説明

携帯機

【課題】アルコール検知による煩わしさを低減することが可能な携帯機を提供すること。
【解決手段】セキュリティ装置3から送信されてくるリクエスト信号が電子キー2で受信されたとき、同電子キー2からIDコード信号が送信される。電子キー2は、アルコール検知器28により検出された呼気中のアルコール量に関する情報を記憶するメモリ23aを備えている。マイコン23は、受信アンテナ21及び受信回路22を通じてリクエスト信号が受信された段階で、呼気中のアルコール量に関する情報がメモリ23aに記憶されているとき、その情報を付加したIDコード信号を生成するとともに、それを送信回路24及び送信アンテナ25を通じて送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両ユーザが所持する携帯機に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、車両のステアリングホイールにアルコール検知器を設置するとともに、そのアルコール検知器により基準値を超えるアルコール濃度が検出されたとき、エンジンの始動を禁止する、といった飲酒運転防止装置に関する技術が開示されている。
【特許文献1】特開昭63−53120号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1で開示されている飲酒運転防止装置では、車両まで出向かないとアルコール検知を行えない。
このため、アルコール濃度が基準値を超えているか否かの判断に迷うような場合において、アルコール検知で問題なければエンジンを始動させるつもりで車両まで出向いたとしても、アルコール検知の結果、基準値を超えるアルコール濃度が検出されたとき、車両まで出向いたにも拘わらず、エンジンの始動が許可されない、といった事態となる。勿論、こうした場合には、車両ユーザによる飲酒運転が未然に防止されることになる。
【0004】
また、車両設置のアルコール検知器とは別に、車両ユーザの意志でチェック用のアルコール検知器が用意されることが考えられる。こうしたとき、チェック用のアルコール検知器によるアルコール検知の結果、基準値を下回るアルコール濃度が検出されたとしても、検出精度等の違いにより、車両設置のアルコール検知器によるアルコール検知に際して、必ずしも基準値を下回るアルコール濃度が検出されるとは限らない。従って、このような場合、チェック用のアルコール検知器による検知結果に基づいて、エンジンを始動させるつもりで車両まで出向いたにも拘わらず、エンジンの始動が許可されない、といった事態となる。
【0005】
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、その目的は、アルコール検知による煩わしさを低減することが可能な携帯機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1に記載の発明は、車両ユーザが所持するとともに、車両側に設けられるセキュリティ装置から送信されてくるリクエスト信号を受信する受信手段と、前記受信手段によりリクエスト信号が受信されたとき、当該携帯機に対して個別に設定されたIDコードを含む応答信号を送信する送信手段とを備える携帯機において、呼気中のアルコール量を検出するアルコール検出手段と、前記アルコール検出手段により検出された呼気中のアルコール量に関する情報を記憶するアルコール情報記憶手段とを備え、前記送信手段は、前記受信手段によりリクエスト信号が受信された段階で、呼気中のアルコール量に関する情報が前記アルコール情報記憶手段に記憶されているとき、その情報が付加された前記応答信号を送信することをその要旨としている。
【0007】
同構成によると、車両側に設けられるセキュリティ装置から送信されてくるリクエスト信号が当該携帯機で受信されたとき、同携帯機からIDコードを含む応答信号が送信されるのであるが、呼気中のアルコール量に関する情報が当該携帯機のアルコール情報記憶手段に記憶されているとき、その情報が付加された前記応答信号が携帯機から送信される。
【0008】
このため、こうした応答信号が車両側のセキュリティ装置で受信されるような構成を想定したとき、該応答信号に含まれている情報を車両側で用いることが可能となる。例えば、基準IDコードと一致するIDコードを有する正規の携帯機が利用されて且つその正規の携帯機により検出された呼気中のアルコール量が基準アルコール量を下回っていることを条件として、エンジンの始動を許可する、といったことが可能となる。よって、車両ユーザによる飲酒運転を防止することができる。
【0009】
ここに、車両側にアルコール検出手段を設けるのではなく、車両ユーザが所持する携帯機にアルコール検出手段を設けるようにしたので、車両まで出向くことなく、乗車前に予めアルコール検知を行うことが可能となり、よって、このようにすれば、乗車段階で携帯機を取り出すことなくエンジンを始動することができる。
【0010】
従って、アルコール検知による煩わしさを低減することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の携帯機において、前記アルコール検出手段は、呼気中のアルコール量を検出するに際して加熱を必要とするセンサ部を備え、前記受信手段によりリクエスト信号が受信された段階で、呼気中のアルコール量に関する情報が前記アルコール情報記憶手段に記憶されていないとき、前記センサ部の加熱を開始するセンサ加熱開始制御手段を備えていることをその要旨としている。
【0011】
同構成によると、当該携帯機が備えるアルコール検知手段によるアルコール検知が乗車前に行われていない場合、乗車段階でアルコール検知が行われる必要があるが、これに必要なセンサ部の加熱が予め開始されることで、アルコール検知ができるようになるまでの待ち時間が短縮される。従って、アルコール検知による煩わしさを低減することができる。
【0012】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の携帯機において、前記アルコール検出手段は、呼気を吹き込むための呼気吹き込み口と、前記呼気吹き込み口から吹き込まれた呼気の風量を検出する風量センサとを備え、前記センサ部の加熱が完了してから所定の時間が経過するまでの期間内に、基準風量に達する呼気が前記風量センサにより検出されなかったとき、前記センサ部の加熱を停止するセンサ加熱停止制御手段を備えていることをその要旨としている。
【0013】
同構成によると、アルコール検知を行わなかった時のセンサ部の加熱による消費電力を抑制することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明は、以上のように構成されているため、次のような効果を奏する。
本発明によれば、アルコール検知による煩わしさを低減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を具体化した一実施形態について説明する。
図1に示すように、本実施形態の自動車には、電子キーシステム1が適用されている。電子キーシステム1は、車両ユーザが所持する電子キー2と、車両側に設けられるセキュリティ装置3とを備えるとともに、両者間で双方向通信が可能であり、また、両者間で電子キー2を送信側とする単方向通信が可能となっている。尚、前記電子キー2は、その所持態様から携帯機と称されている。
【0016】
電子キー2は、無線通信による受信機能及び無線通信による送信機能を有するとともに、受信アンテナ21、受信回路22、マイコン23、送信回路24、送信アンテナ25、解錠スイッチ26、施錠スイッチ27を備えている。
【0017】
受信アンテナ21は、セキュリティ装置3から送信されてくるリクエスト信号を受信するための媒体である。受信回路22は、受信アンテナ21により受信されたリクエスト信号を復調して受信信号を生成するとともに、その受信信号をマイコン23に出力する。
【0018】
マイコン23は、不揮発性のメモリ23aを備えるとともに、そのメモリ23aには、当該電子キー2に対して個別に設定されたIDコード(電子キー2のIDコード)が記憶されている。そして、マイコン23は、受信回路22からリクエスト信号に関する受信信号が入力されたとき、リクエスト信号に応答するために、電子キー2のIDコードを含む信号(IDコード信号)を生成するとともに、そのIDコード信号を送信回路24に出力する。
【0019】
送信回路24は、マイコン23から入力されたIDコード信号を所定周波数(本実施形態では300MHz)の電波に変調する。送信アンテナ25は、送信回路24により変調されたIDコード信号を送信するための媒体である。
【0020】
解錠スイッチ26は、自動車から離れた地点(本実施形態では、自動車から最長で約10m離れた地点)でそれを操作することで、いわば遠隔操作によりドアを解錠させたい場合に操作されるものである。つまり、本実施形態では、自動車を中心とした半径10mの領域内で解錠スイッチ26を操作することで、ドアを解錠できるようになっている。
【0021】
施錠スイッチ27は、自動車から離れた地点(本実施形態では、自動車から最長で約10m離れた地点)でそれを操作することで、いわば遠隔操作によりドアを施錠させたい場合に操作されるものである。つまり、本実施形態では、自動車を中心とした半径10mの領域内で施錠スイッチ27を操作することで、ドアを施錠できるようになっている。
【0022】
そして、前記マイコン23は、解錠スイッチ26が操作されたとき、自動車に対してドアの解錠を要求するために、ドアの解錠を要求する旨の操作コード(解錠要求用操作コード)と電子キー2のIDコードとを含む信号(解錠要求信号)を生成する。そして、マイコン23は、この解錠要求信号を送信回路24に出力する。
【0023】
また、マイコン23は、施錠スイッチ27が操作されたとき、自動車に対してドアの施錠を要求するために、ドアの施錠を要求する旨の操作コード(施錠要求用操作コード)と電子キー2のIDコードとを含む信号(施錠要求信号)を生成する。そして、マイコン23は、この施錠要求信号を送信回路24に出力する。
【0024】
前記送信回路24は、マイコン23から入力された解錠要求信号や施錠要求信号を所定周波数(本実施形態では300MHz)の電波に変調する。そして、この場合、前記送信アンテナ25は、送信回路24により変調された解錠要求信号や施錠要求信号を送信するための媒体として機能する。
【0025】
セキュリティ装置3は、無線通信による送信機能及び無線通信による受信機能を有するとともに、送信回路31、送信アンテナ32、受信アンテナ33、受信回路34、照合装置35を備えている。
【0026】
送信回路31は、照合装置35から入力されるリクエスト信号を所定周波数(本実施形態では134KHz)の電波に変調する。送信アンテナ32は、送信回路31により変調されたリクエスト信号を送信するための媒体であるとともに、車外送信アンテナ32aと車内送信アンテナ32bとを備えている。
【0027】
ここで、車外送信アンテナ32aから送信されるリクエスト信号は、車外においてドアアウトサイドハンドルを中心とした半径約1mの領域内に及ぶようになっている。図2には、その領域が車外の所定領域A32として2点鎖線で示されている。そして、この車外の所定領域A32内において、電子キー2とセキュリティ装置3との間での双方向通信が可能となっている。つまり、車外の所定領域A32内にリクエスト信号が送信されている状態で、その車外の所定領域A32内に電子キー2が持ち込まれたとき、その電子キー2によりリクエスト信号が受信されて同電子キー2からIDコード信号が送信されるようになっている。
【0028】
一方、車内送信アンテナ32bから送信されるリクエスト信号は、車内の略全域に及んで且つ車外に殆ど及ばないようになっている。図3には、その領域が車内の所定領域B32として2点鎖線で示されている。そして、この車内の所定領域B32内において、電子キー2とセキュリティ装置3との間での双方向通信が可能となっている。つまり、車内の所定領域B32内にリクエスト信号が送信されている状態で、その車内の所定領域B32内に電子キー2が持ち込まれたとき、その電子キー2によりリクエスト信号が受信されて同電子キー2からIDコード信号が送信されるようになっている。
【0029】
図1に戻って、受信アンテナ33は、リクエスト信号に対する応答信号として電子キー2から送信されてくるIDコード信号を受信するための媒体である。受信回路34は、受信アンテナ33により受信されたIDコード信号を復調して受信信号を生成するとともに、その受信信号を照合装置35に出力する。
【0030】
照合装置35は、不揮発性のメモリ35aを備えるとともに、そのメモリ35aには、セキュリティ装置3が搭載されている車両に適合する電子キー2(=正規の電子キー2)のIDコードと同一のIDコード(基準IDコード)が記憶されている。
【0031】
照合装置35は、正規の電子キー2の所持者による乗車に伴う車両に対する接近(車外の所定領域A32に対する進入)を監視するため、ドアが施錠されている状態において、送信回路31にリクエスト信号を出力する。つまり、この場合、照合装置35は、第1の車外通信制御を実行する。その結果、車外送信アンテナ32aから車外の所定領域A32内にリクエスト信号が送信される。
【0032】
照合装置35は、第1の車外通信制御を実行したことに伴って、受信回路34からIDコード信号に関する受信信号が入力されたとき、その受信信号に含まれているIDコードと基準IDコードとが一致しているか否かを判断する。つまり、この場合、照合装置35は、IDコード照合を実行する。そして、照合装置35は、このIDコード照合により両IDコードが一致したとき、正規の電子キー2が利用された旨を認識するとともに、この場合、この電子キー2の所持者による乗車を許容するために、ドア制御装置40にドア解錠許可信号を出力する。その結果、このようにドアの解錠が許可されている状態で電子キー2の所持者がドアアウトサイドハンドルに触れると、ドア制御装置40によりドアが解錠されるとともに、これにより電子キー2の所持者による乗車が許容されることとなる。
【0033】
また、照合装置35は、正規の電子キー2の所持者による降車に伴う車両に対する接近(車外の所定領域A32に対する進入)を監視するため、ドアが解錠されている状態において、図示しないドアロックスイッチが操作されたとき、送信回路31にリクエスト信号を出力する。つまり、この場合、照合装置35は、第2の車外通信制御を実行する。その結果、車外送信アンテナ32aから車外の所定領域A32内にリクエスト信号が送信される。尚、前記ドアロックスイッチは、ドアアウトサイドハンドルに設けられるとともに、ドアを車外から施錠(ロック)する場合に操作されるものである。
【0034】
照合装置35は、第2の車外通信制御を実行したことに伴って、受信回路34からIDコード信号に関する受信信号が入力されたとき、その受信信号に含まれているIDコードと基準IDコードとが一致しているか否かを判断する。つまり、この場合、照合装置35は、IDコード照合を実行する。そして、照合装置35は、このIDコード照合により両IDコードが一致したとき、正規の電子キー2が利用された旨を認識するとともに、この場合、ドア制御装置40にドア施錠許可信号を出力する。その結果、ドア制御装置40によりドアが施錠されることとなる。
【0035】
尚、車外に設けられているドアロックスイッチが操作された状況で、車外の所定領域A32内において電子キー2とセキュリティ装置3との間で双方向通信が確立されているということは、電子キー2が車外に持ち出されていることに他ならない。つまり、電子キー2を車内に置き忘れたままドアが施錠されてしまう、いわゆるインロックが発生しないことが確認された上で、ドアが施錠されるようになっている。
【0036】
このように本実施形態の自動車には、セキュリティ装置3と電子キー2との間でキー照合に関する双方向通信が行われるとともに、それにより正規の電子キー2が利用されたものと肯定判断されたとき、ドアの解錠や施錠が許可される機能(スマートエントリー機能)が適用されている。
【0037】
ところで、電子キー2の解錠スイッチ26が操作されたとき、その電子キー2から解錠要求信号が送信される。そして、この解錠要求信号が受信アンテナ33により受信されたとき、受信回路34から照合装置35に受信信号(この場合、解錠要求用操作コードと電子キー2のIDコードとが含まれている。)が入力される。
【0038】
照合装置35は、受信回路34から入力された受信信号に基準IDコードと一致するIDコードが含まれており、且つ同受信信号に解錠要求用操作コードが含まれているとき、正規の電子キー2によるドア解錠に関する要求があった旨を認識する。そして、照合装置35は、このように認識したとき、ドア制御装置40にドア解錠指令信号を出力する。その結果、ドア制御装置40によりドアが解錠されることとなる。
【0039】
このように本実施形態の自動車には、電子キー2とセキュリティ装置3との間で電子キー2を送信側とする単方向通信が行われるとともに、それにより電子キー2によるドア解錠に関する要求があったとき、ドアが解錠される機能(リモートドアアンロック機能)が適用されている。
【0040】
一方、電子キー2の施錠スイッチ27が操作されたとき、その電子キー2から施錠要求信号が送信される。そして、この施錠要求信号が受信アンテナ33により受信されたとき、受信回路34から照合装置35に受信信号(この場合、施錠要求用操作コードと電子キー2のIDコードとが含まれている。)が入力される。
【0041】
照合装置35は、受信回路34から入力された受信信号に基準IDコードと一致するIDコードが含まれており、且つ同受信信号に施錠要求用操作コードが含まれているとき、正規の電子キー2によるドア施錠に関する要求があった旨を認識する。そして、照合装置35は、このように認識したとき、ドア制御装置40にドア施錠指令信号を出力する。その結果、ドア制御装置40によりドアが施錠されることとなる。
【0042】
このように本実施形態の自動車には、電子キー2とセキュリティ装置3との間で電子キー2を送信側とする単方向通信が行われるとともに、それにより電子キー2によるドア施錠に関する要求があったとき、ドアが施錠される機能(リモートドアロック機能)が適用されている。
【0043】
次いで、エンジン始動について説明する。
上記のようなドア解錠に関する機能又はメカニカルキーが供されてドアが開けられたとき、照合装置35は、正規の電子キー2の所持者による乗車(車内の所定領域B32に対する進入)を監視するため、送信回路31にリクエスト信号を出力する。つまり、この場合、照合装置35は、車内通信制御を実行する。その結果、車内送信アンテナ32bから車内の所定領域B32内にリクエスト信号が送信される。
【0044】
照合装置35は、車内通信制御を実行したことに伴って、受信回路34からIDコード信号に関する受信信号が入力されたとき、その受信信号に含まれているIDコードと基準IDコードとが一致しているか否かを判断する。つまり、この場合、照合装置35は、IDコード照合を実行する。そして、照合装置35は、このIDコード照合により両IDコードが一致したとき、正規の電子キー2が利用された旨を認識するとともに、この場合、この電子キー2の所持者によるエンジン始動を許容するために、エンジン制御装置50にエンジン始動許可信号を出力する。その結果、このようにエンジンの始動が許可されている状態で電子キー2の所持者がエンジン始動ボタン(図示略)を押すと、エンジン制御装置50によりエンジンが始動されることとなる。
【0045】
このように本実施形態の自動車には、セキュリティ装置3と電子キー2との間でキー照合に関する双方向通信が行われるとともに、それにより正規の電子キー2が利用されたものと肯定判断されたとき、エンジンの始動が許可される機能(スマートイグニッション機能)が適用されている。
【0046】
次に、電子キーシステム1の特徴点について説明する。
上記したように、セキュリティ装置3から送信されるリクエスト信号が電子キー2で受信されると、同電子キー2からIDコード信号が送信されるとともに、そのIDコード信号がセキュリティ装置3で受信されると、セキュリティ装置3でIDコード照合が行われる。そして、このIDコード照合を経て正規の電子キー2が利用されたものと肯定判断されたとき、ドアの解錠や施錠が許可されたり、エンジンの始動が許可されたりする。
【0047】
ここに、本実施形態では、エンジンの始動が許可されるための条件として、正規の電子キー2が利用されることに加えて、その電子キー2によるアルコール検知の結果、呼気中のアルコール量が基準アルコール量を下回っていることが必要となっている。
【0048】
即ち、図1及び図4に示すように、本実施形態の電子キー2は、アルコール検知機能を有するとともに、アルコール検知器28を備えている。アルコール検知器28は、呼気を吹き込むための呼気吹き込み口61、呼気吹き込み口61から吹き込まれた呼気の風量を検出する風量センサ62、呼気中のアルコール量を検出するアルコールセンサ63、呼気中のアルコール量を表示するディスプレイ64、アルコール検知を開始するために操作されるアルコール検知スイッチ65を備えている。
【0049】
アルコールセンサ63は、センサエレメントが加熱されることでそれが所定の温度に達した段階で、つまり加熱が完了した段階で、呼気中のアルコール量を検出することができるとともに、アルコール量に応じた検出信号をマイコン23に出力するようになっている。マイコン23は、アルコール検知スイッチ65が操作されたとき、アルコールセンサ63の加熱を開始するようになっている。
【0050】
そして、マイコン23は、風量センサ62から入力される風量に関する検出信号を監視するとともに、アルコールセンサ63から入力されるアルコール量に関する検出信号を監視する。マイコン23は、風量センサ62から入力される検出信号を解析することで、基準風量に達する呼気が風量センサ62により検出された旨を認識したとき、アルコールセンサ63から入力される検出信号を有効化するとともに、それを解析することで、呼気中のアルコール量を認識する。そして、この場合、マイコン23は、呼気中のアルコール量に関する情報をメモリ23aに記憶する。ちなみに、基準風量に関するデータは、メモリ23aに記憶されている。
【0051】
そして、マイコン23は、このようにして呼気中のアルコール量に関する情報をメモリ23aに記憶したとき、その情報をメモリ23aに記憶してから所定の時間(本実施形態では15分間)が経過するまでの期間に限定して、この情報を有効化する。つまり、マイコン23は、呼気中のアルコール量に関する情報を前記所定の時間に亘ってメモリ23aに記憶する。そして、マイコン23は、呼気中のアルコール量に関する情報をメモリ23aに記憶してから前記所定の時間が経過したとき、その情報をメモリ23aから消去する。
【0052】
そして、マイコン23は、呼気中のアルコール量に関する情報をメモリ23aに記憶してから前記所定の時間が経過するまでの期間内に、新たなアルコール検知が行われたとき、その新たなアルコール検知で得られた呼気中のアルコール量に関する情報をメモリ23aに記憶する。つまり、この場合、マイコン23は、呼気中のアルコール量に関する情報を更新するとともに、その新たな情報を前記所定の時間に亘ってメモリ23aに記憶する。
【0053】
また、マイコン23は、基準風量に達する呼気が風量センサ62により検出されないとき、この場合、呼気吹き込み口61を通じて適正にアルコール検知が行われたことにならないから、アルコールセンサ63から入力される検出信号を無効化するとともに、呼気中のアルコール量に関する情報をメモリ23aに記憶しない。
【0054】
そして、マイコン23は、上記のように呼気中のアルコール量に関する情報をメモリ23aに記憶した場合、その情報をディスプレイ64に表示するようになっている。例えば、呼気吹き込み口61から吹き込まれた呼気にアルコールが含まれていない場合、ディスプレイ64には、「0.00mg/L」が表示されるとともに、これにより呼気1リットルあたりのアルコール量が限りなく0に近いものであることが報知される。
【0055】
そして、メモリ23aに記憶された、呼気中のアルコール量に関する情報は、電子キー2の所持者に対するこうした報知に用いられることに加えて、先に説明したセキュリティ装置3との間での双方向通信にも用いられる。
【0056】
即ち、電子キー2を所持した車両ユーザが乗車するに際して、車外の所定領域A32内に進入してくると、そこでは電子キー2がセキュリティ装置3からのリクエスト信号を受信するとともに、それに応答して電子キー2からIDコード信号が送信される。ここに、本実施形態では、電子キー2がリクエスト信号を受信した段階で、呼気中のアルコール量に関する情報がメモリ23aに記憶されているとき、その情報が付加されたIDコード信号がリクエスト信号の応答信号として電子キー2から送信されるようになっている。
【0057】
また、この段階を経て、電子キー2を所持した車両ユーザが車内に乗り込んで車内の所定領域B32内に進入してくると、そこでも電子キー2がセキュリティ装置3からのリクエスト信号を受信するとともに、それに応答して電子キー2からIDコード信号が送信される。ここに、本実施形態では、電子キー2がリクエスト信号を受信した段階で、呼気中のアルコール量に関する情報がメモリ23aに記憶されているとき、その情報が付加されたIDコード信号がリクエスト信号の応答信号として電子キー2から送信されるようになっている。
【0058】
つまり、本実施形態では、車内外を問わず、電子キー2がリクエスト信号を受信した段階で、呼気中のアルコール量に関する情報がメモリ23aに記憶されているとき、その情報が付加されたIDコード信号がリクエスト信号の応答信号として電子キー2から送信されるようになっている。尚、このIDコード信号には、電子キー2のIDコードと、呼気中のアルコール量に関する情報とが含まれている。
【0059】
次いで、こうしたIDコード信号を受信することとなる車両側のセキュリティ装置3の動作について説明する。
照合装置35は、受信回路34からIDコード信号に関する受信信号が入力されたとき、IDコード照合を行うとともに、前記受信信号に含まれている呼気中のアルコール量に関する情報を解析することで、呼気中のアルコール量が基準アルコール量を下回っているか否かを判断する。尚、基準アルコール量に関するデータは、メモリ35aに記憶されるとともに、例えば、呼気1リットルあたりのアルコール量が0.15ミリグラム(=0.15mg/L)に設定されている。
【0060】
そして、照合装置35は、IDコード照合を経て正規の電子キー2が利用されたものと肯定判断して且つ呼気中のアルコール量が基準アルコール量を下回っていることを条件として、エンジンの始動を許可するべく、エンジン制御装置50にエンジン始動許可信号を出力する。
【0061】
尚、照合装置35は、正規の電子キー2が利用されていない場合は勿論のこと、正規の電子キー2が利用された場合でも、呼気中のアルコール量が基準アルコール量に達しているときには、エンジンの始動を許可しない。その結果、車両ユーザによる飲酒運転が未然に防止されるようになっている。
【0062】
ところで、電子キー2がリクエスト信号を受信した段階で、呼気中のアルコール量に関する情報がメモリ23aに記憶されていないとき、マイコン23は、アルコール検知スイッチ65の操作を待つことなく、いわば自動的にアルコールセンサ63の加熱を開始するようになっている。そして、この場合、マイコン23は、呼気中のアルコール量に関する情報が付加されないIDコード信号を生成するとともに、こうしたIDコード信号を送信回路24及び送信アンテナ25を通じて電子キー2から送信するようになっている。
【0063】
そして、車両側のセキュリティ装置3によりこれが受信されるとともに、IDコード照合を経て乗車が許容され、やがて電子キー2の所持者が車内に乗り込んで運転席に着座する頃、予め加熱が開始されていたアルコールセンサ63の加熱が完了を迎えることとなる。従って、電子キー2の所持者は、乗車前にアルコール検知を行っていない場合、車外の所定領域A32内に進入してきてからエンジン始動に先立って着座するまでの自然な動作の中でアルコールセンサ63の加熱の完了を迎えることができ、よって着座した段階ですぐにアルコール検知を開始することができる。
【0064】
そして、アルコール検知を経て呼気中のアルコール量に関する情報がメモリ23aに記憶された段階で、電子キー2がリクエスト信号を受信したとき、呼気中のアルコール量に関する情報が付加されたIDコード信号がリクエスト信号の応答信号として電子キー2から送信される。そして、それがセキュリティ装置3で受信されたとき、照合装置35は、IDコード照合を経て正規の電子キー2が利用されたものと肯定判断して且つ呼気中のアルコール量が基準アルコール量を下回っていることを条件として、エンジンの始動を許可するべく、エンジン制御装置50にエンジン始動許可信号を出力する。
【0065】
尚、電子キー2のマイコン23は、アルコールセンサ63の加熱が完了してから所定の時間(本実施形態では1分間)が経過するまでの期間内に、基準風量に達する呼気が風量センサ62により検出されなかったとき、アルコールセンサ63の加熱を停止する。この理由は、アルコールセンサ63によるアルコール検知を行う場合、センサエレメントが所定の温度に達した後も、その温度を維持するためにアルコールセンサ63の加熱を継続する必要があり、よってアルコール検知が行われないからと言って、アルコールセンサ63を加熱し続けると、電子キー2に内蔵されている電池の消耗が早まるからである。
【0066】
勿論、アルコールセンサ63の加熱が完了してから前記所定の時間が経過するまでの期間内に、基準風量に達する呼気が風量センサ62により検出されたとき、残り時間があってもその段階でアルコールセンサ63の加熱を停止しても差し支えない。従って、この場合、マイコン23は、前記所定の時間が経過するまで待つことなく、アルコールセンサ63の加熱を停止する。
【0067】
ちなみに、上記のようにしてアルコールセンサ63の加熱が停止されてセンサエレメントの温度が低い状態からアルコール検知を行いたい場合には、アルコール検知スイッチ65を操作することでアルコールセンサ63の加熱を開始するとともに、やがて加熱が完了した段階で呼気吹き込み口61から呼気を吹き込んでアルコール検知を行えばよい。
【0068】
以上、詳述したように本実施形態によれば、次のような作用、効果を得ることができる。
(1)車両側に設けられるセキュリティ装置3から送信されてくるリクエスト信号が電子キー2で受信されたとき、同電子キー2からIDコードを含む応答信号が送信されるのであるが、呼気中のアルコール量に関する情報が電子キー2のメモリ23aに記憶されているとき、その情報が付加された前記応答信号が電子キー2から送信される。このため、こうした応答信号が車両側のセキュリティ装置3で受信されたとき、該応答信号に含まれている情報を車両側で用いることが可能となる。本実施形態では、基準IDコードと一致するIDコードを有する正規の電子キー2が利用されて且つその正規の電子キー2により検出された呼気中のアルコール量が基準アルコール量を下回っていることを条件として、エンジンの始動を許可する、といったことが可能となる。よって、車両ユーザによる飲酒運転を防止することができる。
【0069】
(2)車両側にアルコール検知器を設けるのではなく、車両ユーザが所持する電子キー2にアルコール検知器28を設けるようにしたので、車両まで出向くことなく、乗車前に予めアルコール検知を行うことが可能となり、よって、このようにすれば、乗車段階で電子キー2を取り出すことなくエンジンを始動することができる。従って、アルコール検知による煩わしさを低減することができる。
【0070】
(3)電子キー2が備えるアルコール検知器28によるアルコール検知が乗車前に行われていない場合、乗車段階でアルコール検知が行われる必要があるが、これに必要なアルコールセンサ63の加熱が予め開始されることで、アルコール検知ができるようになるまでの待ち時間が短縮される。従って、アルコール検知による煩わしさを低減することができる。
【0071】
(4)マイコン23は、アルコールセンサ63の加熱が完了してから所定の時間が経過するまでの期間内に、基準風量に達する呼気が風量センサ62により検出されなかったとき、アルコールセンサ63の加熱を停止する。従って、アルコール検知が行われないからと言って無期限でアルコールセンサ63が加熱し続けられる訳ではないので、アルコール検知を行わなかった時のアルコールセンサ63の加熱による消費電力を抑制することができる。
【0072】
(5)アルコール検知スイッチ65を操作すると、アルコールセンサ63の加熱が開始されるとともに、やがて加熱が完了した段階で呼気吹き込み口61から呼気を吹き込めばアルコール検知を行うことができる。従って、車両ユーザは、電子キー2が備えるアルコール検知スイッチ65を操作することで、電子キー2をアルコール検知器としていつでも利用することができる。
【0073】
(6)電子キー2を所有していれば、チェック用のアルコール検知器を用意しなくても、車両まで出向くことなく、アルコール検知を行える。従って、車両ユーザは、チェック用のアルコール検知器を入手する必要がなくなるから、初期コストを抑えることができ、よって経済的に都合がよい。
【0074】
(7)電子キー2は、車両用のキーでありながら、アルコール検知器としても用いることができる。従って、車両用のキーとアルコール検知器とを別々に持つ必要がなく、よって持ち運びに便利である。
【0075】
(8)ディスプレイ64にアルコール量が表示されるので、それを目視することで、車両まで出向かなくても、車両の運転が許容されるレベルにあるのかどうかを自己判断できる。
【0076】
尚、前記実施形態は、次のように変更して具体化することも可能である。
・前記実施形態のような飲酒運転防止装置は、基準値を超えるアルコールが検出されたとき、エンジンの始動を禁止することに限らず、シフトレバーをロックしたり、或いはハンドルをロックしたりする等、要は運転が不可となるものであればよい。
【0077】
・マイコン23は、アルコールセンサ63の加熱が完了したとき、アルコールセンサ63の加熱が完了した旨のメッセージを表示又は音で報知するようにしてもよい。前記メッセージとして「検出できます」を採用してもよい。前記メッセージを表示により報知する場合、前記ディスプレイ64を兼用してもよい。尚、この程度の文字量であれば小さな画面でも対応できる。
【0078】
・上記の別例に関連して、メッセージによる報知に代えて、ブザーによる報知を行ってもよい。この場合、図1に破線で示すように、ブザー66をマイコン23に電気的に接続するとともに、アルコールセンサ63の加熱が完了した旨(アルコール検知を開始できるようにするための準備が整った旨)や呼気の吹き込みが適切であった旨等を報知するべく、マイコン23によりブザー66を鳴動させればよい。
【0079】
・呼気吹き込み口61は、着脱自在に設けられていてもよい。同構成によると、車両ユーザから正規の電子キー2と併せて車両を借りるような場合において、正規の電子キー2に設けられている(車両ユーザ専用の)呼気吹き込み口61を取り外すとともに、(自分専用の)呼気吹き込み口61を取り付けることが可能となり、よって衛生的である。
【0080】
・電子キー2のマイコン23は、乗車時のように解錠スイッチ26が操作された段階で、呼気中のアルコール量に関する情報がメモリ23aに記憶されていないとき、アルコールセンサ63の加熱を開始するようにしてもよい。その一方で、マイコン23は、降車時のように施錠スイッチ27が操作されたとき、呼気中のアルコール量に関する情報がメモリ23aに記憶されているか否かに拘わらず、アルコールセンサ63を加熱しないようにしてもよい。或いは、マイコン23は、降車時のように施錠スイッチ27が操作された段階で、呼気中のアルコール量に関する情報がメモリ23aに記憶されておらず、且つアルコールセンサ63が加熱中であるとき、アルコールセンサ63の加熱を停止するようにしてもよい。
【0081】
・基準アルコール量に達しないまでも低いレベルのアルコール量がアルコール検知器28で検出された回数をカウントし、それが基準回数に達したとき、基準アルコール量を以前よりも低いものとし、これによりアルコール検知が車両ユーザにとって厳しいものとなるようにしてもよい。このように構成すれば、飲酒運転を確実に防止できる。尚、上記のような低いレベルのアルコール量が検出されたことを示唆する情報が付加されたIDコード信号がセキュリティ装置3で受信されてエンジンが始動された回数を前記回数としてカウントすればよい。
【0082】
・車外の所定領域A32にリクエスト信号が送信されているのか、或いは車内の所定領域B32にリクエスト信号が送信されているのか、を電子キー2の側で区別できるような構成、例えば、車外の所定領域A32には第1のリクエスト信号が送信されるとともに、車内の所定領域B32には第2のリクエスト信号が送信される構成を想定する。こうした構成において、電子キー2は、第1のリクエスト信号を受信した場合にのみ、呼気中のアルコール量に関する情報を付加したIDコード信号を送信するようにしてもよい。
【0083】
或いは、上記構成において、電子キー2は、第2のリクエスト信号を受信した場合にのみ、呼気中のアルコール量に関する情報を付加したIDコード信号を送信するようにしてもよい。
【0084】
或いは、上記構成において、電子キー2は、第1のリクエスト信号を受信した場合と第2のリクエスト信号を受信した場合との両方に、呼気中のアルコール量に関する情報を付加したIDコード信号を送信するようにしてもよい。
【0085】
・電子キー2に内蔵されている電池の寿命を少しでも延ばすべく、マイコン23は、ディスプレイ64にアルコール量を表示してから所定の時間が経過した段階で該表示を消去するようにしてもよい。尚、前記所定の時間は、電子キー2の所持者が自分のアルコール量に関する表示を目視できる程度の時間、例えば10秒間〜1分間程度に設定されることが望ましい。
【0086】
次に、上記実施形態及び別例から把握できる技術的思想について記載する。
〔1〕請求項2又は請求項3に記載の携帯機において、
前記センサ部の加熱を開始するために操作されるセンサ加熱開始スイッチを備えていることを特徴とする携帯機。
【0087】
同構成によると、車両ユーザは、当該携帯機が備えるセンサ加熱開始スイッチを操作することで、当該携帯機をアルコール検知器としていつでも利用することができる。尚、アルコール検知スイッチ65はセンサ加熱開始スイッチに相当する。
【0088】
〔2〕請求項3に記載の携帯機において、
前記呼気吹き込み口は、着脱自在に設けられていることを特徴とする携帯機。
同構成によると、車両ユーザから正規の携帯機と併せて車両を借りるような場合において、正規の携帯機に設けられている(車両ユーザ専用の)呼気吹き込み口を取り外すとともに、(自分専用の)呼気吹き込み口を取り付けることが可能となり、よって衛生的である。
【図面の簡単な説明】
【0089】
【図1】電子キーシステムが適用されている本実施形態の自動車の構成を示すブロック図。
【図2】車外の所定領域を示す説明図。
【図3】車内の所定領域を示す説明図。
【図4】アルコール検知機能を有する本実施形態の電子キーの外観を示す正面図。
【符号の説明】
【0090】
2…電子キー(携帯機)、3…セキュリティ装置、21…受信アンテナ(受信手段)、22…受信回路(受信手段)、23…マイコン(センサ加熱開始制御手段、センサ加熱停止制御手段)、23a…メモリ(アルコール情報記憶手段)、24…送信回路(送信手段)、25…送信アンテナ(送信手段)、28…アルコール検知器(アルコール検出手段)、61…呼気吹き込み口、62…風量センサ、63…アルコールセンサ(センサ部)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両ユーザが所持するとともに、車両側に設けられるセキュリティ装置から送信されてくるリクエスト信号を受信する受信手段と、前記受信手段によりリクエスト信号が受信されたとき、当該携帯機に対して個別に設定されたIDコードを含む応答信号を送信する送信手段とを備える携帯機において、
呼気中のアルコール量を検出するアルコール検出手段と、
前記アルコール検出手段により検出された呼気中のアルコール量に関する情報を記憶するアルコール情報記憶手段とを備え、
前記送信手段は、前記受信手段によりリクエスト信号が受信された段階で、呼気中のアルコール量に関する情報が前記アルコール情報記憶手段に記憶されているとき、その情報が付加された前記応答信号を送信することを特徴とする携帯機。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯機において、
前記アルコール検出手段は、呼気中のアルコール量を検出するに際して加熱を必要とするセンサ部を備え、
前記受信手段によりリクエスト信号が受信された段階で、呼気中のアルコール量に関する情報が前記アルコール情報記憶手段に記憶されていないとき、前記センサ部の加熱を開始するセンサ加熱開始制御手段を備えていることを特徴とする携帯機。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯機において、
前記アルコール検出手段は、呼気を吹き込むための呼気吹き込み口と、前記呼気吹き込み口から吹き込まれた呼気の風量を検出する風量センサとを備え、
前記センサ部の加熱が完了してから所定の時間が経過するまでの期間内に、基準風量に達する呼気が前記風量センサにより検出されなかったとき、前記センサ部の加熱を停止するセンサ加熱停止制御手段を備えていることを特徴とする携帯機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−291535(P2008−291535A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−138922(P2007−138922)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(000003551)株式会社東海理化電機製作所 (3,198)
【Fターム(参考)】