説明

携帯用包装を有するパーソナルケア組成物

【課題】 口腔、歯科又は皮膚衛生組成物の均質な半固体の1回使い切り用のビードの提供。
【解決手段】 通常の口腔、歯科又は皮膚衛生組成物に、制御された量の寒天を混合することにより、均質な半固体の1回使い切り用の塊又はビード(200)の製造が可能になる。寒天又は類似の構造的ゲル化剤は、保管のために十分な硬さ及び十分に高い融点を与えつつ、皮膚の上又は口の中で残留物を残さずにビードを潰すことを可能にする。歯の手入れ又スキンケア用パック(600)は、十分なビード及びオプションの使い捨てブラシを保持する。ブリスターパック(124)は、1つ又は様々な活性成分の直接注型ビードを保持する。形状、色及び香味のバリエーション(124C)は、子供が歯の手入れをするよう動機付けする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、衛生適用具としてのブラシ等と共に用いられるよう構成された、人体に用いるための口腔、歯科及び皮膚衛生組成物、並びに、パック/キット(用具一式)に関し、特に、携帯用パックに入って流通する、一体型又は単回使用型の形態の組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
歯磨剤、練り歯磨き、又は歯の清浄剤として使用可能な他の組成物の提案には、しばらく大きな変化はない。西側世界では、特に甘味をつけた飲料やスナック菓子を入手し易く、特に子供の歯の健康は依然として脅威に晒されている。子供の虫歯の発生に対する世界保健機構の最近の数字は、幾つかの先進国においてさえ、高い虫歯発生率を示している。
【0003】
公知の歯の清浄剤としては、現在広く普及している練り歯磨きが含まれる。一般的な歯磨剤の処方には、水性基剤と、増粘剤と、研磨剤と、ペパーミント等の香味剤(flavour)と、界面活性及び発泡性を有する洗浄剤とが含まれる。研磨剤が水とは異なる屈折率を有する鉱物粉末である場合には、練り歯磨きは白い外見を有する。ゲル状練り歯磨きは、透明又は人工的に着色された粘性材料としてブラシ上に押し出され且つ泡が生成されるまでブラシ上に留まるように、増粘剤又は粘性を高める物質としてカルボキシメチルセルロース等のセルロース誘導体を用いると共に、歯磨剤又は研磨剤としてシリカ水和物(水(1.33)と同様の屈折率を有する)を用いる。
【0004】
一般的な練り歯磨きは、通常、幾つかの目的で増粘剤及びバインダーの目的に適合するゲル化剤又は水溶性ポリマーを含む。保管中にチューブ内で内容物が固まるのは望ましくない。練り歯磨きは、チューブから押し出し可能でありながら、使用前にブラシ上に又は使用中に歯の上に留まるのに十分な粘性があり、且つ、痕跡を残すほどには粘性が高くない状態に保たれなければならない。好ましい増粘剤としては、カルボキシメチルセルロース及び他のセルロースエーテル類が含まれる。カラギーナン、キサンタン及びポリアクリレート類は、あまり広く用いられていない。ゲル状として販売されている練り歯磨きの一部は、外見が透明であると共に、一般的に1年以上の保管期間の後に、分離状態を維持可能な個別のビードを形成するのに十分なほどには固くない。
【0005】
通常の練り歯磨きを製造し、次いで変形可能な練り歯磨きチューブに詰めるのは、複雑な工程である。チューブに入った普通の練り歯磨きは、すぐに使えるようにポケットに入れて携帯するようには構成されていない。練り歯磨きを他の物と一緒に保管すると、容器からの漏洩や容器の破損によって、厄介な事態になり得る。キャップの周囲には付着物が生じる。複数の人が1つの練り歯磨きチューブを共有すれば、病気が広がる可能性がある。単純な計量された単位量で分配することは容易ではない(子供は過剰に絞り出すことが多い)。フッ化物の毒性の問題は、より良好な制御が望ましいことを示している。フッ化物の毒性に対する安全マージンは比較的低い。
【0006】
自宅から離れることが多い人、予定が強制的に変更された人、又は、これから所望の人物と会ったり仕事の契約をするという時に「歯が汚れているか?息が臭いか?ひげ剃りが必要か?」という可能性を考えるような「社会的緊急事態」にある人には、小型のパーソナルケア用キット又はパックが有用であろう。舌や咽頭、及び歯間から幾分の悪臭が生じ得るので、このタイプのキットは口腔殺菌剤/口内清浄剤のオプションを提供すべきであろう。
【0007】
口腔/歯科衛生目的の単回使用型包装としては、箔又は紙でパックされた多くの乾燥錠
剤としての単回使用型歯磨剤を記載した欧州特許第0179166号や、歯磨剤又は口腔治療組成物のペースト状の単回使用型ペレット剤であって、各々がゼラチン等の別個の乾燥した外壁を有すると共に、ブリスターパックで設けられるような使い捨て容器に入って流通されるものを記載した独国特許第4238421号が含まれる。この壁は口の中で壊れる。この目的は、試用のために様々な製剤を提供することである。米国特許第5213428号には、脱水された練り歯磨きが塗布された、使い捨ての生分解性指歯ブラシが記載されている。本願発明者の同時係属出願(PCT/IB02/02772)は、硬化した壁、乾燥した壁又はコーティングされた壁を与える特定の処理を受けるカプセル用の組成物と、それと関連づけられた、練り状でもなく粉末状でもない口腔衛生組成物用の吐出(delivery)装置を教示している。口腔/歯科衛生目的の寒天を含む組成物としては、練り歯磨き中の寒天壁及び内容物を有するマイクロカプセルを記載した欧州特許第0711544号や、単回使用型歯磨剤ビードではなくゼリーを作るための、ナトリウムカルボキシメチルセルロースと化学的に組み合わせた安定剤としての寒天を記載した英国特許第750126号が含まれ、WO03/059302号は、歯から歯垢の膜を持ち上げる吸着親和力を有する、寒天、好ましくはキトサン又は他の化合物を、チューインガムに用いている。米国特許第5094839号は、(歯科医が使用するための)粉末ダイヤモンドを含む、トラガカント及び寒天で半ゲル状(半固体ではない)に作られた歯の研磨剤を記載している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
より携帯に便利であり且つ商業的に実現可能な、様々な組成物の単回使用型製剤形態で構成された、改良された口腔衛生組成物を発明することである。
【0009】
別の課題は、子供の定期的な歯磨き(自宅から離れている時でも)を奨励可能な口腔衛生組成物を発明することである。代替物である、簡便且つ子供が親しみを感じ、実際に使用を促す製剤形態は、小児歯科並びに成長後の公衆衛生問題、及び、地域社会の費用を最小限にすることに関して、かなり役立ち得る。
【0010】
本発明の目的は、改良された口腔又は歯科衛生組成物を提供すること、又は、少なくとも公衆に有用な選択肢を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の第1の広い態様は、個人用の口腔や歯の手入れ又はスキンケアの際の使用に適した半固体組成物を提供する。該組成物は半固体ゲルから成り、該ゲルは、少なくとも1つのゲル化剤と密に混合された少なくとも1つの医薬用として許容可能な活性成分を含み、前記の少なくとも1つのゲル化剤は、凝固すると、保管期間中に前記の少なくとも1つの活性成分に対する十分な保持手段(containment means)を構成するゲル構造を有する
半固体ゲルを設け、使用者によって組成物が強制的に潰された際にゲル構造は崩れることが可能であると共に、前記の少なくとも1つの活性成分をパーソナルケア手順において使用可能にする。
【0012】
第1の関連の態様では、少なくとも1つのゲル化剤が、約30℃以下等の保管温度に保たれた場合に組成物を半固体状態に留まらせるのに少なくとも十分に高い濃度であり、且つ、使用者によって潰された際には半固体組成物が崩れて少なくとも1つの活性成分を使用可能にするために十分に低い濃度で存在する。
【0013】
組成物は、(シャツのポケットや閉じられた自動車内で一体性を保つために)約40℃以上の軟化温度を示すのがより好ましい。
【0014】
組成物は、標準条件下で寸法的に安定していて、且つ、使用中に口の中又は皮膚の上で完全に潰されるのが可能なように十分に軟らかいのが好ましい。
【0015】
或いは、本発明は、口腔又は歯科衛生の実践を容易にする、カプセルに封入されていない組成物を提供する。この組成物は、該組成物を、所定の実質上永続的(保管中)なサイズ及び形状を各々が有する個別の軟性固体ビード(bead)として形成可能なように、組成物に半固体の特性を与えることが可能な濃度で存在する少なくとも1つの食品用ガム又は構造的ゲル(structural gel)を含む。
【0016】
ゲル化剤は、約3〜約5重量%の濃度のゼラチンを含むのが好ましい。ゲル化剤は、約0.1〜約2重量%の濃度、より正確には約0.4〜約1.1重量部の寒天を含むのがより好ましい。
【0017】
別のビード組成物は、ゲル化剤として約0.1〜約4%のカラギーナン(w/w)を含む。
【0018】
第1の関連の態様では、組成物は、使用中に使用者の歯の清浄化手順を支援可能な1つ以上の活性成分を含み、該1つ以上の活性成分は、(好ましくは泡安定剤と共に)界面活性剤及び歯科用として許容可能な研磨剤の少なくとも一方を効果的な量で含む。オプションとして、この成分は、増粘剤、保湿剤(グリセリン)、フッ化物イオン等のエナメル強化材料の供給源、1つ以上の着色成分、及び1つ以上の香味付け成分を含む。
【0019】
これに従属する態様では、半固体組成物の成分は、実質的には添付の明細書の例5で与えられるようなものである。
【0020】
第2の関連の態様では、本発明は、この節で上述した半固体組成物から成るビードを提供する。各ビードはカプセルに封入されておらず、単一のビードが1回の口、歯の手入れ又はスキンケア手順に対して十分な活性成分を提供可能なように、約0.1〜約2.5グラムの範囲内の質量を有する。各ビードは約0.4グラム〜約1グラムの重量を有するのがより好ましい。
【0021】
歯の手入れ用であることが意図された各ビードは、1つのビード中に、1回の歯磨き手順に対して十分な量が備えられるように、約0.5〜0.75グラムの重量を有するのがより好ましい。
【0022】
オプションとして、各ビードは、歯ブラシの毛によって保持されるように構成された形状を有する。
【0023】
オプションとして、子供が口腔及び歯科衛生の向上のためにビードを用いる傾向が高まるように、各ビードは、特に子供にとって魅力的であるための形状及び/又は色及び/又は香味を有する。
【0024】
オプションとして、接触状態で保管された場合の分離を維持するために、各ビードの外面には食品用の粉末がまぶされる。食品用粉末はコーンスターチであるのが好ましい。
【0025】
口腔の手入れの際の使用が意図されるビードの形状及び/又は色は、歯の手入れの際の使用が意図されるビードの外見と区別可能であり、且つ、スキンケアの際の使用が意図されるビードの外見と区別可能に作られるのが好ましい。
【0026】
各ビードは、(a)少なくとも1つの食品用の構造的ゲルを、組成物に部分的な剛性を
与えるのに十分な濃度で、(b)歯磨き手順に関連する少なくとも1つの効果的な量の機能的成分と共に含むのが好ましい。
【0027】
別の態様では、ゲル化剤が効果的な量のアルギン酸又はアルギン酸塩を含む場合には、オプションとして、各ビードは、カルシウム塩から成る塩水中におけるアルギン酸とカルシウムイオンとの表面硬化反応の結果として、カプセルに封入されたものであってもよい。
【0028】
第3の関連の態様では、本発明は、この節で上述した少なくとも1つの半固体ゲルのビードが1つの区画内に備えられた、歯の手入れ用のパックを提供する。
【0029】
これに従属する態様では、口内に入れて潰された後に続く機械的撹拌によって歯の付着物が低減され得るように、パックは、使用の際に機械的に撹拌する又は使用者の歯の表面を擦る手段を含む適用具を更に含む。この道具はブラシ又は指サックであってもよい。
【0030】
これに従属する別の態様では、パックは、対応する区画内に保持された道具と少なくとも1つの半固体組成物のビードとを含む。
【0031】
これに従属する更に別の態様では、ブリスターパックに関して、前記区画は、変形可能なプラスチックシートに作られた窪みで構成され、カバーリングの下に設けられる。
【0032】
第4の関連の態様では、本発明は、この節で上述した少なくとも1つの半固体組成物のビードを含む、口腔の手入れ用のパックを提供する。このパックは、区画内に備えられた少なくとも1つのビードを含み、口内に入れて口内で潰された後に、使用者の口又は咽頭からのいかなる悪臭も殺菌剤によって軽減されるように、半固体組成物の少なくとも1つの活性成分は、医薬用として許容可能な殺菌材料を含む。
【0033】
半固体組成物の成分は、実質的に添付の明細書の例6に示されるような、界面活性剤及び香味剤(flavoring agent)を更に含むのが好ましい。
【0034】
第5の関連の態様では、本発明は、この節で上述した半固体組成物から成る少なくとも1つのビードを含む、スキンケア用のパックを提供する。このパックは、区画内に備えられた少なくとも1つのビードを含み、半固体組成物の活性成分は、使用に際して石鹸、潤滑剤又は泡の生成源として作用可能な、又は肌の保湿剤(moisturiser)として使用するための1つ以上の成分を含む。
【0035】
石鹸に半固体の剛性を与える物質は、アルカリ耐性であることを要する場合があり、この目的で、ゲル化剤の代わりにワックスを用いてもよい。
【0036】
関連の態様では、パックは、ブラシ、使い捨て剃刀、及び化粧品材料を含む1つ以上のビードから選択される少なくとも1つの品目を含むひげ剃り又は体毛除去手段を更に含む。
【0037】
パックは、ブリスターパックの対応するキャビティ内に保持された、少なくとも1つの道具と、少なくとも1つの半固体組成物のビードとを含むのが好ましい。
【0038】
第6の広い態様では、本発明は、この節で上述した半固体組成物のビードの製造方法を提供し、この方法は、所定の順序及びゲル化剤を溶かすのに十分な所定の温度で成分を混合する工程と、混合物の温度がより低いときに香味剤を添加するオプションの工程と、混合物をノズルから吐出する工程と、混合物を冷却し、この時点で半固体である混合物から
、各々が所望の質量を有する所望の形状のビードに分離する工程とを含む。
【0039】
別の態様では、本発明は、この節で上述した半固体組成物のビードの製造方法を提供し、この方法は、所定の順序及びゲル化剤を溶かすのに十分な所定の温度で成分を混合する工程と、その間に、複数の窪みを含むよう変形された材料シートを供給する工程と、各窪みをノズルの下方に配置する工程と、ノズルから各窪みの中へ制御された量の混合物を吐出する工程と、前記又は各窪み内で混合物が凝固するように吐出された混合物を冷却する工程と、前記又は各窪みをカバーで覆うために、充填された材料シートを被覆する工程とを含む。
【0040】
更に別の態様では、本発明は、この節で上述したような口、歯の手入れ又はスキンケア用パックを組み立てる方法を提供する。この方法は、この節で上述したような変形可能材料シートに形成された1つ以上の窪みに、少なくとも1つの選択された組成物を充填する工程と、オプションとして、必要なものを備えた(self-contained)ブリスターパックを構成するために、更なる窪みに道具を配置する工程とを含む。
【0041】
第7の広い態様では、本発明は、歯科衛生組成物のビードと、その分配手段と、更にブラシ型適用手段とを含む、歯科衛生を個人に適用するための完備型キットを提供する。このキットは、品物のセット販売又は個別販売のために提供される。
【0042】
本発明は、この節で上述した組成物のビードを保管及び分配する手段を提供するのが好ましい。この手段は、消費可能なビード及び組成物を歯に適用するためのブラシ型適用手段が一緒に保持されるように、複数のばらばらのビードを各々が保管可能な少なくとも1つの再封止可能なキャビティを含む歯ブラシを含む。
【0043】
関連の態様では、歯ブラシは、少なくとも1つのキャビティを歯科衛生組成物以外の口腔衛生製品の保管に使用可能なように、2つの再封止可能なキャビティを含む。
【0044】
第8の広い態様では、本発明は、本発明による複数のビードの各々を、細長いテープに沿った区画内に、1つのビードが1つの区画に入るように保管するパックを提供する。
【0045】
複数の区画を互いから分離可能なように、テープには折れやすい部分を設けるのが好ましい。
【0046】
例えば、本発明は、個別包装されたビードが連なった細長片を提供する。これは、使用者が1回使用分を引き裂いて開き、残りは必要になるまで衛生状態に保てるように、必要な数だけ引き裂くことが可能であり、診療所、学校又は病院で使用するために、無料提供されるか又は販売機によって販売される。
【0047】
関連の態様では、テープに収容されたビードは、個人用途で使用可能である。
【0048】
別の関連の態様では、テープの区画内に収容されたビードは、ディスペンサ内に配置され、個人使用のためにディスペンサから区画毎に分配される。
【0049】
分配された各ビードは、使用者によって取り出されるまで、各区画内で密閉状態を保たれるのが好ましい。
【0050】
関連の態様では、個人用衛生品(カプセル封入されたビード及び歯ブラシ又はシェービングブラシ等の適用手段を含む)の提供(delivery)のためのシステムは、販売時に、自宅、オフィス等の任意の場所で用いるための容易に携帯可能な形式の品物のセットとして提供されると共に、家庭用又は類似の用途のための提供システムを介して提供されてもよい。
【0051】
第9の関連の態様では、本発明は、好ましくは分子量が約8000のポリエチレングリコールを構造的ゲルと置換して、濃度が約50%の場合に、噛むと歯磨剤になる固体錠剤が与えられる、変形物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0052】
用語の定義
ビード:ここで用いる「ビード」という用語は、新規な歯科、口腔又は皮膚組成物の単回使用型(ユニットドーズ)の軟らかい半固体の物質を記述するものであり、ビードの幾つかのバージョンは、石鹸、口の清浄剤又は歯磨剤等のパーソナルケア組成物の機能を果たす。ビードはばらで供給されてもよく、或いは、テープ又はブリスターパックを含む個別容器に入れた状態で販売されてもよい。「ビード」の形態としては(similies)、単回使用型、塊り、丸薬、巨丸剤、玉、又は錠剤がある。
歯磨剤:「歯を清浄化するための物質」。練り歯磨きは歯磨剤の一種である。
歯の研摩剤:歯磨剤の処方に用いられる公知の研磨剤としては、炭酸カルシウム、二塩基又は三塩基のリン酸カルシウム、硫酸カルシウム、不溶性メタリン酸ナトリウム、アルミナ水和物、炭酸マグネシウム及びリン酸マグネシウム等の、細粒状の不溶性無機塩が含まれる。透明な練り歯磨きには、シリカ及びシリカキセロゲルも用いられる。研磨剤を含まない練り歯磨きもある。
食品用:人による経口摂取に対する、特に適切な規制に関して完全に許容可能な無毒性材料の、一般的に定義された等級。「GRAS」即ち「一般に安全と見なされる(generally regarded as safe)」は、食品用規格製品の一つのカテゴリーである。
ゲル:「熱又は圧力によって変形可能な半固体の塊」。2、「強い凝集力を示し、剪断強さが低い、非流動性の粘着性の塊」。3、「ゾルよりも固まった形態のコロイド」。
ゲル化剤:ゲルの分子構造は、他の分子又は粒子を支持する又は含むための、ゲル化剤の、長くて様々に架橋された又は絡まったフィラメントの構造に基づく。一般的に多糖類等であるこれらの化合物は、標準的な化学的方法による特徴付けが元々容易ではない。ゲル化剤の例としてはガム類(以下参照)が含まれ、その一部を挙げれば、セルロースエーテル、グアール、グアール誘導体、ローカストビーンガム、オオバコ、アラビアガム、トラガカントガム、カラギーナン、寒天、アルギン、キサンタン、スクレログルカン、デキストラン、ペクチン、澱粉、キチン及びキトサンがある。動物性ゲル化剤としては、再構成抽出コラーゲンから作られるゼラチン等が含まれる。合成剤としては、変性された天然線状ポリマー又は合成ポリマーに基づくものが含まれる。自然発生する海藻は、多糖類鎖に基づく構造を有するゲルを提供し、それには、D−マンヌロン酸又はL−グルロン酸のポリマー(例えば、アルギン酸及びその塩)、硫酸化ガラクタン(例えば、寒天、ポルフィラン、ファーセレラン、並びにκ−、ι−及びγ−カラギーナンを含む)、又は、それらの組み合わせ、類似物若しくは誘導体が含まれる。食品用の構造的ゲルの例は、この節で上述したゼラチン、寒天又はカラギーナン、ローカストビーンガム、グアールガム(グアラン)、ローカストビーンガム、ペクチン、及びコーンスターチを含む澱粉の1つ以上を含む混合物を含む。
ガム:適切な溶媒又は膨潤剤中において、低い乾燥含有量で、粘性の高い分散物又はゲルを形成する高分子物質。(本発明の用途では、水溶性ガムが対象となる。水溶性ガムには、種子のガム、塊茎及び根のガム、海藻抽出物、植物抽出物、滲出ガム、微生物発酵によって作られたガム、及び誘導されたガムが含まれる。)
保湿剤(humectant):少なくとも中程度の湿度を有する空気中で湿り気を保つ吸湿性の保水剤。極端な条件がないことを前提として、保湿剤(humectant)は、それを含む製品の乾燥を止める。例としては、ソルビトール、グリセロール並びに、プロピレングリコール及びポリエチレングリコールを含む幾つかのグリコール類が含まれる。
半固体:材料の硬さを記述するもの。半固体材料は、力を加えられることによって容易に変形するが、変形が限界を超えない限り、力が除去されると所定の形状を保つ。重力はこの限界よりも低い。
標準条件:65%の相対湿度、20℃の温度、及び約1000ミリバールの気圧を有する大気。
練り歯磨き:使用中に歯及びブラシの上に組成物を保持する役割も部分的に果たす、増粘剤及び粘度調節剤を含む、半液状の歯磨剤。
【0053】
本明細書で与えられる本発明の複数のバージョンの説明は、純粋に例として与えられるものであり、いかなる方法でも本発明の範囲を限定するものとして解釈されるべきではない。本発明の範囲は、本明細書の例に従って、保管に適した半固体のビード状であって、特に個々のビードが単回使用に適した形状に変形された歯磨剤の、全ての形態に及ぶことが、当業者には分かるであろう。本発明は、以下の例に示されるそれらの混合物に限定されない。息の清浄剤及び口腔殺菌剤等の他の口腔組成物、並びにスキンケア用ビード等も、本発明の範囲に含まれる。
【0054】
序論
本発明は、例えば、医薬用として許容可能な活性成分を含む歯磨剤、殺菌剤又は石鹸組成物をゲル化剤によって半固体にした、「ビード」(例えば、図2の200〜204及び208)と呼ばれる1回使用分として提供される、個人用衛生製剤を提供する。なお、本明細書に記載されたビードのほとんどのバージョンには、ゼラチンカプセル(独国特許第4238421号で用いられているようなもの、図3参照)等の別個の外殻構造や乾燥した壁がないので、「カプセル」は不適切な用語である。この組成物は(ビード200の断面201のように)実質的に均質である。例6(アルギン酸)にのみ、外部カプセルを作る工程がある。好ましい保湿剤(humectant)と、保管中の標準条件の使用とにより、その後の外面の乾燥が回避される。カプセルの溶けなかった破片によって「口内感触」が悪くなることはなく、捨てるべき包装もない。ビードは、練り歯磨きチューブのような境界のある囲いに収容される必要がない。ビードは、保管温度以下にある場合には、練り歯磨きチューブから押し出すには固過ぎる。
【0055】
本発明を、パーソナルケア製剤を保管するために物理的容器(びん、チューブ等)の代わりに「拡散容器」(ゲル構造)を用いたものと見なすこともできよう。
【0056】
本発明では、単独の又は混合されたゲル化剤を十分な濃度で用いることにより、製造時に低温環境に流し込む又は押し出す等の方法によって、個々のビードを形成できる。半固体ビードは、長期の保管期間中にそれらの形状を保つが、歯のブラッシング、押しつけること、又は噛むことに伴う力によって完全に壊れる。ビードは、保管中には、たとえ接触があっても個々の一体性を維持すると共に、好ましい組成物は、保管中に離漿(滲出)を実質的に生じない。従来技術のゲル状練り歯磨きは粘度の高い液体あり、固体ではない。歯磨剤組成物の各ビードの一般的な重量は約0.5グラムであり、1回のブラッシングにほぼ丁度良い量を与える。(この量は、非限定的な例に過ぎない。)図2は、典型的なビードを適切な歯ブラシヘッド(206、209)と共に示している。
【0057】
本発明は、多くの香味、色、形状又はサイズのビードの製造を容易にする。ゲームにすることによって又は選択肢を提供することによって歯磨きプロセスを奨励するために、子供は歯磨きの度に、範囲限度内で、色、香味及び/又は形状の異なる組み合わせを選択可能である。(図1Bのブリスターパック124Cは、子供の選択肢の例である。)口腔衛生をより面白く楽しいものにして、定期的なブラッシングが好ましくは自発的な作業になるように、子供にアピールするために、これらの特徴を利用してもよい。チューブに入った普通の練り歯磨きは、チューブが空になるまで何度も同じ材料を提供するが、これは子供にとって非常に長い時間である。この、視覚的に異なるが機能的には同様のビードの多様性は、自発的な歯磨きの頻度を高めることを意図したものである(選択肢の提供は、親の要求に子供を従わせる際の周知の口実である)。複数の異なるマーケット用に、又は特定の歯ブラシに適するように、様々なサイズ、形状、色、香味(及び他の添加剤)を作ってもよい。
【0058】
包装は、単一の容器に大量のビードが入ったものであってもよい。標準的な練り歯磨きを保持するチューブの使用よりも安価な、現在のところ好ましい包装及び提供方法は、硬い厚紙の裏当てに当てて保持された成型プラスチック材料の「気泡(bubble)」内に個別包装された、すぐに使用できる錠剤及びカプセル用として周知の、「ブリスターパック」を用いる。粘着性プラスチック又は金属箔シートを有するバージョンは、水分損失に対して効果的に耐えるキャビティを作る。どれか1つを開けても、残りには影響しない。口腔又は歯科組成物の個々の塊は、例えば例1又は例5のように気泡(124D)内に密着せずに収容されてもよく、又は、例10のように気泡(124)の内側に密着していてもよい。口腔/歯科衛生組成物は、練り歯磨きチューブによって提供される特別な収容形態を必要としない、自由流動性材料の形態の、半固体で非粘着性の個別の塊(ビード)として提供される。寒天成分は各ビードが一体性を保つのを確実にする傾向があるので、得られたビードは、必要に応じて容易に選択され、取り扱われ、使用される。使用に際しては、1個又は多分それ以上のビードが使用のために選択され、容器又はディスペンサーから取り出され、おそらくはビードを歯ブラシの毛や歯に押しつける指の圧力によって、又は噛まれることによって、口の中で機械的に潰される。この工程の後は、従来の歯ブラシ(電動であってもよい)が通常の方法で用いられる。
【0059】
図1B及び図2は各種形状を示している。円柱形ビード200はノズルからの押し出しが容易であり、次に、容器に包装するために所望の重量の複数のビードに切断される。同様に、D字断面バージョン(204)も、そのような形状のノズルからの注型によって製造されてもよい。203、205及び402にあるような平面により、使用前に歯ブラシ206の毛207に付着し易くなり得る。オプションとして、最初の保持がより容易になるように、毛に当たる面205を凸凹にしてもよい。(必要に応じて月形、星形及び他の形状を押し出すために、他の形状のノズルを用いることも可能である。)直線的なムクの(solid)形状(203)は、各ビードが制御された形状を有するように、ブリスターパ
ックへの直接注型(in-situ casting)を行うことによって得られる一例である。
【0060】
電動歯ブラシ209(例えば「ブラウン(Braun)製」)のヘッドの毛の円形アレイに良好に適合するように、押し出しの次に薄切りにすることによって、又は流し込みによって、ビードを円盤状208にすることも可能である。例えば旅行の際には、幾つかのビードを大きな容器から小さな容器に移すことができる。「小さな容器」は、例えば歯ブラシの柄の中に構成されてもよい。上述したように製造されたばらのビード(200)を、本願出願人の先願技術の、カバー1000、毛1001、柄1002及びビードの区画内へと開く蓋1003を有する歯ブラシ(図10)と共に、又はその中に入れて販売できる。(この先出願は、均質なビードではなくカプセルを想定したものである。)
【0061】
テープを用いて、テープに沿った各区画が個別のビードを保持することは、ばら包装又はブリスターパックに代わるものである。図4は、リールに巻かれて装置(図5)から分配されるのに適した、紙等の基体401の、ミシン穴で区切られた(403)長方形の中に、複数の個々のビード402が各々保持された、細長いテープ400を部分的に示している。その右側には、A−Aで切った断面図が示されている。なお、この断面図は、ブリスターに入った押し出し成型ビードを断面で示しているが、ビードはブリスター内で注型されたものであってもよい。(その下の)単一の長方形406には、引き裂き可能な開放手段が405で示されている。プラスチック材料404のフィルムは、使用されるまで各ビードを保護する。このタイプの製品は、多くのビードの幅に作られた後で、一列又は二列(図示せず)の細長片に裁断されてもよい。図5は、(この例では)関連づけられたスロット(504、505又は506)にコイン又はトークンを入れることによって各1つを選択可能な、各種ビード用の出口501、502及び503を有する、壁取付け型ディスペンサを示している。これは、寄宿学校、オフィス、レストラン又はキャンプ場等の洗面所で用いるのに適していよう。
【実施例1】
【0062】
例1 ゼラチン
この最初の試み(例1)を最も詳細に説明する。関連する記述の多くは他の例にも当てはまり得る。ゼラチンは、動物性の副生成物から作られた適切なゲル化剤である。ゼラチンは比較的低い融点を有し、このことはゼラチンの適性に影響する。
【表1】

【0063】
ここに示した香味バージョンは、香味及び対応する色として可能なセットの例である。
【0064】
この組成物の任意の個々の成分間の化学反応は、ほとんど又は全く無い。この例のゲル化剤であるゼラチンは、再構成抽出コラーゲンに基づくものであり、食材として幅広く入手可能である。グリセリン(グリセロール)は保湿剤(humectant)として作用する。テキサポン(Texapon:登録商標)OC−N(ヘンケルNZ社(Henkel NZ Ltd))は、それ自体の味又は香味が最小限のラウリル硫酸ナトリウム(アニオン界面活性剤)の商標である。シンセコル(Synthecol)CAB(ココアミドプロピルベタイン;ケムカラー・インダストリーズ(NZ)社(Chemcolor Industries (NZ) Ltd))は、それ自体の味又は香味が最小限の泡安定剤/増粘剤の商標である。30%の活性濃度を有する液体として供給される。V41塩は、真空乾燥された塩化ナトリウムである(ドミニオン・ソルト(Dominion Salt)社、ニュージーランド)。サッカリンナトリウム(ブロンソン・アンド・ジェイコブズ(Bronson & Jacobs)社)は甘味料である。リン酸水素カルシウム二水和物(dicalcium phosphate dihydrate)(ビクターDF(Victor DF))(ローディア・フード(Rhodia Food)社、米国ニュージャージー州クランベリ)は実質的に不溶性の塩であり、歯磨剤(研磨剤)として用いられる。この粉末の細かさは、99.5%が325メッシュを通る程度である。フルオロリン酸ナトリウムは、エナメルの局所的な硬化に一般的に用いられるフルオロ物イオンの供給源、即ち、歯を強化するイオンの供給源である。これは、特に安全性の理由から、フッ化ナトリウムよりも好ましい。オプションとして、グリセロリン酸カルシウム(1〜4%)を添加する。これは、歯のための及び/又はフルオロ物イオンに対する「緩衝剤」としてのカルシウムイオンの貯蔵源として作用し得る。好ましい色素は、(a)食品用であり、且つ(b)日光等によって退色しにくいものである。本願発明者らが気づいた、(異なる色のビードが一緒に保管される場合に)可溶性の色素が隣接するビードに拡散して他の色と混ざる傾向は、研磨剤の粒子に色を吸着させることが好ましい着色法であり得ることを示唆している。レーキ顔料(酸化アルミニウム粉末等の基体に吸着させる)が好ましい場合もある。
【0065】
製造
1.ゼラチン、グリセリン、テキサポンOC−N、シンセコルCAB、塩及びサッカリンナトリウムをジャケット付き容器に加え、混合する。
2.熱水を加え、温度を保ちつつ混合する。
3.リン酸水素カルシウム及びフルオロリン酸ナトリウムを加え、滑らかな白色の液体になるまで混合する。
4.混ぜながら温度を約65℃まで下げる。
5.ペパーミントオイルにメントールを溶かす。(又は、選択に応じて香味/色の選択肢(b)及び(c))
6.温度が50℃未満になったら、選択された香味/色の混合物及びクエン酸を加え、混合する。
7.混合物をポンプで、冷却された6.5mmのID管(ID pipe)を通してコンベアベ
ルトに送り、約10mmの長さに切断する。(200個)
8.各ビードにコーンフラワーを軽くまぶす。
9.気密性の容器に詰める。
ビードは不透明の円柱状であり、白色か、又は色素を加えた場合にはパステルカラーであった。
【0066】
これらの結果は、ペパーミント/メントールのバージョンに関するものである。保管寿命及びそれと関連する保管に関しては、ゼラチンベースのビードは、特に温度が上がると、ゼラチンベースのゲルの公知の特性により、形状を良好に保てないことがわかった。
【0067】
サンプルのビードを、窓枠の直射日光の当たる場所に3時間置くと、外殻は僅かに硬くなったが、撓み性は保たれ、使用可能であった。本願発明者は、サンプルのビードを、蒸気のこもった浴室に3時間放置した。ビードは形状を保ち、べとべとしたり互いに付着することはなく、使用可能な状態に保たれた。
【0068】
例1によるサンプルを透明プラスチック袋に入れ、屋外の直射日光の当たる場所に置いた。30℃を超える温度ではビードは溶けて元の形状を失った。冷やせば使用可能になったが、その前に元の形状は失っていた。サンプルをプラスチック袋に入れ、少なくとも28℃の、直射日光が当たった黒い車の後部の床(日陰)に放置したら、軟化したが形状は失わなかった。注意すれば取り扱い可能であり、離漿によってべとべとすることはなく、使用できた。コーンフラワー等の粉をまぶすことは役立つであろうが、容器内で一緒に保管した場合、悪条件下では、使用のために個々のビードを抜き取るのが困難になり得る。
【0069】
30℃を超える保管温度又は屋外の「標準条件」では形状及び一体性の損失が生じ得るので、このバージョンの保管特性は商業的な要求を満たさないこともあり得る。ゼラチンの濃度を約5%を超えて高くすると、ビードの「口内感触」に関する使用者の好ましさが低下すると共に、使用中にビードが崩れにくくなる。この低温で溶けてしまう問題を克服する別の方法として、異なる条件で抽出されたゼラチンの使用、少なくとも1つの別のゲル化物質を含む混合物の使用等があり得る。好ましいグリセロール濃度において、湿度が低い大気中では、各ビードの周辺部が水分を失って僅かに硬化するという、幾分の可逆性傾向があった。
【0070】
代替として、上述したような仕切り(jube)タイプのビードは、少なくとも5重量%のゼラチンを有する。
【実施例2】
【0071】
例2 研磨剤を含まないもの
【表2】

【0072】
歯垢を物理的に攻撃するために用いられる、練り歯磨きの研磨剤/歯磨剤成分は、特に電動歯ブラシを用いる場合には必要ないと考える人もいるので、この選択肢では研磨剤を含まない。非研磨性の歯磨剤の機能を満たすために、半分のサイズ(0.25g)のビードで十分な場合もあり、その場合には、上記の混合物100gが約400個のビードに十分である。不透明の研磨剤を含まないので、各ビードは半透明である。
【実施例3】
【0073】
例3 透明なビード
【表3】

【0074】
シリカ水和物の屈折率は、シリカ水和物が懸濁された媒質の屈折率と同様である。母集団の複数の異なるセクターにアピールするために、得られる透明ビードの外見、形状及び色を様々に変更してもよい。
【実施例4】
【0075】
例4 固体錠剤
【表4】

【0076】
このバージョンは、各々が約0.25gの重量の個々のビードに加圧成形されてもよい、乾燥した完全に固体の均質な錠剤を提供する。プロピレングリコールは、固形ワックス状の溶媒のように作用するが、それ自体は水溶性である(既に経口使用が許可されている)。オプションとして、錠剤を湿らせた際にクエン酸と反応することによってガス発生効果を与えるために、炭酸水素ナトリウム等のガス発生基体を含ませてもよい。この選択肢は、例えば軍用の歯磨き用パックの重量を最小限にする。
【実施例5】
【0077】
例5 寒天
寒天は、より良好な温度特性、溶融と凝固との間の顕著なヒステリシス、低い離漿、及び、動物由来でないことを含む、ゲル化剤としてゼラチンを大きく凌ぐ長所を提供する。歯磨剤組成物に複数の試験濃度の寒天を用いたところ、何も悪い反応は生じないことを示した。上述した例1〜例3のゼラチンを寒天に置き換えることも可能であろう。
【表5】

【0078】
寒天(CAS9002−18−0)は、コースタル・バイオロジカルズ(Coastal Biologicals)社(ニュージーランド国オークランド)から「標準的な寒天」タイプMGとして入手された。1.5%ゲルのゲル強度は1000g/cm2である。融点は85〜95℃である。ニュージーランド産の寒天の特性は、別の海岸線から採集された寒天とは異なり得るので、他の種類の寒天に対する最適な濃度は、本明細書で与えられるものとは異なり得ることが強調されるべきである。本発明の範囲は、合成寒天や、(例えば)イーストやバクテリア等の遺伝子組み換え微生物によって作られる類似品を含む。
【0079】
この寒天の様々な濃度を試験した。0.2%〜0.5%程度の値では、軟らか過ぎて脆いビードが得られた。約1.2%を超えると、硬過ぎて口内感触が悪く、使用中に容易に崩れず、ブラシ上に留まるのが困難なビードが得られた。このタイプの寒天をブリスターの内側に密着しない(free)ビードの製造に用いる場合には、約0.7〜0.9%の濃度が好ましいようである。(例10のタイプのブリスターパックで使用する場合には、寒天の濃度はこれより低くてもよい。)寒天は、より幅広く入手可能なゲル材料(例えばゼラチン)と混合されてもよく、その方が好ましい場合もある。用いられる寒天の量は、コスト上の理由から最小限であるのが好ましい。
【0080】
幾つかのサンプルでは、例1で示したペパーミントオイル/メントールの組み合わせを、ここでは他の香味剤及び着色剤と置き換えた。
【0081】
製造
1.寒天、グリセリン、テキサポンOC−N(保湿剤 wetting agent)、シンセコルCAB、塩及びサッカリンナトリウムをジャケット付き容器に加え、混合する。
2.適量の沸騰水を加え、寒天を完全に溶かすために温度を95〜100℃に上げながら混合する。
3.リン酸水素カルシウム及びフルオロリン酸ナトリウムを加え、滑らかな白色の液体になるまで混合する。
4.混ぜながら温度を約65℃まで下げる。
5.ペパーミントオイルにメントールを溶かす。
6.温度が約50℃未満になったら、メントール/ペパーミントオイル混合物及びクエン酸を加え、混合する。
7.混合物をポンプで、冷却された6.5mmのID管を通してコンベアベルト上に送り、約10mmの長さに切断する(200個)。(この混合物は約35〜40℃で凝固する。)
8.気密性の容器に詰める。
【0082】
外見:油状の表面を有する形のはっきりした(crisp)白色のゲル。(寒天の固有の特
性は、凝固/ゲル化温度よりかなり高く加熱されなければ再溶融しないゲルを提供するものであり、高い温度での保管又は輸送に有用である。)水中の10%スラリーのpH=5.95であった。寸法:直径は約6.5mm、長さは10mmの円柱形で、重量は約0.5グラムであった。
【0083】
上述した方法が、バッチモード又は連続モードのいずれで実施されるにしても、工業的な規模に対して適用可能であることは、当業者には明らかである。(例10を参照。)凝固を生じるために温度に依存することは、通常、化学反応の完了に依存することよりも都合が良い。各ビードを最終的に「注型」又は別様で成形するための様々な方法を、様々な分野の工業技術から得られることも、当業者には明らかである。混合物がゲル化する際に強制された形状をとるように、例えば、ゲル化温度より高い温度の混合物を、冷却ベルト上に滴下しても若しくは押し出してもよく、型に注入してもよく、形づけられた窪みを有する板又はベルト上に塗りつけてもよく、又は、形づけられた開口部から押し出してもよい。
【0084】
この方法に従って作られたビードは、許容可能な口内感触を有すると共に、数ヶ月という長期間にわたって上昇した温度で保管された後でも、この状態を保つことが分かった。バクテリアや真菌の成長は生じなかった。一部のビードには粘着防止処理としてコーンフラワーをまぶしたが、それに関わらず全てのビードが個別のビードとして保たれた。着色剤の移染で示されるように、接触したビード間で成分が拡散する傾向がみられた。従って、ビードは、歯ブラシの柄に作り込まれた区画内での保管に適している。
【0085】
6歳〜82歳までの約20人の人々に対して、許容可能性及び有効性に関する非公式な秘密下での試験を実施した。被験者の反応は、この製品が全く許容可能なものであることを示した。驚くことに、練り歯磨きよりもビードの方を好む人もいることがわかった。口をすすいで口から材料を除去するのが、より容易であった。練り歯磨きが増粘剤を含むことが、この理由であるかもしれない。
【0086】
上述した例の複数の試験は、第1の事例における、長鎖ゲル化剤2つの形態、即ち、ゼラチン及び寒天に注目したものであった。寒天とローカストビーンガムとの混合物やゼラチンとアルギン酸塩との混合物のような、別のゲル化剤及び混合物に対する試験も進行中である。例5の寒天を部分的に又は完全にカラギーナンと置き換えてもよく、又は、例6でカラギーナンを用いてもよい。現時点では寒天組成物の方が好ましい。寒天は、より高い融点を有し、これは、ポケットの中や自動車内等の通常の環境に晒されることに耐える。ビードが溶融してから再び凝固すると、ビードの形状は失われるが、特性は変化しない。
【実施例6】
【0087】
例6 アルギン酸
【表6】

【0088】
この例は、本発明による食品用の構造的ゲル又はゲル化剤の混合物の使用についても説明するものである。例6のビードは、寒天の使用を最小限にしつつ、適切な保管寿命を示し得る。得られた各ビードを、低温の塩化カルシウムの塩水に漬けて、その表面上又は表面内にアルギン酸カルシウム層を形成することにより、ビードに、より硬い「殻」を設けてもよい。或いは、又はそれと共に、アルギン酸カルシウムが全体に形成された結果、ビード全体がより硬くなるように、製造工程(例1参照)の最後の方でV41塩をおそらくは部分的に置換することにより、ビードが歯の構造を強化するのにも有用なカルシウムイオンを含んでもよい。殻のために、知覚される味及び「口内感触」が異なり得る。キサンタンガムは疑似可塑性を示す。即ち、剪断力が増加するにつれて粘度が減少する。構造的ゲル/ガムとしてキサンタン成分を用いた場合、この効果によって、ビードが口の中で崩れることに対する使用者の知覚が高まることがある。この目的で、幾分の架橋が生じるように、キサンタンをローカストビーンガムと併用してもよい。
【実施例7】
【0089】
例7 口腔殺菌剤
この例は、例えば口臭に対して活性を有する口腔殺菌剤として用いるための、先に歯磨剤としてあげられたもののような半固体ゲル製剤を示す。この問題は、清浄化されていない歯の周囲や舌の裏側や咽頭の食物粒子等の中のバクテリアの活動から生じ得る。例えばペパーミントの香りと組み合わせて殺菌剤を用いると、この問題は最小限に抑えられることが多い。
【表7】

【0090】
第4級アンモニア化合物(塩化ベンザルコニウム等)も効果的な殺菌剤であるが、ここで用いたアニオン性のラウリル硫酸ナトリウム(テキサポンOC−N)の代わりにカチオン性の洗浄剤が必要である。主観的な「清浄」効果及び活性材料から生じる何らかの味を隠す目的で、ペパーミントオイル及びメントールは含めたままでおく。
【0091】
この特許のビードは、口腔及び歯科衛生の複合キットで用いられてもよい。用途としては、不意の個人的な需要、航空会社やホテル等の顧客に対する贈呈品としての供給、一般への販売、生物学的に危険な(bio-hazardous)状況における使用、並びに、軍用、スポ
ーツ等のキットでの使用が含まれる。本願発明者の同時係属出願(PCT/IB02/02772)は、蓋で密閉された区画を柄の中に有する携帯用歯ブラシを含む。この区画は、個々の自由なビード又はブリスターパック若しくはテープに入ったビードを保持可能である。
【実施例8】
【0092】
例8 石鹸、化粧品及びひげ剃り用具
顔及び手の衛生が必要な人々にも類似の状況が当てはまり得るので、上記の組み合わせを顔及び手の衛生に展開してもよい。洗浄又はひげ剃り目的の半固体石鹸組成物を保持するビード又はブリスターが含まれ得る。ブリスターから抜き出されて泡を形成可能な1つ以上の1回使用単位の石鹸と、オプションとしての使い捨てシェービングブラシ及び剃刀とを保持するブリスターパックが提供されてもよい。同一のブリスターパックが、更に1つ以上の1回使用単位の歯磨剤(及びオプションとして口腔殺菌剤)並びに使い捨て歯ブラシを含んでもよい。この例では、スキンケア用のブリスターパック(例9及び例10参照)は、更に、寒天、又は、ワックスやゲル化剤等の他のゲル化剤若しくは凝固剤、並びに固定化された形態の石鹸材料を保持する、1つ以上のブリスターを含んでもよい。用途としては、手又は顔の洗浄や、(男性及び女性の)ひげ剃り(顔剃り)が含まれる。図9は、石鹸材料の4つのビード(例えば801)、使い捨てブラシ901及び使い捨て剃刀806を含む「ひげ剃り用キット」のブリスターパック900を示している。他のブリスターパックと同様に、使用者は、後側から箔に穴をあけて内容物を引き出すことにより、選択したブリスターを開けてもよい。この処方は、ゲル状石鹸組成物、ひげ剃り用の泡の形成に適したひげ剃り用ゲルビード、又は、手や顔を洗うための石鹸の一例である。
【表8】

【0093】
註1:「アイソクリーム(Isocreme)」:クロダ(Croda)社(英国ノース・ハンバー
サイド、スナイス・グールに所在)は、このタイプの混合物の供給源となる。
【0094】
製造工程
1.水、グリセロール及びホウ砂をジャケット付き容器内で95%まで加熱する。
2.寒天を加え、次に、ラウリル硫酸ナトリウム及びコカアミドを加える。
3.水酸化物の低温水溶液を調製して加える。
4.均質になるまで80℃で撹拌する。
5.ステアリン酸、「アイソクリーム」及びオレイルアルコールの溶融物を調製する。
6.混合して85℃で撹拌する。
7.冷却して、バルク販売又はブリスターパックに入れて販売され得る均質なビードとして押し出し成型するか、又は、高温の混合物をブリスターに流し込む(例10参照)。
【0095】
シェービングクリーム、プレエレクトリックシェーブローション(pre-electric lotion)、アフターシェービング製剤等の既存の処方に、上述した方法で約1%の寒天を加えることにより、本発明に従った、他の形態のシェービングクリーム及び関連化粧品を製造してもよい。クロダ社(上記参照)は、多くの「処方集」の見本を提供している。個人が場合に応じてプロセスを変更してもよいように、男性用化粧品の範囲から選択された多くの特定の調製品を含む単体のひげ剃り用キットを製造してもよいことが、読者には明らかであろう。図8は、ホテルの寝室に置かれた贈呈品にもなり得る使い捨てキットを示している。ブリスターパック800は、大きなブリスター805内に使い捨て剃刀806を保持している。他のブリスターは、使用者がひげ剃り前及びひげ剃り後に選択するための各種化粧品(802、803及び804)並びに、手で泡立てるよう設計された2回分の石鹸/泡発生ビード801を保持している。別のパックは、5個(又は7個)の石鹸ビードと5個(又は7個)の化粧品混合物ビードとを有することによって、1週間分を供給してもよい。図9のパック900は、ブラシを使っての泡立てを好む人のためのブラシ901も含む。ビードは図8と同様である。石鹸に半固体の硬さを付与する物質は、通常のゲル化剤よりも高いアルカリ耐性を要する場合があり、この目的で、寒天の代わりに、ワックス又は他のアルカリ耐性が高いゲル化剤等を用いても良い。
【0096】
別のパッケージは、石鹸、日焼け止めローション又は保湿剤(moisturiser)の、同様の又は、より機械的に弱いビードの周囲に、カプセルを作るものである。上述したアルギン酸カルシウムカプセルを生成する(寒天の少なくとも一部をアルギン酸又はアルギン酸塩と置換する)こととは別に、ビードをワックスに漬けることにより又はジャガイモでんぷんのカプセルを設けることにより、カプセルを生成してもよい。「口内感触」は問題ではないので、泡を立てた後のカプセルの残留物は問題にならない。
【実施例9】
【0097】
例9 ブリスターパック−ブリスターの内側に密着しないように(loosely)包装された
ビード
本発明の品を分配する方法は、すぐに使用できるようにした個々の錠剤を、裏当てシートに当てて保持された、成型された透明プラスチック材料の「気泡」に入れて提供するために広く用いられている、「ブリスターパック」を利用する。「ブリスターパック」は、形づけられた窪みの列を有し、各窪みは物体を保持可能であり、表面において裏当ての厚紙又はシートによって密閉される。通常は、ダイに対して高温になったフィルムを真空成形することにより、熱可塑性プラスチックフィルムに形成される窪みは、任意の所望の形状であってよい。粘着性プラスチック又は金属箔シートで裏当てされたバージョンは、比較的水分を通さないキャビティを生じる。これらのバージョンでは、内容物を露出するために、裏当ての厚紙又はシートは、任意の1つのキャビティの後側から穴を開けられるか又は破られる。別のバージョンでは、当該技術分野で公知のように、キャビティの内容物を放出するために、裏当てシートがガイド内で横方向にスライドしてもよい。このオプションの簡易バージョンでは気密シールは提供されないが、いずれにしても、保湿剤(humectant)を有するビードは、標準的な大気内又は大部分の居住に適した大気内で安定するよう構成されている。再閉止可能なブリスターパックもよく知られており、特に適する場合もある。
【0098】
ブリスターパックの材料は、セルロイド又は選択されたプラスチック材料等のように、生分解性であるのが好ましい。
【0099】
例1又は例5等によって製造された口腔又は歯科組成物の個々の塊は、気泡内に密着せずに収容されてもよく、又は、気泡の内部に密着していてもよい(例10)。図1Bを参照すると、断面図124の左側は、ブリスターパック内に密着せずに収容されたビード125、126を示している。ブリスターパック又は「歯の手入れ用キット」は、密着せずに収容されたビードと共に、使い捨て歯ブラシ604(図6参照)を含んでもよい。もう一つの「歯の手入れ用キット」は、先行技術の、カバー1000、毛1001、柄1002及びビードの区画内へと開く蓋1003を有する歯ブラシ(図10)である。色分けにより、口腔又は歯の手入れに特定のビードを用いることができる。
【実施例10】
【0100】
例10 ブリスターパック内で直接(in situ)注型されたビード
この例は、図1aの断面図で模式的に示されている。これは、ブリスターパック(124)を製造して充填する製造ライン(パーツ110〜123)であり、本発明によるゲル化剤を含む少なくとも1つの組成物を(又は複数の組成物を並行して)調製する少なくとも1つの付属の製造ライン(パーツ101〜108)と共に動作する。温水ジャケット101Aを有する容器101内に保持され且つ撹拌器103で撹拌されている組成物102は溶融ゲルであり、配分手段(再循環ポンプ105及びジャケット付き再循環管104であり、管は、アクチュエータ108によって制御される加熱弁107を通る)を介して送出される。配分手段は、組成物をブリスター又は容器(106は空であり、109は充填済み)の中へと送出可能であり、充填後は、冷却ファン110及び111(又は、散水器、冷却床若しくは冷却された搬送手段)等によって冷却され、封止される。ブリスターパック124、124B、124Cに入った状態で使用者に販売される、得られた組成物ビードは、その容器内で注型されてブリスター内部と接触している、制御された量の注型塊から成る。図1bの断面127及び128並びに127B及び128Bで示されるように、注型塊はブリスターの底部で凝固するのが好ましい。製造ラインの他のパーツとしては、通常のブリスターパック工程の変形バージョンが含まれる。113は熱可塑性フィルムの供給リールであり、フィルム114は、回転するシリンダ状の金型アレイ116上に移動する。スライド弁117を介して真空マニホールドにつながった管を通して加えられる真空によって、フィルムが金型に引き込まれるよう、フィルムを軟化させるために、フィルムは、例えば放射加熱器115又は温風で予熱される。充填されるべき窪みを有する成形されたフィルムはシリンダを離れ、この節で上述したように、高温弁107において充填される。例えば、リール118から供給される接着剤コーティングされた箔119の層を、加圧ローラ120及び121の間でホットプレスすることにより、ビードが封入される。最後に、ナイフ122、123で、細長片は使用に適した分量124、124B、124Cごとに切断される。(矢印は移動方向を示す。)
【0101】
このような使用に適した分量の1つは、図1bのブリスターパック124Bであり、組成物を供給するための対になった付属製造ライン(101〜108)によって、この中に2種類のビード127B、128Bが配置された。図1には、1つの製造ラインのみが示されている。裏当ての箔には、商標、組成物の成分表示、使用期限日及び製造国等の印が表示されてもよい。パック124Cは子供用のパックであり、この中には、ホイール116形のダイの適切な形状と、ビード中の着色剤及び香味の魅力的な組み合わせとによって、様々な形状の直接注型ビード(例えば208)が作られる。ブリスターパックは形状及び色をはっきりと見せる。子供は、図3に示されるように、ある日は三日月形、別の日は星形等というように選択できる。他の多くの形状シリーズも、当業者には明らかであろう。
【0102】
ブリスターパックの形状及びサイズは、(先行技術の図10に示されているタイプの)再使用可能な歯ブラシの柄の中の区画に1つ以上のパックを容易に詰められるように選択されてもよい。予め注型されたビードを手作業又はロボットで各ブリスターに配置することに対する、直接注型ビードの長所としては、製造がより衛生的であることと、より容易に自動化されることとが含まれる。所望に応じて加えられる、ブラシや剃刀等の「道具」のみが物理的挿入を要する。使用者は、通常、後側から箔に穴を開けて内容物を出すことにより、任意の1つのブリスターを個別に開けてもよく、この場合、開いた時に、ビードは寒天の凝集性により単一ユニットとしてフィルムから離れる。直接注型ビードを取り出すために、パックの前側(窪み側)を押圧してもよい。歯ブラシのヘッドを、後側から開いたブリスター内のビードに押しあて、衛生的且つ無菌状態が保たれる方法で、(プラスチックによって保持された)ビードを直にブラシに押しつけてもよい。パックの前側の内面に、当該技術分野で公知の潤滑性プラスチック又はコーティング材料を予め軽くコーティングすることにより、フィルムからの剥離を補助してもよい。
【0103】
なお、製品をブリスターパック内に配置するこの方法は、本明細書に記載したもの以外にも、他の多くの組成物に適用可能である。他の製品としては、経口投与及び口内粘膜を通した吸収が意図された薬(オキシトシン、ニトログリセリン及び他の血管作用薬)、及び幾つかの鎮痛薬が含まれる。色分け及び適切な表示により、識別を補助できる。
【0104】
好ましいブリスターパックは透明な前面を有し、画像解析装置に接続されたカメラ等の光学装置が、充填された各ブリスターが色、密度及び寸法等の許容基準を満たすことを迅速に確認できることを主な理由として、製造時の品質管理は簡単である。組成物の寒天含有量は、再溶融温度等のファクターを考慮しつつ、自由流動(ばら)ビードの寒天含有量と比べて低減されてもよい。自由ビードが接触状態で保管される場合に時として認められる、色素及び香味の拡散は、生じ得ない。
【0105】
図1bを発展させたものとして、パック(図6の600)は歯ブラシ604を含んでもよく、よって、外出時の携帯に適した(ready-to-go)キットとなる。このパックに含む
ための使い捨て歯ブラシは、製造業者から低い使用コストで幅広く入手可能である。この例は、歯磨剤/練り歯磨きの3つの(直接注型)ビード601(複数の異なる香味を有してもよい)と、口内清浄剤の2つの自由ビード602とを含む。このパックは、自宅から離れている人々にとって便利な組み合わせになりそうである。使用者は、図7に示されるような自由ビードのストックから、又は、ばらのビードの容器からのビードを、直接注型用の窪みに後から補充してもよい。このバージョンのブリスターパックは、折に触れて同じ容器を再使用できるように、図6では開放位置で示されている、点線に沿って蝶番になった再閉止可能な裏当て607を含み、留め具606を穴605に嵌入させることにより閉止状態を保持可能である。簡便な販売のために、このパックは、穴603を用いてフックに掛かった状態で陳列されてもよい。ブリスターパック700(図7)は、中央に折り目701を有するバルク供給パックを示している。現在は毎日3度の歯磨きが推奨されているが、図示されている60個のビードは、毎日2度の歯磨きをする人の1ヶ月分に十分であろう。
【0106】
練り歯磨きの代わりとしてのビードの使用スタイルに、1つの変形が認められた。最初に乾いたブラシによるブラッシング動作を用いて、次に水を加える人もいるが、ビードはこの手順にも適合することが報告された。従って、口腔衛生システム(ビード、容器及びブラッシング手段)を伴うビードを、必要に応じて水無しで用いてもよく、この動作の結果として唾液が出る。同様に、ゲル化剤ではなくポリエチレングリコール(PEG)ベースの乾燥ビード(例4)を用いてもよい。
【0107】
変形例
任意の目的で組み立てられるブリスターパックに対して、任意の妥当な組み合わせ又は数のビード(及び道具)を選択してもよい。便利なパーソナル・ケア用パックを提供するという基本的な意図をもって、櫛と、歯ブラシと、口腔及び歯の手入れ用製品の幾つかのビードとを、1つのブリスターパックに入れてもよい。これと相補的なブリスターパックは、スキンケア用ビード(石鹸、保湿剤(moisturiser)及び日焼け止め、並びに、ひげ剃り用石鹸及びアフターシェーブを含む)を収容することもあろう。電動ひげ剃りを使う人もいれば、使い捨て式の刃の剃刀を含むパックを買う人もいよう。(図6に示されるような)再閉止可能ブリスターパックの別の用途は、毎日弁当箱に、歯ブラシ及び1個又は2個のビードを含めるためのものである。
【0108】
この文書で先に、(アルギン酸塩のオプションは別にして)ビードは均質であると述べた。上述した本発明の説明に従って、中心の軟らかい部分をゲルが囲むようにするための共押し出し、コーティングを形成するための浸漬、より軟らかい材料を挿入又は注入するための空間を中心に有するビードの形成、又は、ゲル分子のストランドの液化を化学的(酵素によるものを含む)に誘導する等の手段によって、本発明の範囲内に含まれつつビード内に比較的軟らかい中心部を含めることも可能である。
【0109】
特定の需要に合わせて、又は一部の人が有する特定のアレルギー等の問題を克服するために、特殊な製剤(ユダヤ法、イスラム法、菜食主義、より厳密な菜食主義等の食事規定によって認定されたもの)を製造してもよい。
【0110】
クロロフィル(例えば、約0.1%の濃度の、英国特許第720720号に記載の金属塩である水溶性クロロフィリンの形態で)等の他の公知の練り歯磨き/歯磨剤成分を含んでもよい。クロロフィルは、緑色着色剤としても作用する。
【0111】
おそらくは様々な香味等を有する通常の練り歯磨きを、1回使用単位としてブリスターパックに入れて提供してもよく、それによって本発明の長所の一部が確保されるが、使用に際して、ブリスターパックの内容物に凝集性を与えるゲル構造を持たない粘性ペーストを取り出すのは、より困難である。
【0112】
商業上の長所
この歯科衛生システムの製造中に認識された長所としては、以下のものが含まれる。
1.外部又はカプセルを持たないビードは、特定の外部カプセル又はコーティングを有するものよりも、混合、製造及び包装が簡単であると共に、口の中で歯及び舌の動作によって又は歯ブラシの補助によって崩される場合に、完全に口腔、歯科又はスキンケア組成物に変換可能である。不快な口内感触はなく、飲み込んだり捨てたりすべき残留物も生じない。
2.特にブリスター内での注型の手法による固体ビードは、半固体ペーストを充填した練り歯磨きチューブよりも製造が簡単である。
3.ゲル化剤を用いた好ましいプロセスは、凝固を開始させるために温度の低下を利用するので、タイミングを図った化学反応を利用するよりも簡便である(但し、この長所は、幾つかの事例で化学反応を利用することを除外するものではない)。
【0113】
本発明のビードの固有の長所としては、以下のものが含まれる。
1.保管、取り扱い及び使用の簡便性:半固体材料は、使用されるまでは乾燥した小丸剤と同様に挙動する。ビードは、保管、移し替え及び分配が容易であると共に、こぼれた練り歯磨きのように旅行者のスーツケースを汚すことがない。ビードは良好に輸送に耐えると共に、衛生的な状態を保つ。
2.1つのパック内で、複数の形状、色及び香味を混ぜて、特に子供に対する幾分の視覚的魅力を加える機会がある。普通の練り歯磨きチューブは、長期にわたって同一の混合物を提供する。子供は、夜には星形、朝には太陽形というように、香味や形状を選択できる。
3.ビードが単回使用型であるという性質により無駄が制限されると共に、フッ素の過剰投与に関連するリスクが低減される。(過剰な練り歯磨きをチューブに戻すことはできない。)
4.衛生上の又は交差感染の問題を生じずに、人々のグループ(例えば、家族、又は学校のキャンプ、徒歩旅行者/ハイカー、旅行者、又は軍隊のグループ等)で、単一の(テープ又はビード)ディスペンサを共有できる。
5.色又は形状の有用な差別化が行われることを前提に、息清浄剤、頭痛薬、石鹸、保湿剤(moisturiser)又は日焼け止め等の錠剤又はビードを、歯磨剤のビードと同じ容器内に保管できる。(これは特に旅行者にとって特に役立つ。)
6.動物性副生成物を使用せずにビードを製造できることは、一部の人々に適している。
【0114】
使用者にとっての(特に)この歯科衛生システムの長所としては、以下のものが含まれる。
1.本発明のビードは、携帯用歯ブラシと共に使用するのに非常に適している。携帯用歯ブラシに関する従来技術には、取り扱い、保湿及び所定の場所への収容が困難な、標準的な半液体練り歯磨きの使用が含まれる。
2.本発明が含む成分の大半は、公知の練り歯磨き、又は口腔若しくはスキンケア製品の既にFDA基準を満たした、即ち、「GRAS」(一般に安全と見なされる)の従来の成分であるが、異なる物理的形状(半固体ゲル)に保持される。
3.家族の各構成員が、好みの歯磨剤の香味及びタイプを用いてもよく、これは、子供に自発的な歯磨きを教える際に好ましい。
4.一部の被験者は、使用後に口をすすいで材料を口から除去するのが容易な点を好んだ。これは、増粘剤が入っていないことを反映したものであり得る。
5.ブリスターパックに入った歯磨剤ビードを、ビードに触れずに、無菌状態でブラシの毛にしっかりと置くことが可能である。
6.本発明は、歯の手入れ及び歯科衛生の既存のプログラムを強化する。特に子供に対しては、様々なビードと各ビードの量が制御されていることが自発的な歯磨きを補助する可能性が高い。テープ用ディスペンサを用いてもよい。
7.この口腔衛生システム(ビード、容器及びブラッシング手段)は、小型の品物が、歯磨き及び口の清浄化に必要な(水以外の)全ての材料及び道具を提供するので、携帯性が高い。
8.この分配が容易なビードに基づく口腔及び歯科衛生システムは、伝染性の疾病の交差感染の低減に加えて、第三世界の健康プログラムの一助となる。また、石鹸を提供するビードは、子供や食物の準備に携わる人々の衛生の一助となる。
9.歯の衛生を重視することとは別に、キスや飲み物容器の共有が感染に関与し得る、口から感染する病気(髄膜炎、肝炎及び最近では結核を含む)の増大は、本発明による、口腔衛生システム内に容易に携帯可能な薬用ビードの貯蔵部を設けることの望ましさにつながる。
10.この歯科/口腔衛生パックは、旅行者にとって、又は、ハンドバッグ、ブリーフケース、机の引き出し又は自動車のコンパートメントに入れておくために、並びに、屋外活動従事者及び軍人等にとって便利である。このパックは、十分な保管寿命を有するように設計されている。練り歯磨きチューブ全体の重量及び体積は、不要の余分な荷重であり且つスペースを食うものである。
11.例えば航空機やホテルで用いられるような宣伝用の歯ブラシが、より簡便に製造され、より取り扱いが容易なこの歯磨剤組成物と一緒に配布される。ディスペンサ又は便利なポケットパックから、キットに補充してもよい。
12.歯ブラシの設計を、柄の中に少数のビードを収納するよう構成でき、それにより、単機能(歯磨き)の単一物が得られる。どこにでもある細いプラスチックの柄の歯ブラシに、外から見える内部キャビティと、必要に応じてビードを取り出すための着脱可能且つ恐らくは弾性の再封止可能な栓とを設けることも可能である。
13.ビード又はビードを保持するブリスターパックを収容するキャビティを有する、しっかりした(solid)形づけられた柄を有する歯ブラシに、旅行用のカバーを設けること
ができる。このカバーは使用中に柄の一部になってもよく、その結果、持ち運ぶべき嵩が減少する。
【0115】
最後に、本明細書で説明及び/又は図示された本発明は、本明細書に例示目的で記載さ
れた好ましい実施形態及び製剤形態に決して限定されないことを理解されたい。寒天及びゼラチン等によって与えられるものと類似の物理的特性を混合物に付与する機能がある、ゲル化剤又は類似の分子、その変性された形態及び他の長鎖分子等の、他の量、バリエーション又は混合物を含むパーソナルケア製剤は、本発明の範囲に含まれる。添付の特許請求の範囲で述べられる本発明の範囲及び精神から逸脱することなく、様々な変形、追加及び置換が可能であることが、当業者には分かるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0116】
【図1a】本発明による組成物の直接注型されたビードが充填されたブリスターパックを形成する装置を示す断面図である。
【図1b】充填されたブリスターの例を示す断面図及び正面図である。
【図2】ビードの例を示し、その幾つかをブラシのヘッドとの関係において示す図である。
【図3】区別可能なカプセル(1)を有する従来技術のビード(2)を示す図である。(クラス(Krass)の独国特許第4238421号)
【図4】ディスペンサで用いるための、各々が1つのビードを保持したブリスターを支持する単幅テープを示す図である。
【図5】様々なテープ用のディスペンサを示す図である。
【図6】歯ブラシ及び5個のビードを有するブリスターパックを示す図である。
【図7】60個のビードを有するブリスターパック(バルクパック)を示す図である。
【図8】使い捨て剃刀及び5個のビード(3個のアフターシェーブを含む)を有するパックを示す図である。
【図9】各種ビードと共にシェービングブラシ及び剃刀を含むブリスターパックを示す図である。
【図10】従来技術のビード区画を有する歯ブラシ(アレクサンダー(Alexander)、PCT/IB02/02772)を示す図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
個人用の口腔や歯の手入れ又はスキンケアの際の使用に適した半固体組成物であって、該組成物は半固体ゲルから成り、該ゲルは、少なくとも1つのゲル化剤と密に混合された少なくとも1つの医薬用として許容可能な活性成分を含み、前記少なくとも1つのゲル化剤は、凝固すると、保管中に前記少なくとも1つの活性成分に対する十分な保持手段を構成するゲル構造を有する半固体ゲルを設け、使用者によって前記組成物が強制的に潰された際に前記ゲル構造は崩れることが可能であると共に前記少なくとも1つの活性成分を個人用の口腔や歯の手入れ又はスキンケアの手順に使用可能にすることを特徴とする、半固体組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1つのゲル化剤が、前記組成物が凝固後に保管温度以下に保たれた場合に前記組成物を半固体状態に留まらせるのに少なくとも十分に高く、且つ、前記組成物が使用者によって強制的に潰された際に前記少なくとも1つの活性成分を使用可能にするために前記半固体組成物が崩れないほどには高くない範囲内の比率で存在することを特徴とする、請求項1に記載の半固体組成物。
【請求項3】
前記ゲル化剤が、約0.1〜約2重量%の範囲の濃度の寒天を含むことを特徴とする、請求項2に記載の半固体組成物。
【請求項4】
前記ゲル化剤が、約0.3〜約0.95重量%の範囲の濃度の寒天を含むことを特徴とする、請求項2に記載の半固体組成物。
【請求項5】
前記ゲル化剤が、約1〜約4重量%の範囲の濃度のゼラチンを含むことを特徴とする、請求項2に記載の半固体組成物。
【請求項6】
界面活性剤、泡安定剤、歯科用として許容可能な研磨剤、香味剤、着色剤及び保湿剤等の、歯磨剤に特有の活性成分を含む、請求項2に記載の歯の手入れ用半固体組成物であって、前記組成物が、約40℃を上限とする温度において構造的一体性を維持するのに十分であり且つ使用者によって強制的に潰された際に前記構造が崩れるのを可能にする量の、1つ以上のゲル化剤を含むことを特徴とする、請求項2に記載の歯の手入れ用半固体組成物。
【請求項7】
請求項6に記載の半固体組成物から成るビードであって、各前記ビードは均質であり、カプセルに封入されておらず、一回の手順に十分な活性成分を含むことを特徴とするビード。
【請求項8】
前記ビードが約0.4グラム〜約1グラムの範囲の質量を有することを特徴とする、請求項7に記載の半固体組成物から成るビード。
【請求項9】
前記ビードの少なくとも1つの特徴が、子供が歯科衛生のために前記ビードを用いる傾向が高まるように、特に子供にとって魅力的であるように選択される形状、色及び香味の範囲から選択されることを特徴とする、請求項7に記載の半固体組成物から成るビード。
【請求項10】
請求項7に記載の半固体ゲルの少なくとも1つのビードを含む、歯の手入れ用キット又はパックであって、少なくとも1つの前記ビードが前記パックの区画内に保管されることを特徴とする、歯の手入れ用キット又はパック。
【請求項11】
前記パックが、前記ビードが潰れて前記少なくとも1つの活性成分が歯に接して放出された後に、適用具を使用することによって歯の清浄化が促進されるように、使用者の歯の
複数の面に接触させる手段を含む前記適用具を更に提供することを特徴とする、請求項10に記載の歯の手入れ用キット又はパック。
【請求項12】
各前記区画が、変形可能シートに形成された窪み及び該窪みを覆うための被覆手段を含むことを特徴とする、請求項10に記載のキット又はパック。
【請求項13】
界面活性剤、泡安定剤、殺菌剤及び香味剤を典型的に含む口腔清浄剤/口腔殺菌剤に特有の活性成分を含む、請求項2に記載の口腔の手入れ用半固体組成物であって、前記組成物が、保管中にゲル構造の構造的一体性を維持するのに十分であり且つ使用者によって強制的に潰された際に前記構造が崩れるのを可能にする量の、1つ以上のゲル化剤を含むことを特徴とする、請求項2に記載の口腔の手入れ用半固体組成物。
【請求項14】
請求項13に記載の半固体組成物の少なくとも1つのビードを含む、口腔の手入れ用キット又はパックであって、該パックは区画内に備えられた少なくとも1つのビードを含み、摂取されて口内で潰された後に使用者の口又は咽頭からの悪臭が軽減されるように、前記半固体組成物の前記少なくとも1つの活性成分は殺菌材料を含むことを特徴とする、口腔の手入れ用キット又はパック。
【請求項15】
界面活性剤又は石鹸、泡安定剤、保湿剤、スキンコンディショナー、香味剤、紫外光を吸収可能な化合物等の、個人用のスキンケア用組成物に特有の少なくとも1つの活性成分を含む、請求項2に記載のスキンケア用半固体組成物であって、該組成物が、保管中に構造的一体性を維持するのに十分であり且つ使用者によって強制的に潰された際に前記構造が崩れて前記少なくとも1つの活性成分を放出するのを可能にする量の、1つ以上のゲル化剤を含むことを特徴とする、請求項2に記載のスキンケア用半固体組成物。
【請求項16】
請求項15に記載の半固体組成物から成る少なくとも1つのビードを含むスキンケア用キット又はパックであって、前記少なくとも1つのビードが1つの区画内に設けられたことを特徴とする、スキンケア用キット又はパック。
【請求項17】
前記パックが、ブラシ、使い捨て剃刀、並びに、ひげ剃り前用コンディショナー、ひげ剃り後用コンディショナー及び保湿剤の範囲から選択される化粧品材料から成る1つ以上のビードから選択される少なくとも1つの品目を含むひげ剃り手段を更に含むことを特徴とする、請求項16に記載のスキンケア用キット又はパック。
【請求項18】
前記パックが、ブリスターパックの対応するキャビティ内に保持された、少なくとも1つの道具と、前記半固体組成物の少なくとも1つの前記ビードとを含むことを特徴とする、請求項16又は17に記載のスキンケア用キット又はパック。
【請求項19】
請求項1に記載の半固体組成物のビードの製造方法であって、
水と、少なくとも1つの医薬用として許容可能な活性成分とを、少なくとも1つのゲル化剤と共に、該ゲル化剤を溶かすのに十分な温度で混合する工程と、
前記混合物を、前記組成物が依然として溶融状態を保つ、より低い温度まで冷却する工程と、
オプションとして、少なくとも1つの更なる活性成分を添加して混合する工程と、
前記混合物をオリフィスから吐出する工程と、
を含むことを特徴とする、半固体組成物のビードの製造方法。
【請求項20】
前記オリフィスからの吐出後に、前記混合物を凝固させるために冷却し、次に、凝固した混合物を、各々が所望の質量を有する1つ以上の均質なビードに分けることを特徴とする、請求項19に記載の半固体組成物のビードの製造方法。
【請求項21】
請求項19に記載の方法に従った活性成分を含むパック又はキットの製造装置であって、
前記オリフィスから、変形可能シートに形成された複数の窪みの少なくとも1つの中に、制御された量の前記溶融した組成物を付着させる手段と、
少なくとも1つの直接注型ビードを形成するために、前記溶融した組成物を凝固させる手段と、
前記少なくとも1つの直接注型ビードを保持するパックを製造するために、前記窪みの上に被覆シートを配置することにより前記少なくとも1つのビードを封入する手段と、
を含むことを特徴とする、パック又はキットの製造装置。
【請求項22】
歯ブラシ、ブラシ及び剃刀の範囲から選択される少なくとも1つの道具を前記パック又はキット内に含ませる手段を含むことを特徴とする、請求項19に記載の装置。

【図1a】
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【図1b】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−35567(P2009−35567A)
【公開日】平成21年2月19日(2009.2.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−244034(P2008−244034)
【出願日】平成20年9月24日(2008.9.24)
【分割の表示】特願2004−25654(P2004−25654)の分割
【原出願日】平成16年2月2日(2004.2.2)
【出願人】(504041963)ピービーエル テクノロジー リミテッド (2)
【Fターム(参考)】