能ブロック図である。なお、図1(b)においては、制御部4が有する機能のうち、本発明に直接的に関係するもののみを示している。すなわち、図1(b)に示すもの以外の機能を制御部4が有することを排除するものではない。
【0040】
図1(b)に示すように、制御部4は、アプリケーション実行部40と、姿勢判定部41と、接触判定部42として機能する。
【0041】
アプリケーション実行部40は、各種アプリケーションプログラムを実行するための手段である。アプリケーション実行部40により実行可能なアプリケーションとしては、ウェブブラウザ、電子メールクライアント、ワードプロセッサ、メディアプレーヤなどが代表的であるが、これらに限定されるものではない。例えば、オペレーティングシステムのGUIフロントエンドなども、ここでいうアプリケーションに含まれる。
【0042】
姿勢判定部41は、加速度センサ5から通知された傾き情報に基づいて、スマートフォン1が縦持ちされているか横持ちされているかを判定する。例えば、傾き情報がタッチパネル2の長辺と地平面との成す角θ(0°≦θ≦90°)である場合、姿勢判定部41は、0°≦θ<Thであるときに「横持ち」と判定し、そうでないときに「縦持ち」と判定する。ここで、Thは、予め定められた閾値であり、例えば、Th=45°である。姿勢判定部41による判定結果は、画面回転機能を実現するために、アプリケーション実行部40によって参照される。
【0043】
なお、上述した判定方法の代わりに、縦持ちの状態でθがTh=40°を下回ると横持ち状態に遷移したと判定し、横持ちの状態でθがTh=50°を超えると縦持ち状態に遷移したと判定する判定方法を採用してもよい。このように、ヒステリシスを含む判定方法を採用すれば、縦持ち状態と横持ち状態との境界で判定結果が目まぐるしく変化するといった事態を回避することができる。
【0044】
姿勢判定部41の判定結果は、画面回転機能を実現するために、アプリケーション実行部40によって参照される。すなわち、姿勢判定部41の判定結果が「縦持ち」であれば、アプリケーション実行部40は、画面を縦表示する。一方、姿勢判定部41の判定結果が「横持ち」であれば、アプリケーション実行部40は、画面を横表示する。
【0045】
ここで、縦表示とは、画面に含まれるコンテンツの上下方向がディスプレイ20の長辺と平行になる表示態様を指し、横表示とは、画面に含まれるコンテンツの上下方向がディスプレイの短辺と平行になる表示態様を指す。なお、この画面回転機能は、有効化したり無効化したりすることが可能である。画面回転機能を無効化することを、本明細書では、「画面回転をロックする」とも記載する。
【0046】
接触判定部42は、タッチセンサ21から通知された位置情報に基づいて、タッチパネル2上に設定された特定の領域(以下、「ロック領域R」と記載)に物体(ユーザの指や手など)が接触しているか否かを判定する。例えば、タッチパネル2の何れかの位置に物体が接触したときに、その接触位置の座標(x,y)がタッチセンサ21から通知される場合、接触判定部42は、タッチセンサ21から座標(x,y)が通知され、かつ、通知された座標(x,y)が(x,y)∈Rを満たすときに「ロック領域Rへの接触あり」と判定し、そうでないときに「ロック領域Rへの接触なし」と判定する。なお、タッチパネル2上の何れの領域をロック領域Rとするかについては、参照する図面を代えて後述する。
【0047】
接触判定部42の判定結果は、画面回転機能を有効化するか無効化するかを決定するために、アプリケーション実行部40によって参照される。すなわち、アプリケーション実行部40は、接触判定部42の判定結果が「ロック領域Rへの接触あり」の場合、画面回転機能を無効化し、接触判定部42の判定結果が「ロック領域Rへの接触なし」の場合、画面回転機能を有効化する。
【0048】
以上のような機能を制御部4に持たせることによって、ロック領域Rに触れていないときには、姿勢に応じた画面回転が起こり、ロック領域Rに触れていないときには、そのような回転が起こらないスマートフォン1を実現することができる。
【0049】
次に、ロック領域Rについて、図2を参照して説明する。図2は、スマートフォン1の外観を示す正面図である。
【0050】
図2に示すように、スマートフォン1は、偏平な直方体状の筐体10を有しており、タッチパネル2は、この筐体10の一方の主面に実装されている。タッチパネル2を構成するディスプレイ20およびタッチセンサ21は、何れも長方形であり、左端、右端、および上端が互いに一致するように重ね合わされている。
【0051】
ディスプレイ20の下方には、4つのタッチセンサ式ボタンからなる入力受付部23が設けられている。タッチセンサ21の下端がディスプレイの下方に迫り出しているのは、これらのボタンに対する接触を検知するためである。ディスプレイ20を取り囲む領域22は、しばしば、「額縁」とも呼ばれる(以下「額縁部22」と記載)。
【0052】
ロック領域Rは、タッチパネル2の周辺部に設けられる。本実施形態においては、図2に示すように、タッチパネル2の両方の長辺(左端および右端)および一方の短辺(上端)の各々に沿う3つの帯状領域からなるコの字形のロック領域Rを用いている。なお、ロック領域Rのタッチパネル2の長辺に沿う部分は、ディスプレイ20の下端にて終端させ、タッチパネル2の他方の短辺(下端)にはロック領域Rを設けない。
【0053】
ロック領域Rを図2に示すように設定することには、幾つかのメリットがある。まず、ユーザがスマートフォン1を縦持ちするときには、ユーザの指または手のひらの一部がタッチパネル2の左端および右端に接触する(図3の左側参照)。また、ユーザがスマートフォンを横持ちするときには、ユーザの指または手のひらの一部がタッチパネル2の上端に接触する(図3の右側参照)。
【0054】
したがって、ロック領域Rを図2のように設定すれば、ユーザがスマートフォン1を把持するとき、必ずユーザの指または手のひらの一部がロック領域Rに接触する。そして、この接触は、ユーザがスマートフォン1を把持している間、維持される。このため、ユーザがスマートフォン1を把持している間は、例えユーザが寝転んだとしても、不要な画面回転が生じない。一方、スマートフォン1を縦持ちから横持ち(またはその逆)に持ち替えるときには、ユーザの指および手のひらが必ずロック領域Rから離れるので、必要な画面回転が生じる。
【0055】
また、アイコンやメニューなどのUI要素がディスプレイ20の左端、右端、および上端に配置されることは稀である。すなわち、ロック領域Rを図2に示すように設定すれば、従来、利用されることのなかったディスプレイ20上の領域を有効に活用することができる。また、UI要素へのタッチとロック領域Rへのタッチとが識別不可能になる虞もない。
【0056】
ロック領域Rのサイズは、スマートフォン1の大きさ、ディスプレイ20の大きさ、額縁部22の大きさ、筐体10の断面形状などを考慮し、適宜設定すればよい。この際、ユーザがスマートフォン1を把持したときに、指および手のひらがタッチパネル2の周辺部にどれだけ重畳するかを実測してロック領域Rのサイズを設定するとよい。例えば、筐体10のサイズが、横68mm、縦123mm、厚さ11.8mmで、ディスプレイ20のサイズが、横55mm、縦93mmである場合、筐体10の左端および右端より10mm程度(内、額縁部22が6.5mm)内側までと、筐体10の上端より15mm程度(内、額縁部22が9mm)内側までをロック領域Rとするとよい。
【0057】
なお、ロック領域Rは、図2に示すようにコの字形に形成されており、タッチパネル2の下端にはロック領域Rが形成されていない。これは、タッチパネル2の下端には入力受付部23が設けられていることから、ユーザはタッチパネル2の下端を避けてスマートフォン1を把持するためである。タッチパネル2の下端に指や手のひらを置いて把持するということは、入力受付部23に対する誤操作を招くとことになるからである。
【0058】
なお、本実施形態においては、タッチセンサ21の左端および右端をディスプレイ20の左端および右端に一致させているが、本発明はこれに限定されない。すなわち、タッチセンサ21の左端/右端をディスプレイ20の左端/右端より左方/右方に迫り出させる構成を採用してもよい。このような構成を採用すれば、額縁部22の幅(特に、筐体10の左端/右端からディスプレイ20の左端/右端までの幅)が広い場合であっても、ユーザがスマートフォン1を把持していることを確実に検出することができる。
【0059】
このような構成は、スマートフォン1のデザインとして、表面が湾曲したデザインを採用する場合に特に有効である。図4(a)は、そのようなデザインを採用したスマートフォン1の斜視図であり、図4(b)は、その断面図である。図4(b)に示すように、筐体10の主面と側面とがシームレスに接続され、タッチセンサ21の左端/右端がディスプレイ20の左端/右端よりも左方/右方に迫り出している。これにより、ユーザがスマートフォン1を自然に握りこんだときに、ユーザの指や手のひらが触れる部分にロック領域Rを設定することができる。
【0060】
次に、スマートフォン1における画面回転ロック処理の流れを図5を参照して説明する。図5は、スマートフォン1における画面回転ロック処理の流れを示すフローチャートである。
【0061】
ステップS1では、接触判定部42がタッチセンサ21からの通知される位置情報を参照してロック領域Rに物体(ユーザの指または手のひら)が接触したか否かを判定する。そして、「ロック領域Rへの接触あり」と判定されると、ステップS2に移行する。
【0062】
ステップS2では、アプリケーション実行部40が画面回転機能を無効化する。画面回転機能が無効化されている間、アプリケーション実行部40は、加速度センサ5から通知された傾き情報に基づく画面回転を行わない。これにより、ステップS4において画面回転機能が再び有効化されるまでの間、スマートフォン1の姿勢が変化しても、画面回転が生じないようになる。
【0063】
ステップS3では、接触判定部42がタッチセンサ21からの通知される位置情報を参照してロック領域Rから物体(ユーザの指または手のひら)が離間したか否かを判定する。そして、「ロック領域Rへの接触なし」(物体が離間した)と判定されると、ステップS4に移行する。
【0064】
ステップS4では、アプリケーション実行部40が画面回転機能を有効化する。画面回転機能が有効化されている間、アプリケーション実行部40は、加速度センサ5から通知された傾き情報に基づいて画面回転を行う。これにより、ステップS1において画面回転機能が再び無効化されるまでの間、スマートフォン1の姿勢が変化すると、画面回転が生じるようになる。
【0065】
なお、ここでは、ロック領域Rへの接触が認められた後、直ちに画面回転機能を無効化する構成について説明したが本発明はこれに限定されるものではない。すなわち、ロック領域Rに物体が接触する状態が予め定められた一定の時間(例えば、3秒〜10秒)以上継続した場合に限って画面回転機能を無効化したり、ロック領域Rから物体が離間した状態が一定の時間以上継続した場合に限って画面回転機能を有効化したりする構成を採用してもよい。
【0066】
なお、本実施形態では、画面回転のロック(無効化)をロック領域Rへの接触検知のみで実現する態様について説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これに加えて、メニュー階層の中にも画面回転をロックするメニューを設けることができる。
【0067】
また、本実施形態では、ロック領域Rをコの字形とし、タッチパネル2の下端にはロック領域Rを設けない構成としたが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、ディスプレイ20の下方に入力受付部23が無い構成の場合には、図6の(a)に示すように、タッチパネル2の両方の長辺(左端および右端)および両方の短辺(上端および下端)の各々に沿う4つの帯状領域からなるロの字形のロック領域Rを用いてもよい。
【0068】
更に、ロック領域Rを、図6の(b)および(c)に示すアイコン様の拡張領域R2を付加した設計としてもよい。以下、拡張領域R2について説明する。
【0069】
拡張領域R2は、縦持ちおよび横持ちする場合の各々について、ユーザが本体把持側の手で自然にタッチしやすい場所に配置することが好ましい。図6の(b)および(c)の例では左手で本体を把持し、左手親指でロック操作をすることを想定している。拡張領域R2は画面上にアイコンや描画線による範囲表示などのグラフィカルな表現を使い、ユーザがその部分に触れている間は画面ロック機能が働くことを分かるようにしておくと良い。さらに画面回転のロック機能が働いている間はユーザに対しその旨アイコン表示や範囲表示の仕方の変化などで通知すると良い。これによりユーザはより意図的に画面回転のロックのオン・オフ操作をすることが可能となる。
【0070】
なお、拡張領域R2の位置及びサイズの少なくとも何れか一方をユーザ操作に基づいて設定する構成としてもよい。当該設定は、タッチパネル22等をユーザが操作することにおこなうことができるように制御部4が制御すればよい。
【0071】
(本実施形態の作用効果)
以上のように、本実施形態では、ロック領域Rにユーザの指や手のひらが接触していることをタッチセンサ21が感知すると、制御部4が、画面回転機能を無効化する態様となっている。ロック領域Rは、ユーザがスマートフォン1を自然に把持したときに、ユーザの指や手のひらが接触するタッチパネル2の周辺部に設けられる。したがって、ユーザには、画面回転機能を意識的にロックしているという感覚を与えず、また、極めて簡易な手法で画面回転をロックすることができる。また、タッチパネル2の周辺部は、UI要素が配置されることのない領域でもあるので、これらのUI要素に対する操作性を損なうこともない。
【0072】
また、ロック領域Rへの接触は、タッチパネル2を構成するタッチセンサ21によって検出することができるので、ロック領域Rへの接触検出のために、新たな装置や部材を追加する必要がなく、また、ロック領域Rを設けることによる特段の製造プロセスや製造コストも要しない。
【0073】
以上のことから、操作性に優れ、安価にロック機能を実現したスマートフォン1を提供することができる。
【0074】
〔実施形態2〕
本発明に係る他の実施形態について、図7に基づいて以下に説明する。尚、本実施形態では、上記実施形態1との相違点について説明するため、説明の便宜上、実施形態1で説明した部材と同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付し、その説明を省略する。
【0075】
上述した実施形態1では、図1に示すディスプレイ20の縁部にあるロック領域R(図2)に対する接触が感知されると、画面回転機能が無効化される態様となっている。これに対して、本実施形態では、ロック領域Rに対する接触が感知されるとバックライトを点灯し、接触が感知されないとバックライトを消灯する機能が実現されるように制御部4が制御する態様となっている。
【0076】
本実施形態のスマートフォン1は、低消費電力の観点から、ユーザがディスプレイ20を使用していない間はディスプレイ20のバックライトが消灯するように制御されている。この制御は、実施形態1と同様に制御部4によっておこなわれる。
【0077】
図7は、制御部4が、バックライトを点灯するときの処理を示すフローチャートである。
【0078】
ステップS11において、図1(b)に示した接触判定部42がタッチセンサ21からの通知される位置情報を参照してロック領域Rに物体(ユーザの指または手のひら)が接触したか否かを判定する。そして、「ロック領域Rへの接触あり」と判定されると、ステップS12に移行する。
【0079】
ステップS12では、制御部4による制御によってディスプレイ20のバックライトを点灯させる。
【0080】
ステップS13において、図1(b)に示した接触判定部42がタッチセンサ21からの通知される位置情報を参照してロック領域Rから物体(ユーザの指または手のひら)が離間したか否かを判定する。そして、「ロック領域Rへの接触なし」(物体が離間した)と判定されると、ステップS14に移行する。
【0081】
ステップS14では、制御部4による制御によってバックライトを消灯させる。
【0082】
なお、バックライトは、例えば入力受付部23への入力、あるいは、電源ボタンへの押下によっても点灯させてもよい。
【0083】
(本実施形態の作用効果)
以上のように、本実施形態では、ロック領域Rにユーザの指や手のひらが接触していることをタッチセンサ21が感知すると、制御部4が、バックライトを点灯する態様となっている。ロック領域Rは、ユーザがスマートフォン1を自然に把持したときに、ユーザの指や手のひらが接触するタッチパネル2の周辺部に設けられる。したがって、ユーザには、バックライトを意識的に点灯させているという感覚を与えず、また、極めて簡易な手法で点灯させることができる。また、タッチパネル2の周辺部は、UI要素が配置されることのない領域でもあるので、これらのUI要素に対する操作性を損なうこともない。
【0084】
また、ロック領域Rへの接触は、タッチパネル2を構成するタッチセンサ21によって検出することができるので、ロック領域Rへの接触検出のために、新たな装置や部材を追加する必要がなく、また、ロック領域Rを設けることによる特段の製造プロセスや製造コストも要しない。
【0085】
以上のことから、操作性に優れ、安価にロック機能を実現したスマートフォン1を提供することができる。
【0086】
また、このようにバックライトを制御することにより、携帯情報端末の消費電力を削減し、運用時間の延長を可能にする。
【0087】
(変形例)
本実施形態と同じく低消費電力の観点から、バックライトではなく、携帯情報端末のシステムをスタンバイもしくはそれに類する低消費電力状態にすることも可能である。
【0088】
〔実施形態3〕
本発明に係る他の実施形態について、図8および図9に基づいて説明すれば以下の通りである。尚、本実施形態では、上記実施形態1との相違点について説明するため、説明の便宜上、実施形態1で説明した部材と同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付し、その説明を省略する。
【0089】
図8は、本実施形態の携帯情報端末の構成を示すブロック図である。本実施形態のスマートフォン1´は、図8に示すように、制御部4の制御下に通信インタフェース8を備えている。そして、上記実施形態1では、画面回転をロックする態様について説明したのに対して、本実施形態では、図1に示すディスプレイ20の縁部にあるロック領域R(図2)に対して接触が維持されていることをタッチセンサ21が感知すると、制御部4が通信インタフェース8を制御して通信を開始する態様となっている。
【0090】
図9は、制御部4が、通信インタフェース8を制御するときの処理を示すフローチャートである。
【0091】
ステップS21において、図1(b)に示した接触判定部42がタッチセンサ21からの通知される位置情報を参照してロック領域Rに物体(ユーザの指または手のひら)が接触したか否かを判定する。そして、「ロック領域Rへの接触あり」と判定されると、ステップS22に移行する。
【0092】
ステップS22では、制御部4による制御によって通信インタフェース8の通信を開始する。
【0093】
ステップS23において図1(b)に示した接触判定部42がタッチセンサ21からの通知される位置情報を参照してロック領域Rから物体(ユーザの指または手のひら)が離間したか否かを判定する。そして、「ロック領域Rへの接触なし」(物体が離間した)と判定されると、ステップS24に移行する。
【0094】
ステップS24では、通信インタフェース8の通信を停止させる。
【0095】
なお、外部ネットワーク回線は、従来周知の回線を使用することができる。
【0096】
(本実施形態の作用効果)
以上のように、本実施形態では、ロック領域Rにユーザの指や手のひらが接触していることをタッチセンサ21が感知すると、制御部4が、通信を開始する態様となっている。ロック領域Rは、ユーザがスマートフォン1´を自然に把持したときに、ユーザの指や手のひらが接触するタッチパネル2の周辺部に設けられる。また、タッチパネル2の周辺部は、UI要素が配置されることのない領域でもあるので、これらのUI要素に対する操作性を損なうこともない。
【0097】
また、ロック領域Rへの接触は、タッチパネル2を構成するタッチセンサ21によって検出することができるので、ロック領域Rへの接触検出のために、新たな装置や部材を追加する必要がなく、また、ロック領域Rを設けることによる特段の製造プロセスや製造コストも要しない。
【0098】
以上のことから、操作性に優れ、安価にロック機能を実現したスマートフォン1を提供することができる。
【0099】
更に本実施形態では、ロック領域Rへの接触が解除された状態が一定時間続くと、通信を切断する。これにより、携帯情報端末の消費電力を削減し、運用時間の延長を可能にする。
【0100】
ここで、当該接触が解除された場合に通信を切断するのではなく、解除された状態が一定時間経過した場合に通信を切断することにより、図3に示すようにユーザにとってディスプレイ20を縦長にした状態で把持している状態から、横長にした状態に持ち変える場合に、その都度回線が切断されないので、使用感を損なわれない。この一定時間は、ユーザが自らの使用状況に応じて設定することができ、概ね10秒から30分とすることができる。
【0101】
(変形例)
本実施形態では、ロック領域Rへの継続的な接触の有無によって通信の開始と停止を切り換えているが、本発明はこれに限定されるものではなく、通信インタフェース8が複数の外部ネットワーク回線への通信を可能にして、ロック領域Rへの継続的な接触が解除された状態が一定時間続くと、消費電力が最も少ない回線を除いた回線を切断するように構成してもよい。あるいは、ロック領域Rへの継続的な接触が解除された状態が一定時間続くと、ユーザが事前に選択しておいた回線を除いた回線を切断する構成としてもよい。
【0102】
〔実施形態4〕
本発明に係る他の実施形態について、図10に基づいて説明すれば以下の通りである。尚、本実施形態では、上記実施形態1との相違点について説明するため、説明の便宜上、実施形態1で説明した部材と同一の機能を有する部材には同一の部材番号を付し、その説明を省略する。
【0103】
上述した実施形態1では、図1に示すディスプレイ20の縁部にあるロック領域R(図2)に対する接触が感知されると、画面回転機能が無効化される態様となっている。これに対して、本実施形態では、ロック領域Rに対して接触が維持されている場合のみ、表示アイテムの選択および実行を可能にするよう制御部4が制御する態様となっている。すなわち、継続的な上記接触が無い場合は表示アイテムの選択および実行といった「操作」をロックし、継続的な上記接触が感知された場合は、当該操作を実行できるようにしている。
【0104】
図10は、制御部4が、表示アイテムの操作を制御するときの処理を示すフローチャートである。
【0105】
ステップS31において、図1(b)に示した接触判定部42がタッチセンサ21からの通知される位置情報を参照してロック領域Rに物体(ユーザの指または手のひら)が接触したか否かを判定する。そして、「ロック領域Rへの接触あり」と判定されると、ステップS32に移行する。
【0106】
ステップS32では、制御部4による制御によって操作ロックを解除して、表示アイテムの選択および実行が可能な状態とする。
【0107】
ステップS33において図1(b)に示した接触判定部42がタッチセンサ21からの通知される位置情報を参照してロック領域Rから物体(ユーザの指または手のひら)が離間したか否かを判定する。そして、「ロック領域Rへの接触なし」(物体が離間した)と判定されると、ステップS34に移行する。
【0108】
ステップS14では、制御部4による制御によって操作をロックする。
【0109】
(本実施形態の作用効果)
以上のように、本実施形態では、ロック領域Rに対して接触が維持されている場合のみ、操作ロックを解除して表示アイテムの選択および実行を可能にする。ロック領域Rは、ユーザがスマートフォン1を自然に把持したときに、ユーザの指や手のひらが接触するタッチパネル2の周辺部に設けられる。また、タッチパネル2の周辺部は、UI要素が配置されることのない領域でもあるので、これらのUI要素に対する操作性を損なうこともない。
【0110】
また、ロック領域Rへの接触は、タッチパネル2を構成するタッチセンサ21によって検出することができるので、ロック領域Rへの接触検出のために、新たな装置や部材を追加する必要がなく、また、ロック領域Rを設けることによる特段の製造プロセスや製造コストも要しない。
【0111】
またこのような制御をおこなうことにより、表示面を手のひら側に持ったときに手のひらが意図せず表示面(つまりタッチパネル面)に触れた場合や、鞄の中などで異物が表示面に触れた場合などに、表示面の表示アイテムに対応付けられた機能が選択および実行されることを防ぐことができる。
【0112】
本発明は、上述した各実施形態および各変形例に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、また、各実施形態および各変形例にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0113】
本発明は、タッチパネルを備えた携帯情報端末において利用することができる。特に、携帯電話端末、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、タブレット型PC(Personal Computer)において、好適に利用することができる。
【符号の説明】
【0114】
1、1´ スマートフォン(携帯情報端末)
2 タッチパネル
3 メモリ
4 制御部(設定手段)
5 加速度センサ
8 通信インタフェース
10 筐体
20 ディスプレイ
21 タッチセンサ
22 額縁部
23 入力受付部
40 アプリケーション実行部(切換手段)
41 姿勢判定部
42 接触判定部(接触判定手段)
R ロック領域(特定の領域、帯状領域)
R2 拡張領域(特定の領域、アイコン様領域)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
タッチパネルを備えた携帯情報端末であって、
上記タッチパネルの周辺部に設けられた特定の領域に対する接触が感知されているか否かを判定する接触判定手段と、
特定の機能を有効化するか否かを上記接触判定手段による判定結果に応じて切り換える切換手段を備えている、
ことを特徴とする携帯情報端末。
【請求項2】
上記特定の機能は、上記タッチパネルに表示する画面の向きを当該携帯情報端末の姿勢に応じて回転させる回転機能であり、
上記切換手段は、上記特定の領域に対する接触が感知されているとき、上記回転機能を無効化し、そうでないとき、上記回転機能を有効化する、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項3】
上記タッチパネルは、長方形状であり、
上記特定の領域は、上記タッチパネルの両方の長辺及び一方の短辺の各々に沿う3つの帯状領域を含んでいる、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の携帯情報端末。
【請求項4】
上記特定の領域は、上記タッチパネルの一方の長辺に接するアイコン様領域と、上記タッチパネルの一方の短辺に接するアイコン様領域とを含んでいる、
ことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の携帯情報端末。
【請求項5】
上記アイコン様領域の位置及びサイズの少なくとも何れか一方をユーザ操作に基づいて設定する設定手段を更に備えている、
ことを特徴とする請求項4に記載の携帯情報端末。
【請求項6】
上記特定の機能は、上記タッチパネルに含まれるバックライトを点灯するバックライト点灯機能であり、
上記切換手段は、上記特定の領域に対する接触が感知されているとき、上記バックライト点灯機能を有効化し、そうでないとき、上記バックライト点灯機能を無効化する、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項7】
上記特定の機能は、他の通信装置と通信する通信機能であり、
上記切換手段は、上記特定の領域に対する接触が感知されているとき、上記通信機能を有効化し、そうでないとき、上記通信機能を無効化する、
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯情報端末。
【請求項8】
タッチパネルを備えた携帯情報端末の制御方法であって、
上記タッチパネルの周辺部に設けられた特定の領域に対する接触が感知されているか否かを判定する接触判定工程と、
特定の機能を有効化するか否かを上記接触判定工程における判定結果に応じて切り換える切換工程とを含んでいる、
ことを特徴とする制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2013−97400(P2013−97400A)
【公開日】平成25年5月20日(2013.5.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−236524(P2011−236524)
【出願日】平成23年10月27日(2011.10.27)
【特許番号】特許第5189197号(P5189197)
【特許公報発行日】平成25年4月24日(2013.4.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】