説明

携帯機用地図表示装置

【課題】実際に携帯機の保持者の目に見える景観を3次元地図として表示画面に表示することができること。
【解決手段】コンピュータ220は、携帯電話装置300の現在位置、表示画面210の傾斜角、及び携帯電話装置300の方位に基づいて、携帯電話装置300の保持者が表示画面210後方において視認すると想定される仮想視野範囲を算出する。この算出された仮想視野範囲を、携帯電話装置300の保持者の視線位置から見た場合の景観に対応するように、表示画面210に3次元地図を表示することができるようにした。これにより、実際に携帯電話装置300の保持者の目に見える景観を3次元地図として表示画面210に表示することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯機用地図表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、地図表示の表現力を十分に高めることができ、しかも、特別な操作スイッチを必要とせずに、通常の表示と表現力を高めた表示を切り換える地図表示装置が提案されている(例えば、特許文献1参照。)。この特許文献1に開示されている地図表示装置によれば、例えば、2次元地図を表示するための2次元地図データ、及び3次元地図を表示するための3次元地図データを記憶する地図情報記憶部と、表示部と、当該装置の傾斜角度を感知する傾斜感知部とを備え、感知された傾斜角度に基づいて、制御部は地図情報記憶部より対応する2次元地図データまたは3次元地図データを読み出して2次元地図または3次元地図を表示する。
【0003】
具体的には、傾斜感知部は、当該装置が地面に対して「垂直状態」になった場合には、アクティブ信号を制御部に出力し、「水平状態」になった場合には、インアクティブ信号を制御部に出力する。制御部は、傾斜感知部からインアクティブ信号/アクティブ信号が出力された場合、地図情報記憶部から2次元地図データ/3次元地図データを読み出し、表示部の画面に2次元地図/3次元地図を表示する。
【特許文献1】特開2004−151752号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上述したように、従来の装置では、特別な操作スイッチを必要とせずに、地図表示の表現力を十分に高めるために、従来の装置の傾斜角度が「水平状態」であるか「垂直状態」であるかに基づいて、2次元地図と3次元地図とを切り換えて表示するに過ぎなかった。また、当該3次元地図は、ユーザの視点位置等は何ら考慮していない鳥瞰図であった。従って、例えば、従来の装置を「垂直状態」以上に傾けた場合であっても、表示される3次元地図は同じものであった。すなわち、実際にユーザの目に見える景色と3次元地図とは異なるものであった。
【0005】
本発明は、上述した点に鑑みてなされたもので、実際に携帯機の保持者の目に見える景観を3次元地図として表示画面に表示することが可能な携帯機用地図表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、請求項1に記載の携帯機用地図表示装置は、
表示画面を有する携帯機に適用され、表示画面に3次元地図を表示する携帯機用地図表示装置であって、
3次元地図を表示するための地図データを記憶する携帯機用地図データ記憶手段と、
携帯機の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
携帯機の表示画面の傾斜角を検出する傾斜角検出手段と、
携帯機の保持者が表示画面を見る方向を、携帯機の方位として検出する方位検出手段と、
携帯機の現在位置、表示画面の傾斜角、及び携帯機の方位に基づいて、携帯機の保持者が表示画面後方において視認すると想定される視野範囲を算出する算出手段と、
算出手段によって算出された視野範囲を、携帯機の保持者の視線位置から見た場合の景観に対応するように、地図データに基づいて表示画面に3次元地図を表示させる地図表示制御手段とを備えることを特徴とする。
【0007】
上述したように、請求項1に記載の携帯機用地図表示装置では、携帯機の現在位置、表示画面の傾斜角、及び携帯機の方位に基づいて、携帯機の保持者が表示画面後方において視認すると想定される視野範囲が算出される。この算出された視野範囲を、携帯機の保持者の視線位置から見た場合の景観に対応するように、表示画面に3次元地図が表示される。これにより、実際に携帯機の保持者の目に見える景観を3次元地図として表示画面に表示することができる。
【0008】
請求項2に記載したように、携帯機用地図データ記憶手段は、2次元地図を表示するための地図データを有し、携帯機の保持者が、表示画面を地面と水平となるまで傾けた場合、地図表示制御手段は、表示画面に、携帯機の現在位置を基準とする2次元地図を表示することもできる。これにより、表示画面が地面と水平となるまで傾けられた場合、表示画面には、2次元地図が表示される。
【0009】
請求項3に記載したように、携帯機の保持者と、携帯機との距離を計測する距離計測手段を有し、算出手段は、距離計測手段によって計測される距離が短くなるほど、視野範囲が大きくなるように、視野範囲を算出することもできる。これにより、より精度の高い視野範囲を算出することができる。
【0010】
請求項4に記載したように、携帯機用地図表示装置は、車載ナビゲーション装置と携帯機用地図表示装置とからなる携帯機用地図表示システムに適用されるものであって、車載ナビゲーション装置は、3次元地図に関する地図データを記憶する地図データ記憶手段と、携帯機用地図表示装置に対して、地図データを送信するナビ用送信手段とを備えるものであり、携帯機用地図表示装置は、車載ナビゲーション装置から送信された地図データを受信する携帯機用受信手段を備え、携帯機用地図データ記憶手段は、受信した地図データを記憶することが好ましい。このように、携帯機用地図表示装置は、車載ナビゲーション装置から3次元地図に関する地図データを受信し、受信した地図データを記憶することができる。
【0011】
請求項5に記載したように、車載ナビゲーション装置は、携帯機用地図表示装置から地図データを送信すべき所望の区域を示す区域データを受信するナビ用受信手段を備え、ナビ用送信手段は、ナビ用受信手段が区域データを受信した場合、所望の区域に該当する地図データを送信するものであり、携帯機用地図表示装置は、携帯機の保持者によって所望の区域を選択させる選択手段と、車載ナビゲーション装置に対して、選択された所望の区域を示す区域データを送信する携帯機用送信手段とを備え、携帯機用受信手段は、ナビ用送信手段から所望の区域に該当する地図データを受信することもできる。このようにすることにより、携帯機の保持者の所望の区域に該当する地図データを取得することができる。
【0012】
請求項6に記載したように、地図データは、地図データ上の施設に関する施設データを含み、施設データに基づいて、歩行者用目的地を設定する歩行者用目的地設定手段と、地図データに基づいて、歩行者用出発地から歩行者用目的地までの歩行者用案内経路を探索する携帯機用歩行者用案内経路探索手段とを備えることが好ましい。このように、歩行者用案内経路を探索することができる。
【0013】
請求項7に記載したように、車載ナビゲーション装置は、地図データ記憶手段は、地図データ上の施設に関する施設データを記憶し、施設データに基づいて、最終目的地を設定する最終目的地設定手段と、設定された最終目的地に対応する施設に駐車場が不設である場合、最終目的地周辺における駐車場を検索する駐車場検索手段と、検索された駐車場を車両用目的地として設定する車両用目的地設定手段と、出発地から車両用目的地までの車両用案内経路を探索する車両用案内経路探索手段と、車両用目的地から最終目的地までの歩行者用案内経路を探索するナビ用歩行者用案内経路探索手段とを備え、ナビ用送信手段は、携帯機用地図表示装置に対して、歩行者用案内経路、及び歩行者用案内経路に関する地図データを送信するものであり、携帯機用受信手段は、車載ナビゲーション装置から送信された歩行者用案内経路、及び歩行者用案内経路に関する地図データを受信し、携帯機用地図データ記憶手段は、受信した歩行者用案内経路に関する地図データを記憶し、携帯機用地図表示装置は、さらに、受信した歩行者用案内経路を記憶する歩行者用案内経路記憶手段を備えることが好ましい。このようにすることにより、車載ナビゲーション装置から歩行者用案内経路、及び歩行者用案内経路に関する地図データを受信及び記憶することができる。
【0014】
請求項8に記載したように、地図データは、3次元地図上の3次元オブジェクトをポリゴンで形成したポリゴンデータと、3次元オブジェクトを実際の景観に近づけるために、ポリゴンデータに対してポリゴン表面に模様をつけるためのデータであるテクスチャデータと、3次元地図上の空を表示するためのデータである空表示用データを含むことが好ましい。これらのデータを用いることによって、3次元地図を生成することができる。
【0015】
請求項9に記載したように、車載ナビゲーション装置において、地図データ記憶手段は、地図データとして、昼間用地図データ及び夜間用地図データを記憶し、ナビ用送信手段は、携帯機用地図表示装置に対して、現在時刻に応じて、昼間用地図データまたは夜間用地図データのいずれか一方を送信するものであり、携帯機用受信手段は、車載ナビゲーション装置から送信された昼間用地図データまたは夜間用地図データのいずれか一方を受信することが好ましい。これにより、携帯機用地図表示装置は、現在時刻に応じた、昼間用地図データまたは夜間用地図データのいずれか一方を受信することができる。
【0016】
請求項10に記載したように、昼間用地図データは、テクスチャデータとして、昼間用テクスチャデータと、空表示用データとして、昼空表示用データとを含み、夜間用地図データは、テクスチャデータとして、夜間用テクスチャデータと、空表示用データとして、夜空表示用データとを含むことが好ましい。このようにすることにより、昼間用地図データを用いることによって、昼間用3次元地図を生成することができる。また、夜間用地図データを用いることによって、夜間用3次元地図を生成することができる。
【0017】
請求項11に記載したように、夜間用テクスチャデータは、照明に関する模様をつけるためのものであることが好ましい。これにより、例えば、照明に関する模様として、看板のネオンライトをつけることによって、携帯機の保持者はビルを特定することができる。
【0018】
請求項12に記載したように、昼空表示用データは、現在の年月日及び時刻に応じて、太陽位置を異ならせ、夜空表示用データは、現在の年月日及び時刻に応じて、月と星座との位置、及び星座の種類を異ならせることができる。このようにすることにより、現在の年月日及び時刻に応じた、正確な太陽位置などを携帯機の保持者が把握することができる。
【0019】
請求項13に記載したように、夜空表示用データは、所定の区域において、空気の汚れ度合を示すものであっても良い。例えば、都心などでは、空気が汚れているためである。これにより、より精度の高い夜空を3次元地図上に表示することができる。
【0020】
請求項14に記載したように、探索された歩行者用案内経路に基づいて、歩行者用経路案内を行なう歩行者用経路案内手段を備えることが好ましい。これにより、携帯機の保持者に対して、歩行者用経路案内を行なうことができる。
【0021】
請求項15に記載したように、表示画面は、コントラストを変更可能に構成されており、表示制御手段は、歩行者用案内経路を、歩行者用案内経路に該当する道路データに重ねて強調表示し、歩行者用案内経路における進行方向を含む表示範囲のコントラストを明るく変更しても良い。これにより、携帯機の保持者は、明確に歩行者用案内経路における進行方向を把握することができる。
【0022】
請求項16に記載したように、表示制御手段は、歩行者用案内経路沿いにおける3次元オブジェクトのみ表示することもできる。このようにすることにより、携帯機の保持者は、歩行者用案内経路における進行方向を明確に把握可能である。
【0023】
請求項17に記載したように、携帯機の現在位置の変化に基づいて、携帯機の保持者が歩行中であるか否かを判定する判定手段を備え、判定手段によって携帯機の保持者が歩行中であると判定された場合、表示制御手段に対して、3次元地図の表示を中止するよう指示する指示手段を備えることもできる。これにより、携帯機の保持者が歩行中に、仮想視野範囲に応じた3次元地図を見ようと試みた場合、当該3次元地図が表示画面に表示されなくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(第1実施形態)
以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照して説明する。本実施形態では、携帯機用地図表示装置が携帯電話に適用された例を説明する。図1は、本実施形態による携帯電話装置300の概略構成を示すブロック図である。以下、本実施形態による携帯電話装置300について詳細に説明する。
【0025】
図1に示すように、携帯電話装置300は、表示画面210、GPS受信機211、地磁気センサ212、傾斜角センサ213、コンピュータ220、第1の記憶部230、第2の記憶部240、第3の記憶部245、操作部250、音声出力部260、通信部270を備えている。また、通信部270は、車載ナビゲーション装置100との通信を行なう。
【0026】
まず、車載ナビゲーション装置100の概略構成について、図2を用いて説明する。図2は、本実施形態による車載ナビゲーション装置100の概略構成を示すブロック図である。
【0027】
図2に示すように、車載ナビゲーション装置100は、位置検出器10、デジタル道路地図データベース20、コンピュータ30、表示部40、操作スイッチ群50、音声出力部60、音声入力部70、記憶装置80、及び通信機90を備えている。
【0028】
コンピュータ30は、内部には周知のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインを備えている。ROMには、コンピュータ30が実行するためのプログラムが書き込まれており、このプログラムに従ってCPU等が所定の演算処理を実行する。
【0029】
位置検出器10は、衛星からの電波に基づいて車両の位置を測定するグローバルポジショニングシステム(GPS)のためのGPS受信機11、車両の絶対方位を検出するための地磁気センサ12、車両の相対方位を検出するためのステアリングセンサ13を有している。さらに、位置検出器10は、車両の走行速度から走行距離を検出するために車速センサ14を備えている。
【0030】
このように、位置検出器10は、電波航法による車両位置測定のためにGPS受信機11を有するとともに、自立航法による車両位置推定のために地磁気センサ12、ステアリングセンサ13及び車速センサ14を有している。また、電波航法としては、GPSに限らず、例えばVICSの光ビーコンを利用しても良い。また、自立航法における車両の相対方位を検出するために、ステアリングセンサ13に代えて、ジャイロセンサや車両の左右輪に設けられた車輪速センサを用いても良い。
【0031】
デジタル道路地図データベース20は、3次元地図データ、ポリゴンデータ、テクスチャデータ、背景データ、文字データ、及び施設データなどの各種の地図データをコンピュータ30に入力するための装置である。デジタル道路地図データベース20は、デジタル地図データを記憶する情報記憶媒体21を有し、情報記憶媒体21としては、そのデータ量からCD−ROMまたはDVD−ROMを用いるのが一般的であるが、メモリカード、ハードディスク等を用いてもよい。
【0032】
ここで、デジタル道路地図データベース20の記憶媒体に記憶されている3次元地図データについて、簡単に説明する。まず、3次元地図データは、複数の道路が交差、合流、分岐する地点に関するノードデータと、その地点間を結ぶ道路に関するリンクデータを有する。ノードデータは、ノード毎に固有の番号を付したノードID、ノード座標(緯度・経度・高度)、ノード名称、ノードに接続する全てのリンクのリンクIDが記述される接続リンクID、及び交差点種類などの各データから構成される。また、リンクデータは、道路毎に固有の番号を付したリンクID、リンク長、始点及び終点座標(緯度・経度・高度)、高速道路や一般道路などの道路種別、道路幅員、リンク旅行時間などの各データから構成されている。
【0033】
ポリゴンデータは、地形、建造物等の施設、道路等の3次元オブジェクトをポリゴンで形成したものである。なお、ポリゴンデータにおける各3次元オブジェクトには、緯度、経度、高度の座標が付与されており、上述した3次元地図データと対応している。
【0034】
テクスチャデータは、地形、建造物等の施設、道路等の3次元オブジェクトを実際の景観に近づけるために、上述したポリゴンデータに対して、ポリゴン表面に模様をつけるためのデータである。
【0035】
背景データは、3次元地図を表示部40に表示する際に、建造物等の施設、道路等の3次元オブジェクト以外の表示対象となる背景を表示するためのデータである。なお、本実施形態には、背景データの1つとして、3次元地図上の空を表示するための空表示用データがある。これらのデータを用いることによって、3次元地図を生成することができる。
【0036】
文字データは、地名、施設名、道路名等を道路地図上に表示するためのものであり、表示位置に対応する地図上の座標を関連付けたデータとして構成している。
【0037】
施設データは、施設の検索に用いられるものであり、施設種類、施設名称、緯度・経度の座標、駐車場フラグ等の各データから構成されている。施設データにおける駐車場フラグは、当該施設データに対応する施設に駐車場が設けられている場合には、「1」にセットされ、当該施設に駐車場が設けられていない場合には、「0」にセットされる。
【0038】
なお、地図データは、昼間用地図データ及び夜間用地図データがある。昼間用地図データは、テクスチャデータとして、昼間用テクスチャデータと、空表示用データとして、昼空表示用データを含み、夜間用地図データは、テクスチャデータとして、夜間用テクスチャデータと、空表示用データとして、夜空表示用データを含む。このようにすることにより、昼間用地図データを用いることによって、昼間用3次元地図を生成することができる。また、夜間用地図データを用いることによって、夜間用3次元地図を生成することができる。
【0039】
なお、昼間用テクスチャデータと夜間用テクスチャデータとの相違として、例えば、夜間用テクスチャデータは、施設の3次元オブジェクトを示すポリゴンデータに対して、室内の照明や看板のネオンサインなどの照明に関する模様をつけるためのものである。これにより、夜間らしい実際の景観に近づけることができる。このように、照明に関する模様として、看板のネオンライトをつけることによって、携帯電話装置300の保持者はビルを特定することができる。
【0040】
また、昼空表示用データは、現在の年月日及び時刻に応じて、太陽位置を異ならせ、夜空表示用データは、現在の年月日及び時刻に応じて、月と星座との位置、及び星座の種類を異ならせる。このようにすることにより、現在の年月日及び時刻に応じた、正確な太陽位置などを携帯電話装置300の保持者が把握することができる。
【0041】
さらに、夜空表示用データは、夜空表示用データは、所定の区域において、空気の汚れ度合を示すものである。例えば、都心などでは、空気が汚れているためである。これにより、より精度の高い夜空を3次元地図上に表示することができる。
【0042】
表示部40は、例えば、液晶ディスプレイによって構成され、表示部40の画面には車両の現在位置に対応する自車位置マーク、及び、デジタル道路地図データベース20より入力された地図データによって生成される車両周辺の3次元地図を表示することができる。また、最終目的地または車両用目的地が設定された場合、道路地図上には、現在位置から最終目的地または車両用目的地までの案内経路または車両用案内経路が重ねて表示される。
【0043】
操作スイッチ群50は、例えば、表示部40と一体になったタッチパネルスイッチもしくは表示部40の周辺に設けられるメカニカルなスイッチ等からなり、各種入力に使用される。
【0044】
音声出力部60はスピーカ等からなり、経路案内または車両用経路案内が行なわれている場合に、案内音声を出力したり、音声認識時に、入力音声に関するガイダンスを出力したりするものである。また、音声入力部70は、マイク等からなり、携帯電話装置300の保持者によって発せられた音声を取り込んで、コンピュータ30に入力する。コンピュータ30は、入力された音声の認識処理を行い、その認識結果に基づいて、各種の制御を実行する。記憶装置80には、後述する歩行者用案内経路が記憶される。
【0045】
通信機90は、例えば、Bluetooth(登録商標、以下は省略する)通信機であり、公知のBluetoothプロトコルに従って、歩行者用案内経路、及び歩行者用案内経路に関する地図データを携帯電話装置300に送信する。上述したBluetoothプロトコルは、無線通信プロトコルの一種であり、2.45GHzの帯の電波を利用して1Mbpsのデータ転送速度で通信を行なうものである。その際、機器間の距離が10m以内であれば障害物があっても通信可能である。
【0046】
また、本実施形態の車載ナビゲーション装置100は、操作スイッチ群50もしくは音声認識によって最終目的地の位置が入力されると、最終目的地に駐車場が設けられている場合、現在位置からその最終目的地までの案内経路を探索し表示する。また、最終目的地に駐車場が設けられていない場合、当該最終目的地周辺における駐車場を検索し、この検索された駐車場を車両用目的地として設定し、現在位置からその車両用目的地までの最適な車両用案内経路を探索し表示する、いわゆる経路案内機能も備えている。また、当該車両目的地から最終目的地までの最適な歩行者用案内経路を探索する歩行者用案内経路探索機能も備えている。このような最適な案内経路を設定する手法は、周知のダイクストラ法等の手法が知られている。また、携帯電話装置300の保持者によって入力された、例えば、住所、施設名称、電話番号等から施設等の位置を検索する検索機能も備えている。
【0047】
これらの機能は、主にコンピュータ30によって各種の演算処理がなされることによって実行される。すなわち、コンピュータ30は最終目的地または車両目的地が設定されるとデジタル道路地図データベース20の地図データを用いて案内経路または車両用案内経路を計算し、その案内経路または車両用案内経路を表示する。この他、コンピュータ30は、車両の位置を示す自車位置マークとその周辺の道路地図を表示部40に表示させたり、道路地図の縮尺を変更したりする。
【0048】
次に、携帯電話装置300の概略構成について、図1を用いて説明する。コンピュータ220は、内部には周知のCPU、ROM、RAM、I/O及びこれらの構成を接続するバスラインを備えている。ROMには、コンピュータ220が実行するためのプログラムが書き込まれており、このプログラムに従ってCPU等が所定の演算処理を実行する。
【0049】
表示画面210は、例えば、液晶ディスプレイによって構成され、携帯電話装置300の現在位置に対応する現在位置マーク、及び後述する第1の記憶部230により入力された地図データによって生成される現在位置周辺の3次元地図を表示することができる。また、後述する第3の記憶部245に、車載ナビゲーション装置100から送信された歩行者用案内経路が記憶されている場合、3次元地図上には、歩行者用出発地から最終目的地までの歩行者用案内経路が重ねて表示される。
【0050】
GPS受信機211は、衛星からの電波に基づいて携帯電話装置300の位置を測定するグローバルポジショニングシステム(GPS)である。なお、本実施形態では、携帯電話装置300における表示画面210の中央部分Gの位置を測定する。
【0051】
地磁気センサ212は、地磁気に基づいて、携帯電話装置300の保持者が表示画面210を見る方向を、携帯電話装置300の方位として検出するためのものである。なお、本実施形態では、地磁気センサ212が検出する方位は、図7に示すように、東西方向(X軸)を基準として、真東Eに対して、表示画面210の中央部分Gが左方向に何度向いているかを示す方位角データαによって表わされる。図7において、E´、W´、S´、N´、T´、D´は、それぞれ、後述する仮想視点位置Eを原点とする東、西、南、北、上、下の方位を表わしている。方位角データαの例として、左方向に60°向いている場合には、α=60°となり、右方向に45°向いている場合には、α=−45°となる。
【0052】
傾斜角センサ213は、例えば、液封入式容量式傾斜角センサである。具体的には、傾斜角センサ213に封入された液体の傾斜に伴う静電容量の変化を傾斜角として検出する。なお、本実施形態では、傾斜角センサ213が検出する傾斜角は、図8に示すように、表示画面210を、上下方向(Z軸)の真上方向T´に向けて、東西方向(X軸)及び南北方向(Y軸)からなる水平平面(XY平面)を基準として、真上方向T´に対して上方向に何度傾いているかを示す傾斜角データγによって表わされる。傾斜角データγの例として、上方向に30°傾いている場合には、γ=30°となる。
【0053】
第1の記憶部230には、後述する通信機270が受信した、車載ナビゲーション装置100から送信された歩行者用案内経路に関する地図データが記憶される。
【0054】
第2の記憶部240には、携帯電話装置300の保持者の仮想的な視点位置を表わす仮想視点位置Eから表示画面210の中央部分Gまでの仮想的な視距離を表わす第1の仮想視距離L1、仮想視点位置Eから表示画面210の中央部分Gを通過し、仮想的な視対象を表わす仮想視対象Mまでの仮想的な視距離を表わす第2の仮想視距離L2、表示画面210の横の長さW、及び表示画面210の縦の長さHが記憶されている。
【0055】
第3の記憶部245には、後述する通信機270が受信した、車載ナビゲーション装置100から送信された歩行者用案内経路が記憶される。
【0056】
操作部250は、例えば、メカニカルなスイッチ等からなり、各種入力に使用される。音声出力部260は、スピーカ等からなり、歩行者用経路案内が行なわれている場合に、案内音声を出力したりするものである。通信機270は、例えば、車載ナビゲーション装置100の通信機90と同様に、Bluetooth通信機であり、公知のBluetoothプロトコルに従って、車載ナビゲーション装置100から送信された歩行者用案内経路、及び歩行者用案内経路に関する地図データを受信する。
【0057】
次に、本実施形態における車載ナビゲーション装置100の経路案内処理について、図3及び図4のフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、図3は、車載ナビゲーション装置100の経路案内処理のメインルーチンを示すフローチャートであり、図4は、案内経路探索処理のルーチンを示すフローチャートである。
【0058】
まず、図3のステップS10では、車両の現在位置を検出する。このとき、GPS受信機11による位置データは、上述の道路データの座標データ(緯度と経度と高度)と同じ形態で取得される。また、地磁気センサ12、ステアリングセンサ13、車速センサ14によって自車両の進行方向及び走行距離に関するデータが取得され、過去に算出、もしくは確定された車両位置を基準として、現在位置の座標データの算出を行なう(自立航法による座標データの算出)。なお、現在位置は、基本的には、自立航法により算出された座標データに基づいて求められる。ただし、GPS受信機11による位置データが取得されている場合には、両者を比較し、その差が所定距離以上である場合には、現在位置として、GPS受信機11による位置データを採用する。
【0059】
ステップS20では、車両の現在位置を含む、周辺地図の地図データがデジタル道路地図データベース20から読み込まれ、3次元地図が表示部40に表示される。ステップS30では、最終目的地が設定されるか否かを判定する。具体的には、例えば、メニュー画面が表示部40に表示され、操作スイッチ群50を介して、このメニュー画面の「最終目的地設定メニュー」項目が選択されたか否かを判定する。「最終目的地設定メニュー」項目が選択されなかったと判定された場合、ステップS10に戻る。一方、「最終目的地設定メニュー」項目が選択されたと判定された場合、ステップS40に進む。
【0060】
ステップS40では、最終目的地が設定される。具体的には、例えば、表示部40に最終目的地設定メニューが表示される。この最終目的地設定メニューには、「名称で探す」、「ジャンルで探す」、「電話番号で探す」などがある。携帯電話装置300の保持者は、操作スイッチ群50を介して、この最終目的地設定メニューのいずれかを選択し、選択したメニューに応じた検索条件を入力する。例として、携帯電話装置300の保持者が「電話番号で探す」を選択した場合、携帯電話装置300の保持者の所望する施設の電話番号「000−123−4567」が検索条件として入力され、コンピュータ30は、この入力された電話番号「000−123−4567」と一致する電話番号を付している施設データを検索する。この検索された施設データに対応する施設が最終目的地として設定される。ステップS50では、案内経路探索処理が実行される。この経路探索処理を図4のフローチャートを用いて説明する。
【0061】
図4のフローチャートにおいて、まずステップS210では、ステップS50にて設定された最終目的地に駐車場があるか否かを判定する。具体的には、例えば、ステップS50にて設定された最終目的地に対応する施設データにおける駐車場フラグが「1」にセットされているか否かを判定する。駐車場フラグが「1」にセットされていると判定された場合、ステップS220に進む。
【0062】
ステップS220では、特に指示がない限り、ステップS10にて検出された現在位置を出発地とし、ステップS40にて設定された最終目的地までの案内経路をダイクストラ法等の手法で探索する。
【0063】
ステップS210において、駐車場フラグが「1」にセットされていないと判定された場合、すなわち、駐車場フラグが「0」にセットされていると判定された場合、ステップS230に進む。ステップS230では、ステップS40にて設定された最終目的地周辺における駐車場が検索される。具体的には、例えば、ステップS40にて設定された最終目的地から施設位置までの直線距離が最も短いと推測される、施設種類「駐車場」に該当する施設データが検索される。ステップS235では、ステップS220にて検索された駐車場が車両用目的地として設定される。
【0064】
ステップS240では、特に指示がない限り、ステップS10にて検出された現在位置を出発地とし、ステップS235にて設定された車両用目的地までの車両用案内経路をダイクストラ法等の手法で探索する。ステップS250では、ステップS230にて検索された駐車場を出発地とし、ステップS40にて設定された最終目的地までの歩行者用案内経路をダイクストラ法等の手法で探索する。
【0065】
ステップS260では、ステップS250にて探索された歩行者用案内経路が記憶装置80に記憶される。
【0066】
図3のフローチャートに戻り、ステップS60では、ステップS250にて歩行者用案内経路が探索されたか否かを判定する。歩行者用案内経路が探索されていないと判定された場合、ステップS70に進む。ステップS70では、ステップS220にて探索された案内経路が表示される。具体的には、コンピュータ30は、探索された案内経路を道路に重ねて強調表示し、表示部40へ表示する。
【0067】
ステップS80では、ステップS220にて探索された案内経路に基づいて、経路案内が行なわれる。ステップS90では、ステップS10にて検出された現在位置が、ステップS40にて設定された最終目的地に到着したか否かを判定する。到着していないと判定された場合、ステップS80に戻る。一方、到着したと判定された場合、処理が終了される。
【0068】
ステップS60において、歩行者用案内経路が探索されたと判定された場合、ステップS100に進む。ステップS100では、ステップS240にて探索された車両用案内経路が表示される。具体的には、コンピュータ30は、探索された車両用案内経路を道路に重ねて強調表示し、表示部40へ表示する。
【0069】
ステップS110では、ステップS240にて探索された車両用案内経路に基づいて、車両用経路案内が行なわれる。ステップS120では、ステップS10にて検出された現在位置が、ステップS235にて設定された車両用目的地に到着したか否かを判定する。到着していないと判定された場合、ステップS110に戻る。一方、到着したと判定された場合、ステップS125に進む。
【0070】
ステップS125では、コンピュータ30は、歩行者用案内経路を記憶装置80から抽出する。通信機90は、携帯電話装置300に対して、この抽出された歩行者用案内経路を送信する。
【0071】
ステップS130では、コンピュータ30に設けられた内部時計(図示せず)が示す現在時刻に従って、昼間であるか否かを判定する。昼間であると判定された場合、ステップS140に進む。ステップS140では、コンピュータ30は、デジタル道路地図データベース20から、ステップS250にて探索された歩行者用案内経路に関する昼間用地図データを抽出する。通信機90は、携帯電話装置300に対して、抽出された歩行者用案内経路に関する昼間用地図データを送信する。
【0072】
ステップS130において、昼間でないと判定された場合、ステップS150に進む。ステップS150では、コンピュータ30は、デジタル道路地図データベース20から、ステップS250にて探索された歩行者用案内経路に関する夜間用地図データを抽出する。通信機90は、携帯電話装置300に対して、抽出された歩行者用案内経路に関する夜間用地図データを送信する。
【0073】
次に、本実施形態における携帯電話装置300の経路案内処理について、図5及び図6のフローチャートを用いて詳細に説明する。なお、図5は、携帯電話装置300の経路案内処理のメインルーチンを示すフローチャートであり、図6は、仮想視野範囲算出処理のルーチンを示すフローチャートである。なお、具体的な例として、携帯電話装置300の保持者が表示画面210の中央部分Gを直視している場合を想定して説明を進める。
【0074】
まず、図5のステップS310では、車載ナビゲーション装置100から、歩行者用案内経路、及び歩行者用案内経路に関する地図データを通信部270が受信したか否かを判定する。通信部270が受信していないと判定された場合、そのまま待機状態となる。一方、通信部270が受信したと判定された場合、ステップS315に進む。
【0075】
ステップS312では、通信部270は、受信した歩行者用経路をコンピュータ220に入力し、コンピュータ220は、入力された歩行者用案内経路を第3の記憶部245に記憶させる。
【0076】
ステップS315では、通信部270は、受信した歩行者用経路に関する地図データをコンピュータ220に入力し、コンピュータ220は、入力された歩行者用経路に関する地図データを第1の記憶部230に記憶させる。このようにすることにより、車載ナビゲーション装置100から歩行者用案内経路、及び歩行者用案内経路に関する地図データを受信及び記憶することができる。
【0077】
ステップS320では、仮想視野範囲算出処理が実行される。この仮想視野範囲算出処理を図6のフローチャートを用いて説明する。
【0078】
図6のフローチャートにおいて、まずステップS410では、表示画面210の中央部分Gの現在位置が検出される。具体的には、例えば、GPS受信機211による位置データは、上述の道路データの座標データ(緯度と経度と高度)と同じ形態で取得される。なお、本実施形態では、表示画面210の中央部分Gの現在位置がG=(xg、yg、zg)で表わされる。
【0079】
ステップS420では、携帯電話装置300の保持者が表示画面210を見る方向を、携帯電話装置300の方位として検出される。具体的には、例えば、地磁気センサ212によって検出された地磁気に基づいて、真東Eに対して、表示画面210の中央部分Gが左方向に何度向いているかを示す方位角データαが算出される。
【0080】
ステップS430では、表示画面210の傾斜角が検出される。具体的には、例えば、傾斜角センサ213によって出力された傾斜角データγを示す信号が出力される。
【0081】
ステップS440では、仮想的な視線方向を表わす仮想視線方向が算出される。具体的には、例えば、仮定より、携帯電話装置300の保持者は表示画面210の中央部分Gを正面から見ているため、仮想視線方向は、表示画面210の中央部分に対して垂直である。このため、仮想視線方向の俯角・仰角データβは、次式により算出される。
【0082】
(数1)β=γ−90°
図9の例に示すように、(数1)により算出された俯角・仰角データβに基づいて、仮想視線方向として直線Xが算出される。
【0083】
ステップS450では、コンピュータ220は、第2の記憶部240から予め決められた第1の仮想視距離L1を読み出す。ステップS460では、ステップS420にて算出された方位角データα、ステップS440にて算出された仮想視線方向を示す直線X、及びステップS450にて抽出された第1の仮想視距離L1に基づいて、仮想視点位置E=(xe、ye、ze)が算出される。具体的には、例えば、ステップS420にて検出された表示画面210の中央部分Gの現在位置G=(xg、yg、zg)を起点として、携帯電話装置300の方位の反対側に向かって、直線Xを第1の仮想視距離L1だけ延長させ、当該直線Xの終点を仮想視点位置E=(xe、ye、ze)として算出する。なお、仮想視点位置Eの座標データは、上述の道路データの座標データ(緯度と経度と高度)と同じ形態で表わされる。
【0084】
ステップS470では、コンピュータ220は、第2の記憶部240から予め決められた、第2の仮想視距離L2、及び表示画面210における横の長さW及び縦の長さHを読み出す。
【0085】
ステップS480では、仮想視野範囲が算出される。具体的には、例えば、表示画面210における4隅を示す4点がA、B、C、Dと表わされる。4点A、B、C、Dの座標データは、表示画面の中央部分G=(xg、yg、zg)、方位角データα、傾斜角データγ、及び表示画面210の横の長さW及び縦の長さHに基づいて算出される。なお、4点A、B、C、Dの座標データは、上述の道路データの座標データ(緯度と経度と高度)と同じ形態で表わされる。
【0086】
次に、仮想視点位置Eを起点として、表示画面210における点Aを通過する直線(以後、直線aと呼ぶ)が算出される。同様にして、仮想視点位置Eを起点として、表示画面210における他の3点B、C、Dを通過する各直線(以後、直線b、直線c、及び直線dと呼ぶ)が算出される。
【0087】
そして、直線a上において、線分EAと線分EIとの比が、第1の仮想視距離L1と第2の仮想視距離L2との比が同一となる点Iの座標データが算出される。同様にして、直線b、c、d上の点J、K、Lの座標データが算出される。なお、4点I、J、K、Lの座標データは、上述の道路データの座標データ(緯度と経度と高度)と同じ形態で表わされる。例えば、図10の例に示すように、この算出された4点I、J、K、Lを結んだ平面が仮想視野範囲として算出される。このようにすることにより、仮想視野範囲を算出することができる。
【0088】
図5のフローチャートに戻り、ステップS330では、表示画面210の中央部分Gの現在位置を含む、周辺地図の地図データが第1の記憶部230から読み込まれ、ステップS480にて算出された仮想視野範囲に応じた3次元地図が表示画面210に表示される。具体的には、例えば、表示画面210の中央部分Gの現在位置を含む、3次元地図データが第1の記憶部230から読み込まれ、当該3次元地図データに対応するポリゴンデータが表示される。この表示されたポリゴンデータに対して、当該ポリゴンデータに対応するテクスチャデータを用いてテクスチャマッピングが行なわれることによって、ポリゴン表面に模様がつけられる。そして、具体的には、図14の例に示すように、ステップS480にて算出された仮想視野範囲を示す4点I、J、K、Lを結ぶ平面に対応する3次元地図が表示画面210に表示される。なお、図14の例では、表示画面210において、仮想視野範囲に応じた昼間用3次元地図が表示されている。
【0089】
ステップS340では、コンピュータ220は、第3の記憶部245から、歩行者用案内経路を抽出する。この抽出された歩行者用案内経路が表示される。具体的には、コンピュータ220は、抽出された歩行者用案内経路を道路に重ねて強調表示し、表示画面210へ表示する。
【0090】
ステップS350では、ステップS340にて抽出された歩行者用案内経路に基づいて、歩行者用経路案内が行なわれる。ステップS360では、ステップS410にて検出された現在位置が、ステップS40にて設定された最終目的地に到着したか否かを判定する。到着していないと判定された場合、ステップS320に戻る。一方、到着したと判定された場合、処理が終了される。
【0091】
(変形例)
例えば、上述した第1実施形態においては、歩行者用案内経路が探索された場合、車両が車両用目的地に到達してから、携帯電話装置300に対して、歩行者用案内経路、及び当該歩行者用案内経路に関する地図データを通信機90が送信する例について説明した。しかしながら、歩行者用案内経路が探索された時点にて、携帯電話装置300に対して、歩行者用案内経路、及び当該歩行者用案内経路に関する地図データを通信機90が送信しても良い。
【0092】
(第2実施形態)
次に、本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態による携帯機用地図表示装置は、上述した第1実施形態による携帯電話装置300と車載ナビゲーション装置100とほぼ同様の構成を有する。従って、この同様な構成に関する説明は省略する。
【0093】
第2実施形態による携帯電話装置300におけるコンピュータ220は、携帯電話装置300の保持者の所望する区域に該当する地図データを車載ナビゲーション装置100から取得する地図データ取得機能を備えている。また、取得した地図データに基づいて、操作部250によって歩行者用目的地の位置が入力されると、現在位置からその歩行者用目的地までの歩行者用案内経路を探索し表示する。いわゆる歩行者用経路案内機能も備えている。このような最適な案内経路を設定する手法は、周知のダイクストラ法等の手法が知られている。また、携帯電話装置300の保持者によって入力された、例えば、住所、施設名称、電話番号等から施設等の位置を検索する検索機能も備えている。
【0094】
このように、第2実施形態による携帯電話装置300は、第1実施形態と異なり、携帯電話装置300が歩行者用案内経路を探索し、探索された歩行者用案内経路に基づいて、歩行者用経路案内を行なうことができる。
【0095】
次に、携帯電話装置300及び車載ナビゲーション装置100において実行される処理について、図11及び図12のフローチャートを用いて説明する。なお、図11及び図12の左側に記載した各ステップは携帯機用地図表示装置である携帯電話装置300において実行される処理を示し、図11の右側に記載した各ステップは、車載ナビゲーション装置100において実行される処理を示すものである。なお、第1実施形態の各フローチャートにおけるステップと同様のステップに関しては、具体的な説明は省略する。
【0096】
まず、図11のステップS510では、地図データを車載ナビゲーション装置100から取得するか否かを判定する。具体的には、例えば、メニュー画面が表示画面210に表示され、操作部250を介して、このメニュー画面の「地図データ取得メニュー」項目が選択されたか否かを判定する。「地図データ取得メニュー」項目が選択されなかったと判定された場合、処理が終了される。一方、「地図データ取得メニュー」項目が選択されたと判定された場合、ステップS520に進む。
【0097】
ステップS520では、例えば、図13に示すような、区域選択画面710が表示される。この区域選択画面710において、操作部250を介して、携帯電話装置300の保持者の所望の区域が選択される。
【0098】
ステップS530では、例えば、区域選択画面710において、操作部250を介して、「名古屋市中川区」項目が選択され、「送信」項目が選択されることによって、通信部270が、車載ナビゲーション装置100に対して、携帯電話装置300の保持者によって選択された「名古屋市中川区」を送信する。
【0099】
ステップS540では、ステップS530にて送信された所望の区域が車載ナビゲーション装置100における通信機90が受信する。通信機90は受信した所望の区域をコンピュータ30に入力する。ステップS550では、現在時刻が昼間であるか否かを判定する。昼間であると判定された場合、ステップS560に進む。ステップS560では、コンピュータ30に入力された所望の区域に該当する昼間用地図データがデジタル道路地図データベース20から抽出される。
【0100】
ステップS550において、昼間でないと判定された場合、ステップS570に進む。ステップS570では、コンピュータ30に入力された所望の区域に該当する夜間用地図データがデジタル道路地図データベース20から抽出される。
【0101】
ステップS580では、通信機90は、携帯機用地図表示装置300に対して、ステップS560またはステップS570にて抽出された所望の地域に該当する地図データを送信する。
【0102】
ステップS590では、通信部270が、車載ナビゲーション装置100から送信された携帯電話装置300の保持者の所望の地域に該当する地図データを受信する。ステップS600では、通信部270が受信した地図データがコンピュータ220に入力され、コンピュータ220は、入力された地図データを第1の記憶部230に記憶させる。このように、携帯電話装置300は、車載ナビゲーション装置100から3次元地図に関する地図データを受信し、受信した地図データを記憶することができる。また、このようにすることにより、携帯電話装置300の保持者の所望の区域に該当する地図データを取得することができる。
【0103】
ステップS610では、仮想視野範囲算出処理が実行される。この仮想視野範囲算出処理は、第1実施形態におけるステップS320と同様の処理のため、説明は省略する。ステップS620では、表示画面210の中央部分Gの現在位置を含む、周辺地図の地図データが第1の記憶部230から読み込まれ、図15の例に示すように、算出された仮想視野範囲に応じた3次元地図が表示画面210に表示される。なお、図15の例では、表示画面210において、仮想視野範囲に応じた夜間用3次元地図が表示されている。
【0104】
ステップS630では、歩行者用経路案内中であるか否かが判定される。歩行者用経路案内中でないと判定された場合、ステップS640に進む。ステップS640では、歩行者用目的地が設定されるか否かを判定する。具体的には、例えば、メニュー画面が表示画面210に表示され、操作部250を介して、このメニュー画面の「歩行者用目的地設定メニュー」項目が選択されたか否かを判定する。「歩行者用目的地設定メニュー」項目が選択されなかったと判定された場合、ステップS610に戻る。一方、「歩行者用目的地設定メニュー」項目が選択されたと判定された場合、ステップS650に進む。
【0105】
ステップS650では、歩行者用目的地が設定される。具体的には、例えば、表示画面210に歩行者用目的地設定メニューが表示される。この最終目的地設定メニューには、「名称で探す」、「ジャンルで探す」、「電話番号で探す」などがある。携帯電話装置300の保持者は、操作部250を介して、この最終目的地設定メニューのいずれかを選択し、選択したメニューに応じた検索条件を入力する。例として、携帯電話装置300の保持者が「名称で探す」を選択した場合、携帯機の保持者の所望する施設の名称「戸田小学校」が検索条件として入力され、コンピュータ220は、この入力された名称「戸田小学校」と一致する名称を付している施設データを検索する。この検索された施設データに対応する施設が歩行者用目的地として設定される。
【0106】
ステップS660では、特に指示がない限り、仮想視野範囲算出処理において検出された表示画面210の中央部分Gの現在位置を出発地とし、ステップS650にて設定された歩行者用目的地までの歩行者用案内経路をダイクストラ法等の手法で探索する。このように、携帯電話装置300は、歩行者用案内経路を探索することができる。
【0107】
ステップS670では、ステップS660にて探索された歩行者用案内経路に基づいて、歩行者用経路案内が行なわれる。これにより、携帯機の保持者に対して、歩行者用経路案内を行なうことができる。
【0108】
ステップS690では、仮想視野範囲算出処理において検出された表示画面210の中央部分Gの現在位置が、ステップS650にて設定された歩行者用目的地に到着したか否かを判定する。到着していないと判定された場合、ステップS610に戻る。一方、到着したと判定された場合、処理が終了される。
【0109】
以上、説明したように各実施形態によれば、コンピュータ220は、携帯電話装置300の現在位置、表示画面210の傾斜角、及び携帯電話装置300の方位に基づいて、携帯電話装置300の保持者が表示画面210後方において視認すると想定される仮想視野範囲を算出する。この算出された仮想視野範囲を、携帯電話装置300の保持者の視線位置から見た場合の景観に対応するように、表示画面210に3次元地図を表示することができるようにした。これにより、実際に携帯電話装置300の保持者の目に見える景観を3次元地図として表示画面210に表示することができる。
【0110】
なお、本発明は、上述した各実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
【0111】
例えば、上述した各実施形態においては、第2の記憶部240に記憶されている第1の仮想視距離L1、及び第2の仮想視距離L2に基づいて、仮想視野範囲が算出される例について説明した。しかしながら、表示画面210までの実際の視距離を表わす実視距離を算出し、この算出された実視距離、及び第2の記憶部240に記憶されている第2の仮想視距離L2に基づいて、仮想視野範囲が算出されても良い。
【0112】
具体的には、例えば、超音波センサ(図示せず)が携帯電話装置300に設けられる。超音波センサは、携帯電話装置300の保持者にミリ波の電波を照射し、その反射波から携帯電話装置300までの距離を計測するものである。この超音波センサによって計測された距離を、実視距離とする。この超音波センサによって検出された実視距離と第2の仮想視距離L2との比となる、仮想視点位置Eから表示画面の4隅を示す4点A、B、C、Dをそれぞれ通過する直線a、b、c、d上の4点I、J、K、Lを算出する。そして、算出された4点I、J、K、Lを結ぶ平面が仮想視野範囲として算出される。
【0113】
そして、超音波センサによって計測された実視距離が短くなるほど、仮想視野範囲が大きくなるように、仮想視野範囲を算出することができる。これにより、より精度の高い仮想視野範囲を算出することができる。
【0114】
また、上述した各実施形態では、表示画面210において、歩行者用案内経路を、当該歩行者用案内経路に該当する道路データに重ねて強調表示する例について説明した。しかしながら、歩行者用案内経路における進行方向を含む表示範囲を明るくしても良い。具体的には、例えば、表示画面210は、コントラストを変更可能であり、コンピュータ220からのコントラスト変更信号に従って、コントラストの変更を行なう。従って、表示画面210に対して、コンピュータ220から進行方向を含む表示範囲のコントラストを明るくするコントラスト変更信号を出力する。この結果、歩行者用案内経路における進行方向を含む表示範囲のコントラストを明るくすることができる。これにより、携帯電話装置300の保持者は、明確に歩行者用案内経路における進行方向を把握することができる。
【0115】
また、例えば、表示画面210において、歩行者用案内経路沿いにおける3次元オブジェクトのみ表示しても良い。このようにすることにより、携帯電話装置300の保持者は、歩行者用案内経路における進行方向を明確に把握可能である。
【0116】
さらに、上述した各実施形態では、安全性を考慮して、携帯電話装置300の保持者が立ち止って、仮想視野範囲に応じた3次元地図を見ている場合を想定して説明した。しかしながら、携帯電話装置300の保持者が歩行中に、仮想視野範囲に応じた3次元地図を見ることが考えられる。この場合、表示画面210の現在位置の変化に基づいて、携帯電話装置300の保持者が歩行中であるか否かを判定し、携帯電話装置300の保持者が歩行中であると判定された場合、表示画面において、3次元地図の表示を中止する。これにより、携帯電話装置300の保持者が歩行中に、仮想視野範囲に応じた3次元地図を見ようと試みた場合、3次元地図が表示画面210に表示されなくなる。
【0117】
また、上述した各実施形態では、携帯電話装置300の保持者が、表示画面210を地面と水平となるまで傾けた場合、表示画面210に、3次元地図を垂直に見下ろした地図を表示する例について説明した。しかしながら、第4の記憶部(図示せず)に、2次元地図を表示するための地図データを記憶し、携帯電話装置300の保持者が、表示画面210を地面と水平となるまで傾けた場合、第4の記憶部から地図データが抽出され、この抽出された地図データに基づいて2次元地図を表示画面210に表示しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0118】
【図1】本実施形態による携帯電話装置300の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による車載ナビゲーション装置100の概略構成を示すブロック図である。
【図3】本実施形態における、車載ナビゲーション装置100の経路案内処理のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図4】本実施形態における、案内経路探索処理のルーチンを示すフローチャートである。
【図5】本実施形態における、携帯電話装置300の経路案内処理のメインルーチンを示すフローチャートである。
【図6】本実施形態における、仮想視野範囲算出処理のルーチンを示すフローチャートである。
【図7】本実施形態における、表示画面210の方位角データαを説明するための説明図である。
【図8】本実施形態における、表示画面210の傾斜角データγを説明するための説明図である。
【図9】本実施形態における、仮想視線方向を説明するための説明図である。
【図10】本実施形態における、仮想視野範囲を説明するための説明図である。
【図11】本実施形態における、携帯機用地図表示装置300及び車載ナビゲーション装置100において実行される制御処理の前半部分を示すフローチャートである。
【図12】本実施形態における、携帯機用地図表示装置300及び車載ナビゲーション装置100において実行される制御処理の後半部分を示すフローチャートである。
【図13】本実施形態における、区域選択画面710の表示例を示すイメージ図である。
【図14】本実施形態における、仮想視野範囲に応じた昼間用3次元地図の表示例を示すイメージ図である。
【図15】本実施形態における、仮想視野範囲に応じた夜間用3次元地図の表示例を示すイメージ図である。
【図16】本実施形態における、歩行者用案内経路における進行方向を含む表示範囲のコントラストを明るくした表示例を示すイメージ図である。
【符号の説明】
【0119】
10…位置検出器
11…GPS受信機
12…地磁気センサ
13…ステアリングセンサ
14…車速センサ
20…デジタル道路地図データベース
21…情報記録媒体
30…コンピュータ
40…表示部
50…操作スイッチ群
60…音声出力部
70…音声入力部
80…記憶装置
90…通信機
210…表示画面
211…GPS受信機
212…地磁気センサ
213…傾斜角センサ
220…コンピュータ
230…第1の記憶部
240…第2の記憶部
245…第3の記憶部
250…操作部
260…音声出力部
270…通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示画面を有する携帯機に適用され、当該表示画面に3次元地図を表示する携帯機用地図表示装置であって、
3次元地図を表示するための地図データを記憶する携帯機用地図データ記憶手段と、
前記携帯機の現在位置を検出する現在位置検出手段と、
前記携帯機の表示画面の傾斜角を検出する傾斜角検出手段と、
前記携帯機の保持者が前記表示画面を見る方向を、前記携帯機の方位として検出する方位検出手段と、
前記携帯機の現在位置、表示画面の傾斜角、及び携帯機の方位に基づいて、前記携帯機の保持者が前記表示画面後方において視認すると想定される視野範囲を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された視野範囲を、前記携帯機の保持者の視線位置から見た場合の景観に対応するように、前記地図データに基づいて前記表示画面に3次元地図を表示させる地図表示制御手段とを備えることを特徴とする携帯機用地図表示装置。
【請求項2】
前記携帯機用地図データ記憶手段は、2次元地図を表示するための地図データを有し、
前記携帯機の保持者が、前記表示画面を地面と水平となるまで傾けた場合、前記地図表示制御手段は、前記表示画面に、前記携帯機の現在位置を基準とする2次元地図を表示することを特徴とする請求項1に記載の携帯機用地図表示装置。
【請求項3】
前記携帯機の保持者と、前記携帯機との距離を計測する距離計測手段を有し、
前記算出手段は、前記距離計測手段によって計測される距離が短くなるほど、前記視野範囲が大きくなるように、前記視野範囲を算出することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の携帯機用地図表示装置。
【請求項4】
前記携帯機用地図表示装置は、車載ナビゲーション装置と当該携帯機用地図表示装置とからなる携帯機用地図表示システムに適用されるものであって、
前記車載ナビゲーション装置は、
前記3次元地図に関する地図データを記憶する地図データ記憶手段と、
前記携帯機用地図表示装置に対して、前記地図データを送信するナビ用送信手段とを備えるものであり、
前記携帯機用地図表示装置は、
前記車載ナビゲーション装置から送信された地図データを受信する携帯機用受信手段を備え、
前記携帯機用地図データ記憶手段は、前記受信した地図データを記憶することを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の携帯機用地図表示装置。
【請求項5】
前記車載ナビゲーション装置は、
前記携帯機用地図表示装置から地図データを送信すべき所望の区域を示す区域データを受信するナビ用受信手段を備え、
前記ナビ用送信手段は、前記ナビ用受信手段が区域データを受信した場合、当該所望の区域に該当する地図データを送信するものであり、
前記携帯機用地図表示装置は、
携帯機の保持者によって所望の区域を選択させる選択手段と、
前記車載ナビゲーション装置に対して、前記選択された所望の区域を示す区域データを送信する携帯機用送信手段とを備え、
前記携帯機用受信手段は、前記ナビ用送信手段から前記所望の区域に該当する地図データを受信することを特徴とする請求項4に記載の携帯機用地図表示装置。
【請求項6】
前記地図データは、当該地図データ上の施設に関する施設データを含み、
前記施設データに基づいて、歩行者用目的地を設定する歩行者用目的地設定手段と、
前記地図データに基づいて、歩行者用出発地から前記歩行者用目的地までの歩行者用案内経路を探索する携帯機用歩行者用案内経路探索手段とを備えることを特徴とする請求項5に記載の携帯機用地図表示装置。
【請求項7】
前記車載ナビゲーション装置は、
前記地図データ記憶手段は、前記地図データ上の施設に関する施設データを記憶し、
前記施設データに基づいて、最終目的地を設定する最終目的地設定手段と、
前記設定された最終目的地に対応する施設に駐車場が不設である場合、当該最終目的地周辺における駐車場を検索する駐車場検索手段と、
前記検索された駐車場を車両用目的地として設定する車両用目的地設定手段と、
前記出発地から前記車両用目的地までの車両用案内経路を探索する車両用案内経路探索手段と、
前記車両用目的地から前記最終目的地までの歩行者用案内経路を探索するナビ用歩行者用案内経路探索手段とを備え、
前記ナビ用送信手段は、前記携帯機用地図表示装置に対して、前記歩行者用案内経路、及び当該歩行者用案内経路に関する地図データを送信するものであり、
前記携帯機用受信手段は、前記車載ナビゲーション装置から送信された歩行者用案内経路、及び当該歩行者用案内経路に関する地図データを受信し、
前記携帯機用地図データ記憶手段は、前記受信した歩行者用案内経路に関する地図データを記憶し、
前記携帯機用地図表示装置は、さらに、
前記受信した歩行者用案内経路を記憶する歩行者用案内経路記憶手段を備えることを特徴とする請求項4に記載の携帯機用地図表示装置。
【請求項8】
前記地図データは、前記3次元地図上の3次元オブジェクトをポリゴンで形成したポリゴンデータと、当該3次元オブジェクトを実際の景観に近づけるために、前記ポリゴンデータに対してポリゴン表面に模様をつけるためのデータであるテクスチャデータと、当該3次元地図上の空を表示するためのデータである空表示用データを含むことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の携帯機用地図表示装置。
【請求項9】
前記車載ナビゲーション装置において、
前記地図データ記憶手段は、前記地図データとして、昼間用地図データ及び夜間用地図データを記憶し、
前記ナビ用送信手段は、前記携帯機用地図表示装置に対して、現在時刻に応じて、前記昼間用地図データまたは前記夜間用地図データのいずれか一方を送信するものであり、
前記携帯機用受信手段は、前記車載ナビゲーション装置から送信された前記昼間用地図データまたは前記夜間用地図データのいずれか一方を受信することを特徴とする請求項4乃至請求項8のいずれかに記載の携帯機用地図表示装置。
【請求項10】
前記昼間用地図データは、前記テクスチャデータとして、昼間用テクスチャデータと、前記空表示用データとして、昼空表示用データとを含み、
前記夜間用地図データは、前記テクスチャデータとして、夜間用テクスチャデータと、前記空表示用データとして、夜空表示用データとを含むことを特徴とする請求項9に記載の携帯機用地図表示装置。
【請求項11】
前記夜間用テクスチャデータは、照明に関する模様をつけるためのものであることを特徴とする請求項10に記載の携帯機用地図表示装置。
【請求項12】
前記昼空表示用データは、現在の年月日及び時刻に応じて、太陽位置を異ならせ、
前記夜空表示用データは、現在の年月日及び時刻に応じて、月と星座との位置、及び星座の種類を異ならせることを特徴とする請求項10または請求項11に記載の携帯機用地図表示装置。
【請求項13】
前記夜空表示用データは、所定の区域において、空気の汚れ度合を示すものであることを特徴とする請求項12に記載の携帯機用地図表示装置。
【請求項14】
前記探索された歩行者用案内経路に基づいて、歩行者用経路案内を行なう歩行者用経路案内手段を備えることを特徴とする請求項5乃至請求項13のいずれかに記載の携帯機用地図表示装置。
【請求項15】
前記表示画面は、コントラストを変更可能に構成されており、
前記表示制御手段は、前記歩行者用案内経路を、当該歩行者用案内経路に該当する道路データに重ねて強調表示し、当該歩行者用案内経路における進行方向を含む表示範囲のコントラストを明るく変更することを特徴とする請求項14に記載の携帯機用地図表示装置。
【請求項16】
前記表示制御手段は、前記歩行者用案内経路沿いにおける前記3次元オブジェクトのみ表示することを特徴とする請求項15に記載の携帯機用地図表示装置。
【請求項17】
前記携帯機の現在位置の変化に基づいて、携帯機の保持者が歩行中であるか否かを判定する判定手段を備え、
前記判定手段によって携帯機の保持者が歩行中であると判定された場合、前記表示制御手段に対して、前記3次元地図の表示を中止するよう指示する指示手段を備えることを特徴とする請求項1乃至請求項16のいずれかに記載の携帯機用地図表示装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−349964(P2006−349964A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−175736(P2005−175736)
【出願日】平成17年6月15日(2005.6.15)
【出願人】(000004260)株式会社デンソー (27,639)
【Fターム(参考)】