説明

携帯無線通信装置

【課題】携帯者が携帯無線通信装置を横方向に装着した場合でも、携帯者が転倒したことを検出する。
【解決手段】本発明に係る携帯無線通信装置は、他の通信装置と通信処理を行う携帯無線通信装置であって、この携帯無線通信装置が横方向に装着されたことを検出する第1のセンサと、前記第1のセンサにより横方向の装着が検出されたことに応じて、この携帯無線通信装置の傾きを測定する基準となる方向を示す基準軸を基準として、この携帯無線通信装置の傾きを測定する第2のセンサと、前記測定された傾きを示す値が、前記第1のセンサにより横方向の装着が検出された場合に対応する予め定められた第1の閾値よりも大きい場合、前記携帯者が転倒したと判定する判定部とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯無線通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、引用文献1は、無線機を縦方向に装着する無線機携帯者が転倒したときに、発信信号が送出される携帯無線装置を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平7−111473号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上述のような背景からなされたものであり、携帯者が携帯無線通信装置を横方向に装着した場合でも、携帯者が転倒したことを検出するよう改良された携帯無線通信装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明に係る携帯無線通信装置(1)は、他の通信装置と通信処理を行う携帯無線通信装置であって、この携帯無線通信装置が横方向に装着されたことを検出する第1のセンサ(116)と、前記第1のセンサにより横方向の装着が検出されたことに応じて、この携帯無線通信装置の傾きを測定する基準となる方向を示す基準軸を基準として、この携帯無線通信装置の傾きを測定する第2のセンサ(112)と、前記測定された傾きを示す値が、前記第1のセンサにより横方向の装着が検出された場合に対応する予め定められた第1の閾値よりも大きい場合、前記携帯者が転倒したと判定する判定部(206)と有する。
なお、ここで付された符号は、本願発明の理解を助けることを意図するものであり、本願発明の技術的範囲を限定することを意図するものではない。
【発明の効果】
【0006】
本発明に係る携帯無線通信装置によれば、携帯者が携帯無線通信装置を横方向に装着した場合でも、携帯者が転倒したことを検出することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】本発明に係る携帯無線通信装置のハードウェア構成を例示する図である。
【図2】(A)は、図1に示した携帯無線通信装置の内部基盤の構成を例示する図であり、(B)は、(A)に示した内部基盤を有する携帯無線通信装置を例示する図であり、(C)は、(B)に示した携帯無線通信装置を収納する縦装着用ケースの正面および側面を例示する図である。
【図3】(A)は、図2(A)に示した携帯無線通信装置の内部基盤を、右90度に倒した図であり、(B)は、(A)に示した内部基盤を有する携帯無線通信装置を、図2(C)に示した縦装着用ケースに収納する図であり、(C)は、(B)に示した携帯無線通信装置を収納した縦装着用ケースを収納する横装着用ケースの正面、側面および背面を例示する図である。
【図4】図1に示した携帯無線通信装置上で実行される転倒検出プログラムの構成を例示する図である。
【図5】(A)は、図4に示した装着方向判定部の装着方向判定処理を例示するフローチャートであり、(B)は、図4に示した転倒判定部の転倒判定処理を例示するフローチャートである。
【図6】図1に示した携帯無線通信装置の動作例を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[本発明がなされるに至った経緯]
本発明の理解を助けるために、まず、本発明がなされるに至った経緯を説明する。
PHS(Personal Handyphone System)、携帯電話機およびトランシーバなどの移動可能な無線通信装置(以下、「携帯無線通信装置」と記述する)の携帯者が転倒などにより負傷した場合、携帯者が、自ら携帯無線通信装置を用いて連絡することができない場合がある。
そこで、これまでも、携帯者がベルトなどに装着する携帯無線通信装置用の専用ケースに、携帯無線通信装置を縦方向に収納することで、携帯無線通信装置により、携帯者の転倒の際の傾きが検知され、携帯無線通信装置を管理する管理局、および、他の携帯無線通信装置などに対して携帯者が転倒した旨が通知されていた。
【0009】
しかしながら、携帯者が携帯無線通信装置を縦方向に装着する場合、しゃがむなどの姿勢をとると、携帯無線通信装置を収納するケースをベルトにかけるクリップ部などに無理な力が加わり、携帯無線通信装置が誤作動したり、ケースが破損したりすることがある。
以下に説明する本発明に係る携帯無線通信装置1は、以上の経緯によりなされたものであり、携帯者が携帯無線通信装置を横方向に装着した場合でも、携帯者が転倒したことを検出するよう工夫されている。
【0010】
[携帯無線通信装置1]
図1は、携帯無線通信装置1のハードウェア構成を例示する図である。
図1に示すように、携帯無線通信装置1は、MPU(Micro Processing Unit)(またはCPU)100、メモリ102、キーボード、タッチパネルおよび表示装置などを含む入出力装置104、他の装置と無線データ通信を行う無線通信装置106、ハードディスクなどの記憶媒体110に対してデータの記録を行う記録装置108、携帯無線通信装置1の内部基盤に配置される加速度センサ112、縦装着用磁力センサ114、横装着用磁力センサ116(加速度センサ112、縦装着用磁力センサ114および横装着用磁力センサ116については、図2,図3を参照して後述)、および、音および光などで、転倒の通知を、携帯無線装置1を携帯する携帯者(以下、単に「携帯者」と記述する)に対して予告する転倒通知予告装置118などから構成される。
以下、各図において、実質的に同じ構成部分・処理には、同じ符号が付される。
つまり、携帯無線通信装置1は、情報処理、各構成部分の制御、および、他の装置などとデータ通信が可能なコンピュータとしての構成部分を有している。
【0011】
[携帯無線通信装置1の内部基盤]
図2(A)は、図1に示した携帯無線通信装置1の内部基盤の構成を例示する図であり、(B)は、(A)に示した内部基盤を有する携帯無線通信装置1を例示する図であり、(C)は、(B)に示した携帯無線通信装置1を、携帯者が縦方向に装着するために収納する縦装着用ケース130の正面および側面を例示する図である。
図2(A)に示すように、携帯無線通信装置1の内部基盤は、加速度センサ112、縦装着用磁力センサ114および横装着用磁力センサ116から構成される。
【0012】
加速度センサ112は、xyz軸の3方向の加速度を測定し、x軸が携帯無線通信装置1の底面と平行になるよう内部基盤に配置される。
縦装着用磁力センサ114は、内部基盤の下方(つまり、携帯無線通信装置1の底面側)に配置され、図2(C)に示した縦装着用ケース130の底面に配置された縦装着検出用磁石132の磁力を検出する。
横装着用磁力センサ116は、内部基盤の例えば右端部(つまり、携帯無線通信装置1の右側面側)に配置され、後述する横装着検出用磁石136の磁力を検出する(図3を参照して後述)。
なお、横装着用磁力センサ116は、内部基盤の左端部(つまり、携帯無線通信装置1の左側面側)に配置されてもよい。
【0013】
例えば、図2(A)に示した内部基盤を有する携帯無線通信装置1(図2(B))は、縦装着用ケース130(図2(C))に収納されると、縦装着用磁力センサ114により、縦装着用ケース130の底面に配置された縦装着検出用磁石132の磁力を検出する。
つまり、携帯無線通信装置1は、縦装着用磁力センサ114のみが磁力を検出したことから、携帯者が携帯無線通信装置1を縦方向に装着していると判断する。
これにより、携帯無線通信装置1は、縦装着用ケース130に収納された状態のまま、携帯者が縦方向に装着していることを把握することができ、また、携帯無線通信装置1を縦装着用ケース130に収納することにより、携帯無線通信装置1が物理的に保護される。
【0014】
また、携帯無線通信装置1は、縦装着用磁力センサ114により磁力を検出すると、加速度センサ112を動作させて、縦方向装着時における携帯無線通信装置1の傾き(つまり、携帯者の傾き)を測定する。
具体的には、携帯無線通信装置1は、加速度センサ112の地面に垂直なy軸(図2(A))を、傾きの測定基準となる方向を示す基準軸とし、x軸およびz軸方向にかかる加速度を検出して傾斜角度を測定する。
【0015】
また、携帯無線通信装置1が、縦装着用ケースから取り出された場合(つまり、縦装着用磁力センサ114が、縦装着検出用磁石132の磁力を検出する場合以外)、加速度センサ112の動作を停止させる。
これにより、携帯無線通信装置1が、携帯者の転倒以外の原因(通話操作、および、机などの上に置かれている際の傾きなど)により、傾きを検出して、携帯者が転倒していると誤認識することを防止することができる。
なお、傾斜角度の測定には、必ずしも加速度センサ112を用いる必要はなく、物体の傾きが検出可能な他のセンサを用いてもよい。
【0016】
図3(A)は、図2(A)に示した携帯無線通信装置1の内部基盤を、90度(例えば、右90度)に倒した図であり、(B)は、(A)に示した内部基盤を有する携帯無線通信装置1を、図2(C)に示した縦装着用ケース130に収納する図であり、(C)は、(B)に示した携帯無線通信装置1を収納した縦装着用ケース130を、携帯者が横方向に装着するためにさらに収納する横装着用ケース134の正面、側面および背面を例示する図である。
【0017】
図3(C)に示すように、横装着検出用磁石136は、横装着用ケース134の上下に配置され、ベルト取付金具138は、横装着用ケース134の背面に配置され、例えば、携帯者のベルトに取り付けることにより、携帯無線通信装置1が横方向に装着される。
例えば、図3(B)に示すように、携帯無線通信装置1は、縦装着用ケース130に収納されると、図2(C)に示した場合と同様に、縦装着用磁力センサ114により、縦装着検出用磁石132の磁力を検出する。
さらに、縦収納用ケース130に収納された携帯無線通信装置1は、図3(C)に示した横装着用ケース134に収納されると、横装着用磁力センサ116により、横装着用ケース134の上下に配置されたいずれかの横装着検出用磁石136の磁力を検出する。
【0018】
つまり、携帯無線通信装置1は、縦装着用磁力センサ114および横装着用磁力センサ116が磁力を検出したことから、携帯者が携帯無線通信装置1を横方向に装着していると判断する。
これにより、携帯無線通信装置1は、横装着用ケース134に収納された状態のまま、携帯者が横方向に装着していることを把握することができ、また、携帯無線通信装置1を横装着用ケース134に収納することにより、携帯無線通信装置1が物理的に保護される。
【0019】
また、携帯無線通信装置1は、縦装着用磁力センサ114および横装着用磁力センサ116により磁力を検出すると、加速度センサ112を動作させて、横方向装着時における携帯無線通信装置1の傾きを測定する。
具体的には、携帯無線通信装置1は、加速度センサ112の地面に垂直なx軸(図3(A))を基準軸とし、y軸およびz軸方向にかかる加速度を検出して傾斜角度を測定する。
これにより、携帯無線通信装置1は、携帯者が携帯無線通信装置1を横方向に装着していることを特定し、より正確に、携帯者が転倒したか否かを判定することができ、転倒判断の誤りを軽減することができる。
【0020】
なお、横装着検出用磁石136は、横装着用ケース134の上下に配置されていることから(図3(C))、横方向装着時において、携帯無線通信装置1の上方が左右どちらに位置してもよい。
これにより、縦装着用ケース124への携帯無線通信装置1の収納向きに関わらず、携帯者が転倒したか否かを判断することができる。
【0021】
また、携帯無線通信装置1が、横装着用ケース134から取り出された場合(つまり、横装着用磁気センサ116が、横装着検出用磁石136の磁力を検出する場合以外)、携帯無線通信装置1は、携帯者が縦方向に装着したと判断して、傾斜角度を測定する。
これにより、携帯無線通信装置1は、携帯者の携帯無線通信装置1の装着方向を把握しやすくなり、携帯者の転倒判断の誤りを軽減することができる。
【0022】
[転倒検出プログラム20]
図4は、携帯無線通信装置1(図1)上で実行される転倒検出プログラム20の構成を例示する図である。
図4に示すように、転倒検出プログラム20は、装着方向判定部200、制御部202、閾値記憶部204、転倒判定部206、転倒通知予告部208、操作受入部210および転倒通知部212から構成される。
転倒検出プログラム20は、例えば、記憶媒体110(図1)を介して携帯無線通信装置1のメモリ102にロードされ、携帯無線通信装置1で動作するOS(図示せず)上で、携帯無線通信装置1のハードウェア資源を具体的に利用して実行される。
転倒検出プログラム20は、携帯者が、携帯無線通信装置1を縦方向および横方向のいずれの方向に装着した場合でも、携帯者が転倒したことを検出することができる。
【0023】
装着方向判定部200は、縦装着用磁力センサ114(図2(A))および横装着用磁力センサ116(図3(A))の出力状態に応じて、携帯者の携帯無線通信装置1の装着方向を判定する(図5(A)を参照して後述)。
また、装着方向判定部200は、装着方向を示す判定結果を、制御部202に対して出力する。
【0024】
制御部202は、装着方向判定部200から入力された判定結果を受け取ると、後述する転倒判定処理、転倒通知の予告処理および転倒通知処理などを行う転倒検出プログラム20の各構成部分を制御する。
また、制御部202は、後述する転倒通知予告部208が転倒通知予告を行ったときから、予め定められた時間までの時間経過を監視し、転倒通知予告から予め定められた時間が経過した場合、転倒通知予告の解除処理を行う。
具体的には、制御部202は、後述する転倒判定部206に対して、再度、転倒判定処理を行うよう制御し、また、後述する転倒通知部212に対して、携帯者が転倒したことを示す転倒通知を通知しないよう制御する。
【0025】
閾値記憶部204は、縦方向装着時における携帯者の転倒判定に用いられる閾値、および、横方向装着時における携帯者の転倒判定に用いられる閾値を、転倒判定部206が参照可能に記憶する。
縦方向装着時における携帯者の転倒判定に用いられる閾値は、例えば、加速度センサ112(図1,図2(A))のx軸方向の予め定められた傾斜角度、および、z軸方向の予め定められた傾斜角度を示す。
なお、以下、x軸方向およびz軸方向の予め定められた傾斜角度を区別せず、「縦方向閾値」と記述することがある。
【0026】
横方向装着時における携帯者の転倒判定に用いられる閾値は、例えば、加速度センサ112(図1,図3(A))のy軸方向の予め定められた傾斜角度、および、z軸方向の予め定められた傾斜角度を示す。
なお、以下、y軸方向およびz軸方向の予め定められた傾斜角度を区別せず、「横方向閾値」と記述することがある。
【0027】
転倒判定部206は、制御部202の制御により、携帯者が転倒したか否かを判定する(図5(B))を参照して後述)。
また、転倒判定部206は、携帯者が転倒したと判定した場合、制御部202に対して、携帯者が転倒したことを示す判定結果を出力する。
また、転倒判定部206は、後述する転倒通知予告部208が転倒通知を予告した場合、制御部202の制御により、携帯者が転倒した状態のままであるか否かを判定し、制御部202に対して出力する(図6を参照して後述)。
【0028】
転倒通知予告部208は、転倒判定部206が、携帯者が転倒したと判定した場合に、制御部202の制御により、転倒通知予告装置118(図1)を用いて、携帯者に対して、予め定められた時間(例えば、20秒)経過後に、管理局および他の携帯無線通信装置などに対して転倒通知を行うことを予告する。
なお、転倒通知予告部208は、入出力装置104(図1)のディスプレイなどを用いて、携帯者に対する予告を行ってもよい。
【0029】
操作受入部210は、入出力装置104を介して、転倒通知予告を受けた携帯者からの転倒通知取消操作を受け入れると、制御部202に対して出力する。
転倒通知取消操作は、例えば、転倒通知予告を受けた携帯者が、転倒通知が不要(転倒の判断が誤り、転倒したが問題ないなど)と判断した場合に行われる。
転倒通知部212は、制御部202の制御により、転倒通知予告部208による転倒通知予告から、予め定められた時間が経過すると、無線通信装置106(図1)を介して、管理局および他の携帯無線通信装置などに対して、転倒通知を出力する。
【0030】
[装着方向判定部200の処理]
図5(A)は、図4に示した装着方向判定部200が、携帯者の携帯無線通信装置1(図1)の装着方向を判定する装着方向判定処理を例示するフローチャートである。
以下、装着方向判定部200の装着方向判定処理を、さらに説明する。
ステップ300(S300)において、装着方向判定部200は、縦装着用磁力センサ114がオン状態(つまり、縦装着検出用磁石130(図2(C)の磁力を検出している状態)であるか否かを判定する。
装着方向判定部200は、縦装着用磁力センサ114がオン状態であると判定した場合、S302の処理に進み、それ以外の場合、再度S300の処理を行う。
【0031】
ステップ302(S302)において、装着方向判定部200は、横装着用磁力センサ116(図3(A))がオン状態(つまり、横装着検出用磁石136(図3(C)の磁力を検出している状態)であるか否かを判定する。
装着方向判定部200は、横装着用磁力センサ116がオン状態であると判定した場合、S304の処理に進み、それ以外の場合、S306の処理に進む。
ステップ304(S304)において、装着方向判定部200は、携帯者が携帯無線通信装置1を横方向に装着していることを示す判定結果を出力し、処理を終了する。
ステップ306(S306)において、装着方向判定部200は、携帯者が携帯無線通信装置1を縦方向に装着していることを示す判定結果を出力し、処理を終了する。
【0032】
[転倒判定部206の処理]
図5(B)は、図4に示した転倒判定部206が、携帯者が転倒したか否かを判定する転倒判定処理を例示するフローチャートである。
以下、転倒判定部206の転倒判定処理を、さらに説明する。
ステップ320(S320)において、転倒判定部206は、制御部202を介して装着方向判定部200から入力された装着方向の判定結果を取得する。
【0033】
ステップ322(S322)において、転倒判定部206は、S320において取得した判定結果が、横方向装着を示すか否かを判定する。
転倒判定部206は、横方向装着を示すと判定した場合、S324の処理に進み、それ以外の場合、S326の処理に進む。
ステップ324(S324)において、転倒判定部206は、閾値記憶部204が記憶する横方向閾値を取得する。
ステップ326(S326)において、転倒判定部206は、閾値記憶部204が記憶する縦方向閾値を取得する。
【0034】
ステップ328(S328)において、転倒判定部206は、加速度センサ112(図1,図2(A),図3(A))から入力される傾斜角度(縦方向装着時はx軸およびz軸方向の傾斜角度、横方向装着時はy軸およびz軸の傾斜角度)を取得する。
ステップ330(S330)において、転倒判定部206は、S328において取得した傾斜角度が、S324またはS326において取得した閾値以上であるか否かを判定する。
転倒判定部206は、閾値以上であると判定した場合、S332の処理に進み、それ以外の場合、S328の処理に進む。
ステップ332(S332)において、転倒判定部206は、携帯者が転倒したことを示す判定結果を出力し、処理を終了する。
【0035】
[携帯無線通信装置1の動作例]
図6は、携帯無線通信装置1(図1)の動作例を示すフローチャートである。
以下、携帯無線通信装置1の動作例を、さらに説明する。
ステップ30(S30)において、携帯無線通信装置1は、図5(A)に示したS30の処理と同様な処理を行い、携帯者の携帯無線装置1の装着方向を判定する(装着方向判定部200(図4))。
【0036】
ステップ32(S32)において、携帯無線通信装置1は、図5(B)に示したS32の処理と同様な処理を行い、携帯者が転倒している場合に、携帯者が転倒したことを示す判定結果を出力する(転倒判定部206(図4))。
ステップ340(S340)において、携帯無線通信装置1は、携帯者に対して、転倒通知予告を行う(転倒通知予告部208(図4))。
ステップ328(S328)において、携帯無線通信装置1は、図5(B)に示したS328の処理と同様な処理を行う(転倒判定部206(図4))。
【0037】
ステップ330(S330)において、携帯無線通信装置1は、図5(B)に示したS330の処理と同様な処理を行う(転倒判定部206(図4))。
つまり、携帯無線通信装置1は、転倒通知予告後に、携帯者が転倒した状態のままであるか否かを判定する(転倒判定部206(図4))。
携帯無線通信装置1は、閾値以上であると判定した場合、S342の処理に進み、それ以外の場合、S32の処理に進む。
【0038】
ステップ342(S342)において、携帯無線通信装置1は、転倒通知予告を受けた携帯者による転倒通知取消操作が行われたか否かを判定する(操作受入部210,制御部202(図4))。
携帯無線通信装置1は、転倒通知取消操作が行われたと判定した場合、S344の処理に進み、それ以外の場合、S346の処理に進む。
ステップ344(S344)において、携帯無線通信装置1は、転倒通知予告を解除し、S32の処理に進む(制御部202(図4))。
【0039】
ステップ346(S346)において、携帯無線通信装置1は、S340における転倒通知予告から、予め定められた時間経過したか否かを判定する(制御部202(図4))。
携帯無線通信装置1は、予め定められた時間経過していると判定した場合、S348の処理に進み、それ以外の場合、S328の処理に進む。
ステップ348(S348)において、携帯無線通信装置1は、管理局および他の携帯無線通信装置などに対して、転倒通知を出力する(転倒通知部212(図4))。
【符号の説明】
【0040】
1・・・携帯無線通信装置,100・・・MPU,102・・・メモリ,104・・・入出力装置,106・・・無線通信装置,108・・・記録装置,110・・・記憶媒体,112・・・加速度センサ,114・・・縦装着用磁力センサ,116・・・横装着用磁力センサ,118・・・転倒通知予告装置,130・・・縦装着用ケース,132・・・縦装着検出用磁石,134・・・横装着用ケース,136・・・横装着検出用磁石,138・・・ベルト取付金具,20・・・転倒検出プログラム,200・・装着方向判定部,202・・・制御部,204・・・閾値記憶部,206・・・転倒判定部,208・・・転倒通知予告部,210・・・操作受入部,212・・・転倒通知部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
他の通信装置と通信処理を行う携帯無線通信装置であって、
この携帯無線通信装置が横方向に装着されたことを検出する第1のセンサと、
前記第1のセンサにより横方向の装着が検出されたことに応じて、この携帯無線通信装置の傾きを測定する基準となる方向を示す基準軸を基準として、この携帯無線通信装置の傾きを測定する第2のセンサと、
前記測定された傾きを示す値が、前記第1のセンサにより横方向の装着が検出された場合に対応する予め定められた第1の閾値よりも大きい場合、前記携帯者が転倒したと判定する判定部と
を有する携帯無線通信装置。
【請求項2】
この携帯無線通信装置が縦方向に装着されたことを検出する第3のセンサ
をさらに有し、
前記第1のセンサにより横方向の装着が検出された場合以外において、
前記第2のセンサは、前記第3のセンサにより縦方向の装着が検出されたことに応じて、前記基準軸を変更し、
前記判定部は、前記測定された傾きを示す値が、前記第3のセンサにより縦方向の装着が検出された場合に対応する予め定められた第2の閾値よりも大きい場合、前記携帯者が転倒したと判定する
請求項1に記載の携帯無線通信装置。
【請求項3】
前記第1のセンサは、この携帯無線通信装置を収納して、前記携帯者が横方向に装着するケースの予め定められた位置に配置された磁石の磁力を検出して、この携帯無線通信装置を横方向に装着したことを検出する
請求項1または2に記載の携帯無線通信装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公開番号】特開2012−199754(P2012−199754A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−62211(P2011−62211)
【出願日】平成23年3月22日(2011.3.22)
【出願人】(000001122)株式会社日立国際電気 (5,007)
【Fターム(参考)】