説明

携帯機器、ならびに携帯機器の制御プログラムおよび制御方法

【課題】 使用者が意図しない入力操作を低減することが可能な携帯機器を提供する。
【解決手段】 本実施形態に係る携帯機器は、表示部と、表示部に対する入力を検出する入力部と、入力部による入力を制限する制限機能を設定および解除する制御部と、を備える。制御部は、表示部に2つ以上のオブジェクトを表示させ、当該オブジェクトのうち2つが一致した場合に、制限機能を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機器、ならびに携帯機器の制御プログラムおよび制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、携帯機器には、キーボタン、タッチパネルに対する入力を無効にするキーロック機能が設けられている。かかるキーロック機能が携帯機器に設定されていると、使用者はキーロック機能を解除してから携帯機器を使用することになる。
【0003】
かかる携帯機器では、たとえば、設定したキーボタンが設定時間以上押し続けると、キーロック機能が解除される(たとえば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−239477号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の構成では、携帯機器がかばんの中に入っているときに、設定されたキーボタンに物が偶然に当たり続けることが起こり得る。このような場合には、ユーザの意図に反して、キーロック機能が簡単に解除されてしまう虞がある。
【0006】
本発明は、かかる課題に鑑みてなされたものであり、使用者が意図しない入力操作を低減することが可能な携帯機器、ならびに携帯機器の制御プログラムおよび制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の実施形態に係る第1の携帯機器は、表示部と、前記表示部に対する入力を検出する入力部と、前記入力部による入力を制限する制限機能を設定および解除する制御部と、を備え、前記制御部は、前記表示部に2つ以上のオブジェクトを表示させ、当該オブジェクトのうち2つが一致した場合に、制限機能を解除する。
【0008】
本発明の実施形態に係る第2の携帯機器は、表示部と、前記表示部に対する入力を検出する入力部と、前記入力部による入力を制限する制限機能を設定および解除する制御部と、を備え、前記制御部は、前記表示部に2つ以上のオブジェクトを表示させ、当該オブジェクトのうち2つが一致した場合に、複数のアプリケーションのいずれかを選択可能となり、前記アプリケーションのいずれかを選択すると、制限機能を解除するとともに、当該アプリケーションを実行する。
【0009】
本発明の実施形態に係る第1の携帯機器の制御プログラムは、表示部と、前記表示部に対する入力を検出する入力部と、前記入力部による入力を制限する制限機能を設定および解除する制御部と、を備える携帯機器の制御プログラムである。この制御プログラムは、前記制御部に、前記表示部に2つ以上のオブジェクトを表示させ、当該オブジェクトのうち2つが一致した場合に、制限機能を解除させる。
【0010】
本発明の実施形態に係る第1の携帯機器の制御方法は、表示部と、前記表示部に対する入力を検出する入力部と、前記入力部による入力を制限する制限機能を設定および解除する制御部と、を備える。携帯機器の制御方法である。この制御方法は、前記制御部に、前記表示部に2つ以上のオブジェクトを表示させ、当該オブジェクトのうち2つが一致した場合に、制限機能を解除させる。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、使用者が意図しない入力操作を低減することができる携帯機器、ならびに携帯機器の制御プログラムおよび制御方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明に係る携帯機器の第1の実施形態である携帯電話機の概略構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示した携帯電話機の構成を示す全体斜視図である。
【図3】図1に示した携帯電話機の待機画面を示す図である。
【図4】図1に示した携帯電話機の制限機能の設定手順を示すフローチャートである。
【図5】図1に示した携帯電話機の解除画面を示す図である。
【図6】図5に示した解除画面の操作手順を示すフローチャートである。
【図7】図5に示した解除画面の変形例を示す図である。
【図8】図5に示した解除画面の変形例を示す図である。
【図9】本発明に係る携帯機器の第2の実施形態である携帯電話機の解除画面を示す図である。
【図10】本発明に係る携帯機器の第3の実施形態である携帯電話機の解除画面を示す図である。
【図11】図10に示した解除画面の操作手順を示すフローチャートである。
【図12】図10に示した解除画面の変形例を示す図である。
【図13】本発明に係る携帯機器の第4の実施形態である携帯電話機の解除画面を示す図である。
【図14】図13に示した解除画面の操作手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0014】
<携帯機器の第1の実施形態>
以下、本発明に係る携帯機器の1つの実施形態として携帯電話機10を例示し、図面を参照しつつ説明する。
【0015】
図1にブロック図を示した携帯電話機10は、制御デバイス20と、表示デバイス30と、入力デバイス40と、音声デバイス50と、通信デバイス60と、筐体70と、を含んでいる。
【0016】
制御デバイス20は、ハードウェア資源を用いてプログラムを実行することによって各種の機能を実現する。制御デバイス20は、演算処理部21と、記憶部22とを含んでいる。演算処理部21と記憶部22とは互いに電気的に接続されている。
【0017】
演算処理部21は、携帯電話機10の全体の制御に関する情報の演算処理を担っている。この演算処理部21は、表示デバイス30と、入力デバイス40と、音声デバイス50と、通信デバイス60とに接続されている。
【0018】
この演算処理部21には、記憶部22が接続されている。記憶部22は、携帯電話機10の制御に用いられる種々の情報を記憶する機能を担っている。記憶部22は、第1記憶素子221と、第2記憶素子222とを含んでいる。
【0019】
第1記憶素子221は、演算処理部21によって演算処理を行う種々の情報を一時的に記憶する機能を担っている。この第1記憶素子221としては、揮発性メモリおよび不揮発性メモリが採用できる。第1記憶素子221は、入力した情報の記憶速度、記憶した情報の出力速度、情報の入出力の際に消費される電力、などを考慮して選択される。この揮発性メモリとしては、例えばDRAM(Dynamic RAM)、およびSRAM(Static RAM)などが挙げられる。この不揮発性メモリとしては、例えばフラッシュメモリ,磁気記憶装置、MRAM(Magneto-resistive RAM)、ReRAM(Resistance RAM)、FeRAM(Ferroelectric RAM)、およびPRAM(Phase shift RAM)などが挙げられる。本実施形態の第1記憶素子221には、DRAMが採用されている。
【0020】
第2記憶素子222は、携帯電話機10の制御に用いられる情報を長期間にわたって記憶する機能を担っている。この第2記憶素子222としては、上述の不揮発性メモリが採用できる。第2記憶素子222は、入力した情報の記憶速度、記憶した情報の出力速度、情報の入出力の際に消費される電力、および記憶が可能な情報容量などを考慮して選択される。本実施形態の第2記憶素子222には、フラッシュメモリが採用されている。この第2記憶素子222には、携帯電話機10の文字、画像、音声、音および映像のようなコンテンツのデータを記録してもよい。
【0021】
この制御デバイス20では、第2記憶素子222に記憶されたプログラムまたはデータを第1記憶素子221に展開し、展開されたプログラムに含まれる演算を演算処理部21に実行させている。
【0022】
表示デバイス30は、携帯電話機10の情報表示に関する機能を担っている。表示デバイス30は、ディスプレイ31と、表示制御部32とを含んでいる。表示制御部32は、ディスプレイ31および制御デバイス20の演算処理部21のそれぞれに電気的に接続されている。
【0023】
ディスプレイ31は、携帯電話機10の情報を表示する素子である。携帯電話機10の情報は、ディスプレイ31の表示領域310に表示される。ディスプレイ31は、表示制御部32に電気的に接続されている。ディスプレイ31としては、例えば液晶ディスプレイ(LCD;Liquid Crystal Display)、ELディスプレイ(ELD;Electro-Luminescence Display)などが挙げられる。ELDとしては、有機(organic)および無機(Inorganic)のいずれを採用することが可能である。本実施形態では、ディスプレイ31としてLCDが採用されている。
【0024】
表示制御部32は、携帯電話機10の表示情報の制御を担っている。表示制御部32は、演算処理部21から出力される表示情報に基づいてディスプレイを制御している。表示制御部32は、表示情報を変換し、ディスプレイを駆動する表示信号に変換している。つまり、この表示制御部32は、ディスプレイ31の駆動ドライバとして機能している。また、ディスプレイ31の表示領域310に表示される情報の制御は、表示制御部32によって制御されている。
【0025】
入力デバイス40は、携帯電話機10に対する操作信号の入力を担っている。入力デバイス40は、第1入力部41と、第2入力部42と、入力制御部43と、を含んでいる。入力制御部43は、第1入力部41および第2入力部42のそれぞれに電気的に接続されている。入力制御部43は、演算処理部21に電気的に接続されている。
【0026】
第1入力部41は、物体が表面に近接した際の変化と、当該変化の位置を検出して入力信号としている。第1入力部41としては、例えば静電容量方式、抵抗膜方式、表面弾性波方式(または超音波方式)、赤外線方式、電磁誘導方式、および荷重検出方式などの種々の方式の接触センサが挙げられる。本実施形態では、第1入力部41として静電容量方式の検出素子を採用している。この静電容量方式の第1入力部41は、指などの物体が表面に近接して生じた電極間の静電容量の変化を検出する。本実施形態の第1入力部41は、1本または複数本の指が触れたことを検出可能に構成されている。また、この第1入力部41では、指を触れさせた状態で当該接触部を移動させた際の接触の軌跡を連続的に入力することが可能である。この軌跡入力は、当該演算処理部21で演算処理することによって、例えば方向および図形などの入力としての検出が可能である。さらに、この軌跡入力の演算処理に際して、入力された時間と合わせて演算することによって、例えば移動速度および速度ベクトルなどの入力としての検出が可能である。
【0027】
本実施形態では、第1入力部41として検出部が光を透過するものを採用している。この第1入力部41は、ディスプレイ31の表示領域310の上に重ねて配置されている。この第1入力部41とディスプレイ31とは、タッチパネルとして機能している。このタッチパネルでは、ディスプレイ31の表示領域310内の任意の位置を指示することができる。
【0028】
第2入力部42は、使用者による操作を検出して入力信号としている。第2入力部42としては、例えば押しボタンスイッチ、トグルスイッチ、スライドスイッチ、ロータリースイッチ、静電容量スイッチなどの種々のスイッチが挙げられる。これらのスイッチは、組み合わせ採用してもよい。本実施形態では、スイッチとして押しボタンスイッチを採用している。また、本実施形態では、第2入力部42として、通話キー42a、終話キー42b、メニューキー42cとを含んでいる。
【0029】
入力制御部43は、携帯電話機10に対する入力信号の制御を担っている。第1入力部41および第2入力部42から伝送された入力信号は、入力制御部43を介して変換され入力情報となる。入力情報は、演算処理部21に伝送され、携帯電話機10の制御に用いられる。本実施形態の入力制御部43は、アナログデジタル変換器(A/D変換器)を含んでいる。第1入力部41および第2入力部42において入力信号をアナログ信号として検出した場合、このA/D変換器を介してデジタル信号に変換され、入力情報として扱われる。
【0030】
音声デバイス50は、音声入力部51と、音声出力部52と、音声制御部53と、を含んでいる。音声制御部53は、音声入力部51および音声出力部52のそれぞれに電気的に接続されている。音声制御部53は、演算処理部21に電気的に接続されている。
【0031】
音声入力部51は、携帯電話機10に対して音声信号を入力する機能を担っている。音声入力部51に入力された音声(音波)は、電気的な音声信号に変換され携帯電話機10に入力される。変換された音声信号は、音声制御部53に伝送される。音声入力部51としては、種々のマイクロホンが挙げられる。このマイクロホンとしては、例えば電磁誘導を利用する方式、静電容量の変化を利用する方式、抵抗値の変化を利用する方式、圧電現象を利用する方式、接触して音声振動を検知する方式などの種々の方式が採用可能である。
【0032】
音声出力部52は、携帯電話機10から伝送された音声信号を音声信号として出力する機能を担っている。携帯電話機10から伝送された音声信号は、音声出力部52を介して振動波に変換され、音声として出力される。この音声信号は、音声制御部53から音声出力部52に伝達される。音声出力部52としては、種々のスピーカが挙げられる。このスピーカとしては、例えば電磁気力を利用して振動に変換する方式、静電気力を利用して振動に変換する方式などが挙げられる。
【0033】
音声制御部53は、携帯電話機10の音声信号の制御を担っている。音声入力部51に入力された音声信号は、音声制御部53を介して音声情報に変換される。変換された音声情報は、演算処理部21に伝送され、携帯電話機10の制御に用いられる。また、演算処理部21から音声制御部53に伝送された音声情報は、音声信号に変換され音声出力部に伝送される。本実施形態の音声制御部53は、アナログ/デジタル変換器(A/D変換器)およびデジタル/アナログ変換器(D/A変換器)を含んでいる。音声入力部51において音声信号をアナログ信号として検出した場合、このA/D変換器を介してデジタル信号に変換され、音声情報として扱われる。また、音声出力部52から出力する音声情報がデジタル信号として伝送された場合、このD/A変換器を介してアナログ信号に変換(復号)され、音声信号として扱われる。
【0034】
通信デバイス60は、携帯電話機10が情報通信する機能を担っている。通信デバイス60は、基地局によって割り当てられるチャネルを介して、基地局との間に無線信号回線を確立する。通信デバイス60は、基地局との間に確立された無線信号回線を通じて、他の装置との間で電話通信および情報通信を行う。この通信デバイス60は、アンテナ61と、通信制御部62と、を含んでいる。アンテナ61と通信制御部62とは、互いに電気的に接続されている。音声制御部53は、演算処理部21に電気的に接続されている。本実施形態の通信デバイス60は、無線通信を採用しているが、有線通信を併せて採用してもよい。無線通信の通信方式としては、CDMA(Code Division Multiple Access)、およびFDMA(Frequency Division Multiple Access)等の各種の方式がある。
【0035】
アンテナ61は、携帯電話機10から送信する情報を出力する機能、および携帯電話機10が受信する情報を入力する機能の少なくとも一方を担っている。なお、本実施形態では、1つのアンテナ61を採用しているが、複数のアンテナを採用してもよい。複数のアンテナを採用する場合、送信と受信とで異なるアンテナを利用してもよいし、情報の種類に応じて異なるアンテナを利用してもよいし、情報の伝達速度が最適になるように複数のアンテナを切り替えてもよい。
【0036】
通信制御部62は、携帯電話機10と他の機器との通信情報の制御を担っている。この通信制御部62は、通信デバイス60に接続されている。
【0037】
図2に外観斜視図を示した筐体70は、携帯電話機10の支持基材としての機能を担っている。つまり、この筐体70には、表示デバイス30、制御デバイス20、入力デバイス40、音声デバイス50、および通信デバイス60を支持している。この筐体70は、方体形状をしており、一組の対面が他の面に比べて広くなっている。ここでは、この他の面に比べて面積の広い面を主面としている。この筐体70の一方の主面には、第1入力部41が配置されている。この携帯電話機10では、第1入力部41を介してディスプレイ31の表示領域310が透過表示される。前述のように、第1入力部41とディスプレイ31とはタッチパネルとして機能している。また、この筐体70の主面には、第1貫通孔70aおよび第2貫通孔70bが設けられている。音声入力部51に入力される音声は、第1貫通孔70aを介して入力され、音声出力部52から出力する音声は、第2貫通孔70bを介して出力される。この第1貫通孔70aおよび第2貫通孔70bは、矩形状の筐体70の長手方向の両端部に設けられている。
【0038】
本実施形態の携帯電話機10は、上述の構成を採用している。次に、本実施形態の携帯電話機10の動作について詳述する。
【0039】
この携帯電話機10では、電話機能、電子メール機能、およびWEB閲覧機能を含む種々のアプリケーションソフトウエア(以下、単に「アプリ(App)」とする)を実行可能である。これらのアプリは、ディスプレイ31の表示領域310に表示されたアイコンを選択することで実行可能である。アプリは、制御デバイス20によって制御される。制御デバイスは、アプリのプログラムに応じて表示デバイス30、入力デバイス40、音声デバイス50、および通信デバイス60などの種々のデバイスを制御することが可能である。
【0040】
表示領域310の表示構成としては、例えば図3に示した待機画面が挙げられる。この待機画面は、フォアグラウンドで処理するアプリケーションが選択されるのを待機していることを示している表示である。なお、携帯電話機10は、この待機画面を表示している際に、バックグラウンドで種々のアプリを実行していてもよく、当該待機画面上に表示されているアクセサリーソフトを実行していてもよい。
【0041】
この待機画面は、表示領域310が第1表示領域311と、第2表示領域312とに分かれている。第1表示領域311には、種々のアプリのアイコンが配列されている。配列されているアプリのアイコンを選択することによって、当該アプリがフォアグラウンドで起動し、種々の処理が制御デバイス20によって実行される。このアイコンの背景には、所定の背景画像が表示することが可能である。第2表示領域312には、種々の通知情報が表示される。この通知情報としては、例えば携帯電話機10の各種ステータス、災害などの緊急情報などが挙げられる。携帯電話機10のステータスとしては、例えば携帯電話機10の電池残量、携帯電話機10で実行しているアプリ、携帯電話機10に生じたイベント情報、アンテナ61で受信している電波受信状態、携帯電話機10が利用している通信回線の種別、携帯電話機10の設定状態、および携帯電話機10に設定されている日付、時刻、もしくは日時などが挙げられる。この携帯電話機10のステータスは、アイコン化したり、ピクトグラム化したりして表示することも可能である。
【0042】
この携帯電話機10では、上述のアプリを含む種々の機能のうちの一部機能の制限、および入力デバイス40による入力の一部の制限の少なくとも一方が行われる制限機能を有している。本実施形態の携帯電話機10では、この制限機能が設定されると、例えば使用者の操作による新たなアプリの起動が制限されるのと併せて、第1入力部41による入力が制限される。この第1入力部41による入力制限の方法としては、例えば第1入力部41を構成している素子の駆動を停止する方法、第1入力部41の出力する入力信号を遮断する方法、第1入力部41の出力した入力信号を処理しない方法などが挙げられる。本実施形態では、第1入力部41を構成している素子の駆動を停止する方法を採用している。また、この第1入力部41の入力制限と併せて、ディスプレイ31の表示が消される。
【0043】
この制限機能の設定は、制御デバイス20によって図4に示したフローチャートに沿って処理される。このフローチャートにおける対比判断は、入力デバイス40の出力に基づいて制御デバイス20によって行われる。まず、第1ステップS11として、制限機能の設定を求める入力操作が有ったか否かを判断する。この第1ステップS11において、制限機能の設定を求める入力操作が有ったと判断された場合には第2ステップS12に進み、無かったと判断された場合には第3ステップS13に進む。第2ステップS12では、所定時間の間に入力操作が有ったか否かを判断する。この第2ステップS12において、所定時間の間に入力操作が有ったと判断された場合には第3ステップS13に進み、設定操作が無かったと判断された場合には第1ステップS11に戻る。この制限機能の設定操作としては、種々の操作を採用可能である。例えば、本実施形態では待機画面を表示している際に終話キー42bを操作する場合を制限機能の設定操作としている。第3ステップS13では、制限機能の設定処理を行い、第4ステップS14に進む。第4ステップS14では、ディスプレイ31の表示を消し、制限機能の設定処理を終了する。この制限機能の設定が行われると、制限機能の設定が解除されるまで、受け付ける入力操作が制限される。この制限機能が設定されている間は、意図しない入力操作が行われるのを低減することができる。本実施形態では、制御デバイス20が第1入力部41の駆動電力の供給を中止することによって、入力を制限している。
【0044】
本実施形態の制限機能の設定は、次の入力操作によって解除することができる。まず、消画していたディスプレイ31に解除画面を表示させるとともに、第1入力部41による入力制限を解除する第1の解除処理を行う。例えば、本実施形態では、メニューキー42cを操作することによって、第1の解除処理を行うことが可能である。この第1の解除処理の他の採用可能な操作方法としては、例えば他の第2入力部42を操作する方法、第2入力部42の操作を保持しながら所定時間の経過を待つ方法などが挙げられる。この解除画面としては、例えば図5に示した表示が挙げられる。図5に示した解除画面では、実線で示した円形の第1オブジェクトob1を、破線で図示した円形の第2オブジェクトob2に合わせることで第2の解除処理が行われる。この第2の解除処理を行うことで、ディスプレイ31の表示が解除画面から待機画面に切り替わる。
【0045】
ここで、ディスプレイ31と第1入力部41とを含んで構成されるタッチパネルの操作方法を説明する。タッチパネルの操作方法の説明の次に、図5に示した解除画面の操作方法に関して詳述する。
【0046】
本実施形態では、使用者がタッチパネルの表示面を接触部材で触れる操作を「タッチ」という。一方、タッチパネルから接触部材を離す操作を「タッチを離す」または「リリース」という。タッチによって示された座標を「タッチ点」、リリースによって示された座標を「リリース点」という。タッチパネルの表示面に接触部材をタッチさせたままで、当該接触部材を移動させる操作を「スライド」または「スライドタッチ操作」という。さらに、使用者がタッチパネルの表面をタッチして、続けてリリースする操作を「タップ」または「タッチアンドリリース」という。そして、タッチ、リリース、スライド、およびタップなどのタッチパネルに対して行う操作を、まとめて「タッチ操作」という。このタッチ操作は、入力デバイス40の出力の出力に基づいて制御デバイス20がいかなる操作が行われたかを判断している。ここでいう「接触部材」とは、例えば使用者の指、導電体が先端に取り付けられたタッチペンを含む種々の物体が挙げられる。この接触部材として採用可能な物体は、第1入力部41が採用する検出方式に応じて適宜選択される。
【0047】
図5に示した解除画面は、制御デバイス20によって図6に示したフローチャートに沿って処理される。このフローチャートにおける対比判断は、入力デバイス40の出力に基づいて制御デバイス20によって行われる。
【0048】
まず、第1ステップS21として、解除画面が表示される。次に、第2ステップS22として、第1オブジェクトob1へのタッチを判断する。第1オブジェクトob1をタッチしたと判断された場合は第3ステップS23に進み、第1オブジェクトob1をタッチしていないと判断された場合は第2ステップS22を再度行う。この第1オブジェクトob1へのタッチは、タッチ点が第1オブジェクトob1の上であるか否かで判断する。次に、第3ステップS23として、第1オブジェクトob1にタッチした指をスライドさせた距離に応じて第1オブジェクトob1の大きさを変更する。この第3ステップS23では、スライドした指がタッチしている座標が第1オブジェクトob1の外側に位置している場合、第1オブジェクトob1が拡大される。この第1オブジェクトob1は、当該第1オブジェクトob1の中心を中心として円形のまま拡大する。拡大した第1オブジェクトob1の半径は、中心とタッチしている座標との距離となる。この第1オブジェクトob1の大きさの変更は、第4ステップS24としてリリースしたと判断されるまで繰り返される。第4ステップS24において、リリースが行われたと判断された場合は第5ステップS25に進む。第5ステップS25では、リリースが行われた際に第1オブジェクトob1が第2オブジェクトob2と一致しているかを判断する。第5ステップS25において、2つのオブジェクトob1,ob2が一致していると判断された場合は第6ステップS26に進み、一致していないと判断された場合は第2ステップS22に戻る。第6ステップS26では第2の解除処理として待機画面が表示され、第2の解除処理の処理が終了する。このようにして、2つのオブジェクトを一致させた状態でのリリース動作によって第2の解除処理が行われるので、意図しない制限機能の解除を低減することができる。本実施形態の制御デバイス20は、2つのオブジェクトが一致した状態でリリースが行われたと判断した場合、第1入力部41への電力供給を開始して、制限機能を解除している。
【0049】
この解除画面のフローチャートでは、第4ステップS24および第5ステップS25において、リリースした際のオブジェクトの一致判断をしている。ここで一致しているとの判断をされるには、スライド操作による第1オブジェクトob1の大きさを適切に変更する必要がある。まず、この第3ステップS23では、第2ステップS22において第1オブジェクトob1にタッチした指を、第2オブジェクトob2を示す破線に向かってスライドさせる。次に、第2オブジェクトob2を示す破線上まで指をスライドさせることによって、第1オブジェクトob1と、第2オブジェクトob2とを一致させることができる。次に、第1オブジェクトob1と第2オブジェクトob2とを一致させた状態でリリースすることで、第4ステップS24および第5ステップS25で2つのオブジェクトが一致していると判断させることができる。つまり、タッチ点が第1オブジェクトob1の上となるようにタッチし、スライド操作によってリリース点が第2オブジェクトob2の上となるようにすることで第2の解除処理が行われる。
【0050】
また、この解除画面では、第1オブジェクトob1と第2オブジェクトob2とが一致していない状態でリリースをすると、第2の解除処理が行われず、解除画面の初期表示に戻るように設定されている。第1オブジェクトob1にタッチした後のスライド操作で移動する距離が短く、第1オブジェクトob1が第2オブジェクトob2に比べて小さく表示されている状態でリリースする場合が挙げられる。また、第1オブジェクトob1にタッチした後のスライド操作で移動する距離が長く、第1オブジェクトob1が第2オブジェクトob2に比べて大きく表示されている状態でリリースする場合が挙げられる。このように、第2の解除処理の処理条件として、スライド操作によって移動する距離が設定されている。この第2の解除処理の処理条件によって、意図せずに接触した物体が接触したままで移動した場合が生じても、意図せずに解除処理が行われるのを低減することができる。
【0051】
また、図5に示した表示構成では、第1オブジェクトob1と第2オブジェクトob2とが一致している場合に、ディスプレイ31にリリースを促すメッセージが表示される。このように、リリースによって第2の解除処理が行われることを示すことによって、使用者が意図するとおりに解除処理が行われるのを確認することができる。また、前に表示されていたメッセージに換えて、新たなメッセージを表示させる場合、新たなメッセージを前に表示されていたメッセージと表示方法を変更してもよい。例えば、メッセージを構成する文字を大きくしたり、点滅表示をさせたり、色を変更したりすることによって、メッセージが変更されたことを、使用者が認識しやすくすることができる。図5に示した表示構成では、メッセージの構成文字の大きさを大きくして表示している。
【0052】
また、第3ステップS23において、使用者のスライド操作によって第1オブジェクトto1の大きさが変更される。この大きさの変更によって、制限機能を解除するためのタッチ操作が認識されていることを確認することができる。
【0053】
この第5ステップS25の第1オブジェクトob1と第2オブジェクトob2との一致判定において、所定の範囲内であれば2つのオブジェクトob1,ob2が一致しているとみなして判断させてもよい。2つのオブジェクトob1,ob2が一致しているとみなす範囲を設定することによって、例えばリリース操作をする際に第1オブジェクトob1の大きさが変更されてしまった場合でも使用者の意図通りに第2の解除処理を行うことができる。また、2つのオブジェクトを一致させる操作が容易になり、使用者の操作負担を軽減することができる。
【0054】
この2つのオブジェクトob1,ob2が一致しているとみなす範囲を採用した解除処理の処理方法としては、例えば図7,8に示した2つの例が挙げられる。
【0055】
図7に示した第1の例としては、第1オブジェクトob1が第2オブジェクトob2と一致した後に、所定範囲の誤差を許容して解除処理を行う方法である。この第1の例では、2つのオブジェクトob1,ob2が一致した後にリリースをした際の第1オブジェクトob1の大きさが、第3オブジェクトob3よりも大きく第4オブジェクトob4よりも小さい場合に2つのオブジェクトob1,ob2が一致しているとみなす。
【0056】
図8に示した第2の例としては、リリースをした際の第1オブジェクトto1の大きさが、第2オブジェクトob2よりも大きく第5オブジェクトob5よりも小さい場合に、2つのオブジェクトob1,ob2が一致しているとみなす。
【0057】
2つのオブジェクトob1,ob2が一致しているとみなす範囲を採用した解除処理の処理方法では、2つのオブジェクトob1,ob2が一致してから、一致していると見なされる範囲から出るまで、第1オブジェクトob1の表示画面上の大きさの変更を中断してもよい。
【0058】
このように、本実施形態では、制限機能の設定を解除するのに、2段階の解除処理を必要としている。2段階の解除処理を設定することで、意図しない制限機能の解除によって誤操作が生じるのを低減することができる。また、第3〜5オブジェクトob3,ob4,ob5は、ディスプレイ31への表示を省略してもよい。
【0059】
<携帯機器の第2の実施形態>
以下、本発明に係る携帯機器の第2の実施形態として携帯電話機10Aを例示し、図面を参照しつつ説明する。この携帯電話機10Aは、解除画面として表示内容を除き、携帯電話機10と同様の構成をしている。本実施形態では、解除画面として図9に示した表示画面が表示される。
【0060】
図9に示した解除画面には、実線で示した円形の第1オブジェクトob1Aと、破線で図示した楕円形の第2オブジェクトob2Aとが表示される。本実施形態では、4つの第2オブジェクトが図示されており、それぞれを第2オブジェクトob2Axとしている(xは1〜4の整数)。なお、本実施形態では、第2オブジェクトob2Aの数を4つとしているが、これに限定される物ではなく任意に設定可能である。
【0061】
この解除画面では、第1オブジェクトob1Aの大きさと形状とを変更して、第2オブジェクトob2Aのいずれかに合わせることで第2の解除処理が行われる。この第1オブジェクトob1Aは、当該第1オブジェクトob1Aの中心を中心として楕円形状に広がる。楕円形状に広がった第1オブジェクトob1の長半径(長軸の半径)は中心とタッチしている座標との距離となり、短半径(短軸の半径)は当初の長さを保っている。
【0062】
図9に示した解除画面のフローチャートは、図6に示したフローチャートと第5ステップS25および第6ステップS26が異なっている。本実施形態のフローチャートでは、第5ステップS25に替えて、第2オブジェクトob2Aのいずれに一致しているかの判断が行われる。本実施形態では、第5ステップS25において一致していると判断された第2オブジェクトob2Aによって、第6ステップS26において、第2の解除処理が行われた後に表示される画面が異なっている。例えば、第2オブジェクトob2Aと一致している判断された場合は待機画面が表示される。また、第2オブジェクトob2A2〜4のいずれかと一致している判断された場合は第2オブジェクトob2A2〜4に対応付けられたアプリが起動されるのと併せて、当該アプリに基づく画面が表示される。図9に示した例では、第2オブジェクトob2Aと電話アプリが対応付けられ、第2オブジェクトob2AとWEBアプリが対応付けられ第2オブジェクトob2Aと電子メールアプリが対応付けられている。第2オブジェクトob2Aに対応付けられたアプリは、これに限られるものではなく、任意選択可能である。
【0063】
<携帯機器の第3の実施形態>
以下、本発明に係る携帯機器の第3の実施形態として携帯電話機10Bを例示し、図面を参照しつつ説明する。この携帯電話機10Bは、解除画面として表示内容を除き、携帯電話機10と同様の構成をしている。本実施形態では、解除画面として図10に示した表示画面が表示される。
【0064】
図10に示した解除画面には、ハートが左半分になった第1オブジェクトob1Bと、ハートが右半分になった第2オブジェクトob2Bとが表示される。この解除画面では、第1オブジェクトob1Aと第2オブジェクトob2Aとを合わせて1つのハートにすることで第2の解除処理が行われる。
【0065】
図10に示した解除画面は、図11にフローチャートを示した操作方法で解除される。まず、第1ステップS31として、解除画面が表示される。次に、第2ステップS32として、第1オブジェクトob1Bおよび第2オブジェクトob2Bのタッチを判断する。第1オブジェクトob1Bおよび第2オブジェクトob2Bの少なくとも一方をタッチしたと判断された場合は第3ステップS33に進み、第1オブジェクトob1Bをタッチしていないと判断された場合は第2ステップS32を再度行う。次に、第3ステップS33では、第1オブジェクトob1Bにタッチした指をスライドに応じて第1オブジェクトob1Bを移動させ、第2オブジェクトob2Bにタッチした指をスライドに応じて第2オブジェクトob2Bを移動させる。このタッチされた第1オブジェクトob1Bおよびタッチされた第2オブジェクトob2Bの移動は、第4ステップS34としてリリースしたと判断されるまで繰り返される。第4ステップS34において、リリースが行われたと判断された場合は第5ステップS35に進む。第5ステップS35では、リリースが行われた際に第1オブジェクトob1と第2オブジェクトob2とが合わさっているかを判断する。本実施形態では、第1オブジェクトob1Aおよび第2オブジェクトob2Bのうち実線で示した部位が一致しているかを判断している。言い換えると、第1オブジェクトob1Aの実線部と第2オブジェクトob2Bの実線部とが重なっているかを判断している。第5ステップS35において、2つのオブジェクトob1B,ob2Bが一致していると判断された場合は第6ステップS36に進み、一致していないと判断された場合は第2ステップS22に戻る。第6ステップS36では第2の解除処理として待機画面の表示画行われ、第2の解除処理の処理が終了する。このようにして、2つのオブジェクトを一致させた状態でのリリース動作によって第2の解除処理が行われるので、意図しない制限機能の解除を低減することができる。
【0066】
この図11に示したフローチャートでは、第4ステップS34および第5ステップS35において、リリースした際のオブジェクトの一致判断をしている。ここで一致しているとの判断をされるには、スライド操作によって第1オブジェクトob1Bおよび第2オブジェクトob2Bの少なくとも一方を適切に移動させる必要がある。一方のオブジェクトにタッチした場合、タッチした一方のオブジェクトを他方のオブジェクトに向かってスライドさせる。また、両方のオブジェクトob1B,ob2Bにタッチした場合、タッチしたオブジェクトの双方を互いに近づけるようにスライドさせる。このようなスライド操作によって、第1オブジェクトob1と、第2オブジェクトob2とを一致させることができる。次に、第1オブジェクトob1と第2オブジェクトob2とを一致させた状態でリリースすることで、第4ステップS34および第5ステップS35で2つのオブジェクトが一致していると判断させることができる。
【0067】
なお、本実施形態の第2〜5ステップS32〜S35は、オブジェクトごとに独立して行われる。例えば、第1オブジェクトob1Bをスライド操作している際に、第2オブジェクトob2Bをタッチした場合、両方のオブジェクトをスライド操作することができるようになる。また、双方のオブジェクトにタッチしている状態で一方のオブジェクトにタッチしている指をリリースした場合、第5ステップS35の一致判断が行われる。ここで、2つのオブジェクトob1B,ob2Bが一致していると判断された場合は、他方の操作によらず、待機画面が表示され、第2の解除処理が終了する。
【0068】
また、この解除画面では、第1オブジェクトob1Bと第2オブジェクトob2Bとが一致していない状態でリリースをすると、第2の解除処理が行われず、解除画面の初期表示に戻るように設定されている。オブジェクトにタッチした後のスライド操作で移動する距離が短い場合、およびオブジェクトにタッチした後のスライド操作で移動する距離が長い場合が挙げられる。このように、第2の解除処理の処理条件として、スライド操作によって移動する距離が設定されている。この第2の解除処理の処理条件によって、意図せずに接触した物体が接触したままで移動した場合が生じても、意図せずに解除処理が行われるのを低減することができる。
【0069】
また、図10に示した表示構成では、第1オブジェクトob1Bと第2オブジェクトob2Bとが一致している場合に、ディスプレイ31にリリースを促すメッセージが表示される。このように、リリースによって第2の解除処理が行われることを示すことによって、使用者が意図するとおりに解除処理が行われるのを確認することができる。また、前に表示されていたメッセージに換えて、新たなメッセージを表示させる場合、新たなメッセージを前に表示されていたメッセージと表示方法を変更してもよい。例えば、メッセージを構成する文字を大きくしたり、点滅表示をさせたり、色を変更したりすることによって、メッセージが変更されたことを、使用者が認識しやすくすることができる。図5に示した表示構成では、メッセージの構成文字の大きさを大きくして表示している。
【0070】
また、第3ステップS33において、使用者のスライド操作によってタッチしているオブジェクトが移動する。この移動によって、制限機能を解除するためのタッチ操作が認識されていることを確認することができる。
【0071】
この第5ステップS35の第1オブジェクトob1Bと第2オブジェクトob2Bとの一致判定において、所定の範囲内であれば2つのオブジェクトob1,ob2が一致しているとみなして判断させてもよい。2つのオブジェクトob1B,ob2Bが一致しているとみなす範囲を設定することによって、例えばリリース操作をする際に第1オブジェクトob1の大きさが変更されてしまった場合でも使用者の意図通りに第2の解除処理を行うことができる。また、2つのオブジェクトを一致させる操作が容易になり、使用者の操作負担を軽減することができる。
【0072】
また、図10に示した解除画面では、オブジェクトを回転させずに並行移動しても互いに一致するように構成されているが、図12に示したようにオブジェクトの回転が必要な初期配置としてもよい。オブジェクトの回転させるタッチ操作としては、例えば次の操作が挙げられる。まず、2本の指で1つのオブジェクトをタッチする。次に、タッチした2本の指をスライドさせる。このスライドの際に2本の指でタッチしている2つの座標を結んだ仮想線分の傾きを変えることによって、オブジェクトが回転する。このように操作することでオブジェクトを回転させることができる。図12に示したように、オブジェクトを回転させるタッチ操作を使用者に要求することで、意図しない第2の解除処理が生じるのを低減することができる。
【0073】
また、この解除画面では、第1オブジェクトob1Bおよび第2オブジェクトob2Bの少なくとも一方の表示位置をランダムで変更してもよい。
【0074】
<携帯機器の第4の実施形態>
以下、本発明に係る携帯機器の第4の実施形態として携帯電話機10Cを例示し、図面を参照しつつ説明する。この携帯電話機10Cは、解除画面として表示内容を除き、携帯電話機10と同様の構成をしている。本実施形態では、解除画面として図13に示した表示画面が表示される。
【0075】
図13に示した解除画面には、第1オブジェクトob1Cと、第2オブジェクトob2Cとが表示される。第1オブジェクトob1Cは、ジグソーパズルの1ピース形状をしている。第2オブジェクトob2Cは、第1オブジェクトob1Cを嵌めることで完成するジグソーパズルの他の部分を示している。この解除画面では、第1オブジェクトob1Cを第2オブジェクトob2Cに合わせて、ジグソーパズルを完成させることで第2の解除処理が行われる。
【0076】
図13に示した解除画面は、図14にフローチャートを示した操作方法で解除される。このフローチャートは、図11に示したフローチャートの第6ステップS36に換えて、第6ステップS46および第7ステップS47を有している点において異なっている。この解除画面では、第1オブジェクトob1Cと第2オブジェクトob2Cとが一致していると判断されると、各ピースに対応して表示されているアプリを選択することができるように構成されている。
【0077】
また、図13に示した表示構成では、アプリの選択が可能な場合に、ディスプレイ31にアプリの選択を促すメッセージが表示される。このように、リリースによって第2の解除処理が行われることを示すことによって、使用者が意図するとおりに解除処理が行われるのを確認することができる。また、前に表示されていたメッセージに換えて、新たなメッセージを表示させる場合、新たなメッセージを前に表示されていたメッセージと表示方法を変更してもよい。例えば、メッセージを構成する文字を大きくしたり、点滅表示をさせたり、色を変更したりすることによって、メッセージが変更されたことを、使用者が認識しやすくすることができる。図13に示した表示構成では、メッセージの構成文字の大きさを大きくして表示している。
【0078】
加えて、図13に示した表示構成では、アプリの選択が可能か否かで、オブジェクトob1Cおよびオブジェクトob1Cに表示されているアプリ名称の表示が異なっている。この表示構成では、アプリの選択が不可能な場合にアプリ名称を淡く表示し、アプリの選択が可能な場合にアプリ名称を濃く表示している。アプリの選択が不可能な場合でもアプリ名称を淡く表示することによって、選択が可能となった場合に選択可能なアプリを事前に示すことができる。また、アプリの選択が可能な場合にアプリ名称を濃く表示することによって、アプリの選択が可能となった旨を使用者に分かり易く伝えることができる。
【0079】
なお、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の変更を施すことは何等差し支えない。
【0080】
第4の実施形態では、解除画面として待機画面と異なる画面を表示させている。第2オブジェクトとして一部が表示されていない待機画面を採用し、第1オブジェクトとして当該表示されていない待機画面の一部を採用することも可能である。
【0081】
また、ゲームなどのタッチ操作を要求するアプリが実行されている際に電話を着信した場合、直ぐに電話応答を選択する選択画面が表示されると、アプリ上の動作として入力したタッチ操作が誤って認識されてしまう場合がある。特に、単にタップ操作のみで受信、保留、転送などの操作を選択する場合は、誤入力の恐れが大きくなる。例えば、第2,4の実施形態で示した解除画面を、電話応答を選択する選択画面としてもよい。
【0082】
第1〜4の実施形態で示した制限機能の解除方法は、解除プログラムとしてデータ配信用サーバの記憶部に記憶され、ネットワークを介して携帯電話機に配信されてもよい。また、種々の記憶媒体に解除プログラムを記憶させた状態で、その記憶媒体が販売または配布されてもよい。種々の記憶媒体としては、CD,DVD,BD(Blue-ray Disc)などの光学ディスク、USBメモリおよびメモリカードなどが挙げられる。そして、上記したサーバや記憶媒体などを通じてダウンロードされた、解除プログラムが、本実施例と同等の構成の携帯電話機にインストールされた場合、本実施例と同等の効果が得られてもよい。
【0083】
さらに、本実施例は、携帯電話機10のみに限らず、スマートフォン、PDA(Personal Digital Assistant)、PCなどの種々の携帯機器に適用されてもよい。
【0084】
そして、本明細書中で挙げた、具体的な数値は、いずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。
【0085】
なお、本明細書では、各構成の変形例には、変形元となる構成の符号の最後に、A〜Cの大文字のアルファベットを付している。
【符号の説明】
【0086】
携帯電話機10
制御デバイス20
演算処理部21
記憶部22
第1記憶素子221
第2記憶素子222
表示デバイス30
ディスプレイ31
表示領域310
第1表示領域311
第2表示領域312
表示制御部32
入力デバイス40
第1入力部41
第2入力部42
通話キー42a
終話キー42b
メニューキー42c
入力制御部43
音声デバイス50
音声入力部51
音声出力部52
音声制御部53
通信デバイス60
アンテナ61
通信制御部62
筐体70
第1貫通孔70a
第2貫通孔70b

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部と、
前記表示部に対する入力を検出する入力部と、
前記入力部による入力を制限する制限機能を設定および解除する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記表示部に2つ以上のオブジェクトを表示させ、
当該オブジェクトのうち2つが一致した場合に、制限機能を解除する、携帯機器。
【請求項2】
前記制御部は、
前記表示部に3つ以上のオブジェクトを表示させ、当該オブジェクトのうち2つが一致した場合に、制限機能を解除するとともに、
当該一致したオブジェクトに応じて異なるアプリケーションソフトを実行する、請求項1に記載の携帯機器。
【請求項3】
前記制御部は、
前記表示部に3つ以上のオブジェクトを表示させ、当該オブジェクトのうち2つが一致した場合に、制限機能を解除するとともに、
当該一致したオブジェクトに応じて異なる画面を表示させる、請求項1から3のいずれかに記載の携帯機器。
【請求項4】
表示部と、
前記表示部に対する入力を検出する入力部と、
前記入力部による入力を制限する制限機能を設定および解除する制御部と、を備え、
前記制御部は、
前記表示部に2つ以上のオブジェクトを表示させ、
当該オブジェクトのうち2つが一致した場合に、複数のアプリケーションのいずれかを選択可能となり、
前記アプリケーションのいずれかを選択すると、制限機能を解除するとともに、当該アプリケーションを実行する、携帯機器。
【請求項5】
前記制御部は、入力部の出力に基づいて前記オブジェクトの大きさを変更し、前記オブジェクトのうち2つの大きさが一致した場合に制限機能を解除する、請求項1から4のいずれかに記載の携帯機器。
【請求項6】
前記制御部は、入力部の出力に基づいて前記オブジェクトを移動させ、前記オブジェクトのうち2つの対となる辺が一致した場合に制限機能を解除する、請求項1から5のいずれかに記載の携帯機器。
【請求項7】
前記制御部は、入力部の出力に基づいて前記オブジェクトを回転させ、前記オブジェクトのうち2つの対となる辺が一致した場合に制限機能を解除する、請求項1から6のいずれかに記載の携帯機器。
【請求項8】
表示部と、前記表示部に対する入力を検出する入力部と、前記入力部による入力を制限する制限機能を設定および解除する制御部と、を備える携帯機器の制御プログラムであって、
前記制御部に、前記表示部に2つ以上のオブジェクトを表示させ、当該オブジェクトのうち2つが一致した場合に、制限機能を解除させる、携帯機器の制御プログラム。
【請求項9】
表示部と、前記表示部に対する入力を検出する入力部と、前記入力部による入力を制限する制限機能を設定および解除する制御部と、を備える携帯機器の制御方法であって、
前記制御部に、前記表示部に2つ以上のオブジェクトを表示させ、当該オブジェクトのうち2つが一致した場合に、制限機能を解除させる、携帯機器の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2013−26940(P2013−26940A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−161508(P2011−161508)
【出願日】平成23年7月25日(2011.7.25)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】