携帯用局部洗浄具
【課題】 携帯性が飛躍的に優れ、安価であり、局部を少量の水で効率良く洗浄でき、廃棄が容易な使い捨て携帯用局部洗浄具を提供する。
【解決手段】 可撓性合成樹脂シートで中央にくびれ形を有する一升瓶断面形状に袋状溶着成形された貯水袋1と、同貯水袋に開口された給排水口7と、水を射出するチップ成形されたノズルを溶着させた射出ノズル4とを配設した一体袋構造で、給排水口7には密閉可能な蓋3を有し、射出ノズル4には止水蓋41を有する。特に、溶着された射出ノズル4には、連結されたタブ付きノズル止水蓋が配設され、連結部はリブ付きY形連結部42を配し、止水蓋栓部には結合ロック部とを有し、傾斜ノズル孔43にはテーパー部44を連設している。
【解決手段】 可撓性合成樹脂シートで中央にくびれ形を有する一升瓶断面形状に袋状溶着成形された貯水袋1と、同貯水袋に開口された給排水口7と、水を射出するチップ成形されたノズルを溶着させた射出ノズル4とを配設した一体袋構造で、給排水口7には密閉可能な蓋3を有し、射出ノズル4には止水蓋41を有する。特に、溶着された射出ノズル4には、連結されたタブ付きノズル止水蓋が配設され、連結部はリブ付きY形連結部42を配し、止水蓋栓部には結合ロック部とを有し、傾斜ノズル孔43にはテーパー部44を連設している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、局部洗浄具であって、特に、コンパクトに折り畳め、携帯性が優れた使い捨て局部洗浄具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯用の局部洗浄具には、電動式と手動式の洗浄具が存在する。
【0003】
電動式では、モーター、同モーターを駆動するための電池、水を蓄える貯水容器及び水を射出する射出ノズルから成り、使用する際には、貯水容器に水を入れ、スイッチで電源を入力することによりモーターを駆動させ、射出ノズルより水を射出して局部の洗浄を行なう(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
手動式では、可撓性の貯水容器に射出ノズルを配設して、同貯水容器に水を入れ、押圧することによって射出ノズルより水を射出し、局部の洗浄を行なう携帯用の局部洗浄具がある(例えば、特許文献2参照。)。また、貯水容器に手動空気ポンプと射出ノズルを配設し、貯水容器に空気ポンプで空気を送り圧縮された空気を使用して水を射出ノズルより射出し、局部の洗浄を行なう携帯用の局部洗浄具も開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3488356号公報
【特許文献2】特開2000−139760号公報
【特許文献3】特許第3080869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、電動式の携帯性では、貯水容器、射出ノズル及び電池を配設するための空間が必要であるために、製品サイズが大きくなり、各部品の重量によって製品重量が重く、携帯性に優れているものではない。また、貯水容器内部の雑菌繁殖と外部の雑菌付着、局部洗浄後の射出ノズルの雑菌消毒対策に衛生管理上の問題がある。
【0007】
また、貯水容器を可撓性の容器にした携帯用局部洗浄具では、重量は軽減できるが、貯水容器部分あるいは射出ノズル部分が大きく、形状も携帯性に優れているものではなく、上述した電動式同様、貯水容器内部の雑菌繁殖と外部の雑菌付着、局部洗浄後の射出ノズルの雑菌消毒対策に衛生管理上の問題がある。
【0008】
また、貯水容器に手動空気ポンプと射出ノズルを配設した携帯用局部洗浄具においても、上述手動式と同様であり、携帯性を損なうと共に、貯水容器内部の雑菌繁殖と外部の雑菌付着、局部洗浄後の射出ノズルの雑菌消毒対策に衛生管理上の問題がある。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みて、貯水容器、射出ノズルも含め軽量コンパクトに細かく折り畳みができることや、筒状に捲いた状態でもかさばらずにポケットに収納できる携帯性が飛躍的に優れた機能を保持し、低コストで製作でき、特に、使用後に分別廃棄することも無く、簡単に使い捨てすることができるとともに、使い捨てをする事により雑菌消毒など衛生管理も必要としない把持押圧型携帯用使い捨て局部洗浄具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の携帯用局部洗浄具は、上記の課題を解決するため、第1の手段は、可撓性合成樹脂シート製で、中央にくびれを有する袋状に溶着成形された貯水袋1と、前記貯水袋の端部に配設された給排水口7と、前記端部と逆の端部にチップ成形された射出ノズル4と、を有することを特徴とする。
【0011】
第2の手段は、第1の手段に記載の携帯用局部洗浄具であって、射出ノズルは、射出ノズル水平面に対し約105°の傾斜角に設定された孔径1.5〜2.5mmφの傾斜ノズル孔43と、貯水袋方向にラッパ状に広がる、前記傾斜ノズル孔と貯水袋とを連結するテーパー部44と、前記傾斜ノズル孔の内側に結合する、前記孔径より0.2mm大きい外径の止水蓋栓結合ロック46を有するタブ付き止水蓋41と、を備えることを特徴とする。
【0012】
第3の手段は、第1又は第2の手段のいずれかに記載の携帯用局部洗浄具であって、給排水口には、2列の嵌合式ファスナーと、スナップボタンが配設され、給排水口から貯水袋に至る部分が捲着可能であることを特徴とする。
【0013】
第4の手段は携帯用局部洗浄具であって、可撓性合成樹脂シート製で、中央にくびれを有する袋状に溶着成形された貯水袋1と、前記貯水袋の端部に配設された給排水口7と、前記端部と逆の端部に、鳥のくちばし状で貯水袋の水平面に対し約105°の傾斜角を有する孔径1.5〜2.5mmφの射出ノズル4と、前記射出ノズルの先端のノズル開封蓋9と、を有することを特徴とする。
【0014】
第5の手段は、第1〜4の手段のいずれかに記載の携帯用局部洗浄具であって、貯水袋には、中央から射出ノズル方向に、先細りのV字形状の流路2が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、可撓性合成樹脂シート、例えば、ポリエチレン又は軟質塩化ビニールで、中央に把持しやすくする為のくびれ形を有する一升瓶断面形状に袋状溶着成形された貯水袋と、同貯水袋に水を出し入れするため開口された給排水口と、水を射出するチップ成形されたノズルを溶着させた射出ノズルとを配設した一体袋構造で、給排水口には密閉可能な蓋を有する。また、射出ノズルには洗浄時に取り外すノズル止水蓋を有している。このように、軽量で射出ノズルも含めた一体袋構造の携帯用使い捨て局部洗浄具とすることにより、コンパクトに細かく折り畳みができ、筒状に巻いた状態でもかさばらずにポケットに収納でき、携帯性を飛躍的に向上させることができる。
【0016】
配設する部品点数を少なくしたシンプル構造なので、製品を安価に製作できるとともに、使い捨てとすることで、器具の雑菌汚染による感染症予防のための衛生管理対策も不要であり、分別廃棄の手間もなく簡単に捨てられる。
【0017】
さらに、袋状に溶着成形された形状はシンプルであり、貯水袋部位に把持する為のくびれ形状と貯水袋部位端から頂点部の射出ノズル配設部位にかけて、水圧確保と操作性を良くするためのV字形状の流路を設けてあり、頂点部に配設された射出ノズルに至るまで中間に水流を阻害するものが配設されていないので、把持押圧したとき射出ノズルからの吐出水の射出はきわめてスムーズであり、なお且つ、V形状の流路が水圧で棒状に膨張硬化するので、射出ノズルのフラつきによる射出水の方向変化が抑えられ、適度な水圧を効率良く確保し、局部の洗浄性をより高める効果があるのと、チップ成形されたノズル傾斜孔には、傾斜と射出圧力を高めるテーパー部を並設配してあるので、把持押圧洗浄時、手、腕を無理に曲げたりひねったりしなくても、ノズルより適度な圧力で射出される水が局部に当たり、楽な姿勢でより効率良く局部洗浄ができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】 第1実施形態の携帯用局部洗浄具の斜視図である。
【図2】 第1実施形態において水を充填した捲着した給排水口図である。
【図3】 第1又は第3実施形態の捲着した給排水口の拡大断面図である。
【図4】 第2実施形態の携帯用局部洗浄具の斜視図である。
【図5】 第2実施形態において水を充填した図である。
【図6】 第1又は第2実施形態の射出ノズル部開蓋時の水射出角度及び拡大断面構造図である。
【図7】 第1又は第2実施形態の射出ノズル部閉蓋時の拡大断面構造図である。
【図8】 第1又は第2実施形態の射出ノズル部閉蓋時の拡大斜視図である。
【図9】 第3実施形態の携帯用局部洗浄具の斜視図である。
【図10】 第3実施形態の射出ノズル部の拡大図である。
【図11】 第3実施形態の射出ノズル部の開封状態拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を実施するための形態を図に基づいて説明する。
【0020】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態を示す携帯用使い捨て局部洗浄具であり、可撓性合成樹脂シート、例えば、ポリエチレン又は軟質塩化ビニールで中央に把持しやすくする為のくびれ把持部13を有する一升瓶断面形状の袋状に溶着成形された貯水袋1に、水を出し入れするために開口された給排水口7とともに、水を射出するチップ成形されたノズルを溶着させた射出ノズル4を配設した一体袋構造で、給排水口7には密閉可能な蓋3と給排水口7を捲着固定用のスナップボタン凸11及びスナップボタン凹12とを有し、射出ノズル4には、水漏れを防止するために、洗浄直前に取り外すタブ付きノズルの止水蓋41を有する。
【0021】
図2は、本実施形態において約350ml水を充填した場合の捲着部14の状態を示している。蓋3には、凹凸の嵌合式ファスナーが2列に配設されているのと、把持押圧時の水圧で前記ファスナーが外れる事を防止する為、捲着部14には、スナップボタン凸11及びスナップボタン凹12が表裏に配設され捲着固定する事で、水路を狭めファスナーへの水圧が緩衝されファスナーが外れる事を防止している。なお、図3は捲着部14の拡大断面図である。水充填量約350mlは、把持押圧洗浄完了迄に1回当たり要する本実施形態での平均消費水量である。
【0022】
図8に示すように、貯水袋1には上部くびれ端部から頂点部の射出ノズル4の配設部位にかけて、V字形状の流路2を設けてある。水圧で棒状に膨張硬化するので、射出ノズル4のフラつきによる射出水の方向変化が抑えられ、洗浄時に狭い便器内での洗浄具の操作性を良くし、さらに、本形状の流路2により射出水圧力を高める事ができる。
【0023】
図7に示すように、貯水袋1の先端部にはチップ成形された射出ノズル4が溶着されている。チップ成形された傾斜ノズル孔43には、射出圧力を高めるテーパー部44を並配設してあり、なお且つ、把持押圧洗浄時にV字形状の流路2が水圧で棒状に膨張硬化するので、射出ノズル4のフラつきによる射出水の方向変化が抑えられるのと、少量の水で適度な水圧を効率良く確保し局部の洗浄性をより高める効果があり、本体のくびれ把持部13を把持押圧する事で洗浄時に、手、腕を無理に曲げたりひねったりしなくても良く、ノズルより適度な圧力で射出される水が局部に当たり、楽な姿勢でより効率良く局部洗浄ができる。また、射出ノズル4には、水漏れ防止の取外しタブ45が付いた止水蓋41が連結され、ノズル傾斜孔43に止水蓋栓結合ロック46をされているので、水を充填し把持押圧洗浄する直前に、止水蓋41を取り外して局部洗浄を行なう。
【0024】
〔第2実施形態〕
図4は第2実施形態を示す。貯水袋1に開口された給排水口7を有した雄ねじ部8が溶着されており、雌ねじを有した密閉可能な蓋3で螺着可能に構成している。図5は密閉蓋を閉じて約350ml水を充填した状態を示している。
【0025】
第1及び第2の実施形態の射出ノズル4について、図6を用いて詳述する。本図は開蓋時の拡大断面構造図である。溶着部5を有する貯水袋1の先端部には、可撓性合成樹脂、例えば、ポリエチレン又は軟質塩化ビニールでチップ成形された射出ノズル4が溶着されている。射出孔径が1.5〜2.5mmφで、射出ノズル4の水平面に対して傾斜角が約105°に設定されるチップ成形された傾斜ノズル孔43には、射出圧力を高めるため、傾斜ノズル孔43に連設する底部が径約8mmφのテーパー部44を並配設してあり、小量の水で適度な水圧を効率良く確保し、局部の洗浄性をより高める効果がある。射出孔径1.5〜2.5mmφの設定は、1.5mmφより小さいと、射出水量の不足と洗浄時間を長く要して洗浄効率が劣り、2.5mmφより大きいと、射出水量過多及び水圧不足で洗浄効率が劣ることに基づいている。また、射出された洗浄水は約105°の傾斜を保って射出されるので、本体のくびれ把持部13を把持押圧する洗浄時に、手、腕を無理に曲げたりひねったりしなくても楽に局部に当たり、楽な姿勢でより効率良く局部洗浄ができる。射出ノズル4には、洗浄直前に取り外す連結された取外しタブ45が付いた漏出防止用の止水蓋41が配設され、連結部は連結を抜脱時に射出水路を確保するため、止水蓋装着後の連結部の経時的な曲がり癖による射出水路蓋被さりを抑制するため、変形防止リブ47付きY字連結部42を配設した。また、止水蓋栓結合ロック46は、外径1.7〜2.7mmφの結合ロック部を有し、洗浄時以外の蓋抜脱による漏出防止をしている。傾斜ノズル孔43は、止水蓋栓結合ロック46がされているので、水を充填し把持押圧洗浄する直前に、タブ45を引き上げて止水蓋41を抜脱し局部洗浄する。図7は、射出ノズルの閉蓋時の拡大断面構造図である。
【0026】
〔第3実施形態〕
図9は本発明の第3実施形態を示している。上述した第1及び第2の実施形態と異なる点は、射出ノズル4を可撓性合成樹脂シートで袋状に溶着成形された貯水袋1に、くびれ端部から頂点部の射出ノズル4の配設部位にかけて、V字形状の流路2を設けてある。頂点部には、鳥のくちばし状の射出ノズル4と、洗浄直前に切り取るノズル開封蓋9が配設されている。鳥のくちばし状の射出ノズル4の流路のノズル傾斜孔は傾斜し、少ない水で射出圧力を高めるテーパー部を並配設してあり、なお且つ、本体のくびれ把持部13を把持押圧する事で、把持押圧洗浄時にV字形状の流路2が水圧で棒状に膨張硬化するので、射出ノズルのフラつきによる射出水の方向変化が抑えられ、上述した射出ノズルの構造により少量の水で適度な水圧を得られ、効率良く楽な姿勢で局部の洗浄性を高める効果がある。図10は射出ノズル4の拡大図である。また、図11は射出ノズル部4の開封状態拡大図である。
【符号の説明】
【0027】
1 貯水袋
11 スナップボタン凸
12 スナップボタン凹
13 くびれ把持部
14 捲着部
2 流路
3 蓋
4 射出ノズル
41 止水蓋
42 Y字連結部
43 傾斜ノズル孔
44 テーパー部
45 取外しタブ
46 止水蓋栓結合ロック
47 変形防止リブ
5 溶着部
6 充填水
7 給排水口
8 雄ねじ部
9 ノズル開封蓋
【技術分野】
【0001】
本発明は、局部洗浄具であって、特に、コンパクトに折り畳め、携帯性が優れた使い捨て局部洗浄具に関するものである。
【背景技術】
【0002】
携帯用の局部洗浄具には、電動式と手動式の洗浄具が存在する。
【0003】
電動式では、モーター、同モーターを駆動するための電池、水を蓄える貯水容器及び水を射出する射出ノズルから成り、使用する際には、貯水容器に水を入れ、スイッチで電源を入力することによりモーターを駆動させ、射出ノズルより水を射出して局部の洗浄を行なう(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
手動式では、可撓性の貯水容器に射出ノズルを配設して、同貯水容器に水を入れ、押圧することによって射出ノズルより水を射出し、局部の洗浄を行なう携帯用の局部洗浄具がある(例えば、特許文献2参照。)。また、貯水容器に手動空気ポンプと射出ノズルを配設し、貯水容器に空気ポンプで空気を送り圧縮された空気を使用して水を射出ノズルより射出し、局部の洗浄を行なう携帯用の局部洗浄具も開示されている(例えば、特許文献3参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特許第3488356号公報
【特許文献2】特開2000−139760号公報
【特許文献3】特許第3080869号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、電動式の携帯性では、貯水容器、射出ノズル及び電池を配設するための空間が必要であるために、製品サイズが大きくなり、各部品の重量によって製品重量が重く、携帯性に優れているものではない。また、貯水容器内部の雑菌繁殖と外部の雑菌付着、局部洗浄後の射出ノズルの雑菌消毒対策に衛生管理上の問題がある。
【0007】
また、貯水容器を可撓性の容器にした携帯用局部洗浄具では、重量は軽減できるが、貯水容器部分あるいは射出ノズル部分が大きく、形状も携帯性に優れているものではなく、上述した電動式同様、貯水容器内部の雑菌繁殖と外部の雑菌付着、局部洗浄後の射出ノズルの雑菌消毒対策に衛生管理上の問題がある。
【0008】
また、貯水容器に手動空気ポンプと射出ノズルを配設した携帯用局部洗浄具においても、上述手動式と同様であり、携帯性を損なうと共に、貯水容器内部の雑菌繁殖と外部の雑菌付着、局部洗浄後の射出ノズルの雑菌消毒対策に衛生管理上の問題がある。
【0009】
本発明は、上記の問題点に鑑みて、貯水容器、射出ノズルも含め軽量コンパクトに細かく折り畳みができることや、筒状に捲いた状態でもかさばらずにポケットに収納できる携帯性が飛躍的に優れた機能を保持し、低コストで製作でき、特に、使用後に分別廃棄することも無く、簡単に使い捨てすることができるとともに、使い捨てをする事により雑菌消毒など衛生管理も必要としない把持押圧型携帯用使い捨て局部洗浄具を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の携帯用局部洗浄具は、上記の課題を解決するため、第1の手段は、可撓性合成樹脂シート製で、中央にくびれを有する袋状に溶着成形された貯水袋1と、前記貯水袋の端部に配設された給排水口7と、前記端部と逆の端部にチップ成形された射出ノズル4と、を有することを特徴とする。
【0011】
第2の手段は、第1の手段に記載の携帯用局部洗浄具であって、射出ノズルは、射出ノズル水平面に対し約105°の傾斜角に設定された孔径1.5〜2.5mmφの傾斜ノズル孔43と、貯水袋方向にラッパ状に広がる、前記傾斜ノズル孔と貯水袋とを連結するテーパー部44と、前記傾斜ノズル孔の内側に結合する、前記孔径より0.2mm大きい外径の止水蓋栓結合ロック46を有するタブ付き止水蓋41と、を備えることを特徴とする。
【0012】
第3の手段は、第1又は第2の手段のいずれかに記載の携帯用局部洗浄具であって、給排水口には、2列の嵌合式ファスナーと、スナップボタンが配設され、給排水口から貯水袋に至る部分が捲着可能であることを特徴とする。
【0013】
第4の手段は携帯用局部洗浄具であって、可撓性合成樹脂シート製で、中央にくびれを有する袋状に溶着成形された貯水袋1と、前記貯水袋の端部に配設された給排水口7と、前記端部と逆の端部に、鳥のくちばし状で貯水袋の水平面に対し約105°の傾斜角を有する孔径1.5〜2.5mmφの射出ノズル4と、前記射出ノズルの先端のノズル開封蓋9と、を有することを特徴とする。
【0014】
第5の手段は、第1〜4の手段のいずれかに記載の携帯用局部洗浄具であって、貯水袋には、中央から射出ノズル方向に、先細りのV字形状の流路2が形成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、可撓性合成樹脂シート、例えば、ポリエチレン又は軟質塩化ビニールで、中央に把持しやすくする為のくびれ形を有する一升瓶断面形状に袋状溶着成形された貯水袋と、同貯水袋に水を出し入れするため開口された給排水口と、水を射出するチップ成形されたノズルを溶着させた射出ノズルとを配設した一体袋構造で、給排水口には密閉可能な蓋を有する。また、射出ノズルには洗浄時に取り外すノズル止水蓋を有している。このように、軽量で射出ノズルも含めた一体袋構造の携帯用使い捨て局部洗浄具とすることにより、コンパクトに細かく折り畳みができ、筒状に巻いた状態でもかさばらずにポケットに収納でき、携帯性を飛躍的に向上させることができる。
【0016】
配設する部品点数を少なくしたシンプル構造なので、製品を安価に製作できるとともに、使い捨てとすることで、器具の雑菌汚染による感染症予防のための衛生管理対策も不要であり、分別廃棄の手間もなく簡単に捨てられる。
【0017】
さらに、袋状に溶着成形された形状はシンプルであり、貯水袋部位に把持する為のくびれ形状と貯水袋部位端から頂点部の射出ノズル配設部位にかけて、水圧確保と操作性を良くするためのV字形状の流路を設けてあり、頂点部に配設された射出ノズルに至るまで中間に水流を阻害するものが配設されていないので、把持押圧したとき射出ノズルからの吐出水の射出はきわめてスムーズであり、なお且つ、V形状の流路が水圧で棒状に膨張硬化するので、射出ノズルのフラつきによる射出水の方向変化が抑えられ、適度な水圧を効率良く確保し、局部の洗浄性をより高める効果があるのと、チップ成形されたノズル傾斜孔には、傾斜と射出圧力を高めるテーパー部を並設配してあるので、把持押圧洗浄時、手、腕を無理に曲げたりひねったりしなくても、ノズルより適度な圧力で射出される水が局部に当たり、楽な姿勢でより効率良く局部洗浄ができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】 第1実施形態の携帯用局部洗浄具の斜視図である。
【図2】 第1実施形態において水を充填した捲着した給排水口図である。
【図3】 第1又は第3実施形態の捲着した給排水口の拡大断面図である。
【図4】 第2実施形態の携帯用局部洗浄具の斜視図である。
【図5】 第2実施形態において水を充填した図である。
【図6】 第1又は第2実施形態の射出ノズル部開蓋時の水射出角度及び拡大断面構造図である。
【図7】 第1又は第2実施形態の射出ノズル部閉蓋時の拡大断面構造図である。
【図8】 第1又は第2実施形態の射出ノズル部閉蓋時の拡大斜視図である。
【図9】 第3実施形態の携帯用局部洗浄具の斜視図である。
【図10】 第3実施形態の射出ノズル部の拡大図である。
【図11】 第3実施形態の射出ノズル部の開封状態拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明を実施するための形態を図に基づいて説明する。
【0020】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態を示す携帯用使い捨て局部洗浄具であり、可撓性合成樹脂シート、例えば、ポリエチレン又は軟質塩化ビニールで中央に把持しやすくする為のくびれ把持部13を有する一升瓶断面形状の袋状に溶着成形された貯水袋1に、水を出し入れするために開口された給排水口7とともに、水を射出するチップ成形されたノズルを溶着させた射出ノズル4を配設した一体袋構造で、給排水口7には密閉可能な蓋3と給排水口7を捲着固定用のスナップボタン凸11及びスナップボタン凹12とを有し、射出ノズル4には、水漏れを防止するために、洗浄直前に取り外すタブ付きノズルの止水蓋41を有する。
【0021】
図2は、本実施形態において約350ml水を充填した場合の捲着部14の状態を示している。蓋3には、凹凸の嵌合式ファスナーが2列に配設されているのと、把持押圧時の水圧で前記ファスナーが外れる事を防止する為、捲着部14には、スナップボタン凸11及びスナップボタン凹12が表裏に配設され捲着固定する事で、水路を狭めファスナーへの水圧が緩衝されファスナーが外れる事を防止している。なお、図3は捲着部14の拡大断面図である。水充填量約350mlは、把持押圧洗浄完了迄に1回当たり要する本実施形態での平均消費水量である。
【0022】
図8に示すように、貯水袋1には上部くびれ端部から頂点部の射出ノズル4の配設部位にかけて、V字形状の流路2を設けてある。水圧で棒状に膨張硬化するので、射出ノズル4のフラつきによる射出水の方向変化が抑えられ、洗浄時に狭い便器内での洗浄具の操作性を良くし、さらに、本形状の流路2により射出水圧力を高める事ができる。
【0023】
図7に示すように、貯水袋1の先端部にはチップ成形された射出ノズル4が溶着されている。チップ成形された傾斜ノズル孔43には、射出圧力を高めるテーパー部44を並配設してあり、なお且つ、把持押圧洗浄時にV字形状の流路2が水圧で棒状に膨張硬化するので、射出ノズル4のフラつきによる射出水の方向変化が抑えられるのと、少量の水で適度な水圧を効率良く確保し局部の洗浄性をより高める効果があり、本体のくびれ把持部13を把持押圧する事で洗浄時に、手、腕を無理に曲げたりひねったりしなくても良く、ノズルより適度な圧力で射出される水が局部に当たり、楽な姿勢でより効率良く局部洗浄ができる。また、射出ノズル4には、水漏れ防止の取外しタブ45が付いた止水蓋41が連結され、ノズル傾斜孔43に止水蓋栓結合ロック46をされているので、水を充填し把持押圧洗浄する直前に、止水蓋41を取り外して局部洗浄を行なう。
【0024】
〔第2実施形態〕
図4は第2実施形態を示す。貯水袋1に開口された給排水口7を有した雄ねじ部8が溶着されており、雌ねじを有した密閉可能な蓋3で螺着可能に構成している。図5は密閉蓋を閉じて約350ml水を充填した状態を示している。
【0025】
第1及び第2の実施形態の射出ノズル4について、図6を用いて詳述する。本図は開蓋時の拡大断面構造図である。溶着部5を有する貯水袋1の先端部には、可撓性合成樹脂、例えば、ポリエチレン又は軟質塩化ビニールでチップ成形された射出ノズル4が溶着されている。射出孔径が1.5〜2.5mmφで、射出ノズル4の水平面に対して傾斜角が約105°に設定されるチップ成形された傾斜ノズル孔43には、射出圧力を高めるため、傾斜ノズル孔43に連設する底部が径約8mmφのテーパー部44を並配設してあり、小量の水で適度な水圧を効率良く確保し、局部の洗浄性をより高める効果がある。射出孔径1.5〜2.5mmφの設定は、1.5mmφより小さいと、射出水量の不足と洗浄時間を長く要して洗浄効率が劣り、2.5mmφより大きいと、射出水量過多及び水圧不足で洗浄効率が劣ることに基づいている。また、射出された洗浄水は約105°の傾斜を保って射出されるので、本体のくびれ把持部13を把持押圧する洗浄時に、手、腕を無理に曲げたりひねったりしなくても楽に局部に当たり、楽な姿勢でより効率良く局部洗浄ができる。射出ノズル4には、洗浄直前に取り外す連結された取外しタブ45が付いた漏出防止用の止水蓋41が配設され、連結部は連結を抜脱時に射出水路を確保するため、止水蓋装着後の連結部の経時的な曲がり癖による射出水路蓋被さりを抑制するため、変形防止リブ47付きY字連結部42を配設した。また、止水蓋栓結合ロック46は、外径1.7〜2.7mmφの結合ロック部を有し、洗浄時以外の蓋抜脱による漏出防止をしている。傾斜ノズル孔43は、止水蓋栓結合ロック46がされているので、水を充填し把持押圧洗浄する直前に、タブ45を引き上げて止水蓋41を抜脱し局部洗浄する。図7は、射出ノズルの閉蓋時の拡大断面構造図である。
【0026】
〔第3実施形態〕
図9は本発明の第3実施形態を示している。上述した第1及び第2の実施形態と異なる点は、射出ノズル4を可撓性合成樹脂シートで袋状に溶着成形された貯水袋1に、くびれ端部から頂点部の射出ノズル4の配設部位にかけて、V字形状の流路2を設けてある。頂点部には、鳥のくちばし状の射出ノズル4と、洗浄直前に切り取るノズル開封蓋9が配設されている。鳥のくちばし状の射出ノズル4の流路のノズル傾斜孔は傾斜し、少ない水で射出圧力を高めるテーパー部を並配設してあり、なお且つ、本体のくびれ把持部13を把持押圧する事で、把持押圧洗浄時にV字形状の流路2が水圧で棒状に膨張硬化するので、射出ノズルのフラつきによる射出水の方向変化が抑えられ、上述した射出ノズルの構造により少量の水で適度な水圧を得られ、効率良く楽な姿勢で局部の洗浄性を高める効果がある。図10は射出ノズル4の拡大図である。また、図11は射出ノズル部4の開封状態拡大図である。
【符号の説明】
【0027】
1 貯水袋
11 スナップボタン凸
12 スナップボタン凹
13 くびれ把持部
14 捲着部
2 流路
3 蓋
4 射出ノズル
41 止水蓋
42 Y字連結部
43 傾斜ノズル孔
44 テーパー部
45 取外しタブ
46 止水蓋栓結合ロック
47 変形防止リブ
5 溶着部
6 充填水
7 給排水口
8 雄ねじ部
9 ノズル開封蓋
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可撓性合成樹脂シート製で、中央にくびれを有する袋状に溶着成形された貯水袋(1)と、前記貯水袋の端部に配設された給排水口(7)と、前記端部と逆の端部にチップ成形された射出ノズル(4)と、を有することを特徴とする携帯用局部洗浄具。
【請求項2】
射出ノズルは、射出ノズル水平面に対し約105°の傾斜角に設定された孔径1.5〜2.5mmφの傾斜ノズル孔(43)と、貯水袋方向にラッパ状に広がる、前記傾斜ノズル孔と貯水袋とを連結するテーパー部(44)と、前記傾斜ノズル孔の内側に結合する、前記孔径より0.2mm大きい外径の止水蓋栓結合ロック(46)を有するタブ付き止水蓋(41)と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯用局部洗浄具。
【請求項3】
給排水口には、2列の嵌合式ファスナーと、スナップボタンが配設され、給排水口から貯水袋に至る部分が捲着可能であることを特徴とする請求項1又は2いずれかに記載の携帯用局部洗浄具。
【請求項4】
可撓性合成樹脂シート製で、中央にくびれを有する袋状に溶着成形された貯水袋(1)と、前記貯水袋の端部に配設された給排水口(7)と、前記端部と逆の端部に、鳥のくちばし状で貯水袋の水平面に対し約105°の傾斜角を有する孔径1.5〜2.5mmφの射出ノズル(4)と、前記射出ノズルの先端のノズル開封蓋(9)と、を有することを特徴とする携帯用局部洗浄具。
【請求項5】
貯水袋には、中央から射出ノズル方向に、先細りのV字形状の流路(2)が形成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の携帯用局部洗浄具。
【請求項1】
可撓性合成樹脂シート製で、中央にくびれを有する袋状に溶着成形された貯水袋(1)と、前記貯水袋の端部に配設された給排水口(7)と、前記端部と逆の端部にチップ成形された射出ノズル(4)と、を有することを特徴とする携帯用局部洗浄具。
【請求項2】
射出ノズルは、射出ノズル水平面に対し約105°の傾斜角に設定された孔径1.5〜2.5mmφの傾斜ノズル孔(43)と、貯水袋方向にラッパ状に広がる、前記傾斜ノズル孔と貯水袋とを連結するテーパー部(44)と、前記傾斜ノズル孔の内側に結合する、前記孔径より0.2mm大きい外径の止水蓋栓結合ロック(46)を有するタブ付き止水蓋(41)と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の携帯用局部洗浄具。
【請求項3】
給排水口には、2列の嵌合式ファスナーと、スナップボタンが配設され、給排水口から貯水袋に至る部分が捲着可能であることを特徴とする請求項1又は2いずれかに記載の携帯用局部洗浄具。
【請求項4】
可撓性合成樹脂シート製で、中央にくびれを有する袋状に溶着成形された貯水袋(1)と、前記貯水袋の端部に配設された給排水口(7)と、前記端部と逆の端部に、鳥のくちばし状で貯水袋の水平面に対し約105°の傾斜角を有する孔径1.5〜2.5mmφの射出ノズル(4)と、前記射出ノズルの先端のノズル開封蓋(9)と、を有することを特徴とする携帯用局部洗浄具。
【請求項5】
貯水袋には、中央から射出ノズル方向に、先細りのV字形状の流路(2)が形成されていることを特徴とする請求項1〜4いずれかに記載の携帯用局部洗浄具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−245249(P2011−245249A)
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−133394(P2010−133394)
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(500360389)株式会社フラップ (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年12月8日(2011.12.8)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年5月25日(2010.5.25)
【出願人】(500360389)株式会社フラップ (3)
【Fターム(参考)】
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