携帯無線ゲーム機サーバー、携帯無線ゲーム機クライアント、およびこれらを使用するシステム
【課題】軽量、小型かつ低コストなサーバーから多数のクライアントに対してクライアントアプリケーションを送信可能なシステムを提供する。
【解決手段】携帯無線サーバーは、バッテリ、データ処理回路、読み/書きメモリ、無線通信回路および脱着可能な記憶装置を収容するメモリ挿入口を含む。記憶装置は、データ処理回路によって実行される多数のダイナミックサーバーアプリケーションと、携帯無線クライアントにダウンロードされる多数のダイナミッククライアントアプリケーションを記憶する。無線通信回路は、クライアントアプリケーションのダウンロード要求を携帯無線クライアントから受信する。データ処理回路は、多数の携帯無線クライアントからのクライアントアプリケーションのダウンロード要求を同時に処理し、当該多数の携帯クライアント機器に対してクライアントアプリケーションを無線送信する。
【解決手段】携帯無線サーバーは、バッテリ、データ処理回路、読み/書きメモリ、無線通信回路および脱着可能な記憶装置を収容するメモリ挿入口を含む。記憶装置は、データ処理回路によって実行される多数のダイナミックサーバーアプリケーションと、携帯無線クライアントにダウンロードされる多数のダイナミッククライアントアプリケーションを記憶する。無線通信回路は、クライアントアプリケーションのダウンロード要求を携帯無線クライアントから受信する。データ処理回路は、多数の携帯無線クライアントからのクライアントアプリケーションのダウンロード要求を同時に処理し、当該多数の携帯クライアント機器に対してクライアントアプリケーションを無線送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先出願)
本願は、2008年8月3日に出願された米国仮出願第60/953,819号の優先権を主張するものであり、またその内容を本願に引用して援用する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本願は、本願と同一の出願人により2006年8月21日に出願された米国特許出願第11/507,019号に関連し、そのすべての内容を本願に引用して援用する。
【0003】
(技術分野)
本発明は、組み込みシステムおよび無線通信を用いたサーバー・クライアント技術に関する。
【0004】
(背景および要旨)
無線通信および無線通信機器は、現代社会において身近なものとなっている。「無線」とは、機器が有線インターフェースではなく、空中インターフェースを介して他の機器と通信を行うことである。電話、PDA、MP3プレーヤ、およびゲーム機器は、携帯用バッテリ電源式無線機器の一例である。当該無線機器は、通例通信ネットワークを介して、1つ以上のサーバー機器から複数種類のサービスを取得する「クライアント」機器である。例えば携帯電話の場合、通話を行うために携帯電話ネットワークに接続して、電話サービスを取得する。携帯無線クライアント機器は、小型かつ軽量であるために、ユーザーは実質上どこにでも容易に持ち運ぶことができる。またバッテリ寿命を保つために電力効率がよく、比較的安価であるために大部分の消費者が入手可能である。しかし、同様のことがサーバー機器には適用されない。対照的に、サーバーは、概してかなり大型で重量があり、動作に相当の電力を必要とするコンピュータで、携帯クライアント無線機器に比べて少なくとも一けた違いに高価である。
【0005】
この違いは、携帯クライアント機器とサーバーコンピュータの機能上の違いによるものである。一般にサーバーは、汎用コンピュータ回路、通信回路、相当量の作業メモリ、およびハードディスク・メモリなどの長期記憶を備える汎用コンピュータシステムであり、拡張オペレーションシステムソフトおよびアプリケーションソフトを備える。一方、携帯クライアント機器のハードウェアやソフトウェアは、容量が非常に小さく、簡素化され、1つまたは若干の集中タスクまたは専用タスクを提供する。携帯クライアント機器は、多数のタスクを行う汎用コンピュータではなく、特定のタスクを行うための単純な「組み込み」機器とみなされている。通常組み込み機器は、性能要求が低いまたは無いため、システムのハードウェアおよびソフトウェアが簡素化され、メモリやバンド幅が限定的、ユーザインターフェース特徴やオペレーションシステムソフトが単純または存在しない、アプリケーション(アプレット)が単純であるなど、コストを削減することができる。
【0006】
携帯無線機器のユビキタス性を鑑み、多くの異なる場所に多数のサーバーを設置して、当該場所に存在するクライアントにサービスを提供し、またサーバー間の接続およびサーバーと他のネットワークとの接続を可能にすることが望ましい。しかし、そのためには安価で小型かつ軽量のサーバーが必要である。これらの特徴は、空中移動またはその他の移動状況など、小型、軽量および/または低電力が重要となるまたは求められる状況において特に重要である。以下の記述において、説明のために飛行機旅行状況の場合について言及しているが、本発明の技術は、サーバーがその他の状況にあっても有効に適用される。また以下の記述では、携帯無線ゲームサーバーおよびクライアントについてしばしば言及しているが、本発明の技術は、他のタイプの携帯型または組み込み型無線機器でも利用できる。
【0007】
携帯無線機器は、携帯無線クライアントにサービスを提供する携帯無線サーバーとして機能するように構成されている。携帯機器は、片手で容易に持つことができ、片手または両手の指で通常の操作ができる大きさかつ重量である。対照的に、ほとんどのラップトップコンピュータは、通常、操作の際に片手または両手で把持しかつ操作するのではなく、人のひざの上またはその他何らかの上において操作する大きさである。携帯無線サーバーはバッテリを備え、当該バッテリは、データ処理回路、読み/書きメモリ、および外部の脱着可能な長期読み/書き記憶装置を装着するメモリ挿入口を含むサーバー構成部に電力を供給する。長期読み/書き記憶装置は、データ処理回路によって実行される多数のダイナミックサーバーアプリケーションと、1つまたは複数の携帯無線クライアント機器にダウンロードされる多数のダイナミッククライアントアプリケーションを記憶する。「ダイナミック」とは、携帯無線サーバー機器の電源を切るおよび/または再起動することなく、通常操作中に、当該アプリケーションを変更または修正できることである。携帯無線サーバーは、さらに無線通信回路を含み、当該無線通信回路は初期情報を同報し、長期記憶装置に保存されたクライアントアプリケーションのダウンロード要求などを含む携帯無線クライアント機器からの通信を検出する。データプロセッサは、多数の携帯無線クライアント機器からの、1つまたは複数のクライアントアプリケーションに対するダウンロードの要求を同時に処理し、メモリ挿入口に動作可能に接続された長期記憶装置からクライアントアプリケーションを読み出し、多数の携帯無線クライアント機器にクライアントアプリケーションを無線で提供する。
【0008】
本発明の一実施形態によると、携帯無線機器サーバーは、所定のサーバー機能を行うための組み込み機器である。サーバーとして使用される携帯無線機器の具体的な一例として、ニンテンドーDSがあげられるがそれに限定されない。一実施例において、当該ニンテンドーDSは、無線アクセスポイントとして機能させるためにニンテンドーDSを初期化するためのブートカートリッジを挿入するためのブートカートリッジ挿入口を含み、フラッシュメモリカートリッジは、メモリ挿入口に挿入され、長期読み/書き記憶装置として機能する。携帯無線クライアントは、ゲームクライアントであってもよい(がそれに限定されない)。少なくとも1つのサーバーアプリケーションは、携帯無線クライアント機器にクライアントアプリケーションが提供されると、クライアントアプリケーションを開始させる。例えば、携帯無線ゲームクライアントは、ニンテンドーDSであってもよい。小型かつ軽量の携帯無線クライアント機器は、一例として、動作可能にメモリ挿入口に接続された長期記憶装置を含まない状態で、重量が283g(10オンス)で、それぞれ幅8.89cm(3.5インチ)、長さ15.2cm(6インチ)、高さ3.18cm(1.25インチ)を超えない寸法であってもよいがそれに限定されない。
【0009】
長期記憶装置は、フラッシュメモリであってもよいが、ハードディスクやその他適切なメモリであってもよい。長期記憶装置は、カード、カートリッジ、ディスク、チップ、またはスティックで構成され、メモリ挿入口は当該カード、カートリッジ、ディスクまたはスティックを挿入可能な大きさである。
【0010】
携帯サーバーの一実施例として、処理回路には、カーネルおよびネットワークドライバを実行する第1データプロセッサと、カーネルおよびサーバーアプリケーションを実行する第2データプロセッサと、2次元画像および3次元画像を処理するグラフィックス処理装置が含まれる。
【0011】
無線回路は、好ましくは、1つまたは複数のアプリケーションを他の携帯無線サーバーから無線受信するために、および/または他の携帯無線サーバーに1つまたは複数のアプリケーションを無線送信するために、1つまたは複数の他の無線サーバーと無線通信を行う。一実施例において、携帯無線サーバーは、飛行機、船、バス、列車、地下鉄などの輸送機関に設置される。この場合好ましくは、無線回路は、輸送機関ネットワークの一部となる当該輸送機関における他の無線アクセスポイントと無線通信を行う。他の実施例として、無線回路は、インターネットに接続されているコンテンツサーバーから、少なくとも複数のクライアントアプリケーションを検索できるようにインターネットに接続された他の無線アクセスポイントと無線通信を行う。
【0012】
無線回路が、第1の無線プロトコルを用いて他の無線アクセスポイントと無線通信し、第2の無線プロトコルを用いて携帯無線クライアントと通信できるのは便利である。例えば、第1の無線プロトコルは、標準無線プロトコルであり、第2の無線プロトコルは、独自開発のプロトコルであってよい。標準無線プロトコルの一例として802.11プロトコルが上げられるがそれに限らず、他の標準プロトコルを用いてもよい。
【0013】
携帯サーバー機器が、標準プロトコルを用いて通信を行う場合、携帯無線ゲーム機器に特定した情報を通信するために、当該プロトコルを変更してもよい。例えば、無線回路は、携帯無線クライアント機器にダウンロード可能なクライアントアプリケーションに関する情報を含んだビーコン信号を送信する。
【0014】
本技術の別の局面は、旅行環境に備えられる無線ネットワーク内に所在する、旅行者が利用できる携帯無線端末に関する。携帯無線端末は、当該旅行環境において異なる場所に設置された無線アクセスポイントと無線通信する。携帯無線端末は、バッテリ、データ処理回路、読み/書きメモリ、および無線通信回路を含む。無線通信回路は、無線アクセスポイントから、複数のクライアントアプリケーションインジケータを含む同報情報を受信し、当該無線アクセスポイントから受信した通信情報をもとに、複数のクライアントアプリケーションのうち1つのクライアントアプリケーションをダウンロード要求し、要求にもとづき無線アクセスポイントからダウンロードされたクライアントアプリケーションを受信する。携帯無線端末は、携帯無線ゲーム端末が通信を行う無線アクセスポイントの旅行環境内での位置に応じて変化する双方向インターフェースを含む。
【0015】
一実施例において、当該双方向インターフェースは、2つの独立した表示画面からなる。好ましくは、携帯無線端末が通信する無線アクセスポイントからダウンロードしたインターフェースアプリケーション設定に応じて、双方向インターフェースは変化する。例えば、旅行前段階、旅行中段階、および旅行後段階を含む旅行環境に関わる段階を反映して、異なる無線アクセスポイントから、それぞれ異なるインターフェースアプリケーションがダウンロードされる。旅行環境に飛行機旅行が含まれる場合、旅行前段階には、空港に到着し、空港ターミナル内を移動する旅行者が含まれ、旅行段階には、飛行機内に位置する旅行者が、また旅行後段階には、空港ターミナルを出発する旅行者が含まれる。
【0016】
無線アクセスポイントからダウンロード可能なアプリケーションには、以下の1つまたは複数が含まれる。すなわち、ストリーミング映像、ビデオゲーム、ビデオゲームのデモ、1対1の対戦型ビデオゲーム、ビデオゲームのハイスコア、ビデオゲームの高得点争い、機外の映像、旅行者のチェックイン、空港ターミナルの地図、ターミナルの搭乗ゲートへの案内、その他の飛行情報およびオプション、遅延、キャンセル、航空路図、飛行進行状況、接続便の詳細、タクシーやレンタカー、ホテル、旅行者の目的地での行事およびイベントの案内、広告、機内販売、安全や目的地に関する情報の映像、飲食の注文、旅行ガイド、機内誌の電子コピー、外国語案内、ウェブアクセス、客室乗務員の呼び出し、頭上の読書灯の制御、化粧室の空室状況、および高度または着陸時間に基づく現在の作業の終了の警告などである。
【0017】
一実施例において、1つまたは複数の無線アクセスポイントは、無線アクセスポイントおよびサーバーとして機能する携帯無線機器である。例えば、無線アクセスポイントとして機能する携帯無線機器には、ニンテンドーDS機がある。好ましくは、無線アクセスポイントとして機能する携帯無線機器は、携帯無線ゲーム端末へのアプリケーションサーバーの機能も有する。
【0018】
本技術の他の局面は、無線で互いに接続された多数の携帯無線ゲーム機器からなる通信システムに関する。各携帯無線ゲーム機器は、多数の携帯無線ゲーム端末へのサーバーとして機能する。各携帯無線ゲーム機器は、バッテリと、データ処理回路と、読み/書き作業メモリと、データ処理回路によって実行される多数のサーバーアプリケーション、および1つまたは複数の携帯無線クライアント機器にダウンロードされる多数のクライアントアプリケーションを保存する大容量長期読み/書き記憶装置と、同報情報を送信し、1つ以上のクライアントアプリケーションのダウンロード要求を多数の携帯無線ゲーム端末から受信し、要求されたクライアントアプリケーションを要求元の携帯無線ゲーム端末に送信する無線回路とを含む。各携帯無線ゲーム端末は、バッテリと、データ処理回路と、読み/書き作業メモリと、および携帯無線ゲーム機器のうちの1つから送信された同報情報を受信し、複数のアプリケーションのうちの1つをダウンロードするための要求を当該携帯無線ゲーム機器に送信し、要求に基づき携帯無線ゲーム機器からダウンロードされたアプリケーションを受信する無線通信回路とを含む。
【0019】
複数の携帯無線ゲーム機器のうちの少なくともいくつかは、他の携帯無線ゲーム機器にアプリケーションをダウンロードさせる。携帯無線ゲーム機器および携帯無線ゲーム端末と無線通信を行う、多数の無線アクセスポイントを含むローカルエリアネットワークを備えてもよい。このように、携帯無線ゲーム機器は、ローカルエリアネットワークまたはインターネットを介して、アプリケーションコンテンツサーバーと通信してもよい。
【0020】
(詳細な説明)
以下の記述において、非限定的な説明のために、特定のノードや、機能構成要素、技術、プロトコル、基準などの具体的事項を示し、記述の技術の理解を与える。以下に開示された具体的事項以外によっても他の実施例を実施できることは当業者には言うまでもない。他の例では、不要に詳細な説明により本明細書が曖昧にならないようにするため、既知の方法、装置、技術などについての詳細な記述は省略する。個々の機能ブロックは図示される。各ブロックの機能については、個々のハードウェア回路を用いて、および/またはソフトウェアプログラムとデータを適切にプログラムされたマイクロプロセッサまたは汎用コンピュータと併用して、および/または特定用途向け集積回路(ASIC)を用いて、および/または1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)を用いて実行できることは、当業者には理解されるところである。
【0021】
一般に、本明細書に記載のシステム、方法および技術は、デジタル電子回路、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、あるいはそれらの組み合わせによって実行できる。この技術を実施する装置には、適切な入力および出力機器、コンピュータプロセッサ、およびプログラム可能なプロセッサで実行するために、コンピュータで読み取り可能な記憶装置に実体的に組み込まれたコンピュータプログラム製品が含まれる。また、本発明の技術を実施するプロセスは、入力データに基づいて動作し、適切な出力を生成して、所望の機能を果たすプログラムまたは命令スクリプトを実行するプログラム可能なプロセッサによって実行される。本発明の技術は、データおよび命令を送受信するためにデータ記憶システムに連結された少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサ、少なくとも1つの入力機器、および少なくとも1つの出力機器を備えるプログラム可能なシステムで実行可能な、1つまたは複数のコンピュータプログラムまたはスクリプトで実施される。好適なプロセッサの一例には、汎用マイクロプロセッサと専用マイクロプロセッサの両方が含まれる。一般に、プロセッサは、読出し専用メモリおよび/またはランダムアクセスメモリから命令およびデータを受信する。コンピュータプログラム命令およびデータを実体的に組み込むのに適した記憶装置として、あらゆる形式の揮発性および不揮発性のメモリがあげられる。一例として、半導体メモリ装置、消去可能プログラム可能ROM(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ装置、内蔵ハードディスクやリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、および光磁気ディスク、およびコンパクトディスク読出し専用メモリ(CD−ROM)がある。前述の記憶装置のいずれも、専用ASIC(特定用途向け集積回路)によって補完される、または専用ASICに組み込まれてもよい。コンピュータプログラム命令またはスクリプトは、搬送波またはその他の伝搬媒体に組み込まれたデータ信号として、通信リンク(モデム、有線、または無線ネットワーク接続など)を介して提供されてもよい。
【0022】
図1は、携帯ゲーム機器が、無線インターフェース上の多数の携帯ゲーム機器クライアントに対するサーバーとして機能する通信システムの一例を示す図である。サーバーとなる携帯ゲーム機器は、携帯ゲーム機器サーバーを表す頭文字HGDSと10で示される。ここでは、説明のためにゲーム機器が図示、記述されているが、他の携帯無線機器をサーバーとして用いてもよい。
【0023】
携帯ゲーム機器サーバー10は、処理回路14、読み/書き作業メモリ16、無線回路18、およびクライアントアプリケーションおよびサーバーアプリケーションの両方を保持する長期記憶装置22を装着するための外部メモリ挿入口20を備える。オペレーションシステムや、コンピュータの様々な性能の統合に関わるカーネルソフトウェアなどのシステムソフトウェアとは対照的に、アプリケーションは、クライアント機器のユーザーが任意の作業を行うのを手助けするためのコンピュータプログラムである。携帯ゲーム機器サーバー10をシャットダウンまたは再起動せずに変更あるいは修正可能であるという点で、アプリケーションはダイナミックである。長期記憶装置22は、フラッシュメモリ、ハードディスク、またはその他適切なメモリでもよく、カード、カートリッジ、ディスク、またはスティックで構成される。メモリ挿入口20は、長期記憶装置22の大きさまたは形状を収容可能な大きさである。携帯ゲーム機器サーバー10は、無線回路18およびアンテナを介して、無線インターフェース上で、多数の携帯機器クライアント(HDC)12と無線通信を行う。携帯ゲーム機器サーバー10は、所定のサーバー機能を果たすための組み込み機器であってもよい。
【0024】
図2は、図1に示す携帯ゲーム機器サーバーが実行する手順の一例を示すフローチャートである。サーバー10は、携帯機器クライアント向けに、無線インターフェース上でビーコンを同報送信する(ステップS1)。1つまたは複数の特定のクライアントアプリケーションおよび情報の要求を、携帯機器クライアントから受信する(ステップS2)。その受信に応じて、サーバーは、要求されたクライアントアプリケーションおよび情報を無線インターフェース上で多数の携帯機器クライアントにダウンロードする(ステップS3)。
【0025】
一実施形態として、携帯機器サーバーは、所定のサーバー機能を果たす組み込み機器である。サーバーとして使用される組み込み機器の一例として、図3に示すように、ニンテンドーDSゲーム機があげられる。ニンテンドーDS(携帯無線サーバーまたは携帯無線クライアントのどちらにも用いられ得ることを示すために、参照符号10および12で一般的に示している)は、メモリカートリッジスロットに相当するメモリ挿入口20を備える。カートリッジアダプタは、構成部24および26からなり、コンパクトフラッシュメモリカード22をニンテンドーDS機器内部のデータ処理回路に動作可能に接続するためのものである。カートリッジアダプタ24および26により、サーバーとして機能するニンテンドーDS内の処理回路は、市販のコンパクトフラッシュメモリカードに読み出しおよび書き込みが可能となる。
【0026】
図3に示すニンテンドーDSサーバーは、小型で安価、かつ軽量の携帯無線サーバー機器の一例である。例えば、メモリ挿入口に長期記憶装置が装着されていないニンテンドーDSの場合、その重量は283g(10オンス)以下で、その大きさは、それぞれ幅8.89cm(3.5インチ)3.5インチ、長さ15.25cm(6インチ)、高さ3.18cm(1.25インチ)以下である。ニンテンドーDS Liteは、さらに軽量かつ小型である。カートリッジアダプタ24および26とコンパクトフラッシュメモリ22は、ニンテンドーDSサーバーの重量またはサイズに有意な追加要素とならない。
【0027】
一実施形態において、携帯無線サーバー機器10は、3つのサーバー機能を果たす。すなわち、マルチブート、ストリーミング映像、およびファイルやコンテンツの提供である。マルチブートとは、1つまたは多数のクライアント機器(例えば15台のクライアント機器)に、同時にクライアントアプリケーションをダウンロードし、起動させることで、サーバー機器の処理回路14で実行されるマルチブートアプリケーションにより処理される。従って、マルチブートアプリケーションは、クライアントによる最初のマルチブートのダウンロード要求も扱う。マルチブートアプリケーションは、ダウンロードの途中におけるクライアント機器の参加を許可し、アプリケーションファイルの最後まで到達した後に、残りのダウンロードを完了させる。マルチブートアプリケーションは、自身の存在を周囲のクライアントに知らせ、クライアント端末がサーバー機器と同期して無線通信を行うために必要な情報を提供し、クライアント機器に送信可能なアプリケーションおよびその他の情報を提供するために、無線回路18よりビーコン型の無線信号を同報送信する。サーバーおよびクライアント機器の両方にアプリケーションを動的にロードするために、好ましくはアプリケーションは位置独立コード(PIC)および位置独立データ(PID)で構成され、これにより多数のアプリケーションおよびアプリケーションの多数のインスタンスを同時に実行することができる。好ましくは、クライアント機器に不正なソフトウェアがロードされないように、ダウンロードされるソフトウェアには、デジタル署名が施される。
【0028】
ストリーミング映像は、図1に示す携帯無線サーバー機器10によって提供されるか、あるいは後述する図7に示すように無線ローカルエリアネットワーク32に接続されたローカルまたは遠隔サーバー34または38から無線アクセスポイントを通じて送信されて提供される。携帯無線サーバー機器10は、アプリケーションデータ、ライブラリデータ、およびその他のデータファイルなどのデータを提供するファイルサーバーの役割も果たす。当該ファイルサーバー機能は、携帯無線サーバー機器10上で実行されるアプリケーションがおこなってもよい。一実施形態において、ファイルサーバーアプリケーションは、携帯無線サーバー機器10上の遠隔ファイルと、携帯クライアントのローカルファイル要求の間にネットワークブリッジを形成する。
【0029】
図4は、ニンテンドーDSサーバーによって実行され得るマルチブートアプリケーションの一例を示す図である。図4のポイント1において、初期読み込み動作が行われ、ニンテンドーDSサーバーは、クライアント機器に同報送信される各ゲームの情報またはその他アプリケーションの情報を作成する。多くの場合、ゲームアプリケーションなどのアプリケーションは、非常に大きすぎてメモリ16には保存できないため、セグメントサイズやメモリの読み込み位置などの主要情報と、ゲームの表示または内容、およびゲームを示すアイコンがメモリ16に保存される。初期読み込みにおいて同報ビーコンヘッダーが構築されると、ポイント2において無線回路18が当該ビーコンを送信する。当該ビーコンには、サーバーに接続されたプレーヤの数や、固有のダウンロード識別子や、ゲームのアイコン、タイトル、および/または内容を含むバナーデータなど、その他の情報が含まれてもよい。当該バナーデータは、非常に大きく1つのビーコンに組み込むことができないことがあるため、結果として当該データの一部がそれぞれのビーコンに組み込まれて送信されてもよい。マルチブートアプリケーションは、バナーデータが全て送信されるまで、データの次の部分まで指標を増加させ、全てのバナーデータの送信が完了すると、指標をゼロにリセットする。ビーコンは、バナーデータがすべて送信されるまで、一定間隔(例えば200ms)で送信され、この処理が繰り返される。ポイント3において、サーバーアクセスポイントループは、クライアントからの認証要求を待つ。クライアントが、ニンテンドーDSサーバーからアプリケーションまたは他の情報のダウンロードを希望する場合、802.11型無線プロトコルを用いると仮定すると、クライアントは802.11認証(AUTH)要求を送信する。ニンテンドーDSサーバーが応答後、クライアントは、接続(ASSOCIATION)要求を送信する。ニンテンドーDSサーバーは、アクセスポイントとしてのニンテンドーDSサーバーに接続されたことをクライアントに通知する。ダウンロードを行っているクライアントの状態を追跡記録するため、サーバー上に、新たなクライアントのインスタンスが作成される。クライアントがダウンロードを終了すると、認証解除(DeAuth)メッセージを送信し、サーバーはそのクライアントのインスタンスを削除する。クライアントのインスタンスは、マルチブートアプリケーションに対してそのクライアントから長い間(例えば60秒)信号が来ない場合にも削除される。ポイント4は、サーバーとクライアントの間での受信のポイントである。ニンテンドーDSサーバーは、各クライアントインスタンス毎に、受信されたパケットを処理する。各メッセージが受信される毎に、ニンテンドーDSサーバーは、過去の状態の情報を参照し、それに応じてクライアントのデータの状態を更新する。ハロー(Hello)ファンクションは、ニンテンドーDSサーバーへの初期接続を行う。ニック(Nick)ファンクションは、クライアントのニックネームを作成する複数のパケットを含む。当該ニックネームは、サーバーによって利用され得るそれぞれのクライアントに名前を割り当てるために使用される、またはネットワーク上で他のクライアントと交信する際に名前を表示するために使用されてもよい。RSAは、ダウンロードしたファイルのセキュリティ署名情報を渡す。データ(Data)ファンクションは、ダウンロードを行っているクライアントが要求している次のブロックを返す。当該データファンクションは、サーバーに対してダウンロード中に紛失したブロックを通知するために使用してもよい。ダン(Done)ファンクションおよびブート(Boot)ファンクションは、ダウンロード終了を通知するために使用される最終動作である。
【0030】
図5は、多数のDSクライアントに対して同時にデータをダウンロードするために、ニンテンドーDSサーバーから送信されるメッセージの一例を示す図である。クライアント状況・優先順位ラウンドロビン機能は、要求を行っているクライアント機器の一覧とそれらのクライアントの状況を調べ、優先順位が最も高い要求のものを選択する。好ましくは、優先順位は、機能停止したクライアント機器や、または通信範囲の少し外側にあるクライアント機器の問題を避けるためにローテーションされる。次のブロックは、ニンテンドーDSサーバーから送信される5つのデータメッセージを含む送信メッセージである。接続送信(Send Connected)メッセージは、クライアント機器との初期無線接続を通知する。ニック送信(Send Nick)メッセージは、クライアントのニックネーム受信を通知する。RSA送信(Send RSA)メッセージは、クライアントがダウンロードを要求したファイルのデジタル暗号署名情報をクライアントに送信する。データ送信(Send Data)メッセージは、最も一般的な送信で、ダウンロードしている情報の塊を含んだ各パケットの送信である。ブート送信(Send Boot)メッセージは、ダウンロードしたアプリケーションをクライアント機器が実行するきっかけとなる。次回送信待機間隔処理において、サーバーは、各クライアントから確認ACKが送信されるのを待つ。すべてのACKパケットを受信しなかった場合は、短期間(例えば40ms)後に時間切れとする。その後、処理回路は、スタートに戻り、他のパケットを送信する。
【0031】
図6は、輸送機関内にもう1台ニンテンドーDSサーバーを用いた場合の一例を示す図である。具体的には、28で示される輸送機関は、飛行機の機室の上面図である。2台のニンテンドーDSサーバー機器10は飛行機28の中央通路に位置する。当該携帯無線サーバー機器は、座席の下、収納棚の中、あるいは客室乗務員の食品カート内などを含む、様々な適切な場所に設置可能である。携帯サーバー機器は、バッテリ式であるため、飛行機の発電システムからの電源供給や、配線は不要である。携帯サーバー機器10は、かなり小型で軽量であるため、飛行機の重量および収容能力に与える影響(飛行機旅行においては非常に重要な要素である)はきわめて小さい。さらに、携帯サーバー機器10との低電力無線通信は、一般的には、飛行機通信に影響を与えない。機内の乗客は、FAAまたはその他政府の許可やライセンスの必要なしに、携帯無線サーバー10からの同報信号を受信し、アプリケーションの要求を行い、サーバー機器からダウンロードを行う。船、列車、バス、地下鉄などを含むその他の交通機関においても同様の効果が得られる。
【0032】
他の実施例では、輸送機関ネットワークの一部となる他の無線アクセスポイントが輸送機関に設置されてもよい。例えば、飛行機はたいてい、1つまたは複数の無線アクセスポイントを備える429通信ネットワークと称されるものを有する。従って、携帯ゲーム機器サーバー10内の無線回路は、当該無線アクセスポイントと通信することにより、当該輸送機関ネットワークに接続されたコンテンツサーバー、および/またはインターネットもしくは外部ネットワークに接続されたコンテンツサーバーから、他のクライアントアプリケーションおよび/または情報を取得することができる。
【0033】
図7は、それぞれがサーバーとして、また無線アクセスポイントが属するローカルアクセスネットワークおよびその他のサーバー/ネットワークへの無線アクセスポイントとして機能する、多数の携帯ゲーム機器の通信システムの一例を示す図である。具体的には、携帯ゲーム機器サーバー/無線アクセスポイント(WAP)10’は、他の携帯ゲーム機器サーバー10、携帯機器クライアント12、およびローカルエリアネットワーク32に接続された1つ以上の無線アクセスポイント(WAP)30と無線通信を行う。ローカルコンテンツサーバー34は、ローカルネットワーク32とインターネット36に接続される。遠隔コンテンツサーバー38は、インターネット36に接続される。このように、携帯ゲーム機器サーバー10および携帯機器クライアント12は、携帯ゲーム機器サーバー/WAP10’と通信することにより、ローカルコンテンツサーバー34または遠隔コンテンツサーバー38が提供するコンテンツ、ストリーミングメディアなどにアクセスできる。携帯ゲーム機器サーバー/WAP10’および/またはサーバー10の無線回路が、例えばローカルエリアネットワーク32に用いられる第1標準無線プロトコルを利用して無線アクセスポイント30と通信でき、かつ独自のプロトコルを用いて携帯無線クライアント12と通信できるのは有益である。標準無線プロトコルの一例は、802.11プロトコルであるが、他の標準無線プロトコルを用いてもよい。その場合、携帯ゲーム機器サーバー/WAP10’は、携帯無線クライアント機器12に特定された情報を通信できるように、何らかの方法で標準プロトコルを修正してもよい。例えば、携帯ゲーム機器サーバー/WAP10’内の無線回路は、携帯無線クライアント機器12にダウンロード可能なクライアントアプリケーションの情報を含むビーコン(カスタマイズされた802.11型のビーコンなど)を送信してもよい。
【0034】
携帯クライアントが従来のWAPと通信する場合、当該WAPを何らかの方法で修正する必要がありうる。例えば、ニンテンドーDSの場合、従来のWAPがニンテンドーDSのクライアント向けのマルチブートアプリケーションサーバーとして機能するように修正を施す必要がある。すなわち、マルチブートアプリケーションを、WAPハードウェア上で動作するように移植する必要がある。その後、WAPのネットワークドライバ、ネットワークスタック、送信タイミング、および受信パスに対して修正が施される。この修正により、WAPは、変更可能かつカスタマイズされたビーコンパケットを同報送信し、ニンテンドーDSにマルチブートダウンロードデータを提供し、カスタマイズされたデータプロトコルの送信処理が可能となる。1つのWAPに多数のアクセスポイントを存在させるためには、例えば一定の複数ビーコンを1つのアクセスポイントで扱うように、送信タイミングを修正する必要がある。
【0035】
図8A〜8Cは、図7に示す通信システムを飛行機旅行環境に適用し、図7に示す無線アクセスポイントのいずれかと通信可能な携帯無線ゲーム端末を所持する旅行者に多数のサービスを提供する例を示す図である。当該旅行への適用は、列車、駅、バス、バス停、クルーズ船などを経由して旅行している旅行者にも適用される。本明細書に記載の原理が、無線サービスを提供可能なあらゆる旅行状況に適用されうることは、当業者には理解されるところであろう。
【0036】
図8A〜8Cは、空港の沿道から飛行高度に、そして再び沿道までと、どのように情報およびエンターテインメントが携帯無線クライアント端末を介して旅行者に提供されるかを示している。双方向無線ネットワークは、例えばニンテンドーDSなどの携帯無線機器にサービスを提供する。当該携帯無線機器は、1つ以上の無線アクセスポイントからサービスを受けて、ゲーム、雑学的知識、映像などの双方向エンターテインメント、ゲート/飛行情報、食事の注文や、チェックイン、搭乗ゲート割り当て、座席指定、食事の注文、および天気などために航空会社予約システムへ通信する機能などを提供する。ニンテンドーDSは、携帯無線機器の一例として使用されるにすぎない。携帯無線サーバーまたはクライアント機器を介して既存のエンターテインメント設計を利用してもよいし、また更新してもよい。
【0037】
コンテンツの選択肢の一例として、ストリーミング映像、ビデオゲーム、ビデオゲームのデモ、1対1の対戦型ビデオゲーム(サーバー媒介型あるいはピアーツーピア型)、ビデオゲームの機内ハイスコア、ビデオゲームの高得点争い、(パイロット席から観た)機外の映像、旅行者のチェックイン、空港の地図、搭乗ゲートへの案内、その他の飛行情報およびオプション、フライトの遅延、キャンセル、航路路図、飛行進行状況(目的地までの所要時間など)、乗客の接続便や搭乗ゲート、出発時間、ターミナルの地図を含む接続便情報、乗客の目的地でのタクシーやレンタカー、ホテル、行事・イベントの案内、広告、機内販売(機内渡しおよび自宅配達を含む)、セーフティおよび目的地などの案内映像(当該情報は、飛行機・乗務員によって義務付けられている場合がある)、飲食の注文、旅行ガイド、機内誌の電子コピー、外国語による案内、機上操作のサンドボックスによる、あるいは衛星・地上電波リンクを介したインターネットへのウェブアクセス、客室乗務員の呼び出し、頭上の読書灯の制御、化粧室の空室状況、1万フィート未満(またはそれ以外の高度)における現在の作業の終了の警告、1万フィート(またはそれ以外の高度)におけるコンテンツの自動終了などがあげられる。
【0038】
さらなる特徴として、以下の1つまたは複数を含んでもよい。すなわち、飛行機/乗務員が、機内(PA)アナウンスのためにコンテンツを一時停止する、または規制要件に基づき離着陸時にコンテンツ・アプリケーションを終了する機能、航空会社がクライアント機器を提供する、またはニンテンドーDSなどの市販の機器を乗客が使用できること、安全確保のために電源が切られる際に、ユーザーがクライアントソフトウェアを保存できない機能、現在のクライアントソフトウェアのみを使用するように、クライアントソフトウェアを利用毎にダウンロードする機能、不正なクライアントソフウェア使用を防止するためにソフトウェアのデジタル署名化などである。
【0039】
図8A〜8Cの例に戻り、無線ユーザーネットワークは、空港ターミナルおよび飛行機内に設置されている。双方向インターフェースおよび関連アプリケーションは、様々な方法で携帯クライアント端末に提供される。例えば、携帯クライアント端末が携帯無線サーバーと通信する際、または無線アクセスポイントに接続する際に、インターフェースおよびアプリケーションをダウンロードしてもよい。あるいは、携帯クライアント端末の(着脱式あるいは非着脱式の)メモリに、様々なインターフェースおよび/またはアプリケーションを保存してもよい。そして携帯クライアント端末は、特定のインターフェースおよび/またはアプリケーションを指定する無線アクセスポイントから、インターフェース指定データを受信し、指定されたインターフェースおよび/またはアプリケーションを実行してもよい。
【0040】
携帯クライアント端末は、ビデオ配信を復号化して表示でき、またゲーム、パズル、賞品などの形で、それぞれの場所特有の双方向性を実現する双方向アプリケーションとともにそれぞれの場所特有の登場人物をダウンロードすることができる。携帯クライアント端末が無線アクセスポイントの範囲内にあるときに、新たな環境にしっくりと溶け込むように、現在の環境のルックアンドフィールおよび必要となるインターフェースの一部またはすべてをダウンロードすることができる。当該端末が異なる環境に移動したときに、そのルックアンドフィールを変化させてもよい。
【0041】
図8A〜8Cに示す例において、旅行者またはユーザーは、携帯無線ゲーム端末を所持し、空港ターミナル、空港内で使用している輸送機関、および機内のいたる所に設置されたアクセスポイントへの無線リンクを介して、無線ネットワークへ接続される。無線アクセスポイントの数と場所は、所望するネットワーク網羅範囲の規模、政府の規制、コスト、想定される無線状況などの様々な要因によって異なる。無線アクセスポイントは、好ましくはインターネットに接続された飛行機システムサーバーに、有線または無線で接続される。
【0042】
図8Aは、旅行者が、空港の沿道から、チェックインし、セキュリティを通って搭乗ゲートから飛行機に搭乗し、機内で安全に関する映像を見て、機内のエンターテインメント・情報、および目的地の映像の提供を受け、目的地の空港で荷物を受け取り、空港を出てレンタカー施設に移動する様子を示している。当該行程の間中、乗客は、携帯無線端末や、空港および飛行機内の無線インフラを介して、サービスおよびコンテンツを無線で受信している。
【0043】
図8Bは、ユーザー/乗客が、空港内の様々な地点を移動し、無線携帯端末の好適例としてのニンテンドーDSと対話している一例を示している。様々な無線アクセスポイント(WAP)は、空港内に設置され、無線サービスを提供し、ユーザー/乗客とインターネットとの接続、およびユーザー/乗客とインターネットおよび/またはローカルエリアネットワーク(LAN)を介した1つ以上のサーバーとの接続を確立している。このように、WAPは、航空会社のサーバー、および/または任天堂のようなエンターテインメント/情報プロバイダが運営するサーバーなどのコンテンツ提供サーバーへのアクセスを有する。図8Bに示すように、提供可能なまたは提供されるコンテンツは、もっとも近いWAPの位置(しかしそれに限定されない)による、場所および/または状況主導型であってもよい。
【0044】
図8Cは、機内全体に配置されたWAPの機内における同様の配置を示す図である。飛行機の形状と座席は図示されていない。WAPは、機内429ネットワークを介してインターネットおよびまたはその他のネットワークに接続されている。このようにWAPは、航空会社のサーバーおよび/または任天堂などのエンターテインメント/情報プロバイダが運営するサーバーなどの情報提供サーバーにアクセスできる。
【0045】
上述のとおり、携帯情報端末が、異なる無線形態で(例えば異なるプロトコルを用いて、あるいは異なる周波数帯を用いて)通信を行うように設定されている具体的な実施例において、携帯無線クライアントとの通信には、第1の無線通信コード(例えば安全な独自のアドホックモードなど)を使用し、無線アクセスポイントとの通信には、第2の無線通信モード(例えば従来のWiFiインフラモード)を使用してもよい。無線アクセスポイントは、システムサーバー、あるいはシステムの初期化および/またはダウンロードを行う別のサーバーに接続されてもよい。
【0046】
図9A〜9Gは、飛行機旅行者が、一般的な飛行機旅行環境において様々な場所に移動する間に、当該旅行者の携帯ゲーム端末に表示される画面の表示例を示す。携帯無線ゲーム端末は、それぞれ当該旅行環境内の様々な場所あるいは環境に接続された、異なるアクセスポイントと無線で通信を行う。ゲーム端末内の無線回路は、無線アクセスポイントから、クライアントアプリエーションインジケータを含む同報情報を受信し、当該同報情報に基づいてクライアントアプリケーションのダウンロードを要求し、要求したクライアントアプリケーションを無線アクセスポイントからダウンロードして受信する。携帯無線ゲーム端末は、当該携帯無線ゲーム端末が通信を行う無線アクセスポイントの旅行環境での位置によって異なる双方向インターフェースを有する。例えば、双方向インターフェースは、携帯無線ゲーム端末が通信する無線アクセスポイントからダウンロードしたインターフェースアプリケーションに応じて変化する。無線アクセスポイントが異なると、旅行前段階、旅行中段階、および旅行後段階からなる旅行環境の段階を反映して、ダウンロードされるインターフェースアプリケーションも異なる。旅行環境が飛行機旅行を含む場合、旅行前段階には、旅行者は空港ターミナルに到着して、当該ターミナルを移動し、旅行段階には、飛行機内に旅行者が位置し、旅行後段階においては、旅行者は空港ターミナルを出発する。
【0047】
図9A〜9Dは、空港環境内における旅行者の位置に応じて、双方向インターフェースが様々に変化する様子を示している。図9Aは、旅行者が最初に空港に到着し、搭乗のために手荷物のチェックインを行う際に表示される双方向インターフェースの画面を示す図である。「空港へようこそ」という歓迎が上部に表示され、「フライトチェック・イン」、「フライト情報」、「セキュリティ待ち時間」を示すボタンが表示され、ユーザーは特定のフライトやセキュリティ通過の所要時間に関する情報にアクセスできる。図9Bは、移動者が空港ターミナル内でフライトを待っている間に表示される。ここで、搭乗パスボタンを押すと、当該クライアント機器を搭乗パスとして利用でき、ペーパーレス搭乗システムの役割を果たす。図9Cは、飛行中に表示される双方向インターフェースの一例である。画面上部は、飛行進度を示す画面に変わり、ローカル空港に関わる選択肢は、飛行中に適した選択肢に変わっている。図9Dは、手荷物受取所で表示されるインターフェースの一例であり、レンタカーおよびローカルタウン情報が表示されている。
【0048】
図9A〜9Hのほとんどにおいて、表示画面に表示されているブラウザの「ホーム」および「戻る」ボタンにより、ユーザーは表示画像の変更または指示を行うことができる。図9E〜9Hは、多くの異なる場所に共通した画面、あるいはそれらの場所に適した様々な画面を示している。図9Eは、空港ターミナルで使用される画面表示で、会議室、飲食、化粧室、ラウンジなど、場所を特定するボタンが表示されている。この画面は、化粧室や、その空室状況、飛行中に入手可能なさまざまな機内限定の高級品などを示すボタンを表示して、機内での使用に適用することもできる。図9Fに示す画面表示は、空港ターミナルでの化粧室や飲食店の位置を示す地図を表示している。図9Gは、旅行者が機内または空港ターミナルにいる時に表示され、飛行機の目的地の天気、空港ターミナル周辺地域の天気、あるいは他の目的地の天気をリアルタイムで示す。その他に画面に表示されるボタンは、ホテル、観光、交通、ショッピング、レンタカーなど、目的地での関心項目を示している。これらのボタンのいずれかを押すと、適切な関心エリアの関連情報を得ることができる。図9Hは、空港ターミナルまたは機内で利用されうる画面表示で、映画、雑学的知識、ゲーム、雑誌、またはその他の読み物やビデオゲームなどの様々な娯楽の選択肢を含む。
【0049】
図9Cは、飛行中に表示される双方向インターフェースを示す画面表示である。食事ボタンは、飛行中に提供される食事のリストを表示し、飲み物ボタンは、機内で提供される飲み物を表示する。様々な目的地、ゲームや映像などの娯楽、およびその他の娯楽選択肢の他に、さらに追加的な情報として、接続便および目的地の情報が提供される。安全情報は、飛行機の様々な安全性に関わる特徴を表示する。図9E〜9Hのような様々な表示画面は、機内での表示にも適用できる。当該機内での表示に関わる情報は、乗客の飛行機内に設置されたアクセスポイントと通信して、飛行機の429ネットワークから取得してもよい。
【0050】
図10は、旅行環境中にある携帯ゲーム機器クライアントが行う手順の一例を示すフローチャートである。携帯クライアントは、旅行環境内の異なる無線アクセスポイントから無線同報信号を受信する(ステップS10)。携帯クライアントは、無線アクセスポイントからダウンロードしたインターフェースアプリケーションに基づいて、現在受信している当該無線アクセスポイントの場所に応じて、表示するキャラクタおよび/またはコンテンツを変える(ステップS12)。通常、ダウンロードには、メニューオプションが含まれる。携帯クライアントは、当該メニューオプションから、旅行者アプリケーションのダウンロードを要求する(ステップS14)。携帯クライアントは、要求したアプリケーションを受信し、実行する(S16)。他の無線アクセスポイントと通信するためにステップS10〜S16が用いられる、あるいは、携帯クライアントは、現在の無線アクセスポイント用のメニューに戻ることができる(S18)。
【0051】
(上述の通り)サーバー、クライアント、あるいはその両方として機能する携帯無線ゲーム機器の一例としてニンテンドーDSがあげられるが、図11〜18を用いて以下にさらに詳しく説明する。上述の図3は、ニンテンドーDSがサーバーとして機能する一例を示している。当該携帯ゲーム端末を携帯無線クライアント端末として使用するさらなる利点は、同一のハードウェア特徴を有する機器を所持した、大規模な固定的ユーザー層が存在することである。その結果、システムおよびネットワークを、単一のハードウェアプラットフォーム用に設計することができ、全体の設計を簡素化することができる。
【0052】
図11は、本体部312とカバー部315からなるゲーム機300を示し、本体部312の上端とカバー部314の下端はヒンジで接続されている(ここで「上」「下」「前方」「後方」などの表現は、容易に理解するために用いられ、カバー部314が開状態のゲーム装置、および通常の操作位置でユーザーが保持する当該ゲーム装置の向きに対して用いられる)。本体部312のヒンジ構成部316、318および320と、カバー部のヒンジ部322および324は、一列に配置された当該ヒンジ部を突き抜けるヒンジピン(図示せず)によって従来の方法で噛み合っている。なお、ヒンジ部316、318および320は、本体部312の上面(あるいは内側面)326から突き出しているため、カバー部314と本体部を閉じた際に、カバー部314は当該上面326に重畳する。カバー部314が完全に開状態にある場合、カバー部は本体部312とほぼ平行になるが、ほぼ平行なオフセット平面に位置する。また本体部312は、下面(あるいは外側面)328(図12)および周辺端部330を有する。
【0053】
第1表示画面332は、本体部312の上面326に引っ込めて取り付けられ、そのサイズは、長さ6.35cm(2と1/2インチ)および幅4.59cm(1と7/8インチ)で、対角線寸法の画面サイズは3インチである。画面の一例として、ディスプレー解像度256×192ドット(縦横比4:3)で、(例えば40カンデラの)背面照明付きのカラー液晶ディスプレー(LCD)がある。当該画面は、タッチセンサー式で、後述するタッチペンで起動することができる。電源ボタン334は、上面326の左上隅に位置し、ゲームの電源をオン/オフする。十字型の方向制御ボタン336は、電源ボタン334の下方に隣接し、ゲームプレイ操作に使用される。より具体的には、表示画面332は、抵抗薄膜タッチパネルを備え、ドット単位で座標を認識できる。当該タッチパネルは、指またはタッチペンで操作することができる。
【0054】
本体部312の右上隅に、「スタート」ボタン338と「セレクト」ボタン340が横に並んで配置され、「スタート」ボタン、「セレクト」ボタンの下方に隣接してX/Y/A/Bボタン342が配置される。ボタン338、340、342は、ゲームプレイ操作に使用する。マイク344(全方向式コンデンサーマイクでも良い)は、画面332の左端下に配置され、マイク機能を有するゲームで使用する。バッテリ充電表示灯LED346および電源表示灯LED348も上面326に位置し、それぞれ上面326の下端部に近い画面332右端下に設置される。
【0055】
図13を参照して、周辺端部330の下方部分または前方部分350(ユーザーにもっとも近い部分)の第1のゲーム挿入口358の両側には、音量制御スライド352とヘッドホンおよびマイクのコネクタ部354、356が備えられる。挿入口358は、当初本出願人のゲームボーイアドバンスゲーム装置で使用するために設計された大きいゲームカートリッジまたはカードを装着するためのものである。
【0056】
図12に示すように、周辺端部330の上方または後方部分360には、外部拡張コネクタ部362が設けられ、内部バッテリ(図示せず)の充電ため、または家庭用電源を用いてゲームを動作させるためのACアダプタを接続することができる。端部360の第2のゲーム挿入口364は、当該ゲーム機器向けのメモリまたはゲームカードを挿入するためのものである。ゲームカードのサイズの違いを反映して、第2のゲーム挿入口364は、第1のゲーム挿入口358より小さい。開口部366および368には、腕ストラップ(図示せず)を取り付けるためのL字形の貫通スロットが形成され、それによりユーザーはゲーム機器を身に付けることができ、ゲーム機の紛失や置き忘れの可能性を最小限に抑えることができる。止まり穴の形状を有するタッチペン挿入口またはタッチペンホルダー370は、腕ストラップ取り付け部付近に位置し、タッチペン371をその使用前後に収容するためのものである。図15に示すように、タッチペン371はプラスチック製の鉛筆形道具で、丸先端部373を有し、タッチ画面332を作動させる際に使用する。
【0057】
1対の左右の操作ボタン(または肩ボタン)372、374は、周辺端部330に設けられ、周辺端部の上方部分360と周辺端部330の側辺部分376、378が交わる角部に配置される。当該ボタンの位置と先述のボタン334、336および342の位置により、ユーザーが両手で自然にゲーム機器を保持した際に、ユーザーの親指と人差し指を用いたゲーム操作性が高められる。
【0058】
本体部の下面(または外側面)328には、本体部内に設置された充電式バッテリパックを出し入れするバッテリカバー蓋380(図12)が備えられる。
【0059】
カバー部314はまた、周辺端部386を介して接し合っている上面(または内側面)382(図11)および下面(または外側面)384(図12)を有する。上面382には、画面332とほぼ同じ大きさの第2表示画面388が組み込まれる。画面388もまた、背面照明付きカラーLCDである。カバー部には、スピーカーグリル390、392を備えた1対のステレオスピーカも組み込まれ、画面388の両側に配置される。ディンプル部またはパッド394、396が、画面388の上方かつ横方向に設けられてもよい。ディンプル部は、圧縮性のポリマーまたはその他の適切な素材で構成され、カバー部を本体部に対して閉じた際にカバー部314の内側面と本体部312の内側面326が接触しないように設けられている。既述の通り、ゲームカード挿入口358は、既知のニンテンドーゲームボーイアドバンス装置用に作られた従来のゲームカードを挿入するサイズに作られている。ニンテンドーDSをサーバー機器として使用する場合、ゲームカード挿入口358には、外部長期記憶装置が挿入される。図3に示すフラッシュメモリカードを参照のこと。
【0060】
図16は、第1および第2のデータプロセッサおよびその他の構成部からなるCPU823を含むニンテンドーDSゲーム装置300の内部構成の一例を示す。CPU823は、相互に接続されている作業用RAM(作業用記憶装置)824、GPU(グラフィック処理装置)822、周辺回路I/F(インターフェース)825と、外部メモリ用のインターフェースまたは挿入口826に接続している。CPU823は、サーバー機器用カーネルおよびネットワークドライバを実行する第1データプロセッサと、カーネルおよびサーバーアプリケーションを実行するための第2データプロセッサを含む。作業用RAM824は、例えばCPU823が実行するゲームプログラムやCPU823の計算結果を一時的に保存するためのメモリである。メモリ管理装置(MMU)がないため、アプリケーションを意図された記憶割り当て以外で起動することはできない。GPU822は、CPU823からの指示に従って、VRAM821を用いて、第1LCD832および第2LCD888に出力表示するゲーム画像を作成する。作成されたゲーム画像は、第1LCD832の第1表示画面332および、第2LCD888の第2表示画面388に表示される。周辺回路I/F825は、タッチパネル313、操作キー314、スピーカー315、および無線通信回路816などの外部出入力装置と、CPU823の間におけるデータの送受信を行うための回路である。タッチパネル313(タッチパネルのデバイスドライバを含む)は、タッチペン371によって指定された位置入力に対応する座標データを出力する。無線通信回路816は、ブルートゥース、あらゆる種類の802.11(Wi−Fi)プロトコル、HiperLAN/1プロトコル、HiperLAN/2プロトコル、HomeRFプロトコルなどの様々な既知の無線プロトコルによって無線通信を行うように構成されてもよい。無線通信回路816は、1つのブロックで示されているが、複数の異なるプロトコルを利用できる構成、あるいは複数の異なる回路(例えば、WiFiなどの短距離通信用と無線電話プロトコルなどに用いられる長距離通信用)が提供される構成をも含む。
【0061】
CPU823は、外部メモリ用I/Fまたは挿入口826に電気的に接続される。サーバー機器用として、既述の通り、当該挿入口には長期記憶装置22が挿入される。クライアント機器用として、挿入口364にカートリッジ817を挿入してもよい。カートリッジ817は、そのプログラムROM817aにゲームプログラムを保存する記憶媒体であり、書換え可能にバックアップデータを保存するバックアップRAM817bをも含む。長期記憶装置22、またはカートリッジ817のプログラムROM817aに保存されたゲームプログラム、またはその他のアプリケーションプログラムは、作業用RAM824に読み出され、CPU823によって実行される。ゲームプログラムおよびその他のアプリケーションプログラムは、無線通信回路を介して提供されてもよい。
【0062】
図17は、GPU822の構成の一例を示すブロック図である。GPU822は、2つの画像処理装置、すなわち、3次元画像処理装置931および2次元画像処理装置937を含む。3次元画像処理装置931は、3次元モデルデータに基づく3次元モデルの各頂点を計算するジオメトリエンジン941と、仮想3次元ゲーム空間に配置された3次元モデルからゲーム画像を生成するレンダリングエンジン942を含む。2次元画像処理装置937は、キャラクタを示す2次元画像データと背景を示す2次元画像データに基づいてゲーム画像を生成する2次元レンダリングエンジン943を含む。より具体的には、2次元画像処理装置937は、キャラクタを示す2次元画像を、「スプライト」と称する仮想画面に配置し、背景を示す2次元画像を、「スクリーン」と称する仮想画面に配置する。そして、当該仮想画面を合成して、ゲーム画像を生成し、表示する。
【0063】
3次元画像処理装置931は、3次元ラインバッファ923に接続される。3次元ラインバッファ932は、第1LCD332(または第2LCD388)の1走査線に関する画像データを一時的に保存するためのバッファメモリである。3次元画像処理装置931によって生成された画像データは、1本ずつ順次3次元ラインバッファ932に保存される。
【0064】
3次元ラインバッファ932は、キャプチャ回路933およびLCDセレクタ(SEL LCD)935に接続される。キャプチャ回路933は、3次元ラインバッファ932に保存された1行の画像データを順次読出し、読み出した画像データを後述するVRAM921に順次保存し、3次元画像処理装置931が生成したゲーム画像を撮像する。
【0065】
キャプチャ回路933は、VRAMセレクタ(SEL VRAM)934に接続される。VRAM921として、2つのVRAM、すなわち第1VRAM921aおよび第2VRAM921bを備える。2つの第1VRAM921aおよび921bの代わりに、2つの異なる記憶領域を有する1つのVRAMを用いてもよい。VRAMセレクタ934は、キャプチャ回路933の出力先として、第1VRAM921aまたは第2VRAM921bの切り換えを行う。第1VRAM921aおよび第2VRAM921bは、VRAMセレクタ(SEL VRAM)936に接続される。VRAMセレクタ936は、2次元画像処理装置937へのデータ供給元として、第1VRAM921aまたは第2VRAM921bの切り換えを行う。
【0066】
2次元画像処理装置937は、2次元ラインバッファ938に接続される。3次元ラインバッファ932と同様に、2次元ラインバッファ938は、第2LCD388の1本の走査線に関するデータを一次的に保存するバッファメモリである。2次元画像処理装置937で生成された画像データは、2次元ラインバッファ938に1本ずつ順次保存される。
【0067】
2次元ラインバッファ937は、LCDセレクタ935に接続される。LCDセレクタ935は、3次元ラインバッファ932および2次元ラインバッファ938の出力先として、それぞれ第1LCD332と第2LCD388の切り換えを行う。例えば、3次元ラインバッファ932からの出力が第1LCD332に出力された場合には、2次元ラインバッファ938からの出力が第2LCD388に出力され、3次元ラインバッファ933から第2LCD388に出力された場合には、2次元ラインバッファ938の出力が第1LCD332に出力されるように、LCDセレクタ935は制御を行う。
【0068】
携帯ゲームシステム330に関する更なる情報は、2005年4月22日出願の出願番号11/111,985および2004年8月20日に出願された出願番号10/921,957に記載されており、その開示内容すべてを本願に引用して援用する。
【0069】
図11〜17を参照して説明した、携帯ゲーム装置を用いたシステムの一例では、アプリケーションは、ゲームシステムの無線ネットワークハードウェアを使用するだけでよい。例えば、携帯ゲーム装置には、独自無線ネットワーク用にゲーム装置無線ハードウェアを用いる1つまたは複数のドライバと、標準の802.11ファミリーなどの標準無線ネットワーク用にゲーム装置無線ハードウェアを用いる1つまたは複数のドライバを含む。独自ネットワークは、クライアント装置に、初期マルチブート画像または「コア」プログラムをダウンロードする際に使用することができる。クライアント装置は、所在地に関する情報(例えば所在地内の複数のアクセスポイントと接続するために必要な情報)やログイン情報を有していてもよい。そしてクライアント装置は、当該所在地に関するその他の情報(例えば、化粧室、営業時間や、カラースキーム、フォントおよびベーシックアプリケーション、催しに関する地図など)をダウンロードしてもよい。
【0070】
図18は、映像送信装置1005からメディアサーバー120、無線アクセスポイント108、および携帯ゲーム装置300に送信されるデータフローの一例を示す。映像送信装置1005は、アナログ映像をメディアサーバー120に送信し、当該映像は1105でビットマップにデジタル化され、当該ビットマップは1111にて符号化されて圧縮され、1115にてTCP/IP用にパケット化される。パケット化された情報は、ローカルエリアネットワーク1040を介して無線アクセスポイント108に送信される。
【0071】
符号化は、例えば最大6つの供給映像を、1つの供給映像につき、256×192画素で、毎秒15フレームを供給してもよい。本例のネットワークにおいては、連続的なリアルタイム動作を維持するために、500msを最大許容待ち時間とするリアルタイム符号化が望ましい。後に詳しく説明するように、すべての供給映像(本例のネットワークでは6つ)が、1つの映像ストリームにインターリーブされ、1つの無線チャネルで送信される。
【0072】
無線アクセスポイント108は、ネットワークに対して接続型(TCP/IP)のネットワークアクセスおよび非接続型(UDP)ネットワークアクセスを提供する。無線アクセスポイント108では、1121にてTCPが情報から取り除かれる。当該情報は、1125にて、UDP/IPのような同報通信プロトコルを介した送信に適合するように修正される。その後1130にて、802.11プロトコルのうちの1つなどの無線プロトコルを用いて送信用にパケット化され、パケット化された情報が無線リンク110で送信される。
【0073】
無線リンク110を介して送信される情報は、携帯ゲーム装置300にて受信され、1135にて802.11が取り除かれ、UDPパケットが再構築される。1140にてUDPが取り除かれ、1145にてフレームパケットが再構築される。画像は1150にて復号化され、1155にて表示画面332および388の一方または両方に表示される。
【0074】
本例のネットワークにおいて、携帯ゲーム機器の復号部は、データエラーの発生に伴って映像品質を緩やかに劣化させ、データの喪失や不良データがあってもクラッシュやハングアップを生じさせない。すなわち復号部は、データの喪失や不良データが生じた場合でも、可能な範囲の中で最良の画像を提示する。復号部がエラー修正のサポートを行ってもよい。各映像チャネル(256×192×16ビット)は、128kbps帯域幅に収まる必要がある。復号部からの出力は、携帯ゲーム装置のクライアントアプリケーションによって表示されるビットマップ方式である。
【0075】
図18には示さないが、携帯無線ゲーム装置300から出力される非映像情報(例えば統計データやその他のコンテンツ)に関しても、同様のデータフローが適用される。
【0076】
図19Aおよび19Bは、プロトコルスタックの一例を示すものである。図19Aに示すように、例えば、アクセスポイント108および携帯ゲーム装置300の当該スタックには、ネットワークパケット、UDP、IPおよびWiFiドライバが含まれる。図19Bに示すように、アクセスポイントのスタックには、ネットワークパケット、UDP、IP、およびWiFiドライバが含まれ、携帯ゲーム装置のスタックには、状態機械、UDP、IPおよびWiFiドライバが含まれる。
【0077】
図20は、2ビットのカメラ番号領域、2ビットのデータタイプ領域、および12ビットのシーケンス番号領域からなる16ビットのヘッダーを含むネットワークパケットフォーマットの一例を示す図である。データサイズは、映像の符号化によって決定される。
【0078】
図21は、UDPデータフォーマットの一例を示す図で、16ビットの供給元ポート番号、16ビットの送信先ポート番号、16ビットのUDP長、16ビットのUDPチェックサム、および可変長データを含む。
【0079】
図22は、IPヘッダの一例を示す図である。
【0080】
上記実施形態において説明したシステムおよび方法は、多重層からなるデータ暗号化規格(DES)を用いたクレジットカード決済購入や個人情報の入力などの無線リンク上におけるデータのセキュリティ保護も提供する。独自の暗号化の最上位層をそれに加えても良い。
【0081】
携帯情報端末は、ダイナミックプログラムメモリ割り当てを利用して、最小のアプリケーション(カーネル)をメモリ(例えばRAM)に保持しつつ、必要なコードやデータをサーバーからRAMに移動したり、不要なコードやデータを破棄(割り当て解除)したりすることができる。
【0082】
ユーザーの名前および携帯無線クライアント端末のMACアドレスを用いた数学的演算に基づいて、携帯無線クライアント端末とサーバーの間でデータ交換することにより、ユーザー認識およびユーザー認証を行ってもよい。この数学的演算は、固有の番号(例えば16バイトの番号)を携帯無線クライアント端末に保存し、当該番号は、サーバーがユーザーの同一性を認証する際に使用される。サーバーは、その固有の番号を用いて一連の演算を行い、携帯無線クライアント端末の安全性が損なわれていないことを確認する。当該プロセスの一例を、以下に示す。
【0083】
1. 携帯無線クライアント端末のMACアドレスから生成された番号を用いた擬似ランダム素数生成アルゴルズムを提供し、16個の素数を生成する。
【0084】
2. 16個の素数から得られる8つの複素数からなるベクトル空間と、アプリケーション専用のサーバーからの数値とユーザーの名前とのブール演算による8つの複素数からなるベクトル空間をそれぞれ1つずつ作成する。
【0085】
3. 当該2つのベクトルを畳み込み積分し、新たなベクトル空間を作成する。新たなベクトルから生じる16バイト(8つの実数と8つの虚数)を携帯無線クライアント端末に保存する。
【0086】
4. サーバーは、当該16バイトの値とMACアドレスを携帯無線クライアント端末から読み出す。
【0087】
5. サーバーは、これらの2つの値を畳み込み積分し、それからデータベース検索を行ってユーザーの名前を識別する。
【0088】
6. サーバーは、上記結果と、上記ユーザーの名前に基づく値とを畳み込み積分する。
【0089】
7. その結果がゼロ値ベクトルでなければ、安全性が損なわれている可能性が高い。
【0090】
様々な実施形態について詳しく説明してきたが、本発明の請求項は、特定の実施形態あるいは特定の例に限定されるものではない。上記のいかなる説明も、特定の要素、ステップ、範囲または機能が必要不可欠であって請求の範囲に含まれるべきだと解釈されてはならない。特許される主体の範囲は、請求項によってのみ定義される。法的保護の範囲は、許可された請求項に記述された文言、およびその均等物によって定義される。上記の好ましい実施形態に記述の要素に対する、当業者にとって既知の構造的均等物および機能的均等物は、ここに引用されることによって明示的に組み込まれ、本願の請求項に含まれることを意図している。さらに、本願発明が解決すべきあらゆる問題に、装置または方法が必ずしも対応するわけではない。また、本願発明の請求に当該装置または方法が必ずしも含まれるわけではない。いかなる請求も、「手段」または「方法」という文言を用いていない限り、米国特許法代112条第6項(35USC §112)が適用されるものではない。さらに、本願明細書におけるいかなる実施形態、特徴、構成要素、または方法も、当該実施形態、特徴、構成要素、または方法が請求項に記述されているか否かに関わらず、公共の用に供するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】携帯機器が、無線インターフェース上における多数の携帯機器クライアントに対するサーバーとして機能する通信システムの一例を示す図である。
【図2】図1に示す携帯機器サーバーが実行する手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】携帯機器サーバーとなるニンテンドーDSの一例を示す機能ブロック図である。
【図4】ニンテンドーDSサーバーが実行するマルチブートアプリケーションの一例を示す図である。
【図5】多数のニンテンドーDSクライアントに同時にデータをダウンロードするために、ニンテンドーDSが送信するメッセージの一例を示す図である。
【図6】旅客輸送機関内における、1つまたは複数のニンテンドーDSサーバーの一適用例を示す図である。
【図7】多数の携帯ゲーム機器(HGD)が、無線アクセスポイントのローカルエリアネットワークへのサーバーとして、またその他のサーバー/ネットワークへの無線アクセスポイントとして機能している通信システムの一例を示す図である。
【図8A】図7に示す通信システムを、飛行機旅行環境に適用し、図7に示す無線アクセスポイントのいずれかと通信可能な携帯無線端末を所持する旅行者に多数のサービスを提供する一例を示す図である。
【図8B】図7に示す通信システムを、飛行機旅行環境に適用し、図7に示す無線アクセスポイントのいずれかと通信可能な携帯無線端末を所持する旅行者に多数のサービスを提供する一例を示す図である。
【図8C】図7に示す通信システムを、飛行機旅行環境に適用し、図7に示す無線アクセスポイントのいずれかと通信可能な携帯無線端末を所持する旅行者に多数のサービスを提供する一例を示す図である。
【図9A】通常の飛行機旅行環境において、旅行者の異なる場所への移動に応じて飛行機旅行者の携帯ゲーム端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図9B】通常の飛行機旅行環境において、旅行者の異なる場所への移動に応じて飛行機旅行者の携帯ゲーム端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図9C】通常の飛行機旅行環境において、旅行者の異なる場所への移動に応じて飛行機旅行者の携帯ゲーム端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図9D】通常の飛行機旅行環境において、旅行者の異なる場所への移動に応じて飛行機旅行者の携帯ゲーム端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図9E】通常の飛行機旅行環境において、旅行者の異なる場所への移動に応じて飛行機旅行者の携帯ゲーム端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図9F】通常の飛行機旅行環境において、旅行者の異なる場所への移動に応じて飛行機旅行者の携帯ゲーム端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図9G】通常の飛行機旅行環境において、旅行者の異なる場所への移動に応じて飛行機旅行者の携帯ゲーム端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図9H】通常の飛行機旅行環境において、旅行者の異なる場所への移動に応じて飛行機旅行者の携帯ゲーム端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図10】携帯クライアント端末が旅行環境において実行する手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】開状態で、すぐに使用可能な姿勢状態にある携帯ゲーム機器の一例を示す斜視図である。
【図12】図11に示す携帯ゲーム機器を逆からみた斜視図である。
【図13】閉状態にある図11に示す携帯ゲーム機器の正面図である。
【図14】図11に示す携帯ゲーム機器の背面図である。
【図15】図11に示す携帯ゲーム機器に使用するタッチペンの斜視図である。
【図16】図11に示す携帯ゲーム機器の内部構成の一例を示す説明図である。
【図17】グラフィックス処理装置の内部構成の一例を示す説明図である。
【図18】図11に示す携帯ゲーム機器と無線通信して、ストリーム映像配信を行う通信ネットワークの一例を示す図である。
【図19A】プロトコルスタックの一例を示す図である。
【図19B】プロトコルスタックの一例を示す図である。
【図20】ネットワーク映像パケットフォーマットの一例を示す図である。
【図21】UDPデータフォーマットの一例を示す図である。
【図22】IPヘッダーの一例を示す図である。
【技術分野】
【0001】
(優先出願)
本願は、2008年8月3日に出願された米国仮出願第60/953,819号の優先権を主張するものであり、またその内容を本願に引用して援用する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本願は、本願と同一の出願人により2006年8月21日に出願された米国特許出願第11/507,019号に関連し、そのすべての内容を本願に引用して援用する。
【0003】
(技術分野)
本発明は、組み込みシステムおよび無線通信を用いたサーバー・クライアント技術に関する。
【0004】
(背景および要旨)
無線通信および無線通信機器は、現代社会において身近なものとなっている。「無線」とは、機器が有線インターフェースではなく、空中インターフェースを介して他の機器と通信を行うことである。電話、PDA、MP3プレーヤ、およびゲーム機器は、携帯用バッテリ電源式無線機器の一例である。当該無線機器は、通例通信ネットワークを介して、1つ以上のサーバー機器から複数種類のサービスを取得する「クライアント」機器である。例えば携帯電話の場合、通話を行うために携帯電話ネットワークに接続して、電話サービスを取得する。携帯無線クライアント機器は、小型かつ軽量であるために、ユーザーは実質上どこにでも容易に持ち運ぶことができる。またバッテリ寿命を保つために電力効率がよく、比較的安価であるために大部分の消費者が入手可能である。しかし、同様のことがサーバー機器には適用されない。対照的に、サーバーは、概してかなり大型で重量があり、動作に相当の電力を必要とするコンピュータで、携帯クライアント無線機器に比べて少なくとも一けた違いに高価である。
【0005】
この違いは、携帯クライアント機器とサーバーコンピュータの機能上の違いによるものである。一般にサーバーは、汎用コンピュータ回路、通信回路、相当量の作業メモリ、およびハードディスク・メモリなどの長期記憶を備える汎用コンピュータシステムであり、拡張オペレーションシステムソフトおよびアプリケーションソフトを備える。一方、携帯クライアント機器のハードウェアやソフトウェアは、容量が非常に小さく、簡素化され、1つまたは若干の集中タスクまたは専用タスクを提供する。携帯クライアント機器は、多数のタスクを行う汎用コンピュータではなく、特定のタスクを行うための単純な「組み込み」機器とみなされている。通常組み込み機器は、性能要求が低いまたは無いため、システムのハードウェアおよびソフトウェアが簡素化され、メモリやバンド幅が限定的、ユーザインターフェース特徴やオペレーションシステムソフトが単純または存在しない、アプリケーション(アプレット)が単純であるなど、コストを削減することができる。
【0006】
携帯無線機器のユビキタス性を鑑み、多くの異なる場所に多数のサーバーを設置して、当該場所に存在するクライアントにサービスを提供し、またサーバー間の接続およびサーバーと他のネットワークとの接続を可能にすることが望ましい。しかし、そのためには安価で小型かつ軽量のサーバーが必要である。これらの特徴は、空中移動またはその他の移動状況など、小型、軽量および/または低電力が重要となるまたは求められる状況において特に重要である。以下の記述において、説明のために飛行機旅行状況の場合について言及しているが、本発明の技術は、サーバーがその他の状況にあっても有効に適用される。また以下の記述では、携帯無線ゲームサーバーおよびクライアントについてしばしば言及しているが、本発明の技術は、他のタイプの携帯型または組み込み型無線機器でも利用できる。
【0007】
携帯無線機器は、携帯無線クライアントにサービスを提供する携帯無線サーバーとして機能するように構成されている。携帯機器は、片手で容易に持つことができ、片手または両手の指で通常の操作ができる大きさかつ重量である。対照的に、ほとんどのラップトップコンピュータは、通常、操作の際に片手または両手で把持しかつ操作するのではなく、人のひざの上またはその他何らかの上において操作する大きさである。携帯無線サーバーはバッテリを備え、当該バッテリは、データ処理回路、読み/書きメモリ、および外部の脱着可能な長期読み/書き記憶装置を装着するメモリ挿入口を含むサーバー構成部に電力を供給する。長期読み/書き記憶装置は、データ処理回路によって実行される多数のダイナミックサーバーアプリケーションと、1つまたは複数の携帯無線クライアント機器にダウンロードされる多数のダイナミッククライアントアプリケーションを記憶する。「ダイナミック」とは、携帯無線サーバー機器の電源を切るおよび/または再起動することなく、通常操作中に、当該アプリケーションを変更または修正できることである。携帯無線サーバーは、さらに無線通信回路を含み、当該無線通信回路は初期情報を同報し、長期記憶装置に保存されたクライアントアプリケーションのダウンロード要求などを含む携帯無線クライアント機器からの通信を検出する。データプロセッサは、多数の携帯無線クライアント機器からの、1つまたは複数のクライアントアプリケーションに対するダウンロードの要求を同時に処理し、メモリ挿入口に動作可能に接続された長期記憶装置からクライアントアプリケーションを読み出し、多数の携帯無線クライアント機器にクライアントアプリケーションを無線で提供する。
【0008】
本発明の一実施形態によると、携帯無線機器サーバーは、所定のサーバー機能を行うための組み込み機器である。サーバーとして使用される携帯無線機器の具体的な一例として、ニンテンドーDSがあげられるがそれに限定されない。一実施例において、当該ニンテンドーDSは、無線アクセスポイントとして機能させるためにニンテンドーDSを初期化するためのブートカートリッジを挿入するためのブートカートリッジ挿入口を含み、フラッシュメモリカートリッジは、メモリ挿入口に挿入され、長期読み/書き記憶装置として機能する。携帯無線クライアントは、ゲームクライアントであってもよい(がそれに限定されない)。少なくとも1つのサーバーアプリケーションは、携帯無線クライアント機器にクライアントアプリケーションが提供されると、クライアントアプリケーションを開始させる。例えば、携帯無線ゲームクライアントは、ニンテンドーDSであってもよい。小型かつ軽量の携帯無線クライアント機器は、一例として、動作可能にメモリ挿入口に接続された長期記憶装置を含まない状態で、重量が283g(10オンス)で、それぞれ幅8.89cm(3.5インチ)、長さ15.2cm(6インチ)、高さ3.18cm(1.25インチ)を超えない寸法であってもよいがそれに限定されない。
【0009】
長期記憶装置は、フラッシュメモリであってもよいが、ハードディスクやその他適切なメモリであってもよい。長期記憶装置は、カード、カートリッジ、ディスク、チップ、またはスティックで構成され、メモリ挿入口は当該カード、カートリッジ、ディスクまたはスティックを挿入可能な大きさである。
【0010】
携帯サーバーの一実施例として、処理回路には、カーネルおよびネットワークドライバを実行する第1データプロセッサと、カーネルおよびサーバーアプリケーションを実行する第2データプロセッサと、2次元画像および3次元画像を処理するグラフィックス処理装置が含まれる。
【0011】
無線回路は、好ましくは、1つまたは複数のアプリケーションを他の携帯無線サーバーから無線受信するために、および/または他の携帯無線サーバーに1つまたは複数のアプリケーションを無線送信するために、1つまたは複数の他の無線サーバーと無線通信を行う。一実施例において、携帯無線サーバーは、飛行機、船、バス、列車、地下鉄などの輸送機関に設置される。この場合好ましくは、無線回路は、輸送機関ネットワークの一部となる当該輸送機関における他の無線アクセスポイントと無線通信を行う。他の実施例として、無線回路は、インターネットに接続されているコンテンツサーバーから、少なくとも複数のクライアントアプリケーションを検索できるようにインターネットに接続された他の無線アクセスポイントと無線通信を行う。
【0012】
無線回路が、第1の無線プロトコルを用いて他の無線アクセスポイントと無線通信し、第2の無線プロトコルを用いて携帯無線クライアントと通信できるのは便利である。例えば、第1の無線プロトコルは、標準無線プロトコルであり、第2の無線プロトコルは、独自開発のプロトコルであってよい。標準無線プロトコルの一例として802.11プロトコルが上げられるがそれに限らず、他の標準プロトコルを用いてもよい。
【0013】
携帯サーバー機器が、標準プロトコルを用いて通信を行う場合、携帯無線ゲーム機器に特定した情報を通信するために、当該プロトコルを変更してもよい。例えば、無線回路は、携帯無線クライアント機器にダウンロード可能なクライアントアプリケーションに関する情報を含んだビーコン信号を送信する。
【0014】
本技術の別の局面は、旅行環境に備えられる無線ネットワーク内に所在する、旅行者が利用できる携帯無線端末に関する。携帯無線端末は、当該旅行環境において異なる場所に設置された無線アクセスポイントと無線通信する。携帯無線端末は、バッテリ、データ処理回路、読み/書きメモリ、および無線通信回路を含む。無線通信回路は、無線アクセスポイントから、複数のクライアントアプリケーションインジケータを含む同報情報を受信し、当該無線アクセスポイントから受信した通信情報をもとに、複数のクライアントアプリケーションのうち1つのクライアントアプリケーションをダウンロード要求し、要求にもとづき無線アクセスポイントからダウンロードされたクライアントアプリケーションを受信する。携帯無線端末は、携帯無線ゲーム端末が通信を行う無線アクセスポイントの旅行環境内での位置に応じて変化する双方向インターフェースを含む。
【0015】
一実施例において、当該双方向インターフェースは、2つの独立した表示画面からなる。好ましくは、携帯無線端末が通信する無線アクセスポイントからダウンロードしたインターフェースアプリケーション設定に応じて、双方向インターフェースは変化する。例えば、旅行前段階、旅行中段階、および旅行後段階を含む旅行環境に関わる段階を反映して、異なる無線アクセスポイントから、それぞれ異なるインターフェースアプリケーションがダウンロードされる。旅行環境に飛行機旅行が含まれる場合、旅行前段階には、空港に到着し、空港ターミナル内を移動する旅行者が含まれ、旅行段階には、飛行機内に位置する旅行者が、また旅行後段階には、空港ターミナルを出発する旅行者が含まれる。
【0016】
無線アクセスポイントからダウンロード可能なアプリケーションには、以下の1つまたは複数が含まれる。すなわち、ストリーミング映像、ビデオゲーム、ビデオゲームのデモ、1対1の対戦型ビデオゲーム、ビデオゲームのハイスコア、ビデオゲームの高得点争い、機外の映像、旅行者のチェックイン、空港ターミナルの地図、ターミナルの搭乗ゲートへの案内、その他の飛行情報およびオプション、遅延、キャンセル、航空路図、飛行進行状況、接続便の詳細、タクシーやレンタカー、ホテル、旅行者の目的地での行事およびイベントの案内、広告、機内販売、安全や目的地に関する情報の映像、飲食の注文、旅行ガイド、機内誌の電子コピー、外国語案内、ウェブアクセス、客室乗務員の呼び出し、頭上の読書灯の制御、化粧室の空室状況、および高度または着陸時間に基づく現在の作業の終了の警告などである。
【0017】
一実施例において、1つまたは複数の無線アクセスポイントは、無線アクセスポイントおよびサーバーとして機能する携帯無線機器である。例えば、無線アクセスポイントとして機能する携帯無線機器には、ニンテンドーDS機がある。好ましくは、無線アクセスポイントとして機能する携帯無線機器は、携帯無線ゲーム端末へのアプリケーションサーバーの機能も有する。
【0018】
本技術の他の局面は、無線で互いに接続された多数の携帯無線ゲーム機器からなる通信システムに関する。各携帯無線ゲーム機器は、多数の携帯無線ゲーム端末へのサーバーとして機能する。各携帯無線ゲーム機器は、バッテリと、データ処理回路と、読み/書き作業メモリと、データ処理回路によって実行される多数のサーバーアプリケーション、および1つまたは複数の携帯無線クライアント機器にダウンロードされる多数のクライアントアプリケーションを保存する大容量長期読み/書き記憶装置と、同報情報を送信し、1つ以上のクライアントアプリケーションのダウンロード要求を多数の携帯無線ゲーム端末から受信し、要求されたクライアントアプリケーションを要求元の携帯無線ゲーム端末に送信する無線回路とを含む。各携帯無線ゲーム端末は、バッテリと、データ処理回路と、読み/書き作業メモリと、および携帯無線ゲーム機器のうちの1つから送信された同報情報を受信し、複数のアプリケーションのうちの1つをダウンロードするための要求を当該携帯無線ゲーム機器に送信し、要求に基づき携帯無線ゲーム機器からダウンロードされたアプリケーションを受信する無線通信回路とを含む。
【0019】
複数の携帯無線ゲーム機器のうちの少なくともいくつかは、他の携帯無線ゲーム機器にアプリケーションをダウンロードさせる。携帯無線ゲーム機器および携帯無線ゲーム端末と無線通信を行う、多数の無線アクセスポイントを含むローカルエリアネットワークを備えてもよい。このように、携帯無線ゲーム機器は、ローカルエリアネットワークまたはインターネットを介して、アプリケーションコンテンツサーバーと通信してもよい。
【0020】
(詳細な説明)
以下の記述において、非限定的な説明のために、特定のノードや、機能構成要素、技術、プロトコル、基準などの具体的事項を示し、記述の技術の理解を与える。以下に開示された具体的事項以外によっても他の実施例を実施できることは当業者には言うまでもない。他の例では、不要に詳細な説明により本明細書が曖昧にならないようにするため、既知の方法、装置、技術などについての詳細な記述は省略する。個々の機能ブロックは図示される。各ブロックの機能については、個々のハードウェア回路を用いて、および/またはソフトウェアプログラムとデータを適切にプログラムされたマイクロプロセッサまたは汎用コンピュータと併用して、および/または特定用途向け集積回路(ASIC)を用いて、および/または1つ以上のデジタル信号プロセッサ(DSP)を用いて実行できることは、当業者には理解されるところである。
【0021】
一般に、本明細書に記載のシステム、方法および技術は、デジタル電子回路、コンピュータハードウェア、ファームウェア、ソフトウェア、あるいはそれらの組み合わせによって実行できる。この技術を実施する装置には、適切な入力および出力機器、コンピュータプロセッサ、およびプログラム可能なプロセッサで実行するために、コンピュータで読み取り可能な記憶装置に実体的に組み込まれたコンピュータプログラム製品が含まれる。また、本発明の技術を実施するプロセスは、入力データに基づいて動作し、適切な出力を生成して、所望の機能を果たすプログラムまたは命令スクリプトを実行するプログラム可能なプロセッサによって実行される。本発明の技術は、データおよび命令を送受信するためにデータ記憶システムに連結された少なくとも1つのプログラム可能なプロセッサ、少なくとも1つの入力機器、および少なくとも1つの出力機器を備えるプログラム可能なシステムで実行可能な、1つまたは複数のコンピュータプログラムまたはスクリプトで実施される。好適なプロセッサの一例には、汎用マイクロプロセッサと専用マイクロプロセッサの両方が含まれる。一般に、プロセッサは、読出し専用メモリおよび/またはランダムアクセスメモリから命令およびデータを受信する。コンピュータプログラム命令およびデータを実体的に組み込むのに適した記憶装置として、あらゆる形式の揮発性および不揮発性のメモリがあげられる。一例として、半導体メモリ装置、消去可能プログラム可能ROM(EPROM)、電気的消去可能プログラム可能ROM(EEPROM)、フラッシュメモリ装置、内蔵ハードディスクやリムーバブルディスクなどの磁気ディスク、および光磁気ディスク、およびコンパクトディスク読出し専用メモリ(CD−ROM)がある。前述の記憶装置のいずれも、専用ASIC(特定用途向け集積回路)によって補完される、または専用ASICに組み込まれてもよい。コンピュータプログラム命令またはスクリプトは、搬送波またはその他の伝搬媒体に組み込まれたデータ信号として、通信リンク(モデム、有線、または無線ネットワーク接続など)を介して提供されてもよい。
【0022】
図1は、携帯ゲーム機器が、無線インターフェース上の多数の携帯ゲーム機器クライアントに対するサーバーとして機能する通信システムの一例を示す図である。サーバーとなる携帯ゲーム機器は、携帯ゲーム機器サーバーを表す頭文字HGDSと10で示される。ここでは、説明のためにゲーム機器が図示、記述されているが、他の携帯無線機器をサーバーとして用いてもよい。
【0023】
携帯ゲーム機器サーバー10は、処理回路14、読み/書き作業メモリ16、無線回路18、およびクライアントアプリケーションおよびサーバーアプリケーションの両方を保持する長期記憶装置22を装着するための外部メモリ挿入口20を備える。オペレーションシステムや、コンピュータの様々な性能の統合に関わるカーネルソフトウェアなどのシステムソフトウェアとは対照的に、アプリケーションは、クライアント機器のユーザーが任意の作業を行うのを手助けするためのコンピュータプログラムである。携帯ゲーム機器サーバー10をシャットダウンまたは再起動せずに変更あるいは修正可能であるという点で、アプリケーションはダイナミックである。長期記憶装置22は、フラッシュメモリ、ハードディスク、またはその他適切なメモリでもよく、カード、カートリッジ、ディスク、またはスティックで構成される。メモリ挿入口20は、長期記憶装置22の大きさまたは形状を収容可能な大きさである。携帯ゲーム機器サーバー10は、無線回路18およびアンテナを介して、無線インターフェース上で、多数の携帯機器クライアント(HDC)12と無線通信を行う。携帯ゲーム機器サーバー10は、所定のサーバー機能を果たすための組み込み機器であってもよい。
【0024】
図2は、図1に示す携帯ゲーム機器サーバーが実行する手順の一例を示すフローチャートである。サーバー10は、携帯機器クライアント向けに、無線インターフェース上でビーコンを同報送信する(ステップS1)。1つまたは複数の特定のクライアントアプリケーションおよび情報の要求を、携帯機器クライアントから受信する(ステップS2)。その受信に応じて、サーバーは、要求されたクライアントアプリケーションおよび情報を無線インターフェース上で多数の携帯機器クライアントにダウンロードする(ステップS3)。
【0025】
一実施形態として、携帯機器サーバーは、所定のサーバー機能を果たす組み込み機器である。サーバーとして使用される組み込み機器の一例として、図3に示すように、ニンテンドーDSゲーム機があげられる。ニンテンドーDS(携帯無線サーバーまたは携帯無線クライアントのどちらにも用いられ得ることを示すために、参照符号10および12で一般的に示している)は、メモリカートリッジスロットに相当するメモリ挿入口20を備える。カートリッジアダプタは、構成部24および26からなり、コンパクトフラッシュメモリカード22をニンテンドーDS機器内部のデータ処理回路に動作可能に接続するためのものである。カートリッジアダプタ24および26により、サーバーとして機能するニンテンドーDS内の処理回路は、市販のコンパクトフラッシュメモリカードに読み出しおよび書き込みが可能となる。
【0026】
図3に示すニンテンドーDSサーバーは、小型で安価、かつ軽量の携帯無線サーバー機器の一例である。例えば、メモリ挿入口に長期記憶装置が装着されていないニンテンドーDSの場合、その重量は283g(10オンス)以下で、その大きさは、それぞれ幅8.89cm(3.5インチ)3.5インチ、長さ15.25cm(6インチ)、高さ3.18cm(1.25インチ)以下である。ニンテンドーDS Liteは、さらに軽量かつ小型である。カートリッジアダプタ24および26とコンパクトフラッシュメモリ22は、ニンテンドーDSサーバーの重量またはサイズに有意な追加要素とならない。
【0027】
一実施形態において、携帯無線サーバー機器10は、3つのサーバー機能を果たす。すなわち、マルチブート、ストリーミング映像、およびファイルやコンテンツの提供である。マルチブートとは、1つまたは多数のクライアント機器(例えば15台のクライアント機器)に、同時にクライアントアプリケーションをダウンロードし、起動させることで、サーバー機器の処理回路14で実行されるマルチブートアプリケーションにより処理される。従って、マルチブートアプリケーションは、クライアントによる最初のマルチブートのダウンロード要求も扱う。マルチブートアプリケーションは、ダウンロードの途中におけるクライアント機器の参加を許可し、アプリケーションファイルの最後まで到達した後に、残りのダウンロードを完了させる。マルチブートアプリケーションは、自身の存在を周囲のクライアントに知らせ、クライアント端末がサーバー機器と同期して無線通信を行うために必要な情報を提供し、クライアント機器に送信可能なアプリケーションおよびその他の情報を提供するために、無線回路18よりビーコン型の無線信号を同報送信する。サーバーおよびクライアント機器の両方にアプリケーションを動的にロードするために、好ましくはアプリケーションは位置独立コード(PIC)および位置独立データ(PID)で構成され、これにより多数のアプリケーションおよびアプリケーションの多数のインスタンスを同時に実行することができる。好ましくは、クライアント機器に不正なソフトウェアがロードされないように、ダウンロードされるソフトウェアには、デジタル署名が施される。
【0028】
ストリーミング映像は、図1に示す携帯無線サーバー機器10によって提供されるか、あるいは後述する図7に示すように無線ローカルエリアネットワーク32に接続されたローカルまたは遠隔サーバー34または38から無線アクセスポイントを通じて送信されて提供される。携帯無線サーバー機器10は、アプリケーションデータ、ライブラリデータ、およびその他のデータファイルなどのデータを提供するファイルサーバーの役割も果たす。当該ファイルサーバー機能は、携帯無線サーバー機器10上で実行されるアプリケーションがおこなってもよい。一実施形態において、ファイルサーバーアプリケーションは、携帯無線サーバー機器10上の遠隔ファイルと、携帯クライアントのローカルファイル要求の間にネットワークブリッジを形成する。
【0029】
図4は、ニンテンドーDSサーバーによって実行され得るマルチブートアプリケーションの一例を示す図である。図4のポイント1において、初期読み込み動作が行われ、ニンテンドーDSサーバーは、クライアント機器に同報送信される各ゲームの情報またはその他アプリケーションの情報を作成する。多くの場合、ゲームアプリケーションなどのアプリケーションは、非常に大きすぎてメモリ16には保存できないため、セグメントサイズやメモリの読み込み位置などの主要情報と、ゲームの表示または内容、およびゲームを示すアイコンがメモリ16に保存される。初期読み込みにおいて同報ビーコンヘッダーが構築されると、ポイント2において無線回路18が当該ビーコンを送信する。当該ビーコンには、サーバーに接続されたプレーヤの数や、固有のダウンロード識別子や、ゲームのアイコン、タイトル、および/または内容を含むバナーデータなど、その他の情報が含まれてもよい。当該バナーデータは、非常に大きく1つのビーコンに組み込むことができないことがあるため、結果として当該データの一部がそれぞれのビーコンに組み込まれて送信されてもよい。マルチブートアプリケーションは、バナーデータが全て送信されるまで、データの次の部分まで指標を増加させ、全てのバナーデータの送信が完了すると、指標をゼロにリセットする。ビーコンは、バナーデータがすべて送信されるまで、一定間隔(例えば200ms)で送信され、この処理が繰り返される。ポイント3において、サーバーアクセスポイントループは、クライアントからの認証要求を待つ。クライアントが、ニンテンドーDSサーバーからアプリケーションまたは他の情報のダウンロードを希望する場合、802.11型無線プロトコルを用いると仮定すると、クライアントは802.11認証(AUTH)要求を送信する。ニンテンドーDSサーバーが応答後、クライアントは、接続(ASSOCIATION)要求を送信する。ニンテンドーDSサーバーは、アクセスポイントとしてのニンテンドーDSサーバーに接続されたことをクライアントに通知する。ダウンロードを行っているクライアントの状態を追跡記録するため、サーバー上に、新たなクライアントのインスタンスが作成される。クライアントがダウンロードを終了すると、認証解除(DeAuth)メッセージを送信し、サーバーはそのクライアントのインスタンスを削除する。クライアントのインスタンスは、マルチブートアプリケーションに対してそのクライアントから長い間(例えば60秒)信号が来ない場合にも削除される。ポイント4は、サーバーとクライアントの間での受信のポイントである。ニンテンドーDSサーバーは、各クライアントインスタンス毎に、受信されたパケットを処理する。各メッセージが受信される毎に、ニンテンドーDSサーバーは、過去の状態の情報を参照し、それに応じてクライアントのデータの状態を更新する。ハロー(Hello)ファンクションは、ニンテンドーDSサーバーへの初期接続を行う。ニック(Nick)ファンクションは、クライアントのニックネームを作成する複数のパケットを含む。当該ニックネームは、サーバーによって利用され得るそれぞれのクライアントに名前を割り当てるために使用される、またはネットワーク上で他のクライアントと交信する際に名前を表示するために使用されてもよい。RSAは、ダウンロードしたファイルのセキュリティ署名情報を渡す。データ(Data)ファンクションは、ダウンロードを行っているクライアントが要求している次のブロックを返す。当該データファンクションは、サーバーに対してダウンロード中に紛失したブロックを通知するために使用してもよい。ダン(Done)ファンクションおよびブート(Boot)ファンクションは、ダウンロード終了を通知するために使用される最終動作である。
【0030】
図5は、多数のDSクライアントに対して同時にデータをダウンロードするために、ニンテンドーDSサーバーから送信されるメッセージの一例を示す図である。クライアント状況・優先順位ラウンドロビン機能は、要求を行っているクライアント機器の一覧とそれらのクライアントの状況を調べ、優先順位が最も高い要求のものを選択する。好ましくは、優先順位は、機能停止したクライアント機器や、または通信範囲の少し外側にあるクライアント機器の問題を避けるためにローテーションされる。次のブロックは、ニンテンドーDSサーバーから送信される5つのデータメッセージを含む送信メッセージである。接続送信(Send Connected)メッセージは、クライアント機器との初期無線接続を通知する。ニック送信(Send Nick)メッセージは、クライアントのニックネーム受信を通知する。RSA送信(Send RSA)メッセージは、クライアントがダウンロードを要求したファイルのデジタル暗号署名情報をクライアントに送信する。データ送信(Send Data)メッセージは、最も一般的な送信で、ダウンロードしている情報の塊を含んだ各パケットの送信である。ブート送信(Send Boot)メッセージは、ダウンロードしたアプリケーションをクライアント機器が実行するきっかけとなる。次回送信待機間隔処理において、サーバーは、各クライアントから確認ACKが送信されるのを待つ。すべてのACKパケットを受信しなかった場合は、短期間(例えば40ms)後に時間切れとする。その後、処理回路は、スタートに戻り、他のパケットを送信する。
【0031】
図6は、輸送機関内にもう1台ニンテンドーDSサーバーを用いた場合の一例を示す図である。具体的には、28で示される輸送機関は、飛行機の機室の上面図である。2台のニンテンドーDSサーバー機器10は飛行機28の中央通路に位置する。当該携帯無線サーバー機器は、座席の下、収納棚の中、あるいは客室乗務員の食品カート内などを含む、様々な適切な場所に設置可能である。携帯サーバー機器は、バッテリ式であるため、飛行機の発電システムからの電源供給や、配線は不要である。携帯サーバー機器10は、かなり小型で軽量であるため、飛行機の重量および収容能力に与える影響(飛行機旅行においては非常に重要な要素である)はきわめて小さい。さらに、携帯サーバー機器10との低電力無線通信は、一般的には、飛行機通信に影響を与えない。機内の乗客は、FAAまたはその他政府の許可やライセンスの必要なしに、携帯無線サーバー10からの同報信号を受信し、アプリケーションの要求を行い、サーバー機器からダウンロードを行う。船、列車、バス、地下鉄などを含むその他の交通機関においても同様の効果が得られる。
【0032】
他の実施例では、輸送機関ネットワークの一部となる他の無線アクセスポイントが輸送機関に設置されてもよい。例えば、飛行機はたいてい、1つまたは複数の無線アクセスポイントを備える429通信ネットワークと称されるものを有する。従って、携帯ゲーム機器サーバー10内の無線回路は、当該無線アクセスポイントと通信することにより、当該輸送機関ネットワークに接続されたコンテンツサーバー、および/またはインターネットもしくは外部ネットワークに接続されたコンテンツサーバーから、他のクライアントアプリケーションおよび/または情報を取得することができる。
【0033】
図7は、それぞれがサーバーとして、また無線アクセスポイントが属するローカルアクセスネットワークおよびその他のサーバー/ネットワークへの無線アクセスポイントとして機能する、多数の携帯ゲーム機器の通信システムの一例を示す図である。具体的には、携帯ゲーム機器サーバー/無線アクセスポイント(WAP)10’は、他の携帯ゲーム機器サーバー10、携帯機器クライアント12、およびローカルエリアネットワーク32に接続された1つ以上の無線アクセスポイント(WAP)30と無線通信を行う。ローカルコンテンツサーバー34は、ローカルネットワーク32とインターネット36に接続される。遠隔コンテンツサーバー38は、インターネット36に接続される。このように、携帯ゲーム機器サーバー10および携帯機器クライアント12は、携帯ゲーム機器サーバー/WAP10’と通信することにより、ローカルコンテンツサーバー34または遠隔コンテンツサーバー38が提供するコンテンツ、ストリーミングメディアなどにアクセスできる。携帯ゲーム機器サーバー/WAP10’および/またはサーバー10の無線回路が、例えばローカルエリアネットワーク32に用いられる第1標準無線プロトコルを利用して無線アクセスポイント30と通信でき、かつ独自のプロトコルを用いて携帯無線クライアント12と通信できるのは有益である。標準無線プロトコルの一例は、802.11プロトコルであるが、他の標準無線プロトコルを用いてもよい。その場合、携帯ゲーム機器サーバー/WAP10’は、携帯無線クライアント機器12に特定された情報を通信できるように、何らかの方法で標準プロトコルを修正してもよい。例えば、携帯ゲーム機器サーバー/WAP10’内の無線回路は、携帯無線クライアント機器12にダウンロード可能なクライアントアプリケーションの情報を含むビーコン(カスタマイズされた802.11型のビーコンなど)を送信してもよい。
【0034】
携帯クライアントが従来のWAPと通信する場合、当該WAPを何らかの方法で修正する必要がありうる。例えば、ニンテンドーDSの場合、従来のWAPがニンテンドーDSのクライアント向けのマルチブートアプリケーションサーバーとして機能するように修正を施す必要がある。すなわち、マルチブートアプリケーションを、WAPハードウェア上で動作するように移植する必要がある。その後、WAPのネットワークドライバ、ネットワークスタック、送信タイミング、および受信パスに対して修正が施される。この修正により、WAPは、変更可能かつカスタマイズされたビーコンパケットを同報送信し、ニンテンドーDSにマルチブートダウンロードデータを提供し、カスタマイズされたデータプロトコルの送信処理が可能となる。1つのWAPに多数のアクセスポイントを存在させるためには、例えば一定の複数ビーコンを1つのアクセスポイントで扱うように、送信タイミングを修正する必要がある。
【0035】
図8A〜8Cは、図7に示す通信システムを飛行機旅行環境に適用し、図7に示す無線アクセスポイントのいずれかと通信可能な携帯無線ゲーム端末を所持する旅行者に多数のサービスを提供する例を示す図である。当該旅行への適用は、列車、駅、バス、バス停、クルーズ船などを経由して旅行している旅行者にも適用される。本明細書に記載の原理が、無線サービスを提供可能なあらゆる旅行状況に適用されうることは、当業者には理解されるところであろう。
【0036】
図8A〜8Cは、空港の沿道から飛行高度に、そして再び沿道までと、どのように情報およびエンターテインメントが携帯無線クライアント端末を介して旅行者に提供されるかを示している。双方向無線ネットワークは、例えばニンテンドーDSなどの携帯無線機器にサービスを提供する。当該携帯無線機器は、1つ以上の無線アクセスポイントからサービスを受けて、ゲーム、雑学的知識、映像などの双方向エンターテインメント、ゲート/飛行情報、食事の注文や、チェックイン、搭乗ゲート割り当て、座席指定、食事の注文、および天気などために航空会社予約システムへ通信する機能などを提供する。ニンテンドーDSは、携帯無線機器の一例として使用されるにすぎない。携帯無線サーバーまたはクライアント機器を介して既存のエンターテインメント設計を利用してもよいし、また更新してもよい。
【0037】
コンテンツの選択肢の一例として、ストリーミング映像、ビデオゲーム、ビデオゲームのデモ、1対1の対戦型ビデオゲーム(サーバー媒介型あるいはピアーツーピア型)、ビデオゲームの機内ハイスコア、ビデオゲームの高得点争い、(パイロット席から観た)機外の映像、旅行者のチェックイン、空港の地図、搭乗ゲートへの案内、その他の飛行情報およびオプション、フライトの遅延、キャンセル、航路路図、飛行進行状況(目的地までの所要時間など)、乗客の接続便や搭乗ゲート、出発時間、ターミナルの地図を含む接続便情報、乗客の目的地でのタクシーやレンタカー、ホテル、行事・イベントの案内、広告、機内販売(機内渡しおよび自宅配達を含む)、セーフティおよび目的地などの案内映像(当該情報は、飛行機・乗務員によって義務付けられている場合がある)、飲食の注文、旅行ガイド、機内誌の電子コピー、外国語による案内、機上操作のサンドボックスによる、あるいは衛星・地上電波リンクを介したインターネットへのウェブアクセス、客室乗務員の呼び出し、頭上の読書灯の制御、化粧室の空室状況、1万フィート未満(またはそれ以外の高度)における現在の作業の終了の警告、1万フィート(またはそれ以外の高度)におけるコンテンツの自動終了などがあげられる。
【0038】
さらなる特徴として、以下の1つまたは複数を含んでもよい。すなわち、飛行機/乗務員が、機内(PA)アナウンスのためにコンテンツを一時停止する、または規制要件に基づき離着陸時にコンテンツ・アプリケーションを終了する機能、航空会社がクライアント機器を提供する、またはニンテンドーDSなどの市販の機器を乗客が使用できること、安全確保のために電源が切られる際に、ユーザーがクライアントソフトウェアを保存できない機能、現在のクライアントソフトウェアのみを使用するように、クライアントソフトウェアを利用毎にダウンロードする機能、不正なクライアントソフウェア使用を防止するためにソフトウェアのデジタル署名化などである。
【0039】
図8A〜8Cの例に戻り、無線ユーザーネットワークは、空港ターミナルおよび飛行機内に設置されている。双方向インターフェースおよび関連アプリケーションは、様々な方法で携帯クライアント端末に提供される。例えば、携帯クライアント端末が携帯無線サーバーと通信する際、または無線アクセスポイントに接続する際に、インターフェースおよびアプリケーションをダウンロードしてもよい。あるいは、携帯クライアント端末の(着脱式あるいは非着脱式の)メモリに、様々なインターフェースおよび/またはアプリケーションを保存してもよい。そして携帯クライアント端末は、特定のインターフェースおよび/またはアプリケーションを指定する無線アクセスポイントから、インターフェース指定データを受信し、指定されたインターフェースおよび/またはアプリケーションを実行してもよい。
【0040】
携帯クライアント端末は、ビデオ配信を復号化して表示でき、またゲーム、パズル、賞品などの形で、それぞれの場所特有の双方向性を実現する双方向アプリケーションとともにそれぞれの場所特有の登場人物をダウンロードすることができる。携帯クライアント端末が無線アクセスポイントの範囲内にあるときに、新たな環境にしっくりと溶け込むように、現在の環境のルックアンドフィールおよび必要となるインターフェースの一部またはすべてをダウンロードすることができる。当該端末が異なる環境に移動したときに、そのルックアンドフィールを変化させてもよい。
【0041】
図8A〜8Cに示す例において、旅行者またはユーザーは、携帯無線ゲーム端末を所持し、空港ターミナル、空港内で使用している輸送機関、および機内のいたる所に設置されたアクセスポイントへの無線リンクを介して、無線ネットワークへ接続される。無線アクセスポイントの数と場所は、所望するネットワーク網羅範囲の規模、政府の規制、コスト、想定される無線状況などの様々な要因によって異なる。無線アクセスポイントは、好ましくはインターネットに接続された飛行機システムサーバーに、有線または無線で接続される。
【0042】
図8Aは、旅行者が、空港の沿道から、チェックインし、セキュリティを通って搭乗ゲートから飛行機に搭乗し、機内で安全に関する映像を見て、機内のエンターテインメント・情報、および目的地の映像の提供を受け、目的地の空港で荷物を受け取り、空港を出てレンタカー施設に移動する様子を示している。当該行程の間中、乗客は、携帯無線端末や、空港および飛行機内の無線インフラを介して、サービスおよびコンテンツを無線で受信している。
【0043】
図8Bは、ユーザー/乗客が、空港内の様々な地点を移動し、無線携帯端末の好適例としてのニンテンドーDSと対話している一例を示している。様々な無線アクセスポイント(WAP)は、空港内に設置され、無線サービスを提供し、ユーザー/乗客とインターネットとの接続、およびユーザー/乗客とインターネットおよび/またはローカルエリアネットワーク(LAN)を介した1つ以上のサーバーとの接続を確立している。このように、WAPは、航空会社のサーバー、および/または任天堂のようなエンターテインメント/情報プロバイダが運営するサーバーなどのコンテンツ提供サーバーへのアクセスを有する。図8Bに示すように、提供可能なまたは提供されるコンテンツは、もっとも近いWAPの位置(しかしそれに限定されない)による、場所および/または状況主導型であってもよい。
【0044】
図8Cは、機内全体に配置されたWAPの機内における同様の配置を示す図である。飛行機の形状と座席は図示されていない。WAPは、機内429ネットワークを介してインターネットおよびまたはその他のネットワークに接続されている。このようにWAPは、航空会社のサーバーおよび/または任天堂などのエンターテインメント/情報プロバイダが運営するサーバーなどの情報提供サーバーにアクセスできる。
【0045】
上述のとおり、携帯情報端末が、異なる無線形態で(例えば異なるプロトコルを用いて、あるいは異なる周波数帯を用いて)通信を行うように設定されている具体的な実施例において、携帯無線クライアントとの通信には、第1の無線通信コード(例えば安全な独自のアドホックモードなど)を使用し、無線アクセスポイントとの通信には、第2の無線通信モード(例えば従来のWiFiインフラモード)を使用してもよい。無線アクセスポイントは、システムサーバー、あるいはシステムの初期化および/またはダウンロードを行う別のサーバーに接続されてもよい。
【0046】
図9A〜9Gは、飛行機旅行者が、一般的な飛行機旅行環境において様々な場所に移動する間に、当該旅行者の携帯ゲーム端末に表示される画面の表示例を示す。携帯無線ゲーム端末は、それぞれ当該旅行環境内の様々な場所あるいは環境に接続された、異なるアクセスポイントと無線で通信を行う。ゲーム端末内の無線回路は、無線アクセスポイントから、クライアントアプリエーションインジケータを含む同報情報を受信し、当該同報情報に基づいてクライアントアプリケーションのダウンロードを要求し、要求したクライアントアプリケーションを無線アクセスポイントからダウンロードして受信する。携帯無線ゲーム端末は、当該携帯無線ゲーム端末が通信を行う無線アクセスポイントの旅行環境での位置によって異なる双方向インターフェースを有する。例えば、双方向インターフェースは、携帯無線ゲーム端末が通信する無線アクセスポイントからダウンロードしたインターフェースアプリケーションに応じて変化する。無線アクセスポイントが異なると、旅行前段階、旅行中段階、および旅行後段階からなる旅行環境の段階を反映して、ダウンロードされるインターフェースアプリケーションも異なる。旅行環境が飛行機旅行を含む場合、旅行前段階には、旅行者は空港ターミナルに到着して、当該ターミナルを移動し、旅行段階には、飛行機内に旅行者が位置し、旅行後段階においては、旅行者は空港ターミナルを出発する。
【0047】
図9A〜9Dは、空港環境内における旅行者の位置に応じて、双方向インターフェースが様々に変化する様子を示している。図9Aは、旅行者が最初に空港に到着し、搭乗のために手荷物のチェックインを行う際に表示される双方向インターフェースの画面を示す図である。「空港へようこそ」という歓迎が上部に表示され、「フライトチェック・イン」、「フライト情報」、「セキュリティ待ち時間」を示すボタンが表示され、ユーザーは特定のフライトやセキュリティ通過の所要時間に関する情報にアクセスできる。図9Bは、移動者が空港ターミナル内でフライトを待っている間に表示される。ここで、搭乗パスボタンを押すと、当該クライアント機器を搭乗パスとして利用でき、ペーパーレス搭乗システムの役割を果たす。図9Cは、飛行中に表示される双方向インターフェースの一例である。画面上部は、飛行進度を示す画面に変わり、ローカル空港に関わる選択肢は、飛行中に適した選択肢に変わっている。図9Dは、手荷物受取所で表示されるインターフェースの一例であり、レンタカーおよびローカルタウン情報が表示されている。
【0048】
図9A〜9Hのほとんどにおいて、表示画面に表示されているブラウザの「ホーム」および「戻る」ボタンにより、ユーザーは表示画像の変更または指示を行うことができる。図9E〜9Hは、多くの異なる場所に共通した画面、あるいはそれらの場所に適した様々な画面を示している。図9Eは、空港ターミナルで使用される画面表示で、会議室、飲食、化粧室、ラウンジなど、場所を特定するボタンが表示されている。この画面は、化粧室や、その空室状況、飛行中に入手可能なさまざまな機内限定の高級品などを示すボタンを表示して、機内での使用に適用することもできる。図9Fに示す画面表示は、空港ターミナルでの化粧室や飲食店の位置を示す地図を表示している。図9Gは、旅行者が機内または空港ターミナルにいる時に表示され、飛行機の目的地の天気、空港ターミナル周辺地域の天気、あるいは他の目的地の天気をリアルタイムで示す。その他に画面に表示されるボタンは、ホテル、観光、交通、ショッピング、レンタカーなど、目的地での関心項目を示している。これらのボタンのいずれかを押すと、適切な関心エリアの関連情報を得ることができる。図9Hは、空港ターミナルまたは機内で利用されうる画面表示で、映画、雑学的知識、ゲーム、雑誌、またはその他の読み物やビデオゲームなどの様々な娯楽の選択肢を含む。
【0049】
図9Cは、飛行中に表示される双方向インターフェースを示す画面表示である。食事ボタンは、飛行中に提供される食事のリストを表示し、飲み物ボタンは、機内で提供される飲み物を表示する。様々な目的地、ゲームや映像などの娯楽、およびその他の娯楽選択肢の他に、さらに追加的な情報として、接続便および目的地の情報が提供される。安全情報は、飛行機の様々な安全性に関わる特徴を表示する。図9E〜9Hのような様々な表示画面は、機内での表示にも適用できる。当該機内での表示に関わる情報は、乗客の飛行機内に設置されたアクセスポイントと通信して、飛行機の429ネットワークから取得してもよい。
【0050】
図10は、旅行環境中にある携帯ゲーム機器クライアントが行う手順の一例を示すフローチャートである。携帯クライアントは、旅行環境内の異なる無線アクセスポイントから無線同報信号を受信する(ステップS10)。携帯クライアントは、無線アクセスポイントからダウンロードしたインターフェースアプリケーションに基づいて、現在受信している当該無線アクセスポイントの場所に応じて、表示するキャラクタおよび/またはコンテンツを変える(ステップS12)。通常、ダウンロードには、メニューオプションが含まれる。携帯クライアントは、当該メニューオプションから、旅行者アプリケーションのダウンロードを要求する(ステップS14)。携帯クライアントは、要求したアプリケーションを受信し、実行する(S16)。他の無線アクセスポイントと通信するためにステップS10〜S16が用いられる、あるいは、携帯クライアントは、現在の無線アクセスポイント用のメニューに戻ることができる(S18)。
【0051】
(上述の通り)サーバー、クライアント、あるいはその両方として機能する携帯無線ゲーム機器の一例としてニンテンドーDSがあげられるが、図11〜18を用いて以下にさらに詳しく説明する。上述の図3は、ニンテンドーDSがサーバーとして機能する一例を示している。当該携帯ゲーム端末を携帯無線クライアント端末として使用するさらなる利点は、同一のハードウェア特徴を有する機器を所持した、大規模な固定的ユーザー層が存在することである。その結果、システムおよびネットワークを、単一のハードウェアプラットフォーム用に設計することができ、全体の設計を簡素化することができる。
【0052】
図11は、本体部312とカバー部315からなるゲーム機300を示し、本体部312の上端とカバー部314の下端はヒンジで接続されている(ここで「上」「下」「前方」「後方」などの表現は、容易に理解するために用いられ、カバー部314が開状態のゲーム装置、および通常の操作位置でユーザーが保持する当該ゲーム装置の向きに対して用いられる)。本体部312のヒンジ構成部316、318および320と、カバー部のヒンジ部322および324は、一列に配置された当該ヒンジ部を突き抜けるヒンジピン(図示せず)によって従来の方法で噛み合っている。なお、ヒンジ部316、318および320は、本体部312の上面(あるいは内側面)326から突き出しているため、カバー部314と本体部を閉じた際に、カバー部314は当該上面326に重畳する。カバー部314が完全に開状態にある場合、カバー部は本体部312とほぼ平行になるが、ほぼ平行なオフセット平面に位置する。また本体部312は、下面(あるいは外側面)328(図12)および周辺端部330を有する。
【0053】
第1表示画面332は、本体部312の上面326に引っ込めて取り付けられ、そのサイズは、長さ6.35cm(2と1/2インチ)および幅4.59cm(1と7/8インチ)で、対角線寸法の画面サイズは3インチである。画面の一例として、ディスプレー解像度256×192ドット(縦横比4:3)で、(例えば40カンデラの)背面照明付きのカラー液晶ディスプレー(LCD)がある。当該画面は、タッチセンサー式で、後述するタッチペンで起動することができる。電源ボタン334は、上面326の左上隅に位置し、ゲームの電源をオン/オフする。十字型の方向制御ボタン336は、電源ボタン334の下方に隣接し、ゲームプレイ操作に使用される。より具体的には、表示画面332は、抵抗薄膜タッチパネルを備え、ドット単位で座標を認識できる。当該タッチパネルは、指またはタッチペンで操作することができる。
【0054】
本体部312の右上隅に、「スタート」ボタン338と「セレクト」ボタン340が横に並んで配置され、「スタート」ボタン、「セレクト」ボタンの下方に隣接してX/Y/A/Bボタン342が配置される。ボタン338、340、342は、ゲームプレイ操作に使用する。マイク344(全方向式コンデンサーマイクでも良い)は、画面332の左端下に配置され、マイク機能を有するゲームで使用する。バッテリ充電表示灯LED346および電源表示灯LED348も上面326に位置し、それぞれ上面326の下端部に近い画面332右端下に設置される。
【0055】
図13を参照して、周辺端部330の下方部分または前方部分350(ユーザーにもっとも近い部分)の第1のゲーム挿入口358の両側には、音量制御スライド352とヘッドホンおよびマイクのコネクタ部354、356が備えられる。挿入口358は、当初本出願人のゲームボーイアドバンスゲーム装置で使用するために設計された大きいゲームカートリッジまたはカードを装着するためのものである。
【0056】
図12に示すように、周辺端部330の上方または後方部分360には、外部拡張コネクタ部362が設けられ、内部バッテリ(図示せず)の充電ため、または家庭用電源を用いてゲームを動作させるためのACアダプタを接続することができる。端部360の第2のゲーム挿入口364は、当該ゲーム機器向けのメモリまたはゲームカードを挿入するためのものである。ゲームカードのサイズの違いを反映して、第2のゲーム挿入口364は、第1のゲーム挿入口358より小さい。開口部366および368には、腕ストラップ(図示せず)を取り付けるためのL字形の貫通スロットが形成され、それによりユーザーはゲーム機器を身に付けることができ、ゲーム機の紛失や置き忘れの可能性を最小限に抑えることができる。止まり穴の形状を有するタッチペン挿入口またはタッチペンホルダー370は、腕ストラップ取り付け部付近に位置し、タッチペン371をその使用前後に収容するためのものである。図15に示すように、タッチペン371はプラスチック製の鉛筆形道具で、丸先端部373を有し、タッチ画面332を作動させる際に使用する。
【0057】
1対の左右の操作ボタン(または肩ボタン)372、374は、周辺端部330に設けられ、周辺端部の上方部分360と周辺端部330の側辺部分376、378が交わる角部に配置される。当該ボタンの位置と先述のボタン334、336および342の位置により、ユーザーが両手で自然にゲーム機器を保持した際に、ユーザーの親指と人差し指を用いたゲーム操作性が高められる。
【0058】
本体部の下面(または外側面)328には、本体部内に設置された充電式バッテリパックを出し入れするバッテリカバー蓋380(図12)が備えられる。
【0059】
カバー部314はまた、周辺端部386を介して接し合っている上面(または内側面)382(図11)および下面(または外側面)384(図12)を有する。上面382には、画面332とほぼ同じ大きさの第2表示画面388が組み込まれる。画面388もまた、背面照明付きカラーLCDである。カバー部には、スピーカーグリル390、392を備えた1対のステレオスピーカも組み込まれ、画面388の両側に配置される。ディンプル部またはパッド394、396が、画面388の上方かつ横方向に設けられてもよい。ディンプル部は、圧縮性のポリマーまたはその他の適切な素材で構成され、カバー部を本体部に対して閉じた際にカバー部314の内側面と本体部312の内側面326が接触しないように設けられている。既述の通り、ゲームカード挿入口358は、既知のニンテンドーゲームボーイアドバンス装置用に作られた従来のゲームカードを挿入するサイズに作られている。ニンテンドーDSをサーバー機器として使用する場合、ゲームカード挿入口358には、外部長期記憶装置が挿入される。図3に示すフラッシュメモリカードを参照のこと。
【0060】
図16は、第1および第2のデータプロセッサおよびその他の構成部からなるCPU823を含むニンテンドーDSゲーム装置300の内部構成の一例を示す。CPU823は、相互に接続されている作業用RAM(作業用記憶装置)824、GPU(グラフィック処理装置)822、周辺回路I/F(インターフェース)825と、外部メモリ用のインターフェースまたは挿入口826に接続している。CPU823は、サーバー機器用カーネルおよびネットワークドライバを実行する第1データプロセッサと、カーネルおよびサーバーアプリケーションを実行するための第2データプロセッサを含む。作業用RAM824は、例えばCPU823が実行するゲームプログラムやCPU823の計算結果を一時的に保存するためのメモリである。メモリ管理装置(MMU)がないため、アプリケーションを意図された記憶割り当て以外で起動することはできない。GPU822は、CPU823からの指示に従って、VRAM821を用いて、第1LCD832および第2LCD888に出力表示するゲーム画像を作成する。作成されたゲーム画像は、第1LCD832の第1表示画面332および、第2LCD888の第2表示画面388に表示される。周辺回路I/F825は、タッチパネル313、操作キー314、スピーカー315、および無線通信回路816などの外部出入力装置と、CPU823の間におけるデータの送受信を行うための回路である。タッチパネル313(タッチパネルのデバイスドライバを含む)は、タッチペン371によって指定された位置入力に対応する座標データを出力する。無線通信回路816は、ブルートゥース、あらゆる種類の802.11(Wi−Fi)プロトコル、HiperLAN/1プロトコル、HiperLAN/2プロトコル、HomeRFプロトコルなどの様々な既知の無線プロトコルによって無線通信を行うように構成されてもよい。無線通信回路816は、1つのブロックで示されているが、複数の異なるプロトコルを利用できる構成、あるいは複数の異なる回路(例えば、WiFiなどの短距離通信用と無線電話プロトコルなどに用いられる長距離通信用)が提供される構成をも含む。
【0061】
CPU823は、外部メモリ用I/Fまたは挿入口826に電気的に接続される。サーバー機器用として、既述の通り、当該挿入口には長期記憶装置22が挿入される。クライアント機器用として、挿入口364にカートリッジ817を挿入してもよい。カートリッジ817は、そのプログラムROM817aにゲームプログラムを保存する記憶媒体であり、書換え可能にバックアップデータを保存するバックアップRAM817bをも含む。長期記憶装置22、またはカートリッジ817のプログラムROM817aに保存されたゲームプログラム、またはその他のアプリケーションプログラムは、作業用RAM824に読み出され、CPU823によって実行される。ゲームプログラムおよびその他のアプリケーションプログラムは、無線通信回路を介して提供されてもよい。
【0062】
図17は、GPU822の構成の一例を示すブロック図である。GPU822は、2つの画像処理装置、すなわち、3次元画像処理装置931および2次元画像処理装置937を含む。3次元画像処理装置931は、3次元モデルデータに基づく3次元モデルの各頂点を計算するジオメトリエンジン941と、仮想3次元ゲーム空間に配置された3次元モデルからゲーム画像を生成するレンダリングエンジン942を含む。2次元画像処理装置937は、キャラクタを示す2次元画像データと背景を示す2次元画像データに基づいてゲーム画像を生成する2次元レンダリングエンジン943を含む。より具体的には、2次元画像処理装置937は、キャラクタを示す2次元画像を、「スプライト」と称する仮想画面に配置し、背景を示す2次元画像を、「スクリーン」と称する仮想画面に配置する。そして、当該仮想画面を合成して、ゲーム画像を生成し、表示する。
【0063】
3次元画像処理装置931は、3次元ラインバッファ923に接続される。3次元ラインバッファ932は、第1LCD332(または第2LCD388)の1走査線に関する画像データを一時的に保存するためのバッファメモリである。3次元画像処理装置931によって生成された画像データは、1本ずつ順次3次元ラインバッファ932に保存される。
【0064】
3次元ラインバッファ932は、キャプチャ回路933およびLCDセレクタ(SEL LCD)935に接続される。キャプチャ回路933は、3次元ラインバッファ932に保存された1行の画像データを順次読出し、読み出した画像データを後述するVRAM921に順次保存し、3次元画像処理装置931が生成したゲーム画像を撮像する。
【0065】
キャプチャ回路933は、VRAMセレクタ(SEL VRAM)934に接続される。VRAM921として、2つのVRAM、すなわち第1VRAM921aおよび第2VRAM921bを備える。2つの第1VRAM921aおよび921bの代わりに、2つの異なる記憶領域を有する1つのVRAMを用いてもよい。VRAMセレクタ934は、キャプチャ回路933の出力先として、第1VRAM921aまたは第2VRAM921bの切り換えを行う。第1VRAM921aおよび第2VRAM921bは、VRAMセレクタ(SEL VRAM)936に接続される。VRAMセレクタ936は、2次元画像処理装置937へのデータ供給元として、第1VRAM921aまたは第2VRAM921bの切り換えを行う。
【0066】
2次元画像処理装置937は、2次元ラインバッファ938に接続される。3次元ラインバッファ932と同様に、2次元ラインバッファ938は、第2LCD388の1本の走査線に関するデータを一次的に保存するバッファメモリである。2次元画像処理装置937で生成された画像データは、2次元ラインバッファ938に1本ずつ順次保存される。
【0067】
2次元ラインバッファ937は、LCDセレクタ935に接続される。LCDセレクタ935は、3次元ラインバッファ932および2次元ラインバッファ938の出力先として、それぞれ第1LCD332と第2LCD388の切り換えを行う。例えば、3次元ラインバッファ932からの出力が第1LCD332に出力された場合には、2次元ラインバッファ938からの出力が第2LCD388に出力され、3次元ラインバッファ933から第2LCD388に出力された場合には、2次元ラインバッファ938の出力が第1LCD332に出力されるように、LCDセレクタ935は制御を行う。
【0068】
携帯ゲームシステム330に関する更なる情報は、2005年4月22日出願の出願番号11/111,985および2004年8月20日に出願された出願番号10/921,957に記載されており、その開示内容すべてを本願に引用して援用する。
【0069】
図11〜17を参照して説明した、携帯ゲーム装置を用いたシステムの一例では、アプリケーションは、ゲームシステムの無線ネットワークハードウェアを使用するだけでよい。例えば、携帯ゲーム装置には、独自無線ネットワーク用にゲーム装置無線ハードウェアを用いる1つまたは複数のドライバと、標準の802.11ファミリーなどの標準無線ネットワーク用にゲーム装置無線ハードウェアを用いる1つまたは複数のドライバを含む。独自ネットワークは、クライアント装置に、初期マルチブート画像または「コア」プログラムをダウンロードする際に使用することができる。クライアント装置は、所在地に関する情報(例えば所在地内の複数のアクセスポイントと接続するために必要な情報)やログイン情報を有していてもよい。そしてクライアント装置は、当該所在地に関するその他の情報(例えば、化粧室、営業時間や、カラースキーム、フォントおよびベーシックアプリケーション、催しに関する地図など)をダウンロードしてもよい。
【0070】
図18は、映像送信装置1005からメディアサーバー120、無線アクセスポイント108、および携帯ゲーム装置300に送信されるデータフローの一例を示す。映像送信装置1005は、アナログ映像をメディアサーバー120に送信し、当該映像は1105でビットマップにデジタル化され、当該ビットマップは1111にて符号化されて圧縮され、1115にてTCP/IP用にパケット化される。パケット化された情報は、ローカルエリアネットワーク1040を介して無線アクセスポイント108に送信される。
【0071】
符号化は、例えば最大6つの供給映像を、1つの供給映像につき、256×192画素で、毎秒15フレームを供給してもよい。本例のネットワークにおいては、連続的なリアルタイム動作を維持するために、500msを最大許容待ち時間とするリアルタイム符号化が望ましい。後に詳しく説明するように、すべての供給映像(本例のネットワークでは6つ)が、1つの映像ストリームにインターリーブされ、1つの無線チャネルで送信される。
【0072】
無線アクセスポイント108は、ネットワークに対して接続型(TCP/IP)のネットワークアクセスおよび非接続型(UDP)ネットワークアクセスを提供する。無線アクセスポイント108では、1121にてTCPが情報から取り除かれる。当該情報は、1125にて、UDP/IPのような同報通信プロトコルを介した送信に適合するように修正される。その後1130にて、802.11プロトコルのうちの1つなどの無線プロトコルを用いて送信用にパケット化され、パケット化された情報が無線リンク110で送信される。
【0073】
無線リンク110を介して送信される情報は、携帯ゲーム装置300にて受信され、1135にて802.11が取り除かれ、UDPパケットが再構築される。1140にてUDPが取り除かれ、1145にてフレームパケットが再構築される。画像は1150にて復号化され、1155にて表示画面332および388の一方または両方に表示される。
【0074】
本例のネットワークにおいて、携帯ゲーム機器の復号部は、データエラーの発生に伴って映像品質を緩やかに劣化させ、データの喪失や不良データがあってもクラッシュやハングアップを生じさせない。すなわち復号部は、データの喪失や不良データが生じた場合でも、可能な範囲の中で最良の画像を提示する。復号部がエラー修正のサポートを行ってもよい。各映像チャネル(256×192×16ビット)は、128kbps帯域幅に収まる必要がある。復号部からの出力は、携帯ゲーム装置のクライアントアプリケーションによって表示されるビットマップ方式である。
【0075】
図18には示さないが、携帯無線ゲーム装置300から出力される非映像情報(例えば統計データやその他のコンテンツ)に関しても、同様のデータフローが適用される。
【0076】
図19Aおよび19Bは、プロトコルスタックの一例を示すものである。図19Aに示すように、例えば、アクセスポイント108および携帯ゲーム装置300の当該スタックには、ネットワークパケット、UDP、IPおよびWiFiドライバが含まれる。図19Bに示すように、アクセスポイントのスタックには、ネットワークパケット、UDP、IP、およびWiFiドライバが含まれ、携帯ゲーム装置のスタックには、状態機械、UDP、IPおよびWiFiドライバが含まれる。
【0077】
図20は、2ビットのカメラ番号領域、2ビットのデータタイプ領域、および12ビットのシーケンス番号領域からなる16ビットのヘッダーを含むネットワークパケットフォーマットの一例を示す図である。データサイズは、映像の符号化によって決定される。
【0078】
図21は、UDPデータフォーマットの一例を示す図で、16ビットの供給元ポート番号、16ビットの送信先ポート番号、16ビットのUDP長、16ビットのUDPチェックサム、および可変長データを含む。
【0079】
図22は、IPヘッダの一例を示す図である。
【0080】
上記実施形態において説明したシステムおよび方法は、多重層からなるデータ暗号化規格(DES)を用いたクレジットカード決済購入や個人情報の入力などの無線リンク上におけるデータのセキュリティ保護も提供する。独自の暗号化の最上位層をそれに加えても良い。
【0081】
携帯情報端末は、ダイナミックプログラムメモリ割り当てを利用して、最小のアプリケーション(カーネル)をメモリ(例えばRAM)に保持しつつ、必要なコードやデータをサーバーからRAMに移動したり、不要なコードやデータを破棄(割り当て解除)したりすることができる。
【0082】
ユーザーの名前および携帯無線クライアント端末のMACアドレスを用いた数学的演算に基づいて、携帯無線クライアント端末とサーバーの間でデータ交換することにより、ユーザー認識およびユーザー認証を行ってもよい。この数学的演算は、固有の番号(例えば16バイトの番号)を携帯無線クライアント端末に保存し、当該番号は、サーバーがユーザーの同一性を認証する際に使用される。サーバーは、その固有の番号を用いて一連の演算を行い、携帯無線クライアント端末の安全性が損なわれていないことを確認する。当該プロセスの一例を、以下に示す。
【0083】
1. 携帯無線クライアント端末のMACアドレスから生成された番号を用いた擬似ランダム素数生成アルゴルズムを提供し、16個の素数を生成する。
【0084】
2. 16個の素数から得られる8つの複素数からなるベクトル空間と、アプリケーション専用のサーバーからの数値とユーザーの名前とのブール演算による8つの複素数からなるベクトル空間をそれぞれ1つずつ作成する。
【0085】
3. 当該2つのベクトルを畳み込み積分し、新たなベクトル空間を作成する。新たなベクトルから生じる16バイト(8つの実数と8つの虚数)を携帯無線クライアント端末に保存する。
【0086】
4. サーバーは、当該16バイトの値とMACアドレスを携帯無線クライアント端末から読み出す。
【0087】
5. サーバーは、これらの2つの値を畳み込み積分し、それからデータベース検索を行ってユーザーの名前を識別する。
【0088】
6. サーバーは、上記結果と、上記ユーザーの名前に基づく値とを畳み込み積分する。
【0089】
7. その結果がゼロ値ベクトルでなければ、安全性が損なわれている可能性が高い。
【0090】
様々な実施形態について詳しく説明してきたが、本発明の請求項は、特定の実施形態あるいは特定の例に限定されるものではない。上記のいかなる説明も、特定の要素、ステップ、範囲または機能が必要不可欠であって請求の範囲に含まれるべきだと解釈されてはならない。特許される主体の範囲は、請求項によってのみ定義される。法的保護の範囲は、許可された請求項に記述された文言、およびその均等物によって定義される。上記の好ましい実施形態に記述の要素に対する、当業者にとって既知の構造的均等物および機能的均等物は、ここに引用されることによって明示的に組み込まれ、本願の請求項に含まれることを意図している。さらに、本願発明が解決すべきあらゆる問題に、装置または方法が必ずしも対応するわけではない。また、本願発明の請求に当該装置または方法が必ずしも含まれるわけではない。いかなる請求も、「手段」または「方法」という文言を用いていない限り、米国特許法代112条第6項(35USC §112)が適用されるものではない。さらに、本願明細書におけるいかなる実施形態、特徴、構成要素、または方法も、当該実施形態、特徴、構成要素、または方法が請求項に記述されているか否かに関わらず、公共の用に供するためのものではない。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】携帯機器が、無線インターフェース上における多数の携帯機器クライアントに対するサーバーとして機能する通信システムの一例を示す図である。
【図2】図1に示す携帯機器サーバーが実行する手順の一例を示すフローチャートである。
【図3】携帯機器サーバーとなるニンテンドーDSの一例を示す機能ブロック図である。
【図4】ニンテンドーDSサーバーが実行するマルチブートアプリケーションの一例を示す図である。
【図5】多数のニンテンドーDSクライアントに同時にデータをダウンロードするために、ニンテンドーDSが送信するメッセージの一例を示す図である。
【図6】旅客輸送機関内における、1つまたは複数のニンテンドーDSサーバーの一適用例を示す図である。
【図7】多数の携帯ゲーム機器(HGD)が、無線アクセスポイントのローカルエリアネットワークへのサーバーとして、またその他のサーバー/ネットワークへの無線アクセスポイントとして機能している通信システムの一例を示す図である。
【図8A】図7に示す通信システムを、飛行機旅行環境に適用し、図7に示す無線アクセスポイントのいずれかと通信可能な携帯無線端末を所持する旅行者に多数のサービスを提供する一例を示す図である。
【図8B】図7に示す通信システムを、飛行機旅行環境に適用し、図7に示す無線アクセスポイントのいずれかと通信可能な携帯無線端末を所持する旅行者に多数のサービスを提供する一例を示す図である。
【図8C】図7に示す通信システムを、飛行機旅行環境に適用し、図7に示す無線アクセスポイントのいずれかと通信可能な携帯無線端末を所持する旅行者に多数のサービスを提供する一例を示す図である。
【図9A】通常の飛行機旅行環境において、旅行者の異なる場所への移動に応じて飛行機旅行者の携帯ゲーム端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図9B】通常の飛行機旅行環境において、旅行者の異なる場所への移動に応じて飛行機旅行者の携帯ゲーム端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図9C】通常の飛行機旅行環境において、旅行者の異なる場所への移動に応じて飛行機旅行者の携帯ゲーム端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図9D】通常の飛行機旅行環境において、旅行者の異なる場所への移動に応じて飛行機旅行者の携帯ゲーム端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図9E】通常の飛行機旅行環境において、旅行者の異なる場所への移動に応じて飛行機旅行者の携帯ゲーム端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図9F】通常の飛行機旅行環境において、旅行者の異なる場所への移動に応じて飛行機旅行者の携帯ゲーム端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図9G】通常の飛行機旅行環境において、旅行者の異なる場所への移動に応じて飛行機旅行者の携帯ゲーム端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図9H】通常の飛行機旅行環境において、旅行者の異なる場所への移動に応じて飛行機旅行者の携帯ゲーム端末に表示される画面の一例を示す図である。
【図10】携帯クライアント端末が旅行環境において実行する手順の一例を示すフローチャートである。
【図11】開状態で、すぐに使用可能な姿勢状態にある携帯ゲーム機器の一例を示す斜視図である。
【図12】図11に示す携帯ゲーム機器を逆からみた斜視図である。
【図13】閉状態にある図11に示す携帯ゲーム機器の正面図である。
【図14】図11に示す携帯ゲーム機器の背面図である。
【図15】図11に示す携帯ゲーム機器に使用するタッチペンの斜視図である。
【図16】図11に示す携帯ゲーム機器の内部構成の一例を示す説明図である。
【図17】グラフィックス処理装置の内部構成の一例を示す説明図である。
【図18】図11に示す携帯ゲーム機器と無線通信して、ストリーム映像配信を行う通信ネットワークの一例を示す図である。
【図19A】プロトコルスタックの一例を示す図である。
【図19B】プロトコルスタックの一例を示す図である。
【図20】ネットワーク映像パケットフォーマットの一例を示す図である。
【図21】UDPデータフォーマットの一例を示す図である。
【図22】IPヘッダーの一例を示す図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯無線クライアントにサービスを提供する携帯無線サーバーであって、
サーバーとして機能する携帯無線機器を備え、
前記携帯無線機器は、
バッテリと、
データ処理回路と、
読み/書き作業メモリと、
前記データ処理回路によって実行される多数のダイナミックサーバーアプリケーションと、1つ以上の前記携帯無線クライアント機器にダウンロードされる多数のダイナミッククライアントアプリケーションとを保存する、脱着可能な外部長期読み/書き記憶装置を装着するためのメモリ挿入口と、
初期情報を同報送信し、前記長期記憶装置に保存されたクライアントアプリケーションのダウンロードの要求を含む、携帯無線クライアント機器からの通信を検出する無線通信回路とを含み、
前記データプロセッサは、多数の携帯無線クライアント機器からの、1つ以上の前記クライアントアプリケーションのダウンロード要求を並行に処理し、前記メモリ挿入口に動作可能に接続された前記長期記憶装置から前記クライアントアプリケーションを読み出し、前記多数の携帯無線クライアント機器に無線で前記クライアントアプリケーションを提供する、携帯無線サーバー。
【請求項2】
前記携帯無線機器は、所定のサーバー機能を行うための組み込み機器である、請求項1に記載の携帯無線サーバー。
【請求項3】
前記携帯無線機器はゲーム機器である、請求項1に記載の携帯無線サーバー。
【請求項4】
前記ゲーム機器はニンテンドーDSであり、当該ニンテンドーDSは、無線アクセスポイントとして機能するように当該ニンテンドーDSを初期化するためのブートカートリッジを装着するブートカートリッジ挿入口を含み、フラッシュメモリカートリッジは、前記メモリ挿入口に装着されて、長期読み/書き記憶装置として機能する、請求項3に記載の携帯無線サーバー。
【請求項5】
前記携帯無線クライアントは、ゲームクライアントであり、前記携帯無線クライアント機器に前記クライアントアプリケーションが提供されると、少なくとも1つのサーバーアプリケーションを用いて前記クライアントアプリケーションを起動する、請求項1に記載の携帯無線サーバー。
【請求項6】
前記携帯無線ゲームクライアントはニンテンドーDSである、請求項4に記載の携帯無線サーバー。
【請求項7】
前記メモリ挿入口に動作可能に接続される前記長期記憶装置を含まない状態で、前記携帯無線クライアント機器は、283g(10オンス)以下の重量と、幅8.89cm(3.5インチ)、長さ15.25cm(6インチ)、高さ3.18cm(1.25インチ)を超えない寸法を有する、請求項1に記載の携帯無線サーバー。
【請求項8】
前記長期記憶装置は、フラッシュメモリまたはハードディスクである、請求項1に記載の携帯無線サーバー。
【請求項9】
前記フラッシュメモリは、カード、カートリッジ、ディスク、またはスティックで構成され、前記メモリ挿入口は、前記カード、カートリッジ、ディスク、またはスティックを装着可能な寸法を有する、請求項7に記載の携帯無線サーバー。
【請求項10】
前記処理回路は、カーネルおよびネットワークドライバを実行する第1データプロセッサと、サーバーアプリケーションを実行する第2データプロセッサを含む、請求項1に記載の携帯無線サーバー。
【請求項11】
前記処理回路は、2次元画像および3次元画像を処理するグラフィックス処理装置をさらに含む、請求項10に記載の携帯無線サーバー。
【請求項12】
前記無線回路は、1つ以上の他の携帯無線サーバーと無線通信するように構成されている、請求項1の携帯無線サーバー。
【請求項13】
前記無線回路は、前記1つ以上の他の携帯無線サーバーから1つ以上のアプリケーションを無線で受信し、および/または前記1つ以上の他の携帯無線サーバーに1つ以上のアプリケーションを無線で送信するように構成されている、請求項12に記載の携帯無線サーバー。
【請求項14】
輸送機関に設置されている、請求項12に記載の携帯無線サーバー。
【請求項15】
飛行機内に設置されている、請求項14に記載の携帯無線サーバー。
【請求項16】
前記無線回路は、飛行機ネットワークの一部である前記飛行機内の他の無線アクセスポイントと無線通信するように構成されている、請求項15に記載の携帯無線サーバー。
【請求項17】
前記無線回路は、インターネットに接続された他の無線アクセスポイントと無線通信するように構成されている、請求項1に記載の携帯無線サーバー。
【請求項18】
前記無線回路は、第1の無線プロトコルを用いて前記無線アクセスポイントと無線通信し、第2の無線プロトコルを用いて前記携帯無線クライアントと通信するように構成されている、請求項1に記載の携帯無線サーバー。
【請求項19】
前記第1の無線プロトコルは標準無線プロトコルであり、前記第2の無線プロトコルは独自開発のプロトコルである、請求項18に記載の携帯無線サーバー。
【請求項20】
前記標準無線プロトコルは802.11プロトコルである、請求項19に記載の携帯無線サーバー。
【請求項21】
前記標準無線プロトコルは、前記携帯無線ゲーム機器に特定した情報を通信するように修正されている、請求項18に記載の携帯無線サーバー。
【請求項22】
前記無線回路は、前記携帯無線クライアント機器にダウンロード可能なクライアントアプリケーションに関する情報を含むビーコン信号を送信する、請求項21に記載の携帯無線サーバー。
【請求項23】
前記データ処理回路は、インターネットに接続されたコンテンツサーバーから少なくとも複数のクライアントアプリケーションを読み出すように構成されている、請求項16に記載の携帯無線サーバー。
【請求項24】
それぞれ異なる場所に関連づけされた複数の無線アクセスポイントを有する旅行環境に備えられる無線ネットワークにおいて、旅行者が使用する携帯無線端末であって、
バッテリと、
データ処理回路と、
読み/書き作業メモリと、
1つまたは複数の前記無線アクセスポイントからクライアントアプリケーションインジケータを含む同報情報を受信し、当該無線アクセスポイントから受信した同報情報に基づいて当該無線アクセスポイントから複数のクライアントアプリケーションのうち1つをダウンロードする要求を行い、当該ダウンロードを要求したクライアントアプリケーションを当該無線アクセスポイントから受信する無線通信回路と、
前記携帯無線ゲーム端末が通信を行う無線アクセスポイントの、旅行環境における位置に応じて変化する双方向インターフェースとを備える、携帯無線端末。
【請求項25】
前記双方向インターフェースは、2つの異なる表示画面を含む、請求項24に記載の携帯無線端末。
【請求項26】
前記双方向インターフェースは、携帯情報端末が通信を行う前記無線アクセスポイントからダウンロードしたインターフェースアプリケーションに応じて変化し、旅行前段階、旅行中段階、旅行後段階を含む旅行環境の段階を反映して、異なる無線アクセスポイントから異なるインターフェースアプリケーションがダウンロードされる、請求項24に記載の携帯無線端末。
【請求項27】
前記旅行環境は飛行機旅行を含み、前記旅行前段階は、空港ターミナルに到着して空港ターミナル内を移動する旅行者を含み、前記旅行段階は、飛行機内に所在する旅行者を含み、前記旅行後段階は、空港ターミナルを去る旅行者を含む、請求項26に記載の携帯無線端末。
【請求項28】
前記無線アクセスポイントからダウンロード可能なアプリケーションには、ストリーミング映像、ビデオゲーム、ビデオゲームのデモ、1対1の対戦型ビデオゲーム、ビデオゲームのハイスコア、ビデオゲームの高得点争い、機外の映像、旅行者のチェックイン、空港ターミナルの地図、ターミナルの搭乗ゲートへの案内、その他の飛行情報およびオプション、遅延、キャンセル、航空路図、飛行進行状況、接続便の詳細、タクシーやレンタカー、ホテル、旅行者の目的地での行事およびイベントの案内、広告、機内販売、安全や目的地に関する情報の映像、飲食の注文、旅行ガイド、機内誌の電子コピー、外国語案内、ウェブアクセス、客室乗務員呼び出し、頭上の読書灯の制御、化粧室の空室状況、および高度または着陸時に基づく現在の作業の終了の警告、のうち1つ以上が含まれる、請求項27に記載の携帯無線端末。
【請求項29】
1つまたは複数の前記無線アクセスポイントは、無線アクセスポイントとして動作する携帯無線ゲーム機器である、請求項24に記載の携帯無線端末。
【請求項30】
無線アクセスポイントとして動作する前記携帯無線ゲーム機器は、ニンテンドーDS機である、請求項29に記載の携帯無線端末。
【請求項31】
無線アクセスポイントとして動作する前記携帯無線ゲーム機器は、前記携帯無線ゲーム端末へのアプリケーションサーバーとしても動作する、請求項30に記載の携帯無線端末。
【請求項32】
多数の携帯無線ゲーム端末に対するサーバーとして機能する、無線で連結された多数の携帯無線ゲーム機器を備え、
前記携帯無線ゲーム機器は、それぞれ、
バッテリと、
データ処理回路と、
読み/書き作業メモリと、
前記データ処理回路によって実行される多数のサーバーアプリケーションと、1つ以上の前記携帯無線クライアント機器にダウンロードされる多数のクライアントアプリケーションを記憶する長期大容量読み/書き記憶装置と、
同報情報を送信し、1つ以上のクライアントアプリケーションのダウンロードの要求を多数の前記携帯無線ゲーム端末から受信し、当該要求されたクライアントアプリケーションを、当該要求した携帯無線ゲーム端末に対して送信する無線通信回路とを含み、
前記携帯無線ゲーム端末は、それぞれ、
バッテリと
データ処理回路と、
読み/書き作業メモリと、
前記携帯無線ゲーム機器のうちの1つから同報情報を受信し、複数のアプリケーションのうち1つをダウンロードする要求を前記当該携帯無線ゲーム機器に送信し、当該要求したアプリケーションを当該携帯無線ゲーム機器から受信する無線通信回路とを含む、通信システム。
【請求項33】
前記携帯無線ゲーム機器のうちの少なくともいくつかは、他の複数の携帯無線ゲーム機器に対してアプリケーションをダウンロードする、請求項32に記載の通信システム。
【請求項34】
多数の無線アクセスポイントを含むローカルエリアネットワークをさらに備え、前記無線アクセスポイントは、前記携帯無線ゲーム機器および前記携帯無線ゲーム端末と無線通信するように構成されている、請求項32に記載の通信システム。
【請求項35】
前記携帯無線ゲーム機器のうちの少なくともいくつかは、ローカルエリアネットワークまたはインターネットを介してアプリケーションコンテンツサーバーに接続されている、請求項32に記載の通信システム。
【請求項1】
携帯無線クライアントにサービスを提供する携帯無線サーバーであって、
サーバーとして機能する携帯無線機器を備え、
前記携帯無線機器は、
バッテリと、
データ処理回路と、
読み/書き作業メモリと、
前記データ処理回路によって実行される多数のダイナミックサーバーアプリケーションと、1つ以上の前記携帯無線クライアント機器にダウンロードされる多数のダイナミッククライアントアプリケーションとを保存する、脱着可能な外部長期読み/書き記憶装置を装着するためのメモリ挿入口と、
初期情報を同報送信し、前記長期記憶装置に保存されたクライアントアプリケーションのダウンロードの要求を含む、携帯無線クライアント機器からの通信を検出する無線通信回路とを含み、
前記データプロセッサは、多数の携帯無線クライアント機器からの、1つ以上の前記クライアントアプリケーションのダウンロード要求を並行に処理し、前記メモリ挿入口に動作可能に接続された前記長期記憶装置から前記クライアントアプリケーションを読み出し、前記多数の携帯無線クライアント機器に無線で前記クライアントアプリケーションを提供する、携帯無線サーバー。
【請求項2】
前記携帯無線機器は、所定のサーバー機能を行うための組み込み機器である、請求項1に記載の携帯無線サーバー。
【請求項3】
前記携帯無線機器はゲーム機器である、請求項1に記載の携帯無線サーバー。
【請求項4】
前記ゲーム機器はニンテンドーDSであり、当該ニンテンドーDSは、無線アクセスポイントとして機能するように当該ニンテンドーDSを初期化するためのブートカートリッジを装着するブートカートリッジ挿入口を含み、フラッシュメモリカートリッジは、前記メモリ挿入口に装着されて、長期読み/書き記憶装置として機能する、請求項3に記載の携帯無線サーバー。
【請求項5】
前記携帯無線クライアントは、ゲームクライアントであり、前記携帯無線クライアント機器に前記クライアントアプリケーションが提供されると、少なくとも1つのサーバーアプリケーションを用いて前記クライアントアプリケーションを起動する、請求項1に記載の携帯無線サーバー。
【請求項6】
前記携帯無線ゲームクライアントはニンテンドーDSである、請求項4に記載の携帯無線サーバー。
【請求項7】
前記メモリ挿入口に動作可能に接続される前記長期記憶装置を含まない状態で、前記携帯無線クライアント機器は、283g(10オンス)以下の重量と、幅8.89cm(3.5インチ)、長さ15.25cm(6インチ)、高さ3.18cm(1.25インチ)を超えない寸法を有する、請求項1に記載の携帯無線サーバー。
【請求項8】
前記長期記憶装置は、フラッシュメモリまたはハードディスクである、請求項1に記載の携帯無線サーバー。
【請求項9】
前記フラッシュメモリは、カード、カートリッジ、ディスク、またはスティックで構成され、前記メモリ挿入口は、前記カード、カートリッジ、ディスク、またはスティックを装着可能な寸法を有する、請求項7に記載の携帯無線サーバー。
【請求項10】
前記処理回路は、カーネルおよびネットワークドライバを実行する第1データプロセッサと、サーバーアプリケーションを実行する第2データプロセッサを含む、請求項1に記載の携帯無線サーバー。
【請求項11】
前記処理回路は、2次元画像および3次元画像を処理するグラフィックス処理装置をさらに含む、請求項10に記載の携帯無線サーバー。
【請求項12】
前記無線回路は、1つ以上の他の携帯無線サーバーと無線通信するように構成されている、請求項1の携帯無線サーバー。
【請求項13】
前記無線回路は、前記1つ以上の他の携帯無線サーバーから1つ以上のアプリケーションを無線で受信し、および/または前記1つ以上の他の携帯無線サーバーに1つ以上のアプリケーションを無線で送信するように構成されている、請求項12に記載の携帯無線サーバー。
【請求項14】
輸送機関に設置されている、請求項12に記載の携帯無線サーバー。
【請求項15】
飛行機内に設置されている、請求項14に記載の携帯無線サーバー。
【請求項16】
前記無線回路は、飛行機ネットワークの一部である前記飛行機内の他の無線アクセスポイントと無線通信するように構成されている、請求項15に記載の携帯無線サーバー。
【請求項17】
前記無線回路は、インターネットに接続された他の無線アクセスポイントと無線通信するように構成されている、請求項1に記載の携帯無線サーバー。
【請求項18】
前記無線回路は、第1の無線プロトコルを用いて前記無線アクセスポイントと無線通信し、第2の無線プロトコルを用いて前記携帯無線クライアントと通信するように構成されている、請求項1に記載の携帯無線サーバー。
【請求項19】
前記第1の無線プロトコルは標準無線プロトコルであり、前記第2の無線プロトコルは独自開発のプロトコルである、請求項18に記載の携帯無線サーバー。
【請求項20】
前記標準無線プロトコルは802.11プロトコルである、請求項19に記載の携帯無線サーバー。
【請求項21】
前記標準無線プロトコルは、前記携帯無線ゲーム機器に特定した情報を通信するように修正されている、請求項18に記載の携帯無線サーバー。
【請求項22】
前記無線回路は、前記携帯無線クライアント機器にダウンロード可能なクライアントアプリケーションに関する情報を含むビーコン信号を送信する、請求項21に記載の携帯無線サーバー。
【請求項23】
前記データ処理回路は、インターネットに接続されたコンテンツサーバーから少なくとも複数のクライアントアプリケーションを読み出すように構成されている、請求項16に記載の携帯無線サーバー。
【請求項24】
それぞれ異なる場所に関連づけされた複数の無線アクセスポイントを有する旅行環境に備えられる無線ネットワークにおいて、旅行者が使用する携帯無線端末であって、
バッテリと、
データ処理回路と、
読み/書き作業メモリと、
1つまたは複数の前記無線アクセスポイントからクライアントアプリケーションインジケータを含む同報情報を受信し、当該無線アクセスポイントから受信した同報情報に基づいて当該無線アクセスポイントから複数のクライアントアプリケーションのうち1つをダウンロードする要求を行い、当該ダウンロードを要求したクライアントアプリケーションを当該無線アクセスポイントから受信する無線通信回路と、
前記携帯無線ゲーム端末が通信を行う無線アクセスポイントの、旅行環境における位置に応じて変化する双方向インターフェースとを備える、携帯無線端末。
【請求項25】
前記双方向インターフェースは、2つの異なる表示画面を含む、請求項24に記載の携帯無線端末。
【請求項26】
前記双方向インターフェースは、携帯情報端末が通信を行う前記無線アクセスポイントからダウンロードしたインターフェースアプリケーションに応じて変化し、旅行前段階、旅行中段階、旅行後段階を含む旅行環境の段階を反映して、異なる無線アクセスポイントから異なるインターフェースアプリケーションがダウンロードされる、請求項24に記載の携帯無線端末。
【請求項27】
前記旅行環境は飛行機旅行を含み、前記旅行前段階は、空港ターミナルに到着して空港ターミナル内を移動する旅行者を含み、前記旅行段階は、飛行機内に所在する旅行者を含み、前記旅行後段階は、空港ターミナルを去る旅行者を含む、請求項26に記載の携帯無線端末。
【請求項28】
前記無線アクセスポイントからダウンロード可能なアプリケーションには、ストリーミング映像、ビデオゲーム、ビデオゲームのデモ、1対1の対戦型ビデオゲーム、ビデオゲームのハイスコア、ビデオゲームの高得点争い、機外の映像、旅行者のチェックイン、空港ターミナルの地図、ターミナルの搭乗ゲートへの案内、その他の飛行情報およびオプション、遅延、キャンセル、航空路図、飛行進行状況、接続便の詳細、タクシーやレンタカー、ホテル、旅行者の目的地での行事およびイベントの案内、広告、機内販売、安全や目的地に関する情報の映像、飲食の注文、旅行ガイド、機内誌の電子コピー、外国語案内、ウェブアクセス、客室乗務員呼び出し、頭上の読書灯の制御、化粧室の空室状況、および高度または着陸時に基づく現在の作業の終了の警告、のうち1つ以上が含まれる、請求項27に記載の携帯無線端末。
【請求項29】
1つまたは複数の前記無線アクセスポイントは、無線アクセスポイントとして動作する携帯無線ゲーム機器である、請求項24に記載の携帯無線端末。
【請求項30】
無線アクセスポイントとして動作する前記携帯無線ゲーム機器は、ニンテンドーDS機である、請求項29に記載の携帯無線端末。
【請求項31】
無線アクセスポイントとして動作する前記携帯無線ゲーム機器は、前記携帯無線ゲーム端末へのアプリケーションサーバーとしても動作する、請求項30に記載の携帯無線端末。
【請求項32】
多数の携帯無線ゲーム端末に対するサーバーとして機能する、無線で連結された多数の携帯無線ゲーム機器を備え、
前記携帯無線ゲーム機器は、それぞれ、
バッテリと、
データ処理回路と、
読み/書き作業メモリと、
前記データ処理回路によって実行される多数のサーバーアプリケーションと、1つ以上の前記携帯無線クライアント機器にダウンロードされる多数のクライアントアプリケーションを記憶する長期大容量読み/書き記憶装置と、
同報情報を送信し、1つ以上のクライアントアプリケーションのダウンロードの要求を多数の前記携帯無線ゲーム端末から受信し、当該要求されたクライアントアプリケーションを、当該要求した携帯無線ゲーム端末に対して送信する無線通信回路とを含み、
前記携帯無線ゲーム端末は、それぞれ、
バッテリと
データ処理回路と、
読み/書き作業メモリと、
前記携帯無線ゲーム機器のうちの1つから同報情報を受信し、複数のアプリケーションのうち1つをダウンロードする要求を前記当該携帯無線ゲーム機器に送信し、当該要求したアプリケーションを当該携帯無線ゲーム機器から受信する無線通信回路とを含む、通信システム。
【請求項33】
前記携帯無線ゲーム機器のうちの少なくともいくつかは、他の複数の携帯無線ゲーム機器に対してアプリケーションをダウンロードする、請求項32に記載の通信システム。
【請求項34】
多数の無線アクセスポイントを含むローカルエリアネットワークをさらに備え、前記無線アクセスポイントは、前記携帯無線ゲーム機器および前記携帯無線ゲーム端末と無線通信するように構成されている、請求項32に記載の通信システム。
【請求項35】
前記携帯無線ゲーム機器のうちの少なくともいくつかは、ローカルエリアネットワークまたはインターネットを介してアプリケーションコンテンツサーバーに接続されている、請求項32に記載の通信システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図9G】
【図9H】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図8C】
【図9A】
【図9B】
【図9C】
【図9D】
【図9E】
【図9F】
【図9G】
【図9H】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19A】
【図19B】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2009−78132(P2009−78132A)
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2008−200169(P2008−200169)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コンパクトフラッシュ
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年4月16日(2009.4.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−200169(P2008−200169)
【出願日】平成20年8月1日(2008.8.1)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.コンパクトフラッシュ
【出願人】(000233778)任天堂株式会社 (1,115)
【Fターム(参考)】
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