説明

携帯機器

【課題】携帯電話機器の記憶容量が圧迫される虞を低減する通信システムを提供すること。
【解決手段】
サーバーは、複数の携帯電話機器から位置情報を取得して一括して管理する。
携帯電話機器は、目的位置を設定した場合、現在位置を取得し、当該目的位置と現在位置とを結ぶ最良の経路の表示をサーバーへ要求する。
サーバーは、前記一括して管理している位置情報を検索して、要求してきた携帯電話機器に対して最適な検索結果情報を返す。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション機能を有する携帯機器に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、市場に流通している、たとえば携帯電話などの携帯機器は、GPS(Global Positioning System)を有し、ユーザに対して道を提示する機能を有している。
【0003】
また、同様にGPSによってナビゲーションを行っているカーナビゲーションの分野においては、たとえば自身の走行履歴を記憶し、当該記憶された走行履歴をユーザに提示する技術が存在する(たとえば特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−308395
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、履歴情報によって、カーナビゲーションの記憶容量が圧迫されてしまうという問題があった。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、複数の携帯機器と、当該複数の携帯機器と通信を行うサーバーと、を備える通信システムであって、前記携帯機器は、報知を行う報知部と、現在位置を示す位置情報を取得する位置取得部と、サーバーと通信可能な第1通信部と、任意の位置を目的位置として設定可能な目的位置設定部と、当該目的位置設定部によって設定された目的位置の目的位置情報と、前記位置取得部により取得された現在位置情報と、を前記第1通信部により前記サーバーへ送信させる第1制御部と、を備え、前記位置取得部は、所定周期で連続して複数の前記位置情報を取得し、前記第1制御部は、当該連続して取得された複数の位置情報を有する経路情報を前記第1通信部により前記サーバーへ送信させ、前記サーバーは、前記複数の携帯機器から複数の前記経路情報を取得し、または前記複数の携帯機器のうちの1つの所定の携帯機器から、前記現在位置情報および前記目的位置情報を受信する第2通信部と、当該第2通信部が複数の携帯機器から受信した前記複数の経路情報を記憶するサーバー記憶部と、前記第2通信部が受信した前記所定の携帯機器からの前記現在位置情報および前記目的位置情報が示す現在位置および目的位置が、前記複数の経路情報のいずれかに含まれる場合に、前記現在位置および前記目的位置が含まれる所定の経路情報を前記所定の携帯機器へ対して前記第2通信部に送信させる第2制御部と、を備え、前記報知部は、前記第2通信部より受信した前記所定の経路情報を報知する通信システムである。
【0007】
また、別観点による本発明は、報知を行う報知部と、現在位置を示す位置情報を取得する位置取得部と、サーバーと通信可能な第1通信部と、任意の位置を目的位置として設定可能な目的位置設定部と、当該目的位置設定部によって設定された目的位置の目的位置情報と、前記位置取得部により取得された現在位置情報と、を前記第1通信部により前記サーバーへ送信させる第1制御部と、を備え、前記位置取得部は、所定周期で連続して複数の前記位置情報を取得し、前記第1制御部は、当該連続して取得された複数の位置情報を有する経路情報を前記第1通信部により前記サーバーへ送信させ、前記第1通信部は、前記現在位置情報と前記目的位置情報とを受信したサーバーから、複数の携帯端末から取得された複数の経路情報の中から前記現在位置情報および前記目的位置情報を含む所定の経路情報を、受信し前記報知部は、受信した当該所定の経路情報を報知する携帯機器である。
【発明の効果】
【0008】
携帯電話機器の記憶容量が圧迫される虞を低減する通信システムを提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は、本発明の実施形態に係る携帯機器の一例である携帯電話機器1の外観斜視図である。
【図2】図2は、本発明に係る通信システムを模式的に表した図である。
【図3】図3は、当該通信システムを構成する携帯電話機器1とサーバー5のブロック図を示した図である。
【図4】図4(a)は、前述したナビゲーションプログラムが第1制御部41によって初めて実行される際の初期設定における、携帯電話機器1とサーバー5との動作の手順を示したシーケンス図である。図4(b)は、ナビゲーションプログラムの初期設定処理に基づいて、第1制御部41によってディスプレイ21に表示される所定の画面を示した図である。
【図5】図5(a)は、GPS受信部42によって所定周期で連続的に携帯電話機器1の現在位置を示す位置情報が取得される手順を示したフローチャートである。図5(b)は、サーバー記憶部54におけるグループ分けを模式的に示した図である。
【図6】図6は、携帯電話機器1によってナビゲーションプログラムが実行されて、本発明の実施形態に係る通信システムが、携帯電話機器1のユーザへ好適な情報を提供する様子を示したシーケンス図である。
【図7】図7は、サーバー記憶部54における、最良の経路と、連続的な位置情報との比較の様子を模式的に示した図である。
【図8】図8は、図6のステップS36のタイミングにおける第2制御部51のサーバー記憶部54による検索手順を示したフローチャートである。
【図9】図9は、検索結果情報に基づいた表示を行うディスプレイ21の様子を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る携帯機器の一例である携帯電話機器1の外観斜視図である。
図1に示すように、携帯電話機器1は、フロントケース2aとリアケース2bとにより外面が形成される操作部側筐体部2と、フロントケース3aとリアケース3bとにより外面が形成される表示部側筐体部3と、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを連結するヒンジ機構4と、を備えて構成される。
【0011】
操作部側筐体部2は、フロントケース2aの表面側に露出するように配設される操作ボタン群11と音声入力部12とを有して構成される。操作ボタン群11は、各種設定や電話帳機能やメール機能等の各種機能を作動させるための機能設定操作ボタン13と、数字や文字が割り当てられ、電話番号入力時やメール作成時等における文字入力時に用いられる入力操作ボタン14と、各種操作における決定やスクロール等を行う決定操作ボタン15と、から構成されている。また、操作部側筐体部2の側面には、イヤホンコネクタキャップ16と、外部機器と通信を行うためのインターフェース(図示せず)を覆うキャップ17とが設けられている。さらに、操作部側筐体部2の下端部には、充電用コネクタ(図示せず)を覆うキャップ18aと、一対の充電用接点部18bとが設けられている。なお、音声入力部12は、携帯電話機器1の使用者が通話時に発した音声を入力するために用いられる。
【0012】
表示部側筐体部3は、各種情報を表示するためのディスプレイ21と、通話の相手側の音声を出力する音声出力部22とを有して構成される。また、表示部側筐体部3の上端部には、他の携帯電話装置等との間で赤外線通信を行うための赤外線通信部23が設けられている。
【0013】
ヒンジ機構4は、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とが相対的に動くようにこれらを連結しており、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とが互いに開いた使用状態(開放状態)と、操作部側筐体部2の表面と表示部側筐体部3の表面とが互いに向き合った格納状態(折畳み状態)とに切り替えることができるように構成されている。
【0014】
本実施形態においては、通信機器の一例としてヒンジ機構4を介して操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とが相対的に動く、いわゆる折り畳み式の携帯電話機器1を挙げているが、本発明は、この形態に限られない。本発明は、例えば、折り畳み式ではなく、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを重ね合わせた状態から一方の筐体を一方向にスライドさせるようにしたスライド式や、重ね合せ方向に沿う軸線を中心に一方の筐体を回転させるようにした回転式や、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とを2軸ヒンジを介して連結したもの、さらには、操作部側筐体部2と表示部側筐体部3とが一つの筐体に配置されたもの(いわゆる、ストレートタイプ)であっても適用可能である。
【0015】
図2は、本発明に係る通信システムを模式的に表した図であり、図3は、当該通信システムを構成する携帯電話機器1とサーバー5のブロック図を示した図である。図2にて示されるように、サーバー5は、複数の携帯電話機器とインターネット6を介して接続されている。本実施形態では、サーバー5は、複数の携帯電話機器1、携帯電話機器1a、携帯電話機器1b、携帯電話機器1cと接続されるものとする。
【0016】
携帯電話機器1は、図1で説明した構成以外に、第1制御部41、GPS受信部42および第1通信部43を備えている。以下、特に断りがない限り、携帯電話機器1a、携帯電話機器1b、および携帯電話機器1cは、携帯電話機器1と同じ構成を有するものとする。
【0017】
GPS受信部42は、4つ以上のGPS衛星から送信される航法データを取得し、当該取得した航法データの示す情報に基づいて4つの連立方程式を立て、当該連立方程式の解を求めることにより、携帯電話機器1の現在位置を示す位置情報を取得する。
【0018】
また、後に図5を用いて説明するが、GPS受信部42は、たとえば数分の所定周期で連続的に携帯電話機器1の現在位置を示す位置情報を取得し続ける。つまり、GPS受信部42に記憶された複数の連続した位置情報は、携帯電話機器1の移動に伴い、図5(b)のように、携帯電話機器1の移動経路をなぞるようにGPS受信部42に記憶されることになる。
【0019】
ディスプレイ21は、各種情報を表示するために、たとえばLCD(Liquid Crystal Display)や、有機ELディスプレイ(Organic Electroluminescence Display)などから構成され、外部に対して情報を表示する機能を有する。後に詳述するが、ディスプレイ21は、たとえば、図4(b)に示す画像や、図9に示す画像を表示する。
【0020】
第1制御部41は、ナビゲーションプログラムを実行する。ナビゲーションプログラムとは、携帯電話機器1の現在位置から操作ボタン群11が入力を受け付けた目的位置の情報(目的位置情報)までの経路の情報を、サーバー5から取得してディスプレイ21に当該情報を表示するための各種処理のことを指し、当該処理に基づいてGPS受信部42、第1通信部43またはディスプレイ21を制御する。第1制御部41によって実行されるナビゲーションプログラムについては、後に図4、図5、図6、図7、図8および図9を用いて詳述する。
【0021】
第1通信部43は、インターネット6を経由してサーバー5と通信を行う。この第1通信部43は、前述した第1制御部41が実行するナビゲーションプログラムに基づいてサーバー5と無線通信を行う。この第1通信部43の動作についても後に図4、図5および図6を用いて説明する。
【0022】
サーバー5は、第2制御部51、第2通信部52、経路検索部53およびサーバー記憶部54を備えている。
【0023】
第2通信部52は、インターネット6を経由して、第1通信部43と無線通信を行う。具体的には、第2通信部52は、第1通信部43より位置情報や目的位置情報を受信する。また、経路検索部53によってサーバー記憶部54から検索された情報(経路情報)を、第1通信部43へ送信する機能も有する。
【0024】
経路検索部53は、第2通信部52が受信した携帯電話機器1の現在位置情報を示す現在位置と、操作ボタン群11によって設定された目的位置情報が示す目的位置と、を結ぶ最良(最短)な経路を検索する公知なプログラムを実行する。経路検索部53は、たとえば現在位置から目的位置までの道のりが最も短い経路を選択するプログラムを実行する。
【0025】
サーバー記憶部54は、GPS受信部42によって所定周期で連続的に取得される携帯電話機器1、携帯電話機器1a、携帯電話機器1bおよび携帯電話機器1cの位置情報を、第1通信部43、インターネット6および第2通信部52を経由して、取得して記憶する。また、サーバー記憶部54は、GPS受信部42によって取得された位置情報を、当該位置情報がGPS受信部42によって取得されるたびに、または一定数の位置情報がGPS受信部42によって取得される毎に、第1通信部43、インターネット6および第2通信部52を経由して、取得して記憶する。また、サーバー記憶部54は、所定周期で連続的に取得される携帯電話機器1、携帯電話機器1a、携帯電話機器1bおよび携帯電話機器1cの位置情報を、携帯電話機器1、携帯電話機器1a、携帯電話機器1bおよび携帯電話機器1cそれぞれが属するグループ毎に分けて記憶する。これら携帯電話機器1、携帯電話機器1a、携帯電話機器1bおよび携帯電話機器1cがどのようにグループ分けされるかについては後に図4および図5を用いて説明する。
【0026】
第2制御部51は、経路検索部53によって検索された経路と、サーバー記憶部54に記憶されている位置情報(経路情報)とを比較するプログラムを実行する。具体的には、第2制御部51は、経路検索部53によって検索された経路上に、サーバー記憶部54によって所定周期で連続的に取得された携帯電話機器1の位置情報が重なっているか否かを判断する。もし、前記経路と前記位置情報とが重なっていた場合、第2制御部51は、当該重なった位置情報(経路情報)を第2通信部52に携帯電話機器1へ向けて送信させる。第2制御部51の動作については、後に図6および図8を用いて説明する。
【0027】
図4(a)は、前述したナビゲーションプログラムが第1制御部41によって初めて実行される際の初期設定における、携帯電話機器1とサーバー5との動作の手順を示したシーケンス図である。
【0028】
第1制御部41は、操作ボタン群11に対してナビゲーションプログラム起動の入力が行われると、ナビゲーションプログラムを起動する(S1)。すると、第1制御部41は、ナビゲーションプログラムの初期設定処理に基づいて、ディスプレイ21に所定の画面を表示させる。図4(b)は、ナビゲーションプログラムの初期設定処理に基づいて、第1制御部41によってディスプレイ21に表示される所定の画面を示した図である。図4(b)に示されるように、ディスプレイ21は、たとえば携帯電話機器1の所有者の年齢と性別との入力を求める表示を行う。ディスプレイ21が当該表示を行っている際に、操作ボタン群11が年齢および性別の入力を受け付けると(S2)、当該年齢および性別は、第1通信部43によって第2通信部52に送信される(S3)。なお、本実施形態では、携帯電話機器1が受け付けた年齢は20代、性別は男であるとする。携帯電話機器1から年齢および性別のデータを受信すると、第2通信部52は、サーバー記憶部54へ「携帯電話機器1は20代男」というデータをサーバー記憶部54へ送出する。サーバー記憶部54は、例えば「20代男、20代女、30代男、30代女、40代男・・・」というグループ毎に携帯電話機器1、携帯電話機器1a、携帯電話機器1bおよび携帯電話機器1cの位置情報を記憶できるようになっており、第2通信部52から「携帯電話機器1は20代男」というデータを受信したら、サーバー記憶部54は、以後携帯電話機器1から受信する位置情報を、「20代男」というグループに記憶するように設定する(S4)。つまり、本初期設定が終了した後に、GPS受信部42によって所定周期で連続的に携帯電話機器1の現在位置を示す位置情報がされて当該複数の連続した位置情報続がサーバー記憶部54に記憶される場合には、当該連続した位置情報は、サーバー記憶部54の「20代男」というカテゴリーに記憶される(詳しくは図5にて説明する)。
【0029】
なお、同様に携帯電話機器1a、携帯電話機器1bおよび携帯電話機器1cにおいても、初期設定が行われる際には携帯電話機器1と同様の入力が行われる。本実施形態では、携帯電話機器1aの位置情報は「20代男」、携帯電話機器1bの位置情報「20代女」、携帯電話機器1cの位置情報は「30代男」というグループに記憶されるように、サーバー記憶部54によって設定されるとする。
【0030】
第2通信部52は、サーバー記憶部54によるステップS4の処理が終了すると、当該処理が終了した旨を第1通信部43に送信する。そして、第1制御部41は、第1通信部43が前記終了した旨を受信すると(S5)、ナビゲーションプログラムの初期設定処理を終了させる(S6)。
【0031】
図5(a)は、GPS受信部42によって所定周期で連続的に携帯電話機器1の現在位置を示す位置情報が取得される手順を示したフローチャートである。
【0032】
図4にて示された初期設定が済んだ携帯電話機器1は、電源がオンにされると(S21)、第1制御部41によってナビゲーションプログラムを起動する。そして、第1制御部41は、GPS受信部42を起動し(S22)、GPS受信部42に現在位置を示す位置情報を取得させる(S23)。そして、GPS受信部42は、位置(緯度、経度)と同時に当該位置(緯度、経度)が取得された時刻も併せて記憶し、位置(緯度、経度)の情報と当該位置が取得された時刻の情報とを備える位置情報を作成する。
【0033】
GPS受信部42によって位置情報が取得されると、第1通信部43は、当該位置情報を第2通信部52へ送信する(S24)。そして、第2通信部52へ送信された携帯電話機器1の位置情報は、前述したサーバー記憶部54の「20代男」というグループ内に記憶される。
【0034】
位置情報のサーバー5への送信が終わった後、GPS受信部42は、所定周期の期間(所定期間)分だけ位置情報の取得を待つ(S25)。そして、ステップS25の処理が終わった後に、再びステップS23の処理を開始し、前述した処理を繰り返す。なお、前述したように、位置情報のサーバー5への送信は、図5(a)に示したように一つの位置情報が取得されるたびに行われても良いし、不図示の方法ではあるがある程度まとまった数の位置情報がGPS受信部42に蓄積された後に、一括して行われても良い。
【0035】
図5(b)は、サーバー記憶部54におけるグループ分けを模式的に地図にて示した図である。前述した処理が繰り返されることによって、携帯電話機器1によって取得された位置情報は所定周期で連続的に複数個取得されたものとなるため、図5(b)のように模式的にサーバー記憶部54の記憶されている様子を示すと、携帯電話機器1によって取得された位置情報は、サーバー記憶部54の「20代男」というグループ内の地図において点描された軌跡を描くこととなる。本実施形態では、携帯電話機器1によって取得された所定周期の連続的な位置情報は、たとえば図5(b)における星印で示されたような軌跡Xを描くとする。また、前述したように携帯電話機器1aも「20代男」というグループに属しているため、携帯電話機器1aの備えるGPS受信部42による所定周期の連続的な位置情報は、サーバー記憶部54の「20代男」というグループに記憶される。
【0036】
本実施形態では携帯電話機器1aのGPS受信部42によって取得された所定周期の連続的な位置情報は、図5(b)の丸印で示されたような軌跡Yを描くこととする。
【0037】
図6は、携帯電話機器1によってナビゲーションプログラムが実行されて、本発明の実施形態に係る通信システムが、携帯電話機器1のユーザにとって好適な情報を提供する様子を示したシーケンス図である。
【0038】
まず、第1制御部41は、操作ボタン群11より入力を受け付けることにより、ナビゲーションプログラムを起動する(S31)。次に、第1制御部41は、操作ボタン群11から目的位置が入力されるのを待ち受ける(S32)。このとき、第1制御部41は、たとえばディスプレイ21に地図などを表示して、ユーザに対して目的位置を設定させ易くするような処理を行ってもよい。
【0039】
ステップS32によって、目的位置が設定された後、第1制御部41は、GPS受信部42に現在位置を取得させる(S33)。そして、目的位置を示す目的位置情報と、GPS受信部42で取得された現在の位置を示す現在位置情報とを、サーバー5へ向けて送信する(S34)。なお、ステップS32とステップS33の処理は逆の順番で行われても良い。
【0040】
携帯電話機器1から現在位置情報と目的位置情報とを取得したサーバー5は、経路検索部53に、現在位置情報が示す位置と目的位置情報が示す位置とを結ぶ最良の経路を検索させる(S35)。
【0041】
ステップS35にて、経路検索部53が最良の経路を選択した後、第2制御部51は、当該最良の経路と、サーバー記憶部54に記憶された、複数種の連続的な位置情報と、を比較する(S36)。図7は、サーバー記憶部54における、最良の経路と、連続的な位置情報との比較の様子を模式的に地図にて示した図である。図7中の経路αは、経路検索部53によって検索された、現在位置(図中の「現」と表示された場所)と目的位置(図中の「目」と表示された場所)とを結ぶ経路を指す。本実施形態では、図7に示すように星印で示された携帯電話機器1による連続した位置情報と経路αとが重なるとする。このような場合、第2制御部51は、経路αと重なった携帯電話機器1の連続的な位置情報を、検索結果情報(経路情報)とする。
【0042】
ところで、前述したように、サーバー記憶部54には、携帯電話機器1の連続的な位置情報のほかに、携帯電話機器1a、携帯電話機器1bおよび携帯電話機器1cなどの連続的な位置情報も記憶されている。これらの位置情報は、やはりステップS36に用いられる情報であるが、これら位置情報の取り扱いについては、後に図8を用いて詳述する。
【0043】
ステップS36において、第2制御部51が検索結果情報を出力した後、当該検索結果情報は、第2通信部52、インターネット6を介して携帯電話機器1に送信される(S37)。
【0044】
そして、ステップS37によって携帯電話機器1に送信された検索結果情報は、ディスプレイ21によって表示される(S38)。図9は、検索結果情報に基づいた表示を行うディスプレイ21の様子を示した図である。
【0045】
ディスプレイ21は、ステップS36のタイミングにおいて第2制御部51によって検索された経路αと重なった携帯電話機器1の連続的な位置情報を表示する。また、前述したように位置情報は、当該位置情報が取得された時刻を示す時刻情報をも含んでいる。従って、サーバー記憶部54に記憶された複数の位置情報間の時間を算出したり、携帯電話機器1へ送信された位置情報の数に前述した所定周期の時間を乗じたりすることによって計算される、現在位置から目的位置までの所要時間を、ディスプレイ21は表示しても良い。
【0046】
図8は、図6のステップS36のタイミングにおける第2制御部51のサーバー記憶部54による検索手順を示したフローチャートである。図6を用いた説明では、経路検索部53によって検索された経路αと携帯電話機器1の連続した位置情報とが重なる場合には当該携帯電話機器1の連続した位置情報を検索結果情報として出力すると説明したが(S41/Y、S42)、たとえば携帯電話機器1の所有者が全く行ったことのない場所を目的位置として設定した場合には、経路αは携帯電話機器1の連続した位置情報と重ならないことが考えられる(S41/N)。
【0047】
このような場合、第2制御部51は、経路αと、携帯電話機器1が属するグループと同じ携帯電話機器によって取得された連続的な位置情報と、を比較する。具体的には、本実施形態においては、携帯電話機器1aは、携帯電話機器1と同じ「20代男」というグループに属しているので、もし携帯電話機器1aの連続した位置情報が前記経路αと重なっているのであれば、第2制御部51は、経路αと重なっている携帯電話機器1aの連続した位置情報を、検索結果情報とする(S43/Y、S44)。
【0048】
なお、当該検索結果情報には、当該情報が携帯電話機器1のグループと同グループの他の端末に基づいて出力された結果である旨が含まれても良い。そして、ディスプレイ21は、たとえば、検索結果情報の表示の際に、当該情報が携帯電話機器1と同グループの他の端末に基づいて出力された結果である旨も併せて表示しても良い。
【0049】
さらに、もし、同じグループの携帯電話機器の連続した位置情報も、前記経路αと重ならない場合には(S43/N)、第2制御部51は、他のグループの携帯電話機器の連続した位置情報と経路αとを比較する(S45)。本実施形態においては、携帯電話機器1bと携帯電話機器1cとが携帯電話機器1とは異なるグループに属しているため、第2制御部51は、経路αと携帯電話機器1bの連続した位置情報とを、または経路αと携帯電話機器1cの連続した位置情報とを比較する。そして、ステップS41、S43と同様に、もし携帯電話機器1bまたは携帯電話機器1cの連続した位置情報が前記経路αと重なっているのであれば、第2制御部51は、経路αと重なっている携帯電話機器1bまたは携帯電話機器1cの連続した位置情報を、検索結果情報とする(S45/Y、S46)。
【0050】
なお、当該検索結果情報には、当該情報が携帯電話機器1のグループと違う他のグループの他の端末に基づいて出力された結果である旨が含まれても良い。そして、ディスプレイ21は、たとえば、検索結果情報の表示の際に、当該情報が携帯電話機器1のグループと違う他のグループの他の端末に基づいて出力された結果である旨も併せて表示しても良い。
【0051】
さらに、携帯電話機器1と異なるグループの携帯電話機器の連続した位置情報も前記経路αと重ならない場合には(S45/N)、サーバー記憶部54には、ユーザに提示できる位置情報が記憶されていない旨の検索結果情報を出力する(S47)。当該検索結果情報に基づいた場合、ディスプレイ21は、たとえば「ルート案内できません」などの表示を行う。
【0052】
以上のようにして、本実施形態に記載された通信システムは、サーバーが位置情報を記憶するため、連続した位置情報である履歴情報によって携帯電話機器の記憶容量が圧迫される虞を低減することが出来る。
【0053】
また、本実施形態に記載された通信システムによれば、他の携帯電話機器とも履歴情報を共有できるため、たとえユーザが一度も行ったことがない場所においても、好適な情報を、ディスプレイ21を介してユーザに提示することが可能となる。
【0054】
さらに、本実施形態に記載された通信システムによれば、携帯電話機器毎に、当該携帯電話機器のユーザの個人情報に基づいてグループ分けを行って当該グループ内で連続した位置情報(履歴情報)を検索するため、よりユーザに最適な経路や所要時間を提供することが可能となる。
【0055】
なお、個人情報として本実施形態では性別や年齢を用いた説明を行ったものの、たとえば個人情報として「歩幅」や「歩くスピード」など、移動に関するパラメータであれば何が設定されても良い。
【0056】
なお、本実施形態においては、経路検索部53はサーバー5に備えられる形態を記載したものの、例えば経路検索部53は、携帯電話機器1に備えられていても良い。この場合、携帯電話機器1はサーバー5に対して経路αの情報を送信し、サーバー5においては、第2制御部51が当該経路αとサーバー記憶部54内の位置情報との比較を行うこととなる。
【0057】
また、本実施形態は、前述したようにサーバー5が経路検索部53を有しているものの、経路検索部53そのものは無くても良い。たとえば、所定の携帯電話機器1から目的位置情報および現在位置情報を取得した後、第2制御部51は、サーバー記憶部54に記憶されている複数の経路情報の中から前記現在位置情報と前記目的位置情報が重なっている所定の経路情報を選択するようにしても良い。この場合、第2制御部51は、当該重なっている経路情報を、検索結果情報の代わりに第2通信部52に所定の携帯機器1へ向けて送信する。そして、当該経路情報は、検索結果情報の代わりに、ディスプレイ21によって表示されてもよい。
【符号の説明】
【0058】
1 携帯電話機器 (携帯機器)
1a 携帯電話機器 (携帯機器)
1b 携帯電話機器 (携帯機器)
1c 携帯電話機器 (携帯機器)
11 操作ボタン群 (操作部 目的位置設定部)
12 音声入力部
13 機能設定操作ボタン
14 入力操作ボタン
15 決定操作ボタン
16 イヤホンコネクタキャップ
17 キャップ
18a キャップ
18b 充電用接点部
2 操作部側筐体部
2a フロントケース
2b リアケース
21 ディスプレイ
22 音声出力部
23 赤外線通信部
3 表示部側筐体部
3a フロントケース
3b リアケース
4 ヒンジ機構
41 第1制御部
42 GPS受信部 (位置取得部)
43 第1通信部
5 サーバー
51 第2制御部
52 第2通信部
53 経路検索部
54 サーバー記憶部
6 インターネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の携帯機器と、当該複数の携帯機器と通信を行うサーバーと、を備える通信システムであって、
前記携帯機器は、
報知を行う報知部と、
現在位置を示す位置情報を取得する位置取得部と、
サーバーと通信可能な第1通信部と、
任意の位置を目的位置として設定可能な目的位置設定部と、
当該目的位置設定部によって設定された目的位置の目的位置情報と、前記位置取得部により取得された現在位置情報と、を前記第1通信部により前記サーバーへ送信させる第1制御部と、
を備え、
前記位置取得部は、所定周期で連続して複数の前記位置情報を取得し、
前記第1制御部は、当該連続して取得された複数の位置情報を有する経路情報を前記第1通信部により前記サーバーへ送信させ、
前記サーバーは、
前記複数の携帯機器から複数の前記経路情報を取得し、または前記複数の携帯機器のうちの1つの所定の携帯機器から、前記現在位置情報および前記目的位置情報を受信する第2通信部と、
当該第2通信部が複数の携帯機器から受信した前記複数の経路情報を記憶するサーバー記憶部と、
前記第2通信部が受信した前記所定の携帯機器からの前記現在位置情報および前記目的位置情報が示す現在位置および目的位置が、前記複数の経路情報のいずれかに含まれる場合に、前記現在位置および前記目的位置が含まれる所定の経路情報を前記所定の携帯機器へ対して前記第2通信部に送信させる第2制御部と、
を備え、
前記報知部は、前記第2通信部より受信した前記所定の経路情報を報知する
通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムであって、
前記携帯機器は、当該携帯機器のユーザの個人情報の入力を受け付ける操作部を備え、
前記第1通信部は、前記ユーザの個人情報を前記サーバーへ送信し、
前記サーバー記憶部は、前記複数の携帯機器から送信されてくる前記経路情報を前記複数の携帯機器から送信される個人情報に基づいてグループ分けを行ったうえで記憶し、
前記第2制御部は、前記所定の携帯機器から前記現在位置情報および前記目的位置情報を受信した場合に、当該所定の携帯機器の属するグループと同じグループの携帯機器から取得した経路情報の中の前記所定の経路情報を前記所定の携帯機器へ対して前記第2通信部に送信させる
通信システム。
【請求項3】
請求項2に記載の通信システムであって、
前記サーバー記憶部は、前記個人情報としての性別と年齢とに基づいて、前記複数の携帯機器から送信される複数の経路情報をグループ分けする
通信システム。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の通信システムであって、
前記経路情報は、連続して取得された複数の位置情報と、当該複数の位置情報それぞれが取得された時刻の情報である複数の時刻情報と、を備え、
前記第1制御部は、前記第2通信部より受信した前記所定の経路情報が備える複数の前記時刻情報の差分から移動所要時間を算出し、
前記報知部は、当該移動所要時間を報知する
通信システム。
【請求項5】
報知を行う報知部と、
現在位置を示す位置情報を取得する位置取得部と、
サーバーと通信可能な第1通信部と、
任意の位置を目的位置として設定可能な目的位置設定部と、
当該目的位置設定部によって設定された目的位置の目的位置情報と、前記位置取得部により取得された現在位置情報と、を前記第1通信部により前記サーバーへ送信させる第1制御部と、
を備え、
前記位置取得部は、所定周期で連続して複数の前記位置情報を取得し、
前記第1制御部は、当該連続して取得された複数の位置情報を有する経路情報を前記第1通信部により前記サーバーへ送信させ、
前記第1通信部は、前記現在位置情報と前記目的位置情報とを受信したサーバーから、複数の携帯端末から取得された複数の経路情報の中から前記現在位置情報および前記目的位置情報を含む所定の経路情報を、受信し
前記報知部は、受信した当該所定の経路情報を報知する
携帯機器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2011−127941(P2011−127941A)
【公開日】平成23年6月30日(2011.6.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−284679(P2009−284679)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】