説明

携帯用ヘアーブラシ

【課題】ブラシ毛を施す基台部の構成とブラシ毛の格納方法より、従来からあるヘアーブラシに比べて、よりコンパクトな携帯用ヘアーブラシを構成する事ができ、ブラシ毛の露出をなくす事で、周囲への汚れの付着を回避する事ができる。
【解決手段】ブラシ毛1を施した基台部2を把持して使用できる携帯用ヘアーブラシの長手方向の中間部において、二つ折にする事で、ブラシ毛を基台部により包み隠すこととした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアーブラシに関するもので、従来からある携帯用ヘアーブラシよりも、よりコンパクトにできるものである。
【背景技術】
【0002】
従来からある携帯する事を目的の一つとしたヘアーブラシには、特許文献1に開示されるように、箱状に形成された把持する部位と、ブラシ毛が施された基台部の境界部近傍を二つ折りにして、ブラシ毛に箱状に形成した部位を被せる事で、ブラシ毛を隠す構成のものや、特許文献2に開示されるように、略長方形のヘアーブラシの長辺方向に略平行の間隔を保って一対の軸棒が設けられ、前記軸棒間の短辺方向にブラシ毛が施された基台部となるベース板が架け渡され、ベース板が軸棒間で短辺中部においてアーチ状に撓み、ベース板が手前側に膨らむように撓んだときには、ブラシ毛が広がるように立ち上がってヘアーブラシとして使用することができ、一方、ベース板が奥に引っ込むように撓んだときは、ブラシ毛の先端が軸棒間の短辺中央部付近で合わさる様に閉じることで、コンパクトな形態になり、携帯するとき周囲にブラシ毛の汚れが付着する事を回避するヘアーブラシが考案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】登録実用新案第3007774号
【特許文献2】特許公開2005−230369
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1においては、ヘアーブラシの把持部と基台部の境界部近傍で二つ折にする事で、箱状に形成された把持部がブラシ毛に被さり覆い隠す事で、周囲への汚れの付着は防げるが、二つ折りにした状態の大きさは必ず把持部以上の寸法となり、更に小さな構成にする事は難しい。特許文献2においては、基台部を把持する事でブラシとして使用する構成であり、その内側でブラシ毛が広がったり、閉じたりする事から、コンパクトではあるが、軸棒が施された形状の大きさよりも小さくする事はできない。またブラシ毛の露出があり携帯時の周囲への汚れの付着を回避する事もできない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
そこで、上記課題を解決するため本発明は、(1)短冊状に形成された可撓性を有した板状の基台部にブラシ毛を施したヘアーブラシにおいて、長手方向の両端部に互いに対となる係止手段を備え、前記基台部の長手方向の中央部を、ブラシ毛を施した面側に曲げ、対向する基台部の間で前記ブラシ毛を囲い、前記両端部を近接又は接触させた状態で前記係止手段により止める事で、前記ブラシ毛を前記基台部の間で囲い込み格納する事を特徴とするヘアーブラシにより解決するものである。
【0006】
(2)また、 前記ブラシ毛の先端側は、両側から向き合う基台部の間で、互いに対向するブラシ毛の施された隙間に入り込み、対向するブラシ毛同士が交差する事を特徴とする(1)に記載のヘアーブラシにより解決するものである。
【0007】
(3)さらに、前記基台部は、前記ブラシ毛を格納した時に、略筒状を呈する形に構成される事を特徴とする(1)又は(2)に記載のヘアーブラシにより解決するものである。
【0008】
(4)また更に、前記基台部は、前記ブラシ毛を格納した時に、前記ブラシ毛を覆い隠す事を特徴とする(1)又は(2)に記載のヘアーブラシにより解決するものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明のヘアーブラシはブラシ毛を施す基台部の構成とブラシ毛の格納方法より、従来からあるヘアーブラシに比べて、よりコンパクトな携帯用ヘアーブラシを構成する事ができ、ブラシ毛の露出をなくす事で、周囲への汚れの付着を回避する事ができるものである。
【0010】
本発明のヘアーブラシの構成について以下、実施するための形態で説明をする。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明のヘアーブラシの構成を説明するものである。
【図2】ヘアーブラシの携帯する状態を説明するものである。
【図3】ヘアーブラシの形状例を説明するものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明のヘアーブラシについて説明をすると、該ヘアーブラシはブラシとして「使用する状態」と、使用後に「携帯する状態」へと、形を変えるものである。
【0013】
まず、「使用する状態」のヘアーブラシ6を図1により説明する。
【0014】
図1Aに示したものは、ヘアーブラシ6をブラシ毛1の先端側の方向から見た模様を表している。その構成は、短冊状に形成された板状の基台部2に、ブラシ毛1を植え込む様に施した物で、その長手方向の両端部tに、互いに対の係止手段となる係止具3を備えた構成である。(以降、ブラシ毛が施された側をヘアーブラシ6の表面側とする。)
【0015】
本発明において短冊状とは、その外形が直線からなる長方形のみならず、短辺及び又は長辺が弧状とされた、小判形や、楕円形に近い形状のものも含むものとする。
【0016】
図1Bは、前記ヘアーブラシ6を長辺方向で切断した断面を表したものである。図に表すように中央部hが膨らんでいる。また、図1Cに表すように、短辺方向で切断した断面もやはり中央部hが膨らんだ形状となっている。
【0017】
上記図1B,Cに表したように、基台部2は、中央部が膨らみ穏やかな球面状を有する丘形に形成された、可撓性を有する板状の面に、ブラシ毛1が一本一本、所定の間隔を空けて植えられた様に構成され、ブラシ毛1の先端方向が放射状に広がるように突設した状態が、ブラシとして「使用する状態」と、なったものである。
【0018】
前記ヘアーブラシ6は図1Dに表すように、手の中に納まる程度の大きさに構成されたもので、図に表すように、使用する際は基台部2を把持して使用する。前記基台部2は把持する事から周囲縁部sを厚く縁取りをする事や、内部にワイヤー等を仕込む事で強度を強める事が望ましい。
【0019】
前記「使用する状態」のヘアーブラシ6を、コンパクトにして「携帯する状態」にする模様を図2で説明する。
【0020】
図2Aに表すように、「使用する状態」となっているヘアーブラシ6の中央部hを、ブラシ毛1の施された表面側から裏面側の方向に押すことで、図2Bに表すように、基台部2は裏面側が膨らみ、ブラシ毛1の施された表面側が窪む事で、基台部2に広がる様に突設されたブラシ毛1は、窪んだ面の内側方向に傾き、開いていたブラシ毛1の先端側は狭まり、図2Cに表した様に、ブラシ毛1は基台部2の中央方向に傾き、寄り集まる状態となる。
【0021】
次に、図2Dに表すように、基台部2の長辺方向の中央部h近傍を、表面側を内側にして両端部tを互いに近接させる様に曲げることにより、図2Eに表すように、対向したブラシ毛1同士が、互いのブラシ毛1が配列された隙間に進入する。さらに図2Fに表すように、両端部tが近接又は接触する状態まで曲げて、端部tに施した係止具3で止めることで、対向する基台部2の間でブラシ毛1を囲い込むように格納する事で、「携帯する状態」と、するものである。
【0022】
前記係止具3は、財布等に用いられるガマ口の口金の様なものを係止手段として使用したものである。
【0023】
前記「携帯する状態」と成ったヘアーブラシ6を側方から見た模様を図2Gに表すと、基台部2の窪んだ表面側がブラシ毛1を両側から囲み、ブラシ毛1の格納部vとなる。前記格納部vの中で、対向したブラシ毛1の先端部が、互いのブラシ毛1が植え込む様に配列された隙間の間に入り込み、ブラシ毛1は互いに交差して、先端部が前記格納部vの中心部の方向に向いた形で格納される。したがって、両側から向かい合う基台部2の距離kは、少なくともブラシ毛1の長さの2倍未満にする事ができる。
【0024】
また、前記基台部2は長辺の中央部を曲げる事で、長手方向の全長を約半分程度の大きさにする事ができ、従来からある携帯用ヘアーブラシに比べると、よりコンパクトに仕舞う事ができると共に、ブラシ毛1は基台部2により囲み込まれる事で、外部への汚れの付着を回避できるものである。
【0025】
上記図1,2において詳述したヘアーブラシ6の構成を基本として、「使用する状態」のへアーブラシ6は、基台部2の形状を変えると、「携帯する状態」にした時の形状も変わる。のその例を図3に幾つか挙げ説明する。
【0026】
図3Aに示したものが「使用する状態」の基台部2の形状を表している。一方、図3Bに示したものが「携帯する状態」の基台部2の形状を表したものである。「使用する状態」の基台部2の形状が長方形に近い形状の場合は、「携帯する状態」にした場合、外見はビヤ樽の様な形をした筒状になる。ヒョウタンの様な円形を二つ重ねた形状の物は、ホタテ貝の様な形状になり、円形に近い物は、かしわ餅や餃子の様な形状となる。
【0027】
上記の基台部2が円形に近い形状をしたヘアーブラシ6は図3Cに表すように、長辺側の縁部sとなる部位を反らせて、裏面側を合わせる様な形にして把持する事で、ブラシとして使用することがでる。
【0028】
上記図3に表したヘアーブラシ6の係止具3はファスナーaや押しホック(スナップ)b
等を使用した模様であるが、その他、口金や磁石、面状ファスナー又、フックやピン、ボタンなどを係止手段として使用する事が考えられる。
【0029】
また、「携帯する状態」にした時のヘアーブラシ6は、基台部2の表面側でブラシ毛1を覆い隠して、裏面側が露出する事から、裏面側には絵柄を描いたものであったり、刺繍を施したり、別の物体を貼り付けるなどのデコレーション加工をすることが考えられ、色々なファッション性を持たせたデザインに構成する事ができ、「携帯する状態」にした時に、一見ヘアーブラシに見えないような構成にできる事も本発明の意図するところである。
【0030】
本発明の携帯用ヘアーブラシ6を形成する基台部2に使用する部材は可撓性に優れ、繰り返しの使用や、整髪剤や育毛剤などの使用により、その形状や質等が浸食される事が無く、長期の使用耐えられる素材を選定する事が好ましく、天然、化学素材から成る素材が考えられ、例えば、軟質プラスチックや、車のタイヤ等に用いられるゴムなどの様に耐久性に優れたものを使用することが望ましい。
【0031】
ブラシ毛1の素材は格納時に折れ曲がる事や、変形しない強度のあるものを選定する事が好ましく、例えばアルミ等の金属やプラスチック等、天然又は化学素材でできた物が使用できる。また、ブラシ毛1の先端は使用時に頭皮を痛めない様に、球状面にするなどの加工を施す事が望ましい。
【符号の説明】
【0032】
6…ヘアーブラシ
1…ブラシ毛
2…基台部
3…係止具

【特許請求の範囲】
【請求項1】
短冊状と形成された可撓性を有した板状の基台部にブラシ毛を施したヘアーブラシにおいて、長手方向両端部に互いに対となる係止手段を備えており、前記基台部の長手方向中央部を、ブラシ毛を施した面側に曲げ、対向する基台部の間に前記ブラシ毛を囲い、前記両端部を近接又は接触させ前記係止手段により止める事で、前記ブラシ毛を前記基台部で囲い込み格納する事を特徴とするヘアーブラシ。
【請求項2】
前記ブラシ毛の先端側は、両側から向き合う基台部の間で、互いに対向するブラシ毛の施された隙間に入り込み、対向するブラシ毛同士が交差する事を特徴とする請求項1に記載のヘアーブラシ。
【請求項3】
前記基台部は、前記ブラシ毛格納時に、略筒状を呈する構成となる事を特徴とする請求項1又は2に記載のヘアーブラシ。
【請求項4】
前記基台部は、前記ブラシ毛格納時に、前記ブラシ毛を覆い隠すことを特徴とする請求項1又は2に記載のヘアーブラシ。




【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2012−196403(P2012−196403A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−64095(P2011−64095)
【出願日】平成23年3月23日(2011.3.23)
【出願人】(307048974)
【Fターム(参考)】