携帯用端末装置、情報閲覧用プログラム、サーバ装置及び、閲覧情報提供用プログラム
【課題】位置情報に対応付けられたコンテンツ情報を現在位置に基づいて閲覧しているユーザに、当該ユーザによって興味があると想定される当該コンテンツ情報に関連情報を的確に提供すること。
【解決手段】携帯用通信端末装置300は、現在位置に基づいて取得したコンテンツ情報Cのコンテンツ特徴量と当該各携帯用通信端末装置300が向けられた方角AG及び当該方角AGに対する仰角EAとに基づいて、各コンテンツ特徴量を補正し、当該補正したコンテンツ特徴量に基づいて、コンテンツ情報Cに関連があると想定される関連情報Rを選定して表示する。
【解決手段】携帯用通信端末装置300は、現在位置に基づいて取得したコンテンツ情報Cのコンテンツ特徴量と当該各携帯用通信端末装置300が向けられた方角AG及び当該方角AGに対する仰角EAとに基づいて、各コンテンツ特徴量を補正し、当該補正したコンテンツ特徴量に基づいて、コンテンツ情報Cに関連があると想定される関連情報Rを選定して表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用電話機などの携帯用端末装置に関し、特に、端末装置の現在位置とその姿勢情報に基づいて位置情報に対応して提供される情報を閲覧するための技術に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯用電話機などの携帯用端末装置の進歩に伴って、GPS(Global Positioning System)などの現在位置を認識する機能と連動させて当該端末装置の現在位置を特定しつつ、場所に固定化された付加情報(文字・画像・音声)を、撮像した現実空間の画像上に重ねて表示する技術が普及し始めている。例えば、この表示機能を有する携帯用端末装置としては、内蔵するカメラ機能を用いるとともに、所定の場所において所定の方向を撮像した場合に、携帯用端末装置の現在位置及び撮像方向を認識しつつ、表示パネルに撮像された動画像を表示し、当該表示された動画像上に付加情報を表示するようになっている。
【0003】
一方、近年、車両または携帯用電話機などに搭載されるナビゲーション装置が一般化している。特に、最近では、人間または車両など移動体における特定の場所に対する訪問パターンまたは当該ユーザの嗜好その他のユーザ特性など、ユーザの動向を抽出する装置を有し、当該抽出した情報を利用するナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−155757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の抽出装置にあっては、ユーザ特性を抽出しているだけで、当該ユーザが注目している情報、すなわち、当該ユーザが要望する情報を選定して提供していないので、抽出した情報を利用するという観点からは更なる検討の余地がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、位置情報に対応付けられたコンテンツ情報を現在位置に基づいて閲覧しているユーザに、当該ユーザによって興味があると想定される当該コンテンツ情報に関連情報を的確に提供すること、及び、それにより提供された情報の閲覧数を向上させて効果的な情報提供を実現させることが可能な情報閲覧端末装置及び情報閲覧用プログラムなどを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決するため、本発明の携帯用端末装置は、現実空間の位置に対応付けられて提供されるコンテンツ情報と当該コンテンツ情報に関連する関連情報とをユーザに閲覧させる携帯用端末装置であって、前記現実空間における現在位置を検出する現在位置検出手段と、所定の画像表示領域を有する表示手段と、前記現実空間における当該携帯用端末装置の向けられた方向を端末方向として検出する方向検出手段と、前記検出した現在位置に基づいて、前記コンテンツ情報及び当該コンテンツ情報のコンテンツ特徴量を他の通信装置または記録手段から取得する取得手段と、前記検出された端末方向に基づいて、前記検出された現在位置と前記取得されたコンテンツ情報が有する前記現実空間における位置とを関連付けつつ、前記端末方向に存在する前記取得されたコンテンツ情報を前記画像表示領域に表示させる表示制御手段と、前記検出された端末方向または前記画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置の少なくとも何れか一方に基づいて、少なくとも当該画像表示領域に表示されているコンテンツ情報に関する重み係数を算出する重み係数算出手段と、前記算出された重み係数を用いて、前記コンテンツ情報とともに取得したコンテンツ特徴量を補正する補正手段と、前記補正されたコンテンツ特徴量と前記記憶手段に前記関連情報とともに記憶された関連情報特徴量とに基づいて、前記取得されたコンテンツ情報と各関連情報との類似度を算出する類似度算出手段と、前記算出された類似度に基づいて該当する関連情報を選定する選定手段と、を備え、前記表示制御手段が、前記選定された関連情報または当該関連情報を特定するための特定情報を前記表示手段に表示させる構成を有している。
【0008】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、当該携帯用端末装置の向けた端末方向及び画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置に基づいて、ユーザが注目しているコンテンツ情報についてのコンテンツ特徴量に対する重み付けが大きくなるように、当該コンテンツ特徴量を補正することができる。したがって、本発明の携帯用端末装置は、コンテンツ情報と関連情報との類似度を算出する場合に、ユーザの注目度を参酌することができるので、商品またはサービスの広告などのユーザによって興味がある情報を的確に提供すること、及び、それにより提供された情報の閲覧数を向上させて効果的な情報提供を実現させることができる。
【0009】
(2)また、本発明の携帯用端末装置は、前記方向検出手段が、前記端末方向として、当該携帯用端末装置の方角を検出するとともに、前記重み付け係数算出手段が、前記検出された端末方向の方角及び現在位置に基づいて、前記取得されたコンテンツ情報の現実空間内における位置と当該携帯用端末装置の現在位置との角度差を算出し、当該算出された角度差に基づいて、当該コンテンツ情報における重み係数を算出する構成を有している。
【0010】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、例えば、取得されたコンテンツ情報の現実空間内における位置と当該携帯用端末装置の現在位置との角度差が小さいほど、重み付け係数が大きくすることができるので、画像表示領域の中心に表示されたコンテンツ情報をユーザがより注目しているコンテンツ情報として取り扱うことができる。すなわち、ユーザが注目しているコンテンツ情報は、画像表示領域の中心に表示させることが多いので、本発明の携帯用端末装置は、この特性を利用してユーザが注目しているコンテンツ情報を的確に抽出することができる。
【0011】
(3)また、本発明の携帯用端末装置は、前記重み付け係数算出手段が、前記算出された角度差が小さいほど、前記重み付け係数が大きくなるように、当該コンテンツ情報における重み係数を算出する構成を有している。
【0012】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、取得されたコンテンツ情報の現実空間内における位置と当該携帯用端末装置の現在位置との角度差が小さいほど、重み付け係数が大きくすることができるので、画像表示領域の中心に表示されたコンテンツ情報をユーザがより注目しているコンテンツ情報として抽出することができる。
【0013】
(4)また、本発明の携帯用端末装置は、前記方向検出手段が、前記端末方向として、当該携帯用端末装置の方角に対する仰角を検出するとともに、前記重み付け係数算出手段が、前記検出された仰角の大きさに基づいて、当該コンテンツ情報における重み係数を算出する構成を有している。
【0014】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、携帯用端末装置の仰角を操作することによって、当該携帯用通信端末装置の現実空間における現在位置より遠くの位置に対応付けられたコンテンツ情報についてユーザが注目した場合に、または、当該現在位置周辺の位置に対応付けられたコンテンツ情報についてユーザが注目した場合に、当該注目したコンテンツ情報の重み付け係数を調整することができる。
【0015】
(5)また、本発明の情報閲覧端末装置は、前記重み付け係数算出手段が、前記検出された仰角に基づいて当該携帯用端末装置が水平面より上方に傾いている場合には、当該携帯用端末装置から現実空間内で遠くの位置に対応付けられているコンテンツ情報の重み係数を、現実空間内で近くの位置に対応付けられているコンテンツ情報の重み係数より大きくし、前記検出された仰角に基づいて当該携帯用端末装置が前記水平面より下方に傾いている場合には、当該携帯用端末装置から現実空間内で近くの位置に対応付けられているコンテンツ情報の重み係数を、現実空間内で遠くの位置に対応付けられているコンテンツ情報の重み係数より大きくする構成を有している。
【0016】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、当該携帯用通信端末装置の現実空間における現在位置より遠くの位置に対応付けられたコンテンツ情報についてユーザが注目した場合に、または、当該現在位置周辺の位置に対応付けられたコンテンツ情報についてユーザが注目した場合に注目されたコンテンツ情報における重み付け係数を調整することができる。したがって、本発明の携帯用端末装置は、当該携帯用端末装置の現在位置からの距離とは無関係に、ユーザによって注目されたコンテンツ情報を的確に抽出することができる。
【0017】
(6)また、本発明の携帯用端末装置は、前記画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の当該画像表示領域内における表示位置の座標を検出する座標検出手段を更に有し、前記重み付け係数算出手段が、前記画像表示領域の中心と前記表示されたコンテンツ情報の座標位置とに基づいて当該重み係数を算出する構成を有している。
【0018】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、当該携帯用通信端末装置の現実空間における現在位置より遠くの位置に対応付けられたコンテンツ情報についてユーザが注目した場合に、または、当該現在位置周辺の位置に対応付けられたコンテンツ情報についてユーザが注目した場合に注目されたコンテンツ情報における重み付け係数を調整することができる。
【0019】
(7)また、本発明の携帯用端末装置は、前記重み付け係数算出手段が、前記画像表示領域の中心に近い位置に表示されているほど、コンテンツ情報の重み係数を大きくする構成を有している。
【0020】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、画像表示領域の中心に近い位置に表示されているほど、重み付け係数が大きくすることができるので、画像表示領域の中心に表示されたコンテンツ情報をユーザがより注目しているコンテンツ情報として抽出することができる。
【0021】
(8)また、本発明の携帯用端末装置は、前記重み係数算出手段が、コンテンツ情報毎に複数の重み付け係数を算出するとともに当該算出された同一のコンテンツ情報における重み係数を合算し、前記補正手段が、前記合算された重み係数に基づいて、該当するコンテンツ情報におけるコンテンツ特徴量を補正する構成を有している。
【0022】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、様々な要素からユーザが注目しているコンテンツ情報を想定して各コンテンツ情報の重み係数を算出し、当該算出された各重み係数を合算してコンテンツ特徴量を補正することができるので、画像表示領域の中心に表示されたコンテンツ情報をユーザがより注目しているコンテンツ情報として抽出することができる。
【0023】
(9)また、本発明の携帯用端末装置は、前記コンテンツ特徴量及び前記関連情報特徴量が、前記コンテンツ情報または前記関連情報に含まれるテキスト情報を構成するキーワードの、各コンテンツ情報内または各関連情報内における出現頻度に基づいて特定された特徴量である、
【0024】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、キーワードの出現頻度に基づいて各コンテンツ特徴量及び関連情報特徴量を算出することができるので、的確にコンテンツ特徴量及び関連情報特徴量を規定することができる。したがって、本発明の携帯用端末装置は、的確にコンテンツ情報に類似する関連情報を抽出することができる。
【0025】
(10)上記課題を解決するため、本発明の情報閲覧用プログラムは、コンピュータによって、現実空間の位置に対応付けられて提供されるコンテンツ情報と当該コンテンツ情報に関連する関連情報とをユーザに閲覧させる携帯用端末装置によって適用される情報閲覧用プログラムであって、前記現実空間における現在位置を検出する現在位置検出手段と、所定の画像表示領域を有する表示手段と、前記現実空間における当該携帯用端末装置の向けられた方向を端末方向として検出する方向検出手段と、を有する携帯用端末装置に搭載されるコンピュータを、前記検出した現在位置に基づいて、前記コンテンツ情報及び当該コンテンツ情報のコンテンツ特徴量を他の通信装置または記録手段から取得する取得手段、前記検出された端末方向に基づいて、前記検出された現在位置と前記取得されたコンテンツ情報が有する前記現実空間における位置とを関連付けつつ、前記端末方向に存在する前記取得されたコンテンツ情報を前記画像表示領域に表示させる表示制御手段、前記検出された端末方向または前記画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置の少なくとも何れか一方に基づいて、少なくとも当該画像表示領域に表示されているコンテンツ情報に関する重み係数を算出する重み係数算出手段、前記算出された重み係数を用いて、前記コンテンツ情報とともに取得したコンテンツ特徴量を補正する補正手段、前記補正されたコンテンツ特徴量と前記記憶手段に前記関連情報とともに記憶された関連情報特徴量とに基づいて、前記取得されたコンテンツ情報と各関連情報との類似度を算出する類似度算出手段、及び、前記算出された類似度に基づいて該当する関連情報を選定する選定手段、として機能させ、前記表示制御手段として、前記選定された関連情報または当該関連情報を特定するための特定情報を前記表示手段に表示させる機能を備える構成を有している。
【0026】
この構成により、本発明の情報閲覧用プログラムは、当該携帯用端末装置の向けた端末方向及び画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置に基づいて、ユーザが注目しているコンテンツ情報についてのコンテンツ特徴量に対する重み付けが大きくなるように、当該コンテンツ特徴量を補正することができる。したがって、本発明の情報閲覧用プログラムは、コンテンツ情報と関連情報との類似度を算出する場合に、ユーザの注目度を参酌することができるので、商品またはサービスの広告などのユーザによって興味がある情報を的確に提供すること、及び、それにより提供された情報の閲覧数を向上させて効果的な情報提供を実現させることができる。
【0027】
(11)上記課題を解決するため、本発明のサーバ装置は、現実空間を撮像する機能を有する携帯用端末装置にコンテンツ情報と当該コンテンツ情報に関連する関連情報を閲覧可能に取得させるサーバ装置であって、前記コンテンツ毎に、当該コンテンツをデータとして形成するコンテンツデータ、前記現実空間内における位置を示す位置情報、及び、当該コンテンツに含まれるキーワードをデータとして形成するキーワードデータが記憶された第1のデータベースと、前記関連情報毎に、当該関連情報を形成する形成データ及び当該関連情報に含まれるテキストから算出された特徴量を示す特徴量データが記憶された第2のデータベースと、を制御する制御手段と、
【0028】
該当する前記携帯用端末装置とデータ通信を実行することによって、当該携帯用端末装置の前記現実空間における現在位置、及び、前記現実空間における当該携帯用端末装置の向けられた端末方向を取得する取得手段と、前記検出された端末方向に基づいて、前記検出された現在位置と前記取得されたコンテンツ情報が有する前記現実空間における位置とを関連付けつつ前記携帯用端末装置の前記画像表示領域に表示させるために、前記端末方向に存在する前記取得されたコンテンツ情報を提供する提供手段と、前記検出された端末方向または前記画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置の少なくとも何れか一方に基づいて、少なくとも当該画像表示領域に表示されているコンテンツ情報に関する重み係数を算出する重み係数算出手段と、前記算出された重み係数を用いて、前記コンテンツ情報のコンテンツ特徴量を補正する補正手段と、前記補正されたコンテンツ特徴量と前記記憶手段に前記関連情報とともに記憶された関連情報特徴量とに基づいて、前記取得されたコンテンツ情報と各関連情報との類似度を算出する類似度算出手段と、前記算出された類似度に基づいて該当する関連情報を選定する選定手段と、を備え、前記提供手段が、前記選定された関連情報または当該関連情報を特定するための特定情報を前記携帯用端末装置に提供する構成を有している。
【0029】
この構成により、本発明のサーバ装置は、当該携帯用端末装置の向けた端末方向及び画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置に基づいて、ユーザが注目しているコンテンツ情報についてのコンテンツ特徴量に対する重み付けが大きくなるように、当該コンテンツ特徴量を補正することができる。したがって、本発明のサーバ装置は、コンテンツ情報と関連情報との類似度を算出する場合に、ユーザの注目度を参酌することができるので、商品またはサービスの広告などのユーザによって興味がある情報を的確に提供すること、及び、それにより提供された情報の閲覧数を向上させて効果的な情報提供を実現させることができる。
【0030】
(12)上記課題を解決するため、本発明の情報提供用プログラムは、コンピュータによって、現実空間を撮像する機能を有する携帯用端末装置にコンテンツ情報と当該コンテンツ情報に関連する関連情報を閲覧可能に取得させる閲覧情報提供用プログラムであって、前記コンピュータを、前記コンテンツ毎に、当該コンテンツをデータとして形成するコンテンツデータ、前記現実空間内における位置を示す位置情報、及び、当該コンテンツに含まれるキーワードをデータとして形成するキーワードデータが記憶された第1のデータベースと、前記関連情報毎に、当該関連情報を形成する形成データ及び当該関連情報に含まれるテキストから算出された特徴量を示す特徴量データが記憶された第2のデータベースと、を制御する制御手段、該当する前記携帯用端末装置とデータ通信を実行することによって、当該携帯用端末装置の前記現実空間における現在位置、及び、前記現実空間における当該携帯用端末装置の向けられた端末方向を取得する取得手段、前記検出された端末方向に基づいて、前記検出された現在位置と前記取得されたコンテンツ情報が有する前記現実空間における位置とを関連付けつつ前記携帯用端末装置の前記画像表示領域に表示させるために、前記端末方向に存在する前記取得されたコンテンツ情報を提供する提供手段、前記検出された端末方向または前記画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置の少なくとも何れか一方に基づいて、少なくとも当該画像表示領域に表示されているコンテンツ情報に関する重み係数を算出する重み係数算出手段、前記算出された重み係数を用いて、前記コンテンツ情報のコンテンツ特徴量を補正する補正手段、前記補正されたコンテンツ特徴量と前記記憶手段に前記関連情報とともに記憶された関連情報特徴量とに基づいて、前記取得されたコンテンツ情報と各関連情報との類似度を算出する類似度算出手段、及び、前記算出された類似度に基づいて該当する関連情報を選定する選定手段、として機能させ、前記提供手段として、前記選定された関連情報または当該関連情報を特定するための特定情報を前記携帯用端末装置に提供する機能を備える構成を有している。
【0031】
この構成により、本発明の情報提供用プログラムは、当該携帯用端末装置の向けた端末方向及び画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置に基づいて、ユーザが注目しているコンテンツ情報についてのコンテンツ特徴量に対する重み付けが大きくなるように、当該コンテンツ特徴量を補正することができる。したがって、本発明の情報提供用プログラムは、コンテンツ情報と関連情報との類似度を算出する場合に、ユーザの注目度を参酌することができるので、商品またはサービスの広告などのユーザによって興味がある情報を的確に提供すること、及び、それにより提供された情報の閲覧数を向上させて効果的な情報提供を実現させることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の携帯用端末装置、サーバ装置、情報閲覧用プログラム及び情報閲覧用プログラムは、コンテンツ情報と関連情報との類似度を算出する場合に、ユーザの注目度を参酌することができるので、商品またはサービスの広告などのユーザによって興味がある情報を的確に提供すること、及び、それにより提供された情報の閲覧数を向上させて効果的な情報提供を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係るネットワークシステム一の実施形態におけるシステム構成図である。
【図2】一の実施形態におけるコンテンツ情報のデータ構造の一例である。
【図3】コンテンツ情報におけるコンテンツ特徴量を説明するための図である。
【図4】一の実施形態における関連情報のデータ構造の一例である。
【図5】一の実施形態における携帯用通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【図6】一の実施形態において、現在位置に基づくコンテンツ情報の検出について説明するための図である。
【図7】一の実施形態において、携帯用通信端末装置における端末方向の方角と取得したコンテンツ情報Cとの関係を説明する図と、当該方角に基づいて画像表示領域に表示されるコンテンツ情報について説明するための図である。
【図8】一の実施形態において、端末方向の方角が変化した場合の取得したコンテンツ情報Cとの関係を説明する図(その1)と、当該方角に基づいて画像表示領域に表示されるコンテンツ情報について説明するための図である。
【図9】一の実施形態において、端末方向の方角が変化した場合の取得したコンテンツ情報Cとの関係を説明する図(その2)と、当該方角に基づいて画像表示領域に表示されるコンテンツ情報について説明するための図である。
【図10】一の実施形態において、端末方向の仰角が変化した場合の取得したコンテンツ情報Cとの関係を説明する図(その1)と、当該方角に基づいて画像表示領域に表示されるコンテンツ情報について説明するための図である。
【図11】一の実施形態において、端末方向の仰角が変化した場合の取得したコンテンツ情報Cとの関係を説明する図(その1)と、当該方角に基づいて画像表示領域に表示されるコンテンツ情報について説明するための図である。
【図12】一の実施形態において、画像表示領域に表示されているコンテンツ情報が拡大された際の画像表示領域と表示されるコンテンツ情報との関係を説明するための図である。
【図13】一の実施形態において、画像表示領域に表示された推薦情報を説明するための図である。
【図14】一の実施形態の携帯用通信端末装置における情報提供処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、ネットワークを介して携帯用電話機などの携帯用通信端末装置に対して、または、サーバ装置に対して、本発明の携帯用端末装置、情報閲覧用プログラム、サーバ装置及び情報提供用プログラムを適用した場合の実施形態である。
【0035】
<ネットワークシステムの概要構成>
まず、図1を用いて本実施形態のネットワークシステム10の概要構成について説明する。なお、図1は、ネットワークシステム10の構成を示すシステム構成図である。
【0036】
本実施形態のネットワークシステム10は、図1に示すように、店舗における広告または施設に関する案内などの文書または画像を含む現実空間の位置に対応付けられた複数のコンテンツ情報Cと本、物品または施設の情報などコンテンツ情報Cに関連する複数の関連情報Rが予め記憶されたデータベース100と、データベース100の制御及びコンテンツ情報C及び関連情報Rの管理を行うサーバ装置200と、から構成される。
【0037】
また、ネットワークシステム10は、ユーザが個々に有し、携帯可能な複数の通信端末装置(以下、「携帯用通信端末装置」という。)300を含む。各携帯用通信端末装置300は、ユーザにコンテンツ情報Cを画像表示領域DAに閲覧可能に表示する。そして、各携帯用通信端末装置300は、基地局BSまたはインターネット若しくは公衆電話回線網などのネットワークNを介して、データベース100及びサーバ装置200と、他の携帯用通信端末装置300と、または、図示しない他の通信装置と接続されている。
【0038】
特に、各携帯用通信端末装置300は、所定の画像表示領域DAを有し、当該各携帯用通信端末装置300の現実空間における現在位置(以下、単に「現在位置」という。)Pに基づいてデータベース100から取得したコンテンツ情報Cを、当該画像表示領域DAに表示する。具体的には、各携帯用通信端末装置300は、当該各携帯用通信端末装置300がユーザによって向けられている端末方向、すなわち、携帯用通信端末装置300の向いている方角(以下、単に「方角」という。)AG及び当該方角AGに対する仰角(以下、単に「仰角」という。)EAを検出し、検出した方角AG及び仰角EAに基づいて、各携帯用通信端末装置300が向いている方向であって、当該各携帯用通信端末装置300の現実空間における現在位置から所定の距離内に存在するコンテンツ情報Cを、画像表示領域DAに表示する。
【0039】
また、各携帯用通信端末装置300は、予め算出されてデータベース100に記憶された各コンテンツ情報Cの特徴量(以下、「コンテンツ特徴量」という。)をコンテンツ情報Cとともに取得し、当該各携帯用通信端末装置300が向けられた方角AG及び当該方角AGに対する仰角EAに基づいて、各コンテンツ特徴量を補正する。このとき、各携帯用通信端末装置300は、画像表示領域DAに表示されたコンテンツ情報Cの表示が拡大されている場合には、当該拡大率に基づいても各コンテンツ特徴量を補正する。
【0040】
さらに、携帯用通信端末装置300は、補正されたコンテンツ特徴量と関連情報R毎に予め算出されて記憶されている特徴量(以下、「関連情報特徴量」という。)とに基づいて、各コンテンツ情報Cと関連情報Rとの類似度を算出し、画像表示領域DAに表示されているコンテンツ情報Cに関連があると想定される関連情報R(以下、「推薦情報」ともいう。)を選定する。そして、携帯用通信端末装置300は、選定した関連情報(すなわち、推薦情報)Rを画像表示領域DAにコンテンツ情報Cとともに表示するようになっている。
【0041】
この構成により、本実施形態の各携帯用通信端末装置300は、携帯用通信端末装置300が向いている方向、すなわち、方角AGと仰角EAと、画像表示領域DAに表示されているコンテンツ情報Cの拡大率に基づいて、ユーザが注目していると想定されるコンテンツ情報Cを識別する。そして、各携帯用通信端末装置300は、当該ユーザが注目していると想定されるコンテンツ情報Cのコンテンツ特徴量の重み付けを与えるための重み付け係数を算出し、算出した重み付け係数に基づいて、コンテンツ特徴量及び推薦すべき情報である関連情報Rにおける関連情報特徴量との類似度を算出して選定する推薦情報を選定する。したがって、各携帯用通信端末装置300は、商品またはサービスの広告など、ユーザによって興味があるコンテンツ情報Cに関連する関連情報Rを提供すること、及び、それにより提供された情報の閲覧数を向上させて効果的な情報提供を実現させることができる。
【0042】
<データベース>
次に、図2及び図3の各図を用いて本実施形態のデータベース100と当該データベース100に記憶されているコンテンツ情報C及び関連情報Rについて説明する。
【0043】
なお、図2は、本実施形態において、コンテンツ情報Cにおけるデータ構造の一例を示し、図3は、コンテンツ情報Cに含まれる各情報に基づいて予め算出されるコンテンツ特徴量を説明するための図である。また、図4は、本実施形態において、関連情報Rにおけるデータ構造を示す一例である。
【0044】
本実施形態のデータベース100には、WWWシステム用のリソースデータ(以下、「Webページデータ」ともいう。)によってコンテンツ情報Cが所定のデータ構造を有して記録されている。各コンテンツ情報Cは、広告、画像、テキストまたは複数の文の纏まりなどタイプや内容が異なる複数の構成要素をタグと呼ばれる識別子を用いつつ、HTML(Hyper Text Markup Language)またはXML(eXtensible Markup Language)などのマークアップ言語によって構成されている。
【0045】
例えば、各コンテンツ情報Cは、店舗または場所を紹介するためのコンテンツ情報Cであり、図2に示すように、各コンテンツ情報Cの識別を行うためのコンテンツIDと、現実空間の座標を示す座標情報と、テキストとしてコンテンツ情報Cのタイトルを示すタイトル情報及びコンテンツ情報Cの内容を示す提供情報と、から構成される。
【0046】
コンテンツIDは、固有のURL(Uniform Resource Locator)と呼ばれるデータベース100における格納場所を示すアドレス(以下、「URL」という。)また文字の固有の組み合わせなど他のコンテンツ情報Cと識別するための情報である。座標情報は、緯度及び経度から構成される現実空間に対応付けられた座標情報である。タイトル情報は、店舗の名称、カテゴリ、場所の名前または種別などのテキストの情報であり、提供情報は、店舗や場所の特徴または、当該店舗や場所における推奨されるべき情報である。そして、例えば、本実施形態では、図3(a)に示すように、第1コンテンツ情報C1が携帯用通信端末装置300の画像表示領域DAに表示される
【0047】
また、各コンテンツ情報Cには、予め算出されたコンテンツの特徴量を示すコンテンツ特徴量が含まれる。コンテンツ特徴量は、タイトル情報及び提供情報に対して形態素解析を実行して品詞に分解しつつ不要な品詞を排除して抽出されたキーワード、所定のキーワード辞書に含まれたキーワードと完全一致したキーワード、または、コンテンツ情報Cを提供する提供者またはシステム管理者によって抽出されたキーワードに基づいて算出された文書ベクトルである。具体的には、文書ベクトルは、タイトル情報及び提供情報において抽出されたキーワードの出現頻度と各キーワードにおける一のコンテンツ情報C内に出現する出現頻度を示すTF−IDF(Term Frequency − Inverse Document Frequency)によって形成される。
【0048】
例えば、図3(b)に示すように、第1コンテンツ情報C1、すなわち、コンテンツID「info001」におけるコンテンツ特徴量は、タイトル情報「コーヒーの店」及び提供情報「豆にこだわった本格的なコーヒーが飲める店」から形態素解析を実行して抽出された各キーワード「コーヒー」、「豆」及び「店」に対して第1コンテンツ情報C内における出現頻度「TF」と全てのコンテンツ情報C(例えば、第1コンテンツ情報C1から第10コンテンツ情報C10)内における出現頻度「DF」に基づいて算出されたキーワード毎の「TF−IDF(=TF/DF)」の文書ベクトル(Tj)である。また、文書ベクトル(Tj)は、(式1)に示すようなベクトルである。
【0049】
【数1】
【0050】
なお、(式1)において、「j」は、コンテンツIDを示し、「Key1」〜「Keym」は、形態素解析によって検出されたキーワードのテキストを示し、「tj1」」〜「tjm」は、算出された各キーワードのTF−IDFの値を示す。
【0051】
一方、データベース100には、所定の形式によって推薦情報の候補となるべき関連情報(以下、「関連候補情報」または「推薦候補情報」ともいう。)Rが所定のデータ構造を有して記憶されている。例えば、各関連情報Rは、図4に示すように、関連情報Rを識別するためのIDと、各関連情報Rのタイトル情報、テキストまたは画像などの提供情報と、から構成される。
【0052】
IDは、固有のURL(Uniform Resource Locator)と呼ばれるデータベース100における格納場所を示すアドレス(以下、「URL」という。)また文字の固有の組み合わせなど他のコンテンツ情報Cと識別するための情報である。タイトル情報は、関連情報Rにおける名称、カテゴリまたは種別などのテキストの情報であり、提供情報は、関連情報Rを説明するための情報である。
【0053】
また、各関連情報Rには、予め算出された関連情報特徴量が含まれる。例えば、関連情報特徴量は、コンテンツ特徴量と同様に、タイトル情報及び提供情報に対して形態素解析を実行して品詞に分解しつつ不要な品詞を排除して抽出されたキーワード、所定のキーワード辞書に含まれたキーワードと完全一致したキーワード、または、コンテンツ情報Cを提供する提供者またはシステム管理者に抽出されたキーワードに基づいて算出された文書ベクトル「S」である。また、この関連情報Rの文書ベクトル「S」は、コンテンツ特徴量と同様に、タイトル情報及び提供情報において抽出されたキーワードの出現頻度と各キーワードにおける一の関連情報R内に出現する(式2)に示す出現頻度を示すTF−IDFによって形成される。
【0054】
【数2】
【0055】
なお、(式1)と同様に、(式2)において、Key1〜Keymは、キーワードのテキストを示し、「sj1」〜「sjm」は、各関連情報Rにおける各キーワードのTF−IDFの値である。
【0056】
<サーバ装置>
次に、本実施形態のサーバ装置200について説明する。
【0057】
サーバ装置200は、主にCPU、ROM、RAM及びハードディスクによって構成され、携帯用通信端末装置300との間においてデータの授受を行うための通信機能、データベース100の管理、並びに、各コンテンツ情報C及び関連情報Rの管理を行う。例えば、ROMには、各機能を実行するための制御情報が記録されるとともに、ハードディスクには、制御プログラムまたはOS(Operating System)などの各種プログラムが記録されている。また、CPUは、ハードディスクに記録されたプログラムを実行することにより、上述の各種の機能を実現し、RAMは、ワークエリアとして用いられる。特に、サーバ装置200は、通信機能としては、各携帯用通信端末装置300からのコンテンツ情報Cまたは関連情報Rの送信要求を受信した際に、当該携帯用通信端末装置300との通信回線を確立し、要求されたデータを携帯用通信端末装置300に送信するようになっている。
【0058】
<携帯用通信端末装置>
1.携帯用通信端末装置の構成
次に、図5を用いて本実施形態の各携帯用通信端末装置300の構成について説明する。なお、図5は、本実施形態の各携帯用通信端末装置300の構成を示すブロック図である。
【0059】
各携帯用通信端末装置300は、例えば、電子書籍用読取再生装置(電子ブックリーダ)、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯用電話機または携帯タブレット型通信端末装置などの携帯可能な通信端末装置である。そして、各携帯用通信端末装置300は、画像表示領域DAを有するとともに、リソースデータを読み込んで当該画像表示領域DAにコンテンツ情報Cを表示するためのブラウザ機能を有している。
【0060】
また、各携帯用通信端末装置300は、各携帯用通信端末装置300が有する種々のハードウェアと協働し、現在位置Pに基づいて取得したコンテンツ情報Cとともに、ユーザにとって必要と想定される推薦されるべき関連情報Rを推薦情報として提供する情報提供処理を実行するためのプログラム(以下、「情報提供プログラム」という。)を実行する。特に、情報提供プログラムによって実行される処理としては、
(1)携帯用通信端末装置300の現在位置Pと当該携帯用通信端末装置300が向けられた端末方向(方角AG及び仰角EA)の検出を制御する検出制御処理、
(2)検出された現在位置Pに基づいて、携帯用通信端末装置300の周辺の位置に対応付けられたコンテンツ情報Cをデータベース100から取得する取得処理、
(3)取得したコンテンツ情報Cを画像表示領域DAに表示する表示制御処理
(4)検出された方角AG及び仰角EAと、画像表示領域DAに表示されたコンテンツ情報Cの当該画像表示領域DA上における座標と、に基づいて、当該画像表示領域DAに表示されている各コンテンツ情報Cの重み係数を算出する重み付け算出処理、
(5)取得され各コンテンツ情報Cに含まれるコンテンツ特徴量を算出された重み係数で補正する補正処理、
(7)補正されたコンテンツ特徴量に基づいて一の検索式を生成し、生成した検索式に基づいて、予めデータベース100から取得した各関連情報特徴量と、補正された補正コンテンツ特徴量と、の類似度を算出する類似度算出処理、及び、
(8)算出された各類似度に基づいて該当する関連情報Rを選定し、当該選定した関連情報Rを画像表示領域DAに表示させてユーザに関連情報Rに関する情報を提供する提供処理が含まれる。
【0061】
具体的には、各携帯用通信端末装置300は、データベース100、サーバ装置200及び他の通信装置と通信を行う通信制御部310と、情報提供処理における各処理を行うデータ処理部320と、現在位置Pを検出する携帯用通信端末装置300における現在位置Pを検出する現在位置検出部330と、当該携帯用通信端末装置300が向けられている端末方向を検出する姿勢検出部340と、を有している。
【0062】
また、各携帯用通信端末装置300は、所定の画像表示領域DAを有する表示部360と、表示部360における種々の描画を制御する描画制御部350と、ユーザの操作を入力するための操作部370と、全体を制御する端末管理制御部380と、情報提供プログラムが記録されるとともに端末管理制御部380が各部材を制御するための制御プログラム及び当該制御プログラムが実行される際に用いられるメモリ機能を有するROM/RAM390と、を有している。
【0063】
そして、携帯用通信端末装置300は、例えば、電話機能及び電子メールなどのメール機能を有する場合には、マイク、スピーカ及び電子メールの送受信機能など種々の必要な部材を有している。さらに、上記の各部は、バスBによって互いに接続され、データの授受が実行される。
【0064】
なお、例えば、データ処理部320は、本発明の取得手段、表示制御手段、重み係数算出手段、補正手段、類似度算出手段及び選定手段を構成する。また、例えば、本実施形態の現在位置検出部330は、本発明の現在位置検出手段を構成し、姿勢検出部340は、本発明の方向検出手段を構成する。
【0065】
通信制御部310は、データ処理部320の制御の下、ネットワークNに接続される基地局BSを介してサーバ装置200及びデータベース100との通信回線を構築し、コンテンツ情報Cまたは関連情報Rの取得など種々のデータの授受を行う。
【0066】
データ処理部320は、情報提供プログラムによって実行される情報提供処理を実現するようになっている。例えば、データ処理部320は、ROM/RAM390に記録された情報提供プログラムで携帯用通信端末装置300の各部を制御するための各種制御プログラムを実行しつつ、通信制御部310及び描画制御部350と連動して、または、制御して上述の各種の処理を実行する。
【0067】
具体的には、データ処理部320は、情報提供プログラムを起動することによって、図5に示すように、検出制御処理を実行する検出制御部321と、取得処理を実行する取得処理部322と、コンテンツ情報Cを画像表示領域DAに表示する表示制御処理部323と、重み付け算出処理及び補正処理を実行する重み係数算出処理部324と、類似度算出処理を行う類似度算出処理部325と、提供処理を実行する提供処理部326と、を構築する。
【0068】
なお、例えば、本実施形態の取得処理部322は、本発明の取得手段を構成し、表示制御処理部323は、本発明の表示制御手段を構成する。また、例えば、本実施形態の重み係数算出処理部324は、重み係数算出手段及び補正手段を構成し、類似度算出処理部325は、類似度算出手段を構成する。さらに、例えば、本実施形態の提供処理部326は、本発明の提供手段を構成する。
【0069】
現在位置検出部330は、情報提供プログラムの起動時に、データ処理部320の制御の下、ネットワークNを介してGPS(Global Positioning System)衛星の位置を認識しつつ、当該GPS衛星から送信された衛星信号(GPS信号)を検出し、当該検出されたGPS信号に基づいて携帯用通信端末装置300の現在位置Pの緯度及び経度によって示される座標値を算出(すなわち、検出)する。そして、この現在位置検出部330は、この算出された座標値を位置情報としてデータ処理部320に提供する。
【0070】
なお、携帯用通信端末装置300が、電話機能を有している場合には、電話に用いる電波を電話基地局において受信した方角AGと電波強度に基づいて当該携帯用通信端末装置300の現在位置Pを算出(検出)してもよい。
【0071】
姿勢検出部340は、微弱な地磁気を検知する磁気センサと、重力の方向を検出する加速度センサとから形成されており、情報提供プログラムの起動時に、データ処理部320の制御の下、端末方向、すなわち、携帯用通信端末装置300が向けられている方角AG(すなわち、東西南北)と当該方角AGに対する仰角EA(水平面と当該携帯用通信端末装置300が向けられた方向とによって形成される角度)を検出し、検出した方角AG及び仰角EAを方角AG情報または仰角EA情報としてデータ処理部320に提供する。
【0072】
表示部360は、所定のサイズ(例えば、W320×H400ピクセル)の画像表示領域DAを有し、例えば、液晶素子またはEL(Electro Luminescence)素子のパネルによって構成され、描画制御部350において生成された表示データに基づいて所定の画像を表示するようになっている。特に、本実施形態では、表示部360は、情報提供プログラムが実行されている際に、操作部370と連動しつつ、コンテンツ情報Cを表示するようになっている。
【0073】
描画制御部350は、端末管理制御部380の制御の下またはデータ処理部320の制御の下、表示部360に所定の画像を描画させるために必要な描画データを生成するようになっており、生成された描画データを当該表示部360に出力するようになっている。
【0074】
操作部370は、各種の確認ボタン、各操作指令を入力する操作ボタン、テンキーなどの多数のキー及び表示部360上に設けられたタッチセンサにより構成され、各操作を行う際に用いられるようになっている。具体的には、操作部370は、情報提供プログラムの起動時に上述の各種の処理を実行するための操作を行う際に用いられるようになっている。
【0075】
端末管理制御部380は、主に中央演算処理装置(CPU)によって構成されるとともに、キー入力ポート、表示制御ポート等の各種入出力ポートを含み、携帯用通信端末装置300の全般的な機能及び情報提供プログラムを実行するための全般的な機能を総括的に制御するようになっている。
【0076】
ROM/RAM390には、携帯用通信端末装置300として機能するための各種の制御プログラムが記録されているとともに、コンテンツ情報Cまたは関連情報Rを閲覧するためのブラウザ機能を含む情報提供プログラムが記録されている。また、このROM/RAM390は、各種の処理が実行される際のワークエリアとして用いられる。
【0077】
2.データ処理部の詳細
次に、図6〜図13の各図を用いて本実施形態のデータ処理部320における各部の構成及びその動作の詳細について説明する。
【0078】
なお、図6は、現在位置Pに基づくコンテンツ情報Cの検出について説明するための図であり、図7は、携帯用通信端末装置300における端末方向の方角AGと取得したコンテンツ情報Cとの関係を説明する図と、当該方角AGに基づいて画像表示領域DAに表示されるコンテンツ情報Cについて説明するための図である。
【0079】
また、図8は、端末方向の方角AGが変化した場合の取得したコンテンツ情報Cとの関係を説明する図(その1)と、当該方角AGに基づいて画像表示領域DAに表示されるコンテンツ情報Cについて説明するための図であり、図9は、端末方向の方角AGが変化した場合の取得したコンテンツ情報Cとの関係を説明する図(その2)と、当該方角AGに基づいて画像表示領域DAに表示されるコンテンツ情報Cについて説明するための図である。
【0080】
さらに、図10は、端末方向の仰角EAが変化した場合の取得したコンテンツ情報Cとの関係を説明する図(その1)と、当該方角AGに基づいて画像表示領域DAに表示されるコンテンツ情報Cについて説明するための図であり、図11は、端末方向の仰角EAが変化した場合の取得したコンテンツ情報Cとの関係を説明する図(その1)と、当該方角AGに基づいて画像表示領域DAに表示されるコンテンツ情報Cについて説明するための図である。
【0081】
またさらに、図12は、画像表示領域DAに表示されているコンテンツ情報Cが拡大された際の画像表示領域DAと表示されるコンテンツ情報Cとの関係を説明するための図であり、図13は、画像表示領域DAに表示された推薦情報を説明するための図である。
【0082】
検出制御部321は、加速度センサとタイマーを有し、情報提供プログラムの起動中に、現在位置検出部330、姿勢検出部340と連動して、現在位置P、方角AG及び仰角EAにおける検出させる。具体的には、検出制御部321は、加速度センサとタイマーによって携帯用通信端末装置300が所定の時間(例えば、3秒)静止したか否かを検出し、当該所定の時間において静止したことを検出した場合に、現在位置P、方角AG及び仰角EAを検出させてROM/RAM390に記憶する。
【0083】
取得処理部322は、通信制御部310と連動しつつ、サーバ装置200の制御の下、検出された現在位置Pに基づいてデータベース100から所定のコンテンツ情報Cを取得する。例えば、取得処理部322は、図6(a)に示すように現在位置P(例えば、緯度=35.628367度、経度=139.718692度)が検出されると、図6(b)に示すように撮像方向に無関係に検出された現在位置Pを中心に所定の半径領域r(例えば、半径r=1km)の位置情報を有する「9」のコンテンツ情報Cをデータベース100から検出し、該当するコンテンツ情報Cを取得する。
【0084】
また、取得処理部322は、情報提供プログラムの実行開始時に、データベース100から関連情報Rを関連情報特徴量とともに取得し、ROM/RAM390に記憶する。
【0085】
表示制御処理部323は、描画制御部350及び検出制御部321と連動しつつ、現在位置Pに基づいて取得したコンテンツ情報Cの中から、検出した方角AG及び仰角EAによって携帯用通信端末装置300を向けた端末方向の位置に対応付けられたコンテンツ情報Cを表示部360の画像表示領域DAに表示する。
【0086】
具体的には、表示制御処理部323は、現実空間の携帯用通信端末装置300の現在位置Pとコンテンツ情報Cの位置と携帯用通信端末装置の方角認識範囲(すなわち、視野角(例えば−15度から+15度))及び距離認識範囲(例えば、0m〜500m)とに基づいて、立体的な地図(すなわち、鳥瞰図)など奥行き感のある3次元仮想空間内に各コンテンツ情報Cに含まれるタイトルが存在するように、画像表示領域DAに表示する。また、このとき、表示制御処理部323は、携帯用通信端末装置300とコンテンツ情報Cとの現実空間における距離差の視認を容易にするために、スケールを表示させる。
【0087】
例えば、表示制御処理部323は、図6(b)に示すように、それぞれ現実空間における位置に対応付けられた「9」のコンテンツ情報Cを取得している場合であって、方角AGが「0度(北=0度)」、かつ、仰角EAが「0度(水平=0度)」の場合には、図7に示すように、第1コンテンツ情報C1から第4コンテンツ情報C4の「4」のコンテンツ情報Cに含まれるタイトル情報及び提供情報を画像表示領域DAに表示する。
【0088】
なお、ここで、水平とは、画像表示領域DAが形成されている携帯用通信端末装置300の面が地面に対して垂直になっていることをいう。また、表示制御処理部323は、方角AG及び仰角EAとともに、予め設定された画像表示領域DAのサイズ、予め定められた認識距離21及び検出された方角AGを基準に形成される認識可能な角度(認識角度)22に基づいて形成される視認範囲20内におけるコンテンツ情報Cを選定してそのタイトル情報及び提供情報を画像表示領域DAに3次元仮想画像とともに表示する。特に、図7(b)においては、各コンテンツ情報Cは、コンテンツIDによって表示されているが、実際はタイトル情報及び提供情報によって表示される。そして、携帯用通信端末装置300の現実空間からの距離によって表示されるコンテンツ情報の大きさも変化させて表示される。
【0089】
また、表示制御処理部323は、ユーザによって携帯用通信端末装置300を向ける端末方向が変化した場合に、当該変化に対応させて、順次、検出した方角AGによって携帯用通信端末装置300を向けた端末方向の位置に対応付けられたコンテンツ情報Cを表示部360の画像表示領域DAに表示する。
【0090】
例えば、表示制御処理部323は、図8に示すように、図7の状態からユーザによって携帯用通信端末装置300における端末方向の方角AGのみを時計回りに「30度」回転させられた場合には、視認範囲20に属する第4コンテンツ情報C4及び第5コンテンツ情報C5のタイトル情報及び提供情報を画像表示領域DAに表示する。そして、表示制御処理部323は、図9に示すように、図7の状態からユーザによって携帯用通信端末装置300における端末方向の方角AGのみを時計と反対回りに「30度」回転させられた場合には、視認範囲20に属する第1コンテンツ情報C1及び第3コンテンツ情報C3のタイトル情報及び提供情報のみを画像表示領域DAに表示する。
【0091】
一方、表示制御処理部323は、ユーザによって携帯用通信端末装置300の端末方向が上方または下方に向けられて仰角AEを検出した場合には、当該携帯用通信端末装置300の現実空間の位置の周辺または遠方にあるコンテンツ情報のみを画像表示領域DAに表示するように構成されている。すなわち、表示制御処理部323は、仰角EAが水平より上方に向けて大きくなるほど、現実空間において携帯用通信端末装置300から遠方に存在するコンテンツ情報Cに焦点が合うように画像表示領域DAに各コンテンツ情報を表示し、仰角EAが水平より下方に向けて大きくなるほど、現実空間において携帯用通信端末装置300周辺に存在するコンテンツ情報Cに焦点が合うように画像表示領域DAに各コンテンツ情報を表示する。
【0092】
具体的には、表示制御処理部323は、端末方向の仰角EAを、水平面を基準に上方(プラス)に傾けた場合には、携帯用通信端末装置300の現在位置より現実空間において遠くの位置に存在するコンテンツ情報Cのみ画像表示領域DAに表示されるようにコンテンツ情報Cの表示制御を行う。また、表示制御処理部323は、端末方向の仰角EAを、水平面を基準に下方(マイナス)に傾けた場合には、携帯用通信端末装置300の現在位置より現実空間において近くに位置に存在するコンテンツ情報Cのみを画像表示領域DAに表示されるようにコンテンツ情報Cの表示制御を行う。特に、本実施形態の表示制御処理部323は、(式3)及び(式4)を実行し、画像表示領域DAに表示するための距離認識範囲を設定し、当該設定された距離認識範囲内に存在するコンテンツ情報を画像表示領域DAに表示する。
【0093】
【数3】
【0094】
【数4】
【0095】
なお、(式3)及び(式4)において、「X」は画像表示領域DAにおけるスケール調整用の定数であり、例えば、「10m」である。また、距離認識範囲の最小値または最大値が「0」以下になった場合は、距離認識範囲は、「0」とみなす。
【0096】
例えば、表示制御処理部323は、仰角EAが0度の場合であって距離認識範囲が0m〜500mの場合であって、ユーザによって携帯用通信端末装置300における端末方向を上方に「30度」傾けた場合には、距離認識範囲を、300m〜800mと設定し、図10に示すように、現実空間において携帯用通信端末装置300から距離認識範囲300m〜800mに存在する第3コンテンツ情報C3及び第4コンテンツ情報C4のタイトル情報及び提供情報を拡大させつつ画像表示領域DAに表示する。
【0097】
また、例えば、表示制御処理部323は、仰角EAが0度の場合であって距離認識範囲が0m〜500mの場合であって、ユーザによって携帯用通信端末装置300における端末方向を下方に「30度」傾けた場合には、距離認識範囲を0m〜300mと設定し、図11に示すように、現実空間において携帯用通信端末装置300から距離認識範囲0m〜300mに存在する第1コンテンツ情報C1及び第2コンテンツ情報C2のタイトル情報及び提供情報を拡大させつつ画像表示領域DAに表示する。
【0098】
他方、表示制御処理部323は、描画制御部350と連動しつつ、操作部370の指示に基づいて、画像表示領域DAに表示されている3次元仮想空間に対するコンテンツ情報Cの拡大率を変化させるための表示制御を行う。
【0099】
例えば、表示制御処理部323は、図12(a)に示すように、操作部370によって第3コンテンツ情報C3の周辺の領域(指示領域)に対して拡大表示を行うための指示(2倍に拡大する指示)が入力された場合には、図12(b)に示すように、3次元仮想空間領域のサイズを変更させつつ(例えば、W400×H320ピクセルからW200×H160ピクセルに)、第3コンテンツ情報C3を表示するための領域、すなわち、タイトル情報及び提供情報を表示する領域も拡大させるための表示制御を行う。ただし、この場合には、表示制御処理部323は、方角認識範囲及び距離認識範囲の各情報については変更せずに、表示される3次元仮想空間領域のサイズのみ変更する。
【0100】
重み係数算出処理部324は、データベース100から取得したコンテンツ情報C毎に、ユーザの注目度を数値化するための重み係数を算出する。一般的に、現実空間の位置に対応付けて表示されるコンテンツ情報Cにおいては、ユーザが注目するコンテンツ情報Cに対して画像表示領域DAに表示される。特に、画像表示領域DAに大きくかつ当該画像表示領域DAの中心付近に表示されているほどユーザにおける注目度が高いといえる。そこで、本実施形態の重み係数算出処理部324は、画像表示領域DAの中心に表示されているコンテンツ情報C、及び、当該画像表示領域DAにおいて大きく表示されているコンテンツ情報Cに対して、ユーザの注目度を高いと判断し、これらのコンテンツ情報Cにおけるコンテンツ特徴量の数値を大きくする重み付け係数を算出する。なお、本実施形態の重み係数算出処理324は、画像表示領域DAに表示されているコンテンツ情報Cのみならず、現在位置に基づいて取得した全てのコンテンツ情報Cについて重み係数算出処理を実行する。
【0101】
第1に、重み係数算出処理部324は、検出された端末方向の方角AG及び現在位置Pに基づいて、前記取得されたコンテンツ情報Cの現実空間内における位置と当該携帯用通信端末装置300の現在位置Pとの角度差を算出し、当該算出された角度差に基づいて、当該コンテンツ情報Cにおける重み係数を算出する。
【0102】
具体的には、重み係数算出処理部324は、(式5)の演算を実行し、算出された角度差が小さいほど、重み付け係数が大きくなるように、該当するコンテンツ情報Cにおける重み係数WAを算出する。ただし、(式5)において、分母の変数(AG−B)が「1」未満になる場合には、重み係数算出処理部324は、(式6)を実行し、重み係数WAを算出する。これは、分母の変数が「0」に近づくと、急激に値が変化するとともに、「0」になると、発散し、演算結果にエラーが生じるためである。
【0103】
【数5】
【0104】
【数6】
【0105】
なお、(式5)において、「AG」は、携帯用通信端末装置300の端末方向の方角AG(北=0度)を示し、「B」とは、現実空間における携帯用通信端末装置300の現在位置P及び端末方向の方角AGとコンテンツ情報Cの現実空間における位置とに基づいて算出された携帯用通信端末装置300に対するコンテンツ情報Cの絶対的な方角である。また、「α」は、予め定められた定数である。
【0106】
第2に、重み係数算出処理部324は、検出された現在位置Pに基づいて、取得されたコンテンツ情報Cの現実空間内における位置と当該携帯用通信端末装置300の現在位置Pとの距離差を算出し、検出された仰角EAの大きさに基づいて、当該算出された距離差を基準とする重み付け係数を算出する。
【0107】
具体的には、重み係数算出処理部324は、仰角EAの値によって(式7)または(式8)の演算を実行し、当該携帯用通信端末装置300が水平面(θ=0度)より上方に傾いている場合には、当該携帯用通信端末装置300から現実空間内において遠くの位置に対応付けられているコンテンツ情報Cの重み係数を、現実空間内において近くの位置に対応付けられているコンテンツ情報Cの重み係数より大きくし、当該携帯用通信端末装置300が水平面より下方に傾いている場合には、当該携帯用通信端末装置300から現実空間内において近くの位置に対応付けられているコンテンツ情報Cの重み係数を、現実空間内において遠くの位置に対応付けられているコンテンツ情報Cの重み係数より大きくなるように、重み係数WBを算出する。ただし、(式8)において、分母の変数「L」が「1」未満になる場合には、重み係数算出処理部324は、(式9)を実行し、重み係数WBを算出する。これは、分母の変数「L」が「0」に近づくと、急激に値が変化するとともに、「0」になると、発散し、演算結果にエラーが生じるためである。
【0108】
【数7】
【0109】
【数8】
【0110】
【数9】
【0111】
なお、(式7)及び(式8)において、「L」は、現実空間における携帯用通信端末装置300とコンテンツ情報Cが対応付けられた位置とのユーグリッド距離を示す。ここで、ユーグリッド距離とは、現実空間の位置に基づいて二点間における三平方の定理で算出される距離である。また、「β」は、予め定められた定数である。
【0112】
第3に、重み係数算出処理部324は、画像表示領域DAに表示された3次元仮想空間におけるコンテンツ情報Cの位置(表示されたタイトル情報及び提供情報の中心座標)に基づいて、重み付け係数を算出する。
【0113】
具体的には、重み係数算出処理部324は、(式10)の演算を実行し、画像表示領域DAの中心に近い位置に表示されているほど、コンテンツ情報Cの重み係数を大きくなるように、重み係数WCを算出する。ただし、(式10)において、分母の変数(Yi−YC)が「1」未満になる場合には、重み係数算出処理部324は、(式11)を実行し、重み係数WCを算出する。これは、分母の変数が「0」に近づくと、急激に値が変化するとともに、「0」になると、発散し、演算のエラーが生じるためである。
【0114】
【数10】
【0115】
【数11】
【0116】
なお、(式10)においては座標値としてはY座標を用いるとともに、「Yi」はコンテンツ情報Cのタイトル情報及び提供情報における画像表示領域DA内のY座標を示し、「YC」は、画像表示領域DAの中心のY座標を示す。また、「P」は、拡大率(%)を示し、予め定められた標準時(例えば、図7〜図9)の拡大率を「100%」としたときの拡大率または縮小率である。さらに、「γ」は、予め定められた定数である。ただし、重み係数算出部324は、画像表示領域DAに表示されたコンテンツ情報に対してのみ重み係数WCを算出する。
【0117】
補正処理部は、重み係数算出処理部324において算出された各コンテンツ情報Cの重み係数WA、WB及びWCをコンテンツ情報C毎に合算するとともに、当該コンテンツ情報Cのコンテンツ特徴量、すなわち、当該コンテンツ情報CのTF−IDFの値(D)に、該当する合算した重み係数をそれぞれ乗算する。
【0118】
類似度算出処理部325は、各コンテンツ情報Cにおける補正されたコンテンツ特徴量をベクトル加算して単一の検索式「Q」を生成する。そして、類似度算出処理部325は、予めデータベース100から取得した各関連情報Rにおける関連情報特徴量(すなわち、(式2)に示された文書ベクトルS)に対して、生成したベクトル検索式「Q」と取得した関連文書の文書ベクトル(Sj)を比較してベクトル空間モデルを用いて検索式と各関連情報Rとの類似度(sim)を(式12)を用いて算出するようになっている。
【0119】
【数12】
【0120】
なお、文書ベクトル「S」は、(式2)を参照するとともに、検索式「Q」は、(式13)に示す。また、(式13)において、(式1)及び(式2)と同様に、Key1〜Keymは、キーワードのテキストを示し、「q1」〜「qm」は、全てのコンテンツ情報Cにおける補正された各キーワードのTF−IDFの値を示す。
【0121】
【数13】
【0122】
提供処理部326は、描画制御部350と連動し、算出された各類似度に基づいて該当する関連情報Rを選定し、当該選定した関連情報R(推薦情報)を、タイトル情報及び提供情報とともに画像表示領域DAに表示する。例えば、提供処理部326は、図13に示すように、選定された一の推薦情報のタイトル「item001」と提供情報を画像表示領域DAの下部に表示する。
【0123】
<情報提供処理>
次に、図14を用いて本実施形態の携帯用通信端末装置300における情報提供処理の動作について説明する。なお、図14は、本実施形態の携帯用通信端末装置300における情報提供処理の動作を示すフローチャートである。
【0124】
なお、本動作においては、データベース100には、複数のコンテンツ情報C及び関連情報Rが記憶されているとともに、各コンテンツ情報C及び各関連情報Rにおいても既に文書ベクトルが生成されて記憶されているものとする。また、サーバ装置200は、携帯用通信端末装置300の指示に基づいてデータベース100を制御しつつ、当該携帯用通信端末装置300にコンテンツ情報C及び各関連情報Rを適宜送信する。
【0125】
まず、端末管理制御部380が、操作部370に入力された情報提供処理の開始指示を検出すると(ステップS101)、情報提供処理プログラムを起動させて所定の初期設定を行う(ステップS102)。このとき、取得処理部322は、データベース100から関連情報R及び当該関連情報Rの関連情報特徴量を取得してROM/RAM390に記憶する。
【0126】
次いで、検出制御部321は、携帯用通信端末装置300が一定のポジションで静止され、当該静止されたときから所定の時間経過したか否か(すなわち、検出タイミングか否か)を判断し(ステップS103)、所定の時間経過していると判断した場合には、現在位置検出部330及び姿勢検出部340に、携帯用通信端末装置300の現実空間における現在位置P及び方角AGと仰角EAを含む端末方向を検出させる(ステップS104)。なお、このとき、検出制御部321は、タイマーのカウント開始から所定の時間経過したと判断した場合には、タイマーのカウントをリセットして再カウントを開始する。
【0127】
次いで、取得処理部322は、通信制御部310を介して、検出された現在位置Pに基づいてデータベース100から当該現在位置P周辺のコンテンツ情報C及びそのコンテンツ特徴量を取得する(ステップS105)。ただし、既に、取得処理部322は、ROM/RAM390に記憶されているコンテンツ情報Cについてはデータベース100から取得せず、不要のコンテンツ情報Cについては削除する各処理を行う。
【0128】
次いで、表示制御処理部323は、操作部370によって画像表示領域DAにおけるコンテンツ情報Cを表示するための拡大率が指示されているかを判断する(ステップS106)。
【0129】
このとき、表示制御処理部323は、操作部370によって拡大率が指示されている場合には、その拡大率及び検出された携帯用通信端末装置300の現在位置Pと、検出されたその方角AG及び仰角EAと、に基づいて画像表示領域DAに表示された3次元仮想空間内に取得したコンテンツ情報Cのタイトル情報及び提供情報を表示する(ステップS107)。
【0130】
一方、表示制御処理部323は、操作部370によって拡大率が指示されていない場合には、検出された携帯用通信端末装置300の現在位置Pと、検出されたその方角AG及び仰角EAと、に基づいて画像表示領域DAに表示された3次元仮想空間内に取得したコンテンツ情報Cのタイトル情報及び提供情報を表示する(ステップS108)。
【0131】
次いで、重み係数算出処理部324は、取得したコンテンツ情報C、具体的には、ROM/RAM390に記憶されている各コンテンツ情報Cの各情報における重み係数WA、WB及びWCを算出する(ステップS109)。
【0132】
次いで、補正処理部は、取得したコンテンツ情報Cにおけるコンテンツ特徴量に算出された重み係数を各コンテンツ特徴量に乗算して、当該コンテンツ特徴量を補正する(ステップS110)。
【0133】
次いで、類似度算出処理部325は、補正された各コンテンツ情報Cのコンテンツ特徴量に基づいて各キーワードにおける補正されたコンテンツ特徴量を合算して単一の検索式(文書ベクトル)を生成する(ステップS111)。
【0134】
次いで、類似度算出処理部325は、ステップS102の処理において記憶された関連情報特徴量(文書ベクトル)と、生成された検索式を比較して検索式と各コンテンツ情報Cと各関連情報Rとの類似度を算出する(ステップS112)。
【0135】
次いで、提供処理部326は、算出された各類似度の最大値を有する関連情報Rを、推薦情報として選定し、当該推薦情報のタイトル情報及び提供情報を画像表示領域DAに表示させ、ユーザに閲覧可能に提供する(ステップS111)。
【0136】
最後に、端末管理制御部380は、操作部370から入力された終了指示の検出の有無を判断し(ステップS112)、当該終了指示を検出していない場合には、ステップS103の処理に移行し、本動作を繰り返す。一方、端末管理制御部380は、操作部370から入力された終了指示の検出した場合には、本動作を終了する。
【0137】
<作用効果>
本実施形態の携帯用通信端末装置300は、当該携帯用通信端末装置300の向けた端末方向及び画像表示領域DAに表示されたコンテンツ情報Cの表示位置に基づいて、ユーザが注目しているコンテンツ情報Cについてのコンテンツ特徴量に対する重み付けが大きくなるように、当該コンテンツ特徴量を補正することができる。したがって、携帯用通信端末装置300は、コンテンツ情報と関連情報との類似度を算出する場合に、ユーザの注目度を参酌することができるので、商品またはサービスの広告などのユーザによって興味がある情報を的確に提供すること、及び、それにより提供された情報の閲覧数を向上させて効果的な情報提供を実現させることができる。
【0138】
また、本実施形態の携帯用通信端末装置300は、例えば、取得されたコンテンツ情報Cの現実空間内における位置と当該携帯用通信端末装置300の現在位置Pとの角度差が小さいほど、重み付け係数が大きくすることができるので、画像表示領域DAの中心に表示されたコンテンツ情報Cをユーザがより注目しているコンテンツ情報Cとして取り扱うことができる。すなわち、ユーザが注目しているコンテンツ情報Cは、画像表示領域DAの中心に表示させることが多いので、携帯用通信端末装置300は、この特性を利用してユーザが注目しているコンテンツ情報Cを的確に抽出することができる。
【0139】
また、本実施形態の携帯用通信端末装置300は、携帯用通信端末装置300の仰角EAを操作することによって、当該携帯用通信端末装置300の現実空間における現在位置Pより遠くの位置に対応付けられたコンテンツ情報Cについてユーザが注目した場合に、または、当該現在位置P周辺の位置に対応付けられたコンテンツ情報Cについてユーザが注目した場合に、当該注目したコンテンツ情報Cの重み付け係数を調整することができる。したがって、携帯用通信端末装置300は、当該携帯用通信端末装置300の現在位置Pからの距離とは無関係に、ユーザによって注目されたコンテンツ情報Cを的確に抽出することができる。
【0140】
また、本実施形態の携帯用通信端末装置300は、当該携帯用通信端末装置300の現実空間における現在位置Pより遠くの位置に対応付けられたコンテンツ情報Cについてユーザが注目した場合に、または、当該現在位置P周辺の位置に対応付けられたコンテンツ情報Cについてユーザが注目した場合に注目されたコンテンツ情報Cにおける重み付け係数を調整することができる。
【0141】
また、本実施形態の携帯用通信端末装置300は、様々な要素からユーザが注目しているコンテンツ情報Cを想定して各コンテンツ情報Cの重み係数を算出し、当該算出された各重み係数を合算してコンテンツ特徴量を補正することができるので、画像表示領域DAの中心に表示されたコンテンツ情報Cをユーザがより注目しているコンテンツ情報Cとして抽出することができる。
【0142】
また、本実施形態の携帯用通信端末装置300は、キーワードの出現頻度に基づいて各コンテンツ特徴量及び関連情報特徴量を算出することができるので、的確にコンテンツ特徴量及び関連情報特徴量を規定することができる。したがって、携帯用通信端末装置300は、的確にコンテンツ情報Cに類似する関連情報Rを抽出することができる。
【0143】
<変形例>
本実施形態の携帯用通信端末装置300は、画像表示領域DAに地図その他の現実空間を模した3次元仮想空間を表示しつつ、コンテンツ情報Cを重畳表示するようになっているが、撮像カメラ部を有し、当該撮像カメラ部によって撮像された現実空間にコンテンツ情報Cを表示させてもよい。この場合においては、上述と同様に、検出制御部に設けられたタイマーによってカウントを行うことによって、所定のタイミング毎に現在位置、方角AG及び仰角EAを算出してもよいし、撮像された現実空間のフレーム毎に、現在位置、方角AG及び仰角EAを算出してもよい。
【0144】
また、本実施形態においては、コンテンツ情報C及び関連情報Rをサーバ装置200の制御の下にデータベース100から取得するようになっているが、携帯用通信端末装置300に装着されたフラッシュメモリ、DVDまたはハードディスクなどの外部記憶媒体、または、内部に設けられたハードディスクまたは上述のROM/RAM390などの内部記憶媒体から読み出して取得してもよい。そして、これらの場合には、外部記憶媒体または内部記憶媒体は、例えば、本発明の記憶手段を構成する。
【0145】
また、本実施形態においては、関連情報R及び特定構成要素に含まれる各キーワードの特徴量に、各キーワードの出現頻度を示すTF−IDFを用いているが、単にキーワードの出現頻度の回数をカウントし当該カウント数を特徴量に用いるなど、関連情報R及び特定構成要素内における各キーワードの特徴量を算出することができるものであればよい。
【0146】
また、本実施形態においては、該当する関連情報Rを画像表示領域DAに表示することによって関連情報Rを提供するようになっているが、当該表示に代えて類似度の高い上位3位までの関連情報Rを画像表示領域DAに表示してもよいし、当該類似度の高い関連情報Rを選択表示可能なリストを表示するようにしてもよい。さらに、関連情報Rの画像表示領域への表示に代えて、関連情報Rを、予め特定された電子メールアドレスにデータとして送信し、または、画像表示領域DAに予め定められた関連情報Rを提供するURLを表示することによって、関連情報Rまたは関連情報Rに関する情報を間接的に提供するようにしてもよい。
【0147】
また、本実施形態では、携帯用通信端末装置300において、検出制御処理、表示制御処理、重み係数算出処理、補正処理、類似度算出処理及び提供処理が実行されているが、携帯用通信端末装置300またはサーバ装置200の何れかによって各種の処理が行われてもよい。この場合には、サーバ装置200と携帯用通信端末装置300との逐次的な通信によって必要なデータ授受することができるようになっている。
【0148】
すなわち、携帯用通信端末装置300は、現在位置P、方角AG及び仰角EAのみを検出し、種々の演算及び処理をサーバ装置200において実行し、受信した3次元仮想空間上にコンテンツ情報Cを表示しつつ、特定された推薦情報のみを表示するだけでもよいし、これらの処理に加えて、表示制御処理に係る処理、重み係数算出処理など、適宜必要な処理を実行してもよい。
【0149】
また、このように各種のデータ処理をサーバ装置200によって行うことができれば、上述の実施形態と同様な処理を行うことができるとともに、携帯用通信端末装置300の処理負担を軽減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0150】
本発明のネットワークシステム10は、インターネットなどのネットワークNを用いて新聞、雑誌、書籍または論文などの情報を閲覧するシステムに適用することができる。
【符号の説明】
【0151】
B … バス
C … コンテンツ情報
R … 関連情報
AG … 方角
EA … 仰角
DA … 画像表示領域
WA、WB、WC … 重み係数
10 … ネットワークシステム
100 … データベース
200 … サーバ装置
300 … 携帯用通信端末装置
310 … 通信制御部
320 … データ処理部
321 … 検出制御部
322 … 取得処理部
323 … 表示制御処理部
324 … 重み係数算出処理部
325 … 類似度算出処理部
326 … 提供処理部
330 … 現在位置検出部
340 … 姿勢検出部
350 … 描画制御部
360 … 表示部
370 … 操作部
380 … 端末管理制御部
390 … ROM/RAM
【技術分野】
【0001】
本発明は、携帯用電話機などの携帯用端末装置に関し、特に、端末装置の現在位置とその姿勢情報に基づいて位置情報に対応して提供される情報を閲覧するための技術に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯用電話機などの携帯用端末装置の進歩に伴って、GPS(Global Positioning System)などの現在位置を認識する機能と連動させて当該端末装置の現在位置を特定しつつ、場所に固定化された付加情報(文字・画像・音声)を、撮像した現実空間の画像上に重ねて表示する技術が普及し始めている。例えば、この表示機能を有する携帯用端末装置としては、内蔵するカメラ機能を用いるとともに、所定の場所において所定の方向を撮像した場合に、携帯用端末装置の現在位置及び撮像方向を認識しつつ、表示パネルに撮像された動画像を表示し、当該表示された動画像上に付加情報を表示するようになっている。
【0003】
一方、近年、車両または携帯用電話機などに搭載されるナビゲーション装置が一般化している。特に、最近では、人間または車両など移動体における特定の場所に対する訪問パターンまたは当該ユーザの嗜好その他のユーザ特性など、ユーザの動向を抽出する装置を有し、当該抽出した情報を利用するナビゲーション装置が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2000−155757号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の抽出装置にあっては、ユーザ特性を抽出しているだけで、当該ユーザが注目している情報、すなわち、当該ユーザが要望する情報を選定して提供していないので、抽出した情報を利用するという観点からは更なる検討の余地がある。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、位置情報に対応付けられたコンテンツ情報を現在位置に基づいて閲覧しているユーザに、当該ユーザによって興味があると想定される当該コンテンツ情報に関連情報を的確に提供すること、及び、それにより提供された情報の閲覧数を向上させて効果的な情報提供を実現させることが可能な情報閲覧端末装置及び情報閲覧用プログラムなどを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)上記課題を解決するため、本発明の携帯用端末装置は、現実空間の位置に対応付けられて提供されるコンテンツ情報と当該コンテンツ情報に関連する関連情報とをユーザに閲覧させる携帯用端末装置であって、前記現実空間における現在位置を検出する現在位置検出手段と、所定の画像表示領域を有する表示手段と、前記現実空間における当該携帯用端末装置の向けられた方向を端末方向として検出する方向検出手段と、前記検出した現在位置に基づいて、前記コンテンツ情報及び当該コンテンツ情報のコンテンツ特徴量を他の通信装置または記録手段から取得する取得手段と、前記検出された端末方向に基づいて、前記検出された現在位置と前記取得されたコンテンツ情報が有する前記現実空間における位置とを関連付けつつ、前記端末方向に存在する前記取得されたコンテンツ情報を前記画像表示領域に表示させる表示制御手段と、前記検出された端末方向または前記画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置の少なくとも何れか一方に基づいて、少なくとも当該画像表示領域に表示されているコンテンツ情報に関する重み係数を算出する重み係数算出手段と、前記算出された重み係数を用いて、前記コンテンツ情報とともに取得したコンテンツ特徴量を補正する補正手段と、前記補正されたコンテンツ特徴量と前記記憶手段に前記関連情報とともに記憶された関連情報特徴量とに基づいて、前記取得されたコンテンツ情報と各関連情報との類似度を算出する類似度算出手段と、前記算出された類似度に基づいて該当する関連情報を選定する選定手段と、を備え、前記表示制御手段が、前記選定された関連情報または当該関連情報を特定するための特定情報を前記表示手段に表示させる構成を有している。
【0008】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、当該携帯用端末装置の向けた端末方向及び画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置に基づいて、ユーザが注目しているコンテンツ情報についてのコンテンツ特徴量に対する重み付けが大きくなるように、当該コンテンツ特徴量を補正することができる。したがって、本発明の携帯用端末装置は、コンテンツ情報と関連情報との類似度を算出する場合に、ユーザの注目度を参酌することができるので、商品またはサービスの広告などのユーザによって興味がある情報を的確に提供すること、及び、それにより提供された情報の閲覧数を向上させて効果的な情報提供を実現させることができる。
【0009】
(2)また、本発明の携帯用端末装置は、前記方向検出手段が、前記端末方向として、当該携帯用端末装置の方角を検出するとともに、前記重み付け係数算出手段が、前記検出された端末方向の方角及び現在位置に基づいて、前記取得されたコンテンツ情報の現実空間内における位置と当該携帯用端末装置の現在位置との角度差を算出し、当該算出された角度差に基づいて、当該コンテンツ情報における重み係数を算出する構成を有している。
【0010】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、例えば、取得されたコンテンツ情報の現実空間内における位置と当該携帯用端末装置の現在位置との角度差が小さいほど、重み付け係数が大きくすることができるので、画像表示領域の中心に表示されたコンテンツ情報をユーザがより注目しているコンテンツ情報として取り扱うことができる。すなわち、ユーザが注目しているコンテンツ情報は、画像表示領域の中心に表示させることが多いので、本発明の携帯用端末装置は、この特性を利用してユーザが注目しているコンテンツ情報を的確に抽出することができる。
【0011】
(3)また、本発明の携帯用端末装置は、前記重み付け係数算出手段が、前記算出された角度差が小さいほど、前記重み付け係数が大きくなるように、当該コンテンツ情報における重み係数を算出する構成を有している。
【0012】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、取得されたコンテンツ情報の現実空間内における位置と当該携帯用端末装置の現在位置との角度差が小さいほど、重み付け係数が大きくすることができるので、画像表示領域の中心に表示されたコンテンツ情報をユーザがより注目しているコンテンツ情報として抽出することができる。
【0013】
(4)また、本発明の携帯用端末装置は、前記方向検出手段が、前記端末方向として、当該携帯用端末装置の方角に対する仰角を検出するとともに、前記重み付け係数算出手段が、前記検出された仰角の大きさに基づいて、当該コンテンツ情報における重み係数を算出する構成を有している。
【0014】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、携帯用端末装置の仰角を操作することによって、当該携帯用通信端末装置の現実空間における現在位置より遠くの位置に対応付けられたコンテンツ情報についてユーザが注目した場合に、または、当該現在位置周辺の位置に対応付けられたコンテンツ情報についてユーザが注目した場合に、当該注目したコンテンツ情報の重み付け係数を調整することができる。
【0015】
(5)また、本発明の情報閲覧端末装置は、前記重み付け係数算出手段が、前記検出された仰角に基づいて当該携帯用端末装置が水平面より上方に傾いている場合には、当該携帯用端末装置から現実空間内で遠くの位置に対応付けられているコンテンツ情報の重み係数を、現実空間内で近くの位置に対応付けられているコンテンツ情報の重み係数より大きくし、前記検出された仰角に基づいて当該携帯用端末装置が前記水平面より下方に傾いている場合には、当該携帯用端末装置から現実空間内で近くの位置に対応付けられているコンテンツ情報の重み係数を、現実空間内で遠くの位置に対応付けられているコンテンツ情報の重み係数より大きくする構成を有している。
【0016】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、当該携帯用通信端末装置の現実空間における現在位置より遠くの位置に対応付けられたコンテンツ情報についてユーザが注目した場合に、または、当該現在位置周辺の位置に対応付けられたコンテンツ情報についてユーザが注目した場合に注目されたコンテンツ情報における重み付け係数を調整することができる。したがって、本発明の携帯用端末装置は、当該携帯用端末装置の現在位置からの距離とは無関係に、ユーザによって注目されたコンテンツ情報を的確に抽出することができる。
【0017】
(6)また、本発明の携帯用端末装置は、前記画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の当該画像表示領域内における表示位置の座標を検出する座標検出手段を更に有し、前記重み付け係数算出手段が、前記画像表示領域の中心と前記表示されたコンテンツ情報の座標位置とに基づいて当該重み係数を算出する構成を有している。
【0018】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、当該携帯用通信端末装置の現実空間における現在位置より遠くの位置に対応付けられたコンテンツ情報についてユーザが注目した場合に、または、当該現在位置周辺の位置に対応付けられたコンテンツ情報についてユーザが注目した場合に注目されたコンテンツ情報における重み付け係数を調整することができる。
【0019】
(7)また、本発明の携帯用端末装置は、前記重み付け係数算出手段が、前記画像表示領域の中心に近い位置に表示されているほど、コンテンツ情報の重み係数を大きくする構成を有している。
【0020】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、画像表示領域の中心に近い位置に表示されているほど、重み付け係数が大きくすることができるので、画像表示領域の中心に表示されたコンテンツ情報をユーザがより注目しているコンテンツ情報として抽出することができる。
【0021】
(8)また、本発明の携帯用端末装置は、前記重み係数算出手段が、コンテンツ情報毎に複数の重み付け係数を算出するとともに当該算出された同一のコンテンツ情報における重み係数を合算し、前記補正手段が、前記合算された重み係数に基づいて、該当するコンテンツ情報におけるコンテンツ特徴量を補正する構成を有している。
【0022】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、様々な要素からユーザが注目しているコンテンツ情報を想定して各コンテンツ情報の重み係数を算出し、当該算出された各重み係数を合算してコンテンツ特徴量を補正することができるので、画像表示領域の中心に表示されたコンテンツ情報をユーザがより注目しているコンテンツ情報として抽出することができる。
【0023】
(9)また、本発明の携帯用端末装置は、前記コンテンツ特徴量及び前記関連情報特徴量が、前記コンテンツ情報または前記関連情報に含まれるテキスト情報を構成するキーワードの、各コンテンツ情報内または各関連情報内における出現頻度に基づいて特定された特徴量である、
【0024】
この構成により、本発明の携帯用端末装置は、キーワードの出現頻度に基づいて各コンテンツ特徴量及び関連情報特徴量を算出することができるので、的確にコンテンツ特徴量及び関連情報特徴量を規定することができる。したがって、本発明の携帯用端末装置は、的確にコンテンツ情報に類似する関連情報を抽出することができる。
【0025】
(10)上記課題を解決するため、本発明の情報閲覧用プログラムは、コンピュータによって、現実空間の位置に対応付けられて提供されるコンテンツ情報と当該コンテンツ情報に関連する関連情報とをユーザに閲覧させる携帯用端末装置によって適用される情報閲覧用プログラムであって、前記現実空間における現在位置を検出する現在位置検出手段と、所定の画像表示領域を有する表示手段と、前記現実空間における当該携帯用端末装置の向けられた方向を端末方向として検出する方向検出手段と、を有する携帯用端末装置に搭載されるコンピュータを、前記検出した現在位置に基づいて、前記コンテンツ情報及び当該コンテンツ情報のコンテンツ特徴量を他の通信装置または記録手段から取得する取得手段、前記検出された端末方向に基づいて、前記検出された現在位置と前記取得されたコンテンツ情報が有する前記現実空間における位置とを関連付けつつ、前記端末方向に存在する前記取得されたコンテンツ情報を前記画像表示領域に表示させる表示制御手段、前記検出された端末方向または前記画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置の少なくとも何れか一方に基づいて、少なくとも当該画像表示領域に表示されているコンテンツ情報に関する重み係数を算出する重み係数算出手段、前記算出された重み係数を用いて、前記コンテンツ情報とともに取得したコンテンツ特徴量を補正する補正手段、前記補正されたコンテンツ特徴量と前記記憶手段に前記関連情報とともに記憶された関連情報特徴量とに基づいて、前記取得されたコンテンツ情報と各関連情報との類似度を算出する類似度算出手段、及び、前記算出された類似度に基づいて該当する関連情報を選定する選定手段、として機能させ、前記表示制御手段として、前記選定された関連情報または当該関連情報を特定するための特定情報を前記表示手段に表示させる機能を備える構成を有している。
【0026】
この構成により、本発明の情報閲覧用プログラムは、当該携帯用端末装置の向けた端末方向及び画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置に基づいて、ユーザが注目しているコンテンツ情報についてのコンテンツ特徴量に対する重み付けが大きくなるように、当該コンテンツ特徴量を補正することができる。したがって、本発明の情報閲覧用プログラムは、コンテンツ情報と関連情報との類似度を算出する場合に、ユーザの注目度を参酌することができるので、商品またはサービスの広告などのユーザによって興味がある情報を的確に提供すること、及び、それにより提供された情報の閲覧数を向上させて効果的な情報提供を実現させることができる。
【0027】
(11)上記課題を解決するため、本発明のサーバ装置は、現実空間を撮像する機能を有する携帯用端末装置にコンテンツ情報と当該コンテンツ情報に関連する関連情報を閲覧可能に取得させるサーバ装置であって、前記コンテンツ毎に、当該コンテンツをデータとして形成するコンテンツデータ、前記現実空間内における位置を示す位置情報、及び、当該コンテンツに含まれるキーワードをデータとして形成するキーワードデータが記憶された第1のデータベースと、前記関連情報毎に、当該関連情報を形成する形成データ及び当該関連情報に含まれるテキストから算出された特徴量を示す特徴量データが記憶された第2のデータベースと、を制御する制御手段と、
【0028】
該当する前記携帯用端末装置とデータ通信を実行することによって、当該携帯用端末装置の前記現実空間における現在位置、及び、前記現実空間における当該携帯用端末装置の向けられた端末方向を取得する取得手段と、前記検出された端末方向に基づいて、前記検出された現在位置と前記取得されたコンテンツ情報が有する前記現実空間における位置とを関連付けつつ前記携帯用端末装置の前記画像表示領域に表示させるために、前記端末方向に存在する前記取得されたコンテンツ情報を提供する提供手段と、前記検出された端末方向または前記画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置の少なくとも何れか一方に基づいて、少なくとも当該画像表示領域に表示されているコンテンツ情報に関する重み係数を算出する重み係数算出手段と、前記算出された重み係数を用いて、前記コンテンツ情報のコンテンツ特徴量を補正する補正手段と、前記補正されたコンテンツ特徴量と前記記憶手段に前記関連情報とともに記憶された関連情報特徴量とに基づいて、前記取得されたコンテンツ情報と各関連情報との類似度を算出する類似度算出手段と、前記算出された類似度に基づいて該当する関連情報を選定する選定手段と、を備え、前記提供手段が、前記選定された関連情報または当該関連情報を特定するための特定情報を前記携帯用端末装置に提供する構成を有している。
【0029】
この構成により、本発明のサーバ装置は、当該携帯用端末装置の向けた端末方向及び画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置に基づいて、ユーザが注目しているコンテンツ情報についてのコンテンツ特徴量に対する重み付けが大きくなるように、当該コンテンツ特徴量を補正することができる。したがって、本発明のサーバ装置は、コンテンツ情報と関連情報との類似度を算出する場合に、ユーザの注目度を参酌することができるので、商品またはサービスの広告などのユーザによって興味がある情報を的確に提供すること、及び、それにより提供された情報の閲覧数を向上させて効果的な情報提供を実現させることができる。
【0030】
(12)上記課題を解決するため、本発明の情報提供用プログラムは、コンピュータによって、現実空間を撮像する機能を有する携帯用端末装置にコンテンツ情報と当該コンテンツ情報に関連する関連情報を閲覧可能に取得させる閲覧情報提供用プログラムであって、前記コンピュータを、前記コンテンツ毎に、当該コンテンツをデータとして形成するコンテンツデータ、前記現実空間内における位置を示す位置情報、及び、当該コンテンツに含まれるキーワードをデータとして形成するキーワードデータが記憶された第1のデータベースと、前記関連情報毎に、当該関連情報を形成する形成データ及び当該関連情報に含まれるテキストから算出された特徴量を示す特徴量データが記憶された第2のデータベースと、を制御する制御手段、該当する前記携帯用端末装置とデータ通信を実行することによって、当該携帯用端末装置の前記現実空間における現在位置、及び、前記現実空間における当該携帯用端末装置の向けられた端末方向を取得する取得手段、前記検出された端末方向に基づいて、前記検出された現在位置と前記取得されたコンテンツ情報が有する前記現実空間における位置とを関連付けつつ前記携帯用端末装置の前記画像表示領域に表示させるために、前記端末方向に存在する前記取得されたコンテンツ情報を提供する提供手段、前記検出された端末方向または前記画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置の少なくとも何れか一方に基づいて、少なくとも当該画像表示領域に表示されているコンテンツ情報に関する重み係数を算出する重み係数算出手段、前記算出された重み係数を用いて、前記コンテンツ情報のコンテンツ特徴量を補正する補正手段、前記補正されたコンテンツ特徴量と前記記憶手段に前記関連情報とともに記憶された関連情報特徴量とに基づいて、前記取得されたコンテンツ情報と各関連情報との類似度を算出する類似度算出手段、及び、前記算出された類似度に基づいて該当する関連情報を選定する選定手段、として機能させ、前記提供手段として、前記選定された関連情報または当該関連情報を特定するための特定情報を前記携帯用端末装置に提供する機能を備える構成を有している。
【0031】
この構成により、本発明の情報提供用プログラムは、当該携帯用端末装置の向けた端末方向及び画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置に基づいて、ユーザが注目しているコンテンツ情報についてのコンテンツ特徴量に対する重み付けが大きくなるように、当該コンテンツ特徴量を補正することができる。したがって、本発明の情報提供用プログラムは、コンテンツ情報と関連情報との類似度を算出する場合に、ユーザの注目度を参酌することができるので、商品またはサービスの広告などのユーザによって興味がある情報を的確に提供すること、及び、それにより提供された情報の閲覧数を向上させて効果的な情報提供を実現させることができる。
【発明の効果】
【0032】
本発明の携帯用端末装置、サーバ装置、情報閲覧用プログラム及び情報閲覧用プログラムは、コンテンツ情報と関連情報との類似度を算出する場合に、ユーザの注目度を参酌することができるので、商品またはサービスの広告などのユーザによって興味がある情報を的確に提供すること、及び、それにより提供された情報の閲覧数を向上させて効果的な情報提供を実現させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明に係るネットワークシステム一の実施形態におけるシステム構成図である。
【図2】一の実施形態におけるコンテンツ情報のデータ構造の一例である。
【図3】コンテンツ情報におけるコンテンツ特徴量を説明するための図である。
【図4】一の実施形態における関連情報のデータ構造の一例である。
【図5】一の実施形態における携帯用通信端末装置の構成を示すブロック図である。
【図6】一の実施形態において、現在位置に基づくコンテンツ情報の検出について説明するための図である。
【図7】一の実施形態において、携帯用通信端末装置における端末方向の方角と取得したコンテンツ情報Cとの関係を説明する図と、当該方角に基づいて画像表示領域に表示されるコンテンツ情報について説明するための図である。
【図8】一の実施形態において、端末方向の方角が変化した場合の取得したコンテンツ情報Cとの関係を説明する図(その1)と、当該方角に基づいて画像表示領域に表示されるコンテンツ情報について説明するための図である。
【図9】一の実施形態において、端末方向の方角が変化した場合の取得したコンテンツ情報Cとの関係を説明する図(その2)と、当該方角に基づいて画像表示領域に表示されるコンテンツ情報について説明するための図である。
【図10】一の実施形態において、端末方向の仰角が変化した場合の取得したコンテンツ情報Cとの関係を説明する図(その1)と、当該方角に基づいて画像表示領域に表示されるコンテンツ情報について説明するための図である。
【図11】一の実施形態において、端末方向の仰角が変化した場合の取得したコンテンツ情報Cとの関係を説明する図(その1)と、当該方角に基づいて画像表示領域に表示されるコンテンツ情報について説明するための図である。
【図12】一の実施形態において、画像表示領域に表示されているコンテンツ情報が拡大された際の画像表示領域と表示されるコンテンツ情報との関係を説明するための図である。
【図13】一の実施形態において、画像表示領域に表示された推薦情報を説明するための図である。
【図14】一の実施形態の携帯用通信端末装置における情報提供処理の動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、以下に説明する実施形態は、ネットワークを介して携帯用電話機などの携帯用通信端末装置に対して、または、サーバ装置に対して、本発明の携帯用端末装置、情報閲覧用プログラム、サーバ装置及び情報提供用プログラムを適用した場合の実施形態である。
【0035】
<ネットワークシステムの概要構成>
まず、図1を用いて本実施形態のネットワークシステム10の概要構成について説明する。なお、図1は、ネットワークシステム10の構成を示すシステム構成図である。
【0036】
本実施形態のネットワークシステム10は、図1に示すように、店舗における広告または施設に関する案内などの文書または画像を含む現実空間の位置に対応付けられた複数のコンテンツ情報Cと本、物品または施設の情報などコンテンツ情報Cに関連する複数の関連情報Rが予め記憶されたデータベース100と、データベース100の制御及びコンテンツ情報C及び関連情報Rの管理を行うサーバ装置200と、から構成される。
【0037】
また、ネットワークシステム10は、ユーザが個々に有し、携帯可能な複数の通信端末装置(以下、「携帯用通信端末装置」という。)300を含む。各携帯用通信端末装置300は、ユーザにコンテンツ情報Cを画像表示領域DAに閲覧可能に表示する。そして、各携帯用通信端末装置300は、基地局BSまたはインターネット若しくは公衆電話回線網などのネットワークNを介して、データベース100及びサーバ装置200と、他の携帯用通信端末装置300と、または、図示しない他の通信装置と接続されている。
【0038】
特に、各携帯用通信端末装置300は、所定の画像表示領域DAを有し、当該各携帯用通信端末装置300の現実空間における現在位置(以下、単に「現在位置」という。)Pに基づいてデータベース100から取得したコンテンツ情報Cを、当該画像表示領域DAに表示する。具体的には、各携帯用通信端末装置300は、当該各携帯用通信端末装置300がユーザによって向けられている端末方向、すなわち、携帯用通信端末装置300の向いている方角(以下、単に「方角」という。)AG及び当該方角AGに対する仰角(以下、単に「仰角」という。)EAを検出し、検出した方角AG及び仰角EAに基づいて、各携帯用通信端末装置300が向いている方向であって、当該各携帯用通信端末装置300の現実空間における現在位置から所定の距離内に存在するコンテンツ情報Cを、画像表示領域DAに表示する。
【0039】
また、各携帯用通信端末装置300は、予め算出されてデータベース100に記憶された各コンテンツ情報Cの特徴量(以下、「コンテンツ特徴量」という。)をコンテンツ情報Cとともに取得し、当該各携帯用通信端末装置300が向けられた方角AG及び当該方角AGに対する仰角EAに基づいて、各コンテンツ特徴量を補正する。このとき、各携帯用通信端末装置300は、画像表示領域DAに表示されたコンテンツ情報Cの表示が拡大されている場合には、当該拡大率に基づいても各コンテンツ特徴量を補正する。
【0040】
さらに、携帯用通信端末装置300は、補正されたコンテンツ特徴量と関連情報R毎に予め算出されて記憶されている特徴量(以下、「関連情報特徴量」という。)とに基づいて、各コンテンツ情報Cと関連情報Rとの類似度を算出し、画像表示領域DAに表示されているコンテンツ情報Cに関連があると想定される関連情報R(以下、「推薦情報」ともいう。)を選定する。そして、携帯用通信端末装置300は、選定した関連情報(すなわち、推薦情報)Rを画像表示領域DAにコンテンツ情報Cとともに表示するようになっている。
【0041】
この構成により、本実施形態の各携帯用通信端末装置300は、携帯用通信端末装置300が向いている方向、すなわち、方角AGと仰角EAと、画像表示領域DAに表示されているコンテンツ情報Cの拡大率に基づいて、ユーザが注目していると想定されるコンテンツ情報Cを識別する。そして、各携帯用通信端末装置300は、当該ユーザが注目していると想定されるコンテンツ情報Cのコンテンツ特徴量の重み付けを与えるための重み付け係数を算出し、算出した重み付け係数に基づいて、コンテンツ特徴量及び推薦すべき情報である関連情報Rにおける関連情報特徴量との類似度を算出して選定する推薦情報を選定する。したがって、各携帯用通信端末装置300は、商品またはサービスの広告など、ユーザによって興味があるコンテンツ情報Cに関連する関連情報Rを提供すること、及び、それにより提供された情報の閲覧数を向上させて効果的な情報提供を実現させることができる。
【0042】
<データベース>
次に、図2及び図3の各図を用いて本実施形態のデータベース100と当該データベース100に記憶されているコンテンツ情報C及び関連情報Rについて説明する。
【0043】
なお、図2は、本実施形態において、コンテンツ情報Cにおけるデータ構造の一例を示し、図3は、コンテンツ情報Cに含まれる各情報に基づいて予め算出されるコンテンツ特徴量を説明するための図である。また、図4は、本実施形態において、関連情報Rにおけるデータ構造を示す一例である。
【0044】
本実施形態のデータベース100には、WWWシステム用のリソースデータ(以下、「Webページデータ」ともいう。)によってコンテンツ情報Cが所定のデータ構造を有して記録されている。各コンテンツ情報Cは、広告、画像、テキストまたは複数の文の纏まりなどタイプや内容が異なる複数の構成要素をタグと呼ばれる識別子を用いつつ、HTML(Hyper Text Markup Language)またはXML(eXtensible Markup Language)などのマークアップ言語によって構成されている。
【0045】
例えば、各コンテンツ情報Cは、店舗または場所を紹介するためのコンテンツ情報Cであり、図2に示すように、各コンテンツ情報Cの識別を行うためのコンテンツIDと、現実空間の座標を示す座標情報と、テキストとしてコンテンツ情報Cのタイトルを示すタイトル情報及びコンテンツ情報Cの内容を示す提供情報と、から構成される。
【0046】
コンテンツIDは、固有のURL(Uniform Resource Locator)と呼ばれるデータベース100における格納場所を示すアドレス(以下、「URL」という。)また文字の固有の組み合わせなど他のコンテンツ情報Cと識別するための情報である。座標情報は、緯度及び経度から構成される現実空間に対応付けられた座標情報である。タイトル情報は、店舗の名称、カテゴリ、場所の名前または種別などのテキストの情報であり、提供情報は、店舗や場所の特徴または、当該店舗や場所における推奨されるべき情報である。そして、例えば、本実施形態では、図3(a)に示すように、第1コンテンツ情報C1が携帯用通信端末装置300の画像表示領域DAに表示される
【0047】
また、各コンテンツ情報Cには、予め算出されたコンテンツの特徴量を示すコンテンツ特徴量が含まれる。コンテンツ特徴量は、タイトル情報及び提供情報に対して形態素解析を実行して品詞に分解しつつ不要な品詞を排除して抽出されたキーワード、所定のキーワード辞書に含まれたキーワードと完全一致したキーワード、または、コンテンツ情報Cを提供する提供者またはシステム管理者によって抽出されたキーワードに基づいて算出された文書ベクトルである。具体的には、文書ベクトルは、タイトル情報及び提供情報において抽出されたキーワードの出現頻度と各キーワードにおける一のコンテンツ情報C内に出現する出現頻度を示すTF−IDF(Term Frequency − Inverse Document Frequency)によって形成される。
【0048】
例えば、図3(b)に示すように、第1コンテンツ情報C1、すなわち、コンテンツID「info001」におけるコンテンツ特徴量は、タイトル情報「コーヒーの店」及び提供情報「豆にこだわった本格的なコーヒーが飲める店」から形態素解析を実行して抽出された各キーワード「コーヒー」、「豆」及び「店」に対して第1コンテンツ情報C内における出現頻度「TF」と全てのコンテンツ情報C(例えば、第1コンテンツ情報C1から第10コンテンツ情報C10)内における出現頻度「DF」に基づいて算出されたキーワード毎の「TF−IDF(=TF/DF)」の文書ベクトル(Tj)である。また、文書ベクトル(Tj)は、(式1)に示すようなベクトルである。
【0049】
【数1】
【0050】
なお、(式1)において、「j」は、コンテンツIDを示し、「Key1」〜「Keym」は、形態素解析によって検出されたキーワードのテキストを示し、「tj1」」〜「tjm」は、算出された各キーワードのTF−IDFの値を示す。
【0051】
一方、データベース100には、所定の形式によって推薦情報の候補となるべき関連情報(以下、「関連候補情報」または「推薦候補情報」ともいう。)Rが所定のデータ構造を有して記憶されている。例えば、各関連情報Rは、図4に示すように、関連情報Rを識別するためのIDと、各関連情報Rのタイトル情報、テキストまたは画像などの提供情報と、から構成される。
【0052】
IDは、固有のURL(Uniform Resource Locator)と呼ばれるデータベース100における格納場所を示すアドレス(以下、「URL」という。)また文字の固有の組み合わせなど他のコンテンツ情報Cと識別するための情報である。タイトル情報は、関連情報Rにおける名称、カテゴリまたは種別などのテキストの情報であり、提供情報は、関連情報Rを説明するための情報である。
【0053】
また、各関連情報Rには、予め算出された関連情報特徴量が含まれる。例えば、関連情報特徴量は、コンテンツ特徴量と同様に、タイトル情報及び提供情報に対して形態素解析を実行して品詞に分解しつつ不要な品詞を排除して抽出されたキーワード、所定のキーワード辞書に含まれたキーワードと完全一致したキーワード、または、コンテンツ情報Cを提供する提供者またはシステム管理者に抽出されたキーワードに基づいて算出された文書ベクトル「S」である。また、この関連情報Rの文書ベクトル「S」は、コンテンツ特徴量と同様に、タイトル情報及び提供情報において抽出されたキーワードの出現頻度と各キーワードにおける一の関連情報R内に出現する(式2)に示す出現頻度を示すTF−IDFによって形成される。
【0054】
【数2】
【0055】
なお、(式1)と同様に、(式2)において、Key1〜Keymは、キーワードのテキストを示し、「sj1」〜「sjm」は、各関連情報Rにおける各キーワードのTF−IDFの値である。
【0056】
<サーバ装置>
次に、本実施形態のサーバ装置200について説明する。
【0057】
サーバ装置200は、主にCPU、ROM、RAM及びハードディスクによって構成され、携帯用通信端末装置300との間においてデータの授受を行うための通信機能、データベース100の管理、並びに、各コンテンツ情報C及び関連情報Rの管理を行う。例えば、ROMには、各機能を実行するための制御情報が記録されるとともに、ハードディスクには、制御プログラムまたはOS(Operating System)などの各種プログラムが記録されている。また、CPUは、ハードディスクに記録されたプログラムを実行することにより、上述の各種の機能を実現し、RAMは、ワークエリアとして用いられる。特に、サーバ装置200は、通信機能としては、各携帯用通信端末装置300からのコンテンツ情報Cまたは関連情報Rの送信要求を受信した際に、当該携帯用通信端末装置300との通信回線を確立し、要求されたデータを携帯用通信端末装置300に送信するようになっている。
【0058】
<携帯用通信端末装置>
1.携帯用通信端末装置の構成
次に、図5を用いて本実施形態の各携帯用通信端末装置300の構成について説明する。なお、図5は、本実施形態の各携帯用通信端末装置300の構成を示すブロック図である。
【0059】
各携帯用通信端末装置300は、例えば、電子書籍用読取再生装置(電子ブックリーダ)、ゲーム機、PDA(Personal Digital Assistants)、携帯用電話機または携帯タブレット型通信端末装置などの携帯可能な通信端末装置である。そして、各携帯用通信端末装置300は、画像表示領域DAを有するとともに、リソースデータを読み込んで当該画像表示領域DAにコンテンツ情報Cを表示するためのブラウザ機能を有している。
【0060】
また、各携帯用通信端末装置300は、各携帯用通信端末装置300が有する種々のハードウェアと協働し、現在位置Pに基づいて取得したコンテンツ情報Cとともに、ユーザにとって必要と想定される推薦されるべき関連情報Rを推薦情報として提供する情報提供処理を実行するためのプログラム(以下、「情報提供プログラム」という。)を実行する。特に、情報提供プログラムによって実行される処理としては、
(1)携帯用通信端末装置300の現在位置Pと当該携帯用通信端末装置300が向けられた端末方向(方角AG及び仰角EA)の検出を制御する検出制御処理、
(2)検出された現在位置Pに基づいて、携帯用通信端末装置300の周辺の位置に対応付けられたコンテンツ情報Cをデータベース100から取得する取得処理、
(3)取得したコンテンツ情報Cを画像表示領域DAに表示する表示制御処理
(4)検出された方角AG及び仰角EAと、画像表示領域DAに表示されたコンテンツ情報Cの当該画像表示領域DA上における座標と、に基づいて、当該画像表示領域DAに表示されている各コンテンツ情報Cの重み係数を算出する重み付け算出処理、
(5)取得され各コンテンツ情報Cに含まれるコンテンツ特徴量を算出された重み係数で補正する補正処理、
(7)補正されたコンテンツ特徴量に基づいて一の検索式を生成し、生成した検索式に基づいて、予めデータベース100から取得した各関連情報特徴量と、補正された補正コンテンツ特徴量と、の類似度を算出する類似度算出処理、及び、
(8)算出された各類似度に基づいて該当する関連情報Rを選定し、当該選定した関連情報Rを画像表示領域DAに表示させてユーザに関連情報Rに関する情報を提供する提供処理が含まれる。
【0061】
具体的には、各携帯用通信端末装置300は、データベース100、サーバ装置200及び他の通信装置と通信を行う通信制御部310と、情報提供処理における各処理を行うデータ処理部320と、現在位置Pを検出する携帯用通信端末装置300における現在位置Pを検出する現在位置検出部330と、当該携帯用通信端末装置300が向けられている端末方向を検出する姿勢検出部340と、を有している。
【0062】
また、各携帯用通信端末装置300は、所定の画像表示領域DAを有する表示部360と、表示部360における種々の描画を制御する描画制御部350と、ユーザの操作を入力するための操作部370と、全体を制御する端末管理制御部380と、情報提供プログラムが記録されるとともに端末管理制御部380が各部材を制御するための制御プログラム及び当該制御プログラムが実行される際に用いられるメモリ機能を有するROM/RAM390と、を有している。
【0063】
そして、携帯用通信端末装置300は、例えば、電話機能及び電子メールなどのメール機能を有する場合には、マイク、スピーカ及び電子メールの送受信機能など種々の必要な部材を有している。さらに、上記の各部は、バスBによって互いに接続され、データの授受が実行される。
【0064】
なお、例えば、データ処理部320は、本発明の取得手段、表示制御手段、重み係数算出手段、補正手段、類似度算出手段及び選定手段を構成する。また、例えば、本実施形態の現在位置検出部330は、本発明の現在位置検出手段を構成し、姿勢検出部340は、本発明の方向検出手段を構成する。
【0065】
通信制御部310は、データ処理部320の制御の下、ネットワークNに接続される基地局BSを介してサーバ装置200及びデータベース100との通信回線を構築し、コンテンツ情報Cまたは関連情報Rの取得など種々のデータの授受を行う。
【0066】
データ処理部320は、情報提供プログラムによって実行される情報提供処理を実現するようになっている。例えば、データ処理部320は、ROM/RAM390に記録された情報提供プログラムで携帯用通信端末装置300の各部を制御するための各種制御プログラムを実行しつつ、通信制御部310及び描画制御部350と連動して、または、制御して上述の各種の処理を実行する。
【0067】
具体的には、データ処理部320は、情報提供プログラムを起動することによって、図5に示すように、検出制御処理を実行する検出制御部321と、取得処理を実行する取得処理部322と、コンテンツ情報Cを画像表示領域DAに表示する表示制御処理部323と、重み付け算出処理及び補正処理を実行する重み係数算出処理部324と、類似度算出処理を行う類似度算出処理部325と、提供処理を実行する提供処理部326と、を構築する。
【0068】
なお、例えば、本実施形態の取得処理部322は、本発明の取得手段を構成し、表示制御処理部323は、本発明の表示制御手段を構成する。また、例えば、本実施形態の重み係数算出処理部324は、重み係数算出手段及び補正手段を構成し、類似度算出処理部325は、類似度算出手段を構成する。さらに、例えば、本実施形態の提供処理部326は、本発明の提供手段を構成する。
【0069】
現在位置検出部330は、情報提供プログラムの起動時に、データ処理部320の制御の下、ネットワークNを介してGPS(Global Positioning System)衛星の位置を認識しつつ、当該GPS衛星から送信された衛星信号(GPS信号)を検出し、当該検出されたGPS信号に基づいて携帯用通信端末装置300の現在位置Pの緯度及び経度によって示される座標値を算出(すなわち、検出)する。そして、この現在位置検出部330は、この算出された座標値を位置情報としてデータ処理部320に提供する。
【0070】
なお、携帯用通信端末装置300が、電話機能を有している場合には、電話に用いる電波を電話基地局において受信した方角AGと電波強度に基づいて当該携帯用通信端末装置300の現在位置Pを算出(検出)してもよい。
【0071】
姿勢検出部340は、微弱な地磁気を検知する磁気センサと、重力の方向を検出する加速度センサとから形成されており、情報提供プログラムの起動時に、データ処理部320の制御の下、端末方向、すなわち、携帯用通信端末装置300が向けられている方角AG(すなわち、東西南北)と当該方角AGに対する仰角EA(水平面と当該携帯用通信端末装置300が向けられた方向とによって形成される角度)を検出し、検出した方角AG及び仰角EAを方角AG情報または仰角EA情報としてデータ処理部320に提供する。
【0072】
表示部360は、所定のサイズ(例えば、W320×H400ピクセル)の画像表示領域DAを有し、例えば、液晶素子またはEL(Electro Luminescence)素子のパネルによって構成され、描画制御部350において生成された表示データに基づいて所定の画像を表示するようになっている。特に、本実施形態では、表示部360は、情報提供プログラムが実行されている際に、操作部370と連動しつつ、コンテンツ情報Cを表示するようになっている。
【0073】
描画制御部350は、端末管理制御部380の制御の下またはデータ処理部320の制御の下、表示部360に所定の画像を描画させるために必要な描画データを生成するようになっており、生成された描画データを当該表示部360に出力するようになっている。
【0074】
操作部370は、各種の確認ボタン、各操作指令を入力する操作ボタン、テンキーなどの多数のキー及び表示部360上に設けられたタッチセンサにより構成され、各操作を行う際に用いられるようになっている。具体的には、操作部370は、情報提供プログラムの起動時に上述の各種の処理を実行するための操作を行う際に用いられるようになっている。
【0075】
端末管理制御部380は、主に中央演算処理装置(CPU)によって構成されるとともに、キー入力ポート、表示制御ポート等の各種入出力ポートを含み、携帯用通信端末装置300の全般的な機能及び情報提供プログラムを実行するための全般的な機能を総括的に制御するようになっている。
【0076】
ROM/RAM390には、携帯用通信端末装置300として機能するための各種の制御プログラムが記録されているとともに、コンテンツ情報Cまたは関連情報Rを閲覧するためのブラウザ機能を含む情報提供プログラムが記録されている。また、このROM/RAM390は、各種の処理が実行される際のワークエリアとして用いられる。
【0077】
2.データ処理部の詳細
次に、図6〜図13の各図を用いて本実施形態のデータ処理部320における各部の構成及びその動作の詳細について説明する。
【0078】
なお、図6は、現在位置Pに基づくコンテンツ情報Cの検出について説明するための図であり、図7は、携帯用通信端末装置300における端末方向の方角AGと取得したコンテンツ情報Cとの関係を説明する図と、当該方角AGに基づいて画像表示領域DAに表示されるコンテンツ情報Cについて説明するための図である。
【0079】
また、図8は、端末方向の方角AGが変化した場合の取得したコンテンツ情報Cとの関係を説明する図(その1)と、当該方角AGに基づいて画像表示領域DAに表示されるコンテンツ情報Cについて説明するための図であり、図9は、端末方向の方角AGが変化した場合の取得したコンテンツ情報Cとの関係を説明する図(その2)と、当該方角AGに基づいて画像表示領域DAに表示されるコンテンツ情報Cについて説明するための図である。
【0080】
さらに、図10は、端末方向の仰角EAが変化した場合の取得したコンテンツ情報Cとの関係を説明する図(その1)と、当該方角AGに基づいて画像表示領域DAに表示されるコンテンツ情報Cについて説明するための図であり、図11は、端末方向の仰角EAが変化した場合の取得したコンテンツ情報Cとの関係を説明する図(その1)と、当該方角AGに基づいて画像表示領域DAに表示されるコンテンツ情報Cについて説明するための図である。
【0081】
またさらに、図12は、画像表示領域DAに表示されているコンテンツ情報Cが拡大された際の画像表示領域DAと表示されるコンテンツ情報Cとの関係を説明するための図であり、図13は、画像表示領域DAに表示された推薦情報を説明するための図である。
【0082】
検出制御部321は、加速度センサとタイマーを有し、情報提供プログラムの起動中に、現在位置検出部330、姿勢検出部340と連動して、現在位置P、方角AG及び仰角EAにおける検出させる。具体的には、検出制御部321は、加速度センサとタイマーによって携帯用通信端末装置300が所定の時間(例えば、3秒)静止したか否かを検出し、当該所定の時間において静止したことを検出した場合に、現在位置P、方角AG及び仰角EAを検出させてROM/RAM390に記憶する。
【0083】
取得処理部322は、通信制御部310と連動しつつ、サーバ装置200の制御の下、検出された現在位置Pに基づいてデータベース100から所定のコンテンツ情報Cを取得する。例えば、取得処理部322は、図6(a)に示すように現在位置P(例えば、緯度=35.628367度、経度=139.718692度)が検出されると、図6(b)に示すように撮像方向に無関係に検出された現在位置Pを中心に所定の半径領域r(例えば、半径r=1km)の位置情報を有する「9」のコンテンツ情報Cをデータベース100から検出し、該当するコンテンツ情報Cを取得する。
【0084】
また、取得処理部322は、情報提供プログラムの実行開始時に、データベース100から関連情報Rを関連情報特徴量とともに取得し、ROM/RAM390に記憶する。
【0085】
表示制御処理部323は、描画制御部350及び検出制御部321と連動しつつ、現在位置Pに基づいて取得したコンテンツ情報Cの中から、検出した方角AG及び仰角EAによって携帯用通信端末装置300を向けた端末方向の位置に対応付けられたコンテンツ情報Cを表示部360の画像表示領域DAに表示する。
【0086】
具体的には、表示制御処理部323は、現実空間の携帯用通信端末装置300の現在位置Pとコンテンツ情報Cの位置と携帯用通信端末装置の方角認識範囲(すなわち、視野角(例えば−15度から+15度))及び距離認識範囲(例えば、0m〜500m)とに基づいて、立体的な地図(すなわち、鳥瞰図)など奥行き感のある3次元仮想空間内に各コンテンツ情報Cに含まれるタイトルが存在するように、画像表示領域DAに表示する。また、このとき、表示制御処理部323は、携帯用通信端末装置300とコンテンツ情報Cとの現実空間における距離差の視認を容易にするために、スケールを表示させる。
【0087】
例えば、表示制御処理部323は、図6(b)に示すように、それぞれ現実空間における位置に対応付けられた「9」のコンテンツ情報Cを取得している場合であって、方角AGが「0度(北=0度)」、かつ、仰角EAが「0度(水平=0度)」の場合には、図7に示すように、第1コンテンツ情報C1から第4コンテンツ情報C4の「4」のコンテンツ情報Cに含まれるタイトル情報及び提供情報を画像表示領域DAに表示する。
【0088】
なお、ここで、水平とは、画像表示領域DAが形成されている携帯用通信端末装置300の面が地面に対して垂直になっていることをいう。また、表示制御処理部323は、方角AG及び仰角EAとともに、予め設定された画像表示領域DAのサイズ、予め定められた認識距離21及び検出された方角AGを基準に形成される認識可能な角度(認識角度)22に基づいて形成される視認範囲20内におけるコンテンツ情報Cを選定してそのタイトル情報及び提供情報を画像表示領域DAに3次元仮想画像とともに表示する。特に、図7(b)においては、各コンテンツ情報Cは、コンテンツIDによって表示されているが、実際はタイトル情報及び提供情報によって表示される。そして、携帯用通信端末装置300の現実空間からの距離によって表示されるコンテンツ情報の大きさも変化させて表示される。
【0089】
また、表示制御処理部323は、ユーザによって携帯用通信端末装置300を向ける端末方向が変化した場合に、当該変化に対応させて、順次、検出した方角AGによって携帯用通信端末装置300を向けた端末方向の位置に対応付けられたコンテンツ情報Cを表示部360の画像表示領域DAに表示する。
【0090】
例えば、表示制御処理部323は、図8に示すように、図7の状態からユーザによって携帯用通信端末装置300における端末方向の方角AGのみを時計回りに「30度」回転させられた場合には、視認範囲20に属する第4コンテンツ情報C4及び第5コンテンツ情報C5のタイトル情報及び提供情報を画像表示領域DAに表示する。そして、表示制御処理部323は、図9に示すように、図7の状態からユーザによって携帯用通信端末装置300における端末方向の方角AGのみを時計と反対回りに「30度」回転させられた場合には、視認範囲20に属する第1コンテンツ情報C1及び第3コンテンツ情報C3のタイトル情報及び提供情報のみを画像表示領域DAに表示する。
【0091】
一方、表示制御処理部323は、ユーザによって携帯用通信端末装置300の端末方向が上方または下方に向けられて仰角AEを検出した場合には、当該携帯用通信端末装置300の現実空間の位置の周辺または遠方にあるコンテンツ情報のみを画像表示領域DAに表示するように構成されている。すなわち、表示制御処理部323は、仰角EAが水平より上方に向けて大きくなるほど、現実空間において携帯用通信端末装置300から遠方に存在するコンテンツ情報Cに焦点が合うように画像表示領域DAに各コンテンツ情報を表示し、仰角EAが水平より下方に向けて大きくなるほど、現実空間において携帯用通信端末装置300周辺に存在するコンテンツ情報Cに焦点が合うように画像表示領域DAに各コンテンツ情報を表示する。
【0092】
具体的には、表示制御処理部323は、端末方向の仰角EAを、水平面を基準に上方(プラス)に傾けた場合には、携帯用通信端末装置300の現在位置より現実空間において遠くの位置に存在するコンテンツ情報Cのみ画像表示領域DAに表示されるようにコンテンツ情報Cの表示制御を行う。また、表示制御処理部323は、端末方向の仰角EAを、水平面を基準に下方(マイナス)に傾けた場合には、携帯用通信端末装置300の現在位置より現実空間において近くに位置に存在するコンテンツ情報Cのみを画像表示領域DAに表示されるようにコンテンツ情報Cの表示制御を行う。特に、本実施形態の表示制御処理部323は、(式3)及び(式4)を実行し、画像表示領域DAに表示するための距離認識範囲を設定し、当該設定された距離認識範囲内に存在するコンテンツ情報を画像表示領域DAに表示する。
【0093】
【数3】
【0094】
【数4】
【0095】
なお、(式3)及び(式4)において、「X」は画像表示領域DAにおけるスケール調整用の定数であり、例えば、「10m」である。また、距離認識範囲の最小値または最大値が「0」以下になった場合は、距離認識範囲は、「0」とみなす。
【0096】
例えば、表示制御処理部323は、仰角EAが0度の場合であって距離認識範囲が0m〜500mの場合であって、ユーザによって携帯用通信端末装置300における端末方向を上方に「30度」傾けた場合には、距離認識範囲を、300m〜800mと設定し、図10に示すように、現実空間において携帯用通信端末装置300から距離認識範囲300m〜800mに存在する第3コンテンツ情報C3及び第4コンテンツ情報C4のタイトル情報及び提供情報を拡大させつつ画像表示領域DAに表示する。
【0097】
また、例えば、表示制御処理部323は、仰角EAが0度の場合であって距離認識範囲が0m〜500mの場合であって、ユーザによって携帯用通信端末装置300における端末方向を下方に「30度」傾けた場合には、距離認識範囲を0m〜300mと設定し、図11に示すように、現実空間において携帯用通信端末装置300から距離認識範囲0m〜300mに存在する第1コンテンツ情報C1及び第2コンテンツ情報C2のタイトル情報及び提供情報を拡大させつつ画像表示領域DAに表示する。
【0098】
他方、表示制御処理部323は、描画制御部350と連動しつつ、操作部370の指示に基づいて、画像表示領域DAに表示されている3次元仮想空間に対するコンテンツ情報Cの拡大率を変化させるための表示制御を行う。
【0099】
例えば、表示制御処理部323は、図12(a)に示すように、操作部370によって第3コンテンツ情報C3の周辺の領域(指示領域)に対して拡大表示を行うための指示(2倍に拡大する指示)が入力された場合には、図12(b)に示すように、3次元仮想空間領域のサイズを変更させつつ(例えば、W400×H320ピクセルからW200×H160ピクセルに)、第3コンテンツ情報C3を表示するための領域、すなわち、タイトル情報及び提供情報を表示する領域も拡大させるための表示制御を行う。ただし、この場合には、表示制御処理部323は、方角認識範囲及び距離認識範囲の各情報については変更せずに、表示される3次元仮想空間領域のサイズのみ変更する。
【0100】
重み係数算出処理部324は、データベース100から取得したコンテンツ情報C毎に、ユーザの注目度を数値化するための重み係数を算出する。一般的に、現実空間の位置に対応付けて表示されるコンテンツ情報Cにおいては、ユーザが注目するコンテンツ情報Cに対して画像表示領域DAに表示される。特に、画像表示領域DAに大きくかつ当該画像表示領域DAの中心付近に表示されているほどユーザにおける注目度が高いといえる。そこで、本実施形態の重み係数算出処理部324は、画像表示領域DAの中心に表示されているコンテンツ情報C、及び、当該画像表示領域DAにおいて大きく表示されているコンテンツ情報Cに対して、ユーザの注目度を高いと判断し、これらのコンテンツ情報Cにおけるコンテンツ特徴量の数値を大きくする重み付け係数を算出する。なお、本実施形態の重み係数算出処理324は、画像表示領域DAに表示されているコンテンツ情報Cのみならず、現在位置に基づいて取得した全てのコンテンツ情報Cについて重み係数算出処理を実行する。
【0101】
第1に、重み係数算出処理部324は、検出された端末方向の方角AG及び現在位置Pに基づいて、前記取得されたコンテンツ情報Cの現実空間内における位置と当該携帯用通信端末装置300の現在位置Pとの角度差を算出し、当該算出された角度差に基づいて、当該コンテンツ情報Cにおける重み係数を算出する。
【0102】
具体的には、重み係数算出処理部324は、(式5)の演算を実行し、算出された角度差が小さいほど、重み付け係数が大きくなるように、該当するコンテンツ情報Cにおける重み係数WAを算出する。ただし、(式5)において、分母の変数(AG−B)が「1」未満になる場合には、重み係数算出処理部324は、(式6)を実行し、重み係数WAを算出する。これは、分母の変数が「0」に近づくと、急激に値が変化するとともに、「0」になると、発散し、演算結果にエラーが生じるためである。
【0103】
【数5】
【0104】
【数6】
【0105】
なお、(式5)において、「AG」は、携帯用通信端末装置300の端末方向の方角AG(北=0度)を示し、「B」とは、現実空間における携帯用通信端末装置300の現在位置P及び端末方向の方角AGとコンテンツ情報Cの現実空間における位置とに基づいて算出された携帯用通信端末装置300に対するコンテンツ情報Cの絶対的な方角である。また、「α」は、予め定められた定数である。
【0106】
第2に、重み係数算出処理部324は、検出された現在位置Pに基づいて、取得されたコンテンツ情報Cの現実空間内における位置と当該携帯用通信端末装置300の現在位置Pとの距離差を算出し、検出された仰角EAの大きさに基づいて、当該算出された距離差を基準とする重み付け係数を算出する。
【0107】
具体的には、重み係数算出処理部324は、仰角EAの値によって(式7)または(式8)の演算を実行し、当該携帯用通信端末装置300が水平面(θ=0度)より上方に傾いている場合には、当該携帯用通信端末装置300から現実空間内において遠くの位置に対応付けられているコンテンツ情報Cの重み係数を、現実空間内において近くの位置に対応付けられているコンテンツ情報Cの重み係数より大きくし、当該携帯用通信端末装置300が水平面より下方に傾いている場合には、当該携帯用通信端末装置300から現実空間内において近くの位置に対応付けられているコンテンツ情報Cの重み係数を、現実空間内において遠くの位置に対応付けられているコンテンツ情報Cの重み係数より大きくなるように、重み係数WBを算出する。ただし、(式8)において、分母の変数「L」が「1」未満になる場合には、重み係数算出処理部324は、(式9)を実行し、重み係数WBを算出する。これは、分母の変数「L」が「0」に近づくと、急激に値が変化するとともに、「0」になると、発散し、演算結果にエラーが生じるためである。
【0108】
【数7】
【0109】
【数8】
【0110】
【数9】
【0111】
なお、(式7)及び(式8)において、「L」は、現実空間における携帯用通信端末装置300とコンテンツ情報Cが対応付けられた位置とのユーグリッド距離を示す。ここで、ユーグリッド距離とは、現実空間の位置に基づいて二点間における三平方の定理で算出される距離である。また、「β」は、予め定められた定数である。
【0112】
第3に、重み係数算出処理部324は、画像表示領域DAに表示された3次元仮想空間におけるコンテンツ情報Cの位置(表示されたタイトル情報及び提供情報の中心座標)に基づいて、重み付け係数を算出する。
【0113】
具体的には、重み係数算出処理部324は、(式10)の演算を実行し、画像表示領域DAの中心に近い位置に表示されているほど、コンテンツ情報Cの重み係数を大きくなるように、重み係数WCを算出する。ただし、(式10)において、分母の変数(Yi−YC)が「1」未満になる場合には、重み係数算出処理部324は、(式11)を実行し、重み係数WCを算出する。これは、分母の変数が「0」に近づくと、急激に値が変化するとともに、「0」になると、発散し、演算のエラーが生じるためである。
【0114】
【数10】
【0115】
【数11】
【0116】
なお、(式10)においては座標値としてはY座標を用いるとともに、「Yi」はコンテンツ情報Cのタイトル情報及び提供情報における画像表示領域DA内のY座標を示し、「YC」は、画像表示領域DAの中心のY座標を示す。また、「P」は、拡大率(%)を示し、予め定められた標準時(例えば、図7〜図9)の拡大率を「100%」としたときの拡大率または縮小率である。さらに、「γ」は、予め定められた定数である。ただし、重み係数算出部324は、画像表示領域DAに表示されたコンテンツ情報に対してのみ重み係数WCを算出する。
【0117】
補正処理部は、重み係数算出処理部324において算出された各コンテンツ情報Cの重み係数WA、WB及びWCをコンテンツ情報C毎に合算するとともに、当該コンテンツ情報Cのコンテンツ特徴量、すなわち、当該コンテンツ情報CのTF−IDFの値(D)に、該当する合算した重み係数をそれぞれ乗算する。
【0118】
類似度算出処理部325は、各コンテンツ情報Cにおける補正されたコンテンツ特徴量をベクトル加算して単一の検索式「Q」を生成する。そして、類似度算出処理部325は、予めデータベース100から取得した各関連情報Rにおける関連情報特徴量(すなわち、(式2)に示された文書ベクトルS)に対して、生成したベクトル検索式「Q」と取得した関連文書の文書ベクトル(Sj)を比較してベクトル空間モデルを用いて検索式と各関連情報Rとの類似度(sim)を(式12)を用いて算出するようになっている。
【0119】
【数12】
【0120】
なお、文書ベクトル「S」は、(式2)を参照するとともに、検索式「Q」は、(式13)に示す。また、(式13)において、(式1)及び(式2)と同様に、Key1〜Keymは、キーワードのテキストを示し、「q1」〜「qm」は、全てのコンテンツ情報Cにおける補正された各キーワードのTF−IDFの値を示す。
【0121】
【数13】
【0122】
提供処理部326は、描画制御部350と連動し、算出された各類似度に基づいて該当する関連情報Rを選定し、当該選定した関連情報R(推薦情報)を、タイトル情報及び提供情報とともに画像表示領域DAに表示する。例えば、提供処理部326は、図13に示すように、選定された一の推薦情報のタイトル「item001」と提供情報を画像表示領域DAの下部に表示する。
【0123】
<情報提供処理>
次に、図14を用いて本実施形態の携帯用通信端末装置300における情報提供処理の動作について説明する。なお、図14は、本実施形態の携帯用通信端末装置300における情報提供処理の動作を示すフローチャートである。
【0124】
なお、本動作においては、データベース100には、複数のコンテンツ情報C及び関連情報Rが記憶されているとともに、各コンテンツ情報C及び各関連情報Rにおいても既に文書ベクトルが生成されて記憶されているものとする。また、サーバ装置200は、携帯用通信端末装置300の指示に基づいてデータベース100を制御しつつ、当該携帯用通信端末装置300にコンテンツ情報C及び各関連情報Rを適宜送信する。
【0125】
まず、端末管理制御部380が、操作部370に入力された情報提供処理の開始指示を検出すると(ステップS101)、情報提供処理プログラムを起動させて所定の初期設定を行う(ステップS102)。このとき、取得処理部322は、データベース100から関連情報R及び当該関連情報Rの関連情報特徴量を取得してROM/RAM390に記憶する。
【0126】
次いで、検出制御部321は、携帯用通信端末装置300が一定のポジションで静止され、当該静止されたときから所定の時間経過したか否か(すなわち、検出タイミングか否か)を判断し(ステップS103)、所定の時間経過していると判断した場合には、現在位置検出部330及び姿勢検出部340に、携帯用通信端末装置300の現実空間における現在位置P及び方角AGと仰角EAを含む端末方向を検出させる(ステップS104)。なお、このとき、検出制御部321は、タイマーのカウント開始から所定の時間経過したと判断した場合には、タイマーのカウントをリセットして再カウントを開始する。
【0127】
次いで、取得処理部322は、通信制御部310を介して、検出された現在位置Pに基づいてデータベース100から当該現在位置P周辺のコンテンツ情報C及びそのコンテンツ特徴量を取得する(ステップS105)。ただし、既に、取得処理部322は、ROM/RAM390に記憶されているコンテンツ情報Cについてはデータベース100から取得せず、不要のコンテンツ情報Cについては削除する各処理を行う。
【0128】
次いで、表示制御処理部323は、操作部370によって画像表示領域DAにおけるコンテンツ情報Cを表示するための拡大率が指示されているかを判断する(ステップS106)。
【0129】
このとき、表示制御処理部323は、操作部370によって拡大率が指示されている場合には、その拡大率及び検出された携帯用通信端末装置300の現在位置Pと、検出されたその方角AG及び仰角EAと、に基づいて画像表示領域DAに表示された3次元仮想空間内に取得したコンテンツ情報Cのタイトル情報及び提供情報を表示する(ステップS107)。
【0130】
一方、表示制御処理部323は、操作部370によって拡大率が指示されていない場合には、検出された携帯用通信端末装置300の現在位置Pと、検出されたその方角AG及び仰角EAと、に基づいて画像表示領域DAに表示された3次元仮想空間内に取得したコンテンツ情報Cのタイトル情報及び提供情報を表示する(ステップS108)。
【0131】
次いで、重み係数算出処理部324は、取得したコンテンツ情報C、具体的には、ROM/RAM390に記憶されている各コンテンツ情報Cの各情報における重み係数WA、WB及びWCを算出する(ステップS109)。
【0132】
次いで、補正処理部は、取得したコンテンツ情報Cにおけるコンテンツ特徴量に算出された重み係数を各コンテンツ特徴量に乗算して、当該コンテンツ特徴量を補正する(ステップS110)。
【0133】
次いで、類似度算出処理部325は、補正された各コンテンツ情報Cのコンテンツ特徴量に基づいて各キーワードにおける補正されたコンテンツ特徴量を合算して単一の検索式(文書ベクトル)を生成する(ステップS111)。
【0134】
次いで、類似度算出処理部325は、ステップS102の処理において記憶された関連情報特徴量(文書ベクトル)と、生成された検索式を比較して検索式と各コンテンツ情報Cと各関連情報Rとの類似度を算出する(ステップS112)。
【0135】
次いで、提供処理部326は、算出された各類似度の最大値を有する関連情報Rを、推薦情報として選定し、当該推薦情報のタイトル情報及び提供情報を画像表示領域DAに表示させ、ユーザに閲覧可能に提供する(ステップS111)。
【0136】
最後に、端末管理制御部380は、操作部370から入力された終了指示の検出の有無を判断し(ステップS112)、当該終了指示を検出していない場合には、ステップS103の処理に移行し、本動作を繰り返す。一方、端末管理制御部380は、操作部370から入力された終了指示の検出した場合には、本動作を終了する。
【0137】
<作用効果>
本実施形態の携帯用通信端末装置300は、当該携帯用通信端末装置300の向けた端末方向及び画像表示領域DAに表示されたコンテンツ情報Cの表示位置に基づいて、ユーザが注目しているコンテンツ情報Cについてのコンテンツ特徴量に対する重み付けが大きくなるように、当該コンテンツ特徴量を補正することができる。したがって、携帯用通信端末装置300は、コンテンツ情報と関連情報との類似度を算出する場合に、ユーザの注目度を参酌することができるので、商品またはサービスの広告などのユーザによって興味がある情報を的確に提供すること、及び、それにより提供された情報の閲覧数を向上させて効果的な情報提供を実現させることができる。
【0138】
また、本実施形態の携帯用通信端末装置300は、例えば、取得されたコンテンツ情報Cの現実空間内における位置と当該携帯用通信端末装置300の現在位置Pとの角度差が小さいほど、重み付け係数が大きくすることができるので、画像表示領域DAの中心に表示されたコンテンツ情報Cをユーザがより注目しているコンテンツ情報Cとして取り扱うことができる。すなわち、ユーザが注目しているコンテンツ情報Cは、画像表示領域DAの中心に表示させることが多いので、携帯用通信端末装置300は、この特性を利用してユーザが注目しているコンテンツ情報Cを的確に抽出することができる。
【0139】
また、本実施形態の携帯用通信端末装置300は、携帯用通信端末装置300の仰角EAを操作することによって、当該携帯用通信端末装置300の現実空間における現在位置Pより遠くの位置に対応付けられたコンテンツ情報Cについてユーザが注目した場合に、または、当該現在位置P周辺の位置に対応付けられたコンテンツ情報Cについてユーザが注目した場合に、当該注目したコンテンツ情報Cの重み付け係数を調整することができる。したがって、携帯用通信端末装置300は、当該携帯用通信端末装置300の現在位置Pからの距離とは無関係に、ユーザによって注目されたコンテンツ情報Cを的確に抽出することができる。
【0140】
また、本実施形態の携帯用通信端末装置300は、当該携帯用通信端末装置300の現実空間における現在位置Pより遠くの位置に対応付けられたコンテンツ情報Cについてユーザが注目した場合に、または、当該現在位置P周辺の位置に対応付けられたコンテンツ情報Cについてユーザが注目した場合に注目されたコンテンツ情報Cにおける重み付け係数を調整することができる。
【0141】
また、本実施形態の携帯用通信端末装置300は、様々な要素からユーザが注目しているコンテンツ情報Cを想定して各コンテンツ情報Cの重み係数を算出し、当該算出された各重み係数を合算してコンテンツ特徴量を補正することができるので、画像表示領域DAの中心に表示されたコンテンツ情報Cをユーザがより注目しているコンテンツ情報Cとして抽出することができる。
【0142】
また、本実施形態の携帯用通信端末装置300は、キーワードの出現頻度に基づいて各コンテンツ特徴量及び関連情報特徴量を算出することができるので、的確にコンテンツ特徴量及び関連情報特徴量を規定することができる。したがって、携帯用通信端末装置300は、的確にコンテンツ情報Cに類似する関連情報Rを抽出することができる。
【0143】
<変形例>
本実施形態の携帯用通信端末装置300は、画像表示領域DAに地図その他の現実空間を模した3次元仮想空間を表示しつつ、コンテンツ情報Cを重畳表示するようになっているが、撮像カメラ部を有し、当該撮像カメラ部によって撮像された現実空間にコンテンツ情報Cを表示させてもよい。この場合においては、上述と同様に、検出制御部に設けられたタイマーによってカウントを行うことによって、所定のタイミング毎に現在位置、方角AG及び仰角EAを算出してもよいし、撮像された現実空間のフレーム毎に、現在位置、方角AG及び仰角EAを算出してもよい。
【0144】
また、本実施形態においては、コンテンツ情報C及び関連情報Rをサーバ装置200の制御の下にデータベース100から取得するようになっているが、携帯用通信端末装置300に装着されたフラッシュメモリ、DVDまたはハードディスクなどの外部記憶媒体、または、内部に設けられたハードディスクまたは上述のROM/RAM390などの内部記憶媒体から読み出して取得してもよい。そして、これらの場合には、外部記憶媒体または内部記憶媒体は、例えば、本発明の記憶手段を構成する。
【0145】
また、本実施形態においては、関連情報R及び特定構成要素に含まれる各キーワードの特徴量に、各キーワードの出現頻度を示すTF−IDFを用いているが、単にキーワードの出現頻度の回数をカウントし当該カウント数を特徴量に用いるなど、関連情報R及び特定構成要素内における各キーワードの特徴量を算出することができるものであればよい。
【0146】
また、本実施形態においては、該当する関連情報Rを画像表示領域DAに表示することによって関連情報Rを提供するようになっているが、当該表示に代えて類似度の高い上位3位までの関連情報Rを画像表示領域DAに表示してもよいし、当該類似度の高い関連情報Rを選択表示可能なリストを表示するようにしてもよい。さらに、関連情報Rの画像表示領域への表示に代えて、関連情報Rを、予め特定された電子メールアドレスにデータとして送信し、または、画像表示領域DAに予め定められた関連情報Rを提供するURLを表示することによって、関連情報Rまたは関連情報Rに関する情報を間接的に提供するようにしてもよい。
【0147】
また、本実施形態では、携帯用通信端末装置300において、検出制御処理、表示制御処理、重み係数算出処理、補正処理、類似度算出処理及び提供処理が実行されているが、携帯用通信端末装置300またはサーバ装置200の何れかによって各種の処理が行われてもよい。この場合には、サーバ装置200と携帯用通信端末装置300との逐次的な通信によって必要なデータ授受することができるようになっている。
【0148】
すなわち、携帯用通信端末装置300は、現在位置P、方角AG及び仰角EAのみを検出し、種々の演算及び処理をサーバ装置200において実行し、受信した3次元仮想空間上にコンテンツ情報Cを表示しつつ、特定された推薦情報のみを表示するだけでもよいし、これらの処理に加えて、表示制御処理に係る処理、重み係数算出処理など、適宜必要な処理を実行してもよい。
【0149】
また、このように各種のデータ処理をサーバ装置200によって行うことができれば、上述の実施形態と同様な処理を行うことができるとともに、携帯用通信端末装置300の処理負担を軽減することができる。
【産業上の利用可能性】
【0150】
本発明のネットワークシステム10は、インターネットなどのネットワークNを用いて新聞、雑誌、書籍または論文などの情報を閲覧するシステムに適用することができる。
【符号の説明】
【0151】
B … バス
C … コンテンツ情報
R … 関連情報
AG … 方角
EA … 仰角
DA … 画像表示領域
WA、WB、WC … 重み係数
10 … ネットワークシステム
100 … データベース
200 … サーバ装置
300 … 携帯用通信端末装置
310 … 通信制御部
320 … データ処理部
321 … 検出制御部
322 … 取得処理部
323 … 表示制御処理部
324 … 重み係数算出処理部
325 … 類似度算出処理部
326 … 提供処理部
330 … 現在位置検出部
340 … 姿勢検出部
350 … 描画制御部
360 … 表示部
370 … 操作部
380 … 端末管理制御部
390 … ROM/RAM
【特許請求の範囲】
【請求項1】
現実空間の位置に対応付けられて提供されるコンテンツ情報と当該コンテンツ情報に関連する関連情報とをユーザに閲覧させる携帯用端末装置であって、
前記現実空間における現在位置を検出する現在位置検出手段と、
所定の画像表示領域を有する表示手段と、
前記現実空間における当該携帯用端末装置の向けられた方向を端末方向として検出する方向検出手段と、
前記検出した現在位置に基づいて、前記コンテンツ情報及び当該コンテンツ情報のコンテンツ特徴量を他の通信装置または記録手段から取得する取得手段と、
前記検出された端末方向に基づいて、前記検出された現在位置と前記取得されたコンテンツ情報が有する前記現実空間における位置とを関連付けつつ、前記端末方向に存在する前記取得されたコンテンツ情報を前記画像表示領域に表示させる表示制御手段と、
前記検出された端末方向または前記画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置の少なくとも何れか一方に基づいて、少なくとも当該画像表示領域に表示されているコンテンツ情報に関する重み係数を算出する重み係数算出手段と、
前記算出された重み係数を用いて、前記コンテンツ情報とともに取得したコンテンツ特徴量を補正する補正手段と、
前記補正されたコンテンツ特徴量と前記記憶手段に前記関連情報とともに記憶された関連情報特徴量とに基づいて、前記取得されたコンテンツ情報と各関連情報との類似度を算出する類似度算出手段と、
前記算出された類似度に基づいて該当する関連情報を選定する選定手段と、
を備え、
前記表示制御手段が、前記選定された関連情報または当該関連情報を特定するための特定情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする携帯用端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯用端末装置において、
前記方向検出手段が、前記端末方向として、当該携帯用端末装置の方角を検出するとともに、
前記重み付け係数算出手段が、前記検出された端末方向の方角及び現在位置に基づいて、前記取得されたコンテンツ情報の現実空間内における位置と当該携帯用端末装置の現在位置との角度差を算出し、当該算出された角度差に基づいて、当該コンテンツ情報における重み係数を算出する、携帯用端末装置。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯用端末装置において、
前記重み付け係数算出手段が、前記算出された角度差が小さいほど、前記重み付け係数が大きくなるように、当該コンテンツ情報における重み係数を算出する、携帯用端末装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の携帯用端末装置において、
前記方向検出手段が、前記端末方向として、当該携帯用端末装置の方角に対する仰角を検出するとともに、
前記重み付け係数算出手段が、前記検出された仰角の大きさに基づいて、当該コンテンツ情報における重み係数を算出する、携帯用端末装置。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯用端末装置において、
前記重み付け係数算出手段が、
前記検出された仰角に基づいて当該携帯用端末装置が水平面より上方に傾いている場合には、当該携帯用端末装置から現実空間内で遠くの位置に対応付けられているコンテンツ情報の重み係数を、現実空間内で近くの位置に対応付けられているコンテンツ情報の重み係数より大きくし、
前記検出された仰角に基づいて当該携帯用端末装置が前記水平面より下方に傾いている場合には、当該携帯用端末装置から現実空間内で近くの位置に対応付けられているコンテンツ情報の重み係数を、現実空間内で遠くの位置に対応付けられているコンテンツ情報の重み係数より大きくする、携帯用端末装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の携帯用端末装置において、
前記画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の当該画像表示領域内における表示位置の座標を検出する座標検出手段を更に有し、
前記重み付け係数算出手段が、前記画像表示領域の中心と前記表示されたコンテンツ情報の座標位置とに基づいて当該重み係数を算出する、携帯用端末装置。
【請求項7】
請求項6に記載の携帯用端末装置において、
前記重み付け係数算出手段が、前記画像表示領域の中心に近い位置に表示されているほど、コンテンツ情報の重み係数を大きくする、携帯用端末装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の携帯用端末装置において、
前記重み係数算出手段が、コンテンツ情報毎に複数の重み付け係数を算出するとともに当該算出された同一のコンテンツ情報における重み係数を合算し、
前記補正手段が、前記合算された重み係数に基づいて、該当するコンテンツ情報におけるコンテンツ特徴量を補正する、携帯用端末装置。
【請求項9】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の携帯用端末装置において、
前記コンテンツ特徴量及び前記関連情報特徴量が、前記コンテンツ情報または前記関連情報に含まれるテキスト情報を構成するキーワードの、各コンテンツ情報内または各関連情報内における出現頻度に基づいて特定された特徴量である、携帯用端末装置。
【請求項10】
コンピュータによって、現実空間の位置に対応付けられて提供されるコンテンツ情報と当該コンテンツ情報に関連する関連情報とをユーザに閲覧させる携帯用端末装置によって適用される情報閲覧用プログラムであって、
前記現実空間における現在位置を検出する現在位置検出手段と、所定の画像表示領域を有する表示手段と、前記現実空間における当該携帯用端末装置の向けられた方向を端末方向として検出する方向検出手段と、を有する携帯用端末装置に搭載されるコンピュータを、
前記検出した現在位置に基づいて、前記コンテンツ情報及び当該コンテンツ情報のコンテンツ特徴量を他の通信装置または記録手段から取得する取得手段、
前記検出された端末方向に基づいて、前記検出された現在位置と前記取得されたコンテンツ情報が有する前記現実空間における位置とを関連付けつつ、前記端末方向に存在する前記取得されたコンテンツ情報を前記画像表示領域に表示させる表示制御手段、
前記検出された端末方向または前記画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置の少なくとも何れか一方に基づいて、少なくとも当該画像表示領域に表示されているコンテンツ情報に関する重み係数を算出する重み係数算出手段、
前記算出された重み係数を用いて、前記コンテンツ情報とともに取得したコンテンツ特徴量を補正する補正手段、
前記補正されたコンテンツ特徴量と前記記憶手段に前記関連情報とともに記憶された関連情報特徴量とに基づいて、前記取得されたコンテンツ情報と各関連情報との類似度を算出する類似度算出手段、及び
前記算出された類似度に基づいて該当する関連情報を選定する選定手段、
として機能させ、
前記表示制御手段として、前記選定された関連情報または当該関連情報を特定するための特定情報を前記表示手段に表示させる機能を備えることを特徴とする情報閲覧用プログラム。
【請求項11】
現実空間を撮像する機能を有する携帯用端末装置にコンテンツ情報と当該コンテンツ情報に関連する関連情報を閲覧可能に取得させるサーバ装置であって、
前記コンテンツ情報と当該コンテンツ情報毎に前記現実空間内における位置を示す位置情報、及び、当該コンテンツ情報のコンテンツ特徴量とが記憶された第1のデータベースと、前記関連情報と当該関連情報毎に関連情報特徴量が記憶された第2のデータベースと、を制御する制御手段と、
該当する前記携帯用端末装置とデータ通信を実行することによって、当該携帯用端末装置の前記現実空間における現在位置、及び、前記現実空間における当該携帯用端末装置の向けられた端末方向を取得する取得手段と、
前記検出された端末方向に基づいて、前記検出された現在位置と前記取得されたコンテンツ情報が有する前記現実空間における位置とを関連付けつつ前記携帯用端末装置の前記画像表示領域に表示させるために、前記端末方向に存在するコンテンツ情報を提供する提供手段と、
前記検出された端末方向または前記画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置の少なくとも何れか一方に基づいて、少なくとも当該画像表示領域に表示されているコンテンツ情報に関する重み係数を算出する重み係数算出手段と、
前記算出された重み係数を用いて、前記コンテンツ情報のコンテンツ特徴量を補正する補正手段と、
前記補正されたコンテンツ特徴量と前記記憶手段に前記関連情報とともに記憶された関連情報特徴量とに基づいて、前記取得されたコンテンツ情報と各関連情報との類似度を算出する類似度算出手段と、
前記算出された類似度に基づいて該当する関連情報を選定する選定手段と、
を備え、
前記提供手段が、前記選定された関連情報または当該関連情報を特定するための特定情報を前記携帯用端末装置に提供することを特徴とするサーバ装置。
【請求項12】
コンピュータによって、現実空間を撮像する機能を有する携帯用端末装置にコンテンツ情報と当該コンテンツ情報に関連する関連情報を閲覧可能に取得させる閲覧情報提供用プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記コンテンツ情報と当該コンテンツ情報毎に前記現実空間内における位置を示す位置情報、及び、当該コンテンツ情報のコンテンツ特徴量とが記憶された第1のデータベースと、前記関連情報と当該関連情報毎に関連情報特徴量が記憶された第2のデータベースと、を制御する制御手段、
該当する前記携帯用端末装置とデータ通信を実行することによって、当該携帯用端末装置の前記現実空間における現在位置、及び、前記現実空間における当該携帯用端末装置の向けられた端末方向を取得する取得手段、
前記検出された端末方向に基づいて、前記検出された現在位置と前記取得されたコンテンツ情報が有する前記現実空間における位置とを関連付けつつ前記携帯用端末装置の前記画像表示領域に表示させるために、前記端末方向に存在する前記取得されたコンテンツ情報を提供する提供手段、
前記検出された端末方向または前記画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置の少なくとも何れか一方に基づいて、少なくとも当該画像表示領域に表示されているコンテンツ情報に関する重み係数を算出する重み係数算出手段、
前記算出された重み係数を用いて、前記コンテンツ情報のコンテンツ特徴量を補正する補正手段、
前記補正されたコンテンツ特徴量と前記記憶手段に前記関連情報とともに記憶された関連情報特徴量とに基づいて、前記取得されたコンテンツ情報と各関連情報との類似度を算出する類似度算出手段、及び
前記算出された類似度に基づいて該当する関連情報を選定する選定手段、
として機能させ、
前記提供手段として、前記選定された関連情報または当該関連情報を特定するための特定情報を前記携帯用端末装置に提供する機能を備えることを特徴とする閲覧情報提供用プログラム。
【請求項1】
現実空間の位置に対応付けられて提供されるコンテンツ情報と当該コンテンツ情報に関連する関連情報とをユーザに閲覧させる携帯用端末装置であって、
前記現実空間における現在位置を検出する現在位置検出手段と、
所定の画像表示領域を有する表示手段と、
前記現実空間における当該携帯用端末装置の向けられた方向を端末方向として検出する方向検出手段と、
前記検出した現在位置に基づいて、前記コンテンツ情報及び当該コンテンツ情報のコンテンツ特徴量を他の通信装置または記録手段から取得する取得手段と、
前記検出された端末方向に基づいて、前記検出された現在位置と前記取得されたコンテンツ情報が有する前記現実空間における位置とを関連付けつつ、前記端末方向に存在する前記取得されたコンテンツ情報を前記画像表示領域に表示させる表示制御手段と、
前記検出された端末方向または前記画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置の少なくとも何れか一方に基づいて、少なくとも当該画像表示領域に表示されているコンテンツ情報に関する重み係数を算出する重み係数算出手段と、
前記算出された重み係数を用いて、前記コンテンツ情報とともに取得したコンテンツ特徴量を補正する補正手段と、
前記補正されたコンテンツ特徴量と前記記憶手段に前記関連情報とともに記憶された関連情報特徴量とに基づいて、前記取得されたコンテンツ情報と各関連情報との類似度を算出する類似度算出手段と、
前記算出された類似度に基づいて該当する関連情報を選定する選定手段と、
を備え、
前記表示制御手段が、前記選定された関連情報または当該関連情報を特定するための特定情報を前記表示手段に表示させることを特徴とする携帯用端末装置。
【請求項2】
請求項1に記載の携帯用端末装置において、
前記方向検出手段が、前記端末方向として、当該携帯用端末装置の方角を検出するとともに、
前記重み付け係数算出手段が、前記検出された端末方向の方角及び現在位置に基づいて、前記取得されたコンテンツ情報の現実空間内における位置と当該携帯用端末装置の現在位置との角度差を算出し、当該算出された角度差に基づいて、当該コンテンツ情報における重み係数を算出する、携帯用端末装置。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯用端末装置において、
前記重み付け係数算出手段が、前記算出された角度差が小さいほど、前記重み付け係数が大きくなるように、当該コンテンツ情報における重み係数を算出する、携帯用端末装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか一項に記載の携帯用端末装置において、
前記方向検出手段が、前記端末方向として、当該携帯用端末装置の方角に対する仰角を検出するとともに、
前記重み付け係数算出手段が、前記検出された仰角の大きさに基づいて、当該コンテンツ情報における重み係数を算出する、携帯用端末装置。
【請求項5】
請求項4に記載の携帯用端末装置において、
前記重み付け係数算出手段が、
前記検出された仰角に基づいて当該携帯用端末装置が水平面より上方に傾いている場合には、当該携帯用端末装置から現実空間内で遠くの位置に対応付けられているコンテンツ情報の重み係数を、現実空間内で近くの位置に対応付けられているコンテンツ情報の重み係数より大きくし、
前記検出された仰角に基づいて当該携帯用端末装置が前記水平面より下方に傾いている場合には、当該携帯用端末装置から現実空間内で近くの位置に対応付けられているコンテンツ情報の重み係数を、現実空間内で遠くの位置に対応付けられているコンテンツ情報の重み係数より大きくする、携帯用端末装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の携帯用端末装置において、
前記画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の当該画像表示領域内における表示位置の座標を検出する座標検出手段を更に有し、
前記重み付け係数算出手段が、前記画像表示領域の中心と前記表示されたコンテンツ情報の座標位置とに基づいて当該重み係数を算出する、携帯用端末装置。
【請求項7】
請求項6に記載の携帯用端末装置において、
前記重み付け係数算出手段が、前記画像表示領域の中心に近い位置に表示されているほど、コンテンツ情報の重み係数を大きくする、携帯用端末装置。
【請求項8】
請求項1乃至7の何れか一項に記載の携帯用端末装置において、
前記重み係数算出手段が、コンテンツ情報毎に複数の重み付け係数を算出するとともに当該算出された同一のコンテンツ情報における重み係数を合算し、
前記補正手段が、前記合算された重み係数に基づいて、該当するコンテンツ情報におけるコンテンツ特徴量を補正する、携帯用端末装置。
【請求項9】
請求項1乃至5の何れか一項に記載の携帯用端末装置において、
前記コンテンツ特徴量及び前記関連情報特徴量が、前記コンテンツ情報または前記関連情報に含まれるテキスト情報を構成するキーワードの、各コンテンツ情報内または各関連情報内における出現頻度に基づいて特定された特徴量である、携帯用端末装置。
【請求項10】
コンピュータによって、現実空間の位置に対応付けられて提供されるコンテンツ情報と当該コンテンツ情報に関連する関連情報とをユーザに閲覧させる携帯用端末装置によって適用される情報閲覧用プログラムであって、
前記現実空間における現在位置を検出する現在位置検出手段と、所定の画像表示領域を有する表示手段と、前記現実空間における当該携帯用端末装置の向けられた方向を端末方向として検出する方向検出手段と、を有する携帯用端末装置に搭載されるコンピュータを、
前記検出した現在位置に基づいて、前記コンテンツ情報及び当該コンテンツ情報のコンテンツ特徴量を他の通信装置または記録手段から取得する取得手段、
前記検出された端末方向に基づいて、前記検出された現在位置と前記取得されたコンテンツ情報が有する前記現実空間における位置とを関連付けつつ、前記端末方向に存在する前記取得されたコンテンツ情報を前記画像表示領域に表示させる表示制御手段、
前記検出された端末方向または前記画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置の少なくとも何れか一方に基づいて、少なくとも当該画像表示領域に表示されているコンテンツ情報に関する重み係数を算出する重み係数算出手段、
前記算出された重み係数を用いて、前記コンテンツ情報とともに取得したコンテンツ特徴量を補正する補正手段、
前記補正されたコンテンツ特徴量と前記記憶手段に前記関連情報とともに記憶された関連情報特徴量とに基づいて、前記取得されたコンテンツ情報と各関連情報との類似度を算出する類似度算出手段、及び
前記算出された類似度に基づいて該当する関連情報を選定する選定手段、
として機能させ、
前記表示制御手段として、前記選定された関連情報または当該関連情報を特定するための特定情報を前記表示手段に表示させる機能を備えることを特徴とする情報閲覧用プログラム。
【請求項11】
現実空間を撮像する機能を有する携帯用端末装置にコンテンツ情報と当該コンテンツ情報に関連する関連情報を閲覧可能に取得させるサーバ装置であって、
前記コンテンツ情報と当該コンテンツ情報毎に前記現実空間内における位置を示す位置情報、及び、当該コンテンツ情報のコンテンツ特徴量とが記憶された第1のデータベースと、前記関連情報と当該関連情報毎に関連情報特徴量が記憶された第2のデータベースと、を制御する制御手段と、
該当する前記携帯用端末装置とデータ通信を実行することによって、当該携帯用端末装置の前記現実空間における現在位置、及び、前記現実空間における当該携帯用端末装置の向けられた端末方向を取得する取得手段と、
前記検出された端末方向に基づいて、前記検出された現在位置と前記取得されたコンテンツ情報が有する前記現実空間における位置とを関連付けつつ前記携帯用端末装置の前記画像表示領域に表示させるために、前記端末方向に存在するコンテンツ情報を提供する提供手段と、
前記検出された端末方向または前記画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置の少なくとも何れか一方に基づいて、少なくとも当該画像表示領域に表示されているコンテンツ情報に関する重み係数を算出する重み係数算出手段と、
前記算出された重み係数を用いて、前記コンテンツ情報のコンテンツ特徴量を補正する補正手段と、
前記補正されたコンテンツ特徴量と前記記憶手段に前記関連情報とともに記憶された関連情報特徴量とに基づいて、前記取得されたコンテンツ情報と各関連情報との類似度を算出する類似度算出手段と、
前記算出された類似度に基づいて該当する関連情報を選定する選定手段と、
を備え、
前記提供手段が、前記選定された関連情報または当該関連情報を特定するための特定情報を前記携帯用端末装置に提供することを特徴とするサーバ装置。
【請求項12】
コンピュータによって、現実空間を撮像する機能を有する携帯用端末装置にコンテンツ情報と当該コンテンツ情報に関連する関連情報を閲覧可能に取得させる閲覧情報提供用プログラムであって、
前記コンピュータを、
前記コンテンツ情報と当該コンテンツ情報毎に前記現実空間内における位置を示す位置情報、及び、当該コンテンツ情報のコンテンツ特徴量とが記憶された第1のデータベースと、前記関連情報と当該関連情報毎に関連情報特徴量が記憶された第2のデータベースと、を制御する制御手段、
該当する前記携帯用端末装置とデータ通信を実行することによって、当該携帯用端末装置の前記現実空間における現在位置、及び、前記現実空間における当該携帯用端末装置の向けられた端末方向を取得する取得手段、
前記検出された端末方向に基づいて、前記検出された現在位置と前記取得されたコンテンツ情報が有する前記現実空間における位置とを関連付けつつ前記携帯用端末装置の前記画像表示領域に表示させるために、前記端末方向に存在する前記取得されたコンテンツ情報を提供する提供手段、
前記検出された端末方向または前記画像表示領域に表示されたコンテンツ情報の表示位置の少なくとも何れか一方に基づいて、少なくとも当該画像表示領域に表示されているコンテンツ情報に関する重み係数を算出する重み係数算出手段、
前記算出された重み係数を用いて、前記コンテンツ情報のコンテンツ特徴量を補正する補正手段、
前記補正されたコンテンツ特徴量と前記記憶手段に前記関連情報とともに記憶された関連情報特徴量とに基づいて、前記取得されたコンテンツ情報と各関連情報との類似度を算出する類似度算出手段、及び
前記算出された類似度に基づいて該当する関連情報を選定する選定手段、
として機能させ、
前記提供手段として、前記選定された関連情報または当該関連情報を特定するための特定情報を前記携帯用端末装置に提供する機能を備えることを特徴とする閲覧情報提供用プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−141768(P2012−141768A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−293697(P2010−293697)
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月28日(2010.12.28)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】
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