説明

携帯無線機用保護板

【課題】 携帯無線機の筐体に貼付された紙片を保護することが可能な携帯無線機用保護板の提供。
【解決手段】 筐体1の窪み面6A上に装飾用の紙片7が貼付されている。透明板2には突起部3が設けられ、筐体1の一面6の縁部6Bの両端部には突起部3に対応する位置に切り欠き部4が形成されている。透明板2の突起部3を筐体1の一面6の切り欠き部4に差し込み、一面6の係止部5をスライドさせて透明板2を固定する。これにより、装飾用の紙片7が透明板2で覆われ保護される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯無線機用保護板に関し、特に携帯無線機の筐体に貼付された紙片を保護する携帯無線機用保護板に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯無線機の筐体全体を保護する保護カバーは公知である。その一例として、携帯電話機の表示部およびキーボード部に対応する箇所が透明フィルムで形成された携帯電話カバーが開示され(特許文献1参照)、他の例として、透明な柔軟性塩化ビニール樹脂製部材を三つ折にしてコントロール装置を包む保護カバー(特許文献2参照)、および携帯電話の充電端子に対応する箇所に導電性部材を設け、携帯電話を収納した状態でも充電が可能な保護カバー(特許文献3参照)が開示されている。
【0003】
また、携帯電話機の背面に着脱可能な透明カバーが開示されている(非特許文献1参照)。写真やイラストを切り抜いて携帯電話機の背面に載置し、それを透明カバーで覆うというものである。
【0004】
近年、携帯電話機が急速に普及し、すでに国民の大多数が所有するものとなっている。そのような中で、ストラップや写真を印刷したシール(紙片)等多くの装飾品が市販されており、オリジナリティ(独自性)を出すために、各自様々な装飾を携帯電話機に施す傾向がある。
【0005】
図7および図8は従来の携帯電話機の一例の外観図である。図7は携帯電話機71の筐体1の一面6に装飾用の紙片7を貼付する一態様を示している。一方、図8は携帯電話機71の筐体1の一面6に装飾用の紙片7が貼付された一態様を示している。
【0006】
【特許文献1】実用新案登録第3070843号公報(段落0004、図1)
【特許文献2】特開平10−190253号公報(段落0008、図1)
【特許文献3】特開平7−297894号公報(段落0019、図1)
【非特許文献1】ケータイWatchホームページ、(CeBIT 2002)、Panasonic(登録商標)が欧州向け初の折りたたみ端末を発表、2004年7月21日、ケータイWatch編集部、(平成16年7月22日検索)、インターネット<URL:http://k−tai.impress.co.jp/cda/article/event/8670.html>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、携帯電話機は鞄やポケット等に常に所持しているものであるため、携帯電話機と共に入れた物によって、携帯電話機に貼付したシール等の装飾品が剥がれたり、装飾品の表面が擦れて見えなくなったりする等の問題があった。
【0008】
一方、この問題の解決手段として前述の特許文献1〜3記載の保護カバーを採用することが可能である。しかし、携帯電話機の筐体全体を覆う保護カバーでは、キーボードや表示部が保護カバーで覆われるため、キーボードの操作性あるいは表示部の視覚性が低下するという問題がある。
【0009】
また、前述の非特許文献1記載の透明カバーは写真やイラストを切り抜いて携帯電話機の背面に載置し、それを固定することを目的としたものであり、本発明の筐体に貼付した紙片を保護することとは目的が全く相違する。
【0010】
そこで本発明の目的は、携帯無線機の筐体に貼付された紙片を保護することが可能な携帯無線機用保護板を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
前記課題を解決するために、本発明による携帯無線機用保護板は携帯無線機の筐体に貼付された紙片を保護する携帯無線機用保護板であって、前記保護板は透明板で構成され、前記筐体の一面あるいはその一部に設けられることを特徴とする。
【0012】
本発明によれば、前記筐体の一面あるいはその一部に貼付された紙片は透明板で覆われる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、上記構成を含むことにより、携帯無線機の筐体に貼付した紙片を保護することが可能となる。また、筐体全体を覆うものとは異なり、筐体の紙片が貼付された面だけを覆うものであるため、キーボードの操作性あるいは表示部の視覚性の低下を防止することも可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施例について添付図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0015】
図1は本発明に係る携帯無線機用保護板が設けられる携帯無線機の第1実施例の構成図である。同図を参照すると、携帯無線機11は筐体1と、携帯無線機用保護板2と、突起部3と、切り欠き部4と、係止部5とを含んで構成される。そして、筐体1の一面6には装飾用の紙片7が貼付されている。
【0016】
筐体1は一例として折り畳み式に構成されており、同図は上部筐体1Aと下部筐体1Bとが軸部1Cを介して折り畳まれた状態を示している。また、図示しないキーボードあるいは表示部は一面6以外の面に設けることが可能である。また、筐体1を折り畳み式ではなく一体型に構成することも可能である。
【0017】
筐体1の一面6はその中央部に窪み面6Aが形成されており、その窪み面6A上に装飾用の紙片7が貼付されている。また、この窪み面6Aは携帯無線機用保護板2が嵌合する大きさに形成されている。さらに、一面6の縁部6Bの両端部には切り欠き部4が形成されている。
【0018】
携帯無線機用保護板2は透明板で構成され(以下、携帯無線機用保護板2を透明板2と表示する)、その縁部2Aには一面6の縁部6Bの両端部に設けられた切り欠き部4と対応する位置に突起部3が設けられている。
【0019】
そして、一面6の縁部6Bの切り欠き部4に透明板2の突起部3を差し込み、透明板2を筐体1の窪み面6Aに嵌合させる。また、一面6の縁部6Bに対向する縁部6Cにはスライド(slide)式の係止部5が設けられており、透明板2を窪み面6Aに嵌合させた後、この係止部5を透明板2方向にスライドさせて透明板2を窪み面6Aに固定する。
【0020】
なお、図示しないが、一面6の縁部6Bの両端部に突起部3を形成し、この突起部3と対応する透明板2の縁部2Aの位置に欠き部4を設けることも可能である。
【0021】
以上説明したように、本発明の第1実施例によれば、携帯無線機用保護板2は透明板で構成されているため、筐体1の一面6に貼付された装飾用の紙片7の柄を目視することができ、しかもその紙片7が透明板2で覆われるため、紙片7の剥がれや、紙片7の表面の擦れを防止することができ、さらに、紙片7の貼付面以外の面にキーボードあるいは表示部を設けることができるため、キーボードの操作性あるいは表示部の視覚性の低下を防止することが可能となる。
【0022】
すなわち、第1実施例によれば、使用者が携帯電話機を鞄やポケットに入れて持ち歩いたとしても、持ち歩いているうちに紙片7が剥がれあるいはその表面が擦れるのを防止することが可能となる。
【実施例2】
【0023】
図2は本発明に係る携帯無線機用保護板が設けられる携帯無線機の第2実施例の構成図である。なお、同図において図1と同様の構成部分については同一番号を付し、その説明を省略する。
【0024】
同図を参照すると、第2実施例の携帯無線機21が第1実施例の携帯無線機11と相違する点は、透明板2と筐体1の一面6の周辺を両面接着テープ8で接着した点である。したがって、本実施例では縁部6Bの切り欠き部4および縁部2Aの突起部3は不要となる。
【0025】
以上説明したように、本発明の第2実施例によれば、両面接着テープ8を用いて透明板2と筐体1の一面6とを接着する構成であるため、切り欠き部4および突起部3が不要となり、部品数および工数の削減が可能となる。
【実施例3】
【0026】
図3は本発明に係る携帯無線機用保護板が設けられる携帯無線機の第3実施例の構成図である。なお、同図において図1と同様の構成部分については同一番号を付し、その説明を省略する。同図を参照すると、第3実施例の携帯無線機31が第1実施例の携帯無線機11と相違する点は、第1実施例における筐体1の一面6の窪み面6Aが第3実施例では円形(窪み面6D)に形成され、これに対応して第1実施例における透明板2も円形(透明板8)に形成される点である。
【0027】
すなわち、透明板8で筐体1の一面6の一部(窪み面6D)を覆う構成としたため、一面6と同一面上に表示部やボタンあるいはキーボード等を設ける場合でも、その透明板8で覆われる部分を避けて設けることが可能となる。
【実施例4】
【0028】
図4は本発明に係る携帯無線機用保護板が設けられる携帯無線機の第4実施例の構成図である。なお、同図において図3と同様の構成部分については同一番号を付し、その説明を省略する。
【0029】
同図を参照すると、第4実施例の携帯無線機41が第3実施例の携帯無線機31と相違する点は、透明板8と筐体1の一面6の窪み面6Dの周辺を両面接着テープ9を用いて接着した点である。したがって、本実施例では縁部6Bの切り欠き部4および縁部2Aの突起部3は不要となる。
【0030】
以上説明したように、本発明の第4実施例によれば、両面接着テープ9を用いて透明板8と筐体1の一面6の一部(窪み面6D)を接着する構成であるため、切り欠き部4および突起部3が不要となり、部品数および工数の削減が可能となる。
【0031】
また、透明板8で筐体1の一面6の一部(窪み面6D)を覆う構成としたため、一面6と同一面上に表示部やボタンあるいはキーボード等を設ける場合でも、その透明板8で覆われる部分を避けて設けることが可能となる。
【実施例5】
【0032】
図5は本発明に係る携帯無線機用保護板が設けられる携帯無線機の第5実施例の構成図である。なお、同図において図1と同様の構成部分については同一番号を付し、その説明を省略する。
【0033】
同図を参照すると、第5実施例の携帯無線機51が第1実施例の携帯無線機11と相違する点は、筐体1の一面が曲面(一面6E)に形成され、透明板はその筐体1の一面6Eの曲面に対応する形状(透明板15)に形成される点である。
【0034】
なお、一面6Eの曲面の形態は図5に示す2次曲線的なものに限定するものではなく、3次以上の任意の曲線への適用が可能である。
【0035】
以上説明したように、本発明の第5実施例によれば、筐体1の一面が任意の曲面(一面6E)をなす場合も本発明の適用が可能となる。
【実施例6】
【0036】
図6は本発明に係る携帯無線機用保護板が設けられる携帯無線機の第6実施例の構成図である。なお、同図において図5と同様の構成部分については同一番号を付し、その説明を省略する。
【0037】
同図を参照すると、第6実施例の携帯無線機61が第5実施例の携帯無線機51と相違する点は、透明板15と筐体1の一面6Eの周辺を両面接着テープ8で接着した点である。したがって、本実施例では縁部6Bの切り欠き部4および縁部2Aの突起部3は不要となる。
【0038】
以上説明したように、本発明の第6実施例によれば、両面接着テープ8を用いて透明板15と筐体1の一面6Eとを接着する構成であるため、切り欠き部4および突起部3が不要となり、部品数および工数の削減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明に係る携帯無線機用保護板が設けられる携帯無線機の第1実施例の構成図である。
【図2】本発明に係る携帯無線機用保護板が設けられる携帯無線機の第2実施例の構成図である。
【図3】本発明に係る携帯無線機用保護板が設けられる携帯無線機の第3実施例の構成図である。
【図4】本発明に係る携帯無線機用保護板が設けられる携帯無線機の第4実施例の構成図である。
【図5】本発明に係る携帯無線機用保護板が設けられる携帯無線機の第5実施例の構成図である。
【図6】本発明に係る携帯無線機用保護板が設けられる携帯無線機の第6実施例の構成図である。
【図7】従来の携帯電話機の一例の外観図である。
【図8】従来の携帯電話機の一例の外観図である。
【符号の説明】
【0040】
1 筐体
2,8,15 携帯無線機用保護板(透明板)
3 突起部
4 切り欠き部
5 係止部
6 一面
6A,6D 窪み面
6E 一面
7 紙片
8,9 両面接着テープ
11,21,31 携帯無線機
41,51,61 携帯無線機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯無線機の筐体に貼付された紙片を保護する携帯無線機用保護板であって、
前記保護板は透明板で構成され、前記筐体の一面あるいはその一部に設けられることを特徴とする携帯無線機用保護板。
【請求項2】
前記筐体の面の一面あるいはその一部に窪み面が設けられ、前記保護板が前記窪み面に嵌合することを特徴とする請求項1記載の携帯無線機用保護板。
【請求項3】
前記筐体の一面は曲面に形成され、前記保護板は前記筐体の曲面に対応する形状に形成されることを特徴とする請求項1記載の携帯無線機用保護板。
【請求項4】
前記筐体および前記保護板の一方に設けた突起部と、前記突起部に対応して前記筐体および前記保護板の他方に設けた切り欠き部とを含むことを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の携帯無線機用保護板。
【請求項5】
前記筐体および前記保護板の双方を接着するための両面接着テープを含むことを特徴とする請求項1から3いずれかに記載の携帯無線機用保護板。
【請求項6】
前記筐体の一面に前記保護板を係止させる係止部が設けられることを特徴とする請求項4記載の携帯無線機用保護板。
【請求項7】
前記筐体は折り畳み式に構成されることを特徴とする請求項1から6いずれかに記載の携帯無線機用保護板。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−67035(P2006−67035A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−244514(P2004−244514)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】