携帯機器による遠隔決裁システム、電子掲示板装置、及びその方法
【課題】本発明は、携帯電話機を使用して遠隔地から決済書類等に捺印指示するカメラ付携帯電話機又はPDAによる遠隔決裁システムに関する。
【解決手段】本発明は、カメラ付携帯電話機1又はPDAを使用した遠隔決裁システムであり、遠隔決裁装置2側において遠隔制御ユニット6を制御し、決裁書類10上で印鑑9を移動し、決裁書類10の捺印箇所に遠隔操作により捺印する構成である。
【解決手段】本発明は、カメラ付携帯電話機1又はPDAを使用した遠隔決裁システムであり、遠隔決裁装置2側において遠隔制御ユニット6を制御し、決裁書類10上で印鑑9を移動し、決裁書類10の捺印箇所に遠隔操作により捺印する構成である。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ付携帯電話機等の携帯機器による遠隔決裁システム、電子掲示板装置、及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、経済活動の活発化に伴い、小切手や手形等の決済、各種契約書等の書類の確認を安全、確実に行うことが要求されている。通常、上記決済や、書類の確認等は、決済印や確認印を書類に捺印して行っている。この為、決済や確認を行う決裁者は、常に印鑑を所持する必要があり、不便であった。
【0003】
そこで、特許文献1には、決済印や確認印を保持しなくても、遠方より決済や確認を行うことができる遠隔決裁システムの発明が開示されている。
【特許文献1】特許第2923897号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の発明では、コンピュータを使用して遠隔決済を行うシステムであり、常にコンピュータを所持することはできない。また、ラップトップパソコンのような小型の機器であっても常時所持することは困難である。
【0005】
一方、今日携帯電話機やPDA等の携帯機器が普及し、携帯機器が行うことができる機能も向上している。また、携帯機器に備えられたキースイッチを操作して他の機器に対するロケーション制御も可能である。
【0006】
そこで、本発明はカメラ付携帯電話機やPDA等を使用して決裁書類等に捺印を行う携帯機器による遠隔決裁システム、電子掲示板装置、及びその方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は本発明によれば、決裁を必要とする書類を撮影すると共に、書類を捺印機にセットする担当者の顔画像を撮影する撮影手段と、遠隔地にいる決裁者に決裁書類情報と前記担当者の情報を送信する送信手段とを有する第1の携帯電話機と、該第1の携帯電話機から送信される情報に基づいて、前記決裁書類と前記担当者の認証を行い、前記第1の携帯電話機に遠隔制御情報を出力する第2の携帯電話機を備え、前記第1の携帯電話機に接続された遠隔制御ユニットを使用して、前記決裁者は遠隔地から書類に捺印するカメラ付携帯電話機による遠隔決裁システムを提供することによって達成できる。
【0008】
このように構成することにより、遠隔地にいる決裁者は、カメラ付携帯電話機を使用して容易に決裁書類への捺印を行うことができる。
また、前記第1、第2の携帯電話機は、例えば音声を記録、送信可能な構成である。このように構成することにより、遠隔操作による捺印を音声も利用して行うことができ、より確実に決裁書類等への捺印処理を行うことができる。
【0009】
また、上記課題は本発明によれば、決裁を必要とする書類を撮影すると共に、書類を捺印機にセットする担当者の顔画像を撮影する撮影手段と、遠隔地にいる決裁者に決裁書類情報と前記担当者の情報を送信する送信手段とを有する第1のPDAと、該第1のPDAから送信される情報に基づいて、前記決裁書類と前記担当者の認証を行い、前記第1のPDAに遠隔制御情報を出力する第2のPDAを備え、前記第1のPDAに接続された遠隔制御ユニットを使用して、前記決裁者は遠隔地から書類に捺印する携帯機器による遠隔決裁システムを提供することによって達成できる。
【0010】
このように構成することにより、遠隔地にいる決裁者は、PDA(personal digital assistants)を使用して容易に決裁書類への捺印を行うことができる。
また、前記第1、第2のPDAは、例えば音声を記録、送信可能な構成である。このように構成することにより、遠隔操作による捺印を音声も利用して行うことができ、より確実に決裁書類等への捺印処理を行うことができる。
【0011】
また、上記課題は本発明によれば、投稿閲覧端末及び携帯機器が電子掲示板装置に通信接続されることにより、上記電子掲示板装置の電子掲示板を対象に上記携帯機器及び上記投稿閲覧端末から決済依頼情報の投稿又は該決裁依頼情報に関する閲覧用情報の閲覧を行う電子掲示板システムにおいて、上記電子掲示板装置は、上記決裁依頼情報と共に本人認証情報(決裁者が知っている情報であり、例えばパスワードなどの情報)及び承認情報(携帯利用者が入力できる情報であり、決裁の内容を承認する旨を閲覧者に知らせる情報)の入力項目を上記携帯機器に配信し、該携帯機器から送信された上記本人認証情報及び上記承認情報を上記決裁依頼情報と対応付けて保持する携帯機器入力情報管理手段と、上記携帯機器から送信された上記本人認証情報を基に本人認証を行う本人認証手段と、上記本人認証が成立した場合に、対応する上記承認情報に上記決裁依頼情報及び特定の決裁者承認情報(決裁者本人によって承認が得られたものであることを投稿閲覧端末の閲覧者に証明する情報であり、この情報には例えば決裁者本人の決裁印の画像データなどを使用する)を対応付けて上記閲覧用情報を生成する閲覧用情報生成手段と、を有し、上記携帯機器は、上記電子掲示板装置から受信した上記決裁依頼情報及び上記入力項目を表示し、決裁者により上記入力項目に本人認証情報及び承認情報を入力させる表示入力手段と、上記決済依頼情報に対して入力された上記承認情報及び上記本人認証情報を上記電子掲示板装置に送信する入力情報送信手段と、を有する、携帯機器による遠隔決裁システムを提供することによって達成できる。
【0012】
このように構成することにより、遠隔地にいる決裁者は携帯機器から電子掲示板装置の電子掲示板にアクセスすることで決裁の判断を行うことが可能となる。
また、決裁者本人が知るパスワード等の情報を使用して本人認証を行い、この本人認証が成立した場合に、その携帯機器の操作者によって入力された承認情報に決裁依頼情報と上記特定の決裁者承認情報とを対応付けた閲覧用情報を生成するので、閲覧用情報を閲覧する全ての閲覧者は、上記特定の決裁者承認情報により、その決裁の承認が確かに決裁者によって判断されたものであることをチェックできる。
【0013】
なお、この特定の決裁者承認情報があることで、携帯機器による遠隔地からの電子掲示板上での捺印が実現する。
なお上記電子掲示板装置には、更に、新規に決済依頼情報の投稿を受けると上記携帯機器に通知情報を送信する決裁依頼通知手段を構成し、上記携帯機器には、上記電子掲示板装置から送信された通知情報を受信する通知情報受信手段を構成してもよい。
【0014】
このように構成することにより、遠隔地にいる決裁者は、電子掲示板に決裁依頼の投稿があると携帯機器でその通知を受けることができるので、決裁依頼の投稿があるかどうかを電子掲示板にアクセスして確認する必要がなくなり、決裁依頼の通知を受けた時のみ電子掲示板にアクセスできる。
【0015】
また、上記課題は本発明によれば、携帯機器及び投稿閲覧端末から通信ネットワークを介した決済依頼情報の投稿又は該決裁依頼情報に関する閲覧用情報の閲覧が可能な電子掲示板装置において、上記決裁依頼情報に本人認証情報及び承認情報の入力項目を付加して上記携帯機器に配信し、該携帯機器から送信された上記本人認証情報及び上記承認情報を上記決裁依頼情報と対応付けて保持する携帯機器入力情報管理手段と、上記携帯機器から送信された上記本人認証情報を基に本人認証を行う本人認証手段と、上記本人認証が成立した場合に、対応する上記承認情報に上記決裁依頼情報及び特定の決裁者承認情報を対応付けて上記閲覧用情報を生成する閲覧用情報生成手段と、を有する電子掲示板装置を提供することによって達成できる。
【0016】
このように構成することにより、遠隔地にいる決裁者は携帯機器から電子掲示板装置の電子掲示板にアクセスすることで決裁の判断を行うことが可能となる。
また、決裁者本人が知るパスワード等の情報を使用して本人認証を行い、この本人認証が成立した場合に、その携帯機器の操作者によって入力された承認情報に決裁依頼情報と上記特定の決裁者承認情報とを対応付けた閲覧用情報を生成するので、閲覧用情報を閲覧する全ての閲覧者は、上記特定の決裁者承認情報により、その決裁の承認が確かに決裁者によって判断されたものであることをチェックできる。
【0017】
なお、この特定の決裁者承認情報があることで、携帯機器による遠隔地からの電子掲示板上での捺印が実現する。
また、上記課題は本発明によれば、投稿閲覧端末及び携帯機器が電子掲示板装置に通信接続されることにより、上記電子掲示板装置の電子掲示板を対象に上記携帯機器及び上記投稿閲覧端末から決済依頼情報の投稿又は該決裁依頼情報に関する閲覧用情報の閲覧を行う電子掲示板システムにおいて、上記電子掲示板装置及び上記携帯機器と通信ネットワークを介して接続される自動捺印システムを更に有し、上記電子掲示板装置は、上記投稿閲覧端末から決裁依頼情報と共に自動捺印要求情報を受信すると、上記決裁依頼情報と上記自動捺印要求情報とを対応付けて管理する自動捺印要求情報管理手段と、上記決裁依頼情報に本人認証情報及び承認情報の入力項目を付加して上記携帯機器に配信し、該携帯機器から送信された上記本人認証情報及び上記承認情報を上記決裁依頼情報と対応付けて保持する携帯機器入力情報管理手段と、上記携帯機器から送信された上記本人認証情報を基に本人認証を行う本人認証手段と、上記本人認証が成立した場合に、対応する上記承認情報に上記決裁依頼情報及び特定の決裁者承認情報を対応付けて上記閲覧用情報を生成する閲覧用情報生成手段と、上記本人認証が成立し且つ上記自動捺印要求情報が対応付けられている場合に、上記自動捺印要求情報及び対応する上記決裁依頼情報を上記自動捺印システムに送信する自動捺印通知手段と、を有し、上記自動捺印システムは、上記携帯機器との間で相互に本人認証を行う第二認証手段と、上記電子掲示板装置から自動捺印要求が通知された決裁依頼案件の決裁書類と該決裁書類に捺印する印鑑との相互配置画像を取得し、該画像を上記携帯機器に送信する相互配置画像送信手段と、上記携帯機器から送信された捺印実行指示情報に基づき、上記決裁書類上に上記印鑑を押印する押印手段と、上記携帯機器は、上記電子掲示板装置から受信した上記決裁依頼情報及び上記入力項目を表示し、決裁者により上記入力項目に上記本人認証情報及び上記承認情報を入力させる表示入力手段と、上記決済依頼情報に対して入力された上記本人認証情報及び上記承認情報を上記電子掲示板装置に送信する入力情報送信手段と、上記自動捺印システムとの間で相互に本人認証を行う第三認証手段と、上記自動捺印システムから送信された上記相互配置画像を再生する相互配置画像再生手段と、決裁者による捺印実行指示入力を待ち受け、上記決裁者から上記捺印実行指示入力があると上記捺印実行指示情報を上記自動捺印システムに送信する捺印実行指示手段と、を有する、携帯機器による遠隔決裁システムを提供することによって達成できる。
【0018】
このように構成することにより、遠隔地にいる決裁者は携帯機器から電子掲示板にアクセスすることで決裁の判断を行うことが可能となる。
また、決裁者の本人認証が成立した場合に、携帯機器操作者によって入力された承認情報に決裁依頼情報と特定の決裁者承認情報とが対応付けされて閲覧用情報が作成されるため、閲覧用情報の閲覧者は、この特定の決裁者承認情報が付加されているかどうかを確認することで、当該決裁の承認が決裁者本人によるものかどうかをチェックできる。
【0019】
また、決裁書類に捺印の必要があるもののみ、自動捺印要求として自動捺印システムに要求するので、自動捺印システムにおける処理の負荷が小さくなり、決裁者が遠隔地から捺印を指示する負担も少なくなる。
【0020】
また、上記課題は本発明によれば、投稿閲覧端末及び携帯機器に通信ネットワークを介して電子掲示板を公開する電子掲示板装置における遠隔決裁方法であって、上記投稿閲覧端末から通信ネットワークを介して投稿された決裁依頼情報を上記電子掲示板に公開処理し、上記決裁依頼情報と共に本人認証情報及び承認情報の入力項目を通信ネットワークを介して上記携帯機器に配信処理し、上記携帯機器から通信ネットワークを介して送信された上記本人認証情報の入力情報を基に上記電子掲示板装置で本人認証処理し、上記本人認証が成立した場合に、上記携帯機器から通信ネットワークを介して送信された上記承認情報に上記決裁依頼情報及び特定の決裁者承認情報を対応付け処理し、上記対応付けした情報を上記電子掲示板に公開処理する、遠隔決裁方法により達成できる。
【0021】
このように構成することにより、遠隔地にいる決裁者は携帯機器から電子掲示板装置の電子掲示板にアクセスすることで決裁の判断を行うことが可能となる。
また、決裁者本人が知るパスワード等の情報を使用して本人認証を行い、この本人認証が成立した場合に、その携帯機器の操作者によって入力された承認情報に決裁依頼情報と上記特定の決裁者承認情報とを対応付けた閲覧用情報を生成するので、閲覧用情報を閲覧する全ての閲覧者は、上記特定の決裁者承認情報により、その決裁の承認が確かに決裁者によって判断されたものであることをチェックできる。
【0022】
なお、この特定の決裁者承認情報があることで、携帯機器による遠隔地からの電子掲示板上での捺印が実現する。
また、上記課題は本発明によれば、投稿閲覧端末及び携帯機器が電子掲示板装置に通信接続されることにより、上記電子掲示板装置の電子掲示板を対象に上記携帯機器及び上記投稿閲覧端末から決済依頼情報の投稿又は該決裁依頼情報に関する閲覧用情報の閲覧を行う電子掲示板システムを用い、通信ネットワークを介して自動捺印システムに自動捺印を実行させる、携帯機器による遠隔決裁方法であって、上記投稿閲覧端末から通信ネットワークを介して送信された上記決裁依頼情報を上記電子掲示板装置で投稿処理し、上記決裁依頼情報と共に本人認証情報及び承認情報の入力項目を、上記電子掲示板装置から通信ネットワークを介して上記携帯機器へ配信処理し、上記携帯機器において上記本人認証情報及び上記承認情報を入力処理し、上記携帯機器から通信ネットワークを介して送信された上記本人認証情報の入力情報を基に上記電子掲示板装置で本人認証処理し、上記本人認証が成立した場合に、上記承認を得た上記決裁依頼情報に決裁者による承認を確約する特定の決裁者承認情報を対応付けした閲覧用情報を上記電子掲示板装置で生成処理し、上記承認を得た上記決裁依頼情報に自動捺印要求情報が付加されている場合に、上記自動捺印要求情報及び上記決裁依頼情報を通信ネットワークを介して上記電子掲示板装置から自動捺印システムへ送信処理し、上記自動捺印システムと上記携帯機器間で通信を介して認証処理し、認証成立後に、上記自動捺印要求が通知された決裁依頼案件の決裁書類と該決裁書類に捺印する印鑑との相互配置画像を上記自動捺印システムで取得し、該画像を上記携帯機器に送信処理し、上記自動捺印システムから上記携帯機器へ送信された相互配置画像に基づき、携帯機器から自動捺印システムへ捺印実行指示の処理を行う、携帯機器による遠隔決裁方法を提供することにより達成できる。
【0023】
このように構成することにより、遠隔地にいる決裁者は携帯機器から電子掲示板にアクセスすることで決裁の判断を行うことが可能となる。
また、決裁者の本人認証が成立した場合に、携帯機器操作者によって入力された承認情報に決裁依頼情報と特定の決裁者承認情報とが対応付けされて閲覧用情報が作成されるため、閲覧用情報の閲覧者は、この特定の決裁者承認情報が付加されているかどうかを確認することで、当該決裁の承認が決裁者本人によるものかどうかをチェックできる。
【0024】
また、決裁書類に捺印の必要があるもののみ、自動捺印要求として自動捺印システムに要求するので、自動捺印システムにおける処理の負荷が小さくなり、決裁者が遠隔地から捺印を指示する負担も少なくなる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、遠隔地にいる決裁者は、カメラ付携帯電話機、又はPDAを使用して容易に決裁書類への捺印を行うことができ、更に音声を利用することにより、より確実に決裁書類への捺印処理を行うことができる。
【0026】
また、本発明では、決裁依頼を電子掲示板で受け付けるようにすることで、遠隔地にいる決裁者は、都合の良いときに電子掲示板にアクセスし、決裁依頼案件を確認できる。また、電子掲示板にアクセスできれば当事者以外でも決裁依頼案件の情報を閲覧できる。この構成の場合、特に決裁者から承認が得られた決裁依頼案件には特定の決済者承認情報が付加されているため、この決済者承認情報の表示を基準に、その決裁依頼案件が確かに決裁者により承認を得たものであるのかどうかを、電子掲示板を閲覧する任意の閲覧者が監視できる。
【0027】
また、本発明では、決裁依頼を電子掲示板で受け付けるようにした場合、決裁書類への捺印の必要性を問わず全ての決裁依頼案件を電子掲示板上で取り扱うことができるため、全ての決裁依頼案件の決裁者判断を任意の閲覧者が監視することができる。
【0028】
このように、上記特定の決裁者承認情報があることで、携帯機器による遠隔地からの電子掲示板上での捺印が実現する。
更に、決裁書類への捺印が必要な決裁依頼案件は、電子掲示板装置と連携して自動捺印システムへ転送される。捺印の担当者は決裁書類への捺印が必要な決裁依頼案件があった場合にのみ決裁者の携帯機器へ連絡し、決裁者に遠隔地からの捺印の指示を促せる。
【0029】
このように、本発明では、決裁者による遠隔地からの決裁処理を円滑にし、またその処理が煩雑とならないようにすることができる。
以上のような構成の下では、捺印のために月末出張を控えたり、或いはそのために慌てて出張を切り上げたりする必要がなくなる。例えば、外国や入院先からでも捺印が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第一実施形態)
図1は、第一実施形態であるカメラ付携帯電話による遠隔決裁システムを説明するシステム構成図である。同図において、カメラ付携帯電話機1と遠隔決裁装置2はインターネット等のネットワークで接続されている。カメラ付携帯電話機(第1の携帯電話機)1は撮像装置として、例えばCCDカメラを内蔵し、遠隔決裁装置2と通信を行うためのアンテナ3を有する。また、このカメラ付携帯電話機1は決裁者4が所有する携帯電話機であり、例えば決裁者4は決裁書類等に捺印を行う代表者(例えば社長など)や管理者である。
【0031】
また、遠隔決裁装置2はカメラ付携帯電話機5、遠隔制御ユニット6、自動捺印機7で構成され、例えば本社の担当者等の予め設定された担当者8が遠隔決裁装置2の管理を行う。
【0032】
自動捺印機7は遠隔制御ユニット6の制御により、書類に捺印を行う装置であり、遠隔制御ユニット6は自動捺印機7に対して各種制御信号を送信する。また、遠隔制御ユニット6はカメラ付携帯電話機5から出力される制御信号によって制御される。
【0033】
また、カメラ付携帯電話機1から遠隔決裁装置2に対して音声や制御信号がネットワークを介して供給され、遠隔決裁装置2からカメラ付携帯電話機1に対して音声やカメラ画像の情報が供給される。
【0034】
次に、図2を用いて本例の処理動作を説明する。
先ず、決裁者4はパスワードを遠隔決裁装置2に送信し、真の決裁者である旨の認証を行う(図2に示す「1」)。すなわち、決裁者4は遠隔地において、例えば本社に保管する決裁書類に対する決裁が必要な場合、本社に決裁者のパスワードを送信し、決裁者4である旨の認証を受ける。
【0035】
遠隔決裁装置2側では、上記パスワードを受信し、真の決裁者4であることを確認すると、担当者8が決裁書類10をセットし、動画像を送信する(同図に示す「2」)。この画像はカメラ付携帯電話機1のディスプレイに表示され、決裁者4はこの画像を確認する。次に、担当者8は決裁書類の動画像を送信する(同図に示す「3」)。この画像もカメラ付携帯電話機1のディスプレイに表示され、決裁者4はこの画像を確認する。
【0036】
次に、決裁者4はディスプレイに表示される決裁書類を見ながら捺印位置を担当者8に指示する(同図に示す「4」)。この指示情報は前述の制御信号として遠隔決裁装置(カメラ付携帯電話機2)に入力し、遠隔制御ユニット6を制御する。
【0037】
すなわち、図2に示すように、決裁書類10上の印鑑9の位置を制御する。例えば、印鑑9は制御信号の指示に従ってX−Y座標上の位置を移動し、決裁者4が指示する位置まで移動する。この操作は、決裁者4がカメラ付携帯電話機1のディスプレイを見ながら行う。具体的には、自動捺印機7から光として映し出される、印影の場所に書類の捺印箇所を合わせ、決裁書類10の捺印箇所が印影と重なったことを確認して、例えば捺印ボタンを押す(同図に示す「5」)。この場合、印鑑9を自動的に降下させ決裁書類10に捺印を行ってもよく、また印鑑9の位置が確定した時点で担当者8が捺印する構成としてもよい。
【0038】
以上のように制御することにより、遠隔地にいる決裁者4によっても、決裁書類に捺印することができる。しかも、パーソナルコンピュータ(PC)等の持ち運びに不便な装置を使用せず、携帯電話機を使用することにより容易に遠隔地からの決裁が可能となる。
【0039】
したがって、このシステムにより、捺印のために月末出張を控えたり、或いはそのために慌てて出張を切り上げたりする必要がなくなる。例えば、外国や入院先からでも捺印が可能となる。
【0040】
このように、本発明によれば、印鑑という東洋の伝統を承継することができ、経営者や管理職のライフスタイルの自由度を増すこともできる。
尚、上記説明では、カメラ付携帯電話機による遠隔決裁システムについて説明したが、カメラ付携帯電話機に代えて、電子手帳等のカメラ機能付のPDAを使用する構成としてもよい。
(第二実施形態)
以下、本発明を実施するための第二実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0041】
図3及び図4は、第二実施形態の遠隔決裁システムの全体概要図である。この内の図3は当該遠隔決裁システムの全体構成図であり、図4は当該遠隔決裁システムで行われる遠隔決裁処理の処理フローである。
【0042】
本遠隔決裁システム11は、決裁者12が遠隔地への移動の際に所持する携帯機器13、閲覧者14が電子掲示板に決裁依頼の投稿をしたり又は投稿された記事(決裁依頼情報)の経過内容を閲覧したりするための投稿閲覧端末15、及び上記電子掲示板を管理する電子掲示板装置16が通信ネットワーク17に接続された構成をとる。この電子掲示板装置16における電子掲示板の管理では、電子掲示板の投稿/更新/削除などの一般的な処理に加えて、後述の本人認証処理や決裁者承認情報の付加処理などが行われる。
【0043】
そして、このような構成の下で、通信ネットワーク17を介し、以下に示すステップで遠隔決裁処理が実行される。
先ず、閲覧者14は、決裁者12による決裁が必要な決裁依頼案件の情報を投稿閲覧端末15から電子掲示板装置16に投稿(送信)する(ステップS1)。電子掲示板装置16ではその決裁依頼情報を投稿処理し、携帯機器13へその投稿の知らせを送信する(ステップS2)。決裁者12は、投稿の知らせを受けた後、携帯機器13で電子掲示板装置16にアクセスしてその投稿記事内容(上記決裁依頼情報)を閲覧し(ステップS3)、このときに電子掲示板装置16から携帯機器13に配信された決裁者による判断を示す情報(例えば承認などを示す情報)及びこの決裁が決裁者本人による決裁であることを周知させるために必要な本人認証情報(IDやパスワードなど)の入力項目に対し、該当する情報を決裁者12が携帯機器13から入力し、その情報を電子掲示板装置16へ送信する(ステップS4)。電子掲示板装置16では、携帯機器13から送信された本人認証情報に基づいて決裁者本人であるかどうか判定し、決裁者本人であると確定した場合に、対応する承認情報に上記決裁依頼情報と特定の決裁者承認情報(例えば決裁印の画像データなど)を付加した閲覧用の記事(閲覧用情報)を作成する(ステップS5)。閲覧者14は、投稿閲覧端末15から電子掲示板装置16にアクセスして閲覧用記事を受信し、上記決裁依頼情報に決裁者承認情報が付加されているかどうかを確認する(ステップS6)。
【0044】
図5は、上記遠隔決裁システムの各装置の機能ブロック図である。
なお、同図において、図3に示した各部と対応する部分には図3と同一の番号を付している。
【0045】
同図の電子掲示板装置16には、決裁依頼情報管理手段60、本人認証用データD1、掲示板データベースD2、決裁印画像ファイルD3が構成されている。
この本人認証データD1、掲示板データベースD2、及び決裁印画像ファイルD3は、これらの順に本人認証データ、掲示板情報、決裁印画像データを記憶しており、掲示板データベースD2に記憶されている掲示板情報は決裁依頼情報管理手段60によって情報の書き換えが行われる。
【0046】
決裁依頼情報管理手段60は、電子掲示板装置16と投稿閲覧端末15または携帯機器13との間のデータ通信や、これらの装置13、15から送信された要求にしたがって掲示板データベースD2を対象に情報の登録/抽出/更新/削除などの一般的な処理を行なう。例えば、投稿閲覧端末15から投稿情報(上記決裁依頼情報)を受信すると、掲示板データベースD2にその決裁依頼情報を登録し、又は、投稿閲覧端末15や携帯機器13から上記決裁依頼情報の閲覧要求を受けると、掲示板データベースD2から上記決裁依頼情報を抽出して作成された閲覧用情報を閲覧指示のあった装置に送信する。
【0047】
更に、この決裁依頼情報管理手段60には、携帯機器入力情報管理手段60―1、本人認証手段60―2、閲覧用情報生成手段60―3、及び決裁依頼通知手段60―4が構成されている。
【0048】
携帯機器入力情報管理手段60―1は、携帯機器13から要求を受けた場合(例えば上記決裁依頼情報の閲覧要求を受けたり又はこれに加えて上記決裁者判断の入力項目配信要求を受けたりした場合など)に、携帯機器13に対して上記決裁依頼情報と共に本人認証情報及び決裁者判断情報(例えば承認情報など)の入力項目を配信し、後に携帯機器13からその入力項目に基づく本人認証情報D4及び判断情報を受信すると、上記決裁依頼情報にそれらの入力情報を対応付けて保持する。
【0049】
本人認証手段60―2は、上記本人認証情報D4を本人認証データD1の情報と照合する。
閲覧用情報生成手段60―3は、掲示板データベースD2から閲覧用情報を生成する。また、本人認証手段60―2における照合が一致した場合に、当該本人認証に対応付けられている承認情報に上記決裁依頼情報と決裁印画像ファイルD3の決裁印画像データを対応付けて掲示板データベースD2を更新し、それらの情報が対応付けされた内容に閲覧用情報を更新する。
【0050】
決裁依頼通知手段60―4は、投稿閲覧端末15から決裁依頼の投稿情報(上記決裁依頼情報)を受信すると、決裁依頼の投稿があったことを携帯機器13に通知する。
同図の携帯機器13には、決裁依頼内容表示入力/入力情報送信手段30、決裁依頼受信報知手段31が構成されている。
【0051】
決裁依頼内容表示入力/入力情報送信手段30は、電子掲示板装置16から送信された決裁依頼の内容や所定の入力項目を含む入力画面を表示し、該入力画面に従って決裁者による情報入力を受付け、それらの入力情報を電子掲示板装置16に送信する。
【0052】
決裁依頼受信報知手段31は、決裁依頼通知手段60―4から決裁依頼に関する通知を受信し、例えば音楽再生や発光などの報知手段を利用して決裁者に報知する。
閲覧投稿端末15には、決裁依頼情報投稿/閲覧手段50が構成されている。
【0053】
決裁依頼情報投稿/閲覧手段50は、電子掲示板装置16に決裁依頼の投稿情報を送信したり、投稿された決裁依頼情報(ここには当該決裁依頼情報に関する現在の決裁経過の情報が含まれる)を電子掲示板装置16から受信したりする。
(実施例)
本例の遠隔決裁システムは、通信ネットワークを介して相互にデータ通信が可能な電子掲示板装置、携帯電話機、及び投稿閲覧端末によって構成されている。
【0054】
上記電子掲示板装置は、Webサーバソフトを備え、CGIプログラムを介するなどしてDBMS(後述のデータベースを管理するソフトウエア)と連携する一つまたは複数のコンピュータで構成される電子掲示板サーバ及び電子掲示板データベースであり、Web上に電子掲示板を公開する。本例では便宜上、投稿閲覧端末用と携帯電話機用とに公開情報を分けて管理し、投稿閲覧端末と携帯電話機は、それぞれに対応する公開情報のアドレス(HTTPリンク先)にアクセスするものとする。
【0055】
本例の携帯電話機は、Web公開されている電子掲示板を表示させるブラウジング機能を有し且つパスワード等を入力するための入力インターフェースを有する一般的な携帯電話機であり、なおこれは、受信した電子掲示板の情報を表示できる機能を有し且つパスワード等を入力できる入力インタフェースを有するものであれば他の携帯機器(例えばPDA(Personal Digital Assistance)など)に替えることもできる。
【0056】
なお本例では、後述する決裁依頼の通知を電子メールで行うこととする。よって、上記電子掲示板サーバはメールサーバソフトを更に備え、及び本例の携帯電話機は電子メール送受信機能を更に備えることとする。この構成により、上記電子掲示板サーバはSMTPプロトコルを用いて携帯電話会社の携帯電話メールサーバへ電子メールを送信し、上記携帯電話機は上記携帯電話メールサーバから電子メールの新規到着の知らせや電子メール本文を取得することができる。
【0057】
本例の投稿閲覧端末はWebブラウザを備えた通常のパーソナルコンピュータである。
上記通信ネットワークは、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)などがあるが、本例ではインターネットを想定する。このため、本例では、上記投稿閲覧端末は電話網などの公衆網、及び上記インターネットとの接続サービスを行っているISP(Internet Service Provider )などを介して上記インターネットに接続し、また、上記携帯電話機は携帯電話網を介して上記インターネットに接続し、それぞれ、上記電子掲示板装置とデータ通信を行う。
【0058】
図6は、上記電子掲示板装置のハードウエア構成図である。
本例の電子掲示板装置は、CPU(中央処理装置)400、メモリ401、ハードディスク402、可搬型記憶部403、データ通信部404、及び入出力部405が構成され、これらはデータバス406に接続されている。
【0059】
CPU400は、後述のメモリ401からロードしたプログラム及びデータに基づいて演算処理を実行する。このプログラムやデータには、後述の電子掲示板処理フローに必要な各種プログラムやデータが含まれる。
【0060】
メモリ401は、常駐の又は後述のハードディスクからロードされた各種プログラムやデータを記憶する。また、CPU400での演算結果を一時記憶するワーク領域としても使用される。この場合、例えば決裁依頼情報と上記携帯電話機から送信された対応の決裁者判断情報や本人認証情報を互いに対応付けて一時的に保持することができる。このメモリ401はROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などで実施できる。
【0061】
ハードディスク402は、大容量の記憶領域を備え、各種プログラムや、データ、特に後述の電子掲示板データベースの情報や決裁印画像ファイルや本人認証データなどを記憶する。
【0062】
可搬型記憶部403は、FD(登録商標)、CD、又はDVDなどの可搬型記憶媒体及びその情報を読み書きするドライバである。ここに可搬型記憶媒体を接続することにより、例えば、遠隔決裁処理に必要なプログラムやデータをハードディスクやメモリに転送できる。
【0063】
データ通信部404は、上記通信ネットワークを介して上記携帯電話機や上記投稿閲覧端末との間でデータパケットを送受信する。
入出力部405は、例えばマウスやキーボードなどから入力された指示信号をCPU400に送信する入力部と、CPU400から送信された出力信号を該当する形式に変換して例えば液晶モニタやCRTモニタやプリンタなどに出力する出力部によって構成される。電子掲示板装置の担当者は、この入出力部405を使用して当該装置を管理する。
【0064】
図7は、ハードディスクに記憶されている電子掲示板のテーブル構成図である。
本例の電子掲示板はスレッドフロート型で設計しており、複数のスレッドの一つとして社長決裁用のスレッドを構成するようにしている。そしてここでは、同図の「No1」−「No3」に示されるように「スタッフ情報」、「スレッドデータ」、及び「投稿記事データ」の3種類のテーブル構成にしている(同図(a))。上記「スタッフ情報」は例えば決裁依頼情報を投稿した会社スタッフの詳細情報を管理するテーブルで、上記「スレッドデータ」は社長決裁に関するスレッドを含む全てのスレッドを管理するテーブルで、上記「投稿記事データ」は決裁依頼情報などの投稿記事に関する詳細情報を管理するテーブルである。なお本例では、これらのテーブル名を、それぞれ「staff」、「thread」、及び「Bbs_data」とし、同図(b)に実線矢印で示したように「主キー」や「外部キー」を割り当てて各テーブルを関係付けている。
【0065】
図8から図10は、上記各テーブルの具体例を表形式で表した図である。
以下では特に説明しないが、これらの図の各テーブルでは、図の横方向にデータの内容を示す項目として、「フィールド名」、「キー」、「内容」、「型」、「default値」、「NULL許容」、及び「備考」が割り当てられている。
【0066】
図8は、上記「スタッフ情報」テーブルの一例である。
同図の縦方向には、スタッフの詳細情報を示す欄が項目分けされている。
図7(b)と対応するように、このテーブル例では、ユーザIDを示す「フィールド名:[uid]」に「主キー」が割り当てられている。なお、各項目についての説明は必要に応じて後述することとする。
【0067】
図9は、「スレッドデータ」テーブルの一例である。
同図の縦方向には、各スレッドをスレッド単位で管理するために必要な情報が項目分けされている。
【0068】
図7(b)と対応するように、このテーブル例では、スレッドIDを示す「フィールド名:「id」」に「主キー」が割り当てられ、スタッフIDを示す「フィールド名:「staff_id」」に「外部キー」が割り当てられている。なお、各項目についての説明は必要に応じて後述することとする。
【0069】
図10は、「投稿記事データ」テーブルの一例である。
同図の縦方向には、投稿情報(本例では特に決裁依頼情報)の詳細情報が項目分けされている。
【0070】
これらの項目を横軸の「内容」を用いて羅列すると、同図の上から「登録日」、「更新日」、「掲示板削除日」、「記事ID」、「スレッド内記事番号」、「スレッドID」、「投稿者スタッフID」、「投稿者スタッフ名」、「投稿者メールアドレス」、「本文」、「社長フラグ」、「重要伝達リスト追加フラグ」、「パスワード」、「IPアドレス」、及び「自動捺印装置使用フラグ」がある。
【0071】
図7(b)と対応するように、このテーブル例では、「フィールド名:「id」」である「記事ID」には「主キー」が割り当てられ、「フィールド名:「thread_id」」である「スレッドID」及び「フィールド名:「staff_id」」である「投稿者スタッフID」には「外部キー」が割り当てられている。
【0072】
また特に、「社長フラグ」の意味は、決裁依頼情報の投稿と共に社長の携帯電話機へ当該決裁依頼の通知(本例では電子メールによる通知)を行うかどうかを指定するための項目であり、「自動捺印装置使用フラグ」の意味は、当該決裁に不図示の自動捺印装置を使用するか否かを指定するための項目である。なお、本例では、自動捺印装置を接続した構成をとらないため、この詳しい説明は自動捺印装置を接続した後述の実施形態3で詳しく説明することとする。
【0073】
図11は、本遠隔決裁システムにおけるデータ処理フローである。
同図に示される実線矢印は、データの向かう方向を示している。
以下、当該データ処理フローを、各処理を理解しやすいように表示画面例を適宜加えながら説明する。なお特に説明しないが、本電子掲示板サーバと、投稿閲覧端末または携帯電話機間では、例えばHTML(HyperText Markup Language)や簡易HTMLなどのマークアップ言語で記述された情報やこの情報で指定された画像が送受信される。
【0074】
本例は、スタッフによる決裁依頼から社長による決裁を終えるまでの一連の処理フローである。
スタッフは、投稿閲覧端末から通信ネットワークを介して電子掲示板サーバにアクセスする。このアクセスにより、電子掲示板サーバ上にある投稿閲覧端末用の公開電子掲示板情報の先頭画面の情報が取得され、その先頭画面の情報がWebブラウザ機能により端末の画面に表示される。投稿閲覧端末では、先頭画面に張られたリンクを入力指定することでリンク先の画面情報が電子掲示板サーバから取得され、画面がその画面情報で更新される(電子掲示板閲覧処理:ステップS100)。なお、電子掲示板サーバ上の画面情報は、所定のフォームで形成されたタグやテキストの組み合わせで構成されており、投稿閲覧端末で要求されている表示画面内のテキストは、頻繁に、電子掲示板データベース内の対応項目の最新情報に更新されている。
【0075】
図12は、Webブラウザで表示させる電子掲示板先頭画面の画面構成例である。本例では、タイトル欄1000の下に4つのフレーム枠1002、1004、1006、及び1008が表示される仕組みとなっている。第一のフレーム枠1002はスレッドメニューの一覧を表示させるための領域であり、第二のフレーム枠1004は最新アクセススレッドメニューを表示させるための領域であり、第三のフレーム枠1006は現在選択されているスレッドの投稿内容を表示させるための領域であり、第四のフレーム枠1008は一つ前に選択されたスレッドの投稿内容を表示させるための領域である。第一のフレーム枠1002には「スレッドデータ」テーブル(図9)の[title]から取得された該当情報が表示される。また、第三のフレーム枠1006及び第四のフレーム枠1008は、選択されたスレッドのタイトルの下に左から、数字、名前、及び日時が表示され、その下に詳しい内容が表示された体裁をとっている。ここには、「投稿記事データ」テーブル(図10)から取得された当該選択スレッドの各種情報が表示される。具体的に述べると、数字は、「スレッドデータ」テーブル(図10)のうちの選択された「id」をキーに「投稿記事データ」テーブルの「thread_id」を検索し、これに該当する記事番号[bbs_num]が表示される。名前は、この記事番号に該当する記事の投稿者スタッフ名[name]が表示される。このとき、投稿者のより詳しい情報(所属部署等)を表示させる場合は、上記投稿者スタッフ名[name]に該当する投稿者スタッフID[staff_id]を使用して「スタッフ情報」テーブル(図8)を検索することもできる。日時は、この記事番号に該当する記事の投稿又は更新の日時[adate ]或いは[udate]が表示される。詳しい内容は、この記事番号に該当する記事の本文[body]が表示される。
【0076】
投稿閲覧端末では、ステップS100の電子掲示板閲覧処理に続き、電子掲示板サーバに対して決裁依頼情報を投稿する(電子掲示板投稿処理:ステップS102)。この処理では先ず、図12の画面の第一のフレーム枠1002中の社長決裁のスレッドを入力指定することで、電子掲示板サーバから社長決裁スレッドの投稿情報を取得し、第三のフレーム枠1006にその投稿情報を画面表示する。そして、図12には不図示の投稿ボタンを押下するなどして決裁依頼用の投稿ウインドウ情報を上記電子掲示板サーバから取得して投稿ウインドウを表示させ、この投稿ウインドウから決裁依頼情報を入力する。この決裁依頼情報は電子掲示板サーバへ送信され、電子掲示板サーバにおいて後述の登録処理が行われる。
【0077】
図13は、上記決裁依頼用の投稿ウインドウを投稿閲覧端末で表示させるための投稿ウインドウ画面情報の構成例である。同図の投稿ウインドウ画面情報1100には、決裁依頼のための投稿項目として、「お名前」1102、「E-MAIL」1104、「携帯メール」1106、「捺印」1108、及び「投稿本文」1110が設けられている。ここに入力された情報は書き込みボタン1112を押下することにより予め決められたフォーマットで本電子掲示板サーバへ送信される。そして本サーバで各情報の構成が解析され、本電子掲示板サーバにおける後述の登録処理に基づいて社長決裁スレッドに新たな記事番号が付与され、上記の各データは、「スタッフ情報」テーブル(図8)の「名前」、「メールアドレス」、「投稿記事データ」テーブル(図10)の「社長フラグ」、「自動捺印装置使用フラグ」、「本文」にそれぞれ反映される。特に、「携帯メール」及び「捺印」の項目は本例ではチェックボックスで構成しているため、この項目がチェックされた場合、後述の登録処理によりデータベース内の対応箇所にフラグが立てられることとなる。
【0078】
なお本例では、投稿項目として「お名前」1102、「E-MAIL」1104、「携帯メール」1106、「捺印」1108、及び「投稿本文」1110を設けたが、これはより好ましい形態を考慮した上での構成であり、少なくとも投稿者を識別するための情報と投稿本文があればよい。また、本例では、自動捺印装置を接続した構成をとらないため、この詳しい説明は自動捺印装置を接続した後述の実施形態3にまわすことにする。
【0079】
上記電子掲示板サーバでは、ステップS102の投稿閲覧端末における電子掲示板投稿処理を受けて、上記投稿閲覧端末から受信した決裁依頼情報を上記電子掲示板データベースに登録処理する(登録処理:ステップS104)。この処理では、上記投稿閲覧端末の送信データから新規決裁依頼情報を取り出し、この新規決裁依頼情報に含まれる各種情報を基に上記電子掲示板データベースの各テーブルを更新する。特に「投稿記事データ」テーブルでは、社長決裁スレッドの「記事ID」の最大値を1増加させ、新規の投稿記事の各種情報を当該テーブルの各対応項目に追加する。またこの時、当該新規決裁依頼情報内の社長フラグがONになっている場合は、社長の携帯電話機の電子メールアドレスを上記電子掲示板データベースから取得して通知用データを作成し、そのアドレス宛に通知用データをパケット送信する。そして、当該新規決裁依頼情報に後述の「社長に対する判断要求の情報」を含めた携帯電話機用決裁画面情報(例えば簡易HTMLで記述された画面情報)を当該サーバ内の携帯電話機公開用フォルダに生成する。本例では上述した通知用データを電子メールとしたため、この電子メールに、上記携帯電話機用決裁画面情報が保存されている当該サーバ内の場所を示すアドレス情報(HTTPリンク情報)を含ませる。これにより、携帯電話機から携帯電話機用決裁画面情報の取得を可能とする。
【0080】
その後、電子掲示板サーバでは、電子掲示板データベースから更新情報を取得し、その情報に基づいて公開用の電子掲示板情報を更新する(電子掲示板更新処理:ステップS106)。
【0081】
図14は、上記登録閲覧装置で閲覧可能な、電子掲示板更新処理後の電子掲示板の画面構成図である。
同図の構成例では、第一のフレーム枠1002内の「社長決裁」が入力指定されることにより上記電子掲示板サーバから取得される社長決裁スレッドの投稿情報が、第三のフレーム枠1006に投稿日の古いものから順に同図の上から下へ表示されるように構成されている。本例では、社長決裁スレッドの一投稿情報につき、左から、記事番号、投稿者の名前、及び投稿日時が表示され、その下に詳しい投稿内容が表示される。更に、「投稿記事データ」テーブル(図10)に「社長フラグ」が設けられているため、ここにフラグが立っている投稿記事にはその旨(本例では「社長の携帯メールへ送信しました」という文)1200が表示される。また、「捺印」が必要か否か分かりやすくするために投稿日時の右隣に「要捺印」という文字も表示させるように構成されている。また「投稿記事データ」テーブル(図10)に「自動捺印装置使用フラグ」が設けられているため、ここにフラグが立っている投稿記事にはその旨(本例では「遠隔捺印処理へ手配しました」という文)1202が表示される。なお、本例では、自動捺印装置を接続した構成をとらないため、この詳しい説明は自動捺印装置を接続した後述の実施形態3で詳しく説明することとする。
【0082】
携帯電話機では、ステップS104の登録処理において行われた携帯電話機への通知処理に基づいて、通知データを受信する。この通知データは、電子掲示板サーバから送信された通知用の電子メールが携帯電話メールサーバに到着することにより携帯電話メールサーバから携帯電話機に届く新着通知パケットにより実施される。そして、携帯電話機における上記新着通知パケットの受信をトリガーとして、予め設定された音楽等の報知手段が駆動されることにより、社長は決裁依頼の投稿がスタッフから電子掲示板にあったことを携帯電話機で知る。その後、社長は、携帯電話メールサーバから携帯電話機にその通知用の電子メールをダウンロードし、決裁処理を実行する(決裁処理:ステップS108)。
【0083】
図15は、携帯電話機に表示させる画面の構成図である。
同図(a)は、電子掲示板サーバで作成された通知用電子メールの画面構成(または携帯電話メールサーバから受信した電子メールの画面構成)の一例である。同図に示されるように本例の通知用電子メール画面1300では、電子メールの送信元のメールアドレス[from]1301及び送信者の名前[name]1302に加え、メールの主題[sub]1303及び内容[text]1304からなる決裁依頼情報を含め、更に上記電子掲示板サーバ内の携帯電話機用決裁画面情報格納先へのHTTPリンク1305が挿入された構成をとる。この構成の場合、携帯電話機では、携帯画面に表示された上記リンクを入力指定するだけで電子掲示板サーバ内の携帯電話機用決裁画面情報の保存先へアクセスし、そのWeb情報を携帯電話機でダウンロードでき、携帯電話機のWebブラウザでその決裁画面を表示させることができる。
【0084】
同図(b)は、携帯電話機に提供する上記決裁画面の構成例である。当該決裁画面1310は、画面上部に、社長が当該決裁案件を承認するか却下するかの判断を下すための判断要求部(本例ではリストボックスによる選択指定が可能)を構成し、画面下部に記事番号「2」、投稿者の名前「ネットリサーチ」、及び投稿内容「・・・レーザプリンタ 決裁をお願いします」などの決裁依頼情報部を構成している。そして右下には送信ボタンを構成している。この画面情報が携帯電話機で表示され、社長により画面上部のリストボックスの中から「承認」、「保留」、又は「却下」の何れかを選択指定され、更に送信ボタンが押下されると、当該決裁依頼案件に対する決裁確定情報(承認、保留、又は却下の情報)が上記電子掲示板サーバへ返信され、続いて、携帯電話機に本人認証画面情報が送信される。
【0085】
同図(c)がその本人認証画面情報の構成例である。本例では、アカウント名とパスワードの入力欄が構成され、その下に送信ボタンが構成されている。社長は自分で記憶しているアカウントとパスワード(本人認証情報)を上記各欄に携帯電話機の入力キーなどの入力インタフェースを使用して入力し、最後に送信ボタンを押下する。この操作では、先に送信された上記決裁確定情報との対応付けが上記電子掲示板サーバでできるように当該本人認証情報が電子掲示板サーバへ送信される。本例では、この本人認証情報の処理を社長による判断処理の後に行っているが、決裁依頼案件の社長による決裁確定情報と本人認証情報との対応関係が電子掲示板サーバで管理できれば、必ずしもこの順に従う必要はない。
【0086】
続いて、上記電子掲示板サーバでは上記本人認証情報を基に社長認証処理を行う(社長認証処理:ステップS110)。この処理では、当該電子掲示板装置または外部の認証システムなどに記憶されている認証データと照合し、携帯電話機から送信された上記決裁確定情報が社長本人による決裁であるかどうかを判定する。この照合により上記決裁確定情報が社長本人によるものであると判定されると、送信された上記決裁確定情報のうちの「承認」に該当するものに対して続く処理が行われる。
【0087】
ステップS112は、決裁印画像データの挿入処理である。この処理では、当該決裁依頼のあった投稿情報の「スレッド内記事番号」をリンク先とするアンカー・タグと、更に、決裁印画像データが記憶されている位置(同図の決裁印画像ファイルD3のアドレス)を記述したイメージ・タグと、社長から送信された決裁確定情報とから「本文」を作成する。
【0088】
続いて、上記電子掲示板サーバでは、「投稿者スタッフID」を社長IDとし、「スレッドID」を社長決裁IDとして、上記「本文」からなる社長の投稿記事を電子掲示板データベースに新規に登録処理する(登録処理:ステップS114)。この処理では、ステップS104と同様な方法で処理が行われる。つまり、この処理では、当該新規投稿情報の各情報を上記電子掲示板データベースの「投稿記事データ」テーブルの「記事ID」の最大値を1増加させた番号の投稿記事として当該テーブルの対応項目に追加する。そして、当該新規投稿情報の携帯電話機用確認画面情報(例えば簡易HTMLで記述された画面情報)を生成し、元の携帯電話機用決裁画面のファイル名にして上記携帯電話機公開用フォルダを更新する。
【0089】
その後、電子掲示板サーバでは、電子掲示板データベースから更新情報を取得し、その情報に基づいて公開用の電子掲示板情報を更新する(電子掲示板更新処理:ステップS116)。
【0090】
そして、スタッフが投稿閲覧端末から通信ネットワークを介して電子掲示板サーバに再びアクセスすると(または継続してアクセスしていると)、社長決裁が行われた決裁依頼案件の投稿記事が新規に追加され、その記事内容には、電子掲示板データベースの「投稿記事データ」テーブルの「本文」にイメージ・タグで指定される決裁印画像データとアンカー・タグで指定される当該決裁依頼案件の記事番号が表示される(電子掲示板閲覧:ステップS117)。
【0091】
また、携帯電話機側では、承認が付加された表示になる(電子掲示板閲覧:ステップS118)。
図16は、投稿閲覧端末に表示させる社長の投稿記事画面の構成例である。
【0092】
同図には、第三のフレーム枠1006に社長の投稿記事が表示された場合が示されている。本例では、社長の投稿記事に対して新たなスレッド内記事番号である「3」が付与され、この投稿を行った基の記事であるスレッド内記事番号「2」の決裁依頼記事へのリンク(同図の1400)が付加されている。そして、更に、この社長の投稿記事には、社長本人による承認を表す社長の決裁印の画像データが表示されている(同図の1402)。なお、これらの表示位置は一例であり、設計により、様々な位置に配置させることができる。
【0093】
図17は携帯電話機に表示させる決裁確認画面の構成例である。
本例では携帯電話機公開用フォルダ内の元の携帯電話機用決裁画面を決裁確認画面で更新したため、社長は携帯電話機の受信メールに記録されている携帯電話機用決裁画面用のリンク先を指定することで決裁確認画面を閲覧できる。
【0094】
この画面は、社長本人による決裁の内容を表示させるように構成され、本例では、決裁依頼の内容の下に社長による決裁の内容である「承認」が表示される。
以上のように構成することにより、遠隔地にいる決裁者は、パーソナルコンピュータ(PC)等の持ち運びに不便な装置を使用せず、携帯電話機やPDAなどの携帯機器を使用して容易に決裁書類への捺印を行うことができ、更に音声を利用することにより、より確実に決裁を行うことができる。
【0095】
また、決裁依頼を電子掲示板で受け付けるようにするので、遠隔地にいる決裁者は、都合の良いときに電子掲示板にアクセスし、決裁依頼案件を確認できる。また、電子掲示板にアクセスできれば当事者以外でも決裁依頼案件の情報を閲覧できる。この構成の場合、決裁者から承認が得られた決裁依頼案件に決済者の承認印画像データが付与されるため、この承認印画像データの表示を基準に、その決裁依頼案件が確かに決裁者により承認を得たものであるのかどうかを、電子掲示板を閲覧する任意の閲覧者が監視できる。
【0096】
また、決裁書類への捺印の必要性を問わず全ての決裁依頼案件を電子掲示板上で取り扱うことができるため、全ての決裁依頼案件の決裁者判断を任意の閲覧者が監視することができる。
【0097】
このように、上記特定の決裁者承認情報があることで、携帯機器による遠隔地からの電子掲示板上での捺印が実現する。
そして、決裁者による遠隔地からの決裁処理を円滑にし、またその処理が煩雑とならないようにすることができる。
【0098】
したがって、このシステムにより、捺印のために月末出張を控えたり、或いはそのために慌てて出張を切り上げたりする必要がなくなる。例えば、外国や入院先からでも捺印が可能となる。
【0099】
このように、本発明によれば、印鑑という東洋の伝統を承継することができ、経営者や管理職のライフスタイルの自由度を増すこともできる。
(第三実施形態)
第三実施形態では、電子掲示板装置の仲介により決裁書類の原本に自動捺印する遠隔決裁システムを説明する。
【0100】
図18及び図19は、第三実施形態の遠隔決裁システムの全体概要図である。この内の図18は当該遠隔決裁システムの全体構成図であり、図19は当該遠隔決裁システムで行われる遠隔決裁処理の処理フローである。
【0101】
図18の遠隔決裁システム380では、第二実施形態の遠隔決裁システム11に対して、携帯機器13の機能に画像(静止画又は動画)の再生機能及び捺印実行指示機能を更に備えた携帯機器381が携帯機器13に替えて構成され、また、自動捺印システム382が通信ネットワーク17上に更に構成される。
【0102】
同図の携帯機器381は、例えば携帯電話機やPDAで構成することができるが、説明を理解し易いように以下ではこの内の携帯電話機を上記携帯機器381の例に取り上げる。
この携帯電話機381では、上記各機能を例えばCPUで実行可能なプログラムの形態で内臓メモリに格納させておくことで実施できる。上記再生機能は、アンテナから受信した自動捺印システム発信の画像データを順次再生し、表示画面に表示する。上記捺印実行指示機能は、例えば上記画像データの再生中に携帯電話機381の入力キーから所定の入力(捺印実行指示情報の入力)が決裁者12により行われるのを待ち受け、所定の入力があると、その捺印実行指示情報を格納したパケットを自動捺印システム382に送信する。
【0103】
自動捺印システム382には、決裁書類及び所定の印鑑がセットされ、決裁書類上に印鑑が機械的に押印される公知の自動捺印機が構成され、更に、自動捺印機にセットされた決裁書類と印鑑との相互配置を撮像し、この撮像画像を上記携帯電話機381に送信する撮像/撮像画像送信手段が構成される。
【0104】
同図の自動捺印システム382の例では、上記撮像/撮像画像送信手段が、通信ネットワークと接続された決裁サーバ383及び該決裁サーバに電気接続されたカメラ付携帯機器(理解を容易にするため以下ではこれもカメラ付きの携帯電話機とする)384で構成され、公知の自動捺印機385はこれらと通信可能なように構成されている。
【0105】
決裁サーバ383は、1つ又は複数のコンピュータで構成され、電子掲示板装置16から通信ネットワーク17を介して送信された自動捺印要求のある決裁依頼情報を、例えばデータベースで管理する。また、電気接続されたカメラ付携帯電話機384を駆動制御し、そのCCDで撮像した画像を受信して決裁者12が所有する携帯電話機381にパケット送信し、または当該携帯電話機381から送信された上記捺印実行指示情報を格納したパケットを受信すると自動捺印機385に捺印実行信号を送信する。
【0106】
本自動捺印システム382に構成された上記カメラ付携帯電話機384は、決裁サーバ383から駆動できる上記CCDなどの撮像部や、決裁サーバ383とデータ通信を行うサーバ通信部や、携帯電話機用の回線を利用して決裁者の携帯電話機381と捺印担当者が音声データや画像データをやり取りする携帯電話回線通信部や、キー入力部や、表示部を有する。
【0107】
自動捺印機385は、決裁書類を載置する載置台を備え、この載置台にセットされた決裁書類の上方を印鑑がXY平面移動及びz軸昇降移動する制御機構を備える。この自動捺印機385では、例えば捺印担当者により決裁サーバ383から制御信号が送信されるなどして、セットされた印鑑(承認印など)がXY平面移動され、その決裁書類上の押印位置に印鑑が移される。
【0108】
投稿閲覧端末15及び電子掲示板装置16は第二実施形態において示された構成を前提とし、この内の特に電子掲示板装置16については、本人認証が成立し且つその決裁依頼情報に自動捺印要求情報を対応付けて登録されている場合に、該自動捺印要求情報及び対応する上記決裁依頼情報を上記決裁サーバ383に送信する自動捺印通知手段を更に備える。
【0109】
なお、カメラ付携帯電話機381、384は、互いに本人認証を行うことが可能な認証機能を当然に有している。これは、例えば、一方のカメラ付携帯電話機から他方のカメラ付携帯電話機へ音声通話を行うことで音声による本人認証を行ったり、又は、各自の顔をそれぞれの撮像部から撮像して他方のカメラ付携帯電話機へ送信することによる本人認証を行ったり、又は、パスワード入力した情報を他方のカメラ付携帯電話機へ送信することにより本人認証を行ったりすることで容易に実施できる。
【0110】
図19に示される処理フローでは、ステップS1からステップS6までが実施形態2で詳しく説明した処理と同様であるためここでの詳しい説明は省略するものとし、同図のその他のステップについて詳しく説明する。
【0111】
ステップS7では、自動捺印要求のあった決裁依頼情報を電子掲示板装置から決裁サーバへ送信し、決裁サーバに登録する。これは、実施形態2で述べた「投稿記事データ」テーブル(図10)の自動捺印装置使用フラグがON(本例では「1」がONであり、「0」がOFFである)になっているものを電子掲示板装置で検出し、例えば当該項目に対応する決裁依頼情報の全てまたはその一部を含めたパケットを決裁サーバへ送信するようにして実施する。決裁サーバ側は、その送信情報を予め設けられた対応テーブルに登録することができる。
【0112】
決裁サーバで登録処理を終えると、続いて、決裁書類の確認処理が実行される(ステップS8)。ここでは、例えば、捺印担当者386が決裁サーバにおける自動捺印要求の登録状況を画面で確認し、登録のあった決裁書類及びこれに対応する印鑑を捺印担当者が自動捺印機にセットする。
【0113】
続いて自動捺印システムから決裁者の携帯電話機381へ決裁申請が行われる(ステップS9)。ここでは、例えば、捺印担当者が自動捺印システム382のカメラ付携帯電話機384からこの携帯電話網を介して決裁者の携帯電話機381に通信接続する。この通信接続により、捺印担当者は決裁者に音声で決裁申請を連絡する。
【0114】
ここで、音声による相互認証が行なわれ、又は更に互いの顔画像やパスワードを送信することで相互認証が行われ、この認証が成立した場合、決裁サーバの制御に基づいて、該決裁サーバを介す通信路で携帯電話機381とカメラ付携帯電話機384がデータ送受信を行う(ステップS10)。ここでは、相互認証の成立後、例えば、捺印担当者が決裁書類上方の所定位置に印鑑を水平移動する。そして、決裁サーバからカメラ付携帯電話機384の撮像部を駆動させてそれらの相互配置を示す画像を所定期間おきに読み取り、この相互配置画像を携帯電話機381へ順次パケット送信する。決裁者の携帯電話機381では、画像再生プログラムが実行され、上記パケット送信された相互配置画像が順次画面に表示される。
【0115】
続くステップでは、決裁者の携帯電話機381で画像再生中に、自動捺印機の昇降動作を指示するための捺印実行指示情報が携帯電話機381の入力部から入力されることにより、その捺印実行指示情報が決裁サーバへパケット送信される(ステップS11)。
【0116】
そして、決裁サーバでは、この捺印実行指示情報を受信すると自動捺印機の昇降動作を駆動する制御信号を自動捺印機に送信し、自動捺印機で当該決裁書類に印鑑の押印を実行する(ステップS12)。
【0117】
以上のように構成することにより、遠隔地にいる決裁者は、パーソナルコンピュータ(PC)等の持ち運びに不便な装置を使用せず、携帯電話機やPDAなどの携帯機器を使用して容易に決裁、更には決済書類への捺印を行うことができ、更に音声を利用することにより、より確実に決裁書類への捺印を行うことができる。
【0118】
また、決裁依頼を電子掲示板で受け付けるようにするので、遠隔地にいる決裁者は、都合の良いときに電子掲示板にアクセスし、決裁依頼案件を確認できる。また、電子掲示板にアクセスできれば当事者以外でも決裁依頼案件の情報を閲覧できる。この構成の場合、決裁者から承認が得られた決裁依頼案件に決済者の承認印画像データが付与されるため、この承認印画像データの表示を基準に、その決裁依頼案件が確かに決裁者により承認を得たものであるのかどうかを、電子掲示板を閲覧する任意の閲覧者が監視できる。
【0119】
また、決裁書類への捺印の必要性を問わず全ての決裁依頼案件を電子掲示板上で取り扱うことができるため、全ての決裁依頼案件の決裁者判断を任意の閲覧者が監視することができる。
【0120】
また、決裁書類への捺印が必要な決裁依頼案件は、電子掲示板装置と連携して自動捺印システムへ転送される。このため、捺印の担当者は決裁書類への捺印が必要な決裁依頼案件があった場合にのみ決裁者の携帯機器へ連絡し、決裁者に遠隔地からの捺印の指示を促せる。
【0121】
このように、上記特定の決裁者承認情報があることで、携帯機器による遠隔地からの電子掲示板上での捺印が実現する。
そして、決裁者による遠隔地からの決裁処理を円滑にし、またその処理が煩雑とならないようにすることができる。
【0122】
したがって、このシステムにより、捺印のために月末出張を控えたり、或いはそのために慌てて出張を切り上げたりする必要がなくなる。例えば、外国や入院先からでも捺印が可能となる。
【0123】
このように、本発明によれば、印鑑という東洋の伝統を承継することができ、経営者や管理職のライフスタイルの自由度を増すこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】第一実施形態のシステム構成図である。
【図2】捺印処理を説明する図である。
【図3】第二実施形態の遠隔決裁システムの全体構成図である。
【図4】第二実施形態における遠隔決裁処理の処理フローである。
【図5】遠隔決裁システムの各装置の機能ブロック図である。
【図6】電子掲示板装置のハードウエア構成図である。
【図7】ハードディスクに記憶されている電子掲示板のテーブル構成図である。
【図8】「スタッフ情報」テーブルの一例である。
【図9】「スレッドデータ」テーブルの一例である。
【図10】「投稿記事データ」テーブルの一例である。
【図11】本遠隔決裁システムにおけるデータ処理フローである。
【図12】Webブラウザで表示させる電子掲示板先頭画面の画面構成例である。
【図13】投稿ウインドウ画面情報の構成例である。
【図14】電子掲示板更新処理後の電子掲示板の画面構成図である。
【図15】携帯電話機に表示させる画面の構成図である。
【図16】投稿閲覧端末に表示させる社長の投稿記事画面の構成例である。
【図17】携帯電話機に表示させる決裁確認画面の構成例である。
【図18】第三実施形態の遠隔決裁システムの全体構成図である。
【図19】第三実施形態における遠隔決裁処理の処理フローである。
【符号の説明】
【0125】
1・・・カメラ付携帯電話機
2・・・遠隔決裁装置
3・・・アンテナ
4・・・決裁者
5・・・カメラ付携帯電話機
6・・・遠隔制御ユニット
7・・・自動捺印機
8・・・担当者
9・・・印鑑
10・・・決裁書類
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ付携帯電話機等の携帯機器による遠隔決裁システム、電子掲示板装置、及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、経済活動の活発化に伴い、小切手や手形等の決済、各種契約書等の書類の確認を安全、確実に行うことが要求されている。通常、上記決済や、書類の確認等は、決済印や確認印を書類に捺印して行っている。この為、決済や確認を行う決裁者は、常に印鑑を所持する必要があり、不便であった。
【0003】
そこで、特許文献1には、決済印や確認印を保持しなくても、遠方より決済や確認を行うことができる遠隔決裁システムの発明が開示されている。
【特許文献1】特許第2923897号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1の発明では、コンピュータを使用して遠隔決済を行うシステムであり、常にコンピュータを所持することはできない。また、ラップトップパソコンのような小型の機器であっても常時所持することは困難である。
【0005】
一方、今日携帯電話機やPDA等の携帯機器が普及し、携帯機器が行うことができる機能も向上している。また、携帯機器に備えられたキースイッチを操作して他の機器に対するロケーション制御も可能である。
【0006】
そこで、本発明はカメラ付携帯電話機やPDA等を使用して決裁書類等に捺印を行う携帯機器による遠隔決裁システム、電子掲示板装置、及びその方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題は本発明によれば、決裁を必要とする書類を撮影すると共に、書類を捺印機にセットする担当者の顔画像を撮影する撮影手段と、遠隔地にいる決裁者に決裁書類情報と前記担当者の情報を送信する送信手段とを有する第1の携帯電話機と、該第1の携帯電話機から送信される情報に基づいて、前記決裁書類と前記担当者の認証を行い、前記第1の携帯電話機に遠隔制御情報を出力する第2の携帯電話機を備え、前記第1の携帯電話機に接続された遠隔制御ユニットを使用して、前記決裁者は遠隔地から書類に捺印するカメラ付携帯電話機による遠隔決裁システムを提供することによって達成できる。
【0008】
このように構成することにより、遠隔地にいる決裁者は、カメラ付携帯電話機を使用して容易に決裁書類への捺印を行うことができる。
また、前記第1、第2の携帯電話機は、例えば音声を記録、送信可能な構成である。このように構成することにより、遠隔操作による捺印を音声も利用して行うことができ、より確実に決裁書類等への捺印処理を行うことができる。
【0009】
また、上記課題は本発明によれば、決裁を必要とする書類を撮影すると共に、書類を捺印機にセットする担当者の顔画像を撮影する撮影手段と、遠隔地にいる決裁者に決裁書類情報と前記担当者の情報を送信する送信手段とを有する第1のPDAと、該第1のPDAから送信される情報に基づいて、前記決裁書類と前記担当者の認証を行い、前記第1のPDAに遠隔制御情報を出力する第2のPDAを備え、前記第1のPDAに接続された遠隔制御ユニットを使用して、前記決裁者は遠隔地から書類に捺印する携帯機器による遠隔決裁システムを提供することによって達成できる。
【0010】
このように構成することにより、遠隔地にいる決裁者は、PDA(personal digital assistants)を使用して容易に決裁書類への捺印を行うことができる。
また、前記第1、第2のPDAは、例えば音声を記録、送信可能な構成である。このように構成することにより、遠隔操作による捺印を音声も利用して行うことができ、より確実に決裁書類等への捺印処理を行うことができる。
【0011】
また、上記課題は本発明によれば、投稿閲覧端末及び携帯機器が電子掲示板装置に通信接続されることにより、上記電子掲示板装置の電子掲示板を対象に上記携帯機器及び上記投稿閲覧端末から決済依頼情報の投稿又は該決裁依頼情報に関する閲覧用情報の閲覧を行う電子掲示板システムにおいて、上記電子掲示板装置は、上記決裁依頼情報と共に本人認証情報(決裁者が知っている情報であり、例えばパスワードなどの情報)及び承認情報(携帯利用者が入力できる情報であり、決裁の内容を承認する旨を閲覧者に知らせる情報)の入力項目を上記携帯機器に配信し、該携帯機器から送信された上記本人認証情報及び上記承認情報を上記決裁依頼情報と対応付けて保持する携帯機器入力情報管理手段と、上記携帯機器から送信された上記本人認証情報を基に本人認証を行う本人認証手段と、上記本人認証が成立した場合に、対応する上記承認情報に上記決裁依頼情報及び特定の決裁者承認情報(決裁者本人によって承認が得られたものであることを投稿閲覧端末の閲覧者に証明する情報であり、この情報には例えば決裁者本人の決裁印の画像データなどを使用する)を対応付けて上記閲覧用情報を生成する閲覧用情報生成手段と、を有し、上記携帯機器は、上記電子掲示板装置から受信した上記決裁依頼情報及び上記入力項目を表示し、決裁者により上記入力項目に本人認証情報及び承認情報を入力させる表示入力手段と、上記決済依頼情報に対して入力された上記承認情報及び上記本人認証情報を上記電子掲示板装置に送信する入力情報送信手段と、を有する、携帯機器による遠隔決裁システムを提供することによって達成できる。
【0012】
このように構成することにより、遠隔地にいる決裁者は携帯機器から電子掲示板装置の電子掲示板にアクセスすることで決裁の判断を行うことが可能となる。
また、決裁者本人が知るパスワード等の情報を使用して本人認証を行い、この本人認証が成立した場合に、その携帯機器の操作者によって入力された承認情報に決裁依頼情報と上記特定の決裁者承認情報とを対応付けた閲覧用情報を生成するので、閲覧用情報を閲覧する全ての閲覧者は、上記特定の決裁者承認情報により、その決裁の承認が確かに決裁者によって判断されたものであることをチェックできる。
【0013】
なお、この特定の決裁者承認情報があることで、携帯機器による遠隔地からの電子掲示板上での捺印が実現する。
なお上記電子掲示板装置には、更に、新規に決済依頼情報の投稿を受けると上記携帯機器に通知情報を送信する決裁依頼通知手段を構成し、上記携帯機器には、上記電子掲示板装置から送信された通知情報を受信する通知情報受信手段を構成してもよい。
【0014】
このように構成することにより、遠隔地にいる決裁者は、電子掲示板に決裁依頼の投稿があると携帯機器でその通知を受けることができるので、決裁依頼の投稿があるかどうかを電子掲示板にアクセスして確認する必要がなくなり、決裁依頼の通知を受けた時のみ電子掲示板にアクセスできる。
【0015】
また、上記課題は本発明によれば、携帯機器及び投稿閲覧端末から通信ネットワークを介した決済依頼情報の投稿又は該決裁依頼情報に関する閲覧用情報の閲覧が可能な電子掲示板装置において、上記決裁依頼情報に本人認証情報及び承認情報の入力項目を付加して上記携帯機器に配信し、該携帯機器から送信された上記本人認証情報及び上記承認情報を上記決裁依頼情報と対応付けて保持する携帯機器入力情報管理手段と、上記携帯機器から送信された上記本人認証情報を基に本人認証を行う本人認証手段と、上記本人認証が成立した場合に、対応する上記承認情報に上記決裁依頼情報及び特定の決裁者承認情報を対応付けて上記閲覧用情報を生成する閲覧用情報生成手段と、を有する電子掲示板装置を提供することによって達成できる。
【0016】
このように構成することにより、遠隔地にいる決裁者は携帯機器から電子掲示板装置の電子掲示板にアクセスすることで決裁の判断を行うことが可能となる。
また、決裁者本人が知るパスワード等の情報を使用して本人認証を行い、この本人認証が成立した場合に、その携帯機器の操作者によって入力された承認情報に決裁依頼情報と上記特定の決裁者承認情報とを対応付けた閲覧用情報を生成するので、閲覧用情報を閲覧する全ての閲覧者は、上記特定の決裁者承認情報により、その決裁の承認が確かに決裁者によって判断されたものであることをチェックできる。
【0017】
なお、この特定の決裁者承認情報があることで、携帯機器による遠隔地からの電子掲示板上での捺印が実現する。
また、上記課題は本発明によれば、投稿閲覧端末及び携帯機器が電子掲示板装置に通信接続されることにより、上記電子掲示板装置の電子掲示板を対象に上記携帯機器及び上記投稿閲覧端末から決済依頼情報の投稿又は該決裁依頼情報に関する閲覧用情報の閲覧を行う電子掲示板システムにおいて、上記電子掲示板装置及び上記携帯機器と通信ネットワークを介して接続される自動捺印システムを更に有し、上記電子掲示板装置は、上記投稿閲覧端末から決裁依頼情報と共に自動捺印要求情報を受信すると、上記決裁依頼情報と上記自動捺印要求情報とを対応付けて管理する自動捺印要求情報管理手段と、上記決裁依頼情報に本人認証情報及び承認情報の入力項目を付加して上記携帯機器に配信し、該携帯機器から送信された上記本人認証情報及び上記承認情報を上記決裁依頼情報と対応付けて保持する携帯機器入力情報管理手段と、上記携帯機器から送信された上記本人認証情報を基に本人認証を行う本人認証手段と、上記本人認証が成立した場合に、対応する上記承認情報に上記決裁依頼情報及び特定の決裁者承認情報を対応付けて上記閲覧用情報を生成する閲覧用情報生成手段と、上記本人認証が成立し且つ上記自動捺印要求情報が対応付けられている場合に、上記自動捺印要求情報及び対応する上記決裁依頼情報を上記自動捺印システムに送信する自動捺印通知手段と、を有し、上記自動捺印システムは、上記携帯機器との間で相互に本人認証を行う第二認証手段と、上記電子掲示板装置から自動捺印要求が通知された決裁依頼案件の決裁書類と該決裁書類に捺印する印鑑との相互配置画像を取得し、該画像を上記携帯機器に送信する相互配置画像送信手段と、上記携帯機器から送信された捺印実行指示情報に基づき、上記決裁書類上に上記印鑑を押印する押印手段と、上記携帯機器は、上記電子掲示板装置から受信した上記決裁依頼情報及び上記入力項目を表示し、決裁者により上記入力項目に上記本人認証情報及び上記承認情報を入力させる表示入力手段と、上記決済依頼情報に対して入力された上記本人認証情報及び上記承認情報を上記電子掲示板装置に送信する入力情報送信手段と、上記自動捺印システムとの間で相互に本人認証を行う第三認証手段と、上記自動捺印システムから送信された上記相互配置画像を再生する相互配置画像再生手段と、決裁者による捺印実行指示入力を待ち受け、上記決裁者から上記捺印実行指示入力があると上記捺印実行指示情報を上記自動捺印システムに送信する捺印実行指示手段と、を有する、携帯機器による遠隔決裁システムを提供することによって達成できる。
【0018】
このように構成することにより、遠隔地にいる決裁者は携帯機器から電子掲示板にアクセスすることで決裁の判断を行うことが可能となる。
また、決裁者の本人認証が成立した場合に、携帯機器操作者によって入力された承認情報に決裁依頼情報と特定の決裁者承認情報とが対応付けされて閲覧用情報が作成されるため、閲覧用情報の閲覧者は、この特定の決裁者承認情報が付加されているかどうかを確認することで、当該決裁の承認が決裁者本人によるものかどうかをチェックできる。
【0019】
また、決裁書類に捺印の必要があるもののみ、自動捺印要求として自動捺印システムに要求するので、自動捺印システムにおける処理の負荷が小さくなり、決裁者が遠隔地から捺印を指示する負担も少なくなる。
【0020】
また、上記課題は本発明によれば、投稿閲覧端末及び携帯機器に通信ネットワークを介して電子掲示板を公開する電子掲示板装置における遠隔決裁方法であって、上記投稿閲覧端末から通信ネットワークを介して投稿された決裁依頼情報を上記電子掲示板に公開処理し、上記決裁依頼情報と共に本人認証情報及び承認情報の入力項目を通信ネットワークを介して上記携帯機器に配信処理し、上記携帯機器から通信ネットワークを介して送信された上記本人認証情報の入力情報を基に上記電子掲示板装置で本人認証処理し、上記本人認証が成立した場合に、上記携帯機器から通信ネットワークを介して送信された上記承認情報に上記決裁依頼情報及び特定の決裁者承認情報を対応付け処理し、上記対応付けした情報を上記電子掲示板に公開処理する、遠隔決裁方法により達成できる。
【0021】
このように構成することにより、遠隔地にいる決裁者は携帯機器から電子掲示板装置の電子掲示板にアクセスすることで決裁の判断を行うことが可能となる。
また、決裁者本人が知るパスワード等の情報を使用して本人認証を行い、この本人認証が成立した場合に、その携帯機器の操作者によって入力された承認情報に決裁依頼情報と上記特定の決裁者承認情報とを対応付けた閲覧用情報を生成するので、閲覧用情報を閲覧する全ての閲覧者は、上記特定の決裁者承認情報により、その決裁の承認が確かに決裁者によって判断されたものであることをチェックできる。
【0022】
なお、この特定の決裁者承認情報があることで、携帯機器による遠隔地からの電子掲示板上での捺印が実現する。
また、上記課題は本発明によれば、投稿閲覧端末及び携帯機器が電子掲示板装置に通信接続されることにより、上記電子掲示板装置の電子掲示板を対象に上記携帯機器及び上記投稿閲覧端末から決済依頼情報の投稿又は該決裁依頼情報に関する閲覧用情報の閲覧を行う電子掲示板システムを用い、通信ネットワークを介して自動捺印システムに自動捺印を実行させる、携帯機器による遠隔決裁方法であって、上記投稿閲覧端末から通信ネットワークを介して送信された上記決裁依頼情報を上記電子掲示板装置で投稿処理し、上記決裁依頼情報と共に本人認証情報及び承認情報の入力項目を、上記電子掲示板装置から通信ネットワークを介して上記携帯機器へ配信処理し、上記携帯機器において上記本人認証情報及び上記承認情報を入力処理し、上記携帯機器から通信ネットワークを介して送信された上記本人認証情報の入力情報を基に上記電子掲示板装置で本人認証処理し、上記本人認証が成立した場合に、上記承認を得た上記決裁依頼情報に決裁者による承認を確約する特定の決裁者承認情報を対応付けした閲覧用情報を上記電子掲示板装置で生成処理し、上記承認を得た上記決裁依頼情報に自動捺印要求情報が付加されている場合に、上記自動捺印要求情報及び上記決裁依頼情報を通信ネットワークを介して上記電子掲示板装置から自動捺印システムへ送信処理し、上記自動捺印システムと上記携帯機器間で通信を介して認証処理し、認証成立後に、上記自動捺印要求が通知された決裁依頼案件の決裁書類と該決裁書類に捺印する印鑑との相互配置画像を上記自動捺印システムで取得し、該画像を上記携帯機器に送信処理し、上記自動捺印システムから上記携帯機器へ送信された相互配置画像に基づき、携帯機器から自動捺印システムへ捺印実行指示の処理を行う、携帯機器による遠隔決裁方法を提供することにより達成できる。
【0023】
このように構成することにより、遠隔地にいる決裁者は携帯機器から電子掲示板にアクセスすることで決裁の判断を行うことが可能となる。
また、決裁者の本人認証が成立した場合に、携帯機器操作者によって入力された承認情報に決裁依頼情報と特定の決裁者承認情報とが対応付けされて閲覧用情報が作成されるため、閲覧用情報の閲覧者は、この特定の決裁者承認情報が付加されているかどうかを確認することで、当該決裁の承認が決裁者本人によるものかどうかをチェックできる。
【0024】
また、決裁書類に捺印の必要があるもののみ、自動捺印要求として自動捺印システムに要求するので、自動捺印システムにおける処理の負荷が小さくなり、決裁者が遠隔地から捺印を指示する負担も少なくなる。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、遠隔地にいる決裁者は、カメラ付携帯電話機、又はPDAを使用して容易に決裁書類への捺印を行うことができ、更に音声を利用することにより、より確実に決裁書類への捺印処理を行うことができる。
【0026】
また、本発明では、決裁依頼を電子掲示板で受け付けるようにすることで、遠隔地にいる決裁者は、都合の良いときに電子掲示板にアクセスし、決裁依頼案件を確認できる。また、電子掲示板にアクセスできれば当事者以外でも決裁依頼案件の情報を閲覧できる。この構成の場合、特に決裁者から承認が得られた決裁依頼案件には特定の決済者承認情報が付加されているため、この決済者承認情報の表示を基準に、その決裁依頼案件が確かに決裁者により承認を得たものであるのかどうかを、電子掲示板を閲覧する任意の閲覧者が監視できる。
【0027】
また、本発明では、決裁依頼を電子掲示板で受け付けるようにした場合、決裁書類への捺印の必要性を問わず全ての決裁依頼案件を電子掲示板上で取り扱うことができるため、全ての決裁依頼案件の決裁者判断を任意の閲覧者が監視することができる。
【0028】
このように、上記特定の決裁者承認情報があることで、携帯機器による遠隔地からの電子掲示板上での捺印が実現する。
更に、決裁書類への捺印が必要な決裁依頼案件は、電子掲示板装置と連携して自動捺印システムへ転送される。捺印の担当者は決裁書類への捺印が必要な決裁依頼案件があった場合にのみ決裁者の携帯機器へ連絡し、決裁者に遠隔地からの捺印の指示を促せる。
【0029】
このように、本発明では、決裁者による遠隔地からの決裁処理を円滑にし、またその処理が煩雑とならないようにすることができる。
以上のような構成の下では、捺印のために月末出張を控えたり、或いはそのために慌てて出張を切り上げたりする必要がなくなる。例えば、外国や入院先からでも捺印が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
(第一実施形態)
図1は、第一実施形態であるカメラ付携帯電話による遠隔決裁システムを説明するシステム構成図である。同図において、カメラ付携帯電話機1と遠隔決裁装置2はインターネット等のネットワークで接続されている。カメラ付携帯電話機(第1の携帯電話機)1は撮像装置として、例えばCCDカメラを内蔵し、遠隔決裁装置2と通信を行うためのアンテナ3を有する。また、このカメラ付携帯電話機1は決裁者4が所有する携帯電話機であり、例えば決裁者4は決裁書類等に捺印を行う代表者(例えば社長など)や管理者である。
【0031】
また、遠隔決裁装置2はカメラ付携帯電話機5、遠隔制御ユニット6、自動捺印機7で構成され、例えば本社の担当者等の予め設定された担当者8が遠隔決裁装置2の管理を行う。
【0032】
自動捺印機7は遠隔制御ユニット6の制御により、書類に捺印を行う装置であり、遠隔制御ユニット6は自動捺印機7に対して各種制御信号を送信する。また、遠隔制御ユニット6はカメラ付携帯電話機5から出力される制御信号によって制御される。
【0033】
また、カメラ付携帯電話機1から遠隔決裁装置2に対して音声や制御信号がネットワークを介して供給され、遠隔決裁装置2からカメラ付携帯電話機1に対して音声やカメラ画像の情報が供給される。
【0034】
次に、図2を用いて本例の処理動作を説明する。
先ず、決裁者4はパスワードを遠隔決裁装置2に送信し、真の決裁者である旨の認証を行う(図2に示す「1」)。すなわち、決裁者4は遠隔地において、例えば本社に保管する決裁書類に対する決裁が必要な場合、本社に決裁者のパスワードを送信し、決裁者4である旨の認証を受ける。
【0035】
遠隔決裁装置2側では、上記パスワードを受信し、真の決裁者4であることを確認すると、担当者8が決裁書類10をセットし、動画像を送信する(同図に示す「2」)。この画像はカメラ付携帯電話機1のディスプレイに表示され、決裁者4はこの画像を確認する。次に、担当者8は決裁書類の動画像を送信する(同図に示す「3」)。この画像もカメラ付携帯電話機1のディスプレイに表示され、決裁者4はこの画像を確認する。
【0036】
次に、決裁者4はディスプレイに表示される決裁書類を見ながら捺印位置を担当者8に指示する(同図に示す「4」)。この指示情報は前述の制御信号として遠隔決裁装置(カメラ付携帯電話機2)に入力し、遠隔制御ユニット6を制御する。
【0037】
すなわち、図2に示すように、決裁書類10上の印鑑9の位置を制御する。例えば、印鑑9は制御信号の指示に従ってX−Y座標上の位置を移動し、決裁者4が指示する位置まで移動する。この操作は、決裁者4がカメラ付携帯電話機1のディスプレイを見ながら行う。具体的には、自動捺印機7から光として映し出される、印影の場所に書類の捺印箇所を合わせ、決裁書類10の捺印箇所が印影と重なったことを確認して、例えば捺印ボタンを押す(同図に示す「5」)。この場合、印鑑9を自動的に降下させ決裁書類10に捺印を行ってもよく、また印鑑9の位置が確定した時点で担当者8が捺印する構成としてもよい。
【0038】
以上のように制御することにより、遠隔地にいる決裁者4によっても、決裁書類に捺印することができる。しかも、パーソナルコンピュータ(PC)等の持ち運びに不便な装置を使用せず、携帯電話機を使用することにより容易に遠隔地からの決裁が可能となる。
【0039】
したがって、このシステムにより、捺印のために月末出張を控えたり、或いはそのために慌てて出張を切り上げたりする必要がなくなる。例えば、外国や入院先からでも捺印が可能となる。
【0040】
このように、本発明によれば、印鑑という東洋の伝統を承継することができ、経営者や管理職のライフスタイルの自由度を増すこともできる。
尚、上記説明では、カメラ付携帯電話機による遠隔決裁システムについて説明したが、カメラ付携帯電話機に代えて、電子手帳等のカメラ機能付のPDAを使用する構成としてもよい。
(第二実施形態)
以下、本発明を実施するための第二実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0041】
図3及び図4は、第二実施形態の遠隔決裁システムの全体概要図である。この内の図3は当該遠隔決裁システムの全体構成図であり、図4は当該遠隔決裁システムで行われる遠隔決裁処理の処理フローである。
【0042】
本遠隔決裁システム11は、決裁者12が遠隔地への移動の際に所持する携帯機器13、閲覧者14が電子掲示板に決裁依頼の投稿をしたり又は投稿された記事(決裁依頼情報)の経過内容を閲覧したりするための投稿閲覧端末15、及び上記電子掲示板を管理する電子掲示板装置16が通信ネットワーク17に接続された構成をとる。この電子掲示板装置16における電子掲示板の管理では、電子掲示板の投稿/更新/削除などの一般的な処理に加えて、後述の本人認証処理や決裁者承認情報の付加処理などが行われる。
【0043】
そして、このような構成の下で、通信ネットワーク17を介し、以下に示すステップで遠隔決裁処理が実行される。
先ず、閲覧者14は、決裁者12による決裁が必要な決裁依頼案件の情報を投稿閲覧端末15から電子掲示板装置16に投稿(送信)する(ステップS1)。電子掲示板装置16ではその決裁依頼情報を投稿処理し、携帯機器13へその投稿の知らせを送信する(ステップS2)。決裁者12は、投稿の知らせを受けた後、携帯機器13で電子掲示板装置16にアクセスしてその投稿記事内容(上記決裁依頼情報)を閲覧し(ステップS3)、このときに電子掲示板装置16から携帯機器13に配信された決裁者による判断を示す情報(例えば承認などを示す情報)及びこの決裁が決裁者本人による決裁であることを周知させるために必要な本人認証情報(IDやパスワードなど)の入力項目に対し、該当する情報を決裁者12が携帯機器13から入力し、その情報を電子掲示板装置16へ送信する(ステップS4)。電子掲示板装置16では、携帯機器13から送信された本人認証情報に基づいて決裁者本人であるかどうか判定し、決裁者本人であると確定した場合に、対応する承認情報に上記決裁依頼情報と特定の決裁者承認情報(例えば決裁印の画像データなど)を付加した閲覧用の記事(閲覧用情報)を作成する(ステップS5)。閲覧者14は、投稿閲覧端末15から電子掲示板装置16にアクセスして閲覧用記事を受信し、上記決裁依頼情報に決裁者承認情報が付加されているかどうかを確認する(ステップS6)。
【0044】
図5は、上記遠隔決裁システムの各装置の機能ブロック図である。
なお、同図において、図3に示した各部と対応する部分には図3と同一の番号を付している。
【0045】
同図の電子掲示板装置16には、決裁依頼情報管理手段60、本人認証用データD1、掲示板データベースD2、決裁印画像ファイルD3が構成されている。
この本人認証データD1、掲示板データベースD2、及び決裁印画像ファイルD3は、これらの順に本人認証データ、掲示板情報、決裁印画像データを記憶しており、掲示板データベースD2に記憶されている掲示板情報は決裁依頼情報管理手段60によって情報の書き換えが行われる。
【0046】
決裁依頼情報管理手段60は、電子掲示板装置16と投稿閲覧端末15または携帯機器13との間のデータ通信や、これらの装置13、15から送信された要求にしたがって掲示板データベースD2を対象に情報の登録/抽出/更新/削除などの一般的な処理を行なう。例えば、投稿閲覧端末15から投稿情報(上記決裁依頼情報)を受信すると、掲示板データベースD2にその決裁依頼情報を登録し、又は、投稿閲覧端末15や携帯機器13から上記決裁依頼情報の閲覧要求を受けると、掲示板データベースD2から上記決裁依頼情報を抽出して作成された閲覧用情報を閲覧指示のあった装置に送信する。
【0047】
更に、この決裁依頼情報管理手段60には、携帯機器入力情報管理手段60―1、本人認証手段60―2、閲覧用情報生成手段60―3、及び決裁依頼通知手段60―4が構成されている。
【0048】
携帯機器入力情報管理手段60―1は、携帯機器13から要求を受けた場合(例えば上記決裁依頼情報の閲覧要求を受けたり又はこれに加えて上記決裁者判断の入力項目配信要求を受けたりした場合など)に、携帯機器13に対して上記決裁依頼情報と共に本人認証情報及び決裁者判断情報(例えば承認情報など)の入力項目を配信し、後に携帯機器13からその入力項目に基づく本人認証情報D4及び判断情報を受信すると、上記決裁依頼情報にそれらの入力情報を対応付けて保持する。
【0049】
本人認証手段60―2は、上記本人認証情報D4を本人認証データD1の情報と照合する。
閲覧用情報生成手段60―3は、掲示板データベースD2から閲覧用情報を生成する。また、本人認証手段60―2における照合が一致した場合に、当該本人認証に対応付けられている承認情報に上記決裁依頼情報と決裁印画像ファイルD3の決裁印画像データを対応付けて掲示板データベースD2を更新し、それらの情報が対応付けされた内容に閲覧用情報を更新する。
【0050】
決裁依頼通知手段60―4は、投稿閲覧端末15から決裁依頼の投稿情報(上記決裁依頼情報)を受信すると、決裁依頼の投稿があったことを携帯機器13に通知する。
同図の携帯機器13には、決裁依頼内容表示入力/入力情報送信手段30、決裁依頼受信報知手段31が構成されている。
【0051】
決裁依頼内容表示入力/入力情報送信手段30は、電子掲示板装置16から送信された決裁依頼の内容や所定の入力項目を含む入力画面を表示し、該入力画面に従って決裁者による情報入力を受付け、それらの入力情報を電子掲示板装置16に送信する。
【0052】
決裁依頼受信報知手段31は、決裁依頼通知手段60―4から決裁依頼に関する通知を受信し、例えば音楽再生や発光などの報知手段を利用して決裁者に報知する。
閲覧投稿端末15には、決裁依頼情報投稿/閲覧手段50が構成されている。
【0053】
決裁依頼情報投稿/閲覧手段50は、電子掲示板装置16に決裁依頼の投稿情報を送信したり、投稿された決裁依頼情報(ここには当該決裁依頼情報に関する現在の決裁経過の情報が含まれる)を電子掲示板装置16から受信したりする。
(実施例)
本例の遠隔決裁システムは、通信ネットワークを介して相互にデータ通信が可能な電子掲示板装置、携帯電話機、及び投稿閲覧端末によって構成されている。
【0054】
上記電子掲示板装置は、Webサーバソフトを備え、CGIプログラムを介するなどしてDBMS(後述のデータベースを管理するソフトウエア)と連携する一つまたは複数のコンピュータで構成される電子掲示板サーバ及び電子掲示板データベースであり、Web上に電子掲示板を公開する。本例では便宜上、投稿閲覧端末用と携帯電話機用とに公開情報を分けて管理し、投稿閲覧端末と携帯電話機は、それぞれに対応する公開情報のアドレス(HTTPリンク先)にアクセスするものとする。
【0055】
本例の携帯電話機は、Web公開されている電子掲示板を表示させるブラウジング機能を有し且つパスワード等を入力するための入力インターフェースを有する一般的な携帯電話機であり、なおこれは、受信した電子掲示板の情報を表示できる機能を有し且つパスワード等を入力できる入力インタフェースを有するものであれば他の携帯機器(例えばPDA(Personal Digital Assistance)など)に替えることもできる。
【0056】
なお本例では、後述する決裁依頼の通知を電子メールで行うこととする。よって、上記電子掲示板サーバはメールサーバソフトを更に備え、及び本例の携帯電話機は電子メール送受信機能を更に備えることとする。この構成により、上記電子掲示板サーバはSMTPプロトコルを用いて携帯電話会社の携帯電話メールサーバへ電子メールを送信し、上記携帯電話機は上記携帯電話メールサーバから電子メールの新規到着の知らせや電子メール本文を取得することができる。
【0057】
本例の投稿閲覧端末はWebブラウザを備えた通常のパーソナルコンピュータである。
上記通信ネットワークは、例えばインターネットやLAN(Local Area Network)などがあるが、本例ではインターネットを想定する。このため、本例では、上記投稿閲覧端末は電話網などの公衆網、及び上記インターネットとの接続サービスを行っているISP(Internet Service Provider )などを介して上記インターネットに接続し、また、上記携帯電話機は携帯電話網を介して上記インターネットに接続し、それぞれ、上記電子掲示板装置とデータ通信を行う。
【0058】
図6は、上記電子掲示板装置のハードウエア構成図である。
本例の電子掲示板装置は、CPU(中央処理装置)400、メモリ401、ハードディスク402、可搬型記憶部403、データ通信部404、及び入出力部405が構成され、これらはデータバス406に接続されている。
【0059】
CPU400は、後述のメモリ401からロードしたプログラム及びデータに基づいて演算処理を実行する。このプログラムやデータには、後述の電子掲示板処理フローに必要な各種プログラムやデータが含まれる。
【0060】
メモリ401は、常駐の又は後述のハードディスクからロードされた各種プログラムやデータを記憶する。また、CPU400での演算結果を一時記憶するワーク領域としても使用される。この場合、例えば決裁依頼情報と上記携帯電話機から送信された対応の決裁者判断情報や本人認証情報を互いに対応付けて一時的に保持することができる。このメモリ401はROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory)などで実施できる。
【0061】
ハードディスク402は、大容量の記憶領域を備え、各種プログラムや、データ、特に後述の電子掲示板データベースの情報や決裁印画像ファイルや本人認証データなどを記憶する。
【0062】
可搬型記憶部403は、FD(登録商標)、CD、又はDVDなどの可搬型記憶媒体及びその情報を読み書きするドライバである。ここに可搬型記憶媒体を接続することにより、例えば、遠隔決裁処理に必要なプログラムやデータをハードディスクやメモリに転送できる。
【0063】
データ通信部404は、上記通信ネットワークを介して上記携帯電話機や上記投稿閲覧端末との間でデータパケットを送受信する。
入出力部405は、例えばマウスやキーボードなどから入力された指示信号をCPU400に送信する入力部と、CPU400から送信された出力信号を該当する形式に変換して例えば液晶モニタやCRTモニタやプリンタなどに出力する出力部によって構成される。電子掲示板装置の担当者は、この入出力部405を使用して当該装置を管理する。
【0064】
図7は、ハードディスクに記憶されている電子掲示板のテーブル構成図である。
本例の電子掲示板はスレッドフロート型で設計しており、複数のスレッドの一つとして社長決裁用のスレッドを構成するようにしている。そしてここでは、同図の「No1」−「No3」に示されるように「スタッフ情報」、「スレッドデータ」、及び「投稿記事データ」の3種類のテーブル構成にしている(同図(a))。上記「スタッフ情報」は例えば決裁依頼情報を投稿した会社スタッフの詳細情報を管理するテーブルで、上記「スレッドデータ」は社長決裁に関するスレッドを含む全てのスレッドを管理するテーブルで、上記「投稿記事データ」は決裁依頼情報などの投稿記事に関する詳細情報を管理するテーブルである。なお本例では、これらのテーブル名を、それぞれ「staff」、「thread」、及び「Bbs_data」とし、同図(b)に実線矢印で示したように「主キー」や「外部キー」を割り当てて各テーブルを関係付けている。
【0065】
図8から図10は、上記各テーブルの具体例を表形式で表した図である。
以下では特に説明しないが、これらの図の各テーブルでは、図の横方向にデータの内容を示す項目として、「フィールド名」、「キー」、「内容」、「型」、「default値」、「NULL許容」、及び「備考」が割り当てられている。
【0066】
図8は、上記「スタッフ情報」テーブルの一例である。
同図の縦方向には、スタッフの詳細情報を示す欄が項目分けされている。
図7(b)と対応するように、このテーブル例では、ユーザIDを示す「フィールド名:[uid]」に「主キー」が割り当てられている。なお、各項目についての説明は必要に応じて後述することとする。
【0067】
図9は、「スレッドデータ」テーブルの一例である。
同図の縦方向には、各スレッドをスレッド単位で管理するために必要な情報が項目分けされている。
【0068】
図7(b)と対応するように、このテーブル例では、スレッドIDを示す「フィールド名:「id」」に「主キー」が割り当てられ、スタッフIDを示す「フィールド名:「staff_id」」に「外部キー」が割り当てられている。なお、各項目についての説明は必要に応じて後述することとする。
【0069】
図10は、「投稿記事データ」テーブルの一例である。
同図の縦方向には、投稿情報(本例では特に決裁依頼情報)の詳細情報が項目分けされている。
【0070】
これらの項目を横軸の「内容」を用いて羅列すると、同図の上から「登録日」、「更新日」、「掲示板削除日」、「記事ID」、「スレッド内記事番号」、「スレッドID」、「投稿者スタッフID」、「投稿者スタッフ名」、「投稿者メールアドレス」、「本文」、「社長フラグ」、「重要伝達リスト追加フラグ」、「パスワード」、「IPアドレス」、及び「自動捺印装置使用フラグ」がある。
【0071】
図7(b)と対応するように、このテーブル例では、「フィールド名:「id」」である「記事ID」には「主キー」が割り当てられ、「フィールド名:「thread_id」」である「スレッドID」及び「フィールド名:「staff_id」」である「投稿者スタッフID」には「外部キー」が割り当てられている。
【0072】
また特に、「社長フラグ」の意味は、決裁依頼情報の投稿と共に社長の携帯電話機へ当該決裁依頼の通知(本例では電子メールによる通知)を行うかどうかを指定するための項目であり、「自動捺印装置使用フラグ」の意味は、当該決裁に不図示の自動捺印装置を使用するか否かを指定するための項目である。なお、本例では、自動捺印装置を接続した構成をとらないため、この詳しい説明は自動捺印装置を接続した後述の実施形態3で詳しく説明することとする。
【0073】
図11は、本遠隔決裁システムにおけるデータ処理フローである。
同図に示される実線矢印は、データの向かう方向を示している。
以下、当該データ処理フローを、各処理を理解しやすいように表示画面例を適宜加えながら説明する。なお特に説明しないが、本電子掲示板サーバと、投稿閲覧端末または携帯電話機間では、例えばHTML(HyperText Markup Language)や簡易HTMLなどのマークアップ言語で記述された情報やこの情報で指定された画像が送受信される。
【0074】
本例は、スタッフによる決裁依頼から社長による決裁を終えるまでの一連の処理フローである。
スタッフは、投稿閲覧端末から通信ネットワークを介して電子掲示板サーバにアクセスする。このアクセスにより、電子掲示板サーバ上にある投稿閲覧端末用の公開電子掲示板情報の先頭画面の情報が取得され、その先頭画面の情報がWebブラウザ機能により端末の画面に表示される。投稿閲覧端末では、先頭画面に張られたリンクを入力指定することでリンク先の画面情報が電子掲示板サーバから取得され、画面がその画面情報で更新される(電子掲示板閲覧処理:ステップS100)。なお、電子掲示板サーバ上の画面情報は、所定のフォームで形成されたタグやテキストの組み合わせで構成されており、投稿閲覧端末で要求されている表示画面内のテキストは、頻繁に、電子掲示板データベース内の対応項目の最新情報に更新されている。
【0075】
図12は、Webブラウザで表示させる電子掲示板先頭画面の画面構成例である。本例では、タイトル欄1000の下に4つのフレーム枠1002、1004、1006、及び1008が表示される仕組みとなっている。第一のフレーム枠1002はスレッドメニューの一覧を表示させるための領域であり、第二のフレーム枠1004は最新アクセススレッドメニューを表示させるための領域であり、第三のフレーム枠1006は現在選択されているスレッドの投稿内容を表示させるための領域であり、第四のフレーム枠1008は一つ前に選択されたスレッドの投稿内容を表示させるための領域である。第一のフレーム枠1002には「スレッドデータ」テーブル(図9)の[title]から取得された該当情報が表示される。また、第三のフレーム枠1006及び第四のフレーム枠1008は、選択されたスレッドのタイトルの下に左から、数字、名前、及び日時が表示され、その下に詳しい内容が表示された体裁をとっている。ここには、「投稿記事データ」テーブル(図10)から取得された当該選択スレッドの各種情報が表示される。具体的に述べると、数字は、「スレッドデータ」テーブル(図10)のうちの選択された「id」をキーに「投稿記事データ」テーブルの「thread_id」を検索し、これに該当する記事番号[bbs_num]が表示される。名前は、この記事番号に該当する記事の投稿者スタッフ名[name]が表示される。このとき、投稿者のより詳しい情報(所属部署等)を表示させる場合は、上記投稿者スタッフ名[name]に該当する投稿者スタッフID[staff_id]を使用して「スタッフ情報」テーブル(図8)を検索することもできる。日時は、この記事番号に該当する記事の投稿又は更新の日時[adate ]或いは[udate]が表示される。詳しい内容は、この記事番号に該当する記事の本文[body]が表示される。
【0076】
投稿閲覧端末では、ステップS100の電子掲示板閲覧処理に続き、電子掲示板サーバに対して決裁依頼情報を投稿する(電子掲示板投稿処理:ステップS102)。この処理では先ず、図12の画面の第一のフレーム枠1002中の社長決裁のスレッドを入力指定することで、電子掲示板サーバから社長決裁スレッドの投稿情報を取得し、第三のフレーム枠1006にその投稿情報を画面表示する。そして、図12には不図示の投稿ボタンを押下するなどして決裁依頼用の投稿ウインドウ情報を上記電子掲示板サーバから取得して投稿ウインドウを表示させ、この投稿ウインドウから決裁依頼情報を入力する。この決裁依頼情報は電子掲示板サーバへ送信され、電子掲示板サーバにおいて後述の登録処理が行われる。
【0077】
図13は、上記決裁依頼用の投稿ウインドウを投稿閲覧端末で表示させるための投稿ウインドウ画面情報の構成例である。同図の投稿ウインドウ画面情報1100には、決裁依頼のための投稿項目として、「お名前」1102、「E-MAIL」1104、「携帯メール」1106、「捺印」1108、及び「投稿本文」1110が設けられている。ここに入力された情報は書き込みボタン1112を押下することにより予め決められたフォーマットで本電子掲示板サーバへ送信される。そして本サーバで各情報の構成が解析され、本電子掲示板サーバにおける後述の登録処理に基づいて社長決裁スレッドに新たな記事番号が付与され、上記の各データは、「スタッフ情報」テーブル(図8)の「名前」、「メールアドレス」、「投稿記事データ」テーブル(図10)の「社長フラグ」、「自動捺印装置使用フラグ」、「本文」にそれぞれ反映される。特に、「携帯メール」及び「捺印」の項目は本例ではチェックボックスで構成しているため、この項目がチェックされた場合、後述の登録処理によりデータベース内の対応箇所にフラグが立てられることとなる。
【0078】
なお本例では、投稿項目として「お名前」1102、「E-MAIL」1104、「携帯メール」1106、「捺印」1108、及び「投稿本文」1110を設けたが、これはより好ましい形態を考慮した上での構成であり、少なくとも投稿者を識別するための情報と投稿本文があればよい。また、本例では、自動捺印装置を接続した構成をとらないため、この詳しい説明は自動捺印装置を接続した後述の実施形態3にまわすことにする。
【0079】
上記電子掲示板サーバでは、ステップS102の投稿閲覧端末における電子掲示板投稿処理を受けて、上記投稿閲覧端末から受信した決裁依頼情報を上記電子掲示板データベースに登録処理する(登録処理:ステップS104)。この処理では、上記投稿閲覧端末の送信データから新規決裁依頼情報を取り出し、この新規決裁依頼情報に含まれる各種情報を基に上記電子掲示板データベースの各テーブルを更新する。特に「投稿記事データ」テーブルでは、社長決裁スレッドの「記事ID」の最大値を1増加させ、新規の投稿記事の各種情報を当該テーブルの各対応項目に追加する。またこの時、当該新規決裁依頼情報内の社長フラグがONになっている場合は、社長の携帯電話機の電子メールアドレスを上記電子掲示板データベースから取得して通知用データを作成し、そのアドレス宛に通知用データをパケット送信する。そして、当該新規決裁依頼情報に後述の「社長に対する判断要求の情報」を含めた携帯電話機用決裁画面情報(例えば簡易HTMLで記述された画面情報)を当該サーバ内の携帯電話機公開用フォルダに生成する。本例では上述した通知用データを電子メールとしたため、この電子メールに、上記携帯電話機用決裁画面情報が保存されている当該サーバ内の場所を示すアドレス情報(HTTPリンク情報)を含ませる。これにより、携帯電話機から携帯電話機用決裁画面情報の取得を可能とする。
【0080】
その後、電子掲示板サーバでは、電子掲示板データベースから更新情報を取得し、その情報に基づいて公開用の電子掲示板情報を更新する(電子掲示板更新処理:ステップS106)。
【0081】
図14は、上記登録閲覧装置で閲覧可能な、電子掲示板更新処理後の電子掲示板の画面構成図である。
同図の構成例では、第一のフレーム枠1002内の「社長決裁」が入力指定されることにより上記電子掲示板サーバから取得される社長決裁スレッドの投稿情報が、第三のフレーム枠1006に投稿日の古いものから順に同図の上から下へ表示されるように構成されている。本例では、社長決裁スレッドの一投稿情報につき、左から、記事番号、投稿者の名前、及び投稿日時が表示され、その下に詳しい投稿内容が表示される。更に、「投稿記事データ」テーブル(図10)に「社長フラグ」が設けられているため、ここにフラグが立っている投稿記事にはその旨(本例では「社長の携帯メールへ送信しました」という文)1200が表示される。また、「捺印」が必要か否か分かりやすくするために投稿日時の右隣に「要捺印」という文字も表示させるように構成されている。また「投稿記事データ」テーブル(図10)に「自動捺印装置使用フラグ」が設けられているため、ここにフラグが立っている投稿記事にはその旨(本例では「遠隔捺印処理へ手配しました」という文)1202が表示される。なお、本例では、自動捺印装置を接続した構成をとらないため、この詳しい説明は自動捺印装置を接続した後述の実施形態3で詳しく説明することとする。
【0082】
携帯電話機では、ステップS104の登録処理において行われた携帯電話機への通知処理に基づいて、通知データを受信する。この通知データは、電子掲示板サーバから送信された通知用の電子メールが携帯電話メールサーバに到着することにより携帯電話メールサーバから携帯電話機に届く新着通知パケットにより実施される。そして、携帯電話機における上記新着通知パケットの受信をトリガーとして、予め設定された音楽等の報知手段が駆動されることにより、社長は決裁依頼の投稿がスタッフから電子掲示板にあったことを携帯電話機で知る。その後、社長は、携帯電話メールサーバから携帯電話機にその通知用の電子メールをダウンロードし、決裁処理を実行する(決裁処理:ステップS108)。
【0083】
図15は、携帯電話機に表示させる画面の構成図である。
同図(a)は、電子掲示板サーバで作成された通知用電子メールの画面構成(または携帯電話メールサーバから受信した電子メールの画面構成)の一例である。同図に示されるように本例の通知用電子メール画面1300では、電子メールの送信元のメールアドレス[from]1301及び送信者の名前[name]1302に加え、メールの主題[sub]1303及び内容[text]1304からなる決裁依頼情報を含め、更に上記電子掲示板サーバ内の携帯電話機用決裁画面情報格納先へのHTTPリンク1305が挿入された構成をとる。この構成の場合、携帯電話機では、携帯画面に表示された上記リンクを入力指定するだけで電子掲示板サーバ内の携帯電話機用決裁画面情報の保存先へアクセスし、そのWeb情報を携帯電話機でダウンロードでき、携帯電話機のWebブラウザでその決裁画面を表示させることができる。
【0084】
同図(b)は、携帯電話機に提供する上記決裁画面の構成例である。当該決裁画面1310は、画面上部に、社長が当該決裁案件を承認するか却下するかの判断を下すための判断要求部(本例ではリストボックスによる選択指定が可能)を構成し、画面下部に記事番号「2」、投稿者の名前「ネットリサーチ」、及び投稿内容「・・・レーザプリンタ 決裁をお願いします」などの決裁依頼情報部を構成している。そして右下には送信ボタンを構成している。この画面情報が携帯電話機で表示され、社長により画面上部のリストボックスの中から「承認」、「保留」、又は「却下」の何れかを選択指定され、更に送信ボタンが押下されると、当該決裁依頼案件に対する決裁確定情報(承認、保留、又は却下の情報)が上記電子掲示板サーバへ返信され、続いて、携帯電話機に本人認証画面情報が送信される。
【0085】
同図(c)がその本人認証画面情報の構成例である。本例では、アカウント名とパスワードの入力欄が構成され、その下に送信ボタンが構成されている。社長は自分で記憶しているアカウントとパスワード(本人認証情報)を上記各欄に携帯電話機の入力キーなどの入力インタフェースを使用して入力し、最後に送信ボタンを押下する。この操作では、先に送信された上記決裁確定情報との対応付けが上記電子掲示板サーバでできるように当該本人認証情報が電子掲示板サーバへ送信される。本例では、この本人認証情報の処理を社長による判断処理の後に行っているが、決裁依頼案件の社長による決裁確定情報と本人認証情報との対応関係が電子掲示板サーバで管理できれば、必ずしもこの順に従う必要はない。
【0086】
続いて、上記電子掲示板サーバでは上記本人認証情報を基に社長認証処理を行う(社長認証処理:ステップS110)。この処理では、当該電子掲示板装置または外部の認証システムなどに記憶されている認証データと照合し、携帯電話機から送信された上記決裁確定情報が社長本人による決裁であるかどうかを判定する。この照合により上記決裁確定情報が社長本人によるものであると判定されると、送信された上記決裁確定情報のうちの「承認」に該当するものに対して続く処理が行われる。
【0087】
ステップS112は、決裁印画像データの挿入処理である。この処理では、当該決裁依頼のあった投稿情報の「スレッド内記事番号」をリンク先とするアンカー・タグと、更に、決裁印画像データが記憶されている位置(同図の決裁印画像ファイルD3のアドレス)を記述したイメージ・タグと、社長から送信された決裁確定情報とから「本文」を作成する。
【0088】
続いて、上記電子掲示板サーバでは、「投稿者スタッフID」を社長IDとし、「スレッドID」を社長決裁IDとして、上記「本文」からなる社長の投稿記事を電子掲示板データベースに新規に登録処理する(登録処理:ステップS114)。この処理では、ステップS104と同様な方法で処理が行われる。つまり、この処理では、当該新規投稿情報の各情報を上記電子掲示板データベースの「投稿記事データ」テーブルの「記事ID」の最大値を1増加させた番号の投稿記事として当該テーブルの対応項目に追加する。そして、当該新規投稿情報の携帯電話機用確認画面情報(例えば簡易HTMLで記述された画面情報)を生成し、元の携帯電話機用決裁画面のファイル名にして上記携帯電話機公開用フォルダを更新する。
【0089】
その後、電子掲示板サーバでは、電子掲示板データベースから更新情報を取得し、その情報に基づいて公開用の電子掲示板情報を更新する(電子掲示板更新処理:ステップS116)。
【0090】
そして、スタッフが投稿閲覧端末から通信ネットワークを介して電子掲示板サーバに再びアクセスすると(または継続してアクセスしていると)、社長決裁が行われた決裁依頼案件の投稿記事が新規に追加され、その記事内容には、電子掲示板データベースの「投稿記事データ」テーブルの「本文」にイメージ・タグで指定される決裁印画像データとアンカー・タグで指定される当該決裁依頼案件の記事番号が表示される(電子掲示板閲覧:ステップS117)。
【0091】
また、携帯電話機側では、承認が付加された表示になる(電子掲示板閲覧:ステップS118)。
図16は、投稿閲覧端末に表示させる社長の投稿記事画面の構成例である。
【0092】
同図には、第三のフレーム枠1006に社長の投稿記事が表示された場合が示されている。本例では、社長の投稿記事に対して新たなスレッド内記事番号である「3」が付与され、この投稿を行った基の記事であるスレッド内記事番号「2」の決裁依頼記事へのリンク(同図の1400)が付加されている。そして、更に、この社長の投稿記事には、社長本人による承認を表す社長の決裁印の画像データが表示されている(同図の1402)。なお、これらの表示位置は一例であり、設計により、様々な位置に配置させることができる。
【0093】
図17は携帯電話機に表示させる決裁確認画面の構成例である。
本例では携帯電話機公開用フォルダ内の元の携帯電話機用決裁画面を決裁確認画面で更新したため、社長は携帯電話機の受信メールに記録されている携帯電話機用決裁画面用のリンク先を指定することで決裁確認画面を閲覧できる。
【0094】
この画面は、社長本人による決裁の内容を表示させるように構成され、本例では、決裁依頼の内容の下に社長による決裁の内容である「承認」が表示される。
以上のように構成することにより、遠隔地にいる決裁者は、パーソナルコンピュータ(PC)等の持ち運びに不便な装置を使用せず、携帯電話機やPDAなどの携帯機器を使用して容易に決裁書類への捺印を行うことができ、更に音声を利用することにより、より確実に決裁を行うことができる。
【0095】
また、決裁依頼を電子掲示板で受け付けるようにするので、遠隔地にいる決裁者は、都合の良いときに電子掲示板にアクセスし、決裁依頼案件を確認できる。また、電子掲示板にアクセスできれば当事者以外でも決裁依頼案件の情報を閲覧できる。この構成の場合、決裁者から承認が得られた決裁依頼案件に決済者の承認印画像データが付与されるため、この承認印画像データの表示を基準に、その決裁依頼案件が確かに決裁者により承認を得たものであるのかどうかを、電子掲示板を閲覧する任意の閲覧者が監視できる。
【0096】
また、決裁書類への捺印の必要性を問わず全ての決裁依頼案件を電子掲示板上で取り扱うことができるため、全ての決裁依頼案件の決裁者判断を任意の閲覧者が監視することができる。
【0097】
このように、上記特定の決裁者承認情報があることで、携帯機器による遠隔地からの電子掲示板上での捺印が実現する。
そして、決裁者による遠隔地からの決裁処理を円滑にし、またその処理が煩雑とならないようにすることができる。
【0098】
したがって、このシステムにより、捺印のために月末出張を控えたり、或いはそのために慌てて出張を切り上げたりする必要がなくなる。例えば、外国や入院先からでも捺印が可能となる。
【0099】
このように、本発明によれば、印鑑という東洋の伝統を承継することができ、経営者や管理職のライフスタイルの自由度を増すこともできる。
(第三実施形態)
第三実施形態では、電子掲示板装置の仲介により決裁書類の原本に自動捺印する遠隔決裁システムを説明する。
【0100】
図18及び図19は、第三実施形態の遠隔決裁システムの全体概要図である。この内の図18は当該遠隔決裁システムの全体構成図であり、図19は当該遠隔決裁システムで行われる遠隔決裁処理の処理フローである。
【0101】
図18の遠隔決裁システム380では、第二実施形態の遠隔決裁システム11に対して、携帯機器13の機能に画像(静止画又は動画)の再生機能及び捺印実行指示機能を更に備えた携帯機器381が携帯機器13に替えて構成され、また、自動捺印システム382が通信ネットワーク17上に更に構成される。
【0102】
同図の携帯機器381は、例えば携帯電話機やPDAで構成することができるが、説明を理解し易いように以下ではこの内の携帯電話機を上記携帯機器381の例に取り上げる。
この携帯電話機381では、上記各機能を例えばCPUで実行可能なプログラムの形態で内臓メモリに格納させておくことで実施できる。上記再生機能は、アンテナから受信した自動捺印システム発信の画像データを順次再生し、表示画面に表示する。上記捺印実行指示機能は、例えば上記画像データの再生中に携帯電話機381の入力キーから所定の入力(捺印実行指示情報の入力)が決裁者12により行われるのを待ち受け、所定の入力があると、その捺印実行指示情報を格納したパケットを自動捺印システム382に送信する。
【0103】
自動捺印システム382には、決裁書類及び所定の印鑑がセットされ、決裁書類上に印鑑が機械的に押印される公知の自動捺印機が構成され、更に、自動捺印機にセットされた決裁書類と印鑑との相互配置を撮像し、この撮像画像を上記携帯電話機381に送信する撮像/撮像画像送信手段が構成される。
【0104】
同図の自動捺印システム382の例では、上記撮像/撮像画像送信手段が、通信ネットワークと接続された決裁サーバ383及び該決裁サーバに電気接続されたカメラ付携帯機器(理解を容易にするため以下ではこれもカメラ付きの携帯電話機とする)384で構成され、公知の自動捺印機385はこれらと通信可能なように構成されている。
【0105】
決裁サーバ383は、1つ又は複数のコンピュータで構成され、電子掲示板装置16から通信ネットワーク17を介して送信された自動捺印要求のある決裁依頼情報を、例えばデータベースで管理する。また、電気接続されたカメラ付携帯電話機384を駆動制御し、そのCCDで撮像した画像を受信して決裁者12が所有する携帯電話機381にパケット送信し、または当該携帯電話機381から送信された上記捺印実行指示情報を格納したパケットを受信すると自動捺印機385に捺印実行信号を送信する。
【0106】
本自動捺印システム382に構成された上記カメラ付携帯電話機384は、決裁サーバ383から駆動できる上記CCDなどの撮像部や、決裁サーバ383とデータ通信を行うサーバ通信部や、携帯電話機用の回線を利用して決裁者の携帯電話機381と捺印担当者が音声データや画像データをやり取りする携帯電話回線通信部や、キー入力部や、表示部を有する。
【0107】
自動捺印機385は、決裁書類を載置する載置台を備え、この載置台にセットされた決裁書類の上方を印鑑がXY平面移動及びz軸昇降移動する制御機構を備える。この自動捺印機385では、例えば捺印担当者により決裁サーバ383から制御信号が送信されるなどして、セットされた印鑑(承認印など)がXY平面移動され、その決裁書類上の押印位置に印鑑が移される。
【0108】
投稿閲覧端末15及び電子掲示板装置16は第二実施形態において示された構成を前提とし、この内の特に電子掲示板装置16については、本人認証が成立し且つその決裁依頼情報に自動捺印要求情報を対応付けて登録されている場合に、該自動捺印要求情報及び対応する上記決裁依頼情報を上記決裁サーバ383に送信する自動捺印通知手段を更に備える。
【0109】
なお、カメラ付携帯電話機381、384は、互いに本人認証を行うことが可能な認証機能を当然に有している。これは、例えば、一方のカメラ付携帯電話機から他方のカメラ付携帯電話機へ音声通話を行うことで音声による本人認証を行ったり、又は、各自の顔をそれぞれの撮像部から撮像して他方のカメラ付携帯電話機へ送信することによる本人認証を行ったり、又は、パスワード入力した情報を他方のカメラ付携帯電話機へ送信することにより本人認証を行ったりすることで容易に実施できる。
【0110】
図19に示される処理フローでは、ステップS1からステップS6までが実施形態2で詳しく説明した処理と同様であるためここでの詳しい説明は省略するものとし、同図のその他のステップについて詳しく説明する。
【0111】
ステップS7では、自動捺印要求のあった決裁依頼情報を電子掲示板装置から決裁サーバへ送信し、決裁サーバに登録する。これは、実施形態2で述べた「投稿記事データ」テーブル(図10)の自動捺印装置使用フラグがON(本例では「1」がONであり、「0」がOFFである)になっているものを電子掲示板装置で検出し、例えば当該項目に対応する決裁依頼情報の全てまたはその一部を含めたパケットを決裁サーバへ送信するようにして実施する。決裁サーバ側は、その送信情報を予め設けられた対応テーブルに登録することができる。
【0112】
決裁サーバで登録処理を終えると、続いて、決裁書類の確認処理が実行される(ステップS8)。ここでは、例えば、捺印担当者386が決裁サーバにおける自動捺印要求の登録状況を画面で確認し、登録のあった決裁書類及びこれに対応する印鑑を捺印担当者が自動捺印機にセットする。
【0113】
続いて自動捺印システムから決裁者の携帯電話機381へ決裁申請が行われる(ステップS9)。ここでは、例えば、捺印担当者が自動捺印システム382のカメラ付携帯電話機384からこの携帯電話網を介して決裁者の携帯電話機381に通信接続する。この通信接続により、捺印担当者は決裁者に音声で決裁申請を連絡する。
【0114】
ここで、音声による相互認証が行なわれ、又は更に互いの顔画像やパスワードを送信することで相互認証が行われ、この認証が成立した場合、決裁サーバの制御に基づいて、該決裁サーバを介す通信路で携帯電話機381とカメラ付携帯電話機384がデータ送受信を行う(ステップS10)。ここでは、相互認証の成立後、例えば、捺印担当者が決裁書類上方の所定位置に印鑑を水平移動する。そして、決裁サーバからカメラ付携帯電話機384の撮像部を駆動させてそれらの相互配置を示す画像を所定期間おきに読み取り、この相互配置画像を携帯電話機381へ順次パケット送信する。決裁者の携帯電話機381では、画像再生プログラムが実行され、上記パケット送信された相互配置画像が順次画面に表示される。
【0115】
続くステップでは、決裁者の携帯電話機381で画像再生中に、自動捺印機の昇降動作を指示するための捺印実行指示情報が携帯電話機381の入力部から入力されることにより、その捺印実行指示情報が決裁サーバへパケット送信される(ステップS11)。
【0116】
そして、決裁サーバでは、この捺印実行指示情報を受信すると自動捺印機の昇降動作を駆動する制御信号を自動捺印機に送信し、自動捺印機で当該決裁書類に印鑑の押印を実行する(ステップS12)。
【0117】
以上のように構成することにより、遠隔地にいる決裁者は、パーソナルコンピュータ(PC)等の持ち運びに不便な装置を使用せず、携帯電話機やPDAなどの携帯機器を使用して容易に決裁、更には決済書類への捺印を行うことができ、更に音声を利用することにより、より確実に決裁書類への捺印を行うことができる。
【0118】
また、決裁依頼を電子掲示板で受け付けるようにするので、遠隔地にいる決裁者は、都合の良いときに電子掲示板にアクセスし、決裁依頼案件を確認できる。また、電子掲示板にアクセスできれば当事者以外でも決裁依頼案件の情報を閲覧できる。この構成の場合、決裁者から承認が得られた決裁依頼案件に決済者の承認印画像データが付与されるため、この承認印画像データの表示を基準に、その決裁依頼案件が確かに決裁者により承認を得たものであるのかどうかを、電子掲示板を閲覧する任意の閲覧者が監視できる。
【0119】
また、決裁書類への捺印の必要性を問わず全ての決裁依頼案件を電子掲示板上で取り扱うことができるため、全ての決裁依頼案件の決裁者判断を任意の閲覧者が監視することができる。
【0120】
また、決裁書類への捺印が必要な決裁依頼案件は、電子掲示板装置と連携して自動捺印システムへ転送される。このため、捺印の担当者は決裁書類への捺印が必要な決裁依頼案件があった場合にのみ決裁者の携帯機器へ連絡し、決裁者に遠隔地からの捺印の指示を促せる。
【0121】
このように、上記特定の決裁者承認情報があることで、携帯機器による遠隔地からの電子掲示板上での捺印が実現する。
そして、決裁者による遠隔地からの決裁処理を円滑にし、またその処理が煩雑とならないようにすることができる。
【0122】
したがって、このシステムにより、捺印のために月末出張を控えたり、或いはそのために慌てて出張を切り上げたりする必要がなくなる。例えば、外国や入院先からでも捺印が可能となる。
【0123】
このように、本発明によれば、印鑑という東洋の伝統を承継することができ、経営者や管理職のライフスタイルの自由度を増すこともできる。
【図面の簡単な説明】
【0124】
【図1】第一実施形態のシステム構成図である。
【図2】捺印処理を説明する図である。
【図3】第二実施形態の遠隔決裁システムの全体構成図である。
【図4】第二実施形態における遠隔決裁処理の処理フローである。
【図5】遠隔決裁システムの各装置の機能ブロック図である。
【図6】電子掲示板装置のハードウエア構成図である。
【図7】ハードディスクに記憶されている電子掲示板のテーブル構成図である。
【図8】「スタッフ情報」テーブルの一例である。
【図9】「スレッドデータ」テーブルの一例である。
【図10】「投稿記事データ」テーブルの一例である。
【図11】本遠隔決裁システムにおけるデータ処理フローである。
【図12】Webブラウザで表示させる電子掲示板先頭画面の画面構成例である。
【図13】投稿ウインドウ画面情報の構成例である。
【図14】電子掲示板更新処理後の電子掲示板の画面構成図である。
【図15】携帯電話機に表示させる画面の構成図である。
【図16】投稿閲覧端末に表示させる社長の投稿記事画面の構成例である。
【図17】携帯電話機に表示させる決裁確認画面の構成例である。
【図18】第三実施形態の遠隔決裁システムの全体構成図である。
【図19】第三実施形態における遠隔決裁処理の処理フローである。
【符号の説明】
【0125】
1・・・カメラ付携帯電話機
2・・・遠隔決裁装置
3・・・アンテナ
4・・・決裁者
5・・・カメラ付携帯電話機
6・・・遠隔制御ユニット
7・・・自動捺印機
8・・・担当者
9・・・印鑑
10・・・決裁書類
【特許請求の範囲】
【請求項1】
決裁を必要とする書類を撮影すると共に、書類を捺印機にセットする担当者の顔画像を撮影する撮影手段と、遠隔地にいる決裁者に決裁書類情報と前記担当者の情報を送信する送信手段とを有する第1の携帯電話機と、
該第1の携帯電話機から送信される情報に基づいて、前記決裁書類と前記担当者の認証を行い、前記第1の携帯電話機に遠隔制御情報を出力する第2の携帯電話機を備え、
前記第1の携帯電話機に接続された遠隔制御ユニットを使用して、前記決裁者は遠隔地から書類に捺印することを特徴とする携帯機器による遠隔決裁システム。
【請求項2】
前記第1、第2の携帯電話機は、音声を記録、送信可能なことを特徴とする請求項1記載の携帯機器による遠隔決裁システム。
【請求項3】
決裁を必要とする書類を撮影すると共に、書類を捺印機にセットする担当者の顔画像を撮影する撮影手段と、遠隔地にいる決裁者に決裁書類情報と前記担当者の情報を送信する送信手段とを有する第1のPDAと、
該第1のPDAから送信される情報に基づいて、前記決裁書類と前記担当者の認証を行い、前記第1のPDAに遠隔制御情報を出力する第2のPDAを備え、
前記第1のPDAに接続された遠隔制御ユニットを使用して、前記決裁者は遠隔地から書類に捺印することを特徴とする携帯機器による遠隔決裁システム。
【請求項4】
前記第1、第2のPDAは、音声を記録、送信可能なことを特徴とする請求項3記載の携帯機器による遠隔決裁システム。
【請求項5】
投稿閲覧端末及び携帯機器が電子掲示板装置に通信接続されることにより、前記電子掲示板装置の電子掲示板を対象に前記携帯機器及び前記投稿閲覧端末から決済依頼情報の投稿又は該決裁依頼情報に関する閲覧用情報の閲覧を行う電子掲示板システムにおいて、
前記電子掲示板装置は、
前記決裁依頼情報と共に本人認証情報及び承認情報の入力項目を前記携帯機器に配信し、該携帯機器から送信された前記本人認証情報及び前記承認情報を前記決裁依頼情報と対応付けて保持する携帯機器入力情報管理手段と、
前記携帯機器から送信された前記本人認証情報を基に本人認証を行う本人認証手段と、
前記本人認証が成立した場合に、対応する前記承認情報に前記決裁依頼情報及び特定の決裁者承認情報を対応付けて前記閲覧用情報を生成する閲覧用情報生成手段と、
を有し、
前記携帯機器は、
前記電子掲示板装置から受信した前記決裁依頼情報及び前記入力項目を表示し、決裁者により前記入力項目に本人認証情報及び承認情報を入力させる表示入力手段と、
前記決済依頼情報に対して入力された前記承認情報及び前記本人認証情報を前記電子掲示板装置に送信する入力情報送信手段と、
を有する、
ことを特徴とする携帯機器による遠隔決裁システム。
【請求項6】
更に、
前記電子掲示板装置は、新規に決済依頼情報の投稿を受けると前記携帯機器に通知情報を送信する決裁依頼通知手段を有し、
前記携帯機器は、前記電子掲示板装置から送信された通知情報を受信する通知情報受信手段を有する、
ことを特徴とする請求項5に記載の携帯機器による遠隔決裁システム。
【請求項7】
携帯機器及び投稿閲覧端末から通信ネットワークを介した決済依頼情報の投稿又は該決裁依頼情報に関する閲覧用情報の閲覧が可能な電子掲示板装置において、
前記決裁依頼情報に本人認証情報及び承認情報の入力項目を付加して前記携帯機器に配信し、該携帯機器から送信された前記本人認証情報及び前記承認情報を前記決裁依頼情報と対応付けて保持する携帯機器入力情報管理手段と、
前記携帯機器から送信された前記本人認証情報を基に本人認証を行う本人認証手段と、
前記本人認証が成立した場合に、対応する前記承認情報に前記決裁依頼情報及び特定の決裁者承認情報を対応付けて前記閲覧用情報を生成する閲覧用情報生成手段と、
を有することを特徴とする電子掲示板装置。
【請求項8】
投稿閲覧端末及び携帯機器が電子掲示板装置に通信接続されることにより、前記電子掲示板装置の電子掲示板を対象に前記携帯機器及び前記投稿閲覧端末から決済依頼情報の投稿又は該決裁依頼情報に関する閲覧用情報の閲覧を行う電子掲示板システムにおいて、
前記電子掲示板装置及び前記携帯機器と通信ネットワークを介して接続される自動捺印システムを更に有し、
前記電子掲示板装置は、
前記投稿閲覧端末から決裁依頼情報と共に自動捺印要求情報を受信すると、前記決裁依頼情報と前記自動捺印要求情報とを対応付けて管理する自動捺印要求情報管理手段と、
前記決裁依頼情報に本人認証情報及び承認情報の入力項目を付加して前記携帯機器に配信し、該携帯機器から送信された前記本人認証情報及び前記承認情報を前記決裁依頼情報と対応付けて保持する携帯機器入力情報管理手段と、
前記携帯機器から送信された前記本人認証情報を基に本人認証を行う本人認証手段と、
前記本人認証が成立した場合に、対応する前記承認情報に前記決裁依頼情報及び特定の決裁者承認情報を対応付けて前記閲覧用情報を生成する閲覧用情報生成手段と、
前記本人認証が成立し且つ前記自動捺印要求情報が対応付けられている場合に、前記自動捺印要求情報及び対応する前記決裁依頼情報を前記自動捺印システムに送信する自動捺印通知手段と、
を有し、
前記自動捺印システムは、
前記携帯機器との間で相互に本人認証を行う第二認証手段と、
前記電子掲示板装置から自動捺印要求が通知された決裁依頼案件の決裁書類と該決裁書類に捺印する印鑑との相互配置画像を取得し、該画像を前記携帯機器に送信する相互配置画像送信手段と、
前記携帯機器から送信された捺印実行指示情報に基づき、前記決裁書類上に前記印鑑を押印する押印手段と、
前記携帯機器は、
前記電子掲示板装置から受信した前記決裁依頼情報及び前記入力項目を表示し、決裁者により前記入力項目に前記本人認証情報及び前記承認情報を入力させる表示入力手段と、
前記決済依頼情報に対して入力された前記本人認証情報及び前記承認情報を前記電子掲示板装置に送信する入力情報送信手段と、
前記自動捺印システムとの間で相互に本人認証を行う第三認証手段と、
前記自動捺印システムから送信された前記相互配置画像を再生する相互配置画像再生手段と、
決裁者による捺印実行指示入力を待ち受け、前記決裁者から前記捺印実行指示入力があると前記捺印実行指示情報を前記自動捺印システムに送信する捺印実行指示手段と、
を有する、
ことを特徴とする携帯機器による遠隔決裁システム。
【請求項9】
投稿閲覧端末及び携帯機器に通信ネットワークを介して電子掲示板を公開する電子掲示板装置における遠隔決裁方法であって、
前記投稿閲覧端末から通信ネットワークを介して投稿された決裁依頼情報を前記電子掲示板に公開処理し、
前記決裁依頼情報と共に本人認証情報及び承認情報の入力項目を通信ネットワークを介して前記携帯機器に配信処理し、
前記携帯機器から通信ネットワークを介して送信された前記本人認証情報の入力情報を基に前記電子掲示板装置で本人認証処理し、
前記本人認証が成立した場合に、前記携帯機器から通信ネットワークを介して送信された前記承認情報に前記決裁依頼情報及び特定の決裁者承認情報を対応付け処理し、
前記対応付けした情報を前記電子掲示板に公開処理する、
ことを特徴とする遠隔決裁方法。
【請求項10】
投稿閲覧端末及び携帯機器が電子掲示板装置に通信接続されることにより、前記電子掲示板装置の電子掲示板を対象に前記携帯機器及び前記投稿閲覧端末から決済依頼情報の投稿又は該決裁依頼情報に関する閲覧用情報の閲覧を行う電子掲示板システムを用い、通信ネットワークを介して自動捺印システムに自動捺印を実行させる、遠隔決裁方法であって、
前記投稿閲覧端末から通信ネットワークを介して送信された前記決裁依頼情報を前記電子掲示板装置で投稿処理し、
前記決裁依頼情報と共に本人認証情報及び承認情報の入力項目を、前記電子掲示板装置から通信ネットワークを介して前記携帯機器へ配信処理し、
前記携帯機器において前記本人認証情報及び前記承認情報を入力処理し、
前記携帯機器から通信ネットワークを介して送信された前記本人認証情報の入力情報を基に前記電子掲示板装置で本人認証処理し、
前記本人認証が成立した場合に、前記承認を得た前記決裁依頼情報に決裁者による承認を確約する特定の決裁者承認情報を対応付けした閲覧用情報を前記電子掲示板装置で生成処理し、
前記承認を得た前記決裁依頼情報に自動捺印要求情報が付加されている場合に、前記自動捺印要求情報及び前記決裁依頼情報を通信ネットワークを介して前記電子掲示板装置から自動捺印システムへ送信処理し、
前記自動捺印システムと前記携帯機器間で通信を介して認証処理し、
認証成立後に、前記自動捺印要求が通知された決裁依頼案件の決裁書類と該決裁書類に捺印する印鑑との相互配置画像を前記自動捺印システムで取得し、該画像を前記携帯機器に送信処理し、
前記自動捺印システムから前記携帯機器へ送信された相互配置画像に基づき、携帯機器から自動捺印システムへ捺印実行指示の処理を行う、
ことを特徴とする携帯機器による遠隔決裁方法。
【請求項1】
決裁を必要とする書類を撮影すると共に、書類を捺印機にセットする担当者の顔画像を撮影する撮影手段と、遠隔地にいる決裁者に決裁書類情報と前記担当者の情報を送信する送信手段とを有する第1の携帯電話機と、
該第1の携帯電話機から送信される情報に基づいて、前記決裁書類と前記担当者の認証を行い、前記第1の携帯電話機に遠隔制御情報を出力する第2の携帯電話機を備え、
前記第1の携帯電話機に接続された遠隔制御ユニットを使用して、前記決裁者は遠隔地から書類に捺印することを特徴とする携帯機器による遠隔決裁システム。
【請求項2】
前記第1、第2の携帯電話機は、音声を記録、送信可能なことを特徴とする請求項1記載の携帯機器による遠隔決裁システム。
【請求項3】
決裁を必要とする書類を撮影すると共に、書類を捺印機にセットする担当者の顔画像を撮影する撮影手段と、遠隔地にいる決裁者に決裁書類情報と前記担当者の情報を送信する送信手段とを有する第1のPDAと、
該第1のPDAから送信される情報に基づいて、前記決裁書類と前記担当者の認証を行い、前記第1のPDAに遠隔制御情報を出力する第2のPDAを備え、
前記第1のPDAに接続された遠隔制御ユニットを使用して、前記決裁者は遠隔地から書類に捺印することを特徴とする携帯機器による遠隔決裁システム。
【請求項4】
前記第1、第2のPDAは、音声を記録、送信可能なことを特徴とする請求項3記載の携帯機器による遠隔決裁システム。
【請求項5】
投稿閲覧端末及び携帯機器が電子掲示板装置に通信接続されることにより、前記電子掲示板装置の電子掲示板を対象に前記携帯機器及び前記投稿閲覧端末から決済依頼情報の投稿又は該決裁依頼情報に関する閲覧用情報の閲覧を行う電子掲示板システムにおいて、
前記電子掲示板装置は、
前記決裁依頼情報と共に本人認証情報及び承認情報の入力項目を前記携帯機器に配信し、該携帯機器から送信された前記本人認証情報及び前記承認情報を前記決裁依頼情報と対応付けて保持する携帯機器入力情報管理手段と、
前記携帯機器から送信された前記本人認証情報を基に本人認証を行う本人認証手段と、
前記本人認証が成立した場合に、対応する前記承認情報に前記決裁依頼情報及び特定の決裁者承認情報を対応付けて前記閲覧用情報を生成する閲覧用情報生成手段と、
を有し、
前記携帯機器は、
前記電子掲示板装置から受信した前記決裁依頼情報及び前記入力項目を表示し、決裁者により前記入力項目に本人認証情報及び承認情報を入力させる表示入力手段と、
前記決済依頼情報に対して入力された前記承認情報及び前記本人認証情報を前記電子掲示板装置に送信する入力情報送信手段と、
を有する、
ことを特徴とする携帯機器による遠隔決裁システム。
【請求項6】
更に、
前記電子掲示板装置は、新規に決済依頼情報の投稿を受けると前記携帯機器に通知情報を送信する決裁依頼通知手段を有し、
前記携帯機器は、前記電子掲示板装置から送信された通知情報を受信する通知情報受信手段を有する、
ことを特徴とする請求項5に記載の携帯機器による遠隔決裁システム。
【請求項7】
携帯機器及び投稿閲覧端末から通信ネットワークを介した決済依頼情報の投稿又は該決裁依頼情報に関する閲覧用情報の閲覧が可能な電子掲示板装置において、
前記決裁依頼情報に本人認証情報及び承認情報の入力項目を付加して前記携帯機器に配信し、該携帯機器から送信された前記本人認証情報及び前記承認情報を前記決裁依頼情報と対応付けて保持する携帯機器入力情報管理手段と、
前記携帯機器から送信された前記本人認証情報を基に本人認証を行う本人認証手段と、
前記本人認証が成立した場合に、対応する前記承認情報に前記決裁依頼情報及び特定の決裁者承認情報を対応付けて前記閲覧用情報を生成する閲覧用情報生成手段と、
を有することを特徴とする電子掲示板装置。
【請求項8】
投稿閲覧端末及び携帯機器が電子掲示板装置に通信接続されることにより、前記電子掲示板装置の電子掲示板を対象に前記携帯機器及び前記投稿閲覧端末から決済依頼情報の投稿又は該決裁依頼情報に関する閲覧用情報の閲覧を行う電子掲示板システムにおいて、
前記電子掲示板装置及び前記携帯機器と通信ネットワークを介して接続される自動捺印システムを更に有し、
前記電子掲示板装置は、
前記投稿閲覧端末から決裁依頼情報と共に自動捺印要求情報を受信すると、前記決裁依頼情報と前記自動捺印要求情報とを対応付けて管理する自動捺印要求情報管理手段と、
前記決裁依頼情報に本人認証情報及び承認情報の入力項目を付加して前記携帯機器に配信し、該携帯機器から送信された前記本人認証情報及び前記承認情報を前記決裁依頼情報と対応付けて保持する携帯機器入力情報管理手段と、
前記携帯機器から送信された前記本人認証情報を基に本人認証を行う本人認証手段と、
前記本人認証が成立した場合に、対応する前記承認情報に前記決裁依頼情報及び特定の決裁者承認情報を対応付けて前記閲覧用情報を生成する閲覧用情報生成手段と、
前記本人認証が成立し且つ前記自動捺印要求情報が対応付けられている場合に、前記自動捺印要求情報及び対応する前記決裁依頼情報を前記自動捺印システムに送信する自動捺印通知手段と、
を有し、
前記自動捺印システムは、
前記携帯機器との間で相互に本人認証を行う第二認証手段と、
前記電子掲示板装置から自動捺印要求が通知された決裁依頼案件の決裁書類と該決裁書類に捺印する印鑑との相互配置画像を取得し、該画像を前記携帯機器に送信する相互配置画像送信手段と、
前記携帯機器から送信された捺印実行指示情報に基づき、前記決裁書類上に前記印鑑を押印する押印手段と、
前記携帯機器は、
前記電子掲示板装置から受信した前記決裁依頼情報及び前記入力項目を表示し、決裁者により前記入力項目に前記本人認証情報及び前記承認情報を入力させる表示入力手段と、
前記決済依頼情報に対して入力された前記本人認証情報及び前記承認情報を前記電子掲示板装置に送信する入力情報送信手段と、
前記自動捺印システムとの間で相互に本人認証を行う第三認証手段と、
前記自動捺印システムから送信された前記相互配置画像を再生する相互配置画像再生手段と、
決裁者による捺印実行指示入力を待ち受け、前記決裁者から前記捺印実行指示入力があると前記捺印実行指示情報を前記自動捺印システムに送信する捺印実行指示手段と、
を有する、
ことを特徴とする携帯機器による遠隔決裁システム。
【請求項9】
投稿閲覧端末及び携帯機器に通信ネットワークを介して電子掲示板を公開する電子掲示板装置における遠隔決裁方法であって、
前記投稿閲覧端末から通信ネットワークを介して投稿された決裁依頼情報を前記電子掲示板に公開処理し、
前記決裁依頼情報と共に本人認証情報及び承認情報の入力項目を通信ネットワークを介して前記携帯機器に配信処理し、
前記携帯機器から通信ネットワークを介して送信された前記本人認証情報の入力情報を基に前記電子掲示板装置で本人認証処理し、
前記本人認証が成立した場合に、前記携帯機器から通信ネットワークを介して送信された前記承認情報に前記決裁依頼情報及び特定の決裁者承認情報を対応付け処理し、
前記対応付けした情報を前記電子掲示板に公開処理する、
ことを特徴とする遠隔決裁方法。
【請求項10】
投稿閲覧端末及び携帯機器が電子掲示板装置に通信接続されることにより、前記電子掲示板装置の電子掲示板を対象に前記携帯機器及び前記投稿閲覧端末から決済依頼情報の投稿又は該決裁依頼情報に関する閲覧用情報の閲覧を行う電子掲示板システムを用い、通信ネットワークを介して自動捺印システムに自動捺印を実行させる、遠隔決裁方法であって、
前記投稿閲覧端末から通信ネットワークを介して送信された前記決裁依頼情報を前記電子掲示板装置で投稿処理し、
前記決裁依頼情報と共に本人認証情報及び承認情報の入力項目を、前記電子掲示板装置から通信ネットワークを介して前記携帯機器へ配信処理し、
前記携帯機器において前記本人認証情報及び前記承認情報を入力処理し、
前記携帯機器から通信ネットワークを介して送信された前記本人認証情報の入力情報を基に前記電子掲示板装置で本人認証処理し、
前記本人認証が成立した場合に、前記承認を得た前記決裁依頼情報に決裁者による承認を確約する特定の決裁者承認情報を対応付けした閲覧用情報を前記電子掲示板装置で生成処理し、
前記承認を得た前記決裁依頼情報に自動捺印要求情報が付加されている場合に、前記自動捺印要求情報及び前記決裁依頼情報を通信ネットワークを介して前記電子掲示板装置から自動捺印システムへ送信処理し、
前記自動捺印システムと前記携帯機器間で通信を介して認証処理し、
認証成立後に、前記自動捺印要求が通知された決裁依頼案件の決裁書類と該決裁書類に捺印する印鑑との相互配置画像を前記自動捺印システムで取得し、該画像を前記携帯機器に送信処理し、
前記自動捺印システムから前記携帯機器へ送信された相互配置画像に基づき、携帯機器から自動捺印システムへ捺印実行指示の処理を行う、
ことを特徴とする携帯機器による遠隔決裁方法。
【図1】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図3】
【図4】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図3】
【図4】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2007−60641(P2007−60641A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−200811(P2006−200811)
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(503064431)株式会社ネットリサーチ (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年7月24日(2006.7.24)
【出願人】(503064431)株式会社ネットリサーチ (1)
【Fターム(参考)】
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